以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は、パチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」と略称する。)1の正面図である。また、図2は、パチンコ機1の背面図である。パチンコ機1は、遊技球を遊技媒体として用いるものであり、遊技者は、遊技場運営者から遊技球を借り受けてパチンコ機1による遊技を行う。なお、パチンコ機1における遊技において、遊技球はその1個1個が遊技価値を有した媒体であり、遊技の成果として遊技者が享受する特典(利益)は、例えば遊技者が獲得した遊技球の数に基づいて遊技価値に換算することができる。以下、図1及び図2を参照しつつパチンコ機1の全体構成について説明する。
〔全体構成〕
パチンコ機1は、その本体として主に外枠ユニット2、一体扉ユニット4及び内枠アセンブリ(プラ枠、遊技機枠)7を備えている。遊技者に相対する正面から視て、その最も前面側には一体扉ユニット4が位置している。一体扉ユニット4の背面側(奥側)には内枠アセンブリ7が位置しており、内枠アセンブリ7の外側を囲むようにして外枠ユニット2が配置されている。
外枠ユニット2は、木材及び金属材を縦長の矩形状に組み合わせた構造体であり、この外枠ユニット2は、遊技場内の島設備(図示外)に対してねじ等の締結具を用いて固定されるものである。なお、縦長矩形状の外枠ユニット2において、上下の短辺に相当する部位には木材が用いられており、左右の長辺に相当する部位には金属材が用いられている。
一体扉ユニット4は、その下部位置に受皿ユニット6が一体化された構造である。一体扉ユニット4及び内枠アセンブリ7は、外枠ユニット2を介して島設備に取り付けられ、これらはそれぞれ図示しないヒンジ機構を介して開閉式に動作する。図示しないヒンジ機構の開閉軸線は、パチンコ機1の正面から視て左側端部に沿って垂直方向に延びている。
図1中の正面から視て内枠アセンブリ7の右側縁部(図2では左側縁部)には、その内側に統一錠ユニット9が設けられている。また、これに対応して一体扉ユニット4及び外枠ユニット2の右側縁部(裏側)にも、それぞれ図示しない施錠具が設けられている。図1に示されるように、外枠ユニット2に対して一体扉ユニット4及び内枠アセンブリ7が閉じた状態で、その裏側にある統一錠ユニット9は施錠具とともに一体扉ユニット4及び内枠アセンブリ7の開放を不能にしている。
また、受け皿ユニット6の右側縁部には鍵穴付きのシリンダ錠6aが設けられている。例えば、遊技場の管理者が専用キーを鍵穴に差し込んでシリンダ錠6aを時計回りに捻ると、統一錠ユニット9が作動して内枠アセンブリ7とともに一体扉ユニット4の開放が可能な状態となる。これら全体を外枠ユニット2から前面側へ開放する(扉のように動かす)と、前面側にてパチンコ機1の裏側が露出することになる。
一方、シリンダ錠6aを反時計回りに捻ると、内枠アセンブリ7は施錠されたままで一体扉ユニット4の施錠だけが解除され、一体扉ユニット4が開放可能となる。一体扉ユニット4を前面側へ開放すると遊技盤ユニット8が直に露出し、この状態で遊技場の管理者が盤面内での球詰まり等の障害を取り除くことができる。また、一体扉ユニット4を開放すると、受け皿ユニット6も一緒に前面側へ開放される。
また、パチンコ機1は、遊技用ユニットとして上記の遊技盤ユニット8を備えている。遊技盤ユニット8は、一体扉ユニット4の背後(内側)で上記の内枠アセンブリ7に支持されている。遊技盤ユニット8は、例えば一体扉ユニット4を前面側へ開放した状態で内枠アセンブリ7に対して着脱可能である。一体扉ユニット4には、その中央部に縦長円形状の窓4aが形成されており、この窓4a内にガラスユニット(参照符号なし)が取り付けられている。ガラスユニットは、例えば窓4aの形状に合わせてカットされた2枚の透明板(ガラス板)を組み合わせたものである。ガラスユニットは、一体扉ユニット4の裏側に図示しない取り付け具を介して取り付けられる。遊技盤ユニット8の前面には遊技領域8a(盤面、遊技盤)が形成されており、この遊技領域8aは窓4aを通じて前面側から遊技者に視認可能である。一体扉ユニット4が閉じられると、ガラスユニットの内面と盤面との間に遊技球が流下できる空間が形成される。
受け皿ユニット6は、全体的に一体扉ユニット4から前面側へ突出した形状をなしており、その上面に上皿6bが形成されている。この上皿6bには、遊技者に貸し出された遊技球(貸球)や入賞により獲得した遊技球(賞球)を貯留することができる。また、受け皿ユニット6には、上皿6bの下段位置に下皿6cが形成されている。この下皿6cには、上皿6bが満杯の状態でさらに払い出された遊技球が貯留される。なお、本実施形態のパチンコ機1はいわゆるCR機(CRユニットに接続する機種)であり、遊技者が借り受けた遊技球は、賞球とは別に裏側の払出装置ユニット172から受け皿ユニット6(上皿6b又は下皿6c)に払い出される。
受け皿ユニット6の上面には貸出操作部14が設けられており、この貸出操作部14には、球貸ボタン10及び返却ボタン12が配置されている。図示しないCRユニットに有価媒体(例えば磁気記録媒体、記憶IC内蔵媒体等)を投入した状態で球貸ボタン10を遊技者が操作すると、予め決められた度数単位(例えば5度数)に対応する個数(例えば125個)分の遊技球が貸し出される。このため貸出操作部14の上面には度数表示部(図示省略)が配置されており、この度数表示部には、CRユニットに投入されている有価媒体の残存度数が表示される。なお、遊技者は、返却ボタン12を操作することで、度数が残存している有価媒体の返却を受けることができる。本実施形態ではCR機を例に挙げているが、パチンコ機1はCR機とは別の現金機(CRユニットに接続されない機種)であってもよい。
また、受け皿ユニット6の上面には、上段位置にある上皿6bの手前に上皿球抜きボタン6dが設置されており、そして下皿6cの手前でその中央部には下皿球抜きレバー6eが設置されている。遊技者は上皿球抜きボタン6dを例えば押し込み操作することで、上皿6bに貯留された遊技球を下皿6cへ流下させることができる。また、遊技者は、下皿球抜きレバー6eを例えば左方向へスライドさせることで、下皿6cに貯留された遊技球を下方へ落下させて排出することができる。排出された遊技球は、例えば図示しない球受け箱等に受け止められる。
受け皿ユニット6の右下部には、ハンドルユニット16が設置されている。遊技者はこのハンドルユニット16を操作することで発射制御基板セット174を作動させ、遊技領域8aに向けて遊技球を発射する(打ち込む)ことができる(球発射装置)。発射された遊技球は、遊技盤ユニット8の下縁部から左側縁部に沿って上昇し、図示しない外バンドに案内されて遊技領域8a内に放り込まれる。遊技領域8a内には多数の障害釘や風車(図中参照符号なし)等が配置されており、放り込まれた遊技球は障害釘や風車により誘導・案内されながら遊技領域8a内を流下する。なお、遊技領域8a内(盤面、遊技盤)の構成については、別の図面を参照しながらさらに後述する。
〔枠前面の構成〕
一体扉ユニット4には、演出用の構成要素として左トップレンズユニット47及び右上電飾ユニット49が設置されている。このうち左トップレンズユニット47にはガラス枠トップランプ46及び左側のガラス枠装飾ランプ48が組み込まれており、右上電飾ユニット49には右側のガラス枠装飾ランプ50が組み込まれている。その他にも一体扉ユニット4には、左トップレンズユニット47及び右上電飾ユニット49の下方にそれぞれ連なるようにして左右のガラス枠装飾ランプ52が設置されており、これらガラス枠装飾ランプ52は、一体扉ユニット4の左右縁部から受皿ユニット6の前面部にまで回り込むようにして延びている。一体扉ユニット4においてガラス枠トップランプ46や左右のガラス枠装飾ランプ48,50,52等は、ガラスユニットを取り巻くようにして配置されている。
上述した各種ランプ46,48,50,52は、例えば内蔵するLEDの発光(点灯や点滅、輝度階調の変化、色調の変化等)により演出を実行する。また、一体扉ユニット4の上部において、左トップレンズユニット47及び右上電飾ユニット49にはそれぞれガラス枠上スピーカ54,55が組み込まれている。一方、外枠ユニット2の左下位置には外枠スピーカ56が組み込まれている。これらスピーカ54,55,56は、効果音やBGM、音声等(音響全般)を出力して演出を実行するものである。
また、受け皿ユニット6の中央には、上皿6bの手前位置に演出切替ボタン45が設置されている。遊技者は、この演出切替ボタン45を押し込み操作することで演出内容(例えば液晶表示器42に表示される背景画面)を切り替えたり、例えば図柄の変動中や大当りの確定表示中、あるいは大当り遊技中に何らかの演出(予告演出、確変昇格演出、大役中の昇格演出等)を発生させたりすることができる。
さらに、演出切替ボタン45の周囲には、演出切替ボタン45を取り囲むようにジョグダイヤル45aが設置されている(操作入力受付手段、回転型セレクター)。遊技者は、このジョグダイヤル45aを回転させることで、例えば液晶表示部42に表示される演出内容を変化させることができる。
〔裏側の構成〕
図2に示されているように、パチンコ機1の裏側には、電源制御ユニット162や主制御基板ユニット170、払出装置ユニット172、流路ユニット173、発射制御基板セット174、払出制御基板ユニット176、裏カバーユニット178等が設置されている。この他にパチンコ機1の裏側には、パチンコ機1の電源系統や制御系統を構成する各種の電子機器類(図示外の制御コンピュータを含む)や外部端子板160、電源コード(電源プラグ)164、アース線(アース端子)166、図示しない接続配線等が設置されている。
上記の払出装置ユニット172は、例えば賞球タンク172a及び賞球ケース(参照符号なし)を有しており、このうち賞球タンク172aは内枠アセンブリ7の上縁部(裏側)に設置された状態で、図示しない補給経路から補給された遊技球を蓄えることができる。賞球タンク172aに蓄えられた遊技球は、図示しない上側賞球樋を通じて賞球ケースに導かれる。流路ユニット173は、払出装置ユニット172から送り出された遊技球を前面側の受け皿ユニット6に向けて案内する。
また、上記の外部端子板160は、パチンコ機1を外部の電子機器(例えばデータ表示装置、ホールコンピュータ等)に接続するためのものであり、この外部端子板160からは、パチンコ機1の遊技進行状態やメンテナンス状態等を表す各種の外部情報信号(例えば賞球情報、扉開放情報、図柄確定回数情報、大当り情報、始動口情報等)が外部の電子機器に向けて出力されるものとなっている。
電源コード164は、例えば遊技場の島設備に設置された電源装置(例えばAC24V)に接続されることで、パチンコ機1の動作に必要な電源(電力)を確保するものである。また、アース線166は、同じく島設備に設置されたアース端子に接続されることで、パチンコ機1のアース(接地)を確保するものである。
〔遊技盤ユニットの構成〕
図3は、遊技盤ユニット8を単独で示す正面図である。遊技盤ユニット8は、ベースとなる遊技板8bを備えており、この遊技板8bの前面側に遊技領域8aが形成されている。遊技板8bは、例えば透明樹脂板で構成されており、遊技盤ユニット8が内枠アセンブリ7に固定された状態で、遊技板8bの前面はガラスユニットに平行となる。遊技板8bの前面には、略円形状に設置された発射レール(参照符号なし)の内側に上記の遊技領域8aが形成されている。
遊技領域8a内には、その中央位置に比較的大型の演出ユニット40が配置されており、この演出ユニット40を中心として遊技領域8aが左側部分、右側部分及び下部分に大きく分かれている。遊技領域8aの左側部分は、通常遊技状態(低確率非時間短縮状態)で使用される第1遊技領域(左打ち領域)であり、遊技領域8aの右側部分は、有利遊技状態(大当り遊技状態、小当り遊技状態、低確率時間短縮状態、高確率時間短縮状態等)で使用される第2遊技領域(右打ち領域、特定遊技領域)である。遊技球は、第2遊技領域へ流通させる経路に係る流通領域(発射レールや遊技領域の天井部、誘導部など)によって第2遊技領域に導かれる。また、遊技領域8a内には、演出ユニット40の周辺に中始動入賞口26、始動ゲート(ゲート)20、普通入賞口22,24、可変始動入賞装置(特定入賞装置、第1入賞装置)28、第1可変入賞装置(特別入賞装置)30、第2可変入賞装置(特別入賞装置、可変入賞装置)31、第1振分装置200、第2振分装置(振分装置)210、第1非電動入賞装置(第1非電動役物)220、第2非電動入賞装置(第2非電動役物)230等が分布して設置されている。始動ゲート20は、流通領域から右打ち領域へ導かれた遊技球を主対象にして通過させることで作動抽選(普通図柄抽選)の抽選契機を発生させる。
このうち、中始動入賞口26は、遊技領域8aの下部分の中央に配置されている。始動ゲート20、可変始動入賞装置28、第1振分装置200、第2可変入賞装置31、普通入賞口24(第2入賞口)、第2振分装置210、第1非電動入賞装置220、第2非電動入賞装置230、及び第1可変入賞装置30は、遊技領域8aの右側部分に上からこの順番で配置されている。ここで、可変始動入賞装置28は、始動ゲート20の下方に配置され、第1振分装置200は、可変始動入賞装置28の左下に配置されている。第2可変入賞装置31は、第1振分装置200の右下(右振分通路の下)に配置され、第2振分装置210は、第2可変入賞装置31の左下に配置されている。第1非電動入賞装置220は、第2振分装置210の右下に配置され、第2非電動入賞装置230は、第1非電動入賞装置220の下方に配置されている。また、第1可変入賞装置30は、第2非電動入賞装置230及び第2振分装置210の左下であって中始動入賞口26の右側に配置されている。さらに、左側の3つの普通入賞口22は遊技領域8aの左側部分(左打ち領域)に配置され、右側の1つの普通入賞口(所定の入賞口)24は第1振分装置200の下(左振分通路の下)に配置されている。
また、始動ゲート20の上方には、4つの障害釘(参照符号なし)が配置されており、さらにその上方には入球口19a及び放出口19bが配置されている。入球口19aと放出口19bとは図示しない裏側の連絡通路によって連結されている。入球口19aに入球した遊技球は、この連絡通路を通って減速・整流され、放出口19bから放出される。
さらに、始動ゲート20の右側にはアウト口(所定の入球口)19cが配置されている。放出口19bから放出された遊技球は、基本的には真っ直ぐに落下して始動ゲート20を通過するが、障害釘によって右側に弾かれた場合にはアウト口19cに入球する。
遊技領域8aの最上部には、遊技領域8aの上部に向かって発射された遊技球の移動方向を規制可能として右打ち領域に導くための入口領域(例えば演出ユニット40の上部に形成された一列の通路の入口)と出口領域(例えば放出口19b)を有する区画に基づく上部誘導通路(誘導部)19eが形成されている。上部誘導通路19eの出口領域は、右打ち領域の上流領域に連通して配置され、第1振分装置200は、可変始動入賞装置28に入球しなかった遊技球を1個ずつ第1振分装置200の内部へ通過可能とさせる流入口200iに向けて流下させ得る右打ち領域内の構成部位における下流領域に配置され、第2可変入賞装置31は、第1振分装置200の下流領域に配置されている。
遊技領域8a内に放り込まれた遊技球は、その流下の過程で中始動入賞口26、普通入賞口22,24に入球したり、始動ゲート20を通過したり、作動時の可変始動入賞装置28や開放動作時の第1可変入賞装置30、開放動作時の第2可変入賞装置31、開放状態の第1非電動入賞装置220、開放状態の第2非電動入賞装置230に入球したりする。ここで、遊技領域8aの左側領域を流下する遊技球は、主に中始動入賞口26に入球するか、普通入賞口22に入球する可能性がある。一方、遊技領域8aの右側領域を流下する遊技球は、入球口19aに入球して放出口19bから放出され、主に始動ゲート20を通過するか、作動時の可変始動入賞装置28に入球するか、開放動作時の第1可変入賞装置30に入球するか、開放動作時の第2可変入賞装置31に入球するか、普通入賞口24に入球するか、開放状態の第1非電動入賞装置220に入球するか、開放状態の第2非電動入賞装置230に入球する可能性がある。始動ゲート20を通過した遊技球は続けて遊技領域8a内を流下するが、中始動入賞口26、普通入賞口22,24、可変始動入賞装置28、第1可変入賞装置30、第2可変入賞装置31、第1非電動入賞装置220、第2非電動入賞装置230、アウト口19c,19dに入球した遊技球は遊技板(遊技盤ユニット8を構成する合板材、透明板等)に形成された貫通孔を通じて遊技盤ユニット8の裏側へ回収される。
ここで、本実施形態では、遊技領域8a(盤面)の構成上、中始動入賞口26や普通入賞口22に遊技球を入球させる場合は、遊技領域8a内の左側部分の領域(左打ち領域)に遊技球を打ち込む(いわゆる「左打ち」を実行する)必要がある。
一方、可変始動入賞装置28や、第1可変入賞装置30、第2可変入賞装置31、第1非電動入賞装置220、第2非電動入賞装置230、普通入賞口24に遊技球を入球させる場合は、遊技領域8a内の右側部分の領域(右打ち領域)に遊技球を打ち込む(いわゆる「右打ち」を実行する)必要がある。
本実施形態において、上記の可変始動入賞装置28は、所定の作動条件が満たされた場合(普通図柄が当りの態様で所定の停止表示時間にわたり停止表示された場合)に作動し、それに伴って右始動入賞口(所定の入球口、第1入賞口)28aへの入球を可能にする(普通電動役物)。可変始動入賞装置28は、開閉部材28bが盤面の内部にスライドするタイプの装置である(スライド式の入賞装置)。そして、この開閉部材28bは、例えば図示しないソレノイドを用いたリンク機構の働きにより、盤面に対して前後方向に往復動作する。開閉部材28bが盤面から遊技者側に突出した閉位置(閉鎖状態)にあるとき、遊技球は開閉部材28bの上面を転動することになるため、右始動入賞口28aへの入球は不能(右始動入賞口28aは閉塞中)である。そして、可変始動入賞装置28が作動すると、開閉部材28bが盤面の内部に引き込まれ、右始動入賞口28aを開放する(開放状態)。この間は可変始動入賞装置28への遊技球の流入が不能ではない状態となり、右始動入賞口28aへの入球という事象を発生させることができる。なお、可変始動入賞装置28は、他の駆動タイプの入賞装置(例えば、開閉部材がその下端縁部分をヒンジとして前方へ倒れ込むように変位して、右始動入賞口を開放する装置)であってもよい。
可変始動入賞装置28の内部には、右始動入賞口スイッチ82が配置されており、可変始動入賞装置28に入球した遊技球は、最初に右始動入賞口スイッチ82にて入球したことが検出される。右始動入賞口スイッチ82の下方には、第1回収口28cと第2回収口28dとが設けられ、右始動入賞口28aへ入球して右始動入賞口スイッチ82を通過した遊技球は、第1回収口28c及び第2回収口28dの何れか一方へ択一的に且つ無作為に進入する。第1回収口28cへ進入した遊技球は、右始動入賞第1回収通路28e(図10参照)を1球ずつ流下して回収され、第2回収口28dへ進入した遊技球は、右始動入賞第2回収通路(図示省略)を1球ずつ流下して回収される。第1非電動入賞装置220は、右始動入賞第1回収通路28eを流下する遊技球の自重によって閉鎖状態から開放状態へ変更され、第2非電動入賞装置230は、右始動入賞第2回収通路を流下する遊技球の自重によって閉鎖状態から開放状態へ変更される。なお、第1非電動入賞装置220及び第2非電動入賞装置230の詳細については後述する。
上記の第1可変入賞装置30は、規定の条件が満たされた場合(特別図柄が非当選以外の態様で停止表示された場合)であって所定の第1条件(例えば1ラウンド目から6ラウンド目、又は、10ラウンド目から16ラウンド目であるという条件)が満たされた場合に作動し、第1大入賞口(開口)30bへの入球を可能にする(特別電動役物、第1特別入球事象発生手段)。
第1可変入賞装置30は、中始動入賞口26の右側に配置された装置であり(いわゆる下アタッカ)、例えば1つの開閉部材30aを有している。第1可変入賞装置30は、開閉部材30aが盤面の内部にスライドするタイプの装置である(スライド式のアタッカ)。そして、この開閉部材30aは、例えば図示しないソレノイドを用いたリンク機構の働きにより、盤面に対して前後方向に往復動作する。開閉部材30aは、盤面から遊技者側に突出した状態で閉位置(閉鎖状態)にあり、このとき遊技球は開閉部材30aの上面を転動することになるため、第1大入賞口30bへの入球は不能(第1大入賞口30bは閉塞中)である。そして、第1可変入賞装置30が作動すると、開閉部材30aが盤面の内部に引き込まれ、第1大入賞口30bを開放する(開放状態)。この間は第1可変入賞装置30への遊技球の流入が不能ではない状態となり、第1大入賞口30bへの入球という事象を発生させることができる。
第2可変入賞装置31は、第1可変入賞装置30と同様に規定の条件が満たされた場合(特別図柄が大当りの態様で停止表示された場合)であって、所定の第2条件(例えば、7ラウンド目から9ラウンド目であるという条件)が満たされた場合に作動し、第2大入賞口(特定の入賞口)31bへの入球を可能にする(特別電動役物、第2特別入球事象発生手段)。
第2可変入賞装置31は、第1可変入賞装置30の上方に配置された装置であり(いわゆる上アタッカ)、例えば1つの開閉部材31aを有している。第2可変入賞装置31は、開閉部材31aがその下端部を中心として左右に揺動するタイプの装置である(揺動式のアタッカ)。そして、この開閉部材31aは、例えば図示しないソレノイドを用いたリンク機構の働きにより、盤面に対して左右方向に往復動作する。開閉部材31aは、右側に傾いた状態で閉位置(閉鎖状態)にあり、このとき遊技球は開閉部材31aの左側を通過することになるため、第2大入賞口31bへの入球は不能(第2大入賞口31bは閉塞中)である。そして、第2可変入賞装置31が作動すると、開閉部材31aが左側へ傾動し、第2大入賞口31bを開放する(開放状態)。この間は第2可変入賞装置31への遊技球の流入が不能ではない状態となり、第2大入賞口31bへの入球という事象を発生させることができる。
また、第2可変入賞装置31の内部には、第2可変入賞装置31に入球した遊技球を誘導するための誘導通路31cが配置されている。誘導通路31cは、第2大入賞口31bから下方に延び、そこから左に曲がって延びている。
そして、誘導通路31cの上流には、第2カウントスイッチ85が配置されており、誘導通路31cの中流には、確変領域用羽根部材31d及び確変領域用孔31eが配置されており、誘導通路31cの下流には、排出口31fが配置されている。
第2可変入賞装置31に入球した遊技球は、最初に第2カウントスイッチ85にて入球したことが検出される。ここで、確変領域用羽根部材31dを作動させる確変領域ソレノイドがONとなっている場合には、確変領域用羽根部材31dが起き上がって遊技球を確変領域用孔31eに導く。一方、確変領域用羽根部材31dを作動させる確変領域ソレノイドがOFFとなっている場合には、確変領域用羽根部材31dが起き上がらないため、遊技球は確変領域用羽根部材31dの上部を通り抜けて、排出口31fに導かれる。
また、確変領域用孔31eの内部には、確変領域(参照符号なし)が設けられている。確変領域(特定領域)は、第2可変入賞装置31が閉鎖状態である場合は遊技球が通過不能な領域であり、第2可変入賞装置31が開放状態である場合であって確変領域用羽根部材31dが作動している場合は遊技球が通過可能な領域である。
確変領域用羽根部材31dは、大当り遊技中に第2可変入賞装置31が開放する際に作動する。確変領域用羽根部材31dの動作パターンは、ラウンドの開始と同時に短期間(例えば0.1秒)にわたり演出領域を開放し、その後に数秒(2〜3秒程度)閉鎖した後に確変領域を長期間(例えば20秒程度)にわたってロング開放するパターンである。なお、ラウンドの開始と同時に実行される短期開放では遊技球は確変領域用羽根部材31dまで到達しないので、この作動によって遊技球が確変領域に導かれることはない。また、確変領域用羽根部材31dが動作しても、第2可変入賞装置31がショート開放する場合には、遊技球が確変領域を通過することはない。
第2可変入賞装置31及び普通入賞口24の上方には、第1振分装置200が配置されている。第1振分装置200には、右打ちされた遊技球のうちアウト口19cに入球せず、且つ右始動入賞口28aへ入球しなかった全ての遊技球が進入する。なお、第1振分装置200の詳細については後述する。
第2可変入賞装置31の下方であって、第1可変入賞装置30の上方には、第2振分装置210が配置されている。第2振分装置210には、第2大入賞口31bへ入球せずに第2可変入賞装置31の左側を通過した全ての遊技球が進入する。第2振分装置210は、非電動タイプの役物であり、上方から進入した遊技球を、左側と中央と右側とに等分に振り分ける。第2振分装置210の右下には、第1非電動入賞装置220と第2非電動入賞装置230とが上下に並んで配置されている。第2振分装置210によって右側に振り分けられた遊技球のみが、第1非電動入賞装置220又は第2非電動入賞装置230に入球可能となる。このように、第2振分装置210は、第1可変入賞装置30に向かって流下する遊技球を受け入れ、受け入れた遊技球を第1可変入賞装置30の第1大入賞口30bの上方で複数の所定流下方向(左側と中央と右側)の各々に所定割合(1/3ずつ)となるように振分けて排出する。第1非電動役物220と第2非電動役物230とは、第2振分装置210の上記複数の所定流下方向のうち所定の一部の流下方向(右側)に振り分けられて排出された遊技球を受け入れ可能な位置に配置されている。なお、第2振分装置210、第1非電動入賞装置220及び第2非電動入賞装置230の詳細については後述する。
その他、遊技領域8a内にはアウト口32が形成されており、各種入賞口に入球(入賞)しなかった遊技球及びアウト口19c,19dに入球しなかった遊技球は、最終的にアウト口32を通じて遊技盤ユニット8の裏側へ回収される。すなわち、普通入賞口22,24や中始動入賞口26、右始動入賞口28a、第1可変入賞装置30、第2可変入賞装置31、第1非電動入賞装置220、第2非電動入賞装置230、アウト口19c,19d,32に入球した遊技球も含めて、遊技領域8a内に打ち込まれた全ての遊技球は遊技盤ユニット8の裏側へ回収される。回収された遊技球は、図示しないアウト通路アセンブリを通じてパチンコ機1の裏側から枠外へ排出され、さらに図示しない島設備の補給経路に合流する。
〔演出ユニット〕
遊技盤ユニット8には、その中央位置から右側部分にかけて上記の演出ユニット40が設置されている。演出ユニット40は、その上縁部40aが遊技球の流下方向を変化させる案内部材として機能する他、その内側に各種の装飾部品40b,40cを備えている。装飾部品40b,40cはその立体的な造形により遊技盤ユニット8の装飾性を高めるとともに、例えば内蔵された発光器(LED等)により透過光を発することで、演出的な動作をすることができる。また、演出ユニット40の内側には液晶表示器(画像表示器)42が設置されており、この液晶表示器42には特別図柄に対応させた演出図柄をはじめ、各種の演出画像が表示される。このように遊技盤ユニット8は、その盤面の構成や演出ユニット40の装飾性に基づいて、遊技者にパチンコ機1の特徴を印象付けている。また、本実施形態のように遊技板8bが透明樹脂板(例えばアクリル板)である場合、前面側だけでなく遊技板8bの背後に配置された各種の装飾体(可動体や発光体を含む)による装飾性を付加することができる。
その他に演出ユニット40の内部には、演出用の可動体40f(例えば三匹の動物が乗船している船の装飾物)とともに駆動源(例えばモータ、ソレノイド等)が付属している。演出用の可動体40fは、液晶表示器42による画像を用いた演出や発光器による演出に加えて、有形物の動作を伴う演出を実行することができる。これら可動体40fを用いた演出により、二次元の画像を用いた演出とは別の訴求力を発揮することができる。
また、演出ユニット40の左側縁部には球案内通路40dが形成されており、その下縁部には転動ステージ40eが形成されている。球案内通路40dは遊技領域8a内にて左斜め上方に開口しており、遊技領域8a内を流下する遊技球が無作為に球案内通路40d内に流入すると、その内部を通過して転動ステージ40e上に放出される。転動ステージ40eの上面は滑らかな湾曲面を有しており、ここでは遊技球が左右方向に転動自在である。転動ステージ40e上で転動した遊技球は、やがて下方の遊技領域8a内に流下する。転動ステージ40eの中央位置には球放出路40kが形成されており、転動ステージ40eから球放出路40kに案内された遊技球は、その真下にある中始動入賞口26に流入しやすくなる。
〔右打ち領域〕
図4は、遊技盤ユニット8の第1振分装置200、第2振分装置210及びその周辺を拡大して示す図である。
第2遊技領域(右打ち領域)に打ち込まれた遊技球は、上部誘導通路19eを通過する際に一列に整列され、まず入球口19aに入球し、その裏側の図示しない連絡通路を通って減速・整流され、放出口19bから1球ずつ放出される。
放出口19bから放出された遊技球は、以下の3つのルートのいずれかをたどる。
第1のルート(上流側経路)は、放出口19bから放出された遊技球が真下にある障害釘に弾かれることなく、そのまま真下に落下するルートである(矢印A)。第1のルートは、最も頻繁に遊技球が通過するルートである。この場合、遊技球は障害釘の間を通りぬけて始動ゲート20を通過し、可変始動入賞装置28に向かい、さらにその下流にある第1振分装置200に向かう。ただし、可変始動入賞装置28が開放中である場合は、遊技球は可変始動入賞装置28に入球して遊技盤ユニットの裏側に回収される。
なお、第1のルートの通過中であっても、障害釘の間を通過している最中に下側の障害釘により右側に弾かれると(矢印A1)、遊技球は第2のルート(矢印B)に合流する。
また、第1のルートの通過中であっても、障害釘の間を通過している最中に下側の障害釘により左側に弾かれると(矢印A2)、遊技球は第3のルート(矢印C)に合流する。
始動ゲート20を通過した遊技球は、可変始動入賞装置28とアウト口19dとの間へ落下する。遊技球の落下地点は可変始動入賞装置28側(左側)へ傾斜しており、始動ゲート20から落下した遊技球の大多数が左側へ転動して可変始動入賞装置28へ到達し、僅かな一部が右側へ転動してアウト口19dへ入球する。
第2のルートは、放出口19bから放出された遊技球が真下にある障害釘によって右側に弾かれるルートである(矢印B)。この場合、遊技球はアウト口19cに入球して遊技盤ユニットの裏側に回収される。
第3のルートは、放出口19bから放出された遊技球が真下にある障害釘によって左側に弾かれるルートである(矢印C)。この場合、遊技球は可変始動入賞装置28に向かって落下する。
第1のルートの通過中に可変始動入賞装置28又はアウト口19dに入球した場合、第2のルートによってアウト口19cに入球した場合、又は第3ルートの通過中に可変始動入賞装置28に入球した場合には、遊技球の第2遊技領域(右打ち領域)での流下はそこで終了となる。一方、それ以外の遊技球は、全て第1振分装置200の流入口200i(通過口)に進入する。
第1振分装置200の内部では、遊技球の振り分け動作が行われ、所定(例えば、1対2)の割合で左側のルート(矢印D1)と右側のルート(矢印D2)に振り分けられる。例えば、3個の遊技球が第1振分装置200に流入したとすると、1個の遊技球は左側のルート(矢印D1)を通過し、2個の遊技球は右側のルート(矢印D2)を通過する。なお、第1振分装置200の内部構造の詳細は後述する。
左側のルート(矢印D1)を通過する遊技球は、最終的に第1排出口(第1放出口、特定放出口)200o1から放出され、基本的には普通入賞口24に入球する(矢印D3)。
ただし、普通入賞口24の上端にぶつかって右側に弾かれると(矢印D4)、遊技球は、3第2可変入賞装置31の下流側で右側のルート(矢印D2)に合流する。
