JP6399981B2 - 水分解用光触媒電極およびこれの製造方法 - Google Patents

水分解用光触媒電極およびこれの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、水分解用光触媒電極およびこれの製造方法に関する。
炭酸ガス排出削減、エネルギーのクリーン化の観点から、太陽エネルギーを利用して、光触媒により水を分解して、水素や酸素を製造する技術に注目が集まっている。
光触媒による水分解方法は、大きく2種類に分類され、一つは粉体状の光触媒を用いて、懸濁液の中で水分解反応を行う方法であり、もう一つは導電性の金属支持体上に光触媒を層上に堆積したものと、対極とを使用して水分解を行う方法である。
このような水分解方法のうち、後者の水分解方法は、使用できる光触媒の選択肢が豊富であるということや、水素と酸素を別々に回収できるなどの利点がある。このような水分解方法に用いられる水分解用光触媒電極として、例えば特許文献1には、「光触媒層と、集電層と、前記光触媒層および前記集電層の間に設けられた半導体または良導体を含むコンタクト層と、を備え、前記光触媒層が、本質的に光触媒粒子から成り、前記コンタクト層が、前記光触媒の前記集電層の表面形状に沿って設けられている、光水分解反応用電極。」が開示されている(請求項1)。
国際公開第2013/133338号公報
近年、水分解用光触媒電極(以下、単に「光触媒電極」ともいう。)の実用化にあたって、耐久性に優れた光触媒電極の開発が求められている。なお、耐久性に優れた光触媒電極とは、光触媒電極を長期間使用した場合において、光触媒電極の光電流密度の減少率が小さいものをいう。
ここで、光触媒電極の特性を向上させるために、光触媒層に含まれる光触媒粒子に助触媒を担持させる場合がある。しかしながら、助触媒の種類によっては、光触媒電極の耐久性が不十分となることがある。
そこで、本発明は、耐久性に優れた光触媒電極およびこれの製造方法を提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題について鋭意検討した結果、助触媒層に含まれる金属成分と、金属層に含まれる金属成分と、を同じ種類にすることで、光触媒電極の耐久性が優れたものになることを見出し、本発明に至った。
すなわち、本発明者は、以下の構成により上記課題が解決できることを見出した。
[1]
光触媒層と、
上記光触媒層上に配置され、金属成分を含有する金属層と、
上記光触媒層の上記金属層と反対側に配置され、金属成分を含有する助触媒層と、
を有し、
上記金属層に含まれる上記金属成分と、上記助触媒層に含まれる上記金属成分と、が同じ種類である、水分解用光触媒電極。
[2]
上記助触媒層に含まれる上記金属成分の酸化還元電位が、0.1〜1.8V vs.RHEである、上記[1]に記載の水分解用光触媒電極。
[3]
上記助触媒層に含まれる上記金属成分が、Ni、FeおよびCoからなる群より選択される少なくとも1種である、上記[1]または[2]に記載の水分解用光触媒電極。
[4]
上記助触媒層が、一般式(A)で表される金属化合物を含む、上記[1]〜[3]のいずれか1つに記載の水分解用光触媒電極。
(OOH)x(W)y ・・・(A)
上記一般式(A)中、Mは、Ni、FeまたはCoを表す。
は、HBOまたはSOを表す。
xおよびyは、それぞれ独立に0以上の整数を表す。ただし、xとyの合計は、2以上である。
[5]
光触媒層と、上記光触媒層の一方の面に配置された金属成分を含有する金属層と、を有する積層体を形成する工程と、
上記光触媒層の上記金属層と反対側に、金属成分を含有する助触媒層を形成する工程と、
を有し、
上記助触媒層を形成する工程が、電解液中で上記積層体に対して、サイクリックボルタンメトリー法による電位掃引を行いつつ光照射を実施する第1処理、または、電解液中で上記積層体に対して、一定電圧を印加しつつ光照射を実施することにより形成される第2処理を含み、
上記金属層に含まれる上記金属成分と、上記助触媒層に含まれる上記金属成分と、が同じ種類である、水分解用光触媒電極の製造方法。
[6]
上記助触媒層に含まれる上記金属成分の酸化還元電位が、0.1〜1.8V vs.RHEである、上記[5]に記載の水分解用光触媒電極の製造方法。
[7]
上記助触媒層に含まれる上記金属成分が、Ni、FeおよびCoからなる群より選択される少なくとも1種である、上記[5]または[6]に記載の水分解用光触媒電極の製造方法。
[8]
上記助触媒層が、一般式(A)で表される金属化合物を含む、上記[5]〜[7]のいずれか1つに記載の水分解用光触媒電極の製造方法。
(OOH)x(W)y ・・・(A)
上記一般式(A)中、Mは、Ni、FeまたはCoを表す。
は、HBOまたはSOを表す。
xおよびyは、それぞれ独立に0以上の整数を表す。ただし、xとyの合計は、2以上である。
以下に示すように、本発明によれば、耐久性に優れた光触媒電極およびこれの製造方法を提供することができる。
本発明の水分解用光触媒電極の一実施形態の模式的断面図である。 本発明の水分解用光触媒電極の他の実施形態の模式的断面図である。
以下に、本発明の水分解用光触媒電極およびこれの製造方法について説明する。
なお、本発明において「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。
本発明において「Aの上にBを形成する」旨の意味には、「Aの直上にBを形成する」ことのみならず、「Aの上方にBを形成する」ことも含まれる。具体的には、「A」と「B」とが接する形態となる「Aの直上にBを形成する」との意味の他に、「A」の直上に「B」以外の1以上の「他の層」が存在して、「他の層の直上」に「B」を形成する場合も、「Aの上にBを形成する」という概念に含まれるものとする。
[水分解用光触媒電極]
本発明の水分解用光触媒電極は、光触媒層と、上記光触媒層上に配置され金属成分(第1金属成分とも称する)を含有する金属層と、上記光触媒層の上記金属層と反対側に配置され金属成分(第2金属成分とも称する)を含有する助触媒層と、を有し、上記金属層に含まれる上記金属成分と、上記助触媒層に含まれる上記金属成分と、が同じ種類である。
本発明によれば、金属層に含まれる金属成分と、助触媒層に含まれる金属成分と、が同じ種類であることで、耐久性に優れた光触媒電極を得ることができる。
