図1は、本発明の実施形態にかかる内視鏡検査業務支援システム1の構成を示す図である。内視鏡検査業務支援システム1は、内視鏡検査業務を支援するためのシステムであり、内視鏡(以下、単に「スコープ」とも呼ぶ)30の個体の使用予定および洗浄予定を適切にスケジューリングする機能を実現する。内視鏡検査業務支援システム1は、情報管理装置10、端末装置12、保管庫14、内視鏡観察装置22a〜22d、第1洗浄機50a〜第4洗浄機50dを備え、それらはLAN(ローカルエリアネットワーク)などのネットワーク2によって相互接続される。
複数の検査室のそれぞれに、内視鏡観察装置が設置される。この例では、第1検査室20aが内視鏡観察装置22aを、第2検査室20bが内視鏡観察装置22bを、第3検査室20cが内視鏡観察装置22cを、第4検査室20dが内視鏡観察装置22dをそれぞれ備えている。医療施設において検査室は、上部検査と下部検査とで使い分けられることが多い。図1に示す例では、第1検査室20a、第2検査室20b、第3検査室20cが上部検査のために使用され、第4検査室20dが下部検査のために使用される。以下、第1検査室20a〜第4検査室20dを特に区別しない場合には、「検査室20」と呼ぶことがあり、また内視鏡観察装置22a〜22dを特に区別しない場合には、「内視鏡観察装置22」と呼ぶこともある。内視鏡観察装置22にはスコープ30が接続され、医師による内視鏡検査が行われる。
大病院や内視鏡センターなどの医療施設は、1日に数多くの内視鏡検査を実施するために、多種の内視鏡(スコープ)を所有し、また繁用する機種について複数の個体を所有している。たとえば上部検査用のスコープの機種としては、ルーチン検査に使用される上部ルーチン機、高解像度の画像を提供できる上部高画質機、鼻孔から挿入される上部経鼻機、粘膜表面における微細な血管の走行形態や腺管等による構造パターン等を観察できる上部拡大機、処置機能を有する上部処置機などが存在する。また下部検査用のスコープの機種としては、ルーチン検査に使用される下部ルーチン機、粘膜表面における微細な血管の走行形態や腺管等による構造パターン等を観察できる下部拡大機、処置機能を有する下部処置機などが存在する。医療施設において、所有されるスコープは、データベースに登録されて管理されている。
洗浄室40には、複数の洗浄機が設置され、この例では、第1洗浄機50a、第2洗浄機50b、第3洗浄機50cおよび第4洗浄機50dが設けられる。以下、第1洗浄機50a〜第4洗浄機50dを特に区別しない場合には、「洗浄機50」と呼ぶこともある。この例では、4台の洗浄機50が1つの洗浄室40に設置されているが、複数の洗浄室に分散して設置されていてもよい。
洗浄機50は機種によって、異なる薬液を洗浄に使用することが一般的である。たとえば洗浄に使用される薬液としては、過酢酸、フタラール、強酸性電解水などが代表的であり、洗浄機50は、所定の薬液のみを使用するように設計されている。つまり洗浄機50の機種と、使用する薬液とは一対一に対応付けられており、洗浄機50が、定められた薬液以外の薬液を使用することは推奨されていない。また洗浄機50の機種によって、洗浄時間が異なることもあり、このように洗浄機50は機種固有の特性を有している。
保管庫14は、スコープ30を保管する。1日の内視鏡検査業務が開始される前、全てのスコープ30は保管庫14に保管されており、技師などの検査準備者は、保管庫14からスコープ30を取り出して検査室20に運び、内視鏡観察装置22に接続する。医師による検査が終了すると、検査準備者は、使用済みのスコープ30を洗浄室40に運んで、洗浄機50の洗浄槽に入れて洗浄を行い、洗浄終了したスコープ30を、また検査室に運んで、医師が、新たな検査に再使用する。
医療施設において、スコープ30の個体には、他の個体と区別するための個体名称が付与されることが一般的である。たとえば同種のスコープ30については、その形状が同じであるために、個体名称を付与して、それぞれを管理する。スコープ30には、個体名称で区別できるように、個体名称を印字したシールなどが貼り付けられ、これにより医師や検査準備者は、各個体を区別できるようになる。また、近年は内視鏡本体にRFIDタグ等が内蔵され、内視鏡観察装置22のカメラコントロールユニット(CCU)への接続時やタグの読取手段を用いた読み取りにより各個体を電子的に識別できるようになっている。このようなスコープ30に対しては、CCUへの接続時や洗浄機での洗浄開始前または終了後等にRFIDタグ内の個体識別情報を取得することにより、シールを用いた場合と同様の区別をすることが可能である。
実施形態の内視鏡検査業務支援システム1は、スコープ30の各個体に対して、どの検査で使用するか、またどの洗浄機で洗浄するか、などを定めたスケジュール情報を設定する。これにより検査準備者は、スケジュール情報をみて、どの検査室20に運び込めばよいか、またどの洗浄機50で洗浄すればよいかを知ることができる。その際、スコープ30に貼り付けられたシールに印字された個体名称により、検査準備者は、スケジュール情報にしたがってスコープ30を適切に移動し、また洗浄できる。
スコープ30のスケジュール情報は、情報管理装置10により生成される。スケジュール情報の生成タイミングは、1日の内視鏡検査業務の開始前であり、検査準備者は、端末装置12の画面に表示されるスケジュール情報をみて、スコープ30の扱いを判断できる。端末装置12は、据置型のパーソナルコンピュータであってもよい。なお内視鏡検査業務支援システム1は、誰もがみることのできる大型ディスプレイを有し、大型ディスプレイにスケジュール情報が表示されてもよい。
なお医師や検査準備者などの医療従事者は、携帯端末60を保有し、情報管理装置10から必要な通知を受けることができる。携帯端末60は携帯可能な、たとえばPDA(Personal Digital Assistant)やタブレットなどの端末装置であってよく、医療施設内に設置されているアクセスポイント(以下、「AP」とも呼ぶ)3との間で無線LANを構築して、情報管理装置10との間でデータを送受信可能とする。施設内で医療従事者のそれぞれには携帯端末60が貸与されて、携帯端末60と医療従事者とは対応付けて管理されている。そのため情報管理装置10は、特定の医療従事者に情報を送信する場合、医療従事者に対応付けられた携帯端末60を特定して、かかる携帯端末60に必要な情報を送信できる。
情報管理装置10は、スケジュール情報を生成する際、あるタイミングを開始予定とする検査に対して、どのスコープ30を割り当てるか決定するが、そのタイミングで使用予定となっているスコープ30や、洗浄予定となっているスコープ30は、当然のことながら検査に割り当てることはできない。そのため情報管理装置10は、スケジューリング処理に際して各スコープ30に対して仮想的なステータスを設定し、任意のタイミングにおける各スコープ30のステータスを確認できるようにする。
図2は、スケジュール情報の作成中に設定されるスコープ30の仮想的なステータスを説明するための図である。スコープ30は、「使用中」(ST1)、「使用済」(ST2)、「洗浄中」(ST3)、「待機中」(ST4)のうち、いずれかのステータスをとる。図2において示される矢印は、ステータスの遷移方向を示す。情報管理装置10は、任意のタイミングにおける全てのスコープ30のステータスを把握することで、当該タイミングにおいて検査に、適切なスコープ30を割り当てる。
図2に示す4つのステータスにおいて、検査に割当可能なスコープ30は、そのステータスが「待機中」となっているスコープであり、他のステータスにあるスコープ30を検査に割り当てることはできない。なお保管庫14に保管されているスコープ30のステータスは「待機中」であり、したがってスケジュール情報の生成処理を開始する際には、全てのスコープ30のステータスが「待機中」であることを前提とする。
図3は、スコープ30のスケジュール情報を生成する情報管理装置10の構成を示す。情報管理装置10は、処理部100および記憶部200を備え、処理部100は、検査スケジュール管理部110、第1割当処理部120、洗浄スケジュール管理部130、第2割当処理部140、表示処理部150、表示内容導出部152、期間指定部154、使用状況監視部160および履歴管理部162を有する。
情報管理装置10の各構成は、ハードウェア的には、任意のコンピュータのCPU、メモリ、その他のLSIで実現でき、ソフトウェア的にはメモリにロードされたプログラムなどによって実現されるが、ここではそれらの連携によって実現される機能ブロックを描いている。したがって、これらの機能ブロックがハードウェアのみ、ソフトウェアのみ、またはそれらの組み合わせによっていろいろな形で実現できることは、当業者には理解されるところである。
検査オーダは、例えばオーダリングシステム等の院内情報システムにおいて生成され、内視鏡部門システムに対して発行される。情報管理装置10は、1日の内視鏡検査業務の開始前に、院内情報システムにおいて生成された1日分の検査オーダを取得して、医療施設内で所有するスコープ30の各個体の使用予定および洗浄予定をスケジューリングする。取得された1日分の検査オーダは、オーダ情報記憶部202に記憶される。たとえばスケジューリングのタイミングは、検査当日の最初の検査が行われる前であってよく、また前日の検査業務終了後であってもよく、いずれにしても1日分の検査オーダが確定しているタイミングであればよい。
検査オーダには、検査開始予定時刻情報、検査終了予定時刻情報、患者の識別情報(患者ID)、検査種別情報、検査の担当医師、検査室など、内視鏡検査に関するオーダ情報が含まれる。図1に示す内視鏡検査業務支援システム1において、第1検査室20a、第2検査室20b、第3検査室20cが、上部検査のために使用され、第4検査室20dが下部検査のために使用されるように定められており、したがって上部検査オーダには、検査室として、第1検査室20a、第2検査室20b、第3検査室20cのいずれかが割り当てられており、また下部検査オーダには、第4検査室20dが割り当てられている。
スケジューリング処理の開始時、まず検査スケジュール管理部110は、オーダ情報記憶部202から1日分の複数のオーダ情報を取得し、検査スケジュールを生成する。具体的に検査スケジュール管理部110は、内視鏡検査を実施する検査室と、検査開始予定時刻情報および検査終了予定時刻情報と、内視鏡検査の検査内容に関する検査種別情報と、担当医師を含む複数の内視鏡検査の検査スケジュールを生成して、管理する。検査スケジュール管理部110は、生成した検査スケジュールを、検査スケジュール保持部206に格納する。その後、これから説明するように、検査スケジュール管理部110は、各検査に対して第1割当処理部120により割り当てられたスコープ30の情報を検査スケジュールに登録して、検査スケジュールを更新する。
図4は、生成された検査スケジュールの一例を示す。検査スケジュール管理部110は、オーダ情報記憶部202からオーダ情報を取得すると、検査開始予定時刻の早いものから順に、検査番号を設定する。図4において1日分の検査数は41であり、各検査に対して検査番号がE1〜E41として設定されている。ここで検査番号E1の検査スケジュールは、検査室が第1検査室20a、検査開始予定時刻が9:00、検査終了予定時刻が9:10、検査種別が「上部ルーチン検査」、担当医師が「医師B」であることが示される。
なお本実施形態において、図4に示す検査スケジュールは、1日分の複数の検査オーダから自動的に導出されることとしているが、オーダ情報に、検査開始予定時刻情報や検査終了予定時刻情報、担当医師および検査室の情報が含まれていない場合には、検査スケジュール管理部110が、検査スケジュールを生成してもよい。
たとえば記憶部200は、検査種別ごとの検査予定時間を記憶した検査種別マスタテーブルと、担当医師を記憶した担当医師マスタテーブルと、検査室で実施される検査条件(つまり上部検査であるか下部検査であるかを特定する情報)とを記憶する。検査オーダには、患者の識別情報(患者ID)および検査種別情報が含まれており、検査スケジュール管理部110は、1日分の検査オーダを取得すると、検査種別マスタテーブル、担当医師マスタテーブルおよび検査条件を参照して、検査スケジュールを生成する。
図5は、検査種別マスタテーブル210の一例を示す。検査種別マスタテーブル210には、各検査種別ごとに、検査予定時間が記録されている。検査オーダに患者の識別情報(患者ID)および検査種別情報が含まれている場合、検査スケジュール管理部110は、まず検査オーダに含まれる各検査の検査種別情報を参照して、検査室ごとに1つの検査を割り当てる。ここで検査室の検査条件を参照して、検査種別情報が上部検査を指定していれば、その検査を、第1検査室20a、第2検査室20b、第3検査室20cのいずれかに割り当て、検査種別情報が下部検査を指定していれば、その検査を第4検査室20dに割り当てる。また検査スケジュール管理部110は、検査間のインターバルとして所定の準備時間(たとえば5分)を設定する。
検査種別マスタテーブル210においては、たとえば検査種別番号1の「上部ルーチン検査」の検査予定時間が10分であること、また検査種別番号2の「上部経鼻検査」の検査予定時間が15分であること、などが記録されている。なお検査種別番号16の「下部ルーチン検査(経験3年)」の検査予定時間は、検査種別番号9の「下部ルーチン検査」の検査予定時間よりも5分長く設定されているが、これは、経験3年未満の医師(若手医師)が検査した場合には、経験3年以上の医師(ベテラン医師)よりも5分程多く要することを、予め予定時間として組み込んでいることを示す。なお、若手医師がベテラン医師よりも多くの時間を要することは、担当医師マスタテーブルにおいて設定されていてもよい。検査スケジュール管理部110は、検査種別マスタテーブル210にしたがって、各検査室20に1つの検査を割り当てて、検査開始予定時刻および検査終了予定時刻を設定する。
次に、第1割当処理部120における医師割当部129が、各検査室20の検査に対して、医師を割り当てる。このとき医師割当部129は、同じ時間帯に、同じ担当医師が重複することのないように、担当医師を検査に割り当てる。このように検査スケジュール管理部110が各検査室20に1つの検査を割り当て、医師割当部129が、割り当てられた検査に対して医師を割り当てることで、検査スケジュールが生成される。医師割当部129が検査に医師を割り当てると、検査スケジュール管理部110は、未処理の検査オーダに含まれる各検査の検査種別情報を参照して、再び検査室ごとに1つの検査を割り当て、医師割当部129が、割り当てられた検査に対して医師を割り当てる。これを繰り返すことで、図4に示す検査スケジュールが生成される。
なお図4に示した検査スケジュールにおいて、検査番号E12で示す下部ルーチン検査の検査予定時間は、20分に設定されている。これは医師割当部129により検査番号E12で示す下部ルーチン検査に医師Eが割り当てられたところ、当該医師Eが経験3年未満の若手医師であるために、検査番号E12で示す検査の予定時間が、通常の下部ルーチン検査の検査予定時間(15分)よりも5分長く設定される。検査スケジュール管理部110が、検査番号E12で示す下部ルーチン検査を第4検査室20dに割り当てた際には、通常通り検査予定時間を15分に設定しつつ、医師割当部129が、当該検査に対して医師Eを割り当てたときに、検査スケジュール管理部110は、図5に示す検査種別番号16の検査予定時間を参照して、検査予定時間を5分長くして、検査終了予定時刻を再設定する。
このように、オーダ情報に検査室情報、検査開始予定時刻情報、検査終了予定時刻情報、担当医師情報などが含まれていない場合に、検査にスコープ30を割り当てる前提として、検査スケジュール管理部110が、上記したように検査種別マスタテーブル210等を参照して、検査を行う検査室、検査開始予定時刻、検査終了予定時刻を設定し、医師割当部129が、検査に対して医師を割り当てることで、処理部100が検査スケジュールを自動生成する機能を有してよい。
所有スコープ情報記憶部220は、医療施設が所有するスコープ30に関する情報およびデータを記憶しており、所有スコープマスタテーブル222、使用状況記憶部224、洗浄機順位保持部226、割当スコープ情報保持部228、割当担当者情報保持部230、履歴記録部232を備える。所有スコープマスタテーブル222は、医療施設が所有するスコープ30を管理するためのデータベースであり、医療施設が所有する全てのスコープ30の情報が登録されている。
図6は、所有スコープマスタテーブル222の一例を示す。所有スコープマスタテーブル222は、医療施設内で設定した内視鏡番号と、機種名、および医療施設内における個体名称とを対応付けて登録している。ここでは上部検査用のスコープ機種として、ルーチン検査に使用される上部ルーチン機、高解像度の画像を提供できる上部高画質機、鼻孔から挿入される上部経鼻機、粘膜表面における微細な血管の走行形態や腺管等による構造パターン等を観察できる上部拡大機、処置機能を有する上部処置機が登録されている。
医療施設において上部ルーチン機は6本所有されて、それぞれにG−R−1、G−R−2、G−R−3、G−R−4、G−R−5、G−R−6の個体名称が付されている。また上部高画質機は3本所有されて、それぞれにG−H−1、G−H−2、G−H−3の個体名称が付され、上部経鼻機は1本所有されて、G−N−1の個体名称が付され、上部拡大機は2本所有されて、それぞれにG−Z−1、G−Z−2の個体名称が付され、上部処置機は2本所有されて、それぞれにG−T−1、G−T−2の個体名称が付されている。
また下部検査用のスコープの機種としては、ルーチン検査に使用される下部ルーチン機、粘膜表面における微細な血管の走行形態や腺管等による構造パターン等を観察できる下部拡大機、処置機能を有する下部処置機が登録されている。下部ルーチン機は3本所有されて、それぞれにC−R−1、C−R−2、C−R−3の個体名称が付され、下部拡大機は1本所有されて、C−Z−1の個体名称が付され、下部処置機は1本所有されて、C−T−1の個体名称が付されている。
各スコープ30には、それぞれの個体名称を印字したテープなどが貼り付けられて、医師や検査準備者が、目視で個体を特定できるようにされている。個体の識別表示の手段は、テープに限るものではないが、特に同機種のスコープ30が複数存在する場合には、同機種内での区別ができるように、個体を目視で特定できるような手当がなされていることが好ましい。
以下、スコープ30のスケジュール情報を生成する処理について説明する。なおスコープ30のスケジュール情報を生成することは、スコープ30を検査に割り当て、また検査に使用したスコープ30を洗浄機に割り当てることを意味し、その結果として、検査スケジュールおよび洗浄スケジュールが生成されるとともに、スコープ30の個体のスケジュールも生成されるようになる。
図7は、スコープ30のスケジュール情報を生成する基本フローチャートを示す。検査スケジュール管理部110が、オーダ情報記憶部202から1日分の複数のオーダ情報を取得する(S10)。検査スケジュール管理部110は、複数のオーダ情報の検査開始予定時刻を参照して、検査開始予定時刻の早いものから順に検査番号を設定し(S12)、検査スケジュールを生成する(S14)。なお検査開始予定時刻を同一とする複数の検査に関しては、検査室番号の小さいものから順に検査番号を設定してもよい。なお検査室番号は、第1検査室20aが「1」、第2検査室20bが「2」、第3検査室20cが「3」、第4検査室20dが「4」と設定されている。S14で生成される検査スケジュールは、図4に示したものであり、時間軸を縦軸とし、検査室を横軸にとって、検査開始予定時刻情報および検査終了予定時刻情報で指定される時間枠内に検査オーダを割り当てたものとなる。
なお検査開始予定時刻情報および検査終了予定時刻情報は、時分を示す時刻そのものの情報であってよいが、5分刻みの時間帯を示すものであってもよい。たとえば内視鏡部門において、スケジューリングが5分を1単位として行われる場合には、5分を1単位とするコマを基準として、検査開始予定時刻情報および検査終了予定時刻情報が、それぞれ検査開始予定時刻および検査終了予定時刻を指定してもよい。
スコープ30のスケジュール情報は、検査スケジュールにおける検査に対してスコープ30を割り当て、割り当てたスコープ30に対して検査終了予定時刻以後に洗浄を行う洗浄機を割り当てることで生成される。そのため最初に、各検査室においてスコープ30を割り当てる対象となる検査を抽出するための処理が実行される(S16)。割当対象検査抽出処理により、各検査室の検査が抽出されると、抽出された検査に対して、第1割当処理部120によりスコープ30を割り当てるための処理が実行される(S18)。スコープ割当処理により検査に対してスコープ30が割り当てられると、割り当てられたスコープ30の情報が検査スケジュールに登録され、続いて当該割り当てられたスコープ30に対して、洗浄する洗浄機50を割り当てるための処理が第2割当処理部140により実行される(S20)。スコープ30に割り当てられた洗浄機50の情報は、洗浄スケジュールに登録される。S16〜S20のステップは、全ての検査について完了するまで繰り返され(S22のN)、全検査に対して割当処理が完了すると(S22のY)、スコープ30のスケジューリング処理が終了する。
S16〜S20のステップを実行すると、各検査室20の検査に対してスコープ30が割り当てられ、割り当てられたスコープ30に対して洗浄機50が割り当てられる。このようにしてスコープ30の使用予定、洗浄予定が定められると、洗浄機50を割り当てた第2割当処理部140が、当該スコープ30を割り当てられた検査の検査番号に対して、処理済みのフラグを設定する。検査にスコープ30を割り当てる第1割当処理部120は、各検査番号のフラグを参照して、全ての検査番号のフラグが処理済みとなるまで(S22のN)、S16のステップを実行し、全ての検査番号のフラグが処理済みとなっていれば(S22のY)、S16のステップには戻らずに、スコープ30のスケジューリング処理を終了する。
図3に戻って、第1割当処理部120は、検査スケジュールの検査に対して、スコープ30を割り当てる処理を行う。具体的に第1割当処理部120は、基本フローチャートにおけるS16、S18のステップを実行する機能を有し、検査抽出部122、スコープ特定部124、スコープ割当部126、スコープ割当可否確認部128および医師割当部129を備える。なお既述したように医師割当部129は、検査スケジュールの生成に際して医師を検査に割り当てる処理を担当する。
図8は、基本フローチャートのS16に示す割当対象検査の抽出処理の詳細フローチャートを示す。第1割当処理部120において、検査抽出部122が、検査スケジュールにおける各検査室20の検査のうち、スコープ30をまだ割り当てておらず、且つ最も検査開始予定時刻の早い検査を抽出する(S30)。図4に示す検査スケジュールにおいては、まだ、どの検査にもスコープ30は割り当てておらず、したがって検査抽出部122は、各検査室20において最も検査開始予定時刻の早い検査をそれぞれ抽出する。ここで第1検査室20aからは検査番号E1の検査、第2検査室20bからは検査番号E2の検査、第3検査室20cからは検査番号E3の検査、第4検査室20dからは検査番号E4の検査を抽出する。以下、説明の便宜上、検査番号E1の検査を「検査E1」、検査番号E2の検査を「検査E2」などと呼ぶこともある。
続いて検査抽出部122は、「N=1」をセットして(S32)、第N検査室以外の検査室から抽出した検査の次の検査の検査開始予定時刻が、第N検査室から抽出した検査の検査開始予定時刻よりも遅いか否かを判定する(S34)。ここでは、第1検査室20aから抽出した検査E1の検査開始予定時刻と、第2検査室20b、第3検査室20c、第4検査室20dから抽出した検査E2、E3、E4の次の検査、つまり検査E6、E7、E8の検査開始予定時刻とを比較して、検査E6、E7、E8の検査開始予定時刻の全てが、検査E1の検査開始予定時刻よりも遅いか否かが判定される。図4に示す検査スケジュールでは、検査E6、E7、E8の検査開始予定時刻の全てが、検査E1の検査開始予定時刻よりも遅いため(S34のY)、検査抽出部122は、検査E1を、スコープ30を割り当てる対象となる検査として特定する(S36)。なお、もし検査E6、E7、E8の検査開始予定時刻のいずれか1つでも、検査E1の検査開始予定時刻よりも早い場合には(S34のN)、検査抽出部122は、検査E1を、スコープ30を割り当てる対象となる検査から除外する(S38)。
続いて、Nが検査室総数(この例では、検査室総数=4)と同じか判定され(S40)、Nが検査室総数に達していなければ(S40のN)、Nを1インクリメントして(S42)、S34に戻る。
S34においては、第2検査室20bから抽出した検査E2の検査開始予定時刻と、第1検査室20a、第3検査室20c、第4検査室20dから抽出した検査E1、E3、E4の次の検査、つまり検査E5、E7、E8の検査開始予定時刻とを比較して、検査E5、E7、E8の検査開始予定時刻の全てが、検査E1の検査開始予定時刻よりも遅いか否かが判定される。図4に示す検査スケジュールでは、検査E5、E7、E8の検査開始予定時刻の全てが、検査E2の検査開始予定時刻よりも遅いため(S34のY)、検査抽出部122は、検査E2を、スコープ30を割り当てる対象となる検査として特定する(S36)。
以上のように、S34の判定処理は、S30で各検査室20から抽出した全ての検査に関して実行される。ここでは、S30で各検査室20から抽出した検査番号E1、E2、E3、E4の全ての検査が、スコープ30を割り当てる対象となる検査として特定され(S36)、その時点でNが検査室総数に達しているため(S40のY)、割当対象検査の抽出処理が終了する。図7に示す基本フローチャートを参照して、S16の割当対象検査の抽出処理が終了すると、S18のスコープ割当処理が開始される。
図9は、基本フローチャートのS18に示すスコープ割当処理の詳細フローチャートを示す。第1割当処理部120において、スコープ割当部126が、検査スケジュール管理部110でスケジュール管理されている各々の内視鏡検査に対し、所有する複数のスコープ30の中から使用するスコープを割り当てる処理を行う。
このスコープ割当処理を行う前提として、まずスコープ特定部124が、スコープの割当対象として抽出された検査の開始予定時刻における全てのスコープ30のステータスを特定する(S50)。図2に関して説明したように、スコープ30のステータスは、ST1〜ST4のいずれかで特定される。
図10は、S50のステータス特定処理の詳細フローチャートを示す。まずスコープ特定部124は、割当対象となる検査の検査開始予定時刻を設定する(S70)。検査E1〜E4の検査開始予定時刻は、いずれも9:00であるため、ここでは時刻が9:00にセットされる。スコープ特定部124は、所有スコープマスタテーブル222に記録されている内視鏡番号1〜19の全てのスコープの設定時刻におけるステータスを特定する。
スコープ30のスケジュール情報を参照して、設定時刻(9:00)が、割り当てられた検査の時間内であれば(S72のY)、当該スコープ30のステータスは、「使用中」と特定される(S74)。また設定時刻が、検査時間外であって(S72のN)、割り当てられた検査の終了後、洗浄開始前であれば(S76のY)、当該スコープ30のステータスは、「使用済」と特定される(S78)。また設定時刻が、検査終了後、洗浄開始前ではなく(S76のN)、洗浄時間内であれば(S80のY)、当該スコープ30のステータスは、「洗浄中」と特定される(S82)。なお、設定時刻が洗浄時間内でもなければ(S80のN)、当該スコープ30のステータスは、「待機中」と特定される(S84)。このようにスコープ特定部124は、全てのスコープに関して、設定時刻におけるステータスを特定することで、検査開始予定時刻に「待機中」つまりは割当可能なスコープがどれであるかを把握できる。
図9に戻って、スコープ特定部124は、所有するスコープの検索処理を実行して、使用可能なスコープ30を特定する(S52)。ここでスコープ特定部124は、S50において「待機中」と特定したスコープに絞って、検索処理を実行する。「待機中」以外のステータス、つまり「使用中」、「使用済」、「洗浄中」ステータスのスコープ30は、その時点で検査に割り当てることはできないため、これらを検索対象から外すことで、検索効率を高められる。
図11は、S52のスコープの検索処理の詳細フローチャートを示す。スコープ特定部124は、「待機中」のステータスをもつ全てのスコープ30に関して、検索処理を実行する。ここでスコープ特定部124は、割当対象となる検査の検査種別を特定する。ここでは、割当対象となる全ての検査E1〜E4の検査開始予定時刻が9:00であり、S50において、9:00において全てのスコープ30のステータスが「待機中」であることが特定されている。そこでスコープ特定部124は、検査E1、E2、E3、E4のそれぞれについて、「待機中」ステータスを有するスコープ30が、検査種別に対応しているか否かを判定する(S90)。
実施形態においてスコープ特定部124は、割当対象となる内視鏡検査の検査種別情報にもとづいて、使用可能なスコープ30を特定する。なお実施形態では、検査種別は、上部検査であるか、または下部検査であるかで区別される。したがってS90では、検査の検査種別情報が上部検査を示す場合に、上部検査用スコープであれば対応しており、下部検査用スコープであれば対応していないことが判定される。また同様に、検査の検査種別情報が下部検査を示す場合に、下部検査用スコープであれば対応しており、上部検査用スコープであれば対応していないことが判定される。
図6に示す所有スコープマスタテーブル222および図4に示す検査スケジュールを参照して、スコープ特定部124は、検査番号E1、E2、E3の上部検査に対しては、上部検査用スコープである内視鏡番号1〜14のスコープを候補スコープとして決定し(S92)、一方、下部検査用スコープである内視鏡番号15〜19のスコープを、検査番号E1、E2、E3の検査には割当不能として決定する(S94)。またスコープ特定部124は、検査番号E4の下部検査に対しては、下部検査用スコープである内視鏡番号15〜19のスコープを候補スコープとして決定し(S92)、一方、上部検査用スコープである内視鏡番号1〜14のスコープを、検査番号E4の検査には割当不能として決定する(S94)。スコープ特定部124は、特定した候補スコープと検査番号との対応を、スコープ割当部126に通知する。
図9に戻って、スコープ割当部126は、スコープ特定部124により特定された候補スコープに基づいて、検査スケジュール管理部110で管理されている各々の検査に対し、使用するスコープ30を割り当てる。具体的にスコープ割当部126は、スコープ特定部124により特定された候補スコープのうちの1つを、内視鏡検査に割り当てる。以下の例では、複数の候補スコープのうち、図6に示す所有スコープマスタテーブル222に設定された内視鏡番号の小さいものから検査に対して割り当てることとするが、この順番に限定することを意図するものではない。
まずスコープ割当部126は、検査E1に対して割当可能なスコープがあることを判定する(S54のY)。ここでスコープ特定部124により検査E1、E2、E3に対して内視鏡番号1〜14のスコープが割当可能であることが通知されており、したがってスコープ割当部126は、検査E1に対して、内視鏡番号1のスコープG−R−1を割り当てる(S56)。なお、同じスコープG−R−1が他の検査に割り当てられないように、スコープ割当部126は、スコープG−R−1のステータスを「使用中」に設定する(S58)。ステータスを「使用中」に設定すると、そのスコープG−R−1は、次のスコープ割当部126による割当の際に、候補スコープから外される。
次にスコープ割当部126は、検査E2に対して割当可能なスコープがあることを判定し(S54のY)、検査E2に対して、内視鏡番号2のスコープG−R−2を割り当て(S56)、スコープG−R−2のステータスを「使用中」に設定する(S58)。同様にスコープ割当部126は、検査E3に対して、内視鏡番号3のスコープG−R−3を割り当て(S56)、スコープG−R−3のステータスを「使用中」に設定する(S58)。
次にスコープ割当部126は、検査E4に対して割当可能なスコープがあることを判定する(S54のY)。ここでスコープ特定部124により検査E4に対して内視鏡番号15〜19のスコープが割当可能であることが通知されており、したがってスコープ割当部126は、検査E4に対して、内視鏡番号15のスコープC−R−1を割り当て(S56)、スコープC−R−1のステータスを「使用中」に設定する(S58)。
S54において、検査に対して割当可能なスコープがない場合には(S54のN)、スコープ割当部126は、ユーザに対して、割当不能であることを通知する(S60)。なお、この通知のタイミングは、全検査に対してスコープ30の割当処理が完了した後であってよい。少なくともユーザは、1日の内視鏡検査業務の開始前に、スコープ30を割り当てられていない検査が存在することを認識する必要がある。
スコープ割当部126による割当処理は、抽出した全ての割当対象となる検査についてスコープ30の割当が完了するまで繰り返され(S62のN)、全ての検査(ここではE1〜E4)についてスコープ30が割り当てられると(S62のY)、このスコープ割当処理が終了する。スコープ割当部126による割当結果は、検査スケジュール管理部110に通知される。
図12は、検査スケジュール管理部110により更新された検査スケジュールを示す。検査スケジュール管理部110は、スコープ割当部126から割当結果を通知されると、該当する検査に、割り当てられたスコープ30を登録する。ここでは検査E1にスコープG−R−1が使用されること、検査E2にスコープG−R−2が使用されること、検査E3にスコープG−R−3が使用されること、検査E4にスコープC−R−1が使用されること、が登録されている。検査スケジュール管理部110は、更新した検査スケジュールを、検査スケジュール保持部206に記録する。このようにして、スコープG−R−1、G−R−2、G−R−3、C−R−1のスケジュール情報が生成される。
図7に戻って、S18のスコープ割当処理が終了すると、S20の洗浄機割当処理が開始される。
