以下、図面を参照して、本発明をより具体的に例示説明する。
図1に示す本発明の第1実施形態である計量キャップ1は、例えば、果汁飲料やお茶等の飲料、薬剤、化粧料、香水等の内容物を、容器本体2から計量筒部20内に送り出して所定の体積を計量した後に、計量された内容物を使用するためのものである。なお、本願明細書、特許請求の範囲、要約書、及び図面において上下方向とは、計量キャップ1を容器本体2に装着したものを水平面上に正立させた状態を基準としており、上方とは図1における上方、下方とは図1における下方を意味するものとする。
この計量キャップ1は、容器本体2の口部4に係合する装着筒部10と、装着筒部10に対して上下方向に移動可能に設けられた計量筒部20とを備える。計量筒部20は、外周壁21と底壁23により形成される計量部22内の所定高さまで容器本体2内の内容物を充填することによって内容物の体積を計量し、利用者が、例えば計量部22内にコットン60等を置いて計量された内容物を吸収させて使用することができる。
本実施形態の容器本体2は、装着筒部10が装着される口部4と、口部4の下端に連なり下方に向かって拡径する肩部3と、口部4に肩部3を介して連なる胴部5と、胴部5の下端を閉塞する図示しない底部とを備えたボトル形状に形成されている。胴部5の内側は、内容物を収容する収容空間Sを形成している。容器本体2は、例えば、加熱溶融されたパリソンを金型で挟み、内部に空気を吹き込んで容器を形成するEBM(Extrusion Blow Molding:押出しブロー成形)によるものと、有底筒状に形成されたプリフォーム(容器素材)から容器を形成する二軸延伸ブロー成形によるものがある。容器本体2の材料には、低密度ポリエチレン(LDPE)又は高密度ポリエチレン樹脂(HDPE)を用いることができ、特にLDPEを用いた場合には高いスクイズ性を付与することができる。しかし、この態様に限定されず、例えば二軸延伸ブロー成形を行うことによって容器本体2を形成する場合には、ポリエチレンテレフタレート(PET)を用いてもよい。また、延伸ポリプロピレン(OPP)等の熱可塑性を有する他の合成樹脂からなるプリフォームを二軸延伸ブロー成形して形成することもできる。
口部4の外周面には、図1に示すように雄ねじ部4aが形成されており、後述する装着筒部10の周壁11の内周面に設けられた雌ねじ部11aとねじ係合させることによって装着筒部10を容器本体2に固定することができる。なお、口部4の外周面に雄ねじ部4aを設ける代わりに係合突起を設け、装着筒部10を打栓により係合することにより口部4に装着筒部10を装着する構成としてもよい。
胴部5は、略円筒構造を有しており、スクイズ性と復元性を備える。すなわち、利用者が胴部5を押圧して収容空間Sの体積を減少させると、収容空間Sの内圧が高まり、内容物を後述する逆止弁30を通過させて計量筒部20の計量部22内へと送出する。また、利用者が胴部5の押圧を解除すると共に、後述する計量筒部20の「下方位置」への移動により逆止弁30が開放されると、胴部5は自らの剛性により復元しようとするため収容空間S内は負圧となり、その負圧により逆止弁30経由で収容空間S内に空気及び計量部22内の内容物が導入される。
装着筒部10は、図1に示すように、口部4の外周面を覆う周壁11を有し、周壁11の内周面には、口部4の雄ねじ部4aにねじ係合するための雌ねじ部11aが設けられている。周壁11の下端から外周方向に下壁11bが設けられており、下壁11bの外周端から上方に向けて摺動壁14が延びている。摺動壁14の外周面には上下に延びる溝部14aが周方向に間欠的に設けられている。そして、溝部14aには、後述する計量筒部20の外周壁21の内周面に設けられた摺動リブ21aが緩合し、計量筒部20が装着筒部10に対して図の上下方向にスライド可能に構成されている。摺動壁14の下方寄りには係合突起14bが配設されており、外周壁21の下端に設けられたストッパ突起21bに当接して、計量筒部20の上方へのスライドを制限している。
