JP2005085859A - 回路基板の製造方法 - Google Patents

回路基板の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2005085859A
JP2005085859A JP2003313871A JP2003313871A JP2005085859A JP 2005085859 A JP2005085859 A JP 2005085859A JP 2003313871 A JP2003313871 A JP 2003313871A JP 2003313871 A JP2003313871 A JP 2003313871A JP 2005085859 A JP2005085859 A JP 2005085859A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
circuit board
material layer
manufacturing
forming
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2003313871A
Other languages
English (en)
Inventor
Keiichi Sasaki
圭一 佐々木
Masato Ueichi
真人 上市
Erushado Ari Choudouri
エルシャド アリ チョウドゥリ
Yukihiro Hayakawa
幸宏 早川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to JP2003313871A priority Critical patent/JP2005085859A/ja
Priority to US10/910,271 priority patent/US7244370B2/en
Priority to CNB200410056240XA priority patent/CN100426942C/zh
Publication of JP2005085859A publication Critical patent/JP2005085859A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)
  • Manufacturing Of Printed Circuit Boards (AREA)

Abstract

【課題】 配線のエッジ部において保護層や耐キャビテーション膜によるステップカバレージ性が良好な回路基板及びそれを用いた液体吐出ヘッドを提供する。
【解決手段】 基板の絶縁性表面上に形成された抵抗層と、該抵抗層上に所定の間隔をおいて形成された一対の電極を有する素子が複数形成された回路基板の製造方法において、前記抵抗層上に前記アルミニウム電極配線層を成膜する工程と、前記電極配線層をドライエッチングにより素子ごとに分離する工程と、燐酸と硝酸と配線金属と錯体を形成するキレート剤を含むエッチング液を用いて、電極配線部の断面形状をテーパ形状に加工する工程とを有することを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、発熱抵抗体を有する発熱素子が複数設けられた回路基板およびその製造方法に関する。特に、電気エネルギーを発熱抵抗体により、熱エネルギーに変換し、その熱エネルギーを利用して液体を吐出するインクジェットヘッドなどの液体吐出ヘッドに備えられている液体吐出装置用の回路基板およびその製造方法に関する。
以下インクジェットヘッドを例にあげて、従来の回路基板の製造方法を説明する。
インクジェット記録装置は、インクを微小な液滴として吐出口から被記録部材に吐出することにより高精細な画像を記録する。その際、インクジェット記録装置は、電気エネルギーを発熱抵抗体により、熱エネルギーに変換し、熱エネルギーでインクに気泡を発生させる。気泡の作用力により液体吐出ヘッドの先端部にある吐出口から液滴が吐出される。吐出口から噴出した液滴が被記録部材に付着して画像が記録される。一般に、このような液体吐出ヘッドは、電気エネルギーを熱エネルギーに変換する発熱抵抗体を有する発熱素子が複数設けられた回路基板を有している。
発熱抵抗体は電気エネルギーを変換して熱エネルギーを発生させる熱変換体である。発熱抵抗体は上部保護層によってインクと接触しないように保護されている。
具体的には、絶縁性表面上に抵抗材料層、電極材料層が形成された後、電極材料層の一部が取り除かれて一対の電極が形成され、その電極の間が抵抗層の発熱部となる。その後、これらをインクから保護するための保護層と、発熱に伴う化学的或いは物理的なダメージから保護層を保護するための耐キャビテーション膜が形成される。
