JP6662617B2 - シャッターの座板構造 - Google Patents

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Description

本発明は、シャッターの座板構造に係り、詳しくは、上座板と下座板とからなる座板スイッチにおいて、下座板が長さ方向に分割されている座板構造に関するものである。
シャッター装置における安全装置として、シャッターカーテンの下端スラットに固定された上座板と可動下座板からなる座板スイッチが知られている。シャッターカーテン降下中に、下座板が障害物に当たると、下座板が上座板に対して相対的に上動し、この下座板の動きによって障害物を検知する。障害物検知に基づいて、降下中のシャッターカーテンを停止させるが、これについては、電気的に行うもの、あるいは、機械的に行うものが知られている。
例えば、防火シャッターは、火災時に、防災盤からの信号で自動閉鎖装置が作動してブレ−キを解放し、シャッターカーテンが自重降下して建物開口部を閉鎖するようになっているが、自重降下するシャッターカーテンに避難者が挟まれるのを防止するために、座板スイッチが人や障害物を検知することで、自重降下するシャッターカーテンを機械的に停止させる危害防止装置が設けられる。
また、防火シャッターには、通常時は開閉機の駆動でシャッターの開閉操作を行い、火災時には自動閉鎖装置により自重降下させる管理併用シャッターがある。このような管理併用シャッターにおける機械式危害防止装置は、電動降下中にシャッターカーテン下端の座板スイッチが人や障害物を検知すると、電気的な制御によって、シャッターカーテンの降下を停止させるように構成されている。
このような座板スイッチにおいて、建物開口幅が大きくなると、その分、座板スイッチを構成する上座板、下座板の長さ寸法および重量が大きくなり、座板スイッチの検知感度が鈍くなってしまうおそれがある。そこで、下座板を長さ方向に分割する場合がある。下座板を複数のユニットに分割すると、分割部に隙間が生じるため、この隙間を塞ぐ必要がある。従来、隙間を防ぐために、座板外部に当該隙間を覆うようにプレートを設けることが行われていた(特許文献1の遮蔽板26参照)。一方、座板内部にプレートを設けることは、座板スイッチにおける下座板の上下の可動動作に影響を与え得ることから、採用されてこなかった。
しかしながら、隙間を塞ぐために座板外部にプレートなどの塞ぎ部材を取り付けることは、シャッター装置の意匠性を損ねる。例えば、建物開口部の開閉に日常的に使用される管理併用シャッター等では、開口部全閉時や開閉時に、外部に取り付けたプレートが目に付きやすい。また、障害物の形状や当たる位置によっては、下座板が斜めに傾動する場合があり、座板外部に取り付けたプレート(座板外面になるべく接近させて取り付けられる)が、座板スイッチの下座板の可動動作に影響を与えるおそれがある。さらに、座板外部に取り付けたプレートが変形してしまうと(シャッターカーテン全閉時に人や物が当たるなどして)、座板スイッチの下座板の可動動作に影響を与えるおそれがある。
特許第5366311号
本発明は、可動下座板を分割してなる座板構造において、分割部を塞ぐために座板外部に設けた従来のプレートの不具合を解消できる塞ぎプレートを備えた座板構造を提供することを目的とする。
本発明が採用した技術手段は、
シャッターカーテン下端に設けられ、上座板と、上座板に対して相対的に上動可能な下座板とからなる座板において、
前記下座板は、長さ方向に分割された複数の下座板ユニットから構成されており、
分割部において、隣り合う下座板ユニットの端縁は、隙間を介して隣接しており、各下座板ユニットは、独立して、前記上座板に対して上動可能であり、
座板内部には、前記分割部を跨いで前記隙間を座板内部から対向して塞ぐ塞ぎプレートが設けてあり、
前記塞ぎプレートは、前記隣り合う下座板ユニットの一方あるいは両方の動きに応じて、前記分割部を跨いだ状態を維持しながら可動となっている、
シャッターの座板構造、である。
1つの態様では、前記塞ぎプレートは回動可能に構成されており、下座板ユニットの上動に応じて押し上げられるように第1の方向に回動し、第1の方向に回動した当該塞ぎプレートは、上動した下座板ユニットの下動に応じて第2の方向に回動する。
前記塞ぎプレートの第2の方向への回動は、自重あるいはばねの付勢力による。
1つの態様では、前記塞ぎプレートは、下座板ユニットが第2の姿勢から第1の姿勢へと下動するときに、自重で第2の方向に回動する。
1つの態様では、塞ぎプレートをばねによって第2の方向に付勢しておき、下座板ユニットが第1の姿勢から第2の姿勢へ上動するときに、ばねの付勢力に抗して第1の方向に回動し、下座板ユニットが第2の姿勢から第1の姿勢へ下動するときに、ばねの付勢力によって第2の方向に回動する。
1つの態様では、下座板ユニットは、上座板から吊持された第1の姿勢と、上座板に対して相対的に上動した第2の姿勢と、の間で可動となっており、下座板ユニットが第1の姿勢から第2の姿勢へと上動するときに、前記塞ぎプレートが押し上げられて第1の方向に回動し、第2の姿勢にある下座板ユニットが第1の姿勢へと下動するときに、前記塞ぎプレートは第2の方向に回動する。
1つの態様では、前記塞ぎプレートは、当該塞ぎプレートの回動方向と異なる方向に揺動可能に構成されている。
こうすることで、塞ぎプレートは、下座板ユニットの可動動作に追従して複合的に動くことが可能となる。より具体的には、塞ぎプレートは、回動方向(第1の方向及び第2の方向)と揺動方向(第3の方向及び第4の方向)の任意の組み合わせによる姿勢をとることができる。
1つの態様では、前記塞ぎプレートの面部は、座板の長さ方向に延びており、
前記塞ぎプレートは、当該塞ぎプレートの面部を通る面内で上下方向に回動可能であり、かつ、座板の幅方向に揺動可能である。
ここで、「座板の幅方向」とは、座板の短手方向、すなわち、建物開口部の前後方向ないしシャッターカーテンの厚さ方向を意味する。
1つの態様では、塞ぎプレートは、付勢手段(典型的にはバネ)の付勢力に抗して通常姿勢から揺動し、当該塞ぎプレートを揺動させる外力が除去されると、前記付勢力によって通常姿勢に復帰する。すなわち、塞ぎプレートは、下座板ユニットの動きによって作用した力に応じて揺動した後、作用した力が無くなると付勢力で元の位置に復帰する。
1つの態様では、前記塞ぎプレートは上座板に回動可能に連結されると共に、下座板ユニットとの当接部を備え、
前記当接部は、前記分割部を跨ぐように位置して設けられ、隣り合う下座板ユニットの一方あるいは両方の上動が前記当接部を介して塞ぎプレートに伝達されて、当該塞ぎプレートが回動する。
すなわち、1枚の塞ぎプレートが、隣位の2つの下座板ユニットに対応しており、前記塞ぎプレートは、いずれか一方あるいは両方の下座板ユニットの動きに応じて、前記分割部を跨いだ状態を維持しながら可動となっている。
あるいは、塞ぎプレートは下座板ユニットに連結される一方、上座板との当接部を備えることで、下座板ユニットの動きが前記塞ぎプレートに伝達されるようにしてもよい。この場合、塞ぎプレートを上側に付勢してもよい。
1つの態様では、座板内部において、前記上座板には長さ方向に間隔を存して複数の検知レバーが回動可能に設けてあり、
前記検知レバーは、前記座板内部を座板長さ方向に延びるワイヤによって連結されており、
前記検知レバーは、前記下座板ユニットの上動に応じて回動することで、前記ワイヤを引っ張って障害物検知を行うようになっており、
前記塞ぎプレートの回動範囲は、前記ワイヤと干渉しないように設定されている。より具体的な態様では、塞ぎプレートが回動する位置と、ワイヤが延びる位置が座板幅方向にずれている。
後述する実施形態では、本発明を、機械式危害防止装置付き電動シャッター、より詳しくは、
シャッターカーテンを電動昇降させて開口部を開閉する開閉機と、
第1の方向及び第2の方向に移動可能であり、第1の方向に移動してブレーキ解放位置となる第1作動体を備えた作動部と、
シャッターカーテン下端に設けられ、上座板と、上座板に対して相対的に上動可能な下座板とからなる座板と、
前記作動部に連結されており、シャッターカーテン降下に伴って引き出されるように構成されている復帰用紐状部材と、
降下中のシャッターカーテンの下座板が障害物に当たって上座板に対して相対的に上動することで、復帰用紐状部材の引き出しを機械的に規制するロック装置と、
を備え、
前記第1作動体は、定常位置から第1の方向に移動することでブレーキ解放位置となって、ブレーキ解放レバーをブレーキ解放方向に移動させて開閉機のブレーキを機械的に解放し、ブレーキ解放位置から第2の方向に移動することで、ブレーキ解放レバーをブレーキ復帰方向に移動させて開閉機のブレーキを機械的に復帰させ、また、定常位置から第2の方向に移動可能に構成されており、
前記作動部は、前記第1作動体が定常位置から第2の方向に移動したことを検知して、障害物検知信号を制御部に出力する第1検知手段を備え、
電動降下中のシャッターカーテンの下座板が障害物に当たった場合には、引き出しが規制された前記復帰用紐状部材のシャッターカーテン降下に伴う引っ張りによって定常位置にある第1作動体を第2の方向に移動させ、前記第1検知手段から障害物検知信号を受信した前記制御部がシャッターカーテンの電動降下を停止し、
自重降下中のシャッターカーテンの下座板が障害物に当たった場合には、引き出しが規制された前記復帰用紐状部材のシャッターカーテン降下に伴う引っ張りよってブレーキ解放位置にある第1作動体を第2の方向に移動させて開閉機のブレーキを機械的に復帰させてシャッターカーテンの自重降下を停止する、
機械式危害防止装置付き電動シャッター、
に関連して説明するが、本発明は、座板スイッチを備えた全てのシャッター装置に広く適用し得るものであることが、当業者に理解される。
本発明は、回動可能な塞ぎプレートを座板内部に設けることで、下座板ユニット同士の隙間を塞ぐようにしたので、上座板に対する下座板ユニットの可動動作に影響を与えることなく、分割部を塞ぐために座板外部に設けた従来のプレートの不具合を解消できる。
具体的には、
座板内部に設けた塞ぎプレートによって隙間を塞ぐので、塞ぎプレートが座板外部に露出することなく、意匠性が良好であり、
座板内部に塞ぎプレートを設けたので、人や物が座板に接触することによって、塞ぎプレートが変形することがなく、塞ぎプレートの変形に起因する障害物検知機能の不具合が生じることがない。
また、塞ぎプレートを、さらに、揺動可能としたものでは、障害物の形状や床面の不陸などによって、下座板ユニットが斜めになっても、塞ぎプレートが下座板ユニットの動きに追従して回動あるいは/および揺動するので(回動と揺動の複合的な動きも可能である)、下座板ユニットの可動動作に影響を与えることがなく、良好に障害物検知を行うことができる。
危害防止装置を備えた電動シャッター装置の概略正面図である。図中、要素間を繋ぐ実線は電線であり、一点鎖線はワイヤである。 危害防止装置を備えた電動シャッター装置(開口部全閉状態)の天井を省略した全体正面図である。 図2の縦断面図である。 図2の部分拡大図(開閉機が設置された側)である。 図3の部分拡大図である。 開口部全開状態における図5と類似の図である。 中継装置を示す図である。 手動閉鎖装置を説明する図である。 自動閉鎖装置(監視時)を示す図である。 自動閉鎖装置(火災検知信号によるブレーキ解放時/自重降下)を示す図である。 作動部(各要素が定常位置にある)を示す図である。 作動部(電動開閉モード)を示す図である。 作動部(電動開閉モードにおける障害物検知時)を示す図である。 作動部(自動閉鎖装置作動による自重降下時)を示す図である。 作動部(自動閉鎖装置作動における障害物検知時)を示す図である。 作動部(手動閉鎖装置操作による自重降下時)を示す図である。 作動部(手動閉鎖装置操作による障害物検知時)を示す図である。 作動部のフレームを示す部品図である。 作動部の第1作動体を示す部品図である。 作動部の第2作動体を示す部品図である。 作動部の第3作動体を示す部品図である。 電動降下時の中継部の動作を示す図であり、(A)定常位置(電動降下時)、(B)電動下降時の障害物検知、(C)障害物除去後(電動降下)、を示す。 自重降下時の中継部の動作を示す図であり、(A)定常位置(自重降下前の停止時)、(B)自重降下時(自動閉鎖装置の作動、手動閉鎖装置の操作)、(C)自重降下時の障害物検知(定常位置と同じ)、(D)障害物除去後(自重降下)、を示す。 シャッターの電動開閉モードにおける動作チャートを示す図であり、(1)は上昇時、(2)は下降時、(3)は障害物検知時を示す。 シャッターの動作チャートを示す図であり、(1)は電動上昇時にブレーキ解放が行われた場合、(2)は電動下降時にブレーキ解放が行われた場合、(3)は自重降下中に障害物検知が行われた場合、を示す。 ロック装置(通常時)を示す図である。 ロック装置(ロック状態)を示す部分拡大図である。 ロック装置(座板障害物除去時)を示す図であり、シャッターカーテンは停止中である。 図28の状態から各レバーが第2の方向へ僅かに回動したロック装置(座板障害物除去時)を示す図であり、シャッターカーテンは停止中である。 ロック装置(シャッターカーテン再降下時)を示す図である。 本発明の実施形態に係る座板を示す図であり、(A)正面図、(B)一部省略上面図、(C)一部省略正面図、である。 座板の内部を示す一部省略正面図である。 図32の断面図であり、(A)A−A矢視図、(B)B−B矢視図、(C)C−C矢視図、である。 図32の部分拡大図である。 塞ぎプレートを示す、上面図、正面図、側面図である。 座板の分割部分の正面図であって、(A)は、上座板から下座板が吊持された状態を示す図、(B)は、(A)の状態から下座板が上座板に対して相対的に上動した状態を示す図である。 図36(A)の状態から、隣接する下座板ユニットの一方のみが上座板に対して相対的に上動した状態を示す図である。 (A)は、図36(A)に対応する断面図、(B)は、図36(B)に対応する断面図である。 (A)は、図36(A)の状態から下座板が一方向(座板の幅方向)に揺れた状態を示す断面図、(B)は、図36(A)の状態から下座板が他方向(座板の幅方向)に揺れた状態を示す断面図である。 図32部分拡大図である。 図32の縦断面図である。 遅延機構を示す図であり、上図は正面図、下図は底面図である。 通常姿勢にある座板及び検知レバーを示す図であり、左図は縦断面図、右図は正面図である。 障害物検知姿勢(下座板の上動姿勢)にある座板及び検知レバーを示す図であり、左図は縦断面図、右図は正面図である。
[A]機械式危害防止装置付き電動シャッターの全体構成
図1〜図6に示すように、シャッター装置は、開口部を閉鎖するシャッターカーテン1と、開口部上方に位置してシャッターカーテン1を巻装する巻取シャフト2と、開口部左右両端に立設されたガイドレ−ル3と、を備えている。シャッターカーテン1は、複数枚の開口幅方向に延びる長尺状のスラットを上下に連結して構成されており、下端には座板4が設けてある。巻取シャフト2は、躯体12から持ち出し状に設けた左右のブラケット13間に回転可能に支持されている。図1、図2に示すように、開口部上方において、開口幅方向の一側に寄った部位に開閉機5が設けてある。開閉機5は、開口幅方向の一側のブラケット13に取り付けられている。図示の態様では、天井14内に防火用の簡易ケースを設けたシャッターが収納されるようになっているが、躯体に取り付けられた角型のシャッターボックス(図示せず)内にシャッターを収納するようにしてもよい。通常時には、シャッターカーテン1は、開閉機5によって巻取シャフト2を正逆回転駆動することで電動昇降して、開口部を開閉する。図2、図6に示すように、座板4は開口部幅方向に延びる長尺状の上座板40と、上座板40の下方側に上座板40に対して相対的に上下動自在に吊持された長尺状の下座板41とからなり、後述するように、座板4は、電動下降あるいは自重下降するシャッターカーテン1が障害物に当たった時に障害物を検知する障害物検知手段の一構成要素となっている。
