JP2004306315A - インクジェット記録ヘッド及びそれを用いた記録装置、ならびに該インクジェット記録ヘッドの製造方法 - Google Patents

インクジェット記録ヘッド及びそれを用いた記録装置、ならびに該インクジェット記録ヘッドの製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2004306315A
JP2004306315A JP2003100319A JP2003100319A JP2004306315A JP 2004306315 A JP2004306315 A JP 2004306315A JP 2003100319 A JP2003100319 A JP 2003100319A JP 2003100319 A JP2003100319 A JP 2003100319A JP 2004306315 A JP2004306315 A JP 2004306315A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
heating resistor
layer
recording head
ink jet
ink
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2003100319A
Other languages
English (en)
Inventor
Ikutomo Watabe
育朋 渡部
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to JP2003100319A priority Critical patent/JP2004306315A/ja
Publication of JP2004306315A publication Critical patent/JP2004306315A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Abstract

【課題】耐久性等の信頼性を、生産コスト及び記録性能を総合的な観点から更に向上させることのできる構成のインクジェット記録ヘッド及びそれを用いたインクジェット記録装置を提供することにある。
【解決手段】発熱抵抗体の形成を、発熱抵抗層のエッチングによらず、発熱抵抗層の所定部を全層厚にわたって陽極酸化により絶縁部とすることで行い、かつ、発熱抵抗体上の保護膜も陽極酸化膜とするとともに、この保護層の周縁部における層厚を絶縁部へ向けて段階的に変化させる。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、インクジェット記録方式(液体噴射記録方式ともいう)に用いる記録液(インク)の液滴を発生させるためのインクジェット記録ヘッド及び該インクジェット記録ヘッドを用いたインクジェット記録装置、ならびに該インクジェット記録ヘッドの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
インクジェット記録方式は、記録の高速高密度化が可能で、かつ、画像のカラー化、装置の小型化に適しており、近年とみに注目を集めている。
【0003】
この記録方式は、記録用の液体(以下、インクという)の液滴を発生させて紙等の記録媒体に付着させて記録を行うものであり、液滴の発生方式としても種々の方式が採用されている。
【0004】
熱エネルギーをインクに作用させて発泡を生じさせて液滴を発生させる方式による記録ヘッドには、インクに熱を作用させる熱作用部が存在する。この熱作用部はインクに直接接触する部分を有する上に、インクの発泡、消泡の繰返しによる機械的衝撃(キャビテーションエロージョン)や、数マイクロ秒という短い時間に1000℃近い温度の上昇、下降に曝される部分であるために、十分な耐久性を有することが要求される。すなわち、この熱作用部の耐久性は、記録ヘッドの信頼性に大きく影響する特性の一つとなっている。
【0005】
そのため、従来のインクジェット記録ヘッド(例えば図7)においては、発熱抵抗体2aや電極3上に、例えば、SiO、SiC、Si等からなる酸化及び電食防止のための電気絶縁層5、10やTa等の耐キャビテーションエロージョン層11を設けることで、熱作用部及びその近傍を保護しているのが一般的である。
【0006】
このような構成のインクジェット記録ヘッドは耐久性等の点で実用上満足できるものであったが、記録ヘッドの耐久性を更に向上させようとする場合、生産コストや記録性能との総合的な観点においては限界があった。
【0007】
例えば、SiO等からなる無機絶縁性保護層5、10は、発熱抵抗体及び電極の両方をインクによる電食等から保護するために設けられるものであり、その膜厚を十分に厚くすればその保護特性は大幅に向上する。しかしながら、保護層10の層厚を大きくし過ぎると発熱抵抗体からインクへの熱伝達効率が大幅に低下し、消費電力が増大し、記録装置としての性能に問題が生じたり、保護層製造時に成膜時間が増加した製造コストを上昇させるという問題を生じる。これとは逆に、保護層を薄くした場合、インクへの熱伝達性や保護層製造時における層形成時間に係る問題は解決されるものの、発熱抵抗体上の保護層にピンホールを生じたり、電極の断面の被覆性に問題が生じて信頼性の点において重大な欠点を生じる可能性が増大する。そして、耐キャビテーションエロージョン層11についても同様の問題がある。
