JP6084806B2 - 機械式避難時停止装置付きシャッター - Google Patents
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Description
特許文献2では、ロック装置として4つのロックドラム(プーリ)を設けてワイヤを巻回している為、シャッターを繰返し開閉するうちに、各ロックドラム(プーリ)でワイヤの巻き具合にズレが生じる。例えば、2つ目のロックドラム(プーリ)は整列状に巻回されているが次のロックドラム(プーリ)はワイヤが重なって巻かれると、巻回されるワイヤの長さが変わってしまう為、4つのロックドラム(プーリ)間のワイヤに異常な張力やゆるみが生じ、動作に不具合が生じたり、ワイヤやロックドラム(プーリ)を損傷する恐れがあった。
また、巻取ドラムやロックドラムが水平の向きに設置されている為、ワイヤが自重で下方にずれて、整列状に巻かれず巻乱れが生じやすかった。
第1の方向に移動してブレーキを解放し、第1の方向と反対の第2の方向に移動してブレーキを復帰させる作動手段と、
前記作動手段を第2の方向に移動するように当該作動手段に一端側が連結された復帰ワイヤと、
シャッターカーテン下端に設けられ、上座板と、上座板に対して相対的に上動可能な下座板とからなる座板と、
シャッターカーテン自重降下中にロック状態となることで、前記復帰ワイヤが引かれる、ロック装置と、
を備え、前記ロック装置は、
前記上座板に設けられ、前記復帰ワイヤを巻き取る方向の付勢手段を備え、当該復帰ワイヤを他端側から巻き取る巻取ドラムと、
前記上座板に設けられ、前記巻取ドラムと前記作動手段との中間で前記復帰ワイヤが巻回される、1個のロックドラムと、
前記下座板の相対的な上動により、前記ロックドラムの回転を規制する、ロック部材と、
を備え、ブレーキ解放により自重降下するシャッターカーテン下端の下座板が障害物に当接すると、前記復帰ワイヤが前記作動手段を第2の方向に移動させてブレーキを復帰して当該シャッターカーテンの降下を停止させる、
機械式避難時停止装置付きシャッター、である。
1つの態様では、上座板と下座板との間には、下座板が上座板に対して相対的に上動すると第1の姿勢から第1の方向に回動して第2姿勢をとり、下座板が上座板に対して相対的に下動すると第2姿勢から第2の方向に回動して第1姿勢をとる、検知レバーが回動可能に設けられ、
前記ロックドラムは、復帰ワイヤを巻回する周面と、被係止部と、を備え、
前記ロック部材は、 前記被係止部に係止可能な係止爪を備え、非ロック姿勢である第1の姿勢とロック姿勢である第2の姿勢をとり、第2の姿勢にある時にロックドラムに係止して、当該ロックドラムの回転を規制する回動ロック部材であり、
前記回動ロック部材は、第1の姿勢をとるように付勢されており、前記検知レバーの第1の方向の回動に連動して回動して第2の姿勢となるように構成されており、
前記復帰ワイヤはロックドラムの周面に巻回されてから前記巻取ドラムに巻き取られるようになっており、シャッターカーテンの自重降下に伴って前記ロックドラム及び前記巻取ドラムが回転しながら当該復帰ワイヤが前記巻取ドラム及び前記ロックドラムからシャッターカーテン面部に沿って引き出し可能となっており、
自重降下するシャッターカーテン下端の下座板が障害物に当たると、前記回動ロック部材が第2の姿勢となってロックドラムに係止して当該ロックドラムの回転を規制して前記巻取ドラムに収納されている復帰ワイヤの引き出しを規制し、引き出しが規制された復帰ワイヤが前記作動手段を第2の方向に移動させてブレーキを復帰させて下降中のシャッターカーテンを停止させる。
1つの態様では、巻取ドラムとロックドラムは横方向に並んで配置されている。