また、普通入賞口24の上端にぶつかって左側に弾かれると(矢印D5)、遊技球は第2振分装置210の左横を通り抜けて、第1可変入賞装置30に向かって落下する。
右側のルート(矢印D2)を通過する遊技球は、最終的に第2排出口(第2放出口、他の放出口)200o2から放出され、第2可変入賞装置31の上流側に向かう。このとき、第2可変入賞装置31が開放中であれば、遊技球は第2可変入賞装置31に入球し、第2可変入賞装置31が開放中でなければ、遊技球は第2可変入賞装置31に入球せず、第2可変入賞装置31の左横を通過して第2振分装置210に向かう。
第2振分装置210の内部では、遊技球の振り分け動作が行われ、所定(例えば、1対1対1)の割合で右側のルート(矢印D6)と中央のルート(矢印D7)と左側のルート(矢印D8)とに振り分けられる。例えば、3個の遊技球が連続的に第2振分装置210に流入したとすると、1個の遊技球は右側のルート(矢印D6)を通過し、他の1個の遊技球は中央のルート(矢印D7)を通過し、さらに他の1個の遊技球は左側のルート(矢印D8)を通過する。なお、第2振分装置210の内部構造の詳細は後述する。
右側のルート(矢印D6)から流出して落下した遊技球は、第1非電動入賞装置220に達する。このとき、第1非電動入賞装置220が開放中であれば、遊技球は第1非電動入賞装置220に入球し、第1非電動入賞装置220が開放中でなければ、遊技球は第1非電動入賞装置220に入球せずに、第1非電動入賞装置220の前方を通過して、第2非電動入賞装置230に達する。このとき、第2非電動入賞装置230が開放中であれば、遊技球は第2非電動入賞装置230に入球し、第2非電動入賞装置230が開放中でなければ、遊技球は第2非電動入賞装置230に入球せずに、第2非電動入賞装置230の前方を通過して、第1可変入賞装置30に達する。
中央のルート(矢印D7)及び左側のルート(矢印D8)から流出して落下した遊技球は、第1非電動入賞装置220及び第2非電動入賞装置230の左側を流下して、第1可変入賞装置30に達する。
各ルート(矢印D5〜D8)から第1可変入賞装置30に遊技球が達したとき、第1可変入賞装置30が開放中であれば、遊技球は第1可変入賞装置30に入球し、第1可変入賞装置30が開放中でなければ、遊技球は第1可変入賞装置30に入球せずに、そのまま下流に流れていく。
このように、第1振分装置200は、流通領域を経由して右打ちされた遊技球が入球する流入口(通過口)200iを有し、流入口200iに入球した遊技球を、規則的な振り分け動作により、所定(1対2)の割合で普通入賞口24が配置された領域(第1の場所)に向けて放出する第1排出口200o1又は普通入賞口24が配置されていない領域(第2の場所)に向けて放出する第2排出口200o2のいずれかに振り分ける。
第2可変入賞装置31は、第1振分装置200の下流に配置されており、右打ち領域内(特定遊技領域内)において第2排出口200o2から流下する遊技球の入球を可能とする。
図5は、右打ち領域における遊技性を説明する図である。
本実施形態では、遊技状態が低確率時間短縮状態中、高確率時間短縮状態(確変状態)中、又は大当り遊技中である場合、遊技球を右打ち領域に発射することで遊技を進行させることとなっている。具体的には、時短遊技状態(低確率時間短縮状態及び高確率時間短縮状態)中は、先ず始動ゲート20へ遊技球を通過し、普通図柄の作動抽選で当選させることで可変始動入賞装置28を作動させて、その可変始動入賞装置28に入球(入賞)させて第2特別図柄の内部抽選で当選を得ることで大当り遊技を実行するといった遊技性である。また、大当り遊技中は第1可変入賞装置30又は第2可変入賞装置31に多くの遊技球を入球(入賞)させることで大量の賞球を獲得するといった遊技性である。このように、低確率時間短縮状態、高確率時間短縮状態及び大当り遊技は、何れも特定遊技領域(右打ち領域)を流下する遊技球に基づいて遊技を進行する特定領域遊技(右打ち遊技)である。また、時短遊技状態は、初期状態である通常遊技よりも遊技者に有利な遊技状態(特定遊技状態)であり、大当り遊技状態は、通常遊技状態及び時短遊技状態よりも遊技者が多数の賞球を獲得可能な遊技状態である。
最初に、上記可変始動入賞装置28の開放動作に関連する遊技性について説明する。右打ち遊技のうち大当り遊技以外である時短遊技状態では、始動ゲート20への遊技球の通過に応じて実行される普通図柄の作動抽選の当選確率(普図当選確率)が高く設定され、通常遊技(左打ち遊技)及び大当り遊技に比べて、可変始動入賞装置28は開放され易い。本実施形態では、時短遊技状態における普図当選確率は極めて高く(100%に近い確率に)設定されている。また、普図抽選に係る遊技球が可変始動入賞装置28に到達するタイミングに合わせて可変始動入賞装置28が開放されるように、始動ゲート20から可変始動入賞装置28までの距離(遊技球の移動に要する時間)が設定されている。このため、時短遊技中においては、始動ゲート20を通過した遊技球のほぼ全数が可変始動入賞装置28に入球可能となる。このため、時短遊技中は、可変始動入賞装置28の下流側に配置される第1可変入賞装置30への遊技球の到達を実質的に禁止するよう第1可変入賞装置30へ遊技球の到達が抑制される。また、通常遊技状態では、始動ゲート20への遊技球の通過に応じて実行される普図当選確率は極めて低く(0%又は0%に近い確率に)設定されており、可変始動入賞装置28への入球は禁止される。
次に、上記第1振分装置200に関連する遊技性について説明する。
右打ち領域の下流領域を遊技球が流下する場合、遊技球は全て第1振分装置200を通過することとなる。第1振分装置200は、振分電動装置201により振分体205が常時所定の振り分けパターンで作動している。その振り分けパターンによる振り分け比率(1:F)を、第1排出口200o1から放出させる割合1、第2排出口200o2から放出させる割合を2とすることとする。具体的には、第1排出口200o1へ放出するために、振分体205を右側に0.4秒間にわたり傾け、また第2排出口200o2へ放出するために、振分体205を左側に0.8秒間にわたり傾けることで、振り分け比率(1:F)を1:2に設定している。したがって、第1振分装置200に3個の遊技球が入球すると、1個は第1排出口200о1から放出されて普通入賞口24へ向かいそのほぼ全てがいずれかに入球(入賞)し、2個は第2排出口200о2から放出されて第2可変入賞装置31や第1非電動入賞装置220や第2非電動入賞装置230や第1可変入賞装置30(やアウト口32)へ向かうこととなる。ここで、普通入賞口24への入賞に伴う賞球数Tを振り分け比率の母数(1+F)である3個とすることによって、可変始動入賞装置28が作動中ではなかったとしても持ち球の減少を抑制することができ、長時間の遊技を楽しむことができる。すなわち、振り分け比率を1:n(nは自然数)に設定し、普通入賞口24への入賞に伴う賞球数Tを振り分け比率の母数である(1+n)個に設定することによって、持ち球の減少を抑制することができる。
また、大当り遊技中には、時短遊技中と同様に、第1振分装置200により第1排出口200o1から放出される遊技球は、普通入賞口24へ向かって流下し、ほぼ全てが普通入賞口24へ入球することとなる。したがって、大当り遊技中は、普通入賞口24からの賞球を第1可変入賞装置30や第2可変入賞装置31からの賞球に追加して獲得できることとなる。
次に、第2振分装置210、第1非電動入賞装置220及び第2非電動入賞装置230に関連する遊技性について説明する。
図6及び図7に示すように、第2振分装置210は、遊技盤に固定される振分ケース体211と、振分ケース体211に回転自在に支持される振分回転体212とから概略構成されている。振分ケース体211の上端部には、1つの流入口213が設けられ、振分ケース体211の下端部には、右から左へ並ぶ3つの流出口214a,214b,214cが設けられ、振分ケース体211の内部には、流入口213から3方向に分岐して各流出口214a,214b,214cへ至る内部通路215が設けられている。振分回転体212は、盤面の裏側(奥側)の内部通路215の分岐部分に配置され、振分回転体212の回転軸212aは、左右方向(盤面と略平行な水平方向)に延びる。振分回転体212の外周面には、右振分領域216と中央振分領域217と左振分領域218とが回転軸212aを中心として略等分に(略120°分ずつ)設けられている。右振分領域216には、遊技球の自重によって回転しながら遊技球を右側へ導く右案内板216aが形成され(図8(c)参照)、中央振分領域217には、遊技球の自重によって回転しながら遊技球を真下側へ導く中央案内板217aが形成され(図8(b)参照)、左振分領域218には、遊技球の自重によって回転しながら遊技球を左側へ導く左案内板218aが形成されている(図8(a)参照)。振分回転体212は、右振分領域216が上方を向いて流入口213から遊技球を受け入れ可能な右振分回転位置と、中央振分領域217が上方を向いて流入口213から遊技球を受け入れ可能な中央振分回転位置と、左振分領域218が上方を向いて流入口213から遊技球を受け入れ可能な左振分回転位置とを、上記順序で回転可能である。また、第2振分装置210には、右振分回転位置と中央振分回転位置と左振分回転位置との各々において振分回転体212側と係合して振分回転体212の回転を規制するストッパ部材(図示省略)と、ストッパ部材を係合方向へ付勢するバネ等の付勢部材(図示省略)とが設けられている。
第1振分装置200の第2排出口200o2から放出され、第2可変入賞装置31へ入球しなかった全ての遊技球は、第2振分装置210の流入口213へ流入する。流入口213へ流入した遊技球は、内部通路215内を後方(奥側)へ転動し、振分回転体212の上面に到達する。例えば、振分回転体212が右振分回転位置で停止している場合、遊技球は右振分領域216上へ転動する。遊技球が右振分領域216上に達し、振分回転体212に遊技球の自重が作用すると、付勢部材の付勢力に抗してストッパ部材の係合が解除され、振分回転体212が右振分回転位置から中央振分回転位置へ回転し、振分回転体212の回転に伴って遊技球が右下へ流下し、右の流出口214aから下方へ放出される。同様に、振分回転体212が中央振分回転位置で停止している場合には、遊技球は中央振分領域217上へ転動し、振分回転体212が中央振分回転位置から左振分回転位置へ回転し、振分回転体212の回転に伴って遊技球が真下へ流下し、中央の流出口214bから下方へ放出される。また、振分回転体212が左振分回転位置で停止している場合には、遊技球は左振分領域218上へ転動し、振分回転体212が左振分回転位置から右振分回転位置へ回転し、振分回転体212の回転に伴って遊技球が左下へ流下し、左の流出口214cから下方へ放出される。このように、第2振分装置210へ流入した遊技球は、右側と中央と左側とに順次振り分けられ、第2振分装置210による3方向(右側と中央と左側)への各振分割合は、何れも1/3となる。
第1非電動入賞装置220は、可変始動入賞装置28に入球して第1回収口28cから右始動入賞第1回収通路28eを流下する1個の遊技球の自重によって開放して第1非電動入賞装置220への遊技球の進入を許容し、第1非電動入賞装置220に入球した連続する所定数(本実施形態では2個)の遊技球の自重によって閉鎖して第1非電動入賞装置220への遊技球の進入を禁止する非電動式の入賞装置である。
第1非電動入賞装置220の一例の概要を、図9及び図10を参照して説明する。なお、図9及び図10の構造は一例であり、上記機能を有する非電動役物であれば構造は任意である。
第1非電動入賞装置220は、板状の開閉部材221がその下端縁部分をヒンジとして前方へ倒れ込むように変位して、第1非電動入賞口222を開放するタイプの装置である。第1非電動入賞装置220は、遊技盤側に回転自在に支持されて左右方向(盤面と略平行な水平方向)に延びる第1及び第2の回転軸223,224と、第1の回転軸223に固定される開閉部材221及び小径ギヤ225と、第2の回転軸224に固定される開放作動板226及び大径ギヤ227と、開閉部材221から一体的に延びる閉鎖作動板228とから概略構成される。
第1の回転軸223は、開閉部材221の下端部に固定され、閉鎖作動板228は、開閉部材221の下端部から延びる。開閉部材221は、第1の回転軸223を中心として、起立した位置(扉閉位置)と前方へ倒れた位置(扉開位置)との間で回転自在である。扉閉位置の開閉部材221は、第1非電動入賞口222を閉鎖し(扉閉鎖状態)、このとき遊技球は開閉部材221の前方を通過することになるため、第1非電動入賞口222への入球は不能(第1非電動入賞口222は閉塞中)である。また、扉開位置へ傾動した開閉部材221は、第1非電動入賞口222を開放する(扉開放状態)。この間は第1非電動入賞装置220への遊技球の流入が不能ではない状態となり、第1非電動入賞装置220への入球という事象を発生させることができる。
第1の回転軸223の小径ギヤ225は、第2の回転軸224の大径ギヤ227と噛み合い、開放作動板226は、可変始動入賞装置28の第1回収口28cと連通する右始動入賞第1回収通路28e内に配置されている。これにより、開閉部材221と開放作動板226とは、第1の回転軸223、小径ギヤ225、大径ギヤ227及び第2の回転軸224を介して連結されて連動する。開閉部材221が扉閉位置へ傾動すると、開放作動板226は第1回収通路28e内での遊技球の流下を阻止する位置(通路閉位置)へ傾動し、開閉部材221が扉開位置へ傾動すると、開放作動板226は第1回収通路28e内での遊技球の流下を許容する位置(通路開位置)へ傾動する。すなわち、開放作動板226は、開閉部材221の傾動に連動して、第2の回転軸224を中心として通路閉位置と通路開位置との間を傾動する。
閉鎖作動板228は、扉開放状態で開閉部材221から後方(奥側)へ延び、第1非電動入賞口222へ入球した遊技球を一時的に貯留する。第1非電動入賞装置220には、扉開位置と扉閉位置との各々において第1の回転軸223側と係合して第1の回転軸223の回転を規制する(又は、通路開位置と通路閉位置との各々において第2の回転軸224側と係合して第3の回転軸224の回転を規制する)ストッパ部材(図示省略)と、ストッパ部材を係合方向へ付勢するバネ等の付勢部材(図示省略)とが設けられている。
扉開放状態で第1非電動入賞口222へ遊技球が入球し、閉鎖作動板228に貯留された遊技球が2個に達し、閉鎖作動板228に2個分の遊技球の自重が作用すると、付勢部材の付勢力に抗してストッパ部材の係合が解除され、第1の回転軸223が回転し、閉鎖作動板228上の2個の遊技球が回収通路220aへ順次落下し、開閉部材221が扉開位置から扉位置へ傾動するとともに、小径ギヤ225と大径ギヤ227との噛合により第2の回転軸224が回転して、開放作動板226が通路開位置から通路閉位置へ傾動する。また、扉閉鎖状態で右始動入賞第1回収通路28eを遊技球が流下し、開放作動板226に1個分の遊技球の自重が作用すると、付勢部材の付勢力に抗してストッパ部材の係合が解除され、第2の回転軸224が回転し、大径ギヤ227と小径ギヤ225との噛合により第1の回転軸223が回転して、開閉部材221が扉閉位置から扉開位置へ傾動する。小径ギヤ225及び大径ギヤ227のギヤ比と付勢部材の付勢力とは、扉開放状態で閉鎖作動板228に1個分の遊技球の自重が作用しても第1の回転軸223が回転せず、扉開放状態で閉鎖作動板228に2個分の遊技球の自重が作用した場合、及び扉閉鎖状態で開放作動板226に1個分の遊技球の自重が作用した場合の双方において、第1及び第2の回転軸223,224が回転するように設定されている。
第2非電動入賞装置230は、可変始動入賞装置28に入球して第2回収口28dから右始動入賞第2回収通路を流下する1個の遊技球の自重によって開放して第2非電動入賞装置230への遊技球の進入を許容し、第2非電動入賞装置230に連続的に入球した所定数(本実施形態では2個)の遊技球の自重によって閉鎖して第2非電動入賞装置230への遊技球の進入を禁止する非電動式の入賞装置である。なお、第2非電動入賞装置230は、第1非電動入賞装置220と同様に構成されているため、その詳細な説明については省略する。
このように、第1可変入賞装置30及び第2可変入賞装置31が電動によって開閉する装置であるのに対し、第1非電動入賞装置220及び第2非電動入賞装置230は、電動によって駆動(開閉)せず。所定の経路を流通する遊技球の自重によって開閉する装置である。
また、第1非電動入賞装置220は、基本的に、時短遊技中における可変始動入賞装置28への遊技球の入球(第1回収口28cへの遊技球の進入)によって開放し、大当り遊技中における第1非電動入賞装置220への遊技球の入球(2個の入球)によって閉鎖する。同様に、第2非電動入賞装置230は、基本的に、時短遊技中における可変始動入賞装置28への遊技球の入球(第2回収口28dへの遊技球の進入)によって開放し、大当り遊技中における第2非電動入賞装置230への遊技球の入球(2個の入球)によって閉鎖する。
〔普通図柄表示装置及び特別図柄表示装置〕
図11は、遊技盤ユニット8の一部(窓4a内の左下位置)を拡大して示す正面図である。すなわち遊技盤ユニット8には、例えば窓4a内の左下位置に普通図柄表示装置33及び普通図柄作動記憶ランプ33aが設けられている他、第1特別図柄表示装置34、第2特別図柄表示装置35及び遊技状態表示装置38が設けられている。このうち普通図柄表示装置33は、例えば2つのランプ(LED)を交互に点灯させて普通図柄を変動表示し、そしてランプの点灯又は消灯により普通図柄を停止表示する。普通図柄作動記憶ランプ33aは、例えば2つのランプ(LED)の消灯又は点灯、点滅の組み合わせによって0〜4個の記憶数を表示する。例えば、2つのランプをともに消灯させた表示態様では記憶数0個を表示し、1つのランプを点灯させた表示態様では記憶数1個を表示し、同じ1つのランプを点滅させた表示態様では記憶数2個を表示し、1つのランプの点滅に加えてもう1つのランプを点灯させた表示態様では記憶数3個を表示し、そして2つのランプをともに点滅させた表示態様では記憶数4個を表示する、といった具合である。なお、ここでは2つのランプ(LED)を使用することとしているが、4つのランプ(LED)を使用して普通図柄作動記憶ランプ33aを構成してもよい。この場合、点灯するランプの個数で作動記憶数を表示することができる。
普通図柄作動記憶ランプ33aは、上記の始動ゲート20を遊技球が通過すると、その都度、作動抽選の契機となる通過が発生したことを記憶する意味で1個ずつ増加後の表示態様へと変化していき(最大4個まで)、その通過を契機として普通図柄の変動が開始されるごとに1個ずつ減少後の表示態様へと変化していく。なお、本実施形態では、普通図柄作動記憶ランプ33aが未点灯(記憶数が0個)の場合、普通図柄が既に変動開始可能な状態(停止表示時)で始動ゲート20を遊技球が通過しても表示態様は変化しない。すなわち、普通図柄作動記憶ランプ33aの表示態様によって表される記憶数(最大4個)は、その時点で未だ普通図柄の変動が開始されていない通過の回数を表している。
また、第1特別図柄表示装置34及び第2特別図柄表示装置35は、例えばそれぞれ7セグメントLED(ドット付き)により、対応する第1特別図柄又は第2特別図柄の変動状態と停止状態とを表示することができる(図柄表示手段)。なお、第1特別図柄表示装置34や第2特別図柄表示装置35は、複数のドットLEDを幾何学的(例えば円形状)に配列した形態であってもよい。
また、第1特別図柄作動記憶ランプ34a及び第2特別図柄作動記憶ランプ35aは、例えばそれぞれ2つのランプ(LED)の消灯又は点灯、点滅の組み合わせで構成される表示態様により、それぞれ0〜4個の記憶数を表示する(記憶数表示手段)。例えば、2つのランプをともに消灯させた表示態様では記憶数0個を表示し、1つのランプを点灯させた表示態様では記憶数1個を表示し、同じ1つのランプを点滅させた表示態様では記憶数2個を表示し、1つのランプの点滅に加えてもう1つのランプを点灯させた表示態様では記憶数3個を表示し、そして2つのランプをともに点滅させた表示態様では記憶数4個を表示する、といった具合である。
第1特別図柄作動記憶ランプ34aは、中始動入賞口26に遊技球が入球するごとに、中始動入賞口26に遊技球が入球したことを記憶する意味で1個ずつ増加後の表示態様へと変化していき(最大4個まで)、その入球を契機として特別図柄の変動が開始されるごとに1個ずつ減少後の表示態様へと変化していく。また、第2特別図柄作動記憶ランプ35aは、可変始動入賞装置28に遊技球が入球するごとに、右始動入賞口28aに遊技球が入球したことを記憶する意味で1個ずつ増加後の表示態様へと変化し(最大4個まで)、その入球を契機として特別図柄の変動が開始されるごとに1個ずつ減少後の表示態様へと変化する。なお、本実施形態では、第1特別図柄作動記憶ランプ34aが未点灯(記憶数が0個)の場合、第1特別図柄が既に変動開始可能な状態(停止表示時)で中始動入賞口26に遊技球が入球しても表示態様は変化しない。また、第2特別図柄作動記憶ランプ35aが未点灯(記憶数が0個)の場合、第2特別図柄が既に変動開始可能な状態(停止表示時)で可変始動入賞装置28に遊技球が入球しても表示態様は変化しない。すなわち、各特別図柄作動記憶ランプ34a,35aの表示態様により表される記憶数(最大4個)は、その時点で未だ第1特別図柄又は第2特別図柄の変動が開始されていない入球の回数を表している。
また、遊技状態表示装置38には、例えば大当り種別表示ランプ38a,38b、確率変動状態表示ランプ38d、時短状態表示ランプ38e、発射位置指定ランプ38fにそれぞれ対応するLEDが含まれている。なお、本実施形態では、上述した普通図柄表示装置33や普通図柄作動記憶ランプ33a、第1特別図柄表示装置34、第2特別図柄表示装置35、第1特別図柄作動記憶ランプ34a、第2特別図柄作動記憶ランプ35a及び遊技状態表示装置38が1枚の統合表示基板89に実装された状態で遊技盤ユニット8に取り付けられている。
〔制御上の構成〕
次に、パチンコ機1の制御に関する構成について説明する。図12は、パチンコ機1に装備された各種の電子機器類を示すブロック図である。パチンコ機1は、制御動作の中枢となる主制御装置70(主制御用コンピュータ)を備えており、この主制御装置70は主に、パチンコ機1における遊技の進行を制御する機能を有している。なお、主制御装置70は、上記の主制御基板ユニット170に内蔵されている。
また、主制御装置70には、中央演算処理装置である主制御CPU72を実装した回路基板(主制御基板)が装備されており、主制御CPU72は、図示しないCPUコアやレジスタとともにROM74、RAM(RWM)76等の半導体メモリを集積したLSIとして構成されている。また、主制御装置70には、乱数発生器75やサンプリング回路77が装備されている。このうち乱数発生器75は、特別図柄抽選の大当り判定用や普通図柄抽選の当り判定用にハードウェア乱数(例えば10進数表記で0〜65535)を発生させるものであり、ここで発生された乱数は、サンプリング回路77を通じて主制御CPU72に入力される。その他にも主制御装置70には、入出力(I/O)ポート79や図示しないクロック発生回路、カウンタ/タイマ回路(CTC)等の周辺ICが装備されており、これらは主制御CPU72とともに回路基板上に実装されている。なお、回路基板上(又は内層部分)には、信号伝送経路や電源供給経路、制御用バス等が配線パターンとして形成されている。
上述した始動ゲート20には、遊技球の通過を検出するためのゲートスイッチ78が一体的に設けられている。また、遊技盤ユニット8には、中始動入賞口26、可変始動入賞装置28、第1可変入賞装置30、第2可変入賞装置31、第1非電動入賞装置220及び第2非電動入賞装置230にそれぞれ対応して、中始動入賞口スイッチ80、右始動入賞口スイッチ82、第1カウントスイッチ84、第2カウントスイッチ85、第1非電動カウントスイッチ240及び第2非電動カウントスイッチ241が装備されている。各始動入賞口スイッチ80,82は、中始動入賞口26、可変始動入賞装置28(右始動入賞口28a)への遊技球の入球を検出するためのものである。また、第1カウントスイッチ84は、第1可変入賞装置30(第1大入賞口30b)への遊技球の入球を検出し、その数をカウントするためのものである。第2カウントスイッチ85は、第2可変入賞装置31(第2大入賞口31b)への遊技球の入球を検出し、その数をカウントするためのものである。第1非電動カウントスイッチ240は、第1非電動入賞装置220(第1非電動入賞口222)への遊技球の入球を検出し、その数をカウントするためのものである。第2非電動カウントスイッチ241は、第2非電動入賞装置230(第2非電動入賞口232)への遊技球の入球を検出し、その数をカウントするためのものである。さらに、確変領域スイッチ95は、第2可変入賞装置31の内部に配置された確変領域を遊技球が通過したことを検出するためのスイッチである(検出手段)。
同様に遊技盤ユニット8には、普通入賞口22への遊技球の入球を検出する第1入賞口スイッチ86と、普通入賞口24への遊技球の入球を検出する第2入賞口スイッチ81とが装備されている。なお、左側の3つの普通入賞口22については、共通の入賞口スイッチ86を用いる構成を例に挙げているが、例えば3つの入賞口スイッチを設置して、各普通入賞口22に対する遊技球の入球を個別に検出してもよい。
上記スイッチ78,80,81,82,84,85,86,240,241,95(以下、これらのスイッチを総称して球検出スイッチBSと称する場合がある)は、遊技領域8aへ発射された遊技球を検知する遊技球検知手段として機能し、特にゲートスイッチ78は、特定の遊技球検知手段として機能し、これら球検出スイッチBSの入賞検出信号は、図示しない入出力ドライバを介して主制御CPU72に入力される。なお、遊技盤ユニット8の構成上、本実施形態ではゲートスイッチ78、第1カウントスイッチ84、第2カウントスイッチ85、第1入賞口スイッチ86、第2入賞口スイッチ81、第1非電動カウントスイッチ240、第2非電動カウントスイッチ241、確変領域スイッチ95からの入賞検出信号は、パネル中継端子板87を経由して送信され、パネル中継端子板87には、それぞれの入賞検出信号を中継するための配線パターンや接続端子等が設けられている。
上述した普通図柄表示装置33や普通図柄作動記憶ランプ33a、第1特別図柄表示装置34、第2特別図柄表示装置35、第1特別図柄作動記憶ランプ34a、第2特別図柄作動記憶ランプ35a及び遊技状態表示装置38は、主制御CPU72からの制御信号に基づいて表示動作を制御されている。主制御CPU72は、遊技の進行状況に応じてこれら表示装置33,34,35,38及びランプ33a,34a,35aに対する制御信号を出力し、各LEDの点灯状態を制御している。また、これら表示装置33,34,35,38及びランプ33a,34a,35aは、上記のように1枚の統合表示基板89に実装された状態で遊技盤ユニット8に設置されており、この統合表示基板89には上記のパネル中継端子板87を中継して主制御CPU72から制御信号が送信される。
また、遊技盤ユニット8には、可変始動入賞装置28、第1可変入賞装置30、第2可変入賞装置31及び確変領域の上流にそれぞれ対応して普通電動役物ソレノイド88、第1大入賞口ソレノイド90、第2大入賞口ソレノイド97及び確変領域用ソレノイド99が設けられている。これらソレノイド88,90,97,99は主制御CPU72からの制御信号に基づいて動作(励磁)し、それぞれ可変始動入賞装置28、第1可変入賞装置30及び第2可変入賞装置31を開閉動作(作動)させたり、確変領域用羽根部材31dを可動させたりする。なお、これらソレノイド88,90,97,99についても上記のパネル中継端子板87を中継して主制御CPU72から制御信号が送信される。
他にも、遊技盤ユニット8には、第1振分装置200内の振分体205に対応して振分電動装置(モータ又はソレノイド)201が設けられている。この振分電動装置201は主制御CPU72からの制御信号に基づいて動作し、第1振分装置200内に流入した遊技球を第1排出口200o1又は第2排出口200o2のいずれかに常時所定割合(例えば、第1排出口200o1:第2排出口200o2=1:2)で振り分けて球放出している。なお、この振分電動装置201についても上記のパネル中継端子板87を中継して主制御CPU72から制御信号が送信される。
このように、第1振分装置200は、右打ち領域で開口する1つの流入口200i、第1排出口200o1及び第2排出口200o2とパチンコ機1に供給される電力を消費して駆動する振分電動装置(駆動部)201とを有し、流入口200iへ進入した遊技球を第1排出口200o1と第2排出口200o2とへ一定の割合(1:2)で振分ける振分動作を振分電動装置201の駆動によって継続して実行可能であり、主制御CPU72は、振分電動装置201の駆動を制御する振分駆動制御手段として機能する。
また、本実施形態では、パチンコ機1への電力供給時において上記継続的な振分動作を常時実行せず、主制御CPU72は、継続的な振分動作を、第1の事象の発生に応じて開始し第2の事象の発生に応じて終了するように、振分電動装置201を制御する。第1の事象とは、パチンコ機1で発生する様々な事象のうち、第1振分装置200による振分動作の継続的な実行が遊技上必要となる振分期間の始期として使用可能な所定の事象であり、第2の事象は、振分期間の終期として使用可能な所定の事象である。
その他に上記のガラス枠ユニット4にはガラス枠開放スイッチ91が設置されており、また、上記のプラ枠アセンブリ7にはプラ枠開放スイッチ93が設置されている。ガラス枠ユニット4が単独で開放されると、ガラス枠開放スイッチ91からの接点信号が主制御装置70(主制御CPU72)に入力され、また、外枠アセンブリ2からプラ枠アセンブリ7が開放されると、プラ枠開放スイッチ93からの接点信号が主制御装置70(主制御CPU72)に入力される。主制御CPU72は、これら接点信号からガラス枠ユニット4やプラ枠アセンブリ7の開放状態(扉開放エラー)を検出することができ、ガラス枠開放スイッチ91及びプラ枠開放スイッチ93は、パチンコ機1に発生したエラーを検出するエラー検出手段として機能する。なお、主制御CPU72は、ガラス枠ユニット4やプラ枠アセンブリ7の開放状態を検出すると、上記の外部情報信号として扉開放情報信号を生成する。
パチンコ機1の裏側には、払出制御装置92が装備されている。この払出制御装置92(払出制御コンピュータ)は、上述した払出装置ユニット172の動作を制御する。払出装置ユニット172は、所定の入賞口に遊技球が入球することに基づいて所定数の賞球を払い出す遊技球払出装置である。払出制御装置92には、払出制御CPU94を実装した回路基板(払出制御基板)が装備されており、この払出制御CPU94もまた、図示しないCPUコアとともにROM96、RAM98等の半導体メモリを集積したLSIとして構成されている。払出制御装置92(払出制御CPU94)は、主制御CPU72からの賞球指示コマンドに基づいて払出装置ユニット172の動作を制御し、要求された個数の遊技球の払出動作を実行させる。なお、主制御CPU72は賞球指示コマンドとともに、上記の外部情報信号として賞球情報信号を生成する。
払出装置ユニット172の図示しない賞球ケース内には、払出モータ102(例えばステッピングモータ)とともに払出装置基板100が設置されており、この払出装置基板100には払出モータ102の駆動回路が設けられている。払出装置基板100は、払出制御装置92(払出制御CPU94)からの払出数指示信号に基づいて払出モータ102の回転角度を具体的に制御し、指示された数の遊技球を賞球ケースから払い出させる。払い出された遊技球は、流路ユニット173内の払出流路を通って上記の受け皿ユニット6に送られる。
