JP6653631B2 - 油圧制御弁及び内燃機関のバルブタイミング制御装置 - Google Patents

油圧制御弁及び内燃機関のバルブタイミング制御装置 Download PDF

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本発明は、例えば自動車の内燃機関に適用され、該機関の運転制御に供する油圧制御弁及び内燃機関のバルブタイミング制御装置に関する。
自動車の内燃機関に適用される従来の油圧制御弁としては、例えば、以下の特許文献1に記載されたようなものが提案されている。
すなわち、この油圧制御弁は、自動車に搭載される内燃機関のバルブタイミング制御装置に適用されるものであって、カムシャフトの端部より内部軸方向へと穿設された雌ねじ部に螺着され、ベーンロータの固定に供するボルト状の筒状部材と、該筒状部材の内部軸方向に沿って形成された供給通路に設けられ、該供給通路から分岐する進角側油通路又は遅角側油通路側からの作動油の逆流を規制する逆止弁機構と、を備える。
前記逆止弁機構は、前記供給通路の端縁に形成された弁座と、前記筒状部材の内部に収容され、前記弁座に離着座可能に設けられた球状の弁体と、該弁体を前記弁座側へ付勢する付勢部材と、から主として構成され、前記弁体が前記弁座に着座することによって供給通路と進角側油通路又は遅角側油通路との連通を抑制する一方、前記弁体が前記弁座から離間することによって供給通路と進角側油通路又は遅角側油通路とが連通して前記バルブタイミング制御装置によるカムシャフトの位相変換が可能となっている。
特開2015−135101号公報
しかしながら、前記従来の油圧制御弁の場合には、前記逆止弁機構において、前記筒状部材の形成にあたり、前記供給通路や、前記進角側油通路及び遅角側油通路との連通に供する各連通孔など、複数の穿孔加工を施す必要があることから、当該油圧制御弁の製造に係る加工工数の増大化を招来してしまっていた。
本発明は、かかる技術的課題に鑑みて案出されたものであり、加工工数を低減し得る油圧制御弁及び内燃機関のバルブタイミング制御装置を提供するものである。
本発明は、とりわけ、金属材料によって形成され、一端側が開口され他端側に底部を有するほぼ有底円筒状のホルダ部材と、前記ホルダ部材の内周側に移動可能に設けられた弁体と、前記ホルダ部材の前記一端側に固定され、前記弁体が離間することで前記油通路と前記供給通路との連通を許容する一方、前記弁体が着座することで前記油通路と前記供給通路との連通を抑制する弁座と、前記弁体を前記弁座側へ付勢する付勢部材とを備えた逆止弁機構を有し、前記ホルダ部材の円筒部は、該円筒部の一部を径方向内側へと曲折して前記弁体の外周側を保持する保持部を有することを特徴としている。
本発明によれば、プレス加工によってホルダ部材の円筒部の一部を曲折することで該ホルダ部材の内外を連通する連通孔の形成が可能となるため、該連通孔の形成にあたって複数の穿孔加工を行う必要がなく、該連通孔の形成に係る加工工数を低減することができる。
さらに、前記連通孔の形成に伴い、ホルダ部材の円筒部の一部を径方向内側へ曲折することによって保持部を形成したことから、該保持部によって弁体の径方向移動が抑制され、該弁体の円滑な軸方向移動が可能となり、逆止弁機構の良好な開閉作動の実現に供される。
本発明に係る油圧制御弁及び内燃機関のバルブタイミング制御装置縦断面図である。 図1のA−A線断面図である。 図1に示す電磁弁の分解斜視図である。 図1に示す電磁弁の要部拡大図である。 図4に示す逆止弁機構の分解斜視図である。 図4に示す逆止弁機構の要部拡大図である。 図6のB−B線断面図である。 図1に示すソレノイドの要部拡大図である。 機関停止時におけるスプール弁体の作動位置を表した図4相当図である。 定常運転時におけるスプール弁体の作動位置を表した図4相当図である。 高回転高負荷運転時におけるスプール弁体の作動位置を表した図4相当図である。
以下、本発明に係る油圧制御弁及び内燃機関のバルブタイミング制御装置の実施形態を図面に基づいて詳述する。なお、下記実施形態では、この油圧制御弁等を、内燃機関の吸気側の油圧式バルブタイミング制御装置に適用したものを示している。
〔内燃機関のバルブタイミング制御装置の構成〕
まず、後述する電磁弁40の被取付部材に相当する内燃機関のバルブタイミング制御装置1について説明すれば、このバルブタイミング制御装置1は、図1、図2に示すように、図示外のクランクシャフトの回転力をもって回転駆動されるスプロケット11と、該スプロケット11に対して相対回転可能に設けられるカムシャフト2との間に介装され、所定の油圧給排手段3を通じて作動制御されることで、前記スプロケット11と前記カムシャフト2との相対回転位相を変換する。
具体的には、前記スプロケット11と一体に形成され、内周側に4つの第1〜第4シューS1〜S4が突設されたハウジング10と、該ハウジング10の内周側に相対回転可能に収容され、外周側に4つのベーン(第1〜第4ベーンV1〜V4)が突設されたベーンロータ20と、から主として構成されている。そして、前記各ベーンV1〜V4により、前記各シューS1〜S4の周方向間を、それぞれ1対の作動室である遅角作動室(以下、「遅角室」と略称する。)Reと進角作動室(以下、「進角室」と略称する。)Adとに隔成し、該各作動室Ad,Reに前記油圧給排手段3から選択的に油圧が供給されることにより作動制御される。
前記カムシャフト2は、図示外のシリンダヘッド上の軸受部5に回転可能に支持され、外周部の所定位置に設けられた図示外の駆動カムを介して図示外の機関弁(吸気弁)を開作動させる。また、このカムシャフト2の前端部には、作動油の導入口としても機能する雌ねじ部2aが内部軸方向に沿って形成されていて、該雌ねじ部2aに螺着されるカムボルトをもって、ベーンロータ20がカムシャフト2に固定されている。