この理由の詳細は未だ明らかになっていないが、助触媒の自己修復によるものと推測される。すなわち、金属層に含まれる金属成分と、光触媒層に含まれる金属成分とが同じ種類であると、水の電気分解中において、イオン化した金属層に由来する金属成分が助触媒層の修復に使用されると考えられる。これにより、助触媒層の機能低下が抑制されるので、光触媒電極の耐久性が優れたものになると推測される。
図1に、本発明の水分解用光触媒電極の一実施形態の断面図を示す。図1に示すように、水分解用光触媒電極(以下、単に「電極」ともいう。)10は、金属層12(集電層12A)と、光触媒層14と、助触媒層16と、を備える。電極10においては、光照射によって光触媒層14にて生成した電子が金属層12へと流れる。なお、通常、電極10には、白抜き矢印の方向から光が照射される場合が多く、その場合、光触媒層14の金属層12とは反対側の表面が受光面となる。
なお、図1の態様では、金属層12が集電層12Aである場合を示すが、水分解用光触媒電極の他の実施形態として、図2に示すように、金属層12が、さらにコンタクト層12Bを有していてもよい。具体的には図2に示すように、電極100は、光触媒層14と集電層12Aとの間にコンタクト層12Bを有する。
以下、電極を構成する各部材について詳述する。
<光触媒層>
光触媒層は、後述する金属層の一方の面に配置され、光触媒(光触媒材料)を含む層である。光触媒の形状は、特に限定されず、例えば粒状であってもよい。
光触媒の種類は特に制限されないが、例えば、水素イオンまたは水を還元する、水素発生側の光触媒としては、具体的には、SrTiO、LaTi、SnNb、CuBi、Cr,Ni,Sb,Nb,Th,Rh,SbなどをドープしたTiO、Cr,Sb,Ta,Rh,Na,Ga,K,LaなどをドープしたSrTiO、Cr,FeなどをドープしたLaTiまたはSnNbなどの酸化物;
LaTiON、BaNbON、CaTaON、SrTaON、BaTaON、LaTaON、YTa、Zr1+xGeN、Ga1−xZn1−x(xは、0〜1の数値を表す。以下、同様)などのオキシナイトライド化合物;
Ta、GaN、MgをドープしたGaN、Geなどのナイトライド化合物;
ZnS、Cu,Ni,PbをドープしたZnS、AgをドープしたCdS、CdZn1−xS、CuInS、CuIn、CuGaS、CuGa、CuGa、AgGaS、AgGa、AgGa、AgGa0.9In0.1、AgIn、NaInS、AgInZn、CuInGaS、Cu0.09In0.09Zn1.82、Cu0.25Ag0.25In0.5ZnS、CuZnSnSなどのサルファイド化合物;
SmTi、LaTiCuS、LaTiAgS、LaTiAgOなどのオキシサルファイド化合物;
La,Inを含むオキシサルファイド化合物;
CuGaSe、CuGaSe、CuGaSe、AgCu1−xGaSe、AgCu1−xGaSe、AgCu1−xGaSe、AgGaSe、AgGaSeAgGaSe、CuInGaSeなどのセレナイド化合物;
LaTiCuSe、LaTiAgSeなどのオキシセレナイド化合物;
LaTiCu(S,Se1−x、LaTiAg(S,Se1−xなどの部分的にS、Seが任意の割合で混合したカルコゲナイド化合物;などが挙げられる。
また、光触媒の他の態様としては、例えば、水分子または水酸化物イオンを酸素分子に酸化する、酸素発生側の光触媒としては、具体的には、Cr,Ni,Sb,Nb,Th,Rh,SbなどをドープしたTiOやWO、BiWO、BiMoO、In(ZnO)3、、PbBiNb、BiVO、AgVO、AgLi1/3Ti2/3、AgLi1/3Sn2/3などの酸化物;
LaTiON、CaNbON、BaNbON、SrNbON、LaNbON、TaON、CaTaON、SrTaON、BaTaON、LaTaON、YTa、Zr1+xGeN、Ga1−xZn1−xなどのオキシナイトライド化合物;
Ta、GaN、Ge、MgおよびZrをドープしたTa、MgをドープしたGaNなどのナイトライド化合物;
SmTi、LaTiAgSなどのオキシサルファイド化合物;
LaTiAgSeなどのオキシセレナイド化合物;
LaTiCu(S,Se1−x、LaTiAg(S,Se1−xなどの、部分的にS、Seが任意の割合で混在したカルコゲナイド化合物などが挙げられる。
上記光触媒としては、オキシナイトライド化合物、ナイトライド化合物、オキシサルファイド化合物、サルファイド化合物、オキシセレナイド化合物、または、セレナイド化合物が好ましく、オキシナイトライド化合物、ナイトライド化合物、オキシサルファイド化合物、または、セレナイド化合物がより好ましい。なかでも、可視光応答型光触媒であることがさらに好ましい。
上記光触媒は、従来公知の方法により合成することができる。
なかでも、光触媒としては、TaON、BiVO4、Ta35、LaTiO2N、BaNbO2N、BaTaO2Nがより好ましい。これらには、他の金属がドープされていてもよい。
光触媒層に含まれる光触媒が粒子状である場合には、光触媒粒子の一次粒子の平均粒子径は特に制限されないが、光電変換効率が高いことから、下限としては1nm以上が好ましく、10nm以上がより好ましく、50nm以上がさらに好ましく、上限としては500μm以下が好ましく、300μm以下がより好ましく、200μm以下がさらに好ましく、100μm以下が特に好ましい。
ここで、一次粒子とは、粉体を構成する最小単位の粒子を指し、平均粒子径は、TEM(透過型電子顕微鏡)またはSEM(走査型電子顕微鏡)にて観察された任意の100個の光触媒粒子の粒径(直径)を測定し、それらを算術平均したものである。なお、粒子形状が真円状でない場合は、長径を測定する。
光触媒層の厚みは特に制限されないが、水分解効率がより優れる点で、0.01〜3.0μmが好ましく、0.5〜2.0μmがより好ましい。
<金属層>
金属層は、上記光触媒層上に配置され、金属成分を含有する。金属層は、上記光触媒層にて生成した電子を流す役割を有する。
金属層に含まれる金属成分(金属元素)は、後述する助触媒層に含まれる金属成分(金属元素)と、同じ種類の金属成分(金属元素)を含む。ここで、金属層に含まれる金属成分と、助触媒層に含まれる金属成分と、が同じ種類であるとは、金属層に含まれる金属成分のうち少なくとも1種類と、助触媒層に含まれる金属成分のうち少なくとも1種類と、が同一であってもよいし、各層に含まれる金属成分の全てが同一であってもよい。
例えば、金属層に含まれる金属成分がNiであり、助触媒層に含まれる金属成分がNiを含む金属化合物である場合も、金属層に含まれる金属成分と、助触媒層に含まれる金属成分と、が同じ種類であるという意味に含まれる。
