JP6662330B2 - 単結晶シリコン中の炭素濃度測定方法 - Google Patents

単結晶シリコン中の炭素濃度測定方法 Download PDF

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Description

本発明は、単結晶シリコン中の炭素濃度測定方法に関し、特に、チョクラルスキー法により製造されたシリコン単結晶において、FT−IRでは測定できない低濃度の炭素濃度を測定する方法に関する。
半導体デバイスの基板として広く用いられるシリコン単結晶基板には、炭素が不純物として含まれている。炭素は、シリコン単結晶の製造工程において混入し、更に、ウェーハ加工工程、エピタキシャル成長工程、デバイス製造工程においても混入する場合がある。
シリコン単結晶中の炭素は、通常の状態ではシリコンの格子位置に存在し(格子位置に存在する炭素を置換型炭素と呼ぶ)、それ自身は電気的に不活性である。しかし、デバイス工程におけるイオン注入や熱処理などにより格子間位置に弾き出されると(格子間位置に存在する炭素を格子間炭素と呼ぶ)、他の不純物と反応して複合体を形成することで電気的に活性となり、デバイス特性に悪影響を及ぼすという問題が生じる。
特に、電子線やヘリウムイオンの粒子線をシリコン基板に照射することでキャリアライフタイムを制御するパワーデバイスでは、0.05ppma以下の極微量の炭素がデバイス特性に悪影響を及ぼすことが指摘されている。
このことから、シリコン基板に含まれる炭素をできる限り低減することが重要な課題であり、そのためには、炭素濃度を高感度で測定する方法が必要である。
シリコン基板に含まれる炭素の濃度を測定する方法として、赤外吸収分光法(FT−IR ; Fourier Transform Infrared Spectroscopy)が広く用いられている(例えば、特許文献1)。この方法では、シリコン基板に赤外線を透過させて、置換型炭素による局在振動吸収ピークの強度から炭素濃度を測定する。具体的には、シリコンの格子振動による吸収の影響を避けるため、被測定試料の赤外吸収スペクトルと、実質的に無炭素とみなせる参照試料の赤外吸収スペクトルの差を取った、差吸収スペクトルを求めて、605cm−1付近に現われる置換型炭素による局在振動吸収ピークの強度から炭素濃度を定量するが、非特許文献3に示されているように、一般にFT−IRによる炭素濃度測定の検出下限は1〜2×1015atoms/cmと言われており、現在量産されているシリコン単結晶では概ね検出下限以下になってしまっていた。
特開平06−194310号公報 特開平04−344443号公報 特開2013−152977号公報
M.Nakamura et al., J.Electrochem.Soc.141(1993)3576 S.Nakagawa et al., The Forum on the Science and Technology of Silicon Materials 2010,p.326 中川聡子 応用物理 第84巻 第11号 (2015)
このような問題を解決するために、試料に電子線や炭素イオン又は酸素イオンのイオンビームを照射して複合欠陥を生成させ、その複合欠陥に起因するフォトルミネッセンス強度を低温PL装置を用いて測定し、その強度から炭素濃度を算出する方法が開示されている(例えば、特許文献2、非特許文献1)。
また、試料に電子線を照射した後に、フォトルミネッセンス法によりシリコンに由来する発光強度と炭素に由来する欠陥の発光強度とを取得し、それらの強度と予め用意されている検量線とを用いて、炭素濃度を測定する方法が開示されている(特許文献3、非特許文献2)。
シリコン単結晶基板に対して、高エネルギーの電子線を照射すると、格子位置のシリコン原子が弾き出されて、格子間シリコン(以下、Iと称する)とその抜け殻である空孔(以下、Vと称する)のペア(以下、フレンケルペアと称する)が生成される。過剰に生成されたIやVは、単体では不安定なため、再結合したり(V+I→0)、I同士やV同士がクラスタリングしたり、シリコン基板中に含まれる不純物と反応して複合体を形成する。
シリコン基板中に置換型炭素(以下、Cと称する)が存在する場合、電子線照射で生成されたIがCを弾き出すことにより、格子間炭素(以下、Cと称する)が生成される。更にCは、他のCと反応することでCを形成し、シリコン基板中に含まれる他の不純物である格子間酸素(以下、Oと称する)と反応することでCを形成する(例えば、非特許文献1)。
