以下、本発明の一実施形態に係る排気浄化装置について、図1から図5を参照して説明する。本実施形態の排気浄化装置は、内燃機関、例えば車両に搭載されたディーゼルエンジンの排気を浄化する装置である。車両は、自家用の乗用自動車、あるいはトラックやバスなどの事業用自動車のいずれであってもよく、用途や車種は特に問わない。また、ディーゼルエンジンが搭載された車両のみならず、車両としては、例えばガソリンエンジンが搭載された自動車やハイブリッド自動車であっても構わない。
図1は、本実施形態の排気浄化装置1の概略構成を示すブロック図である。図1に示すように、排気浄化装置1は、エンジン2の燃焼室21から排出される排気を浄化する構成となっている。
エンジン2の燃焼室21には、吸気弁22を開いて吸気通路3から吸気が吸入される。燃焼室21への吸気量は、吸気絞り弁23の開閉によって調整される。次いで、加熱圧縮された吸気にインジェクタ24から燃料(軽油)が噴射されると、燃料が発火し、空気と燃料を含む混合気が燃焼室21で燃焼する。混合気の燃焼により、燃焼室21内でピストン25が往復運動し、このエネルギーがピストン25に連結されたクランクシャフト26の回転運動に変換されて出力される。燃焼後の混合気(排気)は、排気弁27を開いて燃焼室21から排気通路4を通して排出され、排気浄化装置1で浄化された後に大気中へ放出される。
エンジン2は、排気通路4から分岐して排気を燃焼室21へ循環させる排気循環路5を有している。循環気(以下、EGRガスという)は、排気循環路5に設けられたEGRクーラやターボチャージャ(いずれも図示省略)などを経由し、EGR弁6の開閉によって吸気通路3の最下流などに導入される。
排気浄化装置1は、本体部10と、酸化触媒12と、排気フィルタ(例えば、ディーゼルパティキュレートフィルタ)13を備えている。本体部10は、排気を通流させる通気路11を内部に有する略筒状の構造体であり、燃焼室21と繋がる排気通路4の途中もしくは終端に配置され、排気通路4の一部を構成している。酸化触媒12と排気フィルタ13は、燃焼室21から排出された排気に含まれる微粒子(PM)を除去して排気を浄化するための部材であり、酸化触媒12を排気の流れの上流側(図1においては、左側)、排気フィルタ13を下流側(同、右側)に位置付けてそれぞれ通気路11に配置されている。PMは、粒子状物質の総称であるが、本実施形態では便宜上、煤(カーボン)と可溶性有機成分(SOF)の2つを成分として構成されているものとして扱う。したがって、PM、煤、SOFのうちの2つの量が推定できれば、残りの1つの推定量を算出することができる。
酸化触媒12は、排気中に含まれる炭化水素(HC)や一酸化炭素(CO)を酸化除去するとともに、一酸化窒素(NO)を酸化して二酸化窒素(NO2)を生成させる。また、酸化触媒12は、PMに含まれるSOF、具体的には燃焼室21で燃焼されなかった燃料(軽油)やエンジンオイルの燃え残りを酸化させて除去する。したがって、排気浄化装置1に流入した排気は、通気路11において酸化触媒12と接することでPMに含まれるSOFの量が減少し、排気フィルタ13へ向けて流れていく。その際、SOFの酸化反応で生じる反応熱によって排気の温度が上昇する(後述する第1状態の排気EG1よりも第2状態の排気EG2の方が高温となる)。
排気フィルタ13は、排気(本実施形態では、燃焼室21から排出された後、酸化触媒12でSOF量が減少した排気)に含まれるPMを捕集して除去する。排気フィルタ13の構成は特に限定されないが、例えば炭化ケイ素やコージライトなどを素材とした多孔質セラミックからなるウォールフロー型のフィルタとして構成することができる。排気フィルタ13の排気との接触部位は、酸化触媒でコーティングされている。したがって、排気浄化装置1の通気路11で酸化触媒12と接した排気は、排気フィルタ13を通過することでPMが酸化除去および捕集され、浄化された状態で排気浄化装置1から流出される。ただし、捕集されたPMが排気フィルタ13に堆積していくため、排気フィルタ13に目詰まりが生じて排気圧が徐々に増大していく。このため、捕集されたPMを適宜燃焼させて排気フィルタ13から取り除き、PMを適正に捕集することが可能な状態に排気フィルタ13を再生させねばならない。なお、酸化触媒12における酸化反応により生成されたNO2による酸化反応によっても、捕集されたPMは、一部が燃焼して排気フィルタ13から取り除かれる。
排気浄化装置1は、排気フィルタ13の再生を制御する制御部7を備えている。制御部7は、CPU、メモリ、入出力回路などを備えたマイクロコンピュータとして構成されている。制御部7は、各種データを入出力回路により読み込み、メモリから読み出したプログラムを用いてCPUで演算処理し、処理結果に基づいて所定の制御を行う。制御部7は、例えばエンジンコントロールユニット(ECU)に含めて構成すればよいが、ECUとは別途に構成してもよい。
