JP2010155748A - アニ―ルウェハの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】全面OSF領域のサブストレートが容易に製造でき、かつ10μm以上のDZ層を持つアニールウェハが安定的に製造できる方法を提供する。
【解決手段】シリコン単結晶を引上げる炉内の圧力を40〜250mbarにして、前記炉内の雰囲気中に水素を体積比で1%〜3.8%導入する工程と、前記シリコン単結晶内にV領域とI領域を含まないように前記シリコン単結晶を引上げる炉内に窒素を添加し、かつ結晶引上速度V(mm/min)と結晶成長軸方向の平均温度勾配(℃/mm)との比であるV/Gを制御して、かつ前記シリコン単結晶の中心の結晶成長軸方向の平均温度勾配Gと外周部Gとの比率G/Gが1.4以上であるようなシリコン単結晶を作成する工程と、当該シリコン単結晶から切り出したシリコンサブストレートを非酸化性雰囲気下で1150〜1250℃、10分以上2時間以下の条件で熱処理する工程と、を含む製造方法。
【選択図】図5

Description

本発明は、アニ―ルウェハの製造方法に関する。
近年の半導体デバイス技術の進歩に伴い、シリコンウェハの結晶品質に対してより厳しい制御が要求されており、酸素析出物や空孔の集合体であるCOP(Crystal Originated Particle)は、ゲート酸化膜の耐圧劣化や接合リーク電流の増大を引き起こすなどの理由から、シリコン半導体基板の表面からデバイス形成深さまでは完全に取り除く必要がある。一般に、トレンチ型のDRAMの場合は、キャパシタに深いトレンチが使われることから、シリコン半導体基板の表面から10μmの厚み深さが欠陥フリーとすべき深さの目安となり、製造時のばらつきを考慮するとシリコン半導体基板の表面の無欠陥層(DZ層)は10μm以上にする必要がある。当該シリコン半導体基板の表面の無欠陥層(DZ層)を10μm以上する技術としては、例えば特許文献1および2などが挙げられる。
特許文献1には、窒素添加してV領域とI領域を結晶から排除した酸素析出バルク微小欠陥および酸化誘起積層欠陥とが混在する領域のシリコン半導体基板にはボイドが存在しないため、酸素析出バルク微小欠陥および酸化誘起積層欠陥とが混在する領域に覆われたシリコン単結晶ウェハを水素やアンモニアなどの還元ガス、またはアルゴンなどの希ガス雰囲気下で熱処理することによりシリコン単結晶ウェハの表面から10μm程度の厚み深さを無欠陥層にする技術が開示されている。一方、特許文献2では、水素雰囲気下で引き上げ速度を制御することで、シリコン半導体基板の表面からの厚さが5〜10μmの範囲ではCOPの数が減少したことを開示している。そして、いずれの技術も、全体にわたってgrown−in欠陥がなく、かつ内部にはゲッタリング効果を発揮するために十分な密度のBMDが形成された高品質なウェハを製造できるとされている。
シリコン結晶育成直後の結晶に内在するgrown−in欠陥やデバイス製造プロセスにおいて誘起される酸素析出物と転位、積層欠陥などは、デバイス特性を劣化させたり、重金属のゲッタリングサイトとして利用されることから、これらの結晶欠陥の制御は極めて重要な課題である。一般に、シリコン単結晶ウェハに高温熱処理を施したシリコン半導体基板(以下、アニールウェハとも称する。)は、シリコン半導体基板表面近傍のgrown−in欠陥が高温熱処理によって収縮・消滅するため、シリコン半導体基板の表面近傍にはボイド状欠陥(COP)等のgrown−in欠陥が存在することがなく、かつ内部にゲッタリングサイトとして利用できる微細欠陥が形成された酸化膜耐性等のデバイス特性が良好なシリコン半導体基板であることが知られている。
シリコン半導体基板の表面近傍を無欠陥にする方法としては、現在大きく分けて三つの方法が行われている。すなわち、1つ目の方法としては、上記特許文献1や図1に示すように、シリコン半導体基板を不活性ガス雰囲気下で、高温熱処理(1100℃以上)する方法により、シリコン半導体基板の表面近傍である表層からCOPを消滅させる方法である。また、2つ目の方法としては、図1に示すように、シリコン半導体基板の上にCVD法を用いてボイドが存在しないエピタキシャル層をシリコン半導体基板の表面に堆積させる方法である。しかし、いずれの方法であっても、1100℃以上の熱処理またはエピタキシャル成長により酸素析出の核となる酸素析出核が消滅し、その後のデバイスプロセスにおいて酸素析出が起こらなくなることが知られている。また、3つ目の方法としては、上記特許文献2のように、引き上げ条件を最適化してCOPの形成を結晶段階で抑制・防止する方法であるが、引き上げ速度が遅いため、結晶の生産性が低下するだけではなく、酸素析出物も抑制されるためゲッタリング能が低いことが知られている。
