JP6652706B2 - 光化学電極、及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、人工光合成などに使用可能な光化学電極、及びその製造方法に関する。
地球温暖化が認知されて以来、産業活動に伴って大気中に排出される二酸化炭素を如何に削減するかが重要な課題となっている。
大気中の二酸化炭素を減少させる方法として、人工光合成の技術が、近年、注目を集めている。人工光合成の技術では、太陽光のエネルギーによって水の酸化を行いつつ、水の酸化によって得られた電子とプロトンとを利用して二酸化炭素を還元する。二酸化炭素の還元により有機化合物が得られる。例えば、電解液の入った槽中で、アノードに置いた光励起材料に太陽光を照射することで水の酸化を行い、電子とプロトンとを発生させる。そして、発生した電子とプロトンとをカソードに置いた還元触媒に送り、二酸化炭素と反応させることで、ギ酸などの有機化合物を生成する。
このように太陽光のエネルギーを利用して水を分解する技術では、例えば、半導体である光触媒を用いた光化学電極が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
しかし、この提案の技術では、光の利用効率が低いという問題がある。
特開2015−200016号公報
本発明は、光の利用効率が高い光化学電極、及びその製造方法を提供することを目的とする。
一つの態様では、光化学電極は、
導電体と、前記導電体上に、光を吸収して励起する光励起材料を含む光励起材料層とを有し、
前記光励起材料層が、表面に凹部を有する。
また、一つの態様では、光化学電極の製造方法は、
導電体上に、光を吸収して励起する光励起材料の粒子と、前記光励起材料の粒子以外の粒子とを含有する組成物を塗布して、光励起材料層前駆体を形成する工程と、
前記光励起材料層前駆体から前記光励起材料の粒子以外の粒子を除去して、光励起材料層を形成する工程と、を含む。
開示の光化学電極によると、光の利用効率が高い光化学電極を提供できる。
開示の光化学電極の製造方法によると、光の利用効率が高い光化学電極を提供できる。
図1は、エアロゾルデポジション法による成膜に用いられる成膜装置の構造図である。 図2Aは、光化学電極の製造方法の一例を説明するための断面模式図である(その1)。 図2Bは、光化学電極の製造方法の一例を説明するための断面模式図である(その2)。 図2Cは、光化学電極の製造方法の一例を説明するための断面模式図である(その3)。 図2Dは、光化学電極の製造方法の一例を説明するための断面模式図である(その4)。 図2Eは、光化学電極の製造方法の一例を説明するための断面模式図である(その5)。 図3Aは、光化学電極の製造方法の他の一例を説明するための断面模式図である(その1)。 図3Bは、光化学電極の製造方法の他の一例を説明するための断面模式図である(その2)。 図3Cは、光化学電極の製造方法の他の一例を説明するための断面模式図である(その3)。 図3Dは、光化学電極の製造方法の他の一例を説明するための断面模式図である(その4)。 図3Eは、光化学電極の製造方法の他の一例を説明するための断面模式図である(その5)。 図3Fは、光化学電極の製造方法の他の一例を説明するための断面模式図である(その6)。
(光化学電極)
本発明の光化学電極は、導電体と、光励起材料層とを少なくとも有し、更に必要に応じて、支持体などのその他の部材を有する。
前記光励起材料層は、表面に凹部を有する。
本発明者らは、光励起材料を用いた光化学電極において、光の利用効率を高めるために鋭意検討を行った。その結果、光励起材料層の表面に凹部を形成して、光の吸収量を多くすることにより、光の利用効率を高めることができることを見出し、本発明の完成に至った。
<導電体>
前記導電体としては、導電性を有する限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記導電体の材質としては、例えば、金属、合金、金属酸化物などが挙げられる。
前記金属としては、銀(Ag)、金(Au)、銅(Cu)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、タングステン(W)、ニッケル(Ni)、タンタル(Ta)、ビスマス(Bi)、鉛(Pb)、インジウム(In)、錫(Sn)、亜鉛(Zn)、チタン(Ti)、アルミニウム(Al)などが挙げられる。
