JP6659164B2 - リニア駆動装置、レンズ鏡筒及び撮像装置 - Google Patents

リニア駆動装置、レンズ鏡筒及び撮像装置 Download PDF

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Description

本発明は、リニア駆動装置、レンズ鏡筒及び撮像装置に関する。
デジタル一眼レフカメラ等の撮像装置による撮影シーンには、被写体の動く方向が頻繁に変化する撮影シーンや撮像装置自体が大きな動きを伴う撮影シーンがあり、このような撮影シーンでは被写体に対するオートフォーカス機能に対して高い応答性が要求される。このような要求に対して、例えば、オートフォーカスレンズの駆動機構に振動型アクチュエータを用いることにより、静粛性、高速駆動性、高速で動く被写体に対するオートフォーカスでの高い追従性等を得ることができる。レンズ駆動に用いられる振動型アクチュエータとして、板状の弾性体と圧電素子とを接合してなる振動体に高周波振動を発生させ、振動体と加圧接触している摩擦部材を摩擦駆動し、振動体と摩擦部材とを相対的に移動させるものが知られている。
図11(a)は、振動型アクチュエータを用いた従来のレンズ駆動装置の一例の概略構成を示す斜視図であり、図11(b)は、レンズ駆動装置の一部を拡大して示す平面図である。このレンズ駆動装置では、被駆動部材であるレンズ保持部材913は、レンズ912を保持し、連結部材915を介して振動型アクチュエータの可動部材905に連結されており、2本のガイド部材911と摺動可能に嵌合している。可動部材905はX方向に移動可能に構成されており、可動部材905の移動に伴ってレンズ保持部材913がガイド部材911に案内されてX方向に移動する構造となっている。ここで、連結部材915は、付勢部材916によって、レンズ保持部材913に対して矢印C方向に付勢されている(特許文献1参照)。
特開2015−133864号公報
しかし、図11に示したレンズ駆動装置は、レンズ保持部材913を矢印C方向と同じ+X方向に駆動するときの応答性は高いが、その反対方向の−X方向に駆動する際に応答性が低下してしまうという問題がある。すなわち、レンズ保持部材913を+X方向に駆動するために可動部材905を+X方向に駆動する加減速時には、連結部材915はレンズ保持部材913に対して+X方向に推力を与える。この推力の方向と付勢部材916によって連結部材915が付勢される矢印C方向とは同じ方向であるため、レンズ保持部材913は可動部材905に追従して移動することで高い応答性が得られる。一方、レンズ保持部材913を−X方向に駆動するために可動部材905を−X方向に駆動する加減速時には、連結部材915は付勢部材916を介してレンズ保持部材913に対して矢印H方向に推力を与える。矢印H方向の推力と矢印C方向の付勢力とは逆方向であるため、矢印H方向の推力が矢印C方向の付勢力よりも大きくなると、付勢部材916が圧縮されてしまい、レンズ保持部材913が可動部材905に追従して移動することができなくなる。つまり、図11に示したレンズ駆動装置では、レンズ保持部材913を−X方向に駆動する際に応答性が低下することがある。
なお、付勢部材916を用いずに、可動部材905とレンズ保持部材913とを連結部材915により固着接合すれば、レンズ保持部材913を+X方向と−X方向のどの方向に駆動した場合でも、高い応答性を得ることができると考えられる。しかし、可動部材905、連結部材915及びレンズ保持部材913の各部品間に動きの自由度を与えない構造としてしまうと、各部品に極めて高い寸法精度が要求されると共に、極めて高い精度で部品を組み付ける必要がある。そして、この要求が満たされないときには、レンズ保持部材913をスムーズにX方向に駆動することができなくなってしまうため、現実的な対応策とは言えない。
本発明は、被駆動部材の駆動方向に関わりなく応答性を向上させたリニア駆動装置を提供することを目的とする。
本発明に係るリニア駆動装置は、被駆動部材と、第1の駆動源と、前記第1の駆動源と前記被駆動部材とを連結し、前記第1の駆動源の駆動力を前記被駆動部材に伝達する第1の連結部材と、第2の駆動源と、前記第2の駆動源と前記被駆動部材とを連結し、前記第2の駆動源の駆動力を前記被駆動部材に伝達する第2の連結部材と、前記第1の連結部材を前記被駆動部材に対して第1の方向に付勢して前記第1の連結部材と前記被駆動部材とを加圧接触させる第1の付勢手段と、前記第2の連結部材を前記被駆動部材に対して前記第1の方向の反対方向に付勢して前記第2の連結部材と前記被駆動部材とを加圧接触させる第2の付勢手段と、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、応答性に優れたリニア駆動装置を実現することができる。
本発明の実施形態に係るレンズ駆動装置を構成する振動型アクチュエータの概略構成を示す分解斜視図である。 図1の振動型アクチュエータを備える、第1実施形態に係るレンズ駆動装置の概略構成を示す平面図、正面図、平面図の一部拡大図及び矢視B−B断面図である。 図2のレンズ駆動装置を有する撮像装置の概略構成を示すブロック図である。 図3の撮像装置のオートフォーカス制御を説明するフローチャートである。 図2のレンズ駆動装置を構成する第1アクチュエータ及び第2アクチュエータの周波数特性を示す図である。 図2のレンズ駆動装置を構成する第1アクチュエータ及び第2アクチュエータの駆動力を調整するための周波数補正方法を説明する図である。 図2のレンズ駆動装置を構成する第1アクチュエータ及び第2アクチュエータの周波数特性を示す図である。 第2実施形態に係るレンズ駆動装置の概略構成を示す正面図及び部分拡大図である。 第1実施形態に係るレンズ駆動装置において第1の付勢部材及び第2の付勢部材によりレンズ保持部材に作用する付勢力を説明する正面図である。 第3実施形態に係るレンズ駆動装置において第1の付勢部材及び第2の付勢部材によりレンズ保持部材に作用する付勢力を説明する正面図である。 振動型アクチュエータを用いた従来例のレンズ駆動装置の概略構成を示す斜視図と、レンズ駆動装置の一部を拡大して示す平面図である。
