JP6655354B2 - シリコンウェーハ用研磨液組成物、又はシリコンウェーハ用研磨液組成物キット - Google Patents

シリコンウェーハ用研磨液組成物、又はシリコンウェーハ用研磨液組成物キット Download PDF

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本発明はシリコンウェーハ用研磨液組成物、その製造方法、及び当該シリコンウェーハ用研磨液組成物を用いた、被研磨シリコンウェーハの研磨方法並びに半導体基板の製造方法に関する。また、本発明は、シリコンウェーハ用研磨液組成物キット、その製造方法、及び当該シリコンウェーハ用研磨液組成物キットを用いた、被研磨シリコンウェーハの研磨方法並びに半導体基板の製造方法に関する。また、本発明は、シリカ粒子分散液に関する。
近年、半導体メモリの高記録容量化に対する要求の高まりから半導体装置のデザインルールは微細化が進んでいる。このため半導体装置の製造過程で行われるフォトリソグラフィーにおいて焦点深度は浅くなり、シリコンウェーハ(ベアウェーハ)の表面欠陥(LPD:Light point defects)や表面粗さ(ヘイズ:Haze)の低減に対する要求はますます厳しくなっている。
シリコンウェーハの品質を向上する目的で、シリコンウェーハの研磨は多段階で行われている。特に研磨の最終段階で行われる仕上げ研磨は、表面粗さの低減とパーティクルやスクラッチ、ピット等の表面欠陥の低減とを目的として行われている。
シリコンウェーハの研磨に用いられる研磨液組成物として、保存安定性の向上、良好な生産性が確保される研磨速度の担保、及び表面欠陥(LPD)と表面粗さ(ヘイズ)の低減を目的とし、シリカ粒子と、含窒素塩基性化合物と、ヒドロキシエチルアクリルアミド(HEAA)等のアクリルアミド誘導体に由来する構成単位を含む水溶性高分子化合物とを含むシリコンウェーハの研磨液組成物が開示されている(特許文献1)。また、ヘイズレベルの改善を目的とし、シリカ粒子と、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)と、ポリエチレンオキサイドと、アルカリ化合物とを含む研磨用液成物が開示されている(特許文献2)。また、ヘイズレベルを低下させることなくウェーハ表面に付着するパーティクルを低減することを目的とし、シリカ粒子、アンモニア等の塩基性化合物、HEC等の水溶性高分子化合物、アルコール性水酸基を1〜10個有する化合物を含む研磨液組成物が開示されている(特許文献3)。
これらの研磨液組成物は、製造及び輸送コストを低くできる等の経済性の観点から、その保存安定性が損なわれない範囲で濃縮された状態で保存及び輸送され、シリコンウェーハの研磨に使用するユーザーによって必要に応じてイオン交換水等により希釈して使用されることが多い。また、研磨液組成物は、砥粒と塩基性化合物と水とを含む砥粒分散液と水溶液ポリマーの水溶液とが別々に保管され、使用時にこれらが混合され、必要に応じて水で希釈される2液型である場合もある(特許文献4)。
特開2013−222863号公報 特開2004―128089号公報 特開平11―116942号公報 WO2014/148399
しかし、濃縮状態の研磨液組成物を希釈してからシリコンウェーハの研磨に用いた場合や、2液型研磨液組成物を構成する各液を混合した後、得られた研磨液組成物をシリコンウェーハの研磨に用いた場合、時として、研磨されたシリコンウェーハ表面の表面粗さ(ヘイズ)及び表面欠陥(LPD)の低減が不十分であった。
本発明では、研磨されたシリコンウェーハ表面の表面粗さ(ヘイズ)及び表面欠陥(LPD)を安定して低減可能なシリコンウェーハ用研磨液組成物、その製造方法、及び当該シリコンウェーハ用研磨液組成物を用いた、被研磨シリコンウェーハの研磨方法並びに半導体基板の製造方法を提供する。また、本発明では、研磨されたシリコンウェーハ表面の表面粗さ(ヘイズ)及び表面欠陥(LPD)を安定して低減可能なシリコンウェーハ用研磨液組成物キット、その製造方法、及び当該シリコンウェーハ用研磨液組成物キットを用いた、被研磨シリコンウェーハの研磨方法並びに半導体基板の製造方法を提供する。また、本発明では、研磨されたシリコンウェーハ表面の表面粗さ(ヘイズ)及び表面欠陥(LPD)を安定して低減可能なシリコンウェーハ用研磨液組成物の調製に用いられるシリカ粒子分散液を提供する。
本発明のシリコンウェーハ用研磨液組成物の一態様は、シリカ粒子と塩基性化合物と水系媒体とを含むシリカ粒子分散液と、水溶性高分子化合物と水系媒体とを含む添加剤水溶液とを混合して得たシリコンウェーハ用研磨液組成物であって、前記シリカ粒子分散液は、前記シリカ粒子と前記塩基性化合物と前記水系媒体とを混合して得た25℃におけるpHが9以上11以下の混合液を10℃以上80℃以下に1日間以上保持して得たものである。
本発明のシリコンウェーハ用研磨液組成物のその他の態様は、シリカ粒子と塩基性化合物と水系媒体とを含むシリカ粒子分散液と、水溶性高分子化合物と水系媒体とを含む添加剤水溶液とを混合して得たシリコンウェーハ用研磨液組成物であって、前記シリカ粒子分散液の波長600nmの光の透過率が、前記シリカ粒子の含有量が5質量%以上20質量%以下のいずれかの場合において、5.0%以上30%以下である。
本発明のシリコンウェーハ用研磨液組成物のその他の態様は、シリカ粒子と塩基性化合物と水系媒体とを含むシリカ粒子分散液と、水溶性高分子化合物と水系媒体とを含む添加剤水溶液とを混合して得たシリコンウェーハ用研磨液組成物であって、前記シリカ粒子分散液の波長600nmの光の透過率5.0%以上30%以下であって、前記シリカ粒子分散液の25℃におけるpHが9以上11以下で前記シリカ粒子の含有量が10質量%以上15質量%以下である。
本発明のシリコンウェーハ用研磨液組成物のその他の態様は、シリカ粒子と塩基性化合物と水系媒体とを含むシリカ粒子分散液と、水溶性高分子化合物と水系媒体とを含む添加剤水溶液とを混合して得たシリコンウェーハ用研磨液組成物であって、前記シリカ粒子分散液を凍結乾燥させて得た凍結乾燥シリカ粒子のBET比表面積を、前記シリカ粒子分散液を空気乾燥させて得た空気乾燥シリカ粒子のBET比表面積で除して得られるBET比表面積比(凍結乾燥シリカ粒子のBET比表面積/空気乾燥シリカ粒子のBET比表面積)が1.3以上10以下である。
本発明のシリコンウェーハ用研磨液組成物キットの一態様は、シリカ粒子と塩基性化合物と水系媒体とを含むシリカ粒子分散液(第一液)と、水溶性高分子化合物と水系媒体とを含む添加剤水溶液(第二液)とを含み、前記シリカ粒子分散液(第一液)は、前記シリカ粒子と前記塩基性化合物と前記水系媒体とを混合して得た25℃におけるpHが9以上11以下の混合液を10℃以上80℃以下に1日間以上保持して得たものである。
本発明のシリコンウェーハ用研磨液組成物キットのその他の態様は、シリカ粒子と塩基性化合物と水系媒体とを含むシリカ粒子分散液(第一液)と、水溶性高分子化合物と水系媒体とを含む添加剤水溶液(第二液)とを含み、前記シリカ粒子分散液(第一液)の波長600nmの光の透過率が、前記シリカ粒子の含有量が5質量%以上20質量%以下のいずれかの場合において、5.0%以上30%以下である。
本発明のシリコンウェーハ用研磨液組成物キットのその他の態様は、シリカ粒子と塩基性化合物と水系媒体とを含むシリカ粒子分散液(第一液)と、水溶性高分子化合物と水系媒体とを含む添加剤水溶液(第二液)とを含み、前記シリカ粒子分散液(第一液)の波長600nmの光の透過率が、前記シリカ粒子分散液の25℃におけるpHが9以上11以下で前記シリカ粒子の含有量が10質量%以上15質量%以下のいずれかの場合において、5.0%以上30%以下である。
本発明のシリコンウェーハ用研磨液組成物キットのその他の態様は、シリカ粒子と塩基性化合物と水系媒体とを含むシリカ粒子分散液(第一液)と、水溶性高分子化合物と水系媒体とを含む添加剤水溶液(第二液)とを含み、前記シリカ粒子分散液を凍結乾燥させて得た凍結乾燥シリカ粒子のBET比表面積を、前記シリカ粒子分散液を空気乾燥させて得た空気乾燥シリカ粒子のBET比表面積で除して得られるBET比表面積比(凍結乾燥シリカ粒子のBET比表面積/空気乾燥シリカ粒子のBET比表面積)が1.3以上10以下である。
本発明のシリコンウェーハ用研磨液組成物の製造方法の一態様は、水溶性高分子化合物と水系媒体とを混合して添加剤水溶液を得る工程と、シリカ粒子と塩基性化合物と水系媒体とを混合して得た25℃におけるpHが9以上11以下の混合液を10℃以上80℃以下に1日間以上保持して、シリカ粒子分散液を得る工程と、前記シリカ粒子分散液と前記添加剤水溶液とを混合する工程とを含む。
本発明のシリコンウェーハ用研磨液組成物キットの製造方法の一態様は、水溶性高分子化合物と水系媒体とを混合して添加剤水溶液を得る工程と、シリカ粒子と塩基性化合物と水系媒体とを混合して得た25℃におけるpHが9以上11以下の混合液を10℃以上80℃以下に1日間以上保持して、シリカ粒子分散液を得る工程と、を含む。
本発明のシリカ粒子分散液の一態様は、シリカ粒子と塩基性化合物と水系媒体とを含むシリカ粒子分散液であって、前記シリカ粒子分散液の波長600nmの光の透過率が、前記シリカ粒子分散液の25℃におけるpHが9以上11以下で前記シリカ粒子の含有量が10質量%以上15質量%以下のいずれかの場合において、5.0%以上30%以下である。
本発明のシリカ粒子分散液のその他の態様は、シリカ粒子と塩基性化合物と水系媒体とを含むシリカ粒子分散液であって、前記シリカ粒子分散液を凍結乾燥させて得た凍結乾燥シリカ粒子のBET比表面積を、前記シリカ粒子分散液を空気乾燥させて得た空気乾燥シリカ粒子のBET比表面積で除して得られるBET比表面積比(凍結乾燥シリカ粒子のBET比表面積/空気乾燥シリカ粒子のBET比表面積)が1.3以上10以下である。
本発明のシリカ粒子分散液のその他の態様は、シリカ粒子と塩基性化合物と水系媒体とを含むシリカ粒子分散液であって、前記シリカ粒子分散液を凍結乾燥させて得た凍結乾燥シリカ粒子のBET比表面積を、前記シリカ粒子分散液を空気乾燥させて得た空気乾燥シリカ粒子のBET比表面積で除して得られるBET比表面積比(凍結乾燥シリカ粒子のBET比表面積/空気乾燥シリカ粒子のBET比表面積)が1.3以上10以下である。
本発明のシリコンウェーハ用研磨液組成物の製造方法の一態様は、シリカ粒子と塩基性化合物と水系媒体とを含むシリカ粒子分散液と、水溶性高分子化合物と水系媒体とを含む添加剤水溶液とを混合する工程を含む。
本発明の半導体基板の製造方法は、本発明のシリコンウェーハ用研磨液組成物を用いて被研磨シリコンウェーハを研磨する工程を含む。
本発明の被研磨シリコンウェーハの研磨方法は、シリコンウェーハ用研磨液組成物を用いて被研磨シリコンウェーハを研磨する工程を含む。
本発明の半導体基板の製造方法は、本発明のシリコンウェーハ用研磨液組成物キットを用いて被研磨シリコンウェーハを研磨する工程を含む。
本発明の被研磨シリコンウェーハの研磨方法は、シリコンウェーハ用研磨液組成物キットを用いて被研磨シリコンウェーハを研磨する工程を含む。
本発明によれば、研磨されたシリコンウェーハ表面の表面粗さ(ヘイズ)及び表面欠陥(LPD)を安定して低減可能とする、シリコンウェーハ用研磨液組成物、その製造方法、及び当該シリコンウェーハ用研磨液組成物を用いた、被研磨シリコンウェーハの研磨方法並びに半導体基板の製造方法を提供できる。
また、本発明によれば、研磨されたシリコンウェーハ表面の表面粗さ(ヘイズ)及び表面欠陥(LPD)を安定して低減可能とする、シリコンウェーハ用研磨液組成物キット、その製造方法、及び当該シリコンウェーハ用研磨液組成物キットを用いた、被研磨シリコンウェーハの研磨方法並びに半導体基板の製造方法を提供できる。
また、本発明によれば、研磨されたシリコンウェーハ表面の表面粗さ(ヘイズ)及び表面欠陥(LPD)を安定して低減可能とするシリコンウェーハ用研磨液組成物の調製に用いられるシリカ粒子分散液を提供できる。
シリカ粒子、塩基性化合物、及び水溶性高分子化合物を含むシリコンウェーハ用研磨液組成物(以下、単に「研磨液組成物」と言う場合もある。)を用いて被研磨シリコンウェーハを研磨する最中、水溶性高分子化合物は、シリカ粒子と被研磨シリコンウェーハの両方に吸着することができる。その為、水溶性高分子化合物は、シリカ粒子を被研磨シリコンウェーハに近づけ、表面粗さ(ヘイズ)の悪化の原因となるシリカ粒子が直接被研磨シリコンウェーハに接触することを抑制し、且つ、表面粗さ(ヘイズ)の悪化の原因となる塩基性化合物によるウェーハ表面の腐食を抑制するように作用する。故に、水溶性高分子化合物は、研磨速度の向上、研磨されたシリコンウェーハの洗浄工程におけるパーティクル(シリカ粒子や研磨くず)の脱離性向上、及び表面粗さ(ヘイズ)の低減に寄与している。また、パーティクルの脱離性向上は、表面欠陥(LPD)の低減に寄与する。