前記合金としては、例えば、前記金属の例示で挙げられた2以上の金属種からなる合金などが挙げられる。
前記金属酸化物としては、例えば、スズドープ酸化インジウム(ITO)、フッ素ドープ酸化錫(FTO)、アンチモンドープ酸化スズ(ATO)、酸化亜鉛、酸化インジウム(In)、アルミニウムドープ酸化亜鉛(AZO)、ガリウムドープ酸化亜鉛(GZO)、酸化スズ、酸化亜鉛−酸化スズ系、酸化インジウム−酸化スズ系、酸化亜鉛−酸化インジウム−酸化マグネシウム系などが挙げられる。
前記導電体が含有する金属としては、水素よりも電気化学的に貴な材料であることが好ましい。その理由は、後述の光化学電極の製造方法において説明する。
ここで、導電性とは、例えば、体積抵抗率で10Ωcm以下の範囲を意味する。
前記導電体の形状としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、平板状などが挙げられる。
前記導電体の大きさとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記導電体としては、例えば、蒸着膜などが挙げられる。前記蒸着膜は、例えば、物理蒸着法、化学蒸着法などにより形成される。前記物理蒸着法としては、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法などが挙げられる。
<光励起材料層>
前記光励起材料層は、光励起材料を含む。
前記光励起材料層は、前記導電体上に配される。
前記光励起材料層は、表面に凹部を有する。
前記凹部は、意図的に形成された凹部である。
前記凹部は、前記光励起材料層を貫通する孔ではない。
前記凹部は、前記光励起材料と異なる材料が除去されて形成された凹部であることが好ましい。
前記光励起材料は、多孔質構造であることが好ましい。
<<光励起材料>>
前記光励起材料は、光を吸収して励起する材料である。
前記光励起材料としては、例えば、紫外光型光励起材料、可視光型光励起材料などが挙げられる。
−紫外光型光励起材料−
前記紫外光型光励起材料としては、紫外線以下の波長の光を吸収して励起する材料であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、紫外光応答型光触媒などが挙げられる。
ここで、紫外線以下の波長とは、例えば、400nm以下の波長が挙げられる。
前記紫外光応答型光触媒は、光の利用効率に優れる点から、バンドギャップが3.1eV〜3.6eVであることが好ましい。このバンドギャップは、光の波長として344nm〜400nmに相当する。
バンドギャップとは、バンド構造における電子に占有された最も高いエネルギーバンド(価電子帯)の頂上から、最も低い空のバンド(伝導帯)の底までの間のエネルギーの差を指す。
前記紫外光応答型光触媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、TiO(酸化チタン)(バンドギャップ3.2eV)、SrTiO(バンドギャップ3.2eV)、ZnO(バンドギャップ3.4eV)、Ti−CaHAP(チタンカルシウムハイドロキシアパタイト)(バンドギャップ3.6eV)、Ti−SrHAP(チタンストロンチウムハイドロキシアパタイト)(バンドギャップ3.6eV)などが挙げられる。
−可視光型光励起材料−
前記可視光型光励起材料としては、可視光線以下の波長の光を吸収して励起する材料であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、可視光応答型光触媒などが挙げられる。
ここで、可視光線以下の波長とは、例えば、800nm以下の波長が挙げられる。
前記可視光型光励起材料は、前記紫外光励起型光材料とは異なる光吸収特性を有する。言い換えれば、前記可視光型光励起材料は、前記紫外光励起型光材料とは異なるバンドギャップを有する。
前記可視光応答型光触媒は、光の利用効率に優れる点から、バンドギャップが2.5eV〜3.0eVであることが好ましい。このバンドギャップは、光の波長として413nm〜496nmに相当する。
前記可視光応答型光触媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、WO(酸化タングステン)(バンドギャップ2.8eV)、BiVO(バナジン酸ビスマス)(バンドギャップ2.5eV)、AgPO(バンドギャップ2.5eV)、TiAg−CaHAP(チタン銀カルシウムハイドロキシアパタイト)(バンドギャップ2.8eV)、TiAg−SrHAP(チタン銀ストロンチウムハイドロキシアパタイト)(バンドギャップ2.8eV)、窒化ガリウム−酸化亜鉛固溶体(Ga1−xZn)(N1−x)などが挙げられる。
