JP6654438B2 - 止水構造 - Google Patents

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Description

本発明は、車両金属ボディのボルト締結部分に設けられる止水構造に関する。
自動車等の車両には、電力を供給するためのバッテリーが搭載される。バッテリーには、正極側バッテリーポストと、負極側バッテリーポストとがそれぞれ突出するように形成される。負極側バッテリーポストは、電線を介して車両金属ボディの所定位置に電気的に接続される。別な言い方をすれば、アース回路が形成されて電気的に接続される。
アース回路を構成する電線の一端には、ターミナルが設けられる。このターミナルは、負極側バッテリーポストに接続される。また、電線の他端には、アース端子が設けられる。このアース端子は、車両金属ボディに接続される。アース端子には、ボルト挿通穴が形成される。アース端子は、ボルト挿通穴に挿通された金属ボルトにより、車両金属ボディの平面部に接続固定される。尚、アース端子が接続固定される前の状態は、金属ボルトが車両金属ボディのボルト穴に組み付けられた状態であり、上記接続固定の際には金属ボルトが一旦取り外される。
一般的に、車両金属ボディや金属ボルトは鋼にて製造される。一方、アース端子や電線の導体は銅や銅合金にて製造される。近年では、銅資源の不足に加え車両の軽量化、材料リサイクルの容易性が考慮され、銅ではなくアルミニウムやアルミニウム合金にて製造されることもある。
ところで、異種金属同士の接触部分に水分が介在すると、この水分が電解液になって接触部分の両金属が水分中にイオンとして溶け込み、そのため両金属の間に電位差などが生じて腐食(ガルバニック腐食、電食)が起こってしまう。
上述の金属ボルト及びボルト穴とアース端子とに関しては、仮にボルト穴に水分が浸入した状態で接続固定が行われると、この後に腐食の発生が懸念される。そこで止水構造を設けることが有効と考えられ、下記特許文献1、2に開示された止水構造の採用を検討するに至った。
特開平9−161890号公報 特開平11−256372号公報
特許文献1の止水構造にあっては、シール部材の内側に水分が浸入してしまうのを防ぐことができる。しかしながら、シール部材の外側では金属部材同士が僅かな隙間をあけて対向する状態の構造であることから、金属部材が異種金属同士の場合は、外側の僅かな隙間に浸入した水分によって腐食してしまうという問題点を有する。また、特許文献1の止水構造にあっては、これを例えば車両金属ボディに適用しようとする場合、多段の円盤状凸部を形成するとともに、この円盤状凸部の側面にシール部材設置用の凹部を寸法精度よく形成しなければならず、そのため特に上記凹部の形成が非常に困難になってしまうという問題点を有する。
一方、特許文献2の止水構造にあっては、犠牲防食作用のある部材にて異種金属同士の隙間を、ボルト頭部を含めて覆うようにする構造であることから、外部から水分が浸入してしまうのを防ぐことができる。しかしながら、例えばメンテナンスの際に金属ボルトを取り外そうとすると、ボルト頭部が犠牲防食作用のある部材にて覆われることから、取り外し作業や元に戻す作業が非常に困難になってしまうという問題点を有する。
本発明は、上記した事情に鑑みてなされたもので、簡素な構造で水分の侵入を防ぎ信頼性や作業性を高めることが可能な、また、異種金属同士の接続固定であっても腐食を防止することが可能な、止水構造を提供することを課題とする。
上記課題を解決するためになされた請求項1に記載の本発明の止水構造は、車両金属ボディの平面部にボルト穴を形成するとともに、該ボルト穴に組み付けられる金属ボルトのボルト頭部にボルト側テーパ面を環状に形成し、且つ、該ボルト側テーパ面には、前記ボルト穴を囲む位置に合わせて弾性変形可能な環状・凸状のボルト側止水部材を設け、且つ、前記ボルト穴の開口縁には、前記平面部と同一平面のボディ側導通面を形成するとともに、該ボディ側導通面の外側には、止水部材を接触させるための面を前記平面部と同一平面に形成し、且つ、前記ボルト頭部の下部には、前記ボディ側導通面に対向するボルト側導通面を形成するとともに、該ボルト側導通面の外側には、前記ボルト側テーパ面を配置し、且つ、該ボルト側テーパ面における前記ボルト側導通面の近傍には、該ボルト側導通面の位置よりも下方に突出するように前記ボルト側止水部材を配置することを特徴とする。