かかる酸素析出の不足を補う方法として、例えば特許文献3では窒素を添加し、かつ引き上げ速度を制御している技術が開示されている。窒素添加すると図2に示すように、ボイドサイズが小さくなり、かつボイドが均一に分散するためアニール後の酸素析出が十分高く、かつ面内で酸素析出物密度が均一であるようなアニールウェハを製造することができるとされている。
特開2003−59932号公報 特開2007−22863号公報 特開2007−176732号公報 Journal of Applied Physics, vol 89, p4301, 2001
しかしながら、特許文献1や3のような窒素濃度が高いシリコン半導体基板には、grown−in酸素析出物が存在することが、例えば非特許文献1で知られている。このgrown−in酸素析出物は、シリコン半導体基板をアニールした後の表面10μmより浅いところに残留しやすい。その結果、窒素濃度が高くなった場合、全面OSF領域のシリコン半導体基板を使っても、表面から厚み深さが10μm以上のDZ層を確保することが困難となる。
一方で、特許文献1にあるような窒素濃度範囲(5E14atoms/cm以下)の場合、V領域とI領域との間の領域は十分広くならないので、V領域とI領域とを結晶から排除するためにはV/Gを厳密にコントロールする必要がある。そのため、V領域とI領域とが排除されたシリコン半導体基板を安定的に製造することが困難である。
また、特許文献1および2の方法で得られた半導体基板の上にトレンチを掘ると厚み深さが10μm以内では、溝の底面にCOPなどの欠陥が露出する虞がありできる限りDZ層の厚さを広げる必要がある。
そこで、本発明は、上記問題点を解するためのものであり、たとえ高窒素濃度の場合でも、10μm以上のDZ層を確保できることを見出した。
本発明は、シリコン単結晶を引上げる炉内の圧力を40〜250mbarにして、前記炉内の雰囲気中に水素を体積比で1%〜3.8%導入する工程と、
前記シリコン単結晶内にV領域とI領域を含まないように前記シリコン単結晶を引上げる炉内に窒素を添加し、かつシリコン単結晶の中心の結晶性長軸方向の平均温度勾配Gと外周部の平均温度勾配Gの比率G/Gが1.4以上にして、かつ結晶引上速度V(mm/min)と結晶成長軸方向の平均温度勾配G(℃/mm)との比であるV/Gを制御してシリコン単結晶を作成する工程と、
当該シリコン単結晶から切り出したシリコンサブストレートを非酸化性雰囲気下で1150〜1250℃、10分以上2時間以下の条件で熱処理する工程と、
を含むアニールウェハの製造方法を提供することを目的とする。
本発明の製造方法により、高窒素濃度(5E14atoms/cm以上)で全面OSF領域のサブストレートが容易に製造できる。その結果、10μm以上のDZ層を持つアニールウェハが安定的に製造できる。
本発明のさらに他の目的、特徴および特質は、以後の説明および添付図面に例示される好ましい実施の形態を参酌することによって、明らかになるであろう。
本発明の第一は、シリコン単結晶を引上げる炉内の圧力を40〜250mbarにして、前記炉内の雰囲気中に水素を体積比で1%〜3.8%導入する工程と(工程I)、
前記シリコン単結晶内にV領域とI領域とを含まないように前記シリコン単結晶を引上げる炉内に窒素を添加し、かつ前記シリコン単結晶の中心の結晶性長軸方向の平均温度勾配Gと外周部の平均温度勾配Gの比率G/Gが1.4以上にして、かつ結晶引上速度V(mm/min)と結晶成長軸方向の平均温度勾配G(℃/mm)との比であるV/Gを制御してシリコン単結晶を作成する工程と(工程II)、
当該シリコン単結晶から切り出したシリコンサブストレートを非酸化性雰囲気下で1150〜1250℃、10分以上2時間以下の条件で熱処理する工程と(工程III)、
を含むアニールウェハの製造方法である。
これにより、全面OSF領域のサブストレートが容易に製造でき、10μm以上のDZ層を持つアニールウェハが安定的に製造できる。
一般に、シリコン半導体基板の欠陥領域は、窒素濃度とV/Gの結晶育成条件で決まることが知られている(ただし、V:引上速度[mm/min]、G:融点から1350℃までの結晶成長軸方向の平均温度勾配[℃/mm])(V. V. Voronkov, K. Crystal Growth, 59 (1982) 625、およびM. Iida, W. Kusaki, M. Tamatsuka, E. Iino, M. Kimura and S. Muraoka, Defect in Silicon, ed. T. Abe, W. M. Bullisetal (ECS., Pennington N. J., 1999) 499)。この知見によると、例えばチョクラルスキ法の場合は、シリコン融液からシリコン単結晶のインゴットを徐々に上方に引き上げながら育成して行く。そして、このインゴットから切り出したシリコン半導体基板(シリコンサブストレート、またはサブストレートとも称する)には、図3に示すように、横軸を窒素濃度、縦軸をV/GとするとV領域とI領域に分けることができる。そして、V領域とI領域の間にはOSF領域と呼ばれる領域が発生する。
