JP6661420B2 - 電気化学計測装置 - Google Patents

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Description

本発明は、微小領域において材料の電気化学的特性を評価する計測装置に関し、例えば、室温(25℃)では長期間にわたって腐食が発生しないような高耐食性材料の耐食性を電気化学的に評価する計測装置に関する。
過酷な環境で使用される材料として、例えば、ステンレス鋼などの良好な耐食性を有する高耐食性材料が使用される。その耐食性を評価・比較するためには、過酷な環境を再現しなければならず、試験溶液及び試験体の高温化が必須となる。さらに、JISG0577、JISG0578等から、耐食性の評価・比較には±1℃の精度での温度制御が要求されている。一方、材料の微小領域における電気化学的特性を知ることは、例えば、腐食現象の解明、エッチング等による材料表面の微細加工、不具合の生じた材料の不具合箇所の特定等の上でも重要である。
すなわち、高耐食性材料の腐食現象の解明には、材料表面の微小領域に対し、室温よりも高い温度(試験溶液の沸点近傍までの温度)で、温度制御しながら電気化学的試験を実施する必要がある。
微小領域の電気化学的特性を評価する装置として、参照電極と対極と作用極(試験体)とガラスキャピラリとを備え、ガラスキャピラリの内部が試験溶液で満たされた構造の小型セルを用い、試験体底部にペルチェ素子を取り付けることで試験体を直接加熱する装置が提案されている(非特許文献1)。非特許文献1の装置は、光学顕微鏡で試験体である金属材料表面を観察した後に、試験溶液で満たされたガラスキャピラリを金属材料の表面に押し付けることで任意の位置で微小領域の電気化学計測をすることができる。
しかし、非特許文献1の装置では、加熱された試験体底部からの熱伝達により試験体の表面温度が決定されるので、正確に試験体の表面温度を測定、制御することは難しいという問題、さらに、試験領域には試験溶液が接しているので、試験溶液と接した試験領域の温度の測定、制御はさらに難しいという問題があった。
また、耐食性材料の微小な腐食起点を電気化学計測するシステムとして、水浸型の対物レンズを配置する液溜部を有する光学顕微鏡観察機能を備えた電気化学計測用微小電極システムが提案されている(特許文献1)。しかし、特許文献1は、室温での試験が対象であり、さらに、試験溶液が開放系に存在するので、室温を超える高温条件下では試験溶液が蒸発して評価できないという問題があった。
また、高温場、高圧場、高温高圧場での電気化学測定に関する分析装置として、マイクロ流路に配管を介して外部から流入させた流体場での電気化学測定を行う電気化学マイクロセルが提案されている(特許文献2)。しかし、特許文献2は、試験体の昇温の精度に関する構成は存在せず、また、試験対象が液体に限られるという問題があった。
特開2012−154783号公報 特開2013−164376号公報
Electrochemica acta 47 (2001) 191-199
上記事情に鑑み、本発明は、試験体である材料表面の任意の微小試験領域を光学顕微鏡観察機能で観察でき、室温(25℃)から試験溶液である液状体の沸点近傍までの温度範囲にて、材料表面の該試験領域の電気化学的特性を、精度よく温度制御しながら測定する電気化学計測装置を提供することを目的とする。
本発明の態様は、試験体を収容するハウジングと、該ハウジングと熱的に接続され、該ハウジングを加熱する加熱装置と、前記ハウジングの内部に挿入可能な管状体と、該管状体内に注入される液状体と、前記試験体を観察する光学顕微鏡観察機能と、を備えた電気化学計測装置である。
本発明の態様は、前記ハウジングの内部温度を、前記電気化学計測装置の外部環境の温度超前記液状体の沸点未満の温度範囲に昇温を制御する加熱装置制御手段が、さらに設けられている電気化学計測装置である。
本発明の態様は、前記管状体の端面が、前記光学顕微鏡観察機能の観察面に対して直交方向から、前記ハウジングの内部に挿入可能である電気化学計測装置である。
本発明の態様は、前記管状体の端面の周方向に沿って、弾性部材が設けられている電気化学計測装置である。
本発明の態様は、前記弾性部材が、前記試験体に対するシール手段であり、前記弾性部材の設けられている前記管状体の端面が、前記試験体に当接することによって封止される電気化学計測装置である。
本発明の態様は、前記ハウジングの内部に、さらに、該内部の雰囲気を撹拌する撹拌装置が設けられている電気化学計測装置である。
本発明の態様は、耐食性材料の耐食性評価用である電気化学計測装置である。
