JP2005057066A - 回路基板の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 配線のエッジ部において保護層や耐キャビテーション膜によるステップカバレージ性が良好な回路基板及びそれを用いた液体吐出ヘッドを提供する。
【解決手段】 基板の表面部に形成されて熱エネルギーを発生するための発熱抵抗素子と、該発熱抵抗素子に導通するように前記基板の表面部に形成される電極配線と、前記基板の表面部のほぼ全域に形成されて前記電極配線および前記発熱抵抗素子を覆う第1保護層とを有する回路基板において、
前記電極配線を形成する際、レジスト灰化温度を150℃以下とし、その後、発熱部となる箇所のAlをウェットエッチングにより、形成することを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、発熱抵抗体を有する発熱素子が設けられた回路基板及びその製造方法に関する。特に、電気エネルギーを発熱抵抗により、熱エネルギーに変換し、その熱エネルギーを利用して液体を吐出するインクジェットヘッドなどの液体吐出ヘッドに備えられている液体吐出装置用の回路基板およびその製造方法に関する。
以下インクジェットヘッドを例にあげて、従来の回路基板の製造方法を説明する。
インクジェット記録装置は、インクを微小な液滴として吐出口から被記録部材に吐出することにより高精細な画像を記録する。その際、インクジェット記録装置は、電気エネルギーを発熱抵抗体により、熱エネルギーに変換し、熱エネルギーでインクに気泡を発生させる。気泡の作用力により液体吐出ヘッドの先端部にある吐出口から液滴が吐出される。吐出口から噴出した液滴が被記録部材に付着して画像が記録される。一般に、このような液体吐出ヘッドは、電気エネルギーを熱エネルギーに変換する発熱抵抗体を有する発熱素子が複数設けられた回路基板を有している。
発熱抵抗体は電気エネルギーを変換して熱エネルギーを発生させる熱変換体である。発熱抵抗体は上部保護層によってインクと接触しないように保護されている。
具体的には、絶縁性表面上に抵抗材料層、電極材料層が形成された後、電極材料層の一部が取り除かれて一対の電極が形成され、その電極の間が抵抗層の発熱部となる。その後、これらをインクから保護するための保護層と、発熱に伴う化学的或いは物理的なダメージから保護層を保護するための耐キャビテーション膜が形成される。
このような構成においては、発熱部を形成するための電極のエッジ部のステップカバレッジが悪くなる場合がある。それを模式的に示したのが図3である。図示した回路基板には、Si基板(不図示)上にSiO2の酸化層61があり、酸化層61の上にTaSiNの抵抗層62が形成されている。なお、酸化層61はSi基板の表面を酸化して形成されたもので、図5では表面の酸化層のみを示している。抵抗層62上にはAlの配線63があるが、一部には抵抗層62上に配線63の無い部分がある。配線63の無い部分が抵抗層の発熱部64となる。抵抗層62及び配線63の上には、これらをインクから保護するためのP-SiN等からなる保護層65があり、また、抵抗層の発熱部64では、発熱に伴う化学的或いは物理的なダメージから保護層65を保護するTaの耐キャビテーション膜66が保護層65の更に上にある。配線63のエッジ部はほぼ垂直な構成で示してある。
液体吐出装置用の回路基板は上述したような発熱抵抗素子を高密度で複数有し、高精細の画像の記録を可能としている。そして、各発熱素子は、発熱抵抗体を流れる電流をオンオフ制御するパワートランジスタ(不図示)とそれぞれ直列に接続されている。
図4は、1つの発熱抵抗体を有する発熱素子に着目した回路基板の等価回路である。図4を参照すると、ヒータ電圧VHと接地電位GNDとの間に、配線63の抵抗RAl、発熱抵抗体を有する発熱素子と等価な抵抗RHおよびパワートランジスタTRが直列に接続されている。
配線63の抵抗RAlを小さくすれば、発熱抵抗体を有する発熱素子の発する熱エネルギーを低下させることなく、インクジェット記録装置を低消費電力化することが可能である。抵抗RAlの値を小さくするためには、配線63の膜厚を厚くするのが有効である。
