JP6652738B2 - 光硬化型樹脂組成物及びこれを用いた光学用フィルム - Google Patents

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Description

本発明は、光硬化型樹脂組成物及びこれを用いた光学用フィルムに関する。
従来、液晶表示装置に用いられる偏光板は、ポリビニルアルコールフィルムにヨウ素などを吸着させ延伸等により配向させた偏光子の両面に保護フィルムとしてトリアセチルセルロースフィルム(TACフィルム)を貼りあわせ、さらにその表面には、透明な光硬化型樹脂組成物を塗布、硬化させて高硬度の被膜(ハードコート層)が形成され、傷つきなどから保護されている。このような硬化被膜を形成させる材料として、たとえば、ハードコート層を形成する材料として、多官能ウレタン(メタ)アクリレートなどを用いた活性エネルギー線硬化型の樹脂組成物が知られている(特許文献1)。
近年、液晶装置の大型化や高品質化およびモバイル用途の拡大からより厳しい使用環境(例えば、高温、高湿条件など)に耐えるものが求められ、TACフィルムは特性面において限界があることが明らかになった。そのような中で、保護フィルムの材質について種々の検討がなされ、TACフィルムからPET(ポリエチレンテレフタレート)フィルム、アクリル樹脂系フィルム等への代替が検討されている状況にある。しかしながら、これらのフィルムは、TACフィルムに比べるとフィルムとハードコート層間の密着性が劣るという問題があった。
このような問題に対し、例えば、特許文献2には基材フィルムにコロナ放電処理・酸化処理等の物理的な処理のほか、アンカー剤又はプライマーと呼ばれる塗料の塗布を行った後、ハードコート層を形成することで、基材フィルムとハードコート層との密着性の向上を図ることが開示されている(特許文献2)。しかしながら、特許文献2に記載の方法では、ハードコートフィルムの製造に必要な工程が増えるため、生産性に欠けるものであった。
一方、一般に高分子材料やガラスからなる基材は、絶縁特性に優れている一方で帯電しやすいため、これらの基材を偏向板用保護フィルムとして用いた精密機械等には、埃等が付着して汚れたり、誤作動したりする問題がある。そのため、当該基材の表面には、(メタ)アクリロイル基を複数有するポリ(メタ)アクリレート化合物等の活性エネルギー線硬化型樹脂に各種帯電防止剤を配合してなる活性エネルギー線硬化型樹脂組成物を塗布し、帯電防止性の硬化皮膜(ハードコート層)が設けられている。
このような問題に対し、例えば、本出願人は特許文献3において、四級アンモニウム塩構造含有共重合体に水酸基末端のラクトン鎖と脂環系アルキルエステル鎖をグラフトさせたものが、活性エネルギー線硬化型樹脂との相溶性に優れており、かつ硬化皮膜に優れた帯電防止性を付与できることを提案している。しかし、上述したPETフィルムやアクリル樹脂系フィルムに対して帯電防止性及び密着性について十分とはいえず、これらのフィルムに対する高い密着性と優れた帯電防止性の両立が可能な樹脂組成物は未だ開発されていない。
国際公開WO2010/146801号公報 特開2011−81359号公報 特開2012−31297号公報
本発明は、様々な樹脂フィルムに対して、優れた密着性及び帯電防止性を有する光硬化型樹脂組成物を提供することである。特に難接着性の樹脂フィルムに対して高い密着性を有する光硬化性樹脂組成物を提供することである。
本発明者は、前記課題を解決すべく鋭意検討したところ、水酸基を有さない重合性不飽和基含有モノマー、特定のウレタンアクリレート、導電性材料を含む樹脂組成物を用いることにより、前記課題を解決することができることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、下記項1〜項4に示す光硬化型樹脂組成物及びこれを用いた光学フィルムである。
項1. 水酸基を有さない重合性不飽和基含有モノマー(A)、ウレタンアクリレート(B)、導電性材料(C)を含み、該水酸基を有さない重合性不飽和基含有モノマー(A)は、溶解度パラメータが9〜13(cal/cm1/2、重量平均分子量が350以下、25℃での粘度が30mPa・s以下であり、該ウレタンアクリレート(B)が、分子中に1つの水酸基を有する重合性不飽和基含有モノマー(b1)と分子中にイソシアネート基を有しイソシアヌレート環構造、ビウレット構造及びアロファネート構造から選ばれる少なくとも1つの構造を有するイソシアネート化合物(b2)を反応させて得られるものであり、重量平均分子量が500以上、アクリロイル基当量140〜400g/eqであり、水酸基を有さない重合性不飽和基含有モノマー(A):ウレタンアクリレート(B):導電性材料(C)の固形重量部比が10〜70:10〜70:0.2〜25である光硬化型樹脂組成物である。
項2. 導電性材料(C)が、4級アンモニウム塩構造を含む化合物、導電性高分子及び金属酸化物微粒子の少なくともいずれか1種を含む前記項1記載の光硬化型樹脂組成物である。
項3. フィルムの少なくとも片面に本発明1又は2の光硬化型樹脂組成物の硬化被膜が形成された前記項1または2記載の光学用フィルムである。
項4. 硬化皮膜表面における表面抵抗値が、1.0×1012Ω/□以下である前記項3記載の光学用フィルムである。
