JP6657948B2 - 粘着剤組成物、およびそれを用いてなる粘着剤並びに偏光板用粘着剤 - Google Patents

粘着剤組成物、およびそれを用いてなる粘着剤並びに偏光板用粘着剤 Download PDF

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Description

本発明は、粘着剤組成物、およびそれを用いてなる粘着剤並びに偏光板用粘着剤に関し、更に詳しくは、耐久性、耐光漏れ性、リワーク性、透明性、帯電防止性に優れた粘着剤を形成する粘着剤組成物、それを用いてなる粘着剤、並びに偏光板用粘着剤に関するものである。
従来より、偏光性が付与されたポリビニルアルコール系フィルム等の両面が、保護フィルム(一般的に、トリアセチルセルロースフィルムや、そのほかにもアクリルやシクロオレフィン、オレフィン、位相差層を供えたフィルム等)、例えばトリアセチルセルロースフィルムで被覆された偏光板を、2枚のガラス板の間に配向した液晶成分を挟持させた液晶セルの表面に積層し、液晶表示板とすることが行われており、この液晶セル面への積層は、偏光板表面に設けた粘着剤層を上記液晶セル面に当接し、押し付けることにより行われるのが通常である。
かかる偏光板は、代表的にはポリビニルアルコール系偏光子の両面をトリアセチルセルロース系保護フィルムで挟まれた3層構造を有しているが、それらの材料の特性から寸法安定性が乏しい。また、ポリビニルアルコール系偏光子は延伸によって成形されているため、経時バックライトの熱、環境中からの熱・湿度による寸法変化が起こりやすい。
このような寸法変化により生じる応力を、吸収・緩和することができないと、粘着層と偏光板に作用する残留応力の分布が不均一になり特に偏光板の周辺部に応力が集中することで各部材に発生する複屈折や液晶セルの反りなどにより光漏れ現象が発生してしまったり、粘着剤の耐久性が低い場合には生じた応力により浮きやハガレ、発泡等が発生してしまったりする。
そこで、偏光板貼り付け用粘着剤に関しては、高温下、高温高湿下、低温から高温へのヒートサイクルにおいて発泡やハガレが生じず耐久性に優れることに加えて、耐光漏れ性、リワーク性、帯電防止性、透明性などの各種性能にバランスよく優れる粘着剤を求めて研究が行われてきた。
このような目的で開発された偏光板用の粘着剤として、例えば、
官能基を有するアクリル樹脂(A)100質量部と、官能基を有さないアクリル樹脂(B)100〜500質量部と、架橋剤(C)と、シランカップリング剤(D)とを含み、
上記アクリル樹脂(A)が、(メタ)アクリルエステルモノマー(a)100質量部と、官能基含有モノマー(c)0.1〜5質量部との重量平均分子量100万〜250万の共重合体であり、上記アクリル樹脂(B)が、官能基含有モノマーを含まない(メタ)アクリルエステルモノマー(b)の重量平均分子量100万〜250万の重合体であり、上記モノマーaと、上記モノマーbとが、そのモノマー組成において90質量%以上同一であることを特徴とする偏光板用粘着剤組成物(特許文献1参照)や、
アルキルの炭素数が1〜12のアルキル(メタ)アクリル酸エステル単量体を含有する(メタ)アクリル系共重合体を含み、ゲル分率が10〜55%であり、膨脹比が30〜110であり、粘着剤からエチルアセテートで溶出されたゾルの重量平均分子量が800,000以上であり、及び分子量分布が2.0〜7.0であることを特徴とする偏光板用アクリル系粘着剤組成物(特許文献2参照)が挙げられる。
日本国特開2011−122104号公報 日本国特表2009−507255号公報
しかしながら、近年、画像表示装置の大型化・部材構成の薄膜化に伴い、画像表示装置を構成する偏光板についても、耐久性・耐光漏れ性・リワーク性・透明性・帯電防止性に更に高いレベルでバランスよく優れることが求められているところ、上記特許文献1および2の技術では耐久性にまだまだ改良の余地が残るものであり、特に耐久性の中でも厳しい条件の試験方法であり、より実用性に適したヒートサイクル試験における耐久性能に課題が残るものであった。
そこで、本発明ではこのような背景下において、偏光板とガラス基板等を貼り合わせる際に、優れた耐久性能(特に耐ヒートサイクル性能)を示す粘着剤であり、更には耐光漏れ性、リワーク性、帯電防止性、透明性(相溶性)にも優れる粘着剤の提供を目的とするものである。
しかるに本発明者等は、かかる事情に鑑み鋭意研究を重ねた結果、反応性官能基を含有するアクリル系樹脂(A)と、反応性官能基を含有しないアクリル系樹脂(B)とをブレンドするタイプの粘着剤組成物において、反応性官能基を含有するアクリル系樹脂(A)中の反応性官能基の含有量を通常より多くし、更に反応性官能基を含有しないアクリル系樹脂(B)に極性官能基を含有させることにより、耐久性と耐光漏れ性とのバランスに優れた粘着剤が得られ、かつ反応性官能基を含有するアクリル系樹脂(A)と反応性官能基を含有しないアクリル系樹脂(B)との相溶性にも優れる粘着剤組成物が得られることを見いだし、本発明を完成させるに至った。
即ち、本発明は、以下の(1)〜()の態様を含む。
(1)反応性官能基含有モノマー(a1)を含む重合成分を重合してなるアクリル系樹脂(A)、反応性官能基含有モノマーを含まない重合成分を重合してなるアクリル系樹脂(B)を含有する粘着剤組成物であって、アクリル系樹脂(A)の重合成分が、反応性官能基含有モノマー(a1)を2.5〜30重量%含み、アクリル系樹脂(A)の重量平均分子量が100万以上であり、アクリル系樹脂(B)の重合成分が、非反応性極性官能基含有モノマー(b1)を含み、非反応性極性官能基含有モノマー(b1)がアミド基含有モノマーであることを特徴とする粘着剤組成物。
(2)アクリル系樹脂(B)の重合成分中の非反応性極性官能基含有モノマー(b1)の含有割合が0.1〜30重量%であることを特徴とする前記(1)記載の粘着剤組成物。
(3)反応性官能基含有モノマー(a1)が水酸基含有モノマーおよびカルボキシル基含有モノマーからなる群から選択される少なくとも1種であることを特徴とする前記(1)または(2)に記載の粘着剤組成物。
)アクリル系樹脂(B)の重量平均分子量が100万以上であることを特徴とする前記(1)〜()のいずれか1つに記載の粘着剤組成物。
)アクリル系樹脂(A)とアクリル系樹脂(B)の含有比率[(A):(B)](重量比)が、(A):(B)=100:50〜100:500であることを特徴とする前記(1)〜()のいずれか1つに記載の粘着剤組成物。
)架橋剤(C)を含有することを特徴とする前記(1)〜()のいずれか1つに記載の粘着剤組成物。
)架橋剤(C)がイソシアネート系架橋剤およびエポキシ系架橋剤からなる群から選択される少なくとも1種であることを特徴とする前記()に記載の粘着剤組成物。
)前記(1)〜()のいずれか1つに記載の粘着剤組成物が架橋剤(C)により架橋されてなることを特徴とする粘着剤。
)前記()に記載の粘着剤を含むことを特徴とする偏光板用粘着剤。
本発明の粘着剤組成物を用いて得られる粘着剤は、優れた耐久性能(特に耐ヒートサイクル性能)を示す粘着剤であり、偏光板等の光学部材とガラス基板との接着性に優れるため、粘着剤層とガラス基板との間に発泡や剥離が生じない液晶表示装置を得ることができる。
更に、上記粘着剤は耐久性のみならず耐光漏れ性やリワーク性にもバランスよく優れるものであり、またブレンドするアクリル系樹脂同士の相溶性にも優れるため透明性にも優れるものである。
以下に、本発明を詳細に説明する。
なお、本発明において、(メタ)アクリルとはアクリルあるいはメタクリルを、(メタ)アクリロイルとはアクリロイルあるいはメタクリロイルを、(メタ)アクリレートとはアクリレートあるいはメタクリレートをそれぞれ意味するものである。また、アクリル系樹脂とは、少なくとも1種の(メタ)アクリレート系モノマーを含む重合成分を重合して得られる樹脂である。
そして、本発明におけるモノマーとは重合性不飽和基を有する化合物であり、また、モノマーの有する官能基に、かかる重合性不飽和基は含まないものである。
まず、本発明の粘着剤組成物が必須成分として含有するアクリル系樹脂(A)およびアクリル系樹脂(B)について説明する。
アクリル系樹脂(A)は、反応性官能基含有モノマー(a1)を2.5〜30重量%含む重合成分を重合してなるものであり、必要に応じて、(メタ)アクリル酸アルキルエステル系モノマー(a2)やその他の共重合可能なエチレン性不飽和モノマー(a3)を共重合成分として含んでもよい。
上記反応性官能基含有モノマー(a1)における反応性官能基とは、後述の架橋剤(C)に対して一般的な架橋反応条件下(例えば、無触媒下、60℃以下)において反応性(ゲル分率上昇の有無により確認できる。)を有する官能基のことであり、上記反応性官能基含有モノマー(a1)は、アクリル系樹脂(A)が架橋剤(C)と反応する際の架橋点となり得る官能基を含有するモノマーである。
上記反応性官能基含有モノマー(a1)として具体的には、例えば、水酸基含有モノマー、カルボキシル基含有モノマー、アミノ基含有モノマー、アセトアセチル基含有モノマー、イソシアネート基含有モノマー、グリシジル基含有モノマー等が挙げられ、これらの中でも、種々の架橋剤と効率的に架橋反応を行なえる点で、水酸基含有モノマー、カルボキシル基含有モノマーが好ましい。