請求項2に記載の本発明は、請求項1に記載の止水構造において、前記平面部と前記ボルト頭部との間に挟まれる金属板を備え、該金属板にはボルト挿通穴を形成し、且つ、前記金属板の表面には、前記ボルト側導通面に対向する上側の金属板側導通面と、前記ボルト側止水部材を接触させるための面とを、前記表面と同一平面に形成するとともに、前記金属板の裏面には、前記ボルト挿通穴の下側開口縁を頂部とする凸部を形成し、且つ、前記頂部の位置には、前記ボディ側導通面に対向する下側の金属板側導通面を形成するとともに、前記凸部における前記下側の金属板側導通面の外側には、金属板側テーパ面を環状に形成し、且つ、金属板側テーパ面には、前記止水部材を接触させるための面の位置に合わせて弾性変形可能な環状・凸状の金属板側止水部材を前記下側の金属板側導通面の位置よりも下方に突出するように設けることを特徴とする。
請求項3に記載の本発明は、請求項2に記載の止水構造において、前記車両金属ボディ及び/又は前記金属ボルトと、前記金属板とを異種金属にて形成することを特徴とする。
請求項1に記載された本発明によれば、車両金属ボディに対し金属ボルトを組み付けていくと、ボルト頭部のボルト側テーパ面が車両金属ボディの平面部との間でボルト側止水部材を押し潰して密着することから、外部からボルト穴の側へ水分が浸入しようとしてもこれを防止することができるという効果を奏する。そして、水分の浸入を防止することができれば、金属ボルトを一旦取り外してアース端子のような例えば異種金属の板を接続固定しても、ボルト穴周辺での腐食を防止することができるという効果も奏する。また、本発明によれば、ボルト頭部にボルト側テーパ面を形成する構造であることから、ボルト側止水部材を押し潰した部分の外側では(すなわち止水部分の外側では)、ボルト頭部が車両金属ボディの平面部に対し離れた状態になって、結果、仮に金属ボルトと車両金属ボディとが異種金属同士であっても腐食を防止することができるという効果を奏する。従って、本発明によれば、簡素な構造で水分の侵入を防ぎ信頼性や作業性を高めることができるという効果や、仮に異種金属同士の接続固定であっても腐食を防止することができるという効果を奏する。
請求項2に記載された本発明によれば、平面部とボルト頭部との間に挟まれる金属板にも、上述の平面部及びボルト頭部と同様の構造を採用することから(すなわち金属板側止水部材を設け且つ金属板側テーパ面を形成する構造を採用することから)、簡素な構造で水分の侵入を防ぎ信頼性や作業性を高めることができるという効果や、仮に異種金属同士の接続固定であっても腐食を防止することができるという効果を奏する。
請求項3に記載された本発明によれば、異種金属同士の接続固定になり、このような接続固定において腐食を防止することができるという効果を奏する。
本発明の止水構造を示す図であり、(a)は金属ボルト締結前の断面図、(b)は金属ボルト締結後の断面図である(実施例1)。 図1に対し金属板を備えた状態の止水構造を示す図であり、(a)は金属ボルト締結前の断面図、(b)は金属ボルト締結後の断面図である(実施例1)。 図1の変形例を示す図であり、(a)は金属ボルト締結前の断面図、(b)は金属ボルト締結後の断面図である(実施例1)。 本発明の止水構造を示す図であり、(a)は金属ボルト締結前の断面図、(b)は金属ボルト締結後の断面図である(実施例2)。 図4に対し金属板を備えた状態の止水構造を示す図であり、(a)は金属ボルト締結前の断面図、(b)は金属ボルト締結後の断面図である(実施例2)。 図4の変形例を示す図であり、(a)は金属ボルト締結前の断面図、(b)は金属ボルト締結後の断面図である(実施例2)。
