JP2005314289A - 紫外線障害抑制剤 - Google Patents
紫外線障害抑制剤 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2005314289A JP2005314289A JP2004133989A JP2004133989A JP2005314289A JP 2005314289 A JP2005314289 A JP 2005314289A JP 2004133989 A JP2004133989 A JP 2004133989A JP 2004133989 A JP2004133989 A JP 2004133989A JP 2005314289 A JP2005314289 A JP 2005314289A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- ultraviolet
- inhibitor
- active ingredient
- damage
- caused
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Medicines Containing Plant Substances (AREA)
- Acyclic And Carbocyclic Compounds In Medicinal Compositions (AREA)
- Cosmetics (AREA)
Abstract
【課題】 紫外線を吸収し、あるいは、紫外線照射により引き起こされる反応を抑制して紫外線による皮膚障害を抑制し、皮膚老化防止作用を呈する化粧料を得る。
【解決手段】 アブラナ科植物に含まれる有効成分として含有し、紫外線を吸収し、あるいは、紫外線照射により引き起こされる反応を抑制して紫外線による皮膚障害を抑制する。アブラナ科植物に含まれる成分としては、アブラナ科植物の粉砕、すりおろし等の物理的手段、溶媒による抽出手段、乾燥手段、またはこれらの組み合わせによって得られる、アブラナ科植物に含まれる成分の代表例としては、6−メチルスルフィニルヘキシルイソチオシアネートが挙げられる。
【解決手段】 アブラナ科植物に含まれる有効成分として含有し、紫外線を吸収し、あるいは、紫外線照射により引き起こされる反応を抑制して紫外線による皮膚障害を抑制する。アブラナ科植物に含まれる成分としては、アブラナ科植物の粉砕、すりおろし等の物理的手段、溶媒による抽出手段、乾燥手段、またはこれらの組み合わせによって得られる、アブラナ科植物に含まれる成分の代表例としては、6−メチルスルフィニルヘキシルイソチオシアネートが挙げられる。
Description
本発明は紫外線を吸収し、あるいは紫外線照射により引き起こされる各種反応を抑制することで、皮膚に生じる障害を抑制し、皮膚老化防止用化粧品に利用される紫外線障害抑制剤および化粧品に関する。
人の皮膚の老化の代表的な変化としては、シワやタルミ、シミ、クスミであり、女性、特に高年齢の女性には大きな悩みとなっている。これらの変化は皮膚表皮細胞や真皮細胞の構造変化や細胞外マトリクスの変化、細胞障害等が原因となって起こり、これらを惹起する大きな要因の一つとして紫外線が挙げられる。つまり、紫外線を浴びることにより表皮細胞や真皮細胞層に様々なラジカル種が発生し、細胞や皮膚を構成するマトリクスが障害を受け、シワやタルミ、シミ、クスミが促進される。
これら紫外線による損傷は、紫外線を浴びた時にだけ引き起こされるものではなく、数時間から数日にかけて皮膚内部で連鎖反応的に進行していく。その連鎖反応のカギを握っている物質が様々なラジカル種であるとされており、ラジカル種を消去することでこれら
連鎖反応の進行を止める、あるいは弱めることができると考えられている。
連鎖反応の進行を止める、あるいは弱めることができると考えられている。
これらの観点から、従来、シミの予防等にはハイドロキノンおよびその誘導体、コウジ酸、アスコルビン酸誘導体等の抗酸化性の強い成分が使用されているが、いずれも安全性に問題があったり、安定性や効果についても不充分であった。また、紫外線をカットする日焼け止めクリームも市販されているが、酸化チタン等を配合して紫外線を散乱させ、皮膚に届かないようにするためのものである。これらは、外出時に使用するものであり、日常的に使用するためのものではない。