また、例えば賞球ケースの上流位置には払出路球切れスイッチ104が設置されている他、払出モータ102の下流位置には払出計数スイッチ106が設置されている。払出モータ102の駆動により実際に賞球が払い出されると、その都度、払出計数スイッチ106からの計数信号が払出装置基板100に入力される。また、賞球ケースの上流位置で球切れが発生すると、払出路球切れスイッチ104からの接点信号が払出装置基板100に入力される。払出装置基板100は、入力された計数信号や接点信号を払出制御装置92(払出制御CPU94)に送信する。払出制御CPU94は、払出装置基板100から受信した信号に基づき、実際の払出数や球切れ状態を検知することができる。
また、パチンコ機1には、例えば下皿6cの内部(パチンコ機1の正面から視て奧の位置)に満タンスイッチ161が設置されている。実際に払い出された賞球(遊技球)は上記の流路ユニット173を通じて上皿6bに放出されるが、上皿6bが遊技球で満杯になると、それ以上に払い出された遊技球は上述したように下皿6cへ流れ込む。さらに、下皿6cが遊技球で満杯になると、それによって満タンスイッチ161がONになり、満タン検出信号が払出制御装置92(払出制御CPU94)に入力される。これを受けて払出制御CPU94は、主制御CPU72から賞球指示コマンドを受信してもそれ以上の賞球動作を一旦保留とし、未払出の賞球残数をRAM98に記憶させておく。なお、RAM98の記憶は電源断時にもバックアップが可能であり、遊技中に停電(瞬間的な停電を含む)が発生しても、未払出の賞球残数情報が消失してしまうことはない。
また、パチンコ機1の裏側には、発射制御基板108とともに発射ソレノイド110が設置されている。また、受け皿ユニット6内には球送りソレノイド111が設けられている。これら発射制御基板108、発射ソレノイド110及び球送りソレノイド111は上述した発射制御基板セット174を構成しており、このうち発射制御基板108には発射ソレノイド110及び球送りソレノイド111の駆動回路が設けられている。このうち球送りソレノイド111は、受け皿ユニット6内に蓄えられた遊技球を1個ずつ、発射機ケース内で所定の発射位置に送り出す動作を行う。また、発射ソレノイド110は、発射位置に送り出された遊技球を打撃し、上記のように遊技領域8に向けて遊技球を1個ずつ連続的(間欠的)に打ち出す動作を行う。なお、遊技球の発射間隔は、例えば0.6秒程度の間隔(1分間で100個以内)である。
一方、パチンコ機1の表側に位置する上記のグリップユニット16には、発射レバーボリューム112、タッチセンサ114及び発射停止スイッチ116が設けられている。このうち発射レバーボリューム112は、遊技者による発射ハンドルの操作量(いわゆるストローク)に比例したアナログ信号を生成する。また、タッチセンサ114は、静電容量の変化から遊技者の身体がグリップユニット(発射ハンドル)16に触れていることを検出し、その検出信号を出力する。そして、発射停止スイッチ116は、遊技者の操作に応じて発射停止信号(接点信号)を生成する。
上記の受け皿ユニット6には発射中継端子板118が設置されており、発射レバーボリューム112やタッチセンサ114、発射停止スイッチ116からの各信号は、発射中継端子板118を経由して発射制御基板108に送信される。また、発射制御基板108からの駆動信号は、発射中継端子板118を経由して球送りソレノイド111に印加される。遊技者が発射ハンドルを操作すると、その操作量に応じて発射レバーボリューム112でアナログ信号(エンコードされたデジタル信号でもよい)が生成され、このときの信号に基づいて発射ソレノイド110が駆動される。これにより、遊技者の操作量に応じて遊技球を打ち出す強さが調整されるものとなっている。なお、発射制御基板108の駆動回路は、タッチセンサ114からの検出信号がオフ(ローレベル)の場合か、もしくは発射停止スイッチ116から発射停止信号が入力された場合は発射ソレノイド110の駆動を停止する。この他に、発射中継端子板118には遊技球等貸出装置接続端子板120が接続されており、この遊技球等貸出装置接続端子板120に上記のCRユニットが接続されていない場合、同じく発射制御基板108の駆動回路は発射ソレノイド110の駆動を停止する。
また、受け皿ユニット6には度数表示基板122及び貸出及び返却スイッチ基板123が内蔵されている。このうち度数表示基板122には、上記の度数表示部の表示器(3桁分の7セグメントLED)が設けられている。また、貸出及び返却スイッチ基板123には球貸ボタン10や返却ボタン12にそれぞれ接続されるスイッチモジュールが実装されており、球貸ボタン10又は返却ボタン12が操作されると、その操作信号が貸出及び返却スイッチ基板123から遊技球等貸出装置接続端子板120を経由してCRユニットに送信される。また、CRユニットからは、有価媒体の残り度数を表す度数信号が遊技球等貸出装置接続端子板120を経由して度数表示基板122に送信される。度数表示基板122上の図示しない表示回路は、度数信号に基づいて表示器を駆動し、有価媒体の残り度数を数値表示する。また、CRユニットに有価媒体が投入されていなかったり、あるいは投入された有価媒体の残り度数が0になったりした場合、度数表示基板122の表示回路は表示器を駆動してデモ表示(有価媒体の投入を促す表示)を行うこともできる。
また、パチンコ機1は制御上の構成として、演出制御装置124(演出制御用コンピュータ)を備えている。この演出制御装置124は、パチンコ機1における遊技の進行に伴う演出の制御を行う。演出制御装置124にもまた、中央演算処理装置である演出制御CPU126を実装した回路基板(複合サブ制御基板)が装備されている。演出制御CPU126には、図示しないCPUコアとともにメインメモリとしてROM128やRAM130等の半導体メモリが内蔵されている。なお、演出制御装置124は、パチンコ機1の裏側で上記の裏カバーユニット178に覆われる位置に設けられている。
また、演出制御装置124には、図示しない入出力ドライバや各種の周辺ICが装備されている他、ランプ駆動回路132や音響駆動回路134が装備されている。演出制御CPU126は、主制御CPU72から送信される演出用のコマンドに基づいて演出の制御を行い、ランプ駆動回路132や音響駆動回路134に指令を与えて各種ランプ46〜52や盤面ランプ53を発光させたり、スピーカ54,55,56から実際に効果音や音声等を出力させたりする処理を行う。
演出制御装置124と上記の主制御装置70とは、例えば図示しない通信用ハーネスを介して相互に接続されている。ただし、これらの間の通信は、主制御装置70から演出制御装置124への一方向のみで行われ、逆方向への通信は行われない。なお、通信用ハーネスには、主制御装置70から演出制御装置124に対して送信される各種コマンドのバス幅に応じてパラレル形式を採用してもよいし、それぞれのドライバIC(I/O)のハード構成に合わせてシリアル形式を採用してもよい。
ランプ駆動回路132は、例えば図示しないPWM(パルス幅変調)ICやMOSFET等のスイッチング素子を備えており、このランプ駆動回路132は、LEDを含む各種ランプに印加する駆動電圧をスイッチング(又はデューティ切替)して、その発光・点滅等の動作を管理する。なお、各種ランプには、上記のガラス枠トップランプ46,48やガラス枠サイドランプ50,受け皿ランプ52の他に、遊技盤ユニット8に設置された装飾・演出用の盤面ランプ53が含まれる。盤面ランプ53は上記の演出ユニットに内蔵されるLEDや、可変始動入賞装置28、第1可変入賞装置30、第2可変入賞装置31等に内蔵されるLEDに相当するものである。なお、ここでは受け皿ランプ52がガラス枠電飾基板136に接続されている例を挙げているが、受け皿ユニット6に受け皿電飾基板を設置し、受け皿ランプ52については受け皿電飾基板を介してランプ駆動回路132に接続される構成であってもよい。
また、音響駆動回路134は、例えば図示しないサウンドROMや音響制御IC、アンプ等を内蔵したサウンドジェネレータであり、この音響駆動回路134は、上スピーカ54及び下スピーカ56を駆動して音響出力を行う。
本実施形態ではガラス枠ユニット4の内面にガラス枠電飾基板136が設置されており、ランプ駆動回路132や音響駆動回路134からの駆動信号はガラス枠電飾基板136を経由して各種ランプ46〜52やスピーカ54,55,56に印加されている。また、ガラス枠電飾基板136には、上記の演出切替ボタン45が接続されており、遊技者が演出切替ボタン45を操作すると、その接点信号がガラス枠電飾基板136を通じて演出制御装置124に入力される。さらに、ガラス枠電飾基板136には、上記のジョグダイヤル45aが接続されており、遊技者がジョグダイヤル45aを回転させると、その回転信号がガラス枠電飾基板136を通じて演出制御装置124に入力される。なお、ここではガラス枠電飾基板136に演出切替ボタン45及びジョグダイヤル45aを接続した例を挙げているが、上記の受け皿電飾基板を設置する場合、演出切替ボタン45及びジョグダイヤル45aは受け皿電飾基板に接続されていてもよい。
その他、遊技盤ユニット8にはパネル電飾基板138が設置されており、このパネル電飾基板138には盤面ランプ53の他に可動体モータ57が接続されている。可動体モータ57は、例えば図示しないリンク機構を介して上記の可動体40fを駆動する。ランプ駆動回路132からの駆動信号は、パネル電飾基板138を経由して盤面ランプ53及び可動体モータ57にそれぞれ印加される。
上記の液晶表示器42は遊技盤ユニット8の裏側に設置されており、遊技盤ユニット8に形成された略矩形の開口を通じてその表示画面が視認可能となっている。また、遊技盤ユニット8の裏側にはインバータ基板158が設置されており、このインバータ基板158は液晶表示器42のバックライト(例えば冷陰極管)に印加される交流電源を生成している。さらに、遊技盤ユニット8の裏側には演出表示制御装置144が設置されており、液晶表示器42による表示動作は、演出表示制御装置144により制御されている。演出表示制御装置144には、汎用の中央演算処理装置である表示制御CPU146とともに、表示プロセッサであるVDP152を実装した回路基板(演出表示制御基板)が装備されている。このうち表示制御CPU146は、図示しないCPUコアとともにROM148、RAM150等の半導体メモリを集積したLSIとして構成されている。また、VDP152は、図示しないプロセッサコアとともに画像ROM154やVRAM156等の半導体メモリを集積したLSIとして構成されている。なお、VRAM156は、その記憶領域の一部をフレームバッファとして利用することができる。
演出制御CPU126のROM128には、演出の制御に関する基本的なプログラムが格納されており、演出制御CPU126は、このプログラムに沿って演出の制御を実行する。演出の制御には、上記のように各種ランプ46〜53等やスピーカ54,55,56を用いた演出の制御が含まれる他、液晶表示器42を用いた画像表示による演出の制御が含まれる。演出制御CPU126は、表示制御CPU146に対して演出に関する基本的な情報(例えば演出番号)を送信し、これを受け取った表示制御CPU146は、基本的な情報に基づいて具体的に演出用の画像を表示する制御を行う。
表示制御CPU146は、VDP152に対してさらに詳細な制御信号を出力する。これを受け取ったVDP152は、制御信号に基づいて画像ROM154にアクセスし、そこから必要な画像データを読み出してVRAM156に転送する。さらに、VDP152は、VRAM156上で画像データを1フレーム(単位時間あたりの静止画像)ごとにフレームバッファに展開し、ここでバッファされた画像データに基づき液晶表示器42の各画素(フルカラー画素)を個別に駆動する。
その他、プラ枠アセンブリ7の裏側には電源制御ユニット(電源制御手段)162が装備されている。この電源制御ユニット162はスイッチング電源回路を内蔵し、電源コード164を通じて島設備から外部電力(例えばAC24V等)を取り込むと、そこから必要な電力(例えばDC+34V、+12V等)を生成することができる。電源制御ユニット162で生成された電力は、主制御装置70や払出制御装置92、演出制御装置124、インバータ基板158に分配されている。さらに、払出制御装置92を経由して発射制御基板108に電力が供給されている他、遊技球等貸出装置接続端子板120を経由してCRユニットに電力が供給されている。なお、ロジック用の低電圧電力(例えばDC+5V)は、各装置に内蔵された電源用IC(3端子レギュレータ等)で生成される。また、上記のように電源制御ユニット164は、アース線166を通じて島設備にアース(接地)されている。
上記の外部端子板160は払出制御装置92に接続されており、主制御装置70(主制御CPU72)にて生成された各種の外部情報信号は、払出制御装置92を経由して外部端子板160から外部に出力されるものとなっている。主制御装置70(主制御CPU72)及び払出制御装置92(払出制御CPU94)は、外部端子板160を通じてパチンコ機1の外部に向けて外部情報信号を出力することができる。外部端子板160から出力される信号は、例えば遊技場のホールコンピュータ(図示外)で集計される。なお、ここでは払出制御装置92を経由する構成を例に挙げているが、主制御装置70からそのまま外部情報信号が外部端子板160に出力される構成であってもよい。
以上がパチンコ機1の制御に関する構成例である。続いて、主制御装置70の主制御CPU72により実行される制御上の主な処理の概略について説明する。
〔リセットスタート(メイン)処理〕
パチンコ機1に電源が投入されると、主制御CPU72はリセットスタート処理を開始する。リセットスタート処理は、前回の電源遮断時に保存されたバックアップ情報を元に遊技状態を復旧(いわゆる復電)したり、逆にバックアップ情報をクリアしたりすることで、パチンコ機1の初期状態を整えるための処理である。また、リセットスタート処理は、初期状態の調整後にパチンコ機1の安定した遊技動作を保証するためのメイン処理(メイン制御プログラム)として位置付けられる。
図13及び図14は、リセットスタート処理の手順例を示すフローチャートである。以下、主制御CPU72が行う処理について、各手順を追って説明する。
ステップS101:主制御CPU72は、先ずスタックポインタにスタック領域の先頭アドレスをセットする。
ステップS102:続いて主制御CPU72は、ベクタ方式の割込モード(モード2)を設定し、デフォルトであるRST方式の割込モード(モード0)を修正する。これにより、以後、主制御CPU72は任意のアドレス(ただし最下位ビットは0)を割込ベクタとして参照し、指定の割込ハンドラを実行することができる。
ステップS103:主制御CPU72は、ここでリセット時待機処理を実行する。この処理は、リセットスタート(例えば電源投入)時にある程度の待機時間(例えば数千ms程度)を確保しておき、その間に主電源断検出信号のチェックを行うためのものである。具体的には、主制御CPU72は待機時間分のループカウンタをセットすると、ループカウンタの値をデクリメントしながら主電源断検出信号の入力ポートをビットチェックする。主電源断検出信号は、例えば周辺デバイスである電源監視ICから入力される。そして、ループカウンタが0になる前に主電源断検出信号の入力を確認すると、主制御CPU72は先頭から処理を再開する。これにより、例えば図示しない主電源スイッチの投入と切断の操作が短時間(1〜2秒程度)内に繰り返し行われた場合のシステム保護を図ることができる。
ステップS104:次に主制御CPU72は、RAM76のワーク領域に対するアクセスを許可する。具体的には、ワーク領域のRAMプロテクト設定値をリセット(00H)する。これにより、以後はRAM76のワーク領域に対するアクセスが許可された状態となる。
ステップS105:また、主制御CPU72、割り込みマスクを設定するためにマスクレジスタの初期設定を行う。具体的には、CTC割り込みを有効にする値をマスクレジスタに格納する。
ステップS106:主制御CPU72は、先に退避しておいたRAMクリアスイッチからの入力信号を参照し、RAMクリアスイッチが操作(スイッチON)されたか否かを確認する。RAMクリアスイッチが操作されていなければ(No)、次にステップS107を実行する。
ステップS107:次に主制御CPU72は、RAM76にバックアップ情報が保存されているか否か、つまり、バックアップ有効判定フラグがセットされているか否かを確認する。前回の電源遮断処理でバックアップが正常に終了し、バックアップ有効判定フラグ(例えば「A55AH」)がセットされていれば(Yes)、次に主制御CPU72はステップS108を実行する。
ステップS108:主制御CPU72は、RAM76のバックアップ情報についてサムチェックを実行する。具体的には、主制御CPU72はRAM76のワーク領域(使用禁止領域及びスタック領域を含むユーザワーク領域)のうち、バックアップ有効判定フラグ及びサムチェックバッファを除く全ての領域をサムチェックする。サムチェックの結果が正常であれば(Yes)、次に主制御CPU72はステップS109を実行する。
ステップS109:主制御CPU72は、バックアップ有効判定フラグをリセット(例えば「0000H」)する。
ステップS110:また、主制御CPU72は、前回の電源断発生直前に送信待ちであったコマンドをクリアする。
ステップS111:次に主制御CPU72は、演出制御復帰処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は演出制御装置124に対し、復帰用のコマンド(例えば機種指定コマンド、特別図柄確率状態指定コマンド、特図先判定演出コマンド、作動記憶数増加時演出コマンド、作動記憶数減少時演出コマンド、回数切りカウンタ残数コマンド、特別遊技状態指定コマンド等)を送信する。これを受けて演出制御装置124は、前回の電源遮断時に実行中であった演出状態(例えば、内部確率状態、演出図柄の表示態様、作動記憶数の演出表示態様、音響出力内容、各種ランプの発光状態等)を復帰させることができる。
ステップS112:主制御CPU72は、状態復帰処理を実行する。この処理では、主制御CPU72はバックアップ情報を元にRAM76のワーク領域に各種の値をセットし、前回の電源遮断時に実行中であった遊技状態(例えば、特別図柄の表示態様、内部確率状態、作動記憶内容、各種フラグ状態、乱数更新状態等)を復帰させる。また、主制御CPU72は、バックアップされていたPCレジスタの値を復旧する。
一方、電源投入時にRAMクリアスイッチが操作されていた場合(ステップS106:Yes)や、バックアップ有効判定フラグがセットされていなかった場合(ステップS107:No)、あるいは、バックアップ情報が正常でなかった場合(ステップS108:No)、主制御CPU72はステップS113に移行する。
ステップS113:主制御CPU72は、RAM76の使用禁止領域以外の記憶内容をクリアする。これにより、RAM76のワーク領域及びスタックエリアは全て初期化され、有効なバックアップ情報が保存されていても、その内容は消去される。
ステップS114:また、主制御CPU72は、RAM76の初期設定を行う。
ステップS115:主制御CPU72は、演出制御出力処理を実行する。この処理では、主制御CPU72が初期設定後に演出制御装置124に送信するべきコマンド(演出制御に必要なコマンド)を出力する。
ステップS116:主制御CPU72は、払出制御出力処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は払出制御装置92に対して、賞球の払い出しを開始するための指示コマンドを出力する。
ステップS117:主制御CPU72は、CTC初期設定処理を実行し、周辺デバイスであるCTC(カウンタ/タイマ回路)の初期設定を行う。この処理では、主制御CPU72は割込ベクタレジスタを設定し、また、CTCに割り込みカウント値(例えば4ms)を設定する。これにより、次にCTC割り込みが発生すると、主制御CPU72はバックアップされていたPCレジスタのプログラムアドレスから処理を続行することができる。
リセットスタート処理において以上の手順を実行すると、主制御CPU72は図14に示されるメインループに移行する(接続記号A→A)。
ステップS118,ステップS119:主制御CPU72は割込を禁止した上で、電源断発生チェック処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は主電源断検出信号の入力ポートをビットチェックし、電源遮断の発生(駆動電圧の低下)を監視する。電源遮断が発生すると、主制御CPU72は普通電動役物ソレノイド88や第1大入賞口ソレノイド90、第2大入賞口ソレノイド97、確変領域用ソレノイド99等に対応する出力ポートバッファをクリアすると、RAM76のワーク領域のうちバックアップ有効判定フラグ及びサムチェックバッファを除く全体の内容をバックアップし、サムチェックバッファにサム結果値を保存する。そして、主制御CPU72はバックアップ有効判定フラグ領域に上記の有効値(例えば「A55AH」)を格納し、RAM76のアクセスを禁止して処理を停止(NOP)する。一方、電源遮断が発生しなければ、主制御CPU72は次にステップS120を実行する。なお、このような電源断発生時の処理をマスク不能割込(NMI)処理としてCPUに実行させている公知のプログラミング例もある。
ステップS120:主制御CPU72は、初期値更新乱数更新処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は、各種のソフトウェア乱数の初期値を更新(変更)するための乱数をインクリメントする。本実施形態では、大当り決定乱数(ハードウェア乱数)、及び普通図柄に対応する当り決定乱数(ハードウェア乱数)を除く各種の乱数(例えば、大当り図柄乱数、リーチ判定乱数、変動パターン決定乱数等)をプログラム上で発生させている。これらソフトウェア乱数は、別の割込処理(図15中のステップS201)で所定範囲内のループカウンタにより更新されているが、この処理において乱数値が1巡するごとにループカウンタの初期値(全ての乱数が対象でなくてもよい)を変更している。初期値更新用乱数は、この初期値をランダムに変更するために用いられており、ステップS120では、その初期値更新用乱数の更新を行っている。なお、ステップS118で割込を禁止した後にステップS120を実行しているのは、別の割込管理処理(図15中のステップS202)でも同様の処理を実行するため、これとの重複(競合)を防止するためである。なお、上記のように、本実施形態において大当り決定乱数及び当り決定乱数は乱数発生器75により発生されるハードウェア乱数であり、その更新周期はタイマ割込周期(例えば数ms)よりもさらに高速(例えば数μs)であるため、大当り決定乱数及び当り決定乱数の初期値を更新する必要はない。
ステップS121,ステップS122:主制御CPU72は割込を許可し、その他乱数更新処理を実行する。この処理で更新される乱数は、ソフトウェア乱数のうち当選種類(当り種別)の判定に関わらない乱数(リーチ判定乱数、変動パターン決定乱数等)である。この処理は、メインループの実行中にタイマ割込が発生し、主制御CPU72が別の割込管理処理(図15)を実行した場合の残り時間で行われる。なお、割込管理処理の内容については後述する。
〔割込管理処理(タイマ割込処理)〕
次に、割込管理処理(タイマ割込処理)について説明する。図15は、割込管理処理の手順例を示すフローチャートである。主制御CPU72は、カウンタ/タイマ回路からの割込要求信号に基づき、所定時間(例えば数ms)ごとに割込管理処理を実行する。以下、各手順を追って説明する。
ステップS200:先ず主制御CPU72は、メインループの実行中に使用していたレジスタ(アキュムレータAとフラグレジスタF、汎用レジスタB〜Lの各ペア)の値をRAM76の退避領域に退避させる。値を退避させた後のレジスタ(A〜L)には、割込管理処理の中で別の値を書き込むことができる。
ステップS201:次に主制御CPU72は、抽選乱数更新処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は抽選用の各種乱数を発生させるためのカウンタの値を更新する。各カウンタの値は、RAM76のカウンタ領域にてインクリメントされ、それぞれ規定の範囲内でループする。各種乱数には、例えば大当り図柄乱数等が含まれる。
ステップS202:主制御CPU72は、ここでも初期値更新乱数更新処理を実行する。処理の内容は、先に述べたものと同じである。
ステップS203:主制御CPU72は、入力処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は入出力(I/O)ポート79から各種スイッチ信号を入力する。具体的には、ゲートスイッチ78及び確変領域スイッチ95からの通過検出信号や、中始動入賞口スイッチ80、右始動入賞口スイッチ82、第1カウントスイッチ84、第2カウントスイッチ85、第1非電動カウントスイッチ240、第2非電動カウントスイッチ241、第1入賞口スイッチ86、第2入賞口スイッチ81からの入賞検出信号の入力状態(ON/OFF)をリードする。
ステップS204:次に主制御CPU72は、スイッチ入力イベント処理を実行する。この処理では、先の入力処理で入力したスイッチ信号のうち、ゲートスイッチ78、中始動入賞口スイッチ80、右始動入賞口スイッチ82からの入賞検出信号に基づいて遊技中に発生した事象の判定を行い、それぞれ発生した事象に応じて、さらに別の処理を実行する。なお、スイッチ入力イベント処理の具体的な内容については、さらに別のフローチャートを用いて後述する。
本実施形態では、中始動入賞口スイッチ80又は右始動入賞口スイッチ82から入賞検出信号(ON)が入力されると、主制御CPU72はそれぞれ第1特別図柄又は第2特別図柄に対応した内部抽選の契機(抽選契機)となる事象が発生したと判定する。また、ゲートスイッチ78から通過検出信号(ON)が入力されると、主制御CPU72は普通図柄に対応した抽選契機となる事象が発生したと判定する。いずれかの事象が発生したと判定すると、主制御CPU72は、それぞれの発生事象に応じた処理を実行する。なお、中始動入賞口スイッチ80又は右始動入賞口スイッチ82から入賞検出信号が入力された場合に実行される処理については、さらに別のフローチャートを用いて後述する。
ステップS205,ステップS206:主制御CPU72は、割込管理処理中において特別図柄遊技処理及び普通図柄遊技処理を実行する。これら処理は、パチンコ機1における遊技を具体的に進行させるためのものである。このうち特別図柄遊技処理(ステップS205)では、主制御CPU72は先に述べた第1特別図柄又は第2特別図柄に対応する内部抽選の実行を制御したり、第1特別図柄表示装置34及び第2特別図柄表示装置35による変動表示や停止表示を制御したり、その表示結果に応じて第1可変入賞装置30及び第2可変入賞装置31の作動を制御したりする。なお、特別図柄遊技処理の詳細については、さらに別のフローチャートを用いて後述する。
また、普通図柄遊技処理(ステップS206)では、主制御CPU72は先に述べた普通図柄表示装置33による変動表示や停止表示を制御したり、その表示結果に応じて可変始動入賞装置28の作動を制御したりする。例えば、主制御CPU72は先のスイッチ入力イベント処理(ステップS204)の中で始動ゲート20の通過を契機として取得した乱数(普通図柄当り決定乱数)を記憶しておき、この普通図柄遊技処理の中で記憶から乱数値を読み出し、所定の当り範囲内に該当するか否かの判定を行う(作動抽選実行手段)。乱数値が当り範囲内に該当する場合、普通図柄表示装置33により普通図柄を変動表示させて所定の当り態様で普通図柄の停止表示を行った後、主制御CPU72は普通電動役物ソレノイド88を励磁して可変始動入賞装置28を作動させる(可動片作動手段)。一方、乱数値が当り範囲外であれば、主制御CPU72は、変動表示の後にはずれの態様で普通図柄の停止表示を行う。
このように、主制御装置70(主制御CPU72)は、当選により可変始動入賞装置28の開閉部材28bが一時的に開状態へ変更され得る電子的な普通図柄抽選(第1当否抽選)を、始動ゲート20への遊技球の通過を契機として実行する第1抽選手段として機能する。
ステップS207:次に主制御CPU72は、賞球払出処理を実行する。この処理では、先の入力処理(ステップS203)において各種スイッチ80,81,82,84,85,86,240,241から入力された入賞検出信号に基づき、払出制御装置92に対して賞球個数を指示する賞球指示コマンドを出力する。
また、主制御CPU72は、賞球払出処理において、演出制御装置124に対して賞球個数の内容を伝達する賞球内容コマンドを出力する。第1可変入賞装置30又は第2可変入賞装置31に対応する第1カウントスイッチ84又は第2カウントスイッチ85からの入賞検出信号、或いは第1非電動入賞装置220又は第2非電動入賞装置230に対応する第1非電動カウントスイッチ240又は第2非電動カウントスイッチ241からの入賞検出信号が入力された場合、第1利益(遊技球15個分)に対応する賞球内容コマンドを生成する。また、普通入賞口24に対応する第2入賞口スイッチ81から入賞検出信号が入力された場合、第2利益(遊技球3個分)に対応する賞球内容コマンドを生成する。賞球内容コマンドは、演出制御出力処理(図15中ステップS212)において演出制御装置124に送信される。
第1可変入賞装置30、第2可変入賞装置31、第1非電動入賞装置220及び第2非電動入賞装置230の各々への遊技球1個の入賞に対する賞球数は15個(15個賞球)であり、16ラウンド大当りでは、1ラウンドでの入賞上限数が10カウント、1球の入賞に対する賞球が15個賞球に設定されているため、設計上の総払出数(獲得数)は、16ラウンド×10カウント×15個賞球=2400個である。この設計上の賞球(基本的な賞球)に加えて、遊技者は、大当り開始時に第1非電動入賞装置220が扉開放状態である場合には、第1非電動入賞装置220への入球に基づく賞球(2カウント×15個賞球=30個の賞球)の獲得が可能となり、及び/又は第2非電動入賞装置230が扉開放状態である場合には、第2非電動入賞装置230への入球に基づく賞球(2カウント×15個賞球=30個の賞球)の獲得が可能となる。
なお、第1特別図柄の始動口の賞球数及び第2特別図柄の始動口の賞球数は、それぞれ1個以上の規定数に設定されている。また、第1特別図柄の始動口と第2特別図柄の始動口とでは、賞球数を異ならせてもよい。さらに、特別図柄の当選確率や、総獲得遊技球数の期待値(初当りから時間短縮状態が終了するまでの一連の期間に得られる平均出球数)に基づいて、最低賞球数を設定してもよい。さらにまた、特別図柄の当選確率、総獲得遊技球数の期待値、大入賞口の開放回数、大入賞口の開放時間、大入賞口の最大入賞数、大入賞口の賞球数が所定の条件を満たした場合、1回の大当りによる獲得遊技球数が最大の獲得遊技球数の14未満となる大当りを設定してもよい。
ステップS207m:主制御CPU72は、モータ管理処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は振分体205に接続される振分電動装置(モータ又はソレノイド)201に対して駆動信号(振分駆動信号)を出力する(対応するポート出力要求バッファに振分駆動信号を格納する)。また、主制御CPU72は、このモータ管理処理において、振分体205に対応する常時所定割合で振り分ける振り分けパターン(例えば、第1排出口200o1:第2排出口200o2=1:2)に基づく振分駆動信号を生成する。具体的には、振分体205を右に傾け第1排出口200o1に遊技球を向かわせる状態を0.4秒にわたり維持し、振分体205を左に傾け第2排出口200o2に遊技球を向かわせる状態を0.8秒にわたり維持し、この状態移行を繰り返す動作を振分電動装置201に実行させることで第1振分装置200の振り分け比率を1:2に規定している。
また、主制御CPU72は、上記振分期間の場合、振分駆動信号を出力(ポート出力要求バッファに格納)する。すなわち、主制御CPU72は、振分期間であるか否かを判定し、振分期間の場合には振分駆動信号を出力し、振分期間以外の場合は振分駆動信号を出力しない。