以下、本発明の実施形態について、添付図面を参照して詳細に説明する。ここでは、本発明に係るリニア駆動装置の一例として、撮像装置のレンズ鏡筒に設けられたレンズを光軸方向に駆動するレンズ駆動装置を取り上げることとする。
図1(a)は、本発明の実施形態に係るレンズ駆動装置を構成する振動型アクチュエータ100の概略構成を示す分解斜視図である。説明の便宜上、振動型アクチュエータ100に対して、互いに直交するX方向(X軸)、Y方向(Y軸)及びZ方向(Z軸)を、図1(a)に示す通りに定める。X方向(第1の方向)は、後述する摩擦部材1と振動体2との相対的な移動方向である。Z方向(第2の方向)は、摩擦部材1と振動体2とを加圧接触させるために振動体2を摩擦部材1に対して加圧する加圧方向であり、振動体2から摩擦部材1への向きを+Z方向、摩擦部材1から振動体2への向きを−Z方向と定義する。Y方向は、X方向及びZ方向に直交する方向となる。図1(b)は、振動型アクチュエータ100のZX断面図である。図1(c)は、振動型アクチュエータ100を構成する振動体2の斜視図である。
振動型アクチュエータ100は、摩擦部材1、振動体2、保持部材3、加圧部材4、可動部材5、固定部材6、転動部材7、天板8、緩衝部材9、加圧板10及びローラー11を備える。摩擦部材1は、振動体2と加圧接触して振動体2から摩擦駆動力を受ける摺動面1aを有する部材であり、固定部材6に固定されている。
振動体2は、弾性体2aと圧電素子2bを有する。弾性体2aは、薄板状の矩形形状を有し、長手方向端であるX方向端には、保持部材3と連結される腕部2a2が設けられている。弾性体2aの一方の面には、矩形板状の圧電素子2bが接着剤等により接合されている。弾性体2aにおいて圧電素子2bが接着されている面の反対側の面には、X方向に所定の間隔で2つの突起部2a1が設けられている。ここでは、図1(b)に示されるように、突起部2a1は、弾性体2aに対してプレス加工等を行うことにより、弾性体2aと一体的(連続的)に形成されている。なお、突起部2a1は、溶接等によって弾性体2aに接合されていてもよい。突起部2a1の先端面が、摩擦部材1の摺動面1aと加圧接触する。保持部材3には振動体2の腕部2a2が固定され、これにより振動体2は保持部材3に保持される。
電気−機械エネルギ変換素子である圧電素子2bには、不図示の2相の電極が設けられている。振動体2に2つの固有振動モードの振動が所定の位相差で励起されるように、不図示のフレキシブル基板を通じて交流電圧が圧電素子2bの各電極に印加される。これにより、突起部2a1にZX面内での楕円運動が生じ、突起部2a1が摩擦部材1を摩擦駆動する。このとき、腕部2a2を固有振動モードの節となる位置に設けることによって、振動体2に生じる振動が保持部材3によって抑制されることが回避され、逆に、振動体2に生じる振動が保持部材3に伝達されるのを抑制することができる。なお、本実施形態では、後述するように、突起部2a1が摩擦部材1を摩擦駆動するときの反力により、固定された摩擦部材1に対して振動体2がX方向に相対的に移動する。また、振動体2に励起される2つの固有振動モードは、特に限定されるものではないが、例えば、一次の面外曲げ振動モードと、二次の面外曲げ振動モードが挙げられる。これらの固有振動モードの振動励起方法は周知であるので、ここでの説明を省略する。
可動部材5は、ローラー11を介して保持部材3と係合している。そのため、保持部材3は、可動部材5に対して、X方向での移動は規制されるが、Z方向では移動は規制されない。可動部材5は、球面突起状の動力伝達部5aを有している。動力伝達部5aは、後述するレンズ保持部材と連結される。加圧部材4は、振動体2を摩擦部材1に対して加圧する部材であり、Z方向の一端は可動部材5の作用面5bに、Z方向の他端は加圧板10の作用面10aと接触している。加圧部材4は、加圧板10及び緩衝部材9を介して、振動体2に加圧力を作用させて、振動体2を摩擦部材1に加圧接触させる。このとき、加圧部材4と振動体2との間に緩衝部材9を介在させることで、振動体2に生成する振動を阻害することなく、振動体2を摩擦部材1に対して加圧することができる。
天板8は、ネジ等を用いて固定部材6に固定されている。可動部材5と天板8の間には転動部材7が配置されている。転動部材7は、X方向に延びるように可動部材5に設けられた案内溝5cと天板8に設けられた案内溝8aとに挟まれている。転動部材が案内溝5c,8aに案内されながら転動することにより、加圧部材4の加圧力によって可動部材5と天板8との間に生じる摺動負荷を軽減しながら、可動部材5と固定部材6とをX方向に相対的に移動させることができる。振動体2が連結された保持部材3は、可動部材5に対するX方向の移動が規制されており、摩擦部材1は固定部材6に固定されている。そのため、振動体2に固有振動モードの振動を励起すると、振動体2、保持部材3及び可動部材5が、一体となって固定部材6に対してX方向に相対移動する。よって、可動部材5に設けられた動力伝達部5aにレンズ保持部材を連結することで、レンズ保持部材をX方向に駆動することができる。
