JPH10135295A - シリコンウエハの品質評価方法およびシリコンウエハ - Google Patents

シリコンウエハの品質評価方法およびシリコンウエハ

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JPH10135295A
JPH10135295A JP23554197A JP23554197A JPH10135295A JP H10135295 A JPH10135295 A JP H10135295A JP 23554197 A JP23554197 A JP 23554197A JP 23554197 A JP23554197 A JP 23554197A JP H10135295 A JPH10135295 A JP H10135295A
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silicon wafer
defect
density
class
leakage current
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JP23554197A
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Koichi Kitahara
功一 北原
Atsuki Matsumura
篤樹 松村
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Original Assignee
Nippon Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 赤外干渉法を用いて測定したシリコンウエハ
表面近傍の欠陥の形態、サイズ、密度から、そのシリコ
ンウエハのpn接合リーク電流を推定・評価することを
目的とする。 【解決手段】 赤外干渉法を用いて測定したシリコンウ
エハの表面から深さ5μm内に存在する欠陥の形態、サ
イズ、密度とpn接合リーク電流との関係を求め、その
予め求めてあった関係を用いて、特性未知のシリコンウ
エハに対して赤外干渉法にて測定した表面から深さ5μ
m内に存在する欠陥の形態、サイズ、密度から、そのシ
リコンウエハのpn接合リーク電流を推定することを可
能とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は半導体集積回路に用
いられるシリコンウエハ及びその評価方法に関する。
【0002】
【従来の技術】シリコンウエハの結晶品質の良否は、そ
のウエハ上に作製したLSI等の電子デバイスの特性の
良否によって判断される。これらの電子デバイス特性と
しては、DRAMの電荷保持時間特性等の最終デバイス
特性と、pn接合リークや酸化膜耐圧などの基礎的な特
性があり、その双方が評価されている。このうちpn接
合リーク電流は、DRAMのリフレッシュ不良に影響す
る因子であるため、その値をできるだけ低く抑えること
はシリコンウエハの品質において重要である。
【0003】これらの電子デバイス特性の評価は、従
来、シリコンウエハ上にpn接合ダイオード等を含むテ
ストデバイスやDRAM等の実デバイスを実際に作製
し、その電気的特性を測定することにより行われてい
る。しかしながらこれらのデバイス作製には、数週間か
ら、デバイスの種類によっては数ヵ月もの時間を要する
ため、シリコンウエハの出荷前の検査手法として用いる
には不都合であり、また、評価結果をシリコンウエハの
製造工程にフィードバックするにも非効率的であった。
【0004】このシリコンウエハの電子デバイス特性に
関わる品質に関しては、シリコンウエハの表面近傍の欠
陥がそのウエハ上に作製する電子デバイスの特性に影響
を及ぼすと考えられることから、その欠陥を評価するこ
とによって間接的に評価できる可能性がある。このシリ
コンウエハ表面近傍の欠陥を評価する方法としては、従
来、重クロム酸と沸酸の混合溶液等を用いる化学エッチ
ングにおいて、欠陥の密度を計数する方法が用いられて
いる。また、欠陥の微細な形状等の観察は、高分解能透
過型電子顕微鏡を用いて行われている。しかしながら、
これらの方法はいずれも被測定ウエハを破壊する必要が