シャッター装置は、火災時にシャッターカーテン1を自重降下させる自動閉鎖装置6及び作動部7(ブレーキ解放・復帰装置)を備えている。図示の態様では、自動閉鎖装置6と作動部7は離間しており、自動閉鎖装置6と作動部7がワイヤW1(アウターケーブルW1´内で延びている)を介して機械的に接続されており、火災信号が入力されると自動閉鎖装置6が作動してワイヤW1を引っ張ることで、作動部7がブレーキ解放姿勢となって開閉機5のブレーキが解放される。また、電動降下であるか自重降下であるかを問わず、閉鎖中のシャッターカーテン1が障害物に当たった時のシャッターカーテン1の降下の停止は、作動部7を介して(電動降下の場合はマイクロスイッチSW1の作動、自重降下の場合はブレーキ解放レバー50の機械的な復帰)行われる。自動閉鎖装置6及び作動部7の具体的な構成については後に詳述する。
シャッター装置は、制御部を備えており、後述するように、電動開閉モード(通常モード)と自重降下モード(火災モード)で異なる制御が行われる。本実施形態では、制御部は、障害物検知用制御盤11Aと、シャッター制御盤11Bと、からなる。図1に示すように、本実施形態では、作動部7と障害物検知用制御盤11Aが電気的に接続されており、障害物検知用制御盤11Aとシャッター制御盤11Bが電気的に接続されており、手動閉鎖装置10と障害物検知用制御盤11Aが電気的に接続されている。電動昇降時において、手動閉鎖装置10からの入力に基づく開放信号、閉鎖信号、停止信号は、障害物検知用制御盤11Aを介してシャッター制御盤11Bに送信される。図示の態様では、障害物検知用制御盤11Aとシャッター制御盤11Bは物理的に離隔しているが、制御部は、障害物検知用制御盤11Aの機能とシャッター制御盤11Bの機能を備えた1つの制御部であってもよい。制御部については、後に詳述する。また、図1に示すように、感知器6aと防災盤6b、防災盤6bと自動閉鎖装置6がそれぞれ電気的に接続されている。
シャッターカーテン1は、開口部全開時(収納時)には、開閉機5の一構成要素であるブレーキによって下降が規制された状態で巻取シャフト2に巻装されている。この状態で火災が発生すると、火災感知器6aによって火災が感知され、防災盤6bからの火災検知信号によって自動閉鎖装置6が作動して、ワイヤW1を介して作動部7がブレーキ解放姿勢となって(本実施形態では第2作動体74を介して第1作動体73がブレーキ解放位置に移動する)、開閉機5のブレーキを解放する。ブレーキが解放されると、シャッターカーテン1は、幅方向両端部がガイドレール3の溝部に案内されながら自重で下降し、座板4が着床することで開口部を全閉する。この時、シャッターカーテン1は、開閉機5に内蔵された調速機(ガバナ)の働きで調速された速度で下降するようになっている。
開閉機5のブレーキケースからブレーキ解放レバー50が突出しており(図6参照)、ブレーキ解放体(本実施形態では第1作動体73)によってブレーキ解放レバー50を移動させることで、開閉機5及び巻取シャフト2の回転を規制しているブレーキが解放される。電動シャッターにおいて、ブレーキを含む開閉機および当該ブレーキを解放するブレーキ解放レバーは周知である。具体的な態様例では、ブレーキ手段は、開閉機出力軸またはこの出力軸と一体で回転する回転部材に対して接離自在に対向するブレーキ板を有しており、シャッターカーテン収納時にはスプリング等の付勢手段によってブレーキ板が圧接されており、ブレーキが働いて巻取シャフトの回転が規制されている。ブレーキ解放レバーをスプリングに抗して揺動させることでブレーキ板が離隔してブレーキが解放され、巻取シャフトの回転が可能となって、シャッターカーテンが自重降下するようになっている。また、ブレーキ解放レバーをフリーにすれば、前記付勢手段であるスプリングによってブレーキ板が圧接されて自動的にブレーキ及びブレーキ解放レバーが復帰するようになっている。すなわち、開閉機5のブレーキは、ブレーキ解放レバーの移動によって強制的に解放されると共に、ブレーキ解放レバーによる強制力が解除されると付勢手段により復帰する。
シャッター装置は、いわゆる危害防止装置を備えており、自重降下中のシャッターカーテン1の下端の座板4が障害物に当たって当該障害物を検知すると、復帰ワイヤを介して開閉機5のブレーキを復帰させて、シャッターカーテン1の降下を停止させるようになっている。復帰ワイヤは、第1ワイヤW2と第2ワイヤW3とから構成されている。開口部上方部位には、開口幅方向の開閉機5が設置された側に寄って、中継装置8が設けてあり、座板4には、中継装置8の下方に位置するように開口幅方向の一側に寄って、ロック装置9が設けてある。ロック装置9は、中継装置8の略直下に位置するロックドラム90と、ロックドラム90に隣接する巻取ドラム91と、障害物検知時にロックドラム90の回転をロックするロック機構と、を備えている。第1ワイヤW2と第2ワイヤW3は中継装置8を介して接続されている。第1ワイヤW2の一端はブレーキ解放体(第1作動体73)をブレーキ復帰方向に移動させるように第1作動体73に連結されており、他端は中継装置8に連結されている。第1ワイヤW2はアウターケーブルW2´内を延出している。第2ワイヤW3の一端は中継装置8に連結されており、他端は座板4に設けたロック装置9のロックドラム90に巻回されて当該ロックドラム90を経由して、巻取ドラム91に巻回可能に連結されている。第2ワイヤW3は、シャッターカーテン1の降下に伴ってシャッターカーテン1の面部に沿って延びるように引き出される。ロック装置9は、上座板40に設けられ、降下中のシャッターカーテン1の下座板41が障害物に当たって上座板40に対して相対的に上動することで、復帰用ワイヤ(第2ワイヤW3)の引き出しを機械的に規制し、当該引き出しが規制された復帰ワイヤ(第2ワイヤW3+第1ワイヤW2)によりブレーキ解放体(第1作動体73)をブレーキ復帰方向に引っ張るようになっている。このようにして、自重降下中のシャッターカーテン1の下座板41が障害物に当たった場合には、復帰ワイヤ(第2ワイヤW3+第1ワイヤW2)によりブレーキ解放体(第1作動体73)をブレーキ復帰位置に移動させてシャッターカーテン1の自重降下を停止させる。
障害物が除去されると、復帰ワイヤの引き出しが可能となって、ブレーキ解放体(第1作動体73)がブレーキ解放方向に移動して、シャッターカーテン1が自重再降下する。また、障害物除去後において、シャッターカーテン1が自重で再降下するタイミングを遅延させるようになっている。後述するように、電動降下中のシャッターカーテン1の下端の座板4が障害物に当たった場合にも、復帰ワイヤ(第2ワイヤW3+第1ワイヤW2)によるブレーキ解放体(第1作動体73)の移動を検知して、電動降下中のシャッターカーテン1を停止させる。
図32、図42、図43に示すように、図示の態様では、障害物検知手段は、座板4を構成する上座板40と下座板41との間に回動可能に設けた検知レバー42を用いるものであり、この障害物検知手段の構成については後に詳述する。図示の態様では、ロック装置9は、座板4の長さ方向の一側、具体的には開口幅方向の開閉機5が設けられた側に寄った位置で上座板40に取り付けられており、回転自在のロックドラム90と、回転自在の巻取ドラム91と、第1回動レバー92と、第2回動レバー93と、第3回動レバー94と、これらを内装するケース95と、を備えているが、このロック装置9の構成については後に詳述する。また、障害物除去後の自重再降下の遅延手段の構成についても後に詳述する。
図5に示すように、中継装置8は、開口部上方のまぐさ部15の受け部材16に取り付けられている。受け部材16は断面視方形状の長尺部材であり、巻取シャフト2の両端を支持する左右のブラケット13の下端間に取り付けられている。図2に示すように、中継装置8は、開口部上方の開口幅方向の一側で、正面視ロック装置9の直上に位置して、垂直状に延びるワイヤW3に対応するように配置されている。また、図5に示すように、中継装置8は、シャッター芯Cに対して躯体12と反対側に位置している。
図7に示すように、中継装置8は、開口部上方に位置して前後方向(室内外方向)に延びる回動体80と、受け部材16に取り付けられた取付ベース81と、からなる。取付ベース81は、回動体80が回動自在に取り付けられる左右の支持片810と、受け部材16に取り付けられる装着片811と、を備えている。回動体80は回動支点82を中心として、前後方向の第1端部、第2端部がそれぞれ上下動するように回動する。第1端部には、第1ワイヤW2の端部の固定部83が形成されており、第2端部には、第2ワイヤW3の上端の固定部84が形成されている。固定部83は、アウターケーブルW2´から露出した第1ワイヤW2の端部を余端部を残して固定する第1固定部830と、前記余端部を固定する第2固定部831とからなり、第1固定部830、第2固定部831の2つの固定部によって第1ワイヤW2の端部を強固に固定している。固定部83の下方にはアウターケーブルW2´の端部の固定部832が設けてある。固定部832は、取付ベース81の左右の支持片810の下方部位に装着されている。第1ワイヤW2及びアウターケーブルW2´は、受け部材16に取り付けられたガイド160を通してシャッター芯Cから離間する方向に導かれており、作動部7の作動機構(第1作動体73)に連結されている。固定部84は、第2ワイヤW3の端部を挟み込むと共に、第2ワイヤW3の端部にはワイヤ径に対して大径の係止部840が形成されており、第2ワイヤW3の端部を強固に固定している。第2端部に形成された固定部84に固定された第2ワイヤW3が下方に引っ張られると、回動体80が回動支点82を中心に回動して、第2端部が下方に下がり、第1端部が上方に移動して、第1ワイヤW2を引っ張るようになっている。図7に示すように、中継装置8は、一方の支持片810と回動体80とを所定の位置で仮固定する仮固定螺子85を備えている。仮固定螺子85は、取付ベース81に対して所定の角度(ワイヤ取付時の適正角度)で回動体80を仮固定して回動を規制するものであり、回動体80が当該所定の角度の姿勢にある時に、第1ワイヤW2、第2ワイヤW3を回動体80に固定することで、中継装置8に対するワイヤ取付時における回動体80の姿勢の調整が不要となる。仮固定螺子85はワイヤ固定後に取り外される。
図2、図4に示すように、シャッター装置の近傍の壁面には、操作し易い高さに手動閉鎖装置10が設けてある。図8に示すように、手動閉鎖装置10は、中空の縦長直方体で、前面に開口を備えたボックス100と、ボックス100の前面の開口を開閉するカバー体101と、前面の下方部位に設けた非常時閉鎖スイッチ(図示の態様では押スイッチである)102と、前面の側方部位に回動可能に設けた回動レバー103と、手動操作用の第2ワイヤW3の端部(他端)をネジで固定するワイヤ端固定部104と、を備えている。ボックス100内には、開放スイッチU、閉鎖スイッチD、停止スイッチSが配置されている。手動閉鎖装置10は、制御部(障障害物検知用制御盤11A、シャッター制御盤11B)と電気的に接続されており、開放スイッチUを押すと、制御部を介して開閉機5によってシャッターカーテン1が上昇し、閉鎖スイッチDを押すと、制御部を介して開閉機5によってシャッターカーテン1が下降し、停止スイッチSを押すと、制御部を介して開閉機5の駆動が停止してシャッターカーテン1が停止する。すなわち、図示の態様では、手動閉鎖装置10は、シャッターの電動駆動のための操作ボックスを兼用している。
手動閉鎖装置10は、作動部7のブレーキ解放操作、ブレーキ復帰操作を操作可能なように手動操作用のワイヤW4の一端に機械的に連結されている。ワイヤW4の他端は、作動部7に連結されている。手動閉鎖装置10は、ブレーキ解放作動前の状態から第1の操作(非常時閉鎖スイッチ102の押し操作)によってブレーキを解放するように作動し、ブレーキ解放作動後の状態から第2の操作(回動レバー103)によってブレーキを復帰させるように作動する。ここで、ワイヤW4には、作動部7の第2コイルスプリング77(後述する)によりワイヤ端固定部104を(図8において)上方へ引き上げようとする力が加わっているが、図示しないロック機構で、ワイヤ端固定部104が上方へ移動してワイヤW4が緩まないようにロックされている。非常時閉鎖スイッチ102を押すと、前記ロックが外れてワイヤ端固定部104が所定距離上動して緊張状態にあるワイヤW4が緩み、回動レバー103がカバー体101の面に対して手前に傾斜状に傾動する(ブレーキ解放姿勢)。また、傾斜状の回動レバー103を手前に下方に回動すると(図8に矢印で示す)、ワイヤ端固定部104が前述したロック位置まで引き下げられてワイヤW4が所定距離引っ張られ、ワイヤW4に張力が加わった状態でワイヤW4の移動がロック機構により規制される(ブレーキ復帰姿勢)。その後、回動レバー103を上方へ回動してボックス100内に収めて、セット状態になる。
図1に示すように、シャッター装置の近傍の壁面には、手動閉鎖装置10に隣接して自動閉鎖装置復旧用レバー67が設けてある。自動閉鎖装置復旧用レバー67は、自動閉鎖装置復旧用ワイヤW5を介して自動閉鎖装置6の可動要素(作動杆60)と連結されており、自動閉鎖装置復旧用レバー67の操作によって、作動した自動閉鎖装置6を元の状態に復旧させるようになっている。自動閉鎖装置復旧用レバー67は、手動閉鎖装置10のボックス内に設けるようにしてもよい。
図5に示すように、開口部上方のまぐさ部15の受け部材16には、シャッター芯Cに対して躯体12と反対側にスムーサ要素17が設けてあり、シャッター開閉時におけるシャッターカーテン1とまぐさ部15、中継装置8等との接触ないし干渉を防止するようになっている。スムーサ要素17は、受け部材16に固定(例えば溶接)されており、開口幅方向及び高さ方向に段違い状に設けた2つのローラ170を備えている。なお、スムーサ要素17は1つのローラであってもよい。スムーサ要素17の個数は開口幅寸法に応じて例えば1個〜5個の間で適宜選択される。
まぐさ部15の上辺150には、エマーゼンシースイッチ18設けてあり、通常時に電動開閉されるシャッター装置において、万が一、リミットスイッチLSの故障等により上限リミットでシャッターカーテン1が停止しない場合には、上限オーバーラン検知器としてのエマーゼンシースイッチ18が作動することで開閉機5によるシャッターカーテン1の上昇を停止させる。図6に示すように、エマーゼンシースイッチ18は、シャッターカーテン1の移動経路内に突出する第1当接片180(シャッターカーテン1が上限位置を越えて上昇した時に座板4が接触する)と、垂直状に立ち上がり、さらに後方へと略水平に延びる第2当接片181(下降中のシャッターカーテン1が障害物に当たった状態、障害物検知手段の故障等でシャッターカーテン1が継続して繰り出された場合、巻取シャフト2に巻き取られたシャッターカーテン1の径が大きくなって下方に垂れて接触する)と、を備えている。
[B]自動閉鎖装置
自動閉鎖装置6は、防災盤6bからの火災検知信号の入力によって作動して、ワイヤW1、作動部7を介してブレーキ解放レバー50を移動させてブレーキを解放させる。図9、図10に基づいて、自動閉鎖装置6の実施形態について説明する。なお、図9、図10に示す自動閉鎖装置6は、1つの実施形態に過ぎないものであり、図示する自動閉鎖装置6の構成によって本発明が限定されるものではない。
自動閉鎖装置6は、第1の方向及び第2の方向に往復動可能に支持された作動杆60と、作動杆60を第1の方向に付勢するコイルスプリング61と、火災検知信号の入力によって通電するソレノイド62と、ソレノイド62のプランジャ620に連結されており、ソレノイドが通電してプランジャが引かれることで第1の姿勢から第2の姿勢へ傾動(回動)するラッチ63と、を備えている。ラッチ63は、コイルスプリング64によって第1の姿勢側に付勢されている。
