JP6658216B2 - 車輪用軸受装置 - Google Patents

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Description

本発明は、車輪用軸受装置に関するものである。
自動車等の車両において、車輪を回転自在に支持するために車輪用軸受装置(ハブユニット)が用いられている。車輪用軸受装置は、車輪が取り付けられるフランジ部を車両アウタ側に有するハブ軸と、このハブ軸の径方向外側に設けられている外輪と、ハブ軸と外輪との間に設けられている複数の転動体(例えば、複数の玉)と、複数の転動体を保持する保持器とを備えている。また、このような車輪用軸受装置では、ハブ軸と外輪との間であって転動体が設けられている軸受内部に、泥水等の異物が軸受外部から浸入するのを防ぐために、密封装置が設けられている(例えば、特許文献1参照)。
従来の密封装置として、外輪の内周面の一部にシール部材が取り付けられており、このシール部材のリップをハブ軸の一部に滑り接触させる構成が提案されている。しかし、ハブ軸は、例えば機械構造用炭素鋼からなるため、リップが滑り接触する部分に泥水が付着して錆が発生すると、錆がリップを攻撃してリップの摩耗が促進され、やがて、軸受内部に異物が浸入するおそれがある。そこで、図6に示すように、ハブ軸90に環状のスリンガ99(ステンレス製)を取り付け、シール部材93のリップ94をスリンガ99に滑り接触させることで、リップ94の摩耗を防ぐという対策が講じられているものがある。
スリンガ99は、円筒部98と、この円筒部98の車両アウタ側から径方向外側に延びている円環部97とを有しており、円筒部98がハブ軸90の一部に外嵌することによりスリンガ99はハブ軸90に取り付けられた状態となる。
スリンガ99は、ハブ軸90の外周面91に対して圧入することで取り付けられるが、この際、スリンガ99の円筒部98が塑性変形してしまい、取り付け後において、ハブ軸90への嵌合力(締め付け力)が低下し、スリンガ99が位置ずれしてしまうおそれがある。
特開2014−95403号公報
そこで、図7に示すように、円筒部98に、車両インナ側で開口しているスリット96を複数形成し、これにより円筒部98を弾性変形させやすい構造とし、ハブ軸への圧入によるスリンガ99の塑性変形を抑えようとしている。なお、図7は、スリンガ99の一部を径方向外側から見た説明図である。
しかし、円筒部98にスリット96を形成すると、ハブ軸への取り付けの際、スリット96の奥側の部分96aには集中応力(局部応力)が発生する。これは、スリンガ99をハブ軸に圧入すると、円筒部98は拡径すると共にスリット96を挾む両側部分96b,96bが周方向両側(図7において矢印jの方向)に広がるように弾性変形し、これにより、奥側の部分96bにおいて応力が集中する。発生する応力が大きくなると、円筒部98の一部(奥側の部分96a)が弾性域を越えて部分的に塑性変形するおそれがあり、この結果、スリンガ99のハブ軸への嵌合力が低下する可能性がある。
図6において、スリンガ99のハブ軸90への嵌合力が低下すると、車両の走行に伴ってスリンガ99が車両インナ側(シール部材93側)へ移動することがある。このようにスリンガ99が移動すると、シール部材93のリップ94の潰れ代が増し、摩擦抵抗が増加して回転損失が大きくなる他、リップ94の異常摩耗や発熱による劣化の原因となってしまう。
そこで、本発明では、車輪用軸受装置において、ハブ軸に嵌合させるスリンガが塑性変形するのを防ぎ、スリンガがハブ軸の所定位置から移動するのを防ぐことを目的とする。
本発明の車輪用軸受装置は、車輪が取り付けられるフランジ部を車両アウタ側に有するハブ軸と、前記ハブ軸の径方向外側に設けられている外輪と、前記ハブ軸と前記外輪との間に設けられている複数の転動体と、前記複数の転動体を保持する保持器と、前記外輪に取り付けられている環状のシール部材と、前記ハブ軸に取り付けられ前記シール部材が滑り接触する環状のスリンガと、を備え、前記スリンガは、前記ハブ軸に締り嵌めの状態で嵌合している円筒部と、当該円筒部の車両アウタ側から径方向外側に延びている円環部と、を有し、当該スリンガには、前記円筒部の車両インナ側で開口しているスリットが複数形成されており、前記スリットは、周方向で対向し車両インナ側から車両アウタ側に向かって間隔が広くなっている一対の側面と、車両アウタ側の奥面と、前記一対の側面それぞれと前記奥面との間を繋ぐ凹形状のアール面と、を含む。
