JP6660812B2 - 廃液の処理方法及び廃液の処理装置 - Google Patents

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Description

本発明は、フッ素、ホウ素及びケイ素のうち少なくともいずれか1種を含む廃液の処理方法及び処理装置の技術に関する。
一般に、ガラス加工(液晶のノングレア加工)、半導体のエッチング、金属の表面処理等を行う工場においては、フッ酸(フッ化水素酸)が使用されている。具体的には、小型液晶用ガラス基板のエッチング工程、半導体製造プロセスにおいてシリカ(SiO)絶縁膜を剥離する工程、Siウエハを用いたデバイス製造工程等でフッ酸が用いられる。
これらの工程では、製品に不具合を与えないように、フッ酸含有処理液中の不純物量が一定量を超える前に処理液の一部が廃液として引き抜かれる。当該廃液は、例えば、1〜50質量%のフッ酸、さらには、ケイ素やホウ素、及びそれらとフッ素の化合物(ケイフッ酸、四フッ化ホウ素等)やそれらの懸濁物質等を含み、そのまま環境中に放流することができないため、廃液の処理が必要となる。
例えば、特許文献1には、廃液からフッ酸を回収する方法が開示されている。特許文献1によれば、資源回収の点で有効であるが、高度な処理を要するため、設備費が高額となること、分離した不純物の処理が別途必要であること等の問題がある。
また、例えば、特許文献2〜4には、フッ素を含む廃液を水酸化カルシウムで中和し、フッ化カルシウムの固形物を生じさせ、固形物を沈殿・ろ過等により固液分離する方法が開示されている。
また、特許文献5には、ケイフッ化物及びホウフッ化物を含む廃液に、ナトリウム塩又はカリウム塩を添加し、ケイフッ化ナトリウムまたはケイフッ化カリウムの固形物を生じさせ、固形物をろ過により固液分離後、ろ液にアルミニウム塩及びカルシウム化合物を添加し、ホウフッ化物を含むフッ素化合物の固形物を生じさせ、再度ろ過等で固液分離する方法が開示されている。
特開2013−095629号公報 特開2007−38162号公報 特開2001−276851号公報 特開2002−254086号公報 特開2004−283736号公報
特許文献2〜4の方法では、廃液に、フッ素以外にホウ素やケイ素が含まれる場合、フッ化カルシウムの固形物は得られるが、液相には固形物化し難いホウフッ化物或いはケイフッ化物が含まれるため、固液分離後のろ液には、放流基準以上となるフッ素、ホウ素が含まれる場合がある。
また、特許文献5の方法では、フッ素、ホウ素、ケイ素を効率的に固形物化することができるため、固液分離後のろ液中のフッ素、ホウ素、ケイ素を低減させることは可能であるが、固液分離には、反応で生成した固形物及び反応のために添加した薬剤等を含めた液全量をろ過するための大型のろ過装置(フィルタープレス等)が必要となる。
そこで、本発明の目的は、フッ素、ホウ素及びケイ素のうち少なくともいずれか1種を含む廃液の処理において、大型のろ過装置を必要とすることなく、当該処理において生成した固形物を含む反応液の固液分離処理(濃縮又は脱水処理)を可能とする廃液の処理方法及び処理装置を提供することである。
本実施形態の一態様は、硫酸イオンの存在下で、フッ素、ホウ素及びケイ素のうち少なくともいずれか1種を含む廃液とアルミニウム塩とカルシウム化合物とを混合し、固形物を生成する廃液の処理方法であって、前記混合中に生じる反応熱を利用して、前記固形物を含む反応液を蒸発させ、濃縮又は脱水した固形物を得、前記濃縮又は脱水した固形物を押出機にて脱液する廃液の処理方法である。