また、前記雌ねじ部2aの先端側には、該雌ねじ部2aとカムシャフト2の外周側とを連通する連通孔2bが径方向外側に開口形成されている。この連通孔2bは、前記軸受部5の内部に形成された導入通路5aに接続されていて、該導入通路5aを通じて後述するオイルポンプ33により加圧された作動油が供給されるようになっている。
前記ハウジング10は、図示外のタイミングチェーンが噛合巻回されることによって前記クランクシャフトの回転力を伝達するスプロケット11と一体に形成され、軸方向の両端側が開口形成された円筒状のハウジング本体12と、該ハウジング本体12の前端側開口を閉塞するフロントプレート13と、前記ハウジング本体12の後端側開口を閉塞するリヤプレート14と、が複数(本実施形態では4つ)のボルト15によって共締め固定されている。また、前記ハウジング本体12の内周側には、径方向内側へ向かって突出する第1〜第4シューS1〜S4が一体に形成されている。
前記第1〜第4シューS1〜S4は、それぞれ平面視ほぼ台形状を呈し、各基端部側の内部軸方向に、前記各ボルト15が挿通して前記リヤプレート13への共締め固定に供するボルト挿通孔11aがそれぞれ貫通形成されている。また、この各シューS1〜S4の先端部には、各先端部に軸方向に沿って凹設されたシール溝内に、ほぼ角柱状のシール部材18が嵌着されている。
前記ベーンロータ20は、所定の金属材料によって一体に形成されたもので、中央部にほぼ筒状に形成され、カムシャフト2及び油圧給排手段3との接続に供するロータ本体21と、該ロータ本体21の外周側にほぼ放射状に突設され、前記各遅角室Re及び前記各進角室Adの隔成に供する第1〜第4ベーンV1〜V4と、から主として構成される。
前記ロータ本体21は、前記各シール部材18に摺接可能な円筒状を呈し、内周側面に、後述する遅角ポートP5及び遅角側連通孔43cと連通する遅角側環状溝23と、後述する進角ポートP3及び進角側連通孔43bと連通する進角側環状溝24とがそれぞれ周方向に沿って切欠形成されていて、前記遅角側環状溝23には該遅角側環状溝23と前記各遅角室Reとを連通する遅角側油孔25が、前記進角側環状溝24には該進角側環状溝24と前記各進角室Adとを連通する進角側油孔26が、それぞれ径方向沿って貫通形成されている。
前記各ベーンV1〜V4は、前記各シューS1〜S4間に配置されると共に、各先端部に軸方向に沿って凹設されたシール溝内に、ほぼ角柱状のシール部材22が嵌着されていて、該各シール部材22がハウジング本体12の内周面に摺接することで、前記各シューS1〜S4の間に形成される空間が前記各対の油圧室Ad,Reに隔成されている。
また、前記各ベーンV1〜V4のうち第1ベーンV1のみが他のベーンV2〜V4に比べて大きな周方向幅に設定され、ベーンロータ20の最大相対回転時に隣接する各シューS1,S4と当接することで、当該ベーンロータ20のそれ以上の回転が規制されるようになっている。さらに、この第1ベーンV1の内部には、後述する機関停止時のベーンロータ20の位相保持に供する周知のロック機構4が収容配置されている。
前記油圧給排手段3は、前記各遅角室Reに接続される遅角側油通路31と前記各進角室Adに接続される進角側油通路32との接続を、機関の運転状態に応じて切り替える油圧制御弁としての電磁弁40と、該電磁弁40を介して一方側の油通路31,32に油圧を供給する油圧源としてのオイルポンプ33と、前記電磁弁40を介して前記オイルポンプ33に接続されない他方側の油通路31,32に接続されるドレン通路34と、から主として構成される。
前記遅角側油通路31は、遅角側環状溝23と遅角側油孔25とにより主として構成されていて、一端側が電磁弁40の後述する遅角ポートP5及び遅角側連通孔43cに、他端側が遅角室Reに接続されている。同様に、前記進角側油通路32についても、進角側環状溝24と進角側油孔26とにより主として構成されていて、一端側が電磁弁40の後述する進角ポートP3及び進角側連通孔43bに、他端側が進角室Adに接続されている。
〔電磁弁の構成〕
前記電磁弁40は、特に図1、図3に示すように、前記カムボルトとして機能する筒状部材としてのバルブボディ41と、該バルブボディ41の内周側に軸方向に沿って摺動可能に設けられたほぼ円筒状のスプール弁体42と、前記バルブボディ41の中間部の外周側に嵌着されたほぼ半割円筒状のスリーブ43と、前記スプール弁体42の後端側に弾装され、該スプール弁体42を後述するソレノイド60側(図1中の左側)へ付勢する付勢部材であるバルブスプリング44と、前記バルブボディ41の内周側に嵌着され、前記バルブスプリング44の後端側を支持するリテーナ部材45と、該リテーナ部材45の後端側に隣接して設けられ、前記各作動室Ad,Re側からの作動油の逆流防止に供する逆止弁機構50と、前記スプール弁体42の先端側に対向するように設けられ、該スプール弁体42を前記バルブスプリング44の付勢力に抗して図1中の右側へと押圧する電磁アクチュエータとしてのソレノイド60と、を備える。
前記バルブボディ41は、図1、図3、図4に示すように、ベーンロータ20を挿通するほぼ円筒状の軸部46と、該軸部46の先端側外周部に設けられ、カムシャフト2の雌ねじ部2aに螺着する雄ねじ部47と、前記軸部46の基端側に設けられ、ベーンロータ20の締結に供する頭部48と、から主として構成される。
そして、前記円筒状のバルブボディ41のうち、前記軸部46及び頭部48の内周側には、後述する導入ポートP1に臨んで該導入ポートP1と前記遅角側、進角側の両油通路31,32とを連通し、内部に前記スプール弁体42を収容する供給通路41aが形成されると共に、前記雄ねじ部47の内周側には、逆止弁機構50を収容するバルブ収容室41bが、前記供給通路41aに対し拡径状に形成されている。