このような構成においては、発熱部を形成するための電極のエッジ部のステップカバレッジが悪くなる場合がある。それを模式的に示したのが図7である。図示した回路基板には、酸化層61があり、この酸化層61の上にTaSiN等の抵抗層62が形成されている。なお、酸化層61はSi基板の表面を酸化して形成されたもので、図7では表面の酸化層のみを示している。抵抗層62上にはAlの配線63があるが、一部には抵抗層62上に配線63の無い部分がある。配線63の無い部分が抵抗層の発熱部64となる。抵抗層62及び配線63の上には、これらをインクから保護するためのP-SiN等からなる保護層65があり、また、抵抗層の発熱部64では、発熱に伴う化学的或いは物理的なダメージから保護層65を保護するTaの耐キャビテーション膜66が保護層65の更に上にある。配線63のエッジ部はほぼ垂直な構成で示してある。
液体吐出装置用の回路基板は上述したような発熱抵抗体を有する発熱素子を高密度で複数有し、高精細の画像の記録を可能としている。そして、各発熱素子は、発熱抵抗体を流れる電流をオンオフ制御するパワートランジスタ(不図示)とそれぞれ直列に接続されている。また、回路基板の上には吐出口を形成が形成され、液体吐出装置となる。
上記の問題を解決するために特許文献1や特許文献2のように発熱素子の有する一対の電極のエッジ部にテーパ形状を持たせる方法が開発された。この手法により、発熱素子の有する一対の電極のエッジ部においても、保護層および耐キャビテーション膜の被覆性を改善できる。以下、発熱素子の有する一対の電極のテーパ形状部分の形成方法を含め、回路基板の製造方法について説明する。
図6は、従来の発熱抵抗体部の製造プロセスフローを説明する図である。また図5(a)に製造後の発熱体抵抗部の断面図を示す。まず、基板としてSiウェハを使用し、その上には、熱酸化処理により厚さ数μm程度のSiO2の酸化層41が形成されている。その上に、スパッタリングにより厚さ50nm程度のTaSiN等の抵抗材料層が形成させる。その後、例えばAlを膜厚200nm程度で成膜して配線材料層を形成する。その上にレジスト層(I)を形成し、パターニングした後、RIE等を用いてAl及び抵抗材料層をドライエッチングして素子分離を行ない、配線層43及び抵抗層42を形成する。レジスト層(I)をO2アッシングにより除去した後、レジスト層(II)を形成し、パターニングを実施した後、抵抗層の発熱部44となる部分のAlをウェットエッチングにて除去する。このとき、ウェットエッチング液としてはテトラ・メチル・アンモニウム・ハイドロオキサイド(以下、TMAH)を主成分とする有機アルカリエッチング液や、リン酸を主成分とする酸エッチング液を用いることで、レジスト層(II)の端部がエッチングされ後退しながらAlがエッチングされるため、形成される一対の電極のエッジ部がテーパ形状となる。次に、膜厚300nm程度のSiNによる保護層45をプラズマCVD法により成膜をし、Ta膜46をスパッタリングにより成膜する。Ta膜46の不要な部分をドライエッチング法により除去することにより、回路基板となる。
特開平4-320849号公報 特開平4-320850号公報
しかし、近年、印刷の高精彩化が更に進み、一回あたりのインクの吐出量が数十plから数plへと少なくなってきている。また、さらなる印刷の高速化の要求も強く、液体吐出ヘッドの往復移動を減らすために、回路基板の長尺化が図られている。このため、一回路基板当たりの発熱素子数が、数百個から数千個へと増加している。このような状況下、上述のテーパ形状となる一対の電極の形成方法においもそのテーパ形状にわずかなゆらぎが起こり、一部の発熱素子上の保護層および耐キャビテーション膜の被覆性が悪くなるという問題が発生してきている。
そこで、本発明の目的は、発熱素子上の保護層および耐キャビテーション膜の被覆性が良好で、耐久性に優れた液体吐出ヘッド用の回路基板、およびその製造方法を提供することにある。
本発明者らは検討によって、上記従来技術の問題点であるテーパ形状のわずかなゆらぎの原因の一つは、レジスト層(II)を除去するテーパエッチングを行なう際のAl-Cuの電池効果によるAl欠落であることを見出した。
このAl欠落により、図5(b)に示す電池効果によるAl欠落部49のように、テーパ形成部分の保護膜のステップカバレージが低下し、回路基板の断線を起こすこととなる。この問題を解決するために、本発明においては、Al欠落がテーパエッチング時に起きないようにエッチング方法を改善することを行なった。
すなわち、本発明は、
抵抗層と、該抵抗層上に所定の間隔をおいて配置されたアルミニウムを含む導電性材料からなる電極と、を有する素子の複数が、基板の絶縁性表面上に配置されている回路基板の製造方法において、
(a)前記基板の絶縁性表面上に、前記抵抗層を形成するための抵抗材料層と、前記電極を形成するためのアルミニウムを含む導電性材料からなる電極材料層と、をこの順に積層する工程と、