本発明によれば、様々な樹脂フィルムに対して、使用する溶剤の種類が限定されず、優れた密着性及び帯電防止性を有する樹脂組成物を提供することができる。特に、難接着性のアクリル系樹脂フィルムやポリエステル系樹脂フィルムに対しても優れた密着性を有することから保護フィルムとして、光学部品用途や、フラットパネルディスプレイ等のディスプレイ用途に好適に使用することができる。
本発明の光硬化型樹脂組成物は、水酸基を有さない重合性不飽和基含有モノマー(A)、ウレタンアクリレート(B)、導電材料(C)を含むものである。
[水酸基を有さない重合性不飽和基含有モノマー(A)]
上記水酸基を有さない重合性不飽和基含有モノマー(A)(以下、「(A)成分」ともいう。)は、後述する条件を満たす水酸基を有さない重合性不飽和モノマーであれば特に限定されず、具体的には、N−ビニルホルムアミド、ジメチル(メタ)アクリルアミド、ジエチル(メタ)アクリルアミド、メチルメタクリレート、エチル(メタ)クリレート、N−ビニルアセトアミド、N−ビニルピロリドン、(メタ)アクリル酸、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、4−アクリロイルモルホリン、ベンジルアクリレート、1−4ブタンジオールジ(メタ)アクリレート等のアルキルジオール類のアクリル、酸付加物、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート等のエチレンングリコール類のアクリル酸付加物、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート等のプロピレングリコール類のアクリル酸付加物などが挙げられる。また、(A)成分としては、これらの1種または2種以上の化合物を併用してもよい。水酸基を有する重合性不飽和モノマーを用いると、表面抵抗値が高くなる。好ましくは、分子量と溶解パラメータのバランスに優れ、少量でも密着性が上がり、表面抵抗値が出る点で、N−ビニルホルムアミド等、ジメチルアクリルアミド等のビニルアミド系、アクリルアミド系のモノマーである。
上記(A)成分の溶解度パラメータは、9〜13(cal/cm1/2、分子量が350以下、25℃での粘度が30mPa・s以下である。溶解パラメータが9(cal/cm1/2未満の場合、または13(cal/cm1/2を超えると、基材との極性差が大きくなりすぎ、塗れ性が劣るため密着性が劣る結果となる。この範囲のSP値を有していても、水酸基を有する重合性不飽和基モノマーを用いた場合は、表面抵抗値が高くなる。好ましくは9〜12(cal/cm1/2である。
上記(A)の溶解度パラメーターδ(SP値)はFedorsの算出法である下記の数式1に基づき算出した。下記の数式は、非特許文献「山本秀樹著、SP値基礎・応用と計算方法、情報機構、p.66−67」による。
(ただし、Ecohは凝集エネルギー、Vは物質のモル体積を表わす)
上記(A)成分の粘度は、30mPa・sを超えるとこれも基材への浸透能力が低くなり、密着性が劣る。(A)成分の粘度は25℃に設定されたE型粘度計を用いて測定した。好ましくは、25mPa・s以下である。
上記(A)成分の分子量は、350以下である。分子量が350を超えると分子が大きく基材への浸透能力が低くなり、結果として密着性が劣る。好ましくは、70〜350である。(A)成分の分子量はその分子構造より算出した理論分子量を用いた。
上記(A)成分は、下記要件(1)を満たす樹脂系フィルムを満たすものを用いることが好ましい。
要件(1):樹脂系フィルムは、測定試料200mgあたりの120℃における揮発性分量が100ppm以下であって、厚み125μmの樹脂系フィルムを測定試料としてメチルブチルケトン溶液中に常温で1分間浸漬した場合において、浸漬前に対する浸漬後のフィルムの表面ヘイズの上昇値が0.5以下である。
上記要件(1)におけるメチルブチルケトン溶液とは、それぞれ溶媒等の他の成分を含まない純粋溶液を意味する。また、「測定試料として」とは、樹脂系フィルムの表面ヘイズの上昇値を測定するための条件であることを明確にしたものであり、本発明の実施態様が厚み125μmの樹脂系フィルムに限定されるものではない。
要件(1)は、本発明の光硬化型樹脂組成物の用途、すなわち硬化被膜形成の対象となる樹脂系フィルムの樹脂特性を特定したものである。
要件(1)で規定する、測定試料200mgあたりの120℃における揮発成分量が100ppm以下とは、樹脂系フィルムの溶剤等による浸食を受けにくさ(耐浸食性)を表わす。通常、一般的な樹脂系フィルムの前記揮発成分量は100ppmを超える。かかる樹脂系フィルムであれば、公知の光硬化型樹脂組成物により比較的容易に硬化被膜の形成が可能であるのに対し、100ppm以下の樹脂系フィルムは、その表面に密着性の高い硬化被膜の形成が困難である。
要件(1)における樹脂フィルムの種類としては、後述するアクリル樹脂系フィルムの他、ポリエステル樹脂系フィルム、シクロオレフィンコポリマー樹脂系フィルム、ポリイミド樹脂系フィルム、ポリカーボネート系樹脂フィルム、ナイロン系樹脂フィルム、ポリエーテル系樹脂フィルム等が挙げられる。