あるという問題がある。また、測定によって得られる情
報に関しては、前者の化学エッチングは欠陥の形状など
の微細な情報は得られず、一方後者の透過型電子顕微鏡
は観察視野が狭いため、欠陥密度などの統計的な情報は
得られないといった問題がある。
【0005】これらの従来の測定技術における問題点を
補完する手法として、昨今、赤外透過干渉光を用いてシ
リコン結晶中の欠陥を評価する方法(赤外干渉法)が注
目されている。この方法は、直線偏光された赤外線レー
ザをレンズによって直径約1μmに絞り込んでシリコン
ウエハの片面より入射させながら測定領域内を走査し、
対向する面から浸透してきた赤外線レーザの位相のずれ
を信号として検出することによりシリコンウエハの任意
の領域に存在する結晶欠陥を検出する。絞り込まれた赤
外線レーザの焦点領域内に結晶欠陥が存在した場合、結
晶欠陥に起因する散乱が起こるため、対向する面から透
過してきた赤外線レーザは、焦点領域内に結晶欠陥が存
在しない場合に比べてΔΦだけ位相がずれることにな
る。この位相のずれを信号として検出することによりシ
リコンウエハ中の任意の位置に存在する結晶欠陥を検出
できる。そして、この方法を用いると、被測定ウエハ中
の欠陥のサイズおよび密度、さらにはその大まかな形態
までもが非破壊で評価可能となる。この技術に関して
は、特願平7−214861号、特願平7−26326
6号等の出願を既に行っている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上述のように赤外干渉
法を用いることにより、シリコンウエハ表面近傍の欠陥
のサイズ、形態ならびに密度が非破壊で評価できるよう
にしてきた。しかしながら、シリコンウエハ表面近傍の
欠陥と、そのシリコンウエハ上に電子デバイスを作製し
た際のデバイス特性との関係は明らかになっていないた
め、それらの欠陥を評価するだけでは電子デバイス特性
良否の観点からのシリコンウエハ品質評価方法としては
不完全であった。当然、シリコンウエハ表面近傍の欠陥
評価結果から、そのシリコンウエハ上にデバイスを作製
した際のデバイス特性を推定することもできなかった。
【0007】本発明の目的は、赤外干渉法を用いて、シ
リコンウエハ表面近傍の欠陥の形態、サイズ、密度とp
n接合リーク電流との関係を求め、その関係を、特性未
知のシリコンウエハに対する赤外干渉法による欠陥評価
結果に対して用いることにより、そのシリコンウエハの
pn接合リーク電流を推定・評価する手段を提供するも
のである。また、その品質が赤外干渉法によるシリコン
ウエハ表面近傍の欠陥評価結果によって規定される、p
n接合リーク電流の少ないシリコンウエハを提供するも
のである。
【0008】
【課題を解決するための手段】そこで、シリコンウエハ
表面近傍の欠陥とそのウエハ上に作製された電子デバイ
スの特性について鋭意検討を加えた結果、ウエハ上に作
製したpn接合ダイオードの接合リーク電流値が、ウエ
ハ表面近傍の欠陥の形態、サイズ、密度の関数として整
理できることを見出し、本願発明を完成させた。即ち、 (1)ウエハ毎に異なるある特定のサイズの欠陥を、各
形態別に故意につくりこんだシリコンウエハに対して、
赤外干渉法を用いて結晶欠陥とレーザの偏光方向との角
度を変えた測定を実施して、それらのシリコンウエハ中
の欠陥の形態、サイズならびに密度を測定する。次に、
各シリコンウエハ上にpn接合を形成してリーク電流を
測定し、赤外干渉法で各シリコンウエハ毎に得られた密
度でそのリーク電流値を除すことにより、各形態の各サ
イズにおける欠陥1個当りのリーク電流値を求める。続
いて、赤外干渉法における結晶欠陥とレーザの偏光方向
との角度を変えた測定により、特性未知のシリコンウエ
ハの表面から深さ5μm内に存在する欠陥の各形態にお
けるサイズと密度の関係を測定し、その測定結果に対し
て、上記で求めた各形態の欠陥におけるサイズと欠陥1
個当りのpn接合リーク電流値との関係を適用すること
により、そのシリコンウエハのpn接合リーク電流値を
推定する。
【0009】(2)シリコンウエハ中の板状酸素析出物
および八面体酸素析出物の1個当りのリーク電流値が、
その対角長L[cm]の関数として、板状酸素析出物に
ついてi1 (L)[A]、八面体酸素析出物についてi