なお、金属層に含まれる金属成分と、助触媒層に含まれる金属成分と、が同じ種類の金属成分を含む場合において、各層に含まれる同じ種類の金属成分同士の相対的な量関係が大きく異なっていても、本発明の範囲に含まれるものとする。例えば、金属層に含まれるNiと助触媒層に含まれるNiとの質量比[(金属層に含まれるNiの質量):(助触媒層に含まれるNiの質量)]が、例えば1:1000程度のように大きく違っている場合であっても、金属層に含まれる金属成分と、助触媒層に含まれる金属成分と、が同じ種類であるという意味である。
金属層は、単層であってもよいし、複数の層からなるものであってもよい。金属層が複数の層からなる場合には、少なくとも1つの層に含まれる金属成分と、助触媒層に含まれる金属成分と、が同じ種類であればよい。例えば、金属層を構成する層が集電層のみの場合には(上記図1の態様)、集電層に助触媒層と同種の金属成分が含まれている。また、金属層を構成する層が集電層およびコンタクト層である場合には(上記図2の態様)、少なくとも一方の層に助触媒層と同種の金属成分が含まれていればよい。好ましくは、光触媒層と隣接する層(例えば、図2ではコンタクト層)に、助触媒層と同種の金属成分が含まれていることが好ましい。
以下、金属層を構成する層構造の一例として、集電層およびコンタクト層について説明する。
(集電層)
集電層は、光触媒層上に形成される層である。集電層は、光触媒層の全面(表面の全体)に設けられてもよいし、光触媒層の表面の一部に設けられていてもよい。
集電層の形状は、特に制限されず、例えばパンチングメタル状、メッシュ状、格子状、または、貫通した細孔を持つ多孔体のようなものであってもよい。
集電層を構成する材料は、導電特性を示す材料であれば特に制限されず、例えば、金属の単体、または、これらの合金などが挙げられる。集電層を構成する材料としては、具体的には、Au、Al、Cu、Cd、Co、Cr、Fe、Ga、Ge、Hg、Ir、In、Mn、Mo、Nb、Ni、Pb、Pd、Pt、Ru、Re、Rh、Sb、Sn、Ta、Ti、V、W、Zn、TiN、TiO、Ta、TaON、ZnO、SnO、Indium Tin Oxide(ITO)、SnO、TiO(:Nb)、SrTiO(:Nb)、フッ素ドープ酸化錫(FTO)、CuAlO、CuGaO、CuInO、ZnO(:Al)、ZnO(:Ga)、ZnO(:In)、GaN、GaN(:C)、GaN(:Si)、GaN(:Sn)、C、並びに、これらの合金および混合物が挙げられる。
なお、本明細書において、α(:β)と記載がある場合、α中にβがドープされているものを表す。例えば、TiO(:Nb)は、TiO中にNbがドープされていることを表す。
なかでも、集電層中の材料の酸化が起きにくく、導電特性がより維持される点、安価であり、適度な硬さを持つという点から、TiまたはSnであることが好ましい。
集電層の抵抗値は特に制限されないが、水分解用光触媒電極の特性(光電流密度)がより優れる点で、4.0Ω/□以下であることが好ましく、3.0Ω/□以下であることがより好ましい。下限は特に制限されないが、0.01Ω/□以上の場合が多い。
集電層の抵抗値の測定方法は、ガラス基板上に製膜した集電層の抵抗値を4端子4探針法(三菱化学アナリテック製ロレスタGP MCP-T610型、プローブPSP)で測定する。
集電層の厚みは特に制限されないが、導電特性およびコストのバランスの点から、0.1μm〜10mmが好ましく、1μm〜2mmがより好ましい。
(コンタクト層)
コンタクト層は、光触媒層と上記集電層との間に配置してもよい任意の層である。コンタクト層は、集電層の強度補強層としての役割を持つ。
なお、コンタクト層は、上記特性以外にも、オーミック接合をとるような金属を選択して用いることで、ショットキー障壁の発生を防止したり、ショットキー障壁が発生した場合であってもこれを低減させて、電子伝導を速やかに行わせたりするなどの特性を有する場合もある。
コンタクト層は、半導体または良導体を含む層である。半導体または良導体としては、良好な電気伝導性を示し、かつ、水分解反応の逆反応(具体的には酸素生成電極で酸素を消費する反応)や光触媒の水分解反応の対となる反応(具体的には酸素生成電極で水素生成反応、あるいは、電解質溶液を含めた反応)を触媒しない材料を使用することが好ましい。
コンタクト層を構成する材料としては、Au、Al、Cu、Cd、Co、Cr、Fe、Ga、Ge、Hg、Ir、In、Mn、Mo、Nb、Ni、Pb、Pd、Pt、Ru、Re、Rh、Sb、Sn、Ta、Ti、V、W、Zn、TiN、TiO、Ta、TaON、ZnO、SnO、Indium Tin Oxide(ITO)、SnO、TiO(:Nb)、SrTiO(:Nb)、フッ素ドープ酸化錫(FTO)、CuAlO、CuGaO、CuInO、ZnO(:Al)、ZnO(:Ga)、ZnO(:In)、GaN、GaN(:C)、GaN(:Si)、GaN(:Sn)、C、並びに、これらの合金および混合物が挙げられる。
なかでも、コンタクト層を構成する金属として、Ni、Fe、Co、Cr、Mn、IrまたはRhであることが好ましく、Ni、FeまたはCoであることがより好ましい。
コンタクト層の厚みは特に制限されないが、10nm以上であることが好ましく、50nm以上であることがより好ましく、150nm以上であることがさらに好ましい。また、上限値は、1mm以下であることが好ましく、2μm以下であることがより好ましく、800nm以下であることがさらに好ましく、700nm以下であることが特に好ましい。
特に、コンタクト層に由来する金属成分により助触媒層を形成する場合において、コンタクト層の厚みが50nm以上であると、光触媒電極の耐久性がより向上する。
<助触媒層>
助触媒層は、上記光触媒層の上記金属層と反対側に形成され、金属成分(金属元素)を含有する。助触媒層の機能の一つとしては、光触媒電極の光電流密度を向上させることが挙げられる。
助触媒層は、必ずしも光触媒層上で層状(具体的には、助触媒層の上面形状や断面形状が連続していること)になっていることに限定されず、例えば、光触媒層に光触媒粒子が含まれる場合には、助触媒が光触媒粒子の表面に担持された形態(具体的には、助触媒が非連続に存在する態様、例えば海島状の形態)も含む。
助触媒層に含まれる金属成分としては、上記金属層に含まれる金属成分と同じ種類の金属成分が含まれていれば特に限定されず、例えば、Ti、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Ru、Rh、Pd、Ag、In、Ta、W、Ir、Pt、Pb、Au、CrおよびMoが挙げられる。