上記アクリル樹脂としては、具体的には、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸tert−ブチル、(メタ)アクリル酸n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸2−クロロエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸2,3,4,5,6−ペンタヒドロキシエキシルおよび(メタ)アクリル酸2,3,4,5−テトラヒドロキシペンチルなどの(メタ)アクリレートの1種または2種以上をモノマー成分とし、これらを重合反応させて得られるものである。さらに、前記アクリル樹脂は、ラクトン環構造、N−フェニルマレイミド等のマレイミド類、無水マレイン酸類、無水グルタル酸等をアクリル樹脂中の分子鎖に導入して耐熱性を向上させたものや架橋性モノマー等の使用により高架橋構造を導入し、耐熱性および形状安定性を向上させたものや、2種以上のアクリル樹脂の混合物としたものであってもよい。これらは、アクリル樹脂系フィルムまたはその原料であるアクリル樹脂の例示であり、本発明においては、前記要件(1)を満たす限り、原料となるアクリル樹脂をこれらに限定するものではない。さらに、アクリル樹脂系フィルムは、特開平10−244629号公報に記載のアクリル樹脂系フィルムにさらに3次元架橋したアクリル樹脂層が形成されたものも含まれる。
上記揮発成分量の測定は、ガスクロマトグラフ質量分析法による全揮発成分の定量値である。また、表面ヘイズの上昇値におけるヘイズの測定は、JIS K7136に基づく測定値である。
要件(1)で規定する表面ヘイズの上昇値が0.5以下であるとは、メチルブチルケトン溶液による浸透を受けにくく、外観変化が実質的に生じない樹脂系フィルムであり、例えば、液晶表示装置に組み込まれる偏光板の保護フィルムをはじめ、位相差フィルム、集光シート、拡散フィルム、導光板、光反射シートなどの光学フィルムに好適に使用されているものである。通常、樹脂系フィルムは、種々のモノマー組成や構造のもの、各種ポリマーブレンドの樹脂を原料としてフィルム状に成形加工されたものが多数あり、それらの特性は様々である。要件(1)を満たす樹脂系フィルムは、通常、汎用品として知られる樹脂系フィルムに比べ、高分子量化、高架橋化された樹脂を原料に成形され、強靭で耐熱性や熱履歴等による形状安定性に優れる反面、有機溶剤に侵されにくく、それゆえ密着性が低い(難密着性)という特色がある。
[ウレタンアクリレート(B)]
本発明で用いるウレタンアクリレート(B)(以下、「(B)成分」ともいう。)は、分子中に1つの水酸基を有する重合性不飽和基含有モノマー(b1)(以下、「(b1)成分」ともいう。)と分子中にイソシアネート基を有しイソシアヌレート環構造、ビウレット構造及びアロファネート構造から選ばれる少なくとも1つの構造を有するイソシアネート化合物(b2)(以下、「(b2)成分」ともいう。)を反応させて得られるものであり、重量平均分子量が500以上、アクリロイル基当量140〜400g/eqである。以下、上記(b1)成分と(b2)成分を反応させて得られるウレタンアクリレートについてさらに説明する。
上記(b1)成分としては、分子中に1つの水酸基を有する重合性不飽和基含有モノマーであれば公知のものを使用することができる。これにより、得られる光硬化型樹脂組成物の帯電防止性を優れたものとすることができ、基材に対して高い密着性を有するものとすることができる。分子中に2つ以上水酸基を有する重合性不飽和基含有モノマーを用いた場合は、他の樹脂成分との相溶性を保持する事が困難となる。
上記(b1)成分としては、分子中に1つの水酸基と重合性不飽和基を少なくとも1つ有するものであれば公知のものを使用することができる。具体的には、(メタ)アクリロイル基を1つ有する化合物として、例えば、モノヒドロキシモノ(メタ)アクリレート〔2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等〕、モノヒドロキシモノビニルエーテル〔2−(ビニルオキシ)エタノール、ジエチレングリコールモノビニルエーテル、トリエチレングリコールモノビニルエーテル等〕、モノヒドロキシモノアリルエーテル〔2−(アリルオキシ)エタノール等〕などが挙げられる。(b1)成分としては、これらの1種または2種以上の化合物を併用してもよい。
上記分子中に1つの水酸基と2つの重合性不飽和基を有する化合物として、例えば、モノヒドロキシジ(メタ)アクリレート〔グリセロールジ(メタ)アクリレート等〕、モノヒドロキシジビニルエーテル〔トリメチロールプロパンジビニルエーテル、トリエタノールアミンジビニルエーテル等〕、モノヒドロキシジアリルエーテル〔トリメチロールプロパンジアリルエーテル、ジアリルグリセリン等〕などが挙げられる。
上記分子中に1つの水酸基と3つ以上の重合性不飽和基を有する化合物として、モノヒドロキシポリ(メタ)アクリレート〔ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリトリトールペンタ(メタ)アクリレート等〕、モノヒドロキシポリアリルエーテル〔ペンタエリスリトールトリアリルエーテル、クエン酸トリアリル等〕、等が挙げられる。
上記(b2)成分は、分子中にイソシアネート基を有し、イソシアヌレート環構造、ビウレット構造及びアロファネート構造から選ばれる少なくとも1つの構造を有するイソシアネート化合物である。これらの構造のものを使用することにより、硬化時に生じる収縮が小さくなるため、得られる硬化被膜に高硬度で高い密着性を付与することができる。また、(b2)成分としては、上記化合物の1種のみを使用しても良いし、2種以上を併用してもよい。