前記V領域とは、シリコン結晶育成中に固液界面から過剰の原子空孔が導入される領域であり、それらの原子空孔が凝集してできたボイドが存在し、欠陥領域としてサイズ50nm以上のボイドの体積密度が1×10/cm以上の領域をいう。
前記I領域とは、結晶育成中に固液界面から過剰の格子間原子が導入される領域であり、格子間原子が集合してできた転位ループが存在し、サイズ1μm以上の転位ピット密度が10個/cm以上の領域をいう。I領域は酸素析出が起こりにくいため、I領域を含んだサブストレートを用いたアニールウェハは、酸素析出物密度が少ない領域が出来てしまう。
前記OSF領域とは、シリコン単結晶ウェハを酸化熱処理したときに、OSFが発生する領域である。尚、ここでいう「OSF」とは、中心に酸素析出物(OSF核)が存在する直径数μm程度の積層欠陥であり、酸化熱処理を行うことによって、酸化膜−シリコン母相の界面から発生する格子間原子が、OSF核の周囲に凝集することによって形成される。OSF核とは酸素析出物の中でも格子間原子を集める性質を有する特殊な酸素析出物であり、結晶育成直後の段階でシリコン半導体基板内に既に存在しているものと考えられている。OSF核はサイズが小さい(10nm以下と考えられている)ことから、異物計、赤外トモグラフ等の現状の評価方法では検出されない。そのため、OSFの存在は酸化熱処理を行うことで初めて確認することができる。
本発明は、V/Gと窒素濃度とを制御することでシリコン融液から引き上げられたシリコン単結晶インゴットの断面であるシリコンサブストレートの半径方向全体からV領域とI領域が排除される条件にして、かつ当該シリコン単結晶インゴットを水素雰囲気下で育成すると、たとえ高窒素濃度の場合でも、10μm以上の無欠陥層を確保できることを見出した。窒素に加えて水素を添加することで、grown−in酸素析出物がアニールで消滅しやすい状態に変化するものと考えられる。
図4(a)に示すように、ある特定の窒素濃度とV/Gとにより作成された1本のシリコン単結晶インゴットは、図4(b)に示すように、窒素濃度はインゴットの下側にいくにつれて高くなり、また結晶外周部は結晶中心部に比べてV/Gが低くなるため、特定の幅をもつものである。図3の窒素濃度−V/Gの図では四角で囲んだ領域(育成領域)で示される。
本明細書における「結晶内にV領域とI領域を含まないように」とは、例えば、図3のcase1、2のように、育成されたシリコン単結晶インゴットの1本の内部で育成領域がV領域とI領域の間となり、V領域、およびI領域を含まないことをいう。
以下、本発明の製造方法の各工程を詳細に説明する。
(工程Iについて)
本発明に係る製造方法の工程Iは、シリコン単結晶を引上げる炉内の圧力を40〜250mbarにして、前記炉内の雰囲気中に水素を体積比1%〜3.8%導入するものである。
本発明に係るシリコン単結晶の育成中に水素を添加すると、上述したように窒素添加したOSF領域のgrown−in酸素析出物の状態を変化させることにより、アニール後10μm以上のDZ層を形成することができる。
本発明に係る製造方法における結晶引上炉内の圧力は、40mbar〜250mbarであり、好ましくは60mbar〜150mbar、より好ましくは80mbar〜100mbarである。
前記炉内の圧力が40mbar〜250mbarの範囲を外れると、引上げ歩留まりが悪くなる。
本発明に係る製造方法における結晶引上炉内に導入する水素の量は、体積比(水素の体積/導入する混合ガス全体の体積)1%〜3.8%以下であり、体積比2.0%〜3.5%であることが好ましい。
前記炉内の雰囲気の水素の体積比が3.8%超では爆発の危険があるため、好ましくなく、1%超ではシリコン単結晶に取り込まれにくい。
本発明に係る製造方法における結晶引上炉内に導入する水素は、不活性ガスなどに水素を含まれてもよい。また、不活性ガスとしては、安価なArガスが好ましく、これ以外にもHe、Ne、Kr、Xeなどの各種希ガス単体、またはこれらの混合ガスを用いることができる。
(工程IIについて)
