JP6651972B2 - 給湯システム及びこれを備えた電力制限システム - Google Patents

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Description

本発明は、圧縮機を備えた給湯システム及びこれを備えた電力制限システムに関する。
給湯システムにおいて、出湯温度を所定値にするために圧縮機の回転数を制御する技術が知られている(特許文献1参照)。特許文献1には、運転モードとして通常モードとデマンドモードとがあり、デマンドモードにおいて、出湯温度の目標値を通常モードでの目標値よりも下げて設定することが記載されている。
特開2012−247118号公報
上限値設定モード(圧縮機の使用電力、使用電流又は使用皮相電力に上限値を設けて運転するモードであって、特許文献1のデマンドモードや、HEMSコントローラやインターネットからの信号に基づいて設定されるモードもこれに含まれる。)において、特許文献1のように出湯温度の目標値を通常モードでの目標値よりも下げて設定すると、圧縮機の使用電力を抑制することはできても、貯湯温度を目標値まで上げることができないという問題が生じ得る。
本発明は、上記のような問題を解決するためになされたものであり、圧縮機の使用電力を抑制しつつ貯湯温度を目標値まで上げることができる給湯システム及びこれを備えた電力制限システムを提供することを目的とする。
第1の発明に係る給湯システムは、圧縮機と熱源側熱交換器と減圧機構と給湯用熱交換器とを有する冷媒回路と、タンクと前記タンクから流出した温水を前記給湯用熱交換器に供給して前記給湯用熱交換器で加熱された温水を前記タンクに戻すポンプとを有する温水回路とを備え、通常モードと、前記圧縮機の使用電力、使用電流又は使用皮相電力に上限値を設けて運転する上限値設定モードとを含む制御モードで運転可能な給湯システムにおいて、前記通常モードでは、前記ポンプの回転数を、目標出湯温度に基づいて、フィードバック制御し、前記上限値設定モードでは、前記ポンプの回転数を、目標貯湯温度を同一とした場合に前記通常モードにおいて設定される回転数よりも大きな回転数に固定して、フィードフォワード制御することを特徴とする。
第1の発明によれば、上限値設定モードにおいて、ポンプの回転数を通常モードで設定される回転数よりも大きな回転数に固定してフィードフォワード制御することにより、圧縮機の使用電力を抑制しつつ、貯湯温度を目標値まで上げることができる。
第2の発明に係る給湯システムは、第1の発明において、前記上限値設定モードにおける前記ポンプの回転数は、外気温度、目標貯湯温度、入水温度及び前記圧縮機の回転数の少なくともいずれかに基づいて決定されることを特徴とする。
第2の発明によれば、より確実に、貯湯温度を目標値まで上げることができる。
第3の発明に係る給湯システムは、第1又は第2の発明において、前記給湯用熱交換器を凝縮器、前記熱源側熱交換器を蒸発器として作用させる加熱運転を実行可能であり、前記上限値設定モードでは、前記加熱運転が実行されている状態で入水温度が目標貯湯温度に達した場合に前記加熱運転を終了することを特徴とする。
第3の発明によれば、より確実に、貯湯温度を目標値まで上げることができる。
第4の発明に係る給湯システムは、第1〜第3の発明のいずれかにおいて、前記上限値設定モードでは、前記圧縮機の回転数を、前記上限値に基づいて決定される最大の回転数とすることを特徴とする。
第4の発明によれば、より確実に、貯湯温度を目標値まで上げることができる。
第5の発明に係る電力制限システムは、第1〜第4の発明のいずれかに係る給湯システムと、前記給湯システムに接続され、前記圧縮機の使用電力、使用電流又は使用皮相電力を管理するHEMSコントローラとを備え、前記給湯システムは、前記制御モードを、前記HEMSコントローラから前記給湯システムへの信号により、前記通常モードから前記上限値設定モードに切り換えることを特徴とする。
第5の発明によれば、HEMSコントローラを用いることで、圧縮機の使用電力を確実に制御できる。
第6の発明に係る電力制限システムは、第5の発明において、前記HEMSコントローラがインターネットに接続され、前記HEMSコントローラから前記給湯システムへの信号は、前記HEMSコントローラが前記インターネットを介して受信した外部信号に基づいて変更されることを特徴とする。