上記(b2)成分に含まれるイソシアヌレート環構造を有するイソシアネート化合物としては、イソホロンジイソシアネートの3量体(イソシアヌレート体)、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネートの3量体(イソシアヌレート体)、水添キシリレンジイソシアネートの3量体(イソシアヌレート体)、または上記3量体の反応物等が挙げられる。
上記アロファネート構造を有するイソシアネート化合物としては、イソホロンジイソシアネートのアダクト体、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネートのアダクト体等が挙げられる。
上記ビウレット構造を有するイソシアネート化合物としては、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネートの反応物等が挙げられる。
上記(B)成分の合成方法としては、公知の方法を採用すればよく、例えば、(b1)成分と(b2)成分を、無溶剤または、トルエンなどの非アルコール系有機溶媒中、トリエチレンジアミン、1,8−ジアザビシクロ−[5,4,0]−ウンデセン−7、オクチル酸第一スズ、ジオクチル酸鉛などより選ばれる触媒存在下で、通常、反応温度60〜90℃程度で反応させればよい。
上記(b1)成分と(b2)成分の使用割合としては、特に限定されないが、(b1)成分の水酸基/(b2)成分のイソシアネート基のモル比が1.0〜1.25程度、好ましくは1.0〜1.15程度の範囲であることが好ましい。前記モル比が1.0未満では、最終的に得られる(B)成分中に、未反応イソシアネート基が残存することになり、得られる組成物が、経時で増粘、ゲル化等安定性が悪くなる傾向がある。また前記モル比が1.25を超える場合は、未反応(b1)成分が残存することになり、得られる(B)成分の含有比率が低下し、十分な塗膜強度や密着性が得られないなどの問題がある。
残存イソシアネート基の定量は、例えばJIS K1556に準拠して、水酸基当量数の定量は、例えばJIS K1557に準拠して測定することができる。
本発明で用いる(B)成分は、重量平均分子量が500以上、(メタ)アクリロイル基当量が140〜400g/eqであることを特徴とする。ここで、重量平均分子量とは、ゲルパーメーションクロマトグラフ法によるポリスチレン換算値である。重量平均分子量と(メタ)アクリロイル基当量をかかる数値の範囲内とすることにより、硬化時に生じる収縮が少なく、得られる硬化皮膜の硬度(鉛筆硬度)に優れており、保護フィルムとして求められる物理的強度などの強靭性や、長期にわたる密着性を確保するなど光学用フィルムとしての基本特性を確保することができる。同様の観点から、重量平均分子量は500〜30,000であることが好ましい。
上記(メタ)アクリロイル基当量が140g/eq未満の場合は、硬化時に生じる硬化収縮により密着性が低下する傾向となり、400g/eqを超えると得られる硬化皮膜の硬度(鉛筆硬度)が不十分となるためいずれも使用に適さない。同様の観点から、(メタ)アクリロイル基当量は140〜400g/eqであることが好ましい。
[導電性材料(C)]
本発明で用いる導電性材料(C)(以下、「(C)成分」ともいう。)としては、電気抵抗値が10Ω・cm以下の材料であれば、特に限定されず、カーボンブラック・金属・金属酸化物・金属化合物の微粒子(導電性フィラー)、4級アンモニウム塩構造を含む化合物、導電性高分子、イオン性液体等が挙げられる。これらの中でも帯電防止性の経時安定性の点で、4級アンモニウム塩構造を含む化合物、導電性高分子及びカーボンブラック・金属酸化物の微粒子のいずれか1種が好ましい。透明性の観点から特に好ましくは、4級アンモニウム塩構造を含む化合物と導電性高分子である。
上記4級アンモニウム塩構造を含む化合物としては、例えば4級アンモニウム塩構造と重合性不飽和基を分子内に併せ持つ重合性モノマーや、上記4級アンモニウム塩構造と重合性不飽和基を併せ持つモノマーと他の重合性不飽和基を有するモノマーの共重合物、4級アンモニウム塩構造を分子内に含む多価アルコールの有機イソシアネートとの反応物を含むウレタン化合物等が挙げられる。他成分との相溶性、帯電防止性の安定性の点で4級アンモニウム塩構造と重合性不飽和基を併せ持つモノマーと他の重合性不飽和基を有するモノマーの共重合物である事が好ましい。
上記導電性高分子としては、例えば、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)(以下、PEDOTという場合がある。)、ポリアセチレン、ポリアニリン、ポリピロールおよびこれらの誘導体のドーピング処理を施したもの等が挙げられる。他成分との相溶性、帯電防止性の点で好ましくは、ポリスチレンスルホン酸でドープされたPEDOT(以下、PEDOT/PSSという場合がある。)である。
金属酸化物微粒子としては、例えば、酸化錫・酸化インジウム・酸化錫含有酸化インジウム(ITO)・アンチモン含有酸化錫(ATO)、リン含有酸化錫(PTO)、酸化セリウム、酸化亜鉛、アルミニウム含有酸化亜鉛、アンチモン含有酸化亜鉛、インジウム含有酸化亜鉛等が挙げられる。透明性、帯電防止性の点で好ましくはリン含有酸化錫(PTO)、アンチモン含有酸化亜鉛である。
本発明の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物は、(A)〜(C)成分を含有するものである。