さらに、カタラーゼ作用を有する物質を配合して老化防止や色素沈着を防止する試みもなされているが(特願平9−291023)、UVA(320〜400nm)と呼ばれる紫外線の中でも長波長による障害を抑制するのみであり、炎症等を引き起こすUVB(280〜320nm)に関しては述べられていない。他にもメラニンの生成に関与しているチロシナーゼを阻害する作用を有する抽出物も提案されているが(特開平5−163135)、皮膚のクスミやシミは単純にチロシナーゼを阻害するだけで完全に防止できるものではない。
特願平9−291023号
特開平5−163135号公報
そこで、本発明の課題は皮膚の老化に伴って起こる様々な変化の大きな要因である紫外線による障害を防止し、皮膚老化の予防に有効な紫外線障害抑制剤およびこれを用いた化粧品を提供することにある。
上述の課題を解決するため、本発明の紫外線障害抑制剤によれば、アブラナ科植物に含まれる成分を有効成分として含有し、紫外線を吸収し、あるいは紫外線照射により引き起される各種反応を抑制することで、皮膚に生じる障害を抑制することを特徴とする。
さらに、上述の課題を解決するため、本発明の紫外線障害抑制剤によれば、化学合成によって得られるω−メチルスルフィニルアルキルイソチオシアネート(ただし、アルキル基の炭素数が4〜8)を有効成分として含有し、紫外線を吸収し、あるいは紫外線照射により引き起こされる反応を抑制し、これにより皮膚に生じる障害を抑制することを特徴とする。
さらにまた、上述の課題を解決するため、本発明の紫外線障害抑制剤によれば、本わさび葉の抽出物およびω−メチルスルフィニルアルキルイソチオシアネート(ただし、アルキル基の炭素数が4〜8)の併用物を有効成分として含有し、紫外線を吸収し、あるいは紫外線照射により引き起こされる反応を抑制し、これにより皮膚に生じる障害を抑制することを特徴とする。
さらに、上述の課題を解決するため、本発明の化粧品によれば、次の(a)、(b)および(c)から選択される紫外線障害抑制剤の一種または複数種を化粧成分として利用し、紫外線を吸収し、あるいは紫外線照射により引き起こされる反応を抑制し、これにより皮膚に生じる障害を抑制することを特徴とする。
(a)アブラナ科植物に含まれる成分を有効成分として含有する紫外線障害抑制剤。
(b)化学合成によって得られるω−メチルスルフィニルアルキルイソチオシアネート(ただし、アルキル基の炭素数が4〜8)を有効成分として含有する紫外線障害抑制剤。
(c)本わさび葉の抽出物およびω−メチルスルフィニルアルキルイソチオシアネート(ただし、アルキル基の炭素数が4〜8)の併用物を有効成分として含有する紫外線障害抑制剤。
上述の本発明にかかる紫外線障害抑制剤は紫外線を吸収し、あるいは紫外線照射により引き起こされる各種反応を抑制することで皮膚に生じる障害を抑制し、優れた紫外線障害抑制作用を呈し、皮膚老化防止作用を有する化粧料を得る。
アブラナ科植物に有効成分として含まれる本発明に用いられる成分はアブラナ科植物を粉砕、すりおろし、あるいは凍結すりおろし等の物理的手段により、あるいは、メタノール、エタノール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、ブタノール、イソブタノール、ブチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、アセトン、ヘキサン、ジエチルエーテル、酢酸エチル等の溶媒による抽出手段により、さらには、熱風乾燥、真空乾燥、凍結真空乾燥等の乾燥手段により、あるいはさらに、これら物理的手段、溶媒抽出手段、および乾燥手段を組み合わせることにより得られる。
ここで用いられるアブラナ科植物としては、本わさび、西洋わさび、キャベツ、ブロッコリー、クレソン、芽キャベツ、カリフラワー、大根、からみ大根、ナタネ、からし菜等が挙げられ、特に本わさびが好ましい。なお、本発明において、これらアブラナ科植物は単独で、あるいは複数種を組み合わせて用いられる。
