JP6657892B2 - 活性エネルギー線硬化型樹脂組成物、及びフィルム - Google Patents

活性エネルギー線硬化型樹脂組成物、及びフィルム Download PDF

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Description

本発明は、硬化塗膜における耐透湿性及び耐擦傷性に優れる活性エネルギー線硬化型樹脂組成物、塗料、塗膜、及び積層フィルムに関する。
活性エネルギー線硬化型樹脂組成物は、透明性に優れ、表面硬度が高い特徴を生かし、主にディスプレイ用光学フィルムのハードコート剤として用いられている。近年、ディスプレイの薄型化に伴い各種光学フィルムの薄膜化が進んでいる。このうち、偏光板用に広く用いられるTACフィルムは元来透湿性が高い素材であるが、薄膜化により一層透湿性が顕著になるため、湿気による部材の劣化が懸念されており、これを防ぐために耐透湿性に優れるハードコート剤の開発が求められている。
耐透湿性に優れるコーティング剤として、水酸基含有石油樹脂とポリアクリレート化合物とを含有する活性エネルギー線硬化性樹脂組成物が知られている(特許文献1参照)。特許文献1に記載されたコーティング剤は、石油樹脂を含有しない活性エネルギー線硬化性樹脂組成物との比較においては高い耐透湿性を有するが、昨今の市場要求レベルを満たすものではなく、また、塗膜の表面硬度も低いものであった。
特開2004−323751号公報
したがって本発明が解決しようとする課題は、硬化塗膜における耐透湿性及び耐擦傷性に優れる活性エネルギー線硬化型樹脂組成物、塗料、塗膜、及び積層フィルムを提供することにある。
本発明者らは上記の課題を解決するため鋭意検討した結果、石油樹脂及び多官能(メタ)アクリレートモノマーに加え、更にアクリル樹脂を含有する活性エネルギー線硬化型樹脂組成物は、硬化塗膜における耐透湿性及び耐擦傷性に優れることを見出し、本発明を完成させるに至った。
即ち、本発明は、石油樹脂(A)、アクリル樹脂(B)、及び(メタ)アクリレート化合物(C)を必須の成分として含有することを特徴とする活性エネルギー線硬化型樹脂組成物に関する。
本発明は更に、前記樹脂組成物を含む塗料に関する。
本発明は更に、前記塗料からなる塗膜に関する。
本発明は更に、前記塗膜からなる層を有する積層フィルムに関する。
本発明によれば、硬化塗膜における耐透湿性及び耐擦傷性に優れる活性エネルギー線硬化型樹脂組成物、塗料、塗膜、及び積層フィルムを提供できる。
本願発明の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物は、石油樹脂(A)、アクリル樹脂(B)、及び(メタ)アクリレート化合物(C)を必須の成分として含有することを特徴とする。
前記石油樹脂(A)は、具体的には、ナフサの熱分解で生じるオレフィン化合物やジオレフィン化合物を重合して製造されるものである。前記オレフィン化合物又は前記ジオレフィン化合物は、例えば、C5系モノマー等と呼ばれるイソプレン、ピペリレン等の脂肪族モノマー、C9系モノマー等と呼ばれるインデン、スチレン、ビニルトルエン等の芳香族モノマー、シクロペンタジエン、ジシクロペンタジエン等が挙げられる。この他、樹脂中に水酸基を導入する目的で、これらのモノマーと併せてアリルアルコール等を共重合しても良い。また、重合後に水素添加したものを用いても良い。石油樹脂(A)は、一種類を単独で用いてもよいし、二種類以上を併用してもよい。
本発明では、硬化塗膜における耐透湿性と耐擦傷性とのバランスに優れる活性エネルギー線硬化型樹脂組成物となることから、前記石油樹脂(A)としてジシクロペンタジエンを主成分とするものを用いることが好ましい。
更に、耐透湿性に一層優れる活性エネルギー線硬化型樹脂組成物となることから、前記石油樹脂(A)の水酸基価及び酸価はそれぞれ10mgKOH/g以下であることが好ましく、5mgKOH/g以下であることが好ましい。石油樹脂(A)として複数種を併用する場合には、それら全体における水酸基価及び酸価がそれぞれ10mgKOH/g以下であることが好ましく、5mgKOH/g以下であることが好ましい。
前記石油樹脂(A)の軟化点は、アクリル樹脂(B)や(メタ)アクリレート化合物(C)との相溶性に優れることから、70〜120℃の範囲であることが好ましい。
また、前記石油樹脂(A)の重量平均分子量(Mw)は、アクリル樹脂(B)や(メタ)アクリレート化合物(C)との相溶性に優れることから、350〜1500の範囲であることが好ましい。
尚、本発明において、重量平均分子量(Mw)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)を用い、下記の条件により測定される値である。
測定装置 ; 東ソー株式会社製 HLC−8220
カラム ; 東ソー株式会社製ガードカラムHXL−H
+東ソー株式会社製 TSKgel G5000HXL
+東ソー株式会社製 TSKgel G4000HXL
+東ソー株式会社製 TSKgel G3000HXL
+東ソー株式会社製 TSKgel G2000HXL
検出器 ; RI(示差屈折計)
データ処理:東ソー株式会社製 SC−8010
測定条件: カラム温度 40℃
溶媒 テトラヒドロフラン
流速 1.0ml/分
標準 ;ポリスチレン
試料 ;樹脂固形分換算で0.4質量%のテトラヒドロフラン溶液をマイクロフィルターでろ過したもの(100μl)
前記石油樹脂(A)のうち、水酸基価及び酸価がそれぞれ5mgKOH/g以下の石油樹脂として好適に用いることができる市販製品は、例えば、東燃ゼネラル石油株式会社製「T−REZ HA085」、「T−REZ HA103」、「T−REZ HA125」、「T−REZ HB103」、「T−REZ HB125」出光興産株式会社製「アイマーブP−100」等が挙げられる。
前記アクリル樹脂(B)は、前記石油樹脂(A)と前記(メタ)アクリレート化合物(C)との相溶性を高め、かつ、硬化塗膜における耐擦傷性を高める効果を奏する成分である。