図1に示すように、制御部7は、具体的な制御を実行するため、昇温制御部71、捕集量推定部72、可溶性有機成分(SOF)捕集量推定部73、および制御内容決定部74を備えている。これらの昇温制御部71、捕集量推定部72、SOF捕集量推定部73、および制御内容決定部74は、例えばプログラムとしてメモリに格納されている。なお、かかるプログラムをクラウド上に格納し、制御部7をクラウドと適宜通信させて所望のプログラムを利用可能とする構成であってもよい。この場合、制御部7は、クラウドとの通信モジュールなどを備えた構成とする。
排気フィルタ13の再生にあたって、昇温制御部71は、排気フィルタ13を通過する排気の温度を上昇させる昇温制御を実施する。排気温度の上昇により、排気フィルタ13に捕集されたPMが燃焼して除去される。再生させる排気フィルタ13は、PMが捕集されて堆積した状態となっており、捕集量推定部72は、排気フィルタ13が捕集したPMの捕集量を推定する。SOF捕集量推定部73は、排気フィルタ13に捕集されているPMに含まれるSOFの捕集量を推定する。PMの燃焼が開始されると、排気フィルタ13が捕集したPMは、燃焼が進行するにつれて減少する。その際、排気フィルタ13に捕集されているPMに含まれるSOFも同様に、PMの燃焼に伴って減少していく。このため、これらの捕集量の減少状況により、PMの燃焼の進行具合を推定することができる。また、制御内容決定部74は、昇温制御部71で実施される昇温制御の実施内容を定める。例えば、制御内容決定部74は、排気の昇温目標温度を設定し、排気温度を設定した昇温目標温度とするための昇温制御手段を定める。本実施形態では、昇温制御手段として、エンジン2への吸気、排気への還元剤の添加(燃料のポスト噴射)、および排気の循環(EGRガスの導入)の少なくとも1つを選択する。そして、制御内容決定部74は、SOF捕集量推定部73が推定したSOFの捕集量に応じて、エンジン2への吸気量、排気への還元剤の添加量(燃料のポスト噴射量)、および排気の循環量(EGRガスの導入量)を定める。
昇温制御部71は、捕集量推定部72が推定したPMの捕集量が所定の閾値を超えた際に、制御内容決定部74が定めた実施内容に基づいて排気温度の昇温制御を実施する。昇温制御部71が実施する昇温制御の内容は、制御内容決定部74が決定する。昇温制御部71が昇温制御を開始する際、制御内容決定部74は、SOF捕集量推定部73が推定したSOFの捕集量に応じて、昇温制御の開始時の実施内容を定める。そして、その後にSOF捕集量推定部73が推定したSOFの捕集量(別の捉え方をすれば、SOFの未燃焼量)に応じて、制御内容決定部74は、開始時に定めた昇温制御の実施内容を変更する。
また、排気浄化装置1は、排気通路4を流れる排気の温度を測定する温度測定部8を備えている。本実施形態において、排気浄化装置1には、3つの温度センサ8a,8b,8cが温度測定部8として備えられている。第1の温度センサ8aは、排気通路4の酸化触媒12の上流(具体的には、通気路11よりも上流)で排気の温度を測定している。第2の温度センサ8bは、排気通路4の酸化触媒12の下流かつ排気フィルタ13の上流(すなわち、通気路11における酸化触媒12と排気フィルタ13の間)で排気の温度を測定している。そして、第3の温度センサ8cは、排気通路4の排気フィルタ13の下流(具体的には、通気路11よりも下流)で排気の温度を測定している。さらに、排気浄化装置1は、排気フィルタ13の上流側と下流側での排気の差圧を測定する差圧測定部(一例として、差圧センサ)9を備えている。温度センサ8a,8b,8cで測定された温度データ、および差圧センサ9で測定された差圧データは、例えば通信ケーブルなどを介して制御部7に送られる。
図2から図5には、排気浄化装置1における排気フィルタ13の再生制御のフローを示す。以下、排気フィルタ13の再生制御の具体例およびその作用について、図2から図5に示すフローに従って説明する。
排気浄化装置1は、例えばエンジン2が所定条件(所定時間や所定速度など)で継続して運転され、排気フィルタ13の再生開始要件を満たした場合、排気フィルタ13の再生を実施する。本実施形態では、排気フィルタ13が捕集したPMの捕集量(以下、PM捕集量という)が所定の閾値を超えているか否かを昇温制御部71で判定している。閾値は、排気フィルタ13のPM除去性能などに応じて任意に設定することが可能であり、本実施形態では特に限定しない。