図1に示すように、周壁11の内周側には、上壁12aを介して内周壁12bが設けられ、内周壁12bの更に内周側には、下壁12cを介して支持周壁12dが配設されている。なお、上壁12a、内周壁12b、下壁12c及び支持周壁12dは、天壁12を構成している。支持周壁12dの内周面には、収容空間S内の内容物を計量筒部20内に送出するための送出パイプ50が嵌合し固定されている。送出パイプ50の直上には、収容空間Sと計量筒部20とを連通する連通孔13aが設けられている。
なお、本実施形態では、胴部5への僅かな押圧力によって、収容空間S内の内容物が計量筒部20に送出されるように、連通孔13aの直下に送出パイプ50を設けるように構成したが、この態様に限定されるものではなく、送出パイプ50を有しない構成としてもよい。
また、連通孔13aの上方には、弁支持部材15を介して逆止弁30が配置されている。逆止弁30は、薄肉円板上の弁体31と、弁体31の下面から下方に垂下する支持柱32とを有している。支持柱32の下方寄りに設けられた凹部32aに弁支持部材15の円筒支持部15aが係合することにより、逆止弁30は天壁12に固定されている。図1において、弁体31の外周端は計量筒部20の底壁23に当接している。利用者が容器本体2の胴部5を押圧して収容空間S内の圧力が高まると、弁体31が当該圧力によって上方に変位して内容物が逆止弁30を通過することができる。他方、上方から弁体31が押圧されると、弁体31が底壁23に当接する力が強まり逆止弁30はより強固に閉塞する。従って、図1の状態において、逆止弁30は、収容空間S内の圧力上昇に伴って収容空間S内の内容物を上方に通過させる一方、計量筒部20内の内容物を下方に通過させない。
計量筒部20は、図1に示すように計量部22の周囲を取り囲む外周壁21を有し、外周壁21の中央高さよりもやや上方寄りから内周方向に向けて円錐面形状の底壁23が設けられている。すなわち、計量筒部20は、内容物を計量するための有底筒状形状の計量部22を有している。上述のように、底壁23の上面には、逆止弁30の弁体31の外周端が当接している。また、底壁23の内周寄りから下方に向けて開孔筒部25が垂下しており、開孔筒部25の内側の空間は開孔25aを形成している。開孔筒部25の下端の内周面は、支持周壁12d上端の外周面に当接しており、これにより、計量筒部20の計量部22は、逆止弁30、開孔25a、連通孔13a、及び送出パイプ50を介して容器本体2の収容空間Sに連通している。
なお、本実施形態では、底壁23の形状として円錐面形状を有するように構成したが、この態様には限定されない。底壁23の外周端に比べて開孔25a部分が低くなるように構成されていればよく、例えば、底壁23の外周端から開孔25aに向かって階段状に低くなるように構成されていてもよい。また、底壁23は傾斜を有しない平面状に構成されていてもよい。
外周壁21の上端近傍には、外周方向に突出するフランジ部26が設けられており、フランジ部26の外周寄りの上端において、ヒンジ28を介して蓋体27が連結されている。蓋体27は、蓋体周壁27b及び蓋体頂壁27aとを有しており、蓋体頂壁27aの下面から嵌合周壁29が垂下し、蓋体27の閉塞時に外周壁21の内周面に液密に嵌合する。なお、蓋体周壁27bにおけるヒンジ28と対向する周方向位置には、蓋体27を容易に開閉させるための把持部27cが設けられている。
底壁23の下面と、装着筒部10の下壁11bの上面との間には、付勢ばね40が配設されている。付勢ばね40は、装着筒部10に対して計量筒部20を上方に付勢するように圧縮コイルばねとして形成されている。この付勢ばね40の作用によって、図1において、計量筒部20は逆止弁30が底壁23に当接する「上方位置」に位置決めされている。
なお、本実施形態では、付勢ばね40によって計量筒部20が「上方位置」に位置決めされるように構成したが、この態様には限定されない。例えば、計量筒部20の「上方位置」において、外周壁21の内周面に設けられた突部が摺動壁14の外周面に設けられた係合突部にアンダーカット係合して計量筒部20が「上方位置」に位置決めされるように構成してもよい。