前記軸部46は、雄ねじ部47側に導入ポートP1が開口形成されると共に、頭部48側に排出ポートP6が開口形成されている。また、この軸部46の周壁には、雄ねじ部47側から順に、取出ポートP2、進角ポートP3、再導入ポートP4及び遅角ポートP5が、それぞれ径方向に貫通形成されている。
また、この軸部46の内周側であって取出ポートP2と進角ポートP3との軸方向間には、リテーナ部材45の保持固定に供するリテーナ保持部41dが形成されている。このリテーナ保持部41dは、リテーナ部材45の厚さ分だけ拡径形成された段差径状を呈し、リテーナ部材45の開口端部45aの外径よりも僅かに小さい内径に設定されることによって、当該リテーナ部材45の圧入固定を可能としている。
前記頭部48は、例えばスパナ等の締結工具を係合可能な六角部48aと、該六角部48aの基端側に拡径形成され、ベーンロータ20のロータ本体21をカムシャフト2に対し挟持固定するほぼ円環状のフランジ部48bと、から主として構成されている。
前記スプール弁体42は、後端側が開口して前端側が閉塞する中空円筒状を呈し、前記後端側から内部軸方向に沿って排出用油路42fが穿設されている。また、このスプール弁体42の中間部外周側には、3つのランド部である第1ランド部42a、第2ランド部42b及び第3ランド部42cが拡径形成されると共に、該各ランド部42a〜42c間には、スプール弁体42の摺動位置に応じて前記各ポートP3〜P5と適宜連通可能な第1環状溝42d及び第2環状溝42eが周方向に沿って凹設されている。
また、前記第1環状溝42dの底壁を構成するスプール弁体42の周壁に、第1環状溝42dと排出用油路42fとドレン通路34とを連通する連通孔42gが径方向に貫通形成されると共に、スプール弁体42の先端部の周壁に、排出用油路42fとドレン通路34とを連通するドレン孔42hが径方向に貫通形成されている。
前記スリーブ43は、バルブボディ41の軸部46の全体を包囲するように外嵌し、後端縁を前記軸部46の先端部外周面に凹設された環状溝41c内へと陥入することによって、バルブボディ41の外周部にカシメ固定されている。
また、このスリーブ43の内周側には、取出ポートP2と再導入ポートP4との軸方向間に跨るように連通溝43aが凹設されていて、この連通溝43aと前記軸部46との間に前記両ポートP2,P4同士を連通する連通路49が画成されるようになっている。これによって、供給通路41aを通ってバルブボディ41の内周側に導入された作動油が取出ポートP2を通じて連通路49へと取り出されると共に、該連通路49に導かれた作動油が再導入ポートP4を通じて再びバルブボディ41の内周側に導入されて第1環状溝42d内へと導かれるようになっている。
また、このスリーブ43の周壁には、進角ポートP3と進角側油通路26を連通する進角側連通孔43bが貫通形成されると共に、遅角ポートP5と遅角側油通路25を連通する遅角側連通孔43cが貫通形成されていて、前記進角側連通孔43bを介して進角ポートP3と進角側油通路26とが接続されると共に、前記遅角側連通孔43cを介して遅角ポートP5と遅角側油通路25とが接続されている。
前記バルブスプリング44は、軸方向において一定の内外径を有する断面円形状のコイルスプリングであって、先端側がスプール弁体42の後端面に凹設されたスプリング受容部42iに受容され着座すると共に、後端側がリテーナ部材45の底壁(端壁)に着座することで、スプール弁体42とリテーナ部材45との軸方向間に弾装されている。
前記リテーナ部材45は、金属材料によりほぼ有底円筒状に形成されてなるもので、開口端部45aがバルブボディ41の内周側であって取出ポートP2と進角ポートP3との軸方向間に段差径状に形成されたリテーナ保持部41dに圧入されることによって、当該バルブボディ41に保持固定されている。
前記逆止弁機構50は、図1、図3〜図6に示すように、供給通路41aに収容配置されたほぼ有底円筒状のホルダ部材51と、該ホルダ部材51の開口端側に固定され、ほぼ中央位置に導入孔52aが貫通形成されたほぼ円環状の弁座であるバルブシート52と、前記ホルダ部材51の内周側に移動可能に収容され、前記導入孔52aの内側孔縁に離着座することによって該導入孔52aを開閉する弁体としてのボール弁体53と、該ボール弁体53と前記ホルダ部材51の底壁(後述する着座部57b)との間に弾装され、前記ボール弁体53をバルブシート52側へ付勢する付勢部材としてのバルブスプリング54と、を備える。
前記ホルダ部材51は、鉄系金属材料によって一体にプレス成形されてなるもので、内周側にボール弁体53を収容する円筒部56と、該円筒部56の軸方向一端側を閉塞するように設けられ、前記バルブスプリング54の着座に供する底部としての端壁部57と、前記円筒部56の他端側開口縁を径方向外側に曲折してなり、前記バルブシート52との固定に供するフランジ部58と、を有する。
前記円筒部56には、周方向に沿ってほぼ等間隔に、当該円筒部56の内外周を連通する矩形窓状の複数のポート孔56aが開口形成されている。ここで、これら各ポート孔56aは、円筒部56の周壁の一部をそれぞれ径方向内側へとほぼ放射方向に沿って切り曲げることによって形成される。
また、このようにして内方へと切り曲げられた部分は、その先端面59aが内周側に収容されるボール弁体53に対して外周側から当接可能な曲げ代に設定され、該ボール弁体53に外周側から当接することで該ボール弁体53の径方向移動を抑制しつつ該ボール弁体53を保持する保持部59として構成されている。
こうして、前記ホルダ部材51では、前記プレス成形によって、前記各保持部59の形成に伴い、該各保持部59が形成されると同時に、前記各ポート孔56aが開口形成されるようになっている。ここで、前記各保持部59の切り曲げ加工は、前記円筒部56及びフランジ部58を絞り加工によって形成した後に行われる。これにより、当該絞り加工により前記各ポート孔56aが変形してしまう不具合を招来するおそれがなく、ほぼ均一のポート孔56aを形成することが可能となっている。
