JP2019007516A - 油圧制御弁とバルブタイミング制御装置。 - Google Patents

油圧制御弁とバルブタイミング制御装置。 Download PDF

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保英 ▲高▼田
保英 ▲高▼田
Yasuhide Takada
佳佑 内田
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佳佑 内田
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Abstract

【課題】全体の構造の簡素化を図ると共に、部品点数の削減を図り得る油圧制御弁を提供する。
【解決手段】バルブボディ30の内部に移動可能に配置されたスプール弁31と、軸方向通路40の他端開口を閉塞するように配置され、スプール弁の開口端40dに固定された段差径状のリテーナ32と、スプール弁を中心軸線の一方に付勢する第1バルブスプリング33と、中径通路部40bと大径通路部40c内に収容配置されて、小径通路部40aの開口端に有するバルブシート48に離着座可能なボール弁体47と、該ボール弁体をバルブシート方向へ付勢する第2バルブスプリング49と、を備えている。前記スプール弁の表面硬度を、バルブボディより高く、かつボール弁体よりも低く設定した。
【選択図】図3

Description

本発明は、油圧制御弁とバルブタイミング制御装置に関する。
従来における油圧制御弁としては、例えば内燃機関のバルブタイミング制御装置に用いられた以下の特許文献1に記載されたものがある。
この油圧制御弁は、周壁に供給ポートや、進角室や遅角室に連通する進角、遅角ポート及び外部に連通するドレンポートなどを有する有底円筒状のスリーブと、該スリーブの内部の軸方向へ移動可能に設けられ、有底な筒状部材と該筒状部材内に圧入固定された栓部材などによって構成されるスプールと、を備えている。
スプールは、内部軸方向に沿って接続通路が形成されていると共に、該接続通路の内部に逆止弁が設けられている。この逆止弁は、栓部材の接続通路の開口端に形成されたバルブシート(弁座部)と、該バルブシートに離着座可能な弁体と、を備えている。
また、スプールは、筒状部材の底壁側に設けられたスプリングのばね力と、該スプリングと反対側に設けられたリニアソレノイドとの押圧力との相対圧によって軸方向へ移動するようになっている。このスプールの軸方向の移動によって、進角室と遅角室に対する作動油を選択的に給排制御して、クランクシャフトとカムシャフトとの相対回転位相を調整するようになっている。
特開2014−156810号公報(図1)
しかしながら、特許文献1に記載の油圧制御弁は、スプールを筒状部材と栓部材との2部材によって構成していることから、構造が複雑になると共に、部品点数が増加して製造作業や組付作業が煩雑になる。
この結果、製造、組付作業能率の低下を招くと共に、コストの高騰が余儀なくされる。
本発明は、前記従来の油圧制御弁の技術的課題に鑑みて案出されたもので、構造の簡素化を図り得る油圧制御弁を提供することを一つの目的としている。
本発明の好ましい態様によれば、バルブボディの内部に中心軸線方向に沿って移動可能に配置されたスプール弁であって、
該スプール弁は、内部に前記中心軸線方向に沿って形成された軸方向通路と、前記中心軸線方向の先端部に一体に設けられ、電磁アクチュエータが当接する当接部と、前記軸方向通路の内周に形成された段差部であって、前記軸方向通路の内部に配置された逆止弁の弁体が離着座する弁座部と、を一体に有することを特徴としている。
本発明によれば、油圧制御弁の構造の簡素化と部品点数の低減化が図れる。
本発明に係る油圧制御弁を内燃機関の吸気側に適用したバルブタイミング制御装置を断面して示す第1実施形態の全体構成図である。 図1のA−A線断面図である。 本実施形態における油圧制御弁の縦断面図である。 本実施形態に供される油圧制御弁の一部を示す分解斜視図である。 本実施形態の油圧制御弁に供されるスプール弁の斜視図である。 本実施形態の油圧制御弁におけるスプール弁の遅角側への油圧制御状態を示す縦断面図である。 本実施形態の油圧制御弁におけるスプール弁の進角側への油圧制御状態を示す縦断面図である。 本実施形態の油圧制御弁におけるスプール弁が保持された状態を示す縦断面図である。
以下、本発明に係る油圧制御弁を内燃機関のバルブタイミング制御装置に適用した実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は油圧制御弁を内燃機関の吸気側のバルブタイミング制御装置に適用した実施形態を示す断面図、図2は図1のA−A線断面図である。
バルブタイミング制御装置は、図1及び図2に示すように、機関のクランクシャフトにより図外のタイミングチェーンを介して回転駆動される駆動回転体であるタイミングスプロケット1(以下、スプロケット1という。)と、このスプロケット1に対して相対回転可能に設けられた吸気側のカムシャフト2と、スプロケット1とカムシャフト2との間に配置されて、該両者1,2の相対回転位相を変換する位相変更機構3と、該位相変更機構3を、例えば本実施形態では最遅角位相位置でロックさせるロック機構4と、位相変更機構3とロック機構4を作動させる油圧回路5と、を備えている。なお、駆動回転体としては、タイミングベルトによって回転力が伝達されるタイミングプーリであっても良い。
スプロケット1は、円盤状に形成されて、外周にタイミングチェーンが巻回される歯車部1aと、中央に貫通形成されて、カムシャフト2の回転軸方向の一端部2aの外周に回転自在に支持される軸受孔1bとを有している。また、スプロケット1は、外周部の円周方向の複数箇所(本実施形態では4箇所)に雌ねじ孔1cが周方向等間隔位置に形成されている。
また、このスプロケット1は、後述するハウジング本体11の後端開口を、液密的に閉塞するリアカバーとして構成されている。
カムシャフト2は、図外のシリンダヘッド上に複数のカム軸受を介して回転自在に支持されている。このカムシャフト2は、外周面には図外の機関弁である吸気弁を開作動させる複数の卵型の回転カムが軸方向の位置に一体的に固定されている。また、カムシャフト2の一端部2aは、内部軸心方向に後述するバルブボディ30が挿入される挿入孔2bが形成されている。この一端部2aの先端開口の内周面には、バルブボディ30の基端部外周に形成された後述する雄ねじ部30dが螺着される雌ねじ部2cが形成されている。