(b)前記電極材料層上に、該抵抗材料層と該電極材料層とを前記素子ごとに分離するためのパターンを有するレジスト層(I)を形成する工程と、
(c)該レジスト層(I)のパターンに基づいて前記抵抗材料層及び前記電極材料層をドライエッチングによりパターニングして、前記抵抗層上に前記電極材料層が積層された積層構造を形成する工程と、
(d)該積層構造上のレジスト層(I)を除去する工程と、
(e)前記間隔を形成するためのパターンを有するレジスト層(II)を形成する工程と、
(f)該レジスト層(II)のパターンに基づいて、エッチング能力を有する酸あるいは有機アルカリと、導電性材料と錯体を形成するキレート剤を含むエッチング液を用いてウェットエッチングすることにより前記電極材料層をパターニングして、前記間隔を形成して前記素子を形成する工程と、
を有することを特徴とする回路基板の製造方法に関する。
上記のような本発明の回路基板の製造方法によれば、発熱素子上の保護層および耐キャビテーション膜の被覆性が良好で、耐久性に優れた液体吐出ヘッド用の回路基板を製造することが可能となる。
前記回路基板の製造方法は、前記電極材料層が、アルミニウムを主成分とする材料の時に好適であり、また、前記電極材料層中に銅が添加されている場合に好適である。特に、前記エッチング液に添加される前記キレート剤が電極材料層の表面に錯体を形成させるキレート剤、中でも、液がアルカリ性の場合はベンゾトリアゾール(以下、BTA)またはリン酸アミン、液が酸性の場合はクエン酸、シュウ酸およびEDTA(エチレンジアミン四酢酸、ethylenediaminetetraacetic acid)から選択された少なくとも1つである時に好適である。前記キレート剤がクエン酸である場合は、前記ウェットエッチング工程(f)の後、水洗工程(g)の前に、クエン酸水溶液に浸漬する工程(h)を有する時に特に好適である。
また、前記ドライエッチングの直後、アッシングにより不要な部分を除去する工程を有する時に特に好適である。
本発明を用いることで、発熱抵抗体上の保護層および耐キャビテーション膜のステップカバレージの低下を改善することで、より耐久性に優れ、かつ、高性能化が図れる液体吐出ヘッドを提供することが可能となる。
本発明の一態様である回路基板の代表的な製造方法のプロセスフローについての断面を図2に示す。以下、適宜図2を参照しながら本発明の諸形態について説明する。
[各層の材質と厚さ]
まず、本発明において、回路を形成する基板としては、表面が絶縁性であり、かつ、表面上へのスパッタリング等による積層が可能で、通常のエッチング処理に対しても安定である材質であれば、特に制限はない。但し、通常のプロセスでは入手のしやすさ、回路形成の容易さの点等から汎用のSiウエハ11の表面に酸化処理でSiO2の酸化層13を形成したものが用いられる。この場合、SiO2の酸化層の厚さは堅牢性とコストの面から200nm〜1μm程度とするのが好ましい。
次に、抵抗層を形成するための抵抗材料層14としては、抵抗率60〜800Ω・mの範囲の材質でスパッタリング等により積層できるものであれば特に制限はないが、信頼性の点からTaSiN、CrSiNなどが好適に用いられる。特にTaSiNが加工性の点で好ましい。本発明では抵抗(材料)層の厚さは信頼性の点から20〜100nmが好ましい。
配線層を形成するための電極材料層15としては、本発明ではAlを含むもの、好ましくはAlを主成分とするものが用いられる。特に、Cuを少量(例えば0.5質量%)含むものや、Al-Si-Cu、Al-Si、Al-Ta等などが好適である。なお、「主成分」とは、その材料中に最も多く含まれる成分を意味する。
なお、配線層膜厚は200〜1500nmの範囲とすることができ、特に発熱の問題の点から600〜1500nmが好ましい。配線層の成膜方法としては、スパッタ成膜が一般的であるが、Cuはめっきによる成膜も可である。
レジスト層(I)、(II)としては、一般的に用いられるものであれば特に制限はないが、例えばノボラック樹脂やアクリル樹脂などを挙げることができる。特に本発明の場合はノボラック樹脂が好適である。
保護層17としてはP-SiNなどが好適であり、プラズマCVD法により成膜するのが好ましい。通常保護層の膜厚は配線層の膜厚より厚くなければ被覆性が極端に低下するが、本発明の場合は幾分薄くしても被覆性に影響が出ない。
また、耐キャビテーション膜18は保護層の更に外側に成膜されるもので、通常Taが用いられる。成膜方法はスパッタリングが好ましい。
[ウェットエッチング液・キレート剤]
ウェットエッチング液としては、有機アルカリエッチング液や酸エッチング液が好適に用いられる。前者の代表としてはTMAH、後者の代表としてはリン酸が挙げられる。
本発明では、配線金属のエッチングを過不足なく行なうために、エッチング液中に配線金属と錯体を形成するキレート剤を添加している。液がアルカリ性の場合はキレート剤もアルカリ性のもの、例えばBTA、リン酸アミンなど、また液が酸性の場合はキレート剤も酸性のもの、例えばクエン酸、シュウ酸、あるいはEDTAなどが好ましい。