図3において、洗浄スケジュール管理部130は、洗浄機50と、洗浄開始予定時刻情報および洗浄終了予定時刻情報を含む複数のスコープの洗浄スケジュールを管理する。第2割当処理部140は、複数の洗浄機50の中から、各々の内視鏡検査で使用されるスコープ30を洗浄するための洗浄機50を割り当てる。洗浄スケジュール管理部130は、第2割当処理部140によりスコープ30に対して割り当てられた洗浄機50に基づいて、スコープ30の洗浄スケジュールを生成して、洗浄スケジュール保持部208に記録する。
図13は、基本フローチャートのS20に示す洗浄機割当処理の詳細フローチャートを示す。第2割当処理部140は、洗浄機特定部142、洗浄機割当部144、終了時刻判定部146、洗浄機割当可否確認部148および担当者割当部149を備える。
洗浄機特定部142が、S18で割り当てられたスコープ30のそれぞれに対して、所有する洗浄機50の検索処理を実行して、使用可能な洗浄機50を特定する(S110)。なお洗浄機50の使用が制限されない場合、つまりスコープ30に対して全ての洗浄機50の使用が許可されている場合には、洗浄機特定部142は、全ての第1洗浄機50a〜第4洗浄機50dが使用可能であることを特定する。このとき洗浄機特定部142は、洗浄スケジュール保持部208に保持されている洗浄スケジュールを参照して、各洗浄機50について、使用可能な時間帯を取得する。なお使用可能な時間帯とは、洗浄予定のない時間帯を意味する。なお第2割当処理部140が最初に洗浄機割当処理を実行する際には、洗浄スケジュールはブランクであり、つまり、いずれの洗浄機50にも洗浄予定は登録されておらず、したがって全ての時間帯が使用可能となっている。使用可能な洗浄機50およびその使用可能な時間帯は、洗浄機割当部144に通知される。
洗浄機割当部144は、複数の使用可能な洗浄機50の中から、各々の内視鏡検査で使用されるスコープ30を洗浄するための洗浄機50を割り当てる。ここで洗浄機割当部144は、スコープ割当部126により内視鏡検査に対して割り当てられたスコープ30の検査終了予定時刻以後の時刻が洗浄開始予定時刻となるように、当該スコープ30を洗浄するための洗浄機50を割り当てる。なお本実施形態では、業務効率化の観点から、検査終了予定時刻と同じ時刻を洗浄開始予定時刻に設定可能としているが、検査終了予定時刻と洗浄開始予定時刻の間には、所定時間のインターバルを設けてもよい。また本実施形態では、洗浄機50が1本のスコープ30を洗浄することを前提とするが、仕様によっては洗浄機50が複数本(たとえば2本)のスコープ30を洗浄でき、洗浄機割当部144が、複数本のスコープ30に対して洗浄機50を割り当ててもよい。
洗浄機割当部144は、洗浄機50を割り当てる対象となる複数のスコープ30、すなわちS18において検査に割り当てられた複数のスコープ30のうち、検査終了予定時刻の早いものから順に、洗浄機50を割り当てる。ここで検査E1〜E3の検査終了予定時刻は9:10であり、検査E4の検査終了予定時刻は9:15であるため、洗浄機割当部144は、検査E1、E2、E3、E4の順番で、使用されるスコープに対して洗浄機50を割り当てる。なお本実施形態においては、スコープ30に対して、割当可能な洗浄機50が常に存在している(S112のY)ことを前提としているが、割当可能な洗浄機50が存在していない場合(S112のN)には、スコープ30に洗浄機50を割当不能であることが通知される(S116)。
洗浄機割当部144は、検査E1で使用するスコープG−R−1に対して、第1洗浄機50aを割り当てる(S114)。なお実施形態において、全ての洗浄機50の洗浄予定時間を20分と設定するが、洗浄機50ごとに洗浄予定時間は異なってもよく、また洗浄機50における洗浄モードによって洗浄予定時間が異なってもよい。洗浄機割当部144は、検査E1の終了予定時刻を、洗浄開始予定時刻に設定し、その20分後を洗浄終了予定時刻に設定する(S118)。この割当により、第1洗浄機50aは、9:10〜9:30の間は、「使用中」のステータスが設定される。洗浄機50のステータスは、「使用中」または「待機中」のいずれかをとり、スケジュール情報の生成処理を開始する際には、全ての洗浄機50のステータスが「待機中」であることを前提とする。なおスコープG−R−1の9:10〜9:30の間のステータスは「洗浄中」となる。
次に洗浄機割当部144は、検査E2で使用するスコープG−R−2に対して、第2洗浄機50bを割り当てる(S114)。洗浄機割当部144は、検査E2の終了予定時刻を、洗浄開始予定時刻(9:10)に設定し、その20分後である9:30を洗浄終了予定時刻に設定する(S118)。この割当により、第2洗浄機50bは、9:10〜9:30の間は、「使用中」のステータスが設定される。
次に洗浄機割当部144は、検査E3で使用するスコープG−R−3に対して、第3洗浄機50cを割り当てる(S114)。洗浄機割当部144は、検査E3の終了予定時刻を、洗浄開始予定時刻(9:10)に設定し、その20分後である9:30を洗浄終了予定時刻に設定する(S118)。この割当により、第3洗浄機50cは、9:10〜9:30の間は、「使用中」のステータスが設定される。
最後に洗浄機割当部144は、検査E4で使用するスコープC−R−1に対して、第4洗浄機50dを割り当てる(S114)。洗浄機割当部144は、検査E4の終了予定時刻を、洗浄開始予定時刻(9:15)に設定し、その20分後である9:35を洗浄終了予定時刻に設定する(S118)。この割当により、第4洗浄機50dは、9:15〜9:35の間は、「使用中」のステータスが設定される。
このように洗浄機割当処理は、検査で使用する全てのスコープ30について洗浄機50が割り当てられるまで(S120のN)、繰り返される。検査で使用する全てのスコープ30について洗浄機50を割り当てると(S120のY)、洗浄機割当処理を終了する。洗浄機割当部144による割当結果は、洗浄スケジュール管理部130に通知される。
図14は、洗浄スケジュール管理部130により生成された洗浄スケジュールを示す。ここでは洗浄機割当部144による割当結果が洗浄スケジュールに反映されており、具体的には9:10〜9:30の間に、第1洗浄機50aでスコープG−R−1が洗浄されること、第2洗浄機50bでスコープG−R−2が洗浄されること、第3洗浄機50cでスコープG−R−3が洗浄されること、9:15〜9:35の間に第4洗浄機50dでスコープC−R−1が洗浄されること、が登録されている。洗浄スケジュール管理部130は、更新した洗浄スケジュールを、洗浄スケジュール保持部208に記録する。
図15は、スコープ30の個体のスケジュール情報を示す。ここでは理解を容易にするために、上記した処理が終了した段階で表示処理部150が個体スケジュールを表示する例を示しているが、実際には、全てのスケジューリングを終了した段階で、表示処理部150は、個体スケジュールを表示する。なお、図15において、C1は第1洗浄機50a、C2は第2洗浄機50b、C3は第3洗浄機50c、C4は第4洗浄機50dで洗浄中であることを示している。またE1、E2等は、使用中の検査の検査番号を示す。かかる個体スケジュールにより示される情報は、各個体のスケジュール情報となる。
図7に戻って、S20の洗浄機割当処理が終了すると、全検査番号の検査について処理が完了したかを判定し(S22)、完了していなければ、S16に戻って、基本フローが繰り返される。
以下、S16〜S20のステップを繰り返し実行して、スコープ30のスケジュール情報を生成するプロセスを説明する。なお、検査E1〜E4に関して上記したS16〜S20のステップは、1回目の処理となる。
<2回目:S16〜S20>
S16において、検査抽出部122が、第1検査室20aから検査E5、第2検査室20bから検査E6、第3検査室20cから検査E7、第4検査室20dから検査E8を抽出して、検査E5〜E8を、スコープ30を割り当てる対象となる検査として特定する。
S18において、スコープ特定部124が、検査E5、E6、E7に対して、上部検査用スコープである内視鏡番号4〜14のスコープを候補スコープとして決定し、検査E8に対して、下部検査用スコープである内視鏡番号16〜19のスコープを候補スコープとして決定する。なお検査E5、E6、E7の検査開始予定時刻(9:15)において、内視鏡番号1〜3のスコープのステータスは「洗浄中」であるため、検査E5、E6、E7の候補スコープとはならない。また検査E8の検査開始予定時刻(9:20)において、内視鏡番号15のスコープのステータスは「洗浄中」であるため、検査E8の候補スコープとはならない。特定された候補スコープは、スコープ割当部126に通知される。
スコープ特定部124からの通知を受けて、スコープ割当部126は、検査E5に対して内視鏡番号4のスコープG−R−4を、検査E6に対して内視鏡番号5のスコープG−R−5を、検査E7に対して内視鏡番号6のスコープG−R−6を割り当てる。またスコープ割当部126は、検査E8に対して内視鏡番号16のスコープC−R−2を割り当てる。
S20において、洗浄機割当部144は、検査E5のスコープG−R−4に対して第1洗浄機50aを割り当て、検査E6のスコープG−R−5に対して第2洗浄機50bを割り当て、検査E7のスコープG−R−6に対して第3洗浄機50cを割り当て、検査E8のスコープC−R−2に対して第4洗浄機50dを割り当てる。なお洗浄機割当部144は、スコープG−R−4、G−R−5、G−R−6の洗浄開始予定時刻を9:30、洗浄終了予定時刻を9:50に設定し、スコープC−R−2の洗浄開始予定時刻を9:35、洗浄終了予定時刻を9:55に設定する。
図16は、検査スケジュール管理部110により生成された検査スケジュールおよび洗浄スケジュール管理部130により生成された洗浄スケジュールを示す。ここではスコープ特定部124による割当結果が検査スケジュールに反映され、洗浄機割当部144による割当結果が洗浄スケジュールに反映されている。
<3回目:S16〜S20>
S16において、検査抽出部122が、第1検査室20aから検査E9、第2検査室20bから検査E10、第3検査室20cから検査E11、第4検査室20dから検査E12を抽出して、検査E9〜E12を、スコープ30を割り当てる対象となる検査として特定する。
S18において、スコープ特定部124が、検査E9、E10、E11に対して、上部検査用スコープである内視鏡番号1〜3、7〜14のスコープを候補スコープとして決定し、検査E12に対して、下部検査用スコープである内視鏡番号15、17〜19のスコープを候補スコープとして決定する。なお検査E9、E10、E11の検査開始予定時刻(9:30)において、内視鏡番号4〜6のスコープのステータスは「洗浄中」であるため、検査E9、E10、E11の候補スコープとはならない。また検査E12の検査開始予定時刻(9:40)において、内視鏡番号16のスコープのステータスは「洗浄中」であるため、検査E12の候補スコープとはならない。特定された候補スコープは、スコープ特定部124に通知される。
なお内視鏡番号1〜3のスコープは、9:30が洗浄終了予定時刻であり、9:30の時点で洗浄が終了しているため、ステータスは「待機中」であり、検査E9、E10、E11の候補スコープとなる。また内視鏡番号15のスコープは、9:35が洗浄終了予定時刻であり、9:40の時点でステータスは「待機中」であり、検査E12の候補スコープとなる。
スコープ特定部124からの通知を受けて、スコープ割当部126は、検査E9に対して内視鏡番号1のスコープG−R−1を、検査E10に対して内視鏡番号2のスコープG−R−2を、検査E11に対して内視鏡番号3のスコープG−R−3を割り当てる。またスコープ割当部126は、検査E12に対して内視鏡番号15のスコープC−R−1を割り当てる。
このようにスコープ割当部126は、検査開始予定時刻において洗浄が終了して「待機中」となっているスコープを、当該検査に再割り当てできる。つまりスケジューリング処理においては、スコープ割当部126は、洗浄機割当部144によりスコープ30に対して割り当てられた洗浄機50による洗浄終了予定時刻以後の時刻が、検査開始予定時刻となるように、内視鏡検査に対しスコープ30を割り当てることができる。この3回目のステップにおいては、洗浄機割当部144が効率的に洗浄機50をスコープ30に割り当てていることで、スコープG−R−1、G−R−2、G−R−3、C−R−1がそれぞれの洗浄終了予定時刻以後に開始される検査に再割り当てされており、スコープ30の効率的なスケジューリングが可能となっている。
S20において、洗浄機割当部144は、検査E9のスコープG−R−1に対して第1洗浄機50aを割り当て、検査E10のスコープG−R−2に対して第2洗浄機50bを割り当て、検査E11のスコープG−R−3に対して第3洗浄機50cを割り当て、検査E12のスコープC−R−1に対して第1洗浄機50aを割り当てる。なお洗浄機割当部144は、スコープG−R−1、G−R−2、G−R−3の洗浄開始予定時刻を9:50、洗浄終了予定時刻を10:10に設定し、スコープC−R−1の洗浄開始予定時刻を10:10、洗浄終了予定時刻を10:30に設定する。
図17は、検査スケジュール管理部110により生成された検査スケジュールおよび洗浄スケジュール管理部130により生成された洗浄スケジュールを示す。ここではスコープ特定部124による割当結果が検査スケジュールに反映され、洗浄機割当部144による割当結果が洗浄スケジュールに反映されている。
検査スケジュールに示されるように、スコープC−R−1が使用される検査E12は、その検査終了予定時刻が10:00であり、一方で、第4洗浄機50dの洗浄スケジュールによると、第4洗浄機50dは、9:55以降は使用可能となっている。そのため洗浄機割当部144は、検査E12のスコープC−R−1に、10:00から第4洗浄機50dを割り当てることも可能であるが、第4洗浄機50dに5分の未使用時間が生じてしまうため、洗浄機割当部144は、スコープC−R−1に、第1洗浄機50aを割り当てている。
<4回目:S16〜S20>
S16において、検査抽出部122が、第1検査室20aから検査E14、第2検査室20bから検査E15、第3検査室20cから検査E13、第4検査室20dから検査E19を抽出する。ここで図8のS34のステップを実行すると、第3検査室20cにおける検査E13の次の検査E16の検査開始予定時刻(10:00)は、第4検査室20dにおける検査E19の検査開始予定時刻(10:05)よりも早い(S34のN)。つまり第4検査室20dから抽出された検査E19は、まだ抽出されていない第3検査室20cの検査E16よりも後に開始される。そのため検査抽出部122は、検査E16の前に、検査E19にスコープを割り当てるべきでないと判断し、検査E19をスコープを割り当てる対象となる検査から外す(S38)。なお検査E13、E14、E15については、スコープ30を割り当てる対象となる検査として特定する。
S18において、スコープ特定部124が、検査開始予定時刻を9:45とする検査E13に対して、上部検査用スコープである内視鏡番号7〜14のスコープを候補スコープとして決定する。この検査開始予定時刻(9:45)において、内視鏡番号1〜3のスコープのステータスは「使用済」であり、内視鏡番号4〜6のスコープのステータスは「洗浄中」であるため、検査E13の候補スコープとはならない。またスコープ特定部124は、検査開始予定時刻を9:50とする検査E14、E15に対して、上部検査用スコープである内視鏡番号4〜14のスコープを候補スコープとして決定する。この検査開始予定時刻(9:50)において、内視鏡番号1〜3のスコープのステータスは「洗浄中」であるため、検査E13の候補スコープとはならない。特定された候補スコープは、スコープ特定部124に通知される。
スコープ特定部124からの通知を受けて、スコープ割当部126は、検査E13に対して内視鏡番号7のスコープG−H−1を、検査E14に対して内視鏡番号4のスコープG−R−4を、検査E15に対して内視鏡番号5のスコープG−R−5を割り当てる。スコープG−R−4、G−R−5は、9:50に洗浄を終了した後、再度検査に割り当てられている。
S20において、洗浄機割当部144は、検査E13のスコープG−H−1に対して第4洗浄機50dを割り当て、検査E14のスコープG−R−4に対して第2洗浄機50bを割り当て、検査E15のスコープG−R−5に対して第3洗浄機50cを割り当てる。なお洗浄機割当部144は、スコープG−H−1の洗浄開始予定時刻を9:55、洗浄終了予定時刻を10:15に設定し、G−R−4、G−R−5の洗浄開始予定時刻を10:10、洗浄終了予定時刻を10:30に設定する。
図18は、検査スケジュール管理部110により生成された検査スケジュールおよび洗浄スケジュール管理部130により生成された洗浄スケジュールを示す。ここではスコープ特定部124による割当結果が検査スケジュールに反映され、洗浄機割当部144による割当結果が洗浄スケジュールに反映されている。
図19は、スコープ30の個別スケジュールを示す。このように基本フローチャートにおけるS16〜S20を4回繰り返すことで、スコープ30の個別スケジュール情報が図19に示すように作成されている。
以上のように、S16〜S20の処理を最後の検査に対する割当処理が完了するまで繰り返す。
図20は、検査スケジュール管理部110により生成された検査スケジュールおよび洗浄スケジュール管理部130により生成された洗浄スケジュールを示す。ここではスコープ特定部124による割当結果が検査スケジュールに反映され、洗浄機割当部144による割当結果が洗浄スケジュールに反映されている。このように全ての検査に対して、スコープ30の割り当てが完了し、またスコープ30に対して洗浄機50の割り当てが完了することで、スコープ30のスケジュール情報の生成処理が終了する。
図21は、1日分のスコープ30の個別スケジュールを示す。
スコープ割当部126によるスコープ30の割当結果および/または洗浄機割当部144による洗浄機50の割当結果は、表示処理部150により端末装置12のディスプレイに表示される。
たとえば表示処理部150は、検査スケジュール保持部206から検査スケジュール情報を読み出して、図20に示す検査スケジュール表を端末装置12に表示してもよい。また表示処理部150は、洗浄スケジュール保持部208から洗浄スケジュール情報を読み出して、図20に示す洗浄スケジュール表を端末装置12に表示してもよい。また表示処理部150は、検査スケジュール表および洗浄スケジュール表を、同一画面に表示してもよい。これにより医師および検査準備者は、検査にどのスコープ30を使用するかを容易に認識でき、また検査準備者は、使用済みのスコープ30をどの洗浄機50で洗浄するかを容易に認識できるようになる。
また表示処理部150は、検査スケジュール保持部206から検査スケジュール情報を読み出し、また洗浄スケジュール保持部208から洗浄スケジュール情報を読み出して、スコープ30の個別スケジュール表を端末装置12に表示してもよい。この個別スケジュール表は、図21に示したものであり、かかる個別スケジュール表を生成することで、検査準備者は、スコープ30の各個体のスケジュールを知ることができる。検査準備者は、ある時点におけるスコープ30の状況を知りたい場合に、個別スケジュール表により、スコープ30が洗浄中であるのか、または検査使用中であるのかなどの状況を知ることができる。
なお図21に示すように、スコープC−R−1は、12:30〜12:50まで洗浄予定となっている。医療施設にもよるが、検査準備者の昼休みがたとえば12:30〜13:30と定められているような場合には、この洗浄処理は、勤務時間外であることが通知されてもよい。
終了時刻判定部146は、洗浄機割当部144によりスコープ30に洗浄機50を割り当てた結果、洗浄終了予定時刻が基準時刻(12:30)以後となるか否かを判定する。終了時刻判定部146により洗浄終了予定時刻が基準時刻以後となることが判定された場合に、洗浄機割当可否確認部148は、洗浄機割当の可否をユーザ(たとえば操作者)に確認する通知を行ってもよい。たとえば、この通知のタイミングは、全検査に対してスコープ30の割当処理が完了した後であってよい。なお図21を参照して、スコープG−H−1の洗浄終了予定時刻は12:35であるため、この洗浄予定に対しても、洗浄機割当可否確認部148は、洗浄機割当の可否をユーザに確認する。
なお医師のスケジュールは、検査オーダによって定められており、医師は、検査スケジュール表により、次の検査の開始予定時刻および検査室などを把握する。同様に情報管理装置10は検査準備者に対して、スケジュールを設定してもよい。このスケジュールでは、検査準備者が、検査開始前にスコープ30を検査室20に運び込み、また検査終了後にスコープ30を洗浄室40に運び込むことなどが設定されてよく、また検査室内で検査補助することなどが設定されていてもよい。
以下、実施形態の情報管理装置10によるスケジューリング処理に関する様々な態様について説明する。
<実施例1>
実施形態では、図11に示すスコープの検索処理において、スコープ特定部124が、割当対象となる内視鏡検査の検査種別情報にもとづいて、使用可能なスコープ30を特定した。このとき検査種別は、上部検査であるか、または下部検査であるかで区別していたが、実施例1では、さらに詳細な検査内容を示す検査種別情報にもとづいて、スコープ特定部124が、使用可能なスコープ30を特定する。
図22は、スコープ順位保持部204に保持されたスコープ順位テーブルを示す。スコープ順位テーブルは、検査種別に対して、優先的に割り当てるべきスコープ機種を対応付けて記録する。ここで「優先スコープ機種1」は、最も優先的に割り当てられるべき機種に関する情報であり、「優先スコープ機種2」は、2番目に優先的に割り当てられるべき機種に関する情報である。スコープ特定部124は、「優先スコープ機種1」で指定されるスコープ30が「待機中」であれば、そのスコープ30を候補スコープとして特定する。一方、スコープ特定部124は、「優先スコープ機種1」で指定されるスコープ30が「待機中」ではなく、「優先スコープ機種2」で指定されるスコープ30が「待機中」であれば、「優先スコープ機種2」のスコープ30を候補スコープとして特定する。このようにスコープ順位保持部204は、内視鏡検査の検査種別に対して、割り当てるスコープ30の機種の優先順位を保持し、スコープ特定部124は、優先順位の高い機種のスコープ30を候補スコープとして特定する。
図23は、実施例1におけるスコープの検索処理の詳細フローチャートを示す。スコープ特定部124は、「待機中」のステータスをもつ全てのスコープ30に関して、検索処理を実行する。スコープ特定部124は、割当対象となる内視鏡検査の検査種別情報にもとづいて、使用可能なスコープ30を特定する。S90では、検査の検査種別情報が上部検査を示す場合に、上部検査用スコープであれば対応しており、下部検査用スコープであれば対応していないことが判定される。また同様に、検査の検査種別情報が下部検査を示す場合に、下部検査用スコープであれば対応しており、上部検査用スコープであれば対応していないことが判定される。
実施形態における1回目のS16〜S20のステップに関して説明すると、スコープ特定部124は、検査E1、E2、E3に対しては、上部検査用スコープである内視鏡番号1〜14のスコープが対応しているスコープと判定し、検査E4に対しては、下部検査用スコープである内視鏡番号15〜19のスコープが対応しているスコープと判定する(S90)。
検査E1、E2、E3の検査種別は「上部ルーチン検査」であり、スコープ特定部124は、スコープ順位保持部204に保持されたスコープ順位情報を参照して、優先順位が最も高い機種(優先スコープ機種1)が「上部ルーチン機」であることを認識する。そこでスコープ特定部124は、対応するスコープに、「上部ルーチン機」が含まれているかを判定する(S96)。ここでは上部ルーチン機として、内視鏡番号1〜6のスコープが存在するため(S96のY)、スコープ特定部124は、内視鏡番号1〜6のスコープを候補スコープとして決定する(S92)。
また検査E4の検査種別は「下部ルーチン検査」であり、スコープ特定部124は、スコープ順位保持部204に保持されたスコープ順位情報を参照して、優先順位が最も高い機種(優先スコープ機種1)が「下部ルーチン機」であることを認識する。そこでスコープ特定部124は、対応するスコープに、「下部ルーチン機」が含まれているかを判定する(S96)。ここでは下部ルーチン機として、内視鏡番号15〜17のスコープが存在するため(S96のY)、スコープ特定部124は、内視鏡番号15〜17のスコープを候補スコープとして決定する(S92)。
なお検査E1〜E3に関して、対応するスコープに、優先スコープ機種1のスコープが含まれていない場合(S96のN)、スコープ特定部124は、スコープ順位保持部204に保持されたスコープ順位情報を参照して、優先順位が2番目に高い機種(優先スコープ機種2)が「上部高画質機」であることを認識する。そこでスコープ特定部124は、対応するスコープに、「上部高画質機」が含まれているかを判定し(S98)、含まれていれば(S98のY)、スコープ特定部124は、上部高画質機のスコープを候補スコープとして決定する(S92)。
なお対応するスコープに、優先スコープ機種2のスコープも含まれていない場合(S98のN)には、スコープ特定部124は、S90において検査種別に対応していると判定されたスコープのうち、優先スコープ機種以外の機種のスコープを、候補スコープとして決定する(S92)。スコープ特定部124は、特定した候補スコープをスコープ割当部126に通知し、スコープ割当部126は、実施形態で説明したように、検査に対してスコープ30を割り当てる。
なおスコープ特定部124が、優先順位の低い機種のスコープ30を特定し、スコープ割当部126が、内視鏡検査に、特定されたスコープを割り当てるときには、スコープ割当可否確認部128が、スコープ割当の可否をユーザに確認することが好ましい。たとえばスコープ割当可否確認部128は、優先スコープ機種1が割り当てられない場合には、優先順位の低い機種が割り当てられたとして、ユーザ確認を行ってもよいが、スコープ順位保持部204で設定されている機種が割り当てられていれば(たとえば優先スコープ機種2が割り当てられている)、ユーザ確認を行わなくてもよい。つまりスコープ特定部124が、優先スコープ機種以外の機種を候補スコープとして決定し、スコープ割当部126が、その候補スコープを検査に対して割り当てた場合に限って、スコープ割当可否確認部128が、スコープ割当の可否をユーザに確認するようにしてもよい。なおスコープ特定部124が、優先スコープ機種を候補スコープとして決定できない場合には(S98のN)、候補スコープなしであることを決定して、スコープ割当可否確認部128が、その旨をユーザに通知してもよい。
この確認のタイミングは、全検査に対してスコープ30の割当処理が完了した後であってよい。少なくともユーザは、1日の内視鏡検査業務の開始前に、適切なスコープ30を割り当てられていない検査が存在することを認識する必要がある。
実施形態と実施例1とを比較すると、たとえば実施形態では、図17に示すように、上部経鼻検査である検査E9に対して、上部ルーチン機であるスコープG−R−1が割り当てられている。しかしながら実施例1によると、スコープ特定部124が、スコープ順位保持部204に保持されたスコープ順位情報を参照して、検査E9の優先順位が最も高い機種(優先スコープ機種1)が「上部経鼻機」であることを認識することで、スコープ特定部124は、検査E9に対する候補スコープとして、内視鏡番号10のスコープG−N−1を特定することになる。同様に、上部精査検査である検査E10に対してスコープ特定部124は、候補スコープとして、上部高画質機である内視鏡番号7〜9のスコープG−H−1〜G−H−3を特定する。したがってスコープ割当部126は、検査E9に対してスコープG−N−1を割り当て、また検査E10に対してスコープG−H−1を割り当てる。このように実施形態と比較すると、実施例1では、内視鏡検査に対して、優先順位の高い、すなわち検査に適したスコープ30を割り当てられるため、検査スケジュールの完成度を高めることができる。
<実施例2>
内視鏡検査業務支援システム1において、消耗や老朽化が進んだスコープは、機能劣化や、故障が生じやすくなる。一般に、スコープの消耗や老朽化が突出して進むケースは、そのスコープの使用回数や使用時間が他のスコープよりも極端に多い場合であるため、実施例2では、複数のスコープ30の使用回数や使用時間を均等にすることを目的とする。
図3に戻って、使用状況記憶部224は、所有する複数のスコープ30の過去の使用状況を記憶する。
図24は、使用状況記憶部224に記憶された使用状況テーブルを示す。使用状況テーブルは、各スコープ30に対して、過去の使用状況を対応付けて記録している。この使用状況は、あくまでも過去のものであり、実際に使用されたときに、使用状況が更新されるようになっている。ここで使用状況は、「使用回数」と「使用時間」であり、「使用時間」は検査に使用された累積回数を、「使用時間」は検査に使用された累積時間を示す。
図1を参照して、検査を開始する際、スコープ30は、内視鏡観察装置22に接続されるが、このときスコープ30の識別情報(スコープID)がネットワーク2を介して情報管理装置10に送信される。検査を終了する際、内視鏡観察装置22において検査の終了ボタンが操作されると(またはスコープ30が内視鏡観察装置22から引き抜かれると)、検査の終了通知が情報管理装置10に送信される。情報管理装置10において、使用状況監視部160は、内視鏡観察装置22から送信される情報を監視し、スコープIDが送信されてから、検査終了通知が送信されるまでの時間を、検査使用時間として導出する。検査終了通知が送信されると、使用状況監視部160は、使用状況テーブルにおける該当するスコープ30の使用回数を1つ増やし、また使用時間に、今回導出した検査使用時間を加算して、使用状況テーブルを更新し、使用状況記憶部224に記録する。以上のようにして、使用状況テーブルが作成されている。
なお図24に示す使用状況テーブルは、あくまでも理解を容易にするために示した例である。図24において、たとえば内視鏡番号1〜6の上部ルーチン機の使用回数や使用時間が大きく異なっているが、実施例2では、このような状況が発生しないように、複数スコープの使用回数や使用時間を平準化(均等化)するための技術を提案するものである。そのため図24に示す使用状況テーブルは、あくまでも使用状況の例示にすぎないことにご留意いただきたい。
実施例2において、スコープ割当部126は、検査スケジュール管理部110が管理する各々の内視鏡検査に割り当て可能なスコープ30が複数存在する場合に、使用状況記憶部224に記憶された使用状況を参照して、過去の使用回数または過去の使用時間が相対的に少ないスコープ30を優先して内視鏡検査に割り当てる。
図25は、図9に示すスコープ割当処理におけるS56の詳細フローチャートを示す。スコープ割当部126は、スコープ特定部124から通知された候補スコープのうち、使用状況記憶部224に記憶された使用状況を参照して、過去の使用回数が最も少ない候補スコープを特定する(S130)。
以下、実施例1において説明したスコープ検索処理により、検査E1、E2、E3の候補スコープを特定した例で説明する。実施例1ではスコープ特定部124が、検査E1、E2、E3の候補スコープとして、内視鏡番号1〜6のスコープを特定し、スコープ割当部126に通知している。
スコープ割当部126は、使用状況記憶部224に記憶された内視鏡番号1〜6のスコープ使用状況を参照して、検査E1に対して、内視鏡番号1〜6のスコープのうち、使用回数が最も少ないスコープとして、内視鏡番号3のスコープG−R−3を特定する(S130)。スコープG−R−3の使用回数は40回であり、スコープG−R−1、G−R−2、G−R−4、G−R−5、G−R−6の使用回数よりも相対的に少なく、また使用回数を40回とするスコープは他にないため(S132のY)、スコープ割当部126は、検査E1に対して、スコープG−R−3を割り当てる(S136)。スコープ割当部126は、最も使用回数の少ないG−R−3を検査E1に優先して割り当てることで、スコープの使用回数の均等化に貢献する。
なおスコープ割当部126は、検査にスコープを割り当てると、当該スコープの使用状況として、仮の使用回数および使用時間(仮の使用状況)を設定する(S138)。ここでは内視鏡番号3の使用回数を、仮に1増やし、また図5に示す検査種別マスタテーブル210を参照して、使用時間を仮に10分(上部ルーチン検査の検査予定時間が10分)増やす。これにより内視鏡番号3の仮の使用回数は「41」となり、また仮の使用時間は「660分」となる。この仮の使用状況は、図25に示す割当実行処理において、以後使用されることになる。
なお仮の使用回数および使用時間は、使用状況記憶部224の使用状況テーブルに反映させない。仮の使用状況は、スコープ30のスケジューリングに使用するための目的でのみ設定され、全ての検査に対してスコープ30のスケジューリングが行われると、破棄されてよい。
次にスコープ割当部126は、使用状況記憶部224に記憶された内視鏡番号1、2、4〜6のスコープ使用状況を参照して、検査E2に対して、内視鏡番号1、2、4〜6のスコープのうち、使用回数が最も少ないスコープとして、内視鏡番号2のスコープG−R−2と内視鏡番号4のスコープG−R−4を特定する(S130)。スコープG−R−2、G−R−4の使用回数は50回であり、スコープG−R−1、G−R−5、G−R−6の使用回数よりも相対的に少ないが、同じ使用回数の2本のスコープが特定されている(S132のN)。ここでスコープ割当部126は、2本のスコープのうち、使用状況記憶部224に記憶された内視鏡番号2、4のスコープ使用状況を参照し、使用時間が最も少ないスコープとして、内視鏡番号2のスコープG−R−2を特定し(S134)、検査E2に対して、スコープG−R−2を割り当てる(S136)。スコープ割当部126は、候補スコープのうち、最も使用回数の少なく、且つ最も使用時間が少ないG−R−2を検査E2に優先して割り当てることで、スコープの使用時間の均等化に貢献する。スコープ割当部126は、内視鏡番号2のスコープの使用状況として、仮の使用回数および使用時間(仮の使用状況)を設定する(S138)。つまり、内視鏡番号2の仮の使用回数は「51」となり、また仮の使用時間は「510分」となる。