しかし、同組成の研磨液組成物を用いても、表面粗さ(ヘイズ)及び表面欠陥(LPD)がばらつくことがあった。本発明者は、このバラツキの原因を探求した結果、当該原因が、水溶性高分子化合物のシリカ粒子への過剰な吸着が、水溶性高分子化合物のウェーハに対する上記作用、具体的には、水溶性高分子化合物によるウェーハ表面の腐食抑制とパーティクルの脱離性向上とを妨げていることにあると考えた。そして、シリカ粒子と塩基性化合物と水系媒体とを混合して得た混合液を所定時間、所定温度で熟成させて得たシリカ粒子分散液を研磨液組成物の調製に用いること、具体的には、シリカ粒子と塩基性化合物と水系媒体とを混合して得た25℃におけるpHが9以上11以下の混合液を10℃以上80℃以下に1日間以上保持することによりシリカ粒子表面の水和層を十分に安定化させた後に、シリカ粒子と水溶性高分子化合物とを混合することにより、水溶性高分子化合物のシリカ粒子への過剰な吸着が抑制されて、水溶性高分子化合物のウェーハに対する上記作用が十分に発揮されることを見出した。但し、これらは推定であって、本発明は、これらメカニズムに限定されない。
シリカ粒子表面の水和層を十分に安定化させた後であれば、シリカ粒子分散液と添加剤水溶液とを混合して得た研磨液組成物を直ぐに被研磨シリコンウェーハの研磨に使用しても、表面粗さ(ヘイズ)及び表面欠陥(LPD)を安定して低減できる。
また、シリカ粒子分散液の調製後、シリカ粒子分散液を所定条件で所定時間保存する(熟成する)と、光の透過率がシリカ粒子分散液調製直後のそれよりも下がる。このことより、本発明者は、シリカ粒子分散液の上記透過率とシリカ粒子の水和層の安定性との間に相関関係があることを見出した。具体的には、シリカ粒子分散液中のシリカ粒子の含有量が5質量%以上20質量%以下のいずれかである場合の、シリカ粒子分散液の波長600nmの光の透過率が5.0%以上30%以下であり、又は、シリカ粒子分散液の25℃におけるpHが9以上11以下でシリカ粒子の含有量が10質量%以上15質量%以下のいずれかである場合の、シリカ粒子分散液の波長600nmの光の透過率が5.0%以上30%以下であると、シリカ粒子の水和層が十分に安定化されているものと推察され、このような光学特性を有するシリカ粒子分散液を用いて調製された研磨液組成物を用いれば、水溶性高分子化合物のウェーハに対する上記作用が十分に発揮され、シリコンウェーハ表面の表面粗さ(ヘイズ)及び表面欠陥(LPD)の低減が安定して可能となること(以下「本発明の安定化効果」という場合もある。)を見出した。
また、シリカ粒子分散液の熟成期間が長くなると、シリコンウェーハ表面の表面粗さ(ヘイズ)及び表面欠陥(LPD)、特に、表面欠陥(LPD)が低減するという傾向が観察される。また、熟成期間が長くなると、シリカ粒子分散液を凍結乾燥させることにより得られる凍結乾燥されたシリカ粒子(以下「凍結乾燥シリカ粒子」とも呼ぶ。)のBET比表面積が増大する傾向が観察される。しかし、シリカ粒子分散液を空気乾燥させることにより得られる空気乾燥されたシリカ粒子(以下「空気乾燥シリカ粒子」とも呼ぶ。)のBET比表面積と前記熟成時間との間に相関関係は見られない。これらのことから、熟成期間中に、シリカ粒子分散液中のシリカ粒子の表面のSi−O結合がアルカリ加水分解することにより、シリカ粒子の表面に可逆的な空孔が形成されて、凍結乾燥シリカ粒子のBET比表面積が増大しているものと推察される。そして、所定条件で所定時間保存することにより得られ、凍結乾燥シリカ粒子のBET比表面積を空気乾燥シリカ粒子のBET比表面積で除した値であるBET比表面積比(凍結乾燥シリカ粒子のBET比表面積/空気乾燥シリカ粒子のBET比表面積)が1.3以上10以下のシリカ粒子分散液を用いて調製された研磨液組成物を用いると、当該空孔の存在により、水溶性高分子化合物のシリカ粒子への過剰な吸着が抑制され、又は、シリカ粒子のシリコンウェーハに対する接地面積が低減して、研磨されたシリコンウェーハの洗浄工程において、シリコンウェーハに吸着したシリカ粒子の除去性が向上することから、表面粗さ(ヘイズ)及び表面欠陥(LPD)の安定した低減が可能となっているものと推察される。
本発明は、一態様において、シリカ粒子と塩基性化合物と水系媒体とを含むシリカ粒子分散液と、水溶性高分子化合物と水系媒体とを含む添加剤水溶液とを配合してなる1液型研磨液組成物である。本発明の1液型研磨液組成物は、シリカ粒子分散液として、シリカ粒子と塩基性化合物と水系媒体とを混合して得た25℃におけるpHが9以上11以下の混合液を10℃以上80℃以下に1日間以上保持することにより得たもの、シリカ粒子の含有量が5質量%以上20質量%以下のいずれかである場合の、波長600nmの光の透過率が5.0%以上30%以下であるもの、シリカ粒子分散液の25℃におけるpHが9以上11以下でシリカ粒子の含有量が10質量%以上15質量%以下のいずれかである場合の、シリカ粒子分散液の波長600nmの光の透過率が5.0%以上30%以下であるもの、又は凍結乾燥シリカ粒子のBET比表面積を空気乾燥シリカ粒子のBET比表面積で除した値が1.3以上10以下であるものを用いて調製されているので、従来の一液型研磨液組成物の課題であった、研磨液組成物の調製直後に当該研磨液組成物を研磨に用いた場合に研磨性能が不安定であること、を克服でき、研磨液組成物が調製直後のものであっても、研磨されたシリコンウェーハ表面の表面粗さ(ヘイズ)及び表面欠陥(LPD)の低減が行える。
また、本発明は、その他の態様において、シリカ粒子と塩基性化合物と水系媒体とを含むシリカ粒子分散液(第一液)と、水溶性高分子化合物と水系媒体とを含む添加剤水溶液(第二液)とが、相互に混合されていない状態で保存されており、これらが使用時に配合されるシリコンウェーハ用研磨液組成物キット(2液型研磨液組成物)である。シリカ粒子分散液(第一液)は、シリカ粒子の含有量が5質量%以上20質量%以下のいずれかの場合において、波長600nmの光の透過率が5.0%以上30%以下であるという特性を有するもの、シリカ粒子分散液の25℃におけるpHが9以上11以下でシリカ粒子の含有量が10質量%以上15質量%以下のいずれかの場合の、シリカ粒子分散液の波長600nmの光の透過率が5.0%以上30%以下であるもの、又は凍結乾燥シリカ粒子のBET比表面積を空気乾燥シリカ粒子のBET比表面積で除した値が1.3以上10以下であるものである。当該シリカ粒子分散液は、例えば、シリカ粒子と塩基性化合物と水系媒体とを混合して得た25℃におけるpHが9以上11以下の混合液を10℃以上80℃以下に1日間以上保持することにより得ることができる。
尚、本発明では、「前記シリカ粒子分散液の波長600nmの光の透過率が、前記シリカ粒子の含有量が5質量%以上20質量%以下のいずれかの場合において、5.0%以上30%以下である」と規定しているが、これは、本発明の1液型研磨液組成物の調製に用いられたシリカ粒子分散液、及び本発明のシリコンウェーハ用研磨液組成物キット(以下「研磨液組成物調製用キット」と略称する場合もある。)を構成するシリカ粒子分散液(第一液)中のシリカ粒子の含有量が必ずしも5質量%以上20質量%以下であることを規定しているわけではなく、例えば、シリカ粒子の含有量が5質量%以上20質量%以下のいずれかの濃度のシリカ粒子分散液中におけるシリカ粒子と塩基性化合物の含有量比と、当該含有量比が等しいシリカ粒子分散液も、前記シリカ粒子分散液に包含される。即ち、シリカ粒子の含有量が上記範囲内に無い場合には、水系媒体の量を変えることでシリカ粒子の含有量を5質量%以上20質量%以下に調整して、前記透過率を求めることができる。
また、本発明では、「前記シリカ粒子分散液の波長600nmの光の透過率が、前記シリカ粒子分散液の25℃におけるpHが9以上11以下で前記シリカ粒子の含有量が10質量%以上15質量%以下のいずれかの場合において、5.0%以上30%以下である」と規定しているが、これは、本発明の1液型研磨液組成物の調製に用いられたシリカ粒子分散液、及び本発明の研磨液組成物調製用キットを構成するシリカ粒子分散液(第一液)中のシリカ粒子の含有量が10質量%以上15質量%以下であることを規定しているわけではなく、例えば、波長600nmの光の透過率が5.0%以上30%以下で、25℃におけるpHが9以上11以下、好ましくはpHが10±0.3で、シリカ粒子の含有量が10質量%以上15質量%以下、好ましくは10質量%のシリカ粒子分散液中におけるシリカ粒子と塩基性化合物の含有量比と、当該含有量比が等しいシリカ粒子分散液も、前記シリカ粒子分散液に包含される。即ち、シリカ粒子分散液のpHやシリカ粒子の含有量を明確にして透過率を求めやすくすることができる。
とはいえ、シリカ粒子分散液の波長600nmの光の透過率が5.0%以上30%以下、前記シリカ粒子分散液の25℃におけるpHが9以上11以下、前記シリカ粒子の含有量が10質量%以上15質量%以下、である場合には本発明の研磨液組成物の好ましいものの一態様である。
本発明の研磨液組成物調製用キットは、シリカ粒子分散液(第一液)として、シリカ粒子分散液として、シリカ粒子と塩基性化合物と水系媒体とを混合して得た25℃におけるpHが9以上11以下の混合液を10℃以上80℃以下に1日間以上保持することにより得たもの、シリカ粒子の含有量が5質量%以上20質量%以下のいずれかである場合の、波長600nmの光の透過率が5.0%以上30%以下であるもの、シリカ粒子分散液の25℃におけるpHが9以上11以下でシリカ粒子の含有量が10質量%以上15質量%以下のいずれかである場合の、シリカ粒子分散液の波長600nmの光の透過率が5.0%以上30%以下であるもの、又は凍結乾燥シリカ粒子のBET比表面積を空気乾燥シリカ粒子のBET比表面積で除した値が1.3以上10以下であるものを含んでいるので、従来の二液型研磨液組成物の課題であった、二液を混合して得た研磨液組成物を直ぐに研磨に用いた場合に研磨性能が不安定であること、を克服でき、本発明の研磨液組成物調製用キットを構成する2つの液を混合して得た研磨液組成物を直ぐに研磨に用いても、研磨されたシリコンウェーハの表面粗さ(ヘイズ)及び表面欠陥(LPD)の低減が行える。
また、本発明の研磨液組成物調製用キットでは、シリカ粒子分散液(第一液)と、添加剤水溶液(第二液)とが、互いに分けて保管されるので、シリカ粒子分散液(第一液)と添加剤水溶液(第二液)との混合時に、添加剤水溶液(第二液)の使用量を調整することにより、シリカ粒子分散液(第一液)と添加剤水溶液(第二液)とを混合して得られる研磨液組成物中の、水溶性高分子化合物等の濃度を調整でき、種々の研磨液組成物を調製できる。
以下、本発明の研磨液組成物の調製に用いられ、或いは本発明の研磨液組成物調製用キットを構成する、シリカ粒子分散液及び添加剤水溶液について詳述する。
<シリカ粒子分散液>
[シリカ粒子(成分A)]
シリカ粒子分散液には、研磨材としてシリカ粒子(成分A)が含まれる。シリカ粒子の具体例としては、コロイダルシリカ、フュームドシリカ等が挙げられるが、シリコンウェーハの表面平滑性を向上させる観点から、コロイダルシリカがより好ましい。
シリカ粒子(成分A)の使用形態としては、操作性の観点からスラリー状が好ましい。シリカ粒子がコロイダルシリカである場合、アルカリ金属やアルカリ土類金属等によるシリコンウェーハの汚染を防止する観点から、コロイダルシリカは、アルコキシシランの加水分解物から得たものであることが好ましい。アルコキシシランの加水分解物から得られるシリカ粒子は、従来から公知の方法によって作製できる。シリカ粒子の好ましいpH領域は7±0.5の中性である。
シリカ粒子(成分A)の平均一次粒子径は、本発明の安定化効果の観点から特に拘らないが、研磨速度の確保の観点から、好ましくは5nm以上、より好ましくは10nm以上、更に好ましくは15nm以上、更により好ましくは20nm以上である。また、研磨速度の確保及び表面欠陥(LPD)の低減との両立の観点から、好ましくは50nm以下、より好ましくは45nm以下、更に好ましくは40nm以下である。
特に、シリカ粒子(成分A)としてコロイダルシリカを用いた場合には、研磨速度の確保及びシリコンウェーハの表面欠陥(LPD)の低減の観点から、平均一次粒子径は、好ましくは5nm以上、より好ましくは10nm以上、更に好ましくは15nm以上、更により好ましくは20nm以上であり、また、好ましくは50nm以下、より好ましくは45nm以下、更に好ましくは40nm以下である。
シリカ粒子の平均一次粒子径は、BET(窒素吸着)法によって算出される比表面積S(m2/g)を用いて算出される。比表面積は、例えば、実施例に記載の方法により測定できる。