前記廃液の処理方法において、前記アルミニウム塩は硫酸アルミニウム溶液又はその酸性溶液であり、前記カルシウム化合物は、水酸化カルシウム、酸化カルシウム、またはそれらの混合物の粉末であることが好ましい。
前記廃液の処理方法において、前記廃液と混合する前記カルシウム化合物の量は、前記廃液中のフッ素、ホウ素及びケイ素の総モル量に対してカルシウムのモル量で0.6倍以上であり、前記アルミニウム塩の量は、前記廃液中のフッ素、ホウ素及びケイ素の総モル量に対してアルミニウムのモル量で0.07倍以上であることが好ましい。
前記廃液の処理方法において、前記廃液はアンモニア又はアンモニウムイオンを含み、前記固形物を含む反応液を蒸発させる際に生成するアンモニアガスを分解処理することが好ましい。
本実施形態の一態様は、硫酸イオンの存在下で、フッ素、ホウ素及びケイ素のうち少なくともいずれか1種を含む廃液とアルミニウム塩とカルシウム化合物とを混合し、固形物を生成する廃液の処理装置であって、前記混合中に生じる反応熱を利用して、前記固形物を含む反応液を蒸発させることにより、濃縮又は脱水した固形物が得られ、前記濃縮又は脱水した固形物を押出機にて脱液する廃液の処理装置である。
また、前記廃液の処理装置において、前記アルミニウム塩は硫酸アルミニウム溶液又はその酸性溶液であり、前記カルシウム化合物は、水酸化カルシウム、酸化カルシウム、またはそれらの混合物の粉末であることが好ましい。
また、前記廃液の処理装置において、前記廃液と混合する前記カルシウム化合物の量は、前記廃液中のフッ素、ホウ素及びケイ素の総モル量に対してカルシウムのモル量で0.6倍以上であり、前記アルミニウム塩は、前記廃液中のフッ素、ホウ素及びケイ素の総モル量に対してアルミニウムのモル量で0.07倍以上であることが好ましい。
また、前記廃液の処理装置において、前記廃液はアンモニア又はアンモニウムイオンを含み、前記固形物を含む反応液を蒸発させる際に生成するアンモニアガスを分解処理するアンモニアガス処理手段を備えることが好ましい。
本発明によれば、フッ素、ホウ素及びケイ素のうち少なくともいずれか1種を含む廃液の処理において、大型のろ過装置を必要とすることなく、当該処理において生成した固形物を含む反応液の固液分離処理(濃縮又は脱水処理)を可能とする廃液の処理方法及び処理装置を提供することができる。
本実施形態に係る廃液処理システムの構成の一例を示す模式図である。 本実施形態に係る廃液処理システムの構成の他の一例を示す模式図である。
本発明の実施の形態について以下説明する。本実施形態は本発明を実施する一例であって、本発明は本実施形態に限定されるものではない。
図1は、本実施形態に係る廃液処理システムの構成の一例を示す模式図である。図1に示す廃液処理システム1は、廃液流入ライン10、混合槽12及び押出機14を備える処理装置、アルミニウム塩貯留槽16、アルミニウム塩注入ライン18及びアルミニウム塩注入ポンプ20を備えるアルミニウム塩添加装置、硫酸貯留槽22、硫酸注入ライン24及び硫酸注入ポンプ26を備える硫酸添加装置、カルシウム化合物貯留槽28、カルシウム化合物注入ライン30及びカルシウム化合物注入ポンプ32を備えるカルシウム化合物添加装置を有する。また、図1に示す廃液処理システム1は、フッ素ガス排出ライン34、フッ素ガス吸着装置36を備えている。フッ素ガス吸着装置36には、例えば炭酸水素ナトリウム等を主成分とするフッ化水素吸着剤等が充填されている。
アルミニウム塩貯留槽16内にはアルミニウム塩溶液が貯留されており、また、硫酸貯留槽22内には硫酸溶液又は硫酸塩溶液が貯留されている。カルシウム化合物貯留槽28内には、カルシウム化合物の粉末が貯留されている。カルシウム化合物注入ポンプ32は、例えば粉体移送用ポンプであり、内部にはスクリュー機構が設けられている。なお、カルシウム化合物貯留槽28内には、カルシウム化合物溶液が貯留されていてもよく、カルシウム化合物注入ポンプ32は、例えば溶液移送用ポンプであってもよい。