上記水酸基含有モノマーとしては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、5−ヒドロキシペンチル(メタ)アクリレート、6−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、8−ヒドロキシオクチル(メタ)アクリレート等のアクリル酸ヒドロキシアルキルエステル、カプロラクトン変性2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等のカプロラクトン変性モノマー、ジエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート等のオキシアルキレン変性モノマー、その他、2−アクリロイロキシエチル−2−ヒドロキシエチルフタル酸、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、ヒドロキシエチルアクリルアミド等の1級水酸基含有モノマー;2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、3−クロロ2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等の2級水酸基含有モノマー;2,2−ジメチル2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等の3級水酸基含有モノマーを挙げることができる。
上記水酸基含有モノマーの中でも、架橋剤との反応性に優れる点で1級水酸基含有モノマーが好ましく、また、分子鎖末端に水酸基があるモノマーがより優れた帯電防止性能を示しやすく好ましい。更には、2−ヒドロキシエチルアクリレートを使用することが、ジ(メタ)アクリレート等の不純物が少なく、製造しやすい点で特に好ましい。
なお、本発明で使用する水酸基含有モノマーとしては、不純物であるジ(メタ)アクリレートの含有割合が、0.5%以下のものを用いることも好ましく、更に0.2%以下、殊には0.1%以下のものを使用することが好ましく、具体的には、4−ヒドロキシブチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレートが好ましい。
上記カルボキシル基含有モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸、アクリル酸ダイマー、クロトン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、グルタコン酸、イタコン酸、アクリルアミドN−グリコール酸、ケイ皮酸等が挙げられ、これらの中でも(メタ)アクリル酸が好ましく用いられる。
上記アセトアセチル基含有モノマーとしては、例えば、2−(アセトアセトキシ)エチル(メタ)アクリレート、アリルアセトアセテート等が挙げられる。
上記イソシアネート基含有モノマーとしては、例えば、2−アクリロイルオキシエチルイソシアネート、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネートやそれらのアルキレンオキサイド付加物等が挙げられる。
上記グリシジル基含有モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸アリルグリシジル等が挙げられる。
これら反応性官能基含有モノマー(a1)は、単独で用いてもよいし2種以上を併用してもよい。中でも、架橋剤との反応性、保存安定性に優れる点で水酸基含有モノマーとカルボキシル基含有モノマーを併用することが好ましい。
水酸基含有モノマーとカルボキシル基含有モノマーを併用する場合には、その含有割合は耐久性に優れる点から、カルボキシル基含有モノマーの割合を水酸基含有モノマーよりも多くすることが好ましい。
上記反応性官能基含有モノマー(a1)の含有量は、重合成分全体に対して、2.5〜30重量%であることが必要であり、好ましくは3〜25重量%、特に好ましくは3〜20重量%、更に好ましくは3.5〜15重量%である。
上記反応性官能基含有モノマー(a1)の含有量が多すぎると、リワーク性が低下したり、応力緩和性が低下し耐光漏れ性が悪化したり、基板の反りが発生しやすくなり、少なすぎると耐久性が低下することとなる。
上記(メタ)アクリル酸アルキルエステル系モノマー(a2)としては、例えば、アルキル基の炭素数が通常1〜20、好ましくは1〜18、特に好ましくは1〜12、更に好ましくは1〜8であるのものが挙げられ、具体的には、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、iso−ブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、セチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、等が挙げられる。これらは単独で用いてもよいし2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、汎用性、および粘着物性の点でメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレートが好ましく、更にはこれらモノマーを主成分にすることが好ましい。
上記(メタ)アクリル酸アルキルエステル系モノマー(a2)の含有量は、重合成分全体に対して、好ましくは40〜97重量%、特に好ましくは50〜95重量%、更に好ましくは60〜95重量%である。
かかる含有量が少なすぎると、樹脂価格が高くなる傾向や、粘着物性のバランスを取りにくくなる傾向があり、多すぎると凝集力が低下したり、耐光漏れ性が低下したりする傾向がある。
上記その他の共重合可能なエチレン性不飽和モノマー(a3)としては、例えば、
ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、オルトフェニルフェノキシエチル(メタ)アクリレート等の芳香環含有モノマー;
シクロへキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシルオキシアルキル(メタ)アクリレート、t−ブチルシクロヘキシルオキシエチル(メタ)アクリレートイソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート等の脂環含有モノマー;
メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、エトキシメチル(メタ)アクリルアミド、プロポキシメチル(メタ)アクリルアミド、イソプロポキシメチル(メタ)アクリルアミド、n−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、イソブトキシメチル(メタ)アクリルアミド等のアルコキシアルキル(メタ)アクリルアミド系モノマー、(メタ)アクリロイルモルホリン、ジメチル(メタ)アクリルアミド、ジエチル(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリルアミドN−メチロール(メタ)アクリルアミド等(メタ)アクリルアミド系モノマー、等のアミド系モノマー;
2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリレート、3−メトキシブチル(メタ)アクリレート、2−ブトキシエチル(メタ)アクリレート、2−ブトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシジプロピレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、オクトキシポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコール−モノ(メタ)アクリレート、ラウロキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ステアロキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート等のエーテル鎖含有(メタ)アクリル酸エステルモノマー;
アクリロニトリル、メタクリロニトリル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、アルキルビニルエーテル、ビニルトルエン、ビニルピリジン、ビニルピロリドン、イタコン酸ジアルキルエステル、フマル酸ジアルキルエステル、アリルアルコール、アクリルクロライド、メチルビニルケトン、N−アクリルアミドメチルトリメチルアンモニウムクロライド、アリルトリメチルアンモニウムクロライド、ジメチルアリルビニルケトン等が挙げられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。
これらの中でも、屈折率の調整及び複屈折の調整をしやすい点では、芳香環含有モノマーが好ましく、特に好ましくはベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシジエチレングリコール(メタ)アクリレートであり、屈折率の調整及び複屈折の調整をしやすく、低極性被着体(オレフィン基材)への密着性に優れる点では、脂環含有モノマーが好ましく、基材・被着体への密着性や凝集力、樹脂の相溶性を調整しやすい点では、アミド系モノマーが好ましい。
上記その他の共重合可能なエチレン性不飽和モノマー(a3)の含有量としては、(a3)が芳香環含有モノマー、脂環含有モノマーの場合は、重合成分全体に対して、好ましくは0〜50重量%、特に好ましくは5〜40重量%、更に好ましくは10〜30重量%である。かかる含有量が多すぎると、複屈折を調整しにくく光漏れ抑制効果が低下する傾向がある。
また、(a3)が芳香環含有モノマー、脂環含有モノマー以外のものである場合は、重合成分全体に対して、好ましくは0〜10重量%、特に好ましくは0〜5重量%である。かかる含有量が多すぎると、アクリル系樹脂(A)の長期保存安定性が低下したり重合時にゲル化しやすくなる傾向がある。
本発明で用いられるアクリル系樹脂(A)は、反応性官能基含有モノマー(a1)、必要に応じて、(メタ)アクリル酸アルキルエステル系モノマー(a2)やその他の共重合可能なエチレン性不飽和モノマー(a3)を含有する共重合成分を適宜選択して用いて重合することにより製造することができる。上記重合に当たっては、溶液ラジカル重合、懸濁重合、塊状重合、乳化重合等の従来公知の方法により行なうことができる。