前記アクリル樹脂(B)は、例えば、各種の(メタ)アクリレートモノマーと、必要に応じて、その他の重合性不飽和基含有化合物を共重合させて得られる。前記アクリル樹脂(B)を構成するモノマーは特に限定されず、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、ヘプチル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、ミリスチル(メタ)アクリレート、パルミチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸アルキルエステル;
シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート等のシクロ環含有(メタ)アクリレート;
フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチルアクリレート等の芳香環含有(メタ)アクリレート;
ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ジヒドロキシプロピルアクリレート等の水酸基含有(メタ)アクリレート;
(メタ)アクリル酸、(アクリロイルオキシ)酢酸、アクリル酸2−カルボキシエチル、アクリル酸3−カルボキシプロピル、コハク酸1−[2−(アクリロイルオキシ)エチル]、フタル酸−1−(2−アクリロイルオキシエチル)、ヘキサヒドロフタル酸水素2−(アクリロイルオキシ)エチル等のカルボキシ基含有(メタ)アクリレート;
2−アクリロイルオキシエチルイソシアネート、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート、1,1−ビス(アクリロイルオキシメチル)エチルイソシアネート等のイソシアネート基含有(メタ)アクリレート;
グリシジル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレートグリシジルエーテル等のグリシジル基含有(メタ)アクリレート;
3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン等のシリル基含有(メタ)アクリレート;
N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリレート等のN,N−ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート;
2,2,2−トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、2,2,3,3−テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート、1H,1H,5H−オクタフルオロペンチル(メタ)アクリレート、1H,1H,2H,2H−ヘプタデカフルオロデシル(メタ)アクリレート、パーフルオロエチルオキシエチル(メタ)アクリレート等の(パー)フルオロアルキル基の炭素数が1〜18の範囲である(パー)フルオロアルキル(メタ)アクリレート;
スチレン、メチルスチレン、ジメチルスチレン、トリメチルスチレン、エチルスチレン、ジエチルスチレン、トリエチルスチレン、プロピルスチレン、ブチルスチレン、ヘキシルスチレン、ヘプチルスチレン、オクチルスチレンの如きアルキルスチレン、フロロスチレン、クロロスチレン、ブロモスチレン、ジブロモスチレン、ヨードスチレンの如きハロゲン化スチレン、更にニトロスチレン、アセチルスチレン、メトキシスチレン等のスチレン及びその誘導体;
トリフルオロメチルトリフルオロビニルエーテル、ペンタフルオロエチルトリフルオロビニルエーテル、ヘプタフルオロプロピルトリフルオロビニルエーテル等の(パー)フルオロアルキル基の炭素数が1〜18の範囲である(パー)フルオロアルキル・パーフルオロビニルエーテル;
フマル酸ジメチル、フマル酸ジエチル、フマル酸ジブチル、イタコン酸ジメチル、イタコン酸ジブチル、フマル酸メチルエチル、フマル酸メチルブチル、イタコン酸メチルエチル等の不飽和ジカルボン酸エステル;
ブタジエン、イソプレン、ピペリレン、ジメチルブタジエン等のジエン系化合物;
塩化ビニル、臭化ビニル等のハロゲン化ビニル又はハロゲン化ビニリデン;
メチルビニルケトン、ブチルビニルケトン等の不飽和ケトン;
酢酸ビニル、酪酸ビニル等のビニルエステル;
メチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル等のビニルエーテル;
アクリロニトリル、メタクリロニトリル、シアン化ビニリデン等のシアン化ビニル;
アクリルアミド又はそのアルキド置換アミド;
N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド等のN−置換マレイミド;
フッ化ビニル、フッ化ビニリデン、トリフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレン、ブロモトリフルオロエチレン、ペンタフルオロプロピレン、ヘキサフルオロプロピレンの等のフッ素含有α−オレフィン等が挙げられる。これらはそれぞれ単独で用いても良いし、二種類以上を併用しても良い。
前記アクリル樹脂(B)は、硬化塗膜における耐透湿性と耐擦傷性とのバランスに優れる活性エネルギー線硬化型樹脂組成物となることから、樹脂構造中に炭化水素から成る環構造を有するものであることが好ましい。即ち、前記シクロ環含有(メタ)アクリレート、芳香環含有(メタ)アクリレート、スチレン誘導体等の環構造含有モノマーを必須の成分として重合させて得られるものであることが好ましい。これらの中でも、更に、スチレン又はイソボロニル(メタ)アクリレートが好ましい。前記アクリル樹脂(B)は、構成モノマーの50モル%以上が前記環構造含有モノマーであることが好ましく、60モル%以上が前記環構造含有モノマーであることがより好ましく、70モル%以上が前記環構造含有モノマーであることが特に好ましい。
前記アクリル樹脂(B)は、例えば、重合開始剤の存在下、60℃〜150℃の温度領域で各種モノマーを重合させることにより製造することができる。重合の方法は、例えば、塊状重合法、溶液重合法、懸濁重合法、乳化重合法等が挙げられる。また、重合様式は、例えば、ランダム共重合体、ブロック共重合体、グラフト共重合体等が挙げられる。