ステップS208:次に主制御CPU72は、外部情報処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は外部端子板160を通じて遊技場のホールコンピュータに対して上記の外部情報信号(例えば賞球情報、扉開放情報、図柄確定回数情報、大当り情報、始動口情報等)をポート出力要求バッファに格納する。
なお、本実施形態では、各種の外部情報信号のうち、例えば大当り情報として「大当り1」〜「大当り5」を外部に出力することで、パチンコ機1に接続された外部の電子機器(データ表示器やホールコンピュータ)に対して多様な大当り情報を提供することができる(外部情報信号出力手段)。すなわち、大当り情報を複数の「大当り1」〜「大当り5」に分けて出力することで、これらの組み合わせから大当りの種別(当選種類)を図示しないホールコンピュータで集計・管理したり、内部的な確率状態(低確率状態又は高確率状態)や図柄変動時間の短縮状態の変化を認識したり、非当選以外であっても「大当り」に分類されない小当り(条件装置が作動しない当り)の発生を集計・管理したりすることが可能となる。また、大当り情報に基づき、例えば図示しないデータ表示装置によりパチンコ機1の台ごとに過去数営業日以内の大当り発生回数を計数及び表示したり、台ごとに現在大当り中であるか否かを認識したり、あるいは台ごとに現在図柄変動時間の短縮状態であるか否かを認識したりすることができる。この外部情報処理において、主制御CPU72は「大当り1」〜「大当り5」のそれぞれの出力状態(ON又はOFFのセット)を詳細に制御する。
ステップS209:また、主制御CPU72は、試験信号処理を実行する。この処理では、主制御CPU72が自己の内部状態(例えば、普通図柄遊技管理状態、特別図柄遊技管理状態、大当り中、確率変動機能作動中、時間短縮機能作動中)を表す各種の試験信号を生成し、これらをポート出力要求バッファに格納する。この試験信号により、例えば主制御装置70の外部で主制御CPU72の内部状態を試験することができる。
ステップS210:次に主制御CPU72は、表示出力管理処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は普通図柄表示装置33、普通図柄作動記憶ランプ33a、第1特別図柄表示装置34、第2特別図柄表示装置35、第1特別図柄作動記憶ランプ34a、第2特別図柄作動記憶ランプ35a、遊技状態表示装置38等の点灯状態を制御する。具体的には、先の特別図柄遊技処理(ステップS205)や普通図柄遊技処理(ステップS206)においてポート出力要求バッファに格納されている駆動信号をポート出力する。なお、駆動信号は、各LEDに対して印加するバイトデータとしてポート出力要求バッファに格納されている。これにより、各LEDが所定の表示態様(図柄の変動表示や停止表示、作動記憶数表示、遊技状態表示等を行う態様)で駆動されることになる。
ステップS211:また、主制御CPU72は、出力管理処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は先のモータ管理処理(ステップS207m)及び外部情報処理(ステップS208)でポート出力要求バッファに格納された振分駆動信号及び外部情報信号(バイトデータ)をポート出力する。また、主制御CPU72は、ポート出力要求バッファに格納されている普通電動役物ソレノイド88、第1大入賞口ソレノイド90、第2大入賞口ソレノイド97及び確変領域用ソレノイド99の各駆動信号、試験信号等を合わせてポート出力する。
ステップS212:主制御CPU72は、演出制御出力処理を実行する。この処理では、コマンドバッファ内に主制御CPU72が演出制御装置124に送信するべきコマンド(演出制御に必要なコマンド)があるか否かを確認し、未送信コマンドがある場合は出力対象のコマンドをポート出力する。
ステップS213:そして、主制御CPU72は、今回のCTC割込で格納したポート出力要求バッファをクリアする。
なお、本実施形態では、ステップS205〜ステップS212の処理(遊技制御プログラムモジュール)をタイマ割込処理として実行する例を挙げているが、これら処理をCPUのメインループ中に組み込んで実行している公知のプログラミング例もある。
ステップS214:以上の処理を終えると、主制御CPU72は割込終了を指定する値(01H)を割込プログラムカウンタ内に格納し、CTC割込を終了する。
ステップS215,ステップS216:そして、主制御CPU72は、退避しておいたレジスタ(A〜L)の値を復帰し、次回のCTC割込を許可する。この後、主制御CPU72は、メインループ(スタックポインタで指示されるプログラムアドレス)に復帰する。
〔スイッチ入力イベント処理〕
図16は、スイッチ入力イベント処理(図15中のステップS204)の手順例を示すフローチャートである。以下、各手順を追って説明する。
ステップS10:主制御CPU72は、第1特別図柄に対応する中始動入賞口スイッチ80から入賞検出信号が入力(抽選契機が発生)されたか否かを確認する。この入賞検出信号の入力が確認された場合(Yes)、主制御CPU72は次のステップS12に進んで第1特別図柄記憶更新処理を実行する。具体的な処理の内容については、別のフローチャートを用いてさらに後述する。一方、入賞検出信号の入力がなかった場合(No)、主制御CPU72はステップS14に進む。
ステップS14:次に主制御CPU72は、第2特別図柄に対応する右始動入賞口スイッチ82から入賞検出信号が入力(抽選契機が発生)されたか否かを確認する。この入賞検出信号の入力が確認された場合(Yes)、主制御CPU72は次のステップS16に進んで第2特別図柄記憶更新処理を実行する。ここでも同様に、具体的な処理の内容については別のフローチャートを用いてさらに後述する。一方、入賞検出信号の入力がなかった場合(No)、主制御CPU72はステップS18に進む。
ステップS18:主制御CPU72は、第1可変入賞装置30の第1大入賞口30bに対応する第1カウントスイッチ84から入賞検出信号が入力されたか否かを確認する。この入賞検出信号の入力が確認された場合(Yes)、主制御CPU72は次のステップS20に進んで第1大入賞口カウント処理を実行する。第1大入賞口カウント処理では、主制御CPU72は大当り遊技中に1ラウンドごとの第1可変入賞装置30への入賞球数をカウントする。一方、入賞検出信号の入力がなかった場合(No)、主制御CPU72はステップS21aに進む。
ステップS21a:主制御CPU72は、第2可変入賞装置31の第1大入賞口31bに対応する第2カウントスイッチ85から入賞検出信号が入力されたか否かを確認する。この入賞検出信号の入力が確認された場合(Yes)、主制御CPU72は次のステップS21bに進んで第2大入賞口カウント処理を実行する。第2大入賞口カウント処理では、主制御CPU72は大当り遊技中に第2可変入賞装置31への入賞球数をカウントする。一方、入賞検出信号の入力がなかった場合(No)、主制御CPU72はステップS21cに進む。
ステップS21c:主制御CPU72は、第1非電動入賞装置220の第1非電動入賞口222に対応する第1非電動カウントスイッチ240から入賞検出信号が入力されたか否かを確認する。この入賞検出信号の入力が確認された場合(Yes)、主制御CPU72は次のステップS21dに進んで第1非電動入賞口カウント処理を実行する。第1非電動入賞口カウント処理では、主制御CPU72は、第1非電動入賞装置220への入賞球数をカウントする。なお、第1非電動入賞装置220は2個の入賞で閉鎖するように設定されているため、設計上の最大入賞数も2個となる。一方、入賞検出信号の入力がなかった場合(No)、主制御CPU72はステップS21eに進む。
ステップS21e:主制御CPU72は、第2非電動入賞装置230の第2非電動入賞口232に対応する第2非電動カウントスイッチ241から入賞検出信号が入力されたか否かを確認する。この入賞検出信号の入力が確認された場合(Yes)、主制御CPU72は次のステップS21fに進んで第2非電動入賞口カウント処理を実行する。第2非電動入賞口カウント処理では、主制御CPU72は、第2非電動入賞装置230への入賞球数をカウントする。なお、第2非電動入賞装置230は2個の入賞で閉鎖するように設定されているため、設計上の最大入賞数も2個となる。一方、入賞検出信号の入力がなかった場合(No)、主制御CPU72はステップS22に進む。
ステップS22:主制御CPU72は、普通図柄に対応するゲートスイッチ78から通過検出信号が入力されたか否かを確認する。この通過検出信号の入力が確認された場合(Yes)、主制御CPU72は次のステップS24に進んで普通図柄記憶更新処理を実行する。普通図柄記憶更新処理では、主制御CPU72は現在の普通図柄作動記憶数が上限数(例えば4個)未満であるか否かを確認し、上限数に達していなければ、普通図柄当り乱数を取得する。また、主制御CPU72は、普通図柄作動記憶数を1インクリメントする。そして、主制御CPU72は、取得した普通図柄当り乱数値をRAM76の乱数記憶領域に記憶させる。一方、入賞検出信号の入力がなかった場合(No)、主制御CPU72はステップS26に進む。
ステップS26:主制御CPU72は、第2可変入賞装置31の内部に設けられた確変領域に対応する確変領域スイッチ95から検出信号が入力されたか否かを確認する。この検出信号の入力が確認された場合(Yes)、主制御CPU72は次のステップS28に進んで確変領域通過時処理を実行する。確変領域通過時処理として、主制御CPU72は、遊技状態フラグとして確率変動機能作動フラグの値(01H)をRAM76のフラグ領域にセットする処理を実行する(高確率状態移行手段、確率変動機能作動手段)。この確率変動機能作動フラグは、大当り遊技の終了後、当選の結果が得られずに特別図柄が所定回数(170回)変動するとリセットされる。また、確変領域通過時処理として、主制御CPU72は、確変領域通過コマンドを生成する。確変領域通過コマンドは、演出制御出力処理(図15中のステップS212)において演出制御装置124に送信される。なお、主制御CPU72は、特定の有効時間内(例えば、大当り遊技中に確変領域用ソレノイド99を作動させている時間内)に限って確変領域通過時処理を実行することにしてもよい。一方、検出信号の入力がなかった場合(No)、主制御CPU72は割込管理処理(図15)に復帰する。
〔第1特別図柄記憶更新処理〕
図17は、第1特別図柄記憶更新処理(図16中のステップS12)の手順例を示すフローチャートである。以下、第1特別図柄記憶更新処理の手順について順を追って説明する。
ステップS30:ここでは先ず、主制御CPU72は第1特別図柄作動記憶数カウンタの値を参照し、作動記憶数が最大値(例えば4とする)未満であるか否かを確認する。作動記憶数カウンタは、RAM76の乱数記憶領域に記憶されている大当り決定乱数や大当り図柄乱数等の個数(組数)を表すものである。ここで、RAM76の乱数記憶領域は、第1特別図柄及び第2特別図柄で共通して使用する8つのセクション(例えば各2バイト)に分けられており、各セクションには大当り決定乱数及び大当り図柄乱数を1個ずつセット(組)で記憶可能である。このとき、第1特別図柄に対応する作動記憶数カウンタの値が最大値に達していれば(No)、主制御CPU72はスイッチ入力イベント処理(図16)に復帰する。一方、作動記憶数カウンタの値が最大値未満であれば(Yes)、主制御CPU72は次のステップS31に進む。
ステップS31:主制御CPU72は、第1特別図柄作動記憶数を1つ加算する。第1特別図柄作動記憶数カウンタは、例えばRAM76の作動記憶数領域に記憶されており、主制御CPU72はその値をインクリメント(+1)する。ここで加算されたカウンタの値に基づき、表示出力管理処理(図15中のステップS210)で第1特別図柄作動記憶ランプ34aの点灯状態が制御されることになる。
ステップS32:そして、主制御CPU72は、サンプリング回路77を通じて乱数発生器75から第1特別図柄に対応する大当り決定乱数値を取得する(第1抽選要素の取得、抽選要素取得手段)。乱数値の取得は、乱数発生器75のピンアドレスを指定して行う。主制御CPU72が8ビット処理の場合、アドレスの指定は上位及び下位で1バイトずつ2回に分けて行われる。主制御CPU72は、指定したアドレスから大当り決定乱数値をリードすると、これを第1特別図柄に対応する大当り決定乱数として転送先のアドレスにセーブする。
ステップS33:次に主制御CPU72は、RAM76の大当り図柄乱数カウンタ領域から第1特別図柄に対応する大当り図柄乱数値を取得する。この乱数値の取得もまた、大当り図柄乱数カウンタ領域のアドレスを指定して行う。主制御CPU72は、指定したアドレスから大当り図柄乱数値をリードすると、これを第1特別図柄に対応する大当り図柄乱数として転送先のアドレスにセーブする。
ステップS34:また、主制御CPU72は、RAM76の変動用乱数カウンタ領域から、第1特別図柄の変動条件に関する乱数値として、リーチ判定乱数及び変動パターン決定乱数を順番に取得する(変動パターン決定要素取得手段)。これら乱数値の取得も同様に、変動用乱数カウンタ領域のアドレスを指定して行われる。そして、主制御CPU72は、指定したアドレスからリーチ判定乱数及び変動パターン決定乱数をそれぞれ取得すると、これらを転送先のアドレスにセーブする。
ステップS35:主制御CPU72は、セーブした大当り決定乱数、大当り図柄乱数、リーチ判定乱数及び変動パターン決定乱数をともに第1特別図柄に対応する乱数記憶領域に転送し、これら乱数を領域内の空きセクションにセットで記憶させる(記憶手段、抽選要素記憶手段)。複数のセクションには順番(例えば第1〜第4)が設定されており、現段階で第1〜第4の全てのセクションが空きであれば、第1セクションから順に各乱数が記憶される。あるいは、第1セクションが既に埋まっており、その他の第2〜第4セクションが空きであれば、第2セクションから順に各乱数が記憶されていく。なお、乱数記憶領域の読み出しはFIFO(First In First Out)形式である。
ステップS36:次に主制御CPU72は、現在の特別遊技管理ステータス(遊技状態)が大当り中であるか否かを確認する。大当り中以外であれば(No)、主制御CPU72は次以降のステップS37,S38を実行する。大当り中であれば(Yes)、主制御CPU72はステップS37,S38をスキップしてステップS38aに進む。本実施形態においてこの判断を行っているのは、大当り中に発生した入球については先読みによる演出を行わないためである。
ステップS37:大当り中以外の場合(ステップS36:No)、主制御CPU72は第1特別図柄に関して取得時演出判定処理を実行する。この処理は、先のステップS32〜S34でそれぞれ取得した第1特別図柄の大当り決定乱数及び大当り図柄乱数に基づいて、事前(変動開始前)に内部抽選の結果を判定し、それによって演出内容を判定(いわゆる「先読み」)するためのものである。
ステップS38:取得時演出判定処理から復帰すると、次に主制御CPU72は、第1特別図柄に関して特図先判定演出コマンドの上位バイト分(例えば「B8H」)をセットする。この上位バイトデータは、コマンド種別が「第1特別図柄に関する特図先判定演出用」であることを記述したものである。なお、特図先判定演出コマンドの下位バイト分は、先の取得時演出判定処理(ステップS37)においてセットされているので、ここでは下位バイトに上位バイトを合成することで例えば1ワード長のコマンドが生成されることになる。
ステップS38a:次に主制御CPU72は、第1特別図柄に関して作動記憶数増加時演出コマンドをセットする。具体的には、コマンドの種別を表す上位バイトの先行値(例えば「BBH」)に対し、増加後の作動記憶数(例えば「01H」〜「04H」)を下位バイトに付加した1ワード長の演出コマンドを生成する。このとき下位バイトについては、デフォルトで第2の位を「0」とすることにより、その値が「作動記憶数の増加による結果(変化情報)」であることを表している。つまり、下位バイトが「01H」であれば、それは前回までの作動記憶数「00H」から1つ増加した結果、今回の作動記憶数が「01H」となったことを表している。同様に、下位バイトが「02H」〜「04H」であれば、それは前回までの作動記憶数「01H」〜「03H」からそれぞれ1つ増加した結果、今回の作動記憶数が「02H」〜「04H」となったことを表している。なお、上記の先行値「BBH」は、今回の演出コマンドが第1特別図柄についての作動記憶数コマンドであることを表す値である。
ステップS39:そして、主制御CPU72は、第1特別図柄に関して演出コマンド出力設定処理を実行する。この処理は、先のステップS38で生成した特図先判定演出コマンドや、ステップS38aで生成した作動記憶数増加時演出コマンド、始動口入賞音制御コマンドを演出制御装置124に対して送信するためのものである(記憶数通知手段)。
以上の手順を終えるか、もしくは第1特別図柄作動記憶数が4に達していた場合(ステップS30:No)、主制御CPU72はスイッチ入力イベント処理(図16)に復帰する。
〔第2特別図柄記憶更新処理〕
次に図18は、第2特別図柄記憶更新処理(図16中のステップS16)の手順例を示すフローチャートである。以下、第2特別図柄記憶更新処理の手順について順を追って説明する。
ステップS40:主制御CPU72は、第2特別図柄作動記憶数カウンタの値を参照し、作動記憶数が最大値未満であるか否かを確認する。第2特別図柄作動記憶数カウンタについても上記と同様に、RAM76の乱数記憶領域に記憶されている大当り決定乱数や大当り図柄乱数等の個数(組数)を表すものである。このとき第2特別図柄作動記憶数カウンタの値が最大値(例えば4とする)に達していれば(No)、主制御CPU72はスイッチ入力イベント処理(図16)に復帰する。一方、未だ第2特別図柄作動記憶数カウンタの値が最大値未満であれば(Yes)、主制御CPU72は次のステップS41以降に進む。
ステップS41:主制御CPU72は、第2特別図柄作動記憶数を1つ加算(第2特別図柄作動記憶数カウンタの値をインクリメント)する。先のステップS31(図17)と同様に、ここで加算されたカウンタの値に基づき、表示出力管理処理(図15中のステップS210)で第2特別図柄作動記憶ランプ35aの点灯状態が制御されることになる。
ステップS42:そして、主制御CPU72は、サンプリング回路77を通じて乱数発生器75から第2特別図柄に対応する大当り決定乱数値を取得する(第2抽選要素の取得、抽選要素取得手段)。乱数値を取得する手法は、先に説明したステップS32(図17)と同様である。
ステップS43:次に主制御CPU72は、RAM76の大当り図柄乱数カウンタ領域から第2特別図柄に対応する大当り図柄乱数値を取得する。乱数値を取得する方法は、先に説明したステップS33(図17)と同様である。
ステップS44:また、主制御CPU72は、RAM76の変動用乱数カウンタ領域から、第2特別図柄の変動条件に関するリーチ判定乱数及び変動パターン決定乱数を順番に取得する(変動パターン決定要素取得手段)。これら乱数値の取得もまた、先に説明したステップS34(図17)と同様に行われる。
ステップS45:主制御CPU72は、セーブした大当り決定乱数、大当り図柄乱数、リーチ判定乱数及び変動パターン決定乱数をともに第2特別図柄に対応する乱数記憶領域に転送し、これら乱数を領域内の空きセクションにセットで記憶させる(記憶手段)。記憶の手法は、先に説明したステップS35(図17)と同様である。
ステップS45a:次に主制御CPU72は、現在の遊技管理ステータス(遊技状態)が大当り中であるか否かを確認する。そして、大当り中以外であれば(No)、主制御CPU72は次以降のステップS46,S47を実行する。逆に大当り中であれば(Yes)、主制御CPU72はステップS46,S47をスキップしてステップS48に進む。本実施形態においてこの判断を行っているのは、同じく大当り中に発生した入球については先読みによる演出を行わないためである。
ステップS46:大当り中以外である場合(ステップS45a:No)、次に主制御CPU72は、第2特別図柄に関して取得時演出判定処理を実行する。この処理は、先のステップS42〜S44でそれぞれ取得した第2特別図柄の大当り決定乱数及び大当り図柄乱数に基づいて、先に説明したステップS37(図17)と同様に、事前(変動開始前)に内部抽選の結果を判定し、それによって演出内容を判定(いわゆる「先読み」)するためのものである。
ステップS47:取得時演出判定処理から復帰すると、次に主制御CPU72は特図先判定演出コマンドの上位バイト分(例えば「B9H」)をセットする。この上位バイトデータは、コマンド種別が「第2特別図柄に関する特図先判定演出用」であることを記述したものである。ここでも同様に、特図先判定演出コマンドの下位バイト分は、先の取得時演出判定処理(ステップS46)においてセットされているので、ここでは下位バイトに上位バイトを合成することで例えば1ワード長のコマンドが生成されることになる。
ステップS48:次に主制御CPU72は、第2特別図柄に関して作動記憶数増加時演出コマンドをセットする。ここでは、コマンドの種別を表す上位バイトの先行値(例えば「BCH」)に対し、増加後の作動記憶数(例えば「01H」〜「04H」)を下位バイトに付加した1ワード長の演出コマンドを生成する。第2特別図柄についても同様に、デフォルトで下位バイトの第2の位を「0」とすることにより、その値が「作動記憶数の増加による結果(変化情報)」であることを表すことができる。なお、先行値「BCH」は、今回の演出コマンドが第2特別図柄についての作動記憶数コマンドであることを表す値である。
ステップS49:そして、主制御CPU72は、第2特別図柄に関して演出コマンド出力設定処理を実行する。これにより、第2特別図柄に関して特図先判定演出コマンドや作動記憶数増加時演出コマンド、始動口入賞音制御コマンド等を演出制御装置124に対して送信する準備が行われる(記憶数通知手段)。また、以上の手順を終えると、主制御CPU72はスイッチ入力イベント処理(図16)に復帰する。
〔特別図柄遊技処理〕
次に、割込管理処理(図15)の中で実行される特別図柄遊技処理(ステップS205)の詳細について説明する。図19は、特別図柄遊技処理の構成例を示すフローチャートである。特別図柄遊技処理は、実行選択処理(ステップS1000)、特別図柄変動前処理(ステップS2000)、特別図柄変動中処理(ステップS3000)、特別図柄停止表示中処理(ステップS4000)、大当り時可変入賞装置管理処理(ステップS5000)、小当り時可変入賞装置管理処理(ステップS6000)のサブルーチン(プログラムモジュール)群を含む構成である。
ステップS1000:実行選択処理において、主制御CPU72は次に実行するべき処理(ステップS2000〜ステップS5000のいずれか)のジャンプ先を「ジャンプテーブル」から選択する。例えば、主制御CPU72は次に実行するべき処理のプログラムアドレスをジャンプ先のアドレスとし、また、戻り先のアドレスとして特別図柄遊技処理の末尾をスタックポインタにセットする。
いずれの処理を次のジャンプ先として選択するかは、これまでに行われた処理の進行状況(特別図柄遊技管理ステータス)によって異なる。例えば、未だ特別図柄が変動表示を開始していない状況であれば(特別図柄遊技管理ステータス:00H)、主制御CPU72は次のジャンプ先として特別図柄変動前処理(ステップS2000)を選択する。一方、既に特別図柄変動前処理が完了していれば(特別図柄遊技管理ステータス:01H)、主制御CPU72は次のジャンプ先として特別図柄変動中処理(ステップS3000)を選択し、特別図柄変動中処理まで完了していれば(特別図柄遊技管理ステータス:02H)、次のジャンプ先として特別図柄停止表示中処理(ステップS4000)を選択するといった具合である。なお、本実施形態ではジャンプ先のアドレスを「ジャンプテーブル」で指定して処理を選択しているが、このような選択手法とは別に、「プロセスフラグ」や「処理選択フラグ」等を用いてCPUが次に実行するべき処理を選択している公知のプログラミング例もある。このようなプログラミング例では、CPUが一通り各処理をCALLし、その先頭ステップで一々フラグを参照して条件分岐(継続/リターン)することになるが、本実施形態の選択手法では、主制御CPU72が各処理を一々呼び出す手間は不要である。
ステップS2000:特別図柄変動前処理では、主制御CPU72は特別図柄の変動表示を開始するための条件を整える作業を行う。なお、具体的な処理の内容は、別のフローチャートを用いて後述する。
ステップS3000:特別図柄変動中処理では、主制御CPU72は変動タイマをカウントしつつ、第1特別図柄表示装置34又は第2特別図柄表示装置35の駆動制御を行う。具体的には、7セグメントLEDの各セグメント及びドット(0番〜7番)に対してON又はOFFの駆動信号(1バイトデータ)を出力する。駆動信号のパターンは時間の経過に伴って変化し、それによって特別図柄の変動表示が行われる。
ステップS4000:特別図柄停止表示中処理では、主制御CPU72は第1特別図柄表示装置34又は第2特別図柄表示装置35の駆動制御を行う。ここでも同様に、7セグメントLEDの各セグメント及びドットに対してON又はOFFの駆動信号を出力するが、駆動信号のパターンは一定であり、これにより特別図柄の停止表示が行われる。
ステップS5000:大当り時可変入賞装置管理処理は、先の特別図柄停止表示中処理において大当りの態様で特別図柄が停止表示された場合に選択される。例えば、特別図柄が9ラウンド大当りや16ラウンド大当りの態様で停止表示されると、それまでの通常状態から大当り遊技状態(遊技者にとって有利な特別遊技状態)に移行する契機が発生する。大当り遊技中は、先の実行選択処理(ステップS1000)においてジャンプ先が大当り時可変入賞装置管理処理にセットされ、特別図柄の変動表示は行われない。大当り時可変入賞装置管理処理においては、第1大入賞口ソレノイド90が一定時間(例えば29秒間若しくは0.1秒間又は10個の遊技球の入球をカウントするまで)、予め設定された連続作動回数(例えば6回、10回)にわたって励磁され、これにより第1可変入賞装置30が決まったパターンで開閉動作する(特別電動役物の連続作動)。また、第1可変入賞装置30の動作後には、第2大入賞口ソレノイド97が一定時間(例えば29秒間若しくは0.1秒間又は10個の遊技球の入球をカウントするまで)、予め設定された連続作動回数(例えば3回)にわたって励磁され、これにより第2可変入賞装置31が決まったパターンで開閉動作する(特別電動役物の作動)。さらに、16ラウンド大当りに該当している場合、第2可変入賞装置31の動作後には、第1大入賞口ソレノイド90が一定時間(例えば29秒間又は10個の遊技球の入球をカウントするまで)、予め設定された連続作動回数(例えば10回)にわたって励磁され、これにより第1可変入賞装置30が決まったパターンで開閉動作する(特別電動役物の作動)。この間に第1可変入賞装置30や第2可変入賞装置31に対して遊技球を集中的に入賞させることで、遊技者には、まとまって多くの賞球を獲得する機会が与えられる(特別遊技実行手段)。なお、このように大当り時に第1可変入賞装置30や第2可変入賞装置31が開閉動作することを「ラウンド」と称し、連続作動回数が全部で16回あれば、これらを「16ラウンド」と総称することがある。
本実施形態では、1つ目の開閉動作パターンとして、1ラウンド目から6ラウンド目までは第1可変入賞装置30を開閉動作させ、7ラウンド目から9ラウンド目までは第2可変入賞装置31を開閉動作させ、10ラウンド目から16ラウンド目までは第1可変入賞装置30を開閉動作させる動作パターンを採用することができる。また、本実施形態では、2つ目の開閉動作パターンとして、奇数ラウンド(1ラウンド目、3ラウンド目等)では第1可変入賞装置30を開閉動作させ、偶数ラウンド(2ラウンド目、4ラウンド目等)では第2可変入賞装置31を開閉動作させる動作パターンを採用することができる。さらに、本実施形態では、大当りの種類として16ラウンド大当りだけでなく、その他に9ラウンド大当りが設けられているが、16ラウンド大当りや9ラウンド大当りについては、その中に複数の当選種類(当選図柄)が設けられていてもよい。
また、主制御CPU72は大当り時可変入賞装置管理処理において大入賞口開放パターン(ラウンド数と1ラウンドごとの開閉動作の回数、開放時間等)を設定すると、1ラウンド分の第1可変入賞装置30又は第2可変入賞装置31の開閉動作を終了させるごとにラウンド数カウンタの値を1インクリメントする。ラウンド数カウンタの値は、例えば初期値を0としてRAM76のカウント領域に記憶されている。また、主制御CPU72は、ラウンド数カウンタの値を表すラウンド数コマンドを生成する。ラウンド数コマンドは、演出制御出力処理(図15中のステップS212)において演出制御装置124に送信される。ラウンド数カウンタの値が設定した連続作動回数に達すると、主制御CPU72はそのラウンド限りで大当り遊技(大役)を終了する。
そして、大当り遊技を終了すると、主制御CPU72は遊技状態フラグ(確率変動機能作動フラグ、時間短縮機能作動フラグ)に基づいて大当り遊技終了後の状態(高確率状態、時間短縮状態)を変化させる(高確率時間短縮状態移行手段)。「高確率状態」では確率変動機能が作動し、内部抽選での当選確率が通常よりも例えば10倍程度に高くなる(特定遊技状態移行手段、高確率状態移行手段、高確率状態設定手段)。また、「時間短縮状態」では時間短縮機能が作動し、上記のように普通図柄の作動抽選が高確率になり、また、普通図柄の変動時間が短縮されるとともに可変始動入賞装置28の開放時間が延長されて開放回数が増加する(いわゆる電チューサポートが行われる)。なお、「高確率状態」及び「時間短縮状態」については、制御上でいずれか一方だけに移行する場合もあれば、これら両方に合わせて移行する場合もある。
ステップS6000:小当り時可変入賞装置管理処理は、先の特別図柄停止表示中処理において小当りの態様で特別図柄が停止表示された場合に選択される。例えば、特別図柄が小当りの態様で停止表示されると、それまでの通常状態から小当り遊技状態に移行する契機が発生する。小当り遊技中は、先の実行選択処理(ステップS1000)においてジャンプ先が小当り時可変入賞装置管理処理にセットされ、特別図柄の変動表示は行われない。小当り遊技においては、第1可変入賞装置30が所定の開放時間(例えば、0.1秒)で所定回数(例えば2回)だけ開閉動作するものの、第1大入賞口30bへの入賞はほとんど発生しない。
このように、主制御CPU72は、初期状態である通常遊技状態と通常遊技状態よりも遊技者に有利な時短遊技状態と通常遊技状態及び時短遊技状態よりも遊技者が多数の賞球を獲得可能な大当り遊技状態とを含む複数の遊技状態のうち、現在の遊技状態から他の遊技状態へ移行するか否かを、球検出スイッチPSによる遊技球の検知に基づいて決定するとともに、当該決定に応じた状態移行に係る処理を実行可能な遊技制御手段として機能する。
〔複数の当選種類〕
本実施形態では、上記の「16ラウンド大当り」について、例えば複数の当選種類として(1)「16ラウンド大当り」だけが設けられている。また、「16ラウンド図柄大当り」以外に、複数の当選種類として(2)「9ラウンド大当り1」及び(3)「9ラウンド大当り2」が設けられている。ただし、本実施形態において、16ラウンド、9ラウンド以外の大当りが設けられていてもよい。
上記の当選種類は、当選時に停止表示される第1特別図柄又は第2特別図柄の種類に対応している。例えば、「16ラウンド大当り」は「16ラウンド図柄」の大当りに対応し、「9ラウンド大当り1」は「9ラウンド図柄1」の大当りに対応し、「9ラウンド大当り2」は「9ラウンド大当り2」の大当りに対応する。このため以下では、「当選種類」のことを「当選図柄」として適宜呼称するものとする。
〔可変入賞装置の開放動作パターン〕
図20は、可変入賞装置の開放動作パターン(小当りを除く)を示す図である。各当選図柄に対応する大入賞口及び確変領域の開放について内容を説明する。
<9ラウンド図柄1>