1つの態様では、巻取ドラムとロックドラムは隣接して配置されている。
1つの態様では、前記巻取ドラム及び前記ロックドラムは略垂直に取り付けられている。ドラム設置角度は、ワイヤを整然と巻回するためには、出来る限り垂直に設置するのが望ましいが、例えば、ロックドラムの下端をシャッター芯(=シャッターカーテンの厚さ方向の中心位置)に位置させるために、特に、ロックドラムを傾斜して設置することが考えられる。 この場合においても、垂直から約30度以内の傾きとすることが望ましい。
1つの態様では、回動ロック部材と検知レバーとは連結部材(ワイヤ等)で連結されており、検知レバーの第1の方向の回動に連動して連結部材を介して第1の姿勢から回動して第2の姿勢となる。
また、回動ロック部材を押圧することで第1の姿勢から回動させて第2の姿勢とする手段を設け、検知レバーの第1の方向の回動に連動して、前記手段が回動ロック部材を押圧するようにしてもよい。
1つの態様では、前記障害物が取り除かれた後に、前記回動ロック部材が第1の姿勢となって、前記ロックドラムの回転規制が解除され、前記巻取ドラムからの前記復帰ワイヤの引き出しが可能となり、前記作動手段が第1の方向に移動してブレーキが解放されて、シャッターカーテンは自重で再降下する。1つの態様では、前記作動手段は、バネ部材を備え、当該バネ部材を圧縮しながら第2の方向に移動することでブレーキ解放レバーがブレーキ有効状態となり、障害物検知が解除されると、圧縮されたバネ部材が伸長することで、第1の方向に移動してブレーキ解放レバーをブレーキ解放姿勢とする。
自重降下するシャッターカーテン下端の下座板が障害物に当たった時に検知レバーを回動させて、回動ロック部材をロックドラムに係止させて当該ロックドラムの回転を規制して前記巻取ドラムに収納されている復帰ワイヤの引き出しを規制するまでの第1移動量と、
復帰ワイヤの引き出しが規制された状態で上座板が下座板に対して相対的に下動することで前記引き出しが規制された復帰ワイヤを引っ張ってブレーキを復帰させるまでの第2移動量と、
ブレーキ復帰によってシャッターカーテンの下降が停止した後で上座板に対する下座板の上動を許容する第3移動量と、
の合計からなる。
1つの態様では、前記ロックドラムの周面には、前記復帰ワイヤが複数回かつ1層に巻かれている。
ロック装置がロック状態となった後で、検知レバーが回動してさらにワイヤを引こうとした場合に、過負荷防止用のバネ材が伸びて、ワイヤの破断を防止している。
一端が前記ワイヤ中継装置に接続され、他端側が前記ロック装置の前記ロックドラム及び前記巻取ドラムに巻回される第2ワイヤと、
からなり、
前記ワイヤ中継装置は前記ロックドラムを通る鉛直線上に位置して開口部上方に設けられ、前記第2ワイヤはシャッターカーテンの自重降下時にはシャッターカーテンの面部に沿って垂下するように延びる。
また、回動ロック部材を複数個設けてもよい。
1つの態様では、ロックドラムの一側には巻取ドラムが配置され、ロックドラムの他側には第1回動ロック部材が配置され、ロックドラムの一側には巻取ドラムとの間に位置して第2回動ロック部材が配置される。
この場合、座板には、ロック装置の左右両側に位置してそれぞれ一つ以上の検知レバーが配置されており、左側に位置する一つ以上の検知レバーが左側の回動ロック部材に連結され、右側に位置する一つ以上の検知レバーが回転体の右側の回動ロック部材に連結される。
また、ロック部材は、回動ロック部材に限定されるものではなく、例えば、ロックドラムの直下の下座板の底面部の内側面上に大径の圧縮コイルバネを載置して固定し、該圧縮コイルバネ上端面に、ロックドラムに当接して回転をロックする爪状部材を設け、下座板が相対的に所定距離上動するとロックドラムに該爪状部材が圧接して回転をロックし、さらに下座板が相対上動した場合は該圧縮コイルバネが縮み、対応するものでも良い。