前記アクリル樹脂(B)は、前記水酸基含有(メタ)アクリレートやカルボキシ基含有(メタ)アクリレート、前記イソシアネート基含有(メタ)アクリレート、前記グリシジル基含有(メタ)アクリレート等の官能基を有する(メタ)アクリレートモノマーを含むモノマーからなるアクリル樹脂中間体に、これらの官能基と反応し得る化合物(α)を更に反応させて得られるものであっても良い。この場合には、アクリル樹脂中間体の構成モノマーの50モル%以上が前記環構造含有モノマーであることが好ましく、60モル%以上が前記環構造含有モノマーであることがより好ましく、70モル%以上が前記環構造含有モノマーであることが特に好ましい。
前記化合物(α)は、アクリル樹脂中間体が有する反応性基と反応する化合物であれば特に限定されないが、硬化塗膜における耐擦傷性に優れる活性エネルギー線硬化型樹脂組成物となることから、(メタ)アクリロイル基含有化合物であることが好ましい。具体的には、アクリル樹脂中間体の原料として前記水酸基含有(メタ)アクリレートを用いた場合には、前記化合物(α)としてイソシアネート基含有(メタ)アクリレートを用いることが好ましく、アクリル樹脂中間体の原料として前記カルボキシ基含有(メタ)アクリレートを用いた場合には、前記化合物(α)として前記グリシジル基含有(メタ)アクリレートを用いることが好ましく、アクリル樹脂中間体の原料として前記イソシアネート基含有(メタ)アクリレートを用いた場合には、前記化合物(α)として前記水酸基含有(メタ)アクリレートを用いることが好ましく、アクリル樹脂中間体の原料として前記グリシジル基含有(メタ)アクリレートを用いた場合には、前記化合物(α)として前記カルボキシ基含有(メタ)アクリレートを用いることが好ましい。
前記アクリル樹脂中間体と前記化合物(α)との反応は、例えば、該反応がエステル化反応である場合には、60〜150℃の温度範囲で、トリフェニルホスフィン等のエステル化触媒を適宜用いるなどの方法が挙げられる。また、該反応がウレタン化反応である場合には、50〜120℃の温度範囲で、アクリル樹脂中間体に化合物(α)を滴下しながら反応させる等の方法が挙げられる。
前記アクリル樹脂(B)は、硬化塗膜における耐透湿性と耐擦傷性とのバランスに優れる活性エネルギー線硬化型樹脂組成物となることから、樹脂構造中に(メタ)アクリロイル基を有するものであることが好ましい。また、その(メタ)アクリロイル基当量は、800〜2000g/当量の範囲であることが好ましい。
前記アクリル樹脂(B)の重量平均分子量(Mw)は、硬化塗膜における耐透湿性と耐擦傷性とのバランスに優れる活性エネルギー線硬化型樹脂組成物となることから、3,000〜80,000の範囲であることが好ましく、8,000〜60,000の範囲であることがより好ましく、10,000〜50,000の範囲であることが特に好ましい。
前記(メタ)アクリレート化合物(C)は、例えば、各種の(メタ)アクリレートモノマー(C1)や、ウレタン(メタ)アクリレート化合物(C2)、エポキシ(メタ)アクリレート化合物(C3)等が挙げられる。
前記(メタ)アクリレートモノマー(C1)は、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、アクリロイルモルフォリン、N−ビニルピロリドン、テトラヒドロフルフリールアクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、セチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリレート、3−メトキシブチル(メタ)アクリレート、エチルカルビトール(メタ)アクリレート、リン酸(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性リン酸(メタ)アクリレート、フェノキシ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性フェノキシ(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイド変性フェノキシ(メタ)アクリレート、ノニルフェノール(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性ノニルフェノール(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイド変性ノニルフェノール(メタ)アクリレート、メトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシプロピレングリコール(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチル−2−ヒドロキシプロピルフタレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルハイドロゲンフタレート、2−(メタ)アクリロイルオキシプロピルハイドロゲンフタレート、2−(メタ)アクリロイルオキシプロピルヘキサヒドロハイドロゲンフタレート、2−(メタ)アクリロイルオキシプロピルテトラヒドロハイドロゲンフタレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート、ヘキサフルオロプロピル(メタ)アクリレート、オクタフルオロプロピル(メタ)アクリレート、オクタフルオロプロピル(メタ)アクリレート、アダマンチルモノ(メタ)アクリレートなどのモノ(メタ)アクリレート;
ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ノルボルナンジ(メタ)アクリレート、ノルボルナンジメタノールジ(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレートなどのジ(メタ)アクリレートモノマー;
トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート等のトリ(メタ)アクリレートモノマー;
ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンヘキサ(メタ)アクリレート等の4官能以上の(メタ)アクリレートモノマー;