フォトルミネッセンス法では、C自体を検出することはできないが、C、C、Cの欠陥は検出することができ、それらの発光強度から炭素濃度を測定することができる。Cに由来する発光線はH線、Cに由来する発光線はG線、Cに由来する発光線はC線と呼ばれている。非特許文献3では、CiCs関連発光の強度がFT−IRの検出下限以下においても炭素濃度を反映して変化することがわかり、炭素濃度が最も低い単結晶頭部でも十分に炭素関連発光が検出できることがわかった。
なお、C関連の発光は、強度変化がC関連の発光強度変化よりも小さい。この理由は単純に考えるとCは炭素2個、Cは炭素1個から成り立つためであり、G線の強度変化を利用したほうが炭素濃度に対する強度変化が大きく、濃度定量時に使用するピークとして扱いやすいことがわかる。しかし、結晶中の酸素濃度が高いとC線が支配的となることから(非特許文献3)、フォトルミネッセンス法で炭素濃度を高感度で定量するには、酸素濃度を低下させたサンプルで測定する必要があるという問題があった。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであって、製品部の酸素濃度が5ppma−JEIDAを超えるシリコン単結晶であっても、FT−IRでは測定できない低濃度の炭素濃度を測定できる単結晶シリコン中の炭素濃度測定方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、水平磁場を印加したシリコン融液からチョクラルスキー法によって引上げられたシリコン単結晶の炭素濃度の測定方法であって、酸素濃度が5ppma−JEIDA以下となる前記シリコン単結晶の丸め部の領域から検査サンプルを切り出し、低温PL測定によって前記検査サンプルの炭素濃度を測定することで、炭素濃度の測定下限値を5×1014atoms/cm以下とし、前記シリコン単結晶の直胴中の炭素濃度の算出を行うことを特徴とする単結晶シリコン中の炭素濃度測定方法を提供する。
このように酸素濃度が5ppma−JEIDA以下となる丸め部の領域から検査サンプルを切り出し、検査サンプルの炭素濃度を測定することで、測定下限値が5×1014atoms/cm以下の炭素濃度測定が可能になり、この測定結果から偏析係数により製品部(直胴部)の炭素濃度を算出することにより、製品部の酸素濃度を顧客要求に応じて高い値に調整しながら、低濃度の炭素濃度測定が可能となる。このため、別途、酸素濃度を下げた製品部を製造して炭素濃度測定する必要が無くなり、生産効率が向上するとともに、測定値の信頼性も高くなる。
このとき、前記シリコン単結晶の直胴中の酸素濃度は5ppma−JEIDAを超えることができる。
このような直胴中の酸素濃度が高いシリコン単結晶に対して、本発明を好適に適用することができる。
このとき、前記シリコン単結晶の引上げにおいて、少なくとも前記シリコン単結晶の丸め部を形成する工程中は、前記水平磁場の磁場中心の磁束密度が2000Gauss以上であり、かつ、前記シリコン融液を収容するルツボの回転速度が1rpm以下とすることが好ましい。
このように、水平磁場の磁場中心の磁束密度を2000Gauss以上、かつ、シリコン融液を収容するルツボの回転速度が1rpm以下とすることで、シリコン融液の対流が十分に抑制され、融液表面からの蒸発促進によって、結晶近傍のシリコン融液表面部の酸素濃度が低下する。また、シリコン融液を収容するルツボの回転が1rpm以下であれば、石英ルツボから溶出する酸素の濃度が低下し、特にメルト(シリコン融液)自由表面近傍の酸素濃度が低下するため、丸め部中の酸素濃度を確実に低減できる。
このとき、前記検査サンプルは、結晶引き上げ中において、前記シリコン融液の自由表面に対する結晶断面の面積比が1%以下となる領域から切り出すことが好ましい。
検査サンプルをこのような領域から切り出すことで、結晶の断面積に対するメルト(シリコン融液)自由表面の面積比が増加するため、メルト表面から蒸発するSiOが多くなり、結晶近傍のメルト表面部に含まれる酸素濃度がさらに低下する。また、シリコン融液の自由表面に対する結晶断面の面積比が1%以下になると、結晶回転速度が製品部と同程度の速度であっても結晶回転によるメルト対流への影響度が小さくなり、結果的に、メルト自由表面の低酸素メルトが結晶に取り込まれやすくなることで、より確実に低酸素濃度の結晶が得られることから、低温PL測定による炭素濃度の検出下限をさらに低下させることが可能となる。