【0008】
更に、記録の高速化のためにマルチノズル化を行う場合、発熱抵抗体や電極の配置密度は更に上昇し、上述した問題の発生がより顕著になり、保護膜の欠陥による歩留まりの低下を招く。
【0009】
上記の問題を解決するために、図8(a)に示すように、発熱抵抗体層2a及び電極3の表面のほぼ全面を陽極酸化して酸化被膜12を設け、更に図8(b)に示すように有機絶縁層5を設けた構成が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。この構成では、発熱抵抗体の電気的絶縁を発熱抵抗体の陽極酸化層のみで行うため、陽極酸化層の欠陥や、発熱抵抗体及び電極の端面のステップカバレッジ性が良好で、なおかつ、陽極酸化処理を湿式液中で行うので、陽極酸化膜が形成部位の形状によらずほぼ均一に成長することから膜厚制御も容易であり、しかも、前述した無機保護層よりも薄い膜厚で十分な保護機能が得られる。
【0010】
一方、発熱抵抗体の形成を従来一般的に行われているエッチングによらず、陽極酸化のみで同一層内に配置される発熱抵抗体間の絶縁を確保することが提案されている(例えば、特許文献2参照。)。この方法では、図9(a)に示されるように基体上に設けられた発熱抵抗体層2の所定部を全層厚にわたって陽極酸化して絶縁性を有する陽極酸化部2―1とし、発熱抵抗層として残された部分2―1の所定部に一対の電極(不図示)を配置して発熱抵抗体(不図示)が形成される。このようにして発熱抵抗体が形成された基体にノズル形成材13及び天板14に、図9(b)に示すとおり、各発熱抵抗体にインク流路18が対応して配置されるように接合し、更にインク流路18を利用してインク流路中に露出している発熱抵抗体の表面に陽極酸化が行われる。
【0011】
この方法は、保護層に陽極酸化膜を利用する利点ばかりではなく、煩雑な発熱抵抗体層のエッチング処理を不要とし、フォトリソ工程によるレジストパターンの形成と、陽極酸化の繰り返しで発熱抵抗体のパターン形成が可能となるという利点を有する。
【0012】
【特許文献1】
特開昭63−191648号公報
【特許文献2】
特開平2−78556号公報
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図7に示すような無機絶縁層の代りに、陽極酸化層と有機絶縁層を用いる構成では、構成の簡略化、熱効率の向上などにおいて満足できるものであるが、より高度な信頼性、例えばより長期にわたる耐久性を得るには、以下のような改善すべき問題をなお個別に有するものであった。
【0014】
すなわち、図8に示される構成では、発熱抵抗体が、有機絶縁層端部を境界として、有機絶縁層に被覆された部分と被覆されない部分とに分割されているが、より長期の使用において、この有機絶縁層端部による境界付近での破断等の欠陥が生じる場合があった。これは、発熱抵抗体の抵抗分布がほぼ均一であり、その単位面積あたりの発熱量が同一であることから、発熱抵抗体の有機絶縁層に被覆されている部分の蓄熱が、被覆されていない部分に比較して大きくなって高温になり、有機絶縁層の端部の境界部分における温度差が原因となって破断が生じるものと考えられる。
【0015】
更に、この構成においては、発熱抵抗体層のパターニングをエッチングを利用して行う際に、発熱抵抗体層のエッチングによるパターニングの際に、オーバーエッチングされると、その下部の蓄熱層までエッチングが及び、更に、発熱抵抗体層として残される部分の蓄熱層側の面(下面)もエッチングされるとその部分がオーバーハング状となる。このようなオーバーハング状部分では良好な陽極酸化膜の形成が行われにくい場合が多く、より長期にわたる使用における欠陥の原因となり易い。そして、このオーバーハング部分の発熱抵抗体端面から劣化が進行すると、最終的には破断に至る。
【0016】
従って、この構成では、エッチング精度が低い場合にはインクジェット記録ヘッドの耐久寿命が短くなるので、エッチング精度を高めるための特別な配慮や処置は必要となってくる。
【0017】
一方、図9に示す構成においても、より長期にわたる使用においては、良好な耐久性が必ずしも得られない場合があった。その原因としては陽極酸化による体積膨張に伴う応力の影響が考えられる。すなわち、発熱抵抗体層を部分的に陽極酸化すると、酸化物となった部分が、おおむね1.5倍から3倍程度の割合で体積膨張する。図9の構成では、絶縁部とすべき部分に対して全層厚にわたって陽極酸化処理が行われ、残りの部分が発熱抵抗体層のまま残される。このような構成において、陽極酸化された部分における陽極酸化膜は膜厚方向に成長する一方で、陽極酸化された部分に層方向(層厚と垂直な方向)での応力の残留が生じる傾向にある。このような内部応力の残留が生じると、インクジェット記録ヘッドのより長期使用における発熱抵抗体層の蓄熱層からの剥離を生じ易く、このような剥離が生じると最終的には破断に至ってしまう。
【0018】
本発明の目的は、耐久性等の信頼性を、生産コスト及び記録性能を総合的な観点から更に向上させることのできる構成のインクジェット記録ヘッド及びそれを用いたインクジェット記録装置を提供することにある。
【0019】
本発明の他の目的は、発熱抵抗体層の所定部を陽極酸化処理によって全層厚にわたる絶縁部とすることで発熱抵抗体の形状を得る方法の利点を生かしつつ、電気絶縁性に優れ、なおかつ、耐キャビテーションエロージョン性に優れ、また、発熱抵抗体層の剥離等の信頼性上の課題を解決し、更に、工程が簡便で、かつ、熱効率に優れたインクジェット記録ヘッドを提供することにある。