本発明の製造方法に係る工程IIは、前記シリコン単結晶内にV領域とI領域を含まないように前記シリコン単結晶を引上げる炉内に窒素を添加し、かつシリコン単結晶の中心の結晶成長軸方向の平均温度勾配Gとシリコン単結晶の外周部の平均温度勾配Gとの比率G/Gが1.4以上にして、かつ結晶引上速度V(mm/min)と結晶成長軸方向の平均温度勾配G(℃/mm)との比であるV/Gを制御してシリコン単結晶を作成する工程である。ここで、Gは結晶中心軸(半径0mm)における融点〜1350℃の温度範囲での結晶成長軸方向の平均温度勾配であり、Gはウエハ外周に相当する位置、すなわち200mm結晶の場合は半径100mmの位置、300mm結晶の場合は半径150mmにおける融点〜1350℃の温度範囲での結晶成長軸方向の平均温度勾配である。
また、Gはシリコン単結晶全体における融点〜1350℃の温度範囲での結晶成長軸方向の平均温度勾配である。
本発明のシリコン単結晶の育成中に窒素のみを添加した場合は、当該シリコン単結晶から切り出したシリコンサブストレートがV領域とI領域とを含まないような条件に、さらに水素を添加することで、アニール後のDZを10μm以上にすることができる。
前記シリコン単結晶の中心の結晶成長軸方向の平均温度勾配Gと外周部の平均温度勾配Gとの比率G/Gが1.4未満にするためには、結晶引き上げ中に磁場印加するなどの特殊な措置が必要となるが、そのような引上げはコストアップの要因となるので、好ましくない。
前記G/Gは、1.7以上2.1以下が好ましく、1.9以上2.0以下がより好ましい。
また、凝固直後の引き上げ中のシリコン単結晶は表面からの熱放散により冷却されるので、前記シリコン単結晶の結晶成長軸方向の温度勾配は、外周部で大きく中心部では小さい。すなわち、Gc<Gである。
前記結晶引上速度V(mm/min)と結晶成長軸方向の平均温度勾配(℃/mm)との比であるV/Gは、下記の範囲:
で制御することが好ましい。
V/Gが V/G下限値 0.9×(V/G)crit未満であると、結晶引上げの生産性が低下し好ましくない。また、生産性が高い結晶引上げとしては、窒素添加なしでウェハ全面にボイドが発生し、OSF領域が排除される条件、すなわちV/Gが(V/G)crit以上が望ましい。ただし、炉の構成によっては、窒素添加なしでエッジ側にOSF領域が残留する場合もある。現実的には、エッジ側のV/Gが0.9以上であれば生産性の高い結晶引上げと言える。
また、前記V/G上限値が、1.1×exp(4.4E−16×N)×(V/G)critを超えると、ウェハ面内のV/Gがこの上限値を上回ると、サブストレートにボイドが発生するため、アニール後の無欠陥層を10μm以上にすることができない。
本発明の製造方法に係る引上速度[mm/min]は、V/Gを特定の範囲にすればよく平均温度勾配との関係によって決められるものであるが、例えば、0.9〜2.0[mm/min]が好ましく、1.0〜1.6[mm/min]がより好ましく、1.0〜1.4[mm/min]がさらに好ましい。
前記引上速度[mm/min]が0.9未満であると、生産性が低下し、好ましくない。
本発明の製造方法に係るG(融点から1350℃までの結晶成長軸方向の平均温度勾配[℃/mm])は、V/Gを特定の範囲にすればよく引上速度との関係によって決められるものであり、前記融点から1350℃までの結晶成長軸方向の平均温度勾配[℃/mm]Gの値は、本発明出願時には正確に実測することができず、好ましい範囲を記載することはできないためV/Gとしての範囲を規定する。
本発明に係るシリコン単結晶を引上げる炉内に窒素の濃度は、5E14atoms/cm〜5E15atoms/cmであることが好ましく、1E15atoms/cm〜4E15atoms/cmであることがより好ましい。
前記シリコン単結晶を引上げる炉内に窒素の濃度5E14atoms/cm未満では、OSF領域をサブストレート全面に広げるためのV/G範囲が狭くなり、安定して結晶を育成することが困難になり、窒素濃度が5E15atoms/cm超えると、結晶引き上げ中に多結晶化が起こりやすくなるので、結晶歩留まりが低下し、好ましくない。
(工程IIIについて)
本発明の製造方法に係る工程IIIは、前記シリコン単結晶から切り出したシリコンサブストレートを非酸化性雰囲気下で1150〜1250℃、10分以上2時間以下の条件で熱処理する工程である。
前記非酸化性雰囲気中で熱処理する理由は、酸化雰囲気では、ボイドやその他のgrown−in欠陥がアニール中に十分消滅しないからである。また、前記非酸化性雰囲気とは、酸素等の酸化性ガスを含まない雰囲気であり、不活性雰囲気と還元性雰囲気がある。不活性雰囲気とは、例えばアルゴン、ヘリウム、ネオンや窒素等の不活性ガスで満たされた雰囲気である。また、還元性雰囲気とは、水素、一酸化炭素、アンモニア等の還元性ガスが存在する雰囲気をいう。