図2は、排気フィルタ13の再生開始の要否を判断する処理の流れの一例を示すフロー図である。PM捕集量は、捕集量推定部72で推定される。本実施形態では、排気フィルタ13の再生開始の要否判断処理において、排気フィルタ13に捕集されているPMに含まれるSOFの捕集量(以下、SOF捕集量という)も、SOF捕集量推定部73で併せて推定される。図2に示すように、捕集量推定部72は、燃焼室21から排出されて酸化触媒12と接する前の排気(図1において矢印EG1で示す。以下、第1状態の排気EG1という)に含まれるPM量とSOF量を、エンジン2の回転数とトルクとの関係を示す既知のマップ(図示省略)を参照してそれぞれ推定する(S201)。推定されたPM量からSOF量を減ずることで、第1状態の排気EG1に含まれる煤の推定量が算出される。この場合、捕集量推定部72は、例えばエンジン回転数センサなどが検出した回転数データを読み込み、かかるマップを参照して第1状態の排気EG1に含まれるPM量とSOF量をそれぞれ推定する。かかるマップは、制御部7のメモリ、あるいはクラウド上に格納されている。
酸化触媒12における排気のSOF浄化率は、酸化触媒12と接する排気の温度によって推定することができる。このため、捕集量推定部72では、第1状態の排気EG1の温度により、酸化触媒12における第1状態の排気EG1のSOF浄化率を推定する(S202)。制御部7のメモリ、あるいはクラウド上には、第1状態の排気EG1の温度と、酸化触媒12における第1状態の排気EG1のSOF浄化率との関係を示す既知のマップ(図示省略)が格納されている。第1状態の排気EG1の温度は、第1の温度センサ8aで測定されている。
そして、推定した浄化率を用いて、第1状態の排気EG1が酸化触媒12と接して浄化された排気(図1において矢印EG2で示す。以下、第2状態の排気EG2という)のPM量およびSOF量を、捕集量推定部72においてそれぞれ推定する(S203)。
例えば、測定された第1状態の排気EG1の温度に対する酸化触媒12のSOF浄化率(酸化触媒12での酸化反応により除去されるSOFの割合)をα1とすれば、第1状態の排気EG1に含まれるSOF量(X)のうちのX*α1が、酸化触媒12によって酸化除去される。したがって、X*(1−α1)のSOFが除去されずに残存し、第2状態の排気EG2に含まれていることになる。すなわち、第2状態の排気EG2に含まれているSOF量は、X*(1−α1)と算出できる。
一方、第1状態の排気EG1が酸化触媒12で浄化された後であっても、第2状態の排気EG2に含まれている煤の量は変わらない。したがって、この煤量に第2状態の排気EG2のSOF量を加えることで、第2状態の排気EG2に含まれているPMの量を算出できる。
排気フィルタ13における排気のSOF浄化率は、排気フィルタ13を通過する排気の温度によって推定することができる。このため、捕集量推定部72では、第2状態の排気EG2の温度により、排気フィルタ13における第2状態の排気EG2のSOF浄化率を推定する(S204)。制御部7のメモリ、あるいはクラウド上には、第2状態の排気EG2の温度と、排気フィルタ13における第2状態の排気EG2のSOF浄化率との関係を示す既知のマップ(図示省略)が格納されている。第2状態の排気EG2の温度は、第2の温度センサ8bで測定されている。
そして、推定した浄化率を用いて、排気フィルタ13に捕集されたPMの量(PM捕集量)を、捕集量推定部72において推定する(S205)。併せて、PM捕集量に含まれるSOFの量(SOF捕集量)を、SOF捕集量推定部73において推定する(S205)。
例えば、測定された第2状態の排気EG2の温度に対する排気フィルタ13のSOF浄化率(排気フィルタ13での酸化反応により除去されるSOFの割合)をα2とすれば、第2状態の排気EG2に含まれるSOF量(X*(1−α1))のうちのX*(1−α1)*α2が、排気フィルタ13によって酸化除去される。すなわち、X*(1−α1)*α2のSOFが排気フィルタ13で酸化除去されるので、排気フィルタ13におけるSOF捕集量は、X*(1−α1)*(1−α2)と算出できる。
第2状態の排気EG2が排気フィルタ13を通過することで、第2状態の排気EG2に含まれる煤はすべて排気フィルタ13で捕集されたものと推定できる。したがって、この煤量(つまり、第1状態の排気EG1に含まれていた煤の量)にSOF捕集量を加えることで、排気フィルタ13のPM捕集量を算出する。
