JP6656471B2 - 過電流保護装置、インバータ装置、コンバータ装置及び空気調和機 - Google Patents

過電流保護装置、インバータ装置、コンバータ装置及び空気調和機 Download PDF

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Description

本発明は、過電流から半導体スイッチング素子を保護する過電流保護装置、インバータ装置、コンバータ装置及び空気調和機に関する。
特許文献1に開示される従来のインバータ装置は、上アーム制御信号及び下アーム制御信号を生成する制御部と、過電流を検出したとき上アーム遮断信号及び下アーム遮断信号を生成する遮断信号生成回路とを備える。遅延回路を用いて下アーム遮断信号を遅延させることにより上アーム遮断信号が得られ、この下アーム遮断信号により下アーム制御信号が遮断された時点から一定時間経過後に、上アーム制御信号が遮断される。
特開2008−118834号公報
しかしながら特許文献1に開示される従来のインバータ装置では1つの過電流判定値が用いられる。すなわち、従来のインバータ装置では、モータを保護するための判定値と半導体スイッチング素子を保護するための判定値との内、値が小さい方の判定値が過電流判定値とされる。上下アームが短絡したときに流れる過大な短絡電流を「Ia」とし、磁石が内蔵されるモータに流せる電流を「Ib」とした場合、上下アームに短絡電流Iaが流れたときには高速に電流を遮断する必要がある。「高速」とは、フィルタ回路の時定数を例えば1[us]以下に設定することを意味する。一方でIbは、モータ磁石の減磁の制約等で決められる。例えば、Ib<Iaの場合、モータを保護するためには過電流判定値をIbに設定する必要があり、また前記の例では上下アームの短絡から半導体スイッチング素子を保護するためにはフィルタ回路の時定数を1[us]以下に設定する必要がある。この場合、過電流判定値がIaよりも低いIbに設定され、またフィルタ時定数は短いため、ノイズ等の影響で過電流保護が頻繁に働く、すなわち過電流保護が不要動作する、という問題があった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、過電流保護の不要動作を防ぎながら半導体スイッチング素子を過電流から保護できる過電流保護装置を得ることを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の過電流保護装置は、第1の半導体スイッチング素子と第2の半導体スイッチング素子とを直列接続して構成される上下アームに流れる電流の検出値を第1の時定数でフィルタする第1のフィルタ回路と、検出値を第1の時定数よりも長い第2の時定数でフィルタする第2のフィルタ回路と、第1の過電流判定値を設定する第1の判定値設定部と、第1の過電流判定値よりも小さい第2の過電流判定値を設定する第2の判定値設定部とを備え、第1の過電流判定値を超える検出値が検出されてから、第1の時定数経過後に、第1の半導体スイッチング素子の動作を停止し、第2の過電流判定値を超える検出値が検出されてから、第2の時定数経過後に、第2の半導体スイッチング素子の動作を停止し、第1の時定数経過後から第2の時定数経過前において、第1の過電流判定値を超える検出値が検出されない場合には、第1の半導体スイッチング素子及び第2の半導体スイッチング素子の動作を停止しない
本発明に係る過電流保護装置は、過電流保護の不要動作を防ぎながら半導体スイッチング素子を過電流から保護できるという効果を奏する。
本発明の実施の形態1に係る過電流保護装置及びインバータ装置の構成例を示す図 図1に示す過電流保護装置の構成例を示す図 本発明の実施の形態1に係る過電流保護装置の過電流保護動作を示す図 過電流判定値及び過電流保護動作の別の例を示す図 図3,4に示すI1とI2と過電流遮断動作領域との関係を示す図 本発明の実施の形態2に係る過電流保護回路の構成例を示す図 本発明の実施の形態3に係るコンバータ装置の構成例を示す図 本発明の実施の形態4に係る空気調和機の構成例を示す図
以下に、本発明の実施の形態に係る過電流保護装置、インバータ装置、コンバータ装置及び空気調和機を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
実施の形態1.