前記光励起材料層の平均厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、2,000nm以下が好ましい。
前記光励起材料層の平均厚みが、2,000nmを超えると、前記光励起材料層が厚すぎるため、前記導電体へ達するための電荷の移動距離が長くなる。そのため、光を吸収して生じる電子と正孔との再結合が起こりやすくなり、光の利用効率を高める効果が低減することがある。
前記光励起材料層は、表面に凹部を有し、かつ多孔質構造を有する第1層と、多孔質構造を有しない第2層との積層構造であることが好ましい。ここで、前記第2層は、前記導電体に接している。前記光励起材料層が多孔質構造を有しない第2層を有し、前記第2層が前記導電体に接することで、前記導電体との密着性を向上させることができる。
前記第1層の平均厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、500nm以下が好ましく、100nm以上500nm以下がより好ましい。
前記第2層の平均厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、50nm以上1,500nm以下が好ましい。
<支持体>
前記支持体は、前記導電体、及び前記光励起材料層を支持する。
前記支持体は、前記導電体に接して配される。
前記支持体の材質としては、例えば、ガラス、有機樹脂等の絶縁体などが挙げられる。
前記光化学電極の製造方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、後述する製造方法が好ましい。
(光化学電極の製造方法)
本発明の光化学電極の製造方法は、光励起材料層前駆体形成工程と、光励起材料層形成工程とを少なくとも含み、更に必要に応じて、導電体形成工程、第2光励起材料層形成工程などのその他の工程を含む。
<導電体形成工程>
前記導電体形成工程としては、支持体上に導電体を形成する工程であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、蒸着法などが挙げられる。
前記支持体としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、本発明の前記光化学電極の説明において例示した前記支持体などが挙げられる。
前記導電体としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、本発明の前記光化学電極の説明において例示した前記導電体などが挙げられる。
前記蒸着法としては、例えば、物理蒸着法、化学蒸着法などが挙げられる。前記物理蒸着法としては、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法などが挙げられる。
<光励起材料層前駆体形成工程>
前記光励起材料層前駆体形成工程としては、導電体上に、光を吸収して励起する光励起材料の粒子と、前記光励起材料の粒子以外の粒子(以下、「除去対象粒子」と称することがある。)とを含有する組成物を塗布して、光励起材料層前駆体を形成する工程であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記組成物が、エアロゾルデポジション法により塗布されることが、強固な膜が得られる点で好ましい。
前記光励起材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、本発明の前記光化学電極の説明において例示した前記光励起材料などが挙げられる。
前記エアロゾルデポジション法とは、成膜対象となる基板に微粒子を含むエアロゾルを吹きつけることにより、基板に微粒子を堆積させて成膜を行う方法である。
ここで、前記エアロゾルデポジション法の一例を図を用いて説明する。
図1は、エアロゾルデポジション法による成膜に用いられる成膜装置の一例の構造図である。