次に、振動型アクチュエータ100を備える第1実施形態に係るレンズ駆動装置について説明する。図2(a)は、第1実施形態に係るレンズ駆動装置300の概略構成を示す平面図である。図2(b)は、レンズ駆動装置300の概略構成を示す正面図である。図2(c)は、図2(a)の平面図の一部拡大図である。図2(d)は、図2(a)に示す矢視B−Bでの断面図の一部拡大図である。
レンズ駆動装置300は、第1の駆動源である第1の振動型アクチュエータ100A(以下「第1アクチュエータ100A」と記す)と、第2の駆動源である第2の振動型アクチュエータ100B(以下「第2アクチュエータ100B」と記す)を有する。また、レンズ駆動装置300は、レンズ12、レンズ保持部材13、ガイド部材14a,14b、第1の連結部材15、第1の付勢部材16、固定軸17、第2の連結部材25及び第2の付勢部材26を備える。
第1アクチュエータ100Aと第2アクチュエータ100Bのそれぞれの構成は、上述した振動型アクチュエータ100と同じである。そこで、以下の説明では、振動型アクチュエータ100の構成要素であって、第1アクチュエータ100Aの構成要素として説明するときには、構成要素の名称の前に「第1の」を付すと共に符号の末尾に「A」を付すものとする。同様に、第2アクチュエータ100Bの構成要素として説明するときには、構成要素の名称の前に「第2の」を付すと共に符号の末尾に「B」を付すものとする。例えば、振動型アクチュエータ100の「可動部材5」について、第1アクチュエータ100Aの構成要素として説明する際には「第1の可動部材5A」と称呼し、第2アクチュエータ100Bの構成要素として説明する際には「第2の可動部材5B」と称呼する。第1アクチュエータ100Aと第2アクチュエータ100Bのそれぞれの構成についての説明は、振動型アクチュエータ100についての上述の説明に準ずるため、省略する。
被駆動部材であるレンズ保持部材13は、レンズ12を保持する。レンズ保持部材13は、丸穴部13aとU字穴部13bを有し、丸穴部13aでガイド部材14aと摺動可能に嵌合しており、U字穴部13bでガイド部材14bと摺動可能に嵌合している。こうして、レンズ保持部材13は、ガイド部材14a,14bによってX方向に案内されて直進することができるようになっている。なお、レンズ保持部材13のU字穴部13bは、ガイド部材14bに対して嵌合ガタを有する。レンズ駆動装置300では、第1アクチュエータ100Aと第2アクチュエータ100Bの駆動力をレンズ保持部材13に伝達することによって、レンズ保持部材13に保持されたレンズ12をX方向に直進させる。
第1アクチュエータ100Aと第2アクチュエータ100Bは、Z方向から見たときに、点Oに対して点対称となるように配置されており、そこで先ず、レンズ駆動装置300における第1アクチュエータ100Aとその周辺構成との関係について説明する。第1の連結部材15は、レンズ保持部材13と第1アクチュエータ100Aとを連結する。第1の連結部材15は、レンズ保持部材13に対して、固定軸17まわりに回転自在に配置されている。第1の付勢部材16は、固定軸17が挿通された状態でレンズ保持部材13の面13cと第1の連結部材15の面15aに接触してX方向で圧縮されている。これにより、第1の連結部材15は、レンズ保持部材13に対して矢印C方向に付勢され、レンズ保持部材13と加圧接触している。第1の付勢部材16には、トグルばねが用いられており、トグルばねのそれぞれの端部がレンズ保持部材13の受け部13e1と第1の連結部材15の凸部15bに作用している。これにより、レンズ保持部材13に対して固定軸17まわりに第1の連結部材15を回転させる付勢力が生じ、第1の連結部材15に設けられたV字溝部15cから第1の可動部材5Aの第1の動力伝達部5aAに対して−Z方向に付勢力Fが作用する。こうして、V字溝部15cが第1の動力伝達部5aAに係合することにより、第1の連結部材15は、第1アクチュエータ100Aの第1の可動部材5Aに連結される。その結果、第1の可動部材5Aは、第1の連結部材15を介してレンズ保持部材13に連結される。
このように、第1の付勢部材16を用いてレンズ保持部材13と第1の可動部材5Aとを連結することにより、部品公差や組立公差等を吸収することができる。また、第1の加圧部材4Aにより第1の可動部材5Aに作用する付勢力Gの方向と第1の付勢部材16によって第1の連結部材15に作用する付勢力Fの方向は、共に−Z方向となっている。よって、第1の加圧部材4Aによる加圧力を打ち消すことなく、第1の連結部材15を第1の可動部材5Aに連結することができる。
第2アクチュエータ100Bは、第1アクチュエータ100Aと同様の方法で、レンズ保持部材13に連結されている。すなわち、第2の連結部材25は、レンズ保持部材13に対して、固定軸17まわりに回転自在に取り付けられている。第2の付勢部材26は、固定軸17が挿通された状態でレンズ保持部材13の受け面13dと第2の連結部材25の面25aに接触してX方向で圧縮されている。これにより、第2の連結部材25は、レンズ保持部材13に対して矢印D方向に付勢され、レンズ保持部材13と加圧接触している。第2の付勢部材26に用いられているトグルばねのそれぞれの端部は、レンズ保持部材13の受け部13e2と第2の連結部材25の凸部(不図示)に作用している。これにより、第2の連結部材25に設けられたV字溝部(不図示)から第2の可動部材5Bの第1の動力伝達部(不図示)に対して−Z方向に付勢力Fが作用する。こうして、第2の連結部材25は、第2アクチュエータ100Bの第2の可動部材5Bに連結される。その結果、第2の可動部材5Bは、第2の連結部材25を介してレンズ保持部材13に連結される。なお、レンズ駆動装置300では、付勢力F,Fの大きさは略等しく、その方向も略平行となっている。