金属成分は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、酸素生成助触媒能があるということから、Ni、FeおよびCoからなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。
金属成分は、イオン、金属化合物(錯化合物も含む)、金属間化合物、合金、酸化物、複合酸化物、窒化物、酸窒化物、硫化物、酸硫化物など、助触媒層にいずれの形態で含まれていてもよい。
ここで、「金属間化合物」とは、2種以上の金属元素から形成される化合物であり、金属間化合物を構成する成分原子比は必ずしも化学量論比でなく、広い組成範囲をもつものをいう。
助触媒層に含まれる金属成分の酸化還元電位は、0.1〜1.8V vs.RHEであることが好ましく、0.3〜1.8V vs.RHEであることがより好ましく、0.5〜1.4V vs.RHEであることがさらに好ましい。なお、本明細書において「RHE」とは、reversible hydrogen electrode(可逆水素電極)の略である。
助触媒層に含まれる金属成分の酸化還元電位が上記範囲内にあることで、助触媒層をin-situで担持できるという利点がある。なお、上記記載は、同じ種類である第1金属成分および第2金属成分の酸化還元電位が、0.1〜1.8V vs.RHEであることと同義である。
測定温度は25℃で、Ag/AgCl電極を参照電極に用いた。
ここで、本発明の光触媒電極が酸素発生側の電極として使用される場合、助触媒層に含まれる金属成分としては、例えば、Ti、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Ru、Rh、Pd、Ag、In、Ta、W、Ir、Mg、Ga、Ce、CrおよびPb等が挙げられ、酸素生成助触媒能があることから、Ni、FeおよびCoからなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。
また、本発明の光触媒電極が水素発生側の電極として使用される場合、助触媒層に含まれる金属成分としては、例えば、Pt、Pd、Rh、Ru、Ni、Au、Fe、CrおよびMoが挙げられる。
本発明の光触媒電極は、助触媒層に含まれる金属成分と金属層に含まれる金属成分とが同じであるが、金属層を溶解させ、光電着可能な助触媒能を持つ金属種であるという観点から、少なくとも酸素発生側の電極に適用されることが好ましい。
助触媒層は、酸素生成能力が高く、水分解光触媒電極の耐久性をより向上できるという観点から、下記一般式(A)で表される金属化合物を含むことが好ましい。
(OOH)x(W)y ・・・(A)
上記一般式(A)中、Mは、Ni、FeまたはCoを表す。
は、HBOまたはSOを表す。
xおよびyは、それぞれ独立に0以上の整数を表す。ただし、xとyの合計は、2以上(好ましくは2〜10、より好ましくは2〜6)である。
助触媒層の形成方法の詳細は後述するが、助触媒層は、上記光触媒層および上記金属層を含む積層体を用いて、サイクリックボルタンメトリー法による電位掃引を行うと共に光照射を実施することにより形成されたもの、または、上記光触媒層および上記金属層を含む積層体に対して、一定電圧を印加しつつ、光照射を実施することにより形成されたもの、であることが好ましい。助触媒層が上記方法により形成されることで、光触媒電極の耐久性がより向上するためである。
助触媒層の厚みは特に制限されないが、0.01nm以上であることが好ましく、0.1nm以上であることがより好ましく、0.3nm以上であることがさらに好ましい。また、上限値は、200nm以下であることが好ましく、100nm以下であることがより好ましく、50nm以下であることがさらに好ましい。
<その他の層>
水分解用光触媒電極は、上記層以外の他の層を有していてもよい。例えば、粒子転写法により水分解用光触媒電極を作製する場合は、金属層の光触媒層側とは反対側の表面上に、電極の機械的強度を補強するために基材(後述する第2の基材に該当)を有していてもよい。また、金属層と基材との間には接着層を有していてもよい。
[水分解用光触媒電極の製造方法]
水分解用光触媒電極の製造方法は特に制限されず、上述した態様の水分解用光触媒電極が製造できればよいが、以下の方法により製造することが好ましい。
すなわち、本発明の水分解用光触媒電極の製造方法の好ましい態様の一つとしては、光触媒層と、光触媒層の一方の面に配置された金属成分を含有する金属層と、を有する積層体を形成する工程と、上記光触媒層の上記金属層と反対側に、金属成分を含有する助触媒層を形成する工程と(以下、「助触媒層形成工程」ともいう。)を有する態様が挙げられる。特に、光触媒層を形成する工程(以下、「光触媒層形成工程」ともいう。)と、上記光触媒層の一方の面に金属成分を含有する金属層を形成する工程と(以下、「金属層形成工程」ともいう。)、上記光触媒層の上記金属層と反対側に金属成分を含有する助触媒層を形成する工程と、を有する態様がより好ましい。また、上記助触媒層を形成する工程が、上記光触媒層および上記金属層を含む積層体を用いて、サイクリックボルタンメトリー法による電位掃引を行いつつ光照射を実施する第1処理、または、上記光触媒層および上記金属層を含む積層体に対して、一定電圧を印加しつつ光照射を実施することにより形成される第2処理を含む。さらに、金属層に含まれる上記金属成分と、上記助触媒層に含まれる上記金属成分と、が同じ種類である。
このように、第1処理または第2処理により助触媒層が形成されることで、水分解用光触媒電極の耐久性がより優れたものになる。
以下、本発明の水分解用光触媒電極の製造方法の好適態様の一つについて、工程毎に説明する。
<光触媒層形成工程>
光触媒層を形成する方法は特に制限されないが、例えば、光触媒粒子とバインダーとの混錬、加圧成型により光触媒層を形成する方法や、第1の基材上に光触媒層を積層する方法が挙げられる。特に、バインダーを使用せずに強固な層を形成することができ、かつ、光触媒層とコンタクト層(または集電層)との間に不純物が混入しがたいことから、第1の基材上に積層することによって光触媒層を形成する方法が好ましい。
本工程で使用される第1の基材としては、光触媒との反応に不活性であり、化学的安定性、耐熱性に優れる材料を選択することが好ましく、例えば、ガラス板、Ti板、Cu板が好ましい。