例えば、有機溶媒中に、反応性官能基含有モノマー(a1)を含有する重合成分、重合開始剤を混合あるいは滴下し所定の重合条件にて重合する。これら重合方法のうち、溶液ラジカル重合、塊状重合が好ましく、更に好ましくは溶液ラジカル重合である。
上記重合反応に用いられる有機溶剤としては、例えば、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、ヘキサン等の脂肪族炭化水素類、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール等の脂肪族アルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類等があげられる。
これらの溶剤の中でも、重合反応のしやすさや連鎖移動の効果や粘着剤塗工時の乾燥のしやすさ、安全上から、酢酸エチル、アセトン、メチルエチルケトン、酢酸ブチル、トルエン、メチルイソブチルケトンが好ましく、更に好ましくは、酢酸エチル、アセトン、メチルエチルケトンである。
また、かかるラジカル重合に用いられる重合開始剤としては、例えば、通常のラジカル重合開始剤である2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス−2−メチルブチロニトリル、4,4’−アゾビス(4−シアノ吉草酸)、2,2’−アゾビス(メチルプロピオン酸)等のアゾ系開始剤、ベンゾイルパーオキサイド、ラウロリルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド等の有機過酸化物等が挙げられ、使用するモノマーに合わせて適宜選択して用いることができる。これらの溶剤は、単独でもしくは2種以上併せて用いられる。
上記アクリル系樹脂(A)の重量平均分子量の下限は、100万以上である。また、アクリル系樹脂(A)の重量平均分子量の上限は、250万以下であることが好ましく、180万以下がより好ましく、更に好ましくは160万以下である。
かかる重量平均分子量が小さすぎると耐久性が低下する傾向があり、重量平均分子量が大きすぎると製造時に希釈溶剤を大量に必要とし、乾燥性が低下する傾向がある。
上記アクリル系樹脂(A)の分散度(重量平均分子量/数平均分子量)は、30以下であることが好ましく、より好ましくは15以下、更に好ましくは7以下、特に好ましくは5以下である。
かかる分散度が高すぎると凝集力が低下しやすい傾向がある。なお、かかる分散度の下限は1である。
尚、上記の重量平均分子量は、標準ポリスチレン分子量換算による重量平均分子量であり、高速液体クロマトグラフィー(日本Waters社製、「Waters 2695(本体)」と「Waters 2414(検出器)」)に、カラム:Shodex GPC KF−806L(排除限界分子量:2×10、分離範囲:100〜2×10、理論段数:10,000段/本、充填剤材質:スチレン−ジビニルベンゼン共重合体、充填剤粒径:10μm)の3本直列を用い、試料濃度約1mg/ml、展開溶媒:THF、流速:1ml/minの測定条件により測定されるものであり、数平均分子量も同様の方法で測定することができる。また分散度は重量平均分子量と数平均分子量より求められる。
上記アクリル系樹脂(A)のガラス転移温度(Tg)は、−80〜0℃であることが好ましく、より好ましくは−60〜−15℃、更に好ましくは−60〜−20℃である。
かかるガラス転移温度が高すぎるとタックが低下しやすくなる傾向があり、低すぎると耐熱性が低下する傾向がある。
なお、上記ガラス転移温度は、以下のFoxの式より算出されるものである。
1/Tg=w1/Tg1+w2/Tg2+・・・・・Wk/Tgk
但し、上記式中、Tgは共重合体のガラス転移温度であり、Tg1,Tg2,・・・・・・・Tgkは各単量体成分の単独共重合体のTgであり、w1,w2,・・・・・・・wkは各単量体成分の重量分率を表し、w1+w2+・・・・・・・wk=1である。
上記アクリル系樹脂(A)の屈折率は、通常1.440〜1.600であればよく、好ましくは1.440〜1.550、特に好ましくは1.440〜1.500である。かかる屈折率と積層する部材の屈折率との差を小さくすることが部材界面での光損失が小さくなることから好ましい。
上記屈折率は、アクリル系樹脂を屈折率測定装置(アタゴ社製「アッベ屈折計1T」)を用いてNaD線で測定した値である。
上記アクリル系樹脂(A)のヘイズは1.0%以下であることが好ましく、更に好ましくは0.8%以下、特に好ましくは0.5%以下である。
かかるヘイズが高すぎるとディスプレイの画質が低下する傾向にある。なお、かかるヘイズの下限としては、通常0.01%である。
かくして本発明で用いられるアクリル系樹脂(A)が得られる。
アクリル系樹脂(B)は、反応性官能基含有モノマーを含まない重合成分を重合してなるアクリル系樹脂(B)であり、その重合成分は非反応性極性官能基含有モノマー(b1)を必須の成分として含み、必要に応じて、(メタ)アクリル酸アルキルエステル系モノマー(b2)やその他の共重合可能なエチレン性不飽和モノマー(b3)を共重合成分として含んでもよい。
なお、上記アクリル系樹脂(B)における反応性および非反応性とは、アクリル系樹脂(A)における反応性と同じく、後述の架橋剤(C)に対する一般的な架橋反応条件下(例えば、無触媒下、60℃以下)における反応性および非反応性(ゲル分率上昇の有無により確認できる。)のことである。
上記非反応性極性官能基含有モノマー(b1)としては、例えば、
架橋剤がイソシアネート基含有架橋剤である場合は、アセトアセトキシ基含有モノマー、三級アミノ基(活性水素を含まないアミノ基)含有モノマー、アミド基含有モノマー、エポキシ基含有モノマー、エーテル基含有モノマーが挙げられ;
架橋剤がカルボキシル基含有架橋剤である場合は、カルボキシル基含有モノマー、ヒドロキシル基含有モノマー、アミド基含有モノマー、アミノ基含有モノマー、エーテル基含有モノマーが挙げられ;
架橋剤が酸無水物構造含有架橋剤である場合は、カルボキシル基含有モノマー、無水カルボン酸含有モノマー、アセトアセトキシ基含有モノマーが挙げられ;
架橋剤がヒドロキシル基含有架橋剤である場合は、カルボキシル基含有モノマー、ヒドロキシル基含有モノマー、グリシジル基含有モノマー、アミド基含有モノマー、アミノ基含有モノマー、エーテル基含有モノマーが挙げられ;
架橋剤がグリシジル基含有架橋剤である場合は、三級アミノ基(活性水素を含まないアミノ基)含有モノマー、アミド基含有モノマー、エーテル基含有モノマー、イソシアネート基含有モノマー、エポキシ基含有モノマー、水酸基含有モノマー、アセトアセトキシ基含有モノマーが挙げられる。
これらの中でも、非反応性極性官能基含有モノマー(b1)としては、アミド基含有モノマーが特に重要である。
これら非反応性極性官能基含有モノマー(b1)は、単独で用いてもよいし2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、各モノマーの(メタ)アクリレート系モノマーが好ましく、具体的には、アミド基含有(メタ)アクリレート、三級アミノ基(活性水素を含まないアミノ基)含有(メタ)アクリレート、エーテル基含有(メタ)アクリレートが好ましく、特に好ましくは、アクリル系樹脂(A)との相溶性、耐久性に優れる点でアミド基含有(メタ)アクリレートである。
上記アミド基含有(メタ)アクリレートとしては、例えば、メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、エトキシメチル(メタ)アクリルアミド、プロポキシメチル(メタ)アクリルアミド、イソプロポキシメチル(メタ)アクリルアミド、n−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、イソブトキシメチル(メタ)アクリルアミド等のアルコキシアルキル(メタ)アクリルアミド系モノマー、(メタ)アクリロイルモルホリン、ジメチル(メタ)アクリルアミド、ジエチル(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリルアミドN−メチロール(メタ)アクリルアミド等(メタ)アクリルアミド系モノマー等が挙げられる。
これらの中でも、重合時の安定性、保存時の安定性の点でジアルキル(メタ)アクリルアミドが好ましく、特に好ましくは高分子量化しやすい点でジメチルアクリルアミドである。
上記三級アミノ基含有(メタ)アクリレートとしては、例えば、t−ブチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート等があげられる。
上記エーテル基含有(メタ)アクリレートとしては、例えば、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリレート、3−メトキシブチル(メタ)アクリレート、2−ブトキシエチル(メタ)アクリレート、2−ブトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシジプロピレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、オクトキシポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコール-モノ(メタ)アクリレート、ラウロキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ステアロキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート等のエーテル鎖含有(メタ)アクリレート等が挙げられる。
上記非反応性極性官能基含有モノマー(b1)の含有量は、重合成分全体に対して、0.1〜30重量%であることが好ましく、特に好ましくは0.5〜30重量%、更に好ましくは1〜25重量%、殊に好ましくは3〜25重量%である。