図1に示す混合槽12内には、撹拌機38が設置されている。撹拌機38は、例えば、モーターにより回転する回転軸、当該回転軸の回転に伴って回転する撹拌翼等から構成される。また、混合槽12底部に押出機14が設置されている。押出機14の内部にはスクリュー機構が設けられている。
また、アルミニウム塩注入ライン18の一端はアルミニウム塩貯留槽16に接続され、他端は、アルミニウム塩注入ポンプ20を介して混合槽12に接続されている。また、硫酸注入ライン24の一端は硫酸貯留槽22に接続され、他端は硫酸注入ポンプ26を介して混合槽12に接続されている。また、カルシウム化合物注入ライン30の一端はカルシウム化合物貯留槽28に接続され、他端はカルシウム化合物注入ポンプ32を介して混合槽12に接続されている。混合槽12の上部には、フッ素ガス排出ライン34が接続されている。フッ素ガス排出ライン34には、フッ素ガス吸着装置36が設置されている。
本実施形態に係る廃液処理システム1の動作の一例について説明する。
本実施形態の処理対象廃液は、フッ素、ホウ素、ケイ素のうち少なくともいずれか1種を含む廃液であるが、以下では、フッ素、ホウ素及びケイ素を含む廃液を例に説明する。
フッ素、ホウ素及びケイ素を含む廃液(以下、単に廃液と称する場合がある)は、廃液流入ライン10を通り混合槽12に供給される。硫酸注入ポンプ26を作動させることで、硫酸貯留槽22内の硫酸溶液又は硫酸塩溶液が硫酸注入ライン24から混合槽12に供給される。また、アルミニウム塩注入ポンプ20を作動させることで、アルミニウム塩貯留槽16内のアルミニウム塩溶液がアルミニウム塩注入ライン18を通り混合槽12に供給される。さらに、カルシウム化合物注入ポンプ32を作動させることで、カルシウム化合物貯留槽28内のカルシウム化合物の粉末がカルシウム化合物注入ライン30を通り混合槽12に供給される。そして、混合槽12内では、撹拌機38により、廃液、硫酸、アルミニウム塩、カルシウム化合物が混合される。これにより、フッ素はカルシウムと反応しフッ化カルシウムの固形物を形成する。また、カルシウム、アルミニウム、硫酸イオン、水が反応し、その他の固形物を形成する。当該固形物の化学形態は充分に明らかでないが、例えば、エトリンガイド(3CaO・Al・3CaSO・32HO)のような物質が形成されると考えられる。以下、カルシウム、アルミニウム、硫酸イオン、水が反応して生成される固形物を、Ca/Al/SO/HO固形物と称する。廃液中のホウ素及びケイ素は、Ca/Al/SO/HO固形物等に取り込まれる(例えば吸着される)。なお、上記これらの反応により、フッ化水素ガス等が発生する場合があるが、フッ化水素ガス等は、フッ素ガス排出ライン34を経由して、フッ素ガス吸着装置36に供給され、フッ化水素吸着剤により、フッ化水素ガス等が吸着される。
溶液の混合中においては、Ca/Al/SO/HO固形物等の固形物形成等に伴う反応熱が発生する。また、カルシウム化合物として酸化カルシウムを用いた場合には、酸化カルシウムが水和する際に発熱する。そして、廃液と混合するアルミニウム塩、カルシウム化合物、硫酸イオンの割合が高いほど、反応熱による熱の発生量は多く、例えば、80℃以上、場合によっては沸騰する温度まで水温が上昇する。そして、この溶液混合中の反応熱を利用して、混合槽12内の水分(固形物を含む反応液)を蒸発させる。混合槽12内では、溶液混合による上記反応を継続し、固形物を含む反応液の蒸発を進行させることにより、混合槽12内で、濃縮又は脱水された固形物が得られる。本実施形態では、最終的に得られる固形物の含水率が、例えば、85%以下、好ましくは70%以下、より好ましくは65%以下となるまで濃縮又は脱水することが可能である。