シリカ粒子の会合度は、研磨速度の確保及びシリコンウェーハの表面欠陥の低減の観点から、好ましくは3.0以下、より好ましくは2.5以下、更に好ましくは2.3以下であり、好ましくは1.1以上、より好ましくは1.5以上、更により好ましくは1.8以上である。シリカ粒子の形状はいわゆる球型といわゆるマユ型であることが好ましい。シリカ粒子がコロイダルシリカである場合、その会合度は、研磨速度の確保及び表面欠陥の低減の観点から、好ましくは3.0以下、より好ましくは2.5以下、更に好ましくは2.3以下であり、好ましくは1.1以上、より好ましくは1.5以上、更に好ましくは1.8以上である。
シリカ粒子の会合度とは、シリカ粒子の形状を表す係数であり、下記式により算出される。平均二次粒子径は、動的光散乱法によって測定される値であり、例えば、実施例に記載の装置を用いて測定できる。
会合度=平均二次粒子径/平均一次粒子径
シリカ粒子の会合度の調整方法としては、特に限定されないが、例えば、特開平6−254383号公報、特開平11−214338号公報、特開平11−60232号公報、特開2005−060217号公報、特開2005−060219号公報等に記載の方法を採用することができる。
シリカ粒子分散液の調製に用いられるシリカ粒子(成分A)に含まれるNaは、シリコンウェーハの表面欠陥(LPD)低減の観点から、好ましくは100ppb質量%以下、より好ましくは50ppb質量%以下、更に好ましくは30ppb質量%以下である。シリカ粒子(成分A)に含まれるNa等の不純物濃度は、プラズマ発高分析(ICP)や原子吸光分析等の方法により測定できる。
シリカ粒子分散液に含まれるシリカ粒子(成分A)の含有量は、製造及び輸送コストを低くできる等の経済性の観点から、好ましくは3質量%以上、より好ましくは5質量%以上、更に好ましくは8質量%以上である。また、シリカ粒子分散液中におけるシリカ粒子の含有量は、保存安定性を向上させる観点から、好ましくは25質量%以下、より好ましくは20質量%以下、更に好ましくは15質量%以下である。
凍結乾燥シリカ粒子のBET比表面積は、研磨されたシリコンウェーハ表面の表面粗さ(ヘイズ)及び表面欠陥(LPD)を安定して低減可能とする観点から、好ましくは95m2/g以上、より好ましくは110m2/g以上、更に好ましくは150m2/g以上であり、研磨速度向上の観点から、好ましくは400m2/g以下、より好ましくは300m2/g以下、更に好ましくは250m2/g以下である。尚、凍結乾燥シリカ粒子のBET比表面積は、後述の実施例に記載の方法により測定できる。
凍結乾燥シリカ粒子のBET比表面積を空気乾燥シリカ粒子のBET比表面積で除した値であるBET比表面積比は、研磨されたシリコンウェーハ表面の表面粗さ(ヘイズ)及び表面欠陥(LPD)を安定して低減可能とする観点から、1.3以上、好ましくは1.5以上、更に好ましくは2.0以上であり、10以下、好ましくは5.0以下、更に好ましくは3.0以下である。尚、空気乾燥シリカ粒子のBET比表面積は、シリカ粒子分散液をエアーフローにより空気乾燥させて得られる空気乾燥シリカ粒子のBET比表面積であり、後述の実施例に記載の方法により測定できる。
凍結乾燥シリカ粒子の単位質量あたりのシラノール基量は、研磨されたシリコンウェーハ表面の表面粗さ(ヘイズ)及び表面欠陥(LPD)を安定して低減可能とする観点から、好ましくは2.1mmol/g以上、より好ましくは2.3mmol/g以上、更に好ましくは2.4mmol/g以上であり、好ましくは10mmol/g以下、より好ましくは5.0mmol/g以下、更に好ましくは3.0mmol/g以下である。尚、凍結乾燥シリカ粒子の単位質量あたりのシラノール基量は、後述の実施例に記載の方法により測定できる。
凍結乾燥シリカ粒子の空孔率は、研磨されたシリコンウェーハ表面の表面粗さ(ヘイズ)及び表面欠陥(LPD)を安定して低減可能とする観点から、好ましくは1.5%以上、より好ましくは4.0%以上、更に好ましくは6.0%以上であり、好ましくは30%以下、より好ましくは20%以下、更に好ましくは15%以下である。尚、凍結乾燥シリカ粒子の空孔率は、後述の実施例に記載の方法により測定できる。
[塩基性化合物(成分B)]
シリカ粒子分散液には、保存安定性の向上、研磨速度の確保、シリコンウェーハの表面欠陥(LPD)及び表面粗さの低減の観点から、水溶性の塩基性化合物(成分B)が含まれる。
水溶性の塩基性化合物(成分B)としては、アミン化合物及びアンモニウム化合物から選ばれる少なくとも1種類以上の含窒素塩基性化合物である。シリカ粒子分散液に含まれる含窒素塩基性化合物(成分B)は、本発明の実施濃度領域において溶解していれば特にその溶解度は限定されないが、ここで、「水溶性」とは、水(20℃)に対して0.5g/100ml以上の溶解度を有することをいい、好ましくは2g/100ml以上の溶解度を有することをいい、「水溶性の塩基性化合物」とは、水に溶解したとき、塩基性を示す化合物をいう。
アミン化合物及びアンモニウム化合物から選ばれる少なくとも1種類以上の含窒素塩基性化合物としては、例えば、アンモニア、水酸化アンモニウム、炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N−メチルエタノールアミン、N−メチル−N,N−ジエタノ−ルアミン、N,N−ジメチルエタノールアミン、N,N−ジエチルエタノールアミン、N,N−ジブチルエタノールアミン、N−(β−アミノエチル)エタノ−ルアミン、モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミン、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ピペラジン・六水和物、無水ピペラジン、1−(2−アミノエチル)ピペラジン、N−メチルピペラジン、ジエチレントリアミン、及び水酸化テトラメチルアンモニウムが挙げられる。これらの含窒素塩基性化合物は2種以上を混合して用いてもよい。シリカ粒子分散液に含まれる含窒素塩基性化合物としては、シリコンウェーハの表面粗さ(ヘイズ)及び表面欠陥(LPD)の低減、シリカ粒子分散液の保存安定性の向上、及び、研磨速度の確保の観点からアンモニアがより好ましい。
シリカ粒子分散液に含まれる塩基性化合物(成分B)の含有量は、シリカ粒子の分散性の向上の観点から、好ましくは0.05質量%以上、より好ましくは0.1質量%以上、更に好ましくは0.5質量%以上である。また、シリカ粒子分散液中における塩基性化合物の含有量は、保存安定性の向上の観点から、好ましくは5質量%以下、より好ましくは4質量%以下、更に好ましくは3質量%以下である。
シリカ粒子分散液に含まれるシリカ粒子(成分A)と塩基性化合物(成分B)の質量比(シリカ粒子/塩基性化合物)は、保存安定性の向上の観点から、好ましくは0.6以上、より好ましくは1以上、更に好ましくは3以上である。また、シリカ粒子の分散性向上の観点から、好ましくは500以下、より好ましくは200以下、更に好ましくは100以下である。
[水系媒体]
シリカ粒子分散液に含まれる水系媒体としては、イオン交換水や超純水等の水、又は水と溶媒との混合媒体等が挙げられ、上記溶媒としては、水と混合可能な溶媒(例えば、エタノール等のアルコール)が好ましい。水系媒体としては、なかでも、シリコンウェーハの表面欠陥(LPD)及び表面粗さ(ヘイズ)の低減の観点から、イオン交換水又は超純水がより好ましく、超純水が更に好ましい。前記水系媒体が、水と溶媒との混合媒体である場合、混合媒体全体に対する水の割合は、本発明の効果が妨げられなければ、特に限定されるわけではないが、経済性の観点から、95質量%以上が好ましく、98質量%以上がより好ましく、実質的に100質量%が更に好ましい。
シリカ粒子分散液の波長600nmの光の透過率は、シリカ粒子分散液中のシリカ粒子の含有量が5質量%以上20質量%以下のいずれかの場合、シリコンウェーハの表面欠陥(LPD)及び表面粗さ(ヘイズ)の低減の観点から、好ましくは5.0%以上、より好ましくは5%以上、更に好ましくは8.0%以上、更により好ましくは8%以上、更により好ましくは11%以上であり、好ましくは30%以下、より好ましくは24%以下、更に好ましくは16%以下である。
波長600nmの光の透過率の測定対象とされるシリカ粒子分散液の測定条件としては、不確定さを避ける観点から、シリカ粒子の含有量は、10質量であり、シリカ粒子分散液の25℃におけるpHは、9以上11以下である。好ましくはpH10±0.3である。
<添加剤水溶液>
[水溶性高分子化合物(成分C)]
本発明の研磨液組成物を構成する添加剤水溶液に含まれる水溶性高分子化合物(成分C)は、本発明の研磨実施濃度領域において溶解していれば特に溶解度は限定されないが、本発明において、水溶性高分子化合物の「水溶性」とは、水(20℃)に対して0.5g/100ml以上の溶解度を有することをいい、好ましくは2g/100ml以上の溶解度を有することをいう。なお、後述するポリオキシアルキレン化合物(成分D)は水溶性高分子化合物だが、成分Cの範疇から除くものとする。
水溶性高分子化合物(成分C)を構成する供給源である単量体としては、研磨速度の確保、シリコンウェーハの表面欠陥(LPD)及び表面粗さ(ヘイズ)の低減の観点から、例えば、アミド基、水酸基、カルボキシル基、カルボン酸エステル基、スルホン酸基等の水溶性基を有する単量体が挙げられる。
添加剤水溶液に含まれる水溶性高分子化合物(成分C)としては、例えば、ポリアミド、セルロース誘導体、ポリビニルアルコール系重合体、アクリルアミド誘導体に由来する構成単位を含む水溶性高分子化合物等が例示できる。ポリアミドとしては、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド、ポリオキサゾリン、ポリジメチルアクリルアミド、ポリジエチルアクリルアミド、ポリイソプロピルアクリルアミド、ポリヒドロキシエチルアクリルアミド等が挙げられる。セルロース誘導体としては、カルボキシメチルセルロ−ス、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルエチルセルロース、及びカルボキシメチルエチルセルロース等が挙げられる。ポリビニルアルコール系重合体としては、ポリビニルアルコール(PVA)、アルキレンオキサイド変性PVA、カチオン変性PVA、アニオン変性PVA、アルキル変性PVA等があげられる。アクリルアミド誘導体に由来する構成単位を含む水溶性高分子化合物としては、下記一般式(1)で表される構成単位Iを75質量%以上含む水溶性高分子化合物が挙げられる。ただし、下記一般式(1)において、R1は炭素数1〜2のヒドロキシアルキル基である。一般式(1)で表される構成単位Iの供給源である単量体としては、N−ヒドロキシエチルアクリルアミド(HEAA)またはN−ヒドロキシメチルアクリルアミド(HMAA)等のアクリルアミド誘導体であるが、これらは、1種単独または2種以上組み合わせて用いることができる。これらの単量体のなかでも、シリコンウェーハの表面欠陥(LPD)及び表面粗さ(ヘイズ)の低減の観点から、HEAAが好ましい。
Figure 0006655354
アクリルアミド誘導体に由来する構成単位を含む水溶性高分子化合物について、「構成単位Iを75質量%以上含む」とは、水溶性高分子化合物の1分子中における前記構成単位Iの質量が、水溶性高分子化合物の重量平均分子量(Mw)の75%以上であることを意味する。また、本明細書において、水溶性高分子化合物を構成する全構成単位中に占める構成単位Iの含有量(質量%)として、合成条件によっては、水溶性高分子化合物の合成の全工程で反応槽に仕込まれた全構成単位を導入するための化合物中に占める前記反応槽に仕込まれた該構成単位Iを導入するための化合物量(質量%)から計算される値を使用してもよい。
アクリルアミド誘導体に由来する構成単位を含む水溶性高分子化合物の全構成単位中における前記構成単位Iの割合は、シリコンウェーハの表面欠陥(LPD)及び表面粗さ(ヘイズ)の低減の観点から、75質量%以上であり、80質量%以上が好ましく、90質量%以上がより好ましく、実質的に100質量%が更に好ましく、100質量%が更により好ましい。
アクリルアミド誘導体に由来する構成単位を含む水溶性高分子化合物は、本発明の効果が奏される限りにおいて、前記構成単位I以外の構成単位を含んでいてもよい。構成単位I以外の構成単位(「構成単位II」ともいう。)を含む場合には、構成単位I以外の構成単位は、シリコンウェーハの表面欠陥(LPD)及び表面粗さ(ヘイズ)の低減の観点から、N−イソプロピルアクリルアミド(NIPAM)、アクリル酸(AA)、メタクリル酸(MAA)、ビニルピロリドン(VP)、ジメチルアクリルアミド(DMAA)及びジエチルアクリルアミド(DEAA)からなる群から選ばれる少なくとも一種のモノマーに由来する構成単位IIが好ましく、N−イソプロピルアクリルアミド(NIPAM)がより好ましい。