上記非反応性極性官能基含有モノマー(b1)の含有量が多すぎると、耐湿熱性が低下したり、保存時の安定性が低下したりする傾向があり、少なすぎるとアクリル系樹脂(A)との相溶性が低下する傾向がある。
上記(メタ)アクリル酸アルキルエステル系モノマー(b2)としては、上記で説明した(メタ)アクリル酸アルキルエステル系モノマー(a2)と同様のものを例示することができ、例えば、アルキル基の炭素数が通常1〜20、好ましくは1〜18、特に好ましくは1〜12、更に好ましくは1〜8であるものが挙げられ、具体的には、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、iso−ブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、セチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらは単独で用いてもよいし2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、汎用性、粘着物性の点でメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレートが好ましく、更にはこれらモノマーを主成分とすることが好ましい。
上記(メタ)アクリル酸アルキルエステル系モノマー(b2)の含有量は、重合成分全体に対して、好ましくは60〜99.9重量%、特に好ましくは70〜99.5重量%、更に好ましくは75〜95重量%である。
かかる含有量が少なすぎると、反応性官能基含有アクリル系樹脂(A)との相溶性が低下する傾向があり、樹脂価格が高くなる傾向があり、多すぎても反応性官能基含有アクリル系樹脂(A)との相溶性が低下する傾向がある。
上記その他の共重合可能なエチレン性不飽和モノマー(b3)としては、例えば、
ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、オルトフェニルフェノキシエチル(メタ)アクリレート等の芳香環含有モノマー;
シクロへキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシルオキシアルキル(メタ)アクリレート、t−ブチルシクロヘキシルオキシエチル(メタ)アクリレートイソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート等の脂環含有モノマー;
アクリロニトリル、メタクリロニトリル、酢酸ビニル、ステアリン酸ビニル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、ビニルトルエン、ビニルピロリドン、メチルビニルケトン、ジメチルアリルビニルケトン等が挙げられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。
これらの中でも、屈折率の調整及び複屈折の調整をしやすい点では、芳香環含有モノマーが好ましく、特に好ましくはベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシ(メタ)エチルアクリレート、フェノキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、屈折率の調整及び複屈折の調整をしやすく、低極性被着体(シクロオレフィン)への密着性に優れる点では、脂環含有モノマーが好ましい。
上記その他の共重合可能なエチレン性不飽和モノマー(b3)の含有量としては、(b3)が芳香環含有モノマー、脂環含有モノマーの場合は、重合成分全体に対して、好ましくは0〜35重量%、特に好ましくは0〜25重量%、更に好ましくは0〜15重量%である。かかる含有量が多すぎると、ガラス転移温度が高くなり、リワーク性が低下する傾向がある。
また、(b3)が芳香環含有モノマー、脂環含有モノマー以外のものである場合は、重合成分全体に対して、好ましくは0〜10重量%、特に好ましくは0〜5重量%である。かかる含有量が多すぎると、アクリル系樹脂(B)の長期保存安定性が低下したり、アクリル系樹脂(A)とアクリル系樹脂(B)の相溶性が低下する傾向がある。
本発明で用いられるアクリル系樹脂(B)は、非反応性極性官能基含有モノマー(b1)、必要に応じて、(メタ)アクリル酸アルキルエステル系モノマー(b2)やその他の共重合可能なエチレン性不飽和モノマー(b3)を含有する共重合成分を適宜選択して用い重合することにより製造することができる。上記重合に当たっては、溶液ラジカル重合、懸濁重合、塊状重合、乳化重合等の従来公知の方法により行なうことができる。
例えば、有機溶媒中に、非反応性極性官能基含有モノマー(b1)を含有する重合成分、重合開始剤を混合あるいは滴下し所定の重合条件にて重合する。これら重合方法のうち、溶液ラジカル重合、塊状重合が好ましく、更に好ましくは溶液ラジカル重合ある。
上記重合反応に用いられる有機溶剤としては、例えば、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、ヘキサン等の脂肪族炭化水素類、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール等の脂肪族アルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類等があげられる。
これらの溶剤の中でも、重合反応のしやすさや連鎖移動の効果や粘着剤塗工時の乾燥のしやすさ、安全上から、酢酸エチル、アセトン、メチルエチルケトン、酢酸ブチル、トルエン、メチルイソブチルケトンが好ましく、更に好ましくは、酢酸エチル、アセトン、メチルエチルケトンである。
また、かかるラジカル重合に用いられる重合開始剤としては、例えば、通常のラジカル重合開始剤である2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス−2−メチルブチロニトリル、4,4’−アゾビス(4−シアノ吉草酸)、2,2’−アゾビス(メチルプロピオン酸)等のアゾ系開始剤、ベンゾイルパーオキサイド、ラウロリルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド等の有機過酸化物等が挙げられ、使用するモノマーに合わせて適宜選択して用いることができる。これらの溶剤は、単独でもしくは2種以上併せて用いられる。
上記アクリル系樹脂(B)の重量平均分子量の下限は、60万以上であることが好ましく、80万以上がより好ましく、更に好ましくは100万以上である。また、アクリル系樹脂(B)の重量平均分子量の上限は、250万以下であることが好ましく、180万以下がより好ましく、更に好ましくは160万以下である。
かかる重量平均分子量が小さすぎると耐久性が低下する傾向があり、重量平均分子量が大きすぎると製造時に希釈溶剤を大量に必要とし、乾燥性が低下する傾向がある。
上記アクリル系樹脂(B)の分散度(重量平均分子量/数平均分子量)は、30以下であることが好ましく、より好ましくは15以下、更に好ましくは7以下、特に好ましくは5以下である。
かかる分散度が高すぎると凝集力が低下しやすい傾向がある。なお、かかる分散度の下限は1である。
尚、上記の重量平均分子量の測定方法は、上記と同様である。
上記アクリル系樹脂(B)のガラス転移温度(Tg)は、−80〜0℃であることが好ましく、より好ましくは−60〜−10℃、更に好ましくは−60〜−20℃である。
かかるガラス転移温度が高すぎるとタックが低下しやすくなる傾向があり、低すぎると耐熱性が低下する傾向がある。
なお、上記ガラス転移温度の測定方法は、上記と同様である。
上記アクリル系樹脂(B)の屈折率は、通常1.440〜1.600の範囲で調整すればよく、好ましくは1.440〜1.550、特に好ましくは1.440〜1.500である。かかる屈折率と積層する部材の屈折率との差を小さくすることが部材界面での光損失が小さくなることから好ましい。
上記屈折率の測定方法は、上記と同様である。
上記アクリル系樹脂(B)のヘイズは1.0%以下であることが好ましく、更に好ましくは0.8以下、特に好ましくは0.5%以下である。
かかるヘイズが高すぎるとディスプレイの画質が低下する傾向にある。なお、ヘイズの下限としては通常0.01%である。
かくして本発明で用いられるアクリル系樹脂(B)が得られる。
本発明の粘着剤組成物は、上記アクリル系樹脂(A)とアクリル系樹脂(B)とを必須の構成成分として含有するものである。
上記アクリル系樹脂(A)とアクリル系樹脂(B)の含有比率((A):(B)(重量比)としては、(A):(B)=100:50〜100:500であることが好ましく、より好ましくは(A):(B)=100:100〜100:400、更に好ましくは100:100〜100:350である。
アクリル系樹脂(A)に対するアクリル系樹脂(B)の含有割合が多すぎると架橋度が下がり凝集力が低下する傾向があり、少なすぎると架橋度が上がり応力緩和性が低下する傾向がある。
そして、本発明の粘着剤組成物は、架橋剤(C)を含有することが好ましく、架橋剤(C)により架橋され、粘着剤となるものである。
上記架橋剤(C)としては、例えば、イソシアネート系架橋剤、エポキシ系架橋剤、アジリジン系架橋剤、メラミン系架橋剤、アルデヒド系架橋剤、アミン系架橋剤、金属キレート系架橋剤が挙げられる。これらの中でも、耐久性や耐光漏れ性に優れる点で、イソシアネート系架橋剤、エポキシ系架橋剤が好ましい。