【0020】
【課題を解決するための手段】
本発明のインクジェット記録ヘッドは、
基体と、基体上に設けられた蓄熱層と、該蓄熱層上に設けられた発熱抵抗体と、該発熱抵抗体に所定間隔を置いて電気的に接続された一対の電極とを有する発熱素子基板と、前記発熱抵抗体に対応して該発熱素子基板上に設けられたインク流路と、該インク流路に連通するインク吐出口とを有し、
前記発熱抵抗体が、発熱抵抗体層に部分的に設けられた全層厚方向での陽極酸化による絶縁部により絶縁された部分からなり、かつ
少なくとも前記発熱抵抗体及び電極の表面の前記インク流路下に相当する部分が陽極酸化膜からなる保護層で被覆されたインクジェット記録ヘッドにおいて、
前記発熱抵抗体上の陽極酸化膜からなる保護層の、前記陽極酸化による絶縁部と隣接部分において、該絶縁部に向かう方向で段階的に厚したことを特徴とする。
【0021】
前記発熱抵抗体上に有機絶縁層を更に有することができる。また、本発明のインクジェット記録ヘッドは、一対の電極が接続された前記発熱抵抗体を複数有し、かつ、これら発熱抵抗体の各々に対応してインク流路及び吐出口を設けるとともに、これら発熱抵抗体の各々を独立して駆動可能とする構成も採ることもできる。
【0022】
更に、本発明の記録装置は、上記のインクジェット記録ヘッドと、該記録ヘッドを載置するための部材と、該インクジェット記録ヘッドの吐出口を記録媒体の記録面に対向させて、該吐出口からインクを記録信号に応じて吐出させるための手段とを、有することを特徴とする。
【0023】
また、本発明のインクジェット記録ヘッドの製造方法は、基体上に所定間隔で対向する一対の電極に電気的に接続された発熱抵抗体を配置した発熱素子基板と、該発熱抵抗体に対応して設けた吐出口に連通するインク流路とを有するインクジェット記録ヘッドの製造方法において、前記発熱素子基板の形成が、
(a)基体の蓄熱層が設けられた面に、発熱抵抗体層及び電極層を設ける工程と、
(b)該電極層を部分的に基体上から除去し、所定間隔で対向する一対の電極を有する電極パターンを得る工程と、
(c)前記発熱抵抗体層に、少なくとも前記対向する一対の電極間に発熱抵抗層を残して、全層厚にわたる陽極酸化を部分的に行い絶縁部を形成することで、前記発熱抵抗体を得る工程と、
(d)前記発熱抵抗体及び電極の表面の、少なくとも前記インク流路下に相当する部分に、前記陽極酸化による絶縁部と隣接する前記発熱抵抗体の縁部において該絶縁部に向けて膜厚が段階的に厚くなった陽極酸化膜からなる保護層を設けて発熱素子基板を得る工程と
を有することを特徴とする。
【0024】
本発明においては、前記発熱抵抗体層に対して、酸化領域を変えて複数回の陽極酸化処理によって、前記陽極酸化膜の膜厚の段階的変化を得ることができる。
【0025】
また、前記発熱抵抗体の表面に設けられた陽極酸化膜からなる保護層上に、有機絶縁層を更に設けることもできる。
【0026】
本発明のインクジェット記録ヘッドにおいては、発熱抵抗体及び電極の表面の所定の部分に設けられた陽極酸化膜からなる保護層の、発熱抵抗体層の所定部分に設けた全層厚方向にわたる陽極酸化により得られた絶縁部と隣接する縁部の層厚を該絶縁部に向けて段階的に厚くした構造を有することで、陽極酸化された部分における残留応力の発生を十分に抑えて、陽極酸化された部分の剥離等の欠陥の発生を効果的に防止できる。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下図面に従って本発明の典型例について説明する。図1は本発明のインクジェット記録ヘッドに用いる発熱素子基板の製造方法の一例における主要工程を模式的に示す図であり、(a)及び(b―1)〜(e―1)は、(b―2)におけるA―A’線における切断面として示すものであり、(b―2)〜(e―2)は平面図として示すものである。
【0028】
まず、図1(a)に示すように、基体1上に、発熱抵抗層2、電極層3を設ける。基体1は、例えば単結晶シリコン、セラミック、ガラス、絶縁性材料を被覆した金属基板等からなる絶縁性の板状などの所定の形状の部材からなり、その表面には蓄熱層(不図示)が設けられている。この蓄熱層は、例えばSiO等から形成することができる。この蓄熱層の層厚は、通常用いられている層厚とすることができる。SiO層の形成は、スパッタ等の真空成膜による方法、各種成膜法で形成されたSi、SiC等の層を熱酸化処理する方法等によって形成できる。
【0029】
電極層3を構成する材料としては、陽極酸化処理により保護層としての機能を有する酸化膜をその表面に形成でき、かつ、電気伝導性に優れた材料であれば何でもよいが、例えば、Alや、Al合金などを用いることができる。電極材料層の積層には通常の成膜方法が利用できる。
【0030】
次に、図1(b―1)及び(b―2)に示すように、電極層3を所定の形状にパターニングする。このパターニングは、例えば、フォトリソグラフィー法を用いてパターニングしたレジストをマスクとするエッチングにより行うことができる。このパターニングにより電極は所定形状の2つの部分3a、3bに分割され、これらの部分の端部が、所定間隔で対向して一対の電極を構成している。電極のパターニングが終了したところで、陽極酸化すべき部分(図示した例では、外部電極接続端子部7以外の部分)以外をフォトリソグラフィー法を用いてパターニングしたレジストで覆った後、露出部分に陽極酸化処理を行って図1(c―1)及び(c―2)に示すように陽極酸化膜4aを形成する。このときの陽極酸化処理は、電極3及び発熱抵抗体層2の表面について行われ、最終的にこれらの絶縁及び保護のための層の主要部分となる。従って、陽極酸化膜4aの膜厚は、絶縁及び保護層としての機能を満たすように設定され、用いる材料によっても異なる。