1個のロックドラムと巻取ドラムを採用することで、ロックドラムで復帰ワイヤが重なり巻きをして強く引かれると、それに対応した長さの復帰ワイヤが引き出され、ロックドラムが整列巻き状態に戻り復帰ワイヤが弛みそうになると、巻取ドラムが弛み分を巻き取るため、常に適切な復帰ワイヤの張り状態が維持される。
ロックドラムの周面に、前記復帰ワイヤが複数回かつ1層に巻かれているものでは、ロックドラムの周面上の復帰ワイヤの滑りを防止するものでありながら、復帰ワイヤは一層巻きなので、ロックドラムに巻かれた復帰ワイヤ同士が食い込むことはない。
[A−1]シャッターの基本構成
図1に示すように、シャッター装置は、開口部を閉鎖するシャッターカーテン1と、開口部上方に位置してシャッターカーテン1を巻装する巻取シャフト2と、開口部左右両端に立設されたガイドレ−ル3と、を備えている。シャッターカーテン1は、複数枚の開口幅方向に延びる長尺状のスラットを上下に連結して構成されており、下端には座板4が設けてある。図3、図4左図、図15に示すように、座板4は開口部幅方向に延びる長尺状の上座板40と、上座板40の下方側に上座板40に対して相対的に上下動自在に吊持された長尺状の下座板41とからなり、後述するように、座板4は障害物検知手段の一構成要素となっている。通常時には、シャッターカーテン1は、開閉機5によって巻取シャフト2を正逆回転駆動することで昇降して、開口部を開閉する。図では開閉機5を用いた電動シャッターを示したが、シャッター装置は、手動ハンドルやチェーンを用いるいわゆる手動式でもよい。また、通常時において、シャッターカーテンを自重で降下させて開口部を閉鎖するものでもよい。本発明は、ブレーキの解放によりシャッターカーテンを自重降下させることができるシャッターに関するものであり、本実施形態では、火災を検知した時に、ブレーキの解放によりシャッターカーテンを自重降下させるシャッターについて説明する。
自動閉鎖装置6は、防災盤6bからの火災検知信号の入力によって可動部が作動して、ブレーキ解放ワイヤW1を引くことで、作動手段を介してブレーキ解放レバーを移動させてブレーキを解放させる。自動閉鎖装置6がブレーキ解放ワイヤW1を引く態様としては幾つかの手法が知られており、自動閉鎖装置6に内蔵されたバネ部材のバネ力でブレーキ解放ワイヤW1を引くもの、自動閉鎖装置6に内蔵されたモータの駆動力でブレーキ解放ワイヤW1を引くもの等が挙げられる。自動閉鎖装置6は、ブレーキ解放・復帰装置7の作動手段を移動させてブレーキ解放レバーを移動させるものであれば、自動閉鎖装置6の具体的な構成は限定されない。図示の例では、自動閉鎖装置とブレーキ解放装置は別体で構成されているが、自動閉鎖装置一体型のブレーキ解放装置であってもよい。なお、本実施形態の自動閉鎖装置は、(いずれも図示しない)圧縮コイルスプリングと、該圧縮コイルスプリングを圧縮状態に保持するロック機構と、火災検知信号の入力により該ロック機構を解除するソレノイドとを備え、火災検知信号によりソレノイドが作動してロック機構が解除されたときに圧縮コイルスプリングが伸長することによりワイヤW1を引っ張る構成となっている。また、ワイヤW1を引くストロークは、第2作動体74の側辺741をフレーム70の垂壁704に当接する位置まで引っ張るのに十分なストロークを有している。