図1は本発明の実施の形態1に係る過電流保護装置及びインバータ装置の構成例を示す図である。図1に示すインバータ装置100は、交流電源1から供給される交流電圧を整流し、整流された電圧を交流電圧に変換して負荷であるモータ200へ供給するモータ駆動装置である。モータ200には、3相同期モータ又は3相誘導モータを例示できる。インバータ装置100は、交流電源1を整流する整流器2と、整流器2で整流された電圧を平滑するコンデンサ3と、インバータ回路110と、過電流保護装置120とを備える。
インバータ回路110は、上アーム回路18及び下アーム回路19を備える。上アーム回路18は、3つの半導体スイッチング素子6〜8と、3つの半導体スイッチング素子6〜8のそれぞれに並列接続される3つのダイオード12〜14とを備える。下アーム回路19は、3つの半導体スイッチング素子9〜11と、3つの半導体スイッチング素子9〜11のそれぞれに並列接続される3つのダイオード15〜17とを備える。
半導体スイッチング素子6と半導体スイッチング素子9との接続点にはU相配線に接続され、半導体スイッチング素子7と半導体スイッチング素子10との接続点にはV相配線に接続され、半導体スイッチング素子8と半導体スイッチング素子11との接続点にはW相配線に接続される。
なお、上アーム回路18及び下アーム回路19のそれぞれを構成する半導体スイッチング素子の数は3つに限定されず、またダイオード12〜14は半導体スイッチング素子6〜8に内蔵される寄生ダイオードでもよく、ダイオード15〜17は半導体スイッチング素子9〜11に内蔵される寄生ダイオードでもよい。
過電流保護装置120は、インバータ回路110からコンデンサ3のマイナス側に流れこむ電流を検出する電流検出器20と、第1の時定数t1が設定される第1のフィルタ回路21と、第2の時定数t2が設定される第2のフィルタ回路22とを備える。また過電流保護装置120は、上アーム回路18を構成する3つの半導体スイッチング素子6〜8を駆動する駆動信号30を遮断する第1の遮断回路23と、下アーム回路19を構成する3つの半導体スイッチング素子9〜11を駆動する駆動信号31を遮断する第2の遮断回路24と、インバータ回路110を制御するための制御部5とを備える。
第1の時定数t1と第2の時定数t2は、過電流が発生した時点からインバータ装置100内の半導体スイッチング素子が遮断されるまでの時間である。以下では、「第1の時定数t1」を単に「t1」と称し、「第2の時定数t2」を単に「t2」と称する場合がある。
制御部5は、上アーム回路18をON/OFF制御するための制御信号27を第1の遮断回路23に出力する。電流検出器20からの出力は第1のフィルタ回路21及び第2のフィルタ回路22に入力される。電流検出器20からの出力は、第1の半導体スイッチング素子と第2の半導体スイッチング素子とを直列接続して構成される上下アームに流れる電流の検出値である。「第1の半導体スイッチング素子」は、半導体スイッチング素子6〜8のそれぞれに対応し、「第2の半導体スイッチング素子」は、半導体スイッチング素子9〜11のそれぞれに対応する。
第1のフィルタ回路21の出力は第1の遮断回路23に入力され、第1の遮断回路23が過電流と判定しない場合、駆動信号30は制御信号27と相似の駆動信号となり、第1の遮断回路23が過電流と判定した場合、駆動信号30を遮断する。これにより上アーム回路18の動作が停止する。
同様に、第2のフィルタ回路22の出力は第2の遮断回路24に入力され、第2の遮断回路24が過電流と判定しない場合、駆動信号31は制御信号28と相似の駆動信号となり、第2の遮断回路24が過電流と判定した場合、駆動信号31を遮断する。これにより下アーム回路19の動作が停止する。
図2は図1に示す過電流保護装置の構成例を示す図である。図2に示す過電流保護装置120によれば、制御信号27,28及び駆動信号30,31がHiの場合には半導体スイッチング素子がONとなり、制御信号27,28及び駆動信号30、31がLoの場合には半導体スイッチング素子がOFFとなり、遮断信号25,26,41,42がHiの場合には正常状態となり、遮断信号25,26,41,42がLoの場合には遮断状態となる。但しこれらの論理の組合せは一例であり、適宜変更可能である。