自動閉鎖装置6は、水平片650と対向状の垂直片651、652を備えた側面視コ字状の支持部を含むフレーム65を有しており、作動杆60は、垂直片651、652を挿通して往復動可能に支持されている。作動杆60の軸上の垂直片651と652との間の所定部位にはコイルスプリング61の当接片610が固定されており、コイルスプリング61の一端が垂直片651に当接し、他端が当接片610に当接している。ソレノイド62は、水平片650の上面に装着されている。さらに、水平片65の上面には、並設された2個のマイクロスイッチMS及びマイクロスイッチMSを作動させる回動作動片66が設けてある。回動作動片66は、マイクロスイッチMSをOFFからON状態とする側に付勢されている。マイクロスイッチMSがONからOFF状態となると、ソレノイド62に印加されている火災検知信号を遮断し、防災盤6bに自動閉鎖装置6がブレーキ解放作動したことを伝える。
作動杆60の先端(第1の方向と反対側の端部)には、ブレーキ解放ワイヤW1(図9、図10の上図においてのみ図示)の一端側が固定されている。第1の姿勢にあるラッチの軸状の係止部630が、付勢された状態にある作動杆60の被係止溝600に係止することで作動杆60の第1の方向への移動が規制されており、火災検知信号の入力によりソレノイドが通電すると、ラッチ63が第1の姿勢から第2の姿勢へ傾動して、係止部630と被係止溝600との係止状態が外れ、コイルスプリング61の力によって、作動杆60が第1の方向に移動し、作動杆60の先端に固定されたワイヤW1を介して作動部7がブレーキ解放姿勢となって、ブレーキが解放される。
図9に示すように、回動作動片66が当接片610に当接することで、回動が規制されてマイクロスイッチMSがON状態にある。図10に示すように、自動閉鎖装置6が一旦作動すると、コイルスプリング61が伸長して当接片610が回動作動片66から離間して垂直片652に当接し、回動作動片66が回動して、マイクロスイッチMSがOFFとなり、ソレノイド62への通電が遮断される。ラッチ63はコイルスプリング64によって第1の姿勢側に移動し、軸状の係止部630が作動杆60の上縁601に当接した状態にある(図10参照)。
作動杆60の先端(第1の方向と反対側の端部)には、さらに、自動閉鎖装置復旧用ワイヤW5(図9、図10の上図においてのみ図示)の一端側が固定されている。ワイヤW5の他端側は、自動閉鎖装置復旧用レバー67に固定されている。自動閉鎖装置復旧用レバー67は、手動閉鎖装置10と同様、操作し易い位置に設けてあり、例えば、図1に示すように、手動閉鎖装置10と隣接して設けられる。また、自動閉鎖装置復旧用レバー67を手動閉鎖装置10に内蔵してもよい。ワイヤW5は通常時(監視時ないし定常時)には、緩んでおり、作動杆60が第1の方向に移動することで、緊張状態となる。火災検知信号の入力により作動した自動閉鎖装置を復旧させたい場合には、自動閉鎖装置復旧用レバー65の操作によって、緊張状態にあるワイヤ5を第2の方向に引くことで、コイルスプリング61を圧縮させながら作動杆60が第2の方向に移動し、軸状の係止部630が作動杆60の上縁601上の摺動しながら移動して被係止溝600に係止することで、ラッチ63は第1の姿勢となると共に、マイクロスイッチMSがONとなり、図9に示す監視状態ないし定常位置となる。
[C]作動部(ブレーキ解放・復帰装置)
[C−1]作動部の構成
作動部7の構成について、図11〜21に基づいて説明する。作動部7は、フレーム70、フレーム70に設けた第1ガイド軸71、第2ガイド軸72、第1ガイド軸71上を移動可能な第1作動体73、第1ガイド軸71及び第2ガイド軸72上を移動可能な第2作動体74、第2ガイド軸72上を移動可能な第3作動体75、第1マイクロスイッチSW1、第2マイクロスイッチSW2、を備えている。図11は定常姿勢(通常の電動開閉時)にある作動部7を示し、各要素は、定常位置にある。図12、図13は電動降下時の作動部7の動き、図14、図15は自動閉鎖装置作動時の作動部7の動き、図16、図17は手動閉鎖装置からの手動閉鎖操作時の作動部7の動き、を示している。以下、各要素について詳細に説明する。なお、以下の説明において、要素の姿勢や方向を表す「上」、「下」、「左」、「右」、「垂直」、「水平」等の用語は、図示の態様に基づく記載であって、実際の要素の取付姿勢によって、変わり得る(例えば、上下が入れ替わったり、左右が入れ替わったりする)ことが当業者に理解される。図11〜図17において、第1作動体73(ブレーキ解放レバー50)の左側への移動がブレーキ解放方向への移動、左側へ移動した第1作動体73(ブレーキ解放レバー50)の右側への移動がブレーキ復帰方向への移動となっている。また、見やすさを考慮し、一部の要素に墨入れしてある。
図18に示すように、フレーム70は、上壁700と、上壁700の左右端部より垂下する側壁701、702を備えている。上壁700にはブレーキ解放レバー50の先端部位を左右方向に移動可能に受け入れる開口7000が形成されており、ブレーキ解放レバー50の先端部位は上壁700の開口7000を挿通してフレーム70内に延出している。フレーム70の対向状の側壁701、702間には平行して水平状に延出するガイド軸71、72が設けられる。図示の態様では、2本の第1ガイド軸71、2本の第2ガイド軸72の合計4本のガイド軸を備えており、フレーム70の幅方向の両端側には第2ガイド軸72が配置され、各第2ガイド軸72の内側に位置して高さ方向に段違い状に第1ガイド軸71がそれぞれ配置される。蓋をするようにフレーム70を覆う側面視コ字状のカバー体(図示せず)を装着することで、作動部7は箱体として用意され、上壁700を開閉機5に近接対向させて取り付けられる。
図19に示すように、第1作動体73は、水平状に延出する上辺730と、上辺730の左右端部から対向状に垂下する側辺731、732と、側辺732の下端の中央部位に形成した水平状の2つの折曲辺733と、からなり、左右の側辺731、732には第1ガイド軸71を挿通させる挿通孔7310、7320が形成されている。第1作動体73の右側の側辺732には、復帰ワイヤを構成する第1ワイヤW2の一端が固定される。側辺732には第1ワイヤW2の挿通溝7321が形成され、折曲辺733には螺子孔7330が形成されている。挿通溝7321は各折曲辺733間の溝と連通しており、折曲辺733の上側に復帰ワイヤの第1ワイヤW2の端部の係止部(挿通溝7321の溝幅よりも大径)を位置させて、各折曲辺733間の挿通溝7321を下側から覆うようにプレート734を螺子735で折曲辺733に固定する。第1作動体73の左側の側辺731の中央部位には押圧片736が突成されている。
第1作動体73は、第1ガイド軸71上を、第1の方向(図では左側)、第1の方向の反対の第2の方向(図では右側)、にスライド移動可能となっている。定常位置にある第1作動体73の押圧片736は、ブレーキ解放レバー50から離間しており(ブレーキ解放レバー50を押圧しない状態で近接ないし接触していてもよい)、開閉機5のブレーキは有効な状態にある。定常位置にある第1作動体73が第1の方向に移動することで、第1作動体73の押圧片736がブレーキ解放レバー50を第1の方向に押圧して、開閉機5のブレーキを解放する。
図示の態様では、定常位置にある第1作動体73は、第2作動体74が第1の方向に移動することによって第1の方向に移動してブレーキ解放姿勢となる。第2作動体74が第1の方向に移動する場合は、自動閉鎖装置6の作動による場合、手動閉鎖装置10からの手動閉鎖操作による第3作動体75の第1の方向への移動に伴う場合、である。ブレーキ解放姿勢にある第1作動体73は、復帰ワイヤの第1ワイヤW2が右側に引かれることで、第2の方向に移動してブレーキ復帰姿勢(定常位置)となる。定常位置にある第1作動体73は、復帰ワイヤの第1ワイヤW2が右側に引かれることで、第2の方向に移動して、第1マイクロスイッチSW1がONからOFFとなる。すなわち、第1作動体73は、定常位置(ブレーキ復帰位置)、定常位置から第1の方向に移動した位置(ブレーキ解放位置)、定常位置から第2の方向に移動した位置(障害物検知位置)の3つの位置をとる。
図20に示すように、第2作動体74は、水平状に延出する水平740と、水平辺740の左右端部に対して垂直状に延びる側辺741、742と、側辺741の下端の中央部位に形成した水平状の2つの折曲辺743と、からなり、左右の側辺741(上半部位)、742には第1ガイド軸71を挿通させる挿通孔7410、7420が形成されており、側辺741の下半部位には第2ガイド軸72を挿通させる挿通孔7411が形成されている。第2作動体74の左側の側辺741には、自動閉鎖装置6から延びるブレーキ解放ワイヤW1の一端が固定されている。第1ガイド軸71には、側壁701と第2作動体74の側辺741との間に位置してコイルスプリング(図示せず)が外装されている。側辺741にはワイヤW1の挿通溝7412が形成され、折曲辺743には螺子孔7430が形成されている。挿通溝7412は各折曲辺743間の溝と連通しており、折曲辺743の上側にワイヤW1の端部の係止部(挿通溝7412の溝幅よりも大径)を位置させて、各折曲辺743間の溝を下側から覆うようにプレート744を螺子745で折曲辺743に固定する。
第2作動体74は、第1ガイド軸71及び第2ガイド軸72上をスライド移動可能となっている。定常位置では、第2作動体74の側辺741の上半部位は第1作動体73の側辺731の外側に左側から当接しており、第1ガイド軸71に外装された第1コイルスプリング76の一端(左側端部)は第1作動体73の側辺731の内側に当接しており、第1コイルスプリング76の他端(右側端部)は第2作動体74の側辺742の内側に当接している。定常位置にある第2作動体74が第1の方向に移動すると、第1コイルスプリング76を介して第1作動体73が第1の方向に移動するようになっている。開閉機5のブレーキを手動で解放するための手動ワイヤ(図示せず)を第2作動体74に設け、手動ワイヤで第2作動体74をブレーキ解放方向へ引けるようにしても良い。
図21に示すように、第3作動体75は、水平状に延出する底辺750と、底辺750の左右端部から対向状に垂直に立ち上がる側辺751、752とから側面視コ字形状を備えており、左右の側辺751、752には第2ガイド軸72を挿通させる挿通孔7510、7520が形成されている。第3作動体75の右側の側辺752には、手動閉鎖装置10から延びる手動操作用ワイヤW4の一端が固定されている。側辺752にはワイヤW4の挿通溝7521が形成されており、挿通溝7521は底辺750の溝部7500と連通している。ワイヤW4の端部は、挿通溝7521及び溝部7500の溝幅よりも大径の係止部となっており、ワイヤW4の端部の係止部の抜けが防止されている。底辺750には、幅方向中央かつ側辺732に近接して、溝部7500を挟んで螺子孔7501が形成されている。溝部7500を下側から覆うようにプレート753を底辺750に当接させて、プレート753を螺子754で底辺750に固定する。
第3作動体75は、第2ガイド軸72上をスライド移動可能となっている。第3作動体75の側辺752とケース70の側壁702との間にはスペーサ755が設けてあり、第3作動体75の右側への移動が規制されている。ケース70の幅方向両端に位置して断面視コ字状の部材が設けてあり、当該部材から当接片703が形成されている(図11、図14参照)。第2ガイド軸72に外装された第2コイルスプリング77の左側端部は第3作動体75の左側の側辺751に当接しており、第2コイルスプリング77の右側端部は当接片703に当接している。定常位置において、第3作動体75の右側の側辺752はスペーサ755に当接し、第3作動体75の左側の側辺751の外側には第2作動体74の側辺741が当接している。この時、第3作動体75はワイヤW4によって右側に引かれており、第2コイルスプリング77は圧縮状態にある。手動閉鎖装置10からの操作でワイヤW4の引張力が緩和されると、第2コイルスプリング77が伸長して第3作動体75が右側に移動し、これに伴って、第2作動体74、第1作動体73が左側(第1の方向)に移動する。
第1マイクロスイッチSW1は、シャッターカーテン1の電動降下時に障害物検知があったことを検知する検知手段である。第1マイクロスイッチSW1は、障害物検知用マイクロスイッチであり、障害物検知時に作動するものであり、監視時(通常のシャッター開閉時)には接点がONであり、マイクロスイッチ作動時には接点がOFFとなる。すなわち、シャッターカーテン1の電動降下時に第1マイクロスイッチSW1がONからOFF状態となった時に、障害物検知が行われたものとする。シャッターカーテン1の電動降下時に第1マイクロスイッチSW1がONからOFF状態となると、障害物検知用制御盤11Aに障害物検知信号が入力され、シャッター制御盤11Bを介して開閉機5の電動降下を停止させる。本実施形態では、第1マイクロスイッチSW1はONからOFFとなることで作動するが、OFFからONとなるこことで作動するように設計し得ることが当業者に理解される。
第1マイクロスイッチSW1は、定常位置にある第1作動体73が第2の方向に所定量移動した時にONからOFF状態と切り替わるように、第1作動体73の移動路の所定位置において、フレーム70の所定部位(図示の態様では、上壁700の側壁702側の一方の側縁の近く)に設けてある。図示の態様では、図19に示すように、第1作動体73の上辺730の側辺732側の両側縁は、第1ガイド軸71と平行状に延びる縁部7300と、縁部7300に対して第1方向側(側辺732から離間する側)に形成された凹部7301と、を備えている。第1作動体73が定常位置、ブレーキ解放位置にある時には、第1マイクロスイッチSW1が第1作動体73の縁部7300に当接して閉じ姿勢(ON状態)にあり、第1作動体73が定常位置から第2の方向に移動した時に、第1マイクロスイッチSW1が第1作動体73の凹部7301に位置して開き姿勢(OFF状態)となる。
第2マイクロスイッチSW2は、自動閉鎖装置6が作動したこと、または、手動閉鎖装置10から手動閉鎖操作が行われたこと、を検知する手段である。第2マイクロスイッチSW2は、操作禁止用マイクロスイッチであり、自動閉鎖装置6の作動時、手動閉鎖装置10からの手動操作時に作動するものであり、監視時には接点がOFFであり、作動時には接点がONとなる。第2マイクロスイッチSW2がOFFからON状態となると、障害物検知用制御盤11Aに作動確認信号が入力され、シャッターカーテン1が電動開閉中の場合には、シャッター制御盤11Bを介して開閉機5の駆動を停止し、また、押しボタン操作が無効とされる。本実施形態では、第1マイクロスイッチSW1はOFFからONとなることで作動するが、ONからOFFとなることで作動するように設計し得ることが当業者に理解される。
第2マイクロスイッチSW2は、自動閉鎖装置6の作動時、手動閉鎖装置10からの手動閉鎖操作時における作動部7の可動要素の移動を検知するように設けられる。本実施形態では、自動閉鎖装置6の作動時、手動閉鎖装置10からの手動閉鎖操作時のいずれの場合にも第2作動体74が定常位置から第1の方向に移動するため、第2マイクロスイッチSW2は、定常位置にある第2作動体74が第1の方向に所定量移動した時にOFFからON状態と切り替わるように、第2作動体74の移動路に位置して、フレーム70の所定部位に設けてある。図18に示すように、上壁700の側縁の左右方向中央部位には上壁700に対して垂直状に延びる舌状片704が形成されており、舌状片704の内側面に第2マイクロスイッチSW2が装着されている。第2マイクロスイッチSW2は、第2作動体74の右側側辺742の一方の端部の移動経路に位置しており、第2作動体74が定常位置にある時には、側辺742と第2マイクロスイッチSW2は離間しており、定常位置にある第2作動体74が第1の方向へ移動すると、側辺742が第2マイクロスイッチSW2を押圧して閉じることで、第2マイクロスイッチSW2はOFFからON状態と切り替わる。
[C−2]電動降下時の作動部の動き
電動降下時の障害物検知について、図12、図13を参照しつつ、説明する。図12は、電動開閉時の作動部7の各要素の姿勢を示しており、各要素は定常位置にある。第1マイクロスイッチSW1はON、第2マイクロスイッチSW2はOFFである。図22(A)は、図12の状態における中継装置8の回動体80の姿勢を示す。