エアロゾルデポジション成膜装置は、エアロゾル室910及び成膜チャンバー920を有している。エアロゾル室910には成膜される材料の微粒子911が入れられており、He、N、Ar等のキャリアガスが入れられたガスボンベ930が配管960を介して接続されている。また、エアロゾル室910と成膜チャンバー920とは、配管941により接続されており、成膜チャンバー920内における配管941の端部にはノズル921が設けられている。真空チャンバー920内においては、ノズル921の開口部と対向する側に、ステージ922が設けられており、ステージ922には、成膜がなされる基板923が設置されている。この成膜チャンバー920内は真空に排気可能であり、配管942を介し、メカニカルブースターポンプ943及び真空ポンプ944が接続されている。尚、エアロゾル室910内を排気することができるように、エアロゾル室910は、配管945及び不図示のバルブ等を介し配管942と接続されている。また、エアロゾル室910が設置される領域には、エアロゾル室910において、成膜される材料の微粒子が固まる、もしくは、成膜中に粒子が偏ることを防ぐため、エアロゾル室910を振動させるための振動器950が設けられている。
この成膜装置において、エアロゾルデポジション法による成膜を行う際には、成膜チャンバー920内をメカニカルブースターポンプ943及び真空ポンプ944により真空排気した後、ガスボンベ930よりキャリアガスをエアロゾル室910内に供給する。エアロゾル室910内では、供給されたキャリアガスにより成膜される材料の微粒子が巻き上げられ、成膜される材料の微粒子がキャリアガスとともに配管941を介し、成膜チャンバー920内のノズル921に運ばれる。この後、ノズル921から、キャリアガスとともに成膜される材料の微粒子が基板923に向けて噴出され、基板923の表面に向けてノズル921より噴出された微粒子が堆積することにより成膜が行われる。
前記光励起材料層前駆体形成工程においては、前記組成物が、光励起材料の粒子と、除去対象粒子とを含有しているが、これらの粒子は、エアロゾル室910内で混合してもよいし、別途混合したものを、エアロゾル室910に投入してもよい。
前記組成物における、前記光励起材料の粒子と、前記除去対象粒子との割合としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、体積比で90:10〜70:20(光励起材料の粒子:除去対象粒子)が好ましい。
前記光励起材料の粒子の大きさとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、平均粒子径として、500nm〜3,000nmが好ましい。
前記除去対象粒子の大きさとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、平均粒子径として、50nm〜1,000nmが好ましい。
前記光励起材料層前駆体形成工程により、前記光励起材料の粒子と、前記除去対象粒子とが混在した光励起材料層前駆体が得られる。なお、前記光励起材料層前駆体において、前記光励起材料の粒子は、その粒界が消滅していてもよいし又は不明確になっていてもよい。
<光励起材料層形成工程>
前記光励起材料層形成工程としては、前記光励起材料層前駆体から前記除去対象粒子を除去して、光励起材料層を形成する工程であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、エッチング処理、加熱処理などが挙げられる。
−エッチング処理−
前記エッチング処理としては、前記光励起材料層形成工程において、前記除去対象粒子を、エッチングにより除去する処理であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記エッチング処理においては、前記除去対象粒子が、水素よりも電気化学的に卑な金属を含有することが好ましい。そうすることで、エッチング液に溶解しやすく、除去が容易になる。
そのような金属としては、例えば、Zn、Al、Fe、Ni、Co、Snなどが挙げられる。
また、前記光化学電極の製造方法において前記エッチング処理を行う際には、前記導電体は、水素よりも電気化学的に貴な金属を含有することが好ましい。そうすることにより、前記エッチング処理において、前記エッチング液に溶解しにくい。
そのような金属としては、例えば、Au、Ptなどが挙げられる。
前記エッチング液としては、前記除去対象粒子を溶解できる液であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、塩酸などが挙げられる。
−加熱処理−