また、このカムシャフト2の一端部2aは、位相変更機構3の後述するハウジング6やベーンロータ7を貫通して先端部が外部へ露出した状態に回転軸方向に延びている。
位相変更機構3は、図1及び図2に示すように、内部に作動室が形成されたハウジング6と、カムシャフト2の一端部2aに後述するバルブボディ30を介して軸方向から固定され、ハウジング6内に回転自在に収容された従動回転体であるベーンロータ7と、ハウジング6の内部の作動室が、後述するハウジング本体11の内周面に突設された複数(本実施形態では4つ)のシュー8とベーンロータ7とによって仕切られたそれぞれ4つの遅角作動室9及び進角作動室10と、を備えている。
ハウジング6は、圧粉金属を焼結して成形されたいわゆる焼結金属材によって一体に形成された円筒状のハウジング本体11と、鉄系金属板材をプレス成形によって形成され、ハウジング本体11の前端開口を閉塞するフロントプレート12と、後端開口を閉塞するリアカバーとしてのスプロケット1と、から構成されている。
ハウジング本体11は、内周面に前記4つのシュー8が回転軸心方向に向かって突設されている。この各シュー8の内部軸方向には、4つのボルト挿入孔11aが貫通形成されている。
フロントプレート12は、中央に比較的大径な挿入孔12aが貫通形成されている。また。フロントプレート12は、この挿入孔12aを除く内周面とベーンロータ7の対向一側面との間に形成されたサイドクリアランスによって各遅角、進角作動室9,10内をシールするようになっている。また、フロントプレート12は、外周部の円周方向の等間隔位置に複数(本実施形態では4つ)のボルト挿通孔12bが貫通形成されている。
そして、スプロケット1とハウジング本体11及びフロントプレート12は、前記各ボルト挿通孔12bや各ボルト挿入孔11aを挿入して前記各雌ねじ1cに螺着する複数(本実施形態では4本)のボルト13によって軸方向から結合されている。
ベーンロータ7は、ハウジング本体11と同じく焼結金属材によって一体に形成されており、カムシャフト2の一端部2aにバルブボディ30によって固定されたロータ部14と、該ロータ部14の外周面に円周方向のほぼ90°等間隔位置に放射状に突設された複数(本実施形態では4つ)のベーン15a〜15dと、から構成されている。
ロータ部14は、比較的大径な円筒状に形成され、内部中央にカムシャフト2の一端部2aが挿入されるシャフト挿入孔14aが回転軸方向に沿って貫通形成されている。
各ベーン15a〜15dは、回転軸線の径方向の突出長さが所定長さ設定されて、それぞれが各シュー8の間に配置されている。また、1つの第1ベーン15aは、周方向の幅が大きく形成されて、内部にロック機構4の一部が設けられている。また、第1ベーン15a以外の3つのベーン15b〜15dは、円周方向の巾がほぼ同一に設定されて比較的薄肉なプレート状に形成されている。
各ベーン15a〜15dの外周面と各シュー8の先端には、それぞれハウジング本体11の内周面やロータ部14の外周面との間をシールするシール部材16a、16bがそれぞれ設けられている。
また、ベーンロータ7は、図2に示すように、遅角側(反時計方向)へ相対回転すると、第1ベーン15aの一側面が対向する一つのシュー8の対向側面8aに当接して最大遅角側の回転位置が規制されるようになっている。また、進角側(時計方向)へ相対回転すると、同じく第1ベーン15aの他側面が対向する他のシュー8の段差状の対向側面8bに当接して最大進角側の回転位置が規制されるようになっている。
このとき、他の3つのベーン15b〜15dは、両側面が円周方向から対向する各シュー8の対向面に当接せずに離間状態にある。
各ベーン15a〜15dの回転軸方向の両側面と各シュー8の両側面との間には、前述した各遅角作動室9と各進角作動室10が設けられている。各遅角作動室9と各進角作動室10は、ロータ部14の内部にほぼ径方向に沿って形成されたそれぞれ4つの遅角通路孔17と進角通路孔18を介して油圧回路5にそれぞれに連通している。
ロック機構4は、ハウジング6に対してベーンロータ7を最遅角側の回転位置(図2に示す位置)にロックするものである。
すなわち、このロック機構4は、図1及び図2に示すように、スプロケット1の内側面の所定位置に形成されたロック穴19と、ベーンロータ7の第1ベーン15aの内部軸方向に形成されたピン収容孔20に進退動自在に設けられ、先端部がロック穴19に係脱するロックピン21と、該ロックピン21をロック穴19方向へ付勢するコイルスプリング22と、ロック穴19の底部内及びロックピン21とピン収容孔20との間の段差面に形成された解除用受圧室23a、23bと、該各解除用受圧室23a、23bに選択的に油圧を供給する図外のロック通路と、から主として構成されている。
ロック穴19は、ロックピン21の先端部の外径よりも十分に大径な円形状に形成されていると共に、スプロケット1の内側面のベーンロータ7の最遅角側の回転位置に対応した位置に形成されている。
ロックピン21は、いずれか一方の解除用受圧室23a、23bに供給された油圧を受けて後退移動してロック穴19から抜け出してロックが解除される。また、ロックピン21は、後端側に設けられたコイルスプリング22のばね力によって先端部がロック穴19の内部に係入してベーンロータ7をハウジング6に対してロックするようになっている。このロック位置は、前述したように、ハウジング6に対してベーンロータ7の最遅角側の回転位置となる。
各解除用受圧室23a、23bは、遅角作動室9や進角作動室10から油圧がロック通路を介して供給され、この各油圧によってロックピン21をロック穴19から後退移動させるようになっている。
油圧回路5は、図1及び図2に示すように、カムシャフト2の一端部2a周壁に形成された油圧給排用の複数(本実施形態では4つ)の第1〜第4連通ポート24a〜24dと、カムシャフト2の一端部2a側に配置された通路構成部50の内部に形成された供給通路25と、該供給通路25に吐出通路26aから作動油圧を吐出するオイルポンプ26と、を備えている。
また、油圧回路5は、カムシャフト一端部2aの挿入孔2bの内部に収容されて、機関運転状態に応じて供給通路25に対して各遅角通路孔17と各進角通路孔18の流路を切り換える油圧制御弁27と、該油圧制御弁27に連通し、各遅角作動室9からの作動油をオイルパン28に排出する排出通路29と、カムシャフト2の一端部2a側に設けられ、各進角作動室10からの作動油をオイルパン28に排出する排出孔2eと、備えている。