上記イソシアネート系架橋剤としては、例えば、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、水素化トリレンジイソシアネート、1,3−キシリレンジイソシアネート、1,4−キシリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4−ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、1,3−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、およびこれらのポリイソシアネート化合物とトリメチロールプロパン等のポリオール化合物とのアダクト体、これらポリイソシアネート化合物のビュレット体やイソシアヌレート体等が挙げられる。中でも特に、ポットライフが長い点や、樹脂との相溶性に優れる点で2,4−トリレンジイソシアネートのトリメチロールプロパンとのアダクト体が好ましい。
上記エポキシ系架橋剤としては、例えば、ビスフェノールA・エピクロルヒドリン型のエポキシ樹脂、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、グリセリンジグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ソルビトールポリグリシジルエーテル、ポリグリセロールポリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールポリグリシジルエリスリトール、ジグリセロールポリグリシジルエーテル等が挙げられる。中でも特に、反応性が高い点で1,3−ビス(N,N’−ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサン,N,N,N’N’−テトラグリシジル−m−キシリレンジアミンが好ましい。
上記アジリジン系架橋剤としては、例えば、テトラメチロールメタン−トリ−β−アジリジニルプロピオネート、トリメチロールプロパン−トリ−β−アジリジニルプロピオネート、N,N′−ジフェニルメタン−4,4′−ビス(1−アジリジンカルボキシアミド)、N,N′−ヘキサメチレン−1,6−ビス(1−アジリジンカルボキシアミド)等が挙げられる。
上記メラミン系架橋剤としては、例えば、へキサメトキシメチルメラミン、ヘキサエトキシメチルメラミン、ヘキサプロポキシメチルメラミン、ヘキサプトキシメチルメラミン、ヘキサペンチルオキシメチルメラミン、ヘキサヘキシルオキシメチルメラミン、メラミン樹脂等が挙げられる。
上記アルデヒド系架橋剤としては、例えば、グリオキザール、マロンジアルデヒド、スクシンジアルデヒド、マレインジアルデヒド、グルタルジアルデヒド、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ベンズアルデヒド等が挙げられる。
上記アミン系架橋剤としては、例えば、ヘキサメチレンジアミン、トリエチルジアミン、ポリエチレンイミン、ヘキサメチレンテトラアミン、ジエチレントリアミン、トリエチルテトラアミン、イソフォロンジアミン、アミノ樹脂、ポリアミド等が挙げられる。
上記金属キレート系架橋剤としては、例えば、アルミニウム、鉄、銅、亜鉛、スズ、チタン、ニッケル、アンチモン、マグネシウム、バナジウム、クロム、ジルコニウム等の多価金属のアセチルアセトンやアセトアセチルエステル配位化合物等が挙げられる。
また、これらの架橋剤(C)は、単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。イソシアネート系架橋剤とエポキシ系架橋剤を併用することが、耐久性の観点から好ましい。
上記架橋剤の含有量は、アクリル系樹脂(A)100重量部に対して、0.1〜15重量部であることが好ましく、より好ましくは0.3〜10重量部、更に好ましくは0.5〜10重量部、特に好ましくは1.0〜7.5重量部である。
架橋剤が少なすぎると、耐久性が低下する傾向があり、多すぎると応力緩和性が低下したり長時間のエージングが必要となってしまう傾向がある。
本発明の粘着剤組成物においては、更にシランカップリング剤(D)を含有することが、光学部材に対する密着性が向上する点で好ましく、また、帯電防止剤(E)を含有することが剥離時の帯電防止性に優れる点で好ましい。
上記シランカップリング剤(D)としては、例えば、エポキシ基含有シランカップリング剤、(メタ)アクリロイル基含有シランカップリング剤、メルカプト基含有シランカップリング剤、水酸基含有シランカップリング剤、カルボキシル基含有シランカップリング剤、アミノ基含有シランカップリング剤、アミド基含有シランカップリング剤、イソシアネート基含有シランカップリング剤等をあげることができる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、エポキシ基含有シランカップリング剤、メルカプト基含有シランカップリング剤が好ましく用いられ、エポキシ基含有シランカップリング剤とメルカプト基含有シランカップリング剤を併用することも、湿熱耐久性の向上と粘着力が上がり過ぎない点で好ましい。
また、一部が加水分解し重縮合したオリゴマー型シラン化合物も耐久性とリワーク性に優れる点で好ましい。
上記エポキシ基含有シランカップリング剤の具体例としては、例えば、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、メチルトリ(グリシジル)シラン、β−(3,4エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、β−(3,4エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等があげられるが、中でも好ましいのはγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、β−(3,4エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシランである。
上記メルカプト基含有シランカップリング剤の具体例としては、例えば、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルジメトキシメチルシラン、SH基含有シリコーンアルコキシオリゴマー(メルカプト基変性エチル/メチルシリケート低縮合物)等があげられる。
上記シランカップリング剤(D)の含有量としては、アクリル系樹脂(A)およびアクリル系樹脂(B)の合計100重量部に対して、通常0.001〜10重量部であり、好ましくは0.01〜1重量部、特に好ましくは0.02〜0.5重量部である。
かかるシランカップリング剤(D)の含有量が少なすぎると、添加効果が得られない傾向があり、多すぎると粘着剤の密着性が上がり過ぎて、リワーク性が低下したり、粘着剤表面にブリードアウトして耐久性が低下する傾向がある。
上記帯電防止剤(E)としては、例えば、イミダゾリウム塩、テトラアルキルアンモニウムスルホン酸塩等の第4級アンモニウム塩のカチオン型帯電防止剤、脂肪族スルホン酸塩、高級アルコール硫酸エステル塩、高級アルコールアルキレンオキサイド付加物硫酸エステル塩、高級アルコールリン酸エステル塩、高級アルコールアルコールアルキレンオキサイド付加物リン酸エステル塩等のアニオン型帯電防止剤、カリウムビス(フルオロスルホニル)イミド、リチウムビス(トリフルオロスルホニル)イミドや塩化リチウム等のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、高級アルコールアルキレンオキサイド付加物、ポリアルキレングリコール脂肪酸エステル等があげられる。
上記帯電防止剤(E)の含有量としては、アクリル系樹脂(A)およびアクリル系樹脂(B)の合計100重量部に対して、通常0.1〜10重量部であり、好ましくは0.5〜5重量部、特に好ましくは0.5〜3重量部である。
かかる上記帯電防止剤(E)の含有量が少なすぎると、添加効果が得られない傾向があり、多すぎると、粘着剤表面にブリードし、耐久性が低下する傾向がある。
さらに、本発明の粘着剤組成物には、本発明の効果を損なわない範囲において、その他のアクリル系粘着剤、その他の粘着剤、ウレタン樹脂、ロジン、ロジンエステル、水添ロジンエステル、フェノール樹脂、脂肪族系石油樹脂、脂環族系石油樹脂、スチレン系樹脂等の粘着付与剤、着色剤、充填剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、機能性色素等の各種添加剤や、紫外線あるいは放射線照射により呈色あるいは変色を起こすような化合物を配合することができる。また、上記添加剤の他にも、粘着剤組成物の構成成分の製造原料等に含まれる不純物等が少量含有されたものであってもよい。これら配合量は所望する物性が得られるように適宜設定すればよい。
本発明の粘着剤組成物は、架橋(硬化)させることにより粘着剤とすることができ、更に、かかる粘着剤からなる粘着剤層を光学部材(光学積層体)上に積層形成することにより、粘着剤層付き光学部材を得ることができる。
上記粘着剤層付き光学部材には、粘着剤層の光学部材面とは逆の面に、さらに離型シートを設けることが好ましい。
上記粘着剤層付き光学部材の製造方法としては、粘着剤組成物が、活性エネルギー線照射および加熱の少なくとも一方による硬化を行なう場合には、〔1〕光学部材上に、粘着剤組成物を塗布、乾燥した後、離型シートを貼合し、活性エネルギー線照射および常温または加温状態でのエージングの少なくとも一方による処理を行なう方法、〔2〕離型シート上に、粘着剤組成物を塗布、乾燥した後、光学部材を貼合し、活性エネルギー線照射および常温または加温状態でのエージングの少なくとも一方による処理を行なう方法、〔3〕光学部材上に粘着剤組成物を塗布、乾燥し、さらに活性エネルギー線照射および常温または加温状態でのエージングの少なくとも一方による処理を行なった後、離型シートを貼合する方法、〔4〕離型シート上に粘着剤組成物を塗布、乾燥し、さらに活性エネルギー線照射および常温または加温状態でのエージングの少なくとも一方による処理を行なった後、光学部材を貼合する方法などがある。
これらの中でも、〔2〕の方法で常温状態でのエージングが基材を痛めない点、基材密着性に優れる点で好ましい。