このように構成される計量キャップ1を容器本体2の口部4に装着し、図1に示すように、計量筒部20が「上方位置」に位置決めされた状態で蓋体27を開放し、利用者が容器本体2の胴部5を押圧する。胴部5の押圧によって収容空間Sの内圧が高まり、収容空間S内の内容物が送出パイプ50、連通孔13a及び開孔25aを経由して逆止弁30へと送出される。上述のように、収容空間S内の内圧の上昇によって逆止弁30の弁体31の外周端が上方に持ち上げられ、内容物は、弁体31と底壁23との隙間を通って計量筒部20の計量部22内に充填される。本実施形態では、弁体31と底壁23との隙間から内容物が底壁23に沿って斜め上方に噴出するので、従来の計量キャップのように、内容物が上方に向けて勢いよく飛び出してしまうことがない。利用者は、内容物が予め定められた計量位置(図1には、15ml充填された計量位置を示す。)まで充填されるように胴部5を押圧して内容物を送出する。
内容物が予め定められた計量位置まで充填されると、利用者は、胴部5の押圧を解除する。胴部5の押圧の解除によって収容空間S内の内圧が下がって、逆止弁30の弁体31は、再び底壁23に当接する。これによって、逆止弁30が閉塞して計量部22に充填された所定量の内容物は、下方に戻ることなく計量部22内に留まる。
内容物が例えば化粧水である場合、利用者は、計量部22内に充填された所定量の内容物を使用するため、例えば、図1に示すようなコットン60を逆止弁30の弁体31の上面に置く。このような使い方をする場合、逆止弁30の弁体31は、上面に平坦部を有することが望ましい。
コットン60が計量部22内の内容物に浸ると、図2に示すように、コットン60が内容物を吸収して膨張し、符号60’で示すような外形を有する状態になる。ここで、図3に示すように、例えば、計量筒部20の外周壁21に設けられたフランジ部26を把持して計量筒部20を付勢ばね40の付勢力に抗して下方に押し下げると(図3に白抜き矢印で示す。)、計量筒部20の一部である底壁23が下方に移動する一方、装着筒部10に固定された逆止弁30は移動しないので、弁体31の外周端と底壁23とが上下に離間する(計量筒部20が「下方位置」に位置決めされた状態)。これによって、逆止弁30は開放状態となる。容器本体2の収容空間S内は、胴部5が復元力によって元の形状に戻ろうとするために負圧が生じており、コットン60によって吸収されなかった未使用の内容物は、当該負圧によって、弁体31と底壁23との隙間、開孔25a、連通孔13a、送出パイプ50を通って容器本体2の収容空間S内に戻る(図3に細線矢印で示す。)。このとき、外部の空気も同じ経路を通って収容空間S内に導入される。
なお、図3に示すように、計量筒部20を「下方位置」に移動させると、逆止弁30が計量筒部20に対して相対的に上方に位置するようになり、逆止弁30上に置かれた膨張後のコットン60’の上端は、計量筒部20の上端よりも上方に位置するようになる。従って、利用者は、内容物を吸収したコットン60’を容易に把持して利用することができる。
以上のように、本実施形態によれば、計量筒部20を「上方位置」に位置決めすることによって計量筒部20内の内容物が収容空間S内に戻ることを制限する一方、計量筒部20を「下方位置」に位置決めすることによって逆止弁30を開放して計量筒部20内の内容物が収容空間S内に戻ることが可能となるように構成した。これによって、実際の内容物の使用量が計量された所定量の内容物よりも少なかった場合でも、計量部22内の使用されなかった内容物を収容空間S内に戻して再利用することができる。
また、本実施形態によれば、底壁23が開孔25aに向かって下方に傾斜する円錐面形状を有するように構成したので、逆止弁30を開放させたときに使用されなかった内容物を計量部22内に滞留させることなくスムーズに収容空間S内に戻すことができる。
また、本実施形態によれば、計量筒部20が付勢ばね40によって装着筒部10に対して上方に付勢されるように構成したので、利用者が意図して計量筒部20を押し下げたときのみ計量筒部20内の内容物を収容空間S内に戻すことができる。そして、利用者が計量筒部20を押し下げていないときは、常に胴部5の押圧により計量筒部20内に内容物を充填させて計量及び注出を行うことができる。