通路構成部50は、図1に示すように、内燃機関に取り付けられたチェーンケース51と一体に形成されている。また、この通路構成部50は、フロントプレート12の挿入孔12a内に挿入配置されて、先端面がベーンロータ7のロータ部14の外側面に当接した筒状部50aと、この筒状部50aと軸方向で反対側の位置に形成されて、後述する電磁アクチュエータ34を保持する保持溝50bと、を有している。
筒状部50aは、内部軸方向にカムシャフト2の一端部2aが挿入される貫通孔50cを有している。保持溝50bは、比較的大径な円形状に形成されて、中央部に貫通孔50cの軸方向一端が臨んで連通状態になっている。
カムシャフト一端部2aの各連通ポート24a〜24dは、先端部側の供給用の第1連通ポート24aと、これに軸方向で隣接する遅角側のドレン用の第2連通ポート24bと、該第2連通ポート24bに隣接する遅角側の第3連通ポート24cと、該第3連通ポート24cに隣接する進角側の第4連通ポート24dと、によって構成されている。この各第1〜第4連通ポート24a〜24dは、カムシャフト一端部2aの周壁の回転軸心の径方向の十字方向へそれぞれ4つずつ貫通形成されている。つまり、一端部2a周壁の円周方向の等間隔位置にそれぞれ4つずつ形成されている。
第1連通ポート24aは、グルーブ溝25aを介して供給通路25に連通し、第2連通ポート24bは、排出通路29に連通している。また、第3連通ポート24cは、シャフト挿入孔14aの内周面に形成されたグルーブ溝14bを介して各遅角通路孔17に連通している。また、第4連通ポート24dは、グルーブ溝14bに側部に形成された別異のグルーブ溝14cを介して各進角通路孔18にそれぞれ連通している。
供給通路25は、通路構成部50及びチェーンケース51の内部に連続的に形成されて、下流端部がオイルポンプ26の吐出通路26aと連通している。また、供給通路25の上流端部は、前述のようにグルーブ溝25aを介して各第1連通ポート24aに連通している。
オイルポンプ26は、一般的な例えばベーンタイプあるいはトロコイドタイプのものが用いられている。
図3は油圧制御弁の縦断面図、図4は油圧制御弁のバルブボディとスプール弁などの分解斜視図、図5は油圧制御弁に供されるスプール弁の斜視図である。
油圧制御弁27は、図1、図3〜図5に示すように、ベーンロータ7をカムシャフト2の一端部2aに軸方向から固定される有底円筒状のバルブボディ30と、該バルブボディ30の内部軸方向に貫通形成されたバルブ孔30a内に軸方向へ摺動可能に収容配置されたスプール弁31と、該スプール弁31を、閉塞部材であるリテーナ32を介して図1、図3中、左方向へ付勢するばね部材である第1バルブスプリング33と、スプール弁31を第1バルブスプリング33のばね力に抗して他方向へ押し出すアクチュエータである電磁アクチュエータ34と、スプール弁31の内部に収容された逆止弁41と、から主として構成されている。
バルブボディ30は、熱処理されていない鉄系金属によって成形されて、外形がボルト状一体に形成されている。バルブボディ30は、後述する頭部30b側から内部軸心方向に沿って形成されたバルブ孔30aによって内部中空状の有底円筒状に形成されている。
このバルブボディ30は、外周面が六角面に形成された頭部30bと、カムシャフト一端部2aの挿入孔2bに挿通する軸部30cと、該軸部30cの頭部30bの付け根部である基端部外周に形成されて、カムシャフト2の雌ねじ部2cに螺着する雄ねじ部30dと、を有している。
頭部30bは、バルブボディ30が雄ねじ部30dを介してカムシャフト2に締結された状態では、フロントプレート12の挿入孔12a内に配置されている。また、頭部30bは、軸部30cの付け根側の着座面30eがカムシャフト2の挿入孔2bの開口端面(雌ねじ部2cの開口端面)に回転軸方向から所定の軸トルクによって着座(圧接)している。しかし、この頭部30bの着座面30eは、通路構成部50の貫通孔50cの開口端面(保持溝50bの底面)とは圧接することなく、微小隙間をもって対峙しているか、あるいは僅かに接触した状態になっている。したがって、バルブボディ30は、カムシャフト2とともに通路構成部50に対して自由な回転が確保されている。
軸部30cは、図3及び図4にも示すように、軸方向のほぼ頭部30b寄りの位置にカムシャフト2の各第1連通ポート24aと連通する4つの供給ポート35が周壁の軸心から十字状径方向へ貫通形成されている。
また、軸部30cは、供給ポート35と軸方向で隣接した位置に、第2連通ポート24bに適宜連通する遅角側ドレンポート36が周壁の軸心から十字状径方向へ4つ貫通形成されている。
さらに、各遅角側ドレンポート36と隣接した位置には、各第3連通ポート24cと連通する給排ポートである4つの遅角ポート37と、これに隣接した位置には、第4連通ポート24dと連通する給排ポートである4つの進角ポート38がそれぞれ周壁の軸心から十字状径方向へ貫通形成されている。
これら各ポート35〜38は、外周側に形成された各グルーブ溝35a〜38aを介して各連通ポート24a〜24dにそれぞれ連通している。また、供給ポート35のグルーブ溝35aの内周には、円環状の濾過フィルタ35bが配置されている。この濾過フィルタ35bは、オイルポンプ26から圧送された作動油内のコンタミなどを濾過するようになっている。
また、軸部30cの底壁30fには、各進角ポート38と適宜連通する第1、第2ドレンポート39a、39bが貫通形成されている。
第1ドレンポート39aは、底壁30fのほぼ中央に貫通形成されている一方、第2ドレンポート39bは、底壁30fの径方向外側部に貫通形成されている。
この第1、第2ドレンポート39a、39bは、図1に示すように、カムシャフト2に形成された排出孔2eを介してオイルパン28に連通している。
スプール弁31は、図3〜図5に示すように、例えば表面全体が硬化処理され、つまり例えば浸炭焼き入れによって熱処理された鉄系金属材によって単一構造の有底円筒状に形成されている。したがって、このスプール弁31は、硬度が熱処理されていないバルブボディ30の硬度よりも高く形成されている。
