JP6163433B2 - すきま腐食試験方法およびすきま腐食試験装置 - Google Patents

すきま腐食試験方法およびすきま腐食試験装置 Download PDF

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Description

本発明は、すきま腐食試験方法およびすきま腐食試験装置に関し、特に、金属材料に発生するすきま腐食の進展度を評価する、すきま腐食試験方法およびすきま腐食試験装置に関する。
ハロゲン化物イオンを含有する海水、塩水、河川水などの自然水に接するゲート、堰、配管類・海水ポンプなどや、醤油、味噌、食酢、ドレッシングなどの食品製造設備に使用される機器などでは、すきま腐食が問題になることがある。すきま腐食は、例えば、機器類の配管つなぎ目のすきま部や溶接欠陥、ゴミなどの付着物など、ハロゲン化物イオンを含有する溶液等が滞留する部位で発生する。
ハロゲン化物イオン環境中で用いる材料は、従来から、ハロゲン化物の濃度や温度、pHなどによって、炭素鋼、低合金鋼、ステンレス鋼、Ni基合金、Tiなどが使い分けられている。しかし、上述したような機器類は潜在的なすきま構造を有しているため、ハロゲン化物によるすきま腐食などの腐食損傷が懸念される場合には、電気化学的な評価手法、即ち、すきま腐食試験によって適正な材料を選定している。
すきま腐食を電気化学的に評価する方法として、JIS G 0592が知られている。また従来には、腐食すきま再不動態化電位(ER,CREV)と自然ポテンシャル(Esp)を比較対照し、すきま腐食が自発的に発生するかどうかを判定する方法が提案されている(例えば、非特許文献1〜3、参照)。
これらの従来技術は、すきま腐食が発生しないか、発生するかのいずれか一方を評価する方法である。しかし、ハロゲン化物イオン環境下にある構造体の構成部材の一部にすきま腐食が発生しても、面積が狭く、浅い場合、実用的な問題は生じない。したがって、従来の方法では、すきま腐食の広がりや深さ方向への進展、体積の増加など、すきま腐食の経時的な変化を評価することができないという問題がある。
これに対して、透明な物質と試験材との間にすきまを形成し、腐食媒中に浸漬した状態で、すきまの腐食状況を直接観察する試験方法が提案されている(例えば、特許文献1、参照)。この方法によれば、すきま腐食の面積の増加、即ち、二次元的な広がりの経時変化を評価できるが、すきま腐食の深さや体積、形態の時間的変化を評価することはできない。
また、光学顕微鏡の対物レンズと試験材との間を電解液で満たし、電気化学的測定を行いながら、すきま腐食の発生状況を観察する方法が提案されている(例えば、特許文献2、参照)。この方法では、微小な領域の観察及び測定は可能であり、すきま腐食の初期の状態については、その場観察が可能である。
特開昭51−147386号公報 特開2012−154783号公報
辻川茂男、久松敬弘:防食技術、29,37(1980). 明石正恒、辻川茂男:材料と環境、45,106(1996). 腐食防食協会報告:材料と環境、47,100(1998).
構成部材のすきま腐食による損傷を予測するには、腐食の初期状態だけでなく、ある程度、腐食が進行するまでにおけるすきま腐食の広がりや深さの進展、体積の増加など、すきま腐食の経時的な状態変化を評価することが求められる。しかし、特許文献2の方法では微小領域しか観察できないため、ある程度腐食が進展した状態になると、その場観察が難しくなる。
本発明は、このような実情に鑑み、すきま腐食の深さ、体積、形態など、すきま腐食による腐食損傷の程度の経時変化を評価できる、すきま腐食試験方法及び装置を提供するものである。
本発明者らは、SUS304鋼やSUS316L鋼などの各種ステンレス鋼を試験材として自然海水中に長時間浸漬し、発生したすきま腐食損傷を詳細に解析した。その結果、試験材に存在するすきま内のいたる所で、全面腐食的に活性溶解している部位と、孔食的に腐食している部位とが混在した腐食形態となる場合が非常に多いことがわかった。そして、すきま腐食による損傷を評価する場合、個々の腐食部位の深さや形態を論ずることは、実用上ほとんど意味が無く、すきま腐食の進展性を、すきま構造全体におけるすきま腐食の特性値として捉えるべきとの見解に至ったのである。
次に、本発明者らは、典型的なハロゲン化物イオン環境として自然界に多量に存在する海水を選び、これを模擬した人工海水中での種々のステンレス鋼のすきま腐食進展挙動の動的観察を実施した。
具体的には、棒状の透明な物質と金属試料との間に人工的なすきまを設けて、同時に電気化学測定を行うものである。
まず、金属試料と石英ガラス製ロッドとを、両者間にわずかな隙間を有するよう配置させて、石英ガラス製ロッドを通じて試料表面を観察するとともに、金属試料を種々の電位に定電位的に保持し、すきま腐食の面積の測定と同時に、金属試料に流れるアノード電流を精密に計測した。その結果、実用上、極めて重要な、すきま部全体のすきま腐食の進展性を明確にすることに成功した。