前記加熱処理としては、前記光励起材料層形成工程において、前記除去対象粒子を、加熱により除去する処理であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記加熱処理においては、前記除去対象粒子が、樹脂粒子であることが好ましい。そうすることにより、加熱により容易に分解し、除去が容易になる。
前記加熱処理における加熱温度としては、前記除去対象粒子が、分解等により前記光励起材料層前駆体から除去できる温度であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
<第2光励起材料層形成工程>
前記第2光励起材料層形成工程としては、前記導電体上に、光を吸収して励起する光励起材料の粒子を塗布して、第2光励起材料層を形成する工程であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記光励起材料の粒子が、エアロゾルデポジション法により塗布されることが、強固な膜が得られる点で好ましい。
前記第2光励起材料層形成工程により得られる前記第2光励起材料層は、通常、多孔質ではない。
本発明の光化学電極の製造方法の一例を、図を用いて説明する。
図2A〜図2Eは、光化学電極の製造方法の一例を説明するための断面模式図である。
まず、支持体1を用意する(図2A)。
次に、支持体1上に導電体2の薄膜を形成する(図2B)。導電体2は、例えば、FTOの薄膜であり、スパッタリング法により形成できる。
次に、エアロゾルデポジション法により、光励起材料の粒子11と、アルミニウム微粒子である除去対象粒子12との混合粉をノズル921から導電体2に向けて噴射する(図2C)。この際、例えば、光励起材料の粒子11と、除去対象粒子12との混合割合を、体積比で80:20(光励起材料の粒子:除去対象粒子)とする。そうすると、導電体2上に、光励起材料の粒子11と、除去対象粒子12とから構成される光励起材料前駆体層3Aが形成される(図2D)。ここで、隣接する光励起材料の粒子11同士においては、エアロゾルデポジション法により導電体2上に堆積された際に、導電体2への衝突のエネルギーにより粒界が消滅する又は不明確になる。
次に、エッチングにより除去対象粒子12を光励起材料前駆体層3Aから除去することにより、光励起材料層3が得られる(図2E)。得られた光励起材料層3の表面においては、除去対象粒子12が除去されることにより形成される凹部3Bが存在する。光励起材料層3内においては、除去対象粒子12が除去されることにより形成される空隙3Cが存在する。すなわち、光励起材料層3は多孔質構造となる。
図3A〜図3Fは、光化学電極の製造方法の他の一例を説明するための断面模式図である。
まず、支持体1上に導電体2を形成する(図3A)。
次に、エアロゾルデポジション法により、光励起材料の粒子11をノズル921から導電体2に向けて噴射する(図3B)。そうすると、導電体2上に、光励起材料の粒子11から構成される第2光励起材料層31が形成される(図3C)。ここで、隣接する光励起材料の粒子11同士においては、エアロゾルデポジション法により導電体2上に堆積された際に、導電体2への衝突のエネルギーにより粒界が消滅する又は不明確になる。得られる第2光励起材料層31は、多孔質構造ではない。
次に、エアロゾルデポジション法により、光励起材料の粒子11と、アルミニウム微粒子である除去対象粒子12との混合粉をノズル921から第2光励起材料層31に向けて噴射する(図3D)。この際、例えば、光励起材料の粒子11と、除去対象粒子12との混合割合を、体積比で80:20(光励起材料の粒子:除去対象粒子)とする。そうすると、第2光励起材料層31上に、光励起材料の粒子11と、除去対象粒子12とから構成される光励起材料前駆体層32Aが形成される(図3E)。ここで、隣接する光励起材料の粒子11同士においては、エアロゾルデポジション法により第2光励起材料層31上に堆積された際に、第2光励起材料層31への衝突のエネルギーにより粒界が消滅する又は不明確になる。また、第2光励起材料層31への衝突のエネルギーにより、第2光励起材料層31と、光励起材料前駆体層32Aとの界面が消滅する又は不明確になる場合もある。
次に、エッチングにより除去対象粒子12を光励起材料前駆体層32Aから除去することにより、光励起材料層32が得られる(図3F)。得られた光励起材料層32の表面においては、除去対象粒子12が除去されることにより形成される凹部3Bが存在する。光励起材料層32内においては、除去対象粒子12が除去されることにより形成される空隙3Cが存在する。すなわち、光励起材料層32は多孔質構造となる。