なお、このスプール弁31の表面処理としては、浸炭焼き入れの他に、例えば表面全体にニッケルメッキを施して表面硬度を高くすることも可能である。他の硬化処理法を用いることもできる。
このスプール弁31は、バルブボディ30のバルブ孔30a内に中心軸線方向(軸方向)に沿って移動可能に収容されている。
また、スプール弁31は、外周面の軸方向の一端部側(バルブボディ30の頭部30b側)から他端部側へ順に円環状の第1ランド部31aと、第2ランド部31b、第3ランド部31c及び第4ランド部31dをそれぞれ有している。この各ランド部31a〜31dの外周面が、バルブボディ30のバルブ孔30aの内周面に摺動しながら中心軸線方向へ移動するようになっている。
スプール弁31は、内部軸方向に内径が段差径状の連通路である軸方向通路40が形成されている。この軸方向通路40は、スプール弁31の軸方向一端側に形成されて小径通路部40aと、該小径通路部40aの他端開口に連続して形成された中径通路部40bと、該中径通路部40bからリテーナ32方向に延びた大径通路部40cと、を有している。
軸方向通路40は、小径通路部40aから順次、中径通路部40b及び大径通路部40cが連続して形成されている。
小径通路部40aは、軸方向の一端、つまり中径通路部40bと反対側の一端が閉じられている。大径通路部40cは、軸方向他端側、つまり、小径通路部40cと反対側の他端に開口部が形成されている。
また、スプール弁31は、第1ランド部31aと第2ランド部31bとの間に軸方向通路40と連通する4つの第1通路孔42が軸心から十字状径方向に沿って貫通形成されている。この各第1通路孔42の外周には、スプール弁31の外周側が大幅のグルーブ溝42aが形成されている。
スプール弁31の第2ランド部31bと第3ランド部31cとの間には、遅角側ドレンポート36と適宜連通する円環状の遅角側ドレン溝43が形成されている。
スプール弁31の第3ランド部31cと第4ランド部31dとの間には、遅角ポート37と適宜連通する4つの第2通路孔44が軸心から十字状径方向に沿って貫通形成されている。また、この各第2通路孔44の外周側には、小幅なグルーブ溝44aが形成されている。
スプール弁31の軸方向他端部、つまりバルブボディ30の底壁30f側の他端部外周には、各進角ポート38と各ドレンポート39a、39bに適宜連通する円環状の進角側ドレン溝45が形成されている。
また、スプール弁31は、軸方向の一端部、つまり第1ランド部31a側の先端面に、電磁アクチュエータ34の後述するプッシュロッド57に軸方向から当接する当接部である円柱状の突部31eが一体に設けられている。この突部31eは、表面がスプール弁31全体の熱処理によって該スプール弁21の表面と同じく高い硬度になっている。
さらに、スプール弁31は、バルブボディ30のバルブ孔30aの頭部30b側の内周面に固定されたストッパ部材46によって電磁アクチュエータ34方向の最大移動が規制されるようになっている。
ストッパ部材46は、有底円筒状に形成されて、底壁46aの中央にスプール弁31の突部31eが自由に挿入可能な挿入孔46bが貫通形成されている。また、ストッパ部材46は、筒状の外周部46cがバルブボディ30のバルブ孔30aの頭部30b側開口部の内周面に圧入されている。
そして、スプール弁31が、第1バルブスプリング33のばね力で図中左方向へ移動した際に、第1ランド部31aの外端面がストッパ部材46の円環状の底壁46aの外面に当接してその最大左方向の移動が規制されるようになっている。
逆止弁41は、図1及び図3に示すように、中径通路部40bと大径通路部40cの内部に収容配置された弁体であるボール弁体(チェックボール)47と、小径通路部40aと中径通路部40bとの間の段差縁に形成されて、ボール弁体47が離着座可能な弁座部であるバルブシート48と、リテーナ32とボール弁体47との間に設けられて、ボール弁体47をバルブシート48方向へ付勢する第2のばねである第2バルブスプリング49と、を備えている。
ボール弁体47は、硬度の高い例えば鋼製によって形成されて、この硬度はスプール弁31のバルブシート48の硬度よりも高く形成されている。また、このボール弁体47は、軸方向通路40の中径通路部40bと大径通路部40c内を自由に移動可能になっている。
このボール弁体47は、第2バルブスプリング49のばね力でバルブシート48に着座することによって、小径通路部40aの中径通路部40b側の開口を閉塞するようになっている。一方、ボール弁体47は、小径通路部40a内に供給された作動油圧が高くなって第2バルブスプリング49のばね力に打ち勝つと小径通路部40aの開口を開いて作動油を中径、大径通路部40b、40c方向へ流入させるようになっている。
リテーナ32は、図3に示すように、例えば鉄系金属材をプレス成形によって段差径状のカップ状に形成されている。このリテーナ32は、軸方向通路40の開口端40dに固定される大径部32aと、該大径部32aの先端縁から軸方向に延びる中径部32bと、該中径部32bの先端縁に結合されて中径部32bよりも小径なスプリング支持部32cと、から主として構成されている。
大径部32aは、外径がスプール弁31の大径通路部40cの内径とほぼ同一に形成されて、該大径通路部40cの内周面に圧入によって固定されている。また、大径部32aの後端縁には、フランジ部32dが一体に設けられている。
このフランジ部32dは、大径通路部40cの開口端40dに当接することによって該開口端40dをシールしている。また、また、フランジ部32dは、リテーナ32全体を大径通路部40c内に挿入(圧入)した際に、開口端40dに当接することによって、それ以上の軸方向通路40への挿入を規制するようになっている。
中径部32bは、リテーナ32がスプール弁31内に挿入固定された際に、スプール弁31の第4ランド部31dに対して中心軸線の直角方向においてオーバーラップした位置になっている。
また、この中径部32bは、外周面32eが大径部32aからスプリング支持部32c方向へ向かって下りテーパ状に形成されている。これによって、中径部32bの外周面と大径通路部40cの内周面は、テーパ状の僅かな隙間をもって非接触状態になっている。
スプリング支持部32cは、中径部32bの先端縁との結合箇所に設けられた段差壁32fと、該段差壁32fの内周縁に一体に形成された小径部32gと、から構成されている。