アブラナ科植物に含まれる上述成分の代表例としては、ω−メチルスルフィニルアルキルイソチオシアネート(以下、「イソチオシアネール類」という)が挙げられる。これはアルキル基の炭素数が4〜8を有し、活性酸素産生抑制作用を呈する物質であり、具体的には4−メチルスルフィニルブチルイソチオシアネート、5−メチルスルフィニルペンチルイソチオシアネート、6−メチルスルフィニルヘキシルイソチオシアネート、7−メチルスルフィニルへプチルイソチオシアネート、8−メチルスルフィニルオクチルイソチオシアネートである。この中で特に6−メチルスルフィニルヘキシルイソチオシアネートが好ましい。本発明ではこれら物質を単独で、または複数種を組み合わせて使用される。
さらに、上述のイソチオシアネート類は各種化学合成法によって合成される。ここで、
イソチオシアネート類の化学合成法を説明すると、以下のとおりである。
イソチオシアネート類の化学合成法を説明すると、以下のとおりである。
原理的にはKiaer等の方法に従う。(Kiaer et.al. Acta chem.Scand, 11, 1298, 1957年)。出発物質としてω−クロロアルケノールを用い、CH3−SNaと還流してω−メチルチオアルケノールを得、これにSOCl2を作用させてω−クロロアルケノールメチルサルファイドを得る。
次にガブリエル法を用いてアミノ基を導入し、N−(ω−メチルチオアルキル)−フタルイミドを生成し、これらにヒドラジン水化物を加えて還流し、ω―メチルチオアルキルアミンを得る。さらに、Li等の方法(Lietal. J. Org. Chem., 62, 4539, 1997年)に従い、ラウチムジスルフイドを経て得られたω−メチルチオアルキルイソチオシアネートをm―クロロ過安息香酸でメチルチオ基を酸化し、ω−メチルスルフィニルアルキルイソチオシアネートを得る。
アブラナ科植物からの抽出物、特に、本わさび葉の抽出物とω−メチルスルフィニルアルキルイソチオシアネートは混合しても併用して用いても良い。また、この配合量はそれぞれ0.01μg/ml〜10mg/mlの範囲で効果が期待でき、特に、アブラナ科植物からの抽出物は0.1μg/ml〜10mg/mlの濃度を、ω−メチルスルフィニルアルキルイソチオシアネートは0.01μg/ml〜0.1mg/mlの濃度が好ましい。
また、本発明の剤形・形態は任意であり、カプセル、粉末、顆粒、固形、液体、ゲル、乳液、クリーム、軟膏、シート、パック等の形態で利用できる。その利用分野は、外用製剤全般において利用でき、医薬品、医薬部外品や化粧料等、例えば、化粧水、美容液、乳液、クリーム、ローション等の基礎化粧品類、洗顔料や皮膚洗浄剤、マッサージ用剤、クレンジング用剤、香水、日焼け止めクリーム、シャンプー、リンス、ボデイーソープ、固形石鹸、シェービングクリーム、ヘアートニック、育毛、養毛剤、整髪料、浴用剤、制汗剤、防臭剤としても用いることができる。
本発明には、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の成分や添加剤を配合でき、例えば、美白剤としてはハイドロキノンおよびその誘導体、コウジ酸、アスコルビン酸誘導体等、さらにはシワやシミに有効とされているイソフラボン、コラーゲン、セラミド、ヒアルロン酸等の成分、また、各種油脂類として、シソ油、ホホバ油、エゴマ油、オリーブ油、オレンジ油、サフラワー油、ナタネ油、ヤシ油、パーム油、スクワレン、スクワランが挙げられ、ロウ類としては、ミツロウ、カルナバロウ、鯨ロウ、ラノリン、セラックロウ、ライスワックス等、鉱物油として、流動パラフイン、ワセリン、パラフイン等、脂肪酸類として、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、ドコサヘキサエン酸、エイコサペンタエン酸等の天然油脂やカプロン酸、イソペンタン酸等の合成油脂、アルコール類として、エタノール、イソピロパノール、コレステロール、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、キシリト−ル、ソルビトール、マンニトール等が挙げられる。
さらに、エステル類や貴金属石鹸類、ガム質、糖類、水溶性高分子化合物、界面活性剤、ビタミン類、アミノ酸類、ペプチド類、低分子たんぱく質類、色素類、香料類、防腐剤、酸化防止剤、PH調整剤、キレート剤、安定化剤、乳化剤、ホルモン類、各種薬剤、植物系・動物系原料由来の成分等、これらを任意に組み合わせ、または加工を行ったものを用いることができる。