以上のように、本発明の単結晶シリコン中の炭素濃度測定方法によれば、製品部(直胴部)の酸素濃度が5ppma−JEIDAを超えるシリコン単結晶であっても、酸素濃度が5ppma−JEIDA以下となるシリコン単結晶の丸め部の領域から切り出した検査サンプルを用いることで、5×1014atoms/cm以下の炭素濃度測定が可能となる。このため、この測定結果から偏析係数を用いて製品部(直胴部)の炭素濃度を算出することができ、単結晶シリコンの製品部の炭素濃度を正確に測定することが可能となる。
本発明の単結晶シリコン中の炭素濃度測定方法の実施形態の一例を示すフロー図である。 直胴部端からの丸め長さとシリコン単結晶中の酸素濃度との関係を示した図である。 メルト自由表面に対する結晶断面積比とシリコン単結晶中の酸素濃度との関係を示した図である。 測定サンプルA及び測定サンプルBの直胴中の炭素濃度の計算結果を示す図である。
上述したように、シリコン基板に含まれる炭素の濃度を測定する方法として、FT−IRが広く用いられているが、一般にFT−IRによる炭素濃度測定の検出下限は現在量産されているシリコン単結晶では概ね検出下限以下になってしまっていた。このような問題を解決する方法として、試料に電子線を照射した後に、フォトルミネッセンス法によりシリコンに由来する発光強度と炭素に由来する欠陥の発光強度とを取得し、それらの強度と予め用意されている検量線とを用いて、炭素濃度を測定する方法が開示されている。しかしながら、このようなフォトルミネッセンス法で炭素濃度を高感度で定量するには、酸素濃度を低下させたサンプルで測定する必要があるという問題があった。
そこで、本発明者らは、製品部(直胴部)の酸素濃度が5ppma−JEIDAを超えるシリコン単結晶であっても、FT−IRでは測定できない低濃度の炭素濃度を測定できる単結晶シリコン中の炭素濃度測定方法について鋭意検討を重ねた。
その結果、本発明者らは、酸素濃度が5ppma−JEIDA以下となるシリコン単結晶の丸め部の領域から検査サンプルを切り出し、低温PL法によって検査サンプルの炭素濃度を測定し、この測定結果から直胴部の炭素濃度を算出することで、たとえ直胴部の酸素濃度が5ppma−JEIDAを超えるシリコン単結晶であっても、FT−IRでは測定できない低濃度の炭素濃度を測定できることを見出し、本発明を完成させた。
以下、本発明について、実施態様の一例として、図を参照しながら詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
図1を参照しながら、本発明の単結晶シリコン中の炭素濃度測定方法を説明する。図1は、本発明の単結晶シリコン中の炭素濃度測定方法の実施形態の一例を示すフロー図である。
まず、水平磁場を印加したシリコン融液からチョクラルスキー法によって引き上げられたシリコン単結晶を準備する(図1のS11参照)。
ここで、チョクラルスキー法によって引き上げられたシリコン単結晶は、製品向けである直径がほぼ一定の直胴部と、丸め部と呼ばれる縮径部を含んでいる。
次に、酸素濃度が5ppma−JEIDA以下となるシリコン単結晶の丸め部の領域から検査サンプルを切り出す(図1のS12参照)。
縮径部である丸め部は、直胴部と比較してその直径が小さく、結晶の断面積に対するルツボ内に収容された原料であるシリコン融液の自由表面の面積比が直胴部と比較して増加するため、シリコン融液表面から蒸発するSiOが多くなり、結晶近傍のシリコン融液表面部に含まれる酸素濃度が直胴部より低くなっている。このような酸素濃度が直胴部と比較して低くなっているシリコン単結晶の丸め部の中で特に酸素濃度が5ppma−JEIDA以下となる径が小さい領域から検査サンプルを切り出す。
次に、低温PL測定によって検査サンプルの炭素濃度を測定し、炭素濃度の測定下限値を5×1014atoms/cm以下とする(図1のS13参照)。
結晶中の酸素濃度が5ppma−JEIDA以下となる低酸素濃度の検査サンプルを用いて低温PL測定によって炭素濃度を測定することで、Cに由来する発光線であり、炭素濃度に対する強度変化が小さいC線が支配的になることを抑制し、Cに由来する発光線であり、炭素濃度に対する強度変化が大きいG線を濃度定量時に使用するピークとして扱えるので、炭素濃度の測定下限値を5×1014atoms/cm以下とすることができる。
次に、シリコン単結晶の直胴中の炭素濃度の算出を行う(図1のS14参照)。
具体的には、丸め部の炭素濃度が計測されれば、その部分の固化率(=結晶重量/投入原料重量)を元に、結晶引上げ開始前のメルト(シリコン融液)に含まれる炭素濃度が計算でき、さらに、炭素の偏析係数0.07で任意の製品部分(直胴部)について炭素濃度を計算で求めることが可能である。