止水構造としては、車両金属ボディの平面部にボルト穴が形成される。このボルト穴の周囲には、弾性変形可能な環状のボディ側止水部材が設けられる。ボディ側止水部材は、平面部から突出する状態に設けられる。また、止水構造としては、金属ボルトのボルト頭部にボルト側テーパ面が形成される。このボルト側テーパ面は、ボディ側止水部材の位置に合わせて環状に形成される。また、止水構造としては、平面部とボルト頭部との間に挟まれる金属板が備えられる。この金属板には、ボルト挿通穴が形成されるとともに、弾性変形可能な環状の金属板側止水部材が設けられる。金属板側止水部材は、ボディ側止水部材の位置に合わせ且つ金属板の表面から突出する状態に設けられる。金属板の裏面には、金属板側テーパ面が形成される。この金属板側テーパ面は、ボディ側止水部材の位置に合わせて環状に形成される。
以下、図面を参照しながら実施例1を説明する。図1は本発明の止水構造を示す図であり、(a)は金属ボルト締結前の断面図、(b)は金属ボルト締結後の断面図である。また、図2は図1に対し金属板を備えた状態の止水構造を示す図であり、(a)は金属ボルト締結前の断面図、(b)は金属ボルト締結後の断面図である。また、図3は図1の変形例を示す図であり、(a)は金属ボルト締結前の断面図、(b)は金属ボルト締結後の断面図である。
<車両金属ボディ1側の止水構造について>
図1(a)において、引用符号1は自動車等の車両を構成する金属製のボディ、すなわち車両金属ボディを示す。この車両金属ボディ1は、本実施例において導電性及び剛性を有する鋼製の構造体であって、所定位置には平面部2が形成される(水分が溜まり難い位置に配置されることが好ましい)。平面部2は、車両金属ボディ1の表面を平滑にした状態に形成される。このような平面部2には、ボルト穴3が形成される。また、平面部2には、ボルト穴3の開口縁を一周凹ませるようにして凹部4が形成される。凹部4には、断面テーパ形状のボディ側テーパ面5が環状に形成される。このボディ側テーパ面5は、アースのための導通を図る面としても形成される(ボディ側導通面6としても形成される)。
平面部2には、凹部4を囲むような状態で(ボルト穴3を囲むような状態で)ボディ側止水部材7が設けられる。このボディ側止水部材7は、弾性変形可能な例えばゴム製のシール部材であって、環状に形成される。また、ボディ側止水部材7は、平面部2から上方に突出するような所定の高さを有する図示形状に形成される。ボディ側止水部材7の頂部は、このボディ側止水部材7を押し潰す部材(部分)に対し水密に接するように形成される。尚、ボディ側止水部材7は、例えば接着剤にて固定される、又は、環状の溝を形成してそこに装着される、などの適宜方法にて固定される。
<金属ボルト8側の止水構造について>
図1(a)において、引用符号8はボルト穴3に組み付けられる金属製のボルト、すなわち金属ボルトを示す。この金属ボルト8は、本実施例において導電性及び剛性を有する鋼製のものであって、ボルト頭部9とボルト軸部10とを有する。ボルト頭部9の下部には、断面テーパ形状のボルト側テーパ面11が環状に形成される。このボルト側テーパ面11は、ボディ側テーパ面5(ボディ側導通面6)に対向し、そして接触する面として形成される(ボルト側導通面12としても形成される)。ボルト側テーパ面11の外縁近傍部分は、図1の場合、ボディ側止水部材7を押し潰す部分として形成される。
ボルト頭部9は、ボルト側テーパ面11を有する以外、公知の頭部形状と同じに形成される。また、ボルト軸部10も公知形状に形成される。
<車両金属ボディ1及び金属ボルト8の作用について>
図1(a)及び(b)に示すように、金属ボルト8を車両金属ボディ1のボルト穴3に組み付けていくと、最終的にボルト側テーパ面11がボディ側テーパ面5に接触する。また、ボルト側テーパ面11の外縁近傍部分にてボディ側止水部材7が押し潰されて密着する。以上の密着により本発明の止水構造に係る止水部分が形成される。止水部分が形成されると、外部からボルト穴3の側へ向けて水分が浸入することはない。従って、後述する金属板13(図2参照)との接続固定にあたり、ボルト穴3に水分が浸入した状態で接続固定が行われることはない。