段差壁32fは、平坦な円環状に形成されて、外面には第2バルブスプリング49の軸方向一端部49aが弾性的に当接支持されている。また、この段差壁32fの内面には、第1バルブスプリング33の一端部33aが弾性的に当接支持されている。
小径部32gは、有底円筒状に形成されていると共に、ほぼ均一に形成された外径が第2バルブスプリング49のコイル内径よりも小さく設定されている。
第1バルブスプリング33は、他端部33bがバルブボディ30の底壁30fの内底面に弾性的に当接して、リテーナ32を介してスプール弁31を電磁アクチュエータ34方向(図3中、左方向)へ付勢している。
一方、第2バルブスプリング49は、他端部49bがボール弁体47の外面に弾性的に当接して、該ボール弁体47をバルブシート48方向へ付勢している。
また、小径部32gは、図3に示すように、底壁32hの前端面によってボール弁体47の図中右方向の最大移動位置を規制するようになっている。つまり、ボール弁体47が、小径通路部40a内の油圧によって第2バルブスプリング49のばね力に抗してバルブシート48から離れて図中右方向へ最大に後退移動した際に、底壁32h外面に当接させてこれ以上の後退移動を規制するようになっている。
電磁アクチュエータ34は、図1に示すように、合成樹脂材のケーシング52と、該ケーシング52の内部に磁性材のボビン53を介して収容されたソレノイド54と、ボビン53の内周に固定された固定鉄心55と、ボビン53の内部に軸方向へ摺動可能に設けられた円柱状の可動鉄心56と、該可動鉄心56の先端部に一体的に結合されて、先端部の押圧部57aがスプール弁31の突部31e前端面に軸方向から当接するプッシュロッド57と、を備えている。
ケーシング52は、下端部に保持溝50b内に挿入固定される円筒部52aを一体に有している。また、上端部には、ECUであるコントロールユニット59に電気的に接続されるコネクタ部52bが設けられている。このコネクタ部52bは、ほぼ全体がケーシング52内に埋設された一対の端子片52cの各一端部が前記ソレノイド54に接続されている。一方、外部に露出した各他端部は、コントロールユニット59側の雄コネクタの端子に接続されている。なお、円筒部52aは、保持溝50bの内周に固定されたシールリング58によって保持溝50bに液密的に保持されている。
可動鉄心56は、ソレノイド54への非通電時には、第1バルブスプリング33のばね力によってスプール弁31とプッシュロッド57を介して後退移動するようになっている。
図6〜図8は油圧制御弁を縦断面して示す作用説明図である。
ソレノイド54は、コントロールユニット59から通電(励磁)されることによって可動鉄心56を進出移動させてスプール弁31を第1バルブスプリング33のばね力に抗して図1の右方向へ移動させるようになっている。
具体的に説明すれば、スプール弁31は、図6〜図8に示すように、ソレノイド54への非通電と通電中の通電量(デューティ比)に応じて最大左方向位置(図6の第1移動位置)と、最大右方向位置(図7の第2移動位置)と、最大左方向と最大右方向の中間移動位置(図8の第3移動位置)とに移動制御されるようになっている。
コントロールユニット59は、図外のクランク角センサ(機関回転数検出)やエアーフローメータ、機関水温センサ、機関温度センサ、スロットルバルブ開度センサおよびカムシャフト2の現在の回転位相を検出するカム角センサなどの各種センサ類からの情報信号を入力する。これによって、現在の機関運転状態を検出する。また、コントロールユニット59は、前述したように、電磁アクチュエータ34のソレノイド54への通電(通電量)及び非通電を制御してスプール弁31を所定の移動位置に連続的に可変制御するようになっている。
〔本実施形態の作用効果〕
イグニッションスイッチがオフされて機関停止状態になると、オイルポンプ26も停止されて吐出通路26aから作動油が供給されないと共に、コントロールユニット59からソレノイド54への通電もなく非通電状態となっている。
したがって、スプール弁31は、図6に示すように、第1バルブスプリング33のばね力で最大左方向の第1の移動位置に保持されている。このスプール弁31の最大左方向の移動位置は、第1ランド部31aの外端面がストッパ部材46の対向面に当接することによって規制される。
このとき、逆止弁41のボール弁体47は、図3の一点鎖線で示すように、第2バルブスプリング49のばね力によってバルブシート48に着座して小径通路部40aの開口端を閉じている。
次に、イグニッションスイッチがオン操作されて機関が始動を開始すると、オイルポンプ26も駆動して吐出通路26aに作動油を圧送する。この圧送された作動油は、図7の矢印で示すように、グルーブ溝35aを含む供給ポート35から第1通路孔42を通って小径通路部40aに流入する。この小径通路部40aに流入した作動油は、ボール弁体47を第2バルブスプリング49のばね力に抗してバルブシート48から離間させて開口端を押し開く。この作動油は、中径通路部40b及び大径通路部40c内でボール弁体47の周囲を通って第2通路孔44と遅角ポート37に流入して各遅角通路孔17から各遅角作動室9内に供給される。
同時に、スプール弁31は、各進角ポート38と進角側ドレン溝45を連通させる。このため、各進角作動室10の作動油は、図中矢印で示すように、各進角通路孔18から各進角ポート38と進角側ドレン溝45を通ってバルブ孔30aの後端部側を通過して挿入孔2bの底部2d内に流入する。この底部2d内の作動油は、第1、第2ドレンポート39a、39bからカムシャフト2の排出孔2eを通ってオイルパン28内に排出される。
したがって、ベーンロータ7は、最遅角の相対回転位置に維持されている。これによって、吸気弁は、バルブタイミングが遅角側に制御された状態になり、この遅角側への制御によって機関の始動性が良好になる。
また、この時点では、ロック通路を介して第1解除用受圧室23aに各遅角作動室9と同じ油圧が供給されるが、クランキング初期の時点では解除用受圧室23a内の油圧が上昇しない。このため、ロックピン21は、ロック穴19内に係入してロックされた状態となる。したがって、カムシャフト2に発生する交番トルクによるベーンロータ7のばたつきなどを抑制することできる。
その後、ロック通路を介して第1解除用受圧室23aに供給された油圧が高くなると、ロックピン21が、コイルスプリング22のばね力に抗して後退移動してロック穴19とのロック状態が解除されて、ベーンロータ7はフリーな状態になり、正逆回転が可能になる。