【0031】
更に、レジストパターンを、基体1上に常法により設け、陽極酸化処理を所定部分について行い、図1(d―1)及び(d―2)に示すような陽極酸化膜4bを設ける。この陽極酸化膜4bは、後に形成される全層厚にわたる陽極酸化による絶縁部(4c)と隣接する膜として残される部分を有し、この4bによって陽極酸化膜からなる保護層の段階的な層厚の変化が供給される。従って、陽極酸化膜4bは先に形成された陽極酸化膜4aよりも厚く形成される。
【0032】
この陽極酸化膜4bによって得られる層厚の段階的な変化により、陽極酸化部の体積膨張に基づく内部応力の残留を防止、または十分に低減することができる。従って、陽極酸化膜4bの設置位置、幅、面積等は、かかる効果が得られるように用いる材料や発熱素子基板の所望とする構成等に応じて適宜設定される。
【0033】
陽極酸化膜4bの形成が終了したところで、陽極酸化用のレジストマスクの形成と陽極酸化処理を常法により行って図1(e―1)及び(e―2)に示す陽極酸化部4cを形成する。この陽極酸化膜4cは発熱抵抗体層の全層厚方向に形成されるもので、この陽極酸化部4cによって絶縁部が構成される。
【0034】
以上のように、陽極酸化処理を複数回に分けて行い、絶縁部4cから発熱抵抗体あるいは電極部に向かう方向における陽極酸化膜の膜厚を段階的に変化させることで、陽極酸化された部分における体積膨張による内部応力の残留を防止、あるいは十分に低減し、内部応力の残留による発熱抵抗体層の剥離等の欠陥の発生を効果的に防止することが可能となる。
【0035】
本発明においては、絶縁部及び電極に対する絶縁性や耐インク性を更に向上させるために、図2に示すような電気的絶縁と耐インク遮断層としての有機保護層5を設けてもよい。この有機保護層の形成は、有機保護層としての機能を得ることのできる材料を用い、常法により行うことができる。有機保護層の層厚も、所望の機能が得られるものであればよい。
【0036】
一方、本発明における膜厚の異なる陽極酸化膜の形成順序は、図1におけるものに限定されず、本発明の効果が得られる範囲内で適宜変更可能である。例えば、図3に示すように、図1とは逆の順序で各陽極酸化膜(部)を形成することもできる。すなわち、この方法では、まず、図3(b)に示すように基体1上に発熱抵抗層2及び電極パターン3を設ける。ここまでは、図1の(a)〜(b―1)及び(b―2)で説明した操作と同様である。次に、電極のパターニングが終了した状態の基体1上の陽極酸化すべき部分以外に、陽極酸化処理におけるマスクとなり得るポジ型レジスト8を積層する。この状態で陽極酸化処理を行い、図3(c―1)及び(c―2)に示すように陽極酸化部4cを形成する。
【0037】
次に、レジスト8に所定のパターンでの露光を行い、露光部を現像により除去し、次の陽極酸化膜を設ける部分を露出させる。この状態で陽極酸化処理を行って、図3(d―1)及び(d―2)に示すように陽極酸化膜4bを得る。
【0038】
更に、レジスト8に再度所定のパターンでの露光を行い、露光部を現像により除去し、次の陽極酸化膜を設ける部分を露出させる。この状態で陽極酸化処理を行って、図3(e―1)及び(e―2)に示すように陽極酸化膜4aを得る。
【0039】
以上の操作における各陽極酸化処理の条件は、陽極酸化層における内部応力の残留を防止、あるいは十分な低減が可能となるように設定され、例えば、各陽極酸化膜の膜厚が最終的に図1を用いて説明した膜厚となるようにすることができる。
【0040】
なお、図3に示した方法では、1つのレジストマスクを3つの陽極酸化処理に兼用させることが可能であり、工程の大幅な簡略化を図ることができる。更に、この方法では、発熱抵抗体2aとなる部分及び電極がレジストマスクによって常に保護された状態で陽極酸化等の処理が行われるので、各プロセスにおける処理が電極や発熱抵抗体に与える影響をほぼ完全に排除することで、より信頼性の高いインクジェット記録ヘッドを得ることができる。更に、電極や発熱抵抗体を形成する材料として、各プロセスにおいて保護のための処置が必要な材料でも直接使用することが可能であり、材料の選択幅を拡大することができる。
【0041】
以上説明した例では、絶縁部から発熱抵抗体や電極設置部へ向かう方向での陽極酸化膜の層厚の変化を、陽極酸化膜4bを介した2段階の変化としたが、この段階的な変化は3段階以上でもよいが、この段数は、工程数の増加による生産コストの上昇等と、段階的な膜厚変化による効果とを総合的に判断して決定することができる。
【0042】
以上のようにして基体上に発熱抵抗体からなる発熱素子が配置された発熱抵抗素子基板の上に、更に、常法により、例えば図5に示す構造のインク液室15、オリフィス(吐出口)12等を形成してインクジェット記録ヘッドとすることができる。
【0043】
本発明のインクジェット記録ヘッドの構成には、図5に示した構成の直線状のインク流路を有する構成の他に、インク流が直角に曲がる部分を有し、インクが流れる方向に対して垂直な方向にインクが吐出される構成のもの、更には、例えば米国特許第4558333号明細書、米国特許第4459600号明細書に開示されているような発熱抵抗体が屈曲する領域に配置されている構成も含まれる。