この車輪用軸受装置によれば、スリンガに形成されているスリットにより、円筒部は弾性変形しやすくなってハブ軸への取り付けが容易となる。また、スリットは凹形状のアール面を有する形状であるが、このスリットでは一対の側面の間隔が車両アウタ側に向かって広くなっていることで、前記アール面のアール寸法を大きく設定することが可能となる。このため、スリンガをハブ軸に嵌合させた場合に、スリットにより発生する応力集中を緩和することができ、スリンガが塑性変形するのを防ぐことが可能となる。
また、スリットでは一対の側面が車両インナ側に向かって狭くなる。このため、円筒部において、車両インナ側ではハブ軸に対して締め代を有して密着する面積が広くなり、嵌合力が確保される。以上より、スリンガがハブ軸の所定位置から移動するのを防ぐことが可能となる。
また、前記スリットは、前記円筒部の車両アウタ側の部分を越えて前記円環部の径方向内側部に至る範囲まで形成されているのが好ましい。
この場合、スリンガの円筒部における径方向のばね性がより一層高くなる。このため、例えば車両の走行によってハブ軸が弾性変形しても、円筒部はその変形に追従しやすく、スリンガがハブ軸の所定位置から移動するのをより効果的に防ぐことが可能となる。
本発明によれば、スリンガをハブ軸に嵌合させることで、スリンガが塑性変形するのを防ぎ、スリンガがハブ軸の所定位置から移動するのを防ぐことが可能となる。この結果、スリンガに滑り接触するシール部材の潰れ代を長期にわたって維持することができ、これらスリンガとシール部材とによって高い密封性能を確保することが可能となる。
車輪用軸受装置の断面図である。 密封装置を示す拡大断面図である。 スリンガの斜視図である。 スリンガの断面図である。 スリットの形状を説明する説明図である。 従来のスリンガ及びその周囲を示す断面図である。 スリンガの一部を径方向外側から見た説明図である。
以下、図面を参照しつつ本発明の実施形態を説明する。
図1は車輪用軸受装置の断面図である。この車輪用軸受装置(ハブユニット)10は、例えば自動車の車体側の懸架装置(ナックル)に取り付けられ、車輪を回転自在に支持するものである。車輪用軸受装置10は、ハブ軸11と、外輪12と、転動体13と、保持器14と、密封装置15,17とを備えている。
外輪12は、円筒状の部材であり、例えば機械構造用炭素鋼により製造されている。外輪12は、円筒形状である外輪本体51と、この外輪本体51から径方向外側に延びて設けられている固定用のフランジ部52とを有している。このフランジ部52が車体側部材であるナックル(図示せず)に固定されることで、外輪12を含む車輪用軸受装置10はナックルに固定される。
車輪用軸受装置10が車体側に固定された状態で、ハブ軸11が有する後述の車輪取り付け用のフランジ部56側が車両の外側となる。つまり、図1の左側(フランジ部56側)が車両アウタ側となり、図1の右側が車両インナ側となる。また、図1の左右方向が車輪用軸受装置10の軸方向となる。
外輪12の内周面には、車両アウタ側の外輪軌道面12aと、車両インナ側の外輪軌道面12bとが形成されている。
ハブ軸11は、軸本体部55と、車輪取り付け用のフランジ部56と、内輪部材57とを有している。これらは、例えば機械構造用炭素鋼により製造されている。軸本体部55は軸方向に長い軸部材である。フランジ部56は、軸本体部55の車両アウタ側から径方向外側に延びて設けられており、円環形状を有している。フランジ部56には、周方向に沿って複数の穴が形成されており、この穴に、車輪取り付け用のボルト69が取り付けられている。フランジ部56には、図外の車輪の他にブレーキロータが取り付けられる。内輪部材57は、環状の部材であり、軸本体部55の車両インナ側に嵌合して取り付けられている。軸本体部55の車両アウタ側の外周面に軸軌道面11aが形成され、内輪部材57の外周面に内輪軌道面11bが形成されている。
車両アウタ側の外輪軌道面12aと軸軌道面11aとが径方向に対向し、車両インナ側の外輪軌道面12bと内輪軌道面11bとが径方向に対向し、車両アウタ側及びインナ側それぞれの軌道面間に転動体13である玉が配置されている。転動体(玉)13は二列設けられており、各列の転動体(玉)13は、環状の保持器14によって保持されている。ハブ軸11と外輪12との間に複数の転動体13が設けられていることで、外輪12は、ハブ軸11(軸本体部55)の径方向外側においてハブ軸11と同心状に設けられた構成となる。
車両アウタ側の保持器14は、車両アウタ側に位置する転動体列に含まれる複数の転動体13を、周方向に間隔をあけて保持する。車両インナ側の保持器14は、車両インナ側に位置する転動体列に含まれる複数の転動体13を、周方向に間隔をあけて保持する。保持器14は、例えば樹脂製とすることができる。