なお、このとき、前記各進角作動室10は、前述したように低圧状態が維持されている。
次に、機関運転状態の変化に伴いコントロールユニット59から電磁アクチュエータ34のソレノイド54に通電されて所定の通電量が印加されると、可動鉄心56とプッシュロッド57が進出移動する。そうすると、スプール弁31は、図7に示すように、第1バルブスプリング33のばね力に抗して図示のように右方向へ最大進出移動して第2移動位置に保持される。
これによって、スプール弁31の遅角側ドレン溝43が遅角ポート37と遅角側ドレンポート36に連通する。同時に、第4ランド部31dによって、進角ポート38と進角側ドレン溝45との連通が阻止されると共に、第2通路孔44と進角ポート38が連通する。
このため、図7の矢印で示すように、各遅角作動室9の作動油は、各遅角通路孔17からドレンポート36を介して排出通路29に流入し、ここからオイルパン28内に排出される。一方、供給ポート35から軸方向通路40に流入した作動油は、ボール弁体47の外周を通って第2通路孔44から各進角通路孔18を介して各進角作動室10に供給される。これによって、各遅角作動室9の内圧が低下すると共に、各進角作動室10の内圧が上昇する。
なお、このとき、ロックピン21は、進角作動室10からロック通路を介して第2解除用受圧室23bに供給された油圧によってロック穴19から抜け出てロックが解除されている。
このため、ベーンロータ7は、図2に示す位置から時計方向へ回転して最大進角側へ相対回転して、吸気弁のバルブタイミングが最進角位相になって排気弁とのバルブオーバーラップが大きくなる。この結果、吸気充填効率が高くなって機関の出力トルクの向上が図れる。
さらに、機関運転状態が定常運転に変化すると、コントロールユニット59から電磁アクチュエータ34のソレノイド54への通電量(デューティ比)をさらに変化させる。これによって、スプール弁31は、図8に示すように、前述した最大左方向の第1移動位置と最大右方向の第2移動位置の間の第3の移動位置(中間位置)に移動させる。
そうすると、供給ポート35とスプール弁31の第1通路孔42が連通した状態となるが、第3ランド部31cによって各遅角ポート37と遅角側ドレン溝43及び第2通路孔44との連通が遮断される。同時に、第4ランド部31dによって各進角ポート38と進角側ドレン溝45及び第2通路孔44との連通も遮断される。
したがって、各遅角作動室9と各進角作動室10が密閉状態になって、作動油の置換流動などが規制される。このため、ベーンロータ7は、ハウジング6に対する相対回転がなくなり、所定の中間回転位置に保持される。
したがって、吸気弁は、バルブタイミングが最遅角と最進角の間の中間位相の開閉タイミングに制御されるので、例えば、定常運転時の機関回転の安定化と燃費の向上が図れる。
以上のように、本実施形態では、コントロールユニット59からソレノイド54への非通電及び通電量(デューティ比)を制御して、スプール弁31の移動位置を、第1〜第3移動位置間で適宜変更することができる。
これによって、各遅角作動室9あるいは各進角作動室10に対して、オイルポンプ26の吐出圧を供給ポート35から軸方向通路40を介して選択的に供給することにより、ベーンロータ7の相対回転位相を変更する、いわゆる通常制御であるOPA制御を行うことができる。
特に、第3移動位置の制御は、第1移動位置と第2移動位置の間のいずれかの中間位置に保持できる。これによって、ベーンロータ7を最遅角位置と最進角位置の間のいずれの位置にも保持することが可能になる。つまり、例えば、最遅角位置寄りとか最進角位置寄り、さらには最遅角位置と最進角位置のほぼ中間位置などに自由に制御することが可能である。
この結果、機関運転状態の変化に応じて吸気弁の開閉タイミングを自由に設定できるので、燃費の向上や高い機関性能を引き出すことが可能になる。
そして、本実施形態における油圧制御弁27は、前記従来技術のように、スプール弁31を、筒状部材や栓部材の2部材で構成するのではなく、単一構造に形成し、このスプール弁31の内部にリテーナ32を介して逆止弁41を設けた。
このため、逆止弁41を含めたスプール弁31の全体の構造が簡素化されると共に、部品点数の削減が図れる。これによりに、油圧制御弁27全体の構造の簡素化が図れると共に、製造作業や組立作業が極めて容易になる。したがって、製造コストや組立コストの低減化が図れる。
すなわち、各構成部品の組立時には、まず、スプール弁31の内部にボール弁体47を収容しておく。この状態で、第2バルブスプリング49をリテーナ32のスプリング支持部32cに仮止め状態に支持する。その後、リテーナ32を、スプリング支持部32c側からスプール弁31の後端部内に挿入する。つまり、リテーナ32を、スプリング支持部32c側から大径通路部40cの後端開口から内部へ挿入するが、フランジ部32dが開口端40dに当接してそれ以上の挿入が規制されるまで挿入する。
このとき、リテーナ32の大径部32aは、外周面が大径通路部40cの内周面に圧接しながら摺動して最終的に大径通路部40cの内周面に圧入固定される。
これによって、逆止弁41は、スプール弁31の軸方向通路40内にリテーナ33を介して組み付け保持される。
その後、第1バルブスプリング33を、一端部33a側からリテーナ32の大径部32a内に挿入して、一端部33aを段差壁32fの内面に当接させて保持する。
この状態で、スプール弁31を、バルブボディ30の頭部30b側からバルブ孔30a内に挿入しつつ第1バルブスプリング33のばね力に抗して内部へ押し込む。
次に、ストッパ部材46を、バルブ孔30aの開口端内周面に圧入固定すれば、バルブ孔30a内にスプール弁31や逆止弁41のバルブボディ30内への組み付け作業が終了する。
続いて、バルブボディ30を、カムシャフト2の一端部2a内に雌雄ねじ部2c、30dを介してねじ込めば、カムシャフト2の組み付け作業が完了する。
その後、通路構成部50の保持溝50b内に、電磁アクチュエータ34の筒状部50aを、シールリング58を介して軸方向から挿入する。これによって、電磁アクチュエータ34は、通路構成部50に液密的に保持される。
したがって、本実施形態では、油圧制御弁27の構造の簡素化に伴い各構成部品の製造作業及び組付作業能率の向上が図れると共に、コストの低減化が図れる。