本発明の態様によれば、加熱装置が熱的に接続されたハウジング内に、試験体が収容され、試験溶液である液状体が注入される管状体が、ハウジング内に挿入可能であることにより、室温(25℃)から試験溶液の沸点近傍の範囲にわたって、精度よく、試験体表面と試験溶液である液状体の温度を制御できる。結果、室温よりも高い温度において、試験体表面の電気化学的特性を精度よく測定できる。また、試験体表面の領域を光学顕微鏡観察機能で観察できるので、室温よりも高い温度における、試験体の電気化学的特性と試験体の表面状態との関連性を評価することができる。
本発明の態様によれば、さらに、ハウジング内の温度を電気化学計測装置の外部環境の温度超液状体の沸点未満の範囲に制御する加熱装置制御手段が設けられていることにより、確実にハウジング内の温度を該温度範囲に制御でき、また、より精度よく、試験体表面と液状体の温度を制御できる。
本発明の態様によれば、管状体の端面の周方向に沿って、試験体に対するシール手段である弾性部材が設けられていることにより、試験体表面に当接した管状体の端面と試験体表面との間から、管状体に注入された液状体が漏出することを、確実に防止できる。
本発明の態様によれば、ハウジングの内部に撹拌装置が設けられていることにより、ハウジング内部の温度分布が均一化されるので、試験体表面と液状体の温度を、さらに精度よく制御できる。
本発明の態様によれば、耐食性材料にとって過酷な環境を生じさせることができるので、耐食性材料の微小領域の耐食性評価に用いることにより、耐食性材料の耐腐食性を容易且つ迅速に評価できる。
本発明の実施形態例に係る電気化学計測装置の側面断面図である。 本発明の実施形態例に係る電気化学計測装置に用いるハウジングの蓋部の説明図である。 本発明の実施形態例に係る電気化学計測装置に用いられる管状体の先端部の説明図である。 本発明の実施例の電気化学的特性の測定結果を示すグラフである。 本発明の実施例(試験温度60℃)の光学顕微鏡観察の写真である。
次に、本発明の電気化学計測装置の実施形態例について、図面を用いながら以下に説明する。
図1に示すように、本発明の実施形態例に係る電気化学計測装置1は、試験体100を収容するハウジング10と、ハウジング10と熱的に接続され、ハウジング10を加熱する加熱装置11と、ハウジング10の内部に挿入可能な管状体12と、管状体12内に注入される液状体13と、試験体100を観察する光学顕微鏡観察機能(図示せず)と、を備えている。また、電気化学計測装置1には、試験体100と電気的に接続される作用極用回路23と、液状体13と接触可能な参照電極21と、液状体13と接触可能な、作用極の対極22とを有する電気化学測定部20が設けられている。
ハウジング10は、底面部と側面部からなる本体部14と、本体部14とは別体である平板状の蓋部15と、を有し、ハウジング10の内部は、本体部14と蓋部15によって、外部環境から閉鎖された空間となっている。また、本体部14の底面部に試験体100を載置することで、ハウジング10に試験体100が収容される。
図2に示すように、蓋部15は一枚板であり、その中央部に貫通孔である管状体導入口16が設けられている。管状体導入口16の形状は、管状体12の径方向の形状に対応しており、管状体導入口16の寸法は、管状体12の径方向の寸法に対応、または該寸法よりもやや大きな寸法となっている。従って、管状体導入口16から管状体13をハウジング10内部へ挿入することができる。
ハウジング10の材料としては、電気化学計測時のノイズの原因となる外部電磁波の影響を防止し、かつ良好な熱伝導性を有するものであれば、特に限定されないが、例えば、銅、ニッケル等の金属材料が好ましく、外部電磁波の遮断性能に優れ、優れた熱伝導性を有する点から、銅が特に好ましい。なお、蓋部15は、ハウジング10内部の可視性の点から、上記金属材料に代えて、透明性を有するガラスやプラスチックを用いてもよい。
図1に示すように、電気化学計測装置1には、ハウジング10内部の雰囲気温度を上昇させるための加熱装置11が設けられている。加熱装置11は、ハウジング10の壁面と熱的に接続されており、加熱装置11から発せられた熱がハウジング10の壁面(図1では側面部)へ伝達することで、ハウジング10の壁面が加熱されて昇温する。そして、ハウジング10の壁面が昇温することで、ハウジング10内部の雰囲気温度が上昇し、ひいては、ハウジング10内部に収容された試験体100の温度と、管状体12に注入された液状体13のうち、ハウジング10の内部に挿入された管状体12の部位に注入されている液状体13の温度とが上昇する。加熱装置11としては、例えば、ヒーターを挙げることができる。