車両インナ側の密封装置17は、環状のシール部材40と、環状のスリンガ50とによって構成されている。シール部材40は、外輪12(外輪本体51)の内周側であって車両インナ側に嵌合して取り付けられている。スリンガ50は、内輪部材57の外周面に締り嵌めの状態で嵌合して取り付けられている。シール部材40(シール部材40のリップ)が、スリンガ50に滑り接触(摺接)することで、車両インナ側の外部から異物が軸受内部に浸入するのを抑制することができる。軸受内部とは、ハブ軸11と外輪12との間であって、二列の転動体13が設けられている領域である。
車両アウタ側の密封装置15は、環状のシール部材20と、環状のスリンガ30とによって構成されている。シール部材20は、外輪12(外輪本体51)の内周側であって車両アウタ側に嵌合して取り付けられている。図2は、密封装置15を示す拡大断面図である。スリンガ30は、軸本体部55の外周面であって車両アウタ側に締り嵌めの状態で嵌合して取り付けられている。シール部材20のリップ21aが、スリンガ30に滑り接触(摺接)することで、車両アウタ側の外部から異物が軸受内部に浸入するのを抑制することができる。
シール部材20は、金属製の芯金25と、ゴム製のシール本体26とを有している。芯金25は、外輪12(外輪本体51)の車両アウタ側の端部12cの内周面に締り嵌めの状態で取り付けられている。シール本体26は、芯金25に固定(加硫接着)されており、スリンガ30に滑り接触する複数(図例では二つ)の第一のリップ21aと、軸本体部55に滑り接触する第二のリップ21bとを有している。第一のリップ21aは、スリンガ30との間から泥水等の異物が軸受内部に浸入するのを防ぐ機能を有しており、第二のリップ21bは、主として軸受内部のグリースが外部へ流出するのを防ぐ機能を有している。第一のリップ21aは、スリンガ30に対して軸方向から接触する。第二のリップ21bは、軸本体部55に対して径方向から接触する。
図2に示すシール本体26は、外輪12(外輪本体51)の車両アウタ側の端部12cの外周面に締め代を有して接触している第三のリップ22を更に有している。このリップ22は、外輪12と芯金25との間を通って泥水等の異物が軸受内部に浸入するのを防ぐ機能を有している。
スリンガ30は、金属製の環状部材であり、本実施形態ではステンレス製(SUS430)である。スリンガ30は、軸本体部55の車両アウタ側の一部(29)に締り嵌めの状態で嵌合している円筒部(第一の円筒部)31と、この円筒部31の車両アウタ側から径方向外側に延びている円環部32とを有している。円環部32は、ハブ軸11のフランジ部56の側面56aに接触している。本実施形態では、車輪用軸受装置10の軸線を含む断面(図2に示す断面)において、フランジ部56の基部56bが凹アール形状を有していることから、これに応じてスリンガ30の円環部32はアール形状の曲面部33を有している。なお、曲面部33は、アール形状以外として、円弧に沿って折り曲げられた形状であってもよい。
スリンガ30は、更に、円環部32の径方向外側の端部32aから車両インナ側に延びている第二の円筒部35を有している。この円筒部35は、シール部材20の第三のリップ22の径方向外側に位置している。第二の円筒部35と第三のリップ22との間にラビリンス隙間が形成されており、このラビリンス隙間は、第一のリップ21aとスリンガ30との滑り接触部分に、外部から泥水等の異物が浸入するのを抑制する機能を有している。
以上のように、この車輪用軸受装置10では、外輪12の車両アウタ側の内周側の一部(端部12c)に取り付けられている環状のシール部材20と、ハブ軸11の車両アウタ側の外周側の一部(29)に取り付けられている環状のスリンガ30とを備えており、シール部材20(リップ21a)がスリンガ30に滑り接触する。スリンガ30は、ハブ軸11の車両アウタ側の外周側の一部(29)に締り嵌めの状態で嵌合して取り付けられている。ハブ軸11のうち、スリンガ30(円筒部31)が密着して嵌合することで取り付けられている部分(前記一部)を「取り付け部29」と呼ぶ。取り付け部29の外周面28は、ハブ軸11(車輪用軸受装置10)の軸線を中心線とする円筒面からなる。
図3は、スリンガ30の斜視図である。図4は、スリンガ30の断面図である。スリンガ30には、周方向に沿って複数のスリット60が形成されている。本実施形態では、周方向に等間隔で複数のスリット60が形成されている。各スリット60は、円筒部31の車両インナ側で開口した形状を有している。図5は、スリット60の形状を説明する説明図である。なお、スリンガ30は環状であるが、図5に示す説明図では、スリット60の形状の説明を容易とするために、円環部32(曲面部33)と円筒部31とを同一平面上に展開した状態(以下、展開状態という。)として示している。