前記工程IIIにおいて、シリコンサブストレートを熱処理する温度は、1150〜1250℃であり、1175〜1215℃であることが好ましく、1185〜1200℃であることがより好ましい。
前記シリコンサブストレートを熱処理する温度が、1150℃未満では、ボイドやその他のgrown−in欠陥がアニール中に十分消滅しない。また、当該温度が1250℃超では、炉の部材の劣化が激しくなる。
前記工程IIIにおいて、シリコンサブストレートを熱処理する時間は、10分以上2時間以下であり、好ましくは30分〜1.5時間であり、より好ましくは50分〜1時間である。
前記シリコンサブストレートを熱処理する時間が10分未満では、ボイドやその他のgrown−in欠陥がアニール中に十分消滅しない。また、当該時間が2時間超だと、生産性が悪くなるので好ましくない。
本発明に係る製造方法における熱処理(アニール)を行う熱処理炉(または反応室)は、特に制限されることはなく、市販のものでよく特に制限されるものではない。但し、熱処理中に酸化膜が2nm以上成長しないようにする必要がある。なぜなら、表面に酸化膜が付着すると、アニール中の欠陥の収縮・消滅が阻害されるためである。具体的には、熱処理中の雰囲気ガスに混入する不純物の量をできる限り減らす、シリコンウェハを炉の中に挿入する際に、周囲からの空気の巻き込みを極力減らす、と言った工夫が必要である。使用する雰囲気ガスは、例えば不純物が5ppma以下に抑えられたアルゴンなどの希ガスが好ましい。
本発明に係る製造法に使用されるシリコンウェハを保持する部材は、特に制限されるものではなく、例えば、石英などが用いられる。これらの部材はアニール温度が降温になりすぎると著しく劣化する。そのため頻繁な交換が必要となり、製造コスト上昇の要因となる。
以下、本発明に係るアニールウェハ、およびアニールウェハに使用するシリコン単結晶の好ましい製造方法の一形態を説明するが、本発明の範囲はこれに制限されるものではない。
「シリコン単結晶の製造方法」
本発明に係るアニールウェハに使用するシリコン単結晶製造方法としては、特に制限されることはなく公知の方法を適宜選択することができ、例えば、坩堝内融液から結晶を育成させつつ引き上げるチョクラルスキ法が好適に行われている。
当該チョクラルスキ法によるシリコン単結晶製造方法は、第1に石英製のルツボ内に原料としてシリコン多結晶を入れ、また必要により、単結晶の電気抵抗地を所望の値、例えば10Ωcmになるようにp型(B、Al、Gaなど)、n型(P、As、Sb等)のドーパントを添加し、炉内を不活性ガス雰囲気で、4〜25kPaとし、雰囲気ガス中における水素分圧が1〜3.8%の混合比になるように設定し、水素混合ガスを所定量導入させ、それらを取り囲むヒーター(ヒーター、断熱材などの炉内構造物を総称してホットゾーンという)によって原料を融解する。次いで、当該坩堝内の融液の上方より種結晶を降ろしてシリコン多結晶が融解した融液表面に接触させる。そして、当該種結晶を回転させながら、引き上げ速度Vを制御しつつ上方に引き上げることにより所定の径のシリコン単結晶を作製する。また、シリコン結晶が育成して行くにつれてシリコン融液が減って行くがこれによってシリコン融液内の熱伝導や流動などの結晶育成環境が変化して行く。これらの環境をなるべく一定にして結晶育成を安定にするために実際の結晶製造工程では様々な工夫がなされている。例えば、一般に結晶引き上げ中はシリコン融液表面の位置をヒーターに対して一定にするために引き上げられた結晶重量に応じて坩堝位置を上昇させている。また、シリコン結晶が育成して行く過程で結晶側の伝熱条件の変化は融液側と比較すると極めて小さく、ほぼ炉構造および炉内のホットゾーン構造により決まり、結晶長さによってゆっくり小さく変化する。
結晶成長界面の温度勾配Gは結晶面内で一般には均一ではなく、結晶成長界面における結晶側温度勾配は結晶外周部の方が結晶中心部より大きい。それは結晶側面からの放射冷却により、結晶側面の方がより冷やされるためである。そのため同じ引上速度Vにおいても、V/Gは結晶外周部の方が低くなり、エピ層欠陥などの発生の原因となるOSF領域が結晶外周部に生じやすくなる。なお、結晶成長界面における結晶引き上げ方向の結晶側温度勾配Gは、結晶内部に熱電対を差し込んで実際に結晶育成を行うなどの実験を繰り返し厳密に測定している。
本発明に係るアニールウェハの製造方法における窒素の添加方法は、特に制限されるものではなく公知の方法を使用することができ、例えば、シリコン原料溶解中に窒素ガスを導入する方法や、窒化物をCVD法等によって堆積させたシリコン基板を原料溶解中に混入させる方法等が挙げられる。また、シリコン融液の凝固後の結晶中に取り込まれる不純物の融液中濃度に対する比率である偏析係数kは窒素の場合7×10−4である(W. Zulehner and D. Huber, Crystal Growth, Properties and Applications, p28, Springer−Verlag, New York, 1982)。