本発明はこのような知見に基づいてなされたものであって、その要旨は、以下のとおりである。
[1] ハロゲン化物溶液が充填された試験槽と、
前記試験槽の一方の側面から、一部が前記試験槽の外側に露出するように嵌入された透明材料からなるすきま腐食観察用ロッドと、
前記試験槽の内側において、前記すきま腐食観察用ロッドの一端との間にすきま構造が形成されるよう配置された金属試料と、
前記試験槽の外側に配置され、前記すきま腐食観察用ロッドの一端と前記金属試料の間に発生したすきま腐食が観察可能なすきま腐食観察手段と、
を具備してなることを特徴とするすきま腐食試験装置。
[2] 前記金属試料には電位差計が接続されていることを特徴とする上記[1]に記載のすきま腐食試験装置。
[3] 前記金属試料と対向するように前記試験槽内に設けられるとともに、前記すきま腐食観察用ロッドが貫通する貫通孔が形成された対極を備え、前記対極及び前記金属試料は、前記試験槽の外部に備えた電位制御測定手段に接続されてなることを特徴とする上記[1]または[2]に記載のすきま腐食試験装置。
[4] 前記すきま腐食観察用ロッドは、両端面が鏡面研磨された石英ガラス製であることを特徴とする上記[1]〜[3]の何れか一項に記載のすきま腐食試験装置。
[5] ハロゲン化物溶液が充填された試験槽と、
前記試験槽の一方の側面から、一部が前記試験槽の外側に露出するように嵌入された透明材料からなるすきま腐食観察用ロッドと、
前記試験槽の内側において、前記すきま腐食観察用ロッドの一端との間にすきま構造が形成されるよう配置された金属試料と、
前記試験槽の外側に配置されたすきま腐食観察手段と、
を具備してなるすきま腐食試験装置を用いて、
前記すきま腐食観察手段によって、前記すきま腐食観察用ロッドを通じて、前記すきま腐食観察用ロッドの一端と前記金属試料の間に発生したすきま腐食を観察し、当該すきま腐食の面積を測定することを特徴とするすきま腐食試験方法。
[6] 前記すきま腐食試験装置において、前記金属試料と対向するように前記試験槽内に設けられるとともに、前記すきま腐食観察用ロッドが貫通する貫通孔が形成された対極を備え、前記すきま腐食観察用ロッドは、前記試験槽の一方の側面から、前記貫通孔を貫通するよう嵌入され、前記対極及び前記金属試料は、前記試験槽の外部に備えた電位制御測定手段に接続されており、
前記電位制御測定手段によって、前記対極と前記金属試料との間に一定のアノード電位を印加するか、又は電位をアノード方向に動電位的に掃引しながら、前記すきま腐食観察手段によって、前記すきま腐食観察用ロッドを通じて、前記すきま腐食の面積を測定することを特徴とする上記[5]に記載のすきま腐食試験方法。
[7] 前記金属試料に接続された前記電位制御測定手段によってアノード電流値を求め、前記すきま腐食の体積を算出することを特徴とする上記[6]に記載のすきま腐食試験方法。
本発明によれば、実用上、極めて重要な、すきま部全体のすきま腐食の進展性、即ち、すきま腐食の深さ、体積、形態など、すきま腐食による腐食損傷の程度の経時変化を評価することができるすきま腐食試験方法及びすきま腐食試験装置を提供できる。更に、本発明を採用することにより、種々の腐食環境に応じて適正に材料を選定することが可能になり、また、各材料が使用可能な腐食環境を明確にできるなど、産業上の貢献が極めて顕著である。
本発明のすきま腐食試験装置の一例を説明するための概略側面図であり、自然浸漬状態での測定方法を説明する図である。 本発明のすきま腐食試験装置の一例を説明するための概略側面図であり、定電位法又は動電位法での測定方法を説明する図である。 本実施形態に係る金属試料の形状の例とすきま構造を説明する図である。 本実施形態のすきま腐食試験方法で観察されたすきま腐食の一例を示す図である。 本実施形態のすきま腐食試験方法による、すきま腐食の観察及び電気化学測定の一例を示す図である。 平均すきま腐食深さの算定方法を説明する図である。 金属試料の板厚方向のすきま腐食形態を推定する方法を説明する図である。 本実施例における、すきま腐食面積の経時変化と定電位値の影響を示す図である。 本実施例における、平均すきま腐食深さの経時変化と定電位値の影響を示す図である。 本実施例における、平均すきま腐食体積の経時変化と定電位値の影響を示す図である。 本実施例における、すきま腐食面積と平均すきま腐食深さの関係および定電位値の影響を示す図である。
図1に、本発明のすきま腐食試験装置の一例である本実施形態に係るすきま腐食試験装置100を示す。なお、図1は、すきま腐食試験装置100の構成を説明するための概略側面図である。