前記各種の多官能(メタ)アクリレートモノマーの分子構造中に(ポリ)オキシアルキレン鎖や(ポリ)ラクトン構造を導入した変性(メタ)アクリレートモノマー等が挙げられる。
前記ウレタン(メタ)アクリレート化合物(C2)は、例えば、各種のポリイソシアネート化合物、水酸基含有(メタ)アクリレート化合物、及び必要に応じて各種のポリオール化合物を反応させて得られるものが挙げられる。前記ポリイソシアネート化合物は、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート等のジイソシアネート化合物或いはそのヌレート変性体、アダクト変性体、ビウレット変性体が挙げられる。前記水酸基含有(メタ)アクリレート化合物は、例えば、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジアクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、及びこれらのポリオキシアルキレン変性体、ポリラクトン変性体等が挙げられる。前記ポリオール化合物は、例えば、エチレングリコール、プロプレングリコール、ブタンジオール、ヘキサンジオール、ポリオキシエチレングリコール、ポリオキシプロピレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等が挙げられる。
前記エポキシ(メタ)アクリレート化合物(C3)は、ビスフェノール型エポキシ樹脂や、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル等のエポキシ基含有化合物の(メタ)アクリル酸エステルが挙げられる。
これら(メタ)アクリレート化合物(C)はそれぞれ単独で用いても良いし、2種類以上を併用しても良い。中でも、硬化性に優れ、硬化塗膜における耐擦傷性に優れる活性エネルギー線硬化型樹脂組成物となる点では、3官能以上の(メタ)アクリレート化合物を用いることが好ましく、前記トリ(メタ)アクリレートモノマー及び前記4官能以上の(メタ)アクリレートモノマーがより好ましく、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレートが好ましい。(メタ)アクリレート化合物(C)中の前記3官能以上の(メタ)アクリレート化合物の含有量は、5〜100質量%の範囲であることがより好ましい。
また、硬化塗膜における耐透湿性に優れる活性エネルギー線硬化型樹脂組成物となる点では、分子構造中に脂環構造を有する(メタ)アクリレート化合物を用いることが好ましく、分子構造中に脂環構造を有するポリ(メタ)アクリレート化合物を用いることがより好ましく、ノルボルナンジ(メタ)アクリレート、ノルボルナンジメタノールジ(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレートが特に好ましい。これらを上記3官能以上の(メタ)アクリレート化合物(メタ)アクリレート化合物と併用してもよい。前記(メタ)アクリレート化合物(C)中の前記分子構造中に脂環構造を有する(メタ)アクリレート化合物の含有量は、5質量%以上であることが好ましく、5〜95質量%の範囲であることがより好ましい。
本発明の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物は、所望の性能に応じて(A)〜(C)成分以外の成分を含有しても良い。前記その他の成分は、例えば、光重合開始剤、光増感剤、有機溶剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、シリコン系添加剤、フッ素系添加剤、帯電防止剤、シランカップリング剤、有機ビーズ、無機微粒子、無機フィラー、レオロジーコントロール剤、脱泡剤、防曇剤、着色剤等が挙げられる。
前記光重合開始剤は、例えば、ベンゾフェノン、3,3′−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノン、4,4′−ビスジメチルアミノベンゾフェノン、4,4′−ビスジエチルアミノベンゾフェノン、4,4′−ジクロロベンゾフェノン、ミヒラーズケトン、3,3′,4,4′-テトラ(t-ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノンなど各種のベンゾフェノン;
キサントン、チオキサントン、2−メチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントンなどのキサントン、チオキサントン類;ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテルなど各種のアシロインエーテル;
ベンジル、ジアセチルなどのα-ジケトン類;テトラメチルチウラムジスルフィド、p−トリルジスルフィドなどのスルフィド類;4−ジメチルアミノ安息香酸、4−ジメチルアミノ安息香酸エチルなど各種の安息香酸;
3,3′-カルボニル-ビス(7-ジエチルアミノ)クマリン、1−ヒドロキシシクロへキシルフェニルケトン、2,2′−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、2−メチル−1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルホリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキシド、1−〔4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル〕−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、1−(4−ドデシルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、4−ベンゾイル−4′−メチルジメチルスルフィド、2,2′−ジエトキシアセトフェノン、ベンジルジメチルケタ−ル、ベンジル−β−メトキシエチルアセタール、o−ベンゾイル安息香酸メチル、ビス(4−ジメチルアミノフェニル)ケトン、p−ジメチルアミノアセトフェノン、α,α−ジクロロ−4−フェノキシアセトフェノン、ペンチル−4−ジメチルアミノベンゾエート、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾリルニ量体、2,4−ビス−トリクロロメチル−6−[ジ−(エトキシカルボニルメチル)アミノ]フェニル−S−トリアジン、2,4−ビス−トリクロロメチル−6−(4−エトキシ)フェニル−S−トリアジン、2,4−ビス−トリクロロメチル−6−(3−ブロモ−4−エトキシ)フェニル−S−トリアジンアントラキノン、2−t−ブチルアントラキノン、2−アミルアントラキノン、β−クロルアントラキノン等が挙げられる。これらはそれぞれ単独で用いても良いし、二種類以上を併用しても良い。