なお、リン酸混合エッチング液を使用する場合、そのままでは粘度が高いため水洗時間がかかり、表面に錯体形成された金属表面といえども長時間酸系水溶液中にさらされるため電池効果による部分的なAl欠落が生じるおそれがある。
このようなAl欠落を防ぐには、純水洗浄前に、前記リン酸混合エッチング液をクエン酸20〜100ppmの水溶液で置換する。クエン酸水溶液による置換を行なうことで、配線表面全体の錯体は安定に保たれるため、その後に続く、短い水洗時間において、AlとCuの電池効果が阻害され、欠落は生じず、Al表面は滑らかな状態が維持される。
(液体吐出装置)
本発明の実施形態による液体吐出ヘッドは、上述した各実施形態による半導体装置の絶縁層上に抵抗層とを有する発熱抵抗体を形成し、吐出口やそれに連通する液路を形成するために、成形樹脂やフィルムなどからなる天板などの吐出口形成部材を組み合わせれば作製できる。そして、容器を接続して、プリンター本体に搭載し、本体の電源回路から電源電圧を、画像処理回路から画像データをヘッドに供給すれば、すればインクジェットプリンタとして動作することになる。
図8は、本発明の一実施形態の回路基板を用いた液体吐出ヘッドの一形態を説明するための図であり、液体吐出ヘッドの一部分を示している。
本発明で示した回路が作製された素子基体152上には、電流が流れる電気信号を受けることで熱を発生し、その熱によって発生する気泡によって吐出口153からインクを吐出するための電気熱変換素子141が複数列状に配されている。この電気熱変換素子のそれぞれには、各電気熱変換素子を駆動するための電気信号を供給する配線電極154が設けられており、配線電極の一端側は不図示のスイッチ素子に電気的に接続されている。
電気熱変換体141に対向する位置に設けられた吐出口153へインクを供給するための流路155がそれぞれの吐出口153に対応して設けられている。これらの吐出口153および流路155を構成する壁が溝付き部材156に設けられており、これらの溝付き部材156を前述の素子基体152に接続することで流路155と複数の流路にインクを供給するための共通液室157が設けられている。
図9は本発明の発熱抵抗体を有する素子基体152を組み込んだ液体吐出ヘッドの構造を示すもので、枠体158に素子基体152が組み込まれている。この素子基体上には前述のような吐出口153や流路155を構成する部材156が取り付けられている。そして、装置側からの電気信号を受け取るためのコンタクトパッド159が設けられており、フレキシブルプリント配線基板160を介して素子基体152に、装置本体の制御器から各種駆動信号となる電気信号が供給される。
図10は本発明の回路基板を用いた液体吐出ヘッドが適用される液体吐出装置の一実施形態を説明するためのものであり、インクジェット記録装置IJRAの概観を示している。
駆動モータ5013の正逆回転に連動して駆動力伝達ギア5011、5009を介して回転するリードスクリュー5005のら線溝5004に対して係合するキャリッジHCは、ピン(不図示)を有し、矢印a、b方向に往復移動される。
5002は紙押え板であり、キャリッジ移動方向にわたって紙を記録媒体搬送手段であるプラテン5000に対して押圧する。5007、5008はフォトカプラでキャリッジのレバー5006のこの域での存在を確認してモータ5013の回転方向切換等を行なうためのホームポジション検知手段である。5016は記録ヘッドの前面をキャップするキャップ部材5022を支持する部材で、5015はこのキャップ内を吸引するでキャップ内開口5023を介して記録ヘッドの吸引回復を行なう。5017はクリーニングブレードで、5019はこのブレードを前後方向に移動可能にする部材であり、本体支持板5018にこれらは支持されている。ブレードは、この形態でなく周知のクリーニングブレードが本例に適用できることはいうまでもない。又、5012は、吸引回復の吸引を開始するためのレバーで、キャリッジと係合するカム5020の移動に伴って移動し、駆動モータからの駆動力がクラッチ切換等の公知の伝達手段で移動制御される。
これらのキャッピング、クリーニング、吸引回復は、キャリッジがホームポジション側領域にきたときにリードスクリュー5005の作用によってそれらの対応位置で所望の処理が行なえるように構成されているが、周知のタイミングで所望の作動を行なうようにすれば、本例には何れも適用できる。上述における各構成は単独でも複合的に見ても優れた発明であり、本発明にとって好ましい構成例を示している。
尚、本装置は、電源電圧や画像信号や駆動制御信号などを素子基体152に供給するための電気回路からなる制御器駆動信号供給手段(不図示)を有している。