なお、光触媒層が配置される第1の基材の表面は、研磨処理および/または洗浄処理が施されていてもよい。
光触媒層の形成方法は特に制限されないが、例えば、光触媒粒子を溶媒に分散させて懸濁液として、第1の基材上に懸濁液を塗布して、必要に応じて乾燥することにより行うことができる。
懸濁液中の溶媒としては、水;メタノール、エタノール等のアルコール類;アセトン等のケトン類;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族類が挙げられる。なお、溶媒に光触媒粒子を分散させる場合、超音波処理を施すことで、光触媒粒子を溶媒中に均一に分散させることができる。
第1の基材上に懸濁液を塗布する方法は特に制限されず、例えば、スプレー法、ディップ法、スキージ法、ドクターブレード法、スピンコート法、スクリーンコート法、ロールコーティング法、インクジェット法などの公知の方法が挙げられる。また、懸濁液を入れた容器の底面に第1の基材を配置しておき、第1の基材上に光触媒粒子を沈降させた後に水を拭き取る方法でもよい。
塗布後の乾燥条件としては、溶媒の融点以上の温度に保持するか、短時間での溶媒が揮発する程度の温度(例えば、15〜200℃程度)に加熱すればよい。
上記手順により形成された光触媒層中においては、光触媒粒子同士、および、光触媒粒子と第1の基材とは、光触媒粒子の有する静電力で付着していることが好ましい。
また、光触媒層と、コンタクト層または集電層との間の導電パスの形成が阻害されないように、光触媒層にはバインダーなど他の成分は含まれないほうが好ましい。特に、有色または絶縁性のバインダーは含まれない方が好ましい。
<金属層形成工程>
金属層形成工程は、光触媒層上に金属層を形成する工程である。金属層は、上述したように1層からなるものであってもよいし、2層以上からなるものであってもよい。本態様では、金属層としてコンタクト層および集電層の2層からなる場合の製造方法(コンタクト層形成工程および集電層形成工程)について説明する。
(コンタクト層形成工程)
コンタクト層形成工程は、上記のようにして形成された光触媒層の一方の面に、半導体または良導体を含むコンタクト層を形成する工程である。
コンタクト層を形成する方法としては特に限定されず従来公知の方法をいずれも用いることができ、例えば、化学的気相成膜法(CVD:chemical vapor deposition)、蒸着法(電子ビーム蒸着法など)、スパッタリング法、イオンプレーティング法などの物理的気相成膜法(PVD:physical vapor deposition)などにより形成することができる。
コンタクト層の形成時の条件(成膜レート、温度など)は、使用する材料、目的とする膜厚などによって適宜設定すればよく、特に限定されるものではない。
(集電層形成工程)
集電層形成工程は、上記コンタクト層の光触媒層側とは反対側の面に集電層を形成する工程である。
集電層を形成する方法は、特に限定されず、例えば上記コンタクト層において例示した方法で形成することができる。集電層の形成時の条件(成膜レート、温度など)は、使用する材料、目的とする膜厚などによって適宜設定すればよく、特に限定されるものではない。
<助触媒層形成工程>
助触媒層形成工程は、上記光触媒層の金属層(すなわちコンタクト層および集電層)側とは反対側の面に助触媒層を形成する工程である。
上記光触媒層の金属層(すなわちコンタクト層および集電層)側とは反対側の面に上記第1の基材が形成されている場合には、これを除去した後、助触媒層形成工程が実施される。
助触媒層を形成する方法としては、光触媒電極の耐久性がより優れたものになるという点から、第1処理または第2処理を含むことが好ましい。以下、第1処理および第2処理に分けて詳細に説明する。
(第1処理)
第1処理とは、上記光触媒層および上記金属層(コンタクト層および集電層)を含む積層体を用いて、サイクリックボルタンメトリー法による電位掃引を行いつつ光照射を実施する処理である。
第1処理の具体的な実施方法は、次の通りである。まず、容器内を電解液で満たし、この状態で容器内に上記積層体、参照電極および対極を配置する。そして、積層体、参照電極および対極をポテンションスタットに接続する。この状態で、予め設定した電位、掃引速度、掃引回数の条件にて、積層体に電解液中でサイクリックボルタンメトリーを施す。さらに、サイクリックボルタンメトリーを施している最中に、ソーラーシミュレータなどの光照射装置を用いて積層体に光照射を行う。このようにして、金属層に由来する金属成分を含む助触媒層が、光触媒層上に形成される。
具体的には、助触媒層の形成は以下のように進行すると推測される。すなわち、第1処理におけるサイクリックボルタンメトリーによって、金属層に含まれる金属成分が特定の電位に到達すると酸化して、金属イオンが溶出する。このように溶出した金属イオンは、光触媒層の表面に移動する。そして、光触媒層の表面に移動した金属層に由来する金属イオンが、光触媒層の光照射によって光触媒が励起して形成されるホールと反応して、金属層に由来する金属成分を含む助触媒層が形成されると推測される。
第1処理における電位の掃引範囲は、金属層を構成する材料の種類などにより適宜決定できこれに限定されないが、0.3〜1.8Vであることが好ましく、0.5〜1.4Vであることがより好ましい。
第1処理における電位の掃引回数は、1〜100サイクルであることが好ましく、2〜20サイクルであることがより好ましい。ここで、1サイクルとは、掃引範囲のスタートとなる電位から、掃引範囲のスタート位置の電位に再度戻るまでのことをいう。
掃引速度は0.1mV/s〜500mV/sであることが好ましく、0.5mV/s〜100mV/sであることがより好ましい。
電解液としては、安定性に優れるという観点から、ホウ酸水溶液または硫酸水溶液を用いることが好ましく、ホウ酸水溶液を用いることがより好ましい。
電解液に含まれる電解質の濃度としては、0.01Mから飽和溶液の範囲にあることが好ましく、0.1〜1Mであることがより好ましい。電解質の濃度が上記範囲内にあることで、均一な助触媒層が形成される傾向にある。また、酸素生成反応が拡散律速にならない。
電解液には、pHを調製するために各種の酸、アルカリ成分を含有してもよい。
参照電極には、例えば、Ag/AgCl電極を用い、対極には、例えば、Ptワイヤーを用いることができる。なお、上記積層体が作用極に相当する。
