JP6655929B2 - 半導体装置、その製造方法、液体吐出ヘッド、液体吐出カートリッジ及び液体吐出装置 - Google Patents

半導体装置、その製造方法、液体吐出ヘッド、液体吐出カートリッジ及び液体吐出装置 Download PDF

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Description

本発明は、半導体装置、その製造方法、液体吐出ヘッド、液体吐出カートリッジ及び液体吐出装置に関する。
プリンタなどの液体吐出装置には、液体に熱エネルギーを付与するための発熱抵抗体を有する半導体装置が搭載される。特許文献1には、発熱抵抗体を液体から保護するために、シリコン酸化物やシリコン窒化物で形成された保護層によって発熱抵抗体を覆うことが記載されている。
特開2004−55845号公報
液体に熱エネルギーを与えるための半導体装置を製造する際に発熱抵抗体が露出した状態でプラズマ処理を行うと、発熱抵抗体が酸化してしまう。また、半導体装置の動作時に発熱抵抗体が加熱されると、発熱抵抗体を覆う保護層に含まれる酸素や発熱抵抗体の表面に残留した酸素によって、発熱抵抗体が酸化してしまう。発熱抵抗体が酸化すると、発熱抵抗体の抵抗値が変化し、インク吐出性能が低下する。本発明は、発熱抵抗体の酸化を抑制するための技術を提供することを目的とする。
上記課題に鑑みて、熱エネルギーを与えることによって液体を吐出させるための半導体装置であって、基板と、前記基板の上にある発熱抵抗体と、前記発熱抵抗体の上にある保護層と、前記保護層と前記発熱抵抗体との間にあり、前記発熱抵抗体の酸化を抑制するための酸化抑制層と、を備え、前記酸化抑制層は、少なくとも金属フッ化物を含むことを特徴とする半導体装置が提供される。
上記手段により、発熱抵抗体の酸化を抑制するための技術が提供される。
本発明の一部の実施形態の半導体装置及びその製造方法を説明する図。 図1の半導体装置の別の製造方法を説明する図。 本発明の別の実施形態の半導体装置及びその製造方法を説明する図。 本発明の様々な実施形態を説明する図。
添付の図面を参照しつつ本発明の実施形態について以下に説明する。様々な実施形態を通じて同様の要素には同一の参照符号を付し、重複する説明を省略する。また、各実施形態は適宜変更、組み合わせが可能である。本発明の一部の実施形態に係る半導体装置は、熱エネルギーを与えることによって液体を吐出させるための複数の吐出素子を備える。この半導体装置は、例えば液体吐出ヘッドの回路基板として用いられうる。
<第1実施形態の変形例>
図1を参照して、第1実施形態に係る半導体装置100の構成及びその製造方法を説明する。図1(a1)〜(f1)は1つの吐出素子に着目して半導体装置100の製造方法の各工程を説明する平面図であり、図1(a2)〜(f2)は、図1(a1)〜(f1)に対応するAA線断面図である。
図1(f1)及び(f2)を参照して、半導体装置100の構成を説明する。半導体装置100は、半導体基板101、層間絶縁層102、発熱抵抗体103、配線部材104´、酸化抑制層107、保護層108及び保護層109を備える。半導体基板101は例えばシリコン基板である。層間絶縁層102は半導体基板101の上に位置する。層間絶縁層102の下面は半導体基板101の上面に接している。層間絶縁層102は、例えば酸化シリコン(SiO)等の絶縁体で形成される。
発熱抵抗体103は層間絶縁層102の上に位置する。したがって、発熱抵抗体103は半導体基板101の上にも位置する。発熱抵抗体103の下面は層間絶縁層102の上面に接している。発熱抵抗体103は層間絶縁層102の一部を覆い、他の一部を覆っていない。発熱抵抗体103は導電材料で形成され、例えばタンタル又はタングステン等の金属元素を含む窒化タンタルシリコン(TaSiN)、窒化タングステンシリコン(WSiN)などで形成される。
配線部材104´は発熱抵抗体103の上に位置する。配線部材104´の下面は発熱抵抗体103の上面に接している。配線部材104´は、発熱抵抗体103の一部を覆い、他の一部を覆っていない。具体的に、配線部材104´は、発熱抵抗体103の中央部分を覆っておらず、この中央部分の両側に位置する部分を覆う。配線部材104´は導電材料で形成され、例えばアルミニウム(Al)や銅(Cu)等の金属元素を含む導電材料で形成される。発熱抵抗体103のうち配線部材104´で覆われていない部分が吐出素子として機能する。半導体装置100の動作時に、配線部材104´を通じて発熱抵抗体103に電流が流れることによって発熱抵抗体103が加熱され、それによって生じた熱エネルギーが液体に与えられる。発熱抵抗体103の抵抗値は配線部材104´の抵抗値よりも高い。