図13は、電動降下時(図12の状態)に障害物検知が行われた状態を示す。座板4が障害物を検知すると、復帰ワイヤの第1ワイヤW2が引かれて、第1作動体73が第1コイルスプリング76を圧縮しながら定常位置から第2の方向へスライド移動する。図22(B)は、図13の状態における中継装置8の回動体80の姿勢を示す。図22(B)では、図22(A)の状態から復帰ワイヤの第2ワイヤW3が下方に引かれて、回動体80が回動して第1ワイヤW2を引っ張っていることがわかる。第1作動体73の第2の方向へのスライド移動によって、第1マイクロスイッチSW1がONからOFFとなって、障害物検知信号が障害物検知用制御盤11Aに送信される。障害物検知用制御盤11Aに障害物検知信号の入力があると、シャッター制御盤11Bを介して開閉機5の電動降下を停止させる(1つの形態では、停止後一旦上昇させた後停止、すなわちタッチアップさせる)。図13において、第2作動体74、第3作動体75は定常位置にあり、第2マイクロスイッチSW2はOFFの状態にある。なお、図13の状態において、障害物が取り除かれると、復帰ワイヤの第1ワイヤW2の引っ張り力が無くなり、第2コイルスプリング76が伸長して、第1作動体73が第1の方向に移動して定常位置に復帰して、図12の状態に戻り、第1マイクロスイッチSW1はOFFからONとなる。図22(C)は、作動部7が図12の状態に復帰した時の中継装置8の回動体80の姿勢を示し、実質的に図22(A)の姿勢と同じである。図13は、第1作動体73が第2の方向の限度位置まで引かれた状態を示しており、実際には、定常位置にある第1作動体73が第2の方向へ少し動いた時点で第1マイクロスイッチSW1が作動して電動降下中のシャッターが停止するように設定される。万が一、図13の限度位置まで復帰用ワイヤ(第1ワイヤW2、第2ワイヤW3)が引かれて、さらに、座板4が降下した場合は、後述するようにロック装置9のロックドラム90に3周巻かれた第2ワイヤW3が滑り、第2ワイヤW3が引き出されることで、作動部7や中継装置8が破損しないようになっている。
[C−3]自重降下時(自動閉鎖装置の作動による)の作動部の動き
自動閉鎖装置6の作動によるシャッターカーテン1の自重降下及び障害物検知について、図14、図15を参照しつつ、説明する。火災感知器6aによって火災が感知されると、防災盤6bより信号(DC24V)が出力され、自動閉鎖装置6が作動して、ブレーキ解放ワイヤW1を引っ張る。図11の状態から、自動閉鎖装置6によってワイヤW1が左側に引かれると、第2作動体74の左側側辺741が第1の方向に移動し、同時に第2作動体74の右側側辺742が第1の方向に移動することで、第1コイルスプリング76(第1コイルスプリング76は、開閉機5に内蔵されたブレーキ解放レバー50の復帰手段よりも大きい弾性力を有している)を介して、定常位置にある第1作動体73が第1の方向に移動してブレーキ解放位置となり、第1作動体73の左側側辺731の上端部の押圧片736がブレーキ解放レバー50に当接してこれを移動させることでブレーキを解放する。図14はブレーキが解放された状態を示している。図23(A)は、図11の状態における中継装置8の回動体80の姿勢を示し、図23(B)は図14の状態における中継装置8の回動体80の姿勢を示す。第1作動体73が定常位置から第1の方向へ移動することに伴って、復帰ワイヤの第1ワイヤW2が下方に引かれて回動体80が回動していることがわかる。
第2作動体74が図11の定常位置から図14の位置まで移動すると、第2マイクロスイッチSW2がOFFからONとなり、障害物検知用制御盤11Aに作動確認信号が送信され、電動開閉のための押しボタン操作が無効となり、シャッターカーテン1が電動開閉中の場合には、シャッターカーテン1の移動が停止される。第1マイクロスイッチSW1はON状態にある。
自重降下中のシャッターカーテン1の下端の座板4が障害物に当たって当該障害物を検知すると、復帰ワイヤの第1ワイヤW2が右側に引っ張られて、第1コイルスプリング76を圧縮しながら第1作動体73が右側に移動する。第1作動体73の右側側辺731の上部の押圧片736が右側に移動することで、ブレーキ解放レバー50を左側(ブレーキ解放方向)に押圧する力が解除され、ブレーキ解放レバー50がフリーとなって、ブレーキに内蔵された復帰手段によってブレーキ及びブレーキ解放レバー50が復帰する(図15)。ブレーキの復帰により自重降下中のシャッターカーテンが停止する。この時、第1コイルスプリング76が圧縮されるだけで、第2作動体74、第3作動体75は移動しない。障害物の除去後には、復帰ワイヤ(第1ワイヤW2、第2ワイヤW3)の引き出しが可能となり、第1コイルスプリング76が伸長して図14の状態となって、ブレーキが解放され、シャッターカーテン1が再降下する。図23(C)は、図15の状態における中継装置8の回動体80の姿勢を示す。図23(C)では、図23(B)の状態から復帰ワイヤの第2ワイヤW3が下方に引かれて、回動体80が回動して第1ワイヤW2を引っ張っていることがわかる。図23(C)の状態は、定常位置同じであり、図23(A)と実質的に同じである。図23(D)は、作動部7が図14の状態(自重降下時)に復帰した時の中継装置8の回動体80の姿勢を示し、実質的に図22(B)の姿勢と同じである。図15の状態において、第1マイクロスイッチSW1はON状態のままであり、第2マイクロスイッチSW2はON状態のままである。
火災検知信号の入力により一旦作動した自動閉鎖装置6を監視姿勢に復旧させたい場合には、自動閉鎖装置復旧用レバー67の操作によって、緊張状態にあるワイヤ5を第2の方向に引くことで、コイルスプリング61を圧縮させながら作動杆60が第2の方向に移動し、軸状の係止部630が作動杆60の上縁601上の摺動しながら移動して被係止溝600に係止することで、ラッチ63は第1の姿勢となると共に、マイクロスイッチMSがONとなり、図9に示す監視状態ないし定常位置となる。
[C−4]自重降下時(手動閉鎖装置からの手動閉鎖操作による)の作動部の動き
手動閉鎖装置10からの操作によるシャッターカーテン1の自重降下及び障害物検知について、図16、図17を参照しつつ、説明する。随時閉鎖を行いたい時には、手動閉鎖装置10の非常時閉鎖スイッチ102を押すと、図11の状態から、第3作動体75の側辺752を図中右側に引っ張って第2コイルスプリング77を圧縮状態に維持しているワイヤW4が緊張状態から緩み、圧縮された第2コイルスプリング77が伸長することで、コイルスプリング77の左側端部が左側に移動し、第3作動体75の側壁751が図中左側に押し出されて第3作動体75が左側に移動する。左側に押し出される側壁751によって、第2作動体74の側壁741が左側に押し出されて、第2作動体74が左側に移動する。第2作動体74の右側側辺742は第1コイルスプリング76の右側端部に右側から当接しており、第2作動体74の側辺742が右側に移動することによって、第1コイルスプリング76を介して、第1作動体73の側辺731が左側に押し出されて、側辺731の押圧片736がブレーキ解放レバー50を左側(第1の方向)に移動させて、ブレーキを解放する(図16)。この時、2本の第1コイルスプリング76の弾性力の合計は、ブレーキ解放レバー50の付勢力(開閉機5に内蔵された復帰手段により提供される復帰力)より大きいので、第1コイルスプリング76はそのままの状態で、ブレーキ解放レバー50の付勢力に打ち勝って左側に移動して、ブレーキ解放レバー50を移動させてブレーキを解放する。ブレーキ解放により、シャッターカーテン1は自重降下を開始する。図23(A)は、図11の状態における中継装置8の回動体80の姿勢を示し、図23(B)は図16の状態における中継装置8の回動体80の姿勢を示す。第1作動体73が定常位置から第1の方向へ移動することに伴って、復帰ワイヤの第1ワイヤW2が下方に引かれて回動体80が回動していることがわかる。
第3作動体75の第1の方向への移動に伴って、第2作動体74が図11の定常位置から図16の位置まで移動すると、第2マイクロスイッチSW2がOFFからONとなり、障害物検知用制御盤11Aに作動確認信号が送信され、手動操作部からの押しボタン操作が無効となり、シャッターカーテン1が電動開閉中の場合には、移動が停止される。第1マイクロスイッチSW1はON状態にある。
自重降下中のシャッターカーテン1の下端の座板4が障害物に当たって当該障害物を検知すると、ワイヤW2が右側に引っ張られて、第1コイルスプリング76を圧縮しながら第1作動体73が右側に移動する。第1作動体73の右側側辺731の押圧片736が右側に移動することで、ブレーキ解放レバー50を左側(ブレーキ解放方向)に押圧する力が解除され、ブレーキ解放レバー50がフリーとなって、ブレーキに内蔵された復帰手段(バネ部材)によってブレーキ及びブレーキ解放レバー50が復帰する(図17)。ブレーキの復帰により自重降下中のシャッターカーテンが停止する。この時、第1コイルスプリング76が圧縮されるだけで、第2作動体74、第3作動体75は移動しない。障害物の除去後には、復帰ワイヤ(第1ワイヤW2、第2ワイヤW3)の引き出しが可能となり、第1コイルスプリング76が伸長して図16の状態となって、ブレーキが解放され、シャッターカーテン1が再降下する。図23(C)は、図17の状態における中継装置8の回動体80の姿勢を示す。図23(C)では、図23(B)の状態から復帰ワイヤの第2ワイヤW3が下方に引かれて、回動体80が回動して第1ワイヤW2を引っ張っていることがわかる。図23(C)の状態は、定常位置同じであり、図23(A)と実質的に同じである。図23(D)は、作動部7が図16の状態(自重降下時)に復帰した時の中継装置8の回動体80の姿勢を示し、実質的に図22(B)の姿勢と同じである。図17の状態において、第1マイクロスイッチSW1はON状態のままであり、第2マイクロスイッチSW2はON状態のままである。
手動で自重降下させたシャッターカーテンを再び手動で停止させたい場合には、手動閉鎖装置10のレバー103を手前に引くと、第3作動体75に連結されているワイヤW4が右側に引っ張られ、第2コイルスプリング77を圧縮しながら第3作動体75が右側に移動する。図16の状態において、ブレーキ解放レバー50を復帰方向に移動させる復帰手段(バネ部材)に打ち勝ってブレーキ解放レバー50をブレーキ解放位置に保持する第2コイルスプリング77の伸長力が解除されることで、ブレーキ解放レバー50は、開閉機側の上記復帰手段の力で、第1作動体73、第2作動体74を伴って右側に移動し、ブレーキ及びブレーキ解放レバー50が復帰する(詳しくは、図11において、ブレーキ解放レバー50と押圧片736とが軽く当接した状態まで復帰する)。ブレーキの復帰により自重降下中のシャッターカーテンが停止する。このようにして、ブレーキ解放レバー50は図11の位置に戻る。
本実施形態では、自重降下時の障害物検知では、ブレーキ復帰位置にある第1作動体73が第2の方向に移動して定常位置となることで、ブレーキ解放レバー50が復帰して開閉機5のブレーキが復帰するようになっている。ここで、仮に経年劣化や調整誤差等によって、ブレーキが復帰する前に、第1作動体73が定常位置を越えてさらに第2の方向に移動することも考えられる。この時、第1作動体73の第2の方向への移動によって、第1マイクロスイッチSW1がONからOFF状態に切り替わる。ここで、自重降下時であっても、障害物検知信号が障害物検知用制御盤11Aに入力されるようにすることで、商用電源が有効な場合には、自重降下中のシャッターカーテン1を障害物検知後に電気的に制御して停止させることができる。
[D]制御部
本発明に係る機械式危害防止装置付き電動シャッターにおいて、電動開閉モード(通常モード)と自重降下モード(火災モード)で異なる制御が行われる。通常の電動開閉時には、シャッターカーテン1の動作制御は通常モードで行われる。自動閉鎖装置6への火災検知信号の入力または手動閉鎖装置10からの手動閉鎖操作による自重降下時には、制御モードが通常モードから自重降下モードに変わり、シャッターカーテン1の動作制御は自重降下モードで行われる。本実施形態では、制御部は、障害物検知用制御盤11Aと、シャッター制御盤11Bと、からなる。以下、詳細に説明する。
[D−1]電動開閉モード
通常モードでは、手動閉鎖装置10からの押しボタン操作でシャッターカーテン1の電動開閉が行われる。より具体的には、開口部全閉状態あるいは半開状態で開放スイッチUを押すと、障害物検知用制御盤11Aを介してシャッター制御盤11Bに信号が送信され、開閉機5が作動して巻取シャフト2を第1の方向に回転させてシャッターカーテン1を巻取りながら上昇させる(図24(1))。シャッターカーテン1の上昇時に、第2ワイヤW3は巻取ドラム91に巻き取られていく。シャッターカーテン1が予め設定された上限位置まで上昇すると上限リミットスイッチが作動して開閉機5の作動が停止し、巻取シャフト2の回転が停止してシャッターカーテン1の巻き取りが停止する。万が一、リミットスイッチLSの故障等により上限リミットでシャッターカーテン1が停止しない場合には、エマーゼンシースイッチ18が作動することで開閉機5によるシャッターカーテン1の上昇を停止させる。
開口部全開状態あるいは半開状態で閉鎖スイッチDを押すと、障害物検知用制御盤11Aを介してシャッター制御盤11Bに信号が送信され、開閉機5が作動して巻取シャフト2を第2の方向に回転させてシャッターカーテン1を降下させる(図24(2))。シャッターカーテン1の下降時に、第2ワイヤW3は、シャッターカーテン1の面部に沿って延びながら巻取ドラム91から引き出されていく。下降中のシャッターカーテン1の下端の下座板41が障害物に当たると、下座板41が上座板40に対して相対的に上動し、ロック装置9によって第2ワイヤW3の引き出しが規制され、上座板40が下座板41に対して下動することで、引き出しが規制された第2ワイヤW3が引かれ、中継装置8を介して第1ワイヤW2が引かれて、第1作動体73が定常位置から第2の方向(図では右側)へ移動して第1マイクロスイッチSW1がONからOFFとなり、障害物検知信号(座板作動信号)が障害物検知用制御盤11Aに送信される。障害物検知信号を受信した障害物検知用制御盤11Aは、シャッター制御盤11Bを介して、開閉機5の作動を所定時間(例えば1秒間)停止させ、その後開閉機5を作動させてシャッターカーテン1を所定時間(例えば1.5秒間)上昇させた後(タッチアップ)、停止させる((図24(3)))。その後、手動閉鎖装置10の閉鎖スイッチDを押すことで、シャッターカーテン1を電動再降下させることができる。
電動降下するシャッターカーテン1の下端の下座板41が着床すると、下座板41が上座板40に対して相対的に上動し、ロック装置9によって第2ワイヤW3の引き出しが規制され、上座板40が下座板41に対して下動することで、引き出しが規制された第2ワイヤW3が引かれ、中継装置8を介して第1ワイヤW2が引かれて、第1作動体73が定常位置から第2の方向(図では右側)へ移動して第1マイクロスイッチSW1がONからOFFとなり、障害物検知信号が障害物検知用制御盤11Aに送信される。障害物検知信号を受信した障害物検知用制御盤11Aは、シャッター制御盤11Bを介して、開閉機5の作動を停止してシャッターカーテン1の降下を停止させる(図24(2))。電動降下時にシャッターカーテン1が予め設定された下限位置まで降下するとタイマーが作動し、タイマー作動中に障害物検知信号が出力された場合には、タッチアップは行われないように設定されている。また、タイマー作動中に障害物検知信号が出力されない場合には、タイマー終了時に障害物検知用制御盤11A、シャッター制御盤11Bを介して開閉機5の作動を停止して巻取シャフト2の回転を停止する。なお、特に第1作動体73が僅かに動いた位置で第1マイクロスイッチSW1が動作するような敏感な設定にした場合、第2ワイヤW3の自重、第2ワイヤW3とロックドラム90の摩擦、巻取ドラム91に内装されるぜんまいばねの力、各装置の慣性等により、電動降下開始時、瞬間的に第2ワイヤW3が引き下げられて、第1作動体73が第2の方向へ移動して第1マイクロスイッチSW1が動作することも考えられる。そのため、制御装置には、電動降下開始直後の一定時間内に、第1マイクロスイッチSW1が動作したときに停止等の制御を行わないようにする機能や、また、前記機能により障害物に当接後の再降下の際に誤って障害物を無視するような誤動作を防止するために、障害物を検知し一旦停止した後の反転上昇の動作時間を延長する機能が備えられ、必要に応じて選択可能になっている。