又、本発明は、上述した各種実施形態に限定されるものではなく、上述した課題を解決できるものであれば、本発明の各構成要件を代替物や均等物に置換できることは明らかである。
[実施例1]
図1は、実施例1における回路基板の製造プロセスのフローを示す図である。以下、図2(断面図)を参照しながら説明する。
まず、基板11としてSiウェハを使用し、その上に熱酸化により厚さ数μm程度のSiO2の酸化層13を形成した。さらに、酸化層上に、スパッタリングによりTaSiNの抵抗材料層14を50nm(=500Å)の厚みで形成した。その後、Cuを0.5質量%含むAlを用い、膜厚600nmに成膜して電極材料層15を形成した。電極材料層の上にレジスト層(I)を形成し、パターニングした後、RIEによって電極材料層及び抵抗材料層をドライエッチングして素子分離を行ない、所定の配線パターンを含む形状にパターニングされた電極(配線層)及び抵抗層を形成した。
次に、レジスト(II)を形成し、パターニングした後、抵抗層の発熱部16となる配線層の部分をウェットエッチングにて除去することによって、配線層の非エッチング部からなるAl配線と、エッチングによって形成された一対の対向するAl配線の端部が電極として抵抗層の発熱部を挟んで抵抗層上に配置された発熱素子と、を形成した。
ウェットエッチング液としてはTMAHの5%水溶液にBTAを500ppm添加した有機アルカリエッチング液を用い、液温40℃の条件でエッチングを行なった。
BTAはAl配線中のCuと錯体を形成してCuとエッチング液との電子の授受に障壁を設ける効果が起きる。このため、AlとCuの電池効果は阻害され、Al配線はAl欠落が起こることなく、滑らかなエッチング形状となる。エッチング後、純水を用いて水洗を行なうが、このときも、Cu上にBTAの錯体が形成されているために、AlとCuの電池効果が阻害され、欠落は生じず、Al配線表面は滑らかな状態が維持される。
次に、膜厚300nm程度のSiNによる保護層17をプラズマCVD法により成膜をし、Taによる耐キャビテーション膜18をスパッタリングにより成膜する。再度レジストパターニングした後、耐キャビテーション膜の不要な部分をドライエッチング法により除去することにより、回路基板とした。製造した回路基板の発熱素子上の保護膜及び耐キャビテーション膜の被覆性は良好であった。
[実施例2]
図3は、実施例2における回路基板の製造プロセスフローを説明する図である。なお、断面図は実施例1と同様図2で示される。まず、実施例1と同様に、Si基板11上にSiO2膜(酸化層)13、抵抗材料層14、配線材料層(Al層)15を形成した。配線材料層の上に、レジスト(I)を形成し、パターニングした後、RIEによって素子分離を行ない配線材料層及び抵抗材料層をドライエッチングして配線層及び抵抗層を形成した。
次に、レジスト層(II)を形成し、パターニングした後、抵抗層の発熱部16となる部分の配線層をウェットエッチングにて除去した。このとき、ウェットエッチング液としてはリン酸、硝酸の水溶液にクエン酸を100ppmから20%程度の範囲で添加した酸性エッチング液を用い、液温40℃の条件でエッチングを行なった。クエン酸はAl配線中のAl、Cu、各々と錯体を形成して、Al、Cu、エッチング液との電子の授受に障壁を設ける効果が起きる。このため、AlとCuの電池効果は阻害され、Al配線はAl欠落が起こることなく、滑らかなエッチング形状となる。エッチング後、純水を用いて水洗を行なうが、このときも、配線表面全体に錯体は形成されているために、AlとCuの電池効果が阻害され、欠落は生じず、Al表面は滑らかな状態が維持される。
次に、膜厚300nm程度のSiNによる第1保護層17をプラズマCVD法により成膜をし、Taによる耐キャビテーション膜18をスパッタリングにより成膜する。再度レジストパターニングした後、耐キャビテーション膜の不要な部分をドライエッチング法により除去することにより、回路基板とした。製造した回路基板の発熱素子上の保護膜及び耐キャビテーション膜の被覆性は良好であった。
[実施例3]
図4は、実施例3の抵抗層の発熱部の製造プロセスフローを説明する図である。なお、断面図は実施例1、2と同様図2で示される。実施例1同様に、基板11上にSiO2膜13、抵抗材料層14、Al層15を成膜した後、レジストパターニングし、Al配線をRIEによりエッチングし、配線をパターニングする。
その後、抵抗層の発熱部16の部分を形成するため、レジストパターニングを実施した後、抵抗層の発熱部16の部分のAl層をウェットエッチングにて除去する。このとき、ウェットエッチング液としては以下、リン酸、硝酸の水溶液にクエン酸を100ppmから20%程度の範囲で添加したリン酸混合エッチング液を液温40℃の条件でエッチングを行なう。