第6の発明によれば、インターネットからの外部信号により制御モードを通常モードから上限値設定モードに切り換えることができる。
第1の発明では、上限値設定モードにおいて、ポンプの回転数を通常モードで設定される回転数よりも大きな回転数に固定してフィードフォワード制御することにより、圧縮機の使用電力を抑制しつつ、貯湯温度を目標値まで上げることができる。
第2の発明では、上限値設定モードにおけるポンプの回転数が、外気温度、目標貯湯温度、入水温度及び圧縮機の回転数の少なくともいずれかに基づいて決定されることで、より確実に、貯湯温度を目標値まで上げることができる。
第3の発明では、上限値設定モードにおいて、加熱運転が実行されている状態で入水温度が目標貯湯温度に達した場合に加熱運転を終了することで、より確実に、貯湯温度を目標値まで上げることができる。
第4の発明では、上限値設定モードにおいて、圧縮機の回転数を、上限値に基づいて決定される最大の回転数とすることで、より確実に、貯湯温度を目標値まで上げることができる。
第5の発明では、給湯システムは、制御モードを、HEMSコントローラから給湯システムへの信号により、通常モードから上限値設定モードに切り換える。HEMSコントローラを用いることで、圧縮機の使用電力を確実に制御できる。
第6の発明では、HEMSコントローラから給湯システムへの信号が、HEMSコントローラがインターネットを介して受信した外部信号に基づいて変更される。これにより、インターネットからの外部信号により制御モードを通常モードから上限値設定モードに切り換えることができる。
本発明の一実施形態に係る電力制限システムを含む電力ネットワークの概略図である。 本発明の一実施形態に係る給湯システムの構成図である。 通常モードから上限値設定モードへの切り換え制御を示すフロー図である。 上限値設定モードでの加熱運転の制御を示すフロー図である。
以下、本発明の一実施形態に係る電力制限システム13を含む電力ネットワーク10について、添付図面に従って説明する。
電力ネットワーク10は、図1に示すように、電力供給者としての電力会社11と、電力会社11とインターネット12を介して接続された電力制限システム13とで構成されている。電力制限システム13は、HEMSコントローラ15と、給湯システム20と、設備機器Aと、設備機器Bとから構成されている。給湯システム20、設備機器A及び設備機器Bは、HEMSコントローラ15に並列に接続されている。
給湯システム20は、圧縮機31、ファン34、温度センサ36,37,47,49等を含むヒートポンプユニット30(図2参照)と、ポンプ41等を含むタンクユニット40(図2参照)とを有する。また、給湯システム20は、HEMSコントローラ15に接続された制御装置21を有している。制御装置21は、ヒートポンプユニット30の圧縮機31、膨張弁33及びファン34並びにタンクユニット40のポンプ41を制御するものであり、これらユニット30,40に兼用されている。設備機器A及び設備機器Bは、HEMSコントローラ15に接続された、例えば空気調和機、テレビ、照明等であるが、これらに限定するものではない。
電力会社11は、自ら発電した電力及び/又は他者が発電した電力を、給湯システム20と設備機器Aと設備機器Bとに供給する。また、電力会社11は、例えば、ある時間帯等の所定期間において電力を制限したい場合に、給湯システム20と設備機器Aと設備機器Bとでの使用電力を制限する制限信号を送信し、当該所定期間以外において電力の制限を解除したい場合に、給湯システム20と設備機器Aと設備機器Bとでの使用電力の制限を解除する解除信号を送信する。
HEMSコントローラ15は、インターネット12を介して電力会社11に接続され、電力会社11から送信された外部信号である制限信号及び解除信号を受信する。HEMSコントローラ15は、給湯システム20と設備機器Aと設備機器Bとでの使用電力を管理する。
また、HEMSコントローラ15は、設定部16と電力検知部17と演算部18とを有する。設定部16は、制限信号に基づいて、給湯システム20と設備機器Aと設備機器Bとでの電力制限値を設定する。電力制限値は、給湯システム20と設備機器Aと設備機器Bとが使用できる合計電力の制限値である。電力制限値は、インターネット12を介してHEMSコントローラ15が受信した電力会社11からの外部信号(制限信号及び解除信号)に基づいて変更される。