酸化抑制層107は発熱抵抗体103の上に位置する。本実施形態では、酸化抑制層107は、発熱抵抗体103のうち配線部材104´で覆われていない部分を覆い、発熱抵抗体103のうち配線部材104´で覆われている部分を覆っていない。酸化抑制層107の下面は、発熱抵抗体103のうち配線部材104´で覆われていない部分の上面に接している。さらに、酸化抑制層107の下面は、この部分の上面全体に接している。発熱抵抗体103と配線部材104´との間に酸化抑制層107が存在しないので、発熱抵抗体103と配線部材104´との接触抵抗が低減される。
酸化抑制層107は、酸化が生じる材料で発熱抵抗体103が形成された場合であっても、発熱抵抗体103の酸化を抑制する。例えば、酸化抑制層107は、保護層108からの酸素による発熱抵抗体103の酸化や、半導体装置100の製造中に発熱抵抗体103の上面に残存した酸素による発熱抵抗体103の酸化を抑制する。酸化抑制層107は、酸素の拡散を抑制する機能を有する材料、例えば金属窒化物又は金属フッ化物で形成される。金属窒化物の例として、窒化タングステン、窒化タンタルなどがある。金属フッ化物の例として、フッ化タングステン、フッ化タンタルなどがある。
保護層108は、層間絶縁層102、配線部材104´及び酸化抑制層107の上に位置する。保護層108の下面は、これらの部材の上面に接している。保護層108は、例えば窒化シリコンや酸化シリコンなどの絶縁体で形成される。保護層109は、保護層108の上に位置する。保護層109は、発熱抵抗体103のうち配線部材104´で覆われていない部分とその周辺とを覆う。保護層108は、例えばタンタルなどの耐衝撃性に優れた材料で形成される。
続いて、半導体装置100の製造方法について説明する。まず、図1(a1)及び(a2)に示すように、半導体基板101の上に、層間絶縁層102、発熱抵抗体103、導電膜104及びレジストパターン105をこの順に形成する。半導体基板101は例えばシリコン基板である。層間絶縁層102は、例えば酸化シリコン層であり、熱酸化やCVD法などによって形成される。発熱抵抗体103は、例えば窒化タンタルシリコンや窒化タングステンシリコンなどの導電材料で形成される。導電膜104は、例えばアルミニウム−銅(Al−Cu)や、アルミニウム(Al)、アルミニウム−シリコン(Al−Si)、アルミニウム−シリコン−銅(Al−Si−Cu)などの導電材料で形成される。レジストパターン105は、導電膜104の上に塗布されたフォトレジストを露光・現像することによって形成される。レジストパターン105は、導電膜104のうち除去されるべきでない部分を覆い、導電膜104のうち除去されるべき部分(発熱抵抗体103を露出させる部分)を覆わない。
次に、図1(b1)及び(b2)に示すように、レジストパターン105を用いて導電膜104をエッチングすることによって発熱抵抗体103の上面の一部を露出させ、その後にレジストパターン105を除去する。導電膜104のうちエッチングによって形成された側壁104aはテーパー形状を有する。導電膜104のエッチングは、ドライエッチングであってもよいし、ウェットエッチングであってもよい。ウェットエッチングを用いた場合に、発熱抵抗体103がプラズマによるダメージを受けることを抑制できる。また、レジストパターン105の除去は、ドライプロセスで行われてもよいし、ウェットプロセスで行われてもよい。ウェットプロセスを用いた場合に、発熱抵抗体103がプラズマによるダメージを受けることを抑制できる。
次に、図1(c1)及び(c2)に示すように、発熱抵抗体103及び導電膜104の上にレジストパターン106を形成する。レジストパターン106は、発熱抵抗体103及び導電膜104の上に塗布されたフォトレジストを露光・現像することによって形成される。レジストパターン106は、発熱抵抗体103のうち導電膜104に覆われてない部分と、導電膜104のうち除去されるべきでない部分(配線部材104´となる部分)とを覆い、導電膜104のうち除去されるべき部分を覆わない。
