JP6651165B2 - 薄膜トランジスタ及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、半導体素子及びその製造方法に関する。
近年、有機エレクトロルミネッセンス(有機EL)素子などの薄型軽量表示素子の開発に伴い、半導体素子としてキャリアの移動度(以下、移動度と記載する)の高い材料の開発が求められている。現在移動度の高い金属酸化物であるインジウム・ガリウム・亜鉛酸化物といった金属酸化物が開発されている(特許文献1)。
また、現在の半導体素子はシリコンが中心であり、プロセスは高価な真空装置と高温プロセスを必要とする。また、フォトリソグラフィーを用いているため複数の工程を経る必要がある。このため、半導体素子の製造コストが高いという問題がある。そこで、移動度の高い無機半導体粒子からなる層を形成する方法として、塗布法のような非真空系のプロセスの検討も盛んに行われている。
国際公開第2005/088726号
無機半導体の場合、薄膜の成膜温度として約300度以上の高温を必要とする。このため、無機半導体の成膜にはガラス基板やシリコンウエハを基板として用いなければならず、耐衝撃性及びフレキシブル性が望まれる樹脂基板などへの応用は極めて困難である。
そこで本発明は、非真空系プロセスでかつ低温プロセスで製造可能であり、より高い移動度を発現することができる半導体素子及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記の課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の一態様に係る半導体素子は、無機粒子と、比誘電率が3以上150以下の有機化合物と、を含む半導体層を少なくとも1層有し、前記無機粒子は金属酸化物粒子又はシリコン粒子であり、前記半導体層中の無機粒子の比率は10質量%以上、90質量%以下であることを特徴とする。
また、本発明の一態様に係る半導体素子の製造方法は、無機粒子と、比誘電率が3以上150以下の有機化合物と、1種以上の有機溶媒とを含む塗布液を基板に塗布し塗布膜を得る塗布工程と、前記塗布膜を20℃以上300℃以下の乾燥温度で乾燥させて、該塗布膜から前記有機溶媒の少なくとも一部を除去する乾燥工程と、を含むことを特徴とする。
本発明によれば、非真空系プロセスでかつ低温プロセスで製造可能であり、より高い移動度を発現することができる半導体素子及びその製造方法を提供することができる。
無機粒子51及び有機誘電体52のみから構成される半導体層を模式的に示す図である。 無機粒子56のみから構成される半導体層を模式的に示す図である。 本実施形態に係る半導体素子100の構成例を模式的に示す断面図である。 本実施形態に係る半導体素子200の構成例を模式的に示す断面図である。 本実施形態に係る半導体素子300の構成例を模式的に示す断面図である。 本実施形態に係る半導体素子100の製造方法を工程順に示す断面図である。 TOF装置の概略図である。 実施例6の素子を用いて走行時間(Tr)を測定した図である。 実施例7の素子を用いて走行時間(Tr)を測定した図である。 実施例8の素子を用いて走行時間(Tr)を測定した図である。 実施例9の素子を用いて走行時間(Tr)を測定した図である。 実施例10の素子を用いて走行時間(Tr)を測定した図である。 実施例11の素子を用いて走行時間(Tr)を測定した図である。 比較例2の素子を用いて走行時間(Tr)を測定した図である。 酸化チタンの周辺に比誘電率1の誘電体がある場合の状態密度をシミュレーションした結果を示す図である。 酸化チタンの周辺に比誘電率25.6の誘電体がある場合の状態密度をシミュレーションした結果を示す図である。 HOMO−LUMOのエネルギー準位の誘電率依存性を示した図である。 サンプル1、2のESR測定結果を示す図である。 サンプル3、4のESR測定結果を示す図である。
以下、本発明の好適な実施形態を詳細に説明する。本発明の実施形態に係る半導体素子は、無機粒子と、比誘電率が3以上150以下の有機化合物と、を含む半導体層を少なくとも1層有する。無機粒子は金属酸化物粒子又はシリコン粒子である。また、半導体層中の無機粒子の比率は10質量%以上、90質量%以下である。
まず、無機粒子、比誘電率が3以上150以下の有機化合物、半導体層についてそれぞれ説明する。次に、半導体素子の構造と製造方法について説明する。
<無機粒子>
本発明の無機粒子とは、金属酸化物粒子又はシリコン粒子である。金属酸化物粒子やシリコン粒子は空気中で安定であり、また長期信頼性も高いため半導体素子を作製する上で好適である。
(金属酸化物粒子)
金属酸化物粒子に用いられる金属酸化物としては、酸化銅(I)、酸化銅(II)、酸化鉄、酸化亜鉛、酸化銀、酸化チタン(ルチル、アナターゼ)、アルミニウムをドープした酸化亜鉛(AZO)、ガリウムをドープした酸化亜鉛(GZO)酸化インジウムスズ(ITO)、酸化スズ、フッ素ドープの酸化スズ(FTO)、酸化インジウム、インジウム・ガリウム・亜鉛酸化物、酸化ニッケル、CuAlO、CuGaO、SrCu、LaCuOS、LaCuOSe、CuInO、ZnRh4、12CaO・7Al(C12A7)、Ga等の金属酸化物が挙げられる。金属酸化物は透明性、キャリアの移動度、低コストの観点から、酸化チタン(ルチル、アナターゼ)又は酸化亜鉛、アルミニウムをドープした酸化亜鉛(AZO)、ガリウムをドープした酸化亜鉛(GZO)であることが好ましい。金属酸化物粒子に用いられるこれらの金属酸化物は、二種以上を併用してもよい。
酸化チタン粒子としては、例えば、二酸化チタン、一酸化チタン、三酸化二チタン等からなる粒子のうちの、1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。また、この中でも、酸化チタン粒子としては、主として二酸化チタンで構成されるものが好ましい。二酸化チタンは、光に対する感受性が高く、より容易かつ確実に電子が励起される。このため、酸化チタン粒子として、主として二酸化チタン粒子を用いた酸化チタン層は、より確実に電子を発生することができる(以下、「酸化チタン」とは二酸化チタンを示す。)。
使用できる酸化チタン粒子の種類としては、ST−01、ST−21、ST−31、ST−41、ST−30L、STS−01、STS−02、STS−21、STS−100、ST−K211、ST−K101、ST−K102a、ST−K102b、ST−K300、ST−K211、ST−K102、PT−301、PT−401M、PT−401L、CR−EL、PT−501R、PT501A、MC−50、MC−90、MC−150、FTL−100、FTL−110、FTL−200、FTL−300、R−820、R−830、R−930、R−980、CR−Super70、CR−80、CR−90、CR−90−2、CR−93、CR−95、CR−97、UT771、R−630、CR−50、CR−50−2、CR−57、CR−953、R−630、CR−58、R−780、CR−58−2、R−780−2、PF−736、CR−63、PF−742、CR−60−2、R−550、PF−690、PF−691、PF−737、PF−711、R−680、PF−739、PC−3、W−10、A−220、TTO−51(A)、TTO−51(C)、TTO−55(A)、TTO−55(B)、TTO−55(C)、TTO−55(D)、TTO−S−1、TTO−S−2、TTO−S−3、TTO−S−4、MPT−136、TTO−V−3、TTO−V−4、TTO−F−2、TTO−F−6及びTTO−W−5(以上、いずれも石原産業社製);P25、PF2、P90、T805及びNKT90(以上、いずれも日本アエロジル社製);並びにJR−301、JR−403、JR−405、JR−600A、JR−605、JR−600E、JR−603、JR−701、JRNC、JR−800、JR−805、JR−806、JR、JA−1、JA−3、JA−C、MT−01、MT−10EX、MT−05、MT−100TV、MT−100Z、MT−150A、MT−150EX、MT−150W、MT−100AQ、MT−100WP、MT−100SA、MT−100HD、MT−500B、MT−500SA、MT−600B、MT−700B、MTY−02、MTY−110M3S、MT−500SAS、MTY−700BS、MT−300HD、MT−500HD、MT−600SA、MT−700HD、JMT−150IB、JMT−150AO、JMT−150FI、JMT−150ANO、AMT−100、AMT−400、AMT−600、TITANIX JA−1、TKP−101、TKP−102、TKS−201、TKS−202、TKS−203、TKD−701、TKD−702、TKD−801、TKD−802、TKC−303、TKC−304、TKC−305及びJR−1000(以上、いずれもテイカ社製)などが挙げられる。