上記の特別図柄停止表示中処理において、特別図柄が「9ラウンド図柄1」の態様で停止表示されると、それまでの通常状態から大当り遊技状態に移行する契機が発生する(特別遊技実行手段)。この場合、1ラウンド目から充分に長い時間(例えば最長で29.0秒の開放時間)をかけて第1可変入賞装置30の第1大入賞口30bの開放が1回ずつ行われ、これが5ラウンド目まで継続する。そして、6ラウンド目では、1ラウンド目から5ラウンド目に比較して短い時間(例えば、0.1秒)で第1大入賞口30bが4回開放する。したがって「9ラウンド図柄1」の大当り遊技の6ラウンド目は、実質的な出玉(賞球)を遊技者に付与することなく終了する。また、7ラウンド目から9ラウンド目では、1ラウンド目から5ラウンド目に比較して短い時間(例えば、0.1秒)で第2可変入賞装置31の第1大入賞口31bが1回ずつ開放する。したがって「9ラウンド図柄1」の大当り遊技の7ラウンド目から9ラウンド目は、実質的な出玉(賞球)を遊技者に付与することなく終了する。このため「9ラウンド図柄1」の大当り遊技は、概ね5ラウンド分の出玉(賞球)を遊技者に付与するものとなる。「9ラウンド図柄1」に該当した場合、それまでの遊技で「時間短縮機能」が非作動の状態であったとしても、大当り遊技の終了後に「時間短縮機能」を作動させることで、「時間短縮状態」に移行する特典が遊技者に付与される。また、「9ラウンド図柄1」の大当り遊技では、7ラウンド目から9ラウンド目にて第1大入賞口31bが開放するが、第1大入賞口31bの開放時間は極端に短い時間(例えば、ラウンド開始から0.1秒間)に設定されているため、遊技球が確変領域を通過することはない。なお、第1可変入賞装置30の第1大入賞口30bは、1ラウンド内に規定回数(例えば10回=遊技球10個)の入賞が発生すると、最長の開放時間の経過を待たずに閉鎖される。また、第2可変入賞装置31の第1大入賞口31bも同様に、1ラウンド内に規定回数(例えば10回=遊技球10個)の入賞が発生すると、最長の開放時間の経過を待たずに閉鎖される。
<9ラウンド図柄2>
上記の特別図柄停止表示中処理において、特別図柄が「9ラウンド図柄2」の態様で停止表示されると、それまでの通常状態から大当り遊技状態に移行する契機が発生する(特別遊技実行手段)。この場合、1ラウンド目から充分に長い時間(例えば最長で29.0秒の開放時間)をかけて第1可変入賞装置30の第1大入賞口30bの開放が1回ずつ行われ、これが5ラウンド目まで継続する。そして、6ラウンド目では、1ラウンド目から5ラウンド目に比較して短い時間(例えば、0.1秒)で第1大入賞口30bが4回開放する。したがって「9ラウンド図柄2」の大当り遊技の6ラウンド目は、実質的な出玉(賞球)を遊技者に付与することなく終了する。また、「9ラウンド図柄2」の大当り遊技の7ラウンド目では、充分に長い時間(例えば最長で29.0秒の開放時間)をかけて第2可変入賞装置31の第1大入賞口31bの開放が1回行われる。さらに、8ラウンド目及び9ラウンド目では、7ラウンド目に比較して短い時間(例えば、0.1秒)で第2可変入賞装置31の第1大入賞口31bが1回開放する。このため「9ラウンド図柄2」の大当り遊技は、概ね6ラウンド分の出玉(賞球)を遊技者に付与するものとなる。ただし、「9ラウンド図柄2」の大当り遊技の7ラウンド目では、第1大入賞口31bの開放時間は長い時間(例えば、ラウンド開始から29秒間)に設定されているため、遊技球が確変領域を通過する可能性がある。なお、「9ラウンド図柄2」の大当り遊技では、8ラウンド目及び9ラウンド目にて第1大入賞口31bが開放するが、第1大入賞口31bの開放時間は極端に短い時間(例えば、ラウンド開始から0.1秒間)に設定されているため、遊技球が確変領域を通過することはない。
また、「9ラウンド図柄2」に該当した場合であって、7ラウンド目に第2可変入賞装置31の内部に配置された確変領域を遊技球が通過した場合、大当り遊技の終了後には「確率変動機能」が作動されて、「高確率状態」に移行する特典が遊技者に付与される。
さらに、「9ラウンド図柄2」に該当した場合は、確変領域の通過の有無に関わらず、それまでの遊技で「時間短縮機能」が非作動の状態であったとしても、大当り遊技の終了後に「時間短縮機能」を作動させることで、「時間短縮状態」に移行する特典が遊技者に付与される。
<16ラウンド図柄>
上記の特別図柄停止表示中処理において、特別図柄が「16ラウンド図柄」の態様で停止表示されると、それまでの通常状態から大当り遊技状態に移行する契機が発生する(特別遊技実行手段)。この場合、1ラウンド目から充分に長い時間(例えば最長で29.0秒の開放時間)をかけて第1可変入賞装置30の第1大入賞口30bの開放が1回ずつ行われ、これが6ラウンド目まで継続する。そして、7ラウンド目から充分に長い時間(例えば最長で29.0秒の開放時間)をかけて第2可変入賞装置31の第1大入賞口31bの開放が1回ずつ行われ、これが9ラウンド目まで継続する。その後、10ラウンド目から充分に長い時間(例えば最長で29.0秒の開放時間)をかけて第1可変入賞装置30の第1大入賞口30bの開放が1回ずつ行われ、これが16ラウンド目まで継続する。このため、「16ラウンド図柄」の大当り遊技は、概ね16ラウンド分の出玉(賞球)を遊技者に付与するものとなる。ここで、「16ラウンド図柄」の大当り遊技の7ラウンド目から9ラウンド目では、第1大入賞口31bの開放時間は長い時間(例えば、ラウンド開始から29秒間)に設定されているため、遊技球が確変領域を通過する可能性がある。
また、「16ラウンド図柄」に該当した場合であって、7ラウンド目から9ラウンド目までの間に第2可変入賞装置31の内部に配置された確変領域を遊技球が通過した場合、大当り遊技の終了後には「確率変動機能」が作動されて、「高確率状態」に移行する特典が遊技者に付与される。
さらに、「16ラウンド図柄」に該当した場合は、確変領域の通過の有無に関わらず、それまでの遊技で「時間短縮機能」が非作動の状態であったとしても、大当り遊技の終了後に「時間短縮機能」を作動させることで、「時間短縮状態」に移行する特典が遊技者に付与される。
いずれにしても、当選図柄が上記の「9ラウンド図柄2」又は「16ラウンド図柄」のいずれかに該当し、かつ、大当り遊技中に遊技球が確変領域を通過すると、大当り遊技終了後に内部状態を「高確率時間短縮状態」に移行させる特典が遊技者に付与される。また、「高確率時間短縮状態」において内部抽選に当選し、そのときの当選図柄が「9ラウンド図柄2」又は「16ラウンド図柄」のいずれかに該当し、かつ、大当り遊技中に遊技球が確変領域を通過すると、その大当り遊技終了後も「高確率時間短縮状態」が継続(再開)される。一方、当選図柄が上記の「9ラウンド図柄1」に該当すると、大当り遊技中に遊技球が確変領域を通過することはないので、大当り遊技終了後に内部状態は「低確率時間短縮状態」に移行する。なお、当選図柄が上記の「9ラウンド図柄2」又は「16ラウンド図柄」のいずれかに該当しても、大当り遊技中に遊技球が確変領域を通過しなければ、大当り遊技終了後に内部状態は「低確率時間状態」に移行する。
また、本テーブルに示す動作パターンにおいては、ラウンド間インターバル時間は共通の「15秒」となっている。なお、ラウンド間インターバル時間とは、ラウンドとラウンドとの間に設定される待機時間のことである。
<小当り>
また、本実施形態では、非当選以外の当選種類として小当りが設けられている。小当りに当選すると、大当り遊技とは別に小当り遊技が行われて第1可変入賞装置30が開閉動作する(特例遊技実行手段)。すなわち、先の特別図柄停止表示中処理において、第1特別図柄が小当りの態様で停止表示されると、通常確率状態又は高確率状態の中で小当り遊技(第1可変入賞装置30が作動する遊技)が実行される。このような小当り遊技では第1可変入賞装置30が所定回数(例えば2回)だけ開閉動作するものの、第1大入賞口30bへの入賞はほとんど発生しない。また、小当り遊技が終了しても、「確率変動機能」が作動することはなく、また、「時間短縮機能」が作動することもないので、「高確率状態」や「時間短縮状態」へ移行する特典は付与されない(そのための前提条件とはならない。)。また、「高確率状態」で小当りに当選しても、その小当り遊技終了後に「高確率状態」が終了することはないし、「時間短縮状態」で小当りに当選しても、その小当り遊技終了後に「時間短縮状態」が終了することもない(上限回数に達した場合を除く。)。なお、本実施形態では、小当りを設定する遊技仕様としているが、小当りを設定しない遊技仕様とすることもできる。
〔特別図柄変動前処理〕
図21は、特別図柄変動前処理(図19中のステップS2000)の手順例を示すフローチャートである。以下、各手順に沿って説明する。
ステップS2100:先ず主制御CPU72は、第1特別図柄作動記憶数又は第2特別図柄作動記憶数が残存しているか(0より大であるか)否かを確認する。この確認は、RAM76に記憶されている作動記憶数カウンタの値を参照して行うことができる。第1特別図柄及び第2特別図柄の両方の作動記憶数が0であった場合(No)、主制御CPU72はステップS2500のデモ設定処理を実行する。
ステップS2500:この処理では、主制御CPU72はデモ演出用コマンドを生成する。デモ演出用コマンドは、上記の演出制御出力処理(図15中のステップS212)において演出制御装置124に出力される。デモ設定処理を実行すると、主制御CPU72は特別図柄遊技処理に復帰する。なお、復帰時は、上記のように末尾アドレスに復帰する(以降も同様)。
これに対し、第1特別図柄又は第2特別図柄のいずれかの作動記憶数カウンタの値が0より大きければ(Yes)、主制御CPU72は次にステップS2200を実行する。
ステップS2200:主制御CPU72は、特別図柄記憶エリアシフト処理を実行する。この処理では、主制御CPU72はRAM76の乱数記憶領域に記憶されている抽選用乱数(大当り決定乱数、大当り図柄乱数)のうち、第2特別図柄に対応する方を優先的に読み出す。このとき2つ以上のセクションに乱数が記憶されていれば、主制御CPU72は先頭のセクションから順に乱数を読み出して消去(消費)した後、残った乱数を1つずつ前のセクションに移動(シフト)させる。読み出した乱数は、例えば別の一時記憶領域に保存される。第2特別図柄に対応する乱数が記憶されていない場合、主制御CPU72は第1特別図柄に対応する乱数を読み出して一時記憶領域に保存する。一時記憶領域に保存された各乱数は、次の大当り判定処理で内部抽選に使用される。その結果、本実施形態では第1特別図柄よりも第2特別図柄の変動表示が優先的に行われることになる。なお、このような特別図柄別の優先順位を設けることなく、単純に記憶された順番で乱数が読み出されるプログラムであってもよい。また、この処理において、主制御CPU72はRAM76に記憶されている作動記憶数カウンタ(第1特別図柄又は第2特別図柄のうち、乱数のシフトを行った方)の値を1つ減算し、減算後の値を「変動開始時作動記憶数」に設定する。これにより、上記の表示出力管理処理(図15中のステップS210)の中で第1特別図柄作動記憶ランプ34a又は第2特別図柄作動記憶ランプ35aによる記憶数の表示態様が変化(1減少)する。ここまでの手順を終えると、主制御CPU72は次にステップS2300を実行する。
ステップS2300:主制御CPU72は、大当り判定処理(内部抽選)を実行する。この処理では、主制御CPU72は、先ず大当り値の範囲を設定し、この範囲内に読み出した乱数値が含まれるか否かを判断する(抽選実行手段)。このとき設定される大当り値の範囲は、通常確率状態と高確率状態(確率変動機能作動時)とで異なり、高確率状態では通常確率状態よりも大当り値の範囲が約10倍程度に拡大される。そして、このとき読み出した乱数値が大当り値の範囲内に含まれていれば、主制御CPU72は大当りフラグ(01H)をセットし、次にステップS2400に進む。
上記の大当りフラグをセットしない場合、主制御CPU72は同じ大当り判定処理において、次に小当り値の範囲を設定し、この範囲内に読み出した乱数値が含まれるか否かを判断する(抽選実行手段)。ここでいう「小当り」は、非当選(はずれ)以外であるが、「大当り」とは異なる性質のものである。すなわち、「大当り」は上記の「高確率状態」や「時間短縮状態」に移行させる契機(遊技の節目)を発生させるものであるが、「小当り」はそのような契機を発生しない。ただし「小当り」は、「大当り」と同様に第1可変入賞装置30を作動させる条件を満たすものとして位置付けられている。なお、このとき設定される小当り値の範囲は、通常確率状態と高確率状態(確率変動機能作動時)とで異なっていてもよいし、同じでもよい。いずれにしても、読み出した乱数値が小当り値の範囲内に含まれていれば、主制御CPU72は小当りフラグをセットし、次にステップS2400に進む。このように、本実施形態では非当選以外に該当する当り範囲として、大当り値と小当り値の範囲が予めプログラム上で規定されているが、予め状態別の大当り判定テーブル、小当り判定テーブルをそれぞれROM74に書き込んでおき、これを読み出して乱数値と対比しながら大当り判定を行ってもよい。
ステップS2400:主制御CPU72は、先の大当り判定処理で大当りフラグに値(01H)がセットされたか否かを判断する。大当りフラグに値(01H)がセットされていなければ(No)、主制御CPU72は次にステップS2402を実行する。
ステップS2402:主制御CPU72は、先の大当り判定処理で小当りフラグに値(01H)がセットされたか否かを判断する。小当りフラグに値(01H)がセットされていなければ(No)、主制御CPU72は次にステップS2404を実行する。なお、主制御CPU72は大当りフラグと小当りフラグとを別々に用意せずに、共通当りフラグの値によって大当り(例えば01Hを設定)又は小当り(例えば0AHを設定)を判別してもよい。
ステップS2404:主制御CPU72は、はずれ時停止図柄決定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は、第1特別図柄表示装置34又は第2特別図柄表示装置35によるはずれ時の停止図柄番号データをセットする。また、主制御CPU72は、演出制御装置124に送信するための停止図柄コマンド及び抽選結果コマンド(はずれ時)を生成する。これらコマンドは、演出制御出力処理(図15中のステップS212)において演出制御装置124に送信される。
なお、本実施形態では、第1特別図柄表示装置34や第2特別図柄表示装置35に7セグメントLEDを用いているため、例えば、はずれ時の停止図柄の表示態様を常に1つのセグメント(中央のバー「−」)の点灯表示だけにしておき、停止図柄番号データを1つの値(例えば64H)に固定することができる。この場合、プログラム上で使用する記憶容量を削減し、主制御CPU72の処理負荷を軽減して処理速度を向上することができる。
ステップS2405:次に主制御CPU72は、はずれ時変動パターン決定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は、特別図柄について、はずれ時の変動パターン番号を決定する(変動パターン選択手段)。変動パターン番号は、特別図柄の変動表示の種類(パターン)を区別したり、変動表示にかかる変動時間に対応したりするものである。はずれ時の変動時間は、上記の「時間短縮状態」であるか否かによって異なってくるため、この処理において主制御CPU72は、遊技状態フラグをロードし、現在の状態が「時間短縮状態」であるか否かを確認する。「時間短縮状態」であれば、基本的にリーチ変動を行う場合を除き、はずれ時の変動時間は短縮された時間(例えば、2.0秒程度)に設定される(短縮時変動時間決定手段)。また、「時間短縮状態」でなくとも、リーチ変動を行う場合を除き、はずれ時の変動時間は例えばステップS2200で設定した「変動表示開始時作動記憶数(0個〜3個)」に基づいて短縮される場合がある(例えば、変動表示開始時作動記憶数0個→12.5秒程度、変動表示開始時作動記憶数1個→8秒程度、変動表示開始時作動記憶数2個→5秒程度、変動表示開始時作動記憶数3個→2.5秒程度)。なお、はずれ時の図柄の停止表示時間は変動パターンに関わらず一定(例えば0.5秒程度)である。主制御CPU72は、決定した変動時間(はずれ時)の値を変動タイマにセットするとともに、はずれ時の停止表示時間の値を停止図柄表示タイマにセットする。
本実施形態では、内部抽選の結果、非当選に該当した場合、演出上で例えば「リーチ演出」を発生させてはずれとしたり、「リーチ演出」を発生させずにはずれとしたりする制御を行うこととしている。そして、「はずれ時変動パターン選択テーブル」には、予め複数種類の演出、例えば「非リーチ演出」、「リーチ演出」に対応した変動パターンが規定されており、非当選に該当した場合は、その中からいずれかの変動パターンが選択されることになる。なお、リーチ演出には、ノーマルリーチ演出、ロングリーチ演出、スーパーリーチ演出等といった様々なリーチ演出が含まれる。
以上のステップS2404,ステップS2405は、大当り判定結果がはずれ時(非当選以外の場合)の制御手順であるが、判定結果が大当り(ステップS2400:Yes)又は小当り(ステップS2402:Yes)の場合、主制御CPU72は以下の手順を実行する。先ず、大当りの場合について説明する。
ステップS2410:主制御CPU72は、大当り時停止図柄決定処理を実行する(当選種類決定手段)。この処理では、主制御CPU72は大当り図柄乱数に基づき、特別図柄別(第1特別図柄又は第2特別図柄)に今回の当選図柄の種類(大当り時停止図柄番号)を決定する。大当り図柄乱数値と当選図柄の種類との関係は、予め特別図柄判定データテーブルで規定されている(当選種類規定手段)。このため主制御CPU72は、大当り時停止図柄決定処理において大当り時停止図柄選択テーブルを参照し、その記憶内容から大当り図柄乱数に基づいて当選図柄の種類を決定することができる。
本実施形態では大当り時に選択的に決定される当選図柄として、大きく分けて3種類が用意されている。3種類の内訳は、「9ラウンド図柄1」、「9ラウンド図柄2」及び「16ラウンド図柄」である。なお、3種類の当選図柄の各当選図柄は、さらに複数の当選図柄を含んでいてもよい。例えば「9ラウンド図柄1」であれば、「9ラウンド図柄1a」、「9ラウンド図柄1b」、「9ラウンド図柄1c」、・・・といった具合である。
また、本実施形態では、第1特別図柄と第2特別図柄とでは、それぞれに対応する内部抽選の大当り時に選択される当選図柄の選択比率が異なっている。このため主制御CPU72は、今回の大当りの結果が第1特別図柄に対応するものであるか、第2特別図柄に対応するものであるかによって選択する当選図柄を区別している。
主制御CPU72は、今回の大当りの結果が第1特別図柄に対応する場合、第1特別図柄大当り時停止図柄選択テーブル(当選種類規定手段)を参照して当選図柄の種類を決定する。第1特別図柄に対応する大当り時には、「9ラウンド図柄1」が選択される割合は100分の50(=50%)であり、「9ラウンド図柄2」が選択される割合は100分の45(=45%)であり、「16ラウンド図柄」が選択される割合は100分の5(=5%)である。各振分値の大きさは、大当り図柄乱数を用いた当選図柄別の選択比率に相当する。
主制御CPU72は第1特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルから当選図柄を選択すると、そのときの停止図柄コマンドを生成する。生成した停止図柄コマンドは、例えば上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。また、主制御CPU72は、選択した当選図柄に基づいて第1特別図柄についての大当り時停止図柄番号を決定する。
第1特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルには、大当り遊技の終了後に付与される時短回数(限度回数)の値が示されている。本実施形態では、「9ラウンド図柄1」、「9ラウンド図柄2」又は「16ラウンド図柄」に該当した場合、時短回数は100回付与される。ただし、「9ラウンド図柄2」又は「16ラウンド図柄」に該当した場合であって、大当り遊技中に遊技球が確変領域を通過した場合には、時短回数は170回付与される。
また、主制御CPU72は、今回の大当りの結果が第2特別図柄に対応する場合、第2特別図柄大当り時停止図柄選択テーブル(当選種類規定手段)を参照して当選図柄の種類を決定する。第2特別図柄に対応する大当り時においては、「9ラウンド図柄2」が選択される割合は100分の20(=20%)であり、「16ラウンド図柄」が選択される割合は100分の80(=80%)である。なお、第2特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルには、「9ラウンド図柄1」についての振分値は設定されていない。
主制御CPU72は第2特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルから当選図柄を選択すると、そのときの停止図柄コマンドを生成する。生成した停止図柄コマンドは、例えば上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。また、主制御CPU72は、選択した当選図柄に基づいて第2特別図柄についての大当り時停止図柄番号を決定する。
第2特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルには、大当り遊技の終了後に付与される時短回数(限度回数)の値が示されている。 本実施形態では、「9ラウンド図柄2」又は「16ラウンド図柄」に該当した場合、時短回数は100回付与される。ただし、「9ラウンド図柄2」又は「16ラウンド図柄」に該当した場合であって、大当り遊技中に遊技球が確変領域を通過した場合には、時短回数は170回付与される。
なお、上記のように第1特別図柄と第2特別図柄とで、当選図柄の選択比率が異なっているのは、例えば以下の理由による。すなわち、「高確率時間短縮状態」や「低確率時間短縮状態」に移行した場合、通常時(時間短縮機能の非作動時)に比較して高頻度で可変始動入賞装置28が作動するため、第1特別図柄についての作動記憶よりも、第2特別図柄についての作動記憶の方が蓄積されやすくなっている。この場合、第2特別図柄について「16ラウンド図柄」の選択比率を高めておけば、通常時よりも「16ラウンド図柄」に当選しやすくなるため、それだけ遊技者の利益を高めることができるという利点がある。
ステップS2412:次に主制御CPU72は、大当り時変動パターン決定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は先のステップS2200でシフトした変動パターン決定乱数に基づいて第1特別図柄又は第2特別図柄の変動パターン(変動時間と停止表示時間)を決定する。また、主制御CPU72は、決定した変動時間の値を変動タイマにセットするとともに、停止表示時間の値を停止図柄表示タイマにセットする。一般的に大当りリーチ変動の場合、はずれ時よりも長い変動時間が決定される。
本実施形態では、内部抽選の結果、9ラウンド大当りや16ラウンド大当りに該当した場合、演出上で例えば「リーチ演出」を発生させて大当りとする制御を行っている。そして、「大当り時変動パターン選択テーブル」には、複数種類の「リーチ演出」に対応した変動パターンが規定されており、9ラウンド大当りや16ラウンド大当りに該当した場合は、その中からいずれかの変動パターンが選択されることになる。なお、リーチ演出には、ノーマルリーチ演出、ロングリーチ演出、スーパーリーチ演出等といった様々なリーチ演出が含まれる。また、時間短縮機能が作動している状態での当選時には、長い変動時間を有する変動パターンを選択せずに、短い変動時間を有する変動パターン(リーチ演出を行わない変動パターン)を選択してもよい。
ステップS2414:次に主制御CPU72は、大当り時その他設定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は、先のステップS2410で決定した当選図柄の種類(大当り時停止図柄番号)が「9ラウンド図柄1」、「9ラウンド図柄2」又は「16ラウンド図柄」のいずれかである場合、主制御CPU72は遊技状態フラグとして時間短縮機能作動フラグの値(01H)をRAM76のフラグ領域にセットする(時間短縮状態移行手段、時間短縮機能作動手段)。
また、ステップS2414の処理において、主制御CPU72は大当り時停止図柄番号に基づいて第1特別図柄表示装置34又は第2特別図柄表示装置35による停止図柄(大当り図柄)の表示態様を決定する。合わせて主制御CPU72は、上記の停止図柄コマンド(大当り時)とともに抽選結果コマンド(大当り時)を生成する。これら停止図柄コマンド及び抽選結果コマンドもまた、演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。
次に、小当り時の処理について説明する。
ステップS2407:主制御CPU72は、小当り時停止図柄決定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は大当り図柄乱数に基づき、小当り時の当選図柄の種類(小当り時停止図柄番号)を決定する。ここでも同様に、大当り図柄乱数値と小当り時の当選図柄の種類との関係が予め小当り時特別図柄選択テーブルで規定されている(当選種類規定手段)。なお、本実施形態では、主制御CPU72の負荷を軽減するために大当り図柄乱数を用いて小当り時の当選図柄を決定しているが、別途専用の乱数を用いてもよい。
本実施形態では、小当り時の当選図柄は「1回開放小当り図柄」の1種類だけである。ただし、これ以外に例えば「2回開放小当り図柄」や「3回開放小当り図柄」等の別の種類が用意されていてもよい。上記のように内部抽選の結果としての「小当り」は、その後の状態が「高確率状態」や「時間短縮状態」に変化する契機とはならないため、この種のパチンコ機で必須となる「2ラウンド(2回開放)以上」の規定にとらわれることなく、「1回開放小当り図柄」を設けることができる。
ステップS2408:次に主制御CPU72は、小当り時変動パターン決定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は先のステップS2200でシフトした変動パターン決定乱数に基づいて第1特別図柄又は第2特別図柄の変動パターン(変動時間と停止表示時間)を決定する(変動パターン選択手段)。また、主制御CPU72は、決定した変動時間の値を変動タイマにセットし、停止表示時間の値を停止図柄表示タイマにセットする。なお、本実施形態では小当りの場合にリーチ変動パターンを選択することもできるし、はずれ通常変動時と同等の変動パターンを選択することもできる。
ステップS2409:次に主制御CPU72は、小当り時その他設定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は小当り時停止図柄番号に基づき、第1特別図柄表示装置34又は第2特別図柄表示装置35による停止図柄(小当り図柄)の表示態様を決定する。合わせて主制御CPU72は、演出制御装置124に送信する停止図柄コマンド及び抽選結果コマンド(小当り時)を生成する。これら停止図柄コマンド及び抽選結果コマンドもまた、演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。
ステップS2415:次に主制御CPU72は、特別図柄変動開始処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は変動パターン番号(はずれ時/当り時)に基づいて変動パターンデータを選択する。合わせて主制御CPU72は、RAM76のフラグ領域に特別図柄の変動開始フラグをセットする。そして、主制御CPU72は、演出制御装置124に送信する変動開始コマンドを生成する。この変動開始コマンドもまた、上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。以上の手順を終えると、主制御CPU72は特別図柄変動中処理(ステップS3000)を次のジャンプ先に設定し、特別図柄遊技処理に復帰する。
〔特別図柄変動中処理〕
特別図柄変動中処理(図19中のステップS3000)では、上記のように主制御CPU72は変動タイマの値をレジスタからタイマカウンタにロードし、その後、時間の経過(クロックパルスのカウント数又は割込カウンタの値)に応じてタイマカウンタの値をデクリメントする。そして、主制御CPU72は、タイマカウンタの値を参照しつつ、その値が0になるまで上記のように特別図柄の変動表示を制御する。そして、タイマカウンタの値が0になると、主制御CPU72は特別図柄停止表示中処理(ステップS4000)を次のジャンプ先に設定する。
〔特別図柄停止表示中処理〕
特別図柄停止表示中処理(図19中のステップS4000)では、主制御CPU72は停止図柄決定処理(図21中のステップS2404,ステップS2407,ステップS2410)で決定した停止図柄に基づいて特別図柄の停止表示を制御する。また、主制御CPU72は、演出制御装置124に送信する図柄停止コマンドを生成する。図柄停止コマンドは、上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。特別図柄停止表示中処理の中で停止図柄を所定時間にわたり表示させると、主制御CPU72は図柄変動中フラグを消去する。
図22は、特別図柄停止表示中処理の手順例を示すフローチャートである。以下、各手順に沿って説明する。
ステップS4100:主制御CPU72は、停止図柄表示タイマの値を減算(割込周期分だけデクリメント)する。
ステップS4200:そして、主制御CPU72は、今回減算した停止図柄表示タイマの値に基づき、停止表示時間が終了したか否かを判断する。具体的には、停止図柄表示タイマの値が0以下でなければ、主制御CPU72は未だ停止表示時間が終了していないと判断する(No)。この場合、主制御CPU72は特別図柄遊技処理に復帰し、次の割込周期においても実行選択処理(図19中のステップS1000)からジャンプして特別図柄停止表示中処理を繰り返し実行する。
これに対し、停止図柄表示タイマの値が0以下であれば、主制御CPU72は停止表示時間が終了したと判断する(Yes)。この場合、主制御CPU72は次にステップS4250を実行する。
ステップS4250:主制御CPU72は、図柄停止コマンド及び停止表示時間終了コマンドを生成する。図柄停止コマンド及び停止表示時間終了コマンドは、上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。また、主制御CPU72は、ここで図柄変動中フラグを消去する。なお、「停止表示時間終了コマンド」とは、特別図柄の停止表示時間が終了(経過)したことを示すコマンドである。
ステップS4300:ここで主制御CPU72は、大当りフラグの値(01H)がセットされているか否かを確認する。大当りフラグの値(01H)がセットされている場合(Yes)、主制御CPU72は次にステップS4350を実行する。
<当選時>
ステップS4350:主制御CPU72は、ジャンプテーブルのジャンプ先を「大当り時可変入賞装置管理処理」に設定する。なお、主制御CPU72は、本処理にて各種機能を非作動に設定する処理を実行する。具体的には、確率変動機能を非作動とし、時間短縮機能を非作動とする。これにより、特別遊技(大役)が開始される前には、低確率非時間短縮状態に移行されることになる。
ステップS4400:そして、主制御CPU72は、制御上の内部状態フラグとして「大役開始(大当り遊技中)」をセットする。また、主制御CPU72は、大当り図柄の種類に応じて連続作動回数ステータスの値をセットする。例えば、大当り図柄の種類が「16ラウンド図柄」である場合、連続作動回数ステータスには「16ラウンド」に対応する値がセットされる。また、大当り図柄の種類が「9ラウンド図柄1」又は「9ラウンド図柄2」である場合、連続作動回数ステータスには「9ラウンド」を表す値がセットされる。また、主制御CPU72は、大当り中を表す状態コマンドを生成する。大当り中を表す状態コマンドは、上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。