このように酸素濃度が5ppma−JEIDA以下となる丸め部の領域から検査サンプルを切り出し、検査サンプルの炭素濃度を測定することで、測定下限値が5×1014atoms/cm以下の炭素濃度測定が可能になり、この測定結果から製品部(すなわち、直胴部)の炭素濃度を算出することにより、製品部の酸素濃度を顧客要求に応じて高い値に調整しながら、低濃度の炭素濃度測定が可能となる。このため、別途、酸素濃度を下げた製品部を製造して炭素濃度を測定する必要が無くなり、生産効率が向上するとともに、測定結果の信頼性も高くなる。
本発明の単結晶シリコン中の炭素濃度測定方法においては、シリコン単結晶の直胴中の酸素濃度が5ppma−JEIDAを超えることができる。このような直胴中の酸素濃度が高いシリコン単結晶に対して、本発明を好適に適用することができる。
本発明の単結晶シリコン中の炭素濃度測定方法において、シリコン単結晶の引上げの際に、少なくともシリコン単結晶の丸め部を形成する工程中は、水平磁場の磁場中心の磁束密度が2000Gauss以上であり、かつ、シリコン融液を収容するルツボの回転速度が1rpm以下とすることが好ましい。このように、水平磁場の磁場中心の磁束密度を2000Gauss以上、かつ、シリコン融液を収容するルツボの回転速度が1rpm以下とすることで、シリコン融液の対流が十分に抑制され、融液表面からの蒸発促進によって、結晶近傍のシリコン融液表面部の酸素濃度が低下する。また、シリコン融液を収容するルツボの回転が1rpm以下であれば、石英ルツボから溶出する酸素の濃度が低下し、特にメルト(シリコン融液)自由表面近傍の酸素濃度が低下するため、丸め部中の酸素濃度を確実に低減できる。
本発明の単結晶シリコン中の炭素濃度測定方法において、検査サンプルは、結晶引き上げ中において、シリコン融液の自由表面に対する結晶断面の面積比が1%以下となる領域から切り出すことが好ましい。検査サンプルをこのような領域から切り出すことで、結晶の断面積に対するメルト(シリコン融液)自由表面の面積比が増加するため、メルト表面から蒸発するSiOが多くなり、結晶近傍のメルト表面部に含まれる酸素濃度がさらに低下する。また、シリコン融液の自由表面に対する結晶断面の面積比が1%以下になると、結晶回転速度が製品部と同程度の速度であっても結晶回転によるメルト対流への影響度が小さくなり、結果的に、メルト自由表面の低酸素メルトが結晶に取り込まれやすくなることで、より低酸素濃度の結晶が得られることから、低温PL測定による炭素濃度の検出下限をさらに低下させることが可能となる。
以下、実験例、実施例、比較例を示して本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実験例)
下記の引上げ条件により、酸素濃度の異なるシリコン単結晶を水平磁場を印加しつつチョクラルスキー法によって引上げた。
ルツボ直径:32インチ(約800mm)
シリコン多結晶原料チャージ量:400kg
シリコン単結晶直径:306mm
磁束密度:3000Gauss(水平磁場)
なお、結晶回転速度とルツボ回転速度を調整して酸素濃度を変化させた。
上記のようにして得られたシリコン単結晶について、各々、適宜切断して直胴部からサンプルを切り出し、酸素濃度を測定した。さらに、そのサンプルを研磨処理後に、電子線照射を行い、低温PL装置による炭素濃度測定を実施した。各酸素濃度において炭素濃度がどのレベルまで検出できるかについて表1に示す。
Figure 0006662330
直胴前半部から丸め直前にかけては、固化率の上昇に伴って炭素濃度が増加するため、各々のシリコン単結晶の中で、直胴部前半から直胴部後半にかけて、1013台から1014台後半までの炭素濃度(atoms/cm)となっているが、酸素濃度が低いほど、低温PL装置による測定ではG線ピークが明瞭となり、低濃度の炭素濃度が検出できるようになっていた(表1参照)。
(実施例1)
実験例のシリコン単結晶の中で、直胴部の酸素濃度が10ppma−JEIDA(サンプル1)、ならびに14ppma−JEIDA(サンプル2)となったシリコン単結晶について、その丸め部から、縦割りサンプルを切り出し、中心軸に沿って酸素濃度測定を実施した。測定結果を図2に示す。その結果、直胴部から結晶直径が減じるに伴って酸素濃度は徐々に低下後、いずれも丸め長さが170mm付近で急激に低下することが分かった(図2参照)。また、図2において、横軸をメルト自由表面に対する結晶断面積比としたものを図3に示す。