2 (L)[A]と求められ、赤外干渉法を用いてシリコ
ンウエハの表面から5μm内にて測定される板状酸素析
出物および八面体酸素析出物の密度が、その対角長L
[cm]に対する関数として、板状酸素析出物について
1 (L)[cm-3]、八面体酸素析出物についてD2
(L)[cm-3]であるとき、
【0010】
【数2】
【0011】で与えられるpn接合リーク電流の推定値
L [A/cm3 ]が1×10-3A/cm3 以下である
シリコンウエハを提供する。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て説明する。
【0013】(1) まず、赤外干渉法を用いたシリコ
ンウエハ中の結晶欠陥の測定を行う。これは、特願平7
−214861号、特願平7−263266号に記載さ
れている方法に準じて測定される。概略は以下の通りで
ある。
【0014】複数のシリコンウエハに対して熱処理
を、熱処理温度および熱処理時間の条件を変更して施し
て、それぞれのシリコンウエハに、ウエハ毎に異なるあ
る特定のサイズの欠陥を、形態別に発生させる。
【0015】各ウエハについて、ウエハ表面から5μ
mの深さをウエハ全面に渡って、レーザ走査を3次元的
に行い、信号強度の最大値を取ることで得られた信号強
度の等比級数で区切った度数分布を得る。その後、その
度数分布を後述するように処理することにより、真の欠
陥サイズおよび密度に対応する度数分布を導出する。
【0016】同一のウエハに対し、レーザの偏光方向
の角度を変えて、と同様の測定を行い、同様の度数分
布を得る。その後、と同様の処理を行い、やはり真の
度数分布を導出しておく。
【0017】レーザの偏光方向の角度毎に得られた度
数分布を比較解析することにより、結晶欠陥の形態を判
別し、欠陥形態毎の信号強度から求められる欠陥のサイ
ズと、度数から換算される密度を導出する。
【0018】ここで、この欠陥のサイズと密度並びに欠
陥の形態の評価方法についてより詳細に説明する。
【0019】まず、欠陥のサイズと密度の測定であるが
本実施の形態では、既に本出願人が出願した特願平7−
263266号に記載された発明に基づく評価方法を用
いた。赤外干渉法(Optical Precipit
ate Profiler以下OPPと記す)による測
定では、焦点近傍のある点におけるレーザー強度は、レ
ーザー焦点を3次元座標上の原点とし、ある点の相対的
な位置を(X,Y,Z)としたときに、X=Y=Z=0
で最大となるような変化を取る。そして、レーザー焦点
からの相対的な位置(X,Y,Z)に存在する欠陥の散
乱強度は(X,Y,Z)の位置におけるレーザー強度と
欠陥のサイズで一意的に決まる。よってX,Y,Zの値
が常に一定であれば、散乱強度から欠陥のサイズを一意
的に求めることが可能となる。
【0020】そのために、X=Y=Z=0でレーザー強
度が最大になるという性質を利用すると、例えば材料を
X方向にある距離だけ連続的に動かしながら散乱を測定
し、しかる後にY方向へ一定値動かして、再びX方向へ
連続的に動かして測定する、という動作をY方向、Z方
向それぞれ一定値動かしながら行い、同一の欠陥に着目
して散乱強度の最大値をとれば、それはその欠陥の位置
がX=Y=Z=0である時の散乱強度になり、着目した
ある点の欠陥からの信号と、その他の欠陥からの信号と
を区別することが可能となる。
【0021】このようなことを測定する全ての欠陥につ
いて行えば、それはすべてX=Y=Z=0の時の散乱強
度となるので、散乱強度から欠陥のサイズの比較を行う
ことが可能となる。
【0022】このような方法は、試料もしくはレーザー
がX,Y,Zどちらの方向へも動かせる時に有効である
が、例えばOPPの様な場合は縦方向と横方向、もしく
は縦方向と高さ方向の2方向へしか動かせないため、上
のような方法はとれなくなる。つまりX方向へ距離X
o、Y方向へ距離Yoだけ材料を動かしながら散乱を測
定し、最大値を取った場合、欠陥の位置はX=Y=0と
なるものの、Zの値は特定することができないため、散
乱強度からサイズを一意的に求めることができない。
【0023】しかし、欠陥がZ方向にランダムに分布し
ていると仮定して、さらにレーザー焦点付近のZ方向の