かかるエージング処理は、粘着剤の化学架橋の反応時間として、粘着物性のバランスをとるために行なうものであり、エージングの条件としては、温度は通常室温〜70℃、時間は通常1日〜30日であり、具体的には、例えば23℃で1日〜20日間、23℃で3日〜10日間、40℃で1日〜7日間等の条件で行なえばよい。
上記粘着剤組成物の塗布に際しては、この粘着剤組成物を溶剤に希釈して塗布することが好ましく、希釈濃度としては、加熱残分濃度として、好ましくは5〜60重量%、特に好ましくは10〜30重量%である。また、上記溶剤としては、粘着剤組成物を溶解させるものであれば特に限定されることなく、例えば、酢酸メチル、酢酸エチル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル等のエステル系溶剤、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶剤、トルエン、キシレン等の芳香族系溶剤、メタノール、エタノール、プロピルアルコール等のアルコール系溶剤を用いることができる。これらの中でも、溶解性、乾燥性、価格等の点からエステル系溶剤、特には酢酸エチル、ケトン系溶剤、特にはメチルエチルケトンが好適に用いられる。
また、上記粘着剤組成物の塗布に関しては、ロールコーティング、ダイコーティング、グラビアコーティング、コンマコーティング、スクリーン印刷等の慣用の方法により行なわれる。
上記方法により製造される粘着剤層のゲル分率については、耐久性能と光漏れ防止性能の点から30〜95%であることが好ましく、特に好ましくは40〜85%であり、更に好ましくは45〜80%である。ゲル分率が低すぎると凝集力が不足することに起因する耐久性不足になる傾向がある。また、ゲル分率が高すぎると凝集力の上昇によりタック不足になり、ウキやハガレが起こりやすい傾向にある。
また、粘着剤中のアクリル樹脂(A)と架橋剤(C)をあわせた重量が粘着剤全体の重量に占める割合よりも、上記測定により測定されたゲル分率が10%以上高いことが好ましく、より好ましくは15%以上である。低すぎると、耐久性が低下する傾向がある。
上記方法により製造される粘着剤層は、指で触れたときに程好いタック感があった方が、実際に被着体に貼る際に濡れ性が良いため、作業性が上がる傾向があり好ましい。
なお、光学部材用粘着剤のゲル分率を上記範囲に調整することにあたっては、例えば、架橋剤量や種類を調整すること;アクリル系樹脂(A)とアクリル系樹脂(B)の配合割合を調整すること;アクリル系樹脂(A)の官能基量および種類を調整すること;アクリル系樹脂(A)及びまたはアクリル系樹脂(B)の分子量を調整すること;等により達成される。
上記ゲル分率は、架橋度(硬化度合い)の目安となるもので、例えば、以下の方法にて算出される。すなわち、基材となる偏光板に粘着剤層が形成されてなる粘着シート(セパレーターを設けていないもの)から粘着剤層0.1g程度をこそぎ取り、粘着層を200メッシュのSUS製金網で包み酢酸エチル中に23℃×24時間浸漬し、金網中に残存した不溶解の粘着剤成分の重量百分率をゲル分率とする。
また、得られる粘着剤層付き光学部材における粘着剤層の厚みは、5〜300μmが好ましく、特には10〜50μmが好ましく、更には10〜30μmが好ましい。この粘着剤層の厚みが薄すぎると粘着物性が安定しにくい傾向があり、厚すぎるとリワーク性が低下したり、光学部材全体の厚みが増しすぎてしまう傾向がある。
本発明の粘着剤層付き光学部材は、直接あるいは離型シートを有するものは離型シートを剥がした後、粘着剤層面をガラス基板に貼合して、例えば液晶表示板に供される。
本発明の粘着剤層の初期粘着力は、被着体の材料等に応じて適宜決定される。例えば、ガラス基板に貼着する場合には、0.2N/25mm〜15N/25mmの粘着力を有することが好ましく、より好ましくは0.5N/25mm〜10N/25mm、更に好ましくは1N/25mm〜10N/25mmである。
上記初期粘着力は、つぎのようにして算出される。粘着剤層付き偏光板について、幅25mm幅に裁断し、離型フィルムを剥離して、粘着剤層側を無アルカリガラス板(コーニング社製、「イーグルXG」)に押圧して、偏光板とガラス板とを貼合する。その後、オートクレーブ処理(50℃、0.5MPa、20分)を行った後、23℃、50%RHで24時間放置後に、180℃剥離試験を行なう。
本発明における光学部材としては、特に限定されることなく、液晶表示装置、有機EL表示装置、PDP等の画像表示装置に好適に用いられる光学フィルム、例えば、偏光板や位相差板、楕円偏光板、光学補償フィルム、輝度向上フィルム、さらにはこれらが積層されているもの等があげられる。中でも特に偏光板であることが本発明では有効である。
本発明で用いられる偏光板は、通常、偏光フィルムの両面にトリアセチルセルロース(TAC)系フィルムを保護フィルムとして積層したものであり、上記偏光フィルムとしては、平均重合度が1,500〜10,000、ケン化度が85〜100モル%のポリビニルアルコール系樹脂からなるフィルムを原反フィルムとして、ヨウ素−ヨウ化カリウムの水溶液あるいは二色性染料により染色された一軸延伸フィルム(通常、2〜10倍、好ましくは3〜7倍程度の延伸倍率)が用いられる。
上記ポリビニルアルコール系樹脂としては、通常、酢酸ビニルを重合したポリ酢酸ビニルをケン化して製造されるが、少量の不飽和カルボン酸(塩、エステル、アミド、ニトリル等を含む)、オレフィン類、ビニルエーテル類、不飽和スルホン酸塩等、酢酸ビニルと共重合可能な成分を含有していてもよい。また、ポリビニルアルコールを酸の存在下でアルデヒド類と反応させた、例えば、ポリブチラール樹脂、ポリビニルホルマール樹脂等のいわゆるポリビニルアセタール樹脂およびポリビニルアルコール誘導体があげられる。
上記偏光板の保護フィルムとして、通常用いられるトリアセチルセルロース系フィルムの他に、アクリル系フィルム、ポリエチレン系フィルム、ポリプロピレン系フィルム、シクロオレフィン系フィルムなどもあげられる。
また、薄膜化のために光学部材に貼り合わせる側の保護フィルムをなくした片保護フィルム偏光板も挙げられる。
以下、実施例をあげて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り以下の実施例に限定されるものではない。なお、例中、「部」、「%」とあるのは、重量基準を意味する。
まず、下記のようにして各種アクリル系樹脂を調製した。なお、アクリル系樹脂(A)およびアクリル系樹脂(B)の重量平均分子量、分散度、ガラス転移温度、屈折率の測定に関しては、前述の方法にしたがって測定した。
なお、粘度の測定に関しては、JIS K5400(1990)の4.5.3回転粘度計法に準じて測定した。
〔アクリル系樹脂(A)の調製〕
<アクリル系樹脂(A−1)の製造>
還流冷却器、撹拌器、窒素ガスの吹き込み口及び温度計を備えた4ツ口丸底フラスコに、アクリル酸ブチル(BA)(a2)86.5部、アクリル酸ベンジル(BzA)(a3)10部、2−ヒドロキシエチルアクリレート(HEA)(a1)0.5部、アクリル酸(AAc)(a1)3部、酢酸エチル47.2部、アセトン42部、重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.013部を仕込み、適宜AIBNと酢酸エチルを追加しながら還流温度で3.25時間反応後、酢酸エチルにて希釈してアクリル系樹脂(A−1)溶液(重量平均分子量150万、分散度3.1、ガラス転移温度−48℃、固形分濃度19.5%、粘度4580mPa・s(25℃)、屈折率1.477)を得た。
<アクリル系樹脂(A−2)の製造>
還流冷却器、撹拌器、窒素ガスの吹き込み口及び温度計を備えた4ツ口丸底フラスコに、アクリル酸ブチル(a2)84.5部、アクリル酸ベンジル(a3)10部、2−ヒドロキシエチルアクリレート(a1)0.5部、アクリル酸(a1)5部、酢酸エチル47.2部、アセトン42部、重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.013部を仕込み、適宜AIBNと酢酸エチルを追加しながら還流温度で3.25時間反応後、酢酸エチルにて希釈してアクリル系樹脂(A−2)溶液(重量平均分子量150万、分散度3.3、ガラス転移温度−46℃、固形分濃度19.9%、粘度5640mPa・s(25℃)、屈折率1.478)を得た。
<アクリル系樹脂(A−3)の製造>
還流冷却器、撹拌器、窒素ガスの吹き込み口及び温度計を備えた4ツ口丸底フラスコに、アクリル酸ブチル(a2)82部、アクリル酸ベンジル(a3)10部、2−ヒドロキシエチルアクリレート(a1)0.5部、アクリル酸(a1)7.5部、酢酸エチル47.2部、アセトン42部、重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.013部を仕込み、適宜AIBNと酢酸エチルを追加しながら還流温度で3.25時間反応後、酢酸エチルにて希釈してアクリル系樹脂(A−3)溶液(重量平均分子量140万、分散度3.6、ガラス転移温度−43℃、固形分濃度19.9%、粘度6380mPa・s(25℃)、屈折率1.479)を得た。
<アクリル系樹脂(A−4)の製造>
還流冷却器、撹拌器、窒素ガスの吹き込み口及び温度計を備えた4ツ口丸底フラスコに、アクリル酸ブチル(a2)84.4部、アクリル酸ベンジル(a3)10部、2−ヒドロキシエチルアクリレート(a1)0.6部、アクリル酸(a1)5部、酢酸エチル47.2部、アセトン42部、重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.013部を仕込み、適宜AIBNと酢酸エチルを追加しながら還流温度で3.25時間反応後、酢酸エチルにて希釈してアクリル系樹脂(A−4)溶液(重量平均分子量150万、分散度3.8、ガラス転移温度−46℃、固形分濃度19.9%、粘度6380mPa・s(25℃)、屈折率1.478)を得た。