第1処理における光照射は、上記サイクリックボルタンメトリーが行われている最中に連続して行われてもよいし(連続照射)、断続的に行われてもよい(間欠照射)。
(第2処理)
第2処理とは、上記光触媒層および上記金属層を含む積層体に対して、一定電圧を印加しつつ、光照射を実施する処理である。
第2処理は、上記第1処理のサイクリックボルタンメトリーに変えて一定電圧を印加すること以外は、第1処理と同様であるので、同様の部分に関する説明は省略する。
第2処理において印加する電圧は、金属層を構成する材料の種類などにより適宜決定できこれに限定されないが、0.3〜1.8Vであることが好ましく、0.5〜1.4Vであることがより好ましい。
第2処理における電圧の印加時間としては、3分〜10時間であることが好ましく、30分〜5時間であることがより好ましい。
助触媒層形成工程は、上記第1処理または第2処理を行う前または後に、金属層の表面を不活性化することを目的に、上記積層体に対して光を照射しない状態で一定電圧(例えば、1.1V vs.RHE)を印加する処理(不活性化処理)を行ってもよい。
不活性化処理とは、金属層表面の金属の一部を酸化する工程である。これによって、暗電流(具体的には、金属露出部分からの漏れ電流、光を当てなくても流れてしまう電流など)を低減することができる。
ここで、本発明において助触媒層の形成は、溶液中に金属層と同じ種類の金属成分を存在させておいて電圧をかける電着法などによっても行うことができるが、製造時の時間やコスト面で優れるという点から、上記第1処理または第2処理を用いる方が好ましい。すなわち、電着法では、助触媒層となり得る金属成分を一定濃度で供給し続ける必要があるが、第1処理および第2処理では、金属層に含まれる成分自体が助触媒層の形成に使用されるためである。
また、本発明において助触媒層の形成は、光触媒電極作製後にスパッタなどの蒸着法により行うことができるが、スパッタやチャンバーなどの装置が必要となるため、装置のコストなどの観点から、上記第1処理または第2処理を用いる方が好ましい。
さらに、第1処理および第2処理により形成される助触媒層は、上記の他処理方法と比較して、緻密な膜となるため、耐久性をより向上できたり、光触媒電極の光電流密度を向上できたりするという利点がある。
<その他の工程>
光触媒電極の製造方法は、コンタクト層と接触していない光触媒粒子を除去する工程を有していてもよい。除去方法は特に制限されないが、例えば、超音波洗浄処理等の洗浄液を用いて光触媒粒子を除去する方法が挙げられる。
洗浄液としては、例えば、水、電解質水溶液;メタノール、エタノールなどのアルコール:ペンタン、ヘキサンなどの脂肪族炭化水素;トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素;アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン類;酢酸エチルなどのエステル類;フルオロカーボンなどのハロゲン化物;ジエチルエーテル、テトラヒドロフランなどのエーテル類;ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド類;ジメチルホルムアミドなどの含窒素化合物などが挙げられる。なかでも、水、または、メタノール、エタノール、テトラヒドロフランなどの水溶性の化合物が好ましい。
また、集電層の機械的強度が低く、水分解用光触媒電極の破損が懸念される場合には、集電層のコンタクト層側とは反対側の面に第2の基材を設けてもよい。
第2の基材を設ける方法は特に制限されないが、例えば、カーボンテープなどの接着剤を用いて、集電層と第2の基材とを接着する方法が挙げられる。
第2の基材としては、例えば、ガラス基板、プラスチックシートなどを用いることができる。第2の基材としてプラスチックシートを用いた場合には、光触媒電極にフレキシブル性を付与できるという利点や、反射光、散乱光を有効利用できる設計が可能となるという利点がある。
本発明の水分解用光触媒電極と水とを接触させ、光を照射することにより、水の分解が進行し、酸素または水素が生成される。
なお、照射される光としては、光分解反応を生じさせうる光であればよく、具体的には、太陽光などの可視光、紫外光、赤外光などが利用でき、そのなかでも、その量が無尽蔵である太陽光が好ましい。
また、上記水分解用光触媒電極を備える水分解装置は、優れた特性を示すが、水分解用光触媒電極以外の構成(例えば、対極など)は公知の構成を使用することができる。
以下、実施例を用いて、本発明の水分解用光触媒電極について詳細に説明する。ただし、本発明はこれに限定されるものではない。
[実施例1:水分解用光触媒電極の作製]
<MoドープBiVOの合成>
14(1.09g)とMoO(0.02g)とV(2.26g)を混合し、大気下で450℃、2h焼成することで、0.5mol% MoドープK14を合成した。
得られた粉末をXRD(X−ray diffraction、リガク製 粉末X線回折装置 全自動水平型多目的X線回折装置 SmartLab)測定し、Mo種に帰属される不純物が無かったことから、MoドープK14の単一相であることを確認した。
次に、K14:Mo(2.38g)とBi(NO・5HO(9.70g)に水100mlを加え、70℃、10h撹拌して、MoドープBiVOを得た。同様にXRD測定にて目的物を同定した。得られた混合物を磁性るつぼに入れて、電気炉にて大気中800℃で1時間焼成した。焼成後、室温まで放冷させた後、解砕した。
<助触媒層の形成前の積層体(第2積層体)の作製>
得られたMoドープBiVO粉末(15mg)を低沸点有機溶剤(溶媒:イソプロピルアルコール、400μl)に加えて、超音波で均一な懸濁液を調製した。得られた懸濁液200μlをCu板(1×3cm)に滴下した。これを乾燥させて、基材上に光触媒層が配置された光触媒層付き基材Aを作製した。
上記光触媒層付き基材Aの光触媒層上に、Niを蒸着法にて積層し、コンタクト層となるNi層(厚み500nm)を作製した。装置はアルバック製機工製VPC−260Fを使用して、成膜レートが5nm/sとなるようにした。
次に、コンタクト層上に、集電層となるTi層(4μm)を蒸着法にて積層した。装置はアルバック製機工製VPC−260Fを使用して、成膜レートが5nm/sとなるようにした。