すでにPM捕集量およびSOF捕集量が算出されている場合、捕集量推定部72およびSOF捕集量推定部73は、これらの既算出値に新たに算出した値をそれぞれ加えて積算し、その積算値を、現時点におけるPM捕集量およびSOF捕集量として推定する。PM捕集量およびSOF捕集量が既算出されていない(つまり、これらが初期値である)場合、捕集量推定部72およびSOF捕集量推定部73は、新たに算出した値を、現時点におけるPM捕集量およびSOF捕集量として推定する。
なお、本実施形態では、温度センサ8a,8bの温度データを用いてPM捕集量およびSOF捕集量を推定しているが、推定方法はこれに限定されない。例えば、差圧センサ9で測定した排気フィルタ13の上流側と下流側での排気の差圧データを用いて、PM捕集量を推定してもよい。あるいは、車両の走行距離やPM捕集量を直接検出するセンサなどを用いて、PM捕集量を推定しても構わない。
昇温制御部71は、捕集量推定部72で推定されたPM捕集量に基づいて排気フィルタ13の再生を行うか否かを判断する。このため、昇温制御部71は、PM捕集量が所定の閾値を超えているか否かを判定する(S206)。閾値は、上述のとおり、排気フィルタ13のPM除去性能などに応じて任意に設定されている。PM捕集量が閾値を超えていない場合、排気フィルタ13の再生は実施されず、所定時間経過後にS201からの制御が繰り返される。
これに対し、PM捕集量が閾値を超えた場合、排気フィルタ13の再生が実施される。図3から図5は、排気フィルタ13を再生させる際の処理の流れを示すフロー図である。
図3から図5に示すように、昇温制御部71は、制御内容決定部74が定めた実施内容に基づいて昇温制御を実施する。この場合、制御内容決定部74に昇温制御の実施内容を決定させるため、昇温制御部71は、SOF捕集量推定部73で推定されたSOF捕集量が第1の所定値を超えているか否かを判定する(S301)。本実施形態において、第1の所定値は、燃焼時の熱量が排気フィルタ13を溶損させる熱量に相当するSOF量の値に設定されている。排気フィルタ13が溶損する(溶け出す)熱量は、排気フィルタ13の材質などに応じて定められる。したがって、第1の所定値は、SOF捕集量のSOFを燃焼させた場合、排気フィルタ13が溶損してしまうおそれのある危険値として設定されている。
SOF捕集量が第1の所定値を超えている場合、昇温制御部71は、制御内容決定部74に昇温制御の実施内容を決定させる(S302)。
この場合、制御内容決定部74は、排気温度の昇温目標温度を第1の昇温目標温度に定めるとともに、排気温度を第1の昇温目標温度とするための昇温制御手段を第1の昇温制御手段に定める(S303)。第1の昇温目標温度は、例えばSOFを燃焼(着火)させることが可能な温度(以下、SOF燃焼可能温度という)に設定される。SOF燃焼可能温度は、300℃から400℃程度であり、煤(カーボン)の燃焼可能温度(600℃程度)よりも低温となっている。また、第1の昇温制御手段としては、エンジン2への吸気量の減少(吸気絞り)と排気の循環(EGRガスの導入)が選択される。
制御内容決定部74により、昇温目標温度および昇温制御手段として、第1の昇温目標温度および第1の昇温制御手段が定められると、昇温制御部71は、第2状態の排気EG2の温度を、第1の昇温制御手段を用いて第1の昇温目標温度まで上昇させる(S304)。その際、制御内容決定部74は、SOF捕集量に応じて、エンジン2への吸気量および排気の循環量を定める。昇温制御部71は、制御内容決定部74が定めたエンジン2への吸気量および排気の循環量に基づいて、吸気絞りとEGRガスの導入を行う。
第1の昇温目標温度は、SOF燃焼可能温度に設定されているので、第2状態の排気EG2の温度を第1の昇温目標温度まで上昇させることで、SOFが着火して燃焼を始める。SOFが燃焼すると、その燃焼熱によって第3状態の排気EG3の温度が上昇する。この場合、SOF捕集量が第1の所定値(排気フィルタ13が溶損してしまうおそれのある危険値)を超えているため、SOFの着火後(第2状態の排気EG2の温度を第1の昇温目標温度まで上昇させた後)、昇温制御部71は、SOFの実燃焼温度に相当する第3状態の排気EG3の温度が第1の昇温目標温度を維持するように、第2状態の排気EG2の温度を制御する。これにより、SOF捕集量が第1の所定値(排気フィルタ13が溶損してしまうおそれのある危険値)を超えている場合であっても、SOFの急激な燃焼(SOF捕集量のすべてが一気に燃焼すること)を抑制することができるので、排気フィルタ13の溶損などを防止することができる。
第2状態の排気EG2の温度を第1の昇温目標温度まで上昇させるため、昇温制御部71は、エンジン2の燃焼室21へ送る吸気量を吸気絞りにより減少させる。その際、ポスト噴射による通気路11への燃料の送出は行わず、EGRガスを導入して酸素濃度を下げることで、SOFが急激に燃焼することを防いでいる。