<アクリル系樹脂(A−5)の製造>
還流冷却器、撹拌器、窒素ガスの吹き込み口及び温度計を備えた4ツ口丸底フラスコに、アクリル酸ブチル(a2)84.5部、アクリル酸ベンジル(a3)10部、2−ヒドロキシエチルアクリレート(a1)5部、アクリル酸(a1)0.5部、酢酸エチル47.2部、アセトン42部、重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.013部を仕込み、適宜AIBNと酢酸エチルを追加しながら還流温度で3.25時間反応後、酢酸エチルにて希釈してアクリル系樹脂(A−5)溶液(重量平均分子量140万、分散度3.0、ガラス転移温度−49℃、固形分濃度20.6%、粘度7500mPa・s(25℃)、屈折率1.477)を得た。
<アクリル系樹脂(A−6)の製造>
還流冷却器、撹拌器、窒素ガスの吹き込み口及び温度計を備えた4ツ口丸底フラスコに、アクリル酸ブチル(a2)62.4部、アクリル酸ベンジル(a3)30部、2−ヒドロキシエチルアクリレート(a1)0.6部、アクリル酸(a1)7部、酢酸エチル48.3部、アセトン37.5部、重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.013部を仕込み、適宜AIBNと酢酸エチルを追加しながら還流温度で3.25時間反応後、酢酸エチルにて希釈してアクリル系樹脂(A−6)溶液(重量平均分子量140万、分散度4.2、ガラス転移温度−33℃、固形分濃度22.6%、粘度8700mPa・s(25℃)、屈折率:1.498)を得た。
<アクリル系樹脂(A’−1)の製造>
還流冷却器、撹拌器、窒素ガスの吹き込み口及び温度計を備えた4ツ口丸底フラスコに、アクリル酸ブチル(a2)88部、アクリル酸ベンジル(a3)10部、2−ヒドロキシエチルアクリレート(a1)0.5部、アクリル酸(a1)1.5部、酢酸エチル47.2部、アセトン42部、重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.013部を仕込み、適宜AIBNと酢酸エチルを追加しながら還流温度で3.25時間反応後、酢酸エチルにて希釈してアクリル系樹脂(A’−1)溶液(重量平均分子量140万、分散度、3.5、ガラス転移温度−49℃、固形分濃度19.8%、粘度4780mPa・s(25℃)、屈折率1.476)を得た。
Figure 0006657948
〔アクリル系樹脂(B)の調製〕
<アクリル系樹脂(B−1)>
還流冷却器、撹拌器、窒素ガスの吹き込み口及び温度計を備えた4ツ口丸底フラスコに、アクリル酸ブチル(BA)(b2)93部、メタクリル酸メチル(MMA)(b2)2部、ジメチルアクリルアミド(DMAA)(b1)5部、酢酸エチル43部、アセトン42部、重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.013部を仕込み、適宜AIBNと酢酸エチルを追加しながら還流温度で3.25時間反応後、酢酸エチルにて希釈してアクリル系樹脂(B−1)溶液(重量平均分子量110万、分散度4.6、ガラス転移温度−49℃、固形分濃度22.1%、粘度3800mPa・s(25℃)、屈折率1.469)を得た。
<アクリル系樹脂(B−2)>
還流冷却器、撹拌器、窒素ガスの吹き込み口及び温度計を備えた4ツ口丸底フラスコに、アクリル酸ブチル(b2)90.5部、メタクリル酸メチル(b2)2部、ジメチルアクリルアミド(b1)7.5部、酢酸エチル43部、アセトン42部、重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.013部を仕込み、適宜AIBNと酢酸エチルを追加しながら還流温度で3.25時間反応後、酢酸エチルにて希釈してアクリル系樹脂(B−2)溶液(重量平均分子量110万、分散度、3.4、ガラス転移温度−47℃、固形分濃度22.5%、粘度4900mPa・s(25℃)、屈折率1.470)を得た。
<アクリル系樹脂(B−3)>
還流冷却器、撹拌器、窒素ガスの吹き込み口及び温度計を備えた4ツ口丸底フラスコに、アクリル酸ブチル(b2)88部、メタクリル酸メチル(b2)2部、ジメチルアクリルアミド(b1)10部、酢酸エチル43部、アセトン42部、重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.013部を仕込み、適宜AIBNと酢酸エチルを追加しながら還流温度で3.25時間反応後、酢酸エチルにて希釈してアクリル系樹脂(B−3)溶液(重量平均分子量130万、分散度4.0、ガラス転移温度−44℃、固形分濃度22.4%、粘度4800mPa・s(25℃)、屈折率1.472)を得た。
<アクリル系樹脂(B−4)>
還流冷却器、撹拌器、窒素ガスの吹き込み口及び温度計を備えた4ツ口丸底フラスコに、アクリル酸ブチル(b2)83部、メタクリル酸メチル(b2)2部、ジメチルアクリルアミド(b1)15部、酢酸エチル43部、アセトン42部、重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.013部を仕込み、適宜AIBNと酢酸エチルを追加しながら還流温度で3.25時間反応後、酢酸エチルにて希釈してアクリル系樹脂(B−4)溶液(重量平均分子量130万、分散度4.3、ガラス転移温度−38℃、固形分濃度23.4%、粘度7900mPa・s(25℃)、屈折率1.475)を得た。
<アクリル系樹脂(B−5)>
還流冷却器、撹拌器、窒素ガスの吹き込み口及び温度計を備えた4ツ口丸底フラスコに、アクリル酸ブチル(b2)78部、メタクリル酸メチル(b2)2部、ジメチルアクリルアミド(b1)20部、酢酸エチル43部、アセトン42部、重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.013部を仕込み、適宜AIBNと酢酸エチルを追加しながら還流温度で3.25時間反応後、酢酸エチルにて希釈してアクリル系樹脂(B−5)溶液(重量平均分子量140万、分散度3.6、ガラス転移温度−33℃、固形分濃度22.2%、粘度4500mPa・s(25℃)、屈折率1.478)を得た。
<アクリル系樹脂(B−6)>
還流冷却器、撹拌器、窒素ガスの吹き込み口及び温度計を備えた4ツ口丸底フラスコに、アクリル酸ブチル(b2)93部、メタクリル酸メチル(b2)2部、ジメチルアクリルアミド(b1)5部、酢酸エチル22部、アセトン42部、重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.013部を仕込み、適宜AIBNと酢酸エチルを追加しながら還流温度で3.25時間反応後、酢酸エチルにて希釈してアクリル系樹脂(B−6)溶液(重量平均分子量130万、分散度2.9、ガラス転移温度−49℃、固形分濃度22.7%、粘度8200mPa・s(25℃)、屈折率1.469)を得た。
<アクリル系樹脂(B’−1)>
還流冷却器、撹拌器、窒素ガスの吹き込み口及び温度計を備えた4ツ口丸底フラスコに、アクリル酸ブチル(b2)98部、メタクリル酸メチル(b2)2部、酢酸エチル43部、アセトン42部、重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.013部を仕込み、適宜AIBNと酢酸エチルを追加しながら還流温度で3.25時間反応後、酢酸エチルにて希釈してアクリル系樹脂(B’−1)溶液(重量平均分子量100万、分散度2.9、ガラス転移温度−54℃、固形分濃度22.0%、粘度4300mPa・s(25℃)、屈折率1.466)を得た。
Figure 0006657948
〔実施例1〜16、比較例1〜9〕
<相溶性(透明性)>
表3に記載の組み合わせで、アクリル系樹脂(A)とアクリル系樹脂(B)を重量比(固形分比)で1:1となるように配合し、乾燥後の膜厚が25μmとなるように軽剥離PET(東レ社製、「東レルミラーSP 01」:厚み38μm)に塗工した。100℃、3分の条件で乾燥させた後、無アルカリガラス(コーニング社製、「イーグルXG」:厚み1.1mm)に貼合し、セパレーターを外しヘイズメータ「HAZE MATER NDH2000」(日本電色工業社製)を用いて、ヘイズ(%)を測定することにより、相溶性(透明性)を評価した。なお、本機はJIS K7361−1に準拠している。評価基準は以下の通りである。結果を表3に示す。
(評価)
○・・・ヘイズが1%未満
×・・・ヘイズが1%以上
Figure 0006657948
[架橋剤(C)]
架橋剤(C)として、以下のものを用意した。
・(C−1):トリメチロールプロパンのトリレンジイソシアネート付加物の55%酢酸エチル溶液(日本ポリウレタン社製「コロネートL−55E」)
・(C−2)1,3−ビス(N,N’−ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサン(三菱ガス化学社製「テトラッド−C」
[シランカップリング剤(D)]
シラン系化合物(D)として、以下のものを用意した。
・(D−1):オリゴマー型シラン化合物(信越化学社製「X41−1805」)
(D−2):3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学社製「KBM−403」)
[帯電防止剤(E)]
帯電防止剤(E)として、以下のものを用意した。
・(E−1):リチウムビストリフルオロメタンスルホニルイミド(テトラエチレングリコールジメチルエーテル分散液)(三光化学社製「サンコノールTGR」)
・(E−2):トリ−n−ブチルメチルアンモニウム ビストリフルオロメタンスルホンイミド(スリーエム社製「FC−4400」
〔実施例17〜30、比較例10〜15〕
上記のようにして調製、準備した各配合成分を、下記表4に示す割合で配合することにより粘着剤形成材料となる粘着剤組成物を調製し、これを酢酸エチルにて希釈し(粘度〔500〜10000mPa・s(25℃)〕)、粘着剤組成物溶液を作製した。