次にスコープ割当部126は、使用状況記憶部224に記憶された内視鏡番号1、4〜6のスコープ使用状況を参照して、検査E3に対して、内視鏡番号1、4〜6のスコープのうち、使用回数が最も少ないスコープとして、内視鏡番号4のスコープG−R−4を特定する(S130)。G−R−4の使用回数は50回であり、スコープG−R−1、G−R−5、G−R−6の使用回数よりも相対的に少ないため、検査E3に対して、スコープG−R−4を割り当てる(S136)。スコープ割当部126は、候補スコープのうち、最も使用回数の少ないG−R−4を検査E3に優先して割り当てることで、スコープの使用回数の均等化に貢献する。スコープ割当部126は、内視鏡番号4のスコープの使用状況として、仮の使用回数および使用時間(仮の使用状況)を設定する(S138)。
以上のように、スコープ割当部126は、各々の内視鏡検査に割り当て可能なスコープ30が複数存在する場合に、使用状況記憶部224に記憶された使用状況を参照して、過去の使用回数または過去の使用時間が相対的に少ないスコープ30を優先して内視鏡検査に割り当てることで、使用回数または使用時間の平準化に寄与する。なお図25においては、S130で使用回数が最も少ない候補スコープを特定し、S134で使用時間が最も少ない候補スコープを特定しているが、この順番は逆であってもよい。また使用回数および使用時間が同じである複数の候補スコープが存在する場合には、スコープ割当部126は、いずれの候補スコープを内視鏡検査に割り当ててもよい。
以上の実施例1〜2は、検査スケジュールにおけるスコープ30の割当態様について説明した。以下の実施例3では、洗浄スケジュールにおける洗浄機50の割当態様について説明する。
<実施例3>
図3に戻って、洗浄機順位保持部226は、スコープ30に対して、割り当てる洗浄機50の優先順位を保持する。
図26は、洗浄機順位保持部226に保持された洗浄機順位テーブルを示す。洗浄機順位テーブルは、スコープ30に対して、割り当てる洗浄機50の優先順位を対応付けて記録する。この洗浄機順位テーブルでは、縦軸に各スコープを、横軸に各洗浄機を記録して、スコープと洗浄機との組み合わせに対して、優先順位が設定されている。なお、この例では、第1洗浄機50aおよび第2洗浄機50bが薬液Aを使用し、第3洗浄機50cが薬液Bを使用し、第4洗浄機50dが薬液Cを使用するものとする。なお、洗浄機順位テーブルは、スコープ個体に対してではなく、スコープ機種に対して、割り当てる洗浄機50の優先順位を対応付けていてもよい。
実施例3において、第1洗浄機50aおよび第2洗浄機50bは、同一機種であってもよいが、別機種であってもよい。第1洗浄機50aおよび第2洗浄機50bと、第3洗浄機50c、第4洗浄機50dは、異なる薬液を使用し、したがってこれらの機種は異なっている。このように複数の洗浄機50が異なる機種により構成されている場合、洗浄機順位保持部226は、洗浄機機種に関する優先順位を保持する。
図26に示す洗浄機順位テーブルにおいて、設定値1は、優先順位が最も高いことを示し、設定値2は、優先順位が2番目に高いことを示す。また設定値3は、優先順位が3番目に高いことを示す。なお設定値0は、スコープ30に割り当てられることが禁止されていることを示す。
図26に示す洗浄機順位テーブルでは、薬液Cを使用する第4洗浄機50dに、設定値0が与えられている。これは、たとえば薬液Cがスコープ部材を劣化させやすい、強いアタック性を有しているため、医療施設において、多くのスコープ30の洗浄に使用することを禁止している事情による。この例では、上部処置機であるG−T−1、G−T−2、下部処置機であるC−T−1に対して、設定値2が与えられているものの、他のスコープに対しては設定値0が与えられて、使用が禁止されている。たとえば薬液Cは強酸性電解水であってよい。
このように図26に示す例では、割り当てる洗浄機50の優先順位が、洗浄機50において使用される洗浄薬液のアタック性にもとづいて設定されている。洗浄機順位テーブルは、医療施設のポリシーによって適宜作成されるものであり、アタック性の強弱に依存して洗浄機順位テーブルを作成することで、スコープ30の長寿命化を期待できる。一方で、たとえば強酸性電解水は、洗浄薬液としては非常に安価であるというメリットを有している。そのため、薬液にかかるコスト面に着目したポリシーによると、強酸性電解水を使用する洗浄機50に対して、設定値0以外の設定値を与えることも可能である。このように洗浄機順位保持部226で保持される洗浄機50の優先順位は、洗浄機50において使用される薬液にもとづいて設定されることになる。
図27は、図13に示す洗浄機割当処理におけるS110の詳細フローチャートを示す。S110において、洗浄機特定部142は、S18(図7参照)のスコープ割当処理により割り当てられたスコープ30のそれぞれに対して、所有する洗浄機50の検索処理を実行して、使用可能な洗浄機50を特定する。
以下、実施形態において説明したスコープ割当処理により、検査E1、E2、E3、E4に対して、それぞれスコープG−R−1、G−R−2、G−R−3、C−R−1が割り当てられた例で説明する。つまり図12に示す検査スケジュールが設定された状態で、洗浄機割当処理を開始する。
図3に戻って、第2割当処理部140において洗浄機特定部142は、洗浄機順位保持部226に保持された洗浄機順位情報を参照して、スコープG−R−1、G−R−2、G−R−3、C−R−1に関し、設定値0以外の洗浄機50を抽出する(S150)。S150では、使用が禁止されていない洗浄機50を抽出している。ここで上部ルーチン機であるスコープG−R−1、G−R−2、G−R−3については、第1洗浄機50a、第2洗浄機50b、第3洗浄機50cの設定値が0ではなく、また同様に下部ルーチン機であるスコープC−R−1についても、洗浄機50a、第2洗浄機50b、第3洗浄機50cの設定値が0ではない。したがって洗浄機特定部142は、検査E1〜E4の各々に対して、第1洗浄機50a、第2洗浄機50b、第3洗浄機50cを候補洗浄機として特定する(S152)。特定された候補洗浄機は、洗浄機割当部144に通知される。
図28は、図13に示す洗浄機割当処理におけるS114の詳細フローチャートを示す。S114において、洗浄機割当部144は、スコープ30に対して、洗浄機50を割り当てる。
最初に洗浄機割当部144は、検査E1のスコープG−R−1に対する洗浄機割当を行う。洗浄機割当部144は、洗浄スケジュール保持部208に保持されている洗浄スケジュールを参照して、候補洗浄機のうち、最先で割当可能な洗浄機50を特定する(S160)。なお実施形態で説明したように、洗浄機特定部142により、候補洗浄機の使用可能な時間帯が洗浄機割当部144に通知される場合には、洗浄機割当部144は、通知された時間帯を参照して、最先で割当可能な洗浄機50を特定してもよい。
ここで候補洗浄機、つまり第1洗浄機50a、第2洗浄機50b、第3洗浄機50cは、その初期状態において、全時間帯が使用可能であり、つまり全時間帯のステータスが「待機中」となっている。そこで洗浄機割当部144は、第1洗浄機50a、第2洗浄機50b、第3洗浄機50cの全てが最先で割当可能であることを特定し(S160)、最先で割当可能な洗浄機が複数あることを判定する(S162のY)。ここで洗浄機割当部144は、洗浄機順位保持部226に保持された優先順位を参照して、検査E1のスコープG−R−1に対して第1洗浄機50aおよび第2洗浄機50bに設定値1が与えられていることを認識する(S164)。これにより洗浄機割当部144は、スコープG−R−1に対して第1洗浄機50aを割り当てる(S166)。このようにして洗浄機割当部144は、優先順位の高い第1洗浄機50aを、スコープG−R−1に割り当て、これによりスコープに適した洗浄機で洗浄することが可能となる。なお、この洗浄開始予定時刻は9:10、洗浄終了予定時刻は9:30に設定されて、洗浄スケジュールに登録される。これにより第1洗浄機50aの9:10〜9:30の間のステータスは「使用中」となる。
次に洗浄機割当部144は、検査E2のスコープG−R−2に対する洗浄機割当を行う。洗浄機割当部144は、洗浄スケジュール保持部208に保持されている洗浄スケジュールを参照して、候補洗浄機のうち、最先で割当可能な洗浄機50を特定する(S160)。ここで第1洗浄機50aには、9:10〜9:30の使用予定が設定されているため、洗浄機割当部144は、第2洗浄機50b、第3洗浄機50cが最先で割当可能であることを特定し(S160)、最先で割当可能な洗浄機が複数あることを判定する(S162のY)。ここで洗浄機割当部144は、洗浄機順位保持部226に保持された優先順位を参照して、検査E2のスコープG−R−2に対して第2洗浄機50bに設定値1が与えられていることを認識する(S164)。これにより洗浄機割当部144は、スコープG−R−2に対して第2洗浄機50bを割り当てる。このようにして洗浄機割当部144は、優先順位の高い第2洗浄機50bを、スコープG−R−2に割り当てる。なお、この洗浄開始予定時刻は9:10、洗浄終了予定時刻は9:30に設定されて、洗浄スケジュールに登録される。
次に洗浄機割当部144は、検査E3のスコープG−R−3に対する洗浄機割当を行う。洗浄機割当部144は、洗浄スケジュール保持部208に保持されている洗浄スケジュールを参照して、候補洗浄機のうち、最先で割当可能な洗浄機50を特定する(S160)。ここで第1洗浄機50a、第2洗浄機50bには、9:10〜9:30の使用予定が設定されているため、洗浄機割当部144は、第3洗浄機50cが最先で割当可能であることを特定し(S160)、特定した洗浄機50が1つであることを判定する(S162のN)。これにより洗浄機割当部144は、スコープG−R−3に対して第3洗浄機50cを割り当てる。この洗浄開始予定時刻は9:10、洗浄終了予定時刻は9:30に設定されて、洗浄スケジュールに登録される。
なおスコープG−R−3に関して、第3洗浄機50cの設定値は2であり、優先順位は第1洗浄機50a、第2洗浄機50bと比べて低い。そのためスコープG−R−3に対して、第1洗浄機50aまたは第2洗浄機50bが使用可能となる時刻で、第1洗浄機50aまたは第2洗浄機50bを割り当てることも可能である。しかしながら、そのような場合には、スコープG−R−3の洗浄が遅くなり、作業効率の観点から好ましくない。そこで洗浄機割当部144は、割当が禁止されていない限りにおいて、優先順位が低い洗浄機50であっても、積極的に割り当てるようにしている。
次に洗浄機割当部144は、検査E4のスコープC−R−1に対する洗浄機割当を行う。洗浄機割当部144は、洗浄スケジュール保持部208に保持されている洗浄スケジュールを参照して、候補洗浄機のうち、最先で割当可能な洗浄機50を特定する(S160)。ここで第1洗浄機50a、第2洗浄機50b、第3洗浄機50cには、9:10〜9:30の使用予定が設定されており、洗浄機割当部144は、第1洗浄機50a、第2洗浄機50b、第3洗浄機50cの全てが最先で割当可能であることを特定し(S160)、最先で割当可能な洗浄機が複数あることを判定する(S162のY)。
ここで洗浄機割当部144は、洗浄機順位保持部226に保持された優先順位を参照して、検査E4のスコープC−R−1に対して第1洗浄機50aおよび第2洗浄機50bに設定値1が与えられていることを認識する(S164)。これにより洗浄機割当部144は、スコープC−R−1に対して第1洗浄機50aを割り当てる(S166)。このようにして洗浄機割当部144は、優先順位の高い第1洗浄機50aを、スコープC−R−1に割り当て、これによりスコープに適した洗浄機で洗浄することが可能となる。なお、この洗浄開始予定時刻は9:30、洗浄終了予定時刻は9:50に設定されて、洗浄スケジュールに登録される。
図29は、実施例3において洗浄スケジュール管理部130により生成された洗浄スケジュールを示す。ここでは洗浄機割当部144による割当結果が洗浄スケジュールに反映されており、具体的には9:10〜9:30の間に、第1洗浄機50aでスコープG−R−1が洗浄されること、第2洗浄機50bでスコープG−R−2が洗浄されること、第3洗浄機50cでスコープG−R−3が洗浄されること、9:30〜9:50の間に第1洗浄機50aでスコープC−R−1が洗浄されること、が登録されている。洗浄スケジュール管理部130は、更新した洗浄スケジュールを、洗浄スケジュール保持部208に記録する。
実施形態で説明した図14と比較すると、図29に示す洗浄スケジュールでは、第4洗浄機50dが使用されていない。これはスコープC−R−1に対して第4洗浄機50dの使用、換言すると薬液Cの使用が禁止されているために、第4洗浄機50dに対してスコープが割り当てられない状態となっている。なお図26において、スコープG−T−1、G−T−2、C−T−1に対しては、第4洗浄機50dの設定値は2となっており、したがって、これらのスコープの洗浄スケジューリングに際して、第4洗浄機50dが割り当てられることがある。
以上は、洗浄機順位保持部226において設定値が0の第4洗浄機50dの使用を禁止する場合について説明したが、この制限を緩めて洗浄スケジュールの生成処理を運用してもよい。上記した使用禁止の運用では、第4洗浄機50dが通常は使用されず、スコープ30の洗浄処理が効率よく進まずに、洗浄待ちのスコープ30が多くなるという状況が想定されるためである。そこで設定値0の洗浄機50は、スコープ30に割り当てることを禁止するという厳しい制限ではなく、スコープ30に割り当てることをできるだけ避ける、という緩やかな制限が採用されてもよい。この厳しい制限と緩やかな制限は、たとえばスケジューリングのモードによって定められてもよく、洗浄処理の効率化を促進する場合には、ユーザが、緩やかな制限のモードを選択することで、設定値0の洗浄機50を、スコープ30に割当可能としてもよい。
なお、この場合には、使用状況記憶部224(または後述する履歴記録部232)が、設定値0の洗浄機50で洗浄した回数を、スコープ30ごとに記憶しておくことが好ましい。洗浄機割当部144は、設定値0の洗浄機50で洗浄した回数がスコープ30によって突出して多くなることがないように、つまりは設定値0の洗浄機50で洗浄した回数が等しくなるように、スコープ30に対して洗浄機50を割り当てることが好ましい。なお設定値0の洗浄機50で洗浄する回数には上限(たとえば20回)が設定されていてもよく、洗浄機割当部144は、この上限を超えて、設定値0の洗浄機50を割り当てないようにしてもよい。
<実施例4>
実施例4では、スコープ30のスケジューリングに際して、あるスコープ30が、できるだけ特定の医師により使用されるような割当処理を行う。スコープ30と、それを使用する医師とをセットにすることで、たとえば長く良好な状態を維持しているスコープ30については、使用頻度の高い医師が上手に操作していることが分析でき、一方で、故障が生じやすいスコープ30などは、使用頻度の高い医師の操作に何かしらの問題があるなどの分析もできる。
図3に戻って、割当スコープ情報保持部228は、医師に対して優先的に割り当てるスコープに関する優先スコープ情報を保持する。
図30は、割当スコープ情報保持部228に記憶された優先スコープテーブルを示す。優先スコープテーブルは、内視鏡検査を担当する各医師に対して、割り当てるスコープ30の優先順位を定めた優先スコープ情報を、スコープ機種ごとに記録している。ここで優先順位は、医療施設が、同じ機種の複数のスコープ30を所有していることを前提として付与されるものであり、割当スコープ情報保持部228は、同じ機種の複数のスコープ30のうち、医師に対して優先的に割り当てるスコープを、優先スコープ情報として保持している。図30において、「優先スコープ1」は、割当優先順位が1番のスコープであり、「優先スコープ2」は、割当優先順位が2番のスコープであり、「優先スコープ3」は、割当優先順位が3番のスコープである。
たとえば医師Aは、上部ルーチン機に関して、スコープG−R−2の割当優先順位が1番であり、スコープG−R−1の割当優先順位が2番に設定されている。この優先スコープ情報は、あくまでも、優先スコープが医師に割当可能な場合に、優先的に割り当てることを指定する情報であり、必ず優先スコープが医師に割り当てられなければいけないわけではない。たとえば、医師Aが行う予定の検査において、検査開始予定時刻にスコープG−R−2、G−R−1のステータスが「待機中」でなければ、スコープ割当部126は、他の上部ルーチン機を割り当てて、検査に遅延が生じないようにする。
実施例4において、スコープ割当部126は、割当スコープ情報保持部228に保持された優先スコープ情報と、検査スケジュール管理部110が管理する内視鏡検査の担当医師に関する情報とにもとづいて、内視鏡検査に割り当てるスコープ30を決定する。
図31は、図9に示すスコープ割当処理におけるS56の詳細フローチャートを示す。スコープ割当部126は、内視鏡検査の担当医師にもとづいて、割当スコープ情報保持部228の保持された優先スコープ情報を取得する(S180)。
以下、実施例1において説明したスコープ検索処理により、検査E1、E2、E3、E4の候補スコープを特定した例で説明する。実施例1ではスコープ特定部124が、検査E1、E2、E3の候補スコープとして内視鏡番号1〜6のスコープを特定し、検査E4の候補スコープとして内視鏡番号15〜17のスコープを特定して、スコープ割当部126に通知している。
スコープ割当部126は、検査E1、E2、E3、E4のそれぞれの担当医師情報にもとづいて、各検査について割当スコープ情報保持部228から、使用するスコープ機種に関する優先スコープ情報を取得する(S180)。
図4の検査スケジュールを参照して、検査E1は医師Bが担当医であり、スコープ割当部126は、優先スコープテーブルを参照して、上部ルーチン機の優先スコープ1がG−R−3、優先スコープ2がG−R−1、優先スコープ3がG−R−2であることを認識する。検査E2は医師Cが担当医であり、スコープ割当部126は、上部ルーチン機の優先スコープ1がG−R−1、優先スコープ2がG−R−5、優先スコープ3がG−R−4であることを認識する。検査E3は医師Eが担当医であり、スコープ割当部126は、上部ルーチン機の優先スコープ1がG−R−5、優先スコープ2がG−R−6、優先スコープ3がG−R−4であることを認識する。また検査E4は医師Dが担当医であり、スコープ割当部126は、下部ルーチン機の優先スコープ1がC−R−3であることを認識する。
検査E1に関し、スコープ割当部126は、優先スコープ1であるスコープG−R−3が、内視鏡番号1〜6の候補スコープに含まれていることを判定し(S182のY)、したがって検査E1に対して、スコープG−R−3を割り当てる(S186)。これにより医師Bが、検査E1にて、スコープG−R−3を使用するようになる。
次に検査E2に関し、スコープ割当部126は、優先スコープ1であるスコープG−R−1が、内視鏡番号1、2、4〜6の候補スコープに含まれていることを判定し(S182のY)、したがって検査E2に対して、スコープG−R−1を割り当てる(S186)。これにより医師Cが、検査E2にて、スコープG−R−1を使用するようになる。
次に検査E3に関し、スコープ割当部126は、優先スコープ1であるスコープG−R−5が、内視鏡番号2、4〜6の候補スコープに含まれていることを判定し(S182のY)、したがって検査E3に対して、スコープG−R−5を割り当てる(S186)。これにより医師Eが、検査E3にて、スコープG−R−5を使用するようになる。
最後に検査E4に関し、スコープ割当部126は、優先スコープ1であるスコープC−R−3が、内視鏡番号15〜17の候補スコープに含まれていることを判定し(S182のY)、したがって検査E4に対して、スコープC−R−3を割り当てる(S186)。これにより医師Dが、検査E4にて、スコープC−R−3を使用するようになる。
このように候補スコープのなかに、優先スコープが複数存在する場合には、スコープ割当部126は、優先順位の高い優先スコープを検査に割り当てる。なお候補スコープのなかに、優先スコープが含まれない場合、つまり優先スコープ1、優先スコープ2、優先スコープ3のいずれもが含まれない場合(S182のN)、スコープ割当部126は、優先スコープ以外の候補スコープを特定して(S184)、検査に割り当てる(S186)。このように検査開始予定時刻において、割当可能な優先スコープが存在しなければ、その優先スコープが使用可能になるのを待つのではなく、別のスコープを割り当てて、効率的な検査スケジュールを作成するのが好ましい。なお候補スコープが存在しない場合には、その旨をユーザに知らせることが好ましい。
図32は、検査スケジュール管理部110により更新された検査スケジュールを示す。検査スケジュール管理部110は、スコープ割当部126から割当結果を通知されると、該当する検査に、割り当てられたスコープ30を登録する。ここでは検査E1にスコープG−R−3が使用されること、検査E2にスコープG−R−1が使用されること、検査E3にスコープG−R−5が使用されること、検査E4にスコープC−R−3が使用されること、が登録されている。検査スケジュール管理部110は、更新した検査スケジュールを、検査スケジュール保持部206に記録する。
実施例4においてスコープ割当部126は、特定の医師が担当する検査に、できるだけ特定のスコープ30を優先的に割り当てるため、当該スコープ30は、その医師による使用頻度が高くなる。
使用状況監視部160は、実際に実施された内視鏡検査で使用されたスコープ30の使用状況を監視し、履歴記録部232に記録する。これにより履歴記録部232は、実際の内視鏡検査で使用されたスコープ30の使用履歴情報を記録する。履歴記録部232は、スコープ30に関して、スコープ30が使用された検査室、使用した医師、使用日時情報(検査開始時間、検査終了時間)、使用した患者の識別情報、検査種別情報などを対応付けて記録する。なお履歴記録部232は、これらの情報をスコープ30に関する使用履歴情報として記録する必要はなく、検査スケジュール管理部110が管理する内視鏡検査を実施した検査室、医師、患者およびスコープ30を対応付けた実施情報を記録してもよい。
なお履歴記録部232は、スコープ30の故障に関する履歴も記録する。たとえば故障履歴は、故障したときに操作していた医師、検査種別情報、および日時情報を含んでもよい。
表示処理部150は、履歴記録部232に記録された複数のスコープ30の使用履歴情報を、比較可能な形式で表示する。なお、このとき表示内容導出部152は、履歴記録部232に記録された使用履歴情報にもとづいて、統計量を算出する。ここで統計量とは、スコープ30に関して、医師ごとに算出される使用回数、使用時間などであり、表示内容導出部152は、表示する内容に応じた統計量を導出する機能をもつ。表示処理部150は、表示内容導出部152が算出した統計量を表示する。
期間指定部154は、使用履歴情報の期間を指定する。この期間は、端末装置12の画面上に設けられた入力枠に、ユーザが入力することで特定される。期間指定部154が期間を指定すると、表示内容導出部152は、その期間の使用履歴情報を履歴記録部232から抽出して、表示するべき統計量を算出し、表示処理部150は、指定された期間の使用履歴情報、つまり表示内容導出部152より算出された統計量を端末装置12のディスプレイに表示する。
図33は、端末装置12に表示される使用履歴情報の一例を示す。表示期間として、ユーザが2013/11/1〜2014/10/30までの期間を入力すると、期間指定部154が、この期間を指定し、表示内容導出部152は、この期間の使用履歴情報を履歴記録部232から抽出する。ここで表示内容導出部152は、各医師ごとの上部ルーチン機の使用回数を算出して、使用回数表を作成し、表示処理部150が、端末装置12のディスプレイに表示する。なお、表示内容導出部152は、この期間における故障履歴の一覧を作成して故障回数を算出し、表示処理部150が、あわせて故障回数や故障履歴を表示してもよい。
この使用回数表により、ユーザは、どのスコープの故障が少なく、また、そのスコープの使用頻度の高い医師を特定できる。また逆に、ユーザは、どのスコープの故障が多く、そのスコープの使用頻度の高い医師を特定できる。このようにスコープ割当部126が、特定の医師が特定のスコープを優先的に使用するようにスコープ割当処理を行うことで、実際にスコープ30が使用された履歴情報は、故障分析などを行う際に有用な情報となる。また表示処理部150が、複数のスコープ30の使用履歴情報を、比較可能な形式で表示することで、ユーザは、一目でスコープ30の使用状態の違いを認識できるようになる。
図34は、端末装置12に表示される使用履歴情報の一例を示す。この使用回数グラフは、図33に示した使用回数表をグラフ形式で表現したものである。このようにグラフ形式で表現することで、スコープ30の使用状態の違いが一目で理解できるようになる。
なお図33、図34においては、表示処理部150が、各スコープ30についての医師ごとのスコープ使用回数を使用履歴情報として表示したが、たとえば医師ごとのスコープ使用時間を使用履歴情報として表示してもよい。また表示処理部150は、医師が使用したスコープ30の使用回数や使用時間を、医師ごとに表示してもよい。
<実施例5>
実施例5では、スコープ30のスケジューリングに際して、あるスコープ30が、できるだけ特定の検査準備者により洗浄されるように、検査準備者に対して洗浄業務を割り当てる処理を行う。スコープ30の洗浄業務と、それを洗浄する検査準備者とをセットにすることで、たとえば長く良好な状態を維持しているスコープ30については、洗浄頻度の高い担当者が上手に洗浄していることが分析でき、一方で、故障が生じやすいスコープ30などは、洗浄工程において何かしらの問題があるなどの分析もできる。
図3に戻って、割当担当者情報保持部230は、スコープ30に対して、洗浄業務を優先的に割り当てる担当者に関する優先担当者情報を保持する。
図35は、割当担当者情報保持部230に記憶された優先担当者テーブルを示す。優先担当者テーブルは、洗浄業務を割り当てる検査準備者(以下、「担当者」とも呼ぶ)の優先順位を定めた優先担当者情報を、スコープ30ごとに記録している。つまり割当担当者情報保持部230は、1つのスコープ30に対して、洗浄業務を割り当てる担当者の優先順位を保持している。図35において、「優先担当者1」は、割当優先順位が1番の担当者であり、「優先担当者2」は、割当優先順位が2番の担当者である。
たとえばスコープG−R−1は、技師Aの割当優先順位が1番であり、技師Bの割当優先順位が2番に設定されている。この優先担当者情報は、あくまでも、優先担当者が洗浄業務に割当可能な場合に、優先的に割り当てることを指定する情報であり、必ず優先担当者として指定される検査準備者が、そのスコープの洗浄業務に割り当てられなければいけないわけではない。たとえば、スコープG−R−1を使用した検査が終了となり、そのスコープを洗浄する際に、技師A、技師Bが他の業務を行っている場合には、担当者割当部149は、別の技師(たとえば技師C)を、その洗浄業務に割り当て、洗浄作業に遅延が生じないようにする。
実施例5において、担当者割当部149は、割当担当者情報保持部230に保持された優先担当者情報と、検査スケジュール管理部110が管理するスコープ情報とにもとづいて、スコープの洗浄業務の担当者を決定する。
図36は、担当者割当処理のフローチャートを示す。なお図36に示す担当者割当処理は、図13に示す洗浄機割当処理において、S118とS120の間の処理として追加される。図13に示すフローチャートにおいて、洗浄機割当部144が、使用済みスコープに対して洗浄機50を割り当て(S114)、洗浄開始予定時刻および洗浄終了予定時刻を設定した後(S118)、担当者割当部149が、洗浄が予定されるスコープ30にもとづいて、割当担当者情報保持部230に保持された優先担当者情報を取得する(S200)。
以下、実施例4において説明したスコープ割当処理により、検査E1、E2、E3、E4に対して、それぞれスコープG−R−3、G−R−1、G−R−5、C−R−3が割り当てられた例で説明する。
図37は、洗浄スケジュール管理部130により生成された洗浄スケジュールを示す。ここでは洗浄機割当部144による割当結果が洗浄スケジュールに反映されており、具体的には9:10〜9:30の間に、第1洗浄機50aでスコープG−R−3が洗浄されること、第2洗浄機50bでスコープG−R−1が洗浄されること、第3洗浄機50cでスコープG−R−5が洗浄されること、9:15〜9:35の間に第4洗浄機50dでスコープC−R−3が洗浄されること、が登録されている。
実施例5の洗浄スケジュール管理部130は、洗浄機50と、洗浄開始予定時刻情報および洗浄終了予定時刻情報に加えて、洗浄業務を担当する洗浄担当者を含む複数のスコープの洗浄スケジュールを管理する。以下、洗浄スケジュールに、洗浄担当者を登録する手法について説明する。
担当者割当部149は、検査E1、E2、E3、E4のそれぞれに割り当てられたスコープ情報にもとづいて、各スコープ30について割当担当者情報保持部230から優先担当者情報を取得する(S200)。
図35の優先担当者テーブルを参照して、スコープG−R−3の優先担当者1は技師Bであり、スコープG−R−1の優先担当者1は技師Aであり、スコープG−R−5の優先担当者は技師Cであり、スコープC−R−3の優先担当者1は技師Cである。
スコープG−R−3に関し、担当者割当部149は、優先担当者1である技師Bが、スコープG−R−3の洗浄業務を担当可能であるか判定する(S202)。実施例5において各技師には、担当者スケジュールが設定されており、担当者スケジュールにおいて、洗浄開始予定時刻および洗浄終了予定時刻に空きがあるか判定することで、担当者割当部149は、技師BがスコープG−R−3の洗浄業務を担当可能であるか判定する。スコープG−R−3の洗浄開始予定時刻と、洗浄終了予定時刻に、他の業務が入っていなければ、担当者割当部149は、技師Bに、スコープG−R−3の洗浄業務を割当可能であることを判定し(S202のY)、当該スコープの洗浄業務を技師Bに割り当てる(S206)。なお、担当者スケジュールにおいて、洗浄開始予定時刻および洗浄終了予定時刻のいずれかに他の業務が入っていれば、担当者割当部149は、技師Bに、スコープG−R−3の洗浄業務を割当不能であることを判定する(S202のN)。なお優先担当者2である技師Cに対しても割当不能であれば、担当者割当部149は、優先担当者以外の担当者で、当該時刻に空きがある担当者を特定して(S204)、洗浄業務に割り当てる(S206)。
次にスコープG−R−1に関し、担当者割当部149は、優先担当者1である技師Aが、スコープG−R−1の洗浄業務を担当可能であるか判定する(S202)。担当者割当部149は、技師AにスコープG−R−1の洗浄業務を割当可能である場合には(S202のY)、当該スコープG−R−1の洗浄業務を技師Bに割り当てる(S206)。なお、担当者スケジュールにおいて、洗浄開始予定時刻および洗浄終了予定時刻のいずれかに他の業務が入っていれば、担当者割当部149は、技師Aに、スコープG−R−1の洗浄業務を割当不能であることを判定する(S202のN)。このとき優先担当者2である技師Bに対しても割当不能であれば、担当者割当部149は、優先担当者以外の担当者で、当該時刻に空きがある担当者を特定して(S204)、洗浄業務に割り当てる(S206)。
次にスコープG−R−5に関し、担当者割当部149は、優先担当者1である技師Cが、スコープG−R−5の洗浄業務を担当可能であるか判定する(S202)。担当者割当部149は、技師CにスコープG−R−5の洗浄業務を割当可能である場合には(S202のY)、当該スコープG−R−5の洗浄業務を技師Cに割り当てる(S206)。なお、担当者スケジュールにおいて、洗浄開始予定時刻および洗浄終了予定時刻のいずれかに他の業務が入っていれば、担当者割当部149は、技師Cに、スコープG−R−5の洗浄業務を割当不能であることを判定する(S202のN)。このとき優先担当者2である技師Bに対しても割当不能であれば、担当者割当部149は、優先担当者以外の担当者で、当該時刻に空きがある担当者を特定して(S204)、洗浄業務に割り当てる(S206)。
次にスコープC−R−3に関し、担当者割当部149は、優先担当者1である技師Cが、スコープC−R−3の洗浄業務を担当可能であるか判定する(S202)。担当者割当部149は、技師CにスコープC−R−3の洗浄業務を割当可能である場合には(S202のY)、当該スコープC−R−3の洗浄業務を技師Cに割り当てる(S206)。なお、担当者スケジュールにおいて、洗浄開始予定時刻および洗浄終了予定時刻のいずれかに他の業務が入っていれば、担当者割当部149は、技師Cに、スコープC−R−3の洗浄業務を割当不能であることを判定する(S202のN)。このとき優先担当者2である技師Bに対しても割当不能であれば、担当者割当部149は、優先担当者以外の担当者で、当該時刻に空きがある担当者を特定して(S204)、洗浄業務に割り当てる(S206)。
ある洗浄業務に対して、優先担当者1と優先担当者2のいずれもが割当可能である場合には、担当者割当部149は、優先順位の高い担当者を洗浄業務に割り当てる。割り当てられた担当者情報は、洗浄スケジュール管理部130に通知される。
図38は、洗浄スケジュール管理部130により更新された洗浄スケジュールを示す。洗浄スケジュール管理部130は、担当者割当部149から割当結果を通知されると、該当する洗浄処理に、割り当てられた担当者を登録する。ここではスコープG−R−3の洗浄業務を技師Bが担当すること、スコープG−R−1の洗浄業務を技師Aが担当すること、スコープG−R−5の洗浄業務を技師Cが担当すること、スコープC−R−3の洗浄業務を技師Cが担当すること、が登録されている。このように洗浄スケジュール管理部130は、洗浄業務を行う担当者も洗浄スケジュールに追加し、更新した洗浄スケジュールを、洗浄スケジュール保持部208に記録する。