次に、カーボンテープを用いて集電層上にガラス基材(ソーダライムガラス)を接着した。その後、得られた積層体a(基材(Cu板)、光触媒層、コンタクト層、集電層、カーボンテープ、ガラス基材(ソーダライムガラス))から基材(Cu板)を剥離して、純水中で10分間超音波洗浄することで、積層体A(光触媒層、コンタクト層、集電層、カーボンテープ、ガラス基材(ソーダライムガラス))を得た。
<助触媒層の形成>
助触媒層の形成は、上記積層体Aを用いて、ポテンショスタットを用いた3電極系とソーラーシミュレータ(AM1.5G)を用いてin-situで行った。
具体的には、電気化学セルとして平面窓付きのセパラブルフラスコを用い、参照極に飽和Ag/AgCl電極、対極にPtワイヤーを用いた。なお、上記積層体Aは作用極として用いた。電解液は、1M KBi緩衝液(1Mホウ酸溶液を調製し、KOHでpH=9.3に調整したもの)を用いた。本溶液は、以下の耐久性試験で使用した溶液と同様である。電気化学セル内部はアルゴンで満たし、かつ、助触媒層の形成(助触媒の担持)前に十分にバブリングを行うことによって溶存する酸素、二酸化炭素を除去した。また、助触媒層形成中もバブリングを継続した。
初めに光照射をしない状態で1.5V vs.RHEに保持し、金属層の表面を不活性化した。続いて、50mv/sで、0.2−1.4−0.2V vs.RHEを1サイクルとする20サイクルの掃引を行った。
掃引中は、ソーラーシミュレータ(AM1.5G)で疑似太陽光を、1秒間照射し1秒間休止させるという間隔で、間欠照射した。上記工程を経て、光触媒層の上に、光電着にてホウ酸ニッケル助触媒層を形成した。
さらに、得られたホウ酸ニッケル助触媒層および光触媒層を0.6V vs.RHEの電位を印加した状態で、疑似太陽光(AM1.5G)を1時間照射することで活性化処理し、電解質溶液から取出し、純水で洗浄し、乾燥させた。
このようにして、実施例1の水分解用光触媒電極を作製した。
[実施例2〜3:水分解用光触媒電極の作製]
コンタクト層の厚みを250nmに変えた以外は上記実施例1の水分解用光触媒電極の作製と同様にして、実施例3の水分解用光触媒電極を作製した。
また、助触媒層の形成で使用した電解液(KBi緩衝液)の濃度を0.1Mに変えた以外は実施例1の水分解用光触媒電極の作製と同様にして、実施例3の水分解用光触媒電極を作製した。
[実施例4:水分解用光触媒電極の作製]
実施例1における助触媒層の形成方法に変えて、以下の方法で行った以外は、実施例1の水分解用光触媒電極の作製と同様にして、実施例4の光触媒電極を作製した。
<助触媒層の形成>
助触媒層の形成は、ポテンショスタットを用いた3電極系とソーラーシミュレータ(AM1.5G)を用いてin-situで行った。
具体的には、電気化学セルとして平面窓付きのセパラブルフラスコを用い、参照極に飽和Ag/AgCl電極、対極にPtワイヤーを用いた。なお、上記積層体Aは作用極として用いた。電解液は、1M KBi緩衝液(1Mホウ酸溶液を調整し、KOHでpH=9.3に調整したもの)を用いた。本溶液は以下の耐久性測定と同様の溶液である。電気化学セル内部はアルゴンで満たし、かつ、助触媒層の形成(助触媒の担持)に十分にバブリングを行うことによって溶存する酸素、二酸化炭素を除去した。
初めに光照射をしない状態で1.5V vs.RHEに保持し、金属層の表面を不活性化した。続いて、ソーラーシミュレータ(AM1.5G)で疑似太陽光を連続照射しながら、0.6V vs.RHEの一定電圧で2.5時間保持した。上記工程を経て、光触媒層の上に、in-situ光電着にてホウ酸ニッケル助触媒層を形成した。
[実施例5:水分解用光触媒電極の作製]
助触媒層の形成において、ソーラーシミュレータ(AM1.5G)で疑似太陽光を連続照射する際において、保持電位を1.0V vs.RHE、保持時間を1時間にした以外は、実施例4と同様の方法でホウ酸ニッケル助触媒層を形成した。
このようにして、実施例5の水分解用光触媒電極を作製した。
[実施例6:水分解用光触媒電極の作製]
実施例1における光触媒層の形成用材料(MoドープBiVO粉末)に変えて、以下のようにして合成したBaTaONを用いた以外は、実施例1の水分解用光触媒電極の作製と同様にして、実施例6の水分解用光触媒電極を作製した。
<BaTaONの合成>
酸化タンタル(高純度化学製)0.88gと炭酸バリウム(関東化学製)0.79gをメノウ乳鉢で粉砕混合した後にアルミナ製ボートに入れ、ボックス型電気炉で1000℃、10時間焼成し酸化物前駆体を得た。XRD(X−ray diffraction、リガク製 粉末X線回折装置 全自動水平型多目的X線回折装置 SmartLab)測定より、得られた粉末がバリウムタンタルオキサイド(BaTa15)であることを確認した。この前駆体を電気管状炉にて、100%アンモニア気流下(250ml/min)にて、900℃で10時間の窒化処理を3回行った。得られた粉末は、メノウ乳鉢で解砕した。XRD測定より、得られた粉末がバリウムタンタルオキシナイトライド(BaTaON)であることを確認した。
[比較例1:水分解用光触媒電極の作製]
実施例1におけるコンタクト層としてNiに変えてTiを用い、集電層としてTiに変えてSnを用い、助触媒層の形成方法を以下の方法に変えた以外は、実施例1と同様にして比較例1の水分解用光触媒電極を作製した。
<Tiコンタクト層、Sn集電層の形成>
上記光触媒層付き基材Aの光触媒層上に、Tiを蒸着法にて積層し、コンタクト層となるTi層(厚み500nm)を作製した。装置はアルバック製機工製VPC−260Fを使用して、成膜レートが5nm/sとなるようにした。
次に、コンタクト層上に、集電層となるSn層(4μm)を蒸着法にて積層した。装置はアルバック製機工製VPC−260Fを使用して、成膜レートが5nm/sとなるようにした。
<助触媒層の形成>
光触媒層上に、Niを蒸着法にて積層し、厚み1nmのNi助触媒層を形成した。装置はアルバック製機工製VPC−260Fを使用して、成膜レートが2nm/sとなるようにした。
このようにして形成されたNi助触媒層に以下の処理を行い、Ni助触媒層をホウ酸ニッケル助触媒層とした。
ホウ酸ニッケル助触媒層の形成は、ポテンショスタットを用いた3電極系とソーラーシミュレータ(AM1.5G)を用いてin−situで行った。電気化学セルとして平面窓付きのセパラブルフラスコを用い、参照極に飽和Ag/AgCl電極、対極にPtワイヤーを用いた。電解液は、1M KBi緩衝液(1Mホウ酸溶液を調整し、KOHでpH=9.3に調整したもの)に0.04mM NiSOを添加した溶液用いた。