酸化チタン粒子の代表的な製法としては、塩素法と硫酸法とがある。塩素法は原料(イルメナイト鉱石)をコークス・塩素と反応させ、一度ガス状の四塩化チタンにする。ガス状の四塩化チタンを冷却して液状にした後、高温で酸素と反応させ、塩素ガスを分離することによって酸化チタン粒子を得る。一方、硫酸法は原料(イルメナイト鉱石)を濃硫酸に溶解させ、不純物である鉄分を硫酸鉄(FeSO)として分離し、一度オキシ硫酸チタン(TiOSO)にする。これを加水分解するとオキシ水酸化チタン(TiO(OH))となり沈殿する。この沈殿物を洗浄・乾燥し、焼成することによって酸化チタン粒子を得る。
酸化チタンの結晶型は、アナターゼ型、ルチル型、ブルッカイト型がある。酸化チタンの結晶型はアナターゼ型、ルチル型、ブルッカイト型により、格子定数、強度及び面指数が異なるため、X線回折測定により同定することできる。
本実施形態の酸化チタン粒子は、アナターゼ型が好適であり、アナターゼ型酸化チタン粒子を含むことが好ましい。
酸化チタンは、結晶型の異なるものを2種類以上混合しても良く、光導電性を発現する観点からアナターゼ型酸化チタン粒子が30質量%以上含まれることが好ましく、60質量%以上含まれることがより好ましく、80質量%以上含まれることがさらに好ましく、90質量%以上含まれることが極めて好ましく、100質量%含まれることが最も好ましい。
酸化チタン粒子のX線回折スペクトルにおいて、主要ピークの半値幅は酸化チタンの結晶性を表す尺度である。酸化チタン粒子のX線回折測定を行った場合、アナターゼ型酸化チタン粒子が用いられていれば回折角2θ=24〜26°にアナターゼの主要ピークである(101)面の回折ピークがあらわれる。また、ルチル型酸化チタン粒子が用いられていれば回折角2θ=26〜28°にルチルの主要ピークである(110)面の回折ピークがあらわれる。主要ピークから半値幅を測定できる。酸化チタンの結晶性を示すX線回折から得られる半値幅は、酸化チタン粒子内のキャリア輸送の観点から5.0°以下が好ましく、3.0°以下がより好ましく、2.0°以下がさらに好ましい。また酸化チタン粒子の結晶性が高すぎることで成膜性が悪くなるため、当該半値幅は0.2°以上が好ましく、0.3°以上がより好ましく、0.4°以上がさらに好ましい。
使用できる酸化亜鉛粒子の種類としては、FZO−50(石原産業株式会社製)、MZ−300、MZY−303S、MZ−306X、MZ−500、MZY−505S、MZY−510M3S、MZ−506X、MZ−510HPSX(以上、テイカ社製)、酸化亜鉛分散液(製品番号:721077、721093、721107、721085、633844、以上アルドリッチ社製)などが挙げられる。
また、金属酸化物をスパッタ法などで作製したものを、粉砕して使用しても良い。粉砕する方法としては、乾式粉砕でも湿式粉砕でもよく、双方の方法を用いてもよい。乾式粉砕には、ハンマークラッシャ等が利用できる。湿式粉砕には、ボールミル、遊星ボールミル、ビーズミル、ホモジナイザー等が利用できる。湿式粉砕時の溶媒としては、下記が挙げられる。
すなわち、溶媒として、水、ペンタン、ヘキサン、ペプタン、オクタン、ノナン、デカン、2−メチルヘキサン、デカリン、テトラリン、メタノール、エタノール、n−プロパノール、2−プロパノール、n−ブタノール、t−ブタノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、エチレングリコールモノ2−エチルヘキシルエーテル、プロピレングリコールn−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールn−ブチルエーテル、トリプロピレングリコールn−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテル、トリプロピレングリコールメチルエーテル、グリセリンアセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、ベンゼン、キシレン、トルエン、フェノール、アニリン、ジフェニルエーテルなどの芳香族類、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、アセトニトリル、メチルアセテート、テトラヒドロフラン、乳酸ブチル、N−メチルピロリドン等が挙げられる。またこれらを混合して用いることも可能である。
金属酸化物粒子の製造方法としては、特に限定はなく、例えばゾルゲル法等によって製造できる。
金属酸化物粒子の表面を有機官能基で修飾しても良い。表面を有機官能基で修飾することで、有機溶媒への分散性が向上し、均一な膜が作製できる。有機官能基の修飾方法として例えばシアノエチル化などがあげられる。
金属酸化物粒子の平均粒子径は、透過型電子顕微鏡又は走査型電子顕微鏡を用いて測定される。
金属酸化物粒子の平均粒子径は1nm以上、500nm以下が好ましい。金属酸化物粒子の平均粒子径としては、粒子間の接触抵抗の低減と拡散長の観点から、3nm以上が好ましく、5nm以上がより好ましい。また、同様の観点から、同平均粒子径は、100nm以下が好ましく、80nm以下がより好ましく、50nm以下が極めて好ましい。
本実施形態で用いる金属酸化物粒子は、粒子径分布の相対標準偏差σが0.1nm以上5.0nm以下であることが好ましい。なお、低抵抗化の観点から、この相対標準偏差σは3.0nm以下がより好ましく、2.0nm以下が更に好ましい。
(シリコン粒子)
シリコン粒子について説明する。シリコン粒子の製造方法としては、特に限定はなく、例えば、パルス圧力付加オリフィス噴射法を利用した高結晶性半導体マイクロ粒子製造装置を用いた方法、多結晶又は単結晶のシリコンインゴット若しくはウエハを粉砕する方法等によって製造できる。また、ウエハ作製時の切屑なども、シリコン粒子として使用できる。インゴット又はウエハを粉砕する方法としては、乾式粉砕でも湿式粉砕でもよく、双方の方法を用いてもよい。乾式粉砕には、ハンマークラッシャ等が利用できる。湿式粉砕には、ボールミル、遊星ボールミル、ビーズミル、ホモジナイザー等が利用できる。
シリコン粒子は、p型シリコン粒子、n型シリコン粒子、ノンドープのシリコン粒子がある。シリコン粒子がp型半導体の場合、例えば、ホウ素、ガリウム等を添加物としてドープしたシリコンが使用される。シリコンがn型半導体の場合、例えば、リン、窒素、砒素等を添加物としてドープしたシリコンが使用される。シリコンに含まれるこれらの添加物濃度は、1×1012atom/cm以上が好ましく、1×1013atom/cm以上がより好ましい。また、同添加物濃度は、1×1021atom/cm以下が好ましく、1×1020atom/cm以下がより好ましい。シリコンの抵抗率は、半導体中における電荷の移動及び空乏層の広がりの観点から、0.0001Ωcm以上が好ましく、0.001Ωcm以上がより好ましい。また、同抵抗率は、1000Ωcm以下が好ましく、100Ωcm以下がより好ましい。
シリコン粒子の平均粒子径は、粒子間の接触抵抗の低減の観点から、100μm以下が好ましく、70μm以下がさらに好ましく、10μm以下が極めて好ましい。また、同平均粒子径は、粒子と電極との接触抵抗の低減及び拡散長の観点から0.001μm以上が好ましく、0.01μm以上がより好ましく、0.1μm以上がさらに好ましい。
本実施形態において、シリコン粒子等の粒子の平均粒子径は、マイクロスコープを使っ
た画像処理方法により測定される。
<比誘電率が3以上150以下の有機化合物>
比誘電率とは、測定周波数を1kHz、測定温度を23℃とし、インピーダンス法で測定した値をいう。比誘電率の好ましい範囲としては、移動度向上の観点から3以上が好ましく、5以上がより好ましく、10以上がさらに好ましい。また、比誘電率は、同様の観点から150以下が好ましく、100以下がより好ましく、80以下がさらに好ましく、50以下がさらに好ましく、35以下がさらに好ましい。
比誘電率が3以上、150以下の有機化合物(以下、有機誘電体ともいう)としては、下記が挙げられる。
有機化合物としては、一般的な樹脂として、ポリ塩化ビニリデン、アクリル樹脂、アセチルセルロース、アニリン樹脂、ABS樹脂、エボナイト、塩化ビニル樹脂、アクリルニトリル樹脂、アニリンホルムアルデヒド樹脂、アミノアルキル樹脂、ウレタン、AS樹脂、エポキシ樹脂、ビニルブチラール樹脂、シリコン樹脂、酢酸ビニル樹脂、スチレンブタジェンゴム、シリコーンゴム、酢酸セルロース、スチレン樹脂、デキストリン、ナイロン、軟質ビニルブチラール樹脂、フッ素系樹脂、フルフラル樹脂、ポリアミド、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、フェノール樹脂、フラン樹脂、ポリアセタール樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、ポリサルファイドポリマー、ポリエチレン等が挙げられる。また、アセトン、メチルアルコール、イソブチルアルコール、エチルアルコール、アニリン、イソブチルメチルケトン、エチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、グリセリン、クレゾールグリコール、ジアレルフタレート、デキストリン、ピラノール、フェノール、ベークライトワニス、ホルマリン、チオグリセロール、クロロピレン、コハク酸、コハク酸ニトリル、ニトロセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、デンプン、ヒドロキシプロピルデンプン、プルラン、グルシドールプルラン、ポリビニルアルコール、シュクロース、ソルビトール、シアノ基含有有機化合物等が挙げられる。