第1の遮断回路23は、第1の判定値設定部34、比較器32、論理回路37及び第1の駆動信号生成部38を備える。第2の遮断回路24は、第2の判定値設定部35、比較器33、ラッチ回路29及び第2の駆動信号生成部39を備える。
第1のフィルタ回路21及び第2のフィルタ回路22は、RCフィルタで構成される。第1の判定値設定部34は、上アーム回路18の過電流遮断用の第1の判定値34aを出力する。第1の判定値34aは、抵抗の分圧比で設定される。後述する上アーム過電流判定値I1は、第1の判定値34aにより設定される。第2の判定値設定部35は、下アーム回路19の過電流遮断用の第2の判定値35aを出力する。第2の判定値35aは、抵抗の分圧比で設定される。後述する下アーム過電流判定値I2は、第2の判定値35aにより設定される。
第1のフィルタ回路21の出力と第1の判定値34aとが比較器32で比較され、第1のフィルタ回路21の出力が第1の判定値34aを超えた場合、比較器32の出力である遮断信号25がLoとなる。論理回路37は、ラッチ回路29から出力される遮断信号26と遮断信号25との論理積をとり、遮断信号26及び遮断信号25がLoのとき、論理回路37はLoレベルの遮断信号42を出力する。第1の駆動信号生成部38は、遮断信号42と制御信号27との論理積をとり、駆動信号30がLoになることで、図1に示す上アーム回路18が遮断する。
同様に、第2のフィルタ回路22の出力と第2の判定値35aとが比較器33で比較され、第2のフィルタ回路22の出力が第2の判定値35aを超えた場合、比較器33の出力である遮断信号41がLoとなる。制御部5からのリセット信号40によりラッチ回路29の保持状態がリセットされていない場合、ラッチ回路29から出力される遮断信号26がLoとなる。第2の駆動信号生成部39は、遮断信号26と制御信号28との論理積をとり、駆動信号31がLoになることで、図1に示す下アーム回路19が遮断する。
ここで、ラッチ回路29は、遮断信号41がHiからLoになったときに、Loレベルの遮断信号26を出力する回路であり、制御部5からのリセット信号40により保持状態がリセットされるものでもよいし、一定時間、例えば1[ms]保持した後に保持状態をリセットするものでも良い。図2では、遮断信号26が論理回路37に入力されることで、下アーム回路19の遮断と共に上アーム回路18が遮断する回路の構成例を示しているが、論理回路37を設けずに、遮断信号25を直接第1の駆動信号生成部38に入力してもよい。
また過電流保護装置120では、遮断信号25,26を制御部5に入力することにより、制御部5が遮断状態、すなわち過電流が発生したことを検出できる。第1の判定値34a及び第2の判定値35aの設定によっては、上アーム回路18と下アーム回路19の何れかが遮断状態で停止となるため、モータ200の制御が不安定になる可能性がある。この場合、制御部5が遮断状態を検出し、半導体スイッチング素子をOFF状態にする制御信号27,28、すなわちLoレベルの制御信号27,28を出力することで、インバータ回路110全体を停止させることもできる。
図3は本発明の実施の形態1に係る過電流保護装置の過電流保護動作を示す図である。図3には上から順に、制御信号27、駆動信号30と、上アームの遮断信号25と、電流検出器20の出力と、下アームの遮断信号26と、制御信号28と、駆動信号31とが示される。第1の過電流判定値である上アーム過電流判定値I1は、図2に示す第1の判定値34aにより設定される。以下では「上アーム過電流判定値I1」を単に「I1」と称する場合がある。第2の過電流判定値である下アーム過電流判定値I2は、図2に示す第2の判定値35aにより設定される。以下では「下アーム過電流判定値I2」を単に「I2」と称する場合がある。
図3では、I1とI2が、I1>I2とされる。上アーム過電流遮断解除値I1’は、I1以下に設定される。以下では「上アーム過電流遮断解除値I1’」を単に「I1’」と称する場合がある。t1は第1のフィルタ回路21で設定され、t2は第2のフィルタ回路22で設定される。図3では、t1及びt2が、t1<t2とされ、それぞれ10[us]以内とされる。
電流検出器20の出力がI1を超えた時点からt1経過後に、遮断信号25が出力され、上アーム回路18を構成する半導体スイッチング素子が遮断停止する。その後、電流検出器20の出力が、I1’以下になると、上アーム回路18の保護状態は解除され、制御信号27に従い、上アーム回路18を構成する半導体スイッチング素子がON/OFF動作する。