なお、本実施形態では、内容物が所定量充填された計量部22内にコットン60を置いて内容物を吸収させて使用する例を開示したが、この態様には限定されない。例えば、利用者が容器本体2を把持して傾動させることにより、計量部22内の内容物を注出して使用してもよい。
また、本実施形態では、逆止弁30の弁体31として、薄肉円板状の弁体31を用いるように構成したが、この態様には限定されない。計量筒部20を「下方位置」に移動させることによって弁体31が底壁23から離間して逆止弁30を開放状態とすることができるあらゆる形状とすることができる。
また、本実施形態では、装着筒部10、計量筒部20が略円筒形状を有するように構成したが、この態様に限定されず、平面視で角型形状を有するなど、他の様々な形状を採用することができる。また、弁体31についても装着筒部10や計量筒部20の形状に合わせて適宜変更することが可能である。
次に、本発明の第2実施形態である計量キャップ101について説明する。
図4に示す本発明の第2実施形態である計量キャップ101は、容器本体102の口部104に係合する装着筒部110と、装着筒部110に対して上下方向に移動可能に設けられた計量筒部120とを備える。計量筒部120は、外周壁121と底壁123により形成される計量部122内の所定高さまで容器本体102内の内容物を充填することによって内容物の体積を計量し、利用者が、例えば計量部122内にコットン160等を置いて計量された内容物を吸収させて使用することができる。
本実施形態の容器本体102は、装着筒部110が装着される口部104と、口部104の下端に連なり下方に向かって拡径する肩部103と、口部104に肩部103を介して連なる胴部105と、胴部105の下端を閉塞する図示しない底部とを備えたボトル形状に形成されている。胴部105の内側は、内容物を収容する収容空間Sを形成している。
口部104の外周面には、図4に示すように係合突起104aが形成されており、後述する装着筒部110の周壁111の内周面に設けられた突部111aとアンダーカット係合させることによって装着筒部110を容器本体102に固定することができる。また、口部104の外周面には、周方向に間欠的に周方向リブ104bが設けられており、周壁111の内周面に設けられた周り止めリブ111bが周方向リブ104bの間に嵌入することによって、周方向にも固定される。なお、口部104の外周面に係合突起104aを設ける代わりに雄ねじ部を設け、装着筒部110をねじ係合することにより口部104に装着筒部110を装着する構成としてもよい。
胴部105は、略円筒構造を有しており、スクイズ性と復元性を備える。すなわち、利用者が胴部105を押圧して収容空間Sの体積を減少させると、収容空間Sの内圧が高まり、内容物を後述する逆止弁130を通過させて計量筒部120の計量部122内へと送出する。また、利用者が胴部105の押圧を解除すると共に、後述する逆止弁130が開放されると、胴部105は自らの剛性により復元しようとするため収容空間S内は負圧となり、その負圧により逆止弁130経由で収容空間S内に空気及び計量部122内の内容物が導入される。
装着筒部110は、図4に示すように、口部104の外周面を覆う周壁111を有し、周壁111の内周面には、口部104の係合突起104aにアンダーカット係合するための突部111aが設けられている。また、周壁111の外周面には、後述する蓋体170をねじ係合により固定するための雄ねじ部111cが設けられている。そして、周壁111の上端から内周方向に天壁112が設けられており、天壁112の外周端近傍から上方に向けて摺動壁114が延びている。摺動壁114の上端には、外周方向に突出する摺動突起114aが設けられており、後述する計量筒部120の外周壁121の内周面に緩合し摺動する。このようにして計量筒部120が装着筒部110に対して図の上下方向にスライド可能に構成されている。また、摺動突起114aが、外周壁121の下端に設けられたストッパ突起121bに当接することにより、計量筒部120の上方へのスライドを制限している。