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明は下記実施例に何ら限定されるものではない。
(実施例1)
図3A〜図3Fに示す方法に従って、光化学電極を作製した。
まず、フッ素ドープ酸化錫(FTO)膜が形成された基板を用意した。
次に、基板のFTO膜上に、エアロゾルデポジション法により第2光励起材料層を形成した。具体的には、図1に示すような成膜装置を用い、窒化ガリウム−酸化亜鉛(75−25)固溶体粒子(平均粒子径2,000nm)を、ガス流量10L/分のキャリアガス(Heガス)で、FTO膜に噴射し、FTO膜上に第2光励起材料層(平均厚み4μm)を形成した。
次に、第2光励起材料層上に、エアロゾルデポジション法により光励起材料前駆体層を形成した。具体的には、図1に示すような成膜装置を用い、窒化ガリウム−酸化亜鉛(75−25)固溶体粒子(平均粒子径2,000nm)と、アルミニウム粉(平均粒子径2,000nm)との混合粉を、ガス流量10L/分のキャリアガス(Heガス)で、FTO膜に噴射した。なお、混合粉における窒化ガリウム−酸化亜鉛(75−25)固溶体粒子と、アルミニウム粉との体積比は、80:20(固溶体粒子:アルミニウム粉)とした。
次に、基板及びFTO膜を、エッチングされないようにポリイミドテープでマスキングした後に、光励起材料前駆体層をエッチング液である塩酸に浸し、光励起材料前駆体層からアルミニウムを溶出させ、光励起材料層(平均厚み4μm)を得た。
以上により、光化学電極を得た。
得られた光化学電極について、以下の方法により光電流の測定を行ったところ、1.23Vでの光電流は14μAとなった。
<光電流の測定>
疑似太陽光にはソーラシミュレータ(朝日分光社製、HAL−320)、電位測定にはポテンショスタット(ソーラトロン社製、SI 1280)を用いて、光電流の測定を行った。ソーラシミュレータの照度は100mW/cm、バイアス電圧は参照電極に対して−1から1.5Vとし、水溶液は0.5MのNaSOを用いた。
(実施例2)
図3A〜図3Fに示す方法に倣って、光化学電極を作製した。ただし、除去対象粒子として樹脂粒子を用い、加熱により除去対象粒子を除去した。
まず、フッ素ドープ酸化錫(FTO)膜が形成された基板を用意した。
次に、基板のFTO膜上に、エアロゾルデポジション法により第2光励起材料層を形成した。具体的には、図1に示すような成膜装置を用い、窒化ガリウム−酸化亜鉛(75−25)固溶体粒子(平均粒子径2,000nm)を、ガス流量10L/分のキャリアガス(Heガス)で、FTO膜に噴射し、FTO膜上に第2光励起材料層(平均厚み4μm)を形成した。
次に、第2光励起材料層上に、エアロゾルデポジション法により光励起材料前駆体層を形成した。具体的には、図1に示すような成膜装置を用い、窒化ガリウム−酸化亜鉛(75−25)固溶体粒子(平均粒子径2,000nm)と、アクリル樹脂粒子(三菱レイヨン製、BR101、平均粒子径50nm)との混合粉を、ガス流量10L/分のキャリアガス(Heガス)で、FTO膜に噴射した。なお、混合粉における窒化ガリウム−酸化亜鉛(75−25)固溶体粒子と、アクリル樹脂粒子との体積比は、80:20(固溶体粒子:アクリル樹脂粒子)とした。
次に、光励起材料前駆体層が形成された基板を、600℃で30分間加熱し、アクリル樹脂粒子を分解、除去し、光励起材料層(平均厚み4μm)を得た。
以上により、光化学電極を得た。
得られた光化学電極について、実施例1と同様にして光電流の測定を行ったところ、1.23Vでの光電流は12μAとなった。
(比較例1)
まず、フッ素ドープ酸化錫(FTO)膜が形成された基板を用意した。
次に、基板のFTO膜上に、エアロゾルデポジション法により光励起材料層を形成した。具体的には、図1に示すような成膜装置を用い、窒化ガリウム−酸化亜鉛(75−25)固溶体粒子(平均粒子径2,000nm)を、ガス流量10L/分のキャリアガス(Heガス)で、FTO膜に噴射し、光励起材料層(平均厚み4μm)を形成した。
以上により光化学電極を得た。なお、得られた光励起材料層の表面は平滑であり凹部は存在しない。
得られた光化学電極について、実施例1と同様にして光電流の測定を行ったところ、1.23Vでの光電流は6μAとなった。