レーザー強度が判っている場合は、上記方法で複数の欠
陥を測定して得られた複数の信号から、等比級数で階級
を区切った特殊な度数分布表を作成することによって、
(A)レーザーの焦点からある距離±Z1内に位置する
欠陥の個数に対する、(B)レーザーの焦点から±Z1
以上離れた位置にある欠陥の個数の割合を求めることが
可能となる。よって度数分布から上記(B)に起因する
信号を除去してやることで、欠陥がレーザーの焦点領域
近傍に存在しているときの散乱強度を求めることができ
欠陥のサイズの比較が可能となる。このときのZ1は度
数分布を作成するときの階級の切り方に依存して一意的
に決まる。
【0024】また、得られた欠陥の個数はXo×Yo×
Z1×2の体積をもつ領域内に存在する欠陥の個数を表
すこととなるので、欠陥の個数をこの体積で割ることで
欠陥の密度が求まる。なお、XoはX方向の測定領域の
距離であり、YoはY方向の測定領域の距離である。
【0025】具体的な評価手順を図2を参照して説明す
る。まず、OPPによる測定で得られた複数の信号を元
に階級を等比級数で区切った度数分布表を作成する(S
1)。つまり、得られた信号強度が階級の範囲Sn-1
り大きくSn 以下であるような信号の個数Nn (0) とし
て、各階級n(ただし、n=1,2,3…である)ごと
に求める。このとき、各階級の範囲は、Sn-1 =S0
n-1 であり、Sn =S0 ・rn とする(ただしrは階
級の幅を規定する公比であり、任意の値をとるものであ
る)。
【0026】次いで、レーザー焦点を移動することがで
きないZ方向のレーザー焦点近傍のレーザー強度分布の
寄与分を各階級nごとに求める(S2)。すなわち、図
示したように、レーザー焦点近傍のレーザー強度分布
が、P(Z)=Po×f(Z):(ただしPoはレーザ
ー焦点のレーザー強度)であった場合に、 f(Z1
=1/r,f(Z2 )=1/r2 ,…f(Zn )=1/
n となるようなZ1 ,Z2 ,…Zn を求める。
【0027】次いで、求めた各階級ごとのZ方向の寄与
分Z1 ,Z2 ,…Zn を各階級ごとにその階級の個数か
ら差し引く操作を、階級がn個存在する場合(n−1)
回繰り返すことで、各階級ごとの真の欠陥の個数を求め
る(S3,S4,S5,S6,S7)。
【0028】最後に、各階級ごとの欠陥の個数を測定領
域の体積で割ってその密度を求める(S8)。
【0029】以上により真の欠陥のサイズSn-1 〜Sn
とその密度Dnが得られる。これを表にまとめたものが
表1である。
【0030】
【表1】
【0031】次に欠陥の形態の評価方法について説明す
る。この評価方法は、既に本出願人が出願した特願平7
−214861号に記載された発明に基づくものであ
る。
【0032】一般的に製造されるシリコンウエハの面は
結晶学的には{100}面である。この面から酸素析出
物の形態を見た場合、高温で発生する八面体状析出物は
ほぼ対称的な正方形状であるのに対して、低温で発生す
る板状析出物は、<110>方向に細長くのびた線状に
見える。このような形態に方向性があるような欠陥は偏
光方向とのなす角度によってレーザーの散乱能が異なる
ことにより、位相のずれΔφが変わる。よって析出物が
存在するシリコンウエハを偏光方向を変えて二回測定を
行ったとき、得られる析出物の信号強度が変化する場合
は板状析出物、変化しない場合は八面体状析出物である
ことが分かる。
【0033】具体的には、測定を行う際にレーザーの偏
光方向に対して試料の角度を任意に変えられる試料台を
用い、 1.レーザーの偏光方向に対して試料の結晶軸の<11
0>方向が平行になる配置 2.レーザーの偏光方向に対して試料の結晶軸の<10
0>方向が平行になる配置 という二つの条件で同一点を測定する。
【0034】得られた複数の欠陥からの信号強度(散乱
強度)をヒストグラム解析した結果から、レーザの偏光
方向を変えて測定した結果が変化したもの、つまり、偏
光方向を結晶軸の<110>に平行な状態から、<10
0>に平行な状態に変えることにより、信号強度が変化
したもの板状析出物であると分かる。一方、変化しない
ものは八面体状析出物のものである。つまり偏光方向を
変えたときの信号強度変化の有無によって八面体状析出
物と板状析出物の形態の識別が可能となる。