実施例5において担当者割当部149は、特定のスコープ30の洗浄業務を、できるだけ特定の検査準備者が担当するように優先的に割り当てるため、当該スコープ30の洗浄業務は、その担当者が行う機会が多くなる。
使用状況監視部160は、実際に実施されたスコープ30の洗浄処理状況を監視し、履歴記録部232に記録する。たとえば各洗浄機50には、担当者IDを読み取る読取手段が設けられており、担当者がIDカードなどを読取手段で読み取らせることによって、洗浄業務を行っている担当者が特定されるようになっている。使用状況監視部160は、この洗浄処理状況を監視して、履歴記録部232は、洗浄されたスコープ30の洗浄履歴情報を記録する。履歴記録部232は、スコープ30に関して、洗浄した洗浄機50、洗浄した日時情報(洗浄開始時間、洗浄終了時間)、洗浄した担当者などを対応付けて記録する。なお履歴記録部232は、これらの情報をスコープ30に関する洗浄履歴情報として記録する必要はなく、洗浄スケジュール管理部130が管理する洗浄を実施した洗浄機50、洗浄した担当者および洗浄されたスコープ30を対応付けた洗浄情報を記録してもよい。
なお履歴記録部232は、スコープ30の故障やメンテナンスに関する履歴も記録する。たとえば上記履歴は、故障やメンテナンスをしたときに作業をしていた担当者および日時情報を含んでもよい。
表示処理部150は、履歴記録部232に記録された複数のスコープ30の洗浄履歴情報を、比較可能な形式で表示する。なお、このとき表示内容導出部152は、履歴記録部232に記録された洗浄履歴情報にもとづいて、統計量を算出する。ここで統計量とは、スコープ30に関して、担当者ごとに算出される洗浄回数、洗浄時間などであり、表示内容導出部152は、表示する内容に応じた統計量を導出する機能をもつ。表示処理部150は、表示内容導出部152が算出した統計量を表示する。
期間指定部154は、洗浄履歴情報の期間を指定する。この期間は、端末装置12の画面上に設けられた入力枠に、ユーザが入力することで特定される。期間指定部154が期間を指定すると、表示内容導出部152は、その期間の洗浄履歴情報を履歴記録部232から抽出して、表示するべき統計量を算出し、表示処理部150は、指定された期間の洗浄履歴情報、つまり表示内容導出部152より算出された統計量を端末装置12のディスプレイに表示する。
図39は、端末装置12に表示される洗浄履歴情報の一例を示す。表示期間として、ユーザが2013/11/1〜2014/10/30までの期間を入力すると、期間指定部154が、この期間を指定し、表示内容導出部152は、この期間の洗浄履歴情報を履歴記録部232から抽出する。ここで表示内容導出部152は、各担当者ごとの上部ルーチン機の洗浄回数を算出して、洗浄回数表を作成し、表示処理部150が、端末装置12のディスプレイに表示する。なお、表示内容導出部152は、この期間における故障履歴の一覧を作成して故障回数を算出し、表示処理部150が、あわせて故障回数や故障履歴を表示してもよい。
この洗浄回数表により、ユーザは、どのスコープの故障が少なく、また、そのスコープの洗浄頻度の高い技師を特定できる。また逆に、ユーザは、どのスコープの故障が多く、そのスコープの洗浄頻度の高い技師を特定できる。このように担当者割当部149が、特定のスコープの洗浄業務を特定の担当者に優先的に割り当てることで、実際にスコープ30が洗浄された履歴情報は、故障分析などを行う際に有用な情報となる。また表示処理部150が、複数のスコープ30の洗浄履歴情報を、比較可能な形式で表示することで、ユーザは、一目でスコープ30の使用状態の違いを認識できるようになる。
図40は、端末装置12に表示される洗浄履歴情報の一例を示す。この洗浄回数グラフは、図39に示した洗浄回数表をグラフ形式で表現したものである。このようにグラフ形式で表現することで、スコープ30の使用状態の違いが一目で理解できるようになる。
なお図39、図40においては、表示処理部150が、各スコープ30についての担当者ごとのスコープ洗浄回数を洗浄履歴情報として表示したが、たとえば担当者ごとのスコープ洗浄時間を洗浄履歴情報として表示してもよい。また表示処理部150は、担当者が洗浄したスコープ30の洗浄回数や洗浄時間を、担当者ごとに表示してもよい。
なお実施例4では、履歴記録部232は、スコープ30に関して、スコープ使用情報として、スコープ30が使用された検査室、使用した医師、検査開始時間、検査終了時間、使用した患者の識別情報、検査種別情報などを対応付けて記録することを説明した。また実施例5では、履歴記録部232が、スコープ30に関して、スコープ洗浄情報として、洗浄した洗浄機50、洗浄開始時間、洗浄終了時間、洗浄した担当者などを対応付けて記録することを説明した。履歴管理部162は、履歴記録部232に記録されたスコープ使用情報およびスコープ洗浄情報にもとづいて、スコープ30の履歴を管理してよい。具体的に履歴管理部162は、スコープ使用情報に含まれるスコープ30の検査終了時間と、スコープ洗浄情報に含まれる同一のスコープ30の洗浄開始時間から、スコープ使用情報とスコープ洗浄情報とを関連づける。
たとえばスコープG−R−1のスコープ使用情報として、検査終了時間が2014年11月6日の9:10であり、スコープ洗浄情報として、洗浄開始時間が2014年11月6日の9:12となっている場合、履歴管理部162は、かかるスコープ使用情報とスコープ洗浄情報とが、関連しているものとして管理する。また、このスコープ洗浄情報として、洗浄終了時間が2014年11月16日の9:32であり、G−R−1の別のスコープ使用情報の検査開始時間が2014年11月16日の9:34となっている場合、履歴管理部162は、かかるスコープ洗浄情報とスコープ使用情報とを関連づけて管理する。ここで関連づけて管理するとは、スコープ使用情報とスコープ洗浄情報との時間的な関係を定めることに相当する。このように管理することで、履歴管理部162は、医師CがスコープG−R−1を患者Aに使用して、その後、技師Aが第2洗浄機でスコープG−R−1を洗浄し、その後、医師BがスコープG−R−1を患者Bに使用した、というスコープG−R−1の履歴を管理できるようになる。
<再スケジューリング処理>
実施形態および実施例1〜5に関して説明した処理により、1日の内視鏡検査業務の開始前に、検査スケジュールおよび洗浄スケジュールが生成される。医療施設においては、生成した検査スケジュールおよび洗浄スケジュールにしたがって検査業務が進行することが理想であるが、しかしながら現場においては、様々な要因により検査スケジュールおよび/または洗浄スケジュール通りに検査業務が進行しないことがある。
代表的な要因の一つは、実際に検査を開始する時刻または終了する時刻が、スケジュールで設定された時刻よりも早まったり、または遅延することである。図5に示す検査種別マスタテーブル210において、たとえば検査種別番号1の「上部ルーチン検査」の検査予定時間は10分と設定されており、したがって「上部ルーチン検査」は、検査開始から終了までの時間が10分として検査スケジュールに組み込まれている。しかしながら実際の検査は予定時間である10分よりも早まったり、または10分を超過することがあり、特に予定時間を超過する場合には、以後のスケジュールを再設定する必要が生じる。
図41は、検査スケジュール管理部110により生成された検査スケジュールおよび洗浄スケジュール管理部130により生成された洗浄スケジュールの例を示す。図41に示す検査スケジュールは、実施例1に関して説明したスコープ割当処理によりスコープ順位テーブルにしたがって各検査にスコープを割り当てて作成されている。また図41に示す洗浄スケジュールは、実施形態に関して説明した洗浄機割当処理により作成されている。以下の実施例6〜8で説明する再スケジューリング処理においては、図41に示す検査スケジュールおよび洗浄スケジュールに含まれる要素を再スケジューリング処理の対象とするが、これは一例であって、図20に示す検査スケジュールおよび洗浄スケジュールを対象としてもよい。いずれにしても、再スケジューリング処理においては、予め検査スケジュールおよび洗浄スケジュールが生成されていることが前提となる。なお説明の便宜上、洗浄スケジュールにおいて、各スコープの洗浄処理に対して、W1〜W41の洗浄識別情報(洗浄ID)を付している。
また図41においては、医療施設が5本の上部高画質機を所有していることを前提としている。
図42は、所有スコープマスタテーブル222の一例を示す。図6に示す所有スコープマスタテーブル222と比較すると、医療施設が5本の上部高画質機を所有している点で相違している。つまり図42に示す所有スコープマスタテーブル222においては、上部高画質機であるG−H−4、G−H−5の2本が追加されている点で図6に示す所有スコープマスタテーブル222と相違しており、図41の検査スケジュールにおいて、検査E36にスコープG−H−4が、検査E37にスコープG−H−5がそれぞれ割り当てられている。
図43は、情報管理装置10の構成のうち、再スケジューリング処理を実行する機能を備えた処理部100の構成を示す。処理部100は、検査スケジュール管理部110、第1割当処理部120、洗浄スケジュール管理部130、第2割当処理部140、表示処理部150、状況情報取得部170、再スケジュール処理部172、変更不可検査特定部174および入力受付部176を備える。なお図43には示していないが、処理部100は、図3に示すように表示内容導出部152、期間指定部154、使用状況監視部160および履歴管理部162も備えて構成されており、また第1割当処理部120は、検査抽出部122、スコープ特定部124、スコープ割当部126、スコープ割当可否確認部128および医師割当部129を有し、第2割当処理部140は、洗浄機特定部142、洗浄機割当部144、終了時刻判定部146、洗浄機割当可否確認部148および担当者割当部149を有して構成されている。
処理部100の各構成は、ハードウェア的には、任意のコンピュータのCPU、メモリ、その他のLSIで実現でき、ソフトウェア的にはメモリにロードされたプログラムなどによって実現されるが、ここではそれらの連携によって実現される機能ブロックを描いている。したがって、これらの機能ブロックがハードウェアのみ、ソフトウェアのみ、またはそれらの組み合わせによっていろいろな形で実現できることは、当業者には理解されるところである。
以下に示す再スケジューリング処理は、内視鏡検査業務の開始後、実際の検査の状況に応じて実施される。
<実施例6>
状況情報取得部170は、検査の状況に関する状況情報を取得する。状況情報取得部170は、内視鏡観察装置22と通信を行う通信部を有し、内視鏡観察装置22から送信される情報を取得する機能を有してよい。この点において状況情報取得部170は、図3に示した使用状況監視部160の機能を含むものであってよい。
検査の開始前、スコープ30は内視鏡観察装置22に接続されるが、このときスコープ30の識別情報(スコープID)が、内視鏡観察装置22を識別する情報(観察装置ID)および検査を識別する情報(検査ID)とともに、ネットワーク2を介して情報管理装置10に送信される。また検査を開始する際、内視鏡観察装置22において検査の開始ボタンが操作されると、検査の開始通知が検査IDおよび観察装置IDとともに情報管理装置10に送信される。また検査を終了する際、内視鏡観察装置22において検査の終了ボタンが操作されると(またはスコープ30が内視鏡観察装置22から引き抜かれると)、検査の終了通知が検査IDおよび観察装置IDとともに情報管理装置10に送信される。情報管理装置10において、状況情報取得部170は、内視鏡観察装置22から送信される情報を監視し、検査の実施状況に関する状況情報として、スコープIDに関する情報、検査開始通知情報および検査終了通知情報を取得する。状況情報取得部170は取得した状況情報を、取得した時刻情報とともに再スケジュール処理部172に即時に(リアルタイムで)提供する。なお状況情報取得部170は、取得した状況情報を、取得した時刻情報とともに再スケジュール処理部172に定期的に提供してもよい。
なお検査開始通知情報および検査終了通知情報は、ユーザにより入力されて時刻情報とともに入力受付部176により受け付けられ、入力受付部176が、検査開始通知情報および検査終了通知情報を、状況情報として状況情報取得部170に受け渡してもよい。また検査開始通知情報および検査終了通知情報は、オーダリングシステム等の院内情報システムに入力されて、状況情報取得部170が、院内情報システムから、検査開始通知情報および検査終了通知情報を、状況情報として取得してもよい。このように状況情報取得部170は、実際の検査の実施状況を、何らかの手段によって取得できればよいが、効率的な再スケジューリング処理を実行するためには、状況情報をリアルタイムで取得して、取得した時刻情報とともに、再スケジュール処理部172に提供することが好ましい。
再スケジュール処理部172は、状況情報にもとづいて、図41に示す検査スケジュールおよび/または洗浄スケジュールに含まれる要素の変更が必要であるか否かを判定する。たとえば状況情報取得部170が検査終了通知情報を取得した時刻が、当該検査の検査終了予定時刻を超過している場合、再スケジュール処理部172は、検査スケジュールおよび/または洗浄スケジュールの変更が必要であることを判定する。
なお検査スケジュールを変更するためには、状況情報取得部170が検査終了通知情報を取得した時刻を知る必要があるが、状況情報取得部170が検査終了予定時刻を超過した時点で検査終了通知情報を取得していなければ、再スケジュール処理部172は、少なくとも検査スケジュールを変更する必要があることを判定できる。そのために状況情報取得部170は、検査スケジュールを参照して、検査終了予定時刻を超過した時点で検査終了通知情報を取得していなければ、その旨を示す情報を再スケジュール処理部172に提供してもよい。
再スケジュール処理部172は、状況情報にもとづいて検査スケジュールおよび/または洗浄スケジュールの変更が必要であることを判定すると、検査スケジュール管理部110または洗浄スケジュール管理部130の少なくとも1つに対して、検査スケジュールおよび/または洗浄スケジュールに含まれる要素の変更を指示する。ここで検査スケジュールに含まれる要素とは、検査IDで特定される検査、検査に対して割り当てられている検査室、検査開始予定時刻情報、検査終了予定時刻情報、担当医師、スコープ30であり、また洗浄スケジュールに含まれる要素とは、スコープ30に対して割り当てられている洗浄機、洗浄開始予定時刻情報、洗浄終了予定時刻情報である。なお実施例5(図38)に示すように、洗浄スケジュールにおいて、洗浄処理に担当者が割り当てられている場合には、洗浄スケジュールに含まれる要素に、担当者情報も含まれる。
以下、図44〜図47を参照して、具体的な再スケジューリング処理について説明する。
図44は、実際の検査が予定よりも遅延した例を示す。検査E22の検査スケジュールは、検査開始予定時刻が10:25、検査終了予定時刻が10:35であったところ、実際には検査E22が予定時間を20分超過している。そのため状況情報取得部170は、10:55に、第1検査室20aの内視鏡観察装置22aから、検査終了通知情報を取得する。状況情報取得部170は、検査終了通知情報を取得すると、即時に再スケジュール処理部172に、検査E22の検査終了通知情報を10:55に取得したことを通知する。
再スケジュール処理部172は、状況情報取得部170からの通知を受けて、検査E22の終了時刻が、予定時刻を超過しており、遅延が生じたことを検出すると、検査スケジュールおよび/または洗浄スケジュールの変更が必要なことを判定する。再スケジュール処理部172は、スケジュール変更が必要なことを判定すると、検査スケジュール管理部110または洗浄スケジュール管理部130の少なくとも1つに対して、スケジュールに含まれる要素の変更を指示する。この実施例6では再スケジュール処理部172は、検査スケジュール管理部110に対して、検査スケジュールに含まれる要素の変更を指示し、検査スケジュール管理部110は、検査スケジュールの要素として、検査開始予定時刻情報および検査終了予定時刻情報で指定される検査の時間枠を動かす処理を行う。
このとき再スケジュール処理部172は、検査スケジュールに含まれる要素のうち、検査E22の終了予定時刻情報を、変更するべき要素として特定して、検査スケジュール管理部110に、特定した要素の変更を指示してもよい。このように再スケジュール処理部172が、状況情報にもとづいて、変更するべき要素を特定してもよいが、検査スケジュール管理部110が、再スケジュール処理部172から、検査E22の終了時刻を通知されることで、変更するべき要素を特定してもよい。
なお状況情報取得部170が検査スケジュールを参照して、検査終了予定時刻を超過した時点で検査終了通知情報を取得していなければ、検査に遅延が生じている旨を示す情報を再スケジュール処理部172に提供してもよいことを説明したが、このとき再スケジュール処理部172は、検査E22に遅延が生じていることを、検査スケジュール管理部110に通知してもよい。これにより検査スケジュール管理部110は、検査E22の後に予定されている同一検査室の検査E26、E30、E33、E35、E38の検査開始予定時刻情報および検査終了予定時刻情報を、再設定が必要な要素として認識しておき、検査E22の終了時刻が分かった時点で、これらの検査の時間枠を動かす処理を行ってもよい。
なお検査スケジュール管理部110は、再スケジュール処理部172から検査E22に遅延が生じていることを通知されなくても、管理している検査スケジュールを参照して、検査E22に遅延が生じていることを自身で判断できる。そのため検査スケジュール管理部110は、検査E22の終了予定時刻を超過した時点で、検査E22の後に予定されている検査E26、E30、E33、E35、E38の検査開始予定時刻情報および検査終了予定時刻情報を、再設定が必要な要素として認識することも可能である。
医師等は、1日の検査業務開始前にスケジュール情報を確認し、どの時間にどの検査室でどのような検査を行うかを頭に入れていることが多い。そのため実施例6では、業務開始前に予め設定されたスケジュールを大きく変更することなく、基本的に引き継ぐような形での再スケジューリング処理を実行する。
このようなポリシーのもと、検査スケジュール管理部110は、再スケジュール処理部172から提供されるスケジュール要素の変更指示にもとづいて、検査スケジュールの変更が必要となる検査室を特定し、特定した検査室における内視鏡検査の検査開始予定時刻情報および検査終了予定時刻情報を変更する。具体的に、スケジュール要素の変更指示には、検査E22の検査終了時刻が含まれており、この変更指示を受けて検査スケジュール管理部110は、検査E22が実施された第1検査室20aを特定し、第1検査室20aにおいて検査E22の後に予定されている検査E26、E30、E33、E35、E38の検査開始予定時刻情報および検査終了予定時刻情報のそれぞれを、検査E22の遅延時間分、この例では予定時刻の20分後に再設定する。
図45は、検査E26、E30、E33、E35、E38の検査開始予定時刻および検査終了予定時刻を20分ずつ遅らせた状態を示す。
なお時間的に前後するが、検査スケジュールにおいて、検査E27は、検査開始予定時刻が10:45に設定されている。検査E27の担当医師は医師Cであるが、10:45の時点において、医師Cはまだ検査E22を実施しており、したがって検査E27は、予定時刻である10:45に開始されていない。状況情報取得部170が10:45に、第4検査室20dの内視鏡観察装置22dから、検査E27の検査開始通知情報を取得していなければ、再スケジュール処理部172は、検査E27が予定通りに開始されていないことを認識して、検査スケジュール管理部110に、検査E27が開始されていないことを通知する。これにより検査スケジュール管理部110は、第4検査室20dにおける検査E27、E34、E41の検査開始予定時刻情報および検査終了予定時刻情報を、再設定が必要な要素として認識しておく。
このように検査E22の終了が予定よりも遅延している場合、検査E22と同一の検査室だけでなく、他の検査室においても、検査E22の検査終了予定時刻(10:35)以後の検査スケジュールおよび/または洗浄スケジュールに影響がでる可能性がある。この例では、医師Cのスケジュールに影響がでているケースを示しているが、他にもスコープ30の使用予定や、洗浄機50の使用予定に影響がでることがある。そこで実施例6では検査の時間枠に着目して、まず検査スケジュール管理部110が、検査E22の検査終了予定時刻以後を開始予定時刻とする時間枠に割り当てられた要素である医師情報およびスコープ30に矛盾が生じるか否かを調査する。ここで矛盾が生じる場合とは、医師情報に関して言えば、同一の医師が時間的に重複する複数の検査に割り当てられている場合であり、またスコープ30に関して言えば、1つのスコープ30が、時間的に重複する複数の検査に割り当てられており、または同一時刻に検査と洗浄に割り当てられている場合である。
具体的に、検査スケジュール管理部110は、検査E22の検査終了通知情報を受け付けた10:55の時点で、図45に示すように第1検査室20aにおける検査E26以降の検査の時間枠を20分ずつ遅らせた結果、医師およびスコープ30が時間的に重複している検査の時間枠が存在するか否かを調査する。ここで検査スケジュール管理部110は、既に10:45の時点で検査E27の検査開始予定時刻情報および検査終了予定時刻情報を、再設定が必要な要素として認識しており、医師Cが10:55の時点で検査E27を実施可能となったことで、検査E27の検査開始予定時刻情報を、10:55以降に再設定する。このとき第4検査室20dにおける検査E27より後の検査も、同様に遅らせるようにし、すなわち検査スケジュール管理部110は、遅延させるべき第4検査室20dを特定し、検査E27、E34、E41の検査開始予定時刻情報および検査終了予定時刻情報のそれぞれを再設定する。
図46は、検査E27、E34、E41の検査開始予定時刻および検査終了予定時刻を10分ずつ遅らせた状態を示す。なお、この例では、医師Cが、検査E22の終了直後(10:55)に検査E27を開始するように、検査E27の検査開始予定時刻が再設定されているが、5分間のインターバル後、すなわち11:00に検査E27の検査開始予定時刻が再設定されてもよい。
具体的に検査スケジュール管理部110は、検査の時間枠の再設定にあたり、スケジュール通りに実施されている検査の時間枠については、調査の対象から除外する。検査E22の検査終了通知情報を受け付けた時点(10:55)で、既に、第2検査室20bにおける検査E28の検査開始通知情報と、第4検査室20dにおける検査E29の検査開始通知情報が、10:50の時点で状況情報取得部170から再スケジュール処理部172を介して提供されており、したがって、第2検査室20bと第3検査室20cとでは、予定通り検査が実施されていることが分かっている。そこで検査スケジュール管理部110は、検査E22の検査終了予定時刻(10:35)以降を検査開始予定時刻とし、且つまだ検査が開始されていない各検査室の検査E26、E31、E32、E27に関して、担当医師およびスコープが時間的に重複しているものがあるか調査する。その結果、第4検査室20dにおける検査E27の開始予定時刻を、10:55に再設定し、図46に示される検査スケジュールに修正される。
次に、洗浄スケジュール管理部130が、検査E22の検査終了予定時刻(10:35)以降を洗浄開始予定時刻とするスコープの洗浄スケジュールに矛盾が生じるか否かを調査する。ここで矛盾が生じる場合とは、ある時点でスコープ30が検査で使用中であるにも関わらず、洗浄が開始されることになっているケースである。ここで検査E22の検査終了予定時刻(10:35)以降を洗浄開始予定時刻とするスコープの洗浄スケジュールとして、洗浄W20〜W27を抽出する。
なお検査スケジュール管理部110と同様に、洗浄スケジュール管理部130は、検査E22が実際に終了した時刻(10:55)までに、洗浄スケジュール通りに洗浄が行われているか監視している。たとえば状況情報取得部170は、洗浄機50と通信を行う通信部を有し、洗浄機50から送信される情報を取得する機能を有してよい。洗浄機50には、洗浄するスコープ30のスコープIDを読み取る手段が設けられており、洗浄の担当者は、洗浄開始前に、スコープ30のスコープIDを読取手段により読み取らせる。洗浄機50は、洗浄開始ボタンが操作されると、洗浄開始通知情報を、スコープIDおよび洗浄機50を識別する情報(洗浄機ID)とともに、ネットワーク2を介して情報管理装置10に送信する。また洗浄が終了すると、洗浄機50は、洗浄終了通知情報を、スコープIDおよび洗浄機IDとともに、ネットワーク2を介して情報管理装置10に送信する。状況情報取得部170は、洗浄機50から送信される情報を監視し、洗浄の実施状況に関する状況情報として、洗浄開始通知情報および洗浄終了通知情報を取得する。状況情報取得部170は取得した状況情報を、取得した時刻情報とともに再スケジュール処理部172に即時に(リアルタイムで)提供し、再スケジュール処理部172は、状況情報を、時刻情報とともに洗浄スケジュール管理部130に通知する。
したがって洗浄スケジュール管理部130は、検査E22の終了予定時刻(10:35)から、実際の終了時刻(10:55)までの間にスケジュール通りに洗浄が行えていない洗浄があれば、10:55の時点で、再設定が必要な要素として認識している。この例では、洗浄W20〜W23が10:35〜10:55までの間の時刻を開始予定とする洗浄であるが、ここで洗浄W22におけるスコープG−R−2は、洗浄開始予定時刻である10:50の時点では、まだ検査E22にて実際に使用されている。したがって、10:50の時点で、洗浄スケジュール管理部130は、洗浄W22の要素である洗浄開始予定時刻情報および洗浄終了予定時刻情報を、再設定が必要な要素として認識しておく。
10:55の時点で、再スケジュール処理部172は、洗浄スケジュール管理部130に対して洗浄スケジュールの要素の変更指示を発行すると、洗浄スケジュール管理部130は、洗浄W22の洗浄開始予定時刻および洗浄終了予定時刻を再設定する。なお、この洗浄スケジュールの再設定処理は、検査スケジュール管理部110による上記した検査スケジュールの再設定処理が行われた後に実行される。洗浄スケジュール管理部130は、第2割当処理部140に洗浄W22におけるスコープG−R−2の洗浄機再割当処理を指示し、これを受けて第2割当処理部140の洗浄機割当部144は、W22の開始予定時刻を5分後ろにずらすように変更して、スコープG−R−2に第2洗浄機50bを割り当てる。
この後、洗浄スケジュール管理部130は、10:55以降を開始予定とする洗浄W24〜W27に矛盾が生じるか否かを調査する。ここで洗浄W27におけるスコープC−Z−1は、検査E27の開始遅延にともなって、洗浄開始予定時刻である11:10の時点では、検査E27において使用中のステータスをとっている。そのため洗浄スケジュール管理部130は、洗浄W27の洗浄開始予定時刻を、検査E27の終了予定時刻(11:20)となるように再設定し、すなわち開始予定時刻を10分遅らせて、洗浄スケジュールを再スケジューリングする。
図47は、洗浄W22の洗浄開始予定時刻および洗浄終了予定時刻を5分遅らせ、洗浄W27の洗浄開始予定時刻および洗浄終了予定時刻を10分遅らせた状態を示す。なお洗浄W22と同一洗浄機における以降の洗浄W26、W30、W34、W38も、同様に5分ずつ遅らせ、洗浄W27と同一洗浄機における以降の洗浄W31、W35、W39も、同様に10分ずつ遅らせる。
次に検査スケジュール管理部110は、まだ調査していない各検査室の検査E30、E36、E37、E34に関して、担当医師およびスコープが時間的に重複しているものがあるか調査する。ここで重複しているものがあれば、当該検査の開始予定時刻を遅らせるが、この例では、時間的に重複していないため、予定を確定する。同様に、洗浄スケジュール管理部130は、まだ調査していない各洗浄機の洗浄W28〜W31に関して、矛盾が生じているか否かを調査し、時間的に重複しているスコープがあれば、当該洗浄の開始予定時刻を遅らせる。この例では、時間的に重複していないため、これらの洗浄の予定を確定する。以上を繰り返し、検査スケジュールおよび洗浄スケジュールが再設定される。なお、この繰り返し工程については、実施形態で説明した工程にしたがってよい。
以上のように検査スケジュール管理部110および洗浄スケジュール管理部130が、再スケジュール処理部172からのスケジュール要素の変更指示に基づいて、実際の検査状況に応じて、予め生成した検査スケジュールおよび洗浄スケジュールをリアルタイムで再スケジューリングする。実施例6においては、検査および洗浄の時間枠のみを変更し、検査および洗浄の順序や、使用する検査室および洗浄機については変更していない。このように検査業務開始前のスケジュール情報を引き継いだ形で再スケジューリング処理を実行して、検査順序や検査室などのスケジュール要素を変更しないことで、医師等は、時間の前後はあるものの、基本的には検査業務の開始前に確認したスケジュール情報にしたがって検査室の移動などを行えばよく、業務の効率化を図ることが可能となる。
実施例6においては、検査E22が予定よりも長くかかり、終了時刻が予定時刻よりも遅くなった例を示した。たとえば検査準備に手間取り、検査開始が予定時刻よりも遅延するようなケースにおいても、実施例6で説明した再スケジューリング処理を適用できる。また予定時刻よりも検査開始時刻や検査終了時刻が早まった場合であっても、実施例6で説明した再スケジューリング処理を適用して、検査の効率化を図ることも可能である。また、たとえば検査室20における内視鏡観察装置22の故障等により、検査室20が利用できなくなった場合や、洗浄機50が利用できなくなった場合などにおいても、実施例6で説明した再スケジューリング処理を適用することで、効率的に検査スケジュールおよび洗浄スケジュールを再構成することが可能である。
<実施例7>
実施例6では、実際の検査の開始時刻または終了時刻が、スケジュールで予定された時刻よりも早まったり、または遅延することで、再スケジューリング処理が必要となったケースを説明した。実施例7では、たとえば外来患者の医療施設への到着が遅れ、予定していた検査時間を変更するようなケースを想定する。
外来患者の到着が遅れたことで、検査開始予定時刻までに前処置が間に合わないような場合であっても、当該患者も前日から絶食して検査のための準備をしているため、時間を調整して当日中に検査を行うことが好ましい。そのためには当該患者の検査を、スケジュール中に割り込ませることになるが、一方で、他の患者からすれば、検査の割込により予定時刻よりも検査開始が遅れることになる。そのため、できるだけ予定時刻に近い時刻で、言い換えれば、開始遅延をできるだけ抑えた時刻で検査が開始されるような再スケジューリング処理が行われることが好ましい。
また検査スケジュールにおいて、割り当てられた要素を変更できない検査も存在する。たとえば患者や医師の都合により、ある時間帯でしか検査できない事情があれば、その検査の検査開始予定時刻を動かすことはできない。また特殊な技能を要する検査であれば、その技能をもつ医師しか検査を担当することができないため、少なくとも当該検査の担当医師を変更することはできない。また同一タイプのスコープ30であっても、最新式から旧式のものまで様々なものが存在するが、たとえば特殊な検査では、最新式のスコープ30しか使用できないこともある。
そこで実施例7においては、変更不可検査特定部174が、検査スケジュールにおいて内視鏡検査に対して予め割り当てられた複数の要素のうち、少なくとも一つの要素の変更を不可とする内視鏡検査を特定する。端末装置12には、キーボードやマウスなどの入力インタフェースが接続されており、入力受付部176は、端末装置12を介してユーザからの入力操作を受け付ける。たとえば検査スケジュールが生成されたときに、ユーザが、要素の変更を不可とする検査を指定すると、入力受付部176が、ユーザからの指定操作を受け付け、変更不可検査特定部174が、要素変更を不可とする内視鏡検査を特定する。なおユーザは、内視鏡検査のスケジュールを構成する複数の要素の中から、変更を不可とする要素を指定できるようにされてもよい。
ここで検査スケジュールを構成する要素は、割り当てられている検査室、検査開始予定時刻情報、検査終了予定時刻情報、担当医師、スコープIDを少なくとも含む。たとえばユーザは、これらの要素のうち、担当医師、検査開始予定時刻の変更を禁止することを指定できる。このような指定を行った場合、検査室、使用するスコープに関しては変更可能であり、変更不可検査特定部174は、変更不可とされる検査要素を特定して、再スケジューリング処理に際して、かかる検査要素が変更されないようにする。
以下においては、図41に示す検査E17のスケジュール要素の全て、つまり使用する第1検査室20a、担当医師C、使用するスコープG−H−2、検査開始予定時刻および検査終了予定時刻が、変更不可として指定された場合について説明する。また実施例7では、検査E15の患者の到着が遅れたために、開始予定時刻である9:50から検査を開始できなくなったケースを示す。
医療施設におけるユーザは、検査E15を開始予定時刻に開始できないことを事前に知ると、入力インタフェースを操作して、検査E15の予約の変更操作を行う。たとえば表示処理部150は、検査スケジュール保持部206から検査スケジュール情報を読み出して、図41に示す検査スケジュール表を端末装置12のディスプレイに表示する。検査スケジュール表はユーザにより操作可能なGUIとして表示され、ユーザは、予約を変更する検査を、検査スケジュール表上で指定できるようにされている。
入力受付部176が、検査E15の予約の変更操作を受け付けると、状況情報取得部170が、入力受付部176から、予約の変更情報を、検査の状況に関する状況情報として取得して、再スケジュール処理部172に提供する。再スケジュール処理部172は、状況情報にもとづいて、検査スケジュールおよび/または洗浄スケジュールの変更が必要であることを判定し、検査スケジュール管理部110または洗浄スケジュール管理部130の少なくとも1つに対して、検査スケジュールおよび/または洗浄スケジュールに含まれる要素の変更を指示する。この変更指示は、検査E15の開始予定時刻の変更指示であり、この変更指示を受けて、検査スケジュール管理部110が、検査E15のスケジュール情報を、検査スケジュールから一旦削除する。