本実施形態に係るすきま腐食試験装置100は、ハロゲン化物溶液4が充填された試験槽2と、試験槽2の一方の側面2aから、一部が試験槽2の外側に露出するように嵌入された透明材料からなるすきま腐食観察用ロッド1と、試験槽2の内側において、すきま腐食観察用ロッド1の一端1aとの間にすきま構造が形成されるよう配置された金属試料5と、試験槽2の外側に配置され、すきま腐食観察用ロッド1の一端1aと金属試料5の間に発生したすきま腐食が観察可能なすきま腐食観察手段7と、を具備してなることを特徴とする。
以下、本実施形態に係るすきま腐食試験装置100の各構成要件について説明する。
すきま腐食観察用ロッド1は、金属試料5との間に生じたすきま(間隙)においてすきま腐食を発生させ、かつ、試験槽2の外部に設けられたすきま腐食観察手段7によって観察を可能とするために、透明な物質からなる棒状体である。
すきま腐食観察用ロッド1は、試験槽2の一方の側面2aに設けられた穴2cから嵌入されている。また、試験槽2内に充填されたハロゲン化物溶液4の穴2cからの漏洩を防止するため、穴2cとすきま腐食観察用ロッド1との間は水密性シール材3が充填されている。また、すきま腐食観察用ロッド1の一端1aは、試験槽2内に配置された金属試料5との間にすきま構造が形成されるように配置されている。すきま腐食観察用ロッド1の一端1aと金属試料5との間には、人工的に極わずかな隙間が設けられている。なお、隙間の寸法(すきま腐食観察用ロッド1の一端1aと金属試料5の離間距離)は特に限定しないが、すきま腐食を発生させる観点から40μm以下とすることができる。
なお、本発明におけるすきま構造は、すきま腐食観察用ロッド1の一端1aと金属試料5との間にすきま腐食を発生させるためのものであり、すきま腐食観察用ロッド1の一端1aと金属試料5の一部が接触していても良い。
試験槽2内にハロゲン化物溶液4を満たすと、すきま腐食観察用ロッド1の一端1aと金属試料5のすきま腐食観察用ロッド1側の一面5aとの間にすきまが形成され、すきま腐食観察用ロッド1と対向する金属試料5の一面5aの部位(すきま形成部6)にすきま腐食が発生する。
発生したすきま腐食は後述するすきま腐食観察手段7によって観察するが、すきま腐食を精度よく、かつ安定的に観察するためには、すきま腐食観察手段7を試験槽2の外部、つまりハロゲン化物溶液4より隔離しなければならない。そこで、本実施形態では、金属試料5の一面5aとの間にすきま構造を介して配置させてすきまを形成するすきま腐食観察用ロッド1を、透明な物質で形成し、かつその他端1bを試験槽2の外側に突出させる(他端1bを含む一部を試験槽2外に露出させる)ことにより、すきま腐食観察手段7を試験槽2外の大気中に配置させることができ、ハロゲン化物溶液4と隔離することができる。
すきま腐食観察用ロッド1は、光を透過する透明な材質のものであればその種類は問わないが、その中でも石英ガラスが好適である。また、すきま腐食観察用ロッド1の材料は、ハロゲン化物イオンを含む液体との接触及び反応などによって、劣化やくもりなどが生じないものが好ましく、例えば、パイレックスガラス、鉛ガラスなどガラス類やアクリル、ポリカーボネイトなどの樹脂類、ホタル石、人工ルビーや人工ジルコンなどの鉱石や人工鉱石類でもよい。また、すきま腐食観察用ロッドの両端1a、1bを鏡面研磨仕上げにしておくと、金属試料5の表面5aに発生するすきま腐食の観察が容易になる。
すきま腐食観察用ロッド1の形状は、試験槽2の外部からすきま腐食観察用ロッド1を通じて内部を観察するため、棒状とする。すきま腐食観察用ロッド1の断面の形状は問わないが、すきま腐食観察手段7の撮像面に合わせることが好ましい。つまり、例えばすきま腐食観察手段7の撮像面の形状が円形ならば、すきま腐食観察用ロッド1の断面形状も円形とすることが好ましい。この場合、すきま腐食観察用ロッド1の断面の直径は、すきま腐食観察手段7の撮像面及び金属試料5の寸法に応じて、適宜、決定すればよい。なお、すきま腐食の広がりを観察するという観点からは、すきま腐食観察用ロッド1の断面の直径は、10mm以上が好ましく、試験槽2を小型化するという観点からは、30mm以下が好ましい。
試験槽2の外部には、金属試料5の表面5aのすきま腐食の発生及び進展を観察するために、すきま腐食観察手段7が配置される。すきま腐食観察手段7の配置位置は、採用する観察手段によって適宜決定してよいが、例えば、図1及び図2に示すように、試験槽2の穴2cから突出したすきま腐食観察用ロッド1の他端1bと向き合うように、すきま腐食観察手段7を配置してよい。すきま腐食観察用ロッド1は透明な材料からなり、その一端1aが金属試料5の表面5aにわずかな隙間を介して配置されているので、すきま腐食観察手段7によって、試験槽2の外部から金属試料5の表面5aに発生するすきま腐食を観察することができる。