ブレーキ解放・復帰装置7は、ブレーキ解放レバーをブレーキ解放方向に移動させる作動手段を備えており、火災検知信号が自動閉鎖装置6に入力されることで、自動閉鎖装置6によってブレーキ解放・復帰装置7の作動手段が移動してブレーキ解放レバーを移動させる。具体的な態様例では、作動手段は自動閉鎖装置6の可動部とブレーキ解放ワイヤW1で連結されており、火災検知信号が自動閉鎖装置6に入力されると、自動閉鎖装置6の可動部が移動してブレーキ解放ワイヤW1が引かれて、ブレーキ解放・復帰装置7の作動手段が自動閉鎖装置6側へ移動する。そして、自動閉鎖装置6側へ移動した作動手段が、ブレーキ解放レバーを移動させてブレーキを解放させる。ブレーキ解放ワイヤW1はアウターケーブルW1´内を延出する。
図5に示すように、中継装置8は、ロック装置9のロックドラム90の直上で、開口部上方のまぐさ内部に取り付けられている。中継装置8は、開口部上方に位置して前後方向(シャッタ収納部の奥行き方向)に延びる回動体80を備え、回動体80は、まぐさ内部に設けた取付ベース81の立ち上がり片に回動自在に設けてあり、回動体80は回動支点82を中心として、第1端部、第2端部がそれぞれ上下動するように回動する。第1端部には、ワイヤW2の端部の固定部83が形成されており、第2端部には、ワイヤW3の上端の固定部84が形成されている。第2端部に形成された固定部84に固定されたワイヤW3が下方に引っ張られると、回動体80が回動支点82を中心に回動して、第1端部が下方に下がり、第2端部が上方に移動して、ワイヤW2を引っ張る。なお、回転支点82から固定部83までの距離、回転支点82から固定部84までの距離を選択することで、ワイヤW3の引っ張り量と、ワイヤW2の引っ張り量の比率を適切に設定することができる。また、前記ワイヤW1、ワイヤW2及び(後述する手動閉鎖装置を接続する)ワイヤW4は、自転車のブレーキなどに使用されるタイプのアウターケーブル付きワイヤであって、それらのアウターケーブルの両端はそれらのワイヤが接続される各装置(自動閉鎖装置、手動閉鎖装置、ブレーキ解放・復帰機構)のケース等に固定される。そして、ワイヤW1、W2、W4のインナーワイヤは、前記各装置が通常状態(自動閉鎖装置及び手動閉鎖装置は作動前の待機状態、ブレーキ解放・復帰装置は図11(A)の状態)で、緩み無く又は所定の張力を有する状態となるように調整し取り付けられる。なお、アウターケーブルの固定手段やインナーワイヤの長さ調整及び固定の手段は、防火設備等においては周知の技術であり詳細な説明は省略する。
図3、図4に示すように、上座板40と下座板41との間には、複数の検知レバー42が回動可能に設けてあり、自重降下中のシャッターカーテン1の下端が障害物Xに当接して、下座板41が上座板40に対して相対的に上動すると、下座板41の上動に連動して検知レバー42が回動するようになっている。複数の検知レバー42の下端部位はワイヤ43によって互いに連結されており、ワイヤ43の一端はロック装置9の回動ロック部材92の下端側に連結されている。下座板41が上座板40に対して相対的に上動すると、検知レバー42は、検知レバー42下端がロック装置9のロックドラム90から離隔する方向に回動し、ワイヤ43はロック装置9のロックドラム90から離隔する方向に引っ張られる。
図6に示すように、シャッター装置の近傍の壁面には、操作し易い高さに手動閉鎖装置10が設けてある。手動閉鎖装置10は、中空の縦長直方体で、前面に開口を備えたボックス100と、ボックス100の前面の開口を開閉するカバー体101と、前面の下方部位に設けた押スイッチ102と、前面の側方部位に回動可能に設けた回動レバー103と、手動操作用のワイヤW4の端部(他端)をネジで固定するワイヤ端固定部104と、を備えている。1つの態様では、ボックス100内には、図示しない開放、閉鎖、停止スイッチが配置されている。
[B−1]ロック装置の構成