比較例1の光化学電極と比較して、実施例1及び2の光化学電極は、光電流が大きくなっていることから、本発明の光化学電極は、光の利用効率が高いことが確認された。
以上の実施形態に関し、更に以下の付記を開示する。
(付記1)
導電体と、前記導電体上に、光を吸収して励起する光励起材料を含む光励起材料層とを有し、
前記光励起材料層が、表面に凹部を有することを特徴とする光化学電極。
(付記2)
前記光励起材料層が、多孔質構造を有する付記1に記載の光化学電極。
(付記3)
前記光励起材料層が、表面に凹部を有し、かつ多孔質構造を有する第1層と、多孔質構造を有しない第2層との積層構造である付記1に記載の光化学電極。
(付記4)
導電体上に、光を吸収して励起する光励起材料の粒子と、前記光励起材料の粒子以外の粒子とを含有する組成物を塗布して、光励起材料層前駆体を形成する工程と、
前記光励起材料層前駆体から前記光励起材料の粒子以外の粒子を除去して、光励起材料層を形成する工程と、を含むことを特徴とする光化学電極の製造方法。
(付記5)
前記導電体上に、光を吸収して励起する光励起材料の粒子を塗布して、第2光励起材料層を形成する工程を更に含み、
前記光励起材料層が、前記第2光励起材料層上に形成される、付記4に記載の光化学電極の製造方法。
(付記6)
前記光励起材料層を形成する工程において、前記組成物が、エアロゾルデポジション法により塗布される付記4又は5のいずれかに記載の光化学電極の製造方法。
(付記7)
前記光励起材料層を形成する工程において、前記光励起材料の粒子以外の粒子が、エッチングにより除去される付記4から6のいずれかに記載の光化学電極の製造方法。
(付記8)
前記光励起材料の粒子以外の粒子が、水素よりも電気化学的に卑な金属を含有する付記7に記載の光化学電極の製造方法。
(付記9)
前記金属が、Zn、Al、Fe、Ni、Co、及びSnの少なくともいずれかである付記8に記載の光化学電極の製造方法。
(付記10)
前記光励起材料層を形成する工程において、前記光励起材料の粒子以外の粒子が、加熱により除去される付記4から6のいずれかに記載の光化学電極の製造方法。
(付記11)
前記光励起材料の粒子以外の粒子が、樹脂粒子である付記10に記載の光化学電極の製造方法。
1 支持体
2 導電体
3 光励起材料層
3A 光励起材料前駆体層
3B 凹部
3C 空隙
11 光励起材料の粒子
12 除去対象粒子
31 第2光励起材料層
32 光励起材料層
32A 光励起材料前駆体層
921 ノズル

Claims (8)

  1. 導電体と、前記導電体上に、光を吸収して励起する光励起材料を含む光励起材料層とを有し、
    前記光励起材料層が、表面に凹部を有し、かつ多孔質構造を有する第1層と、多孔質構造を有しない第2層との積層構造であることを特徴とする光化学電極。
  2. 導電体上に、光を吸収して励起する光励起材料の粒子を塗布して、第1光励起材料層を形成する工程と、
    前記第1光励起材料層上に、光を吸収して励起する光励起材料の粒子と、前記光励起材料の粒子以外の粒子とを含有する組成物を塗布して、第2光励起材料層前駆体を形成する工程と、
    前記第2光励起材料層前駆体から前記光励起材料の粒子以外の粒子を除去することにより、表面に凹部を有し、かつ多孔質構造を有する第2光励起材料層を形成する工程と、を含むことを特徴とする光化学電極の製造方法。
  3. 前記第2光励起材料層を形成する工程において、前記組成物が、エアロゾルデポジション法により塗布される請求項2に記載の光化学電極の製造方法。
  4. 前記第2光励起材料層を形成する工程において、前記光励起材料の粒子以外の粒子が、エッチングにより除去される請求項2から3のいずれかに記載の光化学電極の製造方法。
  5. 前記光励起材料の粒子以外の粒子が、水素よりも電気化学的に卑な金属を含有する請求項4に記載の光化学電極の製造方法。
  6. 前記金属が、Zn、Al、Fe、Ni、Co、及びSnの少なくともいずれかである請求項5に記載の光化学電極の製造方法。
  7. 前記第2光励起材料層を形成する工程において、前記光励起材料の粒子以外の粒子が、加熱により除去される請求項2から3のいずれかに記載の光化学電極の製造方法。
  8. 前記光励起材料の粒子以外の粒子が、樹脂粒子である請求項7に記載の光化学電極の製造方法。
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