なお、シアノ基含有有機化合物とは、シアノ基が1つ以上含まれる化合物のことである。シアノ基含有有機化合物は、より好ましくはシアノエチル基含有有機化合物である。シアノ基含有有機化合物の具体例としては、シアノエチルプルラン、シアノエチルポリビニルアルコール、シアノエチルサッカロース(シアノエチルスクロース)、シアノエチルセルロース、シアノエチルヒドロキシエチルセルロース、シアノエチルデンプン、シアノエチルヒドロキシプロピルデンプン、シアノエチルグリシドールプルラン、シアノエチルソルビトール等が挙げられる。
なお、フッ素系樹脂の具体例として、C4−n(nは0から3)を骨格とするポリマーで、具体的にはポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレンなどが挙げられる。またこれらを共重合させてもよく、前記フッ素系樹脂を基本とし、別な樹脂と共重合させても良い。また、前記化学式の水素の一部を塩素に置換しても良い。たとえばポリクロロトリフルオロエチレンなどが挙げられる。
さらにフッ素系樹脂の具体例として、フッ素系イオン交換樹脂が挙げられる。具体的には、一般式CF=CF−O(CFCFX)O−(CF−Wで表わされるフッ化ビニル化合物と、一般式CF=CFZで表わされるフッ化オレフィンとの、少なくとも2元共重合体からなるものが挙げられる。ここでXはF又は炭素数1から3のパーフルオロアルキル基、nは0から3の整数、mは1から5の整数、ZはH、Cl、F又は炭素数1〜3のパーフルオロアルキル基である。また、WはCOOH、SOH、SOF、SOCl、SOBr、COF、COCl、COBr、COCH、COで表される基のいずれかである。
特に有機化合物の場合、極性の高い原子又は官能基を含む有機化合物が誘電率が大きく好ましい。極性の指標となる双極子モーメントは結合モーメントの和で推測できる。比誘電率が2以上の有機化合物としては、結合モーメントが1.4D(D=3.33564×10−30Cm)以上の置換基を有している化合物が好ましい。結合モーメントが1.4D以上である置換基としては、OH、CF、CCl、C=O、N=O、CN等がある。これらの置換基を有する比誘電率が2以上の有機化合物としては、フッ素系樹脂、グリセリン、チオグリセロール、シアノ基含有有機化合物等が挙げられる。
なお、有機誘電体は、ある程度透明であることが好ましい。有機誘電体から構成される膜の透過率は、550nmの波長の光に対して35%以上であることが好ましく、50%以上であることがより好ましく、70%以上であることがさらに好ましい。透過率は分光光度計で測定することができる。透過率の上限は特に限定されないが、100%以下である。透過率は、分光光度計を用いて測定することができる。測定基材は石英ガラスや樹脂基板を用いることができる。
なお、有機誘電体は、膜の柔軟性を付与する観点から分子量が500以上の高分子の有機化合物が良い。
また、製造方法を簡略化するため、後述する半導体層中の有機誘電体は、1層につき1種類が好ましい。
<無機粒子と、比誘電率が3以上150以下の有機化合物と、を含む半導体層>
次に、無機粒子と、比誘電率が3以上150以下の有機化合物(即ち、有機誘電体)と、を含む半導体層について説明する。
図1に示すように、この半導体層は、無機粒子51及び有機誘電体52のみから構成される層である。または、この半導体層は、無機粒子51及び有機誘電体52とその他の成分(図示せず)とから構成される層である。その他の成分としては、例えば、溶媒、バインダー成分、又は無機成分等の何れか一つ以上が挙げられる。無機粒子51は、金属酸化物粒子又はシリコン粒子である。
金属酸化物粒子としては前述したものが挙げられる。本実施形態の金属酸化物粒子としては、p型金属酸化物粒子、n型金属酸化物粒子が挙げられる。本実施形態のシリコン粒子としては、p型シリコン粒子、n型シリコン粒子、ノンドープのシリコン粒子が挙げられる。
金属酸化物粒子又はシリコン粒子と有機誘電体とを混合することで、これまでの粒子を使用する上での課題が解決できる。その課題とは、粒子表面に存在する欠陥が、トラップ準位となり、粒子の半導体としての特性を劣化するというものである。例えば図2に示すように、無機粒子56のみで半導体層を構成した場合でも、電子(e)は矢印で示すように陰極側から陽極側に向けて流れるが、無機粒子56の表面に存在する欠陥がトラップ準位となり、電子がトラップされる。
なお、その課題の一部は半導体層を高温焼結することにより解決できるが、高温焼結によって粒子特有の物性(即ち、即ち、量子サイズ効果、大きな表面積)の発現が困難になり、また、高温プロセスのためコスト高になってしまう。また、低温プロセスで作製した粒子からなる膜は粒子間の接触が不均一であり、焼結されていないので、キャリアの移動が遅くなる。よって、低温プロセスで、かつ粒子の表面の欠陥制御、伝導パスの制御、電子状態等を制御する技術が必要となっている。低温プロセスとは、本発明において20℃以上、300℃以下の温度領域のこという。この領域の温度では、安い汎用樹脂が利用できるようになり、工業プロセス上、非常に重要な温度領域である。同温度は、より好ましくは20℃以上、200℃以下がよく、さらに好ましくは20℃以上、150℃以下である。
本発明者は、その課題を解決するため、無機粒子と比誘電率が3以上150以下の有機化合物(即ち、有機誘電体)とを混合することを見出した。無機粒子と有機誘電体とを混合することで、無機粒子表面の欠陥量を低減させることができ、その結果、欠陥準位によるキャリア移動の阻害やキャリアの再結合を防止できる。よって、低温プロセスにおいても、有機誘電体を混合することで、無機粒子単独で半導体層を構成する場合と比べて、半導体層の電気抵抗を低減することができ、又はキャリアの移動度を向上させることができる。
また、無機粒子と有機誘電体とを混合することで、キャリアの伝導パスが増加する効果がある。無機粒子だけで膜を形成すると、無機粒子同士が繋がっていない箇所が多数発生する。無機粒子と有機誘電体とを混合することで、疑似的に無機粒子間のコンタクトが増える。また、実際に無機粒子同士が密接につながっていなくても有機誘電体が数nmの間隔で入ることにより、キャリアが半導体層内を通りぬけることが可能になると推測される。よって、半導体層内に流れるキャリア量が増え、さらにキャリアが半導体層内を流れる時間も短くなる。
また、無機粒子と有機誘電体を混合することで、周辺酸素(即ち、粒子界面の空壁に存在する空気)を遮断することができる。その結果、酸素で失活するキャリアを減らすことができるため、キャリア密度の向上や移動度の向上に寄与する。
また、無機粒子と有機誘電体とを混合することで、半導体の電子状態を制御できる可能性がある。特に、無機粒子の誘電率と、無機粒子周辺にある有機誘電体の誘電率とが近い値となる場合において、又は、無機粒子の誘電率よりも無機粒子周辺にある有機誘電体の誘電率の方が高くなる場合において、伝導準位の電子密度を上げることで、キャリアの移動に良い影響を及ぼす。その効果がより顕著となるのは、無機粒子の誘電率と無機粒子周辺にある有機誘電体の誘電率とが同じ値となるときである。
無機粒子と有機誘電体とを含む半導体層中の無機粒子の含有量は、電気特性の観点から10質量%以上が好ましく、20質量%以上がより好ましく、35質量%がより好ましく、40質量%がより好ましい。また、同様の観点から、同含有量は99.5質量%以下が好ましく、99質量%以下がより好ましく、90質量%以下がさらに好ましく、80質量%以下が極めて好ましい。
前記半導体層中の有機誘電体の含有量は、光電変換特性の観点から0.5質量%以上が好ましく、1質量%以上がより好ましく、10質量%以上がさらに好ましく、20質量%以上が極めて好ましく、さらに30質量%以上がより好ましく、40質量%以上が極めて好ましい。また、同様の観点から、同含有量は90質量%以下が好ましく、80質量%以下がより好ましく、70質量%以下がさらに好ましく、65質量%以下がさらに好ましい。
また、同半導体層の層厚は、電気特性の観点から0.1μm以上が好ましく、0.2μm以上が好ましく、0.5μm以上がより好ましい。また、同様の観点から、同層厚は、1000μm以下が好ましく、500μm以下がより好ましい。