図3は、レンズ駆動装置300を有する撮像装置400の概略構成を示すブロック図である。撮像装置400は、レンズ駆動装置300を内蔵するレンズ鏡筒20、撮像素子21を内蔵する本体部22、レンズ位置検出部18a、加速度検出部18b、焦点位置検出部18c及び駆動制御部19を備える。図3では、説明の便宜上、撮像装置400を構成するこれらの主要部を撮像装置400から抜き出して示しており、レンズ駆動装置300を構成する第1アクチュエータ100Aと第2アクチュエータ100Bも同様にレンズ鏡筒20から抜き出して示している。
レンズ鏡筒20を通過した光束は撮像素子21に結像し、撮像素子21は光学像を電気信号に変換し、不図示の画像処理回路が電気信号から画像データを生成する。レンズ位置検出部18aは、レンズ鏡筒20に設けられるセンサと、センサからの信号を処理するために本体部22に設けられる演算回路とを有し、レンズ12(レンズ保持部材13)の位置を検出する。加速度検出部18bは、レンズ鏡筒20に設けられるセンサと、センサからの信号を処理するために本体部22に設けられる演算回路とを有し、レンズ12が光軸方向に駆動されているときの加速度を検出する。焦点位置検出部18cは、本体部22に設けられており、位相差検出方式等の周知の方法を用いてレンズ12の合焦位置を検出し、合焦位置情報を駆動制御部19へ供給する。駆動制御部19は、焦点位置検出部18cから供給される合焦位置情報に基づいてレンズ12の駆動目標位置を決定する。そして、駆動制御部19は、レンズ位置検出部18a及び加速度検出部18b及び情報に基づいて、第1アクチュエータ100A及び第2アクチュエータ100Bの駆動を制御し、レンズ12を合焦位置へ移動させる。
なお、駆動制御部19は、CPU(演算処理回路)、ROM、RAM等を有する。CPUがROMに記憶されたコンピュータプログラムをRAMに展開することにより、撮像装置400を構成する各部の動作が制御されることで、撮像装置400の全体的な制御が実現される。駆動制御部19は、撮像装置400を構成する各部の処理の全部又は一部を論理回路により実現するASIC等の専用プロセッサであってもよい。レンズ位置検出部18a、加速度検出部18b及び焦点位置検出部18cについても同様であり、ソフトウェア(プログラム)による実装とハードウェアによる実装のいずれも可能であり、ソフトウェアとハードウェアとの組合せによって実装されていてもよい。
図4は、撮像装置400のオートフォーカス制御を説明するフローチャートである。図4のフローチャートに示す各処理は、駆動制御部19が所定のプログラムを実行して撮像装置400を構成する各部の動作を制御することにより実現される。以下の説明では、図2(c)に示した矢印C方向を+X方向とし、矢印D方向を−X方向と定義する。また、撮像素子21から被写体(不図示)に向かう方向が+X方向であるとし、光軸方向を+X方向に進むにしたがってレンズ位置を規定する値(座標値)は大きくなるものとする。
駆動制御部19は、ステップS11において焦点位置検出部18cから取得した合焦位置情報に基づいてレンズ12の駆動目標位置Xを決定し、ステップS12においてレンズ位置検出部18aから現在のレンズ位置Xを取得する。ステップS13において駆動制御部19は、駆動目標位置Xとレンズ位置Xに基づき、レンズ12の駆動方向が+X方向か−X方向かを判定する。「Xt>X」であれば、レンズ12を+X方向へ駆動する必要が生じていることになり、「Xt≦X」であれば、レンズ12を−X方向へ駆動する必要が生じていることになる。よって、駆動制御部19は、「Xt>X」であるとき(S13でYES)、処理をステップS14へ進め、「Xt≦X」であるとき(S13でNO)、処理をステップS20へ進める。
ステップS14において、駆動制御部19は、第1の可動部材5Aと第2の可動部材5Bが共に+X方向に駆動されるように第1アクチュエータ100Aと第2アクチュエータ100Bに所定の交流電圧を供給する。これにより、レンズ駆動装置300の駆動が開始される。ステップS15において駆動制御部19は、加速度検出部18bからの信号に基づき、レンズ12が加速又は減速を行っているか或いは一定速度で移動しているかを判定する。駆動制御部19は、レンズ12が加速又は減速を行っている場合(S14でYES)、処理をステップS16へ進め、レンズ12が一定速度で移動している場合(S14でNO)、処理をステップS17へ進める。
ステップS16において駆動制御部19は、第1アクチュエータ100Aの駆動力が第2アクチュエータ100Bの駆動力よりも大きくなるようにレンズ駆動装置300の駆動を制御する。これにより、第1アクチュエータ100Aの第1の可動部材5Aにより、第1の連結部材15を介してレンズ保持部材13に対して+X方向に推力が与えられる。このとき、第1の付勢部材16が第1の連結部材15をレンズ保持部材13に対して付勢する方向も+X方向である。したがって、第1の可動部材5Aの動きに追従してレンズ保持部材13を駆動することができるため、高い応答性が得られる。ステップS17において駆動制御部19は、第1アクチュエータ100Aの駆動力と第2アクチュエータ100Bの駆動力とが等しくなるようにレンズ駆動装置300の駆動を制御し、これによりレンズ12を一定速度で移動させることができる。ステップS16,S17に続くステップS18において駆動制御部19は、レンズ12(レンズ位置X)が駆動目標位置Xに到達したか否かを判定する。駆動制御部19は、レンズ12が駆動目標位置Xに到達した場合(S18でYES)、本処理を終了させ、レンズ12が駆動目標位置Xに到達していない場合(S18でNO)、処理をステップS15へ戻す。