尚、水溶性高分子化合物が、一般式(1)で表される構成単位Iと構成単位IIとを含む共重合体である場合、構成単位Iと構成単位IIの共重合体における構成単位の配列は、ブロックでもランダムでもよい。
水溶性高分子化合物の具体例としては、HEAA単独重合体、HMAA単独重合体、HEAAとHMAAの共重合体、HEAAとNIPAMの共重合体、HMAAとNIPAMの共重合体、HEAAとHMAAとNIPAMの共重合体、HEAAとAAの共重合体、HEAAとMAAの共重合体、HEAAとVPの共重合体、HEAAとDMAAの共重合体、HEAAとDEAAの共重合体、HMAAとAAの共重合体、HMAAとMAAの共重合体、HMAAとVPの共重合体、HMAAとDMAAの共重合体、HMAAとDEAAの共重合体等のアクリルアミド誘導体に由来の構成単位を含む単独重合体又は共重合体が挙げられ、これらは1種単独又は2種以上用いられてもよいが、シリコンウェーハの表面欠陥の低減の観点から、HEAA単独重合体、HMAA単独重合体、HEAAとHMAAの共重合体、HEAAとNIPAMの共重合体、HMAAとNIPAMの共重合体、及びHEAAとHMAAとNIPAMの共重合体からなる群から選ばれる少なくとも1種の重合体が好ましく、HEAA単独重合体、HMAA単独重合体、及びHEAAとHMAAの共重合体からなる群から選ばれる少なくとも1種の重合体がより好ましく、HEAA単独重合体が更に好ましい。
これらの水溶性高分子化合物は任意の割合で2種以上を混合して用いてもよい。これらの水溶性高分子化合物のなかでも、シリコンウェーハの表面欠陥(LPD)及び表面粗さ(ヘイズ)の低減の観点から、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシエチルセルロース、ポリエチレングリコール、HEAA単独重合体、及びNIPAMとアクリルアミド(AAm)の共重合体からなる群から選ばれる少なくとも1種の水溶性高分子化合物が好ましく、ポリビニルアルコール、ヒドロキシエチルセルロース、HEAA単独重合体、及びNIPAMとAAmの共重合体からなる群から選ばれる少なくとも1種の水溶性高分子化合物がより好ましい。
ポリビニルアルコールの重量平均分子量は、シリコンウェーハの表面欠陥(LPD)及び表面粗さ(ヘイズ)の低減の観点から、好ましくは1万以上、より好ましくは1.5万以上、更に好ましくは2万以上であり、シリカ粒子の凝集抑制の観点から、好ましくは15万以下、より好ましくは10万以下、更に好ましくは8万以下である。ポリビニルアルコールの重量平均分子量は、後述の実施例に記載の方法により測定される。
ポリビニルピロリドンの重量平均分子量は、シリコンウェーハの表面欠陥(LPD)及び表面粗さ(ヘイズ)の低減の観点から、好ましくは1万以上、より好ましくは3万以上、更に好ましくは20万以上であり、シリカ粒子の凝集抑制の観点から、好ましくは100万以下、より好ましくは70万以下、更に好ましくは60万以下である。ポリビニルピロリドンの重量平均分子量は、後述の実施例に記載の方法により測定される。
ヒドロキシエチルセルロースの重量平均分子量は、シリコンウェーハの表面欠陥(LPD)及び表面粗さ(ヘイズ)の低減の観点から、好ましくは10万以上、より好ましくは20万以上、更に好ましくは24万以上であり、シリカ粒子の凝集抑制の観点から、好ましくは150万以下、より好ましくは110万以下、更に好ましくは90万以下である。HECの重量平均分子量は、後述の実施例に記載の方法により測定される。
HEAA単独重合体の重量平均分子量は、シリコンウェーハの表面欠陥(LPD)及び表面粗さ(ヘイズ)の低減の観点から、好ましくは5万以上、より好ましくは10万以上、更に好ましくは20万以上、更により好ましくは30万以上、更により好ましくは40万以上であり、シリカ粒子の凝集抑制の観点から、好ましくは200万以下、より好ましくは150万以下、更に好ましくは100万以下、更により好ましくは90万以下、更により好ましくは80万以下である。HEAA単独重合体の重量平均分子量は後述の実施例に記載の方法により測定される。
NIPAMとAAmの共重合体の重量平均分子量は、シリコンウェーハの表面欠陥(LPD)及び表面粗さ(ヘイズ)の低減の観点から、好ましくは5万以上、より好ましくは10万以上、更に好ましくは20万以上、更により好ましくは30万以上であり、シリカ粒子の凝集抑制の観点から、好ましくは100万以下、より好ましくは80万以下、更に好ましくは60万以下である。NIPAMとAAmの共重合体の重量平均分子量は後述の実施例に記載の方法により測定される。
添加剤水溶液に含まれる水溶性高分子化合物(成分C)の含有量は、製造及び輸送コストを低くできる等の経済性の観点から、好ましくは0.5質量%以上、より好ましくは1質量%以上、更に好ましくは1.5質量%以上であり、保存安定性の向上の観点から、好ましくは20質量%以下、より好ましくは15質量%以下、更に好ましくは12質量%以下である。
添加剤水溶液に含まれる水系媒体の条件としては、シリカ粒子分散液に含まれる水系媒体と同じでよい。
シリカ粒子分散液と添加剤水溶液とを混合して得られる研磨液組成物について、シリカ粒子(成分A)と水溶性高分子化合物(成分C)の質量比(水溶性高分子化合物の質量/シリカ粒子の質量)は、シリカ粒子の分散性向上の観点及びシリコンウェーハの表面欠陥の低減の観点から、好ましくは0.005以上、より好ましくは0.0075以上、更に好ましくは0.009以上、更により好ましくは0.015以上であり、好ましくは1.0以下、より好ましくは0.8以下、更に好ましくは0.6以下、更により好ましくは0.4以下、更により好ましくは0.3以下である。
被研磨シリコンウェーハの研磨に使用され、研磨液組成物を構成するシリカ粒子分散液と添加剤水溶液とを混合して得られる混合液(研磨液組成物)及びその希釈液の25℃におけるpHは、表面粗さ(ヘイズ)の低減の観点から、好ましくは8以上、より好ましくは9以上、更に好ましくは10以上であり、好ましくは13以下、より好ましくは12以下、更に好ましくは11以下である。pHの調整は、pH調整剤(例えば、アンモニア)を適宜添加して行うことができる。ここで、25℃におけるpHは、pHメータ(例えば、東亜電波工業株式会社、HM−30G)を用いて測定でき、電極の研磨液組成物への浸漬後1分後の数値である。
[ポリオキシアルキレン化合物(成分D)]
添加剤水溶液は、更にポリオキシアルキレン化合物を含んでいてもよい。ポリオキシアルキレン化合物は、被研磨シリコンウェーハに吸着する。その為、ポリオキシアルキレン化合物は、塩基性化合物によるウェーハ表面の腐食を抑制しつつ、ウェーハ表面に濡れ性を付与することにより、ウェーハ表面の乾燥により生じると考えられるウェーハ表面へのパーティクルの付着を抑制するよう作用する。また、研磨されたシリコンウェーハの洗浄工程において、ポリオキシアルキレン化合物が、シリカ粒子とシリコンウェーハとの間におこる相互作用を弱める。したがって、ポリオキシアルキレン化合物は、水溶性高分子化合物と相まって、表面粗さ(ヘイズ)と表面欠陥(LPD)の低減を増進するものと考えられる。
ポリオキシアルキレン化合物(成分D)は、多価アルコールアルキレンオキシド付加物であり、多価アルコールにエチレンオキシドやプロピレンオキシド等のアルキレンオキシドを付加重合させて得られる多価アルコール誘導体である。ポリオキシアルキレン化合物は、エチレンオキシ基及びプロピレンオキシ基からなる群から選ばれる少なくとも1種のアルキレンオキシ基を含む。
ポリオキシアルキレン化合物(成分D)の元(原料)となる多価アルコールの水酸基数は、シリコンウェーハ表面へのポリオキシアルキレン化合物の吸着強度を高める観点、シリコンウェーハの表面欠陥(LPD)及び表面粗さ(ヘイズ)の低減の観点から、好ましくは2個以上であり、研磨速度の確保の観点から、好ましくは10個以下、より好ましくは8個以下、更に好ましくは6個以下、更により好ましくは4個以下である。
ポリオキシアルキレン化合物(成分D)は、具体的には、ポリエチレングリコール(PEG)及びポリプロピレングリコール等のアルキレングリコールアルキレンオキシド付加物、グリセリンアルキレンオキシド付加物、ペンタエリスリトールアルキレンオキシド付加物等が挙げられるが、これらの中でも、エチレングリコールアルキレンオキシド付加物が好ましい。
ポリオキシアルキレン化合物(成分D)は、エチレンオキシ基(EO)及びプロピレンオキシ基(PO)からなる群から選ばれる少なくとも1種のアルキレンオキシ基を含むが、シリコンウェーハの表面欠陥(LPD)及び表面粗さ(ヘイズ)の低減の観点から、ポリオキシアルキレン化合物に含まれるアルキレンオキシ基は、EO及びPOからなる群から選ばれる少なくとも1種のアルキレンオキシ基からなると好ましく、EOからなるとより好ましい。ポリオキシアルキレン化合物が、EOとPOの両方を含む場合、EOとPOの配列はブロックでもランダムでもよい。
ポリオキシアルキレン化合物(成分D)の重量平均分子量は、ポリオキシアルキレン化合物の被研磨シリコンウェーハへの吸着量を増大させて、表面粗さ(ヘイズ)を低減する観点から、好ましくは500以上、より好ましくは700以上、更に好ましくは900以上であり、ポリオキシアルキレン化合物のシリカ粒子への吸着量を増大させて、表面粗さ(ヘイズ)を低減する観点から、好ましくは25万以下、より好ましくは10万以下、更に好ましくは2万以下、更により好ましくは1万以下である。ポリオキシアルキレン化合物の重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法を下記の条件で適用して得たクロマトグラム中のピークに基づき算出できる。
〈測定条件〉
装置:HLC-8320 GPC(東ソー株式会社、検出器一体型)
カラム:GMPWXL+GMPWXL(アニオン)
溶離液:0.2Mリン酸バッファー/CH3CN=9/1
流量:0.5ml/min
カラム温度:40℃
検出器:RI 検出器
標準物質:分子量が既知の単分散ポリエチレングリコール
シリカ粒子分散液と添加剤水溶液とを混合して得られる研磨液組成物において、ポリオキシアルキレン化合物(成分D)と、シリカ粒子(成分A)の質量比(ポリオキシアルキレン化合物の質量/シリカ粒子の質量)は、シリコンウェーハの表面欠陥(LPD)及び表面粗さ(ヘイズ)の低減の観点から、好ましくは0.00004以上、より好ましくは0.0012以上、更に好ましくは0.0020以上であり、好ましくは0.02以下、より好ましくは0.0080以下、更に好ましくは0.0072以下である。
添加剤水溶液に含まれる水溶性高分子化合物(成分C)とポリオキシアルキレン化合物(成分D)の質量比(水溶性高分子化合物の質量/ポリオキシアルキレン化合物の質量)は、シリコンウェーハの表面欠陥(LPD)及び表面粗さ(ヘイズ)の低減の観点から、好ましくは1以上、より好ましくは3以上、更に好ましくは5以上であり、好ましくは500以下、より好ましくは200以下、更に好ましくは100以下、更により好ましくは60以下、更により好ましくは40以下である。
[その他の任意成分]
添加剤水溶液には、本発明の効果が妨げられない範囲で、ポリオキシアルキレン化合物(成分D)以外の任意成分として、更に前記水溶性高分子化合物以外の水溶性高分子化合物、pH調整剤、防腐剤、アルコール類、キレート剤、及びノニオン性界面活性剤から選ばれる少なくとも1種の任意成分が含まれてもよい。
〈防腐剤〉
防腐剤としては、ベンザルコニウムクロライド、ベンゼトニウムクロライド、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン、(5−クロロ−)2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、過酸化水素、又は次亜塩素酸塩等が挙げられる。
〈アルコール類〉
アルコール類としては、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、イソプロピルアルコール、2−メチル−2−プロパノオール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセリン等が挙げられる。アルコール類の含有量は、研磨液組成物又は研磨液組成物を水系媒体で希釈して得られる希釈液において、0.1〜5質量%であると好ましい。
〈キレート剤〉
キレート剤としては、エチレンジアミン四酢酸、エチレンジアミン四酢酸ナトリウム、ニトリロ三酢酸、ニトリロ三酢酸ナトリウム、ニトリロ三酢酸アンモニウム、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸ナトリウム、トリエチレンテトラミン六酢酸、トリエチレンテトラミン六酢酸ナトリウム等が挙げられる。キレート剤の含有量は、研磨液組成物又は研磨液組成物を水系媒体で希釈して得られる希釈液において、0.01〜1質量%であると好ましい。