【0044】
加えて、例えば特開昭59―123670号公報に開示のような複数の発熱抵抗体に対して、共通するスリットを吐出口(オリフィス)とする構成や、特開昭59―138461号公報に開示されているような熱エネルギーの圧力波を吸収する開孔を吐出部に対応させる構成も本発明に適用可能である。
【0045】
更に、記録装置が記録できる最大記録媒体幅(例えば記録紙の最大幅)に対応した長さを有するフルラインタイプの記録ヘッドとしては、複数記録ヘッドの組み合わせによってその長さを満たす構成や、一体的に形成された1個の記録ヘッドとしての構成のいずれでもよい。
【0046】
加えて、本発明のインクジェット記録ヘッドは、装置本体に装着されることで装置本体との電気的な接続や装置本体からのインクの供給が可能になる交換自在のチップタイプの記録ヘッド、あるいは記録ヘッド自体に一体的にインクタンクが設けられたインクカートリッジタイプの記録ヘッドとして構成することもできる。
【0047】
また、本発明の記録ヘッドを装着した記録装置では、記録ヘッドに対しての回復手段、予備的な補助手段等を付加することが好ましい。これらの手段としては、記録ヘッドに対してのキャッピング手段、クリーニング手段、加圧あるいは吸引手段、発熱抵抗体またはこれとは別の加熱素子、あるいはこれらの組み合わせによる予備加熱手段、記録とは別の吐出を行う予備吐出モードを行うことも安定した記録を行うために有効である。
【0048】
更に、記録装置の記録モードとしては黒色等の主流色のみの記録モードだけでなく、記録ヘッドを一体的に構成するか、複数個を組み合わせることで、異なる色の複色カラー、または混色によるフルカラーの少なくとも一つを備えた装置にも本発明は極めて有効である。
【0049】
本発明の記録ヘッドに用いるインクとしては、熱エネルギーを利用したインクジェット記録方式に適用し得るものであれば特に制限されない。また、インクは記録への使用時や取扱時において液体のものが使用されるが、例えば室温またはそれ以下の温度で固化するものであっても室温で軟化するもの、もしくは液体であるもの、あるいは温度制御によってインクの粘性を安定吐出範囲に調整する方式では通常30〜70℃にインクの温度が調整されて記録が行われるので、使用記録信号付与時にインクが液状をなすものであればよい。
【0050】
加えて、積極的に熱エネルギーによる昇温をインクの固形状態から液体状態への状態変化のエネルギーとして使用するインク、インクの蒸発防止を目的として放置状態で固化するインク等、記録信号等の付与に応じた熱エネルギーの付与によって液化し、液状として吐出されるインクや、記録媒体に到達する時点では既に固化し始めるインク等のような、熱エネルギーによって初めて液化する性質のインクも適用可能である。このような場合には、特開昭54―56874号公報あるいは特開昭60―71260号公報に記載されるような、多孔質シート凹部または貫通孔に液状または固形物として保持された状態で、発熱抵抗体に対して対向するような形態としてもよい。
【0051】
図6は本発明のインクジェット記録ヘッドをインクジェットヘッドカートリッジ(IJC)として装着したインクジェット記録装置(IJRA)の一例を示す外観斜視図である。図において120はプラテン124上に送紙されてきた記録紙(記録媒体)の記録面に対向してインク吐出を行うインク流路と吐出部(オリフィス)からなるノズル群を具えたインクジェットヘッドカートリッジ(IJC)である。116はIJC(120)を保持するキャリッジ(HC)であり、駆動モータ117の駆動力を伝達する駆動ベルト118の一部と連結し、互いに平行に配設された2本のガイドシャフト119A及び119Bと摺動可能とすることにより、IJC(120)の記録紙の全幅にわたる往復運動が可能となる。
【0052】
126はヘッド回復装置であり、IJC(120)の移動経路の一端、例えばホームポジションと対向する位置に配設される。伝動機構123を介したモータ122の駆動力によって、ヘッド回復装置126を動作させ、IJC(120)のキャッピングを行う。このヘッド回復装置126のキャップ部126AによるIJC(120)へのキャッピングに関連させて、ヘッド回復装置126内に設けた適宜の吸引手段によるインク吸収もしくはIJC(120)へのインク供給経路を設けた適宜の加圧手段によるインク圧送を行い、インクを吐出口より強制的に排出させることによりノズル内の増粘インクを除去する等の吐出回復処理を行う。また、記録終了時にキャッピングを施すことによりIJC(120)が保護される。
【0053】
130はヘッド回復装置126の側面に配設され、シリコンゴムで形成されるワイピング部材としてのブレードである。ブレード131はブレード保持部材131Aにカンチレバー形態で保持され、ヘッド回復装置126と同様、モータ122及び伝動機構123によって動作し、IJC(120)の吐出面との係合が可能となる。これによりIJC(120)の記録動作における適切なタイミングで、あるいはヘッド回復装置126を用いた吐出回復処理後に、ブレード131をIJC(120)の移動経路中に突出させ、IJC(120)の移動動作に伴ってIJC(120)の吐出面における結露、濡れあるいは塵埃等を拭き取ることができる。
【0054】
【実施例】