ステップS20,S21,S22,S23,S24,S25の処理はそれぞれ、ステップS14,S15,S16,S17,S18,S19の処理と対応している。これらの処理は、レンズ12を移動させる方向が+X方向の反対方向である−X方向となっている点で相違しており、ステップS20〜S25の処理は、ステップS14〜S19の処理と同様に行われるため、説明を省略する。なお、ステップS16に対応するステップS22では、駆動制御部19は、第2アクチュエータ100Bの駆動力が第1アクチュエータ100Aの駆動力よりも大きくなるようにレンズ駆動装置300の駆動を制御する。これにより、第2アクチュエータ100Bの第2の可動部材5Bにより、第2の連結部材25を介してレンズ保持部材13に対して−X方向に推力が与えられる。このとき、第2の付勢部材26が第2の連結部材25をレンズ保持部材13に対して付勢する方向も−X方向である。したがって、第2の可動部材5Bに追従してレンズ保持部材13を移動させることができるため、高い応答性が得られる。
このように、撮像装置400での駆動制御では、第1の付勢部材16と第2の付勢部材26の付勢方向とレンズ12の駆動方向との関係に応じて、第1アクチュエータ100Aの駆動力と第2アクチュエータ100Bの駆動力の大きさを切り替える。これにより、レンズ12の駆動方向が+X方向の−X方向のどちらの方向であっても、高い応答性を得ることができる。
続いて、第1アクチュエータ100Aの駆動力を第2アクチュエータ100Bの駆動力よりも大きくする手法について説明する。図5は、第1アクチュエータ100Aの周波数特性(交流電圧の周波数fとレンズ12(レンズ保持部材13)の駆動速度Vとの関係)を示す図であり、第2アクチュエータ100Bの周波数特性でもある。第1アクチュエータ100A及び第2アクチュエータ100Bの駆動に用いる周波数f以上の周波数領域では、周波数fが高くなるにしたがって駆動速度Vは小さくなる。なお、周波数fは、第1アクチュエータ100A及び第2アクチュエータ100Bを安定して駆動することができる上限周波数である。
第1アクチュエータ100Aの駆動力を第2アクチュエータ100Bの駆動力よりも大きくするためには、第1アクチュエータ100Aの駆動周波数fを第2アクチュエータ100Bの駆動周波数fよりもΔfだけ低くする。これにより、第1の可動部材5Aの駆動速度Vは第2の可動部材5Bの駆動速度Vよりも大きくなる。つまり、駆動周波数fを駆動周波数fよりもΔfだけ高くする(f=f+Δf)ことにより、第1アクチュエータ100Aの駆動力を第2アクチュエータ100Bの駆動力よりも大きくすることができる。なお、第2アクチュエータ100Bの駆動力を第1アクチュエータ100Aの駆動力よりも大きくするには、駆動周波数f,fの関係を逆にすればよいだけであるので、詳細な説明は省略する。
撮像装置400でのオートフォーカス制御では、駆動制御部19は、第1アクチュエータ100A及び第2アクチュエータ100Bを駆動するための交流電圧の駆動周波数f,fを制御しながらレンズ12を移動させる。そして、駆動制御部19は、レンズ12の位置が駆動目標位置へ到達した時点で、第1アクチュエータ100A及び第2アクチュエータ100Bへの交流電圧の供給を停止する。なお、第1アクチュエータ100A及び第2アクチュエータ100Bでは、それぞれの圧電素子2bに設けられた2相の電極に印加する2相の交流電圧の周波数と位相差を制御することにより第1の可動部材5Aと第2の可動部材5Bの速度制御が行われる。この制御方法は周知であるため、その詳細な説明は省略する。
図5を参照して第1アクチュエータ100Aの周波数特性と第2アクチュエータ100Bの周波数特性とが略等しい場合について説明したが、第1アクチュエータ100Aの周波数特性と第2アクチュエータ100Bの周波数特性とが異なる場合がある。そこで、次に、2つの振動型アクチュエータの周波数特性が異なる場合に駆動力の大きさを調整する方法について、次に説明する。
図6は、第1アクチュエータ100Aと第2アクチュエータ100Bの駆動力を調整するための周波数補正方法を説明する図であり、図6(a)は周波数補正前の周波数特性を示しており、図6(b)は、周波数補正前の周波数特性を示している。ここでは、第2の可動部材5Bの最大速度が第1の可動部材5Aの最大速度よりも小さくなるように、第2アクチュエータ100Bでの周波数特性が第1アクチュエータ100Aの周波数特性よりも高周波側にシフトしている場合を取り上げることとする。この場合、周波数補正前の第1の可動部材5Aの最大速度V1maxを与える駆動周波数f1maxと第2の可動部材5Bの最大速度V2maxを与える駆動周波数f2maxとの関係は、V2max<V1max,f1max<f2maxとなる。