図48は、ディスプレイに表示される検査スケジュール表および洗浄スケジュール表を示す。なお表示処理部150は、変更不可検査特定部174により特定される変更を禁止された検査E17の時間枠を、ユーザが認識できるように表示してもよい。図48では、検査E17の時間枠が太枠で表示されて、ユーザが、変更不可であることを認識できるようにされている。また検査スケジュール表において、検査E15に関するスケジュール情報が、一旦削除されている様子が示される。
ユーザは、検査E15を10:05から開始できることが分かると、この患者をできるだけ早く検査するように、検査E15の検査開始予定時刻を設定する。たとえば検査E15の患者に対して看護師が前処置を行っている場合に、この看護師から前処置の完了が10:00であることの報告を受けることで、ユーザは、検査E15を、10:05から開始できることを知り、検査開始予定時刻を設定できる。
図49は、ユーザが検査E15を、第2検査室20bの10:05が検査開始予定時刻となるように指定した状態を示す。入力受付部176が、検査E15の検査開始予定時刻の指定情報を受け付けると、状況情報取得部170が、入力受付部176が受け付けた情報を、検査E15の状況に関する状況情報として取得して再スケジュール処理部172に提供する。再スケジュール処理部172は、この状況情報にもとづいて、検査スケジュール管理部110に、検査E15の検査開始予定時刻情報を通知し、少なくとも検査E15の要素の変更を指示する。
この変更指示を受けて、検査スケジュール管理部110が、検査E15の検査開始予定時刻を10:05に再設定する。このとき検査スケジュール管理部110は、スケジュール要素の変更指示にもとづいて、検査スケジュールの変更が必要となる検査室を特定し、特定した検査室における検査の検査開始予定時刻情報および検査終了予定時刻情報を変更する。スケジュール要素の変更指示には、検査E15を第2検査室20bで10:05から開始するべきことが含まれており、したがって検査スケジュール管理部110は、検査スケジュールの変更が必要となる第2検査室20bを特定して、検査E15を10:05から開始することで、スケジュール変更が必要となる検査を特定する。図48の検査スケジュールを参照して、ここでは第2検査室20bで予定されていた検査E18、E21、E24、E28、E31、E36、E39のスケジュールを変更する必要があることが特定され、したがって検査スケジュール管理部110は図49に示すように、検査E18、E21、E24、E28、E31、E36、E39の時間枠を、時間的に後ろにずらすように調整する。それとともに検査スケジュール管理部110は、検査E15の検査開始予定時刻(10:05)以後に検査開始を予定されている検査を、再割当対象の検査として抽出して、スコープの割当を解除(クリア)する。図49において、枠300で囲んでいる検査が、スコープの再割当対象となる検査である。
このとき変更不可検査特定部174は、検査に対して予め割り当てられた要素のうち、少なくとも一つの変更を不可とする検査を特定する。ここで変更不可検査特定部174は、検査E17に割り当てられた全ての要素が変更不可に指定されていることを認識し、スケジュール情報の要素変更が禁止されている検査E17を特定する。再スケジュール処理部172は、変更不可検査特定部174により特定される検査E17の変更を不可とされた要素を検査スケジュール管理部110に通知して、当該要素の変更を禁止させる。この例では、検査E17の全ての要素の変更が禁止されているため、再スケジュール処理部172は、検査E17の全ての要素の変更が禁止されていることを検査スケジュール管理部110に通知し、この通知を受けて再スケジュール処理部172は、スコープ割当の解除に際し、検査E17のスコープ割当は解除せず、検査E17以外のスコープ割当を解除する。
また洗浄スケジュール管理部130は、再割当前の検査スケジュールにおける検査E15で使用予定であったスコープG−R−4の洗浄W15を、洗浄スケジュールから削除する。また洗浄スケジュール管理部130は、再割当後の検査E15の検査開始予定時刻(10:05)以後に洗浄開始を予定されている洗浄W13、W14、W16〜W41を、検査スケジュールから削除する。以上により、図49に示す検査スケジュールおよび洗浄スケジュールが生成される。
以後は、実施形態等に関して説明したように、処理部100が、図49に示す検査スケジュールおよび洗浄スケジュールから、スコープ30を各検査に割り当て、また検査で使用したスコープ30に洗浄機50を割り当てる処理を繰り返し行い、検査スケジュールおよび洗浄スケジュールを再構成する。具体的には、第1割当処理部120におけるスコープ割当部126が、検査開始予定時刻情報および検査終了予定時刻情報を変更された検査に対してスコープ30を割り当て、第2割当処理部140における洗浄機割当部144が、検査に対して割り当てられたスコープ30の検査終了予定時刻以後の時刻が洗浄開始予定時刻となるように、当該スコープ30を洗浄するための洗浄機50を割り当てる。またスコープ割当部126は、洗浄機割当部144により当該スコープ30に対して割り当てられた洗浄機50による洗浄終了予定時刻以後の時刻が検査開始予定時刻となるように、後の検査に対して当該スコープ30を割り当てる。実施形態等に関して説明したように、第1割当処理部120および第2割当処理部140が、この処理を繰り返し行うことで、検査スケジュールおよび洗浄スケジュールが構成される。
図50は、再スケジューリング処理を施した検査スケジュールおよび洗浄スケジュールを示す。なお上記したように、検査E17のスケジュール要素に関しては、その変更が禁止されており、第1割当処理部120は、スケジュール情報の要素を変更していない。以上のように、実施例7においては、スケジュール要素の変更が禁止された検査については、そのスケジュール要素を固定しつつ、それ以外の検査のスケジュール要素を変更している。なお、図50に示す例では、スコープ30の割当が変更されており、担当医師の割当に変更はないが、検査スケジュール管理部110が検査の時間枠を変更したことにより、1人の医師が時間的に重複する複数の検査に割り当てられているような場合には、第1割当処理部120の医師割当部129が、担当医師を再割当する必要がある。
また実施例7において、検査スケジュール中の任意の位置に検査E15を割り込ませる場合においても、検査スケジュール管理部110は、割り込ませた後の検査の順序や検査室などを変更しない。これにより、検査を割り込ませた検査室においては、その後の検査の開始時刻が遅れるものの、検査順序は変更しないために、開始予定時刻も最低限の遅れですむようになる。なお、ここでは検査スケジュール中の任意の位置に検査E15を割り込ませることとしていたが、たとえば他の検査の時間枠に、検査E15を当てはめるように調整してもよい。
なお担当医師のスケジュールに矛盾が生じるような場合、上記したように医師割当部129が担当医師を再割当してもよいが、実施例6で説明したように、検査の時間枠を調整することで、担当医師の割当を固定することも可能である。この場合、医師は、時間の前後はあるものの、基本的には検査業務の開始前に確認したスケジュール情報にしたがって検査室の移動などを行えばよく、業務の効率化を図ることが可能となる。
実施例7では、ある患者の検査を遅らせる場合について説明したが、急患等の検査を割り込ませる場合にも実施例7で説明した再スケジューリング処理を適用できる。また実施例7で説明した再スケジューリング処理を利用して、同一検査室における2人の患者の検査の順序を入れ替えたり、また異なる検査室における2人の患者の検査を入れ替えたりすることも可能となる。また図41においては、検査を密に割り当てた検査スケジュールを示しているが、たとえば検査室20に十分な空き時間があるような場合には、その空き時間に検査を割り込ませて、スコープの再割当処理を実施することも可能である。
実施例7においては、要素の変更を不可とする検査を特定する変更不可検査特定部174について説明したが、この変更不可検査特定部174とは逆の考え方で、要素の変更を可能とする検査を特定する変更可能検査特定部を設けてもよい。この場合、ユーザは、要素変更を可能とする検査を入力インタフェースを操作して指定し、第1割当処理部120は、変更可能検査特定部により特定された検査に関して、スコープや担当医師などの要素を変更してもよい。
また変更不可検査特定部174によりスケジュール要素の変更を不可とする検査を特定し、再スケジュール処理部172が、変更を不可とされたスケジュール要素を検査スケジュール管理部110に通知することを説明したが、これにより検査スケジュール管理部110が、変更を不可とされていない検査スケジュールの要素を変更する際に、割り当てるスコープ30が不足して、スケジュールが大幅に遅延するなどの事態が生じる可能性がある。
そこで検査スケジュール管理部110は、再スケジューリングに関する所定の再スケジュール条件を保持し、この再スケジュール条件が満たされない場合には、ユーザに、検査スケジュールの変更ができないことを通知する。再スケジュール条件は、検査開始の遅延が所定時間(たとえば1時間)内に収まることに設定されていてよい。変更不可検査特定部174により変更を不可とされたスケジュール要素が存在する場合に、第1割当処理部120は、スコープ30の割当や医師の割当に際して、変更を禁止されるスケジュール要素が存在することで、その割当自由度にも制限がかかる。そのため検査スケジュール管理部110が、第1割当処理部120にスケジュール要素の再割当処理を行わせて、検査スケジュールの要素を変更する際に、所定の再スケジュール条件が満たされない場合には、ユーザに、検査スケジュールの変更ができないことを通知することが好ましい。
なお再スケジュール条件を満たし、検査スケジュールを変更できる場合であっても、検査スケジュール管理部110は、検査の時間枠を調整した場合には、ユーザに、その旨を通知することが好ましい。これにより医師等のユーザは、検査終了が予定よりも遅れることを認識し、検査終了後の自身の予定を見直すなどの対応をとることが可能となる。
また実施例7においては、再スケジューリング処理により、図50に示す検査スケジュールおよび洗浄スケジュールが再構成されている。この再構成結果は一例であり、たとえば実施形態および実施例1〜6に関して説明したように、本願で提案する様々なスケジューリングアルゴリズムにより、検査スケジュールおよび洗浄スケジュールを、複数種類作成することも可能である。そのため表示処理部150は、作成した複数種類の検査スケジュールおよび洗浄スケジュールを、端末装置12のディスプレイに表示して、いずれを採用するかをユーザが選択できるようにしてもよい。
<実施例8>
実施例6、7では、検査をスケジュール通りに実施できず、検査の時間枠を調整するケースについて説明したが、実施例8では、検査がキャンセルされたために、他の検査を予定よりも早めるように検査スケジュールを再構成するケースを想定する。
検査のキャンセルが発生した場合、キャンセルされた検査で使用予定であった検査室20、スコープ30および医師などのリソースを有効利用することが好ましい。そのため実施例8では、検査のキャンセルが発生したときに、再スケジューリング処理を実行することで、リソースの有効利用および患者の検査待ち時間の短縮を実現することを目的とする。実施例6、7と同様に、実施例8においても、検査業務の開始前に、図41に示す検査スケジュールおよび洗浄スケジュールが予め生成されていることを前提とする。
図41を参照して、検査E22の検査開始予定時刻(10:25)前に、情報管理装置10に対して検査E22のキャンセルが通知された場合を想定する。ユーザが、端末装置12に接続された入力インタフェースから、検査E22のキャンセル操作を入力すると、入力受付部176が、検査E22のキャンセル操作を受け付ける。状況情報取得部170は、入力受付部176から、検査E22の予約のキャンセル情報を、検査の状況に関する状況情報として取得して、再スケジュール処理部172に提供する。
再スケジュール処理部172は、状況情報にもとづいて、検査スケジュールおよび/または洗浄スケジュールの変更が必要であることを判定し、検査スケジュール管理部110または洗浄スケジュール管理部130の少なくとも1つに対して、検査スケジュールおよび/または洗浄スケジュールに含まれる要素の変更を指示する。実施例8においては、この変更指示を受けて、検査スケジュール管理部110が、検査E22のスケジュール情報を、検査スケジュールから削除する。
図51は、検査スケジュールから検査E22を削除した状態を示す。
実施例8においては、検査スケジュールからキャンセルされた検査のリソースを有効利用するべく、キャンセルされた検査の開始予定時刻より後の時刻を開始予定時刻とする検査を前倒しで実施できるようにする再スケジューリング処理を提案する。
図52は、実施例8における予約繰上げ処理のフローチャートを示す。検査スケジュール管理部110は、キャンセルされた検査の時間枠を、空き時間枠として特定し(S300)、空き時間枠に移動させる検査の候補を抽出する処理を行う(S302)。候補検査の抽出処理により、空き時間枠に移動可能な検査が1つ以上抽出されれば(S304のY)、検査スケジュール管理部110は、移動する検査を特定する処理を行う(S306)。移動する検査が特定されると、特定した検査を空き時間枠に移動する(S308)。この移動処理により、キャンセルされた検査の時間枠のリソースを、別の検査に利用できるようになる。この予約繰上げ処理においては、さらに移動した検査の時間枠を空き時間枠として特定し(S300)、その空き時間枠に、別の検査を割り当てる処理を繰り返す。なお候補検査の抽出処理により、空き時間枠に移動可能な検査が抽出できなければ(S304のN)、予約繰上げ処理は終了する。
図53は、S302に示す候補検査抽出処理の詳細フローチャートを示す。検査スケジュール管理部110が、検査スケジュールにおける各検査室20の検査のなかから、S300で特定された空き時間枠の開始時刻の後に検査開始を予定されている検査を特定する(S320)。検査予約を繰り上げるに際して、たとえば2時間後に予定されている検査を前倒しで行うことは、前処置が間に合わないこともあり現実的でないことが多い。そこで、検査スケジュール管理部110は、各検査室20の検査のうち、空き時間枠の開始時刻の後に最も早く検査開始を予定されている検査を特定する。
続いて検査スケジュール管理部110は、「N=1」をセットして(S322)、第N検査室において特定した検査が、所定の繰上げ条件を満たすか判定する(S324)。ここで繰上げ条件の1つは、空き時間枠に予定されていた検査の検査種別と、第N検査室において特定した検査の検査種別とが一致することに設定される。検査種別が一致すれば(S324のY)、検査予定時間も等しく、また使用するスコープ30の機種も同じであるため、空き時間枠に設定されていたスコープ30等のスケジュール要素を変更することなく、第N検査室において特定した検査を空き時間枠に移動することが可能となる。なお別の繰上げ条件として、医師の技能に関する条件が設定されてもよい。たとえば、空き時間枠に移動させようとする検査が特殊な技能を要する場合、経験の浅い若手医師では対応できないこともある。そこで、空き時間枠に設定されている担当医師の技能と、移動させようとする検査に要する技能とを比較して、担当医師の技能で十分対応できる場合には(S324のY)、当該検査を空き時間枠に移動可能なことが判定される。なお以上の繰上げ条件が満たされない場合(S324のN)は、S328に進む。
所定の繰上げ条件が満たされれば(S324のY)、検査スケジュール管理部110は、当該検査を、空き時間枠に移動可能な候補検査として抽出する(S326)。続いて、Nが検査室総数(この例では、検査室総数=4)と同じか判定され(S328)、Nが検査室総数に達していなければ(S328のN)、Nを1インクリメントして(S330)、S324に戻る。
以上のように、S302の候補検査抽出処理は、Nが検査室総数に達するまで(S328のY)実施され、すなわち各検査室20から抽出した全ての検査に関して実行される。
図52に戻り、検査スケジュール管理部110は、抽出した候補検査が存在するか否かを判定する(S304)。ここで候補検査が抽出されていなければ(S304のN)、予約繰上げ処理は終了する。一方で、候補検査が1つ以上抽出されていれば(S304のY)、検査スケジュール管理部110は、空き時間枠に移動する検査を特定する処理を行う(S306)。
図54は、S306に示す繰上げ検査特定処理の詳細フローチャートを示す。S304において抽出した検査が1つの場合(S340のY)、検査スケジュール管理部110は、当該1つの検査を、空き時間枠に移動させる検査として特定する(S346)。またS304において抽出した検査が複数あり(S340のN)、そのうち最も開始予定時刻の早い検査が1つある場合には(S342のY)、検査スケジュール管理部110は、最も早い開始予定時刻の検査を、空き時間枠に移動させる検査として特定する(S346)。最も開始予定時刻の早い検査が複数あり(S342のN)、そのなかで空き時間枠の検査室と同じ検査室で予定されている検査があれば(S344のY)、検査スケジュール管理部110は、同じ検査室で予定されている検査を、空き時間枠に移動させる検査として特定する(S346)。なお同じ検査室で予定されている検査がなければ(S344のN)、たとえば検査スケジュール管理部110は、より小さい検査室番号の検査を、空き時間枠に移動させる検査として特定してよい(S346)。
図52に戻り、検査スケジュール管理部110は、S306で特定した検査を、空き時間枠に移動する(S308)。フローはS300に戻り、検査スケジュール管理部110は、移動した検査の時間枠を、空き時間枠として特定して(S300)、S302〜S308の処理を繰り返す。この処理は、S302において、候補検査が抽出されなくなるまで繰り返される。
以下、検査E22がキャンセルされた場合の具体的な処理を説明する。
入力受付部176が、検査E22のキャンセル操作を受け付けると、状況情報取得部170は、入力受付部176から、検査E22の予約のキャンセル情報を、検査の状況に関する状況情報として取得して、再スケジュール処理部172に提供する。
再スケジュール処理部172は、状況情報にもとづいて、検査スケジュールおよび/または洗浄スケジュールの変更が必要であることを判定し、検査スケジュール管理部110または洗浄スケジュール管理部130の少なくとも1つに対して、検査スケジュールおよび/または洗浄スケジュールに含まれる要素の変更を指示する。実施例8においては、この変更指示を受けて、検査スケジュール管理部110が、検査E22を、検査スケジュールから削除する。なお検査スケジュール管理部110は、検査E22の検査IDを検査スケジュールから削除し、他のスケジュール情報、すなわち検査E22に割り当てられていた担当医師、スコープID、検査開始予定時刻情報、検査終了予定時刻情報を残す。これにより検査E22が割り当てられていた時間枠は空き、検査スケジュール管理部110は、第1検査室20aにおける10:25〜10:35までの時間枠を、空き時間枠として特定する(S300)。
続いて検査スケジュール管理部110は、空き時間枠に移動する検査の候補を抽出する(S302)。図53を参照して、検査スケジュール管理部110は、空き時間枠の開始時刻の後に検査開始を予定されている検査を、各検査室ごとに特定する(S320)。ここで特定される検査は、検査E26、E24、E25、E27となる。
以下、S324で使用する繰上げ条件が、検査種別に関し、すなわち空き時間枠に設定されていた検査の検査種別と同じであることを条件とするものとする。
まず第1検査室20aの検査E26であるが、キャンセルされた検査E22(上部ルーチン検査)と検査種別が同一であり(S324のY)、したがって検査スケジュール管理部110は、検査E26を候補検査として抽出する(S326)。第2検査室20bの検査E24、第3検査室20cの検査E25についても同様に、検査E22と検査種別が同一であり(S324のY)、したがって検査スケジュール管理部110は、検査E24、E25も候補検査として抽出する(S326)。一方で、第4検査室20dの検査E27については、検査E22と検査種別が異なるため(S324のN)、検査E27は、候補検査として抽出しない。以上により、候補検査が、検査E26、E24、E25として抽出される。
図52に戻り、抽出した候補検査の数が3つであるため(S304のY)、検査スケジュール管理部110は、図54に示す繰上げ検査特定処理を実行する。
ここで抽出数は3つであり(S340のN)、検査E26、E24、E25の開始予定時刻は、検査E26が10:40、検査E24、検査E25が、それぞれ10:35である。したがって最も早い開始予定時刻の検査が、検査E24、E25の2つ存在している(S342のN)。検査E24、E25は、空き時間枠と同一検査室(すなわち第1検査室20a)とは異なる検査室で行われるものであるため(S344のN)、検査スケジュール管理部110は、検査室番号の小さい検査E24を、移動させる検査として特定する(S346)。図52に戻り、検査スケジュール管理部110が、特定した検査E24を、空き時間枠に移動させる(S308)。なお具体的には、検査スケジュール管理部110は、検査E24を空き時間枠に実施することを決定し、これにより検査E24のスケジュール情報として、第1検査室20aで10:25〜10:35の間に担当医師CがスコープG−R−2を用いることが定められる。
図55は、検査E24を、空き時間枠に移動した状態を示す。
続いて検査スケジュール管理部110は、移動する前の検査E24に割り当てられていた第2検査室20bの10:35〜10:45の時間枠を、空き時間枠として特定し(S300)、空き時間枠に移動する検査の候補を抽出する(S302)。図53を参照して、検査スケジュール管理部110は、空き時間枠の開始時刻の後に検査開始を予定されている検査を、各検査室ごとに特定する(S320)。ここで特定される検査は、検査E26、E28、E29、E27となる。
このうち検査E27は、繰上げ条件を満たさない(S324のN)が、検査E26、E28、E29は、繰上げ条件を満たしているため(S324のY)、検査スケジュール管理部110は、検査E26、E28、E29を候補検査として抽出する(S326)。
ここで図54を参照して、抽出した候補検査の数は3つであり(S340のN)、検査E26、E28、E29の開始予定時刻は、検査E26が10:40、検査E28、検査E29が、それぞれ10:50である。この場合、最も早い開始予定時刻の検査が、検査E26の1つであるため(S342のY)、検査スケジュール管理部110は、検査E26を、移動させる検査として特定する(S346)。これにより図52を参照して、検査スケジュール管理部110は、特定した検査E26を、空き時間枠に移動させる(S308)。
図56は、検査E26を、空き時間枠に移動した状態を示す。
続いて検査スケジュール管理部110は、移動する前の検査E26に割り当てられていた第1検査室20aの10:40〜10:50の時間枠を、空き時間枠として特定し(S300)、空き時間枠に移動する検査の候補を抽出する(S302)。図53を参照して、検査スケジュール管理部110は、空き時間枠の開始時刻の後に検査開始を予定されている検査を、各検査室ごとに特定する(S320)。ここで特定される検査は、検査E30、E28、E29、E27となる。
このうち検査E27は、繰上げ条件を満たさない(S324のN)が、検査E30、E28、E29は、繰上げ条件を満たしているため(S324のY)、検査スケジュール管理部110は、検査E30、E28、E29を候補検査として抽出する。
ここで図54を参照して、抽出した候補検査の数は3つであり(S340のN)、検査E30、E28、E29の開始予定時刻は、検査E30が10:55、検査E28、検査E29が、それぞれ10:50である。この場合、最も早い開始予定時刻の検査が、検査E28、E29の2つであり(S342のN)、検査E28、E29は、空き時間枠と同一検査室(すなわち第1検査室20a)とは異なる検査室で行われるものであるため(S344のN)、検査スケジュール管理部110は、検査室番号の小さい検査E28を、移動させる検査として特定する(S346)。図52に戻り、検査スケジュール管理部110が、特定した検査E28を、空き時間枠に移動させる(S308)。
図57は、検査E28を、空き時間枠に移動した状態を示す。
以上の処理を繰り返すことで、検査予約の繰上げ処理が完了する。
図58は、再構成した検査スケジュールを示す。実施例8に示すように、検査予約のキャンセルが発生した場合には、キャンセルされた検査よりも後に予定されている同種の検査を繰り上げることで、効率的な検査スケジュールを再構成することが可能となる。なお同種の検査を繰り上げることで、割当済みのスコープ30等のリソースに変更を加える必要なく、そのまま利用することが可能となり、したがって担当医師からすれば、検査(患者)に変更があるものの、医師のスケジュール自体にはほぼ変更がなく、検査業務を進行させられるようになる。
なお洗浄スケジュール管理部130は、もとの検査スケジュールの検査E38で使用予定であったスコープG−R−4の使用予定がなくなったことを受けて、洗浄W38におけるスコープG−R−4の洗浄予定をキャンセルする。このキャンセルにより、洗浄スケジュール管理部130は、洗浄W41で予定されているスコープC−Z−1を、洗浄W38の時間枠に繰上げ可能となったことを判定し、洗浄スケジュールを変更する。
図59は、再構成した洗浄スケジュールを示す。
以上、本発明の再スケジューリング処理を実施例6〜8をもとに説明した。この実施例は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
実施例6〜8においては、再スケジューリング処理により検査スケジュールおよび洗浄スケジュールを再構成することを説明した。本願発明においては、提案する様々な再スケジューリングアルゴリズムにより、検査スケジュールおよび洗浄スケジュールの候補を、複数種類作成することも可能である。そのため表示処理部150は、変更した検査スケジュールおよび/または洗浄スケジュールを端末装置12のディスプレイに表示する機能を有し、検査スケジュールおよび/または洗浄スケジュールの候補が複数存在する場合には、各候補をディスプレイに表示して、ユーザがいずれかの候補を選択できるようにしてもよい。ユーザが、いずれかの候補を選択すると、検査スケジュール管理部110および洗浄スケジュール管理部130が、選択された検査スケジュールおよび/または洗浄スケジュールの変更を確定する。
<実施例9>
実施例6〜8では、検査スケジュールおよび/または洗浄スケジュールを再構成する手法について説明した。また実施形態および実施例1〜8においては、検査の担当医師を設定した検査スケジュールを作成することを説明した。担当医師の割り当てを検査スケジュールに組み込むことで、医師は検査スケジュールをみて自分が担当する検査を認識し、検査を実施する。
しかしながら医療施設によっては、内視鏡検査業務の開始から終了までの一日分の検査スケジュールに、担当医師を検査に事前に割り当てることが運用にそぐわない場合も考えられる。そこで実施例9では、担当医師を検査スケジュール情報の要素として設定せず、つまり担当医師を事前に一日分の全ての検査にスケジューリングするのではなく、空いている医師が自主的に検査を担当したり、また直近の検査に対してのみ、空いている医師を割り当てて、医師の自由度を高めた運用を可能にする仕組みを提案する。
図60は、内視鏡検査が実施される医療施設のレイアウト例を示す。たとえば医療施設に設けられる内視鏡センターが、このようなレイアウトで構成される。内視鏡センター入口には受付が設けられ、患者は検査受付をすませ、待合室で順番を待っている。担当看護師は、次に実施する検査の開始予定時刻が近づくと、患者を前処置室に連れて行き、前処置を開始する。また担当看護師は担当の検査室の準備を行い、前処置の済んだ患者を検査室に誘導する。
バックヤードでは、医師、看護師、技師などの医療従事者が待機している。バックヤードにはディスプレイ装置70が設けられ、ディスプレイ装置70には、検査スケジュールが表示される。ディスプレイ装置70は大型のディスプレイ装置であって、全ての検査スケジュール情報を表示する必要はないが、少なくとも現在時刻の前後数時間分の検査スケジュール情報を表示することが好ましい。
実施例9では、検査スケジュールにおいて、医師は検査に割り当てられておらず、または直近の検査に対してのみ割り当てられる。医師が検査に割り当てられていない場合、医師はディスプレイ装置70に表示される検査スケジュールをみて、検査開始予定時刻が近い検査があれば、その検査の検査室に入室して、検査開始予定時刻になると検査を開始する。なお医師が保有している携帯端末60に、検査スケジュールが表示されてもよい。また医師は、自分が直近の検査に割り当てられた場合、検査開始予定時刻が近づくと、その検査の検査室に入室して、検査開始予定時刻になると検査を開始する。
洗浄室40には、洗浄スケジュールや、各検査室の検査終了予定時刻を表示するためのディスプレイ装置71が設けられる。検査終了予定時刻になると、洗浄の担当技師は検査室にいき、使用済みスコープを検査室内でベッドサイド洗浄してから洗浄室に持ち運び、洗浄開始予定時刻になると、使用済みスコープを洗浄機50で機械洗浄する。
図61は、実施例9の検査スケジュール管理部110により生成された検査スケジュールおよび洗浄スケジュール管理部130により生成された洗浄スケジュールの例を示す。図61に示す検査スケジュールは、図41に示す検査スケジュールと比較すると、一部の検査を除いて、検査に担当医師が割り当てられていない。この例では、検査E10には医師Bが、検査E17には医師Cが割り当てられているが、それ以外の検査には、医師が割り当てられていない。なお図61において、検査E10、E17は、医師が割り当てられた例外的なケースであり、実施例9では、全ての検査に医師が割り当てられてなくてよい。
表示処理部150は、検査スケジュール保持部206から検査スケジュール情報を読み出して、図61に示す検査スケジュール表をディスプレイ装置70に表示し、洗浄スケジュール保持部208から洗浄スケジュール情報を読み出して、図61に示す洗浄スケジュール表をディスプレイ装置71に表示してよい。表示処理部150が、特にディスプレイ装置70に、検査スケジュール表を表示することで、医師は検査の検査開始予定時刻を知ることになる。実施例9では、検査を終了した医師はバックヤードに戻り、ディスプレイ装置70の検査スケジュール表を確認することを義務づけられる。なお表示処理部150は医師が保有する携帯端末60に検査スケジュール表を表示し、医師は携帯端末60の検査スケジュール表を確認することを義務づけられてもよい。このとき表示処理部150は携帯端末60に、次の検査開始予定時刻を表示してもよい。
図62は、情報管理装置10の構成のうち、事前に担当医師が割り当てられていない検査スケジュールを運用するための機能を実現するための構成を示す。処理部100は、検査スケジュール管理部110、第1割当処理部120、洗浄スケジュール管理部130、第2割当処理部140、表示処理部150、状況情報取得部170、再スケジュール処理部172、入力受付部176、医師割当検査特定部178、通知制御部180、医師状況管理部182、検査状況監視部184および記録処理部186を備える。
なお図62には示していないが、処理部100は、図3に示すように表示内容導出部152、期間指定部154、使用状況監視部160および履歴管理部162も備えて構成されており、また第1割当処理部120は、検査抽出部122、スコープ特定部124、スコープ割当部126、スコープ割当可否確認部128および医師割当部129を有し、第2割当処理部140は、洗浄機特定部142、洗浄機割当部144、終了時刻判定部146、洗浄機割当可否確認部148および担当者割当部149を有して構成されている。
記憶部200は、検査スケジュール保持部206、洗浄スケジュール保持部208、実施医師記録部240および医師テーブル242を備える。
処理部100の各構成は、ハードウェア的には、任意のコンピュータのCPU、メモリ、その他のLSIで実現でき、ソフトウェア的にはメモリにロードされたプログラムなどによって実現されるが、ここではそれらの連携によって実現される機能ブロックを描いている。したがって、これらの機能ブロックがハードウェアのみ、ソフトウェアのみ、またはそれらの組み合わせによっていろいろな形で実現できることは、当業者には理解されるところである。
検査スケジュール保持部206は、複数の内視鏡検査の検査スケジュール情報であって、検査室と、患者識別情報(患者ID)と、検査開始予定時刻情報と、検査終了予定時刻情報と、検査種別情報とを要素とする検査スケジュール情報を保持する。実施例9では、1つの内視鏡検査における検査室と、患者識別情報と、検査開始予定時刻情報と、検査終了予定時刻情報と、検査種別情報との組合せを、検査スケジュール情報と呼び、検査スケジュール情報を構成する各情報を、検査スケジュール情報の要素と呼ぶ。なお検査スケジュール情報は、使用するスコープに関する情報を含んでよい。検査スケジュールは、複数の検査スケジュール情報により構成される。
なお実施例9では、検査スケジュール情報は、基本的に担当医師識別情報(医師ID)を含まないが、特定の検査については事前に医師IDが検査スケジュール情報に含まれている。図61を参照すると、検査E10とE17には、それぞれ医師が割り当てられている。これは、特殊な検査であって担当できる医師が限られる場合や、患者から担当医師の指名があったような場合であり、医師割当部129は、このような事情のある検査に限って医師を割り当てる。そのため検査スケジュール保持部206は、担当医師を要素として含む検査スケジュール情報と、担当医師を要素として含まない検査スケジュール情報の2種類を保持することになる。