(A)〜(C)成分の使用割合は、密着性の確保および硬化皮膜の強度の観点から、上記(A)成分:(B)成分:(C)成分の固形重量部比が10〜70:10〜70:0.2〜25である。好ましくは、20〜60:10〜60:0.2〜20である。より好ましくは、30〜60:15〜60:0.3〜20である。
本発明の光硬化性樹脂組成物は、上記(A)〜(C)成分に加え、さらに光増感剤、酸化防止剤、光安定剤、レベリング剤、顔料等の各種公知の添加剤および光重合開始剤(D)などを含有させてもよい。
本発明の光硬化性樹脂組成物の製造方法は、特に限定されず、上記(A)、(B)及び(C)成分を混合することにより製造することができる。各成分の混合順は特に限定されず、例えば、高粘度の(B)成分を(A)成分で希釈して減粘した後に、(C)成分を加える方法が挙げられる。金属酸化物や導電高分子の分散液を配合する際は、粒子の凝集・沈降を防ぐため好ましくは常温化で極性の近いものから混合すると良い。また、必要に応じて、溶剤も混合することができる。
上記溶剤としては、特に限定されず、アルコール系溶剤、グリコール系溶剤、及びケトン系溶剤等が挙げられる。
上記アルコール系溶剤としては、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、ターシャリーブタノール、1−ヘキサノール、1−オクタノール、2−エチル−ヘキサノール、1−ノナノール、1−デカノール、ベンジルアルコール、ジアセトンアルコール、エチレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、グリセリン等、及びその混合溶剤が挙げられる。
上記グリコール系溶剤としては、2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール、2−プロピオキシエタノール、2−イソプロポキシエタノール、2−ブトキシエタノール、2−フェノキシエタノール、2−(ベンジルオキシ)エタノール、2−アリルオキシエタノール、3−メトキシプロパノール、3−エトキシプロパノール、4−メトキシブタノール、4−エトキシブタノール、2−(2−メトキシエトキシ)エタノール、1−メトキシ−2−プロパノール、2−メトキシ−1−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール、2−エトキシ−1−プロパノール、1−プロポキシ−2−プロパノール、2−プロポキシ−1−プロパノール、1−ブトキシ−2−プロパノール、2−ブトキシ−1−プロパノール、1−フェノキシ−2−プロパノール、2−フェノキシ−1−プロパノールが挙げられる。
上記ケトン系溶剤としては、アセトン、メチルエチルケトン(MEK)、メチルイソブチルケトン(MIBK)、ジエチルケトン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノン等が挙げられる。
[光重合開始剤(D)]
光重合開始剤(D)(以下、(D)成分という)としては、特に限定されず公知のものを用いることができる。具体的には、例えば、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニルケトン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、1−シクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド、4−メチルベンゾフェノン等が挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。なお、(D)成分は、紫外線硬化を行なう場合に使用するが、電子線硬化をする場合には、必ずしも必要ではない。(D)成分を使用する場合の使用量は特に限定されないが、通常、(A)〜(C)成分の合計量100重量部に対し、1〜10重量部程度とすることが好ましい。
本発明の光硬化型樹脂組成物は、フィルムの少なくとも片面に塗布され、乾燥後、硬化させることにより、硬化被膜が形成される。このように本発明の光硬化型樹脂組成物の硬化皮膜が形成され光学用フィルムもまた、本発明の1つである。本発明の光学用フィルムは、
難燃性のアクリル樹脂系フィルムに対して高い密着性を有しつつ・優れた帯電防止性を有することから、保護フィルムとして、光学部品用途や、フラットパネルディスプレイ等のディスプレイ用途に好適に使用できるものである。
上記フィルムの基材としては、特に限定されず、アクリル系樹脂・ポリエステル系樹脂・ポリシクロオレフィン系樹脂・透明ポリイミド樹脂等が挙げられる。
上記アクリル系樹脂としては、特に限定されないが、耐熱性、耐湿性、耐溶剤性、機械的硬度、成型加工性を例えばラクトン環構造やイミド環構造を導入することで強化したアクリル系樹脂が挙げられる。
上記硬化皮膜表面における表面抵抗値は、帯電防止性を付与することができる点で1.0×1012Ω/□以下であることが好ましい。この場合は、本発明の光学用フィルムを用いた精密機械等において、埃等が付着して汚れたり、誤作動したりする問題がなく、好適に用いることができる。より好ましくは1.0×1011Ω/□以下である。
本発明の光硬化型樹脂組成物を用いた硬化被膜の形成方法は、通常、基材フィルムに塗工し乾燥し、活性エネルギー線を照射することにより、フィルム表面上で硬化反応を生じさせれば硬化被膜を形成させればよい。また、接着剤として使用する場合は、アクリル樹脂系フィルムに塗工し乾燥させた後、接着対象となる相手方の基材と密着させた後、活性エネルギー線を照射することにより接着層を硬化させることにより行えばよい。また、接着剤として使用する場合は、相手方の基材に塗工し乾燥させた後、基材フィルムと密着させてもよい。