混合槽12内の濃縮又は脱水固形物は押出機14を通り不図示の汚泥貯留槽に移送され、所定量溜まった段階で廃棄物処分される。また押出機14内で固形物から分離された脱離液は不図示の貯留槽に蓄えられ、例えば、混合槽12に返送される。
このようにして、本実施形態では、溶液混合中の反応熱を利用して、固形物を含む反応液を蒸発させ、濃縮又は脱水した固形物を得ることができるため、大型のろ過装置を必要とすることなく、反応液の固液分離処理(濃縮又は脱水処理)が可能となる。さらに、本実施形態では、混合槽12内の反応液はほとんど蒸発するため、無排水システムとすることも可能である。
図2は、本実施形態に係る廃液処理システムの構成の他の一例を示す模式図である。図2に示す廃液処理システム2において、図1に示す廃液処理システム1と同様の構成については同一の符号を付し、その説明を省略する。図2に示す廃液処理システム2は、第1混合槽12a、第2混合槽12b、第1混合槽12aと第2混合槽12bとの間に設けられる反応液移送ライン40を備えている。
第1混合槽12a及び第2混合槽12b内には撹拌機38a,38bが設けられている。第1混合槽12a内に設けられる撹拌機38aは、例えば、モーターにより回転する回転軸、当該回転軸の回転に伴って回転する撹拌翼等から構成される。第2混合槽12bには、第1混合槽12aから粘度の高い反応液が送液されるため、第2混合槽12b内に設けられる撹拌機38bは、第1混合槽12aに設けられる撹拌機38aより撹拌力の強いものが好ましく、例えば、モーターにスクリュー機構が取り付けられたスクリュー式撹拌機等が挙げられる。
また、図2に示す廃液処理システム2は、ミストセパレータ42、スチームエジェクタ44、加熱機46、アンモニアガス処理装置48、脱硝装置50を備えている。これらの機器は、アンモニアガス排出ライン(52a,52b,52c,52d,52e)に設置されている。
本実施形態に係る廃液処理システム2の動作の一例について説明する。
フッ素、ホウ素及びケイ素を含む廃液は、廃液流入ライン10を通り第1混合槽12aに供給される。硫酸注入ポンプ26を作動させることで、硫酸貯留槽22内の硫酸溶液又は硫酸塩溶液が硫酸注入ライン24から第1混合槽12aに供給される。また、アルミニウム塩注入ポンプ20を作動させることで、アルミニウム塩貯留槽16内のアルミニウム塩がアルミニウム塩注入ライン18を通り第1混合槽12aに供給される。さらに、カルシウム化合物注入ポンプ32を作動させることで、カルシウム化合物貯留槽28内のカルシウム化合物の粉末がカルシウム化合物注入ライン30を通り第1混合槽12aに供給される。そして、第1混合槽12a内では、撹拌機38aにより、原水、硫酸、アルミニウム塩、カルシウム化合物が混合され、フッ化カルシウムの固形物やCa/Al/SO/HO固形物等が形成される。第1混合槽12a内では、溶液混合中の固形物形成に伴う反応熱等により、固形物を含む反応液が蒸発する。そして、粘度上昇した反応液が、反応液移送ライン40を通り、第2混合槽12bに供給される。第1混合槽12a内で発生したフッ化水素ガス等はフッ素ガス吸着装置36により処理され、処理後のガスが第2混合槽12bに供給される。