その後、I1’以下に低下した電流検出器20の出力が、再び上昇して、I2を超えた時点からt2経過後に、遮断信号26が出力され、下アーム回路19を構成する半導体スイッチング素子が遮断停止する。
前述したようにラッチ回路29は、遮断信号41がHiからLoになった場合、Lo状態に維持された遮断信号26を出力し、Lo状態の遮断信号26を出力した時点から一定時間t3経過後に、下アーム回路19を構成する半導体スイッチング素子の保護状態を解除する回路である。保護状態の解除後は、制御信号28に従い、再び下アーム回路19を構成する半導体スイッチング素子が動作する。
ここで図3において、電流検出器20の出力がI1を超えている場合、I1>I2の関係より、電流検出器20の出力はI2も超えることになるが、t1<t2に設定されているため、電流検出器20の出力の立ち上がりが早い場合、上アームの遮断信号25が先に出力され、上アーム回路18を構成する半導体スイッチング素子が遮断停止する。そのため、遮断信号26は、t2の経過時点までLoになっていない。
図4は過電流判定値及び過電流保護動作の別の例を示す図である。図3と同じ符号を示す箇所は、同じものを意味するため説明を省略する。電流検出器20の出力が、I1を超えた時点からt1経過後に、遮断信号25が出力され、上アーム回路18を構成する半導体スイッチング素子が遮断停止する。その後、制御部5からの制御信号27がOFFとなり、制御信号27が再びONとなったとき、上アーム回路18の保護状態は解除され、制御信号27に従い、再び、上アーム回路18を構成する半導体スイッチング素子がON/OFF動作する。これ以外の動作については、前述の図3の説明と同じである。
図4では、制御信号27がOFF状態からON状態になったときを保護解除条件とされるが、保護解除条件はこれに限定されるものではない。図3では、電流検出器20の出力がI1を超えた時点からt1経過後に遮断状態になるが、その後に電流検出器20の出力がI1’以下になると遮断状態が解除される。ところが、制御信号27がON状態のままであると、遮断状態と解除を繰り返すため、I1前後の過電流が流れ続ける可能性がある。これに対して図4のような制御にすることで、制御信号27が一旦OFFしてから再びONするまでは保護が解除されないため、過電流が流れ続けることを防止できる。
図5は図3,4に示すI1とI2と過電流遮断動作領域との関係を示す図である。図5の縦軸は過電流判定値を表し、横軸は時間を表す。符号I1,I2,t1,t2,t3は図3,4に示すI1,I2,t1,t2,t3に等しい。符号A1で示される不動領域は、図1に示す3つの上下アーム対の内、何れかの上下アーム対が短絡したことでI1未満の短絡電流がt2未満流れたとき、上アーム回路18及び下アーム回路19の何れも遮断しない領域である。すなわち不動領域A1は、過電流保護動作が働かない領域である。
符号A2で示される領域は、I2以上かつI1未満の短絡電流がt2以上流れたとき、下アーム回路19を遮断する領域である。符号A3で示される領域は、I1以上の短絡電流がt1以上流れたとき、上アーム回路18を遮断する領域である。符号A4で示される領域は、I1以上の短絡電流がt2以上流れたとき、上アーム回路18及び下アーム回路19を遮断する領域である。
具体的に説明する。半導体スイッチング素子6,9がON、又は半導体スイッチング素子7,10がON、又は半導体スイッチング素子8,11がONとなったとき、コンデンサ3の高電位側から上アーム回路18、下アーム回路19及び電流検出器20を介して、コンデンサ3の低電位側に電流が流れる。この電流が流れる経路のインダクタンスは極めて低いため、電流が急峻に増加し、I1以上の大電流が流れる。このような電流が流れたとき、過電流保護装置120は、電流検出器20の出力がI1を超えた時点からt1経過時に駆動信号30を瞬時に遮断し、短絡による破壊を防止する。
これに対し、モータ巻線を経由する過電流が流れた場合、電流が流れる経路にモータ巻線があるためインダクタンスが高く、電流が緩やかに増加する。このような電流が流れたとき、過電流保護装置120は、I1より小さいI2を超えた時点からt2経過時に駆動信号31を遮断することにより下アーム回路19を停止させて、モータ200や半導体スイッチング素子の破壊を防止する。