洗浄スケジュール保持部208は、複数のスコープの洗浄スケジュール情報であって、洗浄機と、洗浄開始予定時刻情報と、洗浄終了予定時刻情報とを要素とする洗浄スケジュール情報を保持する。実施例9では、1つの洗浄処理における洗浄機と、洗浄開始予定時刻情報と、洗浄終了予定時刻情報との組合せを、洗浄スケジュール情報と呼び、洗浄スケジュール情報を構成する各情報を、洗浄スケジュール情報の要素と呼ぶ。なお洗浄スケジュール情報は、洗浄するスコープに関する情報を含んでよく、また実施例5に関して説明したように、洗浄を実施する洗浄担当者識別情報を含んでよい。洗浄スケジュールは、複数の洗浄スケジュール情報により構成される。
(実施例9における運用例1)
運用例1では、検査E10,E17などの特定の検査以外には担当医師が割り当てられておらず、医師が自主的にディスプレイ装置70に表示されている検査スケジュール表を確認して、検査開始予定時刻の前に検査室に入室するようにする。医師は検査を終了すると、バックヤードに戻ってディスプレイ装置70に表示されている検査スケジュール表を確認し、次の検査開始予定時刻の前に検査室に入室して、検査を開始する。
検査室に入室した医師は、検査を開始する検査IDを特定した上で、自分の医師IDを入力してから検査を開始する。医師は、内視鏡観察装置22や端末装置12から医師ID(医師の氏名であってよい)を入力する。たとえば医師IDはテキスト入力されてもよく、またプルダウン表示される医師リストの中から選択されてもよい。また検査室に医師IDを読み取る読取手段が設けられて、医師がIDカードなどを読取手段で読み取らせることによって、検査を実施する医師IDが入力されてもよい。入力された医師IDは、検査IDとともに情報管理装置10に送信される。
情報管理装置10において、入力受付部176は、検査IDおよび医師IDを受け付ける。入力受付部176は、受け付けた検査IDおよび医師IDを、医師状況管理部182および記録処理部186に提供する。医師状況管理部182は、受け付けた医師IDにより、当該医師が検査室に入室した状況を管理する。なお医師状況管理部182は、状況情報取得部170が取得する検査状況によっても医師の状況を管理し、この点については後述する。
記録処理部186は、検査IDと医師IDとを関連づけて、実施医師記録部240に記録させる。これにより実施医師記録部240は、検査を実施する医師を記録することになる。なお記録処理部186は、後述する状況情報取得部170が検査の開始通知または終了通知を取得したときに、検査IDと医師IDとを関連づけて実施医師記録部240に記録させてもよい。これにより実施医師記録部240は、検査を実施した医師を記録することになる。なお実施医師記録部240は、検査IDに関連づけて、検査の他の実施情報を記録してもよい。
実施例9の運用例1では、検査スケジュールにおいて、担当医師が検査に割り当てられていないために、検査を実施した担当医師の情報はスケジュール情報以外から取得されて、実施医師記録部240に記録される必要がある。なお検査が終了すると、担当医師は検査レポートを作成するが、その際、医師IDも検査レポートに登録されるため、記録処理部186は、検査レポートから担当医師を抽出して、検査IDに関連づけて実施医師記録部240に記録させてもよい。
運用例1では担当医師が検査に割り当てられていないため、検査開始直前にバックヤードで待機している複数の医師間で調整して、検査の担当を決められる。そのため柔軟な運用が可能となり、たとえば体調不良の医師がいるような場合には、その医師をしばらく休ませるような対応をとることができる。またベテラン医師の時間が許せば、ベテラン医師が若手医師と同じ検査室に入って、若手医師を指導することも可能となる。
なお医療施設が、運用例1にしたがって検査スケジュールを運用するためには、もともと作成されている検査スケジュール(図61参照)の全ての検査に対して、担当医師を割り当て可能であることが前提となる。つまり医師数が不足していて、そもそも検査スケジュールの全ての検査に対して担当医師を割り当てられなければ、運用例1で示すような運用は成立しない。極端なケースを言えば、4つの検査室20に対して検査可能な医師が3人しかいなければ、図61に示す検査スケジュールは成立しない。そこで実施例9では、基本的に検査スケジュールに担当医師を割り当てることはしないが、担当医師を割当可能なことを確認済みであることを前提とする。
運用例1に想定されるデメリットとして、医師が自主的に検査を行う仕組みをとるために、医師間の意思疎通が十分でない場合、一時的に医師が不足する事態が生じうる。たとえば、ある医師が、自分以外に十分な数の医師がいると判断して回診に行ったり、外来患者の診察の応援に行ったりするケースである。数名の医師が内視鏡センターを離れると、検査の数に対して医師数が一時的に不足することがある。そこで運用例1では、以下の対策をとる。
状況情報取得部170は、検査の状況に関する状況情報を取得する。状況情報取得部170は、実施例6に関しても説明したように、内視鏡観察装置22と通信を行う通信部を有し、内視鏡観察装置22から送信される情報を取得する機能を有する。
検査を開始する際、内視鏡観察装置22において検査の開始ボタンが操作されると、検査の開始通知が検査IDおよび観察装置IDとともに情報管理装置10に送信される。また検査を終了する際、内視鏡観察装置22において検査の終了ボタンが操作されると(またはスコープ30が内視鏡観察装置22から引き抜かれると)、検査の終了通知が検査IDおよび観察装置IDとともに情報管理装置10に送信される。情報管理装置10において、状況情報取得部170は、内視鏡観察装置22から送信される情報を監視し、検査の実施状況に関する状況情報として、検査IDおよび観察装置IDとともに、検査開始通知情報および検査終了通知情報を取得する。
検査状況監視部184は、状況情報取得部170が取得した状況情報から、検査の実施状況を監視し、具体的には検査が予定通り開始されているか否かを判断する。検査状況監視部184は、検査スケジュール保持部206に保持されている検査開始予定時刻情報を抽出し、各検査室で予定されている検査の検査開始予定時刻に、状況情報取得部170により検査開始通知情報が取得されているか監視する。
ここで、検査が予定通り開始されていない場合、すなわち検査開始予定時刻に状況情報取得部170が検査開始通知情報を取得していない場合に、通知制御部180は、警告に関する情報を通知する。警告の通知手法の一つは、通知制御部180が、バックヤードに設置されているディスプレイ装置70に、検査室で検査が開始されていないことを通知することである。たとえば検査開始予定時刻に検査が開始していない場合、通知制御部180は、検査スケジュール表における当該検査の時間枠を点滅表示させたり、またディスプレイ装置70から音声で、検査が予定通りに開始されていないことを示すメッセージを出力する。バックヤードには、医療従事者が待機しているため、気付いた人が、医師を捜して口頭で検査室に入って欲しい旨を伝えることができる。
また警告の通知手法の別の例は、医師が保有している携帯端末60に直接メッセージを送信することである。内視鏡検査業務支援システム1において、各医療従事者は携帯端末60を有しており、通知制御部180は、各医療従事者が有している携帯端末60のアドレスを管理している。そこで通知制御部180は、以下で説明する医師テーブル242を利用して、検査可能な医師の携帯端末60に、警告に関する情報を送信する。
医師状況管理部182は、医師の状況を管理する。ここで医師状況管理部182は、医師が少なくとも検査中であるか否かを管理しており、さらには検査室に入室しているか否かを管理してもよい。医師状況管理部182は、医師テーブル242において、医療施設内の各医師の状況を管理する。
図63は、運用例1における医師テーブル242の一例を示す。医師テーブル242は、現在時刻において医師が検査中であるか、または検査室に入室中であって検査開始前であるかを示す情報を保持する。医師状況管理部182は、検査室に入室した医師から医師IDが送信されると、当該医師の状況を「検査室に入室」に設定し、その検査室から検査開始通知情報が送信されると、当該医師の状況を「検査中」に設定する。また医師状況管理部182は、その検査室から検査終了通知情報が送信されると、当該医師の状況を「ブランク」に設定する。医師状況がブランクに設定されていることは、その医師が、検査を担当可能であることを示す。
図63に示す例では、医師A、Bが検査中であり、医師Cが入室中である状況が管理されている。このとき、たとえば第4検査室20dの検査開始予定時刻に検査が開始されていない場合、通知制御部180は、医師テーブル242を参照して、現在検査を行っていない医師D、Eを特定する。なお医師Cは、まだ検査開始前であるが、これから第3検査室20cにて検査を行うことが確実であるため、医師Cは除外する。通知制御部180は、特定した医師の携帯端末60に、警告に関する情報を通知する。たとえば、この警告メッセージは、「第4検査室で予定されている検査の開始時刻となりましたので、至急第4検査室に来て下さい」というものであってよい。
医師D、Eのいずれかが、警告メッセージに対して了解を示す旨の返信をする。たとえば医師Dが返信した場合、通知制御部180は、医師Eに対して、「第4検査室で予定されている検査は、医師Dが担当することになりました」とするメッセージを送信してもよい。これにより医師Eは、第4検査室に戻る必要がなくなる。
なお通知制御部180は、警告メッセージを複数の医師に送信する場合、送信先となる複数の医師名を、警告メッセージとともに送信することが好ましい。この例では、医師D、Eの携帯端末60に、警告メッセージとともに、送信先である医師D、Eの名前も表示される。これにより医師D、Eは、互いに連絡をとりあって、どっちが第4検査室20dの検査を担当するか決め、その後、了解を示す旨の返信をしてもよい。
この場合、第4検査室20dの検査は、予定よりも遅れて開始されることになる。そのため実施例6〜8で説明した再スケジューリング処理が実行される。再スケジュール処理部172は、検査に遅延が生じた場合に、検査スケジュールおよび/または洗浄スケジュールの変更が必要であることを判定すると、検査スケジュール情報を管理する検査スケジュール管理部110または洗浄スケジュール情報を管理する洗浄スケジュール管理部130の少なくとも1つに対して、検査スケジュールおよび/または洗浄スケジュールに含まれる要素の変更を指示してよい。
(実施例9における運用例2)
運用例2では、医師状況管理部182が医師の状況を管理し、その管理している医師状況にもとづいて、第1割当処理部120における医師割当部129が、検査に医師を割り当てる。ここで第1割当処理部120は、現在時刻に近い検査に対してのみ、空いている医師(検査室に入室していない医師)を割り当てる。検査は患者や医師によって、予定時間よりも早く終了したり、また遅く終了することがあるが、第1割当処理部120は、そのような医師の状況にもとづいて、直近の検査に対して医師を公平に割り当てる機能を有する。
図64は、運用例2における医師テーブル242の例を示す。医師テーブル242は、医師が検査中であるか否か、または検査室に入室中であって検査開始前であるかを示す情報を保持する。医師状況管理部182は、検査室に入室した医師から医師IDが送信されると、当該医師の状況を「検査室に入室」に設定し、その検査室から検査開始通知情報が送信されると、当該医師の状況を「検査中」に設定する。また医師状況管理部182は、その検査室から検査終了通知情報が送信されると、当該医師の状況を「ブランク」に設定する。医師状況がブランクに設定されていることは、その医師が、検査を担当可能であることを示す。
図64(a)は、内視鏡検査業務の開始前の医師テーブル242の例を示す。図61を参照して、内視鏡検査業務は9:00に開始するが、図64(a)に示す医師テーブル242は、9時前の医師状況を表現している。
医師テーブル242において、「検査終了時刻」には、医師が最後に実施した検査の終了時刻が保持される。したがって医師が検査を終了するたびに、この検査終了時刻は更新される。図64(a)の医師テーブル242には、まだ9時前であるために、どの医師も検査を実施しておらず、「検査終了時刻」のレコードはブランクに設定されている。
「割当検査時刻」には、医師に既に割り当てられた検査の予定時刻が保持される。ここでは医師Bに対して検査E10の9:30〜9:45が、医師Cに対して検査E17の10:05〜10:20が、それぞれ記録されている。医師割当検査特定部178は、検査スケジュール保持部206の検査スケジュール情報のうち、担当医師が設定されている検査スケジュール情報を特定して、該当する医師の検査予定時刻を医師テーブル242の「割当検査時刻」のレコードに記録する。割当検査時刻に記録された時間帯は、当該医師の検査予定が設定されているため、第1割当処理部120は、かかる時間帯に、当該医師を別の検査に割り当てることはできない。さらに運用例2では、割り当てられた検査開始予定の所定時間(たとえば15分前)以降に終了予定となる検査には、当該医師を割り当てないようにする。
9時前の時点で、第1割当処理部120は、図64(a)に示す医師テーブル242を参照して、検査スケジュール情報が担当医師を要素として含んでいない直近の検査に対して医師を割り当てる。図61を参照して、第1割当処理部120は、第1検査室20aの検査E1に医師Aを、第2検査室20bの検査E2に医師Bを、第3検査室20cの検査E3に医師Cを、第4検査室20dの検査E4に医師Dを、それぞれ割り当てる。記録処理部186は、検査IDと医師IDとを関連づけて、実施医師記録部240に記録させ、これにより実施医師記録部240は、検査を実施する医師を記録する。
図65は、9時から開始される検査E1〜E4に、それぞれ医師を割り当てた状態を示す。表示処理部150は、ディスプレイ装置70に、検査E1〜E4に割り当てた医師を含むスケジュール表を表示する。これにより担当となった医師は、それぞれ検査室に入り、9時から検査を開始する。
検査が終了すると、状況情報取得部170が、検査終了通知情報を各検査室の内視鏡観察装置22から取得する。医師状況管理部182は、各検査室の検査終了通知情報から、各医師の検査終了時刻を医師テーブル242に書き込み、各医師の状況をブランクに設定する。
図64(b)は、9:10の時点の医師テーブル242の例を示す。9:10の時点では、医師Dが第4検査室20dで検査中であるが、それ以外の医師は検査を終了している。「検査終了時刻」のレコードには、医師Aが9:09に検査を終了したこと、医師Bが9:08に検査を終了したこと、医師Cが9:10に検査を終了したことが、それぞれ記録されている。
このように医師状況管理部182は、医師が検査を終了した時刻を管理する。9:10の時点で第1割当処理部120は、検査E5〜E7の検査に医師を割り当てる。このとき第1割当処理部120は、まだ検査を実施していない医師を優先的に検査に割り当て、全ての医師が検査を実施済みの場合には、検査終了時刻が早い医師から順に検査に割り当てる。図64(b)において、医師Eは、まだ検査を実施していないため、第1割当処理部120は、医師Eをもっとも優先的に検査に割り当てる。これにより医師Eは、検査E5に割り当てられる。
次に第1割当処理部120は、検査終了時刻が最も早い医師Bを、検査E6に割り当てられるか判定する。ここで検査E6の終了予定時刻は9:25であり、この時刻は、医師Bが割り当てられている検査E10の開始予定時刻9:30の5分前である。第1割当処理部120は、医師Bに割り当てられている検査がある場合には、その検査開始予定時刻の所定時間(たとえば15分)前までに終了予定となっている検査に対してのみ、医師Bを割当可能とする。したがって第1割当処理部120は、医師Bを、検査E6やE7には割り当てられないことを判定する。
このように第1割当処理部120は、検査終了時刻が早かった医師から順に、検査に割り当てるか判定する。結果的に医師Aが検査E6に割り当てられ、医師Cが検査E7に割り当てられる。
図66は、検査E5〜E7に、それぞれ医師を割り当てた状態を示す。表示処理部150は、ディスプレイ装置70に、検査E5〜E7に割り当てた医師を含むスケジュール表を表示する。これにより担当となった医師は、それぞれ検査室に入り、9:15から検査を開始する。
なお第1割当処理部120が、医師を検査に割り当てると、医師テーブル242における医師の状況を「検査室で検査予定」に設定する。「検査室で検査予定」は、検査開始通知情報が状況情報取得部170により取得されると、医師状況管理部182により「検査室で検査中」に変更される。
このように実施例9の運用例2では、第1割当処理部120が、医師を、直近にスケジューリングされている検査に対して割り当てる。このとき第1割当処理部120は、検査終了時刻の早い医師から検査に割り当てることで、各医師の負担を均一に揃えるようにする。
<実施例10>
実施例9では、医師を検査スケジュール情報の要素として設定しない検査スケジュールについて説明した。実施例10では、検査スケジュールに検査開始予定時刻情報および検査終了予定時刻情報で指定される検査の時間枠が設定されるが、検査の時間枠に対して患者を割り当てないケースを想定する。つまり実施例10では、患者をどの検査室で検査するかは、検査スケジュールに含まれておらず、患者を順次空いている検査室で検査するような運用を対象とする。
図67は、実施例10に関して生成した検査スケジュールおよび洗浄スケジュールを示す。図67に示すように、第1検査室20a〜第3検査室20cでは、上部ルーチン検査のみが予定され、第4検査室20dでは、下部ルーチン検査のみが予定される。このように実施例10で提案する内容は、所定のルーチン検査を繰り返し実施するような医療施設で運用することを想定している。所定のルーチン検査のみを実施することで、一日の検査数さえ特定できれば、検査予定時間の等しい時間枠を配置した検査スケジュールをたてられる。なお図示のように、検査の時間枠には、担当医師および使用スコープが割り当てられている。
なお図67に示す検査スケジュール例では、第1検査室20aの担当医師を医師A、第2検査室20bの担当医師を医師B、第3検査室20cの担当医師を医師E、第4検査室20dの担当医師を医師Cと定めているが、これは例示であり、これまでの実施形態および実施例で説明したように、一人の医師が、複数の検査室20で検査を担当してもよい。また、ここでは上部ルーチン機が9本所有され、下部ルーチン機が3本所有されている場合のスケジュールを示している。
図60を参照して、患者が検査受付を行うと、検査受付の時刻が、施設への到着時刻として記録される。実施例10において内視鏡センターでは、患者が受付した順番で、看護師が患者を前処置室に連れて行き、前処置を実施する。前処置を開始した時刻または前処置を完了した時刻が記録されてもよく、前処置を担当する看護師は、前処置に関する時刻を携帯端末60を用いて記録する。
看護師は、患者の施設への到着時刻または前処置に関する時刻の早い順に、患者を空いている検査室20に連れて行く。担当医師はバックヤードで待機しており、検査開始予定時刻が近づくと検査室20に入室し、検査開始予定時刻になると検査を開始する。
このように実施例10では、患者を検査スケジュールに組み込まないことで、患者を、いわば早い者順に検査室20に連れて行く。このような運用により結果として効率よく検査業務を進行させることが可能となる。
図68は、情報管理装置10の構成のうち、患者が割り当てられていない検査スケジュールを運用するための機能を実現するための構成を示す。処理部100は、検査スケジュール管理部110、洗浄スケジュール管理部130、表示処理部150、状況情報取得部170、入力受付部176、通知制御部180、記録処理部186、検査開始順序決定部190およびステータス判定部192を備える。
なお図68には示していないが、処理部100は、図3に示すように第1割当処理部120、第2割当処理部140、表示内容導出部152、期間指定部154、使用状況監視部160および履歴管理部162も備えて構成されている。記憶部200は、検査スケジュール保持部206、洗浄スケジュール保持部208、患者記録部244、患者テーブル246およびスコープ状況テーブル248を備える。
処理部100の各構成は、ハードウェア的には、任意のコンピュータのCPU、メモリ、その他のLSIで実現でき、ソフトウェア的にはメモリにロードされたプログラムなどによって実現されるが、ここではそれらの連携によって実現される機能ブロックを描いている。したがって、これらの機能ブロックがハードウェアのみ、ソフトウェアのみ、またはそれらの組み合わせによっていろいろな形で実現できることは、当業者には理解されるところである。
検査スケジュール保持部206は、検査室に関するスケジュール情報であって、検査開始予定時刻情報と、検査終了予定時刻情報と、使用するスコープに関する情報(スコープを特定する情報)とを要素とする検査スケジュール情報を保持する。実施例10では、検査室と、検査開始予定時刻情報と、検査終了予定時刻情報と、スコープIDとの組合せを、検査スケジュール情報と呼び、検査スケジュール情報を構成する各情報を、検査スケジュール情報の要素と呼ぶ。なお検査スケジュール情報は、担当医師を識別する情報(医師ID)を含んでよい。検査スケジュールは、検査室ごとに、複数の検査スケジュール情報により構成される。
なお実施例10では、検査スケジュール情報は検査IDを含まない。つまり検査スケジュール情報は患者の検査に対して設定されるものではなく、検査室に対して設定される。これにより患者を、どの検査室で検査してもよく、柔軟な運用が可能となる。
洗浄スケジュール保持部208は、複数のスコープの洗浄スケジュール情報であって、洗浄機と、洗浄開始予定時刻情報と、洗浄終了予定時刻情報とを要素とする洗浄スケジュール情報を保持する。実施例10では、1つの洗浄処理における洗浄機と、洗浄開始予定時刻情報と、洗浄終了予定時刻情報との組合せを、洗浄スケジュール情報と呼び、洗浄スケジュール情報を構成する各情報を、洗浄スケジュール情報の要素と呼ぶ。なお洗浄スケジュール情報は、洗浄するスコープに関する情報を含んでよく、また実施例5に関して説明したように、洗浄を実施する洗浄担当者識別情報を含んでよい。洗浄スケジュールは、複数の洗浄スケジュール情報により構成される。
まず患者が検査受付をすますと、患者IDおよび検査受付を行った時刻が受付端末にて入力され、情報管理装置10に送信される。情報管理装置10において、入力受付部176が、患者IDおよび受付時刻を受け付ける。入力受付部176は、取得した患者IDおよび受付時刻を、記録処理部186に提供する。記録処理部186は患者IDから、受付時刻を、患者の到着時刻として患者テーブル246に登録する。
図69は、患者テーブル246の一例を示す。患者テーブル246は、検査のオーダ情報にしたがって作成され、患者IDに対して、検査の予約時刻および検査種別が予め登録されており、さらに到着時刻を登録するためのレコードが形成されている。
実施例10では、複数の患者に対して同じ予約時刻を定めたオーダ情報が発行されている。検査ID1〜6の患者A〜Fに対しては、9:00の予約時刻で上部ルーチン検査を実施することが定められ、検査ID7〜8の患者G〜Hに対しては、9:00の予約時刻で下部ルーチン検査を実施することが定められている。各患者に対しては、9:00の予約時刻に対して、予約時刻の30分前までに到着してください、と伝えておく。しかしながら実際には指定時刻(予約時刻の30分前)に遅刻する患者や、指定時刻よりも早く来る患者など様々であり、実施例10では、患者が到着した順番で、空いている検査室20で検査を開始する運用とする。患者ごとに検査開始予定時刻を定めるスケジュールと比較すると、実施例10では、患者の検査開始予定時刻をそもそも定めないために、患者が指定時刻に大きく遅れない限り、検査の時間枠にしたがって効率よく検査スケジュールをこなせるようになる。
図70は、記録処理部186により到着時刻を登録された患者テーブル246の例を示す。この例では、8:45までに、9:00を予約時刻とする全ての患者A〜Hが検査受付をすませている。患者が検査受付をすませると、看護師は、受付をすませた順番に前処置を開始する。図70の患者テーブル246の例では、患者A、患者D、患者B、患者H、患者F、患者G、患者E、患者Cの順番に受付をすませており、したがって看護師は、この順番で前処置を実施する。
検査開始順序決定部190は、患者テーブル246に登録されている到着時刻を参照して、検査を実施可能な複数の患者の検査開始順序を決定する。具体的に検査開始順序決定部190は、到着時刻の早い患者から先に検査を開始するように、複数の患者の検査開始順序を決定する。このとき検査開始順序決定部190は、検査種別情報を参照して、検査種別ごとに、患者の検査開始順序を決定する必要がある。つまり検査ID1〜6の患者A〜Fに対しては上部ルーチン検査を実施し、検査ID7〜8の患者G〜Hに対しては下部ルーチン検査を実施することが定められているが、上部ルーチン検査と下部ルーチン検査とでは検査室が異なるため、検査開始順序決定部190は、検査種別ごとに患者の検査開始順序を決定する。
図70に示す例では、検査開始順序決定部190は、上部ルーチン検査に関して、患者A、患者D、患者B、患者F、患者E、患者Cの順に検査を開始することを決定し、下部ルーチン検査に関して、患者H、患者Gの順に検査を開始することを決定する。この順番は、通知制御部180に伝えられ、通知制御部180は、決定した検査開始順序にしたがって、検査を開始する患者を通知する。
通知制御部180は、検査スケジュール保持部206に保持されている検査スケジュール情報を参照して、9:00から開始する上部ルーチン検査が3つ、下部ルーチン検査が1つであることを特定する。これにより通知制御部180は、9:00から上部ルーチン検査を開始する患者が、患者A、患者D、患者Bであることを特定し、9:00から下部ルーチン検査を開始する患者が患者Hであることを特定する。この特定処理の後、通知制御部180は、検査を開始する患者A、患者D、患者B、患者Hを特定する情報を通知する。
通知制御部180は、バックヤードに設置されているディスプレイ装置70に、9:00から検査を開始する患者が患者A、患者D、患者B、患者Hであることを表示する。これにより看護師は、前処置室にいって、患者A、患者D、患者B、患者Hを、それぞれ検査室20に誘導する。
また別の通知手法として、通知制御部180は、看護師が保有している携帯端末60に直接メッセージを送信してもよい。内視鏡検査業務支援システム1において、各医療従事者は携帯端末60を有しており、通知制御部180は、各医療従事者が有している携帯端末60のアドレスを管理している。そこで通知制御部180は、看護師の携帯端末60に、患者A、患者D、患者B、患者Hを検査室に誘導することを示すメッセージを送信してもよい。
なお以上は、検査開始順序決定部190が、患者の到着時刻にもとづいて患者の検査開始順序を決定したが、患者の前処置実施に関する時刻にもとづいて、患者の検査開始順序を決定してもよい。看護師は、患者の前処置の開始時刻または完了時刻を、携帯端末60から患者テーブル246に登録してもよい。これにより検査開始順序決定部190は、前処置実施に関する時刻にもとづいて、患者の検査開始順序を決定することが可能となる。
検査の開始前、看護師は患者を検査室20に誘導し、検査の準備を行う。患者A、患者D、患者Bに対しては上部ルーチン検査を実施するため、患者A、患者D、患者Bは、それぞれ第1検査室20a、第2検査室20b、第3検査室20cのいずれかに誘導され、患者Hは、第4検査室20dに誘導される。看護師は、検査室の内視鏡観察装置22または端末装置12において、検査を開始する検査IDを特定した上で、患者ID(患者の氏名であってよい)を入力する。たとえば患者IDはテキスト入力されてもよく、またプルダウン表示される患者リスト(検査オーダリスト)の中から選択されてもよい。また検査室に患者IDを読み取る読取手段が設けられて、患者の手首に巻かれた識別バンドを読取手段で読み取らせることによって、患者IDが入力されてもよい。入力された患者IDは、検査IDおよび検査室の情報とともに情報管理装置10に送信される。
情報管理装置10において、入力受付部176は、検査ID、患者IDおよび検査室情報を受け付ける。入力受付部176は、受け付けた検査ID、患者IDおよび検査室情報を、記録処理部186に提供する。記録処理部186は、検査IDと患者IDと検査室情報とを関連づけて、患者記録部244に記録させる。これにより患者記録部244は、検査を実施される患者を記録することになる。なお記録処理部186は、状況情報取得部170が検査の開始通知または終了通知を取得したときに、検査IDと患者IDと検査室情報とを関連づけて患者記録部244に記録させてもよい。また記録処理部186は、患者が検査を実施された検査開始時刻、検査終了時刻を、それぞれ患者記録部244に記録させてよい。
また実施例10において、状況情報取得部170は、スコープ30の状況に関する状況情報を取得する。状況情報取得部170は、内視鏡観察装置22と通信を行う通信部を有し、内視鏡観察装置22から送信される情報を取得する機能を有する。
検査の開始前、スコープ30は内視鏡観察装置22に接続されるが、このときスコープ30の識別情報(スコープID)が、内視鏡観察装置22を識別する情報(観察装置ID)および検査を識別する情報(検査ID)とともに、ネットワーク2を介して情報管理装置10に送信される。また検査を開始する際、内視鏡観察装置22において検査の開始ボタンが操作されると、検査の開始通知が検査ID、スコープIDおよび観察装置IDとともに情報管理装置10に送信される。また検査を終了する際、内視鏡観察装置22において検査の終了ボタンが操作されると(またはスコープ30が内視鏡観察装置22から引き抜かれると)、検査の終了通知が検査ID、スコープIDおよび観察装置IDとともに情報管理装置10に送信される。情報管理装置10において、状況情報取得部170は、内視鏡観察装置22から送信される情報を監視し、スコープ30の状況に関する状況情報として、スコープIDに関する情報、検査開始通知情報および検査終了通知情報を取得する。
また状況情報取得部170は、洗浄機50と通信を行う通信部を有し、洗浄機50から送信される情報を取得する機能を有する。洗浄機50には、洗浄するスコープ30のスコープIDを読み取る手段が設けられており、洗浄の担当者は、洗浄開始前に、スコープ30のスコープIDを読取手段により読み取らせる。洗浄機50は、洗浄開始ボタンが操作されると、洗浄開始通知情報を、スコープIDおよび洗浄機50を識別する情報(洗浄機ID)とともに、ネットワーク2を介して情報管理装置10に送信する。また洗浄が終了すると、洗浄機50は、洗浄終了通知情報を、スコープIDおよび洗浄機IDとともに、ネットワーク2を介して情報管理装置10に送信する。状況情報取得部170は、洗浄機50から送信される情報を監視し、スコープ30の状況に関する状況情報として、スコープIDとともに、洗浄開始通知情報および洗浄終了通知情報を取得する。
状況情報取得部170が、スコープIDおよび検査開始通知情報を取得すると、記録処理部186は、当該スコープの状況を、「使用中」と設定してスコープ状況テーブル248に登録する。状況情報取得部170が、スコープIDおよび検査終了通知情報を取得すると、記録処理部186は、当該スコープの状況を、「使用済」と設定してスコープ状況テーブル248に登録する。状況情報取得部170が、スコープIDおよび洗浄開始通知情報を取得すると、記録処理部186は、当該スコープの状況を「洗浄中」と設定してスコープ状況テーブル248に登録する。状況情報取得部170が、スコープIDおよび洗浄終了通知情報を取得すると、記録処理部186は、当該スコープの状況を「待機中」と設定してスコープ状況テーブル248に登録する。
患者の検査が終了すると、検査室は、次の患者を受入可能な状態となる。実施例10では、その時点で、次の患者の前処置が完了していれば、検査開始順序決定部190が決定した順序にしたがって、検査開始予定時刻よりも前に、次の患者の検査を開始することも可能である。たとえば9:00から開始された上部ルーチン検査のいずれかが終了すると、上部ルーチン検査の次の順番に設定されている患者Fの検査を、次の検査開始予定時刻(9:15)よりも前に、空いた検査室で開始してよい。
しかしながら、検査スケジュールでは、スコープ30のスケジューリングもされているため、検査開始予定時刻よりも前に次の検査を開始しようとすると、次の検査で使用予定となるスコープ30が使用可能な状態にあるか否かを判定する必要がある。
そこでステータス判定部192は、検査室において予定されている検査の開始予定時刻よりも早い時刻に検査を開始する場合に、使用するスコープ30が、その早い時刻において使用可能であるか否かを判定する。スコープ30の状況は、上記したようにスコープ状況テーブル248により管理されており、ステータス判定部192は、該当するスコープ30の状況をスコープ状況テーブル248で確認して、状況が「待機中」となっていれば、当該スコープが使用可能であることを判定する。通知制御部180は、検査を予定よりも早く実施しようとする場合に、予定していたスコープ30を使用可能であるか否かを示す情報を通知してもよい。この通知は、ディスプレイ装置70および/または携帯端末60に対して行われてよい。
なおステータス判定部192が、予定よりも早い時刻において、スケジューリングされているスコープ30が使用不能であることを判定した場合、通知制御部180は、当該スコープ30が使用可能となる時刻に関する情報、または当該スコープ30とは別のスコープに関する情報を通知することが好ましい。たとえば当該スコープが洗浄中である場合には、通知制御部180は、洗浄開始通知情報から洗浄終了時刻を予測できるため、予測した洗浄終了時刻には、当該スコープが使用可能であることを通知できる。このとき通知制御部180は、現在時刻から予測される洗浄終了時刻までの時間を計算し、「あと〜分で使用できるようになります」と通知してもよい。また通知制御部180は、スコープ状況テーブル248を参照して、待機中の状況を示す上部ルーチン機を探索し、使用可能な別のスコープ情報として通知してもよい。これにより、すみやかに次の検査を開始できる。なお、別のスコープ30の使用を許可する場合には、実施例6〜8に示す再スケジューリング処理が実施されてもよい。