次に、図1(d1)及び(d2)に示すように、レジストパターン106を用いて発熱抵抗体103及び導電膜104をエッチングすることによって層間絶縁層102の上面の一部を露出させる。このエッチングは、ドライエッチングであってもよいし、ウェットエッチングであってもよい。このエッチング中に、発熱抵抗体103のうち導電膜104に覆われてない部分は、レジストパターン106で覆われたままである。そのため、発熱抵抗体103の上面はエッチングの影響を受けない。以上の2回のエッチングによって、発熱抵抗体103及び導電膜104が半導体装置100で用いられる形状に成形される。導電膜104のうち残った部分が配線部材104´となる。
次に、図1(e1)及び(e2)に示すように、レジストパターン106を除去する。レジストパターン106の除去は、フッ素を含むガス雰囲気におけるプラズマ処理によるアッシングで行ってもよい。プラズマ処理によるアッシングを行うことによって、ドライエッチングによるダメージでレジストパターン106が硬化した場合であっても、レジストパターン106を除去できる。このようなアッシングを行うことによって、レジストパターン106が除去された後に、発熱抵抗体103に含まれる金属元素とガス雰囲気中のフッ素とが反応する。その結果、発熱抵抗体103のうち配線部材104´に覆われてない部分に金属フッ化物からなる酸化抑制層107が形成される。具体的に、発熱抵抗体103がタンタルを含む窒化タンタルシリコンである場合に、酸化抑制層107としてフッ化タンタル層が形成される。発熱抵抗体103がタングステンを含む窒化タングステンシリコンである場合に、酸化抑制層107としてフッ化タングステン層が形成される。
プラズマ処理に用いられるガス雰囲気は、フッ素の代わりに窒素を含んでもよい。この場合に、レジストパターン106が除去された後に、発熱抵抗体103に含まれる金属元素とガス雰囲気中の窒素とが反応する。その結果、発熱抵抗体103のうち配線部材104´に覆われてない部分に金属窒化物からなる酸化抑制層107が形成される。具体的に、発熱抵抗体103がタンタルを含む窒化タンタルシリコンである場合に、酸化抑制層107として窒化タンタル層が形成される。発熱抵抗体103がタングステンを含む窒化タングステンシリコンである場合に、酸化抑制層107として窒化タングステン層が形成される。
さらに、プラズマ処理に用いられるガス雰囲気は、フッ素と窒素との両方を含んでもよい。この場合に、酸化抑制層107は、金属窒化物と金属フッ化物との両方を含む。
上述の例では、レジストパターン106の除去と酸化抑制層107の形成とを同じプラズマ処理によって行う場合を説明した。これに代えて、フッ素又は窒素の何れも含まないガス雰囲気でプラズマアッシング処理を行うことによってレジストパターン106を除去した後に、フッ素又は窒素を含むガス雰囲気でプラズマ処理を行うことによって酸化抑制層107を形成してもよい。
次に、図1(f1)及び(f2)に示すように、層間絶縁層102、配線部材104´及び酸化抑制層107の上に保護層108を形成し、保護層108の上に保護層109を形成する。保護層108は、例えば窒化シリコン層であり、例えばCVD法によって形成される。保護層109は例えばタンタル層であり、タンタル膜をスパッタリング法によって成膜した後にパターニングすることによって形成される。その後、既存の必要な処理を行うことによって、半導体装置100が完成される。
<第1実施形態の変形例>
続いて、図2を参照して、半導体装置100の別の製造方法について説明する。図2(a1)〜(f1)は1つの吐出素子に着目して半導体装置100の製造方法の各工程を説明する平面図であり、図2(a2)〜(f2)は、図2(a1)〜(f1)に対応するBB線断面図である。以下では図1の製造方法との相違点を主に説明し、重複する説明を省略する。図2の製造方法では、発熱抵抗体103及び導電膜104に対する2回のエッチングの順番が図1の製造方法とは異なる。
まず、図2(a1)及び(a2)に示すように、半導体基板101の上に、層間絶縁層102、発熱抵抗体103、導電膜104及びレジストパターン201をこの順に形成する。レジストパターン201は、発熱抵抗体103及び導電膜104のうち除去されるべきでない部分を覆い、発熱抵抗体103及び導電膜104のうち除去されるべき部分を覆わない。レジストパターン201は、導電膜104の上に塗布されたフォトレジストを露光・現像することによって形成される。