また、液体吐出ヘッドの往復移動を減らし、記録装置の高速化の要求に応えるために、近年では回路基板の長尺化が図られている。回路基板が長尺化すると必然的に配線63が長くなる。配線63が長くなると抵抗RAlの値が大きくなるので、その対策としても配線63の膜厚を厚くするのが有効である。
保護層65等による抵抗層の発熱部64のステップカバレージを良くするためには保護層65等を厚くすればよい。しかし、保護層65等は熱エネルギーがインクへ伝達するときの熱抵抗となるので、保護層65が厚ければ、駆動電力を大きくする必要があり、また、熱伝導遅延により周波数特性が劣化する。そのため、液体吐出ヘッドの低消費電力化及び高性能化が阻害される。
液体吐出ヘッドの他の回路基板として、この点が改善されたものがある。
図5は、従来の他の回路基板の発熱抵抗素子の一例を示す断面図である。図5では、図3のものと同様に、酸化層61上に抵抗層62があり、発熱部82でない部分では、抵抗層62上に配線81がある。しかし、図5では、エッジ部85が抵抗層62の膜面に対して垂直でなく、所定の角度を有するテーパー状になっている。
この回路基板によれば、保護層83や耐キャビテーション膜84による抵抗層の発熱部82のステップカバレージも改善される。テーパー角を適正な範囲とすれば、抵抗層62の一部切断が発生しにくくなり、液体吐出ヘッドの耐久性が改善される。特許文献1には、このようなテーパーの角度の規定に関して記載されており、特許文献2及び3にはテーパー形状を作製するための方法に関して記載されている。
図5のような回路基板を形成する方法の一例は、まず、抵抗層62の上に配線となるAlの材料層を堆積してドライエッチングによりパターニングし、さらにマスク用フォトレジスト(ノボラック樹脂を主成分とするポジ型レジスト)を塗布して、エッチングする部分のマスク用フォトレジストを除去して開口部を開ける。そして、テトラ・メチル・アンモニウム・ハイドロオキサイド(以下、TMAHと称す)を主成分とするアルカリ性溶液でマスク用フォトレジストを開口部にて後退させながら、材料層をエッチングする。
そうすると、マスク用フォトレジストが後退した領域では材料層は所定の角度の斜面となり、配線81のエッジ部85は垂直ではなくテーパー状になる。その後に、マスク用フォトレジストを除去した後に、保護層や耐キャビテーション膜を形成すればよい。
テーパー状のエッジ部を有する配線を形成する他の方法として、マスク用フォトレジストを剥離しながら、Alの材料層をエッチングするものがある。この方法では、エッチング液がマスク用フォトレジストの下に段々と入り込んでテーパー形状を形成する。
また特許文献3には、配線電極の材料層のマスク用フォトレジストをエッチング後退させながら前記配線電極の材料層をエッチングして配線電極を形成した後、基板の温度を低温から高温に変えて配線電極上に保護膜を形成するプロセスが記載されている。
特開平4-320847号公報 特開平4-320849号公報 特開平4-320850号公報 特開平5-096732号公報
しかしながら、上記抵抗層の発熱部を露出させるパターニングを行なう際、エッジ部85に、Al溶出が生じ、保護膜や耐キャビテーションのカバレージ不良を引き起こす場合がある。これは、配線のエッジ部をテーパー形状としたとしてもカバレッジ不良を引き起こす原因となる場合がある。
したがって本発明の目的は、上記抵抗層の発熱部を露出させるパターニングを行なう際、Al溶出を防ぎ、配線のエッジ部において保護層や耐キャビテーション膜によるステップカバレージが良好な回路基板及びそれを用いた液体吐出ヘッドを提供することである。
上記課題は、本発明者らの検討によって、パターニング時のウェットエッチング及び、ウェットエッチング後の水洗により生じており、AlとCuの局部電池構造による電池効果により、Cu周りのAlが溶出していることに起因することが見出された。
本発明はこの問題を解決するために成されたものである。
すなわち、
抵抗層と、該抵抗層に導通するように配置された電極と、を有する素子の複数が、基板の絶縁性表面上に配置され、さらに、該抵抗層と該電極とが保護層で覆われている回路基板の製造方法において、
(a)前記基板の表面上に、前記抵抗層を形成するための抵抗材料層と、前記電極を形成するための電極材料層とをこの順に積層する工程と、
