JP2007109931A - シリコンウエーハの選定方法及びアニールウエーハの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】シリコンウエーハをアニールしてアニールウエーハを製造する際に原料となるシリコンウエーハを選定する方法であって、前記アニールする前後のシリコンウエーハの表層部における欠陥について測定する工程と、前記測定により得られたデータからアニール前後の表層部における欠陥について相関関係を求める工程と、前記相関関係に基づき、前記アニール後に表層部において所望の欠陥密度を有するアニールウエーハとなり得るシリコンウエーハを原料として選定する工程とを含むことを特徴とするシリコンウエーハの選定方法。
【選択図】図1
Description
CZ法によりシリコン単結晶を育成する場合、石英ルツボ内に収容した多結晶シリコンを加熱して溶融し、種結晶を原料融液に接触させる。そして、ルツボを回転させるとともに、種結晶を回転させながら引き上げることによりシリコン単結晶が育成される。
そこで、CZ法でシリコン単結晶を育成する際、窒素をドープすることでグローンイン欠陥の凝集を抑制するとともに、酸素析出が促進されたシリコン単結晶を育成する方法や、炉内構造や引上げ速度等の成長条件を改良し、点欠陥の凝集体が存在しない、いわゆるN領域でシリコン単結晶を育成する方法が開発されている。
そこで、窒素ドープしたシリコン単結晶を育成してウエーハに加工した後、1000℃以上の高温でアニールを施す方法(特許文献1参照)、窒素ドープするとともに引上げ速度(V)と固液界面における温度勾配(G)との比(V/G)を制御しながらシリコン単結晶を育成し、ウエーハに加工した後、アニールを施す方法(特許文献2参照)などが提案されている。
窒素ドープされたシリコンウエーハであれば、グローンイン欠陥のサイズは小さく、バルク中のBMD密度は高いウエーハとすることができる。従って、窒素ドープされたシリコンウエーハをアニールウエーハの原料として選定すれば、表層部の欠陥密度やサイズが小さく、ゲッタリング能力が高い高品質のアニールウエーハを安定して製造することが可能となる。
半導体デバイスに用いるウエーハは表層部におけるボイド欠陥の低減が強く要求されており、また、表層部のボイド欠陥はアニール前後において比較的良好な相関関係を示す。従って、アニール前後のボイド欠陥について相関関係を求め、その相関関係に基づいて原料となるシリコンウエーハを選定すれば、所望のボイド欠陥密度を有するアニールウエーハを安定して製造することができる。
表層部における欠陥サイズや欠陥密度を測定すれば、アニール前後の相関関係を求め易く、原料となるシリコンウエーハをより適切に選定することができる。
本発明者は、アニール前後のウエーハの表層部における欠陥について検討及び調査を行った。アニール前のシリコンウエーハの表層部における欠陥(主にボイド)のサイズはアニール後の表層部における欠陥密度に影響を及ぼし、欠陥サイズが小さいほどアニール後の表層欠陥の密度が小さくなると推測される。そこで、窒素ドープによりボイド欠陥の縮小効果が得られるシリコン単結晶を育成し、これを加工して得たシリコンウエーハをアニールすれば、表層部における欠陥(ボイド)密度が極めて小さい、あるいはボイドフリーのアニールウエーハが得られると考えられる。
しかし、アニールウエーハの表層部における欠陥密度は必ずしも所望量に制御されず、同じ条件でアニールを行っても、表層部にCOPやボイドが多く残留する場合があった。
図1は、本発明に係るアニールウエーハを製造する際に原料となるシリコンウエーハを選定するフローの一例を示している。
まず、アニール前後における表層欠陥の相関関係を求めるためのシリコンウエーハを用意し、アニールする前のシリコンウエーハの表層部における欠陥について測定を行う(図1(A))。
また、測定に使用するシリコンウエーハの数が多いほど、アニール前後における表層欠陥の相関関係の信頼性が高くなるが、コスト等も考慮すると、10〜数十枚程度とすることが好ましい。
ここでのアニールは、製品となるアニールウエーハを製造する場合と同じ条件で行えばよい。例えば、バッチ炉を用いる場合は、アルゴン雰囲気下、1000〜1250℃、30分〜4時間の熱処理を行うことができる。また、急速加熱装置を用いる場合は、アルゴン雰囲気下、1000〜1250℃、1〜60秒の熱処理とすることができる。
このアニール後の測定は、アニール前の測定と同じ条件、すなわちアニール前の測定と同じ測定機器を用いてウエーハの表層部におけるボイド欠陥のサイズ及び密度について同様に測定を行えばよい。
例えば、前記のようにアニール前後のボイド欠陥のサイズ及び密度について測定を行った場合には、アニール前の表層部における欠陥サイズとアニール後の表層部における欠陥密度(残留ボイド密度)との関係、及びアニール前の表層部における欠陥サイズとアニール前後での表層部における欠陥残留率(アニール工程後の欠陥密度/アニール工程前の欠陥密度)との関係を把握することができる。