〈非イオン性界面活性剤〉
非イオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシアルキレン(硬化)ヒマシ油等のポリエチレングリコール型と、ショ糖脂肪酸エステル、ポリグリセリンアルキルエーテル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、アルキルグリコシド等の多価アルコール型及び脂肪酸アルカノールアミド等が挙げられる。
次に、前記研磨液組成物の調製方法の一例について説明する。
[シリカ粒子分散液の調製方法]
シリカ粒子分散液は、シリカ粒子(成分A)と塩基性化合物(成分B)と水系媒体とを混合して得た混合液を、所定時間、所定温度に保持する熟成工程を経ることにより得られる。シリカ粒子(成分A)と塩基性化合物(成分B)と水系媒体の混合は、例えば、ホモミキサー、ホモジナイザー、超音波分散機、湿式ボールミル、又はビーズミル等の撹拌機等を用いて行うことができる。シリカ粒子の凝集等により生じた粗大粒子が水系媒体中に含まれる場合、遠心分離やフィルターを用いたろ過等により、当該粗大粒子を除去すると好ましい。
前記熟成工程における、前記所定温度は、シリコンウェーハの表面欠陥(LPD)及び表面粗さ(ヘイズ)の低減の観点から、10℃以上であるが、熟成時間短縮、生産性向上の観点から、好ましくは30℃以上であり、保存安定性の観点から、80℃以下であるが、好ましくは60℃以下である。前記所定時間は、シリコンウェーハの表面欠陥(LPD)及び表面粗さ(ヘイズ)の低減の観点から、1日(1日(24時間)±6時間)以上であり、好ましくは3日(3日(72時間)±6時間)以上、より好ましくは5日(5日(120時間)±6時間)以上であり、生産性向上の観点から、好ましくは30日(30日(720時間)±6時間)以下、より好ましくは8日(8日(192時間)±6時間)以下である。また、前記所定時間は、シリコンウェーハの表面欠陥(LPD)及び表面粗さ(ヘイズ)の低減の観点から、更に好ましくは12日(12日(288時間)±6時間)以上、更により好ましくは28日(28日(672時間)±6時間)以上、更に好ましくは40日(40日(960時間)±6時間)以上、更に好ましくは60日(60日(1440時間)±6時間)以上、更に好ましくは80日(80日(1920時間)±6時間)以上である。前記熟成工程における、前記所定温度が、18℃以上32℃以下の場合、シリコンウェーハの表面欠陥(LPD)及び表面粗さ(ヘイズ)の低減の観点から、前記所定時間は、好ましくは3日(3日(72時間)±6時間)以上、より好ましくは5日(5日(120時間)±6時間)以上、更に好ましくは12日(12日(288時間)±6時間)以上、更により好ましくは28日(28日(672時間)±6時間)以上、更に好ましくは40日(40日(960時間)±6時間)以上、更に好ましくは60日(60日(1440時間)±6時間)以上、更に好ましくは80日(80日(1920時間)±6時間)以上である。尚、前記「所定時間」は、シリカ粒子分散液の構成成分を混合し終わった時点からカウントされ、当該時点から、添加剤水溶液との混合が開始される前までに経過した時間である。従って、前記「所定時間」は、倉庫等で保存されている時間のみならず、輸送等が行われている場合は当該輸送時間も含む。尚、本願において、日数で表わされる所定時間は、その日数×24時間±6時間を意味する。例えば、所定時間「1日」は、24時間±6時間を意味する。
シリカ粒子(成分A)と塩基性化合物(成分B)と水系媒体とを混合して得た混合液の熟成は、表面欠陥(LPD)及び表面粗さ(ヘイズ)の低減の観点から、可能なかぎり空気及び光が入らないように容器に充填された状態で行われると好ましい。
[添加剤水溶液の調製方法]
添加剤水溶液は、水溶性高分子化合物(成分C)と水系媒体と、必要に応じて任意成分とを配合することによって調製できる。
[研磨液組成物の調製方法]
本発明の研磨液組成物の上述したシリカ粒子分散液と添加剤水溶液とを混合することにより調製される。研磨液組成物の調製方法は、特に限定されないが、シリカ粒子の分散安定性を高める観点から、添加剤水溶液へシリカ粒子分散液を添加し、これらを混合することが好ましい。さらに、シリカ粒子の分散性を高める観点から、添加剤水溶液を攪拌しながら、そこにシリカ粒子分散液を添加し、これらを混合するのが好ましい。また、シリカ粒子分散液と添加剤水溶液とは別に水系媒体をさらに加えて調製することもできる。研磨液組成物の調製の際あるいは調製後に、シリカ粒子分散液又は研磨液組成物に含まれる粗大粒子等を効率的且つ経済的に除去する目的で、一般的な分散あるいは粒子除去方法を用いることができる。
<被研磨シリコンウェーハの研磨方法、半導体基板の製造方法>
本発明の被研磨シリコンウェーハの研磨方法(以下「本発明の研磨方法」と言う場合もある。)の一態様及び本発明の半導体基板の製造方法(以下「本発明の製造方法」と言う場合もある。)の一態様では、本発明の研磨液組成物をそのまま、又は本発明の研磨液組成物を水系媒体により希釈し得た研磨液組成物を用いて被研磨シリコンウェーハを研磨する工程を含む。また、本発明の研磨方法の他の態様及び本発明の製造方法の他の態様では、本発明の研磨液組成物調製用キットを構成するシリカ粒子分散液(第一液)と添加剤水溶液(第二液)とを混合した後、必要に応じて水系媒体により希釈するか、又は、必要に応じてシリカ粒子分散液(第一液)と添加剤水溶液(第二液)のいずれか一方又は双方を水系媒体で希釈してからこれらを混合して得た研磨液組成物を用いて被研磨シリコンウェーハを研磨する工程を含む。シリカ粒子分散液と添加剤水溶液の各使用量は、研磨された被研磨シリコンウェーハが目標とする表面欠陥(LPD)及び表面粗さ(ヘイズ)に応じて適宜調整すればよい。
例えば、シリカ粒子と、塩基性化合物と、水溶性高分子化合物と、水系媒体とを混合して得られる1液型研磨液組成物は、成分を混合した後、所定の保存時間、所定の温度に保持する熟成工程を経ることなく直に研磨に使用すると、表面欠陥(LPD)及び表面粗さ(ヘイズ)が悪化する。本発明の研磨方法及び本発明の製造方法では、水和層が高度に安定化されたシリカ粒子を含むシリカ粒子分散液、又は凍結乾燥BET比表面積を空気乾燥シリカ粒子のBET比表面積で除した値が1.3以上10以下のシリカ粒子分散液を用いて調製された研磨液組成物(本発明の研磨液組成物調製用キットを用いて調製された研磨液組成物も含む。)を、被研磨シリコンウェーハの研磨に用いるので、研磨液組成物の調製後、これらを直ちに被研磨シリコンウェーハの研磨に用いても、表面欠陥(LPD)及び表面粗さ(ヘイズ)を低減できる。
前記被研磨シリコンウェーハを研磨する工程には、シリコン単結晶インゴットを薄円板状にスライスすることにより得られたシリコンウェーハを平坦化するラッピング(粗研磨)工程と、ラッピングされたシリコンウェーハをエッチングした後、シリコンウェーハ表面を鏡面化する仕上げ研磨工程とがある。本発明の研磨液組成物は、上記仕上げ研磨工程で用いられるとより好ましい。
前記被研磨シリコンウェーハを研磨する工程では、例えば、研磨パッドを貼り付けた定盤で被研磨シリコンウェーハを挟み込み、30gf/cm2以上200gf/cm2以下の研磨圧力で被研磨シリコンウェーハを研磨する。
上記研磨圧力とは、研磨時に被研磨シリコンウェーハの被研磨面に加えられる定盤の圧力をいう。研磨圧力は、研磨速度を向上させ経済的に研磨を行う観点から、30gf/cm2以上が好ましく、40gf/cm2以上がより好ましく、50gf/cm2以上が更に好ましく、55gf/cm2以上が更により好ましい。また、表面品質を向上させ、且つ研磨物の残留応力を緩和する観点から、研磨圧力は、200gf/cm2以下が好ましく、より好ましくは180gf/cm2以下、更に好ましくは160gf/cm2以下である。
本発明の製造方法及び本発明の研磨方法は、前記研磨液組成物を用いて被研磨シリコンウェーハを研磨する工程の後に、研磨された被研磨シリコンウェーハを洗浄する工程を更に含む。
本発明の半導体基板の製造方法は、前記シリコンウェーハ用研磨液組成物キットを用いて被研磨シリコンウェーハを研磨する工程を含む。ここで「シリコンウェーハ用研磨液組成物キットを用いて」とは上述した「シリコンウェーハ用研磨液組成物キット」のシリカ粒子分散液(第一液)と添加剤水溶液(第二液)とを混合した後、必要に応じて水系媒体により希釈するか、又は、必要に応じてシリカ粒子分散液(第一液)と添加剤水溶液(第二液)のいずれか一方又は双方を水系媒体で希釈してからこれらを混合して得た研磨液組成物を用いることを含む。
本発明の被研磨シリコンウェーハの研磨方法は、前記シリコンウェーハ用研磨液組成物キットを用いて被研磨シリコンウェーハを研磨する工程を含む。ここで「シリコンウェーハ用研磨液組成物キットを用いて」とは上述した「シリコンウェーハ用研磨液組成物キット」のシリカ粒子分散液(第一液)と添加剤水溶液(第二液)とを混合した後、必要に応じて水系媒体により希釈するか、又は、必要に応じてシリカ粒子分散液(第一液)と添加剤水溶液(第二液)のいずれか一方又は双方を水系媒体で希釈してからこれらを混合して得た研磨液組成物を用いることを含む。
本発明は、更に下記<1>〜<48>を開示する。
<1> シリカ粒子と塩基性化合物と水系媒体とを含むシリカ粒子分散液と、水溶性高分子化合物と水系媒体とを含む添加剤水溶液とを混合して得たシリコンウェーハ用研磨液組成物であって、
前記シリカ粒子分散液の波長600nmの光の透過率が、前記シリカ粒子の含有量が5質量%以上20質量%以下のいずれかの場合において、5.0%以上、より好ましくは5%以上、更に好ましくは8.0%以上、更により好ましくは8%以上、更により好ましくは11%以上であり、30%以下、好ましくは24%以下、より好ましくは16%以下である、シリコンウェーハ用研磨液組成物。
<2> 前記シリカ粒子分散液の25℃におけるpHが9以上11以下である、前記<1>に記載のシリコンウェーハ用研磨液組成物。
<3> シリカ粒子と塩基性化合物と水系媒体とを含むシリカ粒子分散液と、水溶性高分子化合物と水系媒体とを含む添加剤水溶液とを混合して得たシリコンウェーハ用研磨液組成物であって、
前記シリカ粒子分散液の波長600nmの光の透過率が、前記シリカ粒子分散液の25℃におけるpHが9以上11以下、好ましくはpH10±0.3で、前記シリカ粒子の含有量が10質量%以上15質量%以下、好ましくは10質量%である場合において、5.0%以上、より好ましくは5%以上、更に好ましくは8.0%以上、更により好ましくは8%以上、更により好ましくは11%以上であり、30%以下、好ましくは24%以下、より好ましくは16%以下である、シリコンウェーハ用研磨液組成物。
<4> シリカ粒子と塩基性化合物と水系媒体とを含むシリカ粒子分散液と、水溶性高分子化合物と水系媒体とを含む添加剤水溶液とを混合して得たシリコンウェーハ用研磨液組成物であって、
前記シリカ粒子分散液の波長600nmの光の透過率が5.0%以上30%以下であって、前記シリカ粒子分散液の25℃におけるpHが9以上11以下で、前記シリカ粒子の含有量が10質量%以上15質量%以下である、シリコンウェーハ用研磨液組成物。
<5> シリカ粒子と塩基性化合物と水系媒体とを含むシリカ粒子分散液と、水溶性高分子化合物と水系媒体とを含む添加剤水溶液とを混合して得たシリコンウェーハ用研磨液組成物であって、
前記シリカ粒子分散液を凍結乾燥させて得た凍結乾燥シリカ粒子のBET比表面積を、前記シリカ粒子分散液を空気乾燥させて得た空気乾燥シリカ粒子のBET比表面積で除して得られるBET比表面積比(凍結乾燥シリカ粒子のBET比表面積/空気乾燥シリカ粒子のBET比表面積)が1.3以上、好ましくは1.5以上、更に好ましくは2.0以上であり、10以下、好ましくは5.0以下、更に好ましくは3.0以下である、シリコンウェーハ用研磨液組成物。
<6> 前記凍結乾燥後のシリカ粒子の単位質量あたりのシラノール基量が、好ましくは2.1mmol/g以上、より好ましくは2.3mmol/g以上、更に好ましくは2.4mmol/g以上であり、好ましくは10mmol/g以下、より好ましくは5.0mmol/g以下、更に好ましくは3.0mmol/g以下である、<5>に記載のシリコンウェーハ用研磨液組成物。
<7> 前記凍結乾燥後のシリカ粒子表面の空孔率が、好ましくは1.5%以上、より好ましくは4.0%以上、更に好ましくは6.0%以上であり、好ましくは30%以下、より好ましくは20%以下、更に好ましくは15%以下である、<5>又は<6>に記載のシリコンウェーハ用研磨液組成物。