[D−2]自重降下モード
防災盤6bからの火災検知信号の入力により自動閉鎖装置6が作動すると、ワイヤW1が引かれることで第2作動体74が定常位置から第1の方向(図では左側)に移動し、第2作動体74の第1の方向への移動と共に、第1作動体73が第1の方向に移動してブレーキが解放される。また、手動閉鎖装置10の非常時閉鎖スイッチ102の押し操作によってワイヤW4の緊張が緩和されると、第3作動体75が定常位置から第1の方向(図では左側)に移動し、第3作動体75の第1の方向への移動と共に、第2作動体74、第1作動体73が第1の方向に移動してブレーキが解放される。第2作動体74が定常位置から第1の方向に移動することで、第2マイクロスイッチSW2がOFFからONとなると、作動部7から障害物検知用制御盤11Aに作動確認信号が連続で出力され、障害物検知用制御盤11Aは作動確認信号を受信することで、電動開閉モード(通常モード)から自重降下モード(火災モード)に変わる。障害物検知用制御盤11Aが自重降下モードとなると、手動閉鎖装置10の開放スイッチU、閉鎖スイッチD、停止スイッチSからの電動開閉操作(電動開閉のための押しボタン操作)が無効化される。
自重降下中のシャッターカーテン1の下端の下座板41が障害物に当たると、下座板41が上座板40に対して相対的に上動し、ロック装置9によって第2ワイヤW3の引き出しが規制され、上座板40が下座板41に対して下動することで、引き出しが規制された第2ワイヤW3が引かれ、中継装置8を介して第1ワイヤW2が引かれて、ブレーキ解放位置まで移動した第1作動体73が定常位置へ向かって第2の方向へ移動して開閉機5のブレーキが復帰して、自重降下中のシャッターカーテン1が停止する。障害物が除去されると、上動した下座板41の下動が可能となり、第2ワイヤW3の引き出し規制が解除されて、第1コイルスプリング76が伸長して第1作動体73がブレーキ解放位置に移動して、ブレーキ解放レバー50によって開閉機5のブレーキが解放され、シャッターカーテン1は自重再降下する(図25(3))。自重降下中のシャッターカーテン1の下端の下座板41が着床すると、下座板41が上座板40に対して相対的に上動し、ロック装置9によって第2ワイヤW3の引き出しが規制され、上座板40が下座板41に対して下動することで、引き出しが規制された第2ワイヤW3が引かれ、中継装置8を介して第1ワイヤW2が引かれて、第1作動体73がブレーキ解放位置から定常位置へ移動し、ブレーキが復帰する。開閉機5のブレーキが復帰して、自重降下中のシャッターカーテン1が停止して全閉状態となる(図25(3))。
なお、仮に経年劣化や調整誤差等によって、ブレーキが復帰する前に、第1作動体73が定常位置を越えてさらに第2の方向に移動した場合には、第1マイクロスイッチSW1がONからOFFとなり、障害物検知信号が障害物検知用制御盤11Aに送信される(停電時には、障害物検知信号は送信されない。)。この時、自重降下時に通電が有効である場合には、障害物検知信号を受信した障害物検知用制御盤11Aは、シャッター制御盤11Bを介して、開閉機5を作動させてシャッターカーテン1を、障害物検知信号受信から所定時間(例えば、1.5秒)上昇させた後停止させるようにしてもよい(図25(3)の点線)。
また、自重降下モードは(自動閉鎖装置6のみが作動し又は自動閉鎖装置6と手動閉鎖装置10の両方が作動している場合は自動閉鎖装置6を復旧することで、また、手動閉鎖装置10のみが作動している場合は手動閉鎖装置10を復帰操作することで)作動部7の第2作動体74が定常位置に復帰して第2マイクロスイッチSW2がONからOFF状態になり、電動開閉モードに変わるようになっているが、手動閉鎖装置10のボックス100内に自重降下モードから電動開閉モードに復帰させるための専用のモード復帰スイッチを設けて、その操作により復帰するようにしても良い。
シャッターカーテンの電動上昇中に自動閉鎖装置6がブレーキ解放作動した場合には、定常位置にある第2作動体74及び第1作動体73が第1の方向へ移動して、第2マイクロスイッチSW2がOFFからONとなり、第2マイクロスイッチSW2がONとなると、障害物検知用制御盤11Aに作動確認信号が入力され、障害物検知用制御盤11Aは、電動開閉モード(通常モード)から自重降下モード(火災モード)に変わると共に、作動確認信号の入力と同時にシャッター制御盤11Bを介して開閉機5の駆動を停止し、シャッターカーテンは自重降下を開始する(図25(1))。シャッターカーテンの電動下降中に自動閉鎖装置6がブレーキ解放作動した場合には定常位置にある第2作動体74及び第1作動体73が第1の方向へ移動して、第2マイクロスイッチSW2がOFFからONとなり、第2マイクロスイッチSW2がONとなると、障害物検知用制御盤11Aに作動確認信号が入力され、障害物検知用制御盤11Aは、電動開閉モード(通常モード)から自重降下モード(火災モード)に変わると共に、作動確認信号の入力と同時にシャッター制御盤11Bを介して開閉機5の駆動を停止し、シャッターカーテンは自重降下を開始する(図25(2))。
[E]座板の構成
障害物検知手段を備えた座板4の構成について説明する。シャッターカーテン下端に設けられた座板4は、上座板40と、上座板40に対して相対的に上動可能な下座板41とからなる。本実施形態では、上座板40は、上面部400と、上面部400の幅方向両端から垂下する左右の側面部401と、左右の側面部401の下端から互いに接近する方向に水平状に延びる被当接片402と、からなり、下座板41の上端の左右の水平状の当接片411が上座板40の被当接片402上に載ることで、上座板40に対して下座板41が吊持される(図33、図37(A)、図42参照)。下座板41が上座板40に対して上限位置まで上動した姿勢では、下座板41の水平部414が上座板40の被当接片402に下側から当接する(図37(B)、図43参照)。
図31(A)、図32、図42、図43に示すように、座板4を構成する上座板40と下座板41との間には、複数の検知レバー42が、座板4の長さ方向に間隔を存して、回動支点421を中心として回動可能に設けてあり、電動降下中あるいは自重降下中のシャッターカーテン1の下端が障害物に当接して、下座板41が上座板40に対して相対的に上動すると、下座板41の上動に連動して検知レバー42が回動するようになっている。複数の検知レバー42はワイヤ43によって互いに連結されており、ワイヤ43の一端はコイルスプリング98を介してロック装置9のロック機構を構成する第1回動レバー92(後述する)の下端側に連結されている。下座板41が上座板40に対して相対的に上動すると、検知レバー42は、検知レバー42の下端がロック装置9のロックドラム90から離隔する方向に回動し、ワイヤ43はロック装置9のロックドラム90から離隔する方向に引っ張られる。
ワイヤ43が引っ張られて、第1回動レバー92が回動すると、ロック装置9のロック機構(詳細は後述する)によってロックドラム90の回転が規制され、シャッターカーテン1の降下中にロック装置9から引き出されている第2ワイヤW3の引き出しが停止し、さらに、シャッターカーテン1が降下することで第2ワイヤW3が下方に引かれ、中継装置8を介して、第1ワイヤW2が引かれて、第1作動体73がブレーキ復帰位置に移動して、ブレーキ解放レバー50の押し付けが解除され、開閉機5のブレーキに内蔵された復帰手段によってブレーキが復帰して、降下中のシャッターカーテン1が停止する。
上述の座板4の障害物検知手段の構成は1つの実施形態であって、本発明の権利範囲を限定するものではない点に留意されたい。例えば、障害物検知手段は、座板4を構成する上座板40と下座板41との間に回動可能に設けた検知体を用いて、下座板41の上動を検知するものであればよく、検知体の形状や個数は図示の態様に限定されず、また、ワイヤ43を用いないもの(例えば、検知体が座板の長さ方向に延びる回動体である)でもよい。
図31、図32、図34等に示すように、下座板41は、長さ方向に分割された複数の下座板ユニッ41A、41Bから構成されている。この下座板41の構成については、[H]において詳述する。
[F]ロック装置
ロック装置9の構成について、図26〜図30に基づいて詳細に説明する。なお、図26と図27〜図30とで要素の形状に異なる箇所があるが構成要素自体は同じである。また、各要素の参照番号は図27に最も詳細に記載されており、適宜参照されたい。ロック装置9は、回転自在のロックドラム90と、回転自在の巻取ドラム91と、第1回動レバー92と、第2回動レバー93と、第3回動レバー94と、これらを内装するケース95と、を備えている。本実施形態では、ロックドラム90は、中継装置8の直下に位置しており、巻取ドラム91は、ロックドラム90の第1側に隣接して配置されており、第1回動レバー92と、第2回動レバー93と、第3回動レバー94は、ロックドラム90の第2側に隣接して配置されている。通常時には、第1回動レバー92、第2回動レバー93、第3回動レバー94は第1の姿勢(非ロック姿勢)にある(図26、図30参照)。障害物検知によるシャッター停止時には、第1回動レバー92、第2回動レバー93、第3回動レバー94は第2の姿勢(ロック姿勢)にあり(図27参照)、また、第2回動レバー93が第2の姿勢を維持する間は、第1回動レバー92が回動を開始しても、ロック装置9のロック状態が維持される(図28、図29参照)。
ケース95は、上板950と、左右の側板951、952と、後板953と、着脱可能な前面カバー954(図4参照)を備えており、下面は開放状となっている。上板950には、第2ワイヤW3を挿通させるガイド9500が形成されている。図26に示すように、ロックドラム90、巻取ドラム91の前面側には、ロックドラム90及び巻取ドラム91を挟んで後板953と対向するように前板954´が設けてある。前板954´は、少なくともロックドラム90、巻取ドラム91の中心部(支持軸900、910に対応する部位)の前側を覆うように延びている。図示の態様では、前板954´は、上側及び右側に折り曲げ片が一体形成されており、上側折り曲げ片を上板950に、右側折り曲げ片を側片952に当接させて螺子でケース95に固定される。支持軸900及び支持軸910は一端が後板953に、他端が前板954´に支持されている。支持軸900、支持軸910を両端で支持することで、片持ち支持に比べてより安定してロックドラム90、巻取ドラム91を回転支持することができる。図26に示す態様では、ロックドラム90と巻取ドラム91間で延びるワイヤW3を挿通させるガイド部958は前板954´の下端の折曲部に形成されている。図26、図27には図示していないが、ケース95の前面には、さらに、前面カバー954が設けられる。側片951、952の下端はそれぞれ外側に折り返されて折曲片956、957が形成されており、ケース95は、折曲片956、957を介して螺子956a、957a(図32参照)で上座板40の上面部400に取り付けられている。ケース95は外部に露出する螺子956a、957aを用いて上座板40に取り付けられているので、メンテナンス時等のケース95の取り外しが容易となる。
ロックドラム90は、ロックドラム90を回転自在に支持する支持軸900と、ワイヤを巻回する凹状の周面901と、ロックドラム90の周縁(具体的には、周面901の厚さ方向の一側に位置して設けられ、周面901よりも大径の円板部902の周縁に連続状に形成された多数の歯状の被係止部903と、を備えている。ロックドラム90の周縁はいわば歯車を形成している。1つの態様では、周面901の厚さ方向の寸法は、ワイヤが並列状に3周巻回できるような寸法となっている。
巻取ドラム91は、巻取ドラム91を回転自在に支持する支持軸910と、ワイヤを巻回する周面911と、巻取ドラム91をワイヤの巻取方向に付勢するための手段としてのぜんまいばね(図示せず)と、を備えている。
第1回動レバー92は、上下方向に延出する回動片であり、上側の第1部分920と、第1部分920に対してやや角度を付けて下方に延びる第2部分921と、からなり、第1部分920と第2部分921との接続部に位置して形成された回動支点922(ケース95の後板953に突設された支持軸P1によって形成される)を中心として回動可能にケース95に設けてある。
第1回動レバー92は、回動支点922を中心として、上側の第1部分920がロックドラム90に接近する方向の第1の方向(ロック方向)、上側の第1部分920がロックドラム90から離間する方向の第2の方向(ロック解除方向)に回動可能となっている。通常の開閉時及び停止時には、第1回動レバー92は、上側の第1部分920がロックドラム90から離間した側に回動した第1の姿勢にあり(図26、図30参照)、ロック装置9がロック状態にある時には、第1回動レバー92は、上側の第1部分920がロックドラム90に近接した側に回動した第2の姿勢にある(図27参照)。
第1回動レバー92は、付勢手段として例示するコイルスプリング96によって第2の方向へ付勢されている。図示の態様では、コイルスプリング96の一端は、ケース95の左側の側板951の下端に近接して、ケース95の後板953から突設したピンP2に連結され、他端は第1回動レバー92の第1部分920の上端において、ロックドラム90から離間する側に連結されている。ケース95の後板953の所定部位にはストッパとしてのピンP3が突設されており、第1回動レバー92が第1の姿勢にある時には、第1回動レバー92の第1部分920のロックドラム90から離間する側の部位がピンP3に当接している。
第1回動レバー92の第2部分921の下側は、ケース95の下端から下方に延出しており、下端には、フック状の係止部92a(図26参照)が形成されており、ワイヤ43の端部(ワイヤ43の端部にコイルスプリング98(図32、図39参照)連結されている場合には、コイルスプリング98の端部)が係止部92aに係脱可能に係止されている。下座板41の上動に連動してワイヤ43に引かれると、第1回動レバー92がコイルスプリング96の付勢力に打ち勝って、第1方向に回動する。係止部92aは、第1回動レバー92の下端側において、ワイヤ43が延びる側とは反対側に形成された開口と、開口から下方に延びる溝部と、溝部によってワイヤ43が延びる側と反対側に形成された立ち上がり部と、から形成されており、溝部の底部はワイヤ43側に若干膨らんでおり、立ち上がり部の上端は開口に隣接して肉厚に形成されている。係止部92aの形状は、機械式危害防止装置の動作時に、第1回動レバー92がいかなる回動姿勢にあっても、ワイヤ43が係止部92aから外れることがないような形状に形成されている。メンテナンス時等にはワイヤ43の端部を係止部92aから取り外すことができるので有利である。
第2回動レバー93は、短辺930、931、長辺932を備えた2等辺三角形状の回動片であり、短辺931をロックドラム90に対向させて、短辺931及び長辺932の下側に位置する頂点に近接して形成された回動支点933(ケース95の後板953に突設された支持軸P1によって形成される)を中心として回動可能にケース95に設けてある。図示の態様では、第2回動レバー93の回動支点933と第1回動レバー92の回動支点922は共通の支持軸P1から形成されている。短辺930、931によって形成される頂点に近接して係止部934が形成されており、係止部934から離間するように長辺932に近接して当接部935が形成されており、短辺930、長辺932によって形成される頂点に近接して当接部936が形成されている。第2回動レバー93の係止部934は、ロックドラム90の被係止部903(歯車の歯)に係脱可能な形状を備えている。