無機粒子の密度によって、「無機粒子及び有機誘電体から構成される半導体層」中に混合する有機誘電体の質量%が変化する。よって、膜中の有機誘電体の体積%も重要である。膜のフレキシブル性や有機誘電体の効果を発現するために、膜中の有機誘電体の含有量は10体積%以上が好ましく、20体積%以上がさらに好ましい。また、同様の観点から、膜中の有機誘電体の含有量は、90体積%以下が好ましく、80体積%以下が極めて好ましい。また、膜中の無機粒子の含有量は10体積%以上が好ましく、20体積%以上がさらに好ましい。また、同様の観点から、膜中の無機粒子の含有量は90体積%以下が好ましく、80体積%以下が極めて好ましい。
半導体層中の有機誘電体は、無機粒子のバインダーとして機能する観点から有機化合物が良い。キャリア移動の観点から、半導体層は、無機粒子として単一の金属酸化物粒子又は単一のシリコン粒子と、有機誘電体とのみから構成される層であることが好ましい。
無機粒子と有機誘電体とを含む半導体層は、有機誘電体と無機粒子とが均一に分布している(即ち、均一分散膜である)ことが好ましい。分布を均一にすることで、半導体層の電気特性の異方性がなくなり、半導体層の厚さ方向の導電性が一定となる。これにより、この半導体層を用いた半導体素子の性能のバラツキが小さくなる。
均一分散膜について具体的に説明する。膜中の無機粒子と有機誘電体とが均一に分散している膜であり、膜の膜厚方向における下半分と上半分の無機粒子と有機誘電体の割合がほぼ同一であり、下半分の無機粒子の比率(%)と上半分の無機粒子の比率(%)の差、つまり上半分の無機粒子の比率―下半分の無機粒子の比率=10以下であることが好ましい。膜厚方向の均一さは断面を切断し、走査型電子顕微鏡のコントラスト差で測定することができる。
半導体層の移動度は、0.0001cm/Vs以上が好ましく、0.001cm/Vs以上がさらに好ましい。半導体層の移動度が高ければ、半導体素子の抵抗低減に寄与できるため好ましい。
<半導体素子>
半導体素子としては、ダイオード、トランジスタ、薄膜トランジスタ、メモリ、フォトダイオード、発光ダイオード、発光トランジスタ、センサ等が挙げられる。
トランジスタ及び薄膜トランジスタは、アクティブマトリックス駆動方式ディスプレイ、液晶ディスプレイ、分散型液晶ディスプレイ、電気泳動型ディスプレイ、エレクトロクロミックディスプレイ、有機発光ディスプレイ、電子ペーパー等の種々の表示装置や、粒子回転型表示素子等の種々の表示素子に利用可能である。
トランジスタ及び薄膜トランジスタは、これらの表示装置において表示画素のスイッチング用トランジスタ、信号ドライバー回路素子、メモリ回路素子、信号処理回路素子等に利用される。
表示装置又は表示素子(以下、表示装置と総称する。)のスイッチング用トランジスタは、表示装置の各画素に配置され、各画素の表示状態をスイッチングする。このようなアクティブ駆動素子は、対向する導電性基板のパターニングが不要なため、回路構成によっては、画素の表示状態をスイッチングするトランジスタを持たないパッシブ駆動型の表示装置と比べて画素配線を簡略化できる。通常は、1画素当たり1個から数個のスイッチング用トランジスタが配置される。このような表示装置は、基板面に二次元的に形成したデータラインとゲートラインとを交差した構造を有し、データラインやゲートラインがトランジスタのゲート電極、ソース電極、ドレイン電極にそれぞれ接合されている。なお、データラインとゲートラインとを分割することや、電流供給ライン、信号ラインを追加することも可能である。
また、表示装置の各画素に、画素配線、トランジスタに加えてキャパシタを併設して、信号を記録する機能を付与することもできる。さらに、表示装置が形成された基板に、データライン及びゲートラインのドライバー回路、画素信号のメモリ回路、パルスジェネレータ、信号分割器、コントローラ等を搭載することもできる。
半導体素子が薄膜トランジスタである場合には、その素子構造としては、例えば、基板/ゲート電極/絶縁体層(誘電体層)/ソース電極・ドレイン電極/半導体層という構造(ボトムコンタクト構造)、基板/半導体層/ソース電極・ドレイン電極/絶縁体層(誘電体層)/ゲート電極という構造(トップゲート構造)、基板/ゲート電極/絶縁体層(誘電体層)/半導体層/ソース電極・ドレイン電極という構造(トップコンタクト構造)等が挙げられる。絶縁体層(誘電体層)はゲート絶縁膜であり、例えば比誘電率が3以上150以下の有機化合物膜からなる。また、ソース電極、ドレイン電極、ゲート電極は、それぞれ複数設けてもよい。また、複数の半導体層を同一平面内に設けてもよいし、積層して設けてもよい。
半導体素子の移動度(例えば、上述した薄膜トランジスタの移動度)は、画像を表示する素子に利用するためには、0.0001cm/Vs以上が好ましく、0.001cm/Vs以上がさらに好ましく、0.01cm/Vs以上がさらに好ましい。
トランジスタの構成としては、薄膜トランジスタのほかに、MOS(メタル−酸化物(絶縁体層)−半導体)型トランジスタ、バイポーラ型トランジスタのいずれでも採用可能である。バイポーラ型トランジスタの素子構造としては、例えば、n型半導体層/p型半導体層/n型半導体層という構造や、p型半導体層/n型半導体層/p型半導体層という構造があげられ、各半導体層に電極が接続されている。そして、p型半導体層やn型半導体層の少なくとも一つに、本発明の無機粒子と有機誘電体とを含む半導体が使用される。
また、半導体素子がダイオードである場合には、その素子構造としては、例えば、電極/n型半導体層/p型半導体層/電極という構造が挙げられる。そして、p型半導体層又はn型半導体層に、本発明の無機粒子と有機誘電体とを含む半導体が使用される。
無機粒子と有機誘電体とを含む半導体と、電極との接合面の少なくとも一部は、ショットキー接合及び/又はトンネル接合とすることができる。このような接合構造の例としては、例えば、電極/ショットキー接合(トンネル接合)/半導体層/電極という構造、電極/半導体層/トンネル接合/半導体層/電極という構造、電極/ショットキー接合(トンネル接合)/半導体層/トンネル接合/半導体層/電極という構造等が挙げられる。
これらのショットキー接合、トンネル接合は、ダイオード特性の調整やトンネル接合素子に利用できるばかりでない。ショットキー接合部、トンネル接合部に磁性材料、光応答性材料を用いれば、より高機能な半導体素子を製造することができる。
また、本発明の無機粒子と有機誘電体とを含む半導体に、ショットキー接合及び/又はトンネル接合を適用するだけでダイオードを形成することができる。 このような接合構造を有する半導体素子は、単純な構成でダイオードやトランジスタを作製することができるので好ましい。さらに、このような接合構造を有する半導体素子を複数接合して、インバータ、オシレータ、メモリ回路、センサ等の素子を形成することもできる。
また、本発明の半導体素子は、ICカード、スマートカード、又は電子タグ等の電子機器における演算素子、記憶素子としても利用することができる。その場合、これらが接触型であっても非接触型であっても、問題なく適用可能である。
これらICカード、スマートカード、及び電子タグは、メモリ、パルスジェネレータ、信号分割器、コントローラ、キャパシタ等で構成されており、さらにアンテナ、バッテリを備えていてもよい。
さらに、本発明の半導体素子はセンサとして利用することができ、ガスセンサ、バイオセンサ、血液センサ、免疫センサ、人工網膜、味覚センサ等、種々のセンサに応用することができる。
次に、半導体素子の具体例を示す。
(第1の例)
図3は、本実施形態に係る半導体素子100の構成例を模式的に示す断面図である。図3に示すように、この半導体素子100は、ボトムコンタクト構造の薄膜トランジスタであり、基板110と、基板110上に形成されたゲート電極120と、基板110上に形成されてゲート電極120を覆う絶縁体層130と、ソース電極140と、ドレイン電極150と、半導体層160とを有する。ソース電極140は基板110上に形成されおり、絶縁体層130を介してゲート電極120の一方の端部上を覆っている。また、ドレイン電極150は基板110上に形成されており、絶縁体層130を介してゲート電極120の他方の端部上を覆っている。半導体層160は絶縁体層130を介してゲート電極120上に形成されており、ソース電極140とドレイン電極150との間(すなわち、ギャップ)を埋め込んでいる。
基板110の材料としては、ガラス又は樹脂が挙げられる。また、ゲート電極120、ソース電極140、ドレイン電極150の各材料としては、金属、導電性セラミック材料、炭素、導電性有機材料等が挙げられる。ゲート電極120、ソース電極140、ドレイン電極150の各材料は、金属酸化物やシリコンと良好な接合や密着性を得る観点から、より好ましくは金、銀、アルミニウム、銅、酸化インジウムスズ(ITO)、又はインジウムーガリウム合金が良い。半導体層160は、薄膜トランジスタのボディ層(即ち、チャネルが形成される層)であり、例えば図1に示したように無機粒子51と有機誘電体52とを含む半導体層である。
(第2の例)
