JP6654950B2 - ロータス管補修具及びロータス管補修方法 - Google Patents
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Description
ハンドホールは、電力線等の分岐やメンテナンス等に利用される。
しかしながら、さや管ダクトスリーブのうちハンドホール内に突出している部分はわずかであるため、この突出している部分を把持して固定板からさや管ダクトスリーブを取外すのは困難である。そのため、ハンドホールからロータス管全体を掘り起こして、ロータス管のさや管ダクトスリーブを修理等している。
本発明のロータス管補修具は、ロータス管のさや管ダクトスリーブ内に挿入可能な本体と、前記本体に設けられ、前記さや管ダクトスリーブの内径よりも小さい外径と、前記さや管ダクトスリーブの内径に等しい外径と、に切替え可能な保持部と、を備え、ロータス管からさや管ダクトスリーブを取り外すことを特徴としている。
この発明によれば、弾性部材を軸線方向に圧縮することで、弾性部材の軸線方向の長さを短くするとともに弾性部材を本体の径方向に大きくすることができる。
この発明によれば、係止部と移動部とで弾性部材を軸線方向に圧縮させることで、弾性部材の外径を調節することができる。
この発明によれば、本体に対して移動部を軸線周りに回転させても、その回転が押え部材により弾性部材に伝わりにくくなる。このため、弾性部材が軸線周りにねじれるのを抑え、移動部を回転させる際の操作性を向上させることができる。
この発明によれば、流体給排機構により袋状部材内に供給する流体の量を調節することで、袋状部材の外径を調節することができる。
以下、本発明に係るロータス管補修具(以下、補修具と略称する)の第1実施形態を、図1から図10を参照しながら説明する。以下では、まず、本補修具が用いられるロータス管について説明する。
図1及び図2に示すように、ロータス管101は公知の構成のものであり、例えば円板状の固定板102と、この固定板102に形成された複数の貫通孔102aに挿通された複数のさや管ダクトスリーブ103と、を備えている。複数のさや管ダクトスリーブ103は、さや管ダクトスリーブ103の径方向に並べて配置されている。複数のさや管ダクトスリーブ103の第一の端部103aが固定板102に図示しない接着剤等で固定されている。複数のさや管ダクトスリーブ103は、互に略平行(平行も含む)になるように配置されている。
固定板102及びさや管ダクトスリーブ103は、硬質の樹脂や金属等で形成することができる。さや管ダクトスリーブ103の内径は、L1である。
ハンドホール111はコンクリート等で上方が開口された箱状に形成されている。この開口には、図示しない蓋が取付けられる。作業者は、ハンドホール111から蓋を取外し、ハンドホール111内で必要な作業を行う。
本体11は、ステンレス鋼等で棒状に形成されている。本体11は、さや管ダクトスリーブ103内に少なくとも一部(先端部)が挿入可能である。図5に示すように、本体11の外周面(外面)には、本体11の略全長にわたり雄ネジ部11aが形成されている。すなわち、本体11は全ネジになっていて、雄ネジ部11aの螺線の中心軸が本体11の軸線Cである。
図3及び図6に示すように、ゴム輪17は円筒形に形成されている。ゴム輪17を形成する材料は、SBR(スチレン・ブタジエンゴム)、EPR(エチレン・プロピレンゴム)、EPDEM(エチレン・プロピレン・ジエンゴム)、NBR(ニトリルゴム)、ウレタン系エラストマー、スチレン系エラストマー、ブタジエン、アクリルゴム等、変形することができるものであれば特に限定されない。
ゴム輪17の軸線C方向の長さL2は、5mm以上であることが好ましい。この長さL2が5mm未満であると、ゴム輪17を形成する材料の種類によっては、補修具1を引き抜く時の力で本体11からゴム輪17が外れてしまう恐れがある。
係止部21は、例えば図示はしないが雄ネジ部11aに螺合する雌ネジ部を有する一対の部材を有している。一対の部材は、雄ネジ部11aに螺合するとともに互いに密着することで、本体11に固定されている。
図5に示すように、係止部21における本体11の第二の端部11cから離間している端部には、端に向かうほど外形が小さくなる円錐台形に形成された先細り部21aが設けられている。先細り部21aは、後述するように係止部21をさや管ダクトスリーブ103内に挿入しやすくなるように設けている。しかし、係止部21をさや管ダクトスリーブ103内に挿入しやすくなるのであれば、先細り部21aの形状は特に限定されず、円錐形等でもよい。
筒状部21bにおけるゴム輪17に対向(接触)する面は、ゴム輪17の押え面になっている。