特に、本実施形態では、リテーナ32が、第1バルブスプリング33と第2バルブスプリング49の2つのバルブスプリングの端部を一緒に保持して兼用する構造になっている。このため、さらに構造の簡素化が促進されて、製造、組立作業性が良好になりコストのさらなる低減化が図れる。
また、リテーナ32は、中径部32bの外周面32eがスプリング支持部32c方向に向かって下り傾斜状に形成されている。これによって、リテーナ32を、スプール弁31の大径通路部40c内に挿入する際に、該大径通路部40cとの圧入箇所が大径部32aの外周面のみであって、中径部32bの外周面32eとは非接触状態になる。
このため、大径部32aの圧入時において、中径部32bの外周面32eによる大径通路部40cの内周面に対する軸心から径方向への圧入荷重が作用しなくなる。したがって、中径部32bが位置する第4ランド部31dには、径方向の圧入荷重が作用しないことから、該第4ランド部31d及びその周辺の塑性変形を十分に抑制することができる。
この結果、スプール弁31は、バルブ孔30a内での常に円滑な摺動性が得られる。よって、第2〜第4ランド部31b〜31dによる各ポート36〜38の開閉制御精度の低下を抑制できる。
そして、本実施形態では、バルブボディ30やボール弁体47との関係で、スプール弁31のみの表面硬度のみを管理するだけであるから、製造作業が容易になる。
すなわち、前記従来技術のように、スプール弁を筒状部材と栓部材との2部材によって形成した場合には、弁体が当接するための硬度が必要なバルブシート(弁座部)を有する栓部材と、スリーブ内を摺動するための硬度が必要な筒状部材の2部品のそれぞれの硬度を管理する必要がある。このため、特に、製造作業などが煩雑になり、コストの高騰が余儀なくされている。
これに対して、本実施形態では、単一構造のスプール弁31全体の表面硬度を管理するだけで、あるからその製造作業が簡単になりコストの低減化が図れる。
しかも、スプール弁31の表面硬度を、バルブボディ30の硬度より高く設定すると共に、ボール弁体47の硬度よりも低く設定したことから、以下のような作用効果が得られる。
まず、スプール弁31の表面硬度、つまり、バルブシート48の表面硬度をボール弁体47の硬度よりも高くした場合には、離着座の繰り返しによりボール弁体47の表面に傷や変形などが発生し易くなるおそれがある。この結果、ボール弁体47が、バルブシート48へ着座した際のシール性能が低下するおそれがある。
しかし、本実施形態のように、バルブシート48の表面硬度を、ボール弁体47よりの低くしたことから、ボール弁体47表面の傷や変形などの発生が抑制されて、バルブシート48に対する安定した着座性が得られ長期に渡り良好なシール性能が得られる。逆にバルブシート48側が、ボール弁体47の表面形状に倣う形になるので、シール性能が向上する。
また、スプール弁31の表面硬度を、バルブボディ30と同じ表面硬度とした場合には、バルブ孔30aの内周面を各ランド部31a〜31dの外周面が摺動した際に、いわゆるバルブ孔30aの内周面にいわゆるかじりが発生するおそれがある。
しかし、本実施形態のように、スプール弁31の各ランド部31a〜31dの表面硬度を、バルブボディ30より高くしたことから、各ランド部31a〜31dの摺動時におけるかじりの発生を抑制できる。
また、スプール弁31は、突部31eの表面硬度も高くなっていることから、プッシュロッド57の押圧部57aと間の摺動摩擦による摩耗の発生を抑制でできる。
また、本実施形態では、前述のように、逆止弁41を、リテーナ32によってスプール弁31内にコンパクトに収容できたことから、油圧制御弁27全体の軸方向の長さを小さくすることが可能になる。
このように、油圧制御弁27の軸方向長さの短尺化が図れることによって、バルブタイミング制御装置全体の小型化と軽量化を図ることができる。
また、機関停止時には、逆止弁41のボール弁体47がバルブシート48に着座して小径通路部40aの開口端を閉じて、各遅角作動室9からの作動油の逆流を阻止することから各遅角作動室9内に作動油を保持することが可能になる。したがって、機関の再始動時における各遅角作動室9の油圧の立ち上がりが良好になり、ベーンロータ7を最遅角側へ速やかに相対回転させることできる。
本発明は、前記実施形態の構成に限定されるものではなく、バルブタイミング制御装置を吸気弁側ばかりか排気弁側に適用することも可能である。
また、油圧制御弁27を、バルブタイミング制御装置以外の他の機器類に適用することも可能である。さらに、アクチュエータとしては、電磁アクチュエータの他に、油圧アクチュエータであっても良い。
また、弁体としては、前記ボール弁体47の他に円盤状や円柱状などの弁体であってもよい。
さらに、前記リテーナ32は、基本的に有底円筒状であれば、その構造についてはいずれの構造であっても構わず、例えば、フランジ部を除く外形が均一な筒状であってもよい。
なお、本実施形態における遅角、進角ポート37,38の閉止や連通が遮断されている状態とは、スプール弁31の各ランド部31b、31cによって遅角、進角ポート37,38が塞がれている状態を言い、各ランド部31b、31cとバルブ孔30aの間のクリアランスを介して若干連通している状態も含む。
以上説明した実施形態に基づく油圧制御弁としては、例えば、以下に述べる態様のものが考えられる。
その一つの態様において、中空円筒状であって、中心軸線に対して径方向へ複数のポートが貫通形成されたバルブボディと、前記バルブボディの内部に前記中心軸線方向に沿って移動可能に配置されたスプール弁と、を備え、
該スプール弁は、
内部に前記中心軸線方向に沿って形成された軸方向通路と、前記中心軸線方向の先端部に一体に設けられ、電磁アクチュエータが当接する当接部と、前記軸方向通路の内周に形成された段差部であって、前記軸方向通路の内部に配置された逆止弁の弁体が離着座する弁座部と、を一体に有している。
さらに好ましくは、前記スプール弁は、全体の表面硬度が前記バルブボディの硬度よりも高く、かつ、前記弁体の硬度よりも低く設定している。
さらに好ましくは、前記スプール弁は、表面全体に硬化処理が施されている。
さらに好ましくは、前記スプール弁は、前記軸方向通路の軸心から径方向外側へ貫通形成された複数の通路孔を有し、この各通路孔は、前記軸方向通路の軸方向の一端部と前記バルブボディの供給ポートとを連通させる第1通路孔と、前記軸方向通路の軸方向の他端部と前記バルブボディの給排ポートとを連通させる第2通路孔と、を有している。