(b)前記電極材料層上に、前記素子ごとに分離するためのパターンを有するレジスト層(I)を形成する工程と、
(c)該レジスト層(I)のパターンに基づいて前記抵抗材料層及び前記電極材料層をエッチングによりパターニングして、前記抵抗層上に前記電極材料層が積層された積層構造を形成する工程と、
(d)該積層構造上のレジスト層(I)を除去する工程と、
(e)前記抵抗層を露出させる部分の前記電極材料層を除去するためのパターンを有するレジスト層(II)を形成する工程と、
(f)該レジスト層(II)のパターンに基づいて、ウェットエッチングすることにより前記抵抗層を露出させる部分の前記電極材料層を除去し、抵抗層の発熱部と前記電極を形成する工程と、
(g)前記工程(d)は150℃以下にて行なうこと;を特徴とする回路基板製造方法に関する。
したがって、本発明の方法により製造された回路基板は、発熱抵抗体を有する発熱素子形成時のウェットエッチングやウェットエッチング後の水洗時に生じていたAl溶出が無くなるため、保護層や耐キャビテーション膜のステップカバレージ性がよい。
以下図面を参照しながら各実施形態・工程ごとに詳細に説明する。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の一態様の回路基板の製造方法に関するプロセスフロー図である。
また、図2は、図1のプロセスフローについての断面図である。本態様に特徴的な発熱体を有する発熱抵抗素子を形成する方法について説明する。
[基板]
まず、本発明において、回路を形成する基板としては、表面が絶縁性であり、かつ、表面上へのスパッタリング等による積層が可能で、通常のエッチング処理に対しても安定である材質であれば、特に制限はない。例えば、汎用のSiウエハの表面に酸化処理でSiO2の酸化層を形成したものなどが利用可能である。
特に本発明の場合は、図2(A)に示すように、絶縁層12と蓄熱層13をこの順番でSiの基板11上に堆積したものを用いるのが好ましい。代表的には絶縁層12としてBPSG(Boro-Phospho-Silicate-Glass)を、蓄熱層13としてプラズマCVDによる酸化シリコン(P-SiO)を用いるのが特に好適である。
絶縁層12の膜厚は400〜900nm、代表的には700nmが好ましく、蓄熱層13の膜厚は500〜2000nm、代表的には1200nmが好ましい。
[抵抗材料層(発熱抵抗体膜)]
上記絶縁性・蓄熱性表面を有する基板に対して抵抗材料層14を堆積する。ここで抵抗率300〜2000μΩ・cmの範囲の材質でスパッタリング等により積層できるものであれば特に制限はないが、生産性の点からTaN、TaSiNなどが好適に用いられる。特にTaSiNが比抵抗を容易に上げることが出来ること、材料調達の容易な点で好ましい。中でも非晶質のTaSiNが好適である。本発明では抵抗(材料)層の厚さは耐久性の点から30nm〜80nmが好ましい。
[配線層(電極材料層)]
続いて配線層を形成するための電極材料層15をスパッタリング法にて、堆積する。本発明における配線層(電極材料層)を形成する材料としては、導電性を有する材料であれば特に制限なく使用できるが、通常は、アルミニウムや銅を主成分とする金属を用いることが多い。特に、配線層を形成する材料としてアルミニウムを主成分とする材料を用いた場合に、従来技術において発熱素子上の保護層および耐キャビテーション膜の被覆性が悪くなる傾向があり、本発明の効果が大きい。例えば、Al-Cuや、Al-Si-Cu、Al-Si,Al-Ta等が挙げられ、とりわけAl-Cuの場合に効果が顕著である。なお、「主成分」とは、その材料中に最も多く含まれる成分を意味する。
なお、配線層膜厚は配線抵抗の合わせ込みのために任意の膜厚に設定できる。通常は、200〜1500nmの範囲で形成し、特に耐久性との両立の点から200〜600nm、特に600nmが好ましい。
[エッチングによる素子分離]
続いて配線層の上にレジスト層(I)を形成し、パターニングしたのち、抵抗材料層14と電極材料層15を一括エッチングして素子分離を行い、配線を形成する(図2(B))。この工程でのエッチング処理は、所期の目的を達成できるものであれば、特に制限はないが、好ましくはドライエッチング、特にRIEによるドライエッチングが好適である。