電力検知部17は、設備機器A及び設備機器Bが使用している電力を検知する。演算部18は、給湯システム20が使用できる電力の上限値(給湯システム用上限値)を演算する。この給湯システム用上限値は、設定部16で設定された給湯システム20と設備機器Aと設備機器Bとでの電力制限値から、電力検知部17が検知した設備機器Aと設備機器Bとで使用される電力値を引いて求められる。
HEMSコントローラ15は、給湯システム用上限値を演算し、当該上限値を設定するための上限値設定信号を制御装置21に送信する。また、HEMSコントローラ15は、電力会社11からの解除信号を受信すると、給湯システム用上限値の設定を解除するための上限値解除信号を制御装置21に送信する。
制御装置21は、HEMSコントローラ15からの上限値設定信号を受信すると、給湯システム20の制御モードを通常モードから上限値設定モードに切り換える。一方、制御装置21は、HEMSコントローラ15からの上限値解除信号を受信すると、給湯システム20の制御モードを上限値設定モードから通常モードに切り換える。上限値設定モードとは、給湯システム20の使用電力に給湯システム用上限値を設け、この上限値を超えないように給湯システム20を運転する制御モードである。また、上限値設定モードとは、圧縮機31の使用電力に上限値(圧縮機用上限値)を設け、この上限値を超えないように圧縮機31を運転する制御モードである。通常モードは、給湯システム20の使用電力(圧縮機31の使用電力)に上限値を設けない制御モードである。
制御装置21には、給湯システム20に係る各種動作の制御プログラムやデータが格納されたROM、給湯システム20の各部の動作を制御する信号を生成するために各種演算を実行するCPU、各種設定やCPUでの演算結果等のデータを一時保管するRAM等の部材が含まれている。これら各種部材及びソフトウェアによって、図1に示すように、制御装置21には、運転制御部22、モード設定部23、電力検知部24、演算部25及び記憶部26が形成されている。
運転制御部22は、運転設定(例えば、設定温度)に基づいて圧縮機31、膨張弁33、ファン34及びポンプ41の動作を制御して、ユーザの要求を満足する加熱運転(後述する)を実行する。
モード設定部23は、HEMSコントローラ15からの上限値設定信号を受信すると、給湯システム20の制御モードを上限値設定モードに設定する。一方、モード設定部23は、HEMSコントローラ15からの上限値解除信号を受信すると、給湯システム20の制御モードを通常モードに設定する。
電力検知部24は、ヒートポンプユニット30(圧縮機31、ファン34等)及びタンクユニット40(ポンプ41等)が使用している電力を検知する。
演算部25は、圧縮機31が使用できる電力の上限値(圧縮機用上限値)を演算する。この圧縮機用上限値は、給湯システム用上限値から、電力検知部24が検知したヒートポンプユニット30の圧縮機31以外で使用される電力値と、タンクユニット40(ポンプ41等)で使用される電力値とを引いて求められる。
記憶部26は、通常モードにおける圧縮機31の回転数及びポンプ41の回転数の設定値と、上限値設定モードにおける圧縮機31の回転数及びポンプ41の回転数の設定値とを記憶している。具体的には、記憶部26は、通常モードにおける圧縮機31の回転数の設定値として、1つの値を記憶している。記憶部26は、通常モードにおけるポンプ41の回転数の設定値として、出湯温度の目標値と出湯温度の検知値と差に応じた、複数の値を記憶している。記憶部26は、上限値設定モードにおける圧縮機31の回転数の設定値として、圧縮機用上限値、及び、吐出管温度の目標値と吐出管温度の検知値と差に応じた、複数の値を記憶している。記憶部26は、上限値設定モードにおけるポンプ41の回転数の設定値として、外気温度、目標貯湯温度、入水温度、及び、圧縮機31の回転数の少なくともいずれかに応じた、複数の値を記憶している。上限値設定モードにおけるポンプ41の回転数の設定値として記憶部26に記憶されている各値は、目標貯湯温度(貯湯温度(給湯タンク42に貯留される温水の温度)の目標値)を同一とした場合に通常モードにおいて設定されるポンプ41の回転数よりも大きい。なお、記憶部26に記憶される圧縮機31の回転数及びポンプ41の回転数の設定値はこれに限定されない。