すきま腐食観察手段7は、金属試料5に発生したすきま腐食を撮像し、記録する手段であり、例えば、銀塩カメラ、CCDカメラを使用することができる。特に、測定時間の経過と簡便に同期できるインターバル機能付き自動焦点デジタルカメラを用いることが、測定データ類の精度上、好ましい。また、すきま腐食の進行の様子を記録できるデジタルビデオカメラを用いることがより好ましい。
試験槽2の材質は、内部を目視できるように、透明な石英ガラス製セルが好適である。また、水密シール材3としては、シリコンゴム栓が好適であるが、バルカーテープなどを巻いて水密性で保持したテフロン製やポリカーボネイト製の水密シール材を用いることができる。
また、金属試料5は、試験槽2の上方から吊り下げられる形態で設置されているが、金属試料5とすきま腐食観察用ロッド1との間に生じる微小厚みであるすきまを形成させるために、金属試料5を安定的に固定できる固定部材を設けることが好ましい。例えば、金属試料5のすきま腐食観察用ロッド1と反対側の表面(他面)5bに、試験槽2の他方の側面2bより金属試料5に向かって嵌入されたテフロン製のローレットを設置することが好ましい。
図1に示すように、金属試料5にリード線9を介して電位差計(不図示)に接続してもよい。このように、金属試料5に電位計を接続して自然電位を測定すれば、すきま腐食の進行に伴う電位の変化を測定することができる。
次に、図1に示した本実施形態に係るすきま腐食試験装置100の変形例であるすきま腐食試験装置200について、図2を用いて説明する。なお、図2は、本発明のすきま腐食試験装置の一例である本実施形態に係るすきま腐食試験装置200を説明するための概略側面図であり、定電位法又は動電位法での測定方法を説明する図である。
なお、図2においては、図1に示したすきま腐食試験装置100で示した部材と同一の部材については同一の符号を付して示している。
金属試料5とすきま腐食観察用ロッド1との間のすきまですきま腐食が発生する際には、金属試料5が溶解する。この溶解量を定量的に求めることで、金属試料5の板厚方向での腐食形態をすきま構造全体の特徴として捉えることが可能になる。そこで、図2に示したように、試験槽2内において、金属試料5に対向するようにして対極11を設置するとともに、金属試料5及び対極11を試験槽2の外部に設けられた電位制御測定手段(図示しない)に接続することが好ましい。なお、対極11は、すきま腐食観察用ロッド1が貫通する貫通孔11aが形成されており、すきま腐食観察用ロッド1は、当該貫通孔11aと試験槽2の穴2cより試験槽2内へ嵌入されている。
対極11は、試験槽2中にあって、金属試料5に対向し、かつ金属試料5対して平行に試験槽2の上方から吊り下げられる形態で設けられている。また、対極11は、通常の電気化学測定と同様、白金電極を使用することができる。
金属試料5及び対極11と接続されている電位制御測定手段は、いわゆるポテンショスタットであり、金属試料5には例えばリード線9をハンダなどによって固定し、接続することができる。また、金属試料5と対向させて設置する対極11には、金属試料5の表面5aを観察することができるように、貫通穴11aを設けて、すきま腐食観察用ロッド1を貫通させる。また、電気化学測定は、参照電極10を試験槽内に設置して行う。
なお、対極11の平面形状は特に限定せず、円形、矩形等の形状を採用できる。また、対極の寸法についても特に限定しないが、過度に大きな厚みであると参照電極10の設置を阻害しかねないため、試験槽2の寸法等を考慮し適宜設計する。
図2に示すすきま腐食試験装置200によれば、すきま腐食観察手段7及び電位制御測定手段に接続された対極11を備えるため、すきま腐食の進行を撮像しながら、例えば、定電位法による電流−時間曲線の測定及び動電位法によるアノード分極曲線の測定を行うことができる。この場合、対極11である白金電極の面積によって金属試料5に流すことが可能な最大アノード電流が規制される。そのため、対極11としては、金属試料5の総面積以上の、できるだけ大きな白金電極の使用が好ましく、最適な電流分布を確保するために金属試料5に対して平行に、かつ金属試料5の真正面に白金電極を配置することが好ましい。
次に、図1に示したすきま腐食試験装置100、及び図2に示したすきま腐食試験装置200に共通する、金属試料5の形状、及び金属試料5とすきま腐食観察用ロッドとの間に形成されるすきまについて、図3を用いて説明する。なお、図3は、金属試料5の形状、及び、金属試料5の表面5aとすきま腐食観察用ロッド1との間に形成されるすきまを模式的に示す図であって、図3(a)は、図1および図2の矢印方向からみた概略図(ローレット8は省略)、図3(b)は側面概略図である。また、図3(a)、(b)中のLは、金属試料の高さ、Wは幅、tは厚みを示し、Dはすきま腐食観察用ロッド1の断面の直径を示している。
すきま腐食観察用ロッド1と対向する金属試料5の表面5aの部位をすきま形成部6という。金属試料5の形状は、例えば、25×50×2〜4mmの板状である。