上記塗工方法としては、例えばバーコーター塗工、ワイヤーバー塗工、メイヤーバー塗工、エアナイフ塗工、グラビア塗工、リバースグラビア塗工、オフセット印刷、フレキソ印刷、スクリーン印刷法等が挙げられる。
上記塗工量は、特に限定されないが、通常、乾燥後の重量が0.1〜30g/m程度、好ましくは1〜20g/mが好ましい。
上記硬化反応に用いる活性エネルギー線としては、例えば紫外線や電子線が挙げられる。紫外線の光源としては、キセノンランプ、高圧水銀灯、メタルハライドランプを有する紫外線照射装置を使用できる。なお、光量や光源配置、搬送速度などは必要に応じて調整でき、例えば高圧水銀灯を使用する場合には、通常80〜160W/cm程度の光量を有するランプ1灯に対して搬送速度5〜50m/分程度で硬化させるのが好ましい。一方、電子線の場合には、通常10〜300kV程度の加速電圧を有する電子線加速装置にて、搬送速度5〜50m/分程度で硬化させるのが好ましい。
以下、実施例及び比較例をあげて本発明方法を更に詳しく説明するが、本発明がこれらに限定されないことはもとよりである。なお、実施例中、部または%は重量基準である。
<(A)成分について>
水酸基を有さない重合性不飽和モノマーとして、N−ビニルホルムアミド、テトラヒドロフルフリルアクリレート、ベンジルアクリレート、ジメチルアクリルアミド、ステアリルアクリレート、ポリエチレングリコール(PEG#400)ジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレートを用いた。
一方、水酸基を有する重合性不飽和モノマーとして、HEA(ヒドロキシエチルアクリレート、共栄社化学(株)製:ライトアクリレートHOA(N))、PETA(ペンタエリスリトールトリアクリレート、共栄社化学(株)製:ライトアクリレートPE−3A)を用いた。
(重量平均分子量の測定)
本実施例において、重量平均分子量は、ゲルパーメーションクロマトグラフィー(東ソー(株)製、商品名「HLC−8220」、カラム:東ソー(株)製、商品名「TSKgel superHZ2000」、「TSKgel superHZM−M」)により測定した値を示す。
<(B)成分の合成>
合成例1
撹拌装置、冷却管、滴下ロート及び窒素導入管を備えた反応容器に、イソホロンジイソシアネートのイソシアヌレート体200部、オクチル酸スズ0.2部、PETA268部を仕込んだ後、約1時間かけて、系内の温度を約80℃に昇温した。次いで、同温度において、反応系を3時間保持した後、冷却して、ウレタンアクリレート(B−1)を得た。(B−1)成分の(メタ)アクリロイル基当量は約173g/eq、重量平均分子量は1,560であった。
合成例2
撹拌装置、冷却管、滴下ロート及び窒素導入管を備えた反応容器に、ヘキサメチレンジイソシアネートのビウレット体(以下、HDIビウレットという)200部、オクチル酸スズ0.2部、PETA334部を仕込んだ後、約1時間かけて、系内の温度を約80℃に昇温した。次いで、同温度において、反応系を3時間保持した後、冷却して、ウレタンアクリレート(B−2)を得た。(B−2)成分の(メタ)アクリロイル基当量は約155g/eq、重量平均分子量は1,400であった。
合成例3
撹拌装置、冷却管、滴下ロート及び窒素導入管を備えた反応容器に、ヘキサメチレンジイソシアネートのアロファネート体(以下、HDIアロファネートという)200部、オクチル酸スズ0.2部、PETA273部を仕込んだ後、約1時間かけて、系内の温度を約80℃に昇温した。次いで、同温度において、反応系を3時間保持した後、冷却して、ウレタンアクリレート(B−3)を得た。(B−3)成分の(メタ)アクリロイル基当量は約183g/eq、重量平均分子量は1,100であった。
合成例4
撹拌装置、冷却管、滴下ロート及び窒素導入管を備えた反応容器に、ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート体縮合物(以下、HDIイソシアネート縮合物という)200部、オクチル酸スズ0.3部、PETA458部を仕込んだ後、約1時間かけて、系内の温度を約80℃に昇温した。次いで、同温度において、反応系を3時間保持した後、冷却して、ウレタンアクリレート(B−4)を得た。(B−4)成分の(メタ)アクリロイル基当量は約146g/eq、重量平均分子量は21,000であった。
合成例5 (B)成分の比較合成例
撹拌装置、冷却管、滴下ロート及び窒素導入管を備えた反応容器に、HDI200部、オクチル酸スズ0.3部、PETA709部を仕込んだ後、約1時間かけて、系内の温度を約80℃に昇温した。次いで、同温度において、反応系を3時間保持した後、冷却して、ウレタンアクリレート(B−5)を得た。(B−5)成分のアクリロイル基当量は127g/eq、重量平均分子量は764であった。
合成例6 (B)成分の比較合成例
撹拌装置、冷却管、滴下ロート及び窒素導入管を備えた反応容器に、イソホロンジイソシアネートのイソシアヌレート体200部、オクチル酸スズ0.2部、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート(以下、HPPAという)205部を仕込んだ後、約1時間かけて、系内の温度を約80℃に昇温した。次いで、同温度において、反応系を3時間保持した後、冷却して、ウレタンアクリレート(B−6)を得た。(B−6)成分のアクリロイル基当量は約440g/eq、重量平均分子量は914であった。