<金属板13を備えての止水構造について>
図2(a)において、引用符号13は平面部2とボルト頭部9との間に挟まれる金属板を示す。この金属板13は、本実施例において導電性を有する銅製又はアルミニウム製の板状の部分として設けられる。具体的には、車両に搭載されるバッテリー14(図2(b)参照)のアース回路15を構成する一部分として設けられる。金属板13は、平面視矩形状に形成される。このような金属板13の中央には、ボルト挿通穴16が形成される。ボルト挿通穴16は、金属ボルト8のボルト軸部10を挿通する部分として形成される。ボルト挿通穴16は、ボルト軸部10の直径よりも若干大きな径で丸形に貫通するように形成される。
金属板13の表面17には、凹部18が形成される。この凹部18は、ボルト挿通穴16の上側開口縁を一周凹ませるような形状に形成される。凹部18には、断面テーパ形状の金属板側テーパ面19が環状に形成される。この金属板側テーパ面19は、アースのための導通を図る面としても形成される(金属板側導通面20としても形成される)。一方、金属板13の裏面21には、凸部22が形成される。この凸部22は、ボルト挿通穴16の下側開口縁を頂部とするような凸形状に形成される。凸部22には、断面テーパ形状の金属板側テーパ面23が環状に形成される。この金属板側テーパ面23は、アースのための導通を図る面としても形成される(金属板側導通面24としても形成される)。
金属板13の表面17には、凹部18を囲むような状態で(ボルト挿通穴16を囲むような状態で)金属板側止水部材25が設けられる。この金属板側止水部材25は、弾性変形可能な例えばゴム製のシール部材であって、環状に形成される。また、金属板側止水部材25は、表面17から上方に突出するような所定の高さを有する図示形状に形成される。金属板側止水部材25は、ボディ側止水部材7と基本的に同じものが用いられる。金属板側止水部材25の頂部は、ボルト側テーパ面11に対し水密に接するように形成される。尚、金属板側止水部材25は、例えば接着剤にて固定される、又は、環状の溝を形成してそこに装着される、などの適宜方法にて固定される。
<金属板13を含めての作用について>
図2(a)及び(b)に示すように、金属板13を介在させた状態で金属ボルト8を車両金属ボディ1のボルト穴3に組み付けていくと、最終的にボルト側テーパ面11が金属板側テーパ面19に接触するとともに、金属板側テーパ面23もボディ側テーパ面5に接触する。また、ボルト側テーパ面11の外縁近傍部分にて金属板側止水部材25が押し潰されて接触するとともに、ボディ側止水部材7も金属板側テーパ面23の外縁近傍部分にて押し潰されて密着する。以上の密着により本発明の止水構造に係る止水部分が上下二箇所に形成される。止水部分が形成されると、外部からボルト穴3の側へ水分が浸入することはない。
<実施例1の止水構造の効果について>
本発明の止水構造によれば、図1に示すように、車両金属ボディ1に対し金属ボルト8を組み付けていくと、ボルト頭部9のボルト側テーパ面11が車両金属ボディ1の平面部2との間でボディ側止水部材7を押し潰して密着することから、外部からボルト穴3の側へ向けて水分が浸入しようとしてもこれを防止することができる。そして、水分の浸入を防止することができれば、図2に示すように、金属ボルト8を一旦取り外して異種金属の金属板13を接続固定しても、ボルト穴3やボルト挿通穴16の周辺での腐食を防止することができる。
また、本発明の止水構造によれば、ボルト側テーパ面11や、金属板側テーパ面19、23を形成しての止水構造であることから、ボディ側止水部材7や金属板側止水部材25を押し潰した部分の外側では(すなわち止水部分の外側では)、ボルト頭部9が金属板13の表面17に対し離れた状態になるとともに、金属板13の裏面21も車両金属ボディ1の平面部2に対し離れた状態になって、結果、異種金属同士の金属板13と、金属ボルト8及び車両金属ボディ1との腐食を防止することができる。