金属試料5の全面は、♯400番のエメリー紙を用いて湿式研磨(湿式♯400番研磨という。)し、あらかじめ30%硝酸、50℃の溶液に約1h間浸漬することが好ましい。これは、金属試料5の表面全体を不動態化させ、すきま形成部6以外の部位から発生する腐食を防止するためである。電気化学測定を行う場合は、金属試料5の上端にリード線9をハンダで固定する。
次に、図1に示したすきま腐食試験装置100を用いて行うすきま腐食試験方法について説明する。
具体的には、上述してきたようなすきま腐食試験装置100を用い、すきま腐食観察手段7によって、すきま腐食観察用ロッド1を通じて、すきま腐食観察用ロッド1の一端1aと金属試料5の間に発生したすきま腐食を観察し、当該すきま腐食の面積を測定する。
すきま腐食試験の直前には、すきま形成部6側の金属試料5の一面5aを湿式♯400番研磨する。そして金属試料5を試験槽2に設置し、試験溶液であるハロゲン化物溶液をすきま形成部6に塗布して、直径20φmmの石英ガラス製のすきま腐食観察用ロッド1を押しつけると同時に、すきま腐食観察用ロッド1と反対側の金属試料5の他面5bをテフロン製のローレット8で押さえつけ固定する。
なお、金属試料5の上端にリード線9をハンダで固定して、上述のように試験槽2内に設置した場合、リード線9と金属試料5を試料電極という。また、後述するが、図2に示したように、前記試料電極及び対極11をポテンショスタットに接続すると、定電位法による電流−時間曲線の測定及び動電位法によるアノード分極曲線の測定を行うことができる。
図1に示したすきま腐食試験装置100を用いたすきま腐食試験方法のように、電気化学測定を行わない場合、自然浸漬状態でのすきま腐食の観察を行うことができる。
典型的なステンレス鋼であるSUS304鋼やSUS316L鋼を試験片として自然海水中で長時間曝露した場合、試験片のすきま構造を解析する際に、まず、最初に注目されるのは、試験片においてどの程度の面積が腐食しているかということである。腐食部位の面積的な広がりは直接視覚に訴えるものであり、腐食の程度を大まかに判断する重要な要素である。
図4に、ハロゲン化物溶液を人工海水として、図1に示したすきま腐食試験装置100を用いたすきま腐食試験方法を採用し、発生したすきま腐食を観察した結果の一例を示す。図4(a)は撮像ままの試料表面の画像であり、図4(b)はすきま腐食損傷と判断された部分を黒塗り処理した結果である。
図4(a)に示す撮像ままの画像で、金属光沢を維持している部分(金属光沢部12)を、すきま腐食損傷なしと判断し、金属光沢を維持しておらず、変色した部分及び灰色や黒色に見える部分(変色部13)は、すきま腐食損傷ありと判断する。
具体的には、まず、図4(b)に示すように、図4(a)においてすきま腐食損傷ありと判断した変色部13を黒塗り(この操作を黒塗り処理という)した。その後、黒塗り処理後の画像に対して、コンピューターを用いて白黒二値化による画像処理を行い、すきま腐食の総面積の計測を実施することにより、すきま形成部におけるすきま腐食面積を求めることができる。なお、すきま腐食観察手段としてインターバル機能付き自動焦点デジタルカメラを用いて、等間隔、例えば10s間隔で、すきま形成部を撮影し、すきま腐食面積を測定すると、面積の増加によってすきま腐食の進行状況を評価することができる。
次に、図2に示したすきま腐食試験装置200を用いて行うすきま腐食試験方法により、すきま腐食の観察と同時に電気化学測定を行う場合について説明する。
図5は、ハロゲン化物溶液を25℃の人工海水に空気を飽和させた条件とし、499mVの電位E(標準水素電極基準、「mVvs.SHE」で示し、単にmVで表記する場合もある。)にて定電位電解を行った、SUS304鋼(金属試料)の電流−時間曲線と、すきま腐食の観察結果(黒塗り処理後の画像)を併せて示す。なお、図5の縦軸の電流は、試料電極に流れた全アノード電流である。図5に示すように、すきま腐食の発生が目視で観測された後(すきま腐食発生の目視観測位置、tVI)、ある時点を境に急激に電流が増加し、これに応じてすきま腐食が広がり、進行することがわかる。
ここで、上述のように、すきま腐食面積により、視覚的に腐食進行の程度を大まかに判断することができる一方、すきま腐食深さは、材料(金属試料)のすきま腐食による減肉量を直接表す量であり、材料の腐食に対する寿命を判断するために重要なパラメータである。
すきま形成部の至る所で腐食損傷が起こっている場合、通常は、金属試料の板厚を貫通するか否かが材料寿命を決定する。そのため、材料の寿命を、すきま形成部内の特定のすきま腐食部の最大深さ(最大すきま腐食深さ)で評価するのが一般的である。したがって、すきま腐食を、すきま構造全体のすきま腐食特性として把握する観点からすると、個々のすきま腐食の深さよりも、平均的なすきま腐食深さ(平均すきま腐食深さ)の方が重要であると考えられる。以下に、平均すきま腐食深さについて説明する。