スリット60は、円筒部31の車両インナ側の端部38で開口しており、そして、図3及び図4に示すように、スリット60は、この円筒部31の車両アウタ側の部分39を越えて円環部32の径方向内側部37に至る範囲まで形成されている。つまり、スリット60は、円環部32の一部である曲面部33においても形成されている。
図5に示すように、各スリット60は、一対の側面61,62と、車両アウタ側の奥面63と、一対の凹形状のアール面64,65とを含む形状を有している。一対の側面61,62は、周方向(図5では左右方向)で対向しており、車両インナ側から車両アウタ側に向かって相互の間隔Biが広くなっている。奥面63は、車両インナ側に向かって臨む面であり、本実施形態では、平らな面からなる。一方のアール面64は、一方の側面61と奥面63との間を繋ぐ面であり、他方のアール面65は、他方の側面62と奥面63とを繋ぐ面である。一方のアール面64と、側面61及び奥面63それぞれとは、段差を有することなく滑らかに繋がっており、他方のアール面65と、側面62及び奥面63それぞれとは、段差を有することなく滑らかに繋がっている。このようにスリット60は、車両インナ側よりも車両アウタ側において広くなる形状を有しており、車両アウタ側において、半径(アール寸法)の大きなアール面64,65を有している。
アール面64,65それぞれの半径(アール寸法)は、前記展開状態で(図5参照)1ミリメートル以上とするのが好ましい。また、スリット60の車両インナ側の端部66,67における開口寸法B1は、1ミリメートル程度である。なお、この開口寸法B1は、スリット60において(周方向についての)最小寸法となる。スリット60の車両アウタ側における最大寸法(周方向の寸法)B2は、開口寸法B1の2倍以上、5倍以下とすることができる。円筒部31の車両インナ側の端面38aとスリット60の側面61との成す角度θ、及び、この端面38aとスリット60の側面62との成す角度θは、鋭角であり、例えば45度以上、60度以下とすることができる。これにより、奥面63側が広くなるスリット60となる。なお、前記の各寸法や角度の値は、例示であって、その他の値を採用することができる。
各スリット60は、スリンガ30の軸線に平行な中心線Cを軸として線対称の形状を有している。そして、このような形状を有するスリット60がスリンガ30の周方向に沿って等間隔で形成されている(図3参照)。後にも説明するが、スリンガ30に前記形状を有するスリット60が複数形成されることで、ハブ軸11への取り付けによりスリンガ30に発生する応力集中を緩和することができると共に、スリンガ30の軽量化が可能となる。なお、スリンガ30の軽量化は、車輪用軸受装置10の軽量化、更には自動車の軽量化に貢献する。
図5に示すスリット60の場合、両側のアール面64,65の間に、円筒部31の端面38aと平行となる平らな奥面63が介在している。図示しないが、両側のアール面64,65同士が交わっていてもよく、この場合、交わっている部分を奥面63と呼ぶことができる。なお、この構成とするためには、アール面64,65の半径を図示する形態よりも大きくする必要があるが、この場合、スリット60によるスリンガ30の軽量化の効果が小さくなる。
以上、本実施形態の車輪用軸受装置10によれば、スリンガ30に形成されているスリット60により、円筒部31は弾性変形しやすくなってハブ軸11への取り付けが容易となる。つまり、円筒部31のうちのスリット60以外の部分68(図3、図5参照)のばね性が高まることで、弾性変形が容易となり、ハブ軸11への圧入による取り付けが容易となる。
また、スリット60は凹形状のアール面64,65を有する形状であるが、本実施形態のスリット60では、一対の側面61,62の間隔Biが車両アウタ側に向かって広くなっていることで、アール面64,65のアール寸法(半径)を大きく設定することが可能となる。例えば、アール面64,65のアール寸法を1ミリメートルとすることができる。このため、スリンガ30をハブ軸11に嵌合させた場合に、スリット60により発生する応力集中を緩和することができ、スリンガ30が塑性変形するのを防ぐことが可能となる。更に、本実施形態では、応力集中を緩和するために円筒部31の厚さ(径方向寸法)が所定の値に設定される。
また、図5に示すように、スリット60では一対の側面61,62が車両インナ側に向かって狭くなっている。このため、円筒部31において、車両インナ側ではハブ軸11に対して締め代を有して密着する面積が広くなり、嵌合力が確保される。つまり、円筒部31のうち、ハブ軸11に対して締め代を有して密着する(スリット60以外の)部分68の面積が広くなり、嵌合力が確保される。