[灰化処理(アッシング)]
エッチングの後、レジスト層(I)を灰化処理(アッシング)により除去する。例えば、CF4-O2-メタノールガス、CF4-O2ガス、あるいは、CHF3、C26、C48等のフロロカーボン系のガス等によるアッシングを行なうことが挙げられる。ここで、第1の実施形態においてはレジストを除去する灰化処理時に処理温度を150℃以下とする。この温度設定については後述する。
[発熱抵抗素子の形成]
灰化処理に続いて、レジスト層(II)を形成し、マスクを用いてパターニングを実施した後、抵抗層の発熱部16の部分の電極材料層をウェットエッチングにて除去する(図2(C))。ウェットエッチングの後、純水で洗浄してウェットエッチング液をよく洗い落としておく。
[ウェットエッチング液]
ウェットエッチング液としては、有機アルカリエッチング液や酸エッチング液が好適に用いられる。前者の代表としてはTMAH、後者の代表としてはリン酸混合エッチング液が挙げられる。
場合によっては、配線金属のエッチングを過不足なく行なうために、エッチング液中に配線金属と錯体を形成するキレート剤を添加することができる。キレート剤の添加量は、数ppm〜数%の範囲が好ましく、液がアルカリ性の場合はキレート剤もアルカリ性のもの、例えばBTA、リン酸アミンなど、また液が酸性の場合はキレート剤も酸性のもの、例えばクエン酸、シュウ酸、あるいはEDTAなどが好ましい。
[保護層]
次に、保護層を堆積する(図2(D))。保護層としてはP-SiNなどが好適であり、プラズマCVD法により成膜するのが好ましい。通常保護層の膜厚は配線層の膜厚より厚くなければ被覆性が極端に低下するが、本発明の場合は幾分薄くしても被覆性に影響が出ない。一例として、保護層17の膜厚は300nm〜800nmである。
[耐キャビテーション層]
さらに、必要に応じて、発熱部分を覆うように、保護層17の上に耐キャビテーション層18を堆積する(図2(E))。耐キャビテーション層としては通常Taが用いられる。成膜方法はスパッタリングが好ましい。一例として、耐キャビテーション層の膜厚は230nmである。
以上のようにして発熱抵抗体を有する発熱素子が形成された回路基板は、発熱素子形成時のウェットエッチングやウェットエッチング後の水洗時に生じていたAl溶出が無くなるため、ステップカバレージ性が高く、インクによる侵食で抵抗層14に一部切断が生じ難く、耐久性の高い記録ヘッドを実現できる。ここで、ステップカバレージ性とは、保護層等が抵抗層や電極(配線)を十分な厚さで覆って保護しているかどうかの度合いである。ステップカバレージ性の悪い部分があると、そこに十分な厚さの保護層を形成するために、全体的に厚い保護層を堆積する必要があり、熱伝達効率や熱伝達速度が劣化してしまう。ステップカバレージ性が全体的に均一で良好であれば、熱伝達効率がよく低消費電力で、熱伝達速度が速く高速動作可能な、耐久性の高い記録ヘッドを作ることができる。
また、ここで用いた各層の膜厚は一例であり、本発明がこれらに限定されるものではない。特に、本発明は電極(配線)15の膜厚が厚い場合に有効であるが、600nm以下の場合に用いてもよい。
[レジスト灰化処理時の処理温度]
以下、レジスト灰化処理時の処理温度について説明する。
例えば、0.5%の割合でCuを含有するAl合金膜をスパッタリングにより成膜した場合、成膜直後は、CuはAl膜中に固溶している。しかし、電極(配線)15をパターニングする際のレジスト灰化時に、反応速度を向上させるために、ステージ温度を200℃以上の温度に上げて処理すると、CuはAl中を動けるようになり、灰化後、常温までゆっくりと冷却されるため、AlはCuを固溶することが出来ず、固溶しきれないCuがAlの粒界に析出する。該析出したCuを起点に、発熱抵抗素子パターニング時のウェットエッチングやウェットエッチング後の水洗時に、局部電池効果により、Alが溶出する。
したがって、Cu析出をさせない150℃以下のレジスト灰化処理を行なうことにより、局部電池効果によるAl溶出を防ぎ、電極(配線)15や保護層や耐キャビテーション膜のステップカバレージ性がよくなることを見出したのである。