図5に示した黒塗り処理後の画像(黒塗り画像ともいう。)を白黒二値化し、画像処理を行うと、時々刻々と変化するすきま形成部に対するすきま腐食部分の占める面積ACREVを求めることができ、さらにアノード電流の解析結果と併せると、平均すきま腐食深さDmeanを算出することができる。ただし、金属試料に流れた全アノード電流は、全て金属試料の溶解に費やされるものと仮定する。また、すきま腐食が生じていない部位(金属光沢部分)におけるアノード電流は、無視しうるほど小さく、実質的に0とみなす。
平均すきま腐食深さDmeanの算定方法を図6に模式的に示す。
平均すきま腐食深さDmeanは、アノード電流I及びすきま腐食面積ACREVから電気量Qを求めて、ファラデーの法則に基づいて算定する。すきま腐食面積ACREVは、すきま形成部に発生したすきま腐食の面積であり、上述の黒塗り画像処理によって求める。電気量Qは、アノード電流Iの積分値をすきま腐食面積ACREVで除して求める。
具体的には、図6に示すように、すきま腐食の発生が目視で観察される時間tVIに対応した電流Iを基点として、次の観測点1(観測時間t)に対応した電流Iまでの観測区間のアノード電流の積分値qを、tの時点におけるすきま腐食面積Aで除した値を電気量Qとする。
このように、基点とする観測点0(tVI)から観察点1(観測時間t)までの観測区間に流れたアノード電流の積分値をtの時点におけるすきま腐食面積Aで除した値を、単位すきま腐食面積当たりの電気量Q1とし、これを一般化して他の任意の観測区間にまで拡張すれば、任意の観測区間における単位すきま腐食面積当たりの電気量Qは下記(1)式で示されることになる。ここで、tは定電位電解時間、Q[C/mm]は、任意の観測区間t=0からt=t,t,t・・・tの間に流れた単位面積当たりの電気量、I[A]は任意の観測区間内における全アノード電流、及びACREV(t)[mm]は任意の観測区間におけるすきま腐食面積である。
なお、観測区間のアノード電流の積分値qは、シンプソン法による台形近似式を用いて計算してもよいが、精度の高い積算電気量計(クーロンメーター)を使用して計算することが望ましい。
以上のようにして算出した観測区間ごとのQの累積値と、Faradayの法則とにより、任意の観測点における平均すきま腐食深さDmeanを求めることができる。具体的には、その観測点までに累積した電気量ΣQから、下記(2)式にしたがって求められる。
ここで、Dmean(t)[mm]は、すきま腐食が発生してからの任意の時間における平均すきま腐食深さである。Mは金属試料として採用した金属材料の原子量(g/mol)、nは当該金属材料がn価の金属イオンとなって溶解するときの価数、また、FはFaraday定数で96485C/mol/nで与えられる。さらに、dは金属材料の密度である。例えば金属試料としてSUS304鋼を用いた場合、これらの値はM=55.8g/mol、n=2、及びd=0.00793g/mmである。
次に、すきま腐食面積ACREVと平均すきま腐食深さDmeanとの関係を模式的に示すと、図7のようになる。なお、図7(a)は、すきま腐食面積ACREVと平均すきま腐食深さDmeanとの関係を示すグラフであり、図7(b)は、すきま腐食の進行と、すきま腐食の形態を模式的に示した図である。図7(b)中においては、金属試料5のすきま形成部6を含む領域の板厚方向の断面図を示している。
すきま腐食の進行とともにすきま腐食面積及び平均すきま腐食深さが増加するが、すきま腐食の初期には、すきま腐食面積ACREVが増加しても、平均すきま腐食深さDmeanがほとんど変化しない領域が存在する。この領域ではすきま腐食は比較的均一に進行するものと推定される(図7(b)中の(1)「均一的」腐食形態)。
その後、ある定電位値に依存したすきま腐食面積ACREVを過ぎると、平均すきま腐食深さDmeanがすきま腐食面積ACREVの増加とともに増大する挙動を示すようになる。また、この挙動の勾配は定電位値が貴な電位ほど大きくなる。
図7に示すような、平均すきま腐食深さDmeanとすきま腐食面積ACREVとの直線関係において、その勾配が意味するところは、以下のように考えられる。
まず、勾配がより小さい場合では、平均すきま腐食深さDmeanの増加よりもすきま腐食面積ACREVの増加の方が大きいのであるから、すきま形成部において、試料表面に沿った横方向(平面方向)へのすきま腐食の広がりがより強いことを意味し、板厚方向としては「より半楕円的」なすきま腐食形態となる(図7(b)中の(2)参照)。
次に、勾配がより大きい場合では、平均すきま腐食深さDmeanの増加よりもすきま腐食面積ACREVの増加の方が小さいのであるから、深さ方向への腐食進展が強くなることを示すので、板厚方向としては「より半円的」なすきま腐食形態となる(図7(b)中の(3)参照)。