前記光重合開始剤の中でも、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−〔4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル〕−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、チオキサントン及びチオキサントン誘導体、2,2′−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキシド、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノ−1−プロパノン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタン−1−オンの群から選ばれる1種または2種類以上の混合系を用いることにより、より広範囲の波長の光に対して活性を示し、硬化性の高い塗料が得られるため好ましい。
前記光重合開始剤の市販品は、例えば、チバスペシャルティケミカルズ社製「イルガキュア−184」、「イルガキュア−149」、「イルガキュア−261」、「イルガキュア−369」、「イルガキュア−500」、「イルガキュア−651」、「イルガキュア−754」、「イルガキュア−784」、「イルガキュア−819」、「イルガキュア−907」、「イルガキュア−1116」、「イルガキュア−1664」、「イルガキュア−1700」、「イルガキュア−1800」、「イルガキュア−1850」、「イルガキュア−2959」、「イルガキュア−4043」、「ダロキュア−1173」;ビーエーエスエフ社製「ルシリンTPO」;日本化薬株式会社製「カヤキュア−DETX」、「カヤキュア−MBP」、「カヤキュア−DMBI」、「カヤキュア−EPA」、「カヤキュア−OA」;ストウファ・ケミカル社製「バイキュア−10」、「バイキュア−55」;アクゾ社製「トリゴナルP1」;サンドズ社製「サンドレイ1000」;アプジョン社製「ディープ」;ワードブレンキンソップ社製「クオンタキュア−PDO」、「クオンタキュア−ITX」、「クオンタキュア−EPD」等が挙げられる。
前記光重合開始剤の使用量は、光重合開始剤としての機能を十分に発揮しうる量であり、かつ、結晶の析出や塗膜物性の劣化が生じない範囲が好ましく、具体的には、活性エネルギー線硬化型樹脂組成物100質量部に対して0.05〜20質量部の範囲で用いることが好ましく、0.1〜10質量部の範囲で用いることがより好ましい。
前記光増感剤は、例えば、アミン類、尿素類、含硫黄化合物、含燐化合物、含塩素化合物またはニトリル類もしくはその他の含窒素化合物等が挙げられる。
前記有機溶剤は、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン(等のケトン溶剤;テトラヒドロフラン、ジオキソラン等の環状エーテル溶剤;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル;トルエン、キシレン等の芳香族溶剤;シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の脂環族溶剤;カルビトール、セロソルブ、メタノール、イソプロパノール、ブタノール、プロピレングリコールモノメチルエーテルなどのアルコール溶剤;エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル等のグリコールエーテル系溶剤が挙げられる。これらはそれぞれ単独で使用しても良いし、2種類以上を併用しても良い。
前記有機溶剤は、主に前記活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の粘度を調整する目的で用いるが、通常、不揮発分が10〜60質量%の範囲となるように調整することが好ましい。
前記紫外線吸収剤は、例えば、2−[4−{(2−ヒドロキシ−3−ドデシルオキシプロピル)オキシ}−2−ヒドロキシフェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−[4−{(2−ヒドロキシ−3−トリデシルオキシプロピル)オキシ}−2−ヒドロキシフェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン等のトリアジン誘導体、2−(2′−キサンテンカルボキシ−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−o−ニトロベンジロキシ−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−キサンテンカルボキシ−4−ドデシロキシベンゾフェノン、2−o−ニトロベンジロキシ−4−ドデシロキシベンゾフェノン等が挙げられる。これらはそれぞれ単独で使用しても良いし、2種類以上を併用しても良い。
前記酸化防止剤は、例えば、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、ヒンダードアミン系酸化防止剤、有機硫黄系酸化防止剤、リン酸エステル系酸化防止剤等が挙げられる。これらはそれぞれ単独で使用しても良いし、2種類以上を併用しても良い。