図1に示した工程を用いてインクジェット記録ヘッド用の発熱素子基板の作製を次のようにして行った。
【0055】
まず、基板の一方の表面に蓄熱層を設けた。次に、この蓄熱層を設けた面に発熱抵抗層を常法により設け、更に、この発熱抵抗層上に電極層を常法により積層した。
【0056】
次に、電極層を常法によりパターニングし、電極を形成した。なお、発熱抵抗体となる部分については所定の間隔で一対の電極の端部が対向する構造とした。
【0057】
更に、電極及び発熱抵抗体層の、少なくともインク流路と接触する部分に、陽極酸化を行うためのレジストマスクを、フォトリソグラフィー法を用いた常法により形成した後、以下の条件での陽極酸化を行った。
【0058】
第1の陽極酸化処理条件:
処理液:酒石酸アンモニウム
エチレングリコール
対抗電極:Pt
電流電圧条件:最終電圧100V、電流密度約2A/cmで低電流印加し、低電圧になった後に10分間保持した。
【0059】
第1の陽極酸化が終了したところで、所定の洗浄、乾燥等の処理を行ってから、第2の陽極酸化処理を行う部分以外に、第1の陽極酸化処理における場合と同様にしてレジストマスクを形成した後、最終電圧を175Vとする以外は第1の陽極酸化処理と同様の条件で、第2の陽極酸化処理を行った。
【0060】
更に、所定の洗浄、乾燥等の処理を行ってから、第3の陽極酸化処理を行う部分以外に、第1の陽極酸化処理における場合と同様にしてレジストマスクを形成した後、最終電圧を250Vとする以外は第1の陽極酸化処理と同様の条件で、第3の陽極酸化処理を行い、更に洗浄、乾燥等の所定の操作を行った。
【0061】
以上のようにして、図1(e―1)及び(e―2)に示す構成を有する発熱素子基板を得た。
【0062】
実施例2
図1で得られた発熱素子基板上にポリエーテルアミド(商品名:HIMAL:日立化成製)を塗布し、所定のベーク条件(240℃、2時間)で処理して膜厚2μmの有機絶縁層を得た。次に、この有機絶縁層上に更に所定の部分を覆うようにレジスト層をフォトリソグラフィー法を用いた常法により積層し、これをマスクとして酸素プラズマを用いたエッチング法によりエッチングを行って有機絶縁層のパターニングを行い、図2に示す構造を有する発熱素子基板を得た。
【0063】
実施例3
図3に示す工程に従って発熱素子基板の作製を以下のようにして行った。まず基板の一方の表面に蓄熱層を設けた。次に、この蓄熱層を設けた面に発熱抵抗層を常法により設け、更に、この発熱抵抗層上に電極層を常法により積層した。
【0064】
次に、電極層を常法によりパターニングし、電極を形成した。なお、発熱抵抗体となる部分については所定の間隔で一対の電極の端部が対向する構造とした。
【0065】
更に、基体上にポジ型レジスト(商品名:PMER AR900;東京応化製)を塗布し、所定の処理を施してレジスト層とした。このレジスト層に所定のパターンでの露光を行った後、現像処理して、発熱抵抗体層の絶縁部を形成する部分以外にレジストマスクを設け、更に、以下の条件での陽極酸化を行った。
【0066】
第1の陽極酸化処理条件:
処理液:酒石酸アンモニウム
エチレングリコール
対抗電極:Pt
電流電圧条件:最終電圧250V、電流密度約2A/cmで低電流印加し、低電圧になった後に10分間保持した。
【0067】
第1の陽極酸化が終了したところで、所定の洗浄、乾燥等の処理を行ってから、基体上のレジストマスクに、第2の陽極酸化処理をする部分以外にレジストマスクが残るように所定のパターンでの露光を行った後、現像処理し、最終電圧を175Vとする以外は第1の陽極酸化処理と同様の条件で、第2の陽極酸化処理を行った。
【0068】
更に、所定の洗浄、乾燥等の処理を行ってから、第3の陽極酸化処理を行う部分以外にレジストマスクが残るように所定のパターンでの露光を行った後、現像処理し、最終電圧を100Vとする以外は第1の陽極酸化処理と同様の条件で、第3の陽極酸化処理行った。
【0069】
以上のようにして、図1(e―1)及び(e―2)に示す構成を有する発熱素子基板を得た。
【0070】
得られた結果を図4に示す。
【0071】
【発明の効果】
本発明によれば、インクジェット記録ヘッドの発熱素子基板の電極及び発熱抵抗体の保護層は、従来のような真空成膜によらず、陽極酸化という非常に簡便な方法で形成されるので、より低価格の設備が使用でき、運転コストも低く、また工程も簡略化されるので製造コストの大幅な低減が可能となる。
【0072】
更に、保護層の形成に、陽極酸化という、真空成膜による場合よりも欠陥の発生確率が小さいプロセスを使用するので、保護層における故障の発生率が更に低くなり、信頼性を更に向上させることができる。
【0073】
また、発熱抵抗体上に設けられる保護層を陽極酸化によって形成したので、真空成膜によって形成するものよりその層厚を非常に薄くでき、熱伝達効率の更に向上したインクジェット記録ヘッドを得ることができ、省電力及び省エネルギー化を達成できる。
【0074】
一方、発熱抵抗体のパターニングにエッチングを用いる方法では、オーバーエッチングによる発熱抵抗体の形状のバラツキやオーバーエッチングされた部分での保護層の形成不良等の欠陥の発生を防止するためにエッチング精度を高めるための処置が必要であったが、本発明では、発熱抵抗体のパターニングにエッチングを用いないので、このような処置は不要となる。
【0075】