延長部材24の内径は、本体11の雄ネジ部11aの外径よりも大きい。延長部材24には、取っ手26が取付けられていてもよい。この例では、取っ手26は棒状に形成され、延長部材24の第二の端部に一対取付けられている。
なお、本体11に対して延長部材24とともにナット25を軸線C周りに容易に回転できるときには、延長部材24に取っ手26は備えられなくてもよい。また、延長部材24の内周面に雌ネジ部25aと同様の雌ネジ部を形成し、雄ネジ部11aに螺合させてもよい。
なお、ナット25は、延長部材24に固定されず、延長部材24とゴム輪17との間に配置されていてもよい。
取っ手26を軸線C周りに回転させることで、ナット25の雌ネジ部25aが本体11の雄ネジ部11aに螺合する位置が変わる。これにより、本体11に対して移動部22が軸線C方向に移動し、係止部21と移動部22との距離が調節される。移動部22は、係止部21とともにゴム輪17を軸線C方向に挟む。
係止部21、延長部材24、及び押え部材27は、ステンレス鋼等の金属で形成することができる。
なお、押え部材27は移動部22と一体に構成されていてもよいが、移動部22とは分離していることが好ましい。
一方で、使用者が取っ手26を把持して移動部22を軸線C周りの所定の向きに回転させて、図8に示すように係止部21と移動部22との距離を近づける。ゴム輪17を軸線C方向に圧縮することでゴム輪17の軸線C方向の長さが短くなるとともにゴム輪17が径方向に大きくなる。係止部21と移動部22とでゴム輪17を軸線C方向に圧縮させることで、ゴム輪17の外径を調節する。ゴム輪17が、内径L1に等しい外径や内径L1よりも大きい外径になる。なお、移動部22を軸線C周りの所定の向きとは反対の向きに回転させると、ゴム輪17の外径が小さくなる。
このように、保持部16は、内径L1よりも小さい外径と、内径L1に等しい外径と、内径L1よりも大きい外径と、に切替え可能である。
なお、保持部16は、内径L1よりも小さい外径と、内径L1に等しい外径と、に切替え可能であってもよい。
まず、図1に示すように、使用者はゴム輪17が軸線C方向に圧縮されていない補修具1の保持部16のゴム輪17を、図9に示すようにさや管ダクトスリーブ103内に挿入する(補修具挿入工程S1)。このとき、補修具1を係止部21からさや管ダクトスリーブ103内に挿入する。
次に、図10に示すように、補修具1をさや管ダクトスリーブ103とともに固定板102に対してさや管ダクトスリーブ103の長手方向、より具体的には、さや管ダクトスリーブ103の第二の端部103bから第一の端部103aに向かう方向に移動させる(スリーブ取外し工程S5)。さや管ダクトスリーブ103と保持部16との間に作用する摩擦力により、補修具1を移動させることで、固定板102に対して補修具1とともにさや管ダクトスリーブ103が移動する。
以上の工程により、ロータス管101の固定板102からさや管ダクトスリーブ103が取外される。この後で、移動部22を軸線C周りに回転させてゴム輪17の外径を小さくし、さや管ダクトスリーブ103から補修具1を抜く。固定板102から取外したさや管ダクトスリーブ103に修理等をする。
すなわち、ゴム輪17が軸線C方向に圧縮されていない補修具1のゴム輪17を、修理をしたり新品に交換したりしたさや管ダクトスリーブ103内に挿入する。固定板102に対してさや管ダクトスリーブ103及び補修具1をさや管ダクトスリーブ103の第一の端部103aから第二の端部103bに向かう方向に移動させる。固定板102の貫通孔102aにさや管ダクトスリーブ103を挿通させる。固定板102とさや管ダクトスリーブ103の第一の端部103aとを、接着剤等により固定する。
以上の工程により、固定板102にさや管ダクトスリーブ103が取付けられる。
したがって、ハンドホール111に取付けられているロータス管101からさや管ダクトスリーブ103を容易に取外すことができる。
圧縮機構18は、係止部21と、雄ネジ部11aと、移動部22と、を有する。係止部21と移動部22とでゴム輪17を軸線C方向に圧縮させることで、ゴム輪17の外径を調節することができる。
補修具1が押え部材27を備えることで、本体11に対して移動部22を軸線C周りに回転させても、その回転が押え部材27によりゴム輪17に伝わりにくくなる。このため、ゴム輪17が軸線C周りにねじれるのを抑え、移動部22を回転させる際の操作性を向上させることができる。
次に、本発明の第2実施形態について図11及び図12を参照しながら説明するが、前記実施形態と同一の部位には同一の符号を付してその説明は省略し、異なる点についてのみ説明する。
図11に示すように、本実施形態の補修具2は、さや管ダクトスリーブ103内に挿入可能な本体31と、本体31に設けられ、外径を切替え可能な保持部36と、を備えている。本体31は、ステンレス鋼等で棒状に形成されている。本体31の側面には、全周にわたり窪み32が形成されている。