半導体スイッチング素子がワイドバンドギャップ半導体の一例であるGaN(窒化ガリウム)やGa(酸化ガリウム)などで構成されている場合、この半導体スイッチング素子は短絡耐量が低いため、上下アームの半導体スイッチング素子が短絡した際、瞬時に遮断停止する必要がある。遮断停止までの時間であるt1を小さい値、例えば200[ns]に設定すれば、上アームの遮断により短絡破壊を防止することができる。この場合、t1が小さいためにノイズ等で誤動作する可能性が高いため、上アームの遮断は、制御信号27が一旦OFFした後、再びONすることで、保護が解除され運転を継続できる。
モータ巻線を経由する過電流に対しては、前述のとおりI1より小さいI2を設定し、t1より大きくかつノイズの影響を受けにくいt2、例えば3[us]を設定することにより、下アーム回路19を遮断し安全に停止することができると共に、ノイズにより頻繁に遮断停止することを防止できる。
図2に示すように遮断信号25,26を制御部5に入力することにより、制御部5は遮断信号25,26のどちらが遮断状態になったかを判定できる。これによりインバータ回路110の異常状態を判定することもできる。例えば、上アーム回路18が遮断した場合、すなわち遮断信号25が遮断状態になったときには上下アーム短絡が発生したと判定し、下アーム回路19が遮断した場合、すなわち遮断信号26が遮断状態になったときにはモータ巻線を経由して過電流が流れる異常、例えばモータロックなどが発生したと判定できる。
実施の形態2.
図6は本発明の実施の形態2に係る過電流保護回路の構成例を示す図である。図6において図2と同じ符号を示すものは同じものを示すため、説明を省略する。図2に示される過電流保護装置120との相違点は、図6に示される過電流保護装置120では、第1の駆動信号生成部38が省かれ、制御信号27が図2に示す駆動信号30として出力され、遮断信号26が論理回路37及び制御部5のみに入力され、遮断信号42が第2の駆動信号生成部39に入力されることである。
図6に示す過電流保護装置120によれば、制御信号27,28及び駆動信号31がHiの場合には半導体スイッチング素子がONとなり、制御信号27,28及び駆動信号31がLoの場合には半導体スイッチング素子がOFFとなり、遮断信号25,26,41,42がHiの場合には正常状態となり、遮断信号25,26,41,42がLoの場合には遮断状態となる。但しこれらの論理の組合せは一例であり、適宜変更可能である。
第1のフィルタ回路21の出力と第1の判定値34aとが比較器32で比較され、第1のフィルタ回路21の出力が第1の判定値34aを超えた場合、比較器32の出力である遮断信号25がLoとなる。論理回路37は、ラッチ回路29から出力される遮断信号26と遮断信号25との論理積をとり、遮断信号26及び遮断信号25がLoのとき、論理回路37はLoレベルの遮断信号42を出力する。
同様に、第2のフィルタ回路22の出力と第2の判定値35aとが比較器33で比較され、第2のフィルタ回路22の出力が第2の判定値35aを超えた場合、比較器33の出力である遮断信号41がLoとなる。制御部5からのリセット信号40によりラッチ回路29の保持状態がリセットされていない場合、ラッチ回路29から出力される遮断信号26がLoとなる。第2の駆動信号生成部39は、遮断信号42と制御信号28との論理積をとり、駆動信号31がLoになることで、図1に示す下アーム回路19が遮断する。
また図6に示す過電流保護装置120は、図2に示す過電流保護装置120と同様に、遮断信号25,26を制御部5に入力して、制御部5が遮断状態、過電流が発生したことを検出できる。また図6に示す過電流保護装置120は、過電流が発生したことを検出した後、半導体スイッチング素子をOFF状態にする制御信号27,28、すなわちLoレベルの制御信号27,28を出力することで、インバータ回路110全体を停止させることもできる。
実施の形態2に係る過電流保護装置120によれば、第1の判定値34a、第2の判定値35a、t1及びt2によらず、過電流が発生したときに下アーム回路19のみ停止し、安定してモータ200を停止できる。
実施の形態3.