前記シリコン系添加剤は、例えば、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、環状ジメチルポリシロキサン、メチルハイドロゲンポリシロキサン、ポリエーテル変性ジメチルポリシロキサン共重合体、ポリエステル変性ジメチルポリシロキサン共重合体、フッ素変性ジメチルポリシロキサン共重合体、アミノ変性ジメチルポリシロキサン共重合体など如きアルキル基やフェニル基を有するポリオルガノシロキサン、ポリエーテル変性アクリル基を有するポリジメチルシロキサン、ポリエステル変性アクリル基を有するポリジメチルシロキサン等が挙げられる。これらはそれぞれ単独で使用しても良いし、2種類以上を併用しても良い。
前記フッ素系添加剤は、例えば、DIC株式会社「メガファック」シリーズ等が挙げられる。これらはそれぞれ単独で使用しても良いし、2種類以上を併用しても良い。
前記帯電防止剤は、例えば、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド又はビス(フルオロスルホニル)イミドのピリジニウム、イミダゾリウム、ホスホニウム、アンモニウム、又はリチウム塩が挙げられる。これらはそれぞれ単独で使用しても良いし、二種類以上を併用しても良い。
前記シランカップリング剤は、例えば、ビニルトリクロルシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、p−スチリルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−トリエトキシシリル−N−(1,3−ジメチル・ブチリデン)プロピルアミン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(ビニルベンジル)−2−アミノエチル−3−アミノプロピルトリメトキシシランの塩酸塩、特殊アミノシラン、3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、ビス(トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、アリルトリクロロシラン、アリルトリエトキシシラン、アリルトリメトキシシラン、ジエトキシメチルビニルシラン、トリクロロビニルシラン、ビニルトリクロルシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン等、ビニル系のシランカップリング剤;
ジエトキシ(グリシディルオキシプロピル)メチルシラン、2−(3、4エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−ブリシドキシプロピルトリエトキシシラン等、エポキシ系のシランカップリング剤;
p−スチリルトリメトキシシラン等、スチレン系のシランカップリング剤;
3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン等、(メタ)アクリロキシ系のシランカップリング剤;
N−2(アミノエチル)3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−2(アミノエチル)3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2(アミノエチル)3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−トリエトキシシリル−N−(1、3−ジメチル−ブチリデン)プロピルアミン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン等、アミノ系のシランカップリング剤;
3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン等、ウレイド系のシランカップリング剤;
3−クロロプロピルトリメトキシシラン等、クロロプロピル系のシランカップリング剤;
3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキンシラン等、メルカプロ系のシランカップリング剤;
ビス(トリエトキシシリルプロピル)テトラスルファイド等、スルフィド系のシランカップリング剤;
3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン等、イソシアネート系のシランカップリング剤が挙げられる。これらはそれぞれ単独で使用しても良いし、2種類以上を併用しても良い。
前記有機ビーズは、例えば、ポリメタクリル酸メチルビーズ、ポリカーボネートビーズ、ポリスチレンビーズ、ポリアクリルスチレンビーズ、シリコーンビ−ズ、ガラスビーズ、アクリルビーズ、ベンゾグアナミン系樹脂ビーズ、メラミン系樹脂ビーズ、ポリオレフィン系樹脂ビーズ、ポリエステル系樹脂ビーズ、ポリアミド樹脂ビーズ、ポリイミド系樹脂ビーズ、ポリフッ化エチレン樹脂ビーズ、ポリエチレン樹脂ビーズ等が挙げられる。これらはそれぞれ単独で使用しても良いし、2種類以上を併用しても良い。これら有機ビーズの平均粒径は1〜10μmの範囲であることが好ましい。
前記無機微粒子は、例えば、例えば、シリカ、アルミナ、ジルコニア、チタニア、チタン酸バリウム、三酸化アンチモン等の微粒子が挙げられる。これらはそれぞれ単独で用いても良いし、2種類以上を併用しても良い。これら無機微粒子の平均粒径は95〜250nmの範囲であることが好ましく、特に100〜180nmの範囲であることがより好ましい。また、これら無機微粒子を含有する場合には更に分散補助剤を用いても良く、分散補助剤は、例えば、イソプロピルアシッドホスフェート、トリイソデシルホスファイト、エチレンオキサイド変性リン酸ジメタクリレート等のリン酸エステル化合物等が挙げられる。これらはそれぞれ単独で用いても良いし、2種類以上を併用しても良い。
前記分散補助剤の市販品は、例えば、日本化薬株式会社製「カヤマーPM−21」、「カヤマーPM−2」、共栄社化学株式会社製「ライトエステルP−2M」等が挙げられる。
これら各種の添加剤は、所望の性能等に応じて任意の量添加することができるが、通常、活性エネルギー線硬化型樹脂組成物100質量部中、0.01〜40質量部の範囲で用いることが好ましい。