ステップS4500:そして、主制御CPU72は、連続作動回数コマンドを生成する。連続作動回数コマンドは、先の大当り時停止図柄決定処理(図21中のステップS2410)で決定された大当り図柄の種類(停止図柄番号)に基づいて生成することができる。例えば、大当り図柄の種類が「16ラウンド図柄」である場合、連続作動回数コマンドは「16ラウンド」を表す値として生成される。また、大当り図柄の種類が「9ラウンド図柄1」又は「9ラウンド図柄2」である場合、連続作動回数コマンドは「9ラウンド」を表す値として生成される。生成された連続作動回数コマンドは、上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。
大当り時に以上の手順を終えると、主制御CPU72は特別図柄遊技処理に復帰する。
<非当選時>
これに対し、大当り時以外の場合は以下の手順が実行される。
すなわち主制御CPU72は、ステップS4300において大当りフラグの値(01H)がセットされていないと判断した場合(No)、次にステップS4600を実行する。
ステップS4600:主制御CPU72は、次に小当りフラグの値(01H)がセットされているか否かを確認する。そして、小当りフラグの値(01H)もセットされておらず、単純にはずれである場合(No)、主制御CPU72は次にステップS4602を実行する。
ステップS4602:主制御CPU72は、ジャンプテーブルのジャンプ先アドレスとして特別図柄変動前処理のアドレスをセットする。
ステップS4605:これに対し、小当りフラグの値(01H)がセットされていた場合(ステップS4600:Yes)、主制御CPU72はジャンプテーブルのジャンプ先アドレスとして小当り時可変入賞装置管理処理のアドレスをセットする。
ステップS4606:そして、主制御CPU72は、制御上の内部状態フラグとして「小当り開始(小当り中)」をセットする。また、主制御CPU72は、小当り中を表す状態コマンドを生成する。小当り中を表す状態コマンドは、上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。
ステップS4610:次に主制御CPU72は、回数切りカウンタの値をロードする。「回数切りカウンタ」は、「高確率状態」や「時間短縮状態」においてそれぞれのカウンタ値がRAM76の確変カウント領域、時短カウント領域にセットされている。本実施形態では、いわゆる回数切り確変の機能を採用しているため、「高確率時間短縮状態」に移行させる場合、高確率状態に関する回数切りカウンタは所定の数値(例えば170回)に設定され、時間短縮状態に関する回数切りカウンタは所定の数値(例えば170回)に設定される。また、「低確率時間短縮状態」に移行させる場合、高確率状態に関する回数切りカウンタは設定されず、時間短縮状態に関する回数切りカウンタは所定の数値(例えば100回)に設定される。
ステップS4620:主制御CPU72は、ロードしたカウンタ値が0であるか否かを確認する。このとき、既に回数切りカウンタ値が0であれば(Yes)、主制御CPU72は特別図柄遊技処理に復帰する。一方、回数切りカウンタ値が0でなかった場合(No)、回数切りカウンタ値コマンドを生成してから、主制御CPU72は次にステップS4630を実行する。
ステップS4630:主制御CPU72は、回数切りカウンタ値をデクリメント(1減算)する。
ステップS4640:そして、主制御CPU72は、その減算結果が0でないか否かを判断する。減算の結果、回数切りカウンタの値が0でなかった場合(Yes)、主制御CPU72は特別図柄遊技処理に復帰する。これに対し、回数切りカウンタの値が0になった場合(No)、主制御CPU72はステップS4650に進む。
ステップS4650:ここで主制御CPU72は、回数切り機能作動時のフラグをリセットする。本実施形態では、「高確率時間短縮状態」に移行される場合、高確率状態及び時間短縮状態に関する回数切りカウンタは所定の数値(例えば170回)に設定されるため、リセットされるのは、確率変動機能作動フラグ及び時間短縮機能作動フラグである。また、「低確率時間短縮状態」に移行される場合、時間短縮状態に関する回数切りカウンタは所定の数値(例えば100回)に設定されるため、リセットされるのは、時間短縮機能作動フラグだけである。これにより、特別図柄の停止表示を経て時間短縮状態や高確率状態が終了する。以上の手順を終えると、特別図柄遊技処理に復帰する。
〔大当り時可変入賞装置管理処理〕
次に、大当り時可変入賞装置管理処理(図19中のステップS5000)の詳細について説明する。図23は、大当り時可変入賞装置管理処理の構成例を示すフローチャートである。大当り時可変入賞装置管理処理は、大当り時遊技プロセス選択処理(ステップS5100)、大当り時大入賞口開放パターン設定処理(ステップS5200)、大当り時大入賞口開閉動作処理(ステップS5300)、大当り時大入賞口閉鎖処理(ステップS5400)、大当り時終了処理(ステップS5500)のサブルーチン群を含む構成である。
ステップS5100:大当り時遊技プロセス選択処理において、主制御CPU72は次に実行するべき処理(ステップS5200〜ステップS5500のいずれか)のジャンプ先を選択する。すなわち主制御CPU72は、ジャンプテーブルから次に実行するべき処理のプログラムアドレスをジャンプ先のアドレスとして選択し、また、戻り先のアドレスとして大当り時可変入賞装置管理処理の末尾をスタックポインタにセットする。いずれの処理を次のジャンプ先として選択するかは、これまでに行われた処理の進行状況によって異なる。例えば、未だ第1可変入賞装置30又は第2可変入賞装置31の作動(開閉動作)を開始していない状況であれば、主制御CPU72は次のジャンプ先として大当り時大入賞口開放パターン設定処理(ステップS5200)を選択する。一方、既に大当り時大入賞口開放パターン設定処理が完了していれば、主制御CPU72は次のジャンプ先として大当り時大入賞口開閉動作処理(ステップS5300)を選択し、大当り時大入賞口開閉動作処理まで完了していれば、次のジャンプ先として大当り時大入賞口閉鎖処理(ステップS5400)を選択する。また、設定された連続作動回数(ラウンド数)にわたって大当り時大入賞口開閉動作処理及び大当り時大入賞口閉鎖処理が繰り返し実行されると、主制御CPU72は次のジャンプ先として大当り時終了処理(ステップS5500)を選択する。以下、それぞれの処理についてさらに詳しく説明する。
〔大当り時大入賞口開放パターン設定処理〕
図24は、大当り時大入賞口開放パターン設定処理(図23中のステップS5200)の手順例を示すフローチャートである。この処理は、大当り時に第1可変入賞装置30又は第2可変入賞装置31を開閉動作する回数や各開放の時間等の条件を設定するためのものである。以下、各手順に沿って説明する。
ステップS5204:主制御CPU72は、図柄別開放パターン選択処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は今回の該当する当選図柄に応じて大入賞口の開放パターン(ラウンドごとの開放回数及び各開放の時間)やラウンド間のインターバル時間、1ラウンド中のカウント数(最大入賞回数)、確変領域用ソレノイド99の作動パターンを選択する。当選図柄別の大入賞口の開放パターンや確変領域用ソレノイド99の作動パターン、ラウンド間のインターバル時間については、図20に示す大当り中の可変入賞装置の動作パターンで説明した通りである。なお、1ラウンド中のカウント数(最大入賞回数)は基本的には10個程度であるが、極端な短時間(0.1秒程度)の開放中に入賞が発生することはほとんどない(不能ではないが極めて困難である)。
ステップS5206:主制御CPU72は、先の大当り時停止図柄決定処理(図21中のステップS2410)で選択した大当り時の当選図柄に基づき、今回の大当り遊技における実行ラウンド数を設定する。具体的には、当選図柄として大分類の「16ラウンド図柄」を選択していれば、主制御CPU72は実行ラウンド数を16回に設定する。また、当選図柄として「9ラウンド図柄1」又は「9ラウンド図柄2」を選択していれば、主制御CPU72は実行ラウンド数を9回に設定する。ここで設定した実行ラウンド数は、プログラム上で対応する値(9回なら「8」、16回なら「15」)として、例えばRAM76のバッファ領域に格納される。
ステップS5208:次に主制御CPU72は、先のステップS5204で設定した大入賞口開放パターン及び確変領域用ソレノイド99の作動パターンに基づき、大当り時開放タイマ及び確変領域タイマ(確変領域の開放時間をカウントするタイマ)を設定する。ここで設定したタイマの値は、第1可変入賞装置30又は第2可変入賞装置31の開放時間や確変領域の開放時間となる。なお、大当り時開放タイマ及び確変領域タイマの値として200〜29.0秒程度の時間が設定されていれば、その開放時間は1回の開放中に大入賞口への入球や確変領域の通過が容易に発生する充分な時間(例えば発射制御基板セット174により遊技球が10個以上発射される時間、好ましくは6秒以上)となる。一方、大当り時開放タイマ及び確変領域タイマの値として0.1秒が設定されていれば、その開放時間は1回の開放中に大入賞口への入球や確変領域の通過が不能ではなくとも、ほとんど発生しない(困難となる)短時間(例えば1秒より短い時間、好ましくは発射制御基板セット174による遊技球の発射間隔よりも短い時間)となる。
ステップS5210:そして、主制御CPU72は、先のステップS5204で設定した大入賞口開放パターン及び確変領域用ソレノイド99の作動パターンに基づき、大当り時インターバルタイマ(大入賞口インターバルタイマ)及び確変領域インターバルタイマ(確変領域を一時的に閉鎖させるための待ち時間をカウントするタイマ)を設定する。ここで設定したタイマの値は、大当り中のラウンド間での待機時間又は確変領域の一時的な閉鎖時間となる。
ステップS5212:以上の手順を終えると、主制御CPU72は次のジャンプ先を大当り時大入賞口開閉動作処理に設定し、大当り時可変入賞装置管理処理(図23)に復帰する。
〔大当り時大入賞口開閉動作処理〕
図25は、大当り時大入賞口開閉動作処理(図23中のステップS5300)の手順例を示すフローチャートである。この処理は、大当り時に第1可変入賞装置30又は第2可変入賞装置31の開閉動作を制御するためのものである。以下、手順に沿って説明する。
ステップS5301:主制御CPU72は、大入賞口インターバルタイマがカウントダウン中であるか否かを確認する。具体的には、以下のステップS5314で設定する大入賞口インターバルタイマが既に動作中であるか否かを確認することにより、大入賞口インターバルタイマがカウントダウン中であるか否かを確認することができる。
その結果、大入賞口インターバルタイマがカウントダウン中であることを確認した場合(Yes)、主制御CPU72はステップS5314を実行する。一方、大入賞口インターバルタイマがカウントダウン中であることを確認できない場合(No)、主制御CPU72はステップS5302を実行する。
ステップS5302:主制御CPU72は、第1大入賞口30b又は第1大入賞口31bを開放させる。具体的には、図20に示す大当り中の可変入賞装置の動作パターンに基づいて、第1大入賞口ソレノイド90又は第2大入賞口ソレノイド97に対して印加する駆動信号を出力する。これにより、第1可変入賞装置30又は第2可変入賞装置31が作動して閉鎖状態から開放状態に移行する。
ステップS5303:次に主制御CPU72は、開放タイマカウントダウン処理を実行する。この処理では、先の大当り時大入賞口開放パターン設定処理(図24中のステップS5208)で設定した開放タイマのカウントダウンを実行する。
ステップS5303a:主制御CPU72は、確変領域インターバルタイマがカウントダウン中であるか否かを確認する。具体的には、以下のステップS5314で設定する確変領域インターバルタイマが既に動作中であるか否かを確認することにより、確変領域インターバルタイマがカウントダウン中であるか否かを確認することができる。
その結果、確変領域インターバルタイマがカウントダウン中であることを確認した場合(Yes)、主制御CPU72はステップS5314を実行する。一方、確変領域インターバルタイマがカウントダウン中であることを確認できない場合(No)、主制御CPU72はステップS5304を実行する。
ステップS5304:主制御CPU72は、確変領域開放処理を実行する。具体的には、図20に示す大当り中の可変入賞装置の動作パターンに基づいて、確変領域用ソレノイド99に対して印加する駆動信号を出力する。これにより、確変領域用羽根部材31dが開放して、第2可変入賞装置31の内部に配置された確変領域へ遊技球を案内することができる状態となる。
ステップS5305:次に主制御CPU72は、確変領域タイマカウントダウン処理を実行する。この処理では、先の大当り時大入賞口開放パターン設定処理(図24中のステップS5208)で設定した確変領域タイマのカウントダウンを実行する。
ステップS5306:続いて主制御CPU72は、大入賞口開放時間が終了したか否かを確認する。具体的には、カウントダウン処理後の開放タイマの値が0以下であるか否かを確認し、未だ開放タイマの値が0以下になっていなければ(No)、主制御CPU72は次にステップS5307aを実行する。
ステップS5307a:続いて主制御CPU72は、確変領域開放時間が終了したか否かを確認する。具体的には、カウントダウン処理後の確変領域タイマの値が0以下であるか否かを確認し、未だ開放タイマの値が0以下になっていなければ(No)、主制御CPU72はステップS5308を実行する。
一方、確変領域タイマの値が0以下になっている場合(Yes)、主制御CPU72はステップS5307bを実行する。
ステップS5307b:確変領域閉鎖処理を実行する。具体的には、確変領域用ソレノイド99に対して印加している駆動信号の出力を停止する処理を実行する。これにより、確変領域用羽根部材31dが閉鎖して、第2可変入賞装置31の内部に配置された確変領域へ遊技球を案内することができない状態となる。
ステップS5308:主制御CPU72は、入賞球数カウント処理を実行する。この処理では、開放時間内に第1可変入賞装置30又は第2可変入賞装置31(開放中の第1大入賞口30b又は第1大入賞口31b)に入賞した遊技球の個数をカウントする。具体的には、主制御CPU72は開放時間内に第1カウントスイッチ84又は第2カウントスイッチ85から入力された入賞検出信号に基づいて、カウント数の値をインクリメントする。
ステップS5310:次に主制御CPU72は、現在のカウント数が所定数(10個)未満であるか否かを確認する。この所定数は、上記のように開放1回(大当り中の1ラウンド)あたりに許容する入賞球数の上限(賞球数の上限)を定めたものである。未だカウント数が所定数に達していなければ(Yes)、主制御CPU72は大当り時可変入賞装置管理処理に復帰する。そして、次に大当り時可変入賞装置管理処理を実行すると、現段階ではジャンプ先が大当り時大入賞口開閉動作処理に設定されているので、主制御CPU72は上記のステップS5301〜ステップS5310の手順を繰り返し実行する。
上記のステップS5306で大入賞口開放時間が終了したと判断するか(Yes)、もしくはステップS5310でカウント数が所定数に達したことを確認すると(No)、主制御CPU72は次にステップS5312を実行する。
ステップS5312:主制御CPU72は、第1大入賞口30b又は第1大入賞口31bを閉鎖させる。具体的には、第1大入賞口ソレノイド90又は第2大入賞口ソレノイド97に印加していた駆動信号の出力を停止する。これにより、第1可変入賞装置30又は第2可変入賞装置31が開放状態から閉鎖状態に移行する。
ステップS5313:主制御CPU72は、確変領域閉鎖処理を実行する。具体的には、確変領域用ソレノイド99に対して印加している駆動信号の出力を停止する処理を実行する。これにより、確変領域用羽根部材31dが閉鎖して、第2可変入賞装置31の内部に配置された確変領域へ遊技球を案内することができない状態となる。
ステップS5314:次に主制御CPU72は、インターバルタイマカウントダウン処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は上記の大当り時大入賞口開放パターン設定処理(図24中のステップS5210)で設定した大入賞口インターバルタイマ及び確変領域インターバルタイマのカウントダウンを実行する。
ステップS5315:主制御CPU72は、大入賞口インターバル時間が終了したか否かを確認する。具体的には、カウントダウン処理後の大入賞口インターバルタイマの値が0以下であるか否かを確認し、未だ大入賞口インターバルタイマの値が0以下になっていなければ(No)、主制御CPU72は大当り時可変入賞装置管理処理(図23)の末尾アドレスに復帰する。そして、次回の呼び出しで大当り時大入賞口開閉動作処理が実行されると、先頭のステップS5301からジャンプして直にステップS5314を実行する。一方、カウントダウン処理後の大入賞口インターバルタイマの値が0以下になったことを確認した場合(Yes)、主制御CPU72はステップS5318を実行する。
ステップS5318:主制御CPU72は、開放回数カウンタの値をインクリメントする。なお、開放回数カウンタの値は、例えば初期値を0としてRAM76のカウント領域に記憶されている。
ステップS5320:主制御CPU72は、インクリメント後の開放回数カウンタの値が現ラウンド内で設定した回数に達しているか否かを確認する。ここで、「現ラウンド内で設定した回数」を判断しているのは、例えば「大当り中の1ラウンド内で可変入賞装置31を複数回にわたり開放動作させる」という開放パターンに対応するためである。なお、本実施形態では、例えば「16ラウンド図柄1」に該当した場合の6ラウンド目でこのような開放パターンを採用しているが、「16ラウンド図柄1」に該当した場合の1ラウンド目から5ラウンド目までは、「現ラウンド内で設定した回数」は、各ラウンドで1回ずつに設定されている。したがって、「16ラウンド図柄1」に該当した場合の1ラウンド目から5ラウンド目では1回の開閉動作でカウンタ値が設定した回数に達するため(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5322に進むことになる。
一方、「16ラウンド図柄1」に該当した場合の6ラウンド目では1ラウンド内で複数回の開閉動作を繰り返すパターンを採用しているため、1回の開放終了時に未だカウンタ値が設定した回数に達していないことになる(No)。この場合、主制御CPU72は大当り時可変入賞装置管理処理に復帰すると、現段階ではジャンプ先が大当り時大入賞口開閉動作処理に設定されているので、上記のステップS5301〜ステップS5320までの手順を繰り返し実行する。その結果、ステップS5318で開放回数カウンタのインクリメントが進み、そして、カウンタ値が設定した回数に達すると(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5322に進むことになる。
ステップS5322:主制御CPU72は次のジャンプ先を大当り時大入賞口閉鎖処理に設定し、大当り時可変入賞装置管理処理に復帰する。そして、次に大当り時可変入賞装置管理処理を実行すると、主制御CPU72は次に大当り時大入賞口閉鎖処理を実行する。
〔大当り時大入賞口閉鎖処理〕
図26は、大当り時大入賞口閉鎖処理(図23中のステップS5400)の手順例を示すフローチャートである。この大当り時大入賞口閉鎖処理は、第1可変入賞装置30又は第2可変入賞装置31の作動を継続したり、その作動を終了したりするためのものである。以下、手順に沿って説明する。
ステップS5402:主制御CPU72は、上記のラウンド数カウンタをインクリメントする。これにより、例えば1ラウンド目が終了し、2ラウンド目に向かう段階でラウンド数カウンタの値は「1」となっている。
ステップS5404:主制御CPU72は、インクリメント後のラウンド数カウンタの値が設定した実行ラウンド数に達しているか否かを確認する。具体的には、主制御CPU72はインクリメント後のラウンド数カウンタの値(1〜15)を参照し、その値が設定した実行ラウンド数(1減算後の1〜15)未満であれば(No)、次にステップS5405を実行する。
ステップS5405:主制御CPU72は、現在のラウンド数カウンタの値からラウンド数コマンドを生成する。このコマンドは、上記のように演出制御出力処理において演出制御装置124に送信されるものである。演出制御装置124は、受信したラウンド数コマンドに基づいて現在のラウンド数を確認することができる。
ステップS5406:主制御CPU72は、次のジャンプ先を大当り時大入賞口開閉動作処理に設定する。
ステップS5408:そして、主制御CPU72は、入賞球数カウンタをリセットし、大当り時可変入賞装置管理処理に復帰する。
主制御CPU72が次に大当り時可変入賞装置管理処理を実行すると、大当り時遊技プロセス選択処理(図23中のステップS5100)で主制御CPU72は次のジャンプ先である大当り時大入賞口開閉動作処理を実行する。そして、大当り時大入賞口開閉動作処理の実行後は大当り時大入賞口閉鎖処理の実行を経て、主制御CPU72は再び大当り時大入賞口閉鎖処理を実行し、上記のステップS5402〜ステップS5408を繰り返し実行する。これにより、実際のラウンド数が設定した実行ラウンド数(9回又は16回)に達するまでの間、第1可変入賞装置30又は第2可変入賞装置31の開閉動作が連続して実行される。
実際のラウンド数が設定した実行ラウンド数に達した場合(ステップS5404:Yes)、主制御CPU72は次にステップS5410を実行する。
ステップS5410,ステップS5412:この場合、主制御CPU72はラウンド数カウンタをリセット(=0)すると、次のジャンプ先を大当り時終了処理に設定する。
ステップS5408:そして、主制御CPU72は、入賞球数カウンタをリセットし、大当り時可変入賞装置管理処理に復帰する。これにより、次に主制御CPU72が大当り時可変入賞装置管理処理を実行すると、今度は大当り時終了処理が選択されることになる。
〔大当り時終了処理〕
図27は、大当り時終了処理(図23中のステップS5500)の手順例を示すフローチャートである。この大当り時終了処理は、大当り時の第1可変入賞装置30又は第2可変入賞装置31の作動を終了する際の条件を整えるためのものである。以下、手順例に沿って説明する。
ステップS5501:主制御CPU72は、大当り時終了時間タイマカウントダウン処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は大当り時終了時間タイマに初期値を設定し、その後、時間の経過に伴って(本モジュールの呼び出しごとに)タイマをカウントダウンする。
ステップS5502:次に主制御CPU72は、大当り時終了時間が経過したか否かを確認する。具体的には、大当り時終了時間タイマの値が未だ0になっていなければ、主制御CPU72は大当り時終了時間が経過していないと判断する(No)。この場合、主制御CPU72は本モジュールを終了して大当り時可変入賞装置管理処理(図23)に復帰する。
この後、時間の経過に伴って大当り時終了時間タイマの値が0になると、主制御CPU72は大当り時終了時間が経過したと判断し(Yes)、ステップS5503以降を実行する。
ステップS5503,ステップS5504:主制御CPU72は大当りフラグをリセット(00H)する。これにより、主制御CPU72の制御処理上で大当り遊技状態は終了する。また、主制御CPU72は、ここで内部状態フラグから「大当り中」を消去し、制御処理上で内部状態としての大役終了を宣言する。なお、主制御CPU72は連続作動回数ステータスの値をリセットする。
ステップS5506:次に主制御CPU72は、確率変動機能作動フラグの値(01H)がセットされているか否かを確認する。このフラグは、先のスイッチ入力イベント処理(図16中のステップS28)でセットされるものである。
ステップS5508:確率変動機能作動フラグの値がセットされている場合(ステップS5506:Yes)、主制御CPU72は確率変動回数(例えば170回)を設定する。設定した確率変動回数の値は、例えばRAM76の確変カウンタ領域に格納されて上記の回数切りカウンタ値となる。ここで設定した確率変動回数は、これ以降の遊技で特別図柄の変動(内部抽選)を高確率状態で行う上限回数となる。本実施形態では、高確率状態に実質的な上限を設けているため、高確率状態で当選の結果が得られずに低確率状態に復帰する場合もある(いわゆる回数切り確変)。なお、確率変動機能作動フラグの値がセットされていなければ(ステップS5506:No)、主制御CPU72はステップS5508を実行しない。
ステップS5510:次に主制御CPU72は、時間短縮機能作動フラグの値(01H)がセットされているか否かを確認する。このフラグは、先の特別図柄変動前処理中の大当り時その他設定処理(図21中のステップS2414)でセットされるものである。
ステップS5512:そして、時間短縮機能作動フラグの値がセットされている場合(ステップS5510:Yes)、主制御CPU72は時間短縮回数(例えば100回又は170回)を設定する。ここで、いずれの時短短縮回数を設定するかについては、確率変動機能作動フラグの値に左右される。すなわち、主制御CPU72は確率変動機能作動フラグの値がセットされていれば時間短縮回数として170回を設定し(高確率時間短縮状態移行手段)、確率変動機能作動フラグの値がセットされてなければ時間短縮回数として100回を設定する(低確率時間短縮状態移行手段)。設定した時間短縮回数の値は、上記のようにRAM76の時短カウント領域に格納される。ここで設定した時間短縮回数は、これ以降の遊技で特別図柄の変動時間を短縮化する上限回数となる。なお、時間短縮機能作動フラグの値がセットされていなければ(ステップS5510:No)、主制御CPU72はステップS5512を実行しない。
ステップS5514:そして、主制御CPU72は、各種のフラグに基づいて状態指定コマンドを生成する。具体的には、大当りフラグのリセット又は大役終了に伴い、遊技状態として「通常中」を表す状態指定コマンドを生成する。また、確率変動機能作動フラグがセットされていれば、内部状態として「高確率中」を表す状態指定コマンドを生成し、時間短縮機能作動フラグがセットされていれば、内部状態として「時間短縮中」を表す状態指定コマンドを生成する。これら状態指定コマンドは、演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。
ステップS5516:以上の手順を経ると主制御CPU72は次のジャンプ先を大当り時大入賞口開放パターン設定処理に設定する。
ステップS5518:そして、主制御CPU72は、特別図柄遊技処理の中の実行選択処理(図19中のステップS1000)でのジャンプ先を特別図柄変動前処理に設定する。以上の手順を終えると、主制御CPU72は大当り時可変入賞装置管理処理に復帰する。
〔小当り時可変入賞装置管理処理〕
次に、小当り時可変入賞装置管理処理(図19中のステップS6000)の詳細について説明する。図28は、小当り時可変入賞装置管理処理の構成例を示すフローチャートである。小当り時可変入賞装置管理処理は、小当り時遊技プロセス選択処理(ステップS6100)、小当り時大入賞口開放パターン設定処理(ステップS6200)、小当り時大入賞口開閉動作処理(ステップS6300)、小当り時大入賞口閉鎖処理(ステップS6400)、小当り時終了処理(ステップS6500)のサブルーチン群を含む構成である。
ステップS6100:小当り時遊技プロセス選択処理において、主制御CPU72は次に実行するべき処理(ステップS6200〜ステップS6500のいずれか)のジャンプ先を選択する。すなわち主制御CPU72は、ジャンプテーブルから次に実行するべき処理のプログラムアドレスをジャンプ先のアドレスとして選択し、また、戻り先のアドレスとして小当り時可変入賞装置管理処理の末尾をスタックポインタにセットする。いずれの処理を次のジャンプ先として選択するかは、これまでに行われた処理の進行状況によって異なる。例えば、未だ第1可変入賞装置30の作動(開閉動作)を開始していない状況であれば、主制御CPU72は次のジャンプ先として小当り時大入賞口開放パターン設定処理(ステップS6200)を選択する。一方、既に小当り時大入賞口開放パターン設定処理が完了していれば、主制御CPU72は次のジャンプ先として小当り時大入賞口開閉動作処理(ステップS6300)を選択し、小当り時大入賞口開閉動作処理まで完了していれば、次のジャンプ先として小当り時大入賞口閉鎖処理(ステップS6400)を選択する。また、設定された連続作動回数にわたって小当り時大入賞口開閉動作処理及び小当り時大入賞口閉鎖処理が繰り返し実行されると、主制御CPU72は次のジャンプ先として小当り時終了処理(ステップS6500)を選択する。なお、小当り時可変入賞装置管理処理のそれぞれの処理についての詳細な説明は省略する。
図29は、当選図柄別の大入賞口の開放パターン及び演出内容の時間的な変化を示すタイミングチャートである。以下、時系列に沿って説明する。
〔9ラウンド図柄1当選時〕
図29中(A):1ラウンド目から5ラウンド目までは、第1大入賞口ソレノイド90のONとOFFとが交互に5回繰り返され、第1可変入賞装置30が開放及び閉鎖を5回繰り返す。1ラウンド目から5ラウンド目までは、ロング開放(29秒開放)である。6ラウンド目では、第1大入賞口ソレノイドのONとOFFとがラウンド中に短期間で4回繰り返され、第1可変入賞装置30が開放及び閉鎖を4回繰り返す。6ラウンド目はショート開放(0.1秒開放が4回)である。
図29中(B):7ラウンド目から9ラウンド目までは、第2大入賞口ソレノイド97のONとOFFとが短期間で3回繰り返され、第2可変入賞装置31が開放及び閉鎖を3回繰り返す。7ラウンド目から9ラウンド目までは、ショート開放(0.1秒開放)である。
図29中(C):演出内容としては、1ラウンド目から5ラウンド目でバトル演出が実行され、6ラウンド目で敗北演出が実行され、7ラウンド目から9ラウンド目で敗北演出が継続される。
〔9ラウンド図柄2当選時〕
図29中(D):1ラウンド目から5ラウンド目までは、第1大入賞口ソレノイド90のONとOFFとが交互に5回繰り返され、第1可変入賞装置30が開放及び閉鎖を5回繰り返す。1ラウンド目から5ラウンド目までは、ロング開放(29秒開放)である。6ラウンド目では、第1大入賞口ソレノイドのONとOFFとがラウンド中に短期間で4回繰り返され、第1可変入賞装置30が開放及び閉鎖を4回繰り返す。6ラウンド目はショート開放(0.1秒開放が4回)である。
図29中(E):7ラウンド目では、第2大入賞口ソレノイド97のONとOFFと1回ずつ実行され、第2可変入賞装置31が開放及び閉鎖を1回ずつ実行する。7ラウンド目は、ロング開放(29秒開放)である。8ラウンド目及び9ラウンド目では、第2大入賞口ソレノイド97のONとOFFとが短期間で2回繰り返され、第2可変入賞装置31が開放及び閉鎖を2回繰り返す。8ラウンド目及び9ラウンド目は、ショート開放(0.1秒開放)である。
図29中(F):演出内容としては、1ラウンド目から5ラウンド目でバトル演出が実行され、6ラウンド目で勝利演出が実行され、7ラウンド目から9ラウンド目でV入賞関連演出が実行される。V入賞関連演出では、遊技球が確変領域を通過した場合にはV入賞が発生したことを遊技者に対して伝達する演出が実行され、遊技球が確変領域を通過しなかった場合にはV入賞が発生しなかったことを遊技者に対して伝達する演出が実行される。
〔16ラウンド図柄当選時〕