図7は本発明の実施の形態3に係るコンバータ装置の構成例を示す図である。図7に示すコンバータ装置300は、整流回路310及び過電流保護装置120を備える。過電流保護装置120の構成は、実施の形態1又は実施の形態2に示す過電流保護装置120と同様である。整流回路310は、上アーム回路18及び下アーム回路19を備える。図7に示す上アーム回路18は、2つの半導体スイッチング素子6,7と、半導体スイッチング素子6,7のそれぞれに並列接続される2つのダイオード12,13とを備える。図7に示す下アーム回路19は、2つの半導体スイッチング素子9,10と、半導体スイッチング素子9,10のそれぞれに並列接続される2つのダイオード15,16とを備える。
半導体スイッチング素子6と半導体スイッチング素子9との接続点と、交流電源1との間にはリアクタ43が設けられる。上アーム回路18の出力端と下アーム回路19の出力端との間にはコンデンサ3が接続される。コンデンサ3は、上アーム回路18及び下アーム回路19により整流された直流電圧を平滑する平滑コンデンサである。電流検出器20は、コンデンサ3のマイナス側から下アーム回路19に流れこむ電流を検出する。
なお、上アーム回路18及び下アーム回路19のそれぞれを構成する半導体スイッチング素子の数は2つに限定されず、またダイオード12,13,15,16は半導体スイッチング素子6,7,9,10に内蔵される寄生ダイオードでもよい。
コンバータ装置300は昇圧や力率改善回路として動作する。制御部5からの駆動信号30,31により半導体スイッチング素子がON/OFF動作することで、交流電源1をリアクタ43を介して短絡させてリアクタ43にエネルギーを蓄積させ、蓄積されたエネルギーをコンデンサ3に開放することで昇圧や力率改善の動作が行われる。
制御部5は、上アーム回路18をON/OFF制御するための制御信号27を第1の遮断回路23に出力する。電流検出器20からの出力は第1のフィルタ回路21及び第2のフィルタ回路22に入力される。
第1のフィルタ回路21の出力は第1の遮断回路23に入力され、第1の遮断回路23が過電流と判定しない場合、駆動信号30は制御信号27と相似の駆動信号となり、第1の遮断回路23が過電流と判定した場合、駆動信号30を遮断する。これにより上アーム回路18の動作が停止する。
同様に、第2のフィルタ回路22の出力は第2の遮断回路24に入力され、第2の遮断回路24が過電流と判定しない場合、駆動信号31は制御信号28と相似の駆動信号となり、第2の遮断回路24が過電流と判定した場合、駆動信号31を遮断する。これにより下アーム回路19の動作が停止する。過電流遮断の動作については、実施の形態1,2の動作と共通であるため説明を省略する。
実施の形態3に係るコンバータ装置300によれば、実施の形態1,2のインバータ装置100と同様に、過電流保護の不要動作を防ぎながら半導体スイッチング素子を過電流から保護できるという効果を奏する。
実施の形態4.