この場合に、周波数補正を行わずに第1アクチュエータ100Aを駆動周波数f、第2アクチュエータ100Bを駆動周波数fでそれぞれ駆動した場合、第1の可動部材5Aの駆動速度Vと第2の可動部材5Bの駆動速度Vは略等しく(V≒V)なる。この場合、第1アクチュエータ100Aの駆動力を第2アクチュエータ100Bの駆動力よりも大きくすることはできない。そこで、図6(b)に示すように、駆動周波数f以上の周波数領域で第1アクチュエータ100Aと第2アクチュエータ100Bの周波数特性が略等しくなるように、第2アクチュエータ100Bの周波数特性を破線で示すようにシフトさせる。その際の周波数シフト量Δfに基づいて第2アクチュエータ100Bの駆動周波数fを補正し、補正後周波数f´(=f+Δf)で第2アクチュエータ100Bを駆動する。これにより、第2の可動部材5Bの駆動速度Vは、第1の可動部材5Aの駆動速度Vよりも小さくなるため、第1アクチュエータ100Aの駆動力を第2アクチュエータ100Bの駆動力よりも大きくすることができる。
以上説明した通り、撮像装置400では、レンズ12(レンズ保持部材13)は、+X方向に駆動される場合には第1の可動部材5Aに遅れなく追従して移動し、−X方向に駆動される場合には、第2の可動部材5Bに遅れなく追従して移動する。つまり、レンズ駆動装置300は応答性に優れており、レンズ12を合焦位置まで遅延することなく駆動することが可能になることにより、機動性に優れたオートフォーカス機構を実現することができる。
上記説明では、固定された摩擦部材1に対して振動体2と可動部材5とが一体となって移動する振動型アクチュエータ100を用いて構成されたレンズ駆動装置300について説明した。しかし、レンズ駆動装置300に用いられる振動型アクチュエータは、固定された振動体2に対して摩擦部材1と可動部材5とが一体となって移動する構成であってもよい。また、レンズ保持部材13を一定速度で駆動する際には、第1アクチュエータ100Aの駆動力と第2アクチュエータ100Bの駆動力を同じとしたが、これに限られず、加減速時の駆動力の関係のままで、一定速度での駆動を行ってもよい。更に、レンズ駆動装置300では、駆動源に振動型アクチュエータ100を用いたが、これに代えてステッピングモータやボイスコイルモータを用いることもできる。
図5及び図6を参照して、第1アクチュエータ100Aと第2アクチュエータ100Bの駆動周波数を制御することによって駆動力の大きさを調整する方法について説明した。これに対して、次に、第1アクチュエータ100Aと第2アクチュエータ100Bに供給する交流電圧の位相差を制御することによって駆動力の大きさを調整する方法について説明する。駆動力の大きさを駆動周波数で調整するか位相差で調整するかの相違は駆動制御部19での制御方法の相違であり、レンズ駆動装置300を備える撮像装置400の構成は図1乃至図3を参照して説明した通りである。よって、レンズ駆動装置300及び撮像装置400についての説明は省略する。
図7は、第1アクチュエータ100Aと第2アクチュエータ100Bの周波数特性を示す図である。レンズ12(レンズ保持部材13)は、第1アクチュエータ100A及び第2アクチュエータ100Bのそれぞれの圧電素子2bに印加する交流電圧の位相差が正のときに+X方向に移動し、位相差が負のときに−X方向に移動する構成になっているものとする。レンズ保持部材13を+X方向に駆動する場合、位相差θが約+90度のときにレンズ保持部材13は最大速度となり、位相差θが0度に近付くにしたがって速度は小さくなる。そこで、位相差θが0度乃至90度の範囲において、第1アクチュエータ100Aの位相差θを第2アクチュエータ100Bの位相差θよりも大きい値に設定する。この場合、駆動周波数fdにおいて、第1の可動部材5Aの駆動速度Vと第2の可動部材5Bの速度Vの関係は、V>Vとなる。つまり、駆動制御部19は、レンズ保持部材13を+X方向に駆動するときの加減速時には、第1アクチュエータ100A及び第2アクチュエータ100Bに駆動のために供給する交流電圧の位相差θ,θを、θ>θの関係に設定する。これにより、第1アクチュエータ100Aの駆動力を第2アクチュエータ100Bの駆動力よりも大きくすることができる。
なお、第1アクチュエータ100Aと第2アクチュエータ100Bには、安定した駆動が可能な周波数範囲f〜fがあり、この周波数範囲から外れた周波数で駆動を行うと、駆動停止を含めて駆動が不安定になる等の問題が発生する。したがって、第1アクチュエータ100Aと第2アクチュエータ100Bのそれぞれの駆動周波数f,fを共に周波数範囲f〜fの範囲に収める必要がある。第1アクチュエータ100Aと第2アクチュエータ100Bの駆動周波数を制御することによって駆動力の大きさを調整する場合には、使用可能な周波数範囲がΔf分だけ狭くなってしまう。これに対して、第1アクチュエータ100Aと第2アクチュエータ100Bに供給する交流電圧の位相差に異なる値を設定することによって駆動力の大きさを調整する方法には、使用可能な周波数範囲が制限されることはないという利点がある。
次に、第2実施形態に係るレンズ駆動装置について説明する。上記第1実施形態に係るレンズ駆動装置300では、第1の可動部材5Aと第2の可動部材5Bがそれぞれ第1の付勢部材16と第2の付勢部材26により付勢される方向が共に−Z方向となるように構成した。しかし、これに限定されず、一方の振動型アクチュエータにおける可動部材が付勢部材によって+Z方向に付勢された構成とすることができる。以下、第2アクチュエータ100Bを第2の可動部材5Bが+Z方向に付勢された、第2実施形態に係るレンズ駆動装置について説明する。なお、第2実施形態に係るレンズ駆動装置において第1実施形態に係るレンズ駆動装置300と共通する構成については、説明を省略する。