次に、図2(b1)及び(b2)に示すように、レジストパターン201を用いて発熱抵抗体103及び導電膜104をエッチングすることによって層間絶縁層102の上面の一部を露出させる。このエッチングは、ドライエッチングであってもよいし、ウェットエッチングであってもよい。このエッチング中に、発熱抵抗体103のうち除去されるべきでない部分は、導電膜104で覆われたままである。そのため、発熱抵抗体103の上面はエッチングの影響を受けない。
次に、図2(c1)及び(c2)に示すように、レジストパターン201を除去し、その後に層間絶縁層102及び導電膜104の上にレジストパターン202を形成する。レジストパターン201の除去は、ドライプロセスで行われてもよいし、ウェットプロセスで行われてもよい。いずれにせよ、発熱抵抗体103の上面は導電膜104で覆われたままであるので、発熱抵抗体103の上面は除去プロセスの影響を受けない。レジストパターン202は、層間絶縁層102及び導電膜104の上に塗布されたフォトレジストを露光・現像することによって形成される。レジストパターン202は、導電膜104のうち除去されるべきでない部分を覆い、導電膜104のうち除去されるべき部分を覆わない。また、レジストパターン202は、層間絶縁層102の上面全体を覆ってもよいし、図2(c1)に示すように、層間絶縁層102の上面のうち導電膜104の付近の部分を覆わなくてもよい。
次に、図2(d1)及び(d2)に示すように、レジストパターン202を用いて導電膜104をエッチングすることによって発熱抵抗体103の上面の一部を露出させ、その後にレジストパターン202を除去する。導電膜104のうちエッチングによって形成された側壁104bはテーパー形状を有する。導電膜104のうち残った部分が配線部材104´となる。
導電膜104のエッチングは、ドライエッチングであってもよいし、ウェットエッチングであってもよい。ウェットエッチングを用いた場合に、発熱抵抗体103がプラズマダメージを受けることを抑制できる。また、レジストパターン202の除去は、ドライプロセスで行われてもよいし、ウェットプロセスで行われてもよい。ウェットプロセスを用いた場合に、発熱抵抗体103がプラズマによるダメージを受けることを抑制できる。
次に、図2(e1)及び(e2)に示すように、発熱抵抗体103のうち配線部材104´に覆われてない部分に対してフッ素又は窒素を含むガス雰囲気におけるプラズマ処理によるアッシングを行うことによって、この部分の表面に酸化抑制層107を形成する。酸化抑制層107の形成については図1の製造方法の場合と同様であるので、重複する説明を省略する。
次に、図2(f1)及び(f2)に示すように、層間絶縁層102、配線部材104´及び酸化抑制層107の上に保護層108を形成し、保護層108の上に保護層109を形成する。その後、既存の必要な処理を行うことによって、半導体装置100が完成される。
<第2実施形態>
図3を参照して、第2実施形態に係る半導体装置300の構成及びその製造方法を説明する。図3(a1)〜(e1)は1つの吐出素子に着目して半導体装置300の製造方法の各工程を説明する平面図であり、図3(a2)〜(e2)は、図3(a1)〜(e1)に対応するCC線断面図である。
半導体装置300は、酸化抑制層107の代わりに酸化抑制層301を備える点で半導体装置100と異なり、他の点は同様であってもよい。酸化抑制層107と酸化抑制層301とは半導体装置100における位置が異なり、材料や機能などのその他の点は同様であってもよい。酸化抑制層301は、発熱抵抗体103の上面全体を覆う。したがって、酸化抑制層301は、発熱抵抗体103のうち配線部材104´で覆われていない部分だけでなく、発熱抵抗体103と配線部材104´との間にも位置する。