以上、図1及び図2を参照しながら説明してきたように、本発明の止水構造によれば、簡素な構造で水分の侵入を防ぎ信頼性や作業性を高めることができるという効果や、異種金属同士の接続固定であっても腐食を防止することができるという効果を奏する。
尚、図3に示すような変形例を採用してもよいものとする。すなわち、ボディ側止水部材7をボルト側テーパ面11に設けるような構造を採用してもよいものとする。この場合、図示を省略するが、金属板側止水部材25(図2参照)が金属板側テーパ面23(図2参照)に設けられる。
以下、図面を参照しながら実施例2を説明する。図4は本発明の止水構造を示す図であり、(a)は金属ボルト締結前の断面図、(b)は金属ボルト締結後の断面図である。また、図5は図4に対し金属板を備えた状態の止水構造を示す図であり、(a)は金属ボルト締結前の断面図、(b)は金属ボルト締結後の断面図である。また、図6は図4の変形例を示す図であり、(a)は金属ボルト締結前の断面図、(b)は金属ボルト締結後の断面図である。
<車両金属ボディ31側の止水構造について>
図4(a)において、引用符号31は車両の車両金属ボディを示す。この車両金属ボディ31は、本実施例において導電性及び剛性を有する鋼製の構造体であって、所定位置には平面部32が形成される(水分が溜まり難い位置に配置されることが好ましい)。平面部32は、車両金属ボディ31の表面を平滑にした状態に形成される。このような平面部32には、ボルト穴33が形成される。平面部32は、ボルト穴33の開口縁がボディ側導通面34として形成される。このボディ側導通面34は、アースのための導通を図る面として形成される。尚、平面部32におけるボディ側導通面34の外側は、後述するボルト側止水部材40(図5の場合は金属板側止水部材51)が水密に接する面として形成される。
<金属ボルト35側の止水構造について>
図4(a)において、引用符号35はボルト穴33に組み付けられる金属ボルトを示す。この金属ボルト35は、本実施例において導電性及び剛性を有する鋼製のものであって、ボルト頭部36とボルト軸部37とを有する。ボルト頭部36の下部には、ボルト側導通面38が形成される。このボルト側導通面38は、ボディ側導通面34に対向し、そして接触する面として形成される。また、ボルト頭部36の下部には、断面テーパ形状のボルト側テーパ面39が環状に形成される。このボルト側テーパ面39は、ボルト側導通面38の外側に形成される。
ボルト側テーパ面39には、ボルト側止水部材40が設けられる。このボルト側止水部材40は、車両金属ボディ31に対し金属ボルト35を組み付けた時に、ボルト穴33を囲むような位置に配設される。ボルト側止水部材40は、弾性変形可能な例えばゴム製のシール部材であって、環状に形成される。また、ボルト側止水部材40は、ボルト側テーパ面39からボルト側導通面38の位置よりも下方に突出するような図示形状に形成される。ボルト側止水部材40の頂部は、平面部32に押し潰されて水密に接するように形成される。尚、ボルト側止水部材40は、例えば接着剤にて固定される、又は、環状の溝を形成してそこに装着される、などの適宜方法にて固定される。
ボルト頭部36は、ボルト側導通面38、ボルト側テーパ面39、及びボルト側止水部材40を有する以外、公知の頭部形状と同じに形成される。また、ボルト軸部37も公知形状に形成される。
<車両金属ボディ31及び金属ボルト35の作用について>
図4(a)及び(b)に示すように、金属ボルト35を車両金属ボディ31のボルト穴33に組み付けていくと、最終的にボルト側導通面38がボディ側導通面34に接触する。また、ボルト側テーパ面39に設けられたボルト側止水部材40が平面部32に押し潰されて密着する。以上の密着により本発明の止水構造に係る止水部分が形成される。止水部分が形成されると、外部からボルト穴33の側へ向けて水分が浸入することはない。従って、後述する金属板41(図5参照)との接続固定にあたり、ボルト穴33に水分が浸入した状態で接続固定が行われることはない。