<8> 前記凍結乾燥シリカ粒子のBET比表面積は、好ましくは95m2/g以上、より好ましくは110m2/g以上、更に好ましくは150m2/g以上であり、好ましくは400m2/g以下、より好ましくは300m2/g以下、更に好ましくは250m2/g以下である、<5>から<7>のいずれかに記載のシリコンウェーハ用研磨液組成物。
<9> 前記水溶性高分子化合物が、好ましくはポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシエチルセルロース、ポリエチレングリコール、ポリオキシエチレン、HEAA単独重合体、及びNIPAMとAAmの共重合体からなる群から選ばれる少なくとも1種の水溶性高分子化合物を含み、より好ましくはポリビニルアルコール、ヒドロキシエチルセルロース、HEAA単独重合体、及びNIPAMとAAmの共重合体からなる群から選ばれる少なくとも1種の水溶性高分子化合物を含む、前記<1>から<8>のいずれかに記載のシリコンウェーハ用研磨液組成物。
<10> 前記ポリビニルアルコールの重量平均分子量は、好ましくは1万以上、より好ましくは1.5万以上、更に好ましくは2万以上であり、好ましくは15万以下、より好ましくは10万以下、更に好ましくは8万以下である、前記<9>に記載のシリコンウェーハ用研磨液組成物。
<11> 前記ポリビニルピロリドンの重量平均分子量は、好ましくは1万以上、より好ましくは3万以上、更に好ましくは20万以上であり、好ましくは100万以下、より好ましくは70万以下、更に好ましくは60万以下である、前記<9>に記載のシリコンウェーハ用研磨液組成物。
<12> 前記ヒドロキシエチルセルロースの重量平均分子量は、好ましくは10万以上、より好ましくは20万以上、更に好ましくは24万以上であり、好ましくは150万以下、より好ましくは110万以下、更に好ましくは90万以下である、前記<9>に記載のシリコンウェーハ用研磨液組成物。
<13> 前記HEAA単独重合体の重量平均分子量は、好ましくは5万以上、より好ましくは10万以上、更に好ましくは20万以上が、更により好ましくは30万以上、更により好ましくは40万以上であり、好ましくは200万以下、より好ましくは150万以下、更に好ましくは100万以下、更により好ましくは90万以下、更により好ましくは80万以下である、前記<9>に記載のシリコンウェーハ用研磨液組成物。
<14> NIPAMとAAmの共重合体の重量平均分子量は、好ましくは5万以上、より好ましくは10万以上、更に好ましくは20万以上が、更により好ましくは30万以上であり、好ましくは100万以下、より好ましくは80万以下、更に好ましくは60万以下である、前記<9>に記載のシリコンウェーハ用研磨液組成物。
<15> 好ましくは、更に、前記添加剤水溶液がポリオキシアルキレン化合物を含有する、前記<1>から<14>のいずれかに記載のシリコンウェーハ用研磨液組成物。
<16> 前記シリカ粒子の平均一次粒子径は、好ましくは5nm以上、より好ましくは10nm以上、更に好ましくは15nm以上、更により好ましくは20nm以上であり、好ましくは50nm以下、より好ましくは45nm以下、更に好ましくは40nm以下である、前記<1>から<15>のいずれかに記載のシリコンウェーハ用研磨液組成物。
<17> 前記シリカ粒子(成分A)と前記水溶性高分子化合物(成分C)の質量比(水溶性高分子化合物の質量/シリカ粒子の質量)は、好ましくは0.005以上、より好ましくは0.0075以上、更に好ましくは0.009以上、更により好ましくは0.015以上であり、好ましくは1.0以下、より好ましくは0.8以下、更に好ましくは0.6以下、更により好ましくは0.4以下、更により好ましくは0.3以下である、前記<1>から<16>のいずれかに記載のシリコンウェーハ用研磨液組成物。
<18> 前記研磨液組成物の25℃におけるpHは、好ましくは8以上、より好ましくは9以上、更に好ましくは10以上であり、好ましくは13以下、より好ましくは12以下、更に好ましくは11以下である、前記<1>から<17>のいずれかに記載のシリコンウェーハ用研磨液組成物。
<19> シリカ粒子と塩基性化合物と水系媒体とを含むシリカ粒子分散液(第一液)と、水溶性高分子化合物と水系媒体とを含む添加剤水溶液(第二液)とを含み、
前記シリカ粒子分散液(第一液)の波長600nmの光の透過率が、前記シリカ粒子の含有量が5質量%以上20質量%以下のいずれかの場合において、5.0%以上、より好ましくは5%以上、更に好ましくは8.0%以上、更により好ましくは8%以上、更により好ましくは11%以上であり、30%以下、好ましくは24%以下、より好ましくは16%以下である、シリコンウェーハ用研磨液組成物キット。
<20> 前記シリカ粒子分散液の25℃におけるpHが9以上11以下である、前記<19>に記載のシリコンウェーハ用研磨液組成物キット。
<21> シリカ粒子と塩基性化合物と水系媒体とを含むシリカ粒子分散液(第一液)と、水溶性高分子化合物と水系媒体とを含む添加剤水溶液(第二液)とを含み、
前記シリカ粒子分散液(第一液)の波長600nmの光の透過率が、前記シリカ粒子分散液の25℃におけるpHが9以上11以下、好ましくはpH10±0.3で、前記シリカ粒子の含有量が10質量%以上15質量%以下、好ましくは10質量%である場合において、5.0%以上、より好ましくは5%以上、更に好ましくは8.0%以上、更により好ましくは8%以上、更により好ましくは11%以上であり、30%以下、好ましくは24%以下、より好ましくは16%以下である、シリコンウェーハ用研磨液組成物キット。
<22> シリカ粒子と塩基性化合物と水系媒体とを含むシリカ粒子分散液(第一液)と、水溶性高分子化合物と水系媒体とを含む添加剤水溶液(第二液)とを含み、
前記シリカ粒子分散液を凍結乾燥させて得た凍結乾燥シリカ粒子のBET比表面積を、前記シリカ粒子分散液を空気乾燥させて得た空気乾燥シリカ粒子のBET比表面積で除して得られるBET比表面積比(凍結乾燥シリカ粒子のBET比表面積/空気乾燥シリカ粒子のBET比表面積)が1.3以上、好ましくは1.5以上、更に好ましくは2.0以上であり、10以下、好ましくは5.0以下、更に好ましくは3.0以下である、シリコンウェーハ用研磨液組成物キット。
<23> 前記凍結乾燥シリカ粒子の単位質量あたりのシラノール基量が、好ましくは2.1mmol/g以上、より好ましくは2.3mmol/g以上、更に好ましくは2.4mmol/g以上であり、好ましくは10mmol/g以下、より好ましくは5.0mmol/g以下、更に好ましくは3.0mmol/g以下である、<22>に記載のシリコンウェーハ用研磨液組成物キット。
<24> 前記凍結乾燥シリカ粒子表面の空孔率が、好ましくは1.5%以上、より好ましくは4.0%以上、更に好ましくは6.0%以上であり、好ましくは30%以下、より好ましくは20%以下、更に好ましくは15%以下である、<22>又は<23>に記載のシリコンウェーハ用研磨液組成物キット。
<25> 前記凍結乾燥シリカ粒子のBET比表面積は、好ましくは95m2/g以上、より好ましくは110m2/g以上、更に好ましくは150m2/g以上であり、好ましくは400m2/g以下、より好ましくは300m2/g以下、更に好ましくは250m2/g以下である、<22>から<24>のいずれかに記載のシリコンウェーハ用研磨液組成物キット。
<26> 前記水溶性高分子化合物が、好ましくはポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシエチルセルロース、ポリエチレングリコール、ポリオキシエチレン、HEAA単独重合体、及び及びNIPAMとAAmの共重合体からなる群から選ばれる少なくとも1種の水溶性高分子化合物を含み、より好ましくはポリビニルアルコール、ヒドロキシエチルセルロース、HEAA単独重合体及びNIPAMとAAmの共重合体からなる群から選ばれる少なくとも1種の水溶性高分子化合物を含む、前記<19>から<25>のいずれかに記載のシリコンウェーハ用研磨液組成物キット。
<27> 前記ポリビニルアルコールの重量平均分子量は、好ましくは1万以上、より好ましくは1.5万以上、更に好ましくは2万以上であり、好ましくは15万以下、より好ましくは10万以下、更に好ましくは8万以下である、前記<26>に記載のシリコンウェーハ用研磨液組成物キット。
<28> 前記ポリビニルピロリドンの重量平均分子量は、好ましくは1万以上、より好ましくは3万以上、更に好ましくは20万以上であり、好ましくは100万以下、より好ましくは70万以下、更に好ましくは60万以下である、前記<26>に記載のシリコンウェーハ用研磨液組成物キット。
<29> 前記ヒドロキシエチルセルロースの重量平均分子量は、好ましくは10万以上、より好ましくは20万以上、更に好ましくは24万以上であり、好ましくは150万以下、より好ましくは110万以下、更に好ましくは90万以下である、前記<26>に記載のシリコンウェーハ用研磨液組成物キット。
<30> 前記HEAA単独重合体の重量平均分子量は、好ましくは5万以上、より好ましくは10万以上、更に好ましくは20万以上が、更により好ましくは30万以上、更により好ましくは40万以上であり、好ましくは200万以下、より好ましくは150万以下、更に好ましくは100万以下、更により好ましくは90万以下、更により好ましくは80万以下である、前記<26>に記載のシリコンウェーハ用研磨液組成物キット。
<31> NIPAMとAAmの共重合体の重量平均分子量は、好ましくは5万以上、より好ましくは10万以上、更に好ましくは20万以上が、更により好ましくは30万以上であり、好ましくは100万以下、より好ましくは80万以下、更に好ましくは60万以下である、前記<26>に記載のシリコンウェーハ用研磨液組成物キット。
<32> 好ましくは、更に、前記添加剤水溶液がポリオキシアルキレン化合物を含有する、前記<19>から<31>のいずれかに記載のシリコンウェーハ用研磨液組成物キット。
<33> 前記シリカ粒子分散液に含まれるシリカ粒子の含有量は、好ましくは3質量%以上、より好ましくは5質量%以上、更に好ましくは8質量%以上であり、好ましくは25質量%以下、より好ましくは20質量%以下、更に好ましくは15質量%以下である、前記<19>から<32>のいずれかに記載のシリコンウェーハ用研磨液組成物キット。
<34> 前記シリカ粒子分散液に含まれる塩基性化合物(成分B)の含有量は、好ましくは0.05質量%以上、より好ましくは0.1質量%以上、更に好ましくは0.5質量%以上であり、好ましくは5質量%以下、より好ましくは4質量%以下、更に好ましくは3質量%以下である、前記<19>から<33>のいずれかに記載のシリコンウェーハ用研磨液組成物キット。
<35> 前記シリカ粒子分散液に含まれるシリカ粒子と塩基性化合物の質量比(シリカ粒子/塩基性化合物)は、好ましくは0.6以上、より好ましくは1以上、更に好ましくは3以上であり、好ましくは500以下、より好ましくは200以下、更に好ましくは100以下である、前記<19>から<34>のいずれかに記載のシリコンウェーハ用研磨液組成物キット。
<36> 前記添加剤水溶液に含まれる水溶性高分子化合物の含有量が、好ましくは0.5質量%以上、より好ましくは1質量%以上、更に好ましくは1.5質量%以上であり、好ましくは20質量%以下、より好ましくは15質量%以下、更に好ましくは12質量%以下である、前記<19>から<35>のいずれかに記載のシリコンウェーハ用研磨液組成物キット。
<37> シリカ粒子と、塩基性化合物と、水溶性高分子化合物、水系媒体とを含むシリコンウェーハ用研磨液組成物の製造方法であって、
前記水溶性高分子化合物と前記水系媒体とを混合して添加剤水溶液を得る工程と、
前記シリカ粒子と前記塩基性化合物と前記水系媒体とを混合して得た25℃におけるpHが9以上11以下の混合液を10℃以上、好ましくは30℃以上、80℃以下、好ましくは60℃以下で、1日(1日(24時間)±6時間)以上、好ましくは3日(3日(72時間)±6時間)以上、より好ましくは5日(5日(120時間)±6時間)以上、好ましくは30日(30日(720時間)±6時間)以下、より好ましくは8日(8日(192時間)±6時間)以下、保持して、シリカ粒子分散液を得る工程と、
前記シリカ粒子分散液と前記添加剤水溶液とを混合する工程とを含む、シリコンウェーハ用研磨液組成物の製造方法。
<38> 前記シリカ粒子分散液に含まれるシリカ粒子の含有量は、好ましくは3質量%以上、より好ましくは5質量%以上、更に好ましくは8質量%以上であり、好ましくは25質量%以下、より好ましくは20質量%以下、更に好ましくは15質量%以下である、前記<37>に記載のシリコンウェーハ用研磨液組成物の製造方法。