本発明のアニールウェハの製造方法に使用されるシリコン融液から結晶中に取り込まれる窒素濃度は、
を用いて下記式2のように表される。
この関係は引上炉の構造や引上速度などの条件によらずほぼ一定に保たれているため、結晶中の窒素濃度制御は初期融液の窒素濃度によってほぼ一義的に制御が可能である。
なお、本発明に係るシリコン単結晶をチョクラルスキ法で製造する際において、坩堝として石英を使用するが特に制限されるものではない。また、当該石英を坩堝として使用する場合は、結晶引き上げ中にこの石英坩堝はシリコン融液に少しずつ溶解するために、シリコン融液中には酸素が存在する。この石英坩堝から溶け出た酸素はシリコン融液の流動および拡散によって移動し、大部分は融液表面からSiOガスとなって蒸発する。しかし一部は結晶に取り込まれる。また、高温で取り込まれた酸素は結晶の冷却過程で過飽和になり、凝集を起こして結晶冷却中に微小な酸素クラスターを形成する。これが析出核となって、シリコン単結晶ウェハにした後のデバイス熱処理の過程でSiOxとして析出し、酸素析出物となると考えられる。
上記の製造方法により作成されたシリコン単結晶インゴットからアニールウェハ用のサブストレートを作り出す際において、通常、シリコン単結晶をワイヤーソーあるいは内周歯スライサーを用いてスライスし、面取り、エッチング、鏡面研磨の行程を経て基板が作られるが特に制限されるものではない。なお、酸素析出促進もしくは欠陥消滅を目的とした余分な熱処理工程を加える場合は、通常、この後に熱処理行程が入る。しかし、本発明で述べている窒素と炭素を添加したサブストレートの場合はそのような工程は不要であり、通常のシリコン基板(サブストレート)と同じ工程で作ればよい。
「アニールウェハの製造方法」
上記の方法で切り出されたシリコンサブストレートを、所定の反応室内が所定温度に保持されたパージ機能のついたバッチ式の縦型熱処理炉内に投入し、不活性ガス雰囲気下で所定の条件での高温熱処理を行うことにより、本発明に係るアニールウェハを製造することができる。
本発明は以下に記載する実施例に限定されるものではない。また、以下の実施例は直径200mmの結晶を使用したものであるが、同様の原理は直径300mm以上の結晶にも適用可能である。
本実施例に用いたシリコン単結晶製造装置は、通常のCZ法によるシリコン単結晶製造に用いられるもので、一般的な冷却速度を有する引上炉である。なお、本発明を実施する上で、この引上炉は、本発明の育成条件を実施することができるものであれば、特に制限はない。
この装置を利用して育成されたシリコン単結晶は、伝導型:p型(ボロンドープ)、結晶径:8インチ(200mm)である。
窒素添加は、シリコン融液中に窒化膜付きシリコン基板を投入することによって行った。水素添加は、引上炉中に水素体積比が2または3.8%のアルゴンと水素の混合ガスを導入し、引き上げ炉内の圧力を40または250mbarにして、水素分圧を80または950Paにした。
酸素濃度は、シリコン単結晶から切り出したサブストレートをフーリエ変換赤外線吸収分光法(FT−IR法)で測定することにより求めた。本発明に係る製造方法では酸素濃度は6.5E17atoms/cm以上、8.5E17atoms/cm以下(旧JEIDA換算、換算係数3.03E17/cm)が好ましい。酸素濃度が8.5E17atoms/cm超になると、アニール後に発生するウェハ内部のBMDサイズが大きくなりすぎて、スリップ特性を劣化させるため好ましくない。また、磁場印加などの特殊な装置なしに6.5E17atoms/cm未満の酸素濃度を実現するのは困難である。
また、引上速度は、表2に示される条件でおこなった。
相対V/G値を次のようにして定義した。すなわち、当該の窒素、水素添加結晶を引上げた引上炉と同じ構造の引上炉で、窒素、および水素が添加されていない結晶を種々の引上速度Vで引上げた。窒素、および水素が添加されていない結晶のからウェハを切り出し、780℃。3時間+1000℃16時間の析出熱処理を施した後、BMDアナライザーでBMDを測定した。BMDが1E8/cm以上となる領域をVリッチ領域(Pv,OSF,V領域)、1E8/cm未満となる領域をIリッチ領域(PI,I領域)として、Vリッチ領域とIリッチ領域の境界をV−I境界と定義した。この場合、V−I境界位置のV/G値が(V/G)critに相当する。