本発明に係るインクジェット記録ヘッド用基体の製造方法の一例について説明する。本発明に係るインクジェト記録ヘッド用基体の製造は、上述した本発明の特徴である抵抗層の発熱部の形成以外は従来から良く知られた工程により行われる。
まず、P型シリコン基板に対して、シリコン酸化膜の形成、N型不純物のイオン注入及び熱拡散、フォトリソグラフィーによるシリコン酸化膜の除去等により、インクジェット記録ヘッドを駆動するための駆動素子であるトランジスタと、それに接続されたAlの各種電極を形成する。この状態では上部に各種電極が露出している。
次に、スパッタリング法やCVD法により、絶縁層12および蓄熱層13を形成する。そして、電気的接続が必要な電極の上の絶縁層12および蓄熱層13をフォトリソグラフィーにより除去して、スルーホールを形成する。次に、スルーホールが形成された電極上と蓄熱層13上に、TaSiNなどの抵抗材料層14とAlの材料層を堆積し、パターニングして配線15を形成する。
次に、抵抗層の発熱部16の部分を形成するため、マスクを用いてパターニングを実施し、その後、抵抗層の発熱部16の部分のAl層をウェットエッチングにて除去する。
保護層17および耐キャビテーション膜18をこの順に堆積し、必要に応じて各膜の部分的に除去してボンディング用のパッドを形成することで、インクジェット記録ヘッド用基体が完成する。
こうして得られた回路基板の上に吐出口を形成することにより、液体吐出ヘッドを製造することができる。具体的には、ノズル壁や天板等を回路基板上に設けて、吐出口及びインク流路を備えた吐出部を作ればよい。
図6は、本発明の一実施形態の回路基板を用いた液体吐出ヘッドの一形態を説明するための図であり、液体吐出ヘッドの一部分を示している。
本発明で示した回路が作製された素子基体152上には、電流が流れる電気信号を受けることで熱を発生し、その熱によって発生する気泡によって吐出口153からインクを吐出するための電気熱変換素子141が複数列状に配されている。この電気熱変換素子のそれぞれには、各電気熱変換素子を駆動するための電気信号を供給する配線電極154が設けられており、配線電極の一端側は不図示のスイッチ素子に電気的に接続されている。
電気熱変換体141に対向する位置に設けられた吐出口153へインクを供給するための流路155がそれぞれの吐出口153に対応して設けられている。これらの吐出口153および流路155を構成する壁が溝付き部材156に設けられており、これらの溝付き部材156を前述の素子基体152に接続することで流路155と複数の流路にインクを供給するための共通液室157が設けられている。
図7は本発明の発熱抵抗体を有する素子基体152を組み込んだ液体吐出ヘッドの構造を示すもので、枠体158に素子基体152が組み込まれている。この素子基体上には前述のような吐出口153や流路155を構成する部材156が取り付けられている。そして、装置側からの電気信号を受け取るためのコンタクトパッド159が設けられており、フレキシブルプリント配線基板160を介して素子基体152に、装置本体の制御器から各種駆動信号となる電気信号が供給される。
図8は本発明の回路基板を用いた液体吐出ヘッドが適用される液体吐出装置の一実施形態を説明するためのものであり、インクジェット記録装置IJRAの概観を示している。
駆動モータ5013の正逆回転に連動して駆動力伝達ギア5011、5009を介して回転するリードスクリュー5005のら線溝5004に対して係合するキャリッジHCは、ピン(不図示)を有し、矢印a、b方向に往復移動される。
5002は紙押え板であり、キャリッジ移動方向にわたって紙を記録媒体搬送手段であるプラテン5000に対して押圧する。5007、5008はフォトカプラでキャリッジのレバー5006のこの域での存在を確認してモータ5013の回転方向切換等を行なうためのホームポジション検知手段である。5016は記録ヘッドの前面をキャップするキャップ部材5022を支持する部材で、5015はこのキャップ内を吸引するでキャップ内開口5023を介して記録ヘッドの吸引回復を行なう。5017はクリーニングブレードで、5019はこのブレードを前後方向に移動可能にする部材であり、本体支持板5018にこれらは支持されている。ブレードは、この形態でなく周知のクリーニングブレードが本例に適用できることはいうまでもない。又、5012は、吸引回復の吸引を開始するためのレバーで、キャリッジと係合するカム5020の移動に伴って移動し、駆動モータからの駆動力がクラッチ切換等の公知の伝達手段で移動制御される。