図3に示すように、ロック装置9は、座板4の長さ方向の一側(具体的には開口部幅方向の開閉機5が設けられた側)に寄った位置で上座板40に取り付けられている。図7に示すように、ロック装置9は、回転自在のロックドラム90と、回転自在の巻取ドラム91と、ロックドラム90の回転を規制する回動ロック部材92と、これらを内装するケース93と、を備えている。ロックドラム90は、中継装置8の直下に位置しており、巻取ドラム91は、ロックドラム90の第1側に隣接して配置されており、回動ロック部材92は、ロックドラム90の第2側に隣接して配置されている。なお、図示の態様では、ロックドラム90と巻取りドラム91は隣接しているが、ロックドラム90と巻取ドラム91を離間(非限定な例示として、これらのドラムの半径寸法から直径寸法程度)させて配置してもよい(例えば、図10参照)。
ブレーキが解放されてシャッターカーテン1が自重降下を開始すると、座板4の降下に伴って座板4に設けられたロック装置9(ロックドラム90、巻取ドラム91)も降下し、ロック装置9の降下に伴って、ぜんまいばね912の力に打ち勝って、第2ワイヤW3は巻取ドラム91及びロックドラム90が回転しながら、シャッターカーテン1の降下距離分だけ引き出されていく。
上述の態様では、ロックドラム90の一側にのみ回動ロック部材92、検知レバー42を配置したが、図10に示すように、ロックドラム90の両側に検知レバー(図10には図示せず)を配置すると共に、それぞれの検知レバーに連結されるワイヤ43に連結される左右一対の回動ロック部材92A、92Bを設けてもよい。
ちなみに、障害物に当接した際のロックドラム90のロックは、一方向の回転を規制する(ワイヤ繰出し方向のみ止める)でも良い。
[C−1]全体構成
図11乃至図14に基づいてブレーキ解放・復帰装置7の具体的な構成について説明する。図11は、手動閉鎖装置10を用いてシャッターカーテンを自重降下させる場合、図12は、自動閉鎖装置6を用いてシャッターカーテンを自重降下させる場合を示している。図11(A)、図12(A)は、ブレーキが有効な状態(ブレーキ復帰状態)、図11(B)、図12(B)は、ブレーキ解放状態、図11(C)、図12(C)は、ブレーキ復帰状態とする動きを示す図である。図中、「左側」が「自動閉鎖装置側」となっており、ブレーキ解放レバー50が左側へ向かう方向が「ブレーキ解放方向」、左側へ移動したブレーキ解放レバー50が右側へ向かう方向が「ブレーキ復帰方向」である。
図11(A)に示すように、手動閉鎖装置10がブレーキ解放作動前の状態にある時(ブレーキ解放レバー50はブレーキを維持するブレーキ有効姿勢にあり、ブレーキ有効時である)には、緊張状態にあるワイヤW4が、第1作動体73の側辺732を図中右側に引っ張ることで、第1コイルスプリング76を圧縮状態に維持している。第3作動体75の左側側辺751の押圧片7510は、ブレーキ解放レバー50の右側に位置して離間対向している。第2作動体74の左側側辺741は、第1作動体73の左側側辺731の左側に位置して当接している。
図12(A)は、図11(A)と同じであり、図11(A)の説明を援用することができる。火災感知器6aによって火災が感知されると、防災盤6bより信号(DC24V)が出力され、自動閉鎖装置6が作動して、ブレーキ解放ワイヤW1を引っ張る。図12(A)の状態から、自動閉鎖装置6によってブレーキ解放ワイヤW1が左側に引かれると、第2作動体74の左側側辺741が自動閉鎖装置側に引かれて移動し、同時に第2作動体74の右側側辺742が自動閉鎖装置側に移動することで、第1コイルスプリング76(第1コイルスプリング76は、開閉機5に内蔵されたブレーキ解放レバー50の復帰手段よりも大きい弾性力を有している)を介して第3作動体75が自動閉鎖装置側に移動して、第3作動体75の左側側辺751の上端部の押圧片7510がブレーキ解放レバー50に当接してこれを移動させることでブレーキを解放する。図12(B)はブレーキが解放された状態を示している。