また、本発明においては、発熱抵抗体層の全層厚にわたって陽極酸化処理が施された部分から、主に発熱抵抗体及び電極上に設けられた部分に向かって、陽極酸化膜の膜厚が段階的に変化しており、この段階的な変化を有する構造により陽極酸化膜や陽極酸化部における膜(層)方向での残留応力をなくす、あるいは十分に少なくすることができ、残留応力が原因となるより長期の使用における陽極酸化膜(部)の剥離という問題を効果的に防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の発熱素子基板の作製方法の一例の主要工程を示す図であり、(a)、(b―1)、(c―1)、(d―1)及び(e―1)は各工程で得られた状態を(b―2)に示すA―A’線断面図として表したものであり、(b―2)、(c―2)、(d―2)及び(e―2)は各工程で得られた状態を平面図で示したものである。
【図2】本発明における発熱素子基板の他の例を示す断面図である。
【図3】本発明の発熱素子基板の作製方法の他の例の主要工程を示す図であり、(a)、(b)、(c―1)、(d―1)及び(e―1)は各工程で得られた状態を図1(b―2)にA―A’線で示す位置での断面図として表したものであり、(c―2)、(d―2)及び(e―2)は各工程で得られた状態を平面図で示したものである。
【図4】実験例で得られた結果を示す図である。
【図5】インクジェット記録ヘッドの代表的構成を模式的に示す斜視図である。
【図6】インクジェット記録装置の代表的構成を模式的に示す斜視図である。
【図7】従来のインクジェット記録ヘッドの有する発熱素子基板の要部を模式的に示す断面図であり、(a)は平面図、(b)はA―A’線断面図である。
【図8】従来のインクジェット記録ヘッドの有する発熱素子基板の形成工程を模式的に示す断面図である。
【図9】従来のインクジェット記録ヘッドの有する発熱素子基板の形成工程を模式的に示す断面図である。
【符号の説明】
1 基体
2 発熱抵抗層
2a 発熱抵抗体
2―1 陽極酸化部(絶縁部)
2―2 発熱抵抗体層の残部
3 電極
4a、4b、4c 酸化膜
5、10 保護層
7 外部との接続部
8 レジストパターン
9 インク供給口
11 耐キャビテーションエロージョン層
12 吐出口
13 ノズル形成材
14 天板
15 インク液室
16 発熱素子基板
17 インク流路
116 キャリッジ(HC)
117 駆動モータ
118 駆動ベルト
119A、119B ガイドシャフト
120 インクジェットカートリッジ(IJC)
122 モータ
123 伝動機構
124 プラテン
126 ヘッド回復装置
126A キャップ部
130 ブレード
131A ブレード保持部材

Claims (7)

  1. 基体と、基体上に設けられた蓄熱層と、該蓄熱層上に設けられた発熱抵抗体と、該発熱抵抗体に所定間隔を置いて電気的に接続された一対の電極とを有する発熱素子基板と、前記発熱抵抗体に対応して該発熱素子基板上に設けられたインク流路と、該インク流路に連通するインク吐出口とを有し、
    前記発熱抵抗体が、発熱抵抗体層に部分的に設けられた全層厚方向での陽極酸化による絶縁部により絶縁された部分からなり、かつ
    少なくとも前記発熱抵抗体及び電極の表面の前記インク流路下に相当する部分が陽極酸化膜からなる保護層で被覆された
    インクジェット記録ヘッドにおいて、
    前記発熱抵抗体上の陽極酸化膜からなる保護層の、前記陽極酸化による絶縁部と隣接部分において、該絶縁部に向かう方向で段階的に厚した
    ことを特徴とするインクジェット記録ヘッド。
  2. 前記発熱抵抗体上に有機絶縁層を更に有する請求項1に記載のインクジェット記録ヘッド。
  3. 一対の電極が接続された前記発熱抵抗体を複数有し、かつ、これら発熱抵抗体の各々に対応してインク流路及び吐出口を設けるとともに、これら発熱抵抗体の各々を独立して駆動可能とした請求項1または2に記載のインクジェット記録ヘッド。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載のインクジェット記録ヘッドと、該記録ヘッドを載置するための部材と、該インクジェット記録ヘッドの吐出口を記録媒体の記録面に対向させて、該吐出口からインクを記録信号に応じて吐出させるための手段とを、有することを特徴とする記録装置。
  5. 基体上に所定間隔で対向する一対の電極に電気的に接続された発熱抵抗体を配置した発熱素子基板と、該発熱抵抗体に対応して設けた吐出口に連通するインク流路とを有するインクジェット記録ヘッドの製造方法において、前記発熱素子基板の形成が、
    (a)基体の蓄熱層が設けられた面に、発熱抵抗体層及び電極層を設ける工程と、
    (b)該電極層を部分的に基体上から除去し、所定間隔で対向する一対の電極を有する電極パターンを得る工程と、
    (c)前記発熱抵抗体層に、少なくとも前記対向する一対の電極間に発熱抵抗層を残して、全層厚にわたる陽極酸化を部分的に行い絶縁部を形成することで、前記発熱抵抗体を得る工程と、
    (d)前記発熱抵抗体及び電極の表面の、少なくとも前記インク流路下に相当する部分に、前記陽極酸化による絶縁部と隣接する前記発熱抵抗体の縁部において該絶縁部に向けて膜厚が段階的に厚くなった陽極酸化膜からなる保護層を設けて発熱素子基板を得る工程と
    を有することを特徴とするインクジェット記録ヘッドの製造方法。
  6. 前記発熱抵抗体層に対して、酸化領域を変えて複数回の陽極酸化処理によって、前記陽極酸化膜の膜厚の段階的変化を得る請求項5に記載のインクジェット記録ヘッドの製造方法。