本発明の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物において前記石油樹脂(A)、アクリル樹脂(B)、及び(メタ)アクリレート化合物(C)各成分の配合量は特に限定されず、所望の性能に応じて適宜調整することができる。本発明が奏する、硬化塗膜における耐透湿性及び耐擦傷性に優れるという効果が十分に発揮される点で特に好ましい配合例は、例えば、樹脂固形分、即ち、活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の有機溶剤以外の成分の合計100質量部中、前記石油樹脂(A)の配合量が5〜60質量部の範囲であり、前記アクリル樹脂(B)の配合量が5〜60質量部の範囲であり、前記(メタ)アクリレート化合物(C)の配合量が5〜90質量部の範囲であることが好ましい。
本発明の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物は塗料用途に用いることが出来、該塗料は、各種基材上に塗布し、活性エネルギー線を照射して硬化させることにより、基材表面を保護するコート層として用いることができる。この場合、本発明の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物を被表面保護部材に直接塗布して用いても良いし、プラスチックフィルム上に塗布したものを保護フィルムとして用いてもよい。或いは、本発明の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物をプラスチックフィルム上に塗布し、塗膜を形成したものを反射防止フィルム、拡散フィルム、及びプリズムシート等の光学フィルムとして用いても良い。
前記プラスチックフィルムは、例えば、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、ポリエステル、ポリオレフィン、シクロオレフィン、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、トリアセチルセルロース樹脂、ABS樹脂、AS樹脂、ノルボルネン系樹脂、ポリイミド樹脂等からなるプラスチックフィルムやプラスチックシートが挙げられる。
上記プラスチックフィルムのうち、トリアセチルセルロースフィルムは、液晶ディスプレイの偏光版用途に特に好適に用いられるフィルムであるが、一般に厚さが20〜100μmと薄いため、ハードコート層を設置した場合であっても透湿性が高く、水蒸気を通しやすい特徴がある。本願発明の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物からなる塗膜は、トリアセチルセルロースフィルムを基材として用いた場合にも、耐擦傷性と耐透湿性とに優れる効果を十分に奏する。該トリアセチルセルロースフィルムを基材として用いる場合、本願発明の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物を塗布する際の塗布量は、乾燥後の膜厚が0.5〜20μmの範囲、好ましくは1〜10μmの範囲となるように塗布することが好ましい。その際の塗布方法は、例えば、バーコーター塗工、メイヤーバー塗工、エアナイフ塗工、グラビア塗工、リバースグラビア塗工、オフセット印刷、フレキソ印刷、スクリーン印刷法等が挙げられる。
本発明の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物を硬化させ塗膜とする際に照射する活性エネルギー線は、例えば、紫外線や電子線が挙げられる。紫外線により硬化させる場合には、光源としてキセノンランプ、高圧水銀灯、メタルハライドランプ、LED等を有する紫外線照射装置が使用され、必要に応じて光量、光源の配置などが調整される。高圧水銀灯を使用する場合には、通常80〜160W/cmの範囲である光量を有したランプ1灯に対して搬送速度5〜50m/分の範囲で硬化させることが好ましい。一方、電子線により硬化させる場合には、通常10〜300kVの範囲である加速電圧を有する電子線加速装置にて、搬送速度5〜50m/分の範囲で硬化させることが好ましい。
また、本発明の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物を塗布する基材は、プラスチックフィルムのみならず、各種のプラスチック成形品、例えば、携帯電話、電家製品、自動車のバンパー等の表面コーティング剤としても好適に用いることができる。この場合、その塗膜の形成方法としては、例えば、塗装法、転写法、シート接着法等が挙げられる。
前記塗装法は、前記塗料をスプレーコートするか、もしくはカーテンコーター、ロールコーター、グラビアコーター等の印刷機器を用いて成形品にトップコートとして塗装した後、活性エネルギー線を照射して硬化させる方法である。
本発明の積層フィルムは、本発明の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の硬化塗膜等とプラスチックフィルム層とを有するものであり、この他、反射防止フィルム、拡散フィルム、偏光フィルム等の機能性フィルム層を有していても良い。これら各種の層構成は、樹脂原料を直接塗布して乾燥或いは硬化させる方法で形成しても良いし、接着剤層を介して貼り合せる方法で形成しても良い。
以下に本発明を具体的な製造例、実施例を挙げてより具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。例中の部及び%は、特に記載のない限り、すべて質量基準である。
本発明の実施例では、重量平均分子量(Mw)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)を用い、下記の条件により測定した値である。
測定装置 ; 東ソー株式会社製 HLC−8220
カラム ; 東ソー株式会社製ガードカラムHXL−H
+東ソー株式会社製 TSKgel G5000HXL
+東ソー株式会社製 TSKgel G4000HXL
+東ソー株式会社製 TSKgel G3000HXL
+東ソー株式会社製 TSKgel G2000HXL
検出器 ; RI(示差屈折計)
データ処理:東ソー株式会社製 SC−8010