図4に示すように、天壁112の下面における外周寄りの位置には、シール壁112aが設けられている。シール壁112aの外周面が口部104の内周面に液密に嵌合している。また、シール壁112aの内周側には、支持周壁113が配設されている。支持周壁113の内周面には、収容空間S内の内容物を計量筒部120内に送出するための送出パイプ150が嵌合し固定されている。送出パイプ150の直上には、収容空間Sと計量筒部120とを連通する連通孔113aが設けられている。
また、連通孔113aの上方には、弁支持部材115を介して逆止弁130が配置されている。逆止弁130は、薄肉円板上の弁体131と、弁体131の下面から下方に垂下する支持柱132とを有している。支持柱132の側面に設けられた凹部132aに弁支持部材115の円筒支持部115aが係合することにより、逆止弁130は天壁112に固定されている。また、円筒支持部115aを支える支持ベース115bは、円周方向の一部に切り欠きが設けられており、当該切り欠きを経由して、内容物及び空気が連通孔113aと開孔125aの間を行き来することができる。
図4において、弁体131の外周端は計量筒部120の底壁123に当接している。利用者が容器本体102の胴部105を押圧して収容空間S内の圧力が高まると、弁体131が当該圧力によって上方に変位して内容物が逆止弁130を通過することができる。他方、上方から弁体131が押圧されると、弁体131が底壁123に当接する力が強まり逆止弁130はより強固に閉塞する。従って、図4の状態において、逆止弁130は、収容空間S内の圧力上昇に伴って収容空間S内の内容物を上方に通過させる一方、計量筒部120内の内容物を下方に通過させない。
計量筒部120は、図4に示すように計量部122の周囲を取り囲む外周壁121を有し、外周壁121のほぼ中央高さから内周方向に向けて円錐面形状の底壁123が設けられている。すなわち、計量筒部120は、内容物を計量するための有底筒状形状の計量部122を有している。なお、円錐面形状の底壁123は、図4に示すように2つの領域に分かれており、その間には鉛直方向に延びる段部123aが設けられている。上述のように、底壁123の上面には、逆止弁130の弁体131の外周端が当接している。また、底壁123の内周端から下方に向けて開孔筒部125が垂下しており、開孔筒部125の内側の空間は開孔125aを形成している。開孔筒部125の下端の内周面は、天壁112の上面から上方に延びる摺動周壁116上端の外周面に当接しており、これにより、計量筒部120の計量部122は、逆止弁130、開孔125a、連通孔113a、及び送出パイプ150を介して容器本体102の収容空間Sに連通している。
なお、本実施形態では、底壁123の形状として段部123aを有する円錐面形状となるように構成したが、この態様には限定されない。底壁123の外周端に比べて開孔125a部分が低くなるように構成されていればよい。また、底壁123は傾斜を有しない平面状に構成されていてもよい。
底壁123の下面と、装着筒部110の天壁112の上面との間には、付勢ばね140が配設されている。付勢ばね140は、装着筒部110に対して計量筒部120を上方に付勢するように圧縮コイルばねとして形成されている。この付勢ばね140の作用によって、図4において、計量筒部120は逆止弁130が底壁123に当接する「上方位置」に位置決めされている。
なお、本実施形態では、付勢ばね140によって計量筒部120が「上方位置」に位置決めされるように構成したが、この態様には限定されない。例えば、計量筒部120の「上方位置」において、外周壁121の内周面に設けられた突部が摺動壁114の外周面に設けられた係合突部にアンダーカット係合して計量筒部120が「上方位置」に位置決めされるように構成してもよい。