図8は本発明の実施の形態4に係る空気調和機の構成例を示す図である。空気調和機400は、室内機410と、室内機410に接続される室外機420とを備える。室内機410には送風機の駆動源としてのモータ200が設けられている。室外機420には、送風機の駆動源としてのモータ200と、圧縮機の駆動源としてのモータ200が設けられている。室内機410及び室外機420の少なくとも一方には、実施の形態1,2に係るインバータ装置100が設けられる。室内機410及び室外機420に設けられるモータ200は、当該インバータ装置100で駆動される。
なお室内機410及び室外機420の少なくとも一方に、実施の形態3に係るコンバータ装置300を設けて、コンバータ装置300から出力される直流電圧を交流電圧に変換するインバータ回路でモータ200を駆動してもよい。実施の形態1,2に係るインバータ装置100又は実施の形態3に係るコンバータ装置300を用いることにより、過電流保護の不要動作を防ぎながら内部回路を過電流から保護できる空気調和機400を実現でき、信頼性の高い空気調和機400を得ることができる。
なお実施の形態1〜3では、電流検出器20の出力がI1を超えた時点からt1経過時に上アーム回路18を停止させ、電流検出器20の出力がI2を超えた時点からt2経過後に下アーム回路19を停止させる構成例を説明したが、電流検出器20の出力がI1を超えた時点からt1経過時に下アーム回路19を停止させ、電流検出器20の出力がI2を超えた時点からt2経過後に上アーム回路18を停止させてもよい。下アーム回路19は上アーム回路18よりもグランドに近いために電位が安定している。そのため、上下アームの内、下アームを構成する半導体スイッチング素子の方がノイズ等の影響を受けにくく、安定に遮断停止させることができる。
以上の実施の形態に示した構成は、本発明の内容の一例を示すものであり、別の公知の技術と組み合わせることも可能であるし、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、構成の一部を省略、変更することも可能である。
1 交流電源、2 整流器、3 コンデンサ、5 制御部、6,7,8,9,10,11 半導体スイッチング素子、12,13,14,15,16,17 ダイオード、18 上アーム回路、19 下アーム回路、20 電流検出器、21 第1のフィルタ回路、22 第2のフィルタ回路、23 第1の遮断回路、24 第2の遮断回路、25,26 遮断信号、27,28 制御信号、29 ラッチ回路、30,31 駆動信号、32,33 比較器、34 第1の判定値設定部、34a 第1の判定値、35 第2の判定値設定部、35a 第2の判定値、37 論理回路、38 第1の駆動信号生成部、39 第2の駆動信号生成部、40 リセット信号、41,42 遮断信号、43 リアクタ、100 インバータ装置、110 インバータ回路、120 過電流保護装置、200 モータ、300 コンバータ装置、310 整流回路、400 空気調和機、410 室内機、420 室外機。

Claims (9)

  1. 第1の半導体スイッチング素子と第2の半導体スイッチング素子とを直列接続して構成される上下アームに流れる電流の検出値を第1の時定数でフィルタする第1のフィルタ回路と、
    前記検出値を前記第1の時定数よりも長い第2の時定数でフィルタする第2のフィルタ回路と、
    第1の過電流判定値を設定する第1の判定値設定部と、
    前記第1の過電流判定値よりも小さい第2の過電流判定値を設定する第2の判定値設定部と
    を備え、
    前記第1の過電流判定値を超える前記検出値が検出されてから、前記第1の時定数経過後に、前記第1の半導体スイッチング素子の動作を停止し、
    前記第2の過電流判定値を超える前記検出値が検出されてから、前記第2の時定数経過後に、前記第2の半導体スイッチング素子の動作を停止し、
    前記第1の時定数経過後から前記第2の時定数経過前において、前記第1の過電流判定値を超える前記検出値が検出されない場合には、前記第1の半導体スイッチング素子及び前記第2の半導体スイッチング素子の動作を停止しない過電流保護装置。
  2. 請求項1に記載の過電流保護装置と、
    前記上下アームを有すると共に、直流電圧を交流電圧に変換して出力するインバータ回路と
    を備えるインバータ装置。
  3. 前記第2の半導体スイッチング素子は、前記上下アームの内、下アームを構成する半導体スイッチング素子である請求項2に記載のインバータ装置。
  4. 前記第1の半導体スイッチング素子及び前記第2の半導体スイッチング素子はワイドバンドギャップ半導体で構成される請求項2又は3に記載のインバータ装置。
  5. 請求項2から4の何れか一項に記載のインバータ装置を備えた空気調和機。
  6. 請求項1に記載の過電流保護装置と、
    前記上下アームを有すると共に、交流電圧を直流電圧に変換して出力する整流回路と
    を備えるコンバータ装置。
  7. 前記第2の半導体スイッチング素子は、前記上下アームの内、下アームを構成する半導体スイッチング素子である請求項6に記載のコンバータ装置。
  8. 前記第1の半導体スイッチング素子及び前記第2の半導体スイッチング素子はワイドバンドギャップ半導体で構成される請求項又はに記載のコンバータ装置。
  9. 請求項6から8の何れか一項に記載のコンバータ装置を備えた空気調和機。
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