前記端壁部57は、中央部に、内方へと突出して逆止弁機構50の開弁時におけるボール弁体53の最大移動量を規制するストッパとしての凸部57aが突設されると共に、該凸部57aの外周側には、ほぼ平坦状に形成されることによって前記バルブスプリング54の着座に供する着座部57bが形成されている。
前記フランジ部58は、ホルダ部材51との対向面であるバルブシート52の内側面とほぼ同径となるように構成されていて、この対向するバルブシート52の外周縁にレーザ溶接によって接合されている。
前記バルブシート52は、鉄系金属材料をもって一定の厚さ幅を有するほぼ円盤状を呈し、ほぼ中央部には作動油の導入に供する導入孔52aが軸方向に沿って貫通形成されると共に、該導入孔52aの外端縁の外周域にはフィルタ保持部52bが凹設されていて、前記供給通路41aの開口端部に段差拡径状に形成された弁座保持部41eの内側面に圧入によって固定されている。
なお、前記フィルタ保持部52bには、ほぼメッシュ状に形成された周知のフィルタ55が嵌着されると共に、該フィルタ55の外周縁をレーザ溶接することで当該フィルタ保持部52bに固定されている。
前記ソレノイド60は、図1、図8に示すように、チェーンカバー6に複数のボルト7によって固定されるほぼ円筒状の固定鉄心としてのケーシング61と、該ケーシング61の内部に収容保持され、図2中の電子コントロールユニット(ECU)8から出力された制御電流に基づいて励磁するコイル62と、該コイル62の巻回保持に供する樹脂材料からなるボビン63と、該ボビン63の内周側に配置され、ほぼ有底円筒状に一体に成型されたガイド部材64と、該ガイド部材64の内周面に軸方向に沿って摺動案内される可動鉄心65と、該可動鉄心65の先端側に固定され、前記ガイド部材64の内周側を可動鉄心65と一体に摺動する駆動ロッド66と、前記ケーシング61と前記ボビン63との間に1対のOリングを介して介装され、ケーシング61と共に磁気回路を形成するフロントコアとしてのコア部材67と、前記ケーシング61の後端側に一体に設けられ、前記コイル62と前記ECU8とを図示外のハーネスを介して電気的に接続するためのコネクタ68と、を備える。
前記ケーシング61は、磁性材料をプレス成形してなるもので、コイル62の外周側を包囲するように配置される円筒状のケース本体71と、該ケース本体71の先端側を覆うかたちで設けられるほぼ円盤状のフロントプレート72と、前記ケース本体71の後端側を覆うかたちで設けられるほぼ円盤状のリヤプレート73と、から構成され、これら3部材71〜73が樹脂材料によって一体にモールド成形されている。
また、このケーシング61の外周部には、前記チェーンカバー6への固定に供する複数の取付部61bが径方向に突設されている。この取付部61bには、前記ボルト7を挿通するボルト挿通孔61cが軸方向に沿って貫通形成されると共に、このボルト挿通孔61cの内周側には金属材料からなるほぼ円筒状のスリーブ69がインサートされていて、前記ボルト7によるチェーンカバー6への良好な取り付けが可能となっている。
前記ケース本体71は、寸胴の円筒状に形成され、コイル62の外周側領域を全域に亘って包囲するかたちで設けられる。なお、ケース本体71の後端縁には、コイル62との電気的接続に供する端子70をコネクタ68に臨ませるための切欠部71aが形成されている。
前記フロントプレート72は、コア部材67の先端部に沿って断面L字形状となるように曲折形成されてなるもので、コア部材67の先端部内周側に挿入され、駆動ロッド66の後述するフランジ部74cと対向するようにして配置されることで該駆動ロッド66を抜け止め可能に構成された筒部72aと、該筒部72aの外端部より拡径方向へと延設され、コア部材67及びボビン63の先端側を覆うようにしてケース本体71の先端縁まで延出する円盤状のフランジ部72bと、が一体に形成されている。
前記リヤプレート73は、ボビン63の後端部に沿って断面ほぼL字形状となるように曲折形成されてなるもので、ボビン63の後端部内周側に挿入され、コア部材67の後端側と対向するようにして配置されることで該コア部材67と共にガイド部材64の外周側を支持可能に構成された筒部73aと、該筒部73aの外端部より拡径方向へと延設され、ボビン63の後端側を覆うようにケース本体71の後端縁まで延出する円盤状のフランジ部73bと、が一体に形成されている。
前記ガイド部材64は、例えばステンレスなどの非磁性材料により薄肉一体に形成されたもので、ほぼ寸胴に形成された円筒部の内周側に可動鉄心65と駆動ロッド66とを摺動自在に収容している。そして、このガイド部材64は、先端部がコア部材67とフロントプレート72の筒部72aとの間で挟持状態に保持され、該先端部から後端側へと直線状に延設されることによって、前記コア部材67及びリヤプレート73に支持される一連の平坦な内周面を有する筒状本体64aが構成されている。
前記可動鉄心65は、磁性材料によりほぼ円筒状に形成され、外周面が前記ガイド部材64の筒状本体64aの内周面により軸方向に摺動案内されるようになっている。そして、この可動鉄心65の内周部には、前記駆動ロッド66の固定に供する固定用孔65aが軸方向に沿って貫通形成されている。
前記駆動ロッド66は、樹脂材料によりほぼ筒状に形成されたロッド本体74と、該ロッド本体74の先端部に一部が突出するかたちで固定された金属製の球75と、から主として構成される。前記ロッド本体74の内周側にはいわゆる呼吸孔として機能する貫通孔74aが貫通形成されていて、前記ロッド本体74から突出するかたちで設けられた前記球75の先端がスプール弁体42の先端面に軸方向から当接することで、該スプール弁体42と一体的に軸方向移動するようになっている。