また、電気化学計測装置1では、ハウジング10内部の雰囲気温度を均一化するために、ハウジング10内部に撹拌装置17が設けられている。撹拌装置17により、ハウジング10内部に収容されている試験体100と、ハウジング10の内部に挿入された管状体12の部位に注入されている液状体13の昇温状態を、より精度よく制御できる。撹拌装置17としては、例えば、ファンを挙げることができる。
また、電気化学計測装置1では、加熱装置11の出力をコントロールするために、加熱装置制御手段(図示せず)が設けられている。また、ハウジング10内部には、ハウジング10内部の雰囲気温度を測定する温度計18が設けられている。加熱装置制御手段は、温度計18の測定値と予め設定された温度条件に応じて、加熱装置11の出力をコントロールする態様となっている。加熱装置制御手段によって、加熱装置11の出力が制御されるので、ハウジング10内部の雰囲気温度を、電気化学計測装置1の外部環境の温度超液状体13の沸点未満の温度範囲内(具体例としては、室温(25℃)超〜90℃の範囲の温度等)の所定温度に確実に制御できる。この結果、より精度よく、試験体100とハウジング10の内部に存在する液状体13の温度を所望の値に制御できる。
図1、3に示すように、管状体12は、ハウジング10に収容された試験体100の試験領域に、試験溶液である液状体13を接触させるための管状部材である。電気化学計測装置1では、管状体12は、光学顕微鏡観察機能である光学顕微鏡(図示せず)のリボルバー部25に取り付けられている。管状体12の形状は、特に限定されないが、電気化学計測装置1では、長手方向の形状は直線状であり、径方向の形状は円形状となっている。
また、管状体12は、液状体13が貯留されている電気化学計測装置1の液状体貯留部19と連通している。図1では、管状体12は、液状体貯留部19の底部にて、液状体貯留部19と連通している。従って、液状体貯留部19から管状体12へ所要量の液状体13が供給される。蓋部15の管状体導入口16を介してハウジング10内部に挿入された管状体12は、その内部は液状体13で満たされた状態となっている。なお、電気化学計測装置1では、管状体12は、試験体100の光学顕微鏡観察機能の観察面に対して、すなわち、試験体100表面に対して、直交方向から、ハウジング10の内部に挿入される。
ハウジング10の内部に挿入された管状体12の先端部が試験体100表面に当接することで、試験体100表面の所定領域が液状体13と接触する。すなわち、試験体100表面のうち、液状体13が試験体100表面に接触した部位(管状体12の内径に相当する部位)が、試験体100の試験領域となる。従って、試験体100の試験領域は、微小領域である。このとき、加熱手段11によって、ハウジング11内部の雰囲気は所定温度まで昇温しているので、ハウジング10の内部に挿入された管状体12の部位に存在する液状体13も所定温度まで昇温している。
管状体12の材料は、特に限定されないが、例えば、ガラスを挙げることができる。また管状体12の内径の形成する面積は、所望する試験領域の面積に応じて、適宜選択可能であり、例えば、7.0×10−6cm〜5.0×10−2cmを挙げることができ、電気化学的特性の測定安定性と管状体12内部の液状体13の温度変化防止の点から、5.0×10−5cm〜1.0×10−2cmが好ましい。
管状体12の、液状体貯留部19底部と先端部との間の寸法(すなわち、外部に露出している管状体12の長手方向の寸法)に対する、ハウジング10の内部に挿入される管状体12の部位の寸法の割合は、使用状況に応じて適宜選択可能であるが、例えば、試験体100の試験領域の温度と管状体12先端部の液状体13の温度との差異を低減する点から、70%〜95%が好ましく、80%〜90%が特に好ましい。
図3に示すように、管状体12の先端部には、その周方向に沿って、弾性部材24が設けられている。弾性部材24の設けられている管状体12の先端部の端面は、試験体100に当接されることによって封止されるので、弾性部材24は、試験体100に対するシール手段として機能する。従って、試験体100表面に当接した管状体12の先端部と試験体100との間から、管状体12に注入された液状体13が漏出することを、確実に防止できる。
弾性部材24の材料は、特に限定されないが、例えば、エラストマー性の部材を挙げることができ、エラストマー性の部材としては、例えば、シリコーンゴム、ウレタンゴム、オレフィン系エラストマー、塩化ビニル系エラストマー等を挙げることができる。