第2混合槽12b内では、撹拌機38bにより、反応液が混合される。これにより、更なる固形物の形成が進行し、反応液の蒸発が促進され、第2混合槽12b内で、濃縮又は脱水された固形物が得られる。第2混合槽12b内の濃縮又は脱水固形物は、押出機14を通り不図示の汚泥貯留槽に移送され、所定量溜まった段階で廃棄物処分される。また押出機14内で固形物から分離された脱離液は不図示の貯留槽に蓄えられ、例えば、第1混合槽12aに返送される。
例えば、ガラスエッチング工程から排出される廃液にはアンモニア又はアンモニウムイオンが含まれる場合がある。アンモニア又はアンモニウムイオンが含まれる場合には、反応液の蒸発と共にアンモニアガスが発生する。発生したアンモニアガスは、アンモニアガス排出ライン52aを通りミストセパレータ42に供給され、ガス中の水分が除去される。水分が除去されたアンモニアガスは、アンモニアガス排出ライン52bを通り、スチームエジェクタ44により吸引加圧され、加熱機46に送られる。なお、除去された水分は、例えば、第2混合槽12bに返送される。加熱機46に供給されたアンモニアガスは、例えば200℃以上に加熱され、アンモニアガス排出ライン52cを通り、アンモニアガス処理装置48に供給される。なお、加熱機46から排出されたアンモニアガスが所定温度未満の場合には、例えば、スチームエジェクタ44を介して再度加熱機46に供給され、再加熱される。アンモニアガス処理装置48には、白金/アルミナ触媒等のアンモニア分解触媒が充填されており、当該触媒により、アンモニアガスが窒素と水蒸気等に分解される。また、アンモニア分解の過程で、窒素酸化物等が生成する場合があるが、アンモニアガス処理装置48から排出された窒素酸化物等を含むガスは、アンモニアガス排出ライン52dを通り、脱硝装置50に供給される。脱硝装置50には、酸化チタンや酸化バナジウム等を担持した窒素酸化物分解触媒等が充填されており、当該触媒により、窒素酸化物等が分解される。脱硝装置50から排出されるガスは浄化ガスとして、アンモニアガス排出ライン52eから系外へ排出される。
以下に、廃液の処理条件について説明する。
廃液中のフッ素は、例えば、フッ酸、フッ化物イオン、ホウフッ化物等の形態で含まれている。廃液中のホウ素は、例えば、ホウ酸、ホウフッ化物等の形態で含まれている。廃液中のケイ素は、例えば、シリカ、ケイフッ酸等の形態で含まれている。但し、フッ素、ホウ素、ケイ素は上記の形態で存在している場合に制限されるものではなく、他の形態で存在していてもよい。廃液中の上記成分濃度は特に制限されるものではないが、例えば、廃液中のフッ素濃度は1重量/体積%〜30重量/体積%、ホウ素濃度は0.1重量/体積%〜1重量/体積%、ケイ素濃度は1重量/体積%〜5重量/体積%の範囲である。
アルミニウム塩は、硫酸アルミニウム溶液、ポリ塩化アルミニウム溶液、塩化アルミニウム溶液等が挙げられ、液中に、水酸化アルミニウムの固形物が存在せず、添加アルミニウムが有効に反応に利用される等の観点から、それらの酸性溶液等が好ましい。本実施形態の廃液処理では、硫酸イオンの存在が必要であるため、硫酸アルミニウム溶液又はその酸性溶液がより好ましい。アルミニウム塩として硫酸アルミニウム溶液を使用する場合には、必ずしも硫酸溶液又は硫酸塩溶液を添加する必要はない。但し、ポリ塩化アルミニウム溶液、塩化アルミニウム溶液等を使用する場合には、硫酸溶液又は硫酸塩溶液を添加する必要がある。
カルシウム化合物は、例えば、水酸化カルシウム、酸化カルシウム等が挙げられ、反応時の水量をできるだけ少なくする等の観点から、水酸化カルシウム、酸化カルシウム、及びそれらの混合物の粉末であることが好ましい。また、例えば、廃液中のフッ素濃度が5質量%以上である場合には、フッ化カルシウムの生成による反応熱が大きいため、水和熱をほとんど発生しない水酸化カルシウムでよく、5質量%未満では、フッ化カルシウムの生成による反応熱が低いので、水酸化カルシウムと酸化カルシウムとの混合物を使用して、酸化カルシウムの水和熱を利用し、水分の蒸発を促進することが好ましい。