図2を参照しながら給湯システム20について説明する。
給湯システム20は、ヒートポンプユニット30と、タンクユニット40とを有している。ヒートポンプユニット30は、圧縮機31と、室外熱交換器(熱源側熱交換器)32と、膨張弁(減圧機構)33と、給湯用熱交換器39と、ファン34と、冷媒配管35と、温度センサ36,37,47,49と、制御装置21(図1参照)とを有している。なお、制御装置21は、ヒートポンプユニット30とタンクユニット40とに兼用されている。
温度センサ36は、圧縮機31の冷媒流出口の近傍に配置されており、圧縮機31から流出した冷媒の温度(吐出管温度)を検知し、制御装置21に出力する。温度センサ37は、外気温度を検知し、制御装置21に出力する。温度センサ47は、給湯用熱交換器39の温水流出口の近傍に配置されており、給湯用熱交換器から流出した温水の温度(出湯温度)を検知し、制御装置21に出力する。温度センサ49は、給湯タンク42の温水流出口の近傍に配置されており、給湯タンク42から流出して給湯用熱交換器に流入する温水の温度(入水温度)を検知し、制御装置21に出力する。運転制御部22は、温度センサ49から出力された温度(入水温度)が目標貯湯温度に達したときに、加熱運転を終了する。なお、温度検知手段としての温度センサ36,37,47,49は、検知した温度を制御装置21に出力することが可能であれば、どのようなものであってもよい。
ヒートポンプユニット30には、圧縮機31と室外熱交換器32と膨張弁33と給湯用熱交換器39とを接続する冷媒配管35の内部に冷媒が循環する冷媒回路38が構成されている。この冷媒回路38において、圧縮機31の吐出側には、給湯用熱交換器39の冷媒流入口が接続され、圧縮機31の吸入側には、室外熱交換器32の一端が接続されている。そして、室外熱交換器32の他端には、膨張弁33の一端が接続され、膨張弁33の他端には、給湯用熱交換器39の冷媒流出口が接続されている。ファン34は、室内熱交換器32に対向するように配置されている。
給湯システム20は、通常モード及び上限値設定モードのいずれの場合においても加熱運転等の運転が可能であって、制御装置21の運転制御部22によっていずれかの運転が実行される。加熱運転では、図2中矢印で示すように、圧縮機31から吐出される冷媒が給湯用熱交換器39、膨張弁33、室外熱交換器32へと順に流れ、室外熱交換器32を経た冷媒が圧縮機31に戻る加熱サイクル(正サイクル)が形成される。すなわち、給湯用熱交換器39が凝縮器、室外熱交換器32が蒸発器として機能する。この加熱運転では、給湯用熱交換器39で圧縮機31の吐出側から流入した冷媒と給湯用温水との間で熱交換されることによって、給湯用温水が加熱される。
タンクユニット40は、ポンプ41と、給湯タンク42と、給湯端末43と、水配管45,46と、制御装置21とを有する。タンクユニット40には、ポンプ41と給湯用熱交換器39とを接続する水配管45の内部に温水が循環する温水回路48が構成されている。この温水回路48において、ポンプ41の吐出側が給湯用熱交換器39の温水流入口に接続され、ポンプ41の吸入側が給湯タンク42の一端に接続されている。給湯用熱交換器39の温水流出口は給湯タンク42の他端に接続されている。
温水回路48では、給湯用熱交換機39を流れる冷媒と熱交換する温水が循環する。具体的には、加熱運転が実行されるときに、ポンプ41によって給湯タンク42から流出した給湯用温水が給湯用熱交換器39に供給され、給湯用熱交換器39で加熱された温水が給湯タンク42に戻される。なお、給湯タンク42に水配管46で接続された給湯端末43は、給湯タンク42内の温水をユーザに使用可能とする。
次に、給湯システム20の通常モードから上限値設定モードへの切り換え制御について図3に基づいて説明する。
図3に示すように、ステップS1では、制御装置21が給湯システム20を通常モードで運転している。