さらに、勾配が大きくなり、すきま腐食面積ACREVの増加に対して、平均すきま腐食深さDmeanが著しく増加する場合は、板厚方向としては「より円柱的」なすきま腐食形態となることが推定される(図7(b)中の(4)参照)。
このように、本発明のすきま腐食試験装置及びそれを用いたすきま腐食試験方法によれば、すきま腐食の発生の有無の判断だけでなく、すきま腐食面積の増加を評価することができる。さらに、電気化学測定と組み合わせることにより、板厚方向での腐食形態をすきま構造全体の特徴として捉えることが可能になる。また、定電位値を一定にして、溶液の種類や濃度を変化させれば、すきま腐食に及ぼす腐食環境の影響を評価することができる。また、定電位値並びに溶液の種類及び濃度を一定にして、試験材(金属試料)を変えると、ある特定の腐食環境で、すきま腐食が発生し難い材料を選定することが可能になる。
(実施例1)
図2に示したすきま腐食試験装置200を用いて、ハロゲン化物溶液を人工海水、金属試料の材料をSUS304としてすきま腐食の発生及び進行状況を観察して、すきま腐食面積を測定し、同時に、ポテンショスタットを用いて定電位電解を行い、電流−時間曲線を測定した。
具体的にはまず、試験片(金属試料)は、図3に示すように、25×50×2〜4mmの寸法とし、試料全面を湿式♯400番研磨し、試料全体を30%硝酸、50℃の溶液に約1h間浸漬した。また、試験片の上端にリード線をハンダで固定し、すきま形成部側の試験片面を湿式♯400番研磨した。
次に、試験溶液である人工海水を金属試料のすきま形成部に塗布して、石英ガラス製の試験槽内で、直径20φmmの石英ガラス製のすきま腐食観察用ロッドを押し付け、同時にすきま腐食観察用ロッドとは反対側の試験片面をテフロン製ローレットで押さえ付け、固定した。
次に、試験片のすきま形成部側の面に対向して、白金電極(対極)を配置し、参照電極を用いて、試料電極を人工海水に浸漬し、約10分間自然電位を測定した。その後、定電位電解装置を用いて、それぞれ、299mV、399mVおよび499mVに試料電極を定電位的に保持し、同時に、インターバル機能付き自動焦点デジタルカメラを用いて、石英ガラス製ロッドを通じてすきま形成部を10s間隔で撮影した。
すきま形成部に生じたすきま腐食面積は、得られた撮影画像においてすきま腐食損傷ありと判断した部分を黒塗り処理し、コンピューターを用いて白黒二値化による画像処理を行い、求めた。
図8に、人工海水中で測定したSUS304鋼のすきま腐食面積ACREVの経時変化に及ぼす定電位値の影響を示す。定電位電解時間がある程度経過すると、すきま腐食面積ACREVは一様に増加している。また、定電位値が貴な電位ほど、すきま腐食面積ACREVが立ち上がってから(増大し始めてから)の勾配が大きくなることから、貴な電位で保持されるほど、すきま腐食速度(すきま腐食面積増加速度)は増加することが分かる。
このことから、定電位値が貴な電位であることは、腐食環境が厳しいことを意味すると考えられ、すきま腐食面積増加速度は、材料のすきま腐食進展性を示す重要な指標である。
(実施例2)
ハロゲン化物溶液を人工海水、金属試料をSUS304鋼とした上記実施例1の結果から、図6によって説明した方法で、平均すきま腐食深さDmeanを求めた。図9に、得られた平均すきま腐食深さDmeanの経時変化に及ぼす定電位値の影響を示す。いずれの定電位値で電解した場合においても、ある程度電解が進むと、平均すきま腐食深さDmeanが急激に立ち上がることが分かる。また、平均すきま腐食深さDmeanが急激に立ち上がるまでの時間は、定電位値が貴な電位ほど短縮している。さらに定電位値が貴な電位ほど平均すきま腐食深さDmeanが立ち上がってからの勾配が大きくなることが分かる。この勾配は直接的に平均すきま腐食速度(厚み減少速度)に対応することから、すきま腐食進展性の指標となる。
(実施例3)
すきま腐食面積ACREVと平均すきま腐食深さDmeanとの積は、平均すきま腐食体積Vmeanであり、すきま腐食の程度を表す量である。図10に、上記実施例1及び実施例2の結果より求めた平均すきま腐食体積Vmeanの経時変化に及ぼす定電位値の影響を示す。
いずれの定電位値で電解した場合においても、ある程度電解が進むと、平均すきま腐食体積Vmeanが急激に立ち上がるまでの時間は定電位値が貴な電位ほど短くなることが分かる。また、定電位値が貴な電位ほど、平均すきま腐食体積Vmeanが立ち上がってからの勾配が急激になることから、平均すきま腐食速度(体積減少速度)が大きくなることを意味している。すきま腐食体積減少速度もまた、材料のすきま腐食進展性を示す一つの指標となる。
(実施例4)
図11に、実施例1及び2で得られたすきま腐食面積ACREVと平均すきま腐食深さDmeanの関係に及ぼす定電位値の影響を示す。