図8(a)は、第2実施形態に係るレンズ駆動装置300Aの概略構成を示す正面図であり、図8(b)は、レンズ保持部材13のU字穴部13bとガイド部材14bとの嵌合部の部分拡大図である。レンズ駆動装置300Aでは、第2の付勢部材26(不図示)によって第2アクチュエータ100Bの第2の可動部材5Bには、+Z方向に付勢力Fが作用する。一方、図2に示したように、第1の付勢部材16によって第1アクチュエータ100Aの第1の可動部材5Aには−Z方向に付勢力Fが作用している。その結果、レンズ保持部材13のU字穴部13bには、付勢力F,Fに起因して、ガイド部材14bに対して付勢力L12,L22が同じ方向に生じる。
レンズ駆動装置300Aにおいて生じる付勢力L12,L22と、第1実施形態に係るレンズ駆動装置300において付勢力F,Fに起因して生じる付勢力とを比較する。図9(a)は、レンズ駆動装置300において第1の付勢部材16及び第2の付勢部材26によりレンズ保持部材13に作用する付勢力を説明する正面図であり、第1アクチュエータ100Aの図示を省略している。図9(b)は、レンズ保持部材13のU字穴部13bとガイド部材14bとの嵌合部の正面図である。レンズ駆動装置300では、第2の付勢部材26は、レンズ保持部材13の受け面13dに作用し、レンズ保持部材13を矢印J方向に付勢する。これに従って、レンズ保持部材13には点I(ガイド部材14aの中心軸)を中心として矢印K方向の回転力が与えられ、U字穴部13bをガイド部材14bに対して付勢する付勢力L21が生じる。同様に、不図示の第1の付勢部材16によってレンズ保持部材13は矢印J方向に付勢され、これに従って、U字穴部13bをガイド部材14bに対して付勢する付勢力L11が生じる。付勢力L11,L21では、U字穴部13bに対して作用する方向が逆になる。この場合、第1の付勢部材16と第2の付勢部材26の特性ばらつきやレンズ駆動装置300を構成する各種部品の部品公差や組立公差等によって、ガイド部材14bがU字穴部13bの面13f,13gのどちらに当接するかが異なってくる。
これに対して、レンズ駆動装置300Aでは、付勢力L12,L22が同じ方向に生じているため、ガイド部材14bと面13gとが当接するように、U字穴部13bはガイド部材14bに対して一方向に付勢される。そのため、レンズ駆動装置300Aを構成する各種部品に部品公差及び組立公差等が生じていても、安定してレンズ保持部材13及びレンズ12のYZ平面上の位置を決めることができる。すなわち、レンズ駆動装置300Aには、第1の付勢部材16と第2の付勢部材26によってレンズ保持部材13に生じる付勢力の方向を揃えることによって、レンズ保持部材13をガイド部材14bに対して確実に付勢することができる利点がある。
次に、第3実施形態に係るレンズ駆動装置について説明する。上記第1実施形態に係るレンズ駆動装置300では、第1の付勢部材16と第2の付勢部材26によって生じる付勢力F,Fの大きさが略等しい構成について説明した。これに対して、第3実施形態に係るレンズ駆動装置では、付勢力F,Fの大きさに差を設けた構成とする。なお、第3実施形態に係るレンズ駆動装置において第1実施形態に係るレンズ駆動装置300と共通する構成については、説明を省略する。
図10(a)は、第3実施形態に係るレンズ駆動装置300Bにおいて第1の付勢部材16及び第2の付勢部材26Aによりレンズ保持部材13に作用する付勢力を説明する正面図である。図10(b)は、第1の付勢部材16と第2の付勢部材26Aの平面図である。図10(c)は、レンズ保持部材13のU字穴部13bとガイド部材14bとの嵌合部の正面図である。第1の付勢部材16により第1の可動部材5Aに対して作用する付勢力Fと第2の付勢部材26Aにより第2の可動部材5Bに対して作用する付勢力Fは共に同じ−Z方向を向いている。そのため、図9を参照して説明した通り、第1の付勢部材16と第2の付勢部材26Aのそれぞれがレンズ保持部材13のU字穴部13bをガイド部材14bに対して与える付勢力L13,L23の方向は逆向きとなる。
ここで、付勢力F,Fの間に「F<F」の関係が成立するように、第2の付勢部材26Aは、第1の付勢部材16よりも太い線径の材料で構成されている。なお、第1の付勢部材16と第2の付勢部材26Aとで線径を変える方向に限られず、例えば、材質を変えることによって「F<F」の関係が成立するようにしても構わない。この結果、付勢力L13,L23の間には「L13<L23」の関係が成り立ち、ガイド部材14bはU字穴部13bの面13fに当接する。こうして、レンズ駆動装置300Bを構成する各種部品に部品公差及び組立公差等が生じていても、安定してレンズ保持部材13及びレンズ12のYZ平面上の位置を決めることができる。
以上、本発明をその好適な実施形態に基づいて詳述してきたが、本発明はこれら特定の実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の様々な形態も本発明に含まれる。更に上述した各実施形態は本発明の一実施形態を示すものにすぎず、各実施形態を適宜組み合わせることも可能である。
1 摩擦部材
2 振動体
4 加圧部材
5A 第1の可動部材
5B 第2の可動部材
13 レンズ保持部材
15 第1の連結部材
16 第1の付勢部材
19 駆動制御部
20 レンズ鏡筒
21 撮像素子
25 第2の連結部材
26 第2の付勢部材
100A 第1の振動型アクチュエータ(第1アクチュエータ)
100B 第2の振動型アクチュエータ(第2アクチュエータ)
300,300A,300B レンズ駆動装置
400 撮像装置

Claims (13)

  1. 被駆動部材と、
    第1の駆動源と、
    前記第1の駆動源と前記被駆動部材とを連結し、前記第1の駆動源の駆動力を前記被駆動部材に伝達する第1の連結部材と、