図29中(G):1ラウンド目から6ラウンド目までは、第1大入賞口ソレノイド90のONとOFFとが交互に6回繰り返され、第1可変入賞装置30が開放及び閉鎖を6回繰り返す。1ラウンド目から6ラウンド目までは、ロング開放(29秒開放)である。また、10ラウンド目から16ラウンド目までは、第1大入賞口ソレノイド90のONとOFFとが交互に7回繰り返され、第1可変入賞装置30が開放及び閉鎖を7回繰り返す。10ラウンド目から16ラウンド目までは、ロング開放(29秒開放)である。
図29中(H):7ラウンド目から9ラウンド目までは、第2大入賞口ソレノイド97のONとOFFとが交互に3回繰り返され、第2可変入賞装置31が開放及び閉鎖を3回繰り返す。7ラウンド目から9ラウンド目までは、ロング開放(29秒開放)である。
図29中(I):演出内容としては、16ラウンド大当り専用の大役演出が1ラウンド目から16ラウンド目まで通して実行される。なお、大役演出中の7ラウンド目から9ラウンド目に関しては、上記のV入賞関連演出を実行することもできる。
確変領域用ソレノイド99の動作タイミングについては、特に図示していないが、第2可変入賞装置31が動作する際に動作する。
〔ゲームフロー(9ラウンド)〕
図30は、「9ラウンド図柄1」又は「9ラウンド図柄2」に該当した場合に展開されるゲームフローについて説明する図である。
パチンコ機1で遊技を開始する場合、〔F1〕通常モード(通常遊技状態)から遊技が開始される。「通常モード」は、特別図柄の当選確率は「低確率状態」であり、かつ、普通図柄の当選確率は「低確率状態」である。このように、〔F1〕通常モードは、「低確率非時間短縮状態」となるので、中始動入賞口26に遊技球を入球させることにより、第1特別図柄が変動を開始して遊技が進行していく。
〔F1〕通常モードにて、〔F2〕「9ラウンド図柄1」の大当りに当選すると、〔F3〕9ラウンド大当り遊技(バトルボーナス)が実行され、〔F4〕大役中演出のバトルで敗北して、〔F5〕海岸モードに移行する。
〔F5〕海岸モードは、低確率時間短縮状態(時短遊技状態)である。時短遊技状態の右打ち遊技により、可変始動入賞装置28に遊技球が入球して第1回収口28cへ進入すると、第1非電動入賞装置220が扉閉鎖状態から扉開放状態となる。また、可変始動入賞装置28に遊技球が入球して第2回収口28dへ進入すると、第2非電動入賞装置230が扉閉鎖状態から扉開放状態となる。なお、第1非電動入賞装置220の扉開放状態は、第1非電動入賞装置220に2個の遊技球が入球するまで維持され、第2非電動入賞装置230の扉開放状態は、第2非電動入賞装置230に2個の遊技球が入球するまで維持される。
〔F5〕海岸モードにて、当選の結果が得られずに〔F6〕特別図柄が100回変動すると、〔F1〕通常モードに移行する。
〔F1〕通常モードにて、〔F7〕「9ラウンド図柄2」の大当りに当選すると、〔F3〕9ラウンド大当り遊技(バトルボーナス)が実行され、〔F8〕大役中演出のバトルで勝利する。
そして、〔F9〕9ラウンド大当り遊技の7ラウンド目で遊技球が確変領域を通過した場合(V入賞した場合)、〔F10〕V入賞が発生したことを示す演出が実行され、〔F11〕花火ラッシュに移行する。
〔F11〕花火ラッシュは、高確率時間短縮状態(時短遊技状態)である。時短遊技状態の右打ち遊技により、可変始動入賞装置28に遊技球が入球して第1回収口28cへ進入すると、第1非電動入賞装置220が扉閉鎖状態から扉開放状態となる。また、可変始動入賞装置28に遊技球が入球して第2回収口28dへ進入すると、第2非電動入賞装置230が扉閉鎖状態から扉開放状態となる。なお、第1非電動入賞装置220の扉開放状態は、第1非電動入賞装置220に2個の遊技球が入球するまで維持され、第2非電動入賞装置230の扉開放状態は、第2非電動入賞装置230に2個の遊技球が入球するまで維持される。
〔F11〕花火ラッシュにて、当選の結果が得られずに〔F12〕特別図柄が170回変動すると、〔F1〕通常モードに移行する。
一方、〔F13〕9ラウンド図柄2に該当したものの、大当り遊技の7ラウンド目で遊技球が確変領域を通過しなかった場合(V入賞しなかった場合)、〔F10〕V入賞が発生しなかったことを示す演出が実行され、〔F5〕海岸モードに移行する。
〔F5〕海岸モードや〔F11〕花火ラッシュにて16ラウンド図柄の大当りに該当すると、16ラウンド大当り遊技が実行される。
〔F5〕海岸モード及び〔F11〕花火ラッシュは何れも時短遊技状態であり、時短遊技状態から直接大当り遊技へ移行しているため、大当り遊技開始時において、第1非電動入賞装置220及び/又は第2非電動入賞装置230が扉開放状態である可能性が高い。第1非電動入賞装置220が扉開放状態である場合、大当り遊技中において、遊技者は、第1可変入賞装置30及び第2可変入賞装置31への入球に基づく基本的な賞球に加えて、第1非電動入賞装置220への入球に基づく賞球(2カウント×15個賞球=30個の賞球)を獲得することができる。同様に、第2非電動入賞装置230が扉開放状態である場合、大当り遊技中において、遊技者は、第1可変入賞装置30及び第2可変入賞装置31への入球に基づく基本的な賞球に加えて、第2非電動入賞装置230への入球に基づく賞球(2カウント×15個賞球=30個の賞球)を獲得することができる。このように大当り中の賞球が追加されるので、遊技者は、獲得数の増大を実感することができる。
そして、16ラウンド大当り遊技の7ラウンド目から9ラウンド目で遊技球が確変領域を通過した場合には〔F11〕花火ラッシュに移行し、16ラウンド大当り遊技の7ラウンド目から9ラウンド目で遊技球が確変領域を通過しなかった場合には〔F5〕海岸モードに移行する。
〔ゲームフロー(16ラウンド)〕
図31は、「16ラウンド図柄」に該当した場合に展開されるゲームフローについて説明する図である。
〔F1〕通常モード、〔F5〕海岸モード、〔F11〕花火ラッシュのいずれかで〔G1〕「16ラウンド図柄」の大当りに当選すると、〔G2〕16ラウンド大当り遊技(スペシャルボーナス)が実行される。
そして、〔G3〕16ラウンド大当り遊技の7ラウンド目から9ラウンド目までのいずれかで遊技球が確変領域を通過した場合(V入賞した場合)、〔G4〕V入賞が発生したことを示す演出が実行され、大当り遊技の終了後に〔F11〕花火ラッシュに移行する。
一方、〔G5〕16ラウンド図柄に該当したものの、大当り遊技の7ラウンド目から9ラウンド目までのいずれかで遊技球が確変領域を通過しなかった場合(V入賞しなかった場合)、〔G6〕V入賞が発生しなかったことを示す演出が実行され、大当り遊技の終了後に〔F5〕海岸モードに移行する。
なお、以上のゲームフローに関しては、代表的なゲームフローの一例を示したものであり遊技の流れをすべて網羅しているものではない。
また、〔F5〕海岸モード、又は〔F11〕花火ラッシュのいずれかで〔G1〕「16ラウンド図柄」の大当りに当選した場合には、上述したように、大当り遊技中において、第1可変入賞装置30及び第2可変入賞装置31への入球に基づく基本的な賞球に加えて、第1非電動入賞装置220への入球に基づく賞球(2カウント×15個賞球=30個の賞球)、及び/又は第2非電動入賞装置230への入球に基づく賞球(2カウント×15個賞球=30個の賞球)を獲得する機会が遊技者に対して付与され得る。
〔演出画像の例〕
次に、パチンコ機1において実際に液晶表示器42に表示される演出画像について、例を挙げて説明する。以上のように、パチンコ機1において大当りの内部抽選が行われると、主制御CPU72による制御の下で変動パターン(変動時間)を決定し、第1特別図柄や第2特別図柄による変動表示が行われる(図柄表示手段)。ただし、上記のように第1特別図柄や第2特別図柄そのものは7セグメントLEDによる点灯・点滅表示であるため、見た目上の訴求力に乏しい。そこでパチンコ機1では、上記のように演出図柄を用いた変動表示演出が行われている。
演出図柄には、例えば左演出図柄、中演出図柄、右演出図柄の3つが含まれており、これらは液晶表示器42の画面上で左・中・右に並んで表示される(図1参照)。各演出図柄は、例えば数字の「1」〜「9」とともにキャラクターが付された絵札をデザインしたものとなっている。ここで、左演出図柄、中演出図柄、及び右演出図柄は、いずれも数字が「9」〜「1」の降順に並んだ図柄列を構成している。このような図柄列は、画面上の左領域・中領域・右領域でそれぞれ縦方向に流れる(スクロールする)ようにして変動表示される。
図32は、特別図柄の変動表示及び停止表示に対応させた演出画像の例を示す連続図である。なお、ここでは非当選(はずれ)時の特別図柄の変動について、演出図柄を用いて行われる変動表示演出と停止表示演出(結果表示演出)の一例を表している。この変動表示演出は、特別図柄(ここでは第1特別図柄とするが、第2特別図柄でもよい。)が変動表示を開始してから、停止表示(確定停止を含む)するまでの間に行われる一連の演出に該当する。また、停止表示演出は、特別図柄が停止表示されたことと、そのときの内部抽選の結果を演出図柄の組み合わせとして表す演出である。ここでは先ず、制御処理の具体的な内容を説明する前に、本実施形態で採用されている変動1回ごとの変動表示演出と停止表示演出の基本的な流れについて説明する。
<変動表示前>
図32中(A):例えば、第1特別図柄が変動を開始する前の状態(デモ演出中でない状態)で、液晶表示器42の画面内には3本の演出図柄の列が大きく表示されている。このとき第1特別図柄又は第2特別図柄の停止表示に合わせて、演出図柄も停止表示された状態にある。
また、液晶表示器42の画面下部には、第1特別図柄及び第2特別図柄それぞれの作動記憶数を表すマーカ(図中に参照符号M1,M2を付す)が表示されるものとなっている。これらマーカM1,M2は、それぞれの表示個数が対応する第1特別図柄、第2特別図柄の作動記憶数(第1特別図柄作動記憶ランプ34a、第2特別図柄作動記憶ランプ35aの表示数)を表しており、遊技中の作動記憶数の変化に連動して表示個数も増減する。また、マーカM1,M2は、視覚的な判別を容易にするため第1特別図柄に対応するマーカM1が例えば円(○)の図形で表示され、第2特別図柄に対応するマーカM2が例えばハートの図形で表示されている。なお、図32中(A)の例では、マーカM1が4つとも点灯表示されることで第1特別図柄の作動記憶数が4個であることを表し、マーカM2が全て非表示(破線で示す)になることで第2特別図柄の作動記憶数が0個であることを表している(記憶数表示演出実行手段)。
また、演出図柄の変動表示中、例えば液晶表示器42の画面右上には第4図柄(図中に参照符号Z1,Z2を付す)が表示されている。この第4図柄Z1,Z2は、上記の左・中・右演出図柄に続く「第4の演出図柄」であり、演出図柄の変動表示中はこれに同期して変動表示されている。なお、第4図柄Z1,Z2は、単純なマーク(例えば「□」の図形)に色彩を付しただけのものであり、例えばその表示色を変化させることで変動表示を表現することができる。第4図柄Z1は、第1特別図柄に対応しており、第4図柄Z2は、第2特別図柄に対応している。
また、第4図柄Z1,Z2については、はずれに対応する態様(例えば白表示色)で停止表示されている。これは、停止表示演出が正しく行われており、パチンコ機1が正常に動作しているということを客観的に明らかにするためのものである。したがって、「はずれ」ではなく、実際に内部抽選の結果が「9ラウンド大当り」や「16ラウンド大当り」であれば、それらに対応する態様(例えば青表示色や赤表示色等)で第4図柄Z1,Z2は停止表示される。
<変動表示演出開始>
図32中(B):例えば第1特別図柄の変動開始に同期して、液晶表示器42の表示画面上で3本の図柄列がスクロール変動することで変動表示演出が開始される(図柄演出実行手段)。すなわち、第1特別図柄の変動開始に同期して、液晶表示器42の表示画面内で左演出図柄、中演出図柄、右演出図柄の列が縦方向にスクロールする(流れる)ようにして変動表示演出が開始される。なお、図中、演出図柄の変動表示は単に下向きの矢印で示されている。また、変動表示中、個々の演出図柄が透けた状態で表示(透過表示)されることにより、このとき表示画面内には演出図柄の背景となる画像(背景画像)が視認しやすい状態で表示されている。
この場合の背景画像は、例えば浴衣を着こなした女性キャラクターが長椅子に腰掛け、夕涼みでもするかのようにリラックスしている風景を表現したものである。このような背景画像は、演出上での滞在モードが例えば「通常モード」であることを表現している。本実施形態において「通常モード」は、上記の時間短縮機能が非作動であり、また、確率変動機能も非作動である通常状態に対応するものとする。この他にも演出上で各種のモードが設けられており、モードごとに風景や情景の異なる背景画像が用意されている(状態表示演出実行手段)。これらモードの違いは、内部的な「時間短縮状態」に対応するものであったり、「高確率状態」に対応するものであったりする。ここでは特に図示していないが、この後、例えば表示画面内にキャラクターやアイテム等の画像を表示させることで、予告演出が行われる態様であってもよい。
また、演出図柄の変動表示中、液晶表示器42の画面右上では第4図柄Z1が変動表示されており、第4図柄Z1は、その表示色を変化させることで変動表示を表現している。
<左図柄停止>
図32中(C):例えば、ある程度の時間(変動時間の半分程度)が経過すると、最初に左演出図柄が変動を停止する。この例では、画面の左側位置に数字の「8」を表す演出図柄が停止したことを表している。なお、ここでは背景画像の図示を省略している(これ以降も同様)。
<作動記憶数減少時の演出例>
ここで、先の図32中(B)に示されているように、変動開始に伴って第1特別図柄の作動記憶数が1個分減少するため、それに連動してマーカM1の表示個数が1個分減少されている。例えば、それまでに作動記憶数が4個あったとすると、マーカM1において最も以前(古い)の記憶数表示が1個だけ非表示となり、内部抽選によって消費される演出が合わせて行われる。これにより、第1特別図柄に関して作動記憶数が減少したことを演出上でも遊技者に教示することができる。
そして、図32中(C)の例においては、記憶順で先頭にあった作動記憶が消費されて残りが3個になったため、画面上に残った3つのマーカM1がそれぞれ1個分ずつ一方向(ここでは左方向)へずれていく演出が行われている。これにより、作動記憶数の変化の前後関係を正確に演出上で表現するとともに、遊技者に対して「作動記憶が消費されて1つ減った」ということを直感的に分かりやすく教示することができる。
<右演出図柄停止>
図32中(D):左演出図柄に続いて、その後に右演出図柄が変動を停止する。この例では、画面の中側位置に数字の「3」を表す演出図柄が停止したことを表している。この時点で既にリーチ状態が発生しないことは確定しているので、今回の変動が非リーチ(通常)変動であるということが見た目上でほとんど明らかとなっている。なお、ここではすべりパターン等によるリーチ変動を除くものとする。「すべりパターン」とは、例えば一旦は数字の「7」を表す演出図柄が停止した後、図柄列が1図柄分すべって数字の「8」を表す演出図柄が停止し、それによってリーチに発展するというものである。あるいは、一旦は数字の「9」を表す演出図柄が停止した後、図柄列が逆向きに1図柄分すべって数字の「8」を表す演出図柄が停止し、それによってリーチに発展するパターンもある。また、その他にも例えば「5」等の全くかけ離れた数字を表す演出図柄が一旦停止した後、画面上にキャラクターが出現して右演出図柄列を再変動させると、数字の「8」を表す演出図柄が停止してリーチに発展するといったパターンもある。
<停止表示演出>
図32中(E):第1特別図柄の停止表示に同期して、最後の中演出図柄が停止する。今回の内部抽選の結果が非当選であって、第1特別図柄が非当選(はずれ)の態様で停止表示される場合、演出図柄も同様に非当選(はずれ)の態様で停止表示演出が行われる。すなわち、図示の例では、画面の中段位置に数字の「1」を表す演出図柄が停止したことを表しており、この場合、演出図柄の組み合わせは「8」−「1」−「3」のはずれ目であるため、今回の変動は通常の「はずれ」に該当したことが演出上で表現されている。このとき、第4図柄Z1は、はずれに対応する態様(例えば白表示色)で停止表示される。
以上は、1回の変動ごとに演出図柄を用いて行われる変動表示演出と停止表示演出(非当選時)の一例である。このような演出を通じて、遊技者に当選に対する期待感を抱かせるとともに、最終的に内部抽選の結果を演出上で明確に教示することができる。
また、上記の例は非当選時についてのものであるが、大当り(当選)時には変動表示演出中にリーチ演出が実行された後、停止表示演出において演出図柄が大当りの態様で停止表示される。このとき演出図柄の停止表示態様は、基本的には主制御CPU72によって内部的に選択された当選図柄(第1特別図柄表示装置34又は第2特別図柄表示装置35の停止表示態様)に対応させて選択される。
〔「9ラウンド図柄1」又は「9ラウンド図柄2」に該当した場合の大役中演出の演出例〕
図33〜図37は、「9ラウンド図柄1」又は「9ラウンド図柄2」に該当した場合の大役中演出の演出例を部分的に示す連続図である。
本実施形態では、「9ラウンド図柄1」に該当している場合、大役中演出にて味方キャラクターが敵キャラクターに敗北する演出が実行され、「9ラウンド図柄2」に該当している場合、味方キャラクターが敵キャラクターに勝利する演出が実行される。以下、演出の流れについて順を追って説明する。
<1ラウンド目>
図33中(A):大当り遊技の1ラウンド目が開始されると、例えば画面内に「ROUND1」のラウンド数に対応する文字情報が表示されるとともに、大役中のバトル演出が開始される。図示の例では、画面の左側に敵キャラクターとなる傘のお化けの画像が表示され、画面の右側に味方キャラクターとなる女性キャラクターの画像が表示され、画面の中央に「VS」の文字の画像が表示される。これにより、遊技者に対してこれからバトル演出が開始されるということを教示することができる。
また、画面の右下隅位置には、今回の当選図柄に対応した演出図柄(ここでは「5」の演出図柄)が表示されている。このように、大当り遊技中も引き続き当選図柄(いわゆる「残し目」)を表示しておくことで、遊技者に対して「5の演出図柄で当選した」という情報を引き続き教示することができる。なお、大当り遊技の2ラウンド目においても、1ラウンド目と同様の演出が実行される。
大当り遊技中の1ラウンド目及び2ラウンド目では、第1可変入賞装置30が作動して、開閉部材30aが盤面の内側に引き込まれるため、遊技球は第1可変入賞装置30に入球する。
また、図示の例では、第1振分装置200に入球した遊技球が右側のルートに振り分けられている。この場合、第1可変入賞装置30が作動しているため、遊技球は第1可変入賞装置30に入球する。
<3ラウンド目>
図33中(B):大当り遊技の3ラウンド目が開始されると、大役中のバトル演出が具体的に進行する。図示の例では、傘のお化けが左側から右側に移動していく演出が行われている。そして、女性キャラクターが傘のお化けに驚いて逃げ出し、画面の右側へ消え去っていく演出が行われる。
大当り遊技中の3ラウンド目では、第1可変入賞装置30が作動して、開閉部材30aが盤面の内側に引き込まれるため、遊技球は第1可変入賞装置30に入球する。
また、図示の例では、第1振分装置200に入球した遊技球が左側のルートに振り分けられている。この場合、遊技球は基本的には普通入賞口24に入球し、遊技者は規定の賞球(3球分の賞球)を得ることができる。
<4ラウンド目>
図34中(C):大当り遊技の4ラウンド目が開始されると、大役中のバトル演出が具体的に進行する。図示の例では、女性キャラクターがうちわ(武器)を取り出し、そのうちわから炎(オーラ)が出現する演出が行われている。
大当り遊技中の4ラウンド目では、第1可変入賞装置30が作動して、開閉部材30aが盤面の内側に引き込まれるため、遊技球は第1可変入賞装置30に入球する。
また、図示の例では、第1振分装置200に入球した遊技球が右側のルートに振り分けられている。この場合、第1可変入賞装置30が作動しているため、遊技球は第1可変入賞装置30に入球する。
<5ラウンド目>
図34中(D):そして、大当り遊技の5ラウンド目では、傘のお化けが口から長い舌を飛び出させる必殺技を繰り出し、女性キャラクターがその必殺技をうちわで迎え撃つ演出が行われている。この状態で傘のお化けが勝利すれば「9ラウンド図柄1」で大当りしていたことを意味しており、女性キャラクターが勝利すれば「9ラウンド図柄2」で大当りしていたことを意味している。
大当り遊技中の5ラウンド目では、第1可変入賞装置30が作動して、開閉部材30aが盤面の内側に引き込まれるため、遊技球は第1可変入賞装置30に入球する。
また、図示の例では、第1振分装置200に入球した遊技球が左側のルートに振り分けられている。この場合、遊技球は基本的には普通入賞口24に入球し、遊技者は規定の賞球(3球分の賞球)を得ることができる。
<6ラウンド目(9ラウンド図柄1当選時)>
図35中(E):9ラウンド図柄1での当選の場合、6ラウンド目では敗北演出が実行される。具体的には、「敗北・・」の文字とともに、傘のお化けが大きく表示され、女性キャラクターが小さく表示される(味方キャラクター敗北演出)。
9ラウンド図柄1で当選した場合の6ラウンド目では、第1可変入賞装置30が作動するものの、開閉部材30aは短期間だけしか盤面の内側に引き込まれないため、遊技球はほとんど第1可変入賞装置30に入球しない。
また、図示の例では、第1振分装置200に入球した遊技球が右側のルートに振り分けられている。この場合、遊技球が第1可変入賞装置30に到達しても、入球することは困難である。
<7ラウンド目(9ラウンド図柄1当選時)>
図35中(F):9ラウンド図柄1での当選の場合、7ラウンド目では再挑戦促進演出が実行される。具体的には、女性キャラクターが「次は負けない!」といった台詞を発する演出が実行される。これにより、遊技者に対して再度大当りを目指そうという意欲を与えることができる。なお、大当り遊技の8ラウンド目及び9ラウンド目においても、7ラウンド目と同様の再挑戦促進演出が実行される。
また、9ラウンド図柄1で当選した場合の7ラウンド目から9ラウンド目では、第2可変入賞装置31が1回ずつ開放するが、開閉部材31aは短期間だけしか盤面の内側に引き込まれないため、遊技球はほとんど第2可変入賞装置31に入球しない。また、仮に第2可変入賞装置31に遊技球が入球したとしても、確変領域用ソレノイド99の動作パターンにより、遊技球が確変領域を通過することはない。この場合、遊技球は排出口31fにて回収される。
また、図示の例では、第1振分装置200に入球した遊技球が右側のルートに振り分けられている。この場合、第1可変入賞装置30は作動していないので、遊技球はそのままアウト口32にて回収される。
<大役終了時(9ラウンド図柄1当選時)>
図35中(G):9ラウンド図柄1での大当り遊技が終了するタイミング(終了処理中)において、この後に移行する内部状態を教示する内容の大役終了演出が実行される。図示の例では、画面内に「海岸モード突入!」という文字情報が表示されている。このような大役終了演出を実行することにより、大当り遊技終了後の特典として「低確率時間短縮状態」の海岸モードに移行することを遊技者に教示することができる。
<6ラウンド目(9ラウンド図柄2当選時)>
図36中(H):一方、9ラウンド図柄2での当選の場合、6ラウンド目では勝利演出が実行される。具体的には、「勝利!!」の文字とともに、女性キャラクターが大きく表示され、傘のお化けが小さく表示される(味方キャラクター勝利演出)。
9ラウンド図柄2で当選した場合の6ラウンド目では、第1可変入賞装置30が作動するものの、開閉部材30aは短期間だけしか盤面の内側に引き込まれないため、遊技球はほとんど第1可変入賞装置30に入球しない。
また、図示の例では、第1振分装置200に入球した遊技球が右側のルートに振り分けられている。この場合、遊技球が第1可変入賞装置30に到達しても、入球することは困難である。
<7ラウンド目(9ラウンド図柄2当選時)>
図36中(I):9ラウンド図柄2での当選の場合、7ラウンド目では花火ラッシュチャレンジ演出が実行される。このチャレンジ演出に成功すると、「高確率時間短縮状態」である花火ラッシュに突入する。具体的には、仙人のキャラクターが「Vアタッカを狙うのじゃ!」といった台詞を発する演出が実行される。これにより、遊技者に対して第2可変入賞装置31を狙うといった遊技性を伝達することができる。
9ラウンド図柄2に該当した場合の7ラウンド目では、第2可変入賞装置31が作動して、開閉部材31aが盤面の内側に引き込まれるため、遊技球は第2可変入賞装置31に入球する。この場合、開放時間は長く(29秒開放に)設定されているため、出球による利益が得られる。さらに、9ラウンド図柄2に該当した場合の7ラウンド目では確変領域用ソレノイド99が作動して確変領域用羽根部材31dが開放状態となるため、遊技球は確変領域用羽根部材31dに案内されて確変領域用孔31eに入球し、その奥にある確変領域を通過する。
なお、第2可変入賞装置31が作動している状況では、ほとんどの遊技球は第2可変入賞装置31に入球するため、第1振分装置200に進入する遊技球はあまりない。ただし、第2可変入賞装置31が作動していないときに第2可変入賞装置31の上を通過した遊技球は第1振分装置200に進入する。
図37中(J):そして、遊技者が右打ちを継続することにより、遊技球が第2可変入賞装置31に入球して確変領域を通過すると、パンダのキャラクターがVマークを掲げる祝福演出が実行される。なお、大当り遊技の8ラウンド目及び9ラウンド目においても、7ラウンド目と同様の祝福演出が実行される。ただし、9ラウンド図柄2で当選した場合の8ラウンド目及び9ラウンド目では、第2可変入賞装置31が1回ずつ開放するが、開放時間は極端に短く設定されているため、出球による利益はほとんど得られない。また、8ラウンド目及び9ラウンド目では、仮に第2可変入賞装置31に遊技球が入球したとしても、確変領域用ソレノイド99の動作パターンにより、遊技球が確変領域を通過することはない。
<大役終了時(9ラウンド図柄2当選時)>
図37中(K):大当り遊技が終了するタイミング(終了処理中)において、この後に移行する内部状態を教示する内容の大役終了演出が実行される。図示の例では、画面内に「花火ラッシュ突入!」という文字情報が表示されている。このような大役終了演出を実行することにより、大当り遊技終了後の特典として「高確率時間短縮状態」の花火ラッシュに移行することを遊技者に教示することができる。
以上は、「9ラウンド図柄2」に該当して、遊技球が無事に確変領域を通過した際の演出例であるが、「9ラウンド図柄2」に該当しても遊技球が確変領域を通過しなければ、9ラウンド図柄2での大当り遊技が終了するタイミング(終了処理中)において、この後に移行する内部状態を教示する内容の大役終了演出が実行され、画面内に「海岸モード突入!」という文字情報が表示されている。このような大役終了演出を実行することにより、大当り遊技終了後の特典として「低確率時間短縮状態」の海岸モードに移行することを遊技者に教示することができる。
〔花火ラッシュの演出例〕
図38は、花火ラッシュの演出例を示す連続図である。この花火ラッシュは、「9ラウンド図柄2」又は「16ラウンド図柄」の大当りに該当し、かつ、大当り遊技中に遊技球が確変領域を通過した場合の大当り遊技後に移行されるモードである。花火ラッシュは、高確率時間短縮状態であり、大当り遊技後に特別図柄が170回変動するまで継続するチャンスゾーンである。以下、演出の流れについて順を追って説明する。
図38中(A):例えば、大当り遊技終了後から1回目の変動表示が行われることで、「花火ラッシュ」の状態で演出図柄の変動表示が行われている。花火ラッシュの背景画像は、遊技者に対して花火のモチーフを深く印象付けるために、「夜空に花火が打ち上げられる情景」とともに「女性キャラクターが花火を観賞している様子」が表現された背景画像となっている。また、液晶表示器42の画面右上部では第4図柄Z2が変動表示されている。
本実施形態では、花火ラッシュの状態においては、右打ちにて遊技を進行するため、遊技球は右打ち領域に配置されている第1振分装置200に入球する。図示の例では、第1振分装置200に入球した遊技球が右側のルートに振り分けられている。花火ラッシュでは、大当りに該当しない限り第1可変入賞装置30及び第2可変入賞装置31が開放しないため、遊技球はそのままアウト口32にて回収される。
図38中(B):そして、大当り遊技終了後から1回目の変動(非当選時)が終了したことにより、すべての演出図柄が停止表示されている(「3」−「1」−「7」)。また、第4図柄Z2は、非当選の態様(例えば白色表示色)で停止表示されている。
また、図示の例では、第1振分装置200に入球した遊技球が左側のルートに振り分けられている。この場合、遊技球は基本的には可変始動入賞装置28に入球し、遊技者は規定の賞球(3球分の賞球)を得ることができる。
図38中(C):次回の変動が開始されると、大当り遊技終了後から2回目の変動表示が行われる。なお、図示の例では、第1特別図柄の変動表示に伴う演出図柄の変動表示を示しているが、高確率時間短縮状態では、可変始動入賞装置28の作動が高頻度で行われるため、遊技者が右打ちを継続する限り、大当り遊技終了後から2回目以降の変動表示は、第2特別図柄の変動表示に伴う演出図柄の変動表示が行われることが多い。
また、図示の例では、第1振分装置200に入球した遊技球が右側のルートに振り分けられている。花火ラッシュでは、大当りに該当しない限り第1可変入賞装置30及び第2可変入賞装置31が開放しないため、遊技球はそのままアウト口32にて回収される。
〔「16ラウンド図柄」に該当した場合の大役中演出の演出例〕
図39及び図40は、「16ラウンド図柄」に該当した場合の大当り遊技中に実行される大役中演出の例を部分的に示す連続図である。
<1ラウンド>
図39中(A):大当り遊技の1ラウンド目が開始されると、「大当り中」という遊技の進行状況に対応した内容の大役中演出が実行される。大役中演出では、例えば画面内に「ROUND1」のラウンド数に対応する文字情報が表示される。また、画面の右下隅位置には、今回の当選図柄に対応した演出図柄(ここでは祝の演出図柄)が表示されている。このように、大当り遊技中も引き続き当選図柄(いわゆる「残し目」)を表示しておくことで、遊技者に対して「祝の演出図柄で当選した」という情報を引き続き教示することができる。また、表示画面の下側の領域には、「スペシャルボーナス」の文字が表示され、画面の周囲には馬にまたがりピースサインを行う女性キャラクターの画像が表示される。
<ポイント演出>
また、画面内の左側下部位置には、16ラウンド図柄に該当した場合の大当り中に普通入賞口24、第1可変入賞装置30又は第2可変入賞装置31(第1大入賞口30b又は第1大入賞口31b)に遊技球が入球することにより払出制御装置92によって払い出された遊技球の合計数(獲得数)が払い出しポイント(参照符号P)として表示されている。払い出しポイントPは、純粋な遊技球の払い出し数を示しているが、実際には大当り遊技中に遊技球の打ち出しを行っているため、本当の獲得出球数は払い出しポイントPよりも少ない値(例えば、8割程度の値)となる。なお、払い出しポイントPを分割し、普通入賞口24に関するポイントと、第1可変入賞装置30及び第2可変入賞装置31に関するポイントと2つ表示してもよい。
そして、図示の例では、払い出しポイントPとして「00000pt」が表示されており、現時点では1つの賞球も得られていないことが表現されている。この後、第1可変入賞装置30、第2可変入賞装置31、普通入賞口24に遊技球が入球すると払い出しポイントPの数値は次第に上昇していく。
大当り遊技中の1ラウンド目では、第1可変入賞装置30が作動して、開閉部材30aが盤面の内側に引き込まれるため、遊技球は第1可変入賞装置30に入球する。
また、図示の例では、第1振分装置200に入球した遊技球が右側のルートに振り分けられている。この場合、第1可変入賞装置30が作動しているため、遊技球は第1可変入賞装置30に入球する。