つぎに、実施例17〜30、比較例10〜15の粘着剤組成物溶液を、ポリエステル系離型シートに、乾燥後の厚みが25μmとなるように塗布し、100℃で3分間乾燥した後、形成された粘着剤組成物層を偏光板(保護フィルム:富士フィルム社製TACフィルム)に転写し、23℃、65%RHの条件下で7日間エージングさせて粘着剤層付き偏光板を得た。
なお、上記偏光板は延伸軸に対して0度になるようにカットして使用した。
このようにして得られた粘着剤層付き偏光板を用いて、ゲル分率、耐久性(耐湿熱試験、耐熱試験、ヒートサイクル試験)、耐光漏れ性、粘着力・リワーク性、保持力、帯電防止性能、透明性を下記に示す各方法に従って測定・評価した。これらの結果を後記の表4に併せて示す。
〔ゲル分率〕
得られた粘着剤層付き偏光板の離型シートを剥離して、粘着剤層を0.1gこそぎ取り、粘着層を200メッシュのSUS製金網で包み酢酸エチル中に23℃×24時間浸漬し、金網中に残存した不溶解の粘着剤成分の重量百分率を求めた。
〔耐久性、耐光漏れ性〕
得られた粘着剤層付き偏光板の離型シートを剥離して、粘着剤層側を無アルカリガラス板(コーニング社製、イーグルXG)に押圧して、偏光板とガラス板とを貼合した後、オートクレーブ処理(50℃、0.5MPa、20分)を行ない、その後、下記の耐久試験(耐湿熱試験、耐熱試験、ヒートサイクル試験)において発泡、剥がれの評価を行なった。
更に耐熱試験においては、上記発泡等の評価に加えて、偏光板がクロスニコル(延伸軸が0−90°)になるように表と裏の両面に同じサンプルを貼合した光漏れ観察用サンプルを作製し、下記の耐光漏れ性の評価も行なった。なお、使用した試験片サイズは、20cm×15cmに打抜いて使用した。ただし、実施例30の光漏れ試験については、31cm×17.4cmに打抜いて使用した。
〔耐久性〕
(1)耐湿熱試験
60℃、90%RH、168時間の耐久試験にて、下記の通り評価した。
(2)耐熱試験
80℃、168時間の耐久試験にて、下記の通り評価した。
(3)ヒートサイクル試験
−30℃で30分間放置した後、80℃で30分間放置する操作を1サイクルとして、168サイクル(168時間)行なう耐久試験にて下記の通り評価した。
(評価基準)
上記(1)〜(3)それぞれについて欠点(発泡、スジ、浮き、ハガレ)の有無について評価した。
◎・・・欠点なし
○・・・偏光板の端部から0.5mm以内の欠点
×・・・偏光板の端部から0.5mmより内側に欠点
〔耐光漏れ性〕
80℃、150時間の耐久試験にて、耐光漏れ性について下記の通り測定、評価した。なお、実施例30については50℃、90%RH、150時間の耐久試験にて測定、評価した。
(測定装置)
・「Eye Scale」(株式会社アイシステム社製)
(測定条件)
・カメラレンズ絞りNo.16
・カメラGAIN10
・シャッタースピード 1/1000
・強度(Luminance)9000
に設定したバックライト上に、上記光漏れ観察用サンプルを置き、
・カメラレンズ絞りNo.4
・カメラGAIN6
・シャッタースピード1/30
の条件下で撮影を行ない、取り込んだ画像に対して目視で光漏れ具合を観察した。
評価基準は以下のとおりである。
(評価基準)
◎・・・光漏れがない
○・・・わずかな光漏れ
×・・・はっきりとした光漏れ
なお、比較例11〜15は、偏光板の剥がれが生じたため光漏れを評価できなかった。
〔粘着力・リワーク性〕
得られた粘着剤層付き偏光板を25mm幅に切断した後、無アルカリガラス(コーニング社製イーグルXG)に貼り合わせ、オートクレーブ処理(50℃、0.5MPa、20分)を行ない、23℃、50%RH雰囲気下で24時間静置した後、180度剥離試験を行い粘着力を測定し、リワーク性について下記の通り評価した。
(評価基準)
◎・・・10N以下
○・・・10Nより大きく15N未満
×・・・15N以上
〔保持力〕
上記粘着剤層付き偏光板を、25mm×25mmになるよう裁断し、離型シートを剥離して、粘着剤層側を研磨SUS板に貼着し、80℃の条件下にて1kgの荷重をかけて、JIS Z 0237の保持力の測定法に準じてズレを評価した。評価基準は下記の通りである。
(評価基準)
◎・・・1440分経過後でずれなし(N.C)
○・・・1440分経過後で10mm未満のずれ
×・・・1440分経過後で10mm以上のずれ
〔帯電防止性〕
上記粘着剤層付き偏光板を23℃、50%RH雰囲気下で24時間静置した後、粘着剤層のセパレーターを外し表面抵抗率測定装置(三菱化学アナリテック株式会社製、装置名「Hiresta−UP MCP−HT450」)を用い粘着剤層の表面抵抗率を測定した。評価基準は下の通りである。
(評価基準)
◎・・・1.0E+11Ω/cm未満
○・・・1.0E+11Ω/cm以上、1.0E+12Ω/cm未満
×・・・1.0E+12Ω/cm以上
〔透明性〕
実施例17〜30、比較例10〜15の粘着剤組成物溶液を、ポリエステル系軽剥離離型シートに、乾燥後の厚みが25μmとなるように塗布し、100℃で3分間乾燥した後、形成された粘着剤組成物層にポリエステル系重剥離離型シートを貼り合わせ、23℃、65%RHの条件下で7日間エージングさせて粘着剤層付シートを得た。得られたシートの軽剥離離型シートを外し無アルカリガラス(コーニング社製イーグルXG)に貼合し重剥離シートを外し、ヘイズメータ「HAZE MATER NDH2000」(日本電色工業社製)を用いて、ヘイズ(%)を測定することにより、透明性を評価した。
なお、本機はJIS K7361−1に準拠している。評価基準は以下の通りである。
(評価)
○・・・ヘイズが1%未満
×・・・ヘイズが1%以上
Figure 0006657948
上記表4の評価結果より、実施例17〜30の組成からなる粘着剤はアクリル系樹脂同士の相溶性に優れるため透明性が高く、かつ偏光板とガラス基板等を貼り合わせる際に、優れた耐久性能(特に耐ヒートサイクル性能)、耐光漏れ性、リワーク性、帯電防止性を示すものであることがわかる。
一方、表3より、アクリル系樹脂(A)に対して、重合成分が非反応性極性官能基含有モノマー(b1)を含まないアクリル系樹脂(B’−1)をブレンドした比較例1〜4では、アクリル系樹脂同士の相溶性が劣るものであることがわかる。
また、表3、4より、重合成分の反応性官能基含有モノマー(a1)の含有量が少ないアクリル系樹脂(A’−1)と、アクリル系樹脂(B)をブレンドした比較例5〜8、10、11では、アクリル系樹脂同士の相溶性には優れるものの、耐久性能に劣るものであることがわかる。
更に、表3、表4より、重合成分の反応性官能基含有モノマー(a1)の含有量が少ないアクリル系樹脂(A’−1)と重合成分が非反応性極性官能基含有モノマー(b1)を含まないアクリル系樹脂(B’−1)をブレンドした比較例9、12〜15では、アクリル系樹脂同士の相溶性には優れるものの、耐久性能、耐光漏れ性に劣るものであることがわかる。
本発明を詳細にまた特定の実施態様を参照して説明したが、本発明の精神と範囲を逸脱することなく様々な変更や修正を加えることができることは当業者にとって明らかである。本出願は、2014年7月18日出願の日本特許出願(特願2014−147865)に基づくものであり、その内容はここに参照として取り込まれる。
本発明の粘着剤組成物は、偏光板とガラス基板等を貼り合わせる際に、優れた耐久性能(特に耐ヒートサイクル性能)を示す粘着剤、更には耐光漏れ性、リワーク性、帯電防止性、透明性(相溶性)にも優れる粘着剤を形成することができるものであるために、光学部材用粘着剤として用いて得られる粘着剤層付き光学部材、とりわけ粘着剤層付き偏光板、ならびに画像表示装置を得るための粘着剤として非常に有用なものである。

Claims (9)

  1. 反応性官能基含有モノマー(a1)を含む重合成分を重合してなるアクリル系樹脂(A)、反応性官能基含有モノマーを含まない重合成分を重合してなるアクリル系樹脂(B)を含有する粘着剤組成物であって、
    アクリル系樹脂(A)の重合成分が、反応性官能基含有モノマー(a1)を2.5〜30重量%含み、アクリル系樹脂(A)の重量平均分子量が100万以上であり、アクリル系樹脂(B)の重合成分が、非反応性極性官能基含有モノマー(b1)を含み、非反応性極性官能基含有モノマー(b1)がアミド基含有モノマーであることを特徴とする粘着剤組成物。
  2. アクリル系樹脂(B)の重合成分中の非反応性極性官能基含有モノマー(b1)の含有割合が0.1〜30重量%であることを特徴とする請求項1記載の粘着剤組成物。
  3. 反応性官能基含有モノマー(a1)が水酸基含有モノマーおよびカルボキシル基含有モノマーからなる群から選択される少なくとも1種であることを特徴とする請求項1または2に記載の粘着剤組成物。
  4. アクリル系樹脂(B)の重量平均分子量が100万以上であることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の粘着剤組成物。
  5. アクリル系樹脂(A)とアクリル系樹脂(B)の含有比率[(A):(B)](重量比)が、(A):(B)=100:50〜100:500であることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の粘着剤組成物。
  6. 架橋剤(C)を含有することを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の粘着剤組成物。
  7. 架橋剤(C)がイソシアネート系架橋剤およびエポキシ系架橋剤からなる群から選択される少なくとも1種であることを特徴とする請求項に記載の粘着剤組成物。
  8. 請求項1〜のいずれか1項に記載の粘着剤組成物が架橋剤(C)により架橋されてなることを特徴とする粘着剤。
  9. 請求項に記載の粘着剤を含むことを特徴とする偏光板用粘着剤。
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