通常モードにおいて、制御装置21は、圧縮機31の回転数を一定に維持しつつ、ポンプ41の回転数を目標出湯温度に基づいてフィードバック制御する。具体的には、圧縮機31の駆動について、制御装置21は、記憶部26に記憶されている通常モードにおける圧縮機31の回転数の設定値(1つの値)を読み出し、当該設定値の回転数で圧縮機31を駆動させる。また、ポンプ41の駆動について、制御装置21は、ユーザにより給湯端末43を介して設定された目標貯湯温度に基づいて目標出湯温度(出湯温度の目標値)を決定し、記憶部26に記憶されている通常モードにおけるポンプ41の回転数の設定値(複数の値)の中から、出湯温度の目標値と出湯温度の検知値(温度センサ47から出力された温度)との差に対応する設定値を選択し、当該設定値の回転数でポンプ41を駆動させる。制御装置21は、目標貯湯温度、出湯温度の目標値及び出湯温度の検知値が変化する度に、ポンプ41の回転数の設定値を選択し直す。
ステップS2では、HEMSコントローラ15がインターネット12を介して電力会社11から制限信号を受信したか否かを判定し、制限信号を受信していなければ、ステップS2を繰り返す。
一方、HEMSコントローラ15が電力会社11からの制限信号を受信していれば、ステップS3に進む。ステップS3では、HEMSコントローラ15の設定部16が、電力会社11からの電力制限要求に応じた給湯システム20と設備機器Aと設備機器Bとでの電力制限値を設定する。
ステップS4では、HEMSコントローラ15の電力検知部17が、設備機器A及び設備機器Bが使用している電力を検知する。ステップS5では、HEMSコントローラ15の演算部18が、給湯システム20が使用できる電力の上限値(給湯システム用上限値)を演算する。このとき、HEMSコントローラ15が上限値設定信号を制御装置21に送信する。
ステップS6では、制御装置21が、HEMSコントローラ15からの上限値設定信号を受信することで、給湯システム20の制御モードを通常モードから上限値設定モードに切り換える。こうして、通常モードから上限値設定モードへの制御モードの切り換えが終了する。
上限値設定モードでは、電力検知部24により検知されるヒートポンプユニット30の圧縮機31以外(ファン34等)及びタンクユニット40(ポンプ41等)が使用している電力に基づいて、演算部25が圧縮機用上限値を演算する。当該演算処理は所定時間毎に繰り返し行われ、圧縮機用上限値が所定時間毎に更新される。
上限値設定モードにおいて、制御装置21は、圧縮機31の回転数を圧縮機用上限値に基づいて決定される最大の回転数に一定に維持しつつ、ポンプ41の回転数を目標貯湯温度を同一とした場合に通常モードにおいて設定される回転数よりも大きな回転数に固定して、フィードフォワード制御する。具体的には、圧縮機31の駆動について、制御装置21は、記憶部26に記憶されている上限値設定モードにおける圧縮機31の回転数の設定値(複数の値)の中から、圧縮機用上限値、及び、吐出管温度の目標値と吐出管温度の検知値(温度センサ36から出力された温度)との差に対応する設定値を選択し、当該設定値の回転数で圧縮機31を駆動させる。また、ポンプ41の駆動について、制御装置21は、記憶部26に記憶されている上限値設定モードにおけるポンプ41の回転数の設定値(複数の値)の中から、外気温度、目標貯湯温度、入水温度及び圧縮機31の回転数の少なくともいずれかに基づいて決定される1つの値を選択し、当該設定値の回転数でポンプ41を駆動させる。
或いは、制御装置21は、圧縮機31の回転数の設定値及び/又はポンプ41の回転数の設定値を、記憶部26から抽出する代わりに、演算により求めてもよい。例えば、制御装置21は、下記式に基づいて、ポンプ41の回転数の設定値を演算により求めてよい。
ポンプの回転数の設定値=[C1×(K1×圧縮機の回転数+K2×外気温度)]/[K3×(目標貯湯温度−入水温度)]+C2
(C1,C2,K1,K2,K3:定数)
制御装置21は、圧縮機用上限値、及び、吐出管温度の目標値と吐出管温度の検知値と差の少なくともいずれかが変化する度に、圧縮機31の回転数の設定値を選択又は演算し直し、また、外気温度、目標貯湯温度、入水温度及び圧縮機31の回転数の少なくともいずれか(ポンプ41の回転数の設定値の決定要因)が変化する度に、ポンプ41の回転数の設定値を選択又は演算し直す。