昇温制御部71は、吸気絞り弁23やEGR弁6などの動作を制御することで、エンジン2への吸気量や排気の循環量(EGRガスの導入量)を調整する。SOFの実燃焼温度は、第3状態の排気EG3の温度として、第3の温度センサ8cで測定されている。昇温制御部71は、第2の温度センサ8bで測定された温度データを読み込み、第2状態の排気EG2の温度が第1の昇温目標温度(SOF燃焼可能温度)に達したことを確認する。その後、昇温制御部71は、第3の温度センサ8cで測定された温度データを併せて読み込み、第3状態の排気EG3の温度が第1の昇温目標温度(SOF燃焼可能温度)を維持するように、第2状態の排気EG2の温度を制御する。
このように第2状態の排気EG2の温度を上昇させることで、排気フィルタ13に捕集されたPMに含まれるSOFが燃焼される。燃焼開始後、昇温制御部71は、PM捕集量に含まれるSOFの未燃焼量(燃焼開始後の現時点におけるSOF捕集量)をSOF捕集量推定部73に推定させる(S305)。
SOF捕集量推定部73は、例えば、第2状態の排気EG2の温度を第1の昇温目標温度に上昇させ、SOFの燃焼を開始させてからの燃焼時間の経過により、SOFの燃焼量を推定する。そして、SOF捕集量推定部73は、SOF捕集量(S205での推定量)からSOFの燃焼量を減じて算出したSOFの量、つまりSOFの未燃焼量にSOF捕集量を更新する。また別の方法として、SOF捕集量推定部73は、例えば、差圧センサ9で測定した排気フィルタ13の上流側と下流側での排気の差圧データを用いて、現時点(SOFの燃焼開始後)におけるPMの未燃焼量を、PM捕集量としてまず推定する。第1の昇温目標温度は、煤の燃焼可能温度よりも低温に設定されているので、第2状態の排気EG2の温度を第1の昇温目標温度まで上昇させたとしても、煤はほぼ未燃焼のままPMに残存している。このため、PMの未燃焼量から第2状態の排気EG2に含まれている煤の量を減ずることで、PMの未燃焼量に占めるSOFの量をSOF捕集量として算出する。第2状態の排気EG2に含まれている煤の量は、捕集量推定部72で推定されている。
次いで、昇温制御部71は、SOF捕集量推定部73で推定されたSOF捕集量が第1の所定値以下まで減少しているか否かを判定する(S306)。SOF捕集量が第1の所定値を超えている間は、排気フィルタ13が溶損してしまうおそれのある量のSOFが燃焼されずに未だ残存しているので、昇温制御部71は、S304から昇温制御を繰り返す。
SOF捕集量が第1の所定値以下である場合、昇温制御部71は、制御内容決定部74に昇温制御の実施内容を変更(再決定)させる(S307)。
この場合、制御内容決定部74は、排気温度の昇温目標温度を第2の昇温目標温度に定めるとともに、排気温度を第2の昇温目標温度とするための昇温制御手段を第2の昇温制御手段に定める(S308)。第2の昇温目標温度は、例えばSOF燃焼可能温度(第1の昇温目標温度)よりも高く、煤を燃焼させることが可能な温度(一例として、600℃程度)よりも低い温度に設定される。また、第2の昇温制御手段としては、エンジン2への吸気量の減少(吸気絞り)と排気への還元剤の添加(燃料のポスト噴射)が選択される。
制御内容決定部74により、昇温目標温度および昇温制御手段として、第2の昇温目標温度および第2の昇温制御手段が定められると、昇温制御部71は、第2状態の排気EG2の温度を、第2の昇温制御手段を用いて第2の昇温目標温度まで上昇させる(S309)。その際、制御内容決定部74は、SOF捕集量に応じて、エンジン2への吸気量および排気への還元剤の添加量(燃料のポスト噴射量)を定める。本実施形態では、エンジン2への吸気量は、上述したSOF捕集量が第1の所定値を超えている場合(S304)よりも減少させる。例えば、SOF捕集量が少なくなるにつれて、エンジン2への吸気量を減少させる。排気への還元剤の添加量は、SOF捕集量が少なくなるにつれて増加させる。昇温制御部71は、制御内容決定部74が定めたエンジン2への吸気量および排気への還元剤の添加量に基づいて、吸気絞りと燃料のポスト噴射を行う。