続いて、半導体装置300の製造方法について説明する。以下では図1の製造方法との相違点を主に説明し、重複する説明を省略する。図3の製造方法では、酸化抑制層301を形成するタイミングが図1の製造方法とは異なる。まず、図3(a1)及び(a2)に示すように、半導体基板101の上に、層間絶縁層102、発熱抵抗体103、酸化抑制層301、導電膜104及びレジストパターン105をこの順に形成する。酸化抑制層301は、発熱抵抗体103に対してフッ素又は窒素を含むガス雰囲気におけるプラズマアッシング処理を行うことによって形成される。酸化抑制層301の形成は図1の製造方法の酸化抑制層107の形成と同様にして行われてもよい。これに代えて、スパッタリングによって金属フッ化物又は金属窒化物を成膜することによって酸化抑制層301を形成してもよい。
次に、図3(b1)及び(b2)に示すように、レジストパターン105を用いて導電膜104をエッチングすることによって酸化抑制層301の上面の一部を露出させ、その後にレジストパターン105を除去する。導電膜104のうちエッチングによって形成された側壁104aはテーパー形状を有する。
導電膜104のエッチングは、ドライエッチングであってもよいし、ウェットエッチングであってもよい。ウェットエッチングを用いた場合に、酸化抑制層301がプラズマによるダメージを受けることを抑制できる。また、レジストパターン105の除去は、ドライプロセスで行われてもよいし、ウェットプロセスで行われてもよい。ウェットプロセスを用いた場合に、酸化抑制層301がプラズマによるダメージを受けることを抑制できる。
次に、図3(c1)及び(c2)に示すように、酸化抑制層301及び導電膜104の上にレジストパターン106を形成する。レジストパターン106は、酸化抑制層301及び導電膜104の上に塗布されたフォトレジストを露光・現像することによって形成される。レジストパターン106は、酸化抑制層301のうち導電膜104に覆われてない部分と、導電膜104のうち除去されるべきでない部分とを覆い、導電膜104のうち除去されるべき部分を覆わない。
次に、図3(d1)及び(d2)に示すように、レジストパターン106を用いて発熱抵抗体103、酸化抑制層301及び導電膜104をエッチングすることによって層間絶縁層102の上面の一部を露出させ、その後にレジストパターン106を除去する。このエッチングは、ドライエッチングであってもよいし、ウェットエッチングであってもよい。このエッチング中に、発熱抵抗体103は、酸化抑制層301で覆われたままである。以上の2回のエッチングによって、発熱抵抗体103及び導電膜104が半導体装置100で用いられる形状に成形される。導電膜104のうち残った部分が配線部材104´となる。レジストパターン106の除去は、ドライプロセスで行われてもよいし、ウェットプロセスで行われてもよい。
次に、図3(e1)及び(e2)に示すように、層間絶縁層102、配線部材104´及び酸化抑制層301の上に保護層108を形成し、保護層108の上に保護層109を形成する。その後、既存の必要な処理を行うことによって、半導体装置300が完成される。
続いて、その他の実施形態として、図4を参照しつつ、上記の実施形態で説明された半導体装置を利用した液体吐出ヘッド、液体吐出カートリッジ及び液体吐出装置を以下に説明する。図4(a)は、いずれかの実施形態で説明された半導体装置を基体601として有する記録ヘッド600の主要部を液体吐出ヘッドの一例として示す。図4(a)では、上述の実施形態の発熱抵抗体103が発熱部602として描かれている。また、説明のために天板603の一部が切り取られている。図4(a)に示されるように、複数の吐出口604に連通した液路605を形成するための流路壁部材606とインク供給口607を有する天板603とを基体601に組み合わせることにより、記録ヘッド600が構成されうる。この場合に、インク供給口607から注入されるインクが内部の共通液室608へ蓄えられて各液路605へ供給され、その状態で基体601が駆動されることで、吐出口604からインクが吐出される。
図4(b)は液体吐出カートリッジの一例であるインクジェット用のカートリッジ610の全体構成を説明する図である。カートリッジ610は、上述した複数の吐出口604を有する記録ヘッド600と、この記録ヘッド600に供給するためのインクを収容するインク容器611とを備えている。液体容器であるインク容器611は、境界線Kを境に記録ヘッド600に着脱可能に設けられている。カートリッジ610には、図4(c)に示される記録装置に搭載された場合にキャリッジ側からの駆動信号を受け取るための電気的コンタクト(不図示)が設けられており、この駆動信号によって発熱部602が駆動される。インク容器611の内部には、インクを保持するために繊維質状又は多孔質状のインク吸収体が設けられており、これらのインク吸収体によってインクが保持されている。