図4は、本実施形態に係る半導体素子200の構成例を模式的に示す断面図である。図4に示すように、この半導体素子200は、トップゲート構造の薄膜トランジスタであり、基板210と、基板210上に形成されたソース電極240及びドレイン電極250と、基板210上に形成されてソース電極240及びドレイン電極250を覆う半導体層260と、半導体層260上に形成された絶縁体層230と、絶縁体層230上に形成されたゲート電極220とを有する。ソース電極240とドレイン電極250は互いに離れて配置されている。半導体層260は、ソース電極140とドレイン電極150との間を埋め込んでいる。また、ゲート電極220は、絶縁体層230を介して、このギャップの上方を覆うように配置されている。
基板210の材料としては、ガラス又は樹脂が挙げられる。また、ゲート電極220、ソース電極240、ドレイン電極250の各材料としては、金属、導電性セラミック材料、炭素、導電性有機材料等が挙げられる。ゲート電極220、ソース電極240、ドレイン電極250の各材料は、金属酸化物やシリコンと良好な接合や密着性を得る観点から、より好ましくは金、銀、アルミニウム、銅、ITO、又はインジウムーガリウム合金が良い。半導体層260は、薄膜トランジスタのボディ層であり、例えば図1に示したように無機粒子51と有機誘電体52とを含む半導体層である。
(第3の例)
図5は、本実施形態に係る半導体素子300の構成例を模式的に示す断面図である。図5に示すように、この半導体素子300は、トップコンタクト構造の薄膜トランジスタであり、基板310と、基板310上に形成されたゲート電極320と、基板310上に形成されてゲート電極320を覆う絶縁体層330と、絶縁体層330上に形成された半導体層360と、ソース電極340及びドレイン電極350とを有する。ソース電極340は基板310上に形成されており、半導体層360の一方の端部上を覆っている。また、ドレイン電極350も基板310上に形成されており、半導体層360の他方の端部上を覆っている。ソース電極340とドレイン電極350は互いに離れて配置されている。
基板310の材料としては、ガラス又は樹脂が挙げられる。また、ソース電極340、ドレイン電極350の各材料としては、金属、導電性セラミック材料、炭素、導電性有機材料等が挙げられる。ゲート電極320、ソース電極340、ドレイン電極350の各材料は、金属酸化物やシリコンと良好な接合や密着性を得る観点から、より好ましくは金、銀、アルミニウム、銅、ITO、又はインジウムーガリウム合金が良い。半導体層360は、薄膜トランジスタのボディ層であり、例えば図1に示したように無機粒子51と有機誘電体52とを含む半導体層である。
(第4の例)
また、図示しないが、本実施形態に係る半導体素子は、ソース電極とドレイン電極との間に半導体層が介装され、これら3層が膜厚方向に積層されたトランジスタとしてもよい。このとき、ゲート電極は、半導体層中又はソース電極(ドレイン電極)の近傍に配置するとよい。
<半導体素子の製造方法>
上記のような半導体素子の製造方法としては、例えば、予めパターン形成された電極、半導体、絶縁体層の各所定領域に、半導体層形成用の塗布液を所定のパターンで塗布して半導体薄膜を形成する方法が挙げられる。また、半導体素子の他の製造方法として、基板上に半導体薄膜を形成した後に、この半導体薄膜のパターニング、電極形成、絶縁体層の形成を行う方法が挙げられる。 このときの半導体薄膜のパターニング方法としては、例えば、スクリーン印刷、グラビア印刷、オフセット印刷、インクジェット印刷、スプレイ法等の方法を用いてパターンを形成する方法が採用可能である。
本発明の半導体素子は、ガラス、樹脂等の基板に形成することにより製造することができる。しかも、半導体薄膜は溶液の印刷、塗布等の簡便な方法で成膜することができるため、大きな面積に一度に多数の半導体素子を容易に形成することができる。よって、半導体素子や該半導体素子を用いた装置(前述の表示素子、演算素子、記憶素子等)を安価に製造することができる。また、半導体薄膜を用いて半導体素子を製造することは、半導体素子を用いた装置の薄型化、軽量化にも有効である。
ここで、印刷、塗布等の方法を用いて、図3〜図5に示した半導体素子100、200、300を製造する方法について説明する。
図6(a)〜(c)は、本実施形態に係る半導体素子100の製造方法を工程順に示す断面図である。図6(a)に示すように、まず、基板110上にゲート電極120を形成する。次に、図6(b)に示すように、絶縁体層130を形成してゲート電極120の上面と側面とを覆う。そして、図6(c)に示すように、基板110上から絶縁体層130上にかけて、ソース電140とドレイン電極150とをそれぞれ形成する。その後、半導体層160を形成してソース電極140とドレイン電極150とのギャップを半導体層160で埋め込む。これにより、図3に示した半導体素子100が完成する。
また、図4に示した半導体素子200は、次の工程順で製造することができる。すなわち、基板210上にソース電極240及びドレイン電極250を形成する。次に、基板210上に半導体層260を形成してソース電極240及びドレイン電極250を覆う。そして、半導体層260上に絶縁体層230を形成する。その後、絶縁体層230上にゲート電極220を形成する。これにより、図4に示した半導体素子200が完成する。
また、図5に示した半導体素子300は、次の工程順で製造することができる。すなわち、基板310上にゲート電極320を形成する。次に、基板310上に絶縁体層330を形成してゲート電極320上面と側面とを覆う。そして、絶縁体層330上に半導体層360を形成する。その後、基板310上から半導体層360上にかけて、ソース電極340とドレイン電極350とを形成する。これにより、図5に示した半導体素子300が完成する。
これらの半導体素子(例えば、薄膜トランジスタ)の構成要素であるゲート電極、ソース電極、ドレイン電極と、絶縁体層、半導体層は、全て印刷、塗布等の方法により形成することが可能である。このため、半導体素子の製造を真空下で行う必要がなく、常圧下で行うことができる。
ゲート電極、ソース電極、ドレイン電極の各材料(以下、電極材料)としては、金属、導電性セラミック材料、炭素、導電性有機材料等が挙げられる。電極材料は、金属酸化物やシリコンと良好な接合や密着性の観点から、より好ましくは金、銀、アルミニウム、銅、酸化インジウムスズ(ITO)、インジウムーガリウム合金が良い。
また、ゲート電極、ソース電極、ドレイン電極をそれぞれ、印刷、塗布等の方法により形成するためには、電極材料は液体状である必要がある。よって、液体状である物は電極材料としてそのまま単体で使用できるが、液体状でない物は液体に分散させて使用する必要がある。液体状でない物を液体に分散させて使用する例としては、金、銀、銅、酸化インジウムスズ(ITO)、オスミウム、パラジウム、ニッケル、コバルト、鉄、アルミニウム等の粉末を液体中に分散した導電性ペーストが挙げられ、より好ましくは金、アルミニウム、銅、酸化インジウムスズ(ITO)である。インジウムーガリウムは室温で液体の合金であるため、そのまま印刷を行い、封止材などで液を固定化できる。
あるいは、電極材料について、前駆体が液体状であるか溶液化しやすいものであれば、前駆体を使用することができる。このような物の例としては、金、銀、ニッケル、インジウム等の有機金属錯体、及び無機金属錯体の溶液が挙げられる。
また、絶縁体層の材料は誘電率が高いことが好ましく、絶縁性セラミック材料、有機化合物、ポリマー等が使用される。ただし、絶縁体層の材料は、電極材料と同様に液体状である必要があるので、これらの材料の溶液、分散体、前駆体を使用するとよい。例えば、アルコラートやアセチルアセトン錯体又はこれらの溶液を塗布又は印刷して薄膜を得、これを熱、光等の輻射エネルギーによって酸化物や硫化物に変換して絶縁体層とすることができる。また、絶縁体層の材料として、ポリフッ化ビニリデン、ポリアクリロニトリル、ポリエステル、液晶ポリマー等のポリマーや極性を有する有機化合物も、好ましく使用することができる。さらに、絶縁体層の材料として、これらの有機化合物にセラミック材料等の高誘電体を分散した物を用いることもできる。
また、基板としては、ガラス基板、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PEN(ポリエチレンナフタレート)、PC(ポリカーボネート)、PP(ポリプロピレン)、ポリエーテルスルホン、ポリイミド、シクロオレフィンポリマー、アクリル樹脂、フッ素系樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂等のプラスチック基板、アルミニウム基板、ステンレス(SUS)基板、粘土からなる基板、紙基板などの通常用いられるあらゆる基板が使用できる。軽量、フレキシブル、低コストの観点からPET(ポリエチレンテレフタレート)、PC(ポリカーボネート)、PP(ポリプロピレン)、PEN(ポリエチレンナフタレート)、ポリエーテルスルホン、ポリイミド、シクロオレフィンポリマー、アクリル樹脂、フッ素系樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂等のプラスチック基板もしくは紙基板が好ましい。