<39> 前記<19>から<36>のいずれかに記載のシリコンウェーハ用研磨液組成物キットの製造方法であって、
水溶性高分子化合物と水系媒体とを混合して添加剤水溶液を得る工程と、
シリカ粒子と塩基性化合物と水系媒体とを混合して得た25℃におけるpHが9以上11以下の混合液を10℃以上、好ましくは30℃以上、80℃以下、好ましくは60℃以下で、1日(1日(24時間)±6時間)以上、好ましくは3日(3日(72時間)±6時間)以上、より好ましくは5日(5日(120時間)±6時間)以上、好ましくは30日(30日(720時間)±6時間)以下、より好ましくは8日(8日(192時間)±6時間)以下、保持して、シリカ粒子分散液を得る工程と、を含むシリコンウェーハ用研磨液組成物キットの製造方法。
<40> 前記シリカ粒子分散液に含まれるシリカ粒子の含有量は、好ましくは3質量%以上、より好ましくは5質量%以上、更に好ましくは8質量%以上であり、好ましくは25質量%以下、より好ましくは20質量%以下、更に好ましくは15質量%以下である、前記<39>に記載のシリコンウェーハ用研磨液組成物キットの製造方法。
<41> シリカ粒子と塩基性化合物と水系媒体とを含むシリカ粒子分散液であって、
前記シリカ粒子分散液の波長600nmの光の透過率が、前記シリカ粒子の含有量が5質量%以上20質量%以下のいずれかの場合において、5.0%以上、より好ましくは5%以上、更に好ましくは8.0%以上、更により好ましくは8%以上、更により好ましくは11%以上であり、30%以下、好ましくは24%以下、より好ましくは16%以下である、シリカ粒子分散液。
<42> シリカ粒子と塩基性化合物と水系媒体とを含むシリカ粒子分散液であって、
前記シリカ粒子分散液の波長600nmの光の透過率が、前記シリカ粒子分散液の25℃におけるpHが9以上11以下、好ましくはpH10±0.3で、前記シリカ粒子の含有量が10質量%以上15質量%以下、好ましくは10質量%である場合において、5.0%以上、より好ましくは5%以上、更に好ましくは8.0%以上、更により好ましくは8%以上、更により好ましくは11%以上であり、30%以下、好ましくは24%以下、より好ましくは16%以下である、シリカ粒子分散液。
<43> シリカ粒子と塩基性化合物と水系媒体とを含むシリカ粒子分散液であって、
前記シリカ粒子分散液を凍結乾燥させて得た凍結乾燥シリカ粒子のBET比表面積を、前記シリカ粒子分散液を空気乾燥させて得た空気乾燥シリカ粒子のBET比表面積で除して得られるBET比表面積比(凍結乾燥シリカ粒子のBET比表面積/空気乾燥シリカ粒子のBET比表面積)が1.3以上、好ましくは1.5以上、更に好ましくは2.0以上であり、10以下、好ましくは5.0以下、更に好ましくは3.0以下である、シリカ粒子分散液。
<44> 前記<41>から<43>のいずれかに記載のシリカ粒子分散液と、水溶性高分子化合物と水系媒体とを含む添加剤水溶液とを混合する工程を含む、シリコンウェーハ用研磨液組成物の製造方法。
<45> 前記<1>から<18>のいずれかに記載のシリコンウェーハ用研磨液組成物を用いて被研磨シリコンウェーハを研磨する工程を含む、半導体基板の製造方法。
<46> 前記<1>から<18>のいずれかに記載のシリコンウェーハ用研磨液組成物を用いて被研磨シリコンウェーハを研磨する工程を含む、被研磨シリコンウェーハの研磨方法。
<47>前記<19>から<36>のいずれかに記載のシリコンウェーハ用研磨液組成物キットを用いて被研磨シリコンウェーハを研磨する工程を含む、半導体基板の製造方法。
<48> 前記<19>から<36>のいずれかに記載のシリコンウェーハ用研磨液組成物キットを用いて被研磨シリコンウェーハを研磨する工程を含む、被研磨シリコンウェーハの研磨方法。
1.水溶性高分子化合物の合成又はその詳細
(1)HEAA単独重合体(pHEAA)の合成
下記の実施例1〜22、比較例1、2の研磨液組成物の調製に用いたHEAA単独重合体は下記のようにして合成した。
ヒドロキシエチルアクリルアミド150 g(1.30 mol 興人製)を100 gのイオン交換水に溶解し、モノマー水溶液を調製した。また、別に、2,2’-アゾビス(2‐メチルプロピオンアミジン)ジヒドロクロリド 0.035g(重合開始剤、V-50 1.30 mmol 和光純薬製)を70gのイオン交換水に溶解し、重合開始剤水溶液を調製した。ジムロート冷却管、温度計及び三日月形テフロン(登録商標)製撹拌翼を備えた2Lセパラブルフラスコに、イオン交換水1180 gを投入した後、セパラブルフラスコ内を窒素置換した。次いで、オイルバスを用いてセパラブルフラスコ内の温度を68℃に昇温した後、予め調製した上記モノマー水溶液と上記重合開始剤水溶液を各々3.5時間かけて撹拌を行っているセパラブルフラスコ内に滴下した。滴下終了後、反応溶液の温度及び撹拌を4時間保持し、無色透明の10質量%ポリヒドロキシエチルアクリルアミド(HEAAの単独重合体(重量平均分子量:720000)水溶液1500 gを得た。
(2)下記の実施例23、比較例3では、水溶性高分子化合物として、ヒドロキシエチルセルロース(HEC、重量平均分子量24万、ダイセルファインケム社製)を、実施例24、比較例4では、水溶性高分子化合物として、ポリビニルピロリドン(PVP、重量平均分子量36万、東京化成工業社製K−60)を、実施例26、比較例6では、水溶性高分子化合物として、ポリビニルアルコール(PVA、重量平均分子量2.5万、クラレ社製PVA105)を用いた。
(3)NIPAMとAAm(アクリルアミド)の共重合体の合成(NIPAM/AAm)
実施例25、比較例5の研磨液組成物の調製に用いたNIPAMとAAmの共重合体は下記のようにして合成した。
温度計及び5cm三日月形テフロン(登録商標)製撹拌翼を備えた500mlセパラブルフラスコに、イソプロピルアクリルアミド40g(0.35mol 興人製)と、アクリルアミド10g(0.14mol 和光純薬製)と、イオン交換水75gと、30%過酸化水素0.028g(0.25mmol 和光純薬製)とを投入し、イオン交換水にイソプロピルアクリルアミドとアクリルアミドが溶解した溶液を得た。次いで、当該溶液に30分間窒素を50ml/min.で吹き込んだ。一方で、L-アスコルビン酸0.043g(重合開始剤、0.25mmol 和光純薬製)とイオン交換水24.93gとを50mlビーカーで混合し、L-アスコルビン酸をイオン交換水に溶解させてL-アスコルビン酸溶液を得、これに30分間窒素を50ml/min.で吹き込んだ。次いで、500mlセパラブルフラスコ内のイソプロピルアクリルアミドとアクリルアミドを含む溶液に、窒素が吹き込まれたL-アスコルビン酸溶液を25℃で30分かけて滴下した後、25℃、200rpm(周速1.05m/s)で1時間撹拌した。さらに、40℃に昇温し、1時間撹拌した。セパラブルフラスコ内の溶液にイオン交換水100mlを加えた後、それをアセトン4L(和光純薬製)に滴下し、NIPAMとAAmの重量比が80対20のNIPAMとAAmの共重合体(固体)を得た。得られた固体を70℃/1KPa以下で乾燥させ、半透明固体42.7g(NIPAMとAAmの共重合体(重量平均分子量400000、収率85%)を得た。
2.各種パラメーターの測定方法
〈水溶性高分子化合物の重量平均分子量の測定〉
水溶性高分子化合物の重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法を下記の条件で適用して得たクロマトグラム中のピークに基づき算出した。尚、HECの重量平均分子量はカタログ値である。
〈測定条件〉
装置:HLC-8320 GPC(東ソー株式会社、検出器一体型)
カラム:GMPWXL+GMPWXL(アニオン)
溶離液:0.2Mリン酸バッファー/CH3CN=9/1
流量:0.5ml/min
カラム温度:40℃
検出器:ショーデックスRI SE−61示差屈折率検出器
標準物質:分子量が既知の単分散ポリエチレングリコール
〈水溶性の測定〉
各水溶性高分子化合物の水溶性は、0.5g/100mlの水溶性高分子化合物水溶液を調整し、下記の評価方法に従って目視で状態を確認した。
(評価方法)
(1)スクリュー管に約90mlの水を注ぎ、室温で攪拌を開始する。
(2)0.5gの水溶性高分子化合物をスクリュー管に計量し投入する。
(3)室温で3時間攪拌した後に、70度まで昇度し更に3時間攪拌する。
(4)室温まで冷却した後に、水を添加し100mlとする。
(5)目視で水溶液の状態を確認する。透明であれば、水溶性化合物である。
今回用いた水溶性高分子化合物は全て0.5重量%で透明であり、本発明において水溶性であると判断した。
<研磨材(シリカ粒子)の平均一次粒子径の測定>
研磨材の平均一次粒子径(nm)は、BET(窒素吸着)法によって算出される比表面積S(m2/g)を用いて下記式で算出した。
平均一次粒子径(nm)=2727/S
研磨材の比表面積は、下記の[前処理]をした後、測定サンプル約0.1gを測定セルに小数点以下4桁まで精量し、比表面積の測定直前に110℃の雰囲気下で30分間乾燥した後、比表面積測定装置(マイクロメリティック自動比表面積測定装置 フローソーブIII2305、島津製作所製)を用いて窒素吸着法(BET法)により測定した。
[前処理]
(a)スラリー状の研磨材を硝酸水溶液でpH2.5±0.1に調整する。
(b)pH2.5±0.1に調整されたスラリー状の研磨材をシャーレにとり150℃の熱風乾燥機内で1時間乾燥させる。
(c)乾燥後、得られた試料をメノウ乳鉢で細かく粉砕する。
(d)粉砕された試料を40℃のイオン交換水に懸濁させ、孔径1μmのメンブランフィルターで濾過する。
(e)フィルター上の濾過物を20gのイオン交換水(40℃)で5回洗浄する。
(f)濾過物が付着したフィルターをシャーレにとり、110℃の雰囲気下で4時間乾燥させる。
(g)乾燥した濾過物(砥粒)をフィルター屑が混入しないようにとり、乳鉢で細かく粉砕して測定サンプルを得た。
<研磨材(シリカ粒子)の平均二次粒子径>
研磨材の平均二次粒子径(nm)は、研磨材の濃度が0.25質量%となるように研磨材をイオン交換水に添加した後、得られた水分散液をDisposable Sizing Cuvette(ポリスチレン製 10mmセル)に下底からの高さ10mmまで入れ、動的光散乱法(装置名:ゼータサイザーNano ZS、シスメックス(株)製)を用いて測定した。
<凍結乾燥シリカ粒子のBET比表面積の測定>
シリカ粒子分散液を、凍結乾燥機(DFR-5N-B 、株式会社UVLAC製)を用いて、凍結温度-45℃で、予備凍結を8時間行った後、凍結温度-45℃、乾燥圧力10Paで、48時間凍結乾燥した。得られた凍結乾燥物を、メノウ乳鉢を用いて細かく粉砕して、測定サンプルを得た。得られた測定サンプル約0.1gを、測定セルに小数点以下4桁まで精量し、比表面積の測定直前に110℃の雰囲気下で30分間乾燥した後、比表面積測定装置(マイクロメリティック自動比表面積測定装置 フローソーブIII2305、島津製作所製)を用いて、凍結乾燥されたシリカ粒子の比表面積(m2/g)を、窒素吸着法(BET法)により測定した。
<空気乾燥シリカ粒子のBET比表面積の測定>
室温(25℃)下、シリカ粒子分散液をエアーフローすることにより48時間空気乾燥した。得られた乾燥物を、メノウ乳鉢を用いて細かく粉砕して、測定サンプルを得た。得られた測定サンプル約0.1gを、測定セルに小数点以下4桁まで精量し、比表面積の測定直前に110℃の雰囲気下で30分間乾燥した後、比表面積測定装置(マイクロメリティック自動比表面積測定装置 フローソーブIII2305、島津製作所製)を用いて、空気乾燥されたシリカ粒子の比表面積(m2/g)を、窒素吸着法(BET法)により測定した。
<シラノール基量の測定>
凍結乾燥シリカ粒子の単位質量あたりのシラノール基量は、差動型示差熱天秤(TG−DTA)(理学電機工業株式会社製、商品名:Thermo Plus TG8120)を用いて測定した。凍結乾燥シリカ粒子を、エアーフロー(300mL/min)下、25〜700℃まで10℃/minの速度で昇温し、200℃で測定した質量の残分をSiO2の重量(g)、200〜700℃までの加熱の間の質量の減量をシラノール由来の水の質量(g)として測定し、下記の式を用いてシラノール基量(mmol/g)を算出した。
シラノール基量(mmol/g)=(2×水の重量×1000/18)/SiO2の重量
<空孔率の測定>
比表面積・細孔分布測定装置(株式会社島津製作所製、商品名:ASAP2020)を用いて、液体窒素を用いた多点法で、凍結乾燥シリカ粒子の窒素ガス吸着測定を行った。窒素ガス吸着測定の対象とした試料(凍結乾燥シリカ粒子)には、窒素ガス吸着測定の前に200℃で2時間加熱する、前処理を施した。t−plot法により求められるミクロ孔の細孔容積(mL/g)とシリカ密度(2.2g/mL)から下記の式を用いてミクロ孔の空孔率(%)を算出した。