図4(c)は液体吐出装置の一例であるインクジェット記録装置700の外観斜視図を示す。インクジェット記録装置700は、カートリッジ610を搭載し、カートリッジ610へ付与される信号を制御することにより、高速記録、高画質記録を実現しうる。インクジェット記録装置700において、カートリッジ610は、駆動モータ701の正逆回転に連動して駆動力伝達ギア702、703を介して回転するリードスクリュー704の螺旋溝721に対して係合するキャリッジ720上に搭載されている。カートリッジ610は駆動モータ701の駆動力によってキャリッジ720と共にガイド719に沿って矢印a又はb方向に往復移動可能である。不図示の記録媒体給送装置によってプラテン706上に搬送される記録用紙P用の紙押え板705は、キャリッジ移動方向に沿って記録用紙Pをプラテン706に対して押圧する。フォトカプラ707、708は、キャリッジ720に設けられたレバー709のフォトカプラ707、708が設けられた領域での存在を確認して駆動モータ701の回転方向の切換等を行うためにホームポジションの検知を行う。支持部材710はカートリッジ610の全面をキャップするキャップ部材711を支持し、吸引部712はキャップ部材711内を吸引し、キャップ内開口を介してカートリッジ610の吸引回復を行う。移動部材715は、クリーニングブレード714を前後方向に移動可能にし、クリーニングブレード714及び移動部材715は、本体支持板716に支持されている。クリーニングブレード714は、図示の形態でなく周知のクリーニングブレードが本実施形態にも適用できる。また、レバー717は、吸引回復の吸引を開始するために設けられ、キャリッジ720と係合するカム718の移動に伴って移動し、駆動モータ701からの駆動力がクラッチ切換等の公知の伝達手法で移動制御される。カートリッジ610に設けられた発熱部602に信号を付与し、駆動モータ701等の各機構の駆動制御を司る記録制御部(不図示)は、装置本体側に設けられている。
次に、図4(d)に示されるブロック図を用いてインクジェット記録装置700の記録制御を実行するための制御回路の構成について説明する。制御回路は、記録信号が入力するインタフェース800、MPU(マイクロプロセッサ)801、MPU801が実行する制御プログラムを格納するプログラムROM802を備えている。制御回路は更に、各種データ(上記記録信号やヘッドに供給される記録データ等)を保存しておくダイナミック型のRAM(ランダムアクセスメモリ)803と、記録ヘッド808に対する記録データの供給制御を行うゲートアレイ804とを備えている。ゲートアレイ804は、インタフェース800、MPU801、RAM803間のデータ転送制御も行う。さらにこの制御回路は、記録ヘッド808を搬送するためのキャリアモータ810と、記録紙搬送のための搬送モータ809とを備えている。この制御回路はさらに、記録ヘッド808を駆動するヘッドドライバ805、搬送モータ809及びキャリアモータ810をそれぞれ駆動するためのモータドライバ806、807とを備えている。上記制御構成の動作を説明すると、インタフェース800に記録信号が入るとゲートアレイ804とMPU801との間で記録信号がプリント用の記録データに変換される。そして、モータドライバ806、807が駆動されるとともに、ヘッドドライバ805に送られた記録データに従って記録ヘッドが駆動され、印字が行われる。
100 半導体装置、101 半導体基板、103 発熱抵抗体、104´ 配線部材、107 酸化抑制層、108、109 保護層

Claims (16)

  1. 熱エネルギーを与えることによって液体を吐出させるための半導体装置であって、
    基板と、
    前記基板の上にある発熱抵抗体と、
    前記発熱抵抗体の上にある保護層と、
    前記保護層と前記発熱抵抗体との間にあり、前記発熱抵抗体の酸化を抑制するための酸化抑制層と、を備え、
    前記酸化抑制層は、少なくとも金属フッ化物を含むことを特徴とする半導体装置。