第2状態の排気EG2の温度を第2の昇温目標温度としてもSOFは燃焼を続け、それによる燃焼熱の発生も継続される。ただし、SOFの燃焼による熱量は、燃焼が進行してSOF捕集量が減少するにつれて徐々に低下していく。このため、第2の昇温目標温度は、第1の昇温目標温度よりも高温に設定されている。この場合、排気フィルタ13が溶損してしまうおそれのある量のSOFは残存しないものの、所定量のSOFが燃焼されずに未だ残存しているので、昇温制御部71は、第3状態の排気EG3が第2の昇温目標温度を維持するように、第2状態の排気EG2の温度を制御する。これにより、SOFの急激な燃焼(SOF変化量のすべてが一気に燃焼すること)を抑制しつつ、SOFの燃焼を確実に継続させることができる。また、SOFの燃焼熱の発生も継続されるため、SOFの実燃焼温度に相当する第3状態の排気EG3の温度が、一時的に煤の燃焼可能温度まで上昇すれば、SOFに続いて煤を着火させることができる。ただし、SOFの燃焼熱量は徐々に低下するので、煤が急激に燃焼してしまうことは抑制できる。
第2状態の排気EG2の温度を第2の昇温目標温度まで上昇させるため、昇温制御部71は、エンジン2の燃焼室21へ送る吸気量を吸気絞りにより減少させるとともに、ポスト噴射により排気へ還元剤を添加する(通気路11へ燃料を送る)。その際、所定量のSOFが未燃焼のまま残存しているので、ポスト噴射する燃料をSOF捕集量に応じて徐々に通常の噴射量まで増加させる。ポスト噴射における燃料の通常の噴射量は、後述する第2状態の排気EG2を第3の昇温目標温度まで上昇させる場合の噴射量として定義する。またこの場合、排気の循環を制限する(EGRガスの導入はしない)。これにより、酸素濃度を上げてSOFや煤の燃焼を促進させるとともに、ポスト噴射燃料が燃焼室21へ回り込むことを防いでいる。
昇温制御部71は、吸気絞り弁23やインジェクタ24、EGR弁6などの動作を制御することで、エンジン2(燃焼室21)への吸気量や排気への還元剤の添加量(燃料のポスト噴射量)を調整するとともに、EGRガスの導入をカットする。また、昇温制御部71は、第2の温度センサ8bで測定された温度データを読み込み、第2状態の排気EG2の温度が第2の昇温目標温度に達したことを確認する。その後、昇温制御部71は、第3の温度センサ8cで測定された温度データを併せて読み込み、第3状態の排気EG3の温度が第2の昇温目標温度を維持するように、第2状態の排気EG2の温度を制御する。
これにより、SOFの燃焼がさらに進行する。この状態で、昇温制御部71は、SOF捕集量推定部73にSOF捕集量を推定させる(S310)。SOF捕集量推定部73は、S305と同様にSOF捕集量を推定する。例えば、SOFの燃焼を開始させてから現時点までの燃焼時間の経過により、SOFの燃焼量を推定し、SOF捕集量(S205での推定量)からSOFの燃焼量を減じて算出したSOFの未燃焼量に、SOF捕集量を更新する。
次いで、昇温制御部71は、SOF捕集量推定部73で推定されたSOF捕集量が第2の所定値よりも減少しているか否かを判定する(S311)。SOF捕集量が第2の所定値以上である(SOF変化量が第2の範囲である)間は、上述したとおり、排気フィルタ13が溶損してしまうおそれのある量のSOFは残存しないものの、所定量のSOFが燃焼されずに未だ残存しているので、昇温制御部71は、S309から昇温制御を繰り返す。
SOF捕集量が第2の所定値よりも減少している場合、昇温制御部71は、制御内容決定部74に昇温制御の実施内容を変更させる(S312)。
この場合、制御内容決定部74は、排気温度の昇温目標温度を第3の昇温目標温度に定めるとともに、排気温度を第3の昇温目標温度とするための昇温制御手段を第3の昇温制御手段に定める(S313)。第3の昇温目標温度は、例えば第2の昇温目標温度よりも高く、煤を燃焼(着火)させることが可能な温度(以下、煤燃焼可能温度という)に設定されている。一例として、煤燃焼可能温度は600℃程度である。また、第3の昇温制御手段としては、排気への還元剤の添加(燃料のポスト噴射)とエンジン2への吸気量の減少(吸気絞り)が選択される。
制御内容決定部74により、昇温目標温度および昇温制御手段として、第3の昇温目標温度および第3の昇温制御手段が定められると、昇温制御部71は、第2状態の排気EG2の温度を、第3の昇温制御手段を用いて第3の昇温目標温度まで上昇させる(S314)。その際、制御内容決定部74は、SOF捕集量に応じて、エンジン2への吸気量および排気への還元剤の添加量(燃料のポスト噴射量)を定める。本実施形態では、エンジン2への吸気量は、上述したSOF捕集量が第2の所定値以上である場合(S309)よりも減少させる。例えば、SOF捕集量が少なくなるにつれて、エンジン2への吸気量を減少させる。排気への還元剤の添加量は、上述したSOF捕集量が第2の所定値以上である場合(S309)よりも増加させる。例えば、SOF捕集量が少なくなるにつれて増加させる。昇温制御部71は、制御内容決定部74が定めたエンジン2への吸気量および排気への還元剤の添加量に基づいて、吸気絞りと燃料のポスト噴射を行う。