前記ロッド本体74は、後端側に設けられ、可動鉄心65の固定用孔65aに嵌挿保持される被保持部74bと、中間部において前記被保持部74bに隣接して設けられ、可動鉄心65の先端面に当接する大径状のフランジ部74cと、該フランジ部74cよりも先端側に前記被保持部74bよりも大径に形成され、前記球75を保持する球保持部74dと、を備える。
前記被保持部74bは、可動鉄心65の固定用孔65aに圧入可能な内径に設定されると共に、ロッド本体74の軸方向において最も小径となるように構成されている。これによって、可動鉄心65の大径化を抑制し、電磁弁40の小型化が図られている。
前記フランジ部74cは、可動鉄心65の外径とほぼ同径に設定され、後端側面のほぼ全面が可動鉄心65の先端面に当接して着座するようになっている。これにより、駆動ロッド66の移動時、すなわち前記スプール弁体42の切替作動時における前記駆動ロッド66の姿勢の安定化が図られている。
前記球保持部74dは、比較的大径となるように構成され、より大きな直径を有する球75を保持することが可能となっている。また、この球保持部74dの外周面には、該球保持部74dの基端から先端側に向けて開口する軸方向溝74eが軸方向に沿って切欠形成されていると共に、該軸方向溝74eの底壁のほぼ中間位置には、それぞれ内端側が前記貫通孔74aに開口して該貫通孔74aと前記軸方向溝74eとを連通する径方向孔74fが径方向に沿って貫通形成されている。
前記球75は、鋼材等の金属材料でもって球保持部74dにおいて保持可能な最大限の直径に設定され、ロッド本体74の成形時にインサート成形されることによって、該ロッド本体74と一体に成形される。
前記コア部材67は、プレス成形によってほぼ円筒状に形成され、リヤプレート73の筒部73aと対向する後端側に設けられ、ボビン63の前端部内周側に挿入され、リヤプレート73の前端側と対向するように配置される筒部67aと、該筒部67aの前端部より拡径方向へと延設され、ボビン63の前端側の一部と重合するように形成された円盤状のフランジ部67bと、から構成される。
そして、このコア部材67は、前記筒部67aの後端が可動鉄心65の先端と隣接するかたちで設けられると共に、前記1対のOリングに弾持された前記フランジ部67bの外側面がフロントプレート72の内側面と当接するように配置されることにより、ケーシング61、すなわちケース本体71、フロントプレート72及びリヤプレート73と可動鉄心65とによって磁路が形成され、コイル62への通電により生じた磁力をもって、可動鉄心65がコア部材67側へと吸引され進出移動するようになっている。
〔バルブタイミング制御装置の作動説明〕
以下、本実施形態に係るバルブタイミング制御装置の具体的な作動について、図1、図9〜図11に基づいて説明する。
まず、イグニッションスイッチをオフ操作して機関を停止させた場合には、ECUからソレノイド60への通電も遮断されることから、スプール弁体42は、図9に示すように、バルブスプリング44の付勢力によって図1中の最大左方向の位置に保持される(第1ポジション)。
当該ポジションでは、前記進角ポートP3がスプール弁体42の排出用油路42fと連通することとなる。これにより、図9中に破線矢印で示すように、前記各進角室Ad内の作動油が、スリーブ43の進角側連通孔43b、バルブボディ41の進角ポートP3及びスプール弁体42の排出用油路42fを通り、ドレン孔42hより外部に排出される。
また、同時に、前記遅角ポートP5がスプール弁体42の第1環状溝42dを通じて再導入ポートP4と連通することとなる。これにより、図9中に実線矢印で示すように、オイルポンプ33より圧送された作動油が、フィルタ55を通過した後、オイルポンプ33側の油圧をもって、ボール弁体53をバルブスプリング54の付勢力に抗して押し退けることにより、逆止弁機構50が開弁する。すなわち、ボール弁体53がバルブシート52から離間し、前記凸部57aに当接するまで前記各保持部59の先端面59aに案内されるかたちで軸方向移動する結果、導入孔52aを通じてホルダ部材51内に作動油が導入される。
そして、このホルダ部材51内へと導入された作動油は、ホルダ部材51の各ポート孔56aを通じて供給通路41a内に導かれ、その後、取出ポートP2、連通路49及び再導入ポートP4を経て、第1環状溝42d、遅角ポートP5及び遅角側連通孔43cを通り、遅角側油孔25を介して前記各遅角室Reへと導入される。
ここで、当該機関停止時は、オイルポンプ33の駆動も停止することになる結果、遅角室Re及び進角室Adには油圧が供給されないため、ベーンロータ20はカムシャフト2に作用する交番トルクによって、ハウジング10に対して最遅角方向へ相対回転し、これによって、機関弁の開閉タイミングが最遅角の位相に制御される。なお、このようにして、ベーンロータ20が最遅角位相に保持されると、当該ベーンロータ20は、前記ロック機構4によってハウジング10にロックされた状態となる。
続いて、イグニッションスイッチをオン操作して機関を始動させると、当該機関始動に伴ってオイルポンプ33も駆動され、該オイルポンプ33より圧送された作動油が、前述のように逆止弁機構50を通過して導入ポートP1から供給通路41a内に流入し、取出ポートP2、連通路49、再導入ポートP4、第1環状溝42d、遅角ポートP5及び遅角側連通孔43cを通って、遅角側油孔25を介して前記各遅角室Reへと供給される。これにより、当該各遅角室Reが高圧状態となって、前記ベーンロータ20の最遅角位相の状態が維持されることになるため、機関始動性が良好となる。