このようにして得られる本発明は紫外線を浴びたことによる起こる様々な皮膚の変化、例えば、シワやタルミ、シミ、クスミを防止する目的で使用される。ここで、紫外線障害抑制剤、皮膚老化防止剤、皮膚外用剤及び化粧料組成物とは、医薬品、医薬部外品、化粧品を含む。
本わさび根茎部1.0gをすりおろし、37℃の温度で3時間酵素反応を起こさせ、減圧して辛味を除去した。次いで、これに4倍量の50%エタノールを加えて3時間常温で攪拌し、抽出液を濾過後、減圧濃縮した。得られた濃縮液を凍結真空乾燥することにより、6−メチルスルフィニルヘキシルイソチオシアネート(以下「6−MSITC」という)の含有率が0.7%のわさびパウダー25.2gを得た。
6−メチルスルフィニルヘキシルイソチオシアネートの合成
メタノール80mlに15%メチルメルカプタンナトリウム溶液26gを加え、これに氷冷下、6−ブロモへキサンニトリル10gをゆっくり滴下した。滴下後、氷冷下で2分攪拌し、さらに室温で3時間攪拌した。次いで、エバポレーターでメタノールを完全に留去し、得られた残渣に水40mlを加え、ジエチルエーテル40mlで3回抽出し、エーテル層を得た。これを5%塩酸、水、および飽和食塩水で順番に洗浄し、6−メチルチオへキサンニトリル7.5%を得た。
メタノール80mlに15%メチルメルカプタンナトリウム溶液26gを加え、これに氷冷下、6−ブロモへキサンニトリル10gをゆっくり滴下した。滴下後、氷冷下で2分攪拌し、さらに室温で3時間攪拌した。次いで、エバポレーターでメタノールを完全に留去し、得られた残渣に水40mlを加え、ジエチルエーテル40mlで3回抽出し、エーテル層を得た。これを5%塩酸、水、および飽和食塩水で順番に洗浄し、6−メチルチオへキサンニトリル7.5%を得た。
次に、ジエチルエーテル160mlに攪拌しながらリチウムアルミニウムハイドライド4gを加え、アルゴン置換の後、6−メチルチオへキサンニトリルのジエチルエーテル溶液を加え、室温で2時間攪拌した。次いで氷冷下で水4ml、15%水酸化ナトリウム水溶液4ml、および水10mlを順次に加えた後、ろ過し、ろ液をジエチルエーテル50mlで抽出した。得られたエーテル層を水、および飽和食塩水の順で洗浄し、ぼう硝で脱水後、エバポレーターで減圧濃縮し、6−メチルチオヘキシルアミン6.9gを得た。
次いで、さらに、二硫化炭素3.4gに水酸化ナトリウム水溶液1.8g/4mlを加え、10℃で6−メチルチオへキサンニトリル6.4gをゆっくり加え、徐々に反応温度を上げ、80℃で2時間攪拌した。その後、40℃に冷却し、クロロギ酸エチル4.8gをゆっくり加え、1時間攪拌した。これをジクロロメタンで抽出し、抽出液をぼう硝で脱水後、エバポレーターで減圧留去した。残渣を100℃で2時間攪拌の後、冷却した。これをシリカゲルカラムクロマトグラフイーに供し、6−メチルチオヘキシルイソチオシアネート6.4gを得た。
さらに、6−メチルチオヘキシルイソチオシアネート2.0gを酢酸エチル400mlに溶解し、氷冷下、m−クロロ過安息香酸2.5gをゆっくり加え、1時間攪拌した。これを5%炭酸水素ナトリウム溶液、水、および飽和食塩水で順次洗浄し、ぼう硝で脱水後、エバポレーターで濃縮乾固した。得られた乾固物をシリカゲルカラムクロマトグラフイーに供し、6−メチルスルフィニルヘキシルイソチオシアネート1.5gを得た。
本わさび葉2.0kgを5mm角に裁断し、4倍量の水を加えて2時間常温で攪拌し、ろ過後、得られた抽出液を減圧濃縮した。得られた濃縮液を凍結真空乾燥することにより、本わさび葉抽出物54.0g得た。
本わさび葉2.0kgを5mm角に裁断し、4倍量の50%エタノールを加えて2時間常温にて攪拌し、ろ過後得られた抽出液を減圧濃縮した。得られた濃縮液を凍結真空乾燥することにより、本わさび葉抽出物を49.4gを得た。
ブロッコリー2.0kgを細かく裁断し、4倍量のブチレングリコールを加えて2時間常温で攪拌し、ろ過後得られた抽出液を減圧濃縮・乾固して、ブロッコリー抽出物31.3gを得た。
実施例2で得られた合成6−メチルスルフィニルヘキシルイソチオシアネートおよび実施例3で得られた本わさび葉抽出物を1:1(重量比)の割合で混合して試料とした。