試験溶液として、所定の温度に加熱された液状体13が、同じく所定の温度に加熱された試験体100表面の所定の試験領域に接触することにより、試験体100が液状体13と反応し、該反応の結果生じる試験体100の電気化学的特性を、試験体100と電気的に接続される作用極用回路23(試験体100が作用極となる)と、液状体13と接触している参照電極21と、同じく液状体13と接触している、作用極の対極22と、を有する電気化学測定部20にて測定することができる。
液状体13の種類としては、試験体100の種類や試験体100の評価内容に応じて適宜選択可能である。例えば、電気化学計測装置1にて、試験体100として耐食性鋼材の耐食性を評価する場合には、塩化ナトリウム水溶液を使用することができる。
電気化学計測装置1では、試験体100を観察するために、光学顕微鏡等の光学顕微鏡観察機能(図示せず)が設けられている。従って、電気化学計測装置1では、液状体13にて処理中と処理後の試験体100の電気化学的特性を電気化学測定部20にて測定するだけでなく、液状体13にて処理する前と液状体13処理後の試験体100の表面状態を光学顕微鏡等の光学顕微鏡観察機能にて観察することができる。例えば、耐食性鋼材の耐食性を評価する際には、腐食部の観察が必要となる場合がある。まず、光学顕微鏡観察機能にて耐食性鋼材の表面を観察することで試験領域を決定する。次に、対物レンズ(図示せず)と液状体13で満たされた管状体12とが取り付けられたリボルバー部25を回転させて、管状体12の先端部の端面を、昇温した雰囲気のハウジング10内部に収容された試験体100表面と対向させる。次に、管状体12を、ハウジング10内部に挿入し、管状体12の先端部を試験体100の試験領域に当接させ、試験体100の試験領域を液状体13で処理する。液状体13で処理後、管状体12をハウジング10から抜き出し、再度、リボルバー部25を回転させて、対物レンズを液状体13で処理後の試験領域と対向させ、該試験領域の腐食状況を、光学顕微鏡観察機能により観察できる。
次に、本発明の電気化学計測装置の使用方法例について、図1、2を用いながら説明する。まず、電気化学計測装置1のステージ26にハウジング10の本体部14を載置し、本体部14内に試験体100を配置する。光学顕微鏡観察機能にて試験体100の表面を観察することで試験領域を決定する。その後、蓋部15を本体部14に載せてハウジング10内部を閉鎖された環境として、試験体100をハウジング10に収容する。加熱装置11と撹拌装置17を稼働させて、ハウジング10内部の雰囲気温度を所定の温度まで上昇させる。
その後、リボルバー部25を回転させて、管状体12の端面を、ハウジング10に収容された試験体100表面を対向させる。次に、ステージ26を上昇させることにより、蓋部15の管状体導入口16から管状体12をハウジング10内部に挿入させて、管状体12の先端部を試験体100の試験領域に当接させ、所定の温度まで昇温している試験体100の試験領域を液状体13で処理する。液状体13で試験体100の試験領域を処理している間、試験体100と電気的に接続した作用極用回路23と、液状体13と接触した参照電極21と、液状体13と接触した、作用極の対極22とを有する電気化学測定部20にて、試験体100の試験領域の電気化学的特性を測定する。試験体100の試験領域を液状体13で処理した後、ステージ26を降下させることにより、管状体12をハウジング10から抜き出す。次に、再度、リボルバー部25を回転させて、対物レンズを液状体13で処理後の試験領域に対向させ、試験領域の状況を、光学顕微鏡観察機能により観察する。
次に、本発明の他の実施形態例について以下に説明する。上記実施形態例では、蓋部は、一枚板の態様であったが、蓋部の態様は、ハウジングの内部を外部環境から閉鎖された空間とし、かつ管状体をハウジングの内部へ挿入できる態様であれば、特に限定されず、一枚板の態様に代えて、例えば、複数の平板状の部材を組み合わせて蓋部を形成してもよい。また、上記実施形態例では、ハウジング内部の雰囲気温度を温度計にて測定していたが、温度制御をより精度よくするために、必要に応じて、さらに試験体の温度を、別途、熱電対等で直接測定してもよい。また、ハウジング内部の雰囲気温度を温度計にて測定する態様に代えて、試験体の温度を、熱電対等で直接測定してもよい。
上記実施形態例では、加熱装置の出力をコントロールする加熱装置制御手段が設けられていたが、例えば、加熱装置の加熱性能とハウジング内部の昇温条件の関係等から加熱装置の出力をコントロールする必要がない場合等には、加熱装置制御手段を設けなくてもよい。
次に、本発明の実施例を説明する。なお、本発明は実施例の記載に限定されるものではない。