本実施形態では、第2回動レバー93は、対向する2枚のプレートを備え、支持軸P1は2枚のプレート間に貫設されており、係止部934は2枚のプレート間を連結するピン(回転自在な回転ピン)であり、当接部935は2枚のプレート間を連結するピンであり、当接部936は2枚のプレート間を連結するピンに回転自在に外装されたベアリングである。なお、2枚のプレートからなる構成は第2回動レバー93の1つの態様に過ぎないものである。
第2回動レバー93は、下側の回動支点933を中心として、上側がロックドラム90に接近する方向の第1方向、上側がロックドラム90から離間する方向の第2方向に回動可能となっている。通常の開閉時及び停止時には、第2回動レバー93は、上側がロックドラム90から離間した側に回動した第1の姿勢にあり(図26、図30参照)、ロック装置9がロック状態にある時には、第2回動レバー93は、上側がロックドラム90に近接する側に回動した第2の姿勢にある(図27参照)。第2回動レバー93が第1の姿勢にある時には、係止部934がロックドラム90の被係止部903から離間した非係止状態にあり、また、当接部935には、第1回動レバー92の第1部分920のロック装置に近い側の部位が当接している。第2回動レバー93が第2の姿勢にある時には、係止部934がロックドラム90の被係止部903に係止した係止状態にある。第2回動レバー93の係止部934とロックドラム90の被係止部903とが係止状態にある時には、ロックドラム90の回転が規制され、ロック装置9はワイヤW3の引き出しが規制されたロック状態となる。
第2回動レバー93は、付勢手段として例示するコイルスプリング97によって、第2方向へ付勢されている。図示の態様では、コイルスプリング97の一端は、ケース95の左側の側板951の下端に近接して、ケース95の後板953から突設したピンP2に連結され、他端は第2回動レバー93の当接部935に連結されている。図示の態様では、第2回動レバー93を第2方向へ付勢するコイルスプリング97と第1回動レバー92を第2方向へ付勢するコイルスプリング96は共通のピンP2に連結されているが、それぞれ別個のピンを用意して、別個のピンに連結させてもよい。また、図示の態様では、当接部935を形成するピンが、コイルスプリング97の他端の連結部を兼用しているが、図26に示すように、当接部935とは異なる部位(立ち上がり片935´)にコイルスプリング97の他端を連結してもよい。
第2回動レバー93の当接部935には、第1回動レバー92の上側の第1部分920のロックドラム90に近い側の部位が当接している。下座板41の上動に連動してワイヤ43が引かれて第1回動レバー92がコイルスプリング96の付勢力に打ち勝って第1の方向に回動すると、第1回動レバー92の第1部分920が第2回動レバー93の当接部935を押すことで、第2回動レバー93は、コイルスプリング97の付勢力に打ち勝って第1の方向に回動する。第2回動レバー93が第1の方向に回動することで、ロックドラム90の被係止部903に対して離間していた第2回動レバー93の係止部934がロックドラム90の被係止部903に係止して、ロック状態となる。
第3回動レバー94は、第1回動レバー92及び第2回動レバー93の上方に位置して横方向に延びる部材であり、係止状態(第2の姿勢)にある第2回動レバー93の第2の方向への回動を規制する回動規制手段、換言すると、障害物除去後において、第2回動レバー93の係止状態を所定時間保持する保持レバーである。第3回動レバー94は、ロックドラム90に近い側の端部を回動支点940として、回動可能にケース95に設けてあり、ロックドラム90から遠い側の端部が上下方向に回動可能となっている。回動支点940は、ケース95の後板953に突設した支持軸P4から形成されている。
第3回動レバー94は、第1回動レバー92及び第2回動レバー93が第1の姿勢にある時には、ロックドラム90から遠い側の端部である先端が第1の位置(上側)に回動した第1の姿勢(図26参照)にあり、第1回動レバー92及び第2回動レバー93が第2の姿勢にある時には、先端が第2の位置(下側)に回動した第2の姿勢(図27参照)にある。
横方向に延びる第3回動レバー94の下側部位には、ロック装置9がロック状態にある時、つまり、第1回動レバー92、第2回動レバー93、第3回動レバー94が第2の姿勢にある時に、第2回動レバー93の当接部936に係止する係止部941が形成されている。第3回動レバー94の下側部位には、係止部941に対して先端側に位置して当接部942が形成されている。
本実施形態では、第3回動レバー94は、対向する2枚のプレートを備え、支持軸P4は2枚のプレート間に貫設されており、係止部941は2枚のプレートの先端間に挟持したブロックであり、当接部942は2枚のプレート間を連結するピンに回転自在に外装されたベアリングである。2枚のプレートからなる構成は第3回動レバー94の1つの態様に過ぎず、また、係止部941は一体形成されたものでもよい。図示の態様では、係止部941は側面視段部状であるが、係止部941の形状は限定されず、爪状ないし突起状であってもよい。
第1回動レバー92、第2回動レバー93、第3回動レバー94が第1の姿勢にある時に、第3回動レバー94の係止部941の角部が第2回動レバー93の当接部936に当接しており、第3回動レバー94の先端が下側へ回動することが規制されており、第1の姿勢が保持されている。この状態から、第2回動レバー93が第1の方向に回動することで、第2回動レバー93の当接部936が第3回動レバー94の係止部941の角部を乗り越えると同時に第3回動レバー94が下側に回動し、第2回動レバー93の当接部936が係止部941に係止する。
図27に示すように、第1回動レバー92、第2回動レバー93、第3回動レバー94が第2の姿勢にある時に、第2回動レバー93の当接部936は第3回動レバー94の係止部941の係止辺9410に対向しており、また、第1回動レバー92の上端に形成された当接部923が第3回動レバー94の当接部942に当接している。第1回動レバー92の当接部923と第3回動レバー94の当接部942との当接状態及び第2回動レバー93の当接部936と第3回動レバー94の係止部941の係止辺9410との対向状態(図27参照)ないし係止状態(図28参照)は、少なくとも、第1回動レバー92が第2の姿勢から第2の方向へ所定量回動する間は維持される。第2の姿勢にある第3回動レバー94が上側に所定量回動することで、第3回動レバー94の係止部941と第2回動レバー93の当接部936の係止状態が解除され、第3回動レバー94による回動規制が解除され、コイルスプリング97の力で第2姿勢にある第2回動レバー93は第2方向に回動する。
第3回動レバー94の先端側には周面状の突片943が形成されており、第3回動レバー94が第1の姿勢にある時に、突片943が左側の側片951に当接するようになっており、第3回動レバー94のさらなる上側への回動が規制されている。こうすることで、第3回動レバー94が第2姿勢から第1姿勢へ回動した時の跳ね上がりを防止している。
ロック装置の作用について説明する。シャッターカーテン1が降下を開始すると、座板4の降下に伴って座板4に設けられたロック装置9(ロックドラム90、巻取ドラム91)も降下し、ロック装置9の降下に伴って、ぜんまいばねの力に打ち勝って、第2ワイヤW3は巻取ドラム91及びロックドラム90が回転しながら、シャッターカーテン1の降下距離分だけシャッターカーテン1の面部に沿って引き出されていく。
ロック装置9は、降下中のシャッターカーテン1の下端の座板4が障害物に当接した時に、下座板41が上座板40に対して相対的に上動することに連動してロックドラム90の回転が規制されるように作動する。自重降下中のシャッターカーテン1の下端が障害物に当接して、下座板41が上座板40に対して相対的に上動すると、下座板41の上動に連動して検知レバー42が回動するようになっている。複数の検知レバー42の下端部位はワイヤ43によって互いに連結されており、ワイヤ43の一端はコイルスプリング98を介して第1回動レバー92に連結されている。検知レバー42は、下座板41が上座板40に対して相対的に上動すると、ロックドラム90から離隔する方向に回動してワイヤ43をロックドラム90から離隔する方向に引っ張り、第1回動レバー92が第1の姿勢から第2の姿勢へと回動する。
第1回動レバー92が図26に示す第1の姿勢から第1の方向へ回動すると、第1回動レバー92の第1部分920が第2回動レバー93の当接部935に当接しながら押すことで、第1の姿勢にある第2回動レバー93は第1の回動レバー92と一緒に第1の方向へ回動して、第2回動レバー93の係止部934がロックドラム90の歯状の被係止部903に係止してロックドラム90の回転を規制する(図27)。
一方、図26に示すように、第1の姿勢にある第3回動レバー94は、第1の姿勢にある第2回動レバー93の当接部936に当接することで、下側への回動が規制されている。第1の姿勢にある第2回動レバー93が第1回動レバー92と共に第1の方向へ回動することで、第2回動レバー93の当接部936が第3回動レバー94の係止部941の角部を乗り越えて係止部941に係止すると同時に、第3回動レバー94が自重で下側へ回動して第2の姿勢となる(図27)。
第1回動レバー92、第2回動レバー93、第3回動レバー94が第2の姿勢にある時には、第1回動レバー92の第2の姿勢は、ワイヤ43の引っ張り力により保持され、第2回動レバー93の第2の姿勢は、第2の姿勢にある第1回動レバー92の第1部分920が第2回動レバー93の当接部935に当接することで保持され、第3回動レバー94の第2の姿勢は、第1回動レバー92の当接部923が第3回動レバー94の当接部942に当接することで保持される。したがって、ワイヤ43が引っ張られた状態、すなわち、障害物検知状態にある時には、第1回動レバー92、第2回動レバー93、第3回動レバー94が第2の姿勢を維持し、ロック装置9がロック状態にあってロックドラム90の回転が規制される。
ロックドラム90の回転が停止すると、第2ワイヤW3の引き出しが規制され第2ワイヤW3の長さが一定となり、この状態で上座板40(すなわちロックドラム90)が下座板41に対して降下すると、第2ワイヤW3、中継装置8を介して第1ワイヤW2が引かれて、第1作動体73が第2の方向へスライド移動する。電動降下中の場合は、定常位置にある第1作動体73が第2の方向に移動して第1マイクロスイッチSW1がONからOFFとなり、障害物検知信号(座板作動信号)が障害物検知用制御盤11Aに送信され、障害物検知信号を受信した障害物検知用制御盤11A、シャッター制御盤11Bによって開閉機5の駆動を停止して、シャッターカーテン1の降下が停止する。自重降下中の場合には、ブレーキ解放位置にある第1作動体73が定常位置(ブレーキ復帰位置)へ移動することで、ブレーキ解放レバー50が復帰してブレーキが復帰し、巻取シャフト2の回転を規制してシャッターカーテン1の降下が停止する。
ここで、ブレーキ復帰のためには復帰ワイヤ(第1ワイヤW2、第2ワイヤW3)を所定量引っ張る必要があり(すなわち、シャッターカーテン1が所定量降下する必要がある)、障害物に当たった下座板41は、ブレーキ復帰をさせるだけのシャッターカーテン1の降下量に対応する上動ストロークを備えていることが望ましい。さらに、この上動ストロークに加え、下座板41は、上座板40に対して、相対的に上動可能とするような余裕ストロークを備えていることが望ましい。この余裕ストロークによって、下座板41に障害物が接触した時に、当該下座板41の荷重のみを障害物に作用させることができ、障害物にシャッターカーテン全体の荷重が作用することを防止する。ここで、上座板40に対して相対的に上動する下座板41とから座板4を構成することは公知であるが、本実施形態では、上座板40に対する下座板41の可動距離は、従来の可動距離よりも大きい。具体的には、上座板40に対する下座板41の相対的な可能距離は、自重降下するシャッターカーテン1下端の下座板41が障害物に当たった時に検知レバー42を回動させて、第2回動レバー93をロックドラム90に係止させて当該ロックドラム90の回転を規制して巻取ドラム91に収納されている復帰ワイヤの引き出しを規制するまでの第1移動量(ロックのために第1回動レバー92及び第2回動レバー93を回動させる必要あり)と、復帰ワイヤの引き出しが規制された状態で上座板40が下座板41に対して相対的に下動することで前記引き出しが規制された復帰ワイヤを下方に引っ張ってブレーキを復帰させるまでの第2移動量(ロック後に復帰ワイヤを下方に引っ張る必要あり)と、ブレーキ復帰によってシャッターカーテン1の下降が停止した後で上座板40に対する下座板41の上動を許容する第3移動量(障害物に作用するであろう荷重を緩和する)と、の合計からなる。なお、復帰ワイヤを引くことに関連して、下座板41の上動ストロークが小さい場合であっても、復帰ワイヤの途中(例えば、中継装置8)や復帰ワイヤ(第1ワイヤW2)と作動部7の作動機構との連結部位に位置させて、第2ワイヤW3の上動ストロークに対して大きい作動機構(ブレーキ解放体)の牽引量を取り出す機構(例えば、リンク機構)を設けることでブレーキを復帰させることができる。
障害物除去後に下座板41が下動して、ワイヤ43の引っ張りが無くなると、第2の姿勢にある第1回動レバー92がコイルスプリング96の力によって第2の方向に回動を開始する。後述するように、本実施形態では、第1回動レバー92の第2の方向への回動速度は減速されている。第1回動レバー92の上端の当接部923は凹状の円弧面となっており、回動初期には、第3回動レバー94の当接部942の周面に対して摺動しながら、第1回動レバー92が第2の方向に回動を開始する一方、第2回動レバー93は、第2の姿勢(ロック状態)を維持している(図28)。図27と図28を対比すればわかる通り、第2回動レバー93の当接部936と第3回動レバー94の係止部941との係止状態の遊びの範囲において、第2の姿勢にある第1回動レバー92が第2の方向へ回動すると、第2回動レバー93もわずかに第2の方向に回動するが、当該係止状態は維持されており、第2回動レバー93の係止部934とロックドラム90の被係止部903とはロック状態にある。
第1回動レバー92が所定量回動した時点から、第1回動レバー92の当接部923が第3回動レバー94の当接部942に当接して作用し、第3回動レバー94の先端側の当接部942が第1回動レバー92の回動に連動して上方に押し上げられ、第3回動レバー94が所定量押し上げられると、第3回動レバー94の係止部941と第2回動レバー93の当接部936との係止状態が解除され(係止状態が解除される直前まで、第2回動レバー93のロック状態が維持される)、第2回動レバー93はコイルスプリング97の力によって第2の方向に瞬時に回動し、第2回動レバー93の係止部934とロックドラム90の被係止部903との係止状態が解除され、ロック状態が解除される。ロック状態が解除される直前の状態を図29に示す。図29の状態から第1回動レバー92の当接部923によって第3回動レバー94の当接部942が完全に押し上げられると、第2回動レバー92の当接部936と第3回動レバー94の係止部941との係止状態が外れて、同時に、コイルスプリング97によって第2回動レバー93が第2の方向に瞬時に回動して、係止部934がロックドラム90の被係止部903から外れて、ロックドラム90の回転が可能となる(図30)。