廃液と混合するアルミニウム塩の量は、廃液中のフッ素、ホウ素、ケイ素の総モル量に対してアルミニウムのモル量で0.07倍以上とすることが好ましく、0.075倍以上とすることがより好ましい。また、廃液と混合するカルシウム化合物の量は、廃液中のフッ素、ホウ素、ケイ素の総モル量に対してカルシウムのモル量で0.6倍以上とすることが好ましく、0.65倍以上とすることがより好ましい。硫酸イオンは、添加したアルミニウムの1.5倍以上のモル量で存在させることが好ましい。アルミニウム塩、カルシウム塩、硫酸イオンの量が上記範囲を満たさない場合、Ca/Al/SO/HO固形物等の固形物の生成が不十分となり、固形物形成に伴う反応熱を利用した反応液の蒸発が促進されない場合がある。
混合槽は、固形物形成前の粘度の低い液を混合するための混合槽(第1混合槽12a)と、固形物形成後の粘度が上昇した液(反応液)を混合するための混合槽(第2混合槽12b)との複数槽が好ましい。前段の混合槽及び撹拌機等は、耐酸性、耐腐食性を有する材質(ポリテトラフルオロエチレン等)でコーティングされていることが好ましい。後段の混合槽や撹拌機等の材質は、耐摩耗性、耐孔食性を有する材質(二相ステンレス等)とすることが好ましい。
以下、実施例を挙げ、本発明をより具体的に詳細に説明するが、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
表1に示す水質のガラスエッチング廃液を使用した。
Figure 0006660812
内面をPTFEで被覆した2L容器に、上記廃液を1L入れ、硫酸アルミニウム溶液(8%Al)を、廃液中のフッ素、ケイ素、ホウ素の総モル量に対してアルミニウムのモル量で0.079倍となるように廃液に添加し、水酸化カルシウムの粉末を、廃液中のフッ素、ケイ素、ホウ素の総モル量に対してカルシウムのモル量で0.68倍となるように廃液に添加した後、撹拌機で2時間撹拌した。
撹拌中(反応中)、反応液は100℃に達し、反応液の蒸発が著しく進行した。反応が進行するにつれ、容器内の反応液の粘度が上昇し、2時間後には、湿潤固形物しか存在せず、液体は存在しなかった。当該固形物の含水率を測定した結果、65%であった。すなわち、投入した廃液から、濃縮または脱水された固形物が得られた。なお、反応中、排ガス検知管により、アンモニアガスが検知された。
当該固形物を容器から取り出し、「産業廃棄物に含まれる金属等の検定方法(昭和48年2月17日環境庁告示第13号)」による汚泥溶出試験を実施し、固形物から溶出した溶出液中のフッ素、ホウ素、アンモニア性窒素濃度及びpHを測定した。その結果を表2に示す。
Figure 0006660812
汚泥溶出試験の結果、固形物から溶出した溶出液中のフッ素、ホウ素、アンモニア性窒素濃度はいずれも低い値を示した。この結果から、固形物の間隙水にフッ素等が溶存した状態でほとんど存在しておらず、フッ化カルシウムやエトリンガイド様物質と結合した状態で存在していると考えられる。したがって、屋外での保管や埋め立て処分において、固形物が雨等に曝されても、固形物からフッ素等が溶出し難いと考えられる。なお、アンモニアに関しては、固形物に取り込まれず、ほとんどガスとして大気に放出されたものと考えられる。したがって、アンモニア分解触媒により分解することが望ましい。