また、この時点では、前記ロック機構4には前記各遅角室Reと同じ油圧が供給され、該ロック機構4の解除方向に作用することになるが、クランキング初期の時点では未だ前記解除用の油圧は上昇せず、ベーンロータ20は前記最遅角位相にロックされた状態となり、前記交番トルクによるベーンロータ20のばたつきを抑制することが可能となっている。
その後、油圧が上昇して前記ロック機構4の解除に十分な油圧に達すると、かかる十分な解除用の油圧に基づき当該ロック機構4によるロック状態が解除され、ベーンロータ20は拘束されない自由な状態となる。
続いて、機関の運転状態がアイドリング運転から定常運転に移行した場合は、前記ECUからソレノイド60のコイル62に所定の制御電流が供給される。これにより、駆動ロッド66がコア部材67側へと吸引され進出移動し、この進出移動に伴う駆動ロッド66の押圧力によってスプール弁体42が、図10に示すように、バルブスプリング44の付勢力に抗して図中の右側へ僅かに移動する(第2ポジション)。
当該ポジションでは、前記進角ポートP3及び遅角ポートP5が、それぞれスプール弁体42の第1、第2ランド部42a,42bによって閉じられると共に、再導入ポートP4も、第1環状溝42dに連通するものの、第1、第2ランド部42a,42bによって閉じられる。これにより、図10中に破線矢印で示すように、前記遅角室Re及び進角室Adからの作動油の排出が抑制されると同時に、同図中に実線矢印で示すように、オイルポンプ33から前記遅角室Re及び進角室Adへの作動油の供給も抑制される。
その結果、前記ベーンロータ20が最遅角と最進角との間の中間位相に保持され、機関弁の開閉タイミングが最遅角と最進角との間の前記中間位相に制御されることとなって、定常運転時の機関回転の安定化と燃費の向上を図ることができる。
続いて、機関の運転状態が定常運転から高回転高負荷運転に移行した場合は、前記ECUからソレノイド60のコイル62により大きな制御電流が供給され、駆動ロッド66がさらに進出移動する。これにより、当該進出移動に伴う駆動ロッド66の押圧力によってスプール弁体42が、図11に示すように、バルブスプリング44の付勢力に抗して図中の右側へ最大移動する(第3ポジション)。
当該ポジションでは、前記遅角ポートP5が第2環状溝42eを通じてスプール弁体42のドレン孔42hと連通することとなり、図11中に破線矢印で示すように、前記各遅角室Re内の作動油が、遅角側連通孔43c、遅角ポートP5及び第2環状溝42eを通って、ドレン孔42hより外部に排出される。
また、同時に、前記進角ポートP3がスプール弁体42の第1環状溝42aを通じて再導入ポートP4と連通することとなり、図11中に実線矢印で示すように、導入ポートP1より供給通路41a内に流入した作動油が、取出ポートP2、連通路49及び再導入ポートP4を経て、第1環状溝42d、進角ポートP3及び進角側連通孔43bを通って、進角側油孔26を介して前記各進角室Adへと導入される。
こうして、前記各遅角室Reが低圧となって前記各進角室Adが高圧となる結果、ベーンロータ20がハウジング10に対して最進角方向へ相対回転し、機関弁の開閉タイミングが最進角の位相に制御される。これにより、機関弁のバルブオーバーラップが大きくなって、機関の出力トルクを向上させることができる。
〔本実施形態に係る発明の作用効果〕
以下、本実施形態に係る電磁弁40及び内燃機関のバルブタイミング制御装置及びの作用効果について説明する。
前記従来の電磁弁及び内燃機関のバルブタイミング制御装置では、前記逆止弁機構50に相当する逆止弁機構のバルブボディ(筒状部材)や弁座が一体に形成されていたため、内燃機関側から作動油を導入するポートや、このポートより導入した作動油をスプール弁体側へ導くポートなど、複数のポートを形成するための穿孔加工が必要となる結果、当該逆止弁機構に係る加工工数が増大してしまっていた。
これに対し、本実施形態に係る電磁弁40及び内燃機関のバルブタイミング制御装置では、前記逆止弁機構50を構成する前記筒状部材及び弁座をホルダ部材51及びバルブシート52という別部材として前記バルブボディ41とは別体に構成したことから、ホルダ部材51における各ポート孔56aの穿孔加工や、バルブシート52における導入孔52aの穿孔加工について、当該ホルダ部材51やバルブシート52の形成に伴うプレス成形によって加工することが可能となり、前記各ポート孔56a及び導入孔52aの穿孔加工に係る加工工数を低減することができる。
また、このように、前記逆止弁機構50を構成する前記筒状部材及び弁座をホルダ部材51及びバルブシート52という前記バルブボディ41とは別部材として構成しても、前記ホルダ部材51内でボール弁体53の径方向移動が許容される場合、導入される作動油によってボール弁体53が径方向に振動してしまう結果、バルブスプリング54の付勢力がボール弁体53へと十分に作用せず、適切に閉弁されないおそれがある。
ここで、かかる閉弁不具合を改善する一手段として、前記バルブスプリング54の付勢力を高めることが考えられるが、この場合には、高められた付勢力によって逆止弁機構50の開弁作動が妨げられてしまい、該逆止弁機構50が適切に開弁されないおそれがある。
そこで、本実施形態では、前記ホルダ部材51及びバルブシート52を前記バルブボディ41とは別部材としたうえ、ホルダ部材51の各ポート孔56aの形成に伴い、該ホルダ部材51の円筒部56の周壁の一部を径方向内側へ切り曲げることで前記各保持部59を形成するようにしたことから、この保持部59によりボール弁体53の軸方向移動が案内(ガイド)される結果、ボール弁体53の径方向移動が抑制され、該ボール弁体53の円滑な軸方向移動が確保される。換言すれば、かかるボール弁体53の円滑な軸方向移動の確保によって、前記バルブスプリング54の付勢力についても適切に設定することができ、逆止弁機構50の開弁作動を妨げる不具合の招来も抑制される。