このように実施例10によれば、患者を検査スケジュールに組み込まないことで、ある患者(図70の例では、患者C)が指定時刻に遅刻した場合であっても、患者Cの検査は9:15から行えばよいため、検査スケジュールを遅延なく進行させることが可能となる。
<実施例11>
これまでの実施形態および実施例では、第1検査室20a、第2検査室20b、第3検査室20cが上部検査のために使用され、第4検査室20dが下部検査のために使用されて、上部検査および下部検査ともに9時から開始されることを説明してきた。しかしながら医療施設では、以下で説明する理由から、午前に上部検査を実施し、午後に下部検査を実施するところも多い。
内視鏡検査を行う前、患者に対して前処置が実施される。上部検査の前処置では胃洗浄を行った後、施設によっては咽頭麻酔やセデーションなどを実施する。上部検査の前処置は医療施設において定められた手順によって進められ、予定された時間内(たとえば10分程度)で終了するのが通常である。つまり上部検査の前処置にかかる時間は患者毎に変動するものではなく、ほぼ全ての患者の前処置が10分以内に終了する。
一方で下部検査の前処置では、患者は、2リットルほどの下剤を数時間かけて飲み、大腸をきれいにする。そのため前処置が終了するまで、上部検査の前処置と比べると、かなりの時間がかかり、また患者毎にかかる時間も異なるため、前処置がいつ終了するのか予測をたてられない。このような前処置にかかる時間の違いから、実際の医療施設では、午前に上部検査を実施し、午後に下部検査を実施することも多い。
実施例11において、上部検査を午前に、下部検査を午後に実施することは重要な要素ではないが、前処置の時間を考慮した施設の運用にあわせて、以下では、上部検査を午前に、下部検査を午後に実施する例を示す。また説明の便宜上、上部ルーチン検査を第1検査室20a、第2検査室20bで実施し、下部ルーチン検査を第3検査室20c、第4検査室20dで実施するケースについて説明する。
実施例11では、実施例10と同様に、検査スケジュールに検査開始予定時刻情報および検査終了予定時刻情報で指定される検査の時間枠が設定されるが、少なくとも患者が施設に到着するまでは、検査の時間枠に対して患者(検査)を割り当てていないケースを想定する。つまり実施例11では、検査オーダの数などにもとづいて検査の時間枠が設定されるが、検査オーダで特定される検査をどの検査室の時間枠で実施するかは、患者が施設に到着するまで検査スケジュールに含まれておらず、施設に到着した以後のタイミングで、検査(患者)を検査室の時間枠に割り当てて、検査スケジュールを作成する。
図71は、実施例11に関して生成した検査スケジュールおよび洗浄スケジュールを示す。図71に示すように、第1検査室20a、第2検査室20bでは、午前中に上部ルーチン検査が予定され、第3検査室20c、第4検査室20dでは、午後に下部ルーチン検査が予定される。このように実施例11で提案する内容は、所定のルーチン検査を繰り返し実施するような医療施設で運用することを想定している。所定のルーチン検査のみを実施することで、一日の検査数さえ特定できれば、検査予定時間の等しい時間枠を配置した検査スケジュールをたてられる。図示のように、検査の時間枠には、担当医師および使用スコープが割り当てられている。
なお図71に示す検査スケジュール例では、第1検査室20aの午前中の担当医師を医師A、第2検査室20bの午前中の担当医師を医師B、第3検査室20cの午後の担当医師を医師A、第4検査室20dの午後の担当医師を医師Cと定めているが、これは例示であり、これまでの実施形態および実施例で説明したように、一人の医師が、複数の検査室20で検査を担当してもよい。また、ここでは上部ルーチン機が6本所有され、下部ルーチン機が3本所有されている場合のスケジュールを示している。
図60を参照して、患者が検査受付を行うと、検査受付の時刻が、施設への到着時刻として記録される。実施例11において、内視鏡センターでは、基本的には患者が受付した順番で、看護師が患者を前処置室に連れて行き、前処置を実施する。前処置を担当する看護師は、前処置が完了した時刻を携帯端末60を用いて記録する。
上記したように、上部ルーチン検査の前処置は10分程度で完了するが、下部ルーチン検査の前処置は数時間かかる。検査スケジュール管理部110は、一日の検査数に応じて検査の時間枠を図71に示すように予め設定しておき、患者の当日の状況に応じて、検査の時間枠に、個々の検査(患者)を割り当て、検査スケジュールを作成する。
図72は、情報管理装置10の構成のうち、検査が割り当てられていない検査スケジュールを運用するための機能を実現するための構成を示す。処理部100は、検査スケジュール管理部110、洗浄スケジュール管理部130、表示処理部150、入力受付部176、通知制御部180、記録処理部186および検査開始順序決定部190を備える。
なお図72には示していないが、処理部100は、図3に示すように第1割当処理部120、第2割当処理部140、表示内容導出部152、期間指定部154、使用状況監視部160および履歴管理部162も備えて構成されている。記憶部200は、検査スケジュール保持部206、洗浄スケジュール保持部208、患者テーブル246および優先条件テーブル260を備える。
処理部100の各構成は、ハードウェア的には、任意のコンピュータのCPU、メモリ、その他のLSIで実現でき、ソフトウェア的にはメモリにロードされたプログラムなどによって実現されるが、ここではそれらの連携によって実現される機能ブロックを描いている。したがって、これらの機能ブロックがハードウェアのみ、ソフトウェアのみ、またはそれらの組み合わせによっていろいろな形で実現できることは、当業者には理解されるところである。
検査スケジュール保持部206は、検査室に関するスケジュール情報であって、検査開始予定時刻情報と、検査終了予定時刻情報と、使用するスコープに関する情報(スコープを特定する情報)とを要素とする検査スケジュール情報を保持する。実施例11では、検査室と、検査開始予定時刻情報と、検査終了予定時刻情報と、スコープIDとの組合せを、検査スケジュール情報と呼び、検査スケジュール情報を構成する各情報を、検査スケジュール情報の要素と呼ぶ。一組の検査開始予定時刻情報と検査終了予定時刻情報は、検査の時間枠を指定する。なお検査スケジュール情報は、担当医師を識別する情報(医師ID)を含んでよい。検査スケジュールは、検査室ごとに、複数の検査スケジュール情報により構成される。
なお実施例11では、図71に示す検査室の時間枠が設定された時点では、検査スケジュール情報に検査IDが含まれない。この時点では、検査スケジュール情報は患者の検査に対して設定されておらず、検査室に対して設定されている。これにより検査(患者)を、どの検査室にスケジューリングしてもよく、柔軟な運用が可能となる。
洗浄スケジュール保持部208は、複数のスコープの洗浄スケジュール情報であって、洗浄機と、洗浄開始予定時刻情報と、洗浄終了予定時刻情報とを要素とする洗浄スケジュール情報を保持する。実施例11では、1つの洗浄処理における洗浄機と、洗浄開始予定時刻情報と、洗浄終了予定時刻情報との組合せを、洗浄スケジュール情報と呼び、洗浄スケジュール情報を構成する各情報を、洗浄スケジュール情報の要素と呼ぶ。なお洗浄スケジュール情報は、洗浄するスコープに関する情報を含み、また実施例5に関して説明したように、洗浄を実施する洗浄担当者識別情報を含んでよい。洗浄スケジュールは、複数の洗浄スケジュール情報により構成される。
まず患者が検査受付をすますと、患者IDおよび検査受付を行った時刻が受付端末にて入力され、情報管理装置10に送信される。情報管理装置10において、入力受付部176が、患者IDおよび受付時刻を受け付ける。入力受付部176は、取得した患者IDおよび受付時刻を、記録処理部186に提供する。記録処理部186は患者IDから、受付時刻を、患者の到着時刻として患者テーブル246に登録する。
また患者の前処置が完了すると、看護師により患者IDおよび前処置を完了した時刻が携帯端末60にて入力され、情報管理装置10に送信される。情報管理装置10において、入力受付部176が、患者IDおよび前処置完了時刻を受け付ける。入力受付部176は、取得した患者IDおよび前処置完了時刻を、記録処理部186に提供する。記録処理部186は患者IDから、前処置完了時刻を患者テーブル246に登録する
図73は、到着時刻および前処置完了時刻を登録する前の患者テーブル246の例を示す。患者テーブル246は、患者の状況を記憶する患者状況保持部である。患者テーブル246は、検査のオーダ情報にしたがって作成され、患者IDに対して、検査の予約時刻および検査種別が予め登録されており、さらに到着時刻および前処置完了時刻などの患者の状況を登録するためのレコードが形成されている。
実施例11では、複数の患者に対して同じ予約時刻を定めたオーダ情報が発行されている。検査ID1〜6の患者A〜Fに対しては、9:00の予約時刻で上部ルーチン検査を実施することが定められ、検査ID7〜8の患者G〜Hに対しては、9:30の予約時刻で上部ルーチン検査を実施することが定められ、検査ID9〜12の患者I〜Lに対しては、13:00の予約時刻で下部ルーチン検査を実施することが定められている。
医療施設は、上部ルーチン検査を受ける患者に対しては、予約時刻の30分前までに到着してください、と伝える。そのため患者A〜Fは、8:30までに到着してください、と伝えられ、また患者G〜Hは、9:00までに到着してください、と伝えられる。これは、上部ルーチン検査の開始30分前までに到着していれば、前処置が10分程度で完了するために、予約時刻から検査を開始できるためである。
一方で医療施設は、下部ルーチン検査を受ける患者に対しては、予約時刻の3時間前までに到着してください、と伝える。そのため患者I〜Lは、10時までに到着してください、と伝えられる。下部ルーチン検査の前処置は、数時間かかるため、予約時刻から検査を開始できるようにするために、余裕をもって施設に到着してもらうためである。
このように事前に到着時刻を指定していても、指定時刻に遅れたり、また指定時刻よりも早く来たりするなど患者は様々であり、また特に下部ルーチン検査では、予定外に前処置に時間がかかることもある。そこで実施例11では、上部検査と下部検査とで、検査の開始順序を定めるための優先条件を異ならせて、検査開始順序決定部190が、患者の状況および優先条件にもとづいて、適切に検査の開始順序を決定して、決定した開始順序がスケジュールに反映される仕組みを提案する。
優先条件テーブル260は、検査の開始順序を定めるための優先条件を保持する優先条件保持部である。優先条件保持部は、優先条件テーブル260としてテーブル形式で優先条件を保持してもよいが、別の形式で優先条件を保持してもよい。優先条件保持部は、検査種別ごとに、優先条件を設定する。
図74は、優先条件テーブル260が保持する優先条件の例を示す。優先条件テーブル260は、検査種別ごとに優先条件を保持している。割当必須条件は、検査の開始順序を決定するための前提となる条件を定め、割当必須条件が満たされない検査について、検査開始順序決定部190は、開始順序を定めない。
上部ルーチン検査の割当必須条件は、「患者が到着したこと」であり、患者が到着していなければ、検査開始順序決定部190は、その患者の検査の開始順序を決定できない。逆にいえば、患者が到着しさえすれば、検査開始順序決定部190は、その患者の検査の開始順序を決定できる。
下部ルーチン検査の割当必須条件は、「患者の前処置が完了したこと」であり、患者の前処置が完了していなければ、検査開始順序決定部190は、その患者の検査の開始順序を決定できない。逆にいえば、患者の前処置が完了していれば、検査開始順序決定部190は、その患者の検査の開始順序を決定できる。
このように優先条件テーブル260では、上部ルーチン検査と下部ルーチン検査で、異なる割当必須条件が設定されている。そのため上部ルーチン検査の患者は、検査受付をすませて、記録処理部186が患者テーブル246に患者の到着時刻を登録すれば、検査開始順序決定部190が、当該患者の検査の検査開始順序を決定し、検査スケジュール管理部110が、検査開始順序決定部190が決定した順序にしたがって、検査開始予定時刻情報および検査終了予定時刻情報で指定される時間枠に検査を割り当てる。
一方で、下部ルーチン検査の患者は、検査受付をすませても、到着したことが割当必須条件に設定されていないため、当該患者の検査が時間枠には割り当てられない。下部ルーチン検査の患者は、前処置を完了して、記録処理部186が患者テーブル246に前処置完了時刻を登録することで、検査開始順序決定部190が、当該患者の検査の検査開始順序を決定し、検査スケジュール管理部110が、検査開始順序決定部190が決定した順序にしたがって、時間枠に検査を割り当てる。
続いて、優先条件について説明する。優先条件は、検査の開始順序を定めるための条件であり、複数の優先条件が存在する。第1優先条件は、条件として最も強く、第1優先条件を満たす検査は、検査開始順序決定部190によって早い検査順序を決定される。第2優先条件は、第1優先条件で検査間の優劣がつかない場合に用いられる条件であり、また第3優先条件は、第2優先条件でも優劣がつかない場合に用いられる条件である。
上部ルーチン検査では、第1優先条件に「到着時刻」が設定される。これは、到着時刻が早い患者の検査から順に、検査開始順序決定部190が、上部ルーチン検査の検査開始順序を決定することを意味する。第1優先条件で検査間の優劣がつかない場合、つまり複数の患者の到着時刻が同じと扱われる場合には、第2優先条件である「予約時刻」が適用され、検査開始順序決定部190は、第2優先条件によって検査開始順序を決定する。
なお検査開始順序決定部190は、「時刻」の条件に関して、たとえば10分単位で同じ時刻とみなしてよい。つまり検査開始順序決定部190は、X時00分〜09分の間の時刻を同一時刻とみなしてよい。同様に検査開始順序決定部190は、X時10分〜19分、X時20分〜29分、X時30分〜39分、X時40分〜49分、X時50分〜59分の間のそれぞれの時刻を、同一時刻とみなす。
下部ルーチン検査では、第1優先条件に「前処置完了時刻」が設定される。これは、前処置完了時刻が早い患者の検査から順に、検査開始順序決定部190が、下部ルーチン検査の検査開始順序を決定することを意味する。第1優先条件で検査間の優劣がつかない場合、つまり複数の患者の前処置完了時刻が同じと扱われる場合には、第2優先条件である「到着時刻」が適用され、検査開始順序決定部190は、第2優先条件によって検査開始順序を決定する。また第2優先条件でも検査間の優劣がつかない場合には、検査開始順序決定部190は、第3優先条件によって検査開始時刻を決定する。
図75は、記録処理部186により到着時刻を登録された患者テーブル246の例を示す。この例では、午前中に実施される上部ルーチン検査の患者の到着時刻を示す。検査開始順序決定部190は、上部ルーチン検査に関して、第1優先条件である患者の到着時刻にもとづいて検査の開始順序を決定し、検査スケジュール管理部110が、時間枠に検査を割り当て、検査スケジュールを作成する。看護師は、検査スケジュールにしたがって前処置を実施し、つまり患者に割り当てられた時間枠の検査開始予定時刻の前に前処置が完了するように、時間を逆算して前処置を開始する。前処置が完了すると、前処置完了時刻が患者テーブル246に登録されることになるが、図75では、前処置完了時刻については省略している。
検査開始順序決定部190は、患者テーブル246に登録されている到着時刻を参照して、患者の検査開始順序を決定する。検査開始順序決定部190は、患者の到着時刻が患者テーブル246に登録されると、その患者の検査開始順序を決定する。このとき、検査開始順序決定部190は、10分を時間単位として、時間単位内の時刻は同一時刻として扱う。図75の例では、検査開始順序決定部190は、患者A〜Hの検査を、第1優先条件にしたがって、以下のように順序付ける。
(1位) 患者C(検査ID3)
(2位) 患者D(検査ID4)
(3位) 患者A(検査ID1)
(4位) 患者B(検査ID2)、患者H(検査ID8)
(6位) 患者E(検査ID5)
(7位) 患者F(検査ID6)、患者G(検査ID7)
患者Bと患者Hの到着時刻は8:40〜8:49に含まれ、患者Fと患者Gの到着時刻は9:10〜9:19に含まれるため、検査開始順序決定部190は、第1優先条件によっては優劣をつけられない。そこで検査開始順序決定部190は、これらの患者の検査に対して、第2優先条件である「予約時刻」を適用する。ここで患者Bの予約時刻が9:00、一方で患者Hの予約時刻が9:30であるため、検査開始順序決定部190は、患者Bの順序を先に設定する。また患者Fの予約時刻が9:00、一方で患者Gの予約時刻が9:30であるため、検査開始順序決定部190は、患者Fの順序を先に設定する。これにより検査開始順序決定部190は、最終的に以下の順序を決定する。
(1位) 患者C(検査ID3)
(2位) 患者D(検査ID4)
(3位) 患者A(検査ID1)
(4位) 患者B(検査ID2)
(5位) 患者H(検査ID8)
(6位) 患者E(検査ID5)
(7位) 患者F(検査ID6)
(8位) 患者G(検査ID7)
検査スケジュール管理部110は、検査開始順序決定部190が決定した順序にしたがって、検査を検査スケジュールの時間枠に割り当てる。
図76は、検査スケジュール管理部110が午前中の検査時間枠に、検査を割り当てた例を示す。なお検査開始順序決定部190は、上部ルーチン検査については、到着時刻が患者テーブル246に登録されると検査の開始順序を決定するため(厳密には10分間隔で開始順序を決定する)、検査スケジュール管理部110は、開始順序が決定されるたびに、検査を時間枠に割り当てていく。したがって検査スケジュール管理部110は、患者の到着に応じて、時間枠に徐々に検査を割り当て、その結果として図76に示す検査スケジュールが作成されることになる。
図77は、記録処理部186により前処置完了時刻を登録された患者テーブル246の例を示す。図77に示す患者テーブル246には、全ての患者の到着時刻および前処置完了時刻が登録されている。下部ルーチン検査では、看護師は、患者の到着順に前処置を開始する。前処置が完了すると、看護師は、前処置完了時刻を患者テーブル246に登録する。検査開始順序決定部190は、下部ルーチン検査に関して、第1優先条件である患者の前処置完了時刻にもとづいて検査の開始順序を決定し、検査スケジュール管理部110が、検査室の時間枠に検査を割り当て、検査スケジュールを作成する。
検査開始順序決定部190は、患者テーブル246に登録されている前処置完了時刻を参照して、患者の検査開始順序を決定する。検査開始順序決定部190は、患者の前処置完了時刻が患者テーブル246に登録されると、その患者の検査開始順序を決定する。このとき、検査開始順序決定部190は、10分を時間単位として、時間単位内の時刻は同一時刻として扱う。図77の例では、検査開始順序決定部190は、患者I〜Lの検査を、第1優先条件にしたがって、以下のように順序付ける。
(9位) 患者I(検査ID9)、患者J(検査ID10)
(11位) 患者K(検査ID11)、患者L(患者ID12)
患者Iと患者Jの前処置完了時刻は12:30〜12:39に含まれ、患者Kと患者Lの前処置完了時刻は13:00〜13:09に含まれるため、検査開始順序決定部190は、第1優先条件によっては優劣をつけられない。そこで検査開始順序決定部190は、これらの患者の検査に対して、第2優先条件である「到着時刻」を適用する。ここで患者Iの到着時刻が9:30、一方で患者Jの到着時刻が10:00であるため、検査開始順序決定部190は、患者Iの順序を先に設定する。また患者Kの到着時刻が10:25、一方で患者Lの到着時刻が10:03であるため、検査開始順序決定部190は、患者Lの順序を先に設定する。これにより検査開始順序決定部190は、最終的に以下の順序を決定する。
(9位) 患者I(検査ID9)
(10位) 患者J(検査ID10)
(11位) 患者L(検査ID12)
(12位) 患者K(検査ID11)
検査スケジュール管理部110は、検査開始順序決定部190が決定した順序にしたがって、検査を検査スケジュールの時間枠に割り当てる。
図78は、検査スケジュール管理部110が午後の検査時間枠に、検査を割り当てた例を示す。なお検査開始順序決定部190は、下部ルーチン検査については、前処置完了時刻が患者テーブル246に登録されると検査の開始順序を決定するため(厳密には10分間隔で開始順序を決定する)、検査スケジュール管理部110は、開始順序が決定されるたびに、検査を時間枠に割り当てていく。したがって検査スケジュール管理部110は、下部検査の前処置の完了に応じて、時間枠に徐々に検査を割り当て、その結果として図78に示す検査スケジュールが作成されることになる。
検査スケジュール管理部110が割り当てた検査は、検査スケジュール保持部206に保持される。表示処理部150は、検査スケジュール保持部206から検査スケジュール情報を読み出して、検査スケジュール表を端末装置12や携帯端末60、ディスプレイ装置70、71に表示してもよい。この表示処理は、通知制御部180によって実施されてもよい。
なお図74に示す優先条件テーブル260には、1つの割当必須条件を示したが、複数の割当必須条件が設定されてもよい。たとえば医療施設が用意する検査同意書等の文書を受け付けたことが、割当必須条件の1つに設定されてもよい。
また実施例11では、時刻に関する条件として、10分を一つの時間単位に設定したが、時刻の種類毎に時間単位は設定されてもよい。たとえば到着時刻に関して同一とみなす時間単位は10分、予約時刻に関して同一とみなす時間単位は30分、前処置完了時刻に関して同一とみなす時間単位は5分と設定されてもよい。
以下、実施例11における態様を示す。
(実施例11の項目1)
検査室に関するスケジュール情報であって、検査開始予定時刻情報および検査終了予定時刻情報と、使用する内視鏡を特定する情報とを要素とするスケジュール情報を保持する検査スケジュール保持部と、
複数の内視鏡の洗浄スケジュール情報であって、洗浄機と、洗浄開始予定時刻情報および洗浄終了予定時刻情報とを要素とする洗浄スケジュール情報を保持する洗浄スケジュール保持部と、
検査の開始順序を定めるための優先条件を保持する優先条件保持部と、
患者の状況を記憶する患者状況保持部と、
患者の状況および優先条件にもとづいて、検査の開始順序を決定する検査開始順序決定部と、
検査開始順序決定部が決定した順序にしたがって、検査開始予定時刻情報および検査終了予定時刻情報で指定される時間枠に検査を割り当てる検査スケジュール管理部と、
を備えることを特徴とする内視鏡検査業務支援システム。
(実施例11の項目2)
優先条件保持部は、検査種別ごとに、優先条件を設定していてよい。また優先条件保持部は、複数の優先条件を保持し、複数の優先条件には、検査の開始順序を決定する際の適用順位が定められていてもよい。
<実施例12>
実施例12では、リカバリ室におけるリカバリ設備の状態を考慮して、検査スケジュールを生成する例を説明する。
図60に示す医療施設のレイアウトを参照すると、内視鏡センターには検査室20、洗浄室40のみならず、待合室、前処置室、リカバリ室が設けられている。外来患者は検査受付をすませると待合室で待機する。担当看護師は、患者を前処置室に連れて行き前処置を開始して、検査開始予定時刻前までに前処置を完了させる。
前処置の種類には様々なものがあり、医療施設ごとに、どの種類の前処置を実施するか定められている。前処置の代表的なものとして、咽頭麻酔やセデーションがある。前処置が終了すると、担当看護師は、予定されている検査室に必要な器材が揃っているかなどを確認して検査室の準備を行い、それから前処置の済んだ患者を検査室に誘導する。
検査が終了すると、担当看護師は患者をリカバリ室に連れて行き、患者をリカバリ用のベッドや椅子などのリカバリ設備にて所定時間待機させる。前処置が咽頭麻酔であれば、リカバリは不要であるため、外来患者は待合室で少し休んでから帰宅するが、前処置がセデーションの場合は、リカバリは必須であり、看護師は患者をリカバリ設備で待機させなければならない。このとき患者は、通常、意識が落ちた状態にあり、看護師は検査終了から所定時間(たとえば1時間)後に、患者を起こして、リカバリ室から移動させる。まだ意識がクリアでない場合には、患者を待合室で休ませる。なお患者の意識が所定時間内に戻った場合でも、所定時間は患者をリカバリ設備で休ませることが推奨されている。
以上は、外来患者に対する看護師の行動であるが、入院患者に対する看護師の行動はこれとは異なる。入院患者の場合、看護師は、患者を入院病棟からストレッチャーなどで内視鏡センターまで移動させ、検査が終了すると、ストレッチャーなどで病棟まで移動させる。入院患者のリカバリは病室に戻って行われるため、入院患者は、リカバリ室に入室することはなく、したがってリカバリベッドやリカバリ椅子などのリカバリ設備を利用しない。
リカバリ室にあるリカバリ設備(以下、代表して「リカバリベッド」と呼ぶ)の個数は有限であるため、検査終了後にリカバリベッドに空きがなければ、検査を終了した患者はリカバリベッドに空きが生じるまで、検査室内で待機しなければならない。これまで説明したような検査スケジュールが設定されている場合、検査が終了した患者は、検査室から速やかに退出することを前提としているが、リカバリベッドに空きがなく、患者を検査室から退出させられない場合には、実施例6〜8に説明したように、次の検査を予定通り開始できないために、検査スケジュールを再スケジューリング処理する必要が生じる。
そのため実施例12では、検査スケジュールを作成する段階で、リカバリベッドの使用スケジュールに配慮することで、検査室を有効活用することを目的とする。実施例12においても、実施形態で説明したように、検査スケジュール管理部110が、各検査室20に検査を割り当てる。その後、第1割当処理部120における医師割当部129が、検査に担当医師を割り当て、第1割当処理部120におけるスコープ割当部126が、検査にスコープ30を割り当てる。1日分の全ての検査オーダに関して、この処理を繰り返すことで、検査スケジュールが作成される。
図79は、情報管理装置10の構成のうち、検査スケジュール、洗浄スケジュール、リカバリ設備の使用スケジュールの作成処理を実行する機能を備えた処理部100の構成を示す。処理部100は、検査スケジュール管理部110、第1割当処理部120、洗浄スケジュール管理部130、第2割当処理部140、表示処理部150および設備スケジュール管理部280を備える。なお図79には示していないが、処理部100は、図3に示すように表示内容導出部152、期間指定部154、使用状況監視部160、履歴管理部162も備えて構成されており、また第1割当処理部120は、検査抽出部122、スコープ特定部124、スコープ割当部126、スコープ割当可否確認部128および医師割当部129を有し、第2割当処理部140は、洗浄機特定部142、洗浄機割当部144、終了時刻判定部146、洗浄機割当可否確認部148および担当者割当部149を有して構成されている。
処理部100の各構成は、ハードウェア的には、任意のコンピュータのCPU、メモリ、その他のLSIで実現でき、ソフトウェア的にはメモリにロードされたプログラムなどによって実現されるが、ここではそれらの連携によって実現される機能ブロックを描いている。したがって、これらの機能ブロックがハードウェアのみ、ソフトウェアのみ、またはそれらの組み合わせによっていろいろな形で実現できることは、当業者には理解されるところである。
記憶部200は、オーダ情報記憶部202、検査スケジュール保持部206、洗浄スケジュール保持部208、設備使用スケジュール保持部282および患者データ記憶部284を備える。なお図79には示していないが、記憶部200は、図3に示すように、スコープ順位保持部204、検査種別マスタテーブル210および所有スコープ情報記憶部220も備えて構成される。
実施例12において、患者データ記憶部284は、患者IDに対応付けて、患者の属性情報を記憶する。患者データ記憶部284は、属性情報として、リカバリ設備を必要とする患者であるか、またはリカバリ設備を必要としない患者であるかを示す情報を記憶する。なお実施例12において、外来患者は、リカバリ設備を必要とする患者であり、入院患者は、リカバリ設備を必要としない患者として位置づけられる。したがって患者データ記憶部284は、外来患者であるか、または入院患者であるかの情報を記憶し、検査スケジュール管理部110は、外来患者の属性が設定された患者を、リカバリ設備を必要とする患者として扱い、入院患者の属性が設定された患者を、リカバリ設備を必要としない患者として扱ってもよい。
図80は、実施例12に関して生成した検査スケジュールを示す。図80では、これまでの実施例よりも単純化し、第1検査室20a、第2検査室20bで上部ルーチン検査を実施し、第3検査室20c、第4検査室20dは使用しない。なお実施例12では、説明の便宜上、最初に検査の時間枠を検査スケジュール情報として特定し、時間枠に対して検査を割り当てる手法を説明するが、検査の時間枠を最初に設定する必要はなく、個々の検査を順に検査室に割り当てることで、個々の検査の時間枠が定まる手法をとってもよい。
検査スケジュール管理部110は、一日の検査数を特定して、検査予定時間の等しい時間枠を配置した検査スケジュールを作成する。図80に示す例では検査数が10であり、10個の時間枠を、第1検査室20a、第2検査室20bに均等に割り当てている。この例では、時間枠に対して、検査の割当前に担当医師および使用スコープを割り当てているが、検査の割当後に担当医師および使用スコープを割り当ててもよい。
なお図80に示す検査スケジュール例では、第1検査室20aの担当医師を医師A、第2検査室20bの担当医師を医師Bと定めているが、これは例示であり、これまでの実施形態および実施例で説明したように、一人の医師が、複数の検査室20で検査を担当してもよい。また、ここでは上部ルーチン機が6本所有されている場合の検査スケジュールを示しており、洗浄スケジュールについては後述する。
リカバリ室には、6つのリカバリベッドが配置されており、それぞれ第1ベッド〜第6ベッドと呼ぶ。検査後の患者のリカバリ時間は、施設により適宜定められるが、実施例12では、リカバリ時間を一律に1時間と設定する。したがってリカバリベッドは、検査を終了した患者により1時間使用され、その間、他の患者は、そのリカバリベッドを使用できない。
図81は、オーダ情報記憶部202に記憶される1日分のオーダ情報の例を示す。検査スケジュール管理部110は、オーダ情報記憶部202から1日分の複数のオーダ情報を取得し、図80に示す検査スケジュールを生成する。このオーダ情報には、予約時刻が設定されているが、この予約時刻は、9時から10時の間に検査を開始することを定めるものであって、実施形態で説明した検査開始予定時刻情報とは異なる。検査スケジュール管理部110は、検査ID1〜10の個数をカウントして、検査数分の時間枠を、それぞれ第1検査室20a、第2検査室20bに振り分けている。
図81に示す例では、10人の患者に対して同じ予約時刻(9:00)を定めたオーダ情報が発行されている。医療施設は、上部ルーチン検査を受ける患者A〜Jに対して、予約時刻の30分前までに到着してください、と伝えており、検査を開始する9時には、全ての患者が到着していることを前提として、以下で示すように、リカバリベッドのステータスに応じて、検査を時間枠に割り当てる処理を実施する。
図82は、患者データ記憶部284に記憶される患者の属性情報を示す。この例では、患者が、外来患者であるか、入院患者であるかを示す属性情報が記憶されている。上記したように実施例12では、外来患者の属性は、リカバリ設備を必要とする患者であること、入院患者の属性は、リカバリ設備を必要としない患者であることを特定するために利用されるが、患者データ記憶部284は、患者ごとに、属性情報として、リカバリ設備を必要とする患者であるか、またはリカバリ設備を必要としない患者であるかを示す情報を記憶してもよい。
図82に示す例では、患者A〜Hが外来患者であって、リカバリ設備を必要とする患者であり、患者I,Jが入院患者であって、リカバリ設備を必要としない患者であることが表現されている。
検査スケジュール管理部110は、検査室の時間枠に検査を割り当てることで、検査室と、患者IDと、検査開始予定時刻情報および検査終了予定時刻情報と、内視鏡検査の検査内容に関する検査種別情報を含む複数の内視鏡検査の検査スケジュールを管理する。以下、検査室の時間枠に、検査(患者)を割り当てる手法について説明する。
検査を効率的に時間枠に割り当てるために、検査スケジュール管理部110は、リカバリ設備を必要とする患者の検査から順に、検査室に割り当てる。検査スケジュール管理部110は、患者データ記憶部284の属性情報を参照して、外来患者である患者A〜Hのいずれか1人を特定して、最も早い検査開始予定時刻情報をもつ時間枠に、特定した患者の検査を割り当てる。検査スケジュール管理部110は、患者A〜Hのどの患者を選んでもよいが、以下では、アルファベット順に患者を選択するものとする。
検査スケジュール管理部110は、患者Aの検査を、第1検査室20aの9:00〜9:10の時間枠に割り当て、患者Bの検査を、第2検査室20bの9:00〜9:10の時間枠に割り当てる。
図83は、検査スケジュール管理部110が患者Aの検査と患者Bの検査を、検査スケジュールの時間枠に割り当てた状態を示す。
検査スケジュール管理部110が、リカバリ設備を必要とする患者を時間枠に割り当てると、設備スケジュール管理部280は、当該患者の検査の検査終了予定時刻以後の時刻がリカバリベッドの使用開始予定時刻となるように、当該患者にリカバリベッドを割り当てる。ここでリカバリベッドの使用時間は1時間であり、設備スケジュール管理部280は、患者Aに、第1ベッド、使用開始予定時刻9:10、使用終了予定時刻10:10とする使用スケジュール情報を設定する。同じく設備スケジュール管理部280は、患者Bに、第2ベッド、使用開始予定時刻9:10、使用終了予定時刻10:10とする使用スケジュール情報を設定する。