また、大当り遊技開始時において、第1非電動入賞装置220及び/又は第2非電動入賞装置230が扉開放状態であり、例えば、第1非電動入賞装置220に2個の遊技球が入球すると、第1非電動入賞装置220への入球に基づく賞球(2カウント×15個賞球=30個の賞球)に対応する「30pt」が加算される旨の表示(加算ポイント表示AP)がされた後、その時の払い出しポイントPに「30pt」が加算された数値が表示される。このような加算ポイント表示PAにより、遊技者は、「賞球が追加された」ことを視覚によって実感することができる。
<2ラウンド>
図39中(B):大当り遊技の2ラウンド目が開始されると、「大当り中」という遊技の進行状況に対応した内容の大役中演出が実行される。大役中演出では、例えば画面内に「ROUND2」のラウンド数に対応する文字情報が表示され、スペシャルボーナスに対応した馬のキャラクター及び犬のキャラクターの画像が表示される。
<ポイント演出>
払い出しポイントPとしては、「00171pt」の文字情報が表示されている。これは、この時点までに171個の遊技球が払い出されたことを表している。このような払い出しポイントPの表示態様により、遊技者に対して「着実に利益が得られている」ということを伝達し、さらなる利益を得ようとする意欲を向上させることができる。
大当り遊技中の2ラウンド目では、第1可変入賞装置30が作動して、開閉部材30aが盤面の内側に引き込まれるため、遊技球は第1可変入賞装置30に入球する。
また、図示の例では、第1振分装置200に入球した遊技球が左側のルートに振り分けられている。この場合、遊技球は基本的には普通入賞口24に入球し、遊技者は規定の賞球(3球分の賞球)を得ることができる。
また、2ラウンド開始時において、第2非電動入賞装置230が扉開放状態であり、例えば、第2非電動入賞装置230に2個の遊技球が入球すると、第2非電動入賞装置230への入球に基づく賞球(2カウント×15個賞球=30個の賞球)に対応する「30pt」が加算される旨の表示(加算ポイント表示AP)がされた後、その時の払い出しポイントPに「30pt」が加算された数値が表示される。このような加算ポイント表示PAにより、遊技者は、「賞球が追加された」ことを視覚によって実感することができる。
<7ラウンド>
図39中(C):16ラウンド図柄での当選の場合、7ラウンド目から9ラウンド目では花火ラッシュチャレンジ演出が実行される。このチャレンジ演出に成功すると、高確率時間短縮状態である花火ラッシュに突入する。具体的には、仙人のキャラクターが「Vアタッカを狙うのじゃ!」といった台詞を発する演出が実行される。これにより、遊技者に対して第2可変入賞装置31を狙うといった遊技性を伝達することができる。
16ラウンド図柄で当選した場合の7ラウンド目から9ラウンド目では、第2可変入賞装置31が作動して、開閉部材31aが盤面の内側に引き込まれるため、遊技球は第2可変入賞装置31に入球する。この場合、開放時間は長く(29秒開放に)設定されているため、出球による利益が得られる。さらに、16ラウンド図柄に該当した場合の7ラウンド目から9ラウンド目では確変領域用ソレノイド99が作動して確変領域用羽根部材31dが開放状態となるため、遊技球は確変領域用羽根部材31dに案内されて確変領域用孔31eに入球し、その奥にある確変領域を通過する。なお、第2可変入賞装置31が作動している状況では、ほとんどの遊技球は第2可変入賞装置31に入球するため、第1振分装置200に進入する遊技球はあまりない。ただし、第2可変入賞装置31が作動していないときに第2可変入賞装置31の上を通過した遊技球は第1振分装置200に進入する。
<ポイント演出>
払い出しポイントPとしては、「1023pt」の文字情報が表示されている。これは、この時点までに1023個の遊技球が払い出されたことを表している。
図40中(D):そして、遊技者が右打ちを継続することにより、遊技球が第2可変入賞装置31に入球して確変領域を通過すると、飛び上がった女性キャラクターの横にVマークが表示される祝福演出が実行される。なお、大当り遊技の8ラウンド目及び9ラウンド目においても、7ラウンド目と同様の祝福演出が実行される。また、16ラウンド図柄で当選した場合の8ラウンド目及び9ラウンド目では、第2可変入賞装置31が1回ずつ開放するが、開放時間は7ラウンド目と同様に長く(29秒に)設定されているため、出球による利益が得られる。さらに、16ラウンド図柄に当選した場合は、8ラウンド目及び9ラウンド目についても確変領域用ソレノイド99が作動しているため、第2可変入賞装置31に遊技球が入球すると、遊技球は確変領域用羽根部材31dに案内されて確変領域を通過する。ただし、確変領域は、大当り遊技中に1回でも遊技球が通過すればよく、7ラウンド目にて遊技球が既に確変領域を通過していれば、その後の通過は特に意味はない。
なお、第2可変入賞装置31が作動している状況では、ほとんどの遊技球は第2可変入賞装置31に入球するため、第1振分装置200に進入する遊技球はあまりない。ただし、第2可変入賞装置31が作動していないときに第2可変入賞装置31の上を通過した遊技球は第1振分装置200に進入する。図示の例では、右側のルートに遊技球が振り分けられている。
<ポイント演出>
払い出しポイントPとしては、「01038pt」の文字情報が表示されている。これは、この時点までに1038個の遊技球が払い出されたことを表している。
<16ラウンド>
図40中(E):この後、大当り遊技が順調に進行し、最終の16ラウンドに移行すると、画面内には「ROUND16」のラウンド数に対応する文字情報が表示されるとともに、大当り遊技中に固有の演出画像が表示されている。また、画面の右下隅位置には、上記の「残し目」としての演出図柄(祝の演出図柄)が引き続き表示されている。
<ポイント演出>
払い出しポイントPとしては、「02730pt」の文字情報が表示されている。これは、この時点までに2730個の遊技球が払い出されたことを表している。
大当り遊技中の16ラウンド目では、第1可変入賞装置30が作動して、開閉部材30aが盤面の内側に引き込まれるため、遊技球は第1可変入賞装置30に入球する。
また、図示の例では、第1振分装置200に入球した遊技球が左側のルートに振り分けられている。この場合、遊技球は基本的には普通入賞口24に入球し、遊技者は規定の賞球(15球分の賞球)を得ることができる。
このように、本実施形態では、大当り中の右打ち時に、安定して普通入賞口24に遊技球を入球させることができ、また、非電動入賞装置220,230による賞球の加算が可能となるので、特別電動役物を利用した1回の大当り遊技における放出出球の限界(16R×10カウント×15個賞球=2400球)を超えて遊技球を放出することができる。具体的には、第1可変入賞装置30への超過入賞と、普通入賞口24への入賞に伴う賞球と、非電動入賞装置220,230への入賞に伴う賞球とにより大当り遊技における放出出球の限界を超えることができている。なお、図40(E)に表示された「02730pt」は、1ラウンド当り平均1個の超過入賞が発生し(1ラウンドで11カウント)、大当り遊技中に10個の遊技球が普通入賞口24に入球し、第1非電動入賞装置220と第2非電動入賞装置230とにそれぞれ2個ずつ入賞した場合を想定して算出した値である。
<大役終了時>
図40中(F):大当り遊技が終了するタイミングにおいて、この後に移行する内部状態を教示する内容の大役終了演出が実行される。図示の例では、画面内に「花火ラッシュ突入!」という文字情報が表示されている。このような大役終了演出を実行することにより、大当り遊技終了後の特典として「高確率時間短縮状態」の花火ラッシュに移行することを遊技者に教示することができる。
〔海岸モードの演出例〕
図41は、海岸モードの演出例を示す連続図である。この海岸モードは、「9ラウンド図柄1」に該当した場合の大当り遊技の終了後や、「9ラウンド図柄2」又は「16ラウンド図柄」に該当したものの大当り遊技中に遊技球が確変領域を通過しなかった場合の大当り遊技の終了後に移行されるモードである。海岸モードは、「低確率時間短縮状態」である。以下、演出の流れについて順を追って説明する。
図41中(A):例えば、「9ラウンド図柄1」での大当り遊技の終了後、1回目の変動表示が行われることで、「海岸モード」の状態で演出図柄の変動表示が行われている。海岸モードの背景画像は、海岸モードのコンセプトである癒しの印象を表現するために、「砂浜」や「海」、「山」等の画像をモチーフとした背景画像となっている。また、液晶表示器42の画面右上では第4図柄Z2が変動表示されている。
本実施形態では、海岸モードの状態においては、右打ちにて遊技を進行するため、遊技球は右打ち領域に配置されている第1振分装置200に入球する。図示の例では、第1振分装置200に入球した遊技球が右側のルートに振り分けられている。海岸モードでは、大当りに該当しない限り第1可変入賞装置30及び第2可変入賞装置31が開放しないため、遊技球はそのままアウト口32にて回収される。
図41中(B):そして、今回の変動(非当選時)が終了したことにより、すべての演出図柄が停止表示されている(「1」−「1」−「5」)。また、第4図柄Z2は、非当選の態様(例えば白色表示色)で停止表示されている。
また、図示の例では、第1振分装置200に入球した遊技球が左側のルートに振り分けられている。この場合、遊技球は基本的には普通入賞口24に入球し、遊技者は規定の賞球(15球分の賞球)を得ることができる。
図41中(C):そして、次回の変動が開始される。この海岸モードは、当選の結果が得られずに特別図柄が100回変動すると終了となる。海岸モードが終了すると低確率非時間短縮状態の通常モードに移行する。なお、海岸モードにて当選の結果が得られた場合は、リーチ演出が実行されて大当りとなる。
また、図示の例では、第1振分装置200に入球した遊技球が右側のルートに振り分けられている。海岸モードでは、大当りに該当しない限り第1可変入賞装置30及び第2可変入賞装置31が開放しないため、遊技球はそのままアウト口32にて回収される。
次に、以上の演出を具体的に実現するための制御手法の例について説明する。上述した変動表示演出やリーチ演出、リーチ発生前予告演出、記憶数表示演出、大役中演出、予想利益伝達演出等は、いずれも以下の制御処理を通じて制御されている。
〔演出制御処理〕
図42は、演出制御CPU126により実行される演出制御処理の手順例を示すフローチャートである。この演出制御処理は、例えば図示しないリセットスタート(メイン)処理とは別にタイマ割込処理(割込管理処理)の中で実行される。演出制御CPU126は、リセットスタート処理の実行中に所定の割込周期(例えば数十μs〜数ms周期)でタイマ割込を発生させ、タイマ割込処理を実行する。
演出制御処理は、コマンド受信処理(ステップS400)、作動記憶演出管理処理(ステップS401)、演出図柄管理処理(ステップS402)、表示出力処理(ステップS404)、ランプ駆動処理(ステップS406)、音響駆動処理(ステップS408)、演出乱数更新処理(ステップS410)及びその他の処理(ステップS412)のサブルーチン群を含む構成である。以下、各処理に沿って演出制御処理の基本的な流れを説明する。
ステップS400:コマンド受信処理において、演出制御CPU126は主制御CPU72から送信される演出用のコマンドを受信する。また、演出制御CPU126は受信したコマンドを解析し、それらを種類別にRAM130のコマンドバッファ領域に保存する。なお、主制御CPU72から送信される演出用のコマンドには、例えば特図先判定演出コマンド、(特別図柄)作動記憶数増加時演出コマンド、(特別図柄)作動記憶数減少時演出コマンド、始動口入賞音制御コマンド、デモ演出用コマンド、抽選結果コマンド、変動パターンコマンド、変動開始コマンド、停止図柄コマンド、図柄停止時コマンド、状態指定コマンド、ラウンド数コマンド、エラー通知コマンド、大当り終了演出コマンド、回数切りカウンタ値コマンド、変動パターン先判定コマンド、停止表示時間終了コマンド、確変領域通過コマンド、賞球内容コマンド等がある。
ステップS401:作動記憶演出管理処理では、演出制御CPU126は上述した記憶数表示演出や、マーカM1,M2を用いた先読み予告演出の実行を制御する。
ステップS402:演出図柄管理処理では、演出制御CPU126は演出図柄を用いた変動表示演出や停止表示演出の内容を制御したり、第1可変入賞装置30又は第2可変入賞装置31の開閉動作時の演出内容を制御したりする。また、この処理において、演出制御CPU126は各種予告演出(リーチ発生前予告演出、リーチ発生後予告演出等)の演出パターンを選択する。なお、演出図柄管理処理の内容については、別の図面を参照しながらさらに後述する。
ステップS404:表示出力処理では、演出制御CPU126は演出表示制御装置144(表示制御CPU146)に対して演出内容の基本的な制御情報(例えば、第1特別図柄及び第2特別図柄それぞれの作動記憶数、作動記憶演出パターン番号、先読み予告演出パターン番号、変動演出パターン番号、変動時予告演出番号、背景パターン番号等)を指示する。これにより、演出表示制御装置144(表示制御CPU146及びVDP152)は指示された演出内容に基づいて液晶表示器42による表示動作を制御する(演出実行手段)。
ステップS406:ランプ駆動処理では、演出制御CPU126はランプ駆動回路132に対して制御信号を出力する。これを受けてランプ駆動回路132は、制御信号に基づいて各種ランプ46〜52や盤面ランプ53等を駆動(点灯又は消灯、点滅、輝度階調変化等)する。
ステップS408:次の音響駆動処理では、演出制御CPU126は音響駆動回路134に対して演出内容(例えば変動表示演出中やリーチ演出中、モード移行演出中、大当り演出中のBGM、音声データ等)を指示する。これにより、スピーカ54,55,56から演出内容に応じた音が出力される。
ステップS410:演出乱数更新処理では、演出制御CPU126はRAM130のカウンタ領域において各種の演出乱数を更新する。演出乱数には、例えば予告選択に用いられる乱数や通常の背景チェンジ抽選(演出抽選)に用いられる乱数等がある。
ステップS412:その他の処理では、例えば演出制御CPU126は可動体40fの駆動用ICに対して制御信号を出力する。可動体40fは可動体モータ57を駆動源として動作し、液晶表示器42による画像の表示と同期して、又は単独で演出を行う。
以上の演出制御処理を通じて、演出制御CPU126はパチンコ機1における演出内容を統括的に制御することができる。
〔演出図柄管理処理〕
図43は、演出図柄管理処理(図42中のステップS402)の手順例を示すフローチャートである。演出図柄管理処理は、実行選択処理(ステップS500)、演出図柄変動前処理(ステップS502)、演出図柄変動中処理(ステップS504)、演出図柄停止表示中処理(ステップS506)及び可変入賞装置作動時処理(ステップS508)のサブルーチン群を含む構成である。以下、各処理に沿って演出図柄管理処理の基本的な流れを説明する。
ステップS500:実行選択処理において、演出制御CPU126は次に実行するべき処理(ステップS502〜ステップS508のいずれか)のジャンプ先を選択する。例えば、演出制御CPU126は次に実行するべき処理のプログラムアドレスをジャンプ先のアドレスとし、また、戻り先のアドレスとして演出図柄管理処理の末尾を「ジャンプテーブル」にセットする。いずれの処理を次のジャンプ先として選択するかは、これまでに行われた処理の進行状況によって異なる。例えば、未だ変動表示演出を開始していない状況であれば、演出制御CPU126は次のジャンプ先として演出図柄変動前処理(ステップS502)を選択する。一方、既に演出図柄変動前処理が完了していれば、演出制御CPU126は次のジャンプ先として演出図柄変動中処理(ステップS504)を選択し、演出図柄変動中処理まで完了していれば、次のジャンプ先として演出図柄停止表示中処理(ステップS506)を選択する。また、可変入賞装置作動時処理(ステップS508)は、主制御CPU72において大当り時可変入賞装置管理処理(図19中のステップS5000)が選択された場合や小当り時可変入賞装置管理処理(図19中のステップS6000)が選択された場合にジャンプ先として選択される。この場合、ステップS502〜ステップS506は実行されない。
ステップS502:演出図柄変動前処理では、演出制御CPU126は演出図柄を用いた変動表示演出を開始するための条件を整える作業を行う。また、この処理において、演出制御CPU126は各種の条件(抽選結果、当選種類、変動パターン等)に応じてリーチ演出の内容を選択したり、予告演出についての演出パターン(先読み予告演出パターン以外のリーチ発生前予告パターン、リーチ発生後予告パターン等)を選択したりする。その他にも演出制御CPU126は、パチンコ機1がいわゆる客待ち状態である場合のデモ演出の制御も行う。なお、具体的な処理の内容は、別のフローチャートを用いて後述する。
ステップS504:演出図柄変動中処理では、演出制御CPU126は必要に応じて演出表示制御装置144(表示制御CPU146)に指示する制御情報を生成する。例えば、演出図柄を用いた変動表示演出を実行中に演出切替ボタン45を用いた演出を行う場合、遊技者による演出ボタンの操作の有無を演出制御CPU126が監視するとともに、その結果に応じた演出内容(ボタン演出)の制御情報を表示制御CPU146に対して指示する。
ステップS506:演出図柄停止表示中処理では、演出制御CPU126は内部抽選の結果に応じた態様で演出図柄や動画像を用いた停止表示演出の内容を制御する。すなわち、演出制御CPU126は演出表示制御装置144(表示制御CPU146)に対して変動表示演出の終了と停止表示演出の実行を指示する。これを受けて演出表示制御装置144(表示制御CPU146)は、実際に液晶表示器42の表示画面内でそれまで実行していた変動表示演出を終了させ、停止表示演出を実行する。これにより、特別図柄の停止表示に略同期して停止表示演出が実行され、遊技者に対して内部抽選の結果を演出的に教示(開示、告知、報知等)することができる(図柄演出実行手段)。ただし本実施形態において、小当り時には、はずれと同様か近似した態様で停止表示演出を実行する。
ステップS508:可変入賞装置作動時処理では、演出制御CPU126は小当り中又は大当り中の演出内容を制御する。この処理において、演出制御CPU126は各種の条件(例えば当選種類)に応じて大役中演出の内容を選択する。例えば9ラウンド大当りの場合、演出制御CPU126は液晶表示器42に表示する演出内容として、9ラウンドの大役中演出パターンを選択し、これを演出表示制御装置144(表示制御CPU146)に対して指示する。これにより、液晶表示器42の表示画面では大役中演出の画像が表示されるとともに、ラウンドの進行に伴って演出内容が変化していくことになる。
〔演出図柄変動前処理〕
図44は、上記の演出図柄変動前処理(図43中のステップS502)の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って説明する。
ステップS600:演出制御CPU126は、主制御CPU72からデモ演出用コマンドを受信したか否かを確認する。具体的には、演出制御CPU126はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、デモ演出用コマンドが保存されているか否かを確認する。その結果、デモ演出用コマンドが保存されていることを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS602を実行する。
ステップS602:演出制御CPU126は、デモ選択処理を実行する。この処理では、演出制御CPU126はデモ演出パターンを選択する。デモ演出パターンは、パチンコ機1がいわゆる客待ち状態であることを表す演出の内容を規定したものである。
以上の手順を終えると、演出制御CPU126は演出図柄管理処理の末尾のアドレスに復帰する。そして演出制御CPU126はそのまま演出制御処理に復帰し、続く表示出力処理(図42中のステップS404)、ランプ駆動処理(図42中のステップS406)においてデモ演出パターンに基づいてデモ演出の内容を制御する。
一方、ステップS600においてデモ演出用コマンドが保存されていないことを確認すると(No)、演出制御CPU126は次にステップS604を実行する。
ステップS604:演出制御CPU126は、今回の変動がはずれ(非当選)であるか否かを確認する。具体的には、演出制御CPU126はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、非当選時の抽選結果コマンドが保存されているか否かを確認する。その結果、非当選時の抽選結果コマンドが保存されていることを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS612を実行する。逆に、非当選時の抽選結果コマンドが保存されていないことを確認した場合(No)、演出制御CPU126はステップS606を実行する。なお、今回の変動がはずれか否かの確認は、抽選結果コマンドの他に変動パターンコマンドや停止図柄コマンドに基づいて行うことも可能である。すなわち、今回の変動パターンコマンドがはずれ通常変動又ははずれリーチ変動に該当していれば、今回の変動がはずれであると判定することができる。あるいは、今回の停止図柄コマンドが非当選の図柄を指定するものであれば、今回の変動がはずれであると判定することができる。
ステップS606:抽選結果コマンドが非当選(はずれ)以外であれば(ステップS604:No)、次に演出制御CPU126は、今回の変動が大当りであるか否かを確認する。具体的には、演出制御CPU126はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、大当り時の抽選結果コマンドが保存されているか否かを確認する。その結果、大当り時の抽選結果コマンドが保存されていることを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS610を実行する。逆に、大当り時の抽選結果コマンドが保存されていないことを確認した場合(No)、残るは小当り時の抽選結果コマンドだけであるので、この場合、演出制御CPU126はステップS608を実行する。なお、今回の変動が大当りであるか否かの確認もまた、変動パターンコマンドや停止図柄コマンドに基づいて行うことも可能である。すなわち、今回の変動パターンコマンドが大当り変動に該当していれば、今回の変動が大当りであると判定することができる。また、今回の停止図柄コマンドが大当り図柄に該当していれば、今回の変動が大当りであると判定することができる。
ステップS608:演出制御CPU126は、小当り時変動演出パターン選択処理を実行する。この処理では、演出制御CPU126は主制御CPU72から受信した変動パターンコマンド(例えば、「C0H00H」〜「D0H7FH」)に基づいて、そのときの演出パターン番号を決定する。演出パターン番号は、変動パターンコマンドに対応して予め用意されており、演出制御CPU126は図示しない演出パターン選択テーブルを参照して、そのときの変動パターンコマンドに対応した演出パターン番号を選択することができる。なお、演出パターン番号は、変動パターンコマンドと対になって用意されていてもよく、1つの変動パターンコマンドに対して複数のものが用意されていてもよい。
また、演出パターン番号を選択すると、演出制御CPU126は図示しない演出テーブルを参照し、そのときの変動演出パターン番号に対応する演出図柄の変動スケジュール(変動時間やリーチの種類とリーチ発生タイミング)、停止表示の態様等を決定する。なお、ここで決定される演出図柄の種類は、全て「小当り時の図柄の組み合わせ」に該当するものとなっている。
以上の手順は「小当り」に該当した場合であるが、大当りに該当した場合、演出制御CPU126はステップS606で「大当り」であることを確認する(Yes)。この場合、演出制御CPU126はステップS610を実行する。
ステップS610:演出制御CPU126は、大当り時変動演出パターン選択処理を実行する。この処理では、演出制御CPU126は主制御CPU72から受信した変動パターンコマンド(例えば、「E0H00H」〜「F0H7FH」)に基づいて、そのときの演出パターン番号を決定する。大当り時演出パターン選択処理の中では、さらに大当り時停止図柄別に処理を分岐させてもよい。
ステップS611:演出制御CPU126は、特殊演出図柄管理処理を実行する。この処理では、演出制御CPU126は、特別図柄の変動表示中又は停止表示中に、大当り遊技により得られると予想される予想利益を伝達する予想利益伝達演出を選択する処理を実行する(予想利益伝達演出実行手段)。具体的には、演出制御CPU126は、「16ラウンド図柄」に当選した場合に用いる予想利益伝達図柄の種類を決定する処理を実行する。
また、非当選時の場合は以下の手順が実行される。すなわち、演出制御CPU126はステップS604ではずれであることを確認すると(Yes)、次にステップS612を実行する。
ステップS612:演出制御CPU126は、はずれ時変動演出パターン選択処理を実行する。この処理では、演出制御CPU126は主制御CPU72から受信した変動パターンコマンドに基づいて、はずれ時の演出パターン番号を決定する。はずれ時の演出パターン番号は、「はずれ通常変動」や「時短はずれ変動」、「はずれリーチ変動」等に分類されており、さらに「はずれリーチ変動」には細かいリーチ変動パターンが規定されている。なお、演出制御CPU126がいずれの演出パターン番号を選択するかは、主制御CPU72から送信された変動パターンコマンドによって決まる。
はずれ時の演出パターン番号を選択すると、演出制御CPU126は図示しない演出テーブルを参照し、そのときの変動演出パターン番号に対応する演出図柄の変動スケジュール(変動時間やリーチ発生の有無、リーチ発生の場合はリーチ種類とリーチ発生タイミング)、停止表示の態様(例えば「7」−「2」−「4」等)を決定する。
以上のステップS608,ステップS611,ステップS612のいずれかの処理を実行すると、演出制御CPU126は次にステップS614を実行する。
ステップS614:演出制御CPU126は、予告選択処理を実行する(予告演出実行手段)。この処理では、演出制御CPU126は今回の変動表示演出中に実行するべき予告演出の内容を抽選によって選択する。予告演出の内容は、例えば内部抽選の結果(当選又は非当選)や現在の内部状態(通常状態、高確率状態、時間短縮状態)に基づいて決定される。上記のように予告演出は、変動表示演出中にリーチ状態が発生する可能性を遊技者に予告したり、最終的に大当りになる可能性があることを予告したりするものである。したがって、非当選時には予告演出の選択比率は低く設定されているが、当選時には遊技者の期待感を高めるため、予告演出の選択比率は比較的高く設定されている。
ステップS616:演出制御CPU126は、モード演出管理処理を実行する。この処理において、演出制御CPU126は、滞在モードに応じた背景画像を選択する処理を実行する。例えば滞在モードが「通常モード(低確率非時間短縮状態)」である場合、演出制御CPU126は、女性キャラクターが長椅子に腰掛けている背景画像(例えば図32中(B)に示す背景画像)を選択する処理を実行する。また、滞在モードが「花火ラッシュ(高確率時間短縮状態)」である場合、演出制御CPU126は、花火をモチーフとした背景画像(例えば図38中(A)に示す背景画像)を選択する処理を実行する。さらに、滞在モードが「海岸モード(低確率時間短縮状態)」である場合、演出制御CPU126は、海岸をモチーフとした背景画像(例えば図41中(A)に示す背景画像)を選択する処理を実行する。
以上の手順を終えると、演出制御CPU126は演出図柄管理処理(末尾アドレス)に復帰する。これにより、その後の演出図柄変動中処理(図43中のステップS504)において、実際に選択された変動演出パターンに基づいて変動表示演出及び停止表示演出が実行されるとともに(演出実行手段)、各種予告演出パターンに基づいて予告演出が実行される。その他、ここで選択された背景(滞在)モードパターンに基づいて、各種の滞在モード演出が実行される(演出実行手段)。
以上説明したように、本実施形態によれば、時短遊技状態から大当り遊技へ移行した場合には、大当り遊技開始時において、第1非電動入賞装置220及び第2非電動入賞装置230が何れも扉開放状態である可能性が高い。第1非電動入賞装置220及び第2非電動入賞装置230が何れも扉開放状態である場合、大当り遊技中において、遊技者は、第1可変入賞装置30及び第2可変入賞装置31への入球に基づく基本的な賞球に加えて、第1非電動入賞装置220への入球に基づく賞球(入賞数2×15個=30個の賞球)及び第2非電動入賞装置230への入球に基づく賞球(入賞数2×15個=30個の賞球)を獲得することができる。このような大当り中の追加の賞球により、遊技者は、獲得数の増大を実感することができる。
また、大当り遊技中に非電動入賞装置220,230への入球に基づく賞球が払い出されると、係る賞球に対応する加算ポイント表示PAが表示されるので、遊技者は、賞球が追加されたことを視覚によって実感することができる。
また、複数(本実施形態では2つ)の非電動入賞装置220,230を設け、且つ各非電動入賞装置220,230を複数の入賞(本実施形態では2個の入賞)によって閉鎖する構造としたので、基本的な賞球数への追加賞球数を増大させることができる。
また、時短遊技状態では、可変始動入賞装置28に到達した遊技球のほぼ全数が可変始動入賞装置28へ進入可能であり、非電動入賞装置220,230は、可変始動入賞装置28へ進入せずに可変始動入賞装置28を通過した遊技球が到達可能な経路内に配置されているので、時短遊技状態の間は、遊技球は非電動入賞装置220,230に到達し難い。このため、時短遊技状態において非電動入賞装置220,230が開放された場合に、時短遊技状態から大当り遊技状態へ移行する際の大当り遊技開始時まで、非電動入賞装置220,230の開放を維持させておくことができる。
さらに、非電動入賞装置220,230の直前に第2振分装置210を設け、第2振分装置210によって振り分けられた遊技球を非電動入賞装置220,230に入球させているので、非電動入賞装置220,230に短時間に続けて複数の遊技球が入球することがない。このため、入球した遊技球の自重による非電動入賞装置220,230の閉鎖動作を確実に行わせることができ、非電動入賞装置220,230における球詰まり等のエラーの発生を防止することができる。
本発明は上述した一実施形態に制約されることなく、種々に変形して実施することができる。一実施形態で挙げた演出の態様は例示であり、上述した演出の態様に限定されるものではない。
例えば、上記実施形態ではアウト口19dを設けたが、このアウト口19dを設けずに、右打ち領域に進入した遊技球のうち可変始動入賞装置28へ入球しなかった全ての遊技球が第1振分装置200へ流入するようにしてもよい。
上記実施形態では、第1可変入賞装置30や第2可変入賞装置31、第1振分装置200、第2振分装置210、第1非電動入賞装置220、第2非電動入賞装置230、普通入賞口24を右打ち領域に配置したが、これらを左打ち領域に配置してもよい。
上記実施形態では、2つの非電動入賞装置220,230を設けたが、非電動入賞装置を1つ又は3つ以上設けてもよい。
上記実施形態では、2つの非電動入賞装置220,230を上下に並べて配置したが、これらの配置場所は任意に設定可能である。
上記実施形態では、第1振分装置200及び第2振分装置210を設けたが、これらの何れか一方又は双方を省略してもよい。
上記実施形態では、各非電動入賞装置220,230を2個の入賞によって閉鎖する構造としたが、1個又は3個以上の所定数の入賞によって閉鎖する構造としてもよい。
上記実施形態では、2つの特別入賞装置(第1可変入賞装置30と第2可変入賞装置31)を設けたが、1つ又は3つ以上の特別入賞装置を設けてもよい。
その他の演出例であげた画像はあくまで一例であり、これらは適宜に変形することができる。また、パチンコ機1の構造や盤面構成、具体的な数値等は図示のものも含めて好ましい例示であり、これらを適宜に変形可能であることはいうまでもない。