以上のように、本実施形態では、前記ホルダ部材51の円筒部56に、該円筒部56の一部を径方向内側へと曲折してなる保持部59が折曲形成され、該保持部59によってボール弁体53の外周側を保持するように構成されている。
すなわち、プレス加工によりホルダ部材51の円筒部56の一部を曲折することで前記各ポート孔56aの形成が可能となるため、該各ポート孔56aの形成にあたって複数の穿孔加工を行う必要がなくなり、該各ポート孔56aの形成に係る加工工数を低減することができる。
さらに、前記各ポート孔56aの形成に伴い、ホルダ部材51の円筒部56の一部を径方向内側へ曲折することによって前記各保持部59を形成したことから、該各保持部59によってボール弁体53の径方向移動が抑制され、該ボール弁体53円滑な軸方向移動が可能となり、逆止弁機構50の良好な開閉作動の実現に供される。
しかも、本実施形態では、前記各ポート孔56aを形成するにあたり、ホルダ部材51の円筒部56の一部を径方向内側へと曲折することにより、該円筒部56の一部を前記各保持部59として残存させるようにしたことから、前記円筒部56を単に打ち抜いて各ポート孔56aを形成する場合に比べて、金型の耐久性を向上させることができる。
すなわち、前記円筒部56を単に打ち抜いて各ポート孔56aを形成する場合、この打ち抜いた破片が金型から適切に排出されずに該金型にかみ込んでしまうなどして、該金型を破損してしまうおそれがあるところ、本実施形態の場合は、前記各ポート孔56aの開口形成に係る円筒部56の一部を打ち抜いて除去するのではなく、前記各保持部59として残存させることで、前述のように打ち抜いた破片が金型にかみ込んで該金型を破損してしまうおそれがなく、該金型の耐久性の向上を図ることができる。
また、本実施形態では、前記ホルダ部材51の端壁部57の内側(ボール弁体53側)に凸部57aが形成されている。これにより、前記逆止弁機構50の開弁時におけるボール弁体53の軸方向移動を適切に制限することが可能となり、当該逆止弁機構50の良好な開閉作動の実現に供される。
また、本実施形態では、前記バルブシート52が前記ホルダ部材51に溶接されている。このように、ホルダ部材51とバルブシート52とを、それぞれ別々に加工してレーザ溶接により一体化するようにしたことから、当該各部材51,52の加工作業を容易に行うことが可能となって、電磁弁40やバルブタイミング制御装置1の生産性の向上に供される。
さらに、本実施形態では、前記バルブシート52がバルブボディ41の内周側である弁座保持部41eの内側面に、圧入によって固定されている。これにより、当該バルブシート52の固定作業を容易に行えるメリットがある。
本発明は前記実施形態の構成に限定されるものではなく、前述した本発明の作用効果を奏し得るような形態であれば、適用対象の仕様やコスト等に応じて自由に変更可能である。
以上説明した実施形態に基づく油圧制御弁としては、例えば、以下に述べる態様のものが考えられる。
すなわち、当該油圧制御弁は、その1つの態様において、油圧源と連通する導入口と、該導入口から導入した作動油が通流する油通路と、を備えた被取付部材に取付可能な油圧制御弁であって、前記導入口と前記油通路とを連通する供給通路を内部に有する筒状部材と、前記供給通路に設けられ、前記導入口から前記油通路側への通流を許容し、前記油通路から前記導入口側への通流を抑制する逆止弁機構と、を備え、前記逆止弁機構は、金属材料によって形成され、一端側が開口され他端側が閉塞されるほぼ有底円筒状のホルダ部材と、前記ホルダ部材の内周側に移動可能に設けられた弁体と、前記ホルダ部材の前記一端側に固定され、前記弁体が離間することで前記油通路と前記供給通路との連通を許容する一方、前記弁体が着座することで前記油通路と前記供給通路との連通を抑制する弁座と、前記弁体を前記弁座側へ付勢する付勢部材と、を備え、前記ホルダ部材の円筒部に、該円筒部の一部を径方向内側へと曲折してなる保持部が折曲形成され、該保持部によって前記弁体の外周側を保持するように構成されている。
前記油圧制御弁の好ましい態様において、前記弁座は、前記導入口側から導入される作動油に含まれる異物を除去するフィルタを備える。
別の好ましい態様では、前記油圧制御弁の態様のいずれかにおいて、前記ホルダ部材は、前記他端側の端壁の前記弁体側に凸部が突設されている。
また、前述した実施形態に基づく内燃機関のバルブタイミング制御装置としては、例えば、以下に述べる態様のものが考えられる。
すなわち、当該バルブタイミング制御装置は、クランクシャフトから回転力が伝達され、内部に作動室が形成されるハウジングと、カムシャフトに固定されると共に、前記ハウジング内に相対回転可能に収容され、外周側に突設されたベーンをもって前記作動室内を進角作動室と遅角作動室とに隔成するベーン部材と、内燃機関の油路と連通する導入口と、前記進角作動室及び前記遅角作動室とそれぞれ連通する油通路とに接続され、前記ベーンロータを前記カムシャフトに固定する内部中空状のカムボルトと、前記カムボルトの内周側に摺動可能に設けられたスプール弁体と、前記カムボルトの内周側に設けられ、前記スプール弁体を一端側へ付勢する付勢部材と、前記カムボルトの内周側に設けられ、前記導入口から前記油通路側への通流を許容し、前記油通路から前記導入口側への通流を抑制する逆止弁機構と、前記スプール弁体を前記付勢部材の付勢力に抗して他端側へと移動させる駆動ロッドを有する電磁アクチュエータと、を備えた内燃機関のバルブタイミング制御装置であって、前記逆止弁機構は、金属材料によって形成され、一端側が開口され他端側が閉塞されるほぼ有底円筒状のホルダ部材と、前記ホルダ部材の内周側に移動可能に設けられた弁体と、前記ホルダ部材の前記一端側に固定され、前記弁体が離間することで前記導入口と前記油通路の間の連通を許容する一方、前記弁体が着座することで前記導入口と前記油通路の間の連通を抑制する弁座と、前記弁体を前記弁座側へ付勢する付勢部材と、を備え、前記ホルダ部材の円筒部に、該円筒部の一部を径方向内側へと曲折してなる保持部が折曲形成され、該保持部によって前記弁体の外周側を保持するように構成されている。