空孔率(%)=100×細孔容積/(1/2.2+細孔容積)
3.シリカ粒子分散液の調製方法
イオン交換水に対し、シリカ粒子(コロイダルシリカ、Na量 45ppb/固形分、平均一次粒子径35nm、平均二次粒子径71.8mm、会合度2.1)、及び必要に応じて28質量%アンモニア水(キシダ化学(株)試薬特級)を添加し、これらを30分間攪拌混合して混合液を得た後、直ちに、混合液を、5L成型液体容器フジテーナー(登録商標)(藤森工業社製)に空気が入らいないように充填し、当該混合液を表1に記載の保存条件(混合液の温度、期間)で保存して、実施例1〜26、比較例1〜6用のシリカ粒子分散液を得た。混合液におけるシリカ粒子の含有量は10質量%、アンモニアの含有量は、シリカ粒子分散液のpH(25℃)の値が表1に記載の値になるように調整した。尚、表1中の記載「期間」は、前記「保存時間」であり、シリカ粒子分散液の構成成分の濃度が均一になるまで十分に攪拌(例えば30分間撹拌)し終わった時点からカウントした。
得られたシリカ粒子分散液について、光路長10mmのディスポーザブルセル(ポリスチレン製)を想定容器として、波長が600nmの光の透過率を、島津製作所社製の分光光度計UV-2550を用いて測定し、その結果を表1に示した。
4.添加剤水溶液の調製方法
イオン交換水に対し表1に記載の水溶性高分子化合物を添加して、実施例1〜26、比較例1〜6用の添加剤水溶液を得た。添加剤水溶液における水溶性高分子化合物の含有量は2質量%とした。
5.研磨液組成物の調製方法
シリカ粒子の含有量が0.17質量%、水溶性高分子化合物の含有量が0.02質量%となるように、シリカ粒子分散液と添加剤水溶液とを混合し、さらに水系媒体を混合して、実施例1〜26、比較例1〜6研磨液組成物を得た。
6.研磨方法
上記のとおりシリカ粒子分散液と添加剤水溶液とを混合して得た研磨液組成物を調製後、直ちに、下記の研磨条件([仕上げ研磨条件])の仕上げ研磨に用いた。研磨対象は、シリコンウェーハ(直径200mmのシリコン片面鏡面ウェーハ、伝導型:P、結晶方位:100、抵抗率0.1Ω・cm以上100Ω・cm未満)である。当該仕上げ研磨に先立ってシリコンウェーハに対して市販の研磨剤組成物を用いてあらかじめ粗研磨を実施した。粗研磨を終了したシリコンウェーハの表面粗さ(ヘイズ)は、2.680ppbであった。この表面粗さ(ヘイズ)は、KLA Tencor社製のSurfscan SP1−DLS(商品名)を用いて測定される暗視野ワイド斜入射チャンネル(DWO)での値である。
[仕上げ研磨条件]
研磨機:片面8インチ研磨機GRIND-X SPP600s(岡本工作製)
研磨パッド:スエードパッド(東レ コーテックス社製 アスカー硬度64 厚さ 1.37mm ナップ長450um 開口径60um)
ウェーハ研磨圧力:100gf/cm2
定盤回転速度:60rpm
研磨時間:10分
研磨剤組成物の供給速度:シリコンウェ−ハ1枚当たり200ml/min
研磨剤組成物の温度:20℃
キャリア回転速度:60rpm
7.洗浄方法
仕上げ研磨後、シリコンウェーハに対して、オゾン洗浄と希フッ酸洗浄を下記のとおり行った。オゾン洗浄では、20ppmのオゾンを含んだ純水をノズルから流速1L/minで600rpmで回転するシリコンウェーハの中央に向かって3分間噴射した。このときオゾン水の温度は常温とした。次に希フッ酸洗浄を行った。希フッ酸洗浄では、0.5%のフッ化水素アンモニウム(特級:ナカライテクス株式会社)を含んだ純水をノズルから流速1L/minで600rpmで回転するシリコンウェーハの中央に向かって6秒間噴射した。上記オゾン洗浄と希フッ酸洗浄を1セットとして計2セット行い、最後にスピン乾燥を行った。スピン乾燥では1500rpmでシリコンウェーハを回転させた。
8.各種評価
(1)シリコンウェーハ表面の表面欠陥(LPD)及び表面粗さ(ヘイズ)の評価
洗浄後のシリコンウェーハ表面の表面粗さ(ヘイズ)は、表面粗さ測定装置「SurfscanSP1」(KLA Tencor社製)を用いて測定される、暗視野ワイド斜入射チャンネル(DWO)の値を用いた。また、表面欠陥(LPD)はHaze測定時に同時に測定され、シリコンウェーハ表面上の粒径が50nm以上のパーティクル数を測定することによって評価した。表面欠陥(LPD)の数値が小さいほど表面欠陥が少ないことを示す。尚、実施例1〜26、比較例2〜6の研磨液組成物と、同じ組成物の、シリカ粒子と塩基性化合物と水溶性高分子化合物と水系媒体とを含む混合液を、各々、対応する実施例、比較例と同じ保存温度で2週間保存(熟成)して得た1液型の研磨液組成物を研磨に使用した場合の表面欠陥(LPD)及びHaze(DWO)の値を求め、これらの値を各々1.0(基準値)とし、下記評価基準により、実施例1〜26、比較例2〜6の研磨液組成物を研磨に使用した場合の表面欠陥(LPD)及びHaze(DWO)を評価した。尚、比較例1の研磨液組成物については、シリカ粒子の凝集がひどいため、表面欠陥(LPD)及び表面粗さ(ヘイズ)の評価はできなかった。
<評価基準>
AA:測定値が基準値1.0に対して、+10%以下
A:測定値が基準値1.0に対して、+10%を超え+20%以下
B:測定値が基準値1.0に対して、+20%を超え+200%以下
C:測定値が基準値1.0に対して、+200%を超える
(2)濡れ性
仕上げ研磨直後のシリコンウェーハ(直径200mm)鏡面の親水化部(濡れている部分)の面積を目視により観察した。測定は2枚の異なるシリコンウェーハに対して行い、その平均値を下記の評価基準に従って評価して、その結果を表1に示した。尚、比較例1の研磨液組成物については、シリカ粒子の凝集がひどいため、濡れ性の評価はできなかった。
(評価基準)
A:濡れ部分面積の割合が95以上
B:濡れ部分面積の割合が90%以上95%未満
C:濡れ部分面積の割合が50%以上90%未満
D:濡れ部分面積の割合が50%未満
Figure 0006655354
表1に示されるように、波長600nmの光の透過率が、25℃におけるpHが9以上11以下でシリカ粒子の含有量を10質量%とした場合、5.0%以上30%以下であるシリカ粒子分散液を用いた実施例の研磨液組成物を用いた場合、比較例の研磨液組成物を用いる場合よりも、研磨されたシリコンウェーハの表面欠陥(LPD)及び表面粗さ(ヘイズ)は小さい。また、シリカ粒子と塩基性化合物と水系媒体とを混合して得た25℃におけるpHが9以上11以下の混合液を10℃以上80℃以下に1日間以上保持して得たシリカ粒子分散液と添加剤水溶液とを混合して得た実施例の研磨液組成物を用いた場合、比較例の研磨液組成物を用いる場合よりも、研磨されたシリコンウェーハの表面欠陥(LPD)及び表面粗さ(ヘイズ)は小さい。また、BET比表面積比が1.3以上10以下のシリカ粒子分散液と添加剤水溶液とを混合して得た実施例の研磨液組成物を用いた場合、比較例の研磨液組成物を用いる場合よりも、研磨されたシリコンウェーハの表面欠陥(LPD)及び表面粗さ(ヘイズ)は小さい。
本発明は、研磨されたシリコンウェーハ表面の表面粗さ(ヘイズ)及び表面欠陥(LPD)を安定して低減可能とするので、半導体基板の量産において有用である。

Claims (16)

  1. シリカ粒子と塩基性化合物と水系媒体とを含むシリカ粒子分散液と、水溶性高分子化合物と水系媒体とを含む添加剤水溶液とを混合して得たシリコンウェーハ用研磨液組成物であって、
    前記シリカ粒子分散液の波長600nmの光の透過率が、前記シリカ粒子の含有量が10質量%である場合において、5.0%以上30%以下である、シリコンウェーハ用研磨液組成物。
  2. シリカ粒子と塩基性化合物と水系媒体とを含むシリカ粒子分散液と、水溶性高分子化合物と水系媒体とを含む添加剤水溶液とを混合して得たシリコンウェーハ用研磨液組成物であって、
    前記シリカ粒子分散液の波長600nmの光の透過率が、前記シリカ粒子分散液の25℃におけるpHが9以上11以下で前記シリカ粒子の含有量が10質量%である場合において、5.0%以上30%以下である、シリコンウェーハ用研磨液組成物。
  3. シリカ粒子と塩基性化合物と水系媒体とを含むシリカ粒子分散液と、水溶性高分子化合物と水系媒体とを含む添加剤水溶液とを混合して得たシリコンウェーハ用研磨液組成物であって、
    前記シリカ粒子分散液の波長600nmの光の透過率が5.0%以上30%以下であって、前記シリカ粒子分散液の25℃におけるpHが9以上11以下で前記シリカ粒子の含有量が10質量%以上15質量%以下である、シリコンウェーハ用研磨液組成物。
  4. 前記水溶性高分子化合物が、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシエチルセルロース、ポリエチレングリコール、ポリオキシエチレン、N−ヒドロキシエチルアクリルアミド(HEAA)の単独重合体、及びN−イソプロピルアクリルアミド(NIPAM)とアクリルアミド(AAm)との共重合体からなる群から選ばれる少なくとも1種の水溶性高分子化合物を含む、請求項1からのいずれかの項に記載のシリコンウェーハ用研磨液組成物。
  5. 更に、前記添加剤水溶液がポリオキシアルキレン化合物を含有する、請求項1からのいずれかの項に記載のシリコンウェーハ用研磨液組成物。
  6. シリカ粒子と塩基性化合物と水系媒体とを含むシリカ粒子分散液(第一液)と、水溶性高分子化合物と水系媒体とを含む添加剤水溶液(第二液)とを含み、
    前記シリカ粒子分散液(第一液)の波長600nmの光の透過率が、前記シリカ粒子の含有量が10質量%である場合において、5.0%以上30%以下である、シリコンウェーハ用研磨液組成物キット。
  7. シリカ粒子と塩基性化合物と水系媒体とを含むシリカ粒子分散液(第一液)と、水溶性高分子化合物と水系媒体とを含む添加剤水溶液(第二液)とを含み、
    前記シリカ粒子分散液(第一液)の波長600nmの光の透過率が、前記シリカ粒子分散液の25℃におけるpHが9以上11以下で前記シリカ粒子の含有量が10質量%である場合において、5.0%以上30%以下である、シリコンウェーハ用研磨液組成物キット。
  8. 前記水溶性高分子化合物が、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシエチルセルロース、ポリエチレングリコール、ポリオキシエチレン、N−ヒドロキシエチルアクリルアミド(HEAA)の単独重合体、及びN−イソプロピルアクリルアミド(NIPAM)とアクリルアミド(AAm)との共重合体からなる群から選ばれる少なくとも1種の水溶性高分子化合物を含む、請求項6又は7に記載のシリコンウェーハ用研磨液組成物キット。
  9. 更に、前記添加剤水溶液がポリオキシアルキレン化合物を含有する、請求項からのいずれかの項に記載のシリコンウェーハ用研磨液組成物キット。
  10. 請求項からのいずれかの項に記載のシリコンウェーハ用研磨液組成物キットの製造方法であって、
    水溶性高分子化合物と水系媒体とを混合して添加剤水溶液を得る工程と、
    シリカ粒子と塩基性化合物と水系媒体とを混合して得た25℃におけるpHが9以上11以下の混合液を10℃以上80℃以下に1日間以上保持して、シリカ粒子分散液を得る工程と、を含むシリコンウェーハ用研磨液組成物キットの製造方法。
  11. シリカ粒子と塩基性化合物と水系媒体とを含むシリカ粒子分散液であって、
    前記シリカ粒子分散液の波長600nmの光の透過率が、前記シリカ粒子分散液の25℃におけるpHが9以上11以下で前記シリカ粒子の含有量が10質量%である場合において、5.0%以上30%以下である、シリカ粒子分散液。
  12. 請求項11に記載のシリカ粒子分散液と、水溶性高分子化合物と水系媒体とを含む添加剤水溶液とを混合する工程を含む、シリコンウェーハ用研磨液組成物の製造方法。
  13. 請求項1からのいずれかの項に記載のシリコンウェーハ用研磨液組成物を用いて被研磨シリコンウェーハを研磨する工程を含む、半導体基板の製造方法。
  14. 請求項1からのいずれかの項に記載のシリコンウェーハ用研磨液組成物を用いて被研磨シリコンウェーハを研磨する工程を含む、被研磨シリコンウェーハの研磨方法。
  15. 請求項からのいずれかの項に記載のシリコンウェーハ用研磨液組成物キットを用いて被研磨シリコンウェーハを研磨する工程を含む、半導体基板の製造方法。
  16. 請求項からのいずれかの項に記載のシリコンウェーハ用研磨液組成物キットを用いて被研磨シリコンウェーハを研磨する工程を含む、被研磨シリコンウェーハの研磨方法。
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