本実施形態では、第2ワイヤW3を、ロックドラム90と、巻取ドラム91に分けて巻き取るようにしている。1つの回転体にワイヤの巻取機構とロック機構の両方を設けた場合には(本発明の範囲には、かかる態様も含まれるが)、ワイヤが回転体に乱巻きされ、多層に巻かれたワイヤに外側のワイヤが食い込んで、いわゆる巻き絞りが生じるおそれがある。ワイヤに巻き絞りが生じると、ワイヤの円滑な繰り出し、巻取りに影響を与える可能性がある。本実施形態では、第2ワイヤW3は先ずロックドラム90に3周巻かれてから、巻取ドラム91に巻装されるようになっており、第2ワイヤW3に発生し得る力はロックドラム90に作用するようになっている。ここで、ロックドラム90の周面901には、第2ワイヤW3が一層巻き(並行状の3巻き)なので、第2ワイヤW3に力が作用しても、回転中のロックドラム90の回転が急に停止しても、ワイヤに巻き絞りが生じることがない。また、第2ワイヤW3をロックドラム90に複数巻くことで、第2ワイヤW3がロックドラム90の周面901で滑ることを防止しており、ロックドラム90と巻取ドラム91が一緒に回転するようになっている。また、巻取ドラム91には、第2ワイヤ3を巻き取る方向に付勢するぜんまいばねが内蔵されているので、ロックドラム90がロックされて回転が停止しても、第2ワイヤW3の弛みは生じない。また、ロック状態でシャッターカーテン1が上昇した場合には、ロックドラム90に3周巻かれた第2ワイヤW3が緩むが、緩んだ第2ワイヤW3は、ぜんまいばねを内蔵した巻取ドラム91に巻き取られるので、第2ワイヤW3が弛むことがない。障害物検知時におけるシャッターカーテン1のタッチアップを、遅延機構により遅延されたロック解除を待たなくても行うことができ、シャッターカーテン1が停止してからタッチアップするまでの時間を短くすることができる。また、障害物検知時にはロックドラム90に3周巻かれた第2ワイヤW3の摩擦力によって第2ワイヤW3を下方に引くようになっているが、仮に、ロック状態で前記摩擦力を超える大きな下向きの力が作用した場合には、ロックドラム90に3周巻かれた第2ワイヤW3が滑ってシャッターカーテン1を降ろすことで第2ワイヤW3の切断を防止する。
第1回動レバー92の下端は、コイルスプリング98を介してワイヤ43に連結されており、コイルスプリング98は緩衝用バネを構成している。ブレーキ復帰のためには復帰ワイヤを所定量引っ張る必要があり(すなわち、シャッターカーテン1が所定量降下する必要がある)、障害物に当たった下座板41は、第2回動レバー93の係止部934がロックドラム90の歯状の被係止部903に係止した後も相対的に上動する必要がある。この時、コイルスプリング98が伸びることで、ロックドラム90がロックされた後の下座板41の上動に伴うワイヤ43や係止部分(係止部934、被係止部903)への負荷を緩和している。より具体的に説明すると、ロック後(係止部934が被係止部903に係止した後)、さらに上座板40が下座板41に対して下動することで、下動した分だけ復帰ワイヤが引き下げられる。同時に、上座板40の下動によって、検知レバー42がさらに上方に回動して、ワイヤ43がさらに引かれるが、この時、コイルスプリング98が伸びることで、第2回動レバー93の係止部934がロックドラム90の被係止部903に押し付けられることを防止する。
以上説明したロック装置9の構成は1つの実施形態であって、本発明の権利範囲を限定するものではない点に留意されたい。図示の態様では、ロックドラム90と巻取りドラム91は隣接しているが、ロックドラム90と巻取ドラム91を離間(非限定な例示として、これらのドラムの半径寸法から直径寸法程度)させて配置してもよい。本実施形態では、ロックドラム90と巻取ドラム91を別体として設け、ロックドラム90をロックする構成に基づいて説明したが、出願人の先の出願である特許第4906612号(特開2009−13647号)に記載したもののように、ロックドラムと巻取ドラムを一体化してもよい。図示の態様では、ロックドラム90の一側にのみ第1回動レバー92、第2回動レバー93、第3回動レバー94、検知レバー42を配置したが、ロックドラム90の両側に検知レバーを配置すると共に、それぞれの検知レバーに連結されるワイヤに連結される左右一対の第1回動レバーを設けてもよい。図示の態様では、3つの回動レバー(第1回動レバー92、第2回動レバー93、第3回動レバー94)を示したが、1つの回動ロックレバーを備えたものでもよい(図33参照、特許文献1参照)。
ロック装置は、下座板41の上動によって復帰ワイヤの引き出し規制を行うものであれば、その構成は限定されない。例えば、ロック装置は巻取ドラムを備えていなくてもよい。すなわち、巻取ドラムをロック装置とは別の場所(例えば、ロック装置から離間した座板の部分、まぐさ部等の開口部上方部位、ガイドレール内部等)に設けもよい。巻取ドラムをまぐさ部に設ける態様は、例えば特許文献1に開示されている。また、復帰ワイヤは必ずしも巻取ドラムに巻装されるものに限定されず、例えば、復帰ワイヤの下端側をプーリによってガイドレール内部に案内し、下端を床面やガイドレールに固定してもよい。ロック装置は、必ずしもロックドラムを備えたものに限定されず、例えば、挟持手段や圧接手段によって復帰ワイヤの引き出しを機械的に規制するものでもよい。ロック装置は、必ずしも全ての構成要素が上座板に設けられているものに限定されず、ロック装置の構成要素の一部が下座板に設けられる態様も含む。
[G]自重再降下遅延機構
上述のように、障害物の除去後には、下座板41が上座板40に対して相対的に下動することで、ロック装置9が非ロック状態となって復帰ワイヤ(第1ワイヤW2+第2ワイヤW3)の引き出しが可能となり、自動閉鎖装置6の作動機構によって開閉機5のブレーキが解放され、シャッターカーテン1が自重再降下する。ここで、ロック装置9の可動ロック部(例えば、第1回動レバー92)や検知レバー42の第2の姿勢から第1の姿勢への変位に抵抗を与えるように減衰機構を設けることで、ロック姿勢である第2の姿勢にある可動ロック部の速度を低減させて第1の姿勢へと回動させて、復帰ワイヤ(第1ワイヤW2、第2ワイヤW3)の引き出し規制を解除するタイミングを遅延させる。すなわち、ロック状態にあるロック装置9が非ロック状態となるタイミングを遅延させて復帰ワイヤ(第1ワイヤW2、第2ワイヤW3)を引き出し可能とすることで、障害物除去後にシャッターカーテン1が自重再下降を開始するまでの時間を遅らせるようにしている。具体的な構成例について、以下に説明する。
まず、図26〜図30に示すように、ロック装置9は、ロックドラム90と、巻取ドラム91と、第1回動レバー92と、第2回動レバー93と、第3回動レバー94を備えている。このロック装置9の構成や動作の詳細については、既述の記載を援用することができる。また、同じ参照番号が付されている要素については、既述の記載を援用することができる。本実施形態におけ自重再降下遅延機構は、第1回動レバー92の復旧を遅延させる遅延機構46である。
図40〜図41に示すように、遅延機構46は、ロータリーダンパ460と、回動アーム461と、連結バー462と、支持プレート463と、を備えている。支持プレート463は垂直状に延びており、上端を上座板40の上面部 400の下面に固定することで、上座板40の上面部400に対して垂下状に設けてある。支持プレート463の面部にロータリーダンパ460が固定されている。
回動アーム461は概ね上下方向に延びた縦姿勢となっており、回動アーム461の基端(上端)はロータリーダンパ460に連結され、先端(下端)は連結バー462の一方の端部に近い部位に連結されている。連結バー462は座板4の長さ方向に延びており、連結バー462の一方の端部は、コイルスプリング98を介してワイヤ43と連結され、連結バー462の他方の端部は第1回動レバー92の下端に連結されている。連結バー462は、第1回動レバー92の第1の方向への回動、第2の方向への回動に連動して座板4の長さ方向に左右に移動するようになっており、連結バー462の左右の移動に連動して回動アーム461が第1の方向、第2の方向に回動するようになっている。
ロータリーダンパ460は、ワンウェイダンパであり、回動アーム461の第1の方向の回動には抵抗を与えずに回動アーム461の第1の方向への回動を自由に許容する一方、回動アーム461の第2の方向の回動に抵抗を与えることで、連結バー462の移動速度、第1回動レバー92の第2の方向への回動速度を低減するようになっている。
上座板40には、座板4の長さ方向に間隔を存して複数の検知レバー42が設けてある。図42〜図43に示すように、検知レバー42は、上座板40の上面部400の内側に固定された支持部42Aに対して回動可能に取り付けられている。座板4は、通常の姿勢では、下座板41が上座板40から吊持された状態にあり、具体的には、図40に示すように、下座板41は、上座板40の左右の側面部401の下端に形成した被当接片402に、下座板41の左右の側面部413の上端に形成した当接片411が掛止されることで、上座板40に対して相対的に上下動自在に吊持されている。また、図40に示すように、座板4(上座板40、下座板41)の内部空間の幅は、遅延装置46に対して遥かに大きいので、下座板41の上動時に上座板40に対する下座板41の前後方向の傾動を許容する空間が確保されており、床面が傾斜していても良好に対応することができる。
検知レバー42は被当接部420を備えており、図40、図42に示す通常姿勢では、下座板41の当接片411が検知レバー42の被当接部420に下側から近接している。下座板41の下面410に障害物が当たって、上座板40に対して下座板41が上動すると、下座板41の当接片411が被当接部420に下側から当接して押し上げるようになっており、これによって検知レバー42が第1回動レバー92の下端から離隔する方向に回動し、ワイヤ43が第1回動レバー92を第1の方向に回動させるように移動する。下座板41が上座板40に対して上限位置まで上動した姿勢では、下座板41の水平部414が上座板40の被当接片402に下側から当接している(図43参照)。なお、障害物に当接した際は、下座板41が前記の上限位置まで上動する前に、自重降下及び電動降下を停止する設定となっている。
ロック装置9、検知レバー42、遅延機構46の作用について説明する。なお、ロック装置9の作用について、適宜、図26〜図30を参照されたい。自重降下中のシャッターカーテン1の下端が障害物に当接して、下座板41が上座板40に対して相対的に上動すると、下座板41の上動に連動して検知レバー42が回動するようになっている。複数の検知レバー42の下端部位(通常姿勢での)はワイヤ43によって互いに連結されており、ワイヤ43の一端はコイルスプリング98、遅延機構46を介して第1回動レバー92に連結されている。検知レバー42は、下座板41が上座板40に対して相対的に上動すると、ロックドラム90から離隔する方向に回動してワイヤ43をロックドラム90から離隔する方向に引っ張り、第1回動レバー92が第1の姿勢から第2の姿勢へと回動する。この時、減衰機構46のワンウェイのロータリーダンパ460は、連結バー462の移動に伴う回動アーム461の回動に抵抗を与えることがないので、検知レバー42の回動に連動して速やかに第1回動レバー92が回動する。
第1回動レバー92が第1の姿勢(図26)から第1の方向へ回動すると、第1回動レバー92の第1部分920が第2回動レバー93の当接部935に当接しながら押すことで、第1の姿勢にある第2回動レバー93は第1の回動レバー92と一緒に第1の方向へ回動して、第2回動レバー93の係止部934がロックドラム90の歯状の被係止部903に係止してロックドラム90の回転を規制する(図27)。
一方、図26に示すように、第1の姿勢にある第3回動レバー94は、第1の姿勢にある第2回動レバー93の当接部936に当接することで、下側への回動が規制されている。第1の姿勢にある第2回動レバー93が第1回動レバー92と共に第1の方向へ回動することで、第2回動レバー93の当接部936が第3回動レバー94の係止部941の角部を乗り越えて係止部941に係止すると同時に、第3回動レバー94が自重で下側へ回動して第2の姿勢となる(図27)。
第1回動レバー92、第2回動レバー93、第3回動レバー94が第2の姿勢にある時には、第1回動レバー92の第2の姿勢は、ワイヤ43の引っ張り力により保持され、第2回動レバー93の第2の姿勢は、第2の姿勢にある第1回動レバー92の第1部分920が第2回動レバー93の当接部935に当接することで保持され、第3回動レバー94の第2の姿勢は、第1回動レバー92の当接部923が第3回動レバー94の当接部942に当接することで保持される。したがって、ワイヤ43が引っ張られた状態、すなわち、障害物検知状態にある時には、第1回動レバー92、第2回動レバー93、第3回動レバー94が第2の姿勢を維持し、ロック装置9がロック状態にあってロックドラム90の回転が規制される。
ロックドラム90の回転が停止すると、第2ワイヤW3の引き出しが規制され第2ワイヤW3の長さが一定となり、この状態で上座板40(すなわちロックドラム90)が下座板41に対して降下すると、第2ワイヤW3、中継装置8を介して第1ワイヤW2が引かれて、第1作動体73が第2の方向へスライド移動する。電動降下中の場合は、定常位置にある第1作動体73が第2の方向に移動して第1マイクロスイッチSW1がONからOFFとなり、障害物検知信号(座板作動信号)が障害物検知用制御盤11Aに送信され、障害物検知信号を受信した障害物検知用制御盤11A、シャッター制御盤11Bによって開閉機5の駆動を停止して、シャッターカーテン1の降下が停止する。自重降下中の場合には、ブレーキ解放位置にある第1作動体73が定常位置(ブレーキ復帰位置)へ移動することで、ブレーキ解放レバー50が復帰してブレーキが復帰し、巻取シャフト2の回転を規制してシャッターカーテン1の降下が停止する。
障害物除去後に下座板41が下動して、検知レバー42によるワイヤ43の引っ張りが無くなると、第2の姿勢にある第1回動レバー92がコイルスプリング96の力によって第2の方向に回動を開始する。この時、遅延装置46のワンウェイロータリーダンパ460によって、回動アーム461の第2の方向への回動に抵抗が与えられ、回動アーム461がゆっくりと第2の方向へ回動することで、ワイヤ43に引かれて第1の方向に移動した連結バー462がゆっくりと第2の方向へ移動する。したがって、連結バー462の端部に連結された第1回動レバー92の第2の方向への回動速度が減速される。
第1回動レバー92が所定量回動した時点から、第1回動レバー92の当接部923が第3回動レバー94の当接部942に当接して作用し、第3回動レバー94の先端側の当接部942が第1回動レバー92の回動に連動して上方に押し上げられ、第3回動レバー94が所定量押し上げられると、第3回動レバー94の係止部941と第2回動レバー93の当接部936との係止状態が解除され(係止状態が解除される直前まで、第2回動レバー93のロック状態が維持される)、第2回動レバー93はコイルスプリング97の力によって第2の方向に瞬時に回動し、第2回動レバー93の係止部934とロックドラム90の被係止部903との係止状態が解除され、ロック状態が解除される。ロック状態が解除される直前の状態を図29に示す。図29の状態から第1回動レバー92の当接部923によって第3回動レバー94の当接部942が完全に押し上げられると、第2回動レバー92の当接部936と第3回動レバー94の係止部941との係止状態が外れて、同時に、コイルスプリング97によって第2回動レバー93が第2の方向に瞬時に回動して、係止部934がロックドラム90の被係止部903から外れて、ロックドラム90の回転が可能となる(図30)。
本実施形態では、座板に設けた遅延装置46を用いることで、障害物除去後にロック装置9のロック状態が解除されるまでの時間を遅延させると共に、所定の遅延後には、ロック状態(係止状態)が瞬時に解除されるようにして、障害物検知によって一旦停止したシャッターカーテンが再下降するタイミングを遅延させる機構を実現している。より具体的には、本実施形態では、回動ロックレバーを2つの部材(下座板の上動に連動して回動する第1回動レバー92、ロックドラムに係止する第2回動レバー93)から構成し、第2回動レバー93のロック解除方向(第2の方向)への回動を、第1回動レバー92の第2の方向への回動と分離することで、第2回動レバー93を、第1回動レバー92が第2の方向へ所定量回動した時点で第2の方向へ回動してロック状態が解除されるように構成し、遅延機構46によって第1回動レバー92の第2の方向への回動をゆっくりと行うことによって、ロック状態解除のタイミングを遅延させて、障害物除去からシャッターカーテン再下降が開始されるまでの時間を遅延させる。