結晶直径による影響は、メルト自由表面に対する結晶断面積が減少することで、メルト自由表面から蒸発するSiOが増加するために、結晶に取り込まれる酸素濃度が低下すると考えられる。ただし、800mmルツボから直径306mmの製品部(直胴部)を引き上げ、その後に丸め部を形成した場合、丸め部の結晶直径が80mm程度以上では、結晶回転の影響でメルト内のシリコン対流が輸送され、そのため、結晶に取り込まれる酸素濃度も影響を受けることから、確実に5ppma−JEIDA以下の酸素濃度を有するサンプルの取得が難しかった。本発明の一実施形態では、メルト自由表面に対する結晶断面の比が1%以下となる領域から検査サンプルを切り出すことで、結晶回転による酸素濃度影響を排除することが可能となり、結晶回転速度が変わっても5ppma−JEIDA以下の酸素濃度のサンプルを安定して採取できることから、確実に5ppma−JEIDA以下の低酸素濃度となるサンプルを採取することができ、安定して低温PL装置による測定が可能となった(図3参照)。
(実施例2)
シリコン多結晶原料を400kgチャージして、実験例と同様にして引上げを開始し、直胴150cmの箇所から丸め部を作成し、丸め開始から190mmの部分から測定サンプルAを切り出した(図2、3参照)。ここで引上げ条件は、直胴部の酸素濃度が10ppma−JEIDAとなる条件とした。測定サンプルAの酸素濃度を測定した。測定サンプルAの酸素濃度は、1ppma−JEIDAであった。また、低温PL測定により測定サンプルAの炭素濃度を実施した。測定サンプルAの炭素濃度は、2×1013atoms/cmであった。
(比較例)
シリコン多結晶原料を400kgチャージして、実験例と同様にして引上げを開始し、直胴150cmの箇所から丸め部を作成し、丸め開始から140mmの部分から測定サンプルBを切り出した(図2、3参照)。ここで引上げ条件は、直胴部の酸素濃度が10ppma−JEIDAとなる条件とした。測定サンプルBの酸素濃度を測定した。測定サンプルBの酸素濃度は、6ppma−JEIDAであった。また、低温PL測定により測定サンプルBの炭素濃度を実施した。測定サンプルBの炭素濃度は、低温PL測定により検出できなかった。なお、測定サンプルBの炭素濃度は、表1から5×1013atoms/cm未満と推定される。
実施例2では、酸素濃度が5ppma−JEIDA以下である1ppma−JEIDAの丸め部から測定サンプルを切り出したので、低温PL測定により炭素濃度が測定することができた。一方、比較例では、酸素濃度が5ppma−JEIDAを超える6ppma−JEIDAの丸め部から測定サンプルを切り出したので、低温PL測定であっても炭素濃度の検出ができなかった。
実施例2の測定サンプルAは低温PL測定で炭素濃度を測定できたため、図4のように直胴中の炭素濃度も計算可能であった。しかしながら、比較例の測定サンプルBは炭素濃度が検出不可だったため、仮に炭素濃度を酸素濃度6ppma−JEIDAにおける検出下限である5×1013atoms/cm(表1参照)として直胴中の炭素濃度を計算すると、図4に示すように、実施例2の測定サンプルAと比較して2倍近い値を含んだ値で直胴中の炭素濃度を保証することになる。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。

Claims (4)

  1. 水平磁場を印加したシリコン融液からチョクラルスキー法によって引上げられたシリコン単結晶の炭素濃度の測定方法であって、
    酸素濃度が5ppma−JEIDA以下となる前記シリコン単結晶の丸め部の領域から検査サンプルを切り出し、低温PL測定によって前記検査サンプルの炭素濃度を測定することで、炭素濃度の測定下限値を5×1014atoms/cm以下とし、前記シリコン単結晶の直胴中の炭素濃度の算出を行うことを特徴とする単結晶シリコン中の炭素濃度測定方法。
  2. 前記シリコン単結晶の直胴中の酸素濃度が5ppma−JEIDAを超えることを特徴とする請求項1に記載の単結晶シリコン中の炭素濃度測定方法。
  3. 前記シリコン単結晶の引上げにおいて、少なくとも前記シリコン単結晶の丸め部を形成する工程中は、前記水平磁場の磁場中心の磁束密度が2000Gauss以上であり、かつ、前記シリコン融液を収容するルツボの回転速度が1rpm以下とすることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の単結晶シリコン中の炭素濃度測定方法。
  4. 前記検査サンプルは、結晶引き上げ中において、前記シリコン融液の自由表面に対する結晶断面の面積比が1%以下となる領域から切り出すことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の単結晶シリコン中の炭素濃度測定方法。
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