エッチング後、純水を用いて水洗を行なうが、リン酸混合エッチング液は粘度が高いため、時間がかかる。表面に錯体形成された金属表面といえども長時間酸系水溶液中にさらされるため電池効果による部分的なAl欠落が生じるおそれがある。このようなAl欠落を防ぐため、この実施例では純水洗浄前に、前記リン酸混合エッチング液をクエン酸20〜100ppmの水溶液で置換した。クエン酸水溶液による置換を行なうことで、配線表面全体の錯体は安定に保たれるため、その後に続く、短い水洗時間において、AlとCuの電池効果が阻害され、欠落は生じず、Al表面は滑らかな状態が維持された。
次に、膜厚300nm程度のSiNによる保護層をプラズマCVD法により成膜をし、Taをスパッタリングにより成膜する。再度レジストパターニングした後、Taの不要な部分をドライエッチング法により除去することにより、図5(a)と同様の抵抗層の発熱部を形成する。
[比較例]
従来の回路基板の製造方法である図6に示す製造プロセスのフローにて回路基板を作製した。まず、実施例1と同様に、Si基板上に酸化層、抵抗材料層、配線材料層を形成した。配線材料層の上に、レジスト(I)を形成し、パターニングした後、RIEによって配線材料層及び抵抗材料層をドライエッチングして配線層及び抵抗層を形成した。
次に、レジスト層(II)を形成し、パターニングした後、発熱素子の抵抗部となる配線層をウェットエッチングにて除去した。このとき、ウェットエッチング液としてはリン酸、硝酸の水溶液に酢酸を100ppmから20%程度の範囲で添加した酸性エッチング液を用い、液温40℃の条件でエッチングを行なった。その後、純水を用いて水洗を行なった。
次に、膜厚300nm程度のSiNによる第1保護層をプラズマCVD法により成膜をし、Taによる耐キャビテーション膜をスパッタリングにより成膜する。再度レジストパターニングした後、耐キャビテーション膜の不要な部分をドライエッチング法により除去することにより、回路基板とした。
酢酸はクエン酸等と異なり錯体を形成せず、Al、Cu、エッチング液との電子の授受に障壁を設ける効果は起こらない。このため、AlとCuの電池効果は阻害されず、Al配線はAl欠落が起こり、エッチング形状には不規則な凹凸が生じていた。純水洗浄工程でもAl欠落は進行し、凹凸は大きくなった。結果として製造した回路基板の発熱抵抗体を有する発熱素子上の保護膜及び耐キャビテーション膜の被覆性は図5(b)に示すように凹凸部分において悪くなっていた。
表1に比較例との実施例1、2、3の処理方法におけるインク耐久性比較を示す。試験方法としては、比較例及び実施例1、2、3の方法で形成した回路基板を液体吐出ヘッドにくみ、1×105回のインクの吐出を行なった後、各発熱抵抗体の断線数を調べた。各々の方法について、それぞれ母数は100000個とした。
Figure 2005085859
実施例1、2、3の何れにおいても印字耐久性は従来技術よりも向上した。本実施例においては、配線材料としてCuを0.5wt%含むAlを用いて、配線膜厚を600nmとしたが、配線材料としては、Al-Si-Cu、AlSi、AlTa等のAlを含む材料であれば何れにおいても同様の効果が見られた。また、配線膜厚を変えて同様の試験を行なったところ、200nm〜1500nmの範囲において上記の効果が見られた。特に、保護膜厚が配線膜厚よりも薄くなる場合にはカバレッジが極端に低下するが、本発明の場合は上記の効果のため、幾分薄くしても被覆性に影響が出ない。本発明ではBTAやクエン酸をキレート剤として用いたが、シュウ酸、リン酸アミン、EDTAでも5%以下の添加で同様の効果があった。
本発明の効果はこれに限定するものでなく、たとえば、配線膜厚もこれに限定するものでないことはいうまでもない。
本発明によれば、インクジェット記録装置などの回路基板に適用することで、発熱抵抗体上の保護層および耐キャビテーション膜のステップカバレージの低下が改善でき、より耐久性に優れ、かつ、高性能化が図れる液体吐出ヘッドを提供することが可能となる。
本発明の一実施例である実施例1における回路基板の製造プロセスのフローを示す図である。 本発明の一態様の回路基板の製造方法について説明するための断面図である。 本発明の一実施例である実施例2における回路基板の製造プロセスのフローを示す図である。 本発明の一実施例である実施例3における回路基板の製造プロセスのフローを示す図である。 回路基板の発熱素子周辺の概略を示す断面図であり、(a)は保護膜及び耐キャビテーション膜の被覆性が良好な回路基板の断面図、(b)は配線表面に庇のような構造が形成され保護膜及び耐キャビテーション膜の被覆性が悪い回路基板の断面図である。 従来の回路基板の製造プロセスフローを説明する図である。 従来の回路基板の発熱素子周辺の構造を示す断面図である。 本発明の回路基板を用いた液体吐出ヘッドの一部分を示す図である。 本発明の発熱抵抗体を有する発熱素子を組み込んだ液体吐出ヘッドの構造を示す図である。 本発明の回路基板を用いた液体吐出ヘッドが適用される液体吐出装置の一形態を説明する図である。
符号の説明
11 Si基板