袋状部材38は、前述の窪み32と、窪み32の開口を覆うように取付けられた封止部材41と、を有する。封止部材41は、弾性を有するゴム製のシート等で形成され、窪み32の開口を封止している。
流体給排機構39は、例えば加圧ポンプ及び真空ポンプを有している。流体給排機構39は、本体31に形成された管路33を介して袋状部材38内と連通している。
一方で、流体給排機構39により袋状部材38内から空気を排出すると、図11に示すように封止部材41が縮むことで袋状部材38の外径が内径L1よりも大きい外径や内径L1に等しい外径から内径L1よりも小さい外径に変化する。
次に、本発明の第3実施形態について図13及び図14を参照しながら説明するが、前記実施形態と同一の部位には同一の符号を付してその説明は省略し、異なる点についてのみ説明する。
図13に示すように、本実施形態の補修具3は、第1実施形態の補修具1の保持部16に代えて保持部56を備えている。保持部56は、複数の可動駒57と、可動駒57を本体11の径方向に移動させる移動機構58と、を有する。
各可動駒57の基端側の側面57bは、径方向の外側に向かうにしたがって基端側に向かうように傾斜している。各可動駒57は、図示しないゴムバンドのような付勢部材により、径方向の内側に付勢されている。
第一の案内部材61の基端側の側面61aは、径方向の外側に向かうにしたがって先端側に向かうように傾斜している。第二の案内部材62の先端側の側面62aは、径方向の外側に向かうにしたがって基端側に向かうように傾斜している。各可動駒57は、第一の案内部材61と第二の案内部材62との間に、軸線C周りに並べて配置されている。
可動駒57、第一の案内部材61、及び第二の案内部材62は、ステンレス鋼等の金属で形成されている。各可動駒57の側面57aは、第一の案内部材61の側面61aに沿って移動する。各可動駒57の側面57bは、第二の案内部材62の側面62aに沿って移動する。
一方で、図14に示すように、延長部材24を軸線C周りに回転させて第二の案内部材62を先端側に移動させると、各可動駒57が付勢部材の付勢力に逆らって案内部材61、62の側面61a、62aに沿って径方向の外側に移動する。このため、各可動駒57による外径が、内径L1に等しくなったり、内径L1よりも大きくなったりする。
第二の案内部材62を基端側に移動させると、図13に示すように各可動駒57は付勢部材の付勢力により案内部材61、62の側面61a、62aに沿って径方向の内側に移動し、各可動駒57による外径が内径L1よりも小さくなる。
11、31 本体
11a 雄ネジ部
16、36、56 保持部
17 ゴム輪(弾性部材)
18 圧縮機構
21 係止部
22 移動部
25a 雌ネジ部
27 押え部材
38 袋状部材
39 流体給排機構
101 ロータス管
103 さや管ダクトスリーブ
C 軸線
Claims (5)
- ロータス管からさや管ダクトスリーブを取り外すロータス管補修具であって、
ロータス管のさや管ダクトスリーブ内に挿入可能な本体と、
前記本体に設けられ、前記さや管ダクトスリーブの内径よりも小さい外径と、前記さや管ダクトスリーブの内径に等しい外径と、に切替え可能な保持部と、
を備えることを特徴とするロータス管補修具。 - 前記保持部は、
自然状態で前記さや管ダクトスリーブの内径よりも小さい外径を有する弾性部材と、
前記弾性部材を前記本体の軸線方向に圧縮させ、前記弾性部材の外径を調節する圧縮機構と、
を有することを特徴とする請求項1 に記載のロータス管補修具。 - 前記圧縮機構は、
前記本体に取付けられ前記弾性部材を係止する係止部と、
前記本体の外面に形成された雄ネジ部と、
前記雄ネジ部に螺合する雌ネジ部が形成され、前記雄ネジ部に前記雌ネジ部が螺合する位置を変えることで、前記係止部との距離を調節可能な移動部と、
を有することを特徴とする請求項2 に記載のロータス管補修具。 - 前記本体により前記軸線周りに回転可能に支持されるとともに、前記弾性部材と前記移動部との間に配置された押え部材を備えることを特徴とする請求項3 に記載のロータス管補修具。
- ロータス管の固定板からさや管ダクトスリーブを取外すロータス管補修方法であって、
前記さや管ダクトスリーブ内にロータス管補修具の保持部を挿入し、
前記保持部の外径を大きくすることで、前記さや管ダクトスリーブの内面に前記保持部を押付け、
前記ロータス管補修具を前記さや管ダクトスリーブとともに前記さや管ダクトスリーブの長手方向に移動させて前記さや管ダクトスリーブを取り外すことを特徴とするロータス管補修方法。
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