実施例2と実施例3で得られた試料を1:1の割合で混合して試料を得た。
紫外線障害に対する作用
表皮細胞をHumedia KG2を用いて96穴マイクロプレートにほぼ全面に広がるまで播種した。播種後実施例1〜6で得られた各試料を培地に所定濃度になるように添加し、24時間培養した。次いで細胞をHunk’s buffered solution(Ca2+、Mg2+無含有;HBS(-))
で洗浄して試料未添加のHBS(-)に培地を交換した後、東芝FL−SEランプを光源とするUVBを所定エネルギー細胞に照射した。アルミ箔でカバーし、UVBを遮蔽したUVB未照射細胞をコントロールとした。照射後、HBS(-)に試料を所定濃度添加したKG2に培地交換し、さらに24時間培養した。
表皮細胞をHumedia KG2を用いて96穴マイクロプレートにほぼ全面に広がるまで播種した。播種後実施例1〜6で得られた各試料を培地に所定濃度になるように添加し、24時間培養した。次いで細胞をHunk’s buffered solution(Ca2+、Mg2+無含有;HBS(-))
で洗浄して試料未添加のHBS(-)に培地を交換した後、東芝FL−SEランプを光源とするUVBを所定エネルギー細胞に照射した。アルミ箔でカバーし、UVBを遮蔽したUVB未照射細胞をコントロールとした。照射後、HBS(-)に試料を所定濃度添加したKG2に培地交換し、さらに24時間培養した。
次に細胞を20μg/mlニュ−トラルレッド(NR)含有KG2培地で2時間培養した。生細胞が取り込んだNRの量を、30%エタノール含有0.1N HCl溶液を用いて溶解した細胞溶解液を550nmでの吸光度を測定することにより求めた。細胞の生存率はコントロ−ル細胞の吸光度を100とした百分率で表した。結果は表1に示した。
(結果)
表1より、実施例1〜6より得られた試料において、0.01μg/ml〜10,000μg/mlの範囲で、紫外線の照射による障害を抑制していることが明らかとなった。
表1より、実施例1〜6より得られた試料において、0.01μg/ml〜10,000μg/mlの範囲で、紫外線の照射による障害を抑制していることが明らかとなった。
紫外線吸収作用
表皮細胞をHumedia KG2を用いて96穴マイクロプレートにほぼ全面に広がるまで播種した。播種24時間後に所定濃度の実施例1、3、4で得られた試料を含有したHunk’s buffered solution(Ca2+,Mg2+無含有;HBS(-))に交換した後、東芝FL−SEランプを光源とするUVBを所定エネルギー細胞に照射した。アルミ箔にてカバーし、UVBを遮蔽したUVB未照射細胞をコントロールとした。
表皮細胞をHumedia KG2を用いて96穴マイクロプレートにほぼ全面に広がるまで播種した。播種24時間後に所定濃度の実施例1、3、4で得られた試料を含有したHunk’s buffered solution(Ca2+,Mg2+無含有;HBS(-))に交換した後、東芝FL−SEランプを光源とするUVBを所定エネルギー細胞に照射した。アルミ箔にてカバーし、UVBを遮蔽したUVB未照射細胞をコントロールとした。
照射後、HBS(-)にKG2に培地交換し、さらに24時間培養した。次に細胞を20μg/mlニュ−トラルレッド(NR)含有KG2培地で2時間培養した。生細胞が取り込んだNRの量を、30%エタノール含有0.1N HCl溶液により、溶解した細胞溶解液を550nmでの吸光度を測定することにより求めた。細胞の生存率はコントロ−ル細胞の吸光度を100とした百分率で表した。結果を表2に示した。
(結果)
結果から明らかなように、明らかに紫外線による障害を抑制する作用が確認された。また、実施例7と実施例8を比較すると、紫外線照射時に試料を共存させている実施例8の方が明らかに細胞障害の抑制率は高かった。このことは、本発明の素材が紫外線の吸収作用に起因しない紫外線障害抑制作用を有するだけではなく、紫外線吸収作用による紫外線障害抑制作用も有していることを示している。
結果から明らかなように、明らかに紫外線による障害を抑制する作用が確認された。また、実施例7と実施例8を比較すると、紫外線照射時に試料を共存させている実施例8の方が明らかに細胞障害の抑制率は高かった。このことは、本発明の素材が紫外線の吸収作用に起因しない紫外線障害抑制作用を有するだけではなく、紫外線吸収作用による紫外線障害抑制作用も有していることを示している。