また、上限値設定モードにおいて、制御装置21は、図4に示すように、ステップS11で、加熱運転が実行されているか否かを判定し、加熱運転が実行されていなければ、ステップS11を繰り返す。加熱運転が実行されていれば、制御装置21は、ステップS12で、入水温度が目標貯湯温度に達したか否かを判定する。入水温度が目標貯湯温度に達していなければ、ステップS12を繰り返す。入水温度が目標貯湯温度に達していれば、ステップS13で加熱運転を終了する。
さらに、上限値設定モードにおいて、制御装置21は、吐出管温度の目標値を通常モードでの目標値よりも低く設定する。これにより、圧縮機31の使用電力をより一層抑制することができ、上限値設定モードにおいて長時間の連続運転が可能となる。
図3では、通常モードから上限値設定モードへの切り換え制御について説明したが、上限値設定モードから通常モードへの切り換えは、HEMSコントローラ15が電力会社11からの解除信号を受信し、制御装置21がHEMSコントローラ15から送信される上限値解除信号を受信することで、給湯システム20の制御装置21が制御モードを上限値設定モードから通常モードに切り換える。こうして、上限値設定モードから通常モードへの制御モードの切り換えが終了する。
[本実施形態の給湯システム及び電力制限システムの特徴]
本実施形態の給湯システム及び電力制限システムには以下の特徴がある。
本実施形態の給湯システム20では、上限値設定モードにおいて、ポンプ41の回転数を通常モードで設定される回転数よりも大きな回転数に固定してフィードフォワード制御する(図3のステップS6参照)。これにより、圧縮機31の使用電力を抑制しつつ、貯湯温度を目標値まで上げることができる。
本実施形態の給湯システム20では、上限値設定モードにおけるポンプ41の回転数が、外気温度、目標貯湯温度、入水温度及び圧縮機31の回転数の少なくともいずれかに基づいて決定される。これにより、より確実に、貯湯温度を目標値まで上げることができる。
本実施形態の給湯システム20では、上限値設定モードにおいて、加熱運転が実行されている状態で入水温度が目標貯湯温度に達した場合に加熱運転を終了する(図4参照)。これにより、より確実に、貯湯温度を目標値まで上げることができる。
本実施形態の給湯システム20では、上限値設定モードにおいて、圧縮機の回転数を、上限値に基づいて決定される最大の回転数とする(図3のステップS6参照)。これにより、より確実に、貯湯温度を目標値まで上げることができる。
本実施形態の電力制限システム13では、給湯システム20の制御装置21は、制御モードを、HEMSコントローラ15から制御装置21への信号により、通常モードから上限値設定モードに切り換える(図3参照)。このように、HEMSコントローラ15を用いることで、圧縮機31の使用電力を確実に制御できる。
本実施形態の電力制限システム13では、HEMSコントローラ15から制御装置21への信号が、HEMSコントローラ15がインターネット12を介して受信した外部信号(制限信号及び解除信号)に基づいて変更される(図3参照)。これにより、インターネット12からの外部信号により制御モードを通常モードから上限値設定モードに切り換えることができる。
以上、本発明の実施形態について図面に基づいて説明したが、本発明は、上述の実施形態に限定されるものでないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明だけではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれる。
制御モードの切換について:
・HEMSコントローラ15がインターネット12に接続されておらず、HEMSコントローラ15が給湯システム20以外の設備機器A及び設備機器Bにおける電力の使用状況に応じてモード切換に係る信号を送信し、当該信号を受信することで、制御装置21が給湯システム20の制御モードを切り換えてもよい。
・HEMSコントローラ15からの信号によらず、給湯タンク42からの信号や、給湯システム20に付属する図示しない電力計又はリモコンからの信号を受信することで、制御装置21が給湯システム20の制御モードを切り換えてもよい。