さらに、製造工程順に直列に配置した複数の印刷装置及び/又は塗布装置を用いれば、連続した基板(又は、シート)上に半導体層形成用の塗布液を連続的に印刷及び/又は塗布することができる。これにより、電極、誘電体層、及び半導体層を基板(又は、シート)上に連続的に形成して、半導体素子を製造することができる。
例えば、基板/ゲート電極/絶縁体層(誘電体層)/ソース電極・ドレイン電極/半導体層という構造(ボトムコンタクト構造)を有する薄膜トランジスタを製造する場合であれば、その製造工程順に直列に配置されたゲート電極印刷装置、絶縁体層印刷装置、ソース電極・ドレイン電極印刷装置、及び半導体層印刷装置に、帯状の基板を順次通す。帯状の基板は、例えば、上述のシートである。これにより、前述の薄膜トランジスタの構成要素が基板上に連続的に形成されて、薄膜トランジスタが効率よく製造される。
このような連続的な薄膜トランジスタの製造方法は、設備の負荷が小さい、工程が短縮される、作業者の数を大幅に削減できる、低コストである等の利点がある。また、大面積の基板に一度に多数の薄膜トランジスタを容易に形成することができるので、大面積のディスプレイ装置を安価に製造することができる。
印刷方法、塗布方法としては、スクリーン印刷、グラビア印刷、オフセット印刷、インクジェット印刷、スプレイ法、ブレード塗布等の公知の方法が使用できる。複数の印刷装置及び/又は塗布装置において、同一の印刷方法、塗布方法を採用してもよいし、構成要素毎に異なる印刷方法、塗布方法を採用してもよい。
(半導体層の製造工程)
本実施形態に係る半導体素子の製造方法は、無機粒子と、比誘電率が3以上150以下の有機化合物(即ち、有機誘電体)と、1種以上の有機溶媒とを含む塗布液を基板に塗布し塗布膜を得る塗布工程と、前記塗布膜を20℃以上300℃以下の乾燥温度で乾燥させて、該塗布膜から前記有機溶媒の少なくとも一部を除去する乾燥工程と、を含む。半導体素子の半導体層を印刷方法又は塗布方法で形成する場合は、この塗布工程と乾燥工程とを実行して半導体層を形成すことが好ましい。
また、塗布工程で用いる塗布液を準備する工程(即ち、塗布液準備工程)は、塗布工程と同一の製造ラインで行ってもよいし、塗布工程とは別の製造ラインや別の製造工場で行ってもよい。また、塗布液を社外から購入するようにしてもよい。なお、本発明において印刷は塗布の一態様であり、塗布液は印刷液、塗布工程は印刷工程と言い換えてもよい。
以下、塗布液準備工程、塗布工程、乾燥工程について説明する。
(1)塗布液準備工程
塗布液準備工程は、無機粒子、有機誘電体、1種以上の有機溶媒から塗布液を調製する工程である。有機溶媒は、無機粒子と有機誘電体を溶解もしくは分散させるための液体である。無機粒子、有機誘電体、1種以上の有機溶液を混合して、半導体層形成用の塗布液を得る。ここで、下記の通り、有機溶媒は、有機誘電体とは異なるものである。
有機溶媒の例としては、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ヘキサノール等のアルコール類;エチレングリコール、プロピレングリコール等のグリコール類;セロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ等のセロソルブ類;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類;ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル類;N、N−ジメチルホルムアミド等のアミド類;ベンゼン、トルエン、キシレン、トリメチルベンゼン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、シクロヘキサン、デカヒドロナフタレン(デカリン)、テトラリン等の炭化水素類;水などが挙げられる。
半導体層形成用の塗布液に含まれる有機溶媒の含有量は、粘度を調整して塗布液を扱い易くする観点から、1質量%以上が好ましく、5質量%以下がさらに好ましい。また、同含有量は、99.8質量%以下が好ましく、98.5質量%以下であることが好ましい。
半導体層形成用の塗布液に含まれる比誘電率が3以上150以下の有機化合物(即ち、有機誘電体)の含有量は、0.1質量%以上が好ましく、0.5質量%がさらに好ましい。また、同含有量は、49.9質量%以下が好ましく、40質量%以下が好ましい。
半導体層形成用の塗布液に含まれる無機粒子の含有量は、0.1質量%以上が好ましく、0.5質量%がさらに好ましい。また、同含有量は、49.9質量%以下が好ましく、40質量%以下が好ましい。
(2)塗布工程
塗布工程は、塗布液を基板に塗布し塗布膜を得る工程である。
例えば、基板/ゲート電極/絶縁体層(誘電体層)/ソース電極・ドレイン電極/半導体層という構造(ボトムコンタクト構造)を有する薄膜トランジスタを製造する場合、塗布工程は、塗布液をソース電極及びドレイン電極が形成された基板に塗布し塗布膜を得る工程、である。
(3)乾燥工程
乾燥工程とは、塗布膜を乾燥させて塗布膜から有機溶媒の全部又は一部を除去する工程である。この乾燥工程は、従来の高温焼結とは異なる、低温プロセスである。低温プロセスとは、本発明において20℃以上、300℃以下の温度領域のこという。この領域の温度では、樹脂基板が利用できるようになり、工業プロセス上、非常に重要な温度領域である。この乾燥工程の温度領域は20℃以上300℃以下が好ましく、より好ましくは20℃以上、200℃以下がよく、さらに好ましくは20℃以上、150℃以下である。150℃以下になると、PETフィルムやPCフィルムなどの安い汎用樹脂基板が利用できるので最適である。
<実施形態の効果>
本実施形態によれば、図1に示したように、無機粒子51と有機誘電体52とを混合して、半導体素子の半導体層として、無機粒子と有機誘電体とのコンポジット膜を形成する。このコンポジット膜では、キャリアの伝導パスが多く、さらにキャリアトラップや再結合が抑制される。また、このコンポジット膜では周辺酸素を遮断できる。その結果、キャリアの流れる量が増え、キャリアの移動速度も速くなる。これにより、移動度が高く、空気中でも安定した(即ち、空気と触れても化学変化が生じにくく、劣化しにくい)半導体素子を提供することができる。
また、無機粒子と有機誘電体とを含む半導体層は、真空系プロセス等を必要とせず、低コストかつ低温プロセスでの形成が可能であり、塗布法又は印刷法のように非真空系プロセスで形成することができる。これにより、半導体素子の製造コストを低減することが可能となる。
このように、本実施形態によれば、非真空系プロセスで製造可能であり、より高い移動度を発現することができる半導体素子を提供することができる。
以下、具体的な実施例により、本発明をより詳細に説明する。
<評価方法>
以下、特に断りのない場合は、25℃、湿度45%の条件で評価を行った。
(1)平均粒子径
金属酸化物とシリコンとで粒子径の算出装置が違うので、それぞれ記載した。
(金属酸化物粒子)
平均粒子径は、粒子径が1μm以上の場合は、卓上走査顕微鏡CarryScopeJCM5100(JEOL社製)を用いて測定した。合計10点の粒子径を測定し、その平均値を、平均粒子径とした。
また、粒子径が1μm未満の場合は、透過型電子顕微鏡(TEM)HF−2000(株式会社日立製作所社製)を用いて測定した。具体的な測定方法として、酸化チタン分散液TKS201(アナターゼタイプ、テイカ社製、固形分33質量%)を例にとり、説明する。まず、酸化チタン分散液を2000倍まで希釈し、この希薄分散液を超音波分散させ、メッシュに浸み込ませたものを凍結乾燥させ、TEM測定用試料とした。この酸化チタンのTEM測定用試料をTEMで570000倍まで拡大し、観察した。得られた粒子画像のPixel数を算出し、そのPixel数から以下の式[1]、式[2]により各粒子を真円と換算した直径を算出した。
真円換算半径=(Pixel数/π)…[1]
真円換算直径=真円換算半径×0.22×2…[2]
上記の方法で合計100点(現状の点数)の粒子の真円換算直径を測定し、その平均値を、平均粒子径とした。
(シリコン粒子)
シリコン粒子に関しては、顕微鏡により100個の粒子を無作為に選択し、画像解析を用いて円相当径で評価した粒子直径の算術平均値を平均粒子径とした。顕微鏡としてキーエンス社製のデジタルマイクロスコープを用いた。
(2)比誘電率
比誘電率は、測定周波数を1kHz、測定温度を23℃とし、インピーダンス法で測定した値をいう。具体的には、LCRメーター(Agilent製4284AのPRESISIONLCRメーター)を用いて、下記式[3]より求めた。
サンプルの誘電率=(電極間距離×静電容量)/(電極の面積×真空の誘電率)…[3]
(ただし、真空の誘電率は8.854×10−12(F/m)である。)