美容液の調製
次の1〜10に示される材料を準備した。
1.精製水 52.15%(重量%)
2.グリセリン 10.0%
3.ショ糖脂肪酸エステル 1.3%
4.カルボキシビニルポリマー 17.5%
5.アルギン酸ナトリウム 15.0%
6.モノラウリン酸ポリグリセリル 1.0%
7.コラーゲン 1.0%
8.わさび葉水抽出物 0.05%
9.スクワラン 1.0%
10. ミツロウ 1.0%
次の1〜10に示される材料を準備した。
1.精製水 52.15%(重量%)
2.グリセリン 10.0%
3.ショ糖脂肪酸エステル 1.3%
4.カルボキシビニルポリマー 17.5%
5.アルギン酸ナトリウム 15.0%
6.モノラウリン酸ポリグリセリル 1.0%
7.コラーゲン 1.0%
8.わさび葉水抽出物 0.05%
9.スクワラン 1.0%
10. ミツロウ 1.0%
上述No.1〜8の水相成分を混合し、75℃の温度で加熱溶解した。次いで、上述9〜10の油相成分を75℃の温度で加熱溶解した後、両者を混合して予備乳化した。その後、ホモミキサーで均一に乳化させ、冷却して美容液とした。
クリームの調製
次の1〜12に示される材料を準備した。
1.スクワラン 10.0%(重量%)
2.ステアリン酸 2.0%
3.水素添加パーム油 0.5%
4.親油性モノステアリン酸グリセリン 2.0%
5.グリセリン 12.0%
6.パラオキシ安息香酸メチル 0.1%
7.ヒアルロン酸 2.0%
8.アルギニン 13.0%
9.精製水 43.34%
10. カルボシキビニルポリマー 15.0%
11. わさび根茎部50%エタノール抽出物 0.01%
12. わさび葉水抽出物 0.05%
次の1〜12に示される材料を準備した。
1.スクワラン 10.0%(重量%)
2.ステアリン酸 2.0%
3.水素添加パーム油 0.5%
4.親油性モノステアリン酸グリセリン 2.0%
5.グリセリン 12.0%
6.パラオキシ安息香酸メチル 0.1%
7.ヒアルロン酸 2.0%
8.アルギニン 13.0%
9.精製水 43.34%
10. カルボシキビニルポリマー 15.0%
11. わさび根茎部50%エタノール抽出物 0.01%
12. わさび葉水抽出物 0.05%
上述No.1〜4の油相成分を混合し、80℃の温度で加熱溶解した。次いで、上述No.5〜12の水相成分を75℃の温度で加熱溶解させ、両者を混合して予備乳化した。その後ホモミキサーで均一に乳化させ、冷却してクリームとした。
上述実施例9の美容液および実施例10のクリームを併用してこれらの使用試験を行った。評価項目はシワ、タルミ、シミ、クスミについて改善効果を自己評価した。比較例として、わさび成分を配合しない美容液とクリームをブラインドで使用した。
上述美容液およびクリームを併用して40歳〜60歳のパネラー24名に1ケ月間使用してもらい、使用前後の評価を、改善した、やや改善した、変化なしの三段階で評価した。結果を表3に示す。
(結果)
表3より明らかなように、わさび成分を配合した美容液とクリームを併用した場合、シワ、タルミ、シミ、クスミといった皮膚老化に関する評価に改善が見られた。
表3より明らかなように、わさび成分を配合した美容液とクリームを併用した場合、シワ、タルミ、シミ、クスミといった皮膚老化に関する評価に改善が見られた。
本発明にかかる紫外線障害抑制剤はアブラナ科植物に含まれる成分を有効成分として含有し、紫外線を吸収し、あるいは、紫外線照射により引き起こされる反応を抑制することで紫外線による障害、例えば紫外線による皮膚障害を抑制し、皮膚老化防止用の化粧料としての利用可能性を有している。
Claims (10)
- アブラナ科植物に含まれる成分を有効成分として含有し、紫外線を吸収し、あるいは紫外線照射により引き起こされる反応を抑制し、これにより皮膚に生じる障害を抑制することを特徴とする紫外線障害抑制剤。
- 請求項1において、アブラナ科植物が本わさびである請求項1に記載の紫外線障害抑制剤。
- 請求項1において、アブラナ科植物が本わさび葉である請求項1に記載の紫外線障害抑制剤。