  2. 前記発熱抵抗体と前記保護層との間に、前記発熱抵抗体の第1部分を覆っており、前記発熱抵抗体の第2部分を覆っていない配線部材を更に有することを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
  3. 前記酸化抑制層は、前記発熱抵抗体の前記第2部分に接していることを特徴とする請求項2に記載の半導体装置。
  4. 前記配線部材は、前記発熱抵抗体の前記第1部分に接していることを特徴とする請求項2又は3に記載の半導体装置。
  5. 前記酸化抑制層は、前記発熱抵抗体の前記第1部分と前記配線部材との間にさらに位置することを特徴とする請求項2又は3に記載の半導体装置。
  6. 前記発熱抵抗体は、タンタルを含み、
    前記酸化抑制層は、窒化タンタルとフッ化タンタルとの少なくともいずれかを含むことを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載の半導体装置。
  7. 前記発熱抵抗体は、窒化タンタルシリコンを含むことを特徴とする請求項6に記載の半導体装置。
  8. 前記発熱抵抗体は、タングステンを含み、
    前記酸化抑制層は、窒化タングステンとフッ化タングステンとの少なくともいずれかを含むことを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載の半導体装置。
  9. 前記発熱抵抗体は、窒化タングステンシリコンを含むことを特徴とする請求項8に記載の半導体装置。
  10. 熱エネルギーを与えることによって液体を吐出させるための半導体装置であって、
    基板と、
    前記基板の上にあり、タンタルを含む発熱抵抗体と、
    前記発熱抵抗体の上にある保護層と、
    前記保護層と前記発熱抵抗体との間にあり、少なくともフッ化タンタルを含む層と、を備えることを特徴とする半導体装置。
  11. 請求項1乃至10のいずれか1項に記載の半導体装置と、前記半導体装置によって液体の吐出が制御される吐出口とを備えることを特徴とする液体吐出ヘッド。
  12. 請求項11に記載の液体吐出ヘッドとインクを収容する液体容器とを備えることを特徴とする液体吐出カートリッジ。
  13. 請求項11に記載の液体吐出ヘッドと、前記液体吐出ヘッドに液体を吐出させるための駆動信号を供給する供給手段とを有することを特徴とする液体吐出装置。
  14. 液体に熱エネルギーを与えることによって吐出させるための半導体装置の製造方法であって、
    基板の上にある発熱抵抗体を形成する形成工程と、
    前記発熱抵抗体の上に酸化抑制層を形成する工程と、
    前記酸化抑制層の上に保護層を形成する工程と、を有し、
    前記酸化抑制層は、金属窒化物と金属フッ化物との少なくとも何れかを含み、
    前記酸化抑制層を形成する工程は、フッ素又は窒素を含むガス雰囲気において前記発熱抵抗体に対してプラズマ処理を行うことを含むことを特徴とする製造方法。
  15. 液体に熱エネルギーを与えることによって吐出させるための半導体装置の製造方法であって、
    基板の上にある発熱抵抗体を形成する形成工程と、
    前記発熱抵抗体の上に保護層を形成する工程と、
    前記発熱抵抗体の上に導電膜を形成する工程と、
    前記発熱抵抗体の一部を露出するように、第1レジストパターンを用いて前記導電膜の一部をエッチングする工程と、
    前記第1レジストパターンを除去する工程と、
    前記第1レジストパターンを除去した後に、前記発熱抵抗体の前記一部を覆う第2レジストパターンを用いて前記導電膜の他の一部をエッチングする工程と、
    前記第2レジストパターンを除去する工程と、を含み、
    前記第1レジストパターンの除去は、ウェットプロセスによって行われ、
    前記第2レジストパターンの除去は、フッ素又は窒素を含むガス雰囲気におけるプラズマ処理によって行われ、当該プラズマ処理によって前記発熱抵抗体の一部がフッ化又は窒化することを特徴とする製造方法。
  16. 前記発熱抵抗体の上に前記酸化抑制層を形成する工程と、
    前記酸化抑制層の上に導電膜を形成する工程と、
    前記導電膜の一部をエッチングする工程と、を更に含むことを特徴とする請求項14に記載の製造方法。
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