サンプルが液体の場合、誘電率は、液体測定用の治具(Agilent製16452ALIQUID TEST FIXTURE)を用いて、液体に電極を挿入し測定する。
サンプルが固体の場合、誘電率は、膜測定用の治具(Agilent製16451B DIELECTRIC TEST FIXTURE)を用いて、電極板上に膜を作製し、片方の電極で挟んで測定する。
(3)層厚
TOF(Time of flight)測定での半導体層の層厚は、形状測定観察システム(TS−1260、精密ウェーブ株式会社製)によって測定した3D画像及び3Dプロファイリング機能により、膜の段差部分で層厚の計測を行った。
また、交流インピーダンス測定での半導体層の層厚は、vertscan2.0(株式会社菱化システム製)で測定した。測定用の半導体層又は接合界面層は、素子作製時と同じ条件で基板に塗工し作製した。これらの層について任意に5か所の層厚を測定し、その平均を計算し、平均層厚とした。
(4)抵抗値
移動値は交流インピーダンス測定により求めた。具体的には、LCRメーター6510P(WayneKerr社製)を用いて測定した。測定は無機粒子と比誘電率が3以上150以下の有機化合物(即ち、誘電体)とを含む半導体層を、電極で挟んで測定する。cole−coleプロットをとり、インピーダンスの実部成分から半導体層の抵抗値を測定した。測定電圧は0Vとした。
(5)半導体層の移動度
移動度はTOF(Time of flight)測定により求めた。図7にTOF装置の概略図を示す。TOF装置はYAGレーザー(355nm、パルス幅4〜6ns、HOYA−Continuum社製型式Minilite I)で光を照射し、励起された電子が流れる時間を測定する装置である。移動度は次の式[4]で求められる。
μ= L/V・Tr (cm/Vs)…[4]
走行時間:Tr、電極間距離(膜厚):L、薄膜に与えた電界:V/L(印加電圧/膜厚)、移動度(単位電界、1秒あたりの電荷の移動速度): μで表される。
より具体的に説明する。図7 で示したように測定セルと負荷抵抗Rを直流電源11に対して直列に接続した。次に、測定セルにパルスレーザー光を照射し、キャリア移動に伴う過渡電流が負荷抵抗Rを流れることによる電圧の時間変化をデジタルオシロスコープ(Tektronix社製、型式TDS3032)12で記録した。
デジタルオシロスコープ12のデータをパーソナルコンピュータ(PC)に取り込み、過渡電流と時間とのlog−logプロットから走行時間Trを求めた。キャリア移動度が高い場合は、数百nsから数μsの時間域の過渡電流変化が観測された。このとき負荷抵抗Rを大きく設定しすぎると、CR時定数に影響されて過渡電流信号に歪みが生じる可能性がある。そこでキャリア移動度が高い場合は負荷抵抗Rを51Ωとして測定を行った。このときデジタルオシロスコープ12上の信号レベルが弱い場合は負荷抵抗Rからの信号を電圧増幅器13で増幅することによって測定を行った。
キャリアの移動度が低い場合には、数百msから数秒の時間域の過渡電流変化が観測された。広い帯域でキャリア移動が起こるために、キャリアの移動度が高い場合に比べて過渡電流信号のレベルが非常に小さいものとなる(光励起で生成した電荷量を一定と考えた場合、単位時間に流れる電荷量が電流であるので、何桁も小さな信号レベルとなってしまう) 。このような場合には、過渡電流信号に歪みが生じないことを確認しながら負荷抵抗Rを徐々に大きくし、ノイズの影響により走行時間Trの解析が困難とならないような条件を設定して測定を行った。
[実施例1]
p型シリコンウエハ(3Ωcm)を乳鉢の中でエタノール溶媒中で粉砕する。粉砕したシリコン粒子とエタノールとを含む液を撹拌し、初期に沈降する大きい粒子を除きながら、その液を目開き37μmのナイロンメッシュでろ過し、37μm以上150μm以下のシリコン粒子(ろ物)を得る。
得られたシリコン粒子を集めて、ポリフッ化ビニリデン(比誘電率8)のエタノール20質量%の溶液をシリコン粒子に対し3倍量加え、塗布液を得た。塗布液をSUS基板上にスキージ法で製膜し塗布膜を得た。この塗布膜の膜厚は800μmであった。製膜後、この塗布膜を150℃で2分乾燥させ、エタノール溶媒のみを揮発させ、シリコン粒子とポリフッ化ビニリデンとを含む膜を得た。その上にPET/ITO(60Ω/□、アルドリッチ社製)フィルムを重ね、SUS/シリコン粒子とポリフッ化ビニリデンとを含む膜/ITO/PETの積層構造を有する素子を作製した。この素子を固定するために、2枚のアルミニウム板で素子を挟み、アルミニウム板の4隅をネジで固定した。
[実施例2〜5]
ポリフッ化ビニリデンに代えて表1に記載の有機化合物を用いた以外は、実施例1と同様にして行った。
[比較例1]
p型シリコンウエハ(3Ωcm)を乳鉢の中でエタノール溶媒中で粉砕する。粉砕したシリコン粒子とエタノールとを含む液を撹拌し、初期に沈降する大きい粒子を除きながら、その液を目開き37μmのナイロンメッシュでろ過し、37μm以上、150μm以下のシリコン粒子(ろ物)を得る。
得られたシリコン粒子を集めて、エタノール溶液をシリコン粒子に対し3倍量加え、塗布液を得た。この塗布液をSUS基板上にスキージ法で製膜して塗布膜を得た。この塗布膜の膜厚は800μmであった。製膜後、この塗布膜を150℃で2分乾燥させ、エタノール溶媒のみを揮発させ、シリコン粒子からなる膜を得た。その上にPET/ITO(60Ω/□、アルドリッチ社製)フィルムを重ね、SUS/シリコン粒子と誘電体の膜/ITO/PETの積層構造を有する素子を作製した。この素子を固定するために2枚のアルミニウム板で素子を挟み、アルミニウム板の4隅をネジで固定した。
<抵抗値の評価>
実施例1〜5、比較例1の半導体素子の抵抗値を測定した。その際、電極はSUSとITOとに接続して抵抗値を測定した。この抵抗値の測定結果を表1に示す。表1からわかるように、無機粒子に有機誘電体を混合することで抵抗値が下がることを見出した。特に、無機粒子がシリコン粒子の場合、比誘電率が48のグリセリンで抵抗値が最も低くなることを見出した。
Figure 0006651165
[実施例6]
まず酸化チタンAMT400(テイカ社製)を2メトキシエタノールに分散させ、33質量%の酸化チタン分散液を調整した。次にスクロースを2メトキシエタノールと混合し、20質量%の溶液を作製した。酸化チタン分散液1gに対し、前記溶液を2.01g加え、10分間撹拌した。撹拌後1日静置し、塗布液を得た。
また、ITO付きガラス基板(10Ω/□)をアセトンで洗浄した後、UVオゾン処理を行った。この基板の側面に、カプトンテープ(50μm厚)を2層貼り付けてガードとした。このガードしたガラス基板上に塗布液を滴下し、滴下した塗布液をガラス棒でガードに沿ってのばして製膜した後、室温で溶媒を乾燥させた。その後、このガラス基板をホットプレート上で120℃で2分乾燥し、半導体層(即ち、乾燥後の塗布液)が付いたITO基板を得た。
次にブロッキング層の作製について説明する。酢酸セルロース(アルドリッチ社製38.8質量%アセチル含有、平均Mn=30000)50mgを計量し、これに2メトキシエタノールを加えて1gとし、酢酸セルロースの含有量が5質量%である溶液を調整した。前記溶液を用いて、ITO付きPET基板(アルドリッチ社製 60Ω/□品)にスピンコート法(2000rpm、30秒)によって製膜を行った。スピンコート後、この製膜されたPET基板をホットプレート上で、80℃で20秒間の乾燥を行った。乾燥後の酢酸セルロースの膜厚は232nmであった。
半導体層が付いたITO基板と、ブロッキング層が付いたITO基板とを貼り合せ、さらにアルミニウムの板で固定して素子を得た。
[実施例7〜9]
スクロースに代えて、表2に記載の有機化合物を用いた以外は実施例6と同様に素子を得た。
[実施例10]
まず酸化チタンAMT400(テイカ社製)を2メトキシエタノールに分散させ、33質量%の酸化チタン分散液を調整した。次にグリセリンを2メトキシエタノールと混合し、20質量%の溶液を作製した。酸化チタン分散液1gに対し、前記溶液を1.601g加え、10分間撹拌した。撹拌後1日静置し、塗布液を得た。
また、ITO付きガラス基板(10Ω/□)をアセトンで洗浄した後、UVオゾン処理を行った。この基板の側面に、カプトンテープ(50μm厚)を2層貼り付けてガードとした。このガードしたガラス基板上に前記塗布液を滴下し、滴下した塗布液をガラス棒でガードに沿ってのばして製膜した後、室温で溶媒を乾燥させた。その後、このガラス基板をホットプレート上で120℃で2分乾燥し、半導体層(即ち、乾燥後の塗布液)が付いたITO基板を得た。
次にブロッキング層の作製について説明する。ポリスチレン(ACROS ORGANIC社製)30mgを計量し、これにトルエンを加えて1gとし、ポリスチレンの含有量が3質量%である溶液を調整した。前記溶液を用いて、ITO付きPET基板(アルドリッチ社製 60Ω/□品)にスピンコート法(2000rpm、30秒)によって製膜を行った。スピンコート後、この成膜されたPET基板をホットプレート上で、80℃で20秒間の乾燥を行った。乾燥後のポリスチレンの膜厚は217nmであった。