    第2の駆動源と、
    前記第2の駆動源と前記被駆動部材とを連結し、前記第2の駆動源の駆動力を前記被駆動部材に伝達する第2の連結部材と、
    前記第1の連結部材を前記被駆動部材に対して第1の方向に付勢して前記第1の連結部材と前記被駆動部材とを加圧接触させる第1の付勢手段と、
    前記第2の連結部材を前記被駆動部材に対して前記第1の方向の反対方向に付勢して前記第2の連結部材と前記被駆動部材とを加圧接触させる第2の付勢手段と、を備えることを特徴とするリニア駆動装置。
  2. 前記第1の駆動源と前記第2の駆動源で発生させる駆動力を制御する制御手段を備え、
    前記制御手段は、
    前記被駆動部材を前記第1の方向に駆動する場合に、前記第1の駆動源で前記第1の連結部材を前記第1の方向に駆動するための駆動力を前記第2の駆動源で前記第2の連結部材を前記第1の方向に駆動するための駆動力よりも大きくし、
    前記被駆動部材を前記反対方向に駆動する場合に、前記第2の駆動源で前記第2の連結部材を前記反対方向に駆動するための駆動力を前記第1の駆動源で前記第1の連結部材を前記第1の方向に駆動するための駆動力よりも大きくすることを特徴とする請求項1に記載のリニア駆動装置。
  3. 前記制御手段は、前記被駆動部材を一定速度で駆動する際に、前記第1の駆動源で前記第1の連結部材を前記第1の方向に駆動するための駆動力と前記第2の駆動源で前記第2の連結部材を前記第1の方向に駆動するための駆動力とを略等しくすることを特徴とする請求項2に記載のリニア駆動装置。
  4. 前記第1の駆動源は、前記第1の連結部材と連結される第1の可動部材を有し、
    前記第2の駆動源は、前記第2の連結部材と連結される第2の可動部材を有し、
    前記制御手段は、前記第1の可動部材と前記第2の可動部材の駆動を制御することにより前記第1の連結部材と前記第2の連結部材の駆動を制御することを特徴とする請求項2又は3に記載のリニア駆動装置。
  5. 前記第1の駆動源と前記第2の駆動源はそれぞれ振動型アクチュエータであり、
    前記振動型アクチュエータは、
    弾性体と電気−機械エネルギ変換素子とが接合されてなる振動体と、
    前記振動体と加圧接触する摩擦部材と、
    前記振動体と前記摩擦部材とを加圧接触させる加圧部材と、を有し、
    前記第1の駆動源と前記第2の駆動源のそれぞれにおいて、前記振動体に励起した振動による前記振動体と前記摩擦部材との相対的な移動によって、前記第1の可動部材と前記第2の可動部材とが駆動されることを特徴とする請求項4に記載のリニア駆動装置。
  6. 前記被駆動部材を前記第1の方向に案内するガイド部材を備え、
    前記被駆動部材は、前記ガイド部材と摺動可能に嵌合する嵌合部を有し、
    前記第1の付勢手段が前記第1の可動部材に対して前記第1の連結部材を前記第1の方向と直交する第2の方向に付勢し、前記第2の付勢手段が前記第2の可動部材に対して前記第2の連結部材を前記第2の方向と略平行な方向に付勢すると共に、前記第1の付勢手段と前記第2の付勢手段が前記被駆動部材を所定の方向に付勢することにより、前記ガイド部材に対して前記嵌合部を当接させていることを特徴とする請求項5に記載のリニア駆動装置。
  7. 前記第1の駆動源と前記第2の駆動源のそれぞれにおいて、前記加圧部材が前記振動体と前記摩擦部材とを加圧接触させる加圧方向は、前記第2の方向と略平行であることを特徴とする請求項6に記載のリニア駆動装置。
  8. 前記第2の付勢手段は、前記第2の可動部材に対して前記第2の連結部材を前記第2の方向の反対方向に付勢することを特徴とする請求項6又は7に記載のリニア駆動装置。
  9. 前記第2の付勢手段は、前記第2の可動部材に対して前記第2の連結部材を前記第2の方向に付勢し、
    前記第1の付勢手段が前記第1の可動部材に対して前記第1の連結部材を前記第2の方向に付勢する付勢力の大きさと、前記第2の付勢手段が前記第2の可動部材に対して前記第2の連結部材を前記第2の方向に付勢する付勢力の大きさが異なることを特徴とする請求項6又は7に記載のリニア駆動装置。
  10. 前記制御手段は、前記第1の駆動源が有する電気−機械エネルギ変換素子と前記第2の駆動源が有する電気−機械エネルギ変換素子のそれぞれに供給する交流電圧に異なる周波数を設定することにより、前記第1の可動部材と前記第2の可動部材のそれぞれの駆動力の大きさを調整することを特徴とする請求項5乃至9のいずれか1項に記載のリニア駆動装置。
  11. 前記制御手段は、前記第1の駆動源が有する電気−機械エネルギ変換素子と前記第2の駆動源が有する電気−機械エネルギ変換素子のそれぞれに所定の位相差を有する2相の供給する交流電圧を供給し、前記位相差に異なる値を設定することにより、前記第1の可動部材と前記第2の可動部材のそれぞれの駆動力の大きさを調整することを特徴とする請求項5乃至9のいずれか1項に記載のリニア駆動装置。
  12. レンズと、
    請求項1乃至11のいずれか1項に記載のリニア駆動装置と、を備え、
    前記リニア駆動装置が備える前記被駆動部材は、前記レンズを保持するレンズ保持部材であり、前記第1の方向は前記レンズの光軸方向と略平行であることを特徴とするレンズ鏡筒。
  13. 請求項12に記載のレンズ鏡筒と、
    前記レンズ鏡筒を通過した光束が結像し、光学像を電気信号に変換する撮像素子と、を備えることを特徴とする撮像装置。
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