第2状態の排気EG2の温度を第3の昇温目標温度としてもSOFは燃焼を続けるが、それによる燃焼熱はほとんど発生しない。一方、第2状態の排気EG2の温度を第3の昇温目標温度まで上昇させることで、PM中の煤を積極的に着火させて燃焼させる。煤が燃焼すると、その燃焼熱によって、第3状態の排気EG3の温度が上昇する。この場合、SOF捕集量が第2の所定値(排気フィルタ13に捕集されたPMにSOFが含まれていないとみなせる値)を下回っているため、昇温制御部71は、SOFがほぼ燃え尽きたPMの実燃焼温度(煤の燃焼熱による温度上昇を加味したPMの燃焼温度)に相当する第3状態の排気EG3の温度が第3の昇温目標温度を維持するように、第2状態の排気EG2の温度を制御する。これにより、SOFに続いて煤の燃焼を継続させることができるので、排気フィルタ13に捕集されたPMを除去して、排気フィルタ13を再生させることができる。
第2状態の排気EG2の温度を第3の昇温目標温度まで上昇させるため、昇温制御部71は、エンジン2の燃焼室21へ送る吸気量を吸気絞りにより減少させるとともに、ポスト噴射により排気へ還元剤を添加する(通気路11へ燃料を送る)。その際、排気フィルタ13に捕集されたPMには、SOFが含まれていないとみなせる。すなわち、燃料となるSOFがPMにほとんど存在していないので、通常の噴射量で燃料をポスト噴射し、新たな燃料を積極的に供給する。またこの場合、排気の循環を制限する(EGRガスの導入はしない)。これにより、酸素濃度を上げてSOFや煤の燃焼を促進させるとともに、ポスト噴射燃料が燃焼室21へ回り込むことを防いでいる。
昇温制御部71は、吸気絞り弁23やインジェクタ24、EGR弁6などの動作を制御することで、エンジン2(燃焼室21)への吸気量や排気への還元剤の添加量(燃料のポスト噴射量)を調整するとともに、EGRガスの導入をカットする。また、昇温制御部71は、第2の温度センサ8bで測定された温度データを読み込み、第2状態の排気EG2の温度が第3の昇温目標温度に達したことを確認する。その後、昇温制御部71は、第3の温度センサ8cで測定された温度データを併せて読み込み、第3状態の排気EG3の温度が第3の昇温目標温度を維持するように、第2状態の排気EG2の温度を制御する。
これらの制御は、排気フィルタ13に捕集されたPMが完全に燃焼され、排気フィルタ13から除去されるまで所定時間(例えば20分から30分間程度)に亘って継続される(S315)。昇温制御部71は、例えば、差圧センサ9で測定した排気フィルタ13の上流側と下流側での排気の差圧データを用いて、排気フィルタ13からPMが除去されたか否かを判定する。差圧センサ9で測定された差圧が所定の基準値よりも小さければ、排気フィルタ13に目詰まりが生じておらず、圧損もないものとして、排気フィルタ13からPMが除去されたと判定できる。かかる判定は、所定時間経過後の現時点におけるPM捕集量を、昇温制御部71が捕集量推定部72に推定させることにより行ってもよい。
第3の昇温目標温度での所定時間の燃焼後、排気フィルタ13に捕集されたPMが除去されると、昇温制御部71は、第2状態の排気EG2の温度制御を停止させ、第2状態の排気EG2の温度をもとの温度(第1の昇温目標温度への上昇前の温度)へ戻す(S316)。例えば、吸気絞り弁23やインジェクタ24、EGR弁6などの動作を制御し、エンジン2(燃焼室21)への吸気や排気への還元剤の添加(燃料のポスト噴射)を停止させるとともに、排気の循環(EGRガスの導入)を再開させる。これにより、第2状態の排気EG2の温度は、次第に上昇前(排気フィルタ13の再生開始前)の状態まで低下する。
また、昇温制御部71は、PM捕集量およびSOF捕集量を初期値にリセット(例えば、パラメータをゼロクリア)する(S317)。併せて、PM(SOFおよび煤)の燃焼時間を初期値にリセット(例えば、タイマーをゼロクリア)する。
一方、第3の目標温度での所定時間の燃焼後、排気フィルタ13に捕集されたPMが除去されていない場合(S315)、昇温制御部71は、排気フィルタ13からPMが除去されるまで、S314の昇温制御を繰り返す。
なお、S301でSOF捕集量が第1の所定値を超えていない、つまりSOF捕集量が第1の所定値以下である場合、昇温制御部71は、SOF捕集量が第2の所定値以上であるか否かを判定する(S318)。
SOF捕集量が第2の所定値以上である場合、制御内容決定部74は、昇温制御部71からの指示を受けて、排気温度の昇温目標温度を第2の昇温目標温度に定めるとともに、排気温度を第2の昇温目標温度とするための昇温制御手段を第2の昇温制御手段に定める(S308)。以降は、S309からの昇温制御が行われる。