  7. 前記発熱抵抗体の表面に設けられた陽極酸化膜からなる保護層上に、有機絶縁層を更に設ける請求項5または6に記載のインクジェット記録ヘッドの製造方法。
JP2003100319A 2003-04-03 2003-04-03 インクジェット記録ヘッド及びそれを用いた記録装置、ならびに該インクジェット記録ヘッドの製造方法 Pending JP2004306315A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003100319A JP2004306315A (ja) 2003-04-03 2003-04-03 インクジェット記録ヘッド及びそれを用いた記録装置、ならびに該インクジェット記録ヘッドの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003100319A JP2004306315A (ja) 2003-04-03 2003-04-03 インクジェット記録ヘッド及びそれを用いた記録装置、ならびに該インクジェット記録ヘッドの製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2004306315A true JP2004306315A (ja) 2004-11-04

Family

ID=33464496

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003100319A Pending JP2004306315A (ja) 2003-04-03 2003-04-03 インクジェット記録ヘッド及びそれを用いた記録装置、ならびに該インクジェット記録ヘッドの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2004306315A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011025548A (ja) * 2009-07-27 2011-02-10 Kyocera Corp 配線基板およびその製造方法、ならびに記録ヘッドおよび記録装置

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011025548A (ja) * 2009-07-27 2011-02-10 Kyocera Corp 配線基板およびその製造方法、ならびに記録ヘッドおよび記録装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2873287B1 (ja) インクジェット記録ヘッドおよびその製造方法
KR0156612B1 (ko) 잉크 제트 헤드용 기판, 잉크 제트 헤드, 잉크 제트 펜 및 잉크 제트 장치
US8191998B2 (en) Liquid ejecting head
JP3513270B2 (ja) インクジェット記録ヘッド及びインクジェット記録装置
JP2933429B2 (ja) 液体噴射記録ヘッド用基板、液体噴射記録ヘッドおよび液体噴射記録装置
JP3402618B2 (ja) インクジェット記録ヘッドの製造方法および記録装置
JP4646602B2 (ja) インクジェット記録ヘッド用基板の製造方法
JP3618965B2 (ja) 液体噴射記録ヘッド用基板およびその製造方法ならびに液体噴射記録装置
JP2004306315A (ja) インクジェット記録ヘッド及びそれを用いた記録装置、ならびに該インクジェット記録ヘッドの製造方法
US20050031996A1 (en) Method for producing circuit substrate
JP2004055845A (ja) 回路基板およびその製造方法
JP2000351214A (ja) インクジェット記録ヘッドの製造方法、インクジェット記録ヘッドおよびインクジェット記録装置
JP2001341309A (ja) サーマルインクジェットヘッド
JP2000006414A (ja) インクジェット記録ヘッド及び該ヘッドを用いたインクジェット記録装置
JP3658221B2 (ja) インクジェット記録ヘッド、該ヘッド用基板及び該基板の製造方法
JP2002011886A (ja) インクジェット記録ヘッド用基板、インクジェット記録ヘッド、および該ヘッド用基板の作成方法
JPH11198387A (ja) インクジェット記録ヘッドの製造方法
JP3124594B2 (ja) 液体噴射記録ヘッド用基体、その製造方法および液体噴射記録ヘッド
JP4587443B2 (ja) 回路基板の製造方法
JPH07125208A (ja) インクジェットヘッドおよびインクジェット記録装置
JPH11277755A (ja) 凹部を有するシリコン基板とインクジェットヘッドの製造方法およびそのシリコン基板とインクジェットヘッド
JP3061935B2 (ja) インクジェット記録ヘッド及びインクジェット記録装置の製造方法
JP2000177135A (ja) インクジェット記録ヘッド用基板、インクジェット記録ヘッドおよびその製造方法
JP2001270120A (ja) サーマルインクジェットプリンタヘッド
JP2005047270A (ja) インクジェットプリントヘッドおよびその製造方法