いずれの定電位値においても、すきま腐食面積ACREVが増加しても、平均すきま腐食深さDmeanがほとんど変化しない初期の領域が存在し、この領域ではすきま腐食は比較的均一に進行するものと推定される(図7(b)の(1)参照)。また、ある程度、すきま腐食面積ACREVが大きくなると、平均すきま腐食深さDmeanがすきま腐食面積ACREVの増加とともに増大する挙動を示し、勾配は定電位値が貴な電位ほど大きくなる。
このような傾向は、図7に定性的に示した結果と一致している。したがって、図11において、定電位値E=299mVの場合は、E=399mVやE=499mVの場合に比較して「より楕円的なすきま腐食形態」になっていると推定される。一方、E=499mVの場合は、E=399mVやE=299mVの場合に比較して「より半円的なすきま腐食形態」として板厚方向のすきま腐食形態であると推定される。
本発明は、人工海水だけでなく、自然海水環境の他、醤油環境や淡水環境にも広く適用することができるので、すきま腐食に及ぼす腐食環境の影響を評価することが可能になる。そのため、ある材料が、どのような腐食環境に適用できるか、判断することができる。また、ある特定の腐食環境で、すきま腐食が進展し難い材料を選定することが可能になる。したがって、本発明によれば、腐食環境に応じて、適正な材料を選定することができるようになる。
1 ・・・ すきま腐食観察用ロッド
2 ・・・ 試験槽
3 ・・・ 水密性シール材
4 ・・・ ハロゲン化物溶液(試験溶液)
5 ・・・ 金属試料(試験片)
6 ・・・ すきま形成部
7 ・・・ すきま腐食観察手段
8 ・・・ 固定部材(ローレット)
9 ・・・ リード線
10 ・・・ 参照電極
11 ・・・ 対極(白金電極)
11a ・・・ 貫通孔
12 ・・・ 金属光沢部
13 ・・・ 変色部
100、200 ・・・ すきま腐食試験装置

Claims (7)

  1. ハロゲン化物溶液が充填された試験槽と、
    前記試験槽の一方の側面から、一部が前記試験槽の外側に露出するように嵌入された透明材料からなるすきま腐食観察用ロッドと、
    前記試験槽の内側において、前記すきま腐食観察用ロッドの一端との間にすきま構造が形成されるよう配置された金属試料と、
    前記試験槽の外側に配置され、前記すきま腐食観察用ロッドの一端と前記金属試料の間に発生したすきま腐食が観察可能なすきま腐食観察手段と、
    を具備してなることを特徴とするすきま腐食試験装置。
  2. 前記金属試料には電位差計が接続されていることを特徴とする請求項1に記載のすきま腐食試験装置。
  3. 前記金属試料と対向するように前記試験槽内に設けられるとともに、前記すきま腐食観察用ロッドが貫通する貫通孔が形成された対極を備え、前記対極及び前記金属試料は、前記試験槽の外部に備えた電位制御測定手段に接続されてなることを特徴とする請求項1または2に記載のすきま腐食試験装置。
  4. 前記すきま腐食観察用ロッドは、両端面が鏡面研磨された石英ガラス製であることを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載のすきま腐食試験装置。
  5. ハロゲン化物溶液が充填された試験槽と、
    前記試験槽の一方の側面から、一部が前記試験槽の外側に露出するように嵌入された透明材料からなるすきま腐食観察用ロッドと、
    前記試験槽の内側において、前記すきま腐食観察用ロッドの一端との間にすきま構造が形成されるよう配置された金属試料と、
    前記試験槽の外側に配置されたすきま腐食観察手段と、
    を具備してなるすきま腐食試験装置を用いて、
    前記すきま腐食観察手段によって、前記すきま腐食観察用ロッドを通じて、前記すきま腐食観察用ロッドの一端と前記金属試料の間に発生したすきま腐食を観察し、当該すきま腐食の面積を測定することを特徴とするすきま腐食試験方法。
  6. 前記すきま腐食試験装置において、前記金属試料と対向するように前記試験槽内に設けられるとともに、前記すきま腐食観察用ロッドが貫通する貫通孔が形成された対極を備え、前記すきま腐食観察用ロッドは、前記試験槽の一方の側面から、前記貫通孔を貫通するよう嵌入され、前記対極及び前記金属試料は、前記試験槽の外部に備えた電位制御測定手段に接続されており、
    前記電位制御測定手段によって、前記対極と前記金属試料との間に一定のアノード電位を印加するか、又は電位をアノード方向に動電位的に掃引しながら、前記すきま腐食観察手段によって、前記すきま腐食観察用ロッドを通じて、前記すきま腐食の面積を測定することを特徴とする請求項5に記載のすきま腐食試験方法。
  7. 前記金属試料に接続された前記電位制御測定手段によってアノード電流値を求め、前記すきま腐食の体積を算出することを特徴とする請求項6に記載のすきま腐食試験方法。
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