以上より、図2において、スリンガ30がハブ軸11の所定位置(取り付け部29)から移動するのを防ぐことが可能となる。この結果、スリンガ30に滑り接触するシール部材20(リップ21a)の潰れ代を長期にわたって維持することができ、これらスリンガ30とシール部材20とによって高い密封性能を確保することが可能となる。
ここで、従来(図6参照)車両が走行すると、スリンガ99が車両インナ側へ移動する、いわゆるスリンガ99のウォークアウトという現象が生じる。本発明の発明者は、このウォークアウトの原因を探求した結果、その原因の一つとして、次のように推測することができた。すなわち、車両が旋回すると車両旋回荷重が作用し、この旋回荷重によってハブ軸90が断面において真円形状から楕円形状に弾性的に変形する。従来のスリンガ99は、このようなハブ軸90の変形に完全には追従しないことから、スリンガ99とハブ軸90との間の面圧が部分的に小さくなり、この面圧の低下によってハブ軸90とスリンガ99との間の静止摩擦力が弱くなり、静止摩擦力が弱くなった部分においてスリンガ99とハブ軸90との間において位置ずれが発生し、更に、ハブ軸90が継続して回転することで、この位置ずれが蓄積され、この結果、スリンガがウォークアウトすると推測できるに至った。
これに対して、本実施形態(図3〜図5)のスリンガ30の場合、スリット60が周方向に沿って複数形成されていることで、ハブ軸11に外嵌させる円筒部31を弾性変形させやすい構成としている(つまり、円筒部31の径方向のばね性を高くしている)。つまり、ハブ軸11が弾性変形して断面形状が変化しても、円筒部31はその変形に追従しやすくしている。
更に、本実施形態では、前記のとおり(図4参照)、スリット60は、円筒部31の車両アウタ側の部分39を越えて円環部32の径方向内側部37に至る範囲まで形成されており、これにより、スリンガ30の円筒部31における径方向のばね性がより一層高くなっている。このため、車両の走行によってハブ軸11が弾性変形しても、円筒部31はその変形に追従しやすく、スリンガ30のウォークアウトをより効果的に防ぐことが可能となる。
なお、前記スリンガ30を含む密封装置15は、車両アウタ側におけるものであるが、車両インナ側の密封装置17用のスリンガ50(図1参照)にも、前記のようなスリット60を適用することができる。これにより、スリンガ50の移動(ウォークアウト)を抑えることが可能となる。
以上のとおり開示した実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではない。つまり、本発明の車輪用軸受装置は、図示する形態に限らず本発明の範囲内において他の形態のものであってもよい。
例えば、図2に示すスリンガ30は径方向外側に第二の円筒部35を有しているが、この円筒部35は省略されてもよい。また、シール部材20は図示した形状以外であってもよい。
10:車輪用軸受装置 11:ハブ軸 12:外輪
13:玉(転動体) 14:保持器 20:シール部材
30:スリンガ 31:円筒部 32:円環部
37:径方向内側部 39:車両アウタ側の部分 56:フランジ部
60:スリット 61,62:側面 63:奥面
64,65:アール面 Bi:間隔

Claims (2)

  1. 車輪が取り付けられるフランジ部を車両アウタ側に有するハブ軸と、前記ハブ軸の径方向外側に設けられている外輪と、前記ハブ軸と前記外輪との間に設けられている複数の転動体と、前記複数の転動体を保持する保持器と、前記外輪に取り付けられている環状のシール部材と、前記ハブ軸に取り付けられ前記シール部材が滑り接触する環状のスリンガと、を備え、
    前記スリンガは、前記ハブ軸に締り嵌めの状態で嵌合している円筒部と、当該円筒部の車両アウタ側から径方向外側に延びている円環部と、を有し、当該スリンガには、前記円筒部の車両インナ側で開口しているスリットが複数形成されており、
    前記スリットは、周方向で対向し車両インナ側から車両アウタ側に向かって間隔が広くなっている一対の側面と、車両アウタ側の奥面と、前記一対の側面それぞれと前記奥面との間を繋ぐ凹形状のアール面と、を含む形状を有している、車輪用軸受装置。
  2. 前記スリットは、前記円筒部の車両アウタ側の部分を越えて前記円環部の径方向内側部に至る範囲まで形成されている、請求項1に記載の車輪用軸受装置。
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