・給湯システム20に内蔵されたカレンダー機能や時計に予めプログラムされた条件が成立することで、制御装置21が給湯システム20の制御モードを切り換えてもよい。同様に、外気温度、使用状況又は電流値により、制御装置21が給湯システム20の制御モードを切り換えてもよい。
上限値設定モードでは、圧縮機31の回転数を、圧縮機用上限値に基づいて決定される最大の回転数にすることに限定されず、圧縮機用上限値以外の要素に基づいて決定される回転数としてもよい。
上限値設定モードでは、加熱運転が実行されている状態で入水温度が目標貯湯温度に達した場合に加熱運転を終了することに限定されず、例えば、出湯温度が目標貯湯温度に達した場合に加熱運転を終了してもよい。
上限値設定モードにおけるポンプの回転数は、外気温度、目標貯湯温度、入水温度及び圧縮機31の回転数の少なくともいずれかに基づいて決定されることに限定されず、これら以外の要素に基づいて決定されてもよい。
HEMSコントローラ15の代わりに、BEMSコントローラ、MEMSコントローラ等を採用してもよい。
上限値設定モードは、圧縮機31の使用電力に上限値を設けて運転するモードに限定されず、圧縮機31の使用電流又は使用皮相電力に上限値を設けて運転するモードであってもよい。電流又は皮相電力は、電力よりも、検知が容易であり、安価なセンサで検知が可能である。
12 インターネット
13 電力制限システム
15 HEMSコントローラ
20 給湯システム
21 制御装置
31 圧縮機
32 室外熱交換器(熱源側熱交換器)
33 膨張弁(減圧機構)
35 冷媒配管
38 冷媒回路
39 給湯用熱交換器
41 ポンプ
42 給湯タンク(タンク)
45 水配管
48 温水回路

Claims (6)

  1. 圧縮機と熱源側熱交換器と減圧機構と給湯用熱交換器とを有する冷媒回路と、
    タンクと前記タンクから流出した温水を前記給湯用熱交換器に供給して前記給湯用熱交換器で加熱された温水を前記タンクに戻すポンプとを有する温水回路とを備え、
    通常モードと、前記圧縮機の使用電力、使用電流又は使用皮相電力に上限値を設けて運転する上限値設定モードとを含む制御モードで運転可能な給湯システムにおいて、
    前記通常モードでは、前記ポンプの回転数を、目標出湯温度に基づいて、フィードバック制御し、
    前記上限値設定モードでは、前記ポンプの回転数を、目標貯湯温度を同一とした場合に前記通常モードにおいて設定される回転数よりも大きな回転数に固定して、フィードフォワード制御することを特徴とする給湯システム。
  2. 前記上限値設定モードにおける前記ポンプの回転数は、外気温度、目標貯湯温度、入水温度及び前記圧縮機の回転数の少なくともいずれかに基づいて決定されることを特徴とする請求項1に記載の給湯システム。
  3. 前記給湯用熱交換器を凝縮器、前記熱源側熱交換器を蒸発器として作用させる加熱運転を実行可能であり、
    前記上限値設定モードでは、前記加熱運転が実行されている状態で入水温度が目標貯湯温度に達した場合に前記加熱運転を終了することを特徴とする請求項1又は2に記載の給湯システム。
  4. 前記上限値設定モードでは、前記圧縮機の回転数を、前記上限値に基づいて決定される最大の回転数とすることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の給湯システム。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の給湯システムと、
    前記給湯システムに接続され、前記圧縮機の使用電力、使用電流又は使用皮相電力を管理するHEMSコントローラとを備え、
    前記給湯システムは、前記制御モードを、前記HEMSコントローラから前記給湯システムへの信号により、前記通常モードから前記上限値設定モードに切り換えることを特徴とする電力制限システム。
  6. 前記HEMSコントローラがインターネットに接続され、
    前記HEMSコントローラから前記給湯システムへの信号は、前記HEMSコントローラが前記インターネットを介して受信した外部信号に基づいて変更されることを特徴とする請求項5に記載の電力制限システム。
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