[H]分割された下座板を備えた座板構造
本実施形態では、図31に示すように、下座板41は、長さ方向に分割された複数の下座板ユニッ41A、41Bから構成されている。図示の態様では、下座板41は、2本の下座板ユニット41A、41Bに分割されており、1つの分割部Dを備えているが、建物開口部の幅寸法に応じて、障害物検知の感度を考慮して、3本以上の下座板ユニット(2つ以上の分割部を備える)に分割され得る。
図34に示すように、分割部Dにおいて、隣り合う下座板ユニット41A、41Bの端縁は、隙間Gを介して隣接しており、各下座板ユニット41A、41Bは、独立して、上座板40から吊持された姿勢(図37(A))から上座板40に対して上動可能である。例えば、図31において、下降中のシャッターカーテンの座板4の左半部の下面(下座板ユニット41Aの下面410)に障害物が当たった場合には、下座板ユニット41Aのみが上座板40に対して上動し、座板4の右半部の下面(下座板ユニット41Bの下面410)に障害物が当たった場合には、下座板ユニット41Bのみが上座板40に対して上動し、座板4の分割部Dの下面410に障害物が当たった場合には、下座板ユニット41A、下座板ユニット41Bの両方が上座板40に対して上動する。
座板4の内部には、分割部Dの隙間Gを座板4内部から対向して塞ぐ塞ぎプレート44が設けてある。塞ぎプレート44は、隣り合う下座板ユニット41A、41Bの一方あるいは両方の動きに応じて、隙間Gを塞いだ状態を維持しながら可動となっている。本実施形態では、塞ぎプレート44は上座板41に連結される一方、下座板ユニット41A、41Bとの当接部440を備えることで、下座板ユニット41A、41Bの動きが塞ぎプレート44に伝達される。塞ぎプレート44は、当接部440が分割部Dを跨ぐように位置するように配置されることで、下座板ユニット41A、41Bの一方あるいは両方の動きに応じて可動となっている。すなわち、1枚の塞ぎプレート44が、隣位の2つの下座板ユニット41A、41Bに対応しており、塞ぎプレート44は、いずれか一方あるいは両方の下座板ユニット41A、41Bの動きに応じて、隙間Gを塞いだ状態を維持しながら可動となっている。
図35に示すように、本実施形態の塞ぎプレート44は、リーフ状のフラットプレートであり、外力が作用しない通常時には、側面視において垂直姿勢にある(図33(C)、図37(A))。塞ぎプレート44は、上端側を回動支点として、上下方向(縦方向)に、プレートが形成する垂直面内で、第1の姿勢(傾斜姿勢)と第2の姿勢(ほぼ水平姿勢)との間で、回動可能となっている(図35、図36)。塞ぎプレート44は、鉛直方向の外力が作用した場合にも、プレート面部を通る垂直面内で回動することで、側面視において垂直姿勢にある(図37(B))。
リーフ状の塞ぎプレート44の縁部は、長軸に対してほぼ対照状の左右の縁部からなり、各縁部は、先端側半部の湾曲縁44Aと、基端側半部の直線縁44Bと、からなる。図35において傾斜姿勢の塞ぎプレート44の右側(下側)の縁部の先端側半部の湾曲縁44Aが、下座板ユニット41A、41Bの下面410に対する当接部440(先端側の第1当接部440A、基端側の第2当接部440B)となっており、第1当接部440Aが下座板ユニット41Aの下面410に対する当接部440、第2当接部440Bが下座板ユニット41Bの下面410に対する当接部440となっている。
図36(A)、(B)を対比すればわかるように、塞ぎプレート44の姿勢に変化(第1の姿勢〜第2の姿勢)に応じて、先端側半部の湾曲縁44Aにおける当接部440(先端側の第1当接部440A、基端側の第2当接部440B)の位置が変化する。図36(A)では、湾曲縁44Aのなかの先端側の部位が、当接部440(先端側の第1当接部440A、基端側の第2当接部440B)として、分割部Dに位置しており、図36(B)では、湾曲縁における直線縁44B側の部位が、当接部440(先端側の第1当接部440A、基端側の第2当接部440B)として、分割部Dに位置している。塞ぎプレート44のプレート面部において、隙間Gに対向する部位の高さH1、H2は、第1の姿勢(H1)から第2の姿勢(H2)の間のいずれの姿勢においても、隙間Gの高さよりも大きく、座板内部から隙間Gを塞ぐようになっている。図35における2点鎖線G´は、隙間Gの位置を示している。
上座板40の上面400には、取付ベース441が螺子によって固定されており、取付ベース441から舌状の支持辺442が垂下している。支持辺442の垂下位置は、座板4の幅方向(短手方向)中央部位に対して偏倚している。垂直状の支持辺442に対して回動支軸443が水平姿勢で支持されており、回動支軸443は、偏倚した側に座板4の幅方向(短手方向)に水平に突出している。塞ぎプレート44の基端部(上端部)は、挿通孔に回動支軸443を挿通させることで、回動支軸443の軸周り、すなわち、塞ぎプレート44の面部を通る面内で回動可能に支持されている。
下座板ユニット41A、41Bが上動することで、第1の姿勢(傾斜姿勢)にある塞ぎプレート44に上方に押し上げる力が働くと、回動支軸443を中心として、第1の方向(上方)に回動して、第2の姿勢(ほぼ水平姿勢)となる。塞ぎプレート44を上方に押し上げる力が除去されると、塞ぎプレート44は、自重によって、第2の姿勢から第1の姿勢へ第2の方向(下方)に回動する。塞ぎプレート44が第1の姿勢にある時には、塞ぎプレート44の当接部440が下座板ユニット41A、41Bの下面410に当接しているので、傾斜状の第1の姿勢からさらに下方に回動することはない。また、図示しないバネによって塞ぎプレート44を第2の方向に付勢しておき、下座板ユニット41A、41Bの上動時には、バネの付勢力に抗して第1の方向に回動し、下座板ユニット41A、41Bの下動時には、バネの付勢力によって第2の方向に回動するようにしてもよい。
塞ぎプレート44は、挿通孔と回動支軸443の遊び(クリアランス)によって、回動支軸443の軸方向、すなわち、座板4の幅方向(短手方向)に揺動可能に支持されている。回動支軸443の先端にはリング状の当接プレート444が固定されており、回動支軸443には、当接プレート444と塞ぎプレート44の間に位置して、コイルスプリング445が外装されている。コイルスプリング445の先端は当接プレート444に当接しており、基端は塞ぎプレート44に当接している。
塞ぎプレート44は、通常姿勢において、面部が側面視で垂直に延びており、この垂直姿勢がコイルスプリング445によって保持されている。下座板ユニット41A、41Bが座板4の幅方向(短手方向)、すなわち、建物開口部の前後方向ないしシャッターカーテンの厚さ方向に傾動するときには、塞ぎプレート44は、コイルスプリング445の付勢力に抗して揺動し、下座板ユニット41A、41Bが通常姿勢に復帰すると、塞ぎプレート44は、コイルスプリング445の付勢力によって、通常姿勢(垂直姿勢)に復帰する。
図33(C)、図37(A)に示すように、塞ぎプレート44は、外力が作用しない通常時において、下座板41の左右の側面部413に対して、垂直姿勢で離間対向しており、下座板ユニット41A、41Bの側面部413の近接する端部間に亘って延びることで、下座板ユニット41A、41Bの側面部413の端部間に形成された隙間Gを座板内部から対向して塞いでいる。座板4の内部空間において、塞ぎプレート44が延びる垂直面の位置は、幅方向(短手方向)中央部位に対して偏倚している。図示の態様では、左側(ロック装置9が設けられた側)に偏倚している。検知レバー42に連結されたワイヤ43(図32参照)は、座板4の内部空間内において、幅方向(短手方向)ほぼ中央部位で座板4の長さ方向に延びている。図33(B)にワイヤ(図示せず)の挿通部422が示されており、ワイヤ(図示せず)が座板4の幅方向(短手方向)の中央部位で座板4の長さ方向に延びることがわかる。塞ぎプレート44は、塞ぎプレート44の可動範囲(移動軌跡)を、座板4の内部空間の幅方向(短手方向)の中央部位に対して偏倚させることで、ワイヤ43と接触することがないように配置される。
塞ぎプレート44の動作について、図36〜図38に基づいて説明する。図36(A)、図37(A)は、通常時、すなわち、下座板ユニット41A、41Bが、上座板40に対して吊られた状態である。この時、検知レバー42は第1の姿勢(待機姿勢)にある。塞ぎプレート44は、傾斜状の第1の姿勢にある。塞ぎプレート44の当接部440の第1当接部440Aが下座板ユニット41Aの下面410に当接しており、第2当接部440Bが下座板ユニット41Bの下面410に当接している。塞ぎプレート44の面部は、分割部Dを挟んで、下座板ユニット41A、41Bに跨って延びており、隙間Gを塞いでいる。
図36(B)、図37(B)は、障害検知時、すなわち、下座板ユニット41A、41Bが、上座板40に対して上動した状態を示す。図36(B)に示す例では、下座板41の分割部Dに亘って障害物が当たった時に、下座板ユニット41A、41Bが共に上座板40に対して上動した状態を示す。検知レバー42は、第1の姿勢から第2の姿勢(検知姿勢)に回動し、ワイヤ43が引っ張られる。塞ぎプレート44は、当接部440を介して下座板ユニット41A、41Bの下面410に押し上げられて、傾斜状の第1の姿勢から、第1の方向に回動し、ほぼ水平状の第2の姿勢となる。第2の姿勢においても、塞ぎプレート44の面部は、分割部Dを挟んで、下座板ユニット41A、41Bに跨って延びており、隙間Gを塞いでいる。なお、図36(B)に示すように、上座板40対して下座板41(下座板ユニット41A、41B)が相対的に最も上動した時に、第2の姿勢にある塞ぎプレート44の上縁と上座板40の上面部400とは離間している。すなわち、塞ぎプレート44は、上座板40に対する下座板41(下座板ユニット41A、41B)の上動を妨げないようになっている。
上座板41に対して上動した下座板ユニット41A、41Bが下動すると、第2の姿勢にある塞ぎプレート44は、下座板ユニット41A、41Bの下動に追従して、自重で第2の方向に回動し、第1の姿勢となる。あるいは、図示しないバネによって塞ぎプレート44を第2の方向に付勢しておき、下座板ユニット41A、41Bの上動時には、バネの付勢力に抗して第1の方向に回動し、下座板ユニット41A、41Bの下動時には、バネの付勢力によって第2の方向に回動するようにしてもよい。
図36(B)に示す態様では、下座板ユニット41A、41Bが共に上座板40に対して上動した状態を示すが、図36Aに示すように、下座板ユニット41Aのみが上動した場合には、下座板ユニット41Aの下面410によって、塞ぎプレート44の第1当接部440Aが押し上げられて、塞ぎプレート44は、第2の姿勢へ回動する。この時、塞ぎプレート44の第2当接部440Bは、下座板ユニット41Bの下面410から上方に離間している。第2の姿勢においても、塞ぎプレート44の面部は、分割部Dを挟んで、下座板ユニット41A、41Bに跨って延びており、下座板ユニット41Bの上方部位と下座板ユニット41Aの下方部位との間に形成されている隙間Gを塞いでいる。同様に、下座板ユニット41Bのみが上動した場合には、下座板ユニット41Bの下面410によって、塞ぎプレート44の第1当接部440Bが押し上げられて、第2の姿勢へ回動する。
図38は、上座板40に対して下座板ユニット41A、41Bが、座板4の幅方向(短手方向)、すなわち、建物開口部の前後方向ないしシャッターカーテンの厚さ方向に傾動した状態を示す。シャッターカーテン1の下降時に、下座板41の下端の角部に障害物が当たった場合や障害物の形状等によっては、下座板41(下座板ユニット41A、41B)が傾くことがある。図38(A)に示すように、下座板41(下座板ユニット41A、41B)が当接プレート444側に傾いた場合には、塞ぎプレート44は上端が支持辺442の根元に当たりながら、コイルスプリング445を圧縮するように揺動し、下座板41(下座板ユニット41A、41B)を傾動させる外力が解除されると、コイルスプリング445によって、元の垂直姿勢に復帰する。
図38(B)に示すように、下座板41(下座板ユニット41A、41B)が当接プレート444から離れる側に傾いた場合には、塞ぎプレート44は回動支点の直ぐ下の部位が支持辺442の先端に当たりながら、コイルスプリング445を圧縮するように揺動し、下座板41(下座板ユニット41A、41B)を傾動させる外力が解除されると、コイルスプリング445によって、元の垂直姿勢に復帰する。
4 座板
40 上座板
41 下座板
41A 下座板ユニット
41B 下座板ユニット
44 塞ぎプレート
440 当接部
440A 第1当接部
440B 第2当接部

Claims (8)

  1. シャッターカーテン下端に設けられ、上座板と、上座板に対して相対的に上動可能な下座板とからなる座板において、
    前記下座板は、長さ方向に分割された複数の下座板ユニットから構成されており、
    分割部において、隣り合う下座板ユニットの端縁は、隙間を介して隣接しており、各下座板ユニットは、独立して、前記上座板に対して上動可能であり、
    座板内部には、前記分割部を跨いで前記隙間を座板内部から対向して塞ぐ塞ぎプレートが設けてあり、
    前記塞ぎプレートは、前記隣り合う下座板ユニットの一方あるいは両方の動きに応じて、前記分割部を跨いだ状態を維持しながら可動となっている、
    シャッターの座板構造。
  2. 前記塞ぎプレートは回動可能に構成されており、下座板ユニットの上動に応じて押し上げられるように第1の方向に回動し、第1の方向に回動した当該塞ぎプレートは、上動した下座板ユニットの下動に応じて第2の方向に回動する、
    請求項1に記載のシャッターの座板構造。
  3. 前記塞ぎプレートは、当該塞ぎプレートの回動方向と異なる方向に揺動可能に構成されている、請求項2に記載のシャッターの座板構造。
  4. 前記塞ぎプレートの面部は、座板の長さ方向に延びており、
    前記塞ぎプレートは、当該塞ぎプレートの面部を通る面内で上下方向に回動可能であり、かつ、座板の幅方向に揺動可能である、
    請求項3に記載のシャッターの座板構造。
  5. 前記塞ぎプレートは、付勢手段の付勢力に抗して通常姿勢から揺動し、当該塞ぎプレートを揺動させる外力が除去されると、前記付勢力によって通常姿勢に復帰する、
    請求項3、4いずれか1項に記載のシャッターの座板構造。
  6. 前記塞ぎプレートは上座板に回動可能に連結されると共に、下座板ユニットとの当接部を備え、
    前記当接部は、前記分割部を跨ぐように位置して設けられ、隣り合う下座板ユニットの一方あるいは両方の上動が前記当接部を介して塞ぎプレートに伝達されて、当該塞ぎプレートが回動する、請求項1〜5いずれか1項に記載のシャッターの座板構造。
  7. 座板内部において、前記上座板には長さ方向に間隔を存して複数の検知レバーが回動可能に設けてあり、
    前記検知レバーは、前記座板内部を座板長さ方向に延びるワイヤによって連結されており、
    前記検知レバーは、前記下座板ユニットの上動に応じて回動することで、前記ワイヤを引っ張って障害物検知を行うようになっており、
    前記塞ぎプレートは回動可能に構成されており、前記塞ぎプレートの回動範囲は、前記ワイヤと干渉しないように設定されている、
    請求項1〜6いずれか1項に記載のシャッターの座板構造。
  8. 請求項1〜7いずれか1項に記載のシャッターの座板構造を備えたシャッター装置。
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