さらに好ましくは、前記軸方向通路は、軸方向の一端側が閉塞され、他端側が開口形成されており、該他端開口を閉塞する閉塞部材と、前記逆止弁の弁体と前記閉塞部材との間に配置され、前記弁体を前記弁座部に向けて付勢するばね部材と、を内部に収容している。
別の好ましい態様としては、内燃機関のクランクシャフトとカムシャフトとの相対回転位相を変化させて、吸気弁または排気弁の開閉タイミングを制御するバルブタイミング制御装置であって、
前記クランクシャフトとカムシャフトの一方からの回転力が伝達され、内部に作動室を有するハウジングと、前記クランクシャフトとカムシャフトの他方に固定され、前記作動室を第1作動室と第2作動室に仕切る複数のベーンを有するベーンロータと、前記第1作動室と第2作動室に選択的に作動油を給排する油圧制御弁と、を備え、
前記油圧制御弁は、
前記ベーンロータの内部に配置され、外部の油供給源に連通する供給ポートと、前記第1作動室または第2作動室に連通する給排ポートと、前記供給ポート及び給排ポートを連通する収容室を内部に有するバルブボディと、前記収容室内に移動可能に配置され、移動位置に応じて前記バルブボディの供給ポートと給排ポートを連通させる連通路を内部に有し、前記収容室の内周面に接触するランド部の硬度が前記収容室の内周面の硬度よりも高いスプール弁と、前記連通路の内部に移動可能に配置され、前記連通路の内周に形成されたバルブシートに離着座可能であり、前記バルブシートに着座することによって前記連通路において前記供給ポート側から給排ポート側に向かう作動油の流れを抑制すると共に、前記バルブシートの硬度よりも高い硬度を有する弁体と、を備えている。
1…タイミングスプロケット(駆動回転体)、2…カムシャフト、2a…一端部、2b…挿入孔、2c…雌ねじ部、3…位相変更機構、4…ロック機構、5…油圧回路、6…ハウジング、7…ベーンロータ、8…シュー、9…遅角作動室、10…進角作動室、14…ロータ部、15a〜15d…ベーン、17…遅角通路孔、18…進角通路孔、31…スプール弁、31a〜31d…第1〜第4ランド部、32…リテーナ、32a…大径部、32b…中径部、32c…スプリング支持部、32d…フランジ部、32e…中径部の外周面、32f…段差壁、32g…小径部、32h…前端面、32i…折り返し部、32j…小径部、33…第1バルブスプリング(ばね部材)、33a…一端部、34…電磁アクチュエータ、35…供給ポート、36…遅角側ドレンポート、37…遅角ポート(給排ポート)、38…進角ポート(給排ポート)、39a、39b…進角側第1、第2ドレンポート、40…軸方向通路、40a…小径通路部、40b…中径通路部、40c…大径通路部、41…逆止弁、42…第1通路孔、43…遅角側ドレン溝、44…第2通路孔、45…進角側ドレン溝、47…ボール弁体(弁体)、48…バルブシート(弁座部)、49…第2バルブスプリング、49a…一端部、50…通路構成部、51…チェーンケース、59…コントロールユニット。

Claims (6)

  1. 中空円筒状であって、中心軸線に対して径方向へ複数のポートが貫通形成されたバルブボディと、
    前記バルブボディの内部に前記中心軸線方向に沿って移動可能に配置されたスプール弁と、を備え、
    該スプール弁は、
    内部に前記中心軸線方向に沿って形成された軸方向通路と、
    前記中心軸線方向の先端部に一体に設けられ、電磁アクチュエータが当接する当接部と、
    前記軸方向通路の内周に形成された段差部であって、前記軸方向通路の内部に配置された逆止弁の弁体が離着座する弁座部と、
    を一体に有することを特徴とする油圧制御弁。
  2. 請求項1に記載の油圧制御弁において、
    前記スプール弁は、全体の表面硬度が前記バルブボディの硬度よりも高く、かつ、前記弁体の硬度よりも低いことを特徴とする油圧制御弁。
  3. 請求項1に記載の油圧制御弁において、
    前記スプール弁は、表面全体に硬化処理が施されていることを特徴とする油圧制御弁。
  4. 請求項1に記載の油圧制御弁において、
    前記スプール弁は、前記軸方向通路の軸心から径方向外側へ貫通形成された複数の通路孔を有し、
    この各通路孔は、前記軸方向通路の軸方向の一端部と前記バルブボディの供給ポートとを連通させる第1通路孔と、前記軸方向通路の軸方向の他端部と前記バルブボディの給排ポートとを連通させる第2通路孔と、を有することを特徴とする油圧制御弁。
  5. 請求項4に記載の油圧制御弁において、
    前記軸方向通路は、軸方向の一端側が閉塞され、他端側が開口形成されており、該他端開口を閉塞する閉塞部材と、前記逆止弁の弁体と前記閉塞部材との間に配置され、前記弁体を前記弁座部に向けて付勢するばね部材と、を内部に収容していることを特徴とする油圧制御弁。
  6. 内燃機関のクランクシャフトとカムシャフトとの相対回転位相を変化させて、吸気弁または排気弁の開閉タイミングを制御するバルブタイミング制御装置であって、
    前記クランクシャフトとカムシャフトの一方からの回転力が伝達され、内部に作動室を有するハウジングと、
    前記クランクシャフトとカムシャフトの他方に固定され、前記作動室を第1作動室と第2作動室に仕切る複数のベーンを有するベーンロータと、
    前記第1作動室と第2作動室に選択的に作動油を給排する油圧制御弁と、を備え、
    前記油圧制御弁は、
    前記ベーンロータの内部に配置され、外部の油供給源に連通する供給ポートと、前記第1作動室または第2作動室に連通する給排ポートと、前記供給ポート及び給排ポートを連通する収容室を内部に有するバルブボディと、
    前記収容室内に移動可能に配置され、移動位置に応じて前記バルブボディの供給ポートと給排ポートを連通させる連通路を内部に有し、前記収容室の内周面に接触するランド部の硬度が前記収容室の内周面の硬度よりも高いスプール弁と、
    前記連通路の内部に移動可能に配置され、前記連通路の内周に形成されたバルブシートに離着座可能であり、前記バルブシートに着座することによって前記連通路において前記供給ポートから給排ポート側に向かう作動油の流れを抑制すると共に、前記バルブシートの硬度よりも高い硬度を有する弁体と、
    を備えたことを特徴とするバルブタイミング制御装置。
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