<金属板41を備えての止水構造について>
図5(a)において、引用符号41は平面部32とボルト頭部36との間に挟まれる金属板を示す。この金属板41は、本実施例において導電性を有する銅製又はアルミニウム製の板状の部分として設けられる。具体的には、車両に搭載されるバッテリー42(図5(b)参照)のアース回路43を構成する一部分として設けられる。金属板41は、平面視矩形状に形成される。このような金属板41の中央には、ボルト挿通穴44が形成される。ボルト挿通穴44は、金属ボルト35のボルト軸部37を挿通する部分として形成される。ボルト挿通穴44は、ボルト軸部37の直径よりも若干大きな径で丸形に貫通するように形成される。
金属板41の表面45は、平滑な面に形成される。表面45は、ボルト挿通穴44の開口縁が金属板側導通面46として形成される。この金属板側導通面46は、アースのための導通を図る面として形成される。尚、表面45における金属板側導通面46の外側は、ボルト側止水部材40が水密に接する面として形成される。一方、金属板41の裏面47には、凸部48が形成される。この凸部48は、ボルト挿通穴44の下側開口縁を頂部とするような凸形状に形成される。凸部48には、金属板側導通面49が形成される。この金属板側導通面49は、ボディ側導通面34に対向し、そして接触する面として形成される。また、凸部48には、断面テーパ形状の金属板側テーパ面50が環状に形成される。この金属板側テーパ面50は、金属板側導通面49の外側に形成される。
金属板側テーパ面50には、金属板側止水部材51が設けられる。この金属板側止水部材51は、車両金属ボディ31に対し金属ボルト35を組み付けた時に、ボルト穴33を囲むような位置に配設される。金属板側止水部材51は、弾性変形可能な例えばゴム製のシール部材であって、環状に形成される。また、金属板側止水部材51は、金属板側テーパ面50から金属板側導通面49の位置よりも下方に突出するような図示形状に形成される。金属板側止水部材51の頂部は、平面部32に押し潰されて水密に接するように形成される。尚、金属板側止水部材51は、例えば接着剤にて固定される、又は、環状の溝を形成してそこに装着される、などの適宜方法にて固定される。
<金属板41を含めての作用について>
図5(a)及び(b)に示すように、金属板41を介在させた状態で金属ボルト35を車両金属ボディ31のボルト穴33に組み付けていくと、最終的にボルト側導通面38が金属板側導通面46に接触するとともに、金属板側導通面49もボディ側導通面34に接触する。また、ボルト側テーパ面39に設けられたボルト側止水部材40が金属板41の表面45に押し潰されて密着するとともに、金属板側テーパ面50に設けられた金属板側止水部材51も平面部32に押し潰されて密着する。以上の密着により本発明の止水構造に係る止水部分が上下二箇所に形成される。止水部分が形成されると、外部からボルト穴33の側へ水分が浸入することはない。
<実施例2の止水構造の効果について>
本発明の止水構造によれば、図4に示すように、車両金属ボディ31に対し金属ボルト35を組み付けていくと、ボルト頭部36のボルト側止水部材40が平面部32に押し潰されて密着することから、外部からボルト穴33の側へ向けて水分が浸入しようとしてもこれを防止することができる。そして、水分の浸入を防止することができれば、図5に示すように、金属ボルト35を一旦取り外して異種金属の金属板41を接続固定しても、ボルト穴33やボルト挿通穴44の周辺での腐食を防止することができる。
また、本発明の止水構造によれば、ボルト側テーパ面39や、金属板側テーパ面50を形成しての止水構造であることから、ボルト側止水部材40や金属板側止水部材51が押し潰された部分の外側では(すなわち止水部分の外側では)、ボルト頭部36が金属板41の表面45に対し離れた状態になるとともに、金属板41の裏面47も車両金属ボディ31の平面部32に対し離れた状態になって、結果、異種金属同士の金属板41と、金属ボルト35及び車両金属ボディ31との腐食を防止することができる。