測定条件: カラム温度 40℃
溶媒 テトラヒドロフラン
流速 1.0ml/分
標準 ;ポリスチレン
試料 ;樹脂固形分換算で0.4質量%のテトラヒドロフラン溶液をマイクロフィルターでろ過したもの(100μl)
本願実施例で用いた石油樹脂(A)
・(A−1):東燃ゼネラル石油株式会社製「T−REZ HA085」[軟化点86.6℃(TSTM 4027に準拠して測定)、水酸基価、酸価ともに1mgKOH/g未満]
・(A−2):東燃ゼネラル石油株式会社製「T−REZ HA103」[軟化点103.7℃(TSTM 4027に準拠して測定)、水酸基価、酸価ともに1mgKOH/g未満]
・(A−3):荒川化学工業株式会社製「KR−1842」(軟化点120℃、水酸基価190mgKOH/g)
製造例1 アクリル樹脂(B−1)の製造
撹拌装置、冷却管、滴下ロートおよび窒素導入管を備えた反応装置に、トルエン231質量部を仕込み、撹拌しながら系内温度が110℃になるまで昇温した。次いで、スチレンモノマー386質量部、メタクリル酸43質量部およびt−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート(日本乳化剤株式会社製「パーブチルO」)8.6質量部からなる混合液を3時間かけて滴下ロートより滴下し、110℃で15時間反応させた。次いで、90℃まで降温した後、メトキノン0.1質量部およびグリシジルメタアクリレート70.8質量部を仕込み、トリフェニルホスフィン2.5質量部を添加して、100℃で8時間以上反応させた。溶液酸価が6mgKOH/g以下になったことを確認した後、トルエンで希釈を行い、アクリル樹脂(B−1)のトルエン溶液1000質量部(不揮発分50.0質量%)を得た。アクリル樹脂(B−1)の各性状値は以下のようであった。重量平均分子量(Mw):42,000、固形分換算の理論メタアクリロイル基当量:1002g/当量、水酸基価56mgKOH/g
製造例2 アクリル樹脂(B−2)の製造
撹拌装置、冷却管、滴下ロートおよび窒素導入管を備えた反応装置に、トルエン256質量部を仕込み、撹拌しながら系内温度が110℃になるまで昇温した。次いで、グリシジルメタアクリレート47質量部、イソボルニルメタアクリレート428質量部およびt−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート(日本乳化剤株式会社製「パーブチルO」)19.0質量部からなる混合液を3時間かけて滴下ロートより滴下し、110℃で15時間保持した。次いで、90℃まで降温した後、メトキノン0.1質量部およびアクリル酸24質量部を仕込み、トリフェニルホスフィン2.5質量部を添加して、100℃で8時間以上反応させた。溶液酸価が6mgKOH/g以下になったことを確認した後、トルエンで希釈を行い、アクリル樹脂(B−2)のトルエン溶液1000質量部(不揮発分50.0質量%)を得た。アクリル樹脂(B−2)の各性状値は以下のようであった。重量平均分子量(Mw):30,000、固形分換算の理論アクリロイル基当量:1492g/当量、水酸基価37mgKOH/g
本願実施例で用いた(メタ)アクリレート化合物(C)
・(C−1):ジシクロペンタニルジ(メタ)アクリレート
・(C−2):ペンタエリスリトールトリアクリレートとペンタエリスリトールテトラアクリレートとの混合物(ペンタエリスリトールトリアクリレート<10質量%)(東亞合成株式会社製「アロニクス M−450」)
本願実施例で用いたその他成分
・光重合開始剤:チバスペシャルティケミカルズ社製「イルガキュア#184」
実施例1〜12、比較例1、2
下記要領で活性エネルギー線硬化型樹脂組成物を調整し、各種評価を行った。結果を表1に示す。
活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の調整
表1に示す割合で各成分を配合し、トルエンにて不揮発分を20質量%に調整して、活性エネルギー線硬化型樹脂組成物を得た。
積層フィルムの作成
先で得た活性エネルギー線硬化型樹脂組成物を厚さ40μmのTACフィルム上にバーコーターで塗布し、80℃で2分間乾燥させた。次いで窒素雰囲気下、80W高圧水銀ランプで紫外線を500mJ/cm照射し、TACフィルム上に膜厚5μmの硬化塗膜を有する積層フィルムを得た。
積層フィルムの透明性の評価
スガ試験機株式会社製「ヘーズコンピュータHZ−2」を用いて積層フィルムのヘーズ値を測定した。
積層フィルムの耐透湿性評価
LYSSY社製「L80−5000型水蒸気透過度計」を用い、40℃、90%RH条件下で24時間放置したときの透湿量(MVTR)[g/m]を測定した。
積層フィルムの耐擦傷性評価
スチールウール(日本スチールウール株式会社製「ボンスター#0000」)0.5gで直径2.4センチメートルの円盤状の圧子を包み、該圧子に100g重の荷重をかけて、積層フィルムの硬化塗膜表面を10往復させる磨耗試験を行った。磨耗試験前後の塗膜のヘーズ値を、スガ試験機株式会社製「ヘーズコンピュータHZ−2」を用いて測定し、それらの差の値(dH)で耐擦り傷性を評価した。
dHが1未満:○
dHが1以上:×
Figure 0006657892

Claims (5)

  1. 石油樹脂(A)、アクリル樹脂(B)、及び(メタ)アクリレート化合物(C)を必須の成分として含有する活性エネルギー線硬化型樹脂組成物であって、
    前記石油樹脂(A)が、水酸基価及び酸価がそれぞれ10mgKOH/g以下のものであることを特徴とする活性エネルギー線硬化型樹脂組成物。
  2. 前記アクリル樹脂(B)が、重量平均分子量(Mw)が3,000〜80,000の範囲にあるものである請求項1記載の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物。
  3. 請求項1または2記載の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物を含む塗料。
  4. 請求項記載の塗料からなる塗膜。
  5. 請求項記載の塗膜からなる層を有する積層フィルム。
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