13、41、61 酸化層
14、42、62 抵抗層;抵抗材料層
15、43、63 電極(配線(層));電極材料層
16、44、64 抵抗層の発熱部
17、45、65 保護膜(保護層)
18、46、66 耐キャビテーション膜(Ta膜)
49 電池効果によるAl欠落部
67 エッジ部
68 エッジ部との境界部分
141 電気熱変換体
152 素子基体
153 吐出口
154 配線電極
155 流路
156 溝付き部材
157 共通液室
158 枠体
159 コンタクトパッド
160 フレキシブルプリント配線基板
5000 プラテン
5002 紙押え板
5004 線溝
5005 リードスクリュー
5006 レバー
5007、5008 フォトカプラ
5009、5011 駆動力伝達ギア
5012 吸引開始レバー
5013 駆動モータ
5015 吸引手段
5016 記録ヘッド
5017 クリーニングブレード
5018 本体支持板
5019 ブレード可動化部材
5020 カム
5022 キャップ部材
5023 キャップ内開口

Claims (8)

  1. 抵抗層と、該抵抗層上に所定の間隔をおいて配置されたアルミニウムを含む導電性材料からなる電極と、を有する素子の複数が、基板の絶縁性表面上に配置されている回路基板の製造方法において、
    (a)前記基板の絶縁性表面上に、前記抵抗層を形成するための抵抗材料層と、前記電極を形成するためのアルミニウムを含む導電性材料からなる電極材料層と、をこの順に積層する工程と、
    (b)前記電極材料層上に、該抵抗材料層と該電極材料層とを前記素子ごとに分離するためのパターンを有するレジスト層(I)を形成する工程と、
    (c)該レジスト層(I)のパターンに基づいて前記抵抗材料層及び前記電極材料層をドライエッチングによりパターニングして、前記抵抗層上に前記電極材料層が積層された積層構造を形成する工程と、
    (d)該積層構造上のレジスト層(I)を除去する工程と、
    (e)前記間隔を形成するためのパターンを有するレジスト層(II)を形成する工程と、
    (f)該レジスト層(II)のパターンに基づいて、エッチング能力を有する酸あるいは有機アルカリと、前記導電性材料と錯体を形成するキレート剤を含むエッチング液を用いてウェットエッチングすることにより前記電極材料層をパターニングして、前記間隔を形成して前記素子を形成する工程と、
    を有することを特徴とする回路基板の製造方法。
  2. 前記電極材料層が、アルミニウムを主成分とする材料からなる請求項1に記載の回路基板の製造方法。
  3. 前記電極材料層中に銅が添加されている請求項1または2に記載の回路基板の製造方法。
  4. 前記エッチング液に添加される前記キレート剤が前記電極材料層の表面に錯体を形成させるキレート剤である請求項2または3に記載の回路基板の製造方法。
  5. 前記エッチング液が有機アルカリを主成分とし、前記キレート剤がベンゾトリアゾールまたはリン酸アミンである請求項4に記載の回路基板の製造方法。
  6. 前記エッチング液が酸を主成分とし、前記キレート剤がクエン酸、シュウ酸およびEDTA(エチレンジアミン四酢酸)から選択された少なくとも1つである請求項4に記載の回路基板の製造方法。
  7. 前記キレート剤がクエン酸であり、前記ウェットエッチング工程(f)の後、水洗工程(g)の前に、クエン酸水溶液に浸漬する工程(h)を有する請求項6に記載の回路基板の製造方法。
  8. 前記ドライエッチングの直後、アッシングにより不要な部分を除去する工程を有する請求項1〜7のいずれかに記載の回路基板の製造方法。
JP2003313871A 2003-08-05 2003-09-05 回路基板の製造方法 Pending JP2005085859A (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003313871A JP2005085859A (ja) 2003-09-05 2003-09-05 回路基板の製造方法
US10/910,271 US7244370B2 (en) 2003-08-05 2004-08-04 Method for producing circuit substrate
CNB200410056240XA CN100426942C (zh) 2003-08-05 2004-08-05 电路基板的制造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003313871A JP2005085859A (ja) 2003-09-05 2003-09-05 回路基板の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2005085859A true JP2005085859A (ja) 2005-03-31