これに対し、SOF捕集量が第2の所定値を下回っている場合、制御内容決定部74は、昇温制御部71からの指示を受けて、排気温度の昇温目標温度を第3の昇温目標温度に定めるとともに、排気温度を第3の昇温目標温度とするための昇温制御手段を第3の昇温制御手段に定める(S313)。以降は、S314からの昇温制御が行われる。
このように、本実施形態によれば、排気フィルタ13の再生にあたって、SOF捕集量に応じて、再生の制御内容を決定するとともに、その制御内容を変更することができる。具体的には、SOF捕集量と、第1の所定値および第2の所定値との関係に基づいて、排気フィルタ13の再生開始時および再生開始後における排気温度の昇温目標温度と昇温制御手段を変更することができる。SOF捕集量は、PMに占めるSOFの割合を左右するものであり、PMの質に相当する。したがって、本実施形態では、排気フィルタ13に捕集されたPMの質に基づいて、排気フィルタ13の再生制御内容の決定と変更を行うことができる。
例えば、SOF捕集量が第1の所定値を超えている場合、排気フィルタ13には、PMを燃焼させるための燃料として過剰な量のSOFが存在している。この場合、SOFを着火させるために吸気絞りによって第2状態の排気EG2の温度を上昇させれば、着火したSOFの燃焼熱で、SOFの実燃焼温度に相当する第3状態の排気EG3の温度をSOF燃焼可能温度に維持することができる。したがって、第2状態の排気EG2の温度を上昇させる際にポスト噴射で燃料を供給せずに済み、余計な燃料の噴射を抑制することができる。
また、ポスト噴射による燃料の供給を行わず、EGRガスを導入して酸素濃度を下げているので、SOFが急激に燃焼することを防ぐことができる。このため、SOF捕集量が第1の所定値(排気フィルタ13が溶損してしまうおそれのある危険値)を超えている場合であっても、SOFを燃焼させて排気フィルタ13の再生を行うことができる。その際、SOFの燃焼による排気フィルタ13の溶損などを防止することができる。
加えて、本実施形態では、SOF捕集量が第1の所定値以下である場合、排気の循環を制限(一例として、EGRガスの導入をカット)するとともに、SOF捕集量が第1の所定値を超えている場合よりもエンジン2への吸気量を減少させている。そして、SOF捕集量が第1の所定値以下である場合、SOF捕集量が少なくなるにつれて、排気への還元剤の添加量を増加させている。これにより、PMを燃焼させるための燃料として十分な量のSOFが存在していない場合、さらには燃料となるSOFがほとんど存在していない場合であっても、エンジン2への吸気量、排気への還元剤の添加量(燃料のポスト噴射量)、および排気の循環量(EGRガスの導入量)を、SOF捕集量に応じて常に最適量に維持した状態で、PMを燃焼させて排気フィルタ13の再生を行うことができる。
例えば、SOF捕集量が第1の所定値以下で、かつ第2の所定値以上である場合、排気フィルタ13には、PMを燃焼させるための燃料として過剰な量のSOFは存在しないが、所定量のSOFは存在している。この場合、SOFを燃焼させるためにポスト噴射により燃料を供給するが、その量をSOF捕集量に応じて減らすことができる。すなわち、排気フィルタ13の再生を開始してからSOF捕集量が第2の所定値を下回るまでの間、端的には、ポスト噴射により通常量の燃料を供給するまでに、SOFの燃焼熱を利用して排気フィルタ13の再生を進行させることができる。このため、余計な燃料の噴射を抑制することができる。
また、本実施形態では、SOF捕集量が大きいほど、排気の昇温目標温度を低く設定している。具体的には、排気の昇温目標温度は、SOF捕集量が最も少ない場合の第3の目標温度が最も高く、次いで第2の目標温度、そしてSOF捕集量が最も多い場合の第1の目標温度を最も低く設定している。排気の昇温目標温度をこのように設定した場合であっても、燃料となるSOFがほとんど存在しなくなるまでは、SOFの燃焼熱を利用して排気フィルタ13の再生を進行させることができる。すなわち、SOF捕集量が第2の所定値を下回り、ポスト噴射により通常量の燃料を供給するまでは、排気の昇温温度を抑えることができる。したがって、排気の昇温目標温度の観点でも、余計な燃料の噴射を抑制することができる。
排気フィルタ13を再生させる際、このように余計な燃料の噴射を抑制することができるので、結果として、エンジン2の燃費改善や燃費向上を図ることができる。
以上、本発明の実施形態を説明したが、上述した実施形態は、一例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。このような新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。