- 請求項1において、アブラナ科植物に含まれる成分がアブラナ科植物の粉砕またはすりおろしの物理的手段、溶媒による抽出手段、乾燥手段またはこれらの組み合わせによって得られる請求項1に記載の紫外線障害抑制剤。
- 請求項1において、アブラナ科植物に含まれる成分がω−メチルスルフィニルアルキルイソチオシアネート(ただし、アルキル基の炭素数が4〜8)である請求項1に記載の紫外線障害抑制剤。
- 請求項5において、ω−メチルスルフィニルアルキルイソチオシアネートが6−メチルスルフィニルヘキシルイソチオシアネートである請求項5に記載の紫外線障害抑制剤。
- 化学合成によって得られるω−メチルスルフィニルアルキルイソチオシアネート(ただし、アルキル基の炭素数が4〜8)を有効成分として含有し、紫外線を吸収し、あるいは紫外線照射により引き起こされる反応を抑制し、これにより皮膚に生じる障害を抑制することを特徴とする紫外線障害抑制剤。
- 本わさび葉の抽出物およびω−メチルスルフィニルアルキルイソチオシアネート(ただし、アルキル基の炭素数が4〜8)の併用物を有効成分として含有し、紫外線を吸収し、あるいは紫外線照射により引き起こされる反応を抑制し、これにより皮膚に生じる障害を抑制することを特徴とする紫外線障害抑制剤。
- 次の(a)、(b)および(c)から選択される紫外線障害抑制剤の一種または複数種を化粧成分として利用し、紫外線を吸収し、あるいは紫外線照射により引き起こされる反応を抑制し、これにより皮膚に生じる障害を抑制することを特徴とする化粧品。
(a)アブラナ科植物に含まれる成分を有効成分として含有する紫外線障害抑制剤。
(b)化学合成によって得られるω−メチルスルフィニルアルキルイソチオシアネート(ただし、アルキル基の炭素数が4〜8)を有効成分として含有する紫外線障害抑制剤。
(c)本わさび葉の抽出物およびω−メチルスルフィニルアルキルイソチオシアネート(ただし、アルキル基の炭素数が4〜8)の併用物を有効成分として含有する紫外線障害抑制剤。 - 請求項9において、有効成分の配合量が0.01μg/ml〜10mg/mlである請求項9に記載の化粧品。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004133989A JP2005314289A (ja) | 2004-04-28 | 2004-04-28 | 紫外線障害抑制剤 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004133989A JP2005314289A (ja) | 2004-04-28 | 2004-04-28 | 紫外線障害抑制剤 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2005314289A true JP2005314289A (ja) | 2005-11-10 |
Family
ID=35442080
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2004133989A Pending JP2005314289A (ja) | 2004-04-28 | 2004-04-28 | 紫外線障害抑制剤 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2005314289A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007137768A (ja) * | 2005-11-14 | 2007-06-07 | Eikoudou:Kk | 皮膚若しくは毛髪用化粧料 |
JP2008013487A (ja) * | 2006-07-06 | 2008-01-24 | Pola Chem Ind Inc | 着色された皮膚外用剤 |
JP2017125117A (ja) * | 2016-01-13 | 2017-07-20 | 金印株式会社 | 抗酸化剤 |
WO2021084665A1 (ja) * | 2019-10-30 | 2021-05-06 | 株式会社 資生堂 | 血小板由来成長因子(pdgf)-bb産生亢進剤、及びそれを含む幹細胞安定化剤、並びにそれらを含む皮膚抗老化剤 |
-
2004