このように構成される計量キャップ101を容器本体102の口部104に装着し、図4に示すように、計量筒部120が「上方位置」に位置決めされた状態で利用者が容器本体102の胴部105を押圧する。胴部105の押圧によって収容空間Sの内圧が高まり、収容空間S内の内容物が送出パイプ150、連通孔113a及び開孔125aを経由して逆止弁130へと送出される。上述のように、収容空間S内の内圧の上昇によって逆止弁130の弁体131の外周端が上方に持ち上げられ、内容物は、弁体131と底壁123との隙間を通って計量筒部120の計量部122内に充填される。本実施形態では、弁体131と底壁123との隙間から内容物が底壁123に沿って斜め上方に噴出し、更に段部123aで噴出の勢いが弱められるので、従来の計量キャップのように、内容物が上方に向けて勢いよく飛び出してしまうことがない。利用者は、内容物が予め定められた計量位置(図4には、15ml充填された計量位置を示す。)まで充填されるように胴部105を押圧して内容物を送出する。
内容物が予め定められた計量位置まで充填されると、利用者は、胴部105の押圧を解除する。胴部105の押圧の解除によって収容空間S内の内圧が下がって、逆止弁130の弁体131は、再び底壁123に当接する。これによって、逆止弁130が閉塞して計量部122に充填された所定量の内容物は、下方に戻ることなく計量部122内に留まる。
内容物が例えば化粧水である場合、利用者は、計量部122内に充填された所定量の内容物を使用するため、例えば、図4に示すようなコットン160を逆止弁130の弁体131の上面に置くことができる。
コットン160が計量部122内の内容物に浸ると、コットン160が内容物を吸収して膨張し、符号160’で示すような外形を有する状態になる。利用者は、内容物を吸収したコットン160’を計量部122から取り出して使用することができる。また、本実施形態では、特許文献1のように計量キャップ120の中央に注出筒が配置されていないため、コットン160の他、フェイスパックのように大面積を有するものを容易に内容物に浸して使用することができる。
利用者が内容物を使用した後、図5に示す蓋体170を、計量筒部120の注出口121aを覆うようにして装着筒部110にねじ係合で固定すると、蓋体170の天壁172の下面から垂下する押圧壁174が、段部123aの内周面に摺動しつつ、計量筒部120の底壁123を下方に押圧する。これによって、底壁123が下方に移動する一方、装着筒部110に固定された逆止弁130は移動しないので、図5に示すように、弁体131の外周端と底壁123とが上下に離間する(計量筒部120が「下方位置」に位置決めされた状態)。これによって、逆止弁130は開放状態となる。容器本体102の収容空間S内は、胴部105が復元力によって元の形状に戻ろうとするために負圧が生じており、コットン160によって吸収されなかった未使用の内容物は、当該負圧によって、弁体131と底壁123との隙間、開孔125a、連通孔113a、送出パイプ150を通って容器本体102の収容空間S内に戻る。このとき、外部の空気も同じ経路を通って収容空間S内に導入される。このように、本実施形態では、使用後に当然行う蓋体170の装着によって容器本体102内の負圧を解消し、胴部105を元の形状に復元して初期状態に戻すことが可能となる。
なお、本実施形態では、蓋体170を装着筒部110に装着することによって、計量筒部120を「上方位置」から「下方位置」へと移動させるように構成したが、この態様には限定されない。利用者が、計量筒部120の外周壁121を把持するなどして、計量筒部120を装着筒部110に対して下方に移動させてもよい。
以上のように、本実施形態によれば、計量キャップ101が蓋体170を備え、蓋体170を装着筒部110に装着することによって、蓋体170の下面が計量筒部120を下方に押圧して、計量筒部120を「上方位置」から「下方位置」へと移動させるように構成した。これによって、内容物を使用後に蓋体170を閉塞することによって自動的に計量部122内の使用されなかった内容物を収容空間S内に戻すことができる。
本発明を諸図面や実施例に基づき説明してきたが、当業者であれば本開示に基づき種々の変形や修正を行うことが容易であることに注意されたい。従って、これらの変形や修正は本発明の範囲に含まれることに留意されたい。例えば、各構成部に含まれる機能などは論理的に矛盾しないように再配置可能であり、複数の構成部を1つに組み合わせたり、或いは分割したりすることが可能である。本発明の範囲にはこれらも包含されるものと理解されたい。