【0035】以上のようにして本実施の形態では、欠陥
のサイズおよび密度、並びに欠陥の形態を求めたもので
ある。
【0036】このようにして、各シリコンウエハに対し
て、赤外干渉法によりシリコンウエハの表面から5μm
内の深さに存在する欠陥の形態、サイズ、密度を測定す
る。
【0037】(2)次に、そのシリコンウエハ上に実際
にpn接合ダイオードを作製し、接合リーク電流値(発
生リーク電流値)を測定する。この測定結果を(1)で
得られている欠陥密度で除すことにより、欠陥1個当り
のpn接合リーク電流値を各形態の欠陥サイズの関数と
して導出する。
【0038】そして、その関数を用いることにより、下
記の特性未知のシリコンウエハに対する推定式が得られ
る。
【0039】
【数3】
【0040】(ここで、IL はpn接合リーク電流の推
定値、Dは結晶欠陥の密度、iは結晶欠陥1個当りのp
n接合リーク電流値、Lは結晶欠陥のサイズを示し、
1,2,…,qは結晶欠陥形態の種類を示すもので、例
えば1は板状、2は八面体…などとそれぞれの形態ごと
に付された番号である。) (3) 続いて、特性評価の対象である特性未知のシリ
コンウエハに対して、(1)の手順と同様にして赤外干
渉法によりそのシリコンウエハの表面から深さ5μm内
に存在する欠陥の形態、サイズ、密度を測定する。
【0041】(4) (3)で得られた欠陥の測定結果
に対して、(2)で予め求めた推定式を用いて、そのシ
リコンウエハのpn接合リーク電流値の推定を行う。
【0042】(5) (4)で推定されたリーク電流値
が1×10-3A/cm3 以下であるシリコンウエハを、
pn接合リーク電流の少ないシリコンウエハとして提供
する。
【0043】尚、シリコンウエハのpn接合リーク電流
値を1×10-3A/cm3 以下としたのは、以下の理由
による。
【0044】一般に、DRAMのリフレッシュ不良特性
等の観点から許容されるpn接合リーク電流量は、16
〜256MDRAMにおいて1×10-8A/cm2 台以
下と言われている。DRAM中のpn接合の典型的な空
乏層厚さは0.5μmであるため、リーク電流面密度1
×10-8A/cm2 はリーク電流体積密度2×10-4
/cm3 に対応する。従って、リーク電流面密度1×1
-8A/cm2 台以下とするには、リーク電流の体積密
度IL (本発明のリーク電流値に相当する)をおおよそ
1×10-3A/cm3 以下としなければならないことが
わかる。
【0045】
【実施例】CZシリコンの引上製造において、引上速度
0.3mm〜2mm/minで引き上げたシリコンウエ
ハを準備した。また、赤外干渉法には、HYT社製の装
置を用いた。
【0046】まず、シリコンウエハ品質を評価するため
の基本指標である、赤外干渉法により求めたシリコンウ
エハの表面から深さ5μm内に存在する欠陥の形態、サ
イズ、密度とpn接合リーク電流との関係を求めるため
に、以下の手順で実験を行った。尚、本実施例では、シ
リコンウエハの代表的な結晶欠陥の形態である板状酸素
析出物と八面体析出物を取り上げているが、これに限定
されるものではない。
【0047】(1) 複数のシリコンウエハに対して、
900℃から1250℃まで50℃おきに8水準、時間
については0.5時間から128時間まで数水準の熱処
理を施し、それぞれのシリコンウエハ内に特定のサイズ
の板状酸素析出物あるいは八面体酸素析出物を作り込ん
だ。
【0048】(2) 次に、赤外干渉法において結晶欠
陥とレーザの偏光方向との角度を変えた測定により、各
シリコンウエハの表面から深さ5μm内に存在する欠陥
の形態、サイズ、密度を測定した。尚、欠陥のサイズ
は、板状/八面体酸素析出物の対角長で規定した。
【0049】(3) さらに、各シリコンウエハ上に接
合面積30mm2 のpn接合ダイオードを試作し、pn
接合リーク電流(発生リーク電流成分)を測定した。
【0050】(4) 得られた赤外干渉法の欠陥に関す
る測定結果とpn接合リーク電流量の関係から各種欠陥
サイズと欠陥1個当りのpn接合リーク電流値(発生リ
ーク電流値)の関係を得た(図1)。
【0051】図1の関係から、板状/八面体酸素析出物
の1個当りのリーク電流は、それぞれ対角長L[cm]
の関数として、板状酸素析出物に対しては、i1 =3.