- 2004-04-28 JP JP2004133989A patent/JP2005314289A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007137768A (ja) * | 2005-11-14 | 2007-06-07 | Eikoudou:Kk | 皮膚若しくは毛髪用化粧料 |
JP2008013487A (ja) * | 2006-07-06 | 2008-01-24 | Pola Chem Ind Inc | 着色された皮膚外用剤 |
JP2017125117A (ja) * | 2016-01-13 | 2017-07-20 | 金印株式会社 | 抗酸化剤 |
WO2021084665A1 (ja) * | 2019-10-30 | 2021-05-06 | 株式会社 資生堂 | 血小板由来成長因子(pdgf)-bb産生亢進剤、及びそれを含む幹細胞安定化剤、並びにそれらを含む皮膚抗老化剤 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
KR20080100238A (ko) | 미백 피부 외용제 | |
JP2008239545A (ja) | エラスターゼ活性抑制剤 | |
JPS63284109A (ja) | 美白化粧料 | |
JPS63135310A (ja) | 化粧料 | |
JP4813917B2 (ja) | 皮膚化粧料 | |
JP2006241005A (ja) | 皮膚老化防止剤および化粧品 | |
JP2005314289A (ja) | 紫外線障害抑制剤 | |
JP2006151831A (ja) | 抗酸化剤、dna損傷抑制剤、又は皮膚外用剤 | |
JP6157659B1 (ja) | 紫外線誘発性脂質過酸化を低減する相乗的組成物、配合物及び関連の方法 | |
JP2006176440A (ja) | 皮膚の美白ないしは老化防止剤組成物および化粧品 | |
KR102278167B1 (ko) | 지질산화 방지, 자외선에 의한 손상 피부 개선 및 피부 진정 효과가 우수한 화장료 조성물 | |
JP2008255043A (ja) | 皮膚外用剤 | |
JP5000964B2 (ja) | テストステロン5α−リダクターゼ活性阻害剤、アンドロゲンレセプター拮抗剤、その用途、及びアンドロゲン活性発現の抑制方法 | |
JP5144362B2 (ja) | 皮膚外用剤 | |
JP2006273822A (ja) | 焼酎粕を含有する化粧料 | |
JPH01249714A (ja) | 皮膚化粧料 | |
JP4222973B2 (ja) | エラスターゼの活性阻害剤および化粧品 | |
JPH0193520A (ja) | 美白化粧料 | |
JP6723979B2 (ja) | しわ改善剤 | |
JP2004107269A (ja) | 蛋白質のカルボニル化抑制剤、皮膚外用剤及び方法 | |
JP5171752B2 (ja) | 皮膚外用剤 | |
JP2006282536A (ja) | スーパーオキサイド消去剤、ラジカル消去剤、過酸化水素消去剤および皮膚外用剤 | |
JP5155543B2 (ja) | エンドセリン−1産生抑制剤、ヘキソサミニダーゼ遊離抑制剤、抗炎症用/美白用皮膚外用剤、エンドセリン−1の産生抑制方法及びヘキソサミニダーゼの遊離抑制方法 | |
JP4124318B2 (ja) | 抗酸化剤及び皮膚外用剤 | |
KR20070046119A (ko) | 6-o-pufa 아스코르브산 에스테르를 함유하는 스킨케어 제품을 비롯한 식품 및 음료 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20060517 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20070710 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20070903 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20080226 |