[D−1]基本構成
図15〜図20に基づいて、緩降装置44について説明する。緩降装置44は、下座板41の底面部410が障害物に当たることで、上座板40に対し上動した下座板41が、障害物が除去された後に再び上座板40に対して下動する際に、下座板41をゆっくり下動させるための装置である。緩降装置44は、上座板40と下座板41のいずれか一方に設けたワンウェイのロータリーダンパ440及びピニオンギア441と、他方に設けたラックギア442からなる。図3に示すように、緩降装置44は、座板4の長さ方向に間隔を存して複数個配置されている。より具体的には、座板4の長さ方向に検知レバー42と緩降装置44が交互に配置されている。図示の態様では、検知レバー42と緩降装置44を1つずつ交互に配置したが、隣位の2つの検知レバー42間に複数個の緩降装置44を配置したたり、隣位の2つの緩降装置44間に複数個の検知レバー42を配置したりしてもよい。なお、必要に応じて、ガイド手段(リング、ローラ、アウターケーブル等)を設けて、緩降装置44を避けてワイヤ43が延びるようにできることが当業者に理解される。
図15〜図17に基づいて緩降装置44の第1実施例を説明する。緩降装置44は油圧式でワンウェイのロータリーダンパ440を備えており、ロータリーダンパ440の回転に伴って、ロータリーダンパ440に設けたピニオンギア441がラックギア442に案内されて(同時に、側面部4431が第1側面部4441に案内されて)、上下動するようになっている。ロータリーダンパ440は、第1の方向に回転することで、ピニオンギア441がラックギア42に案内されて上方に移動し、第2の方向に回転することで、ピニオンギア441がラックギア42に案内されて下方に移動し、ロータリーダンパ440は第2の方向に回転する時にゆっくり回転するようになっている。
緩降装置44の第2実施例を図18〜図20に示す。第1実施例に係る緩降装置44では、上座板40にラックギア442が設けられ、下座板41にロータリーダンパ440及びピニオンギア441が設けられていたが、第2実施例では、上座板40にロータリーダンパ440及びピニオンギア441が設けられ、下座板41にラックギア442が設けられている。第2実施例に係る緩降装置44の基本的な動作は、第1実施例の緩降装置44に係る説明を援用することができる。
手動閉鎖装置を用いた随時閉鎖、復旧構造の他の態様を、図21、図22に基づいて説明する。図21に示す態様は、手動閉鎖装置10から伸びる手動操作用のワイヤW4´が、ブレーキ解放・復帰装置7ではなく、自動閉鎖装置6´(具体的な構成は既述の自動閉鎖装置6と異なる)に連結されている。
Claims (5)
- 第1の方向に移動してブレーキを解放し、第1の方向と反対の第2の方向に移動してブレーキを復帰させる作動手段と、
前記作動手段を第2の方向に移動するように当該作動手段に一端側が連結された復帰ワイヤと、
シャッターカーテン下端に設けられ、上座板と、上座板に対して相対的に上動可能な下座板とからなる座板と、
シャッターカーテン自重降下中にロック状態となることで、前記復帰ワイヤが引かれる、ロック装置と、
を備え、前記ロック装置は、
前記上座板に設けられ、開放状の下端が前記上座板の内部と連通しているケースと、
前記ケース内に設けられ、前記作動手段から延びる前記復帰ワイヤが巻回される周面と、被係止部と、を備えたロックドラムと、
前記ケース内に前記ロックドラムの第1側に隣接して配置され、前記復帰ワイヤの他端側が巻き取られる周面と、前記復帰ワイヤを巻き取る方向の付勢手段と、を備えた巻取ドラムと、