例えば、アニール前の表層部における欠陥サイズとアニール後の表層部における欠陥密度(残留ボイド密度)との関係に基づき、アニール後の表層部における所望の欠陥密度となるようなアニール前の表層部における欠陥サイズを算出することができる。さらに、アニール前の表層部における欠陥サイズとアニール前後での表層部における欠陥残留率との関係に基づき、前記算出されたアニール前の表層部における欠陥サイズとなるようなアニール前の表層部における欠陥密度を算出することができる。そして、このようにして算出されたアニール前の表層部における欠陥サイズ、欠陥密度等を有するシリコンウエーハを、製品となるアニールウエーハの原料として選定することができる。
(実施例)
直径200mmのシリコンウエーハに対し、欠陥評価装置として「MO−601」(三井金属鉱業社製)を用いてウエーハ表層部の欠陥について測定を行い、表層部における欠陥(主にボイド)の平均密度及び平均サイズを取得した。MO−601による測定ではウェーハ表面から5μm程度の深さ領域の表層欠陥が検出される。なお、表層部の欠陥のサイズについては、MO−601による測定で得られる散乱強度は欠陥体積の2乗に比例するとの関係から、散乱強度の平均値を平均サイズとした。
一方、図3は、アニール工程前の欠陥サイズ(散乱強度)とアニール工程前後での欠陥残留率(アニール後の欠陥密度/アニール前の欠陥密度)との関係を示している。図2と同様、欠陥残留率もアニール工程前の欠陥サイズに依存し、サイズが大きいほど残留率が高くなった。
前記したように、MO−601による測定ではウェーハ表面から5μm程度内部までの深さ領域の欠陥が検出されるので、この表層部におけるアニール工程後の欠陥密度を5cm−2以下に制御する場合、関係Aから、初期材料が有する欠陥の平均サイズは270a.u.以下であると決定した(図2参照)。こうして表層部におけるアニール工程後の欠陥密度が5cm−2以下となる原料の平均欠陥サイズが判明したので、このような欠陥サイズを有するウエーハを原料として選定することができる。但し、図2に示される関係Aは多少バラツキがあるので、さらに確実にするため、関係Bに基づいて選定を行なう。すなわち、初期材料が有する表層欠陥の平均サイズが270a.u.以下である場合、関係Bから、欠陥残留率は2.3%以下となる(図3参照)。ここで、アニール前の欠陥密度をDi、アニール後の欠陥密度をDaとすると、Da/Di=2.3(%)であり、アニール工程後の欠陥密度が5cm−2以下となるようにすることを考慮すると、Di≦5cm−2/0.023=217cm−2と算出される。すなわち、アニール工程前の初期材料が有する表層欠陥の密度は217cm−2以下、と決定することができる。
Claims (6)
- シリコンウエーハをアニールしてアニールウエーハを製造する際に原料となるシリコンウエーハを選定する方法であって、前記アニールする前後のシリコンウエーハの表層部における欠陥について測定する工程と、前記測定により得られたデータからアニール前後の表層部における欠陥について相関関係を求める工程と、前記相関関係に基づき、前記アニール後に表層部において所望の欠陥密度を有するアニールウエーハとなり得るシリコンウエーハを原料として選定する工程とを含むことを特徴とするシリコンウエーハの選定方法。
- 前記シリコンウエーハとして、窒素ドープされたシリコンウエーハを用いることを特徴とする請求項1に記載のシリコンウエーハの選定方法。
- 前記表層部における欠陥として、ボイド欠陥について測定することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のシリコンウエーハの選定方法。
- 前記表層部における欠陥のサイズ及び/又は密度を測定することを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載のシリコンウエーハの選定方法。
- 前記アニール前のシリコンウエーハの表層部における欠陥サイズと、前記アニール前後の表層部における欠陥密度を測定し、前記アニール前の表層部における欠陥サイズとアニール後の表層部における欠陥密度との関係、及び前記アニール前の表層部における欠陥サイズとアニール前後での表層部における欠陥残留率との関係を求め、これらの関係に基づき、アニール後の表層部における所望の欠陥密度からアニール前の表層部における欠陥サイズを算出するとともに、該算出されたアニール前の表層部における欠陥サイズからアニール前の表層部における欠陥密度を算出し、前記算出されたアニール前の表層部における欠陥サイズ及び/又は欠陥密度を有するシリコンウエーハを原料として選定することを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載のシリコンウエーハの選定方法。
- シリコンウエーハをアニールしてアニールウエーハを製造する方法であって、前記請求項1ないし請求項5のいずれか一項に記載の方法によりシリコンウエーハを原料として選定し、該選定されたシリコンウエーハをアニールしてアニールウエーハを製造することを特徴とするアニールウエーハの製造方法。
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