また、V/Gの絶対値は、Gの絶対値が分からなければ求めることはできない。しかし、V/Gを(V/G)critで規格化した相対V/Gを定義すれば、相対V/Gが1より大きければVリッチ領域、1より小さければIリッチ領域になると考えることができる。引上速度とV−I境界位置の関係を調べておけば、同じ構造の引上炉を用いて、ある引上速度Vで引上げた結晶の面内の相対V/G値を求めることができる。具体的には、前記方法により、種々の引上速度Vに対するV−I境界の半径位置Rを調べ、VをRの多項式で記述する近似式f(R)を求めた。ここで、前記近似式f(R)は、半径位置RでのGを(V/G)critで割った値に相当する。(V/G)critは定数であるので、f(R)はGの半径方向の変化を表す関数に他ならない。この近似式f(R)を用いて、ある引上速度Vで引上げた結晶の半径位置Rにおける相対V/G値=V/f(R)を計算した。また、GとGの比率G/G=f(100)/f(0)を計算した。
引上炉に対して、窒素添加なしの結晶を引き上げ、相対V/G値を求めて窒素濃度−V/Gマップを作成した。
また、V/Gの最大値を1.9、V/Gの最小値を0.9または1.0で行った。
なお、本発明の実施例、または比較例について、窒素濃度、V/G最小値、V/G最大値、炉圧、水素体積比、水素分圧の条件は表2に示す条件で上記の方法により行った。
「アニールウェハの作成」
上記方法で育成したそれぞれの単結晶インゴットの直胴部の同一部位を、ワイヤソーを用いて複数枚切り出し、ミラー加工して作成した基板をシリコンサブストレート(以下、単にサブストレートとも称する。)とした。
得られたサブストレートを反応室内が所定温度に保持されたパージ機能のついたバッチ式の縦型熱処理炉内に投入し、アルゴンガス雰囲気下で1200℃1時間の高温熱処理を行った(以下、この熱処理後のウェハを、「アニールウェハ」とする。)。
(評価)
「窒素濃度の評価」
窒素濃度は、アニールウェハからサンプルを採取し、表面の窒素外方拡散層を除去するために20μmのポリッシュを行った後、二次イオン質量分析装置(SIMS)を用いて測定した。また、5E14atoms/cm以下の窒素濃度のウェハはSIMSで測れないので、固化率(上記の式1および式2)から求めた計算値で代用した。
「V領域、OSF領域、およびI領域の評価」
サブストレートのV領域は、結晶育成中に固液界面から過剰の原子空孔が導入された結果ボイドが発生する。そこでサブストレートのV領域は、具体的には、このボイドの密度で規定することができる。
サブストレート内のボイドは、基板のボイド面内分布を市販の欠陥評価装置である三井金属鉱業製LSTDスキャナ(MO−6)を用いて測定した。このMO−6は可視光レーザーをブリュースター角から照射し、鉛直方向に配置したカメラでp偏光の散乱像を欠陥像として検知する。レーザーは基板表面から5μmまでしか浸透しないので、基板表面から5μmまでの深さにある欠陥が計測できる。測定に際しては検出感度を調整して、球換算でサイズ50nm以上のボイドが測定できるようにした。測定したボイドの面積密度と測定深さ5μmからボイドの体積密度を算出した。そして、ボイドの体積密度が1×105/cm以上の領域をV領域とした。
一方、サブストレートのI領域は、結晶育成中に固液界面から過剰の格子間原子が導入された結果、転位ピットとなって現れる。そこで、I領域は、この転位ピットの密度として規定することができる。
転位ピットは、下記の方法で求めた。まず、サブストレートをライトエッチ液にて5μmエッチングし、表面に発生した1μm以上のサイズを持つ菱形もしくは流線型状の転位ピットの個数を、光学顕微鏡観察にてカウントした。基板の半径方向に10mmピッチで測定し、視野面積から転位ピット面積密度を算出した。そして、転位ピット密度が10個/cm以上の領域をI領域とした。
また、窒素添加のみの条件で育成したシリコン単結晶から切り出したシリコンサブストレートをアニールした後のアニールウェハ表面からから深さ7〜12μmの状態、ならびに本発明の範囲である窒素と水素添加とを添加した場合のシリコン単結晶から切り出したシリコンサブストレートをアニールした後のアニールウェハ表面からから深さ7〜12μmの状態を以下の方法で観察した(図5参照)。
まず、アニールウェハ表面を7μm研磨で除去した後、前記MO−6により、研磨したとの表面から5μm深さの欠陥を測定した。すなわち、アニール後の表面から7〜12μm深さにある欠陥がこの評価法で検出された。
「アニールウェハのBMD密度測定」
上記の製造方法により得られたアニールウェハに780℃3時間+1000℃16時間の析出熱処理を施した。その後ウェハをへき開して、レイテックス社製BMDアナライザーMO−4にて、面内のBMDを測定した。測定点の面内位置は、中心から10mmピッチでエッジ10mmまでとした。得られたBMD密度の最小値を求めた。
「アニールウェハのDZ評価」