前記内燃機関のバルブタイミング制御装置の好ましい態様において、前記ホルダ部材は、前記カムボルトの内周面との間に所定の隙間を隔成し、前記保持部の形成をもって、前記ホルダ部材の内外周を連通するポート孔が径方向に貫通形成されている。
別の好ましい態様では、前記内燃機関のバルブタイミング制御装置の態様のいずれかにおいて、前記弁座は、前記ホルダ部材に溶接されている。
さらに別の好ましい態様では、前記内燃機関のバルブタイミング制御装置の態様のいずれかにおいて、前記弁座は、前記導入口側から導入される作動油に含まれる異物を除去するフィルタを備える。
さらに別の好ましい態様では、前記内燃機関のバルブタイミング制御装置の態様のいずれかにおいて、前記弁座は、前記カムボルトの内周側に圧入によって固定されている。
1…バルブタイミング制御装置(被取付部材)
2…カムシャフト
2a…雌ねじ部(導入口)
10…ハウジング
20…ベーンロータ(ベーン部材)
31…遅角側油通路(油通路)
32…進角側油通路(油通路)
33…オイルポンプ(油圧源)
40…電磁弁(油圧制御弁)
41…バルブボディ(筒状部材、カムボルト)
42…スプール弁体
44…バルブスプリング(付勢部材)
50…逆止弁機構
51…ホルダ部材
52…バルブシート(弁座)
53…ボール弁体(弁体)
54…バルブスプリング(付勢部材)
59…保持部
60…ソレノイド(電磁アクチュエータ)

Claims (8)

  1. 油圧源と連通する導入口と、該導入口から導入した作動油が通流する油通路と、を備えた被取付部材に取付可能な油圧制御弁であって、
    前記導入口と前記油通路とを連通する供給通路を内部に有する筒状部材と、
    前記供給通路に設けられ、前記導入口から前記油通路側への通流を許容し、前記油通路から前記導入口側への通流を抑制する逆止弁機構と、
    を備え、
    前記逆止弁機構は、
    金属材料によって形成され、一端側が開口され他端側に底部を有するほぼ有底円筒状のホルダ部材と、
    前記ホルダ部材の内周側に移動可能に設けられた弁体と、
    前記ホルダ部材の前記一端側に固定され、前記弁体が離間することで前記油通路と前記供給通路との連通を許容する一方、前記弁体が着座することで前記油通路と前記供給通路との連通を抑制する弁座と、
    前記弁体を前記弁座側へ付勢する付勢部材と、
    を備え、
    前記ホルダ部材の円筒部は、該円筒部の一部を径方向内側へと曲折して前記弁体の外周側を保持する保持部を有することを特徴とする油圧制御弁。
  2. 前記弁座は、前記導入口側から導入される作動油に含まれる異物を除去するフィルタを備えることを特徴とする請求項1に記載の油圧制御弁。
  3. 前記ホルダ部材は、前記他端側の底部の前記弁体側に凸部が突設されていることを特徴とする請求項1に記載の油圧制御弁。
  4. クランクシャフトから回転力が伝達され、内部に作動室が形成されるハウジングと、
    カムシャフトに固定されると共に、前記ハウジング内に相対回転可能に収容され、外周側に突設されたベーンをもって前記作動室内を進角作動室と遅角作動室とに隔成するベーン部材と、
    内燃機関の油路と連通する導入口と、前記進角作動室及び前記遅角作動室とそれぞれ連通する油通路とに接続され、前記ベーンロータを前記カムシャフトに固定する内部中空状のカムボルトと、
    前記カムボルトの内周側に摺動可能に設けられたスプール弁体と、
    前記カムボルトの内周側に設けられ、前記スプール弁体を一端側へ付勢する付勢部材と、
    前記カムボルトの内周側に設けられ、前記導入口から前記油通路側への通流を許容し、前記油通路から前記導入口側への通流を抑制する逆止弁機構と、
    前記スプール弁体を前記付勢部材の付勢力に抗して他端側へと移動させる駆動ロッドを有する電磁アクチュエータと、
    を備えた内燃機関のバルブタイミング制御装置であって、
    前記逆止弁機構は、
    金属材料によって形成され、一端側が開口され他端側に底部を有するほぼ有底円筒状のホルダ部材と、
    前記ホルダ部材の内周側に移動可能に設けられた弁体と、
    前記ホルダ部材の前記一端側に固定され、前記弁体が離間することで前記導入口と前記油通路の間の連通を許容する一方、前記弁体が着座することで前記導入口と前記油通路の間の連通を抑制する弁座と、
    前記弁体を前記弁座側へ付勢する付勢部材と、
    を備え、
    前記ホルダ部材の円筒部は、該円筒部の一部が径方向内側へと曲折してなる保持部を有し、該保持部によって前記弁体の外周側を保持するように構成されていることを特徴とする内燃機関のバルブタイミング制御装置。
  5. 前記ホルダ部材は、前記カムボルトの内周面との間に所定の隙間を隔成し、前記保持部の形成をもって、前記ホルダ部材の内外周を連通するポート孔が径方向に貫通形成されていることを特徴とする請求項4に記載の内燃機関のバルブタイミング制御装置。
  6. 前記弁座は、前記ホルダ部材に溶接されていることを特徴とする請求項4に記載の内燃機関のバルブタイミング制御装置。
  7. 前記弁座は、前記導入口側から導入される作動油に含まれる異物を除去するフィルタを備えることを特徴とする請求項4に記載の内燃機関のバルブタイミング制御装置。
  8. 前記弁座は、前記カムボルトの内周側に圧入によって固定されていることを特徴とする請求項4に記載の内燃機関のバルブタイミング制御装置。
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