試験体として鏡面研摩した二相ステンレス鋼SUS329J3L(20mm×30mm×2mm)を用いた。管状体(キャピラリ)として径方向の形状が円形である内径350μmのガラス管を用いた。液状体貯留部の底部とガラス管先端部との間のガラス管の寸法は50mmとした。なお、管状体の先端部の周方向に沿って弾性部材としてシリコーンゴムを設けた。
ハウジングの寸法は100mm×100mm×30mmであり、ガラス管の、液状体貯留部の底部とガラス管先端部との間の寸法に対する、ハウジングの内部に挿入されるガラス管の部位の寸法の割合は80%とした。また、ハウジングの材料として、本体部、蓋部ともに、銅を使用した。
電気化学測定部として、作用極の対極には白金を、参照電極には銀・塩化銀を、それぞれ、使用した。試験溶液である液状体として、濃度1mol/LのNaCl水溶液を用いた。試験温度は、50℃、60℃及び70℃の3条件とした。
なお、ガラス管先端部に当接した試験体表面温度と試験体表面から10〜15mm離れた位置のハウジング内部の雰囲気温度との差を予め測定したところ、±1℃以内であることが確認された。従って、試験体表面を測温する代わりに、試験体表面温度から10mm離れた位置に温度計を設置することで、試験温度とした。
試験はJIS G 0577に従って、電位を自然電位から高い側へ20mV/minで掃引した。また、試験前後に、試験体表面を光学顕微鏡にて観察した。
60℃及び70℃の試験時における電気化学的特性の結果である電流と電圧の関係を図4に、試験前後の光学顕微鏡観察の結果を図5に、それぞれ、示す。
図4から、本発明の電気化学計測装置では、60℃及び70℃にて、電気化学測定部にて孔食(腐食)発生に伴う急激な電流の増大を検出(すなわち、腐食が発生)した。また、70℃の条件の方が60℃の条件と比較して早く(すなわち、低い電圧にて)急激な電流の増大を検出し、試験時間を短縮化できた。また、試験温度60℃の条件における光学顕微鏡観察の写真である図5から、本発明の電気化学計測装置では、光学顕微鏡での観察にて孔食は介在物を起点とするものであることが判明した。なお、試験温度を50℃とした場合では孔食が発生しなかった。従って、耐食性の試験条件を高温化することで、良好な耐食性を有する二相ステンレス鋼SUS329J3Lに腐食を早期に発生させることができ、結果、耐食性を有する材料の腐食性について、早期に評価することができた。
本発明は、過酷な環境でのみ腐食するような高耐食性材料の孔食起点の解明など、高耐食性材料の腐食現象の解明のための装置として用いることができる。
1 電気化学計測装置
10 ハウジング
11 加熱装置
12 管状体
13 液状体
24 弾性部材

Claims (6)

  1. 試験体を収容するハウジングと、該ハウジングと熱的に接続され、該ハウジングを加熱する加熱装置と、前記ハウジングの内部に挿入可能な管状体と、該管状体内に注入される試験溶液である液状体と、前記液状体にて処理する前と前記液状体処理後の前記試験体を観察する光学顕微鏡観察機能と、前記試験体と電気的に接続される作用極用回路と前記液状体と接触している参照電極と前記液状体と接触している作用極の対極とを有する電気化学測定部と、を備え
    前記電気化学測定部が、前記試験体が前記液状体と反応した結果生じる前記試験体の電気化学的特性を測定し、
    前記管状体は、前記ハウジングに収容された前記試験体の試験領域に、前記液状体を接触させるための管状部材であり、前記管状体の端面が、前記光学顕微鏡観察機能の観察面に対して直交方向から、前記ハウジングの内部に挿入可能であり、
    前記管状体の先端部の端面が、前記試験体に当接されることによって封止される電気化学計測装置。
  2. 前記ハウジングの内部温度を、前記電気化学計測装置の外部環境の温度超前記液状体の沸点未満の温度範囲に昇温を制御する加熱装置制御手段が、さらに設けられている請求項1に記載の電気化学計測装置。
  3. 前記管状体の端面の周方向に沿って、弾性部材が設けられている請求項1または2に記載の電気化学計測装置。
  4. 前記弾性部材が、前記試験体に対するシール手段であり、前記弾性部材の設けられている前記管状体の端面が、前記試験体に当接することによって封止される請求項に記載の電気化学計測装置。
  5. 前記ハウジングの内部に、さらに、該内部の雰囲気を撹拌する撹拌装置が設けられている請求項1乃至のいずれか1項に記載の電気化学計測装置。
  6. 耐食性材料の耐食性評価用である請求項1乃至のいずれか1項に記載の電気化学計測装置。
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