7×10-11 L[A/個]、八面体酸素析出物に対して
は、i2 =4.2×10-11L[A/個]と求められ
る。従って、赤外干渉法により測定されたシリコンウエ
ハの表面から深さ5μm内に存在する酸素析出物の密度
が、そのサイズLの関数として、板状酸素析出物につい
てD1 (L)、八面体酸素析出物についてD2 (L)で
あるとき、そのシリコンウエハのpn接合リーク電流値
L [A/cm3]は以下の式を用いて推定することが
できる。
【0052】
【数4】
【0053】(5) 続いて、ここで求めた推定式を用
いて、実際に特性未知のシリコンウエハに対してpn接
合リーク電流の推定を行った。複数のシリコンウエハを
用意し、赤外干渉法により各ウエハの表面から深さ5μ
m内に存在する欠陥の形態、サイズ、密度を測定した。
その後、推定式を用いて、このシリコンウエハのpn接
合リーク電流値を推定した。
【0054】(6) さらに、この推定値の精度を評価
する目的で、各々のシリコンウエハ上に実際にリーク電
流測定用のpn接合ダイオードパターンを作製し、pn
接合リーク電流値(発生リーク電流値)を測定した。そ
の結果、赤外干渉法により推定した結果は、実測値との
比較において、±10%程度の精度で、高精度にリーク
電流が推定されていることが分かった。
【0055】尚、シリコンウエハ中の酸素析出物形態と
しては、上述の板状と八面体の他に、施す熱処理に応じ
てその両者の中間の形態をとることがある。この中間形
態の酸素析出物については、その形態が完全には等方的
でないことから、赤外干渉法における結晶欠陥とレーザ
の偏光方向との角度を変えた測定においては、便宜的に
板状析出物として検出することが可能である。一方、こ
の中間形態の酸素析出物1個当たりのpn接合リーク電
流については、同じサイズの板状酸素析出物のリーク電
流値と八面体酸素析出物のリーク電流値の中間の値をと
るため、これらの中間形態の析出物を全て板状酸素析出
物として取り扱っても、上記の式を用いてリーク電流値
を推定すれば、その推定値は実際のリーク電流値よりも
大きい値を示すことになる。したがって、その推定値が
1×10-3A/cm3 以下の値であれば、実際のpn接
合リーク電流は1×10-3A/cm3 以下の値を十分に
満足することになり、便宜的に欠陥の形態を集約して
も、上記の式を用いてpn接合リーク電流の評価を十分
行える。
【0056】
【発明の効果】以上の通り本発明によれば、シリコンウ
エハの表面近傍に対し赤外干渉法を用いて測定した表面
から深さ5μm内に存在する欠陥の形態、サイズ、密度
から、そのシリコンウエハのpn接合リーク電流を、実
際にそれらのデバイスを作製することなく、高精度に推
定することが可能になる。また、シリコンウエハ中の板
状酸素析出物および八面体酸素析出物の1個当りのリー
ク電流値が、その対角長L[cm]の関数として与えら
れるとき、赤外干渉法により測定されるシリコンウエハ
の表面から深さ5μm内に存在する板状酸素析出物およ
び八面体酸素析出物の、サイズの関数としての密度に対
して、所定の換算式を用いることによって算出されるp
n接合リーク電流の推定値が1×10-3A/cm3 とな
るシリコンウエハを選択することにより、実際にpn接
合を作製することなく、pn接合リーク電流の少ないシ
リコンウエハを提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例における欠陥形態別の欠陥サ
イズと欠陥1個当りのpn接合リーク電流値(発生リー
ク電流値)との関係を示す図面である。
【図2】 欠陥のサイズ及び密度の評価方法の手順を示
すフローチャートである。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 赤外干渉法を用いてシリコンウエハの表
    面から深さ5μm内に存在する結晶欠陥を測定する際
    に、結晶欠陥とレーザーの偏光方向との角度を変えた測
    定により、そのシリコンウエハの表面から深さ5μm内
    に存在する結晶欠陥の形態別に欠陥サイズと密度の関係
    を求め、さらに予め導出した各形態の欠陥サイズと密度
    およびpn接合リーク電流との関係を適用することによ
    り、そのシリコンウエハのpn接合リーク電流を推定す
    ることを特徴とするシリコンウエハの品質評価方法。
  2. 【請求項2】シリコンウエハ中の板状酸素析出物および
    八面体酸素析出物の1個当りのリーク電流値が、その対
    角長L[cm]の関数として、板状酸素析出物について
    1 (L)[A]、八面体酸素析出物についてi
    2 (L)[A]と求められ、赤外干渉法を用いてシリコ
    ンウエハの表面から5μm内にて測定される板状酸素析
    出物および八面体酸素析出物の密度が、その対角長L
    [cm]に対する関数として、板状酸素析出物について
    1 (L)[cm-3]、八面体酸素析出物についてD2
    (L)[cm-3]であるとき、 【数1】 で与えられるpn接合リーク電流の推定値IL [A/c
    3 ]が1×10-3A/cm3 以下であることを特徴と
    する、pn接合リーク電流が少ないシリコンウエハ。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007109931A (ja) * 2005-10-14 2007-04-26 Shin Etsu Handotai Co Ltd シリコンウエーハの選定方法及びアニールウエーハの製造方法
US8309430B2 (en) 2010-03-03 2012-11-13 Kabushiki Kaisha Toshiba Semiconductor manufacturing apparatus and semiconductor manufacturing method

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