半導体層が付いたITO基板と、ブロッキング層が付いたITO基板とを貼り合せ、さらにアルミニウムの板で固定して素子を得た。
[実施例11]
グリセリンに代えて、チオグリセロールを用いた以外は実施例10と同様に素子を得た。
[比較例2]
塗布液が酸化チタン分散液のみで構成された以外は実施例6と同じ方法で素子を作製した。ブロッキング層は酢酸セルロースを用いた。
<移動度の評価>
実施例6〜11、比較例2の素子を用いて、移動度の評価を行った。実施例6〜11に対応した走行時間(Tr)を測定したグラフを図8〜13に示す。また、比較例2に対応したグラフを図14に示す。図8〜14の各図において、横軸は経過時間(Time、単位は秒(s))の対数をとり表示したもの、縦軸は光電流(Photocurrent、単位はミリアンペア(mA))の対数をとり表示したものである。これらのTrから移動度の評価を行った。その結果を表2に示す。表2からわかるように有機化合物を混合することで移動度が上がることを見出した。本結果から比誘電率が3以上、150以下の有機化合物を混合することで移動度が向上することがわかる。さらに有機化合物の比誘電率が15以上、50以下の時にもっとも良い結果となった。
Figure 0006651165
<シミュレーション>
半導体に酸化チタンを用い、その周辺に誘電体の誘電率を変化させた時の電子状態をシミュレーションを用いて解析した。解析方法はクラスターモデルを用い、Gaussian09を使って、種々の誘電率を有する溶媒存在下で分子軌道計算を行った。酸化チタンのクラスターモデルの作製においては、アナターゼ結晶のCIF (Crystallographic Interchange FILE)形式のデータを使用し、アナターゼの単位格子をa軸方向に3単位、b軸方向に3単位、c軸方向に1単位の大きさのクラスターモデルを計算に使用した。種々の誘電率を有する溶媒存在下での電子状態の検討を、種々の溶媒を指定したPCM(分極連続体モデル:polarizable continuum models)によって、RHF/3−21G法を用いたシングルポイントエネルギー計算によって行った。それらの計算結果に対して、Mulliken密度解析による状態密度(Density of states,DOS)スペクトルの計算を行なった。
その結果を図15、図16に示す。図15(a)は酸化チタンの周辺に比誘電率1の誘電体がある場合の状態密度を示すグラフであり、横軸はエネルギー(eV)を示し、縦軸は状態密度(DOS)を示す。図15(b)は比誘電率1の環境下の酸化チタンの結晶におけるHOMOの状態を示し、図15(c)は比誘電率1の環境下の酸化チタンの結晶におけるLUMOの状態を示す。また、図16(a)は酸化チタンの周辺に比誘電率が25.6の誘電体がある場合の状態密度を示すグラフであり、横軸はエネルギー(eV)を示し、縦軸は状態密度を示す。図16(b)は比誘電率25.6の環境下の酸化チタンの結晶におけるHOMOの状態を示し、図16(c)は比誘電率25.6の環境下の酸化チタンの結晶におけるLUMOの状態を示す。
また、図17は、誘電率ごとのHOMO−LUMOのエネルギー準位を示したグラフである。図17の横軸は比誘電率を示し、縦軸はエネルギー準位を示す。図15(a)ではLUMOのエネルギー準位が離散的になっているのに対し、図16(a)ではLUMOのエネルギー準位が集中している。このことは、誘電体の比誘電率が25.6の方が電子が移動し易い、ということを意味する。また、図17から比誘電率が20〜30の時にバンドギャップが広くなっており、より酸化チタンに近いエネルギー準位を示し、安定化していることがわかる。
<ESR測定>
E−500(Buruker社製)を用いてESR測定を行った。測定温度はシリコン系では108K、酸化チタン系では100Kで行った。
シリコン系サンプルについて説明する。シリコン粒子はp型シリコンウエハ(3Ωcm)を乳鉢の中でエタノール溶媒中で粉砕する。これにより得られた液を撹拌し、初期に沈降する大きい粒子を除きながら、その液を目開き37μmのナイロンメッシュでろ過し、37μm以上150μm以下のシリコン粒子(ろ物)を得る。このシリコン粒子を150℃で2分加熱し、エタノールを除去した。これをサンプル1とする。次に前記シリコン粒子をグリセリン/エタノール混合液(重量比1/4)に混合する。
次に、このシリコン粒子を混合した液を150℃で2分乾燥させ、エタノールを揮発させ、シリコンとグリセリンの混合体を作製する。これをサンプル2とする。サンプル1とサンプル2のESRの結果を図18に示す。図18の横軸は電磁波の強度(G)を示し、縦軸は信号強度を示す。
図18の測定結果について、測定したサンプル量で換算し、シリコンのラジカル量を図18のピークの2重積分から算出した。この計算の結果、サンプル1のラジカル量を1とした場合、サンプル2のラジカル量は0.86となり、誘電体を混合することで欠陥量が低減することが確認できた。
酸化チタン系サンプルについて説明する。酸化チタン(AMT400、テイカ社製)を2メトキシエタノールに分散させ、石英基板にキャスト法で成膜し、120℃で10分アニールした。これをサンプル3とする。次にシアノエチルサッカロースを2メトキシエタノールに溶かし、20質量%の溶液を作製し、酸化チタンの2メトキシエタノールと混合した(シアノエチルサッカロースと酸化チタンの割合が重量比で49:51で混合)。この混合液を石英基板にキャスト法で成膜した。これをサンプル4とする。サンプル3とサンプル4のESRの結果を図19に示す。
図19の測定結果について、測定したサンプル量で換算し、チタンと酸素のラジカル量を、図19のピークの2重積分から算出した。この計算の結果、サンプル3のラジカル量を1とした場合、サンプル4のラジカル量は、Ti3+が0.35、酸素が0.34となり、誘電体を混合することで欠陥量が3割程度まで低減することが確認できた。本結果から、本技術は半導体粒子の欠陥低減技術として、半導体素子に有効であることがわかる。欠陥低減はトランジスタや太陽電池素子、ダイオード素子などすべてに共通する技術課題であり、それを低減できる技術であることが証明された。
<その他>
本発明は、以上に記載した実施形態や、各実施例に限定されるものではない。当業者の知識に基づいて実施形態や各実施例に設計の変更等を加えてもよく、また、実施形態や各実施例を任意に組み合わせてもよく、そのような変更等を加えた態様も本発明の範囲に含まれる。
本発明により、移動度が良好な半導体素子を提供することができる。
11 直流電源
12 デジタルオシロスコープ
13 電圧増幅器
51、56 無機粒子
52 比誘電率が3以上150以下の有機化合物(有機誘電体)
100、200、300 半導体素子
110、210、310 基板
120、220、320 ゲート電極
130、230、330 絶縁体層(ゲート絶縁膜)
140、240、340 ソース電極
150、250、350 ドレイン電極
160、260、360 半導体層

Claims (8)

  1. 無機粒子と、比誘電率が10以上150以下の有機化合物と、を含む半導体層を少なくとも1層有し、
    前記無機粒子は金属酸化物粒子又はシリコン粒子であり、
    前記半導体層中の無機粒子の比率は10質量%以上、9質量%以下である、薄膜トランジスタ。
  2. 前記半導体層の移動度が0.0001cm/Vs以上である、請求項1に記載の薄膜トランジスタ。
  3. 前記半導体層を1層のみ有する、請求項1または2に記載の薄膜トランジスタ。
  4. 前記半導体層に接するソース電極と、
    前記半導体層に接するドレイン電極とを有し、
    前記ソース電極及び前記ドレイン電極はそれぞれ、金、銀、アルミニウム、銅、酸化インジウムスズ(ITO)、インジウム−ガリウム合金の中から選ばれる材料からなる、請求項3に記載の薄膜トランジスタ。
  5. 比誘電率が3以上150以下の有機化合物膜からなるゲート絶縁膜を有する、請求項3または4に記載の薄膜トランジスタ。
  6. 無機粒子と、比誘電率が10以上150以下の有機化合物と、1種以上の有機溶媒とを含む半導体層形成用の塗布液を基板に塗布し、半導体層形成用の塗布膜を得る塗布工程と、
    前記塗布膜を20℃以上300℃以下の乾燥温度で乾燥させて、該塗布膜から前記有機溶媒の少なくとも一部を除去し、半導体層を得る乾燥工程と、を含む、薄膜トランジスタの製造方法。
  7. 前記乾燥温度が20℃以上、150℃以下である、請求項6に記載の薄膜トランジスタの製造方法。
  8. 前記塗布液中の前記無機粒子の割合が0.1質量%以上、49質量%以下であり、
    前記塗布液中の前記有機化合物の割合が0.1質量%以上、50質量%以下であり、
    前記塗布液中の前記有機溶媒の割合が1質量%以上、99.8質量%以下である、請求項6または7に記載の薄膜トランジスタの製造方法。
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