合成例7 (B)成分の比較合成例
撹拌装置、冷却管、滴下ロート及び窒素導入管を備えた反応容器に、HDI200部、オクチル酸スズ0.2部、ヒドロキシエチルアクリレート(以下、HEAという)276部を仕込んだ後、約1時間かけて、系内の温度を約80℃に昇温した。次いで、同温度において、反応系を3時間保持した後、冷却して、ウレタンアクリレート(B−7)を得た。(B−7)成分のアクリロイル基当量は200g/eq、重量平均分子量は400であった。
合成例8 (B)成分の比較合成例
撹拌装置、冷却管、滴下ロート及び窒素導入管を備えた反応容器に、イソホロンジイソシアネートのイソシアヌレート体200部、オクチル酸スズ0.1部、グリセリンモノメタクリレート(以下、GLMという)80部を仕込んだ後、系内の温度を昇温したが、途中で系全体が溶解しないゲル物となり目的の化合物は得られなかった。
<(C)成分の合成>
合成例9(C)成分の共重合モノマー(c−1)成分の合成例
撹拌装置、冷却管を備えた反応装置に、HEAを130部、ε−カプロラクトンを1140部、及びオクチル酸スズを1.3部加え、150℃まで昇温し、6時間保温した後に冷却することにより、重量平均分子量約5500のポリエステル構造含有単官能ビニルモノマー(「(c−1)成分」)を得た。
合成例10 (C−1)成分の合成例
撹拌装置、冷却管、滴下ロート及び窒素導入管を備えた反応容器に、四級アンモニウム塩構造を含むメタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロリド(以下、DMCという。)を100部、(c−1)成分を60部、tert−ブチルメタアクリレート(以下、t−BMAという。)を40部、及びプロピレングリコールモノメチルエーテル(PGM)を800部加え、90℃まで昇温した。次いで2,2´−アゾビス(メチルブチロニトリル)(AMBN)8部及びPGM 32部加え、重合反応を開始、100℃で6時間保温した後に冷却し、四級アンモニウム塩構造含有共重合体の溶液(不揮発分20%)(「(C−1)成分」)を得た。
(C−2)成分として、荒川化学工業(株)製 ビームセットEL−1(PEDOT/PSSの他官能アクリレート溶液の分散体、PEDOT/PSS:約20%)を使用し、(C−3)成分として、日産化学工業(株)製 セルナックス CX−Z610M−F2(アンチモン含有酸化亜鉛のメタノール分散体)を用いた。
<アクリル樹脂系フィルム>
硬化被膜を形成させるアクリル樹脂系フィルムとしては、厚み125μmの住友化学株式会社製 テクノロイS001を使用した。なお、本フィルム200mgを採取し、120℃における揮発成分量を測定したところ、55ppmであり、このフィルムをメチルブチルケトン100%溶25℃)に1分間浸漬させた後、直ちに表面ヘイズ値を測定したところヘイズの上昇値は0.0%であった。よって、上述の要件(1)を満たす事を確認している。
<ポリエステル樹脂系フィルム>
硬化被膜を形成させるポリエステル樹脂系フィルムとしては、厚み75μmの、東レ株式会社製 ルミラー75−T60を使用した。なお、本フィルム200mgを採取し、120℃における揮発成分量を測定したところ、92ppmであり、このフィルムをメチルブチルケトン100%溶液(25℃)に1分間浸漬させた後、直ちに表面ヘイズ値を測定したところヘイズの上昇値は0.1%であった。よって、上述の要件(1)を満たす事を確認している。
<光硬化型樹脂組成物の製造>
実施例1
(A−1)成分を40部、(B−1)成分を50部、(C)成分として上述の4級塩構造を有する共重合体(C−1)を10部、及び(D)成分として1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニルケトン(BASFジャパン(株)製、商品名「イルガキュアー184」、以下HCPKという。)を5部、固形分割合で配合し、メチルエチルケトン(MEK)、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)、1−プロパノールで希釈して、不揮発分50%の活性エネルギー線硬化型組成物を調製した。
実施例2〜実施例9
表1に記載のとおりに各成分及び配合比を変更した以外は、実施例1と同様に光硬化型樹脂組成物を製造した。実施例5の(C)成分は、上記(C−2)成分であるビームセット−EL1の固形分(有機オリゴマ−・分散剤を含む)が1.5部、このうち導電性材料(C)の固形分であるPEDOT/PSSは0.3部であった。
実施例10〜13
基材をポリエステル系樹脂フィルムに変更した以外は、表1に記載のとおりに各成分及び配合比を変更し、実施例1と同様に光硬化型樹脂組成物を製造した。
比較例1
(A)成分としてHEAを40部、(B−1)成分を50部、(C−1)成分を10部、及び(D)成分として1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニルケトン(BASFジャパン(株)製、商品名「イルガキュアー184」、以下HCPKという。)を5部、固形分割合で配合し、メチルエチルケトン(MEK)、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)、1−プロパノールで希釈して、不揮発分50%の活性エネルギー線硬化型組成物を調製した。