これらのキャッピング、クリーニング、吸引回復は、キャリッジがホームポジション側領域にきたときにリードスクリュー5005の作用によってそれらの対応位置で所望の処理が行なえるように構成されているが、周知のタイミングで所望の作動を行なうようにすれば、本例には何れも適用できる。上述における各構成は単独でも複合的に見ても優れた発明であり、本発明にとって好ましい構成例を示している。
尚、本装置は、電源電圧や画像信号や駆動制御信号などを素子基体152に供給するための電気回路からなる制御器駆動信号供給手段(不図示)を有している。
又、本発明は、上述した各種実施形態に限定されるものではなく、上述した課題を解決できるものであれば、本発明の各構成要件を代替物や均等物に置換できることは明らかである。
(実施例1、比較例1)
本発明の第一の実施形態に基づいて発熱抵抗素子を有する回路基板を製造した。
まず、Siの基板11上に、BPSG(Boro-Phospho-Silicate-Glass)の絶縁層12、プラズマCVDによる酸化シリコン(P-SiO)の蓄熱層13の順に堆積し、さらに、非晶質TaSiNからなる抵抗材料層14を堆積した。その上にスパッタリング法を用い、銅0.5 at%を含有するアルミニウム(Al-Cu)の電極材料層15を形成した(図2(A))。
ここで、絶縁層12の膜厚は700nmであり、蓄熱層13の膜厚は1200nmであり、抵抗材料層14の膜厚は、40nmである。また電極材料層15の膜厚は600nmである。
次に、電極材料層15の上にレジスト層(I)を形成し、パターニングした後、RIEによって抵抗材料層14と電極材料層15をドライエッチングにより、一括エッチングして素子分離を行い、配線を形成した(図2(B))。続いてレジスト層(I)をCF4-O2-メタノールガスによる灰化処理で除去した。この時に処理温度を150℃とした(実施例1-a)。同様の処理を同一条件の別々の試料について温度を変えて行った(実施例1-b:100℃、実施例1-c:25℃、比較例1-a:250℃、比較例1-b:200℃)。
次に、抵抗層の発熱部16の部分を形成するため、レジスト層(II)を形成し、マスクを用いてパターニングを実施し、その後、抵抗層の発熱部16の部分のAl層をウェットエッチングにて除去した(図2(C))。この時用いたウェットエッチング液はリン酸、硝酸、酢酸の混合液であった。
次に、プラズマCVDによる窒化シリコン(P-SiN)の保護層17を堆積した(図2(D))。保護層17の膜厚は260nmであった。
次に、抵抗層の発熱部16を覆うように、保護層17の上にスパッタリング法によりTaの耐キャビテーション層18を堆積した(図2(E))。耐キャビテーション層の膜厚は230nmであった。
このメカニズムを以下の方法により、評価する。
上記のようにレジスト灰化温度を変えて作製した回路基板をBHF(バッファードフッ酸)の溶液中に浸し、その中から保護膜や耐キャビテーション膜のステップカバレッジが悪く、抵抗層や電極(配線)が浸蝕されたもの不良とし、その個数を評価した。
表1に、その評価結果を示す。(不良数ゼロが、カバレッジ性として合格)
Figure 2005057066
表1に示すように、配線パターニング時のレジスト灰化処理温度を150℃以下にすることにより、保護膜、耐キャビテーション膜のカバレッジ性が飛躍的に向上している。
以上のようにして発熱抵抗体を有する発熱素子が形成された回路基板は、発熱素子形成時のウェットエッチングやウェットエッチング後の水洗時に生じていたAl溶出が無くなるため、ステップカバレージ性が高く、インクによる侵食で抵抗層14に一部切断が生じ難く、耐久性の高い記録ヘッドを実現できる。ここで、ステップカバレージ性とは、保護層等が抵抗層や電極(配線)を十分な厚さで覆って保護しているかどうかの度合いである。ステップカバレージ性の悪い部分があると、そこに十分な厚さの保護層を形成するために、全体的に厚い保護層を堆積する必要があり、熱伝達効率や熱伝達速度が劣化してしまう。ステップカバレージ性が全体的に均一で良好であれば、熱伝達効率がよく低消費電力で、熱伝達速度が速く高速動作可能な、耐久性の高い記録ヘッドを作ることができる。