上記の製造方法により得られたアニールウェハをXμm再研磨し、再研磨したアニールウェハの表面に酸化膜を形成して、酸化膜耐圧測定を行った。研磨量Xを種々に変更し、Cモード合格率が70%以上となる研磨量Xの最小値をDZと定義した。ここで、酸化膜耐圧測定の条件は下記の通りである。
Cモード合格率とは、ウェハ面内の全電極に対して、判定電流100mAで8MV/cm以上の耐圧特性を示した電極の比率をいう。
上記各評価の結果を以下の表1、2、および図6に示す。
(表1)
種々の窒素濃度、引上げ速度の結晶から切り出したサブストレートの半径方向ボイド密度分布を求め、ボイド密度が1E5cm/3以下になる位置を調べ、その位置の相対V/G値を求めた。その結果から、V領域境界を記述する近似式として下記を得た。
V領域境界の相対V/G値=1.1×exp(4.4E−16×窒素濃度)
一方、窒素濃度が5E14atoms/cm以上、かつ相対V/Gが0.9以上の場合、転位ピットが10個/cm以下であることが確認された。
以上の結果から、相対V/G値を0.9以上、1.1×exp(4.4E−16×窒素濃度)以下の範囲内で制御することで、V領域とI領域が排除されたサブストレートを製造できることがわかった。
(表2)
種々の窒素濃度、水素添加量、引上げ条件から得られたサブストレートをアニールしたアニールウェハのBMD密度、DZの評価結果を示す。また、V/G最大値は半径0mmでの相対V/G値であり、V/G最小値は半径100mmでの相対V/G値である。表2の結晶はいずれも、G/Gが1.4以上1.9以下であった。なお、表2記載の実施例・比較例のサブストレートはいずれも、転位ピットが10個/cm以下であり、サブストレートからI領域が排除されていることが確認された。
表2の結果から、相対V/G値を0.9以上、1.1×exp(4.4E−16×窒素濃度)以下の範囲内で制御し、かつ所定の窒素および水素濃度で成長したサブストレートを本発明の製造条件の範囲で行うと、BMD密度が1.5E9/cm以上、かつDZ深さが11μmを超えるアニールウェハが製造できることがわかった。一方、表3の結果から、比較例ではDZ深さが11μmを超えるアニールウェハが製造できないことも確認された。
従来技術のアニールウェハの性質を示す模式図である。 従来技術の窒素添加されたアニールウェハの性質を示す模式図である。 図3は窒素濃度とV/Gの関係を示す模式図である。 図4はCZ法により引き上げたシリコンインゴットにおける欠陥領域と窒素濃度の関係を説明するための説明図である。ここで(a)欠陥領域と窒素濃度の関係を示すグラフ、図4(b)は引き上げ中のシリコン結晶インゴットにおける欠陥領域と窒素濃度分布を示す概略図である。 図5(a)は、窒素添加のみの条件で育成したシリコン単結晶から切り出したシリコンサブストレートの表面から深さ7〜12μmの状態と当該シリコンサブストレートをアニールした後のアニールウェハ表面からから深さ7〜12μmの状態であり、図5(b)は、窒素と水素添加とを添加した場合のシリコン単結晶から切り出したシリコンサブストレートの表面から深さ7〜12μmの状態と当該シリコンサブストレートをアニールした後のアニールウェハ表面からから深さ7〜12μmの状態である。 実施例の結果から導かれた(V/G)critと窒素濃度の関係を示す。
符号の説明
1・・・酸素析出核
2・・・ボイド
3・・・酸素析出物

Claims (3)

  1. シリコン単結晶を引上げる炉内の圧力を40〜250mbarにして、前記炉内の雰囲気中に水素を体積比で1%〜3.8%導入する工程と、
    前記シリコン単結晶内にV領域とI領域を含まないように前記シリコン単結晶を引上げる炉内に窒素を添加し、かつ結晶引上速度V(mm/min)と結晶成長軸方向の平均温度勾配G(℃/mm)との比であるV/Gを制御して、かつ前記シリコン単結晶の中心の結晶成長軸方向の平均温度勾配Gと外周部の平均温度勾配Gとの比率G/Gが1.4以上であるようなシリコン単結晶を作成する工程と、
    当該シリコン単結晶から切り出したシリコンサブストレートを非酸化性雰囲気下で1150〜1250℃、10分以上2時間以下の条件で熱処理する工程と、
    を含むアニールウェハの製造方法。
  2. 前記結晶引上速度V(mm/min)と結晶成長軸方向の平均温度勾配G(℃/mm)との比であるV/Gは、下記の範囲:
    で制御する、請求項1に記載のアニールウェハの製造方法。
  3. 前記シリコン単結晶を引上げる炉内に窒素の濃度は、5E14atoms/cm〜5E15atoms/cmである請求項1または2に記載のアニールウェハの製造方法。
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