比較例2〜比較例11
表1に記載のとおりに各成分及び配合比を変更した以外は、比較例1と同様に光硬化型樹脂組成物を製造した。
比較例12〜比較例15
基材をポリエステル系樹脂フィルムに変更し、表1に記載のとおりに各成分及び配合比を変更し、比較例1と同様に光硬化型樹脂組成物を製造した。
<硬化被膜の作成>
上記アクリル樹脂系フィルム上に、表1に記載の実施例1に係る樹脂組成物を、硬化後の被膜の膜厚が5μmとなるように#10バーコーターにて塗布し、60℃で1分乾燥させた。次いで、得られたフィルムを紫外線硬化装置(製品名:UBT−080−7A/BM、(株)マルチプライ製、高圧水銀灯600mJ/cm))を使用し、硬化被膜を供えたプラスチックフィルムを得た。実施例2〜10、および比較例1〜15に係る樹脂組成物についても同様にフィルム作成した。結果を表1に示す。
<硬化被膜の評価>
(1)密着性
表1に記載の実施例1に係るプラスチックフィルムについて、JIS K5600−5−4に準じ、100マス碁盤目剥離試験により、硬化被膜の密着性を評価した。実施例2〜13、および比較例1〜15に係るプラスチックフィルムについても同様にした。結果を表1に示す。
(2)表面抵抗値
表1に記載の実施例1に係るプラスチックフィルムについて、表面抵抗値を、市販抵抗率計(三菱化学(株)製、製品名「ハイレスタMCP−HT−450」)を用い、JIS K 6911に準じ、印加電圧500Vで測定した。実施例2〜13、および比較例1〜15に係るプラスチックフィルムについても同様にした。結果を表1に示す。
(3)鉛筆硬度
表1に記載の実施例1に係るプラスチックフィルムについて、JIS K5600−5−4に準じ、荷重500gの鉛筆引っかき試験により、硬化被膜の硬度を評価した。実施例2〜13、および比較例1〜15に係るプラスチックフィルムについても同様にした。結果を表1に示す。
表1中の記号は以下のとおりである。
NVF:N−ビニルホルムアミド
(荒川化学工業(株)製:ビームセット770)
HEA:ヒドロキシエチルアクリレート
(共栄社化学(株)製:ライトアクリレートHOA(N))
THF−A:テトラヒドロフルフリルアクリレート
(共栄社化学(株)製:ライトアクリレートTHF−A)
BZA:ベンジルアクリレート
(大阪有機化学(株)製:ビスコート#160)
DMAA:ジメチルアクリルアミド
(KJケミカルズ(株)製:DMAA)
PETA:ペンタエリスリトールトリアクリレート
(共栄社化学(株)製:ライトアクリレートPE−3A)
AN:アクリロニトリル(三菱レイヨン製:アクリロニトリル)
SA:ステアリルアクリレート(共栄社化学(株)製:ライトアクリレートS−A)
9EGA:ポリエチレングリコール(PEG#400)ジアクリレート
(共栄社化学(株)製:ライトアクリレート9EGA)
TMPTA:トリメチロールプロパントリアクリレート
(共栄社化学(株)製:ライトアクリレートTMP−A)
C−2:荒川化学工業(株)製 ビームセットEL−1
(PEDOT/PSSの他官能アクリレート溶液の分散体、PEDOT/PSS:約20%)
C−3:日産化学工業(株)製 セルナックス CX−Z610M−F2
(アンチモン含有酸化亜鉛のメタノール分散体)



Claims (4)

  1. 水酸基を有さない重合性不飽和基含有モノマー(A)、ウレタンアクリレート(B)、導電性材料(C)を含み、
    該水酸基を有さない重合性不飽和基含有モノマー(A)は、溶解度パラメータが9〜13(cal/cm1/2、分子量が350以下、25℃での粘度が30mPa・s以下であり、
    該ウレタンアクリレート(B)が、分子中に1つの水酸基を有する(メタ)アクリレート(b1)と分子中にイソシアネート基を有しイソシアヌレート環構造、ビウレット構造及びアロファネート構造から選ばれる少なくとも1つの構造を有するイソシアネート化合物(b2)との反応物であり、重量平均分子量が500以上、アクリロイル基当量140〜400g/eqであり、(b2)成分がイソホロンジイソシアネートの3量体であるイソシアヌレート体、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネートの3量体であるイソシアヌレート体、水添キシリレンジイソシアネートの3量体であるイソシアヌレート体、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネートのビウレット体、又は1,6−ヘキサメチレンジイソシアネートのアロファネート体であり、
    水酸基を有さない重合性不飽和基含有モノマー(A):ウレタンアクリレート(B):導電性材料(C)の固形重量部比が10〜70:10〜70:0.2〜25であることを特徴とする光硬化型樹脂組成物。
  2. 前記導電性材料(C)が、4級アンモニウム塩構造を含む化合物、導電性高分子及び金属酸化物微粒子の少なくともいずれか1種を含む請求項1記載の光硬化型樹脂組成物。
  3. フィルムの少なくとも片面に請求項1又は2記載の光硬化型樹脂組成物の硬化被膜が形成された光学用フィルム。
  4. 前記硬化皮膜表面における表面抵抗値が、1.0×1012Ω/□以下である請求項3記載の光学用フィルム。
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