保護層17および耐キャビテーション膜18をこの順に堆積し、必要に応じて各膜の部分的に除去してボンディング用のパッドを形成することで、インクジェット記録ヘッド用基体が完成する。
こうして得られた回路基板の上に吐出口を形成することにより、液体吐出ヘッドを製造することができる。具体的には、ノズル壁や天板等を回路基板上に設けて、吐出口及びインク流路を備えた吐出部を作ればよい。
本発明の方法により製造された回路基板は、発熱抵抗体を有する発熱素子形成時のウェットエッチングやウェットエッチング後の水洗時に生じていたAl溶出を防ぐことができ、保護層や耐キャビテーション膜のステップカバレージ性を向上させる。
本発明の一態様の回路基板の製造方法について説明するためのプロセスフロー図である。 本発明の一態様の回路基板の製造方法について説明するための断面図である。 従来の液体吐出ヘッド用の回路基板の発熱抵抗体を有する発熱素子の一例を示す断面図である。 1つの発熱抵抗体を有する発熱素子に着目した回路基板の等価回路である。 従来の他の回路基板の発熱抵抗体を有する発熱素子の一例を示す断面図である。 本発明の回路基板を用いた液体吐出ヘッドの一部分を示す図である。 本発明の発熱抵抗体を有する発熱素子を組み込んだ液体吐出ヘッドの構造を示す図である。 本発明の回路基板を用いた液体吐出ヘッドが適用される液体吐出装置の一形態を説明する図である。
符号の説明
11:基板
12:絶縁層
13:蓄熱層
14、62:抵抗層;抵抗材料層
15、63、81:電極(配線(層));電極材料層
16、64、82:抵抗層の発熱部
17、65:保護層
18、66、84:耐キャビテーション膜
61:酸化層
85:エッジ部
141 電気熱変換体
152 素子基体
153 吐出口
154 配線電極
155 流路
156 溝付き部材
157 共通液室
158 枠体
159 コンタクトパッド
160 フレキシブルプリント配線基板
5002 紙押え板
5004 線溝
5005 リードスクリュー
5006 レバー
5007、5008 フォトカプラ
5009、5011 駆動力伝達ギア
5012 吸引開始レバー
5013 駆動モータ
5017 クリーニングブレード
5018 本体支持板
5019 ブレード可動化部材
5020 カム
5023 キャップ内開口

Claims (4)

  1. 抵抗層と、該抵抗層に導通するように配置された電極と、を有する素子の複数が、基板の絶縁性表面上に配置され、さらに、該抵抗層と該電極とが保護層で覆われている回路基板の製造方法において、
    (a)前記基板の表面上に、前記抵抗層を形成するための抵抗材料層と、前記電極を形成するための電極材料層とをこの順に積層する工程と、
    (b)前記電極材料層上に、該抵抗材料層と該電極材料層とを前記素子ごとに分離するためのパターンを有するレジスト層(I)を形成する工程と、
    (c)該レジスト層(I)のパターンに基づいて、前記抵抗層上に前記電極材料層が積層された積層構造を形成する工程と、
    (d)該積層構造上のレジスト層(I)を除去する工程と、
    (e)前記抵抗層を露出させる部分の前記電極材料層を除去するためのパターンを有するレジスト層(II)を形成する工程と、
    (f)該レジスト層(II)のパターンに基づいて、ウェットエッチングすることにより、抵抗層の発熱部と前記電極を形成する工程と、
    を含み、前記工程(d)は150℃以下にて行なうことを特徴とする製造方法。
  2. 前記電極は、Al及びCuを含むことを特徴とする、請求項1に記載の回路基板製造方法。
  3. 前記電極の形成は、ドライエッチングであることを特徴とする、請求項1記載の回路基板製造方法。
  4. 前記ドライエッチングの直後、レジストのアッシング(灰化)により不要な部分を除去する工程を有する請求項3に記載の回路基板の製造方法。
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