電気化学セル内部はアルゴンで満たし、かつ、ホウ酸ニッケル助触媒層の形成前に十分にバブリングを行うことによって溶存する酸素、二酸化炭素を除去した。また、助触媒層形成中もバブリングを継続した。ソーラーシミュレータ(AM1.5G)照射下で、0.6V vs.RHEの一定電位を10min印加した。上記工程を経て、光触媒層の上に、光電着にてホウ酸ニッケル助触媒層を形成した。
[比較例2:水分解用光触媒電極の作製]
光触媒層の形成用材料(MoドープBiVO粉末)に変えて、BaTaONを用いた以外は(実施例6と同様の製造条件で製造)、比較例1の水分解用光触媒電極の作製と同様にして、比較例2の水分解用光触媒電極を作製した。
[評価試験]
<耐久性>
作製した各水分解用光触媒電極の耐久性の評価は、ポテンショスタットを用いた3電極系での電流−電位測定によって行った。
具体的には、平面窓付きのセパラブルフラスコを電気化学セルに用い、参照極に飽和Ag/AgCl電極、対極にPtワイヤーを用いた。なお、水分解用光触媒電極は、作用極として用いた。電解液は、上記の助触媒層の形成時に用いた溶液と同一の溶液である1M KBi緩衝液(pH=9.3)をそのまま用いた。電気化学セル内部はアルゴンで満たし、かつ、測定前に十分にバブリングを行うことによって溶存する酸素、二酸化炭素を除去した。光電気化学測定には、ソーラーシミュレータ(AM1.5G)を光源として用いた。
水分解用光触媒電極の電位を0.6V vs.RHEに保持し、光電流密度の減少が10%以下の時間を耐久時間(最大で100時間)とした。なお、耐久性試験中においても、バブリングを継続して行った。
さらに、実施例1の水分解光触媒電極については、上記の100時間の耐久時間の経過後に、実施例1における助触媒層の形成工程と同様の条件の下、0.2−1.4−0.2V vs.RHEを1サイクルとして10サイクルの掃引を行った後、水分解光触媒電極を十分量の超純水で洗浄し、常温・常圧下で2時間乾燥させることで、光電流密度を回復させた(回復操作)。その後、再度、上記の耐久性試験を行った(回復後の耐久性試験)。このような回復操作、回復後の耐久性試験をこの順に9回繰り返した。
<評価結果>
以上の評価試験の結果を第1表に示す。また、第1表に水分解用光触媒電極の作製条件の一部を併せて示す。
第1表の評価結果の通り、金属層(コンタクト層または集電層)に含まれる金属成分と、助触媒層に含まれる金属成分と、が同じ種類である実施例1〜5の各水分解用光触媒電極は、金属層に含まれる金属成分と、助触媒層に含まれる金属成分と、が異なる比較例1の水分解用光触媒電極と比較して、耐久性に優れることが示された。
また、上述したように、実施例1の水分解光触媒電極については、100時間の耐久性試験後にも、回復操作を経た耐久性試験を合計で900時間を行ったが(最初の耐久性試験をあわせると1000時間)、光電流密度の減少が10%未満であり、耐久性に非常に優れることがわかった。
実施例1の光触媒層をBaTaONに変えた実施例6と、比較例1の光触媒層をBaTaONに変えた比較例2と、を用いて、上記耐久性の評価を行ったところ、実施例6の水分解用光触媒電極の耐久性は、比較例2の水分解用光触媒電極の耐久性よりも30倍優れていることがわかった。
10,100 水分解用光触媒電極
12 金属層
12A 集電層
12B コンタクト層
14 光触媒層
16 助触媒層

Claims (8)

  1. 光触媒層と、
    前記光触媒層上に配置され、金属成分を含有する金属層と、
    前記光触媒層の前記金属層と反対側に配置され、金属成分を含有する助触媒層と、
    を有し、
    前記金属層に含まれる前記金属成分と、前記助触媒層に含まれる前記金属成分と、が同じ種類であ
    前記金属層に含まれる前記金属成分および前記助触媒層に含まれる前記金属成分が、Ni、FeおよびCoからなる群より選択される少なくとも1種である、水分解用光触媒電極。
  2. 前記助触媒層に含まれる前記金属成分の酸化還元電位が、0.1〜1.8V vs.RHEである、請求項1に記載の水分解用光触媒電極。
  3. 前記助触媒層が、一般式(A)で表される金属化合物を含む、請求項1または2に記載の水分解用光触媒電極。
    (OOH)x(W)y ・・・(A)
    前記一般式(A)中、Mは、Ni、FeまたはCoを表す。
    は、HBOまたはSOを表す。
    xおよびyは、それぞれ独立に0以上の整数を表す。ただし、xとyの合計は、2以上である。
  4. 前記金属層に含まれる前記金属成分および前記助触媒層に含まれる前記金属成分が、Niである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の水分解用光触媒電極。
  5. 光触媒層と、前記光触媒層の一方の面に配置された金属成分を含有する金属層と、を有する積層体を形成する工程と、
    前記光触媒層の前記金属層と反対側に、金属成分を含有する助触媒層を形成する工程と、
    を有し、
    前記助触媒層を形成する工程が、電解液中で前記積層体に対して、サイクリックボルタンメトリー法による電位掃引を行いつつ光照射を実施する第1処理、または、電解液中で前記積層体に対して、一定電圧を印加しつつ光照射を実施することにより形成される第2処理を含み、
    前記金属層に含まれる前記金属成分と、前記助触媒層に含まれる前記金属成分と、が同じ種類であ
    前記金属層に含まれる前記金属成分および前記助触媒層に含まれる前記金属成分が、Ni、FeおよびCoからなる群より選択される少なくとも1種である、水分解用光触媒電極の製造方法。
  6. 前記助触媒層に含まれる前記金属成分の酸化還元電位が、0.1〜1.8V vs.RHEである、請求項5に記載の水分解用光触媒電極の製造方法。
  7. 前記助触媒層が、一般式(A)で表される金属化合物を含む、請求項5または6に記載の水分解用光触媒電極の製造方法。
    (OOH)x(W)y ・・・(A)
    前記一般式(A)中、Mは、Ni、FeまたはCoを表す。
    は、HBOまたはSOを表す。
    xおよびyは、それぞれ独立に0以上の整数を表す。ただし、xとyの合計は、2以上である。
  8. 前記金属層に含まれる前記金属成分および前記助触媒層に含まれる前記金属成分が、Niである、請求項5〜7のいずれか1項に記載の水分解用光触媒電極の製造方法。
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