Family

ID=34414667

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003313871A Pending JP2005085859A (ja) 2003-08-05 2003-09-05 回路基板の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2005085859A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US9451692B2 (en) 2013-09-06 2016-09-20 Canon Kabushiki Kaisha Print element substrate, method of manufacturing the same, printhead and printing apparatus

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US9451692B2 (en) 2013-09-06 2016-09-20 Canon Kabushiki Kaisha Print element substrate, method of manufacturing the same, printhead and printing apparatus

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8943690B2 (en) Method for manufacturing substrate for liquid ejection head and method for manufacturing liquid ejection head
US20120105537A1 (en) Circuit board for ink jet head, ink jet head having the same, method for cleaning the head and ink jet printing apparatus using the head
JP2010287899A (ja) 回路基板の製造方法および回路基板、液体吐出装置
JP5677109B2 (ja) インクジェット記録ヘッド用基板、インクジェット記録ヘッド及び記録装置
US8721050B2 (en) Liquid discharge head with protective layer and liquid discharge device
JP2005035281A (ja) 液体吐出ヘッドの製造方法
JPH0911470A (ja) インクジェット記録ヘッド及びインクジェット記録装置
US7244370B2 (en) Method for producing circuit substrate
US6357862B1 (en) Substrate for ink jet recording head, ink jet recording head and method of manufacture therefor
JP5539895B2 (ja) 電気的に絶縁されるプリントヘッドダイ接地ネットワークをフレキシブル回路で電気的に接続する方法
JP2005085859A (ja) 回路基板の製造方法
JP4587443B2 (ja) 回路基板の製造方法
JP2013173262A (ja) 液体吐出ヘッドの製造方法
JP2005057066A (ja) 回路基板の製造方法
JP4497869B2 (ja) 回路基板の製造方法
JP3658221B2 (ja) インクジェット記録ヘッド、該ヘッド用基板及び該基板の製造方法
JP2002307693A (ja) プリンタヘッド、プリンタ及びプリンタヘッドの製造方法
US10981381B2 (en) Liquid discharge head substrate, liquid discharge head, and liquid discharge apparatus
US20240208216A1 (en) Liquid discharge apparatus and cleaning method
JP2002011886A (ja) インクジェット記録ヘッド用基板、インクジェット記録ヘッド、および該ヘッド用基板の作成方法
JP7071067B2 (ja) 液体吐出ヘッド用基板、液体吐出ヘッド、および液体吐出ヘッド用基板の製造方法
JP2023079429A (ja) 液体吐出装置
JP2000006414A (ja) インクジェット記録ヘッド及び該ヘッドを用いたインクジェット記録装置
JP2006130840A (ja) 発熱抵抗体膜、記録ヘッド、および記録装置
JP5317671B2 (ja) 液体吐出ヘッド用基板、液体吐出ヘッド及び液体吐出装置