以上、図4及び図5を参照しながら説明してきたように、本発明の止水構造によれば、簡素な構造で水分の侵入を防ぎ信頼性や作業性を高めることができるという効果や、異種金属同士の接続固定であっても腐食を防止することができるという効果を奏する。
尚、図6に示すような変形例を採用してもよいものとする。すなわち、ボルト側止水部材40を平面部32に設けるような構造を採用してもよいものとする。この場合、図示を省略するが、金属板側止水部材51(図5参照)が金属板41の表面45(図5参照)に設けられる。
この他、本発明は本発明の主旨を変えない範囲で種々変更実施可能なことは勿論である。
1…車両金属ボディ、 2…平面部、 3…ボルト穴、 4…凹部、 5…ボディ側テーパ面、 6…ボディ側導通面、 7…ボディ側止水部材、 8…金属ボルト、 9…ボルト頭部、 10…ボルト軸部、 11…ボルト側テーパ面、 12…ボルト側導通面、 13…金属板、 14…バッテリー、 15…アース回路、 16…ボルト挿通穴、 17…表面、 18…凹部、 19…金属板側テーパ面、 20…金属板側導通面、 21…裏面、 22…凸部、 23…金属板側テーパ面、 24…金属板側導通面、 25…金属板側止水部材、 31…車両金属ボディ、 32…平面部、 33…ボルト穴、 34…ボディ側導通面、 35…金属ボルト、 36…ボルト頭部、 37…ボルト軸部、 38…ボルト側導通面、 39…ボルト側テーパ面、 40…ボルト側止水部材、 41…金属板、 42…バッテリー、 43…アース回路、 44…ボルト挿通穴、 45…表面、 46…金属板側導通面、 47…裏面、 48…凸部、 49…金属板側導通面、 50…金属板側テーパ面、 51…金属板側止水部材

Claims (3)

  1. 車両金属ボディの平面部にボルト穴を形成するとともに、該ボルト穴に組み付けられる金属ボルトのボルト頭部にボルト側テーパ面を環状に形成し、且つ、該ボルト側テーパ面には、前記ボルト穴を囲む位置に合わせて弾性変形可能な環状・凸状のボルト側止水部材を設け、且つ、前記ボルト穴の開口縁には、前記平面部と同一平面のボディ側導通面を形成するとともに、該ボディ側導通面の外側には、止水部材を接触させるための面を前記平面部と同一平面に形成し、且つ、前記ボルト頭部の下部には、前記ボディ側導通面に対向するボルト側導通面を形成するとともに、該ボルト側導通面の外側には、前記ボルト側テーパ面を配置し、且つ、該ボルト側テーパ面における前記ボルト側導通面の近傍には、該ボルト側導通面の位置よりも下方に突出するように前記ボルト側止水部材を配置す
    ことを特徴とする止水構造。
  2. 請求項1に記載の止水構造において、
    前記平面部と前記ボルト頭部との間に挟まれる金属板を備え、該金属板にはボルト挿通穴を形成し、且つ、前記金属板の表面には、前記ボルト側導通面に対向する上側の金属板側導通面と、前記ボルト側止水部材を接触させるための面とを、前記表面と同一平面に形成するとともに、前記金属板の裏面には、前記ボルト挿通穴の下側開口縁を頂部とする凸部を形成し、且つ、前記頂部の位置には、前記ボディ側導通面に対向する下側の金属板側導通面を形成するとともに、前記凸部における前記下側の金属板側導通面の外側には、金属板側テーパ面を環状に形成し、且つ、金属板側テーパ面には、前記止水部材を接触させるための面の位置に合わせて弾性変形可能な環状・凸状の金属板側止水部材を前記下側の金属板側導通面の位置よりも下方に突出するように設ける
    ことを特徴とする止水構造。
  3. 請求項2に記載の止水構造において、
    前記車両金属ボディ及び/又は前記金属ボルトと、前記金属板とを異種金属にて形成する
    ことを特徴とする止水構造。
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