1,2 廃液処理システム、10 廃液流入ライン、12 混合槽、12a 第1混合槽、12b 第2混合槽、14 押出機、16 アルミニウム塩貯留槽、18 アルミニウム塩注入ライン、20 アルミニウム塩注入ポンプ、22 硫酸貯留槽、24 硫酸注入ライン、26 硫酸注入ポンプ、28 カルシウム化合物貯留槽、30 カルシウム化合物注入ライン、32 カルシウム化合物注入ポンプ、34 フッ素ガス排出ライン、36 フッ素ガス吸着装置、38,38a,38b 撹拌機、40 反応液移送ライン、42 ミストセパレータ、44 スチームエジェクタ、46 加熱機、48 アンモニアガス処理装置、50 脱硝装置、52a〜52e アンモニアガス排出ライン。

Claims (8)

  1. 硫酸イオンの存在下で、フッ素、ホウ素及びケイ素のうち少なくともいずれか1種を含む廃液とアルミニウム塩とカルシウム化合物とを混合し、固形物を生成する廃液の処理方法であって、
    前記混合中に生じる反応熱を利用して、前記固形物を含む反応液を蒸発させ、濃縮又は脱水した固形物を得、前記濃縮又は脱水した固形物を押出機にて脱液することを特徴とする廃液の処理方法。
  2. 前記アルミニウム塩は硫酸アルミニウム溶液又はその酸性溶液であり、前記カルシウム化合物は、水酸化カルシウム、酸化カルシウム、またはそれらの混合物の粉末であることを特徴とする請求項1に記載の廃液の処理方法。
  3. 前記廃液と混合する前記カルシウム化合物の量は、前記廃液中のフッ素、ホウ素及びケイ素の総モル量に対してカルシウムのモル量で0.6倍以上であり、前記アルミニウム塩の量は、前記廃液中のフッ素、ホウ素及びケイ素の総モル量に対してアルミニウムのモル量で0.07倍以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載の廃液の処理方法。
  4. 前記廃液はアンモニア又はアンモニウムイオンを含み、
    前記固形物を含む反応液を蒸発させる際に生成するアンモニアガスを分解処理することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の廃液の処理方法。
  5. 硫酸イオンの存在下で、フッ素、ホウ素及びケイ素のうち少なくともいずれか1種を含む廃液とアルミニウム塩とカルシウム化合物とを混合し、固形物を生成する廃液の処理装置であって、
    前記混合中に生じる反応熱を利用して、前記固形物を含む反応液を蒸発させることにより、濃縮又は脱水した固形物が得られ、前記濃縮又は脱水した固形物を押出機にて脱液することを特徴とする廃液の処理装置。
  6. 前記アルミニウム塩は硫酸アルミニウム溶液又はその酸性溶液であり、前記カルシウム化合物は、水酸化カルシウム、酸化カルシウム、またはそれらの混合物の粉末であることを特徴とする請求項5に記載の廃液の処理装置。
  7. 前記廃液と混合する前記カルシウム化合物の量は、前記廃液中のフッ素、ホウ素及びケイ素の総モル量に対してカルシウムのモル量で0.6倍以上であり、前記アルミニウム塩の量は、前記廃液中のフッ素、ホウ素及びケイ素の総モル量に対してアルミニウムのモル量で0.07倍以上であることを特徴とする請求項5又は6に記載の廃液の処理装置。
  8. 前記廃液はアンモニア又はアンモニウムイオンを含み、
    前記固形物を含む反応液を蒸発させる際に生成するアンモニアガスを分解処理するアンモニアガス処理手段を備えることを特徴とする請求項5〜7のいずれか1項に記載の廃液の処理装置。
JP2016108463A 2016-05-31 2016-05-31 廃液の処理方法及び廃液の処理装置 Active JP6660812B2 (ja)

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