前記ケース内に前記ロックドラムの第2側に隣接して配置され、前記被係止部に係止可能な係止爪を備え、前記下座板の相対的な上動により、前記ロックドラムに係止して当該ロックドラムの回転を規制するロック部材と、
を備え、
前記ケースは、前記ロックドラム、前記巻取ドラム、前記ロック部材を内装すると共に、前記ロックドラムの下端、前記巻取ドラムの下端、前記ロック部材の下方部位がケース下端を越えて前記上座板の内部に位置しており、
前記作動手段から延びる前記復帰ワイヤは前記ケース内に案内され、前記ロックドラムの周面に巻回されて第1側に引き出されて前記巻取ドラムの周面に巻き取られることで、前記作動手段と前記ロックドラム間で延びる第1部分と前記ロックドラムの周面の下端と前記巻取ドラムの周面の下端間で延びる第2部分を有し、
ブレーキ解放によるシャッターカーテンの自重降下に伴って前記ロックドラム及び前記巻取ドラムが回転することで、前記巻取ドラムに巻き取られた復帰ワイヤが前記巻取ドラムから第2部分として引き出され、前記ロックドラムを巻回して第1部分として当該ロックドラムからシャッターカーテン面部に沿って引き出され、自重降下するシャッターカーテン下端の下座板が障害物に当接すると、前記復帰ワイヤが前記作動手段を第2の方向に移動させてブレーキを復帰して当該シャッターカーテンの降下を停止させる、
機械式避難時停止装置付きシャッター。 - 前記ケースは、上板と、左右の側板と、前記巻取ドラム及び前記ロックドラムが略垂直に取り付けられる後板と、着脱可能な前面カバーを備えており、
前記ロックドラム、前記巻取ドラム、前記ロック部材は、前記ロックドラムと前記巻取ドラムの周面同士が対向し、前記ロックドラムの被係止部に前記ロック部材の係止部が対向するように、前記後板に軸支されている、
請求項1に記載のシャッター。 - 前記ロックドラムの周面の厚さは、前記巻取ドラムの周面の厚さよりも小さく、
前記ケースには、前記復帰ワイヤの前記第2部分を挿通させるガイド部が形成されている、
請求項2に記載のシャッター。 - 上座板と下座板との間には、下座板が上座板に対して相対的に上動すると第1の姿勢から第1の方向に回動して第2姿勢をとり、下座板が上座板に対して相対的に下動すると第2姿勢から第2の方向に回動して第1姿勢をとる、検知レバーが回動可能に設けられ、
前記ロック部材は、非ロック姿勢である第1の姿勢とロック姿勢である第2の姿勢をとり、第2の姿勢にある時にロックドラムに係止して、当該ロックドラムの回転を規制する回動ロック部材であり、
前記回動ロック部材は、第1の姿勢をとるように付勢されており、前記検知レバーの第1の方向の回動に連動して回動して第2の姿勢となるように構成されており、
上座板に対する下座板の相対的な可動距離は、
自重降下するシャッターカーテン下端の下座板が障害物に当たった時に検知レバーを回動させて、回動ロック部材をロックドラムに係止させて当該ロックドラムの回転を規制して前記巻取ドラムに収納されている復帰ワイヤの引き出しを規制するまでの第1移動量と、
復帰ワイヤの引き出しが規制された状態で上座板が下座板に対して相対的に下動することで前記引き出しが規制された復帰ワイヤを引っ張ってブレーキを復帰させるまでの第2移動量と、
ブレーキ復帰によってシャッターカーテンの下降が停止した後で上座板に対する下座板の上動を許容する第3移動量と、
の合計からなる、
請求項1〜3いずれか1項に記載のシャッター。 - 前記ロックドラムの前記復帰ワイヤが巻回される周面は凹状の周面であり、
前記ロックドラムの凹状の周面には、前記復帰ワイヤが複数回かつ1層に巻かれている、請求項1〜4いずれか1項に記載のシャッター。
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