図84は、設備スケジュール管理部280が患者Aと患者Bにリカバリベッドを割り当てた状態を示す。このように設備スケジュール管理部280は、リカバリベッドと、使用開始予定時刻情報および使用終了予定時刻情報を含む使用スケジュール情報を管理する。
続いて、検査スケジュール管理部110は、最も早い検査開始予定時刻情報をもつ時間枠であって、検査を未割当の時間枠に、リカバリ設備を必要とする患者の検査を割り当てる。検査スケジュール管理部110は、患者データ記憶部284の属性情報を参照して、外来患者である患者Cの検査を、第1検査室20aの9:15〜9:25の時間枠に割り当て、患者Dの検査を、第2検査室20bの9:15〜9:25の時間枠に割り当てる。
検査スケジュール管理部110が、リカバリ設備を必要とする患者を時間枠に割り当てると、設備スケジュール管理部280は、当該患者の検査の検査終了予定時刻以後の時刻がリカバリベッドの使用開始予定時刻となるように、当該患者にリカバリベッドを割り当てる。設備スケジュール管理部280は、患者Cに、第3ベッド、使用開始予定時刻9:25、使用終了予定時刻10:25とする使用スケジュール情報を設定する。同じく設備スケジュール管理部280は、患者Dに、第4ベッド、使用開始予定時刻9:25、使用終了予定時刻10:25とする使用スケジュール情報を設定する。
図85は、検査スケジュール管理部110および設備スケジュール管理部280が、それぞれ患者C、患者Dに関する検査スケジュール情報および使用スケジュール情報を設定した状態を示す。
続いて、検査スケジュール管理部110は、最も早い検査開始予定時刻情報をもつ時間枠であって、検査を未割当の時間枠に、リカバリ設備を必要とする患者の検査を割り当てる。検査スケジュール管理部110は、患者データ記憶部284の属性情報を参照して、外来患者である患者Eの検査を、第1検査室20aの9:30〜9:40の時間枠に割り当て、患者Fの検査を、第2検査室20bの9:30〜9:40の時間枠に割り当てる。
検査スケジュール管理部110が、リカバリ設備を必要とする患者を時間枠に割り当てると、設備スケジュール管理部280は、当該患者の検査の検査終了予定時刻以後の時刻がリカバリベッドの使用開始予定時刻となるように、当該患者にリカバリベッドを割り当てる。設備スケジュール管理部280は、患者Eに、第5ベッド、使用開始予定時刻9:40、使用終了予定時刻10:40とする使用スケジュール情報を設定する。同じく設備スケジュール管理部280は、患者Fに、第6ベッド、使用開始予定時刻9:40、使用終了予定時刻10:40とする使用スケジュール情報を設定する。
図86は、検査スケジュール管理部110および設備スケジュール管理部280が、それぞれ患者E、患者Fに関する検査スケジュール情報および使用スケジュール情報を設定した状態を示す。
続いて、検査スケジュール管理部110は、最も早い検査開始予定時刻情報をもつ時間枠であって、検査を未割当の時間枠に、リカバリ設備を必要とする患者の検査を割り当てる。検査スケジュール管理部110は、患者データ記憶部284の属性情報を参照して、外来患者である患者Gの検査を、第1検査室20aの9:45〜9:55の時間枠に割り当て、患者Hの検査を、第2検査室20bの9:45〜9:55の時間枠に割り当てる。
検査スケジュール管理部110が、リカバリ設備を必要とする患者を時間枠に割り当てると、設備スケジュール管理部280は、当該患者の検査の検査終了予定時刻以後の時刻がリカバリベッドの使用開始予定時刻となるように、当該患者にリカバリベッドを割り当てる。患者G、Hの検査終了予定時刻は9:55であるが、リカバリベッドの使用スケジュールにおいて、第1ベッド〜第6ベッドのいずれも、9:55の時点では使用予定となっており、9:55の時点で患者G、Hにリカバリベッドを割り当てられない。
検査スケジュール管理部110は、リカバリ設備を必要とする患者の検査を検査室に割り当てた場合に、当該検査の検査終了予定時刻に、設備スケジュール管理部280により管理されているリカバリベッドに空きがなければ、当該検査の割り当てをキャンセルする。検査スケジュール管理部110は、代わりに、リカバリ設備を必要としない患者の検査を検査室に割り当てる。
具体的に検査スケジュール管理部110は、患者データ記憶部284の属性情報を参照して、リカバリ設備を必要としない患者、つまり入院患者である患者Iの検査を、第1検査室20aの9:45〜9:55の時間枠に割り当て、入院患者である患者Jの検査を、第2検査室20bの9:45〜9:55の時間枠に割り当てる。
図87は、検査スケジュール管理部110が、患者I、Jに関する検査スケジュール情報を設定した状態を示す。なお患者I、Jは検査後にリカバリベッドを使用しないため、設備スケジュール管理部280は、患者I、Jにリカバリベッドを割り当てない。
続いて、検査スケジュール管理部110は、最も早い検査開始予定時刻情報をもつ時間枠であって、検査を未割当の時間枠に、リカバリ設備を必要とする患者の検査を割り当てる。検査スケジュール管理部110は、患者データ記憶部284の属性情報を参照して、外来患者である患者Gの検査を、第1検査室20aの10:00〜10:10の時間枠に割り当て、患者Hの検査を、第2検査室20bの10:00〜10:10の時間枠に割り当てる。
検査スケジュール管理部110が、リカバリ設備を必要とする患者を時間枠に割り当てると、設備スケジュール管理部280は、当該患者の検査の検査終了予定時刻以後の時刻がリカバリベッドの使用開始予定時刻となるように、当該患者にリカバリベッドを割り当てる。設備スケジュール管理部280は、患者Gに、第1ベッド、使用開始予定時刻10:10、使用終了予定時刻11:10とする使用スケジュール情報を設定する。同じく設備スケジュール管理部280は、患者Hに、第2ベッド、使用開始予定時刻10:10、使用終了予定時刻11:10とする使用スケジュール情報を設定する。
図88は、検査スケジュール管理部110および設備スケジュール管理部280が、それぞれ患者G、患者Hに関する検査スケジュール情報および使用スケジュール情報を設定した状態を示す。
検査スケジュール管理部110は、作成した検査スケジュール情報を検査スケジュール保持部206に記憶し、また設備スケジュール管理部280は、作成した使用スケジュール情報を設備使用スケジュール保持部282に記憶する。
実施例12では、以上のようにリカバリベッドの空き状況に配慮して、検査スケジュール管理部110が検査スケジュールを作成することで、外来患者を、検査終了後に、すみやかにリカバリ室に移動させることが可能となる。これによりリカバリベッドの不足による検査遅延を事前に回避でき、効率的な検査スケジュールを作成できる。
図89は、洗浄スケジュールの例を示す。洗浄スケジュール管理部130および第2割当処理部140は、検査スケジュールで予定されるスコープ30の洗浄スケジュールを作成する。洗浄スケジュール管理部130は、作成した洗浄スケジュール情報を洗浄スケジュール保持部208に記憶する。
このように実施例12によれば、設備スケジュール管理部280がリカバリベッドの使用スケジュールを作成して、検査スケジュール管理部110が、使用スケジュールにもとづいて検査スケジュールを作成することで、検査を効率よく検査室に割り当てることが可能となる。表示処理部150は、検査スケジュール保持部206から検査スケジュール情報を読み出して、検査スケジュール表を端末装置12や携帯端末60、ディスプレイ装置70、71に表示してもよい。また表示処理部150は、設備使用スケジュール保持部282から設備使用スケジュール情報を読み出して、設備使用スケジュール表を端末装置12や携帯端末60、ディスプレイ装置70、71に表示してもよい。
実施例12では、予定されている全ての検査が上部ルーチン検査であったため、検査スケジュール管理部110が、まず最初に検査室の時間枠を設定したが、変形例では時間枠を最初に設定せず、検査種別マスタテーブル210に設定されている検査予定時間にしたがって、各検査を検査室に順次割り当ててもよい。たとえば1日に複数の種別の検査が予定されている場合は、各検査の検査予定時間が異なるため、検査スケジュール管理部110は、時間枠を設定せずに、リカバリ設備を必要とする患者の検査から順に検査室に割り当てて、検査スケジュールを作成する。
なお、その際に、検査スケジュール管理部110は、患者の属性情報にもとづいて、検査予定時間を設定することが好ましい。ここでは患者の属性情報として、感染症の有無に関する情報を含むものとする。
図90は、患者データ記憶部284に記憶される患者の属性情報を示す。この例では、患者が、外来患者であるか、入院患者であるかを示す情報とともに、感染症の有無を示す情報が記憶されている。「有」は感染症を有すること、「無」は感染症を有しないことを示す。
感染症を有する患者を検査する場合、医師や看護師は、防護服を着用するなどの感染対策を行う。そのため感染症を有しない患者と比べると、検査の準備に時間がかかるため、検査種別マスタテーブル210に設定されている検査予定時間よりも、実際の検査時間は多くかかることが予想される。そこで検査スケジュール管理部110は、患者データ記憶部284の属性情報を参照して、患者が感染症を有する場合には、検査種別マスタテーブル210に設定されている検査予定時間を、所定時間増やして、検査スケジュールを作成することが好ましい。増やす時間は、検査準備に余計にかかる時間であり、たとえば5分程度であってよい。
これにより通常よりも時間がかかる検査について、その時間を前もって検査スケジュールに組み込むことができ、検査業務を適切な検査スケジュールにしたがって進行させられるようになる。
<実施例13>
医療施設においては、生成した検査スケジュールおよび洗浄スケジュールにしたがって検査業務が進行することが理想であるが、現場においては、様々な要因により検査スケジュールおよび/または洗浄スケジュール通りに業務が進行しないことがある。そこで実施例6〜8では、スケジュール通りに業務が進行しない場合に、再スケジューリング処理を実施することを説明した。
一方でスケジュール遅延が生じている場合に、その遅延が解消するまでは、再スケジューリング処理を実施しにくい、という問題がある。たとえば実施例6では、状況情報取得部170が、スケジュールよりも遅れて検査終了通知情報を取得すると、再スケジュール処理部172が検査遅延を検出して、検査スケジュールおよび/または洗浄スケジュールの変更が必要なことを判定して、再スケジューリング処理が実施されている。
そのため実施例6によれば、スケジュールで予定されている時刻に検査終了通知情報を取得できないことで、検査遅延が生じていることは分かっているものの、遅延が解消するまで、スケジュールを再設定することは難しい。
一方で、遅延が生じている場合に、画一的に(根拠無く)5分後に解消すると予測して、5分遅延したと仮定したときのスケジュールを再設定する手法を採用することは可能である。しかしながら、この手法によれば、5分後に遅延が解消しなければ、さらに5分遅延したときのスケジュールを再設定することになる。そのため延々と5分ごとにスケジュールが再設定される事態を招きかねず、現場を混乱させる状況を作り出す可能性は否定できない。
そこで実施例13では、検査スケジュールおよび洗浄スケジュールの障害となるイベントの発生を検知して、イベントに応じて変更時間(遅延時間)を設定して、再スケジューリング処理を実施する仕組みを提案する。
図91は、情報管理装置10の構成のうち、再スケジューリング処理を実行する機能を備えた処理部100の構成を示す。処理部100は、検査スケジュール管理部110、第1割当処理部120、洗浄スケジュール管理部130、第2割当処理部140、表示処理部150、状況情報取得部170、再スケジュール処理部172、入力受付部176および通知制御部180を備える。なお図91には示していないが、処理部100は、図3に示すように表示内容導出部152、期間指定部154および使用状況監視部160も備えて構成されており、また第1割当処理部120は、検査抽出部122、スコープ特定部124、スコープ割当部126、スコープ割当可否確認部128および医師割当部129を有し、第2割当処理部140は、洗浄機特定部142、洗浄機割当部144、終了時刻判定部146、洗浄機割当可否確認部148および担当者割当部149を有して構成されている。
処理部100の各構成は、ハードウェア的には、任意のコンピュータのCPU、メモリ、その他のLSIで実現でき、ソフトウェア的にはメモリにロードされたプログラムなどによって実現されるが、ここではそれらの連携によって実現される機能ブロックを描いている。したがって、これらの機能ブロックがハードウェアのみ、ソフトウェアのみ、またはそれらの組み合わせによっていろいろな形で実現できることは、当業者には理解されるところである。
記憶部200は、検査スケジュール保持部206、洗浄スケジュール保持部208およびイベントデータ保持部286を備える。なお図91には示していないが、記憶部200は、図3に示すように、オーダ情報記憶部202、スコープ順位保持部204、検査種別マスタテーブル210および所有スコープ情報記憶部220も備えて構成される。
図92は、イベントデータ保持部286に保持されたイベントコードと、イベントコードに対応付けられたレコードの例を示す。イベントデータ保持部286は、テーブル形式でイベント情報を保持してもよいが、他の形式で保持してもよい。イベントデータ保持部286は、イベントコードに対応付けて、コード生成元、対象リソース、遅延時間、イベント項目のレコードを有する。なお図92におけるイベントデータは、代表的なイベントのみを示している。
「コード生成元」は、イベントコードを生成するリソースを示す。図92に示す例では、イベントコード10001〜10004は、内視鏡観察装置22により生成され、イベントコード20001〜20003は、洗浄機50により生成される。なおイベントコード30001〜30002は、ユーザ入力により生成されるため、コード生成元の項目はブランクが設定されている。
「対象リソース」は、イベント発生により直接遅延の影響を受けるリソースを示す。なおイベント発生により対象リソースに遅延が生じると、検査スケジュールおよび洗浄スケジュールにおける他の要素(リソース)にも影響が生じることがある。
「遅延時間」は、イベント発生により対象リソースに生じる標準的な遅延時間を示す。「イベント項目」は、イベントコードに対応するイベントの内容を示す。たとえばイベントコード10001の「イベント項目」は、内視鏡観察装置に第1のエラーが発生したことを示し、「遅延時間」は、第1のエラーを修復するのに30分必要であるため、検査室のスケジュールが30分遅延することを示す。イベントコード10002の「イベント項目」は、内視鏡観察装置に第2のエラーが発生したことを示し、「遅延時間」は、第2のエラーを修復するのに15分必要であるため、検査室のスケジュールが15分遅延することを示す。なおイベントコード10004の「遅延時間」は終日と設定されているが、これは内視鏡観察装置の故障が当日中には修復できず、当日中の検査スケジュールから当該内視鏡観察装置が設置された検査室を除外する必要があることを示す。
イベントコード30001、30002には「遅延時間」が設定されていないが、このイベントコードの遅延時間は、ユーザにより端末装置12または携帯端末60から入力される。たとえば医師が1時間外出する場合は、医師は、X時Y分から(X+1)時Y分まで外出、と入力する。
実施例13において、内視鏡観察装置22および洗浄機50は、イベントの発生を検知すると、発生したイベントに対応するイベントコードを情報管理装置10に通知する機能をもつ。状況情報取得部170は、内視鏡観察装置22および洗浄機50からイベントコードの到来を監視する。状況情報取得部170は、内視鏡観察装置22および洗浄機50と通信を行う通信部を有し、内視鏡観察装置22および洗浄機50から送信されるイベントコードを取得する機能をもつ。状況情報取得部170は取得したイベントコードを、取得した時刻情報とともに再スケジュール処理部172に即時に(リアルタイムで)提供する。
再スケジュール処理部172は、イベントコードを提供されると、イベントデータ保持部286を参照して、取得したイベントコードに対応付けられている対象リソース、遅延時間およびイベント項目を読み出す。再スケジュール処理部172は、イベント発生時刻情報とともに、読み出した情報を通知制御部180に提供する。通知制御部180は、提供された情報をもとにイベント発生通知画面を生成して、携帯端末60または端末装置12のいずれかに送信する。たとえば状況情報取得部170が、イベントコード10001を取得したとき、通知制御部180は、図93に示すような画面を携帯端末60に送信する。
図93は、携帯端末60に提供される通知画面の例を示す。通知画面では、イベントの内容と、イベントに対応付けられた復旧時間が示され、再スケジューリングを行うか否かをユーザに問い合わせる。なお時間枠302には、デフォルト値としてイベントデータ保持部286から読み出された遅延時間が設定されているが、ユーザは、時間枠302の設定時間を変更できる。
通知制御部180は、通知画面を全ての携帯端末60に送信してもよいが、関係者、たとえば該当する検査室の担当看護師の携帯端末60に送信する。担当看護師は、検査室内にいるため、状況を把握しており、このケースでは実際に内視鏡観察装置22で発生した第1エラーがどの程度で復旧するかを分かっていることもある。担当看護師は、時間枠302内に提示された「30分」が適当でないと感じれば、時間枠302内の時間を変更する。看護師は10分で復旧できると考えれば、時間枠302内の時間を「10分」に修正して、ボタン304を操作する。また30分では復旧せずに、復旧まで50分かかると判断すれば、時間枠302内の時間を「50分」に修正して、ボタン304を操作する。なおデフォルト値のとおり「30分」で問題がなければ、時間枠302内の時間を変更することなく、看護師はボタン304を操作する。なお看護師は通知を受けたものの、内視鏡観察装置22にエラーの発生を確認できないときは、ボタン306を操作して、再スケジューリングが不要な旨を返信する。
入力受付部176は、携帯端末60から、ボタン304またはボタン306の操作情報を受け付け、再スケジュール処理部172に提供する。入力受付部176が、ボタン306の操作情報を受け付けた場合、再スケジュール処理部172は、再スケジューリングの必要がないことを判断する。
一方、入力受付部176が、ボタン304の操作情報を受け付けた場合、再スケジュール処理部172は、入力受付部176から、時間枠302に入力された時間情報を取得する。再スケジュール処理部172は、検査スケジュール管理部110または洗浄スケジュール管理部130に、時間情報を通知する。通知先は、イベントコードに対応付けられた対象リソースを管理する方である。具体的に、対象リソースが検査室、医師、看護師であれば、通知先は検査スケジュール管理部110であり、対象リソースが洗浄機であれば、通知先は洗浄スケジュール管理部130である。
この例では9:28の時点で第2検査室20bの内視鏡観察装置22bからイベントコード10001が情報管理装置10に通知されている。このときユーザにより、第2検査室20bの検査を「30分」遅らせることについての指示が入力されると、入力受付部176が、入力を受け付け、再スケジュール処理部172が、検査スケジュール管理部110に、第2検査室20bの検査が30分遅延することを通知して、再スケジューリング処理の実行を指示する。これにより実施例6〜8で説明したように、検査スケジュール管理部110および洗浄スケジュール管理部130は再スケジューリング処理を実施する。
なおユーザは、端末装置12または携帯端末60から、スケジュールを変更させる情報を入力できる。たとえば医師が、検査を予定されている時間に急に外出の用事が入ったような場合である。ユーザは、端末装置12または携帯端末60に、ユーザIDと、用事により対応できなくなった時間帯を入力し、情報管理装置10に送信する。入力受付部176は、ユーザIDと、担当ができなくなった時間帯の情報を取得すると、再スケジュール処理部172に通知し、再スケジュール処理部172は、再スケジューリング処理が必要なことを判断して、検査スケジュール管理部110に、ユーザIDと担当できない時間帯を通知して、再スケジューリング処理の実行を指示する。これにより実施例6〜8で説明したように、検査スケジュール管理部110および洗浄スケジュール管理部130は、再スケジューリング処理を実施する。
以上のように、実施例13によれば、イベントコードが発生した時点で、再スケジューリング処理における遅延時間を設定できるため、検査スケジュールおよび洗浄スケジュールを早い段階で再構成できる。
以下、実施例13における態様を示す。
(実施例13の項目1)
内視鏡検査を実施する検査室と、検査開始予定時刻情報および検査終了予定時刻情報と、内視鏡検査の検査内容に関する検査種別情報を含む複数の内視鏡検査の検査スケジュールを管理する検査スケジュール管理部と、
検査スケジュール管理部で管理されている各々の内視鏡検査に対し、複数の内視鏡の中から使用する内視鏡を割り当てる第1割当処理部と、
複数の洗浄機の中から、各々の内視鏡検査で使用される内視鏡を洗浄するための洗浄機を割り当てる第2割当処理部と、
洗浄機と、洗浄開始予定時刻情報および洗浄終了予定時刻情報を含む複数の内視鏡の洗浄スケジュールを管理する洗浄スケジュール管理部と、を備える内視鏡検査業務支援システムであって、
イベントの発生通知を取得する状況情報取得部と、
イベントと、イベントに対応する変更時間とを対応付けて保持するイベントデータ保持部と、
イベントの発生により、検査スケジュール管理部または洗浄スケジュール管理部に、スケジュール変更を指示する再スケジュール処理部と、をさらに備える、
ことを特徴とする内視鏡検査業務支援システム。
<実施例14>
以上の実施形態および実施例では、検査スケジュールおよび洗浄スケジュールを作成し、また実際の検査状況や洗浄状況などに応じて再スケジューリング処理を実施することを説明した。たとえば洗浄機50による洗浄処理にトラブルが発生し、洗浄スケジュールに遅延が生じると、再スケジューリング処理を実施する必要が生じる。
洗浄機50では、様々な消耗品が使用されている。洗浄機50で使用される消耗品は、以下のように分類される。
(1)継ぎ足し可能な消耗品
洗浄を行う度に残量が減るが、継ぎ足して補充することが可能な消耗品である。たとえばアルコールや洗剤が該当する。アルコールや洗剤は、洗浄ごとに所定量ずつ使用されるため、残量がゼロになる前に、継ぎ足し補充される必要がある。
(2)セット交換する消耗品
使用期間および/または使用回数が定められ、継ぎ足し不能な消耗品である。スコープの洗浄記録を印字するロールペーパーは、印字するたびに所定量ずつ使用されるが、ロールごと交換する必要があり、継ぎ足すことはできない。
またガスフィルタ、エアフィルタ、水フィルタ、消毒液も、セット交換する必要がある。なお消毒液は、一旦開封してカセットボトルから全量を消毒液タンクに入れると、消毒に使用されるたびに徐々に濃度が薄まっていく。現状、消毒液は継ぎ足し不能となっており、所定回数の消毒に使用されると、液濃度が閾値を下回るために交換される必要がある。消毒液の交換作業は、タンク内の消毒液を全て排出し、空のカセットボトルを新たなカセットボトルに差し替えて開封し、全量を消毒液タンクに入れる作業となる。
洗浄開始後に、アルコールが不足するなどの事態が発生すると、エラーとなり洗浄処理が中断されることがある。またエラー中断とならない場合であっても、洗剤が不足するような場合には、十分な洗浄ができないために、再洗浄する必要が生じる。このような場合、洗浄スケジュールは予定よりも遅延することになり、処理部100は、洗浄スケジュールおよび/または検査スケジュールを再構成する必要が生じる。
そこで実施例14では、洗浄機50における消耗品の交換が必要な場合には、予め洗浄スケジュールに組み込んでおき、または洗浄スケジュールを妨げることのないように洗浄の未実施期間に補充する作業スケジュールを作成して、再スケジューリング処理を行う状況を回避することを目的とする。
図94は、情報管理装置10の構成のうち、検査スケジュール、洗浄スケジュールおよび作業スケジュールの作成処理を実行する機能を備えた処理部100の構成を示す。処理部100は、検査スケジュール管理部110、第1割当処理部120、洗浄スケジュール管理部130、洗浄インターバル設定部132、第2割当処理部140、表示処理部150、状況情報取得部170、入力受付部176、作業スケジュール管理部290および残量更新部298を備える。なお図94には示していないが、処理部100は、図3に示すように表示内容導出部152、期間指定部154、使用状況監視部160、履歴管理部162も備えて構成されており、また第1割当処理部120は、検査抽出部122、スコープ特定部124、スコープ割当部126、スコープ割当可否確認部128および医師割当部129を有し、第2割当処理部140は、洗浄機特定部142、洗浄機割当部144、終了時刻判定部146、洗浄機割当可否確認部148および担当者割当部149を有して構成されている。
処理部100の各構成は、ハードウェア的には、任意のコンピュータのCPU、メモリ、その他のLSIで実現でき、ソフトウェア的にはメモリにロードされたプログラムなどによって実現されるが、ここではそれらの連携によって実現される機能ブロックを描いている。したがって、これらの機能ブロックがハードウェアのみ、ソフトウェアのみ、またはそれらの組み合わせによっていろいろな形で実現できることは、当業者には理解されるところである。
記憶部200は、検査スケジュール保持部206、洗浄スケジュール保持部208、消耗品残量テーブル310および使用限度テーブル312を備える。なお図94には示していないが、記憶部200は、図3に示すように、オーダ情報記憶部202、スコープ順位保持部204、検査種別マスタテーブル210および所有スコープ情報記憶部220も備えて構成される。
使用限度テーブル312は、洗浄機50における消耗品の使用限度を保持するマスタテーブルである。消耗品の使用限度は、使用限度日数および/または使用限度回数で定義される。
図95は、使用限度テーブル312の保持内容を示す。ここで消耗品としては、アルコール、洗剤、ロールペーパー、ガスフィルタ、エアフィルタ、水フィルタ、消毒液が設定されている。
実施例14において、洗浄機50の消耗品は3つのグループに分類される。
「補充可能グループ」は、継ぎ足しすることで、残量をフルの状態にできる消耗品である。洗浄スケジュールにしたがって洗浄処理を行うことで残量がゼロになることが予測される場合には、残量がゼロになる前に、1日の洗浄業務開始前、または昼休みの間に、担当技師によりフルの状態に補充される。アルコール、洗剤が該当する。
「即時交換グループ」は、継ぎ足し不能で、使用限度に到達した時点で新しいセットに交換されるグループである。洗浄処理の間に使用限度に到達した時にも交換可能な消耗品であり、基本的には交換時間の短い消耗品が即時交換グループに分類される。ロールペーパーが該当する。
「業務終了後交換グループ」は、継ぎ足し不能で、使用限度を超える前に新しいセットに交換されるグループである。このグループは、交換作業に長時間を要するため、洗浄業務開始前や昼休みの間の交換作業が行えず、洗浄業務終了後に交換作業が行われる第1サブグループと、使用限度が日数だけで決められており、洗浄業務開始前や昼休みの間に交換作業を行っても、洗浄業務終了後に交換作業を行っても、使用限度内の交換であることに変わりがない第2サブグループを含む。第1サブグループには、水フィルタ、消毒液が含まれ、第2サブグループには、ガスフィルタ、エアフィルタが含まれる。
使用限度の「日数」は、使用開始してから使用不能となるまでの最大日数を定める。また使用限度の「回数」は、使用開始してからの最大の洗浄回数を定める。これらの消耗品のうち、「アルコール」と「消毒液」については、使用限度日数と使用限度回数の双方が設定される。なお「アルコール」と「消毒液」についても、使用限度日数と使用限度回数のいずれかが設定されてもよい。
実施例14では、各消耗品は、それぞれの使用可能日数および使用可能回数をカウントされる。使用可能日数は、交換日(補充日)を記録しておき、交換日から現在日までに経過した使用日数を、使用限度日数から減算することで算出される。使用可能回数は、交換時(補充時)から使用した回数を、使用限度回数から減算することで算出される。このように医療施設においては、洗浄機50で使用されている各消耗品につき、1日が経過するたびに使用可能日数を導出し、また洗浄を行うたびに使用可能回数を導出して、交換時期(補充時期)を監視するようにしている。
図96は、消耗品残量テーブル310の保持内容を示す。消耗品残量テーブル310は、消耗品の残日数および使用可能日数を記憶する。この保持内容は、1日の業務終了時、すなわち1日の全ての洗浄工程が終了した後のものである。なお図96において、残日数は、使用可能日数を示し、残回数は、使用可能回数を示す。残日数のゼロ、および残回数のゼロは、当該消耗品を使用できないことを意味する。
状況情報取得部170は洗浄機50と通信を行う通信部を有する。状況情報取得部170は洗浄機50から送信される情報を監視し、洗浄の実施状況に関する状況情報として、洗浄機50を識別する情報(洗浄機ID)とともに、洗浄開始通知情報および洗浄終了通知情報を取得する。状況情報取得部170は、洗浄終了通知情報を取得すると、洗浄終了通知情報を洗浄機IDとともに残量更新部298に提供する。
洗浄終了通知情報は、洗浄の終了を示すものであり、洗浄が終了したことは、消耗品が1回分使用されたことを示す。そのため残量更新部298は、消耗品残量テーブル310において、洗浄機IDに該当する洗浄機の消耗品の残回数を1つ減らす。残量更新部298は、残回数について、この処理を繰り返す。また残量更新部298は、1日が終了すると(24時になると)、全ての消耗品の残日数を1つ減らす。
なお消耗品残量テーブル310に管理される残日数および残回数は、消耗品が補充され、また新しいセットに交換されると、初期値に設定される。この初期値は、図95に示す使用限度で示す日数および回数である。担当技師は、消耗品の補充ないしは交換を行うと、携帯端末60から、洗浄機IDと、補充ないしは交換を行った消耗品を特定する情報を入力する。この入力情報は入力受付部176により受け付けられ、入力受付部176は、入力情報を残量更新部298に通知することで、残量更新部298が、該当する洗浄機の消耗品の残日数および残回数を初期値に更新する。
このようにして、1日の業務終了後、図96に示す消耗品残量テーブル310が生成される。処理部100は、翌日早朝の所定時刻(たとえば5時)に、検査スケジュールおよび洗浄スケジュールの作成を行う。
図97は、翌朝業務開始前の消耗品残量テーブル310の保持内容を示す。図96の消耗品残量テーブル310の内容と比べると、各消耗品の残日数が、1日だけ少なくなっている。
実施例14における検査スケジュールおよび洗浄スケジュールの作成処理は、実施形態およびこれまでの実施例で説明したものと基本的に同じである。なお実施例14では、洗浄業務時間が午前と午後に分けられ、午前の業務時間と午後の業務時間との間には、洗浄機50を稼働させない昼休みが設けられるものとする。
洗浄スケジュール管理部130による洗浄スケジュールの作成中、作業スケジュール管理部290は、各洗浄機50における消耗品の残量をシミュレーションする。たとえば第1洗浄機50aに洗浄処理が割り当てられると、作業スケジュール管理部290は、当該洗浄処理の洗浄終了予定時刻の消耗品の残量として、残回数を1つ減らした数を導出する。上記したように、消耗品は3つのグループにカテゴライズされており、作業スケジュール管理部290は、各グループの残回数をシミュレーションにより監視する。
(補充可能グループに属する消耗品の残回数のシミュレーション)
図98は、補充可能グループに属する消耗品の残回数シミュレーション処理のフローチャートを示す。洗浄スケジュールの作成前に、読出部292は消耗品残量テーブル310から、図97に示す補充可能グループに属する消耗品の残回数を読み出す。洗浄スケジュールの作成処理により、第2割当処理部140がスコープ30に洗浄機50を割り当てると(S400)、判定部294は、その洗浄処理の洗浄終了予定時刻における当該洗浄機50の消耗品の残回数を1つ減算する(S402)。判定部294は、1つ減算した残回数が0であるか否かを判定し(S404)、0でなければ(S404のN)、洗浄処理の割当が終了するか判定する(S416)。洗浄処理の割当が終了しなければ(S416のN)、フローはS400に戻る。
判定部294は、1つ減算した残回数が0であることを判定すると(S404のY)、その洗浄終了予定時刻が午前であるか、午後であるかを判定する(S406)。洗浄終了予定時刻が午前である場合(S406のY)、スケジュール生成部296は、当該消耗品の残量が午前中になくなるため、1日の洗浄業務の開始前に、当該消耗品を補充しなければならないことを、作業スケジュールとして決定する(S408)。この作業スケジュールは、1日の洗浄業務の開始前に、担当技師に知らされるものであり、したがって担当技師は、洗浄機の消耗品を、洗浄業務の開始前に補充しておかなければならないことを認識する。
業務開始前に消耗品を補充する作業スケジュールが生成されると、判定部294は、その洗浄機における当該消耗品の業務開始前の残回数を初期値に更新する(S410)。判定部294は、あらためて業務開始前に当該消耗品がフル状態に補充されたことを前提として、洗浄機に最初の洗浄処理が割り当てられるところから、S400のステップを実行する。
判定部294は、1つ減算した残回数が0であった洗浄終了予定時刻が午後である場合(S406のN)、スケジュール生成部296は、当該消耗品の残量が午後になくなるため、昼休み中に、当該消耗品を補充しなければならないことを、作業スケジュールとして決定する(S412)。この作業スケジュールは、1日の洗浄業務の開始前に、担当技師に知らされるものであり、したがって担当技師は、洗浄機の消耗品を、昼休みに補充しておかなければならないことを認識する。
昼休みに消耗品を補充する作業スケジュールが生成されると、判定部294は、その洗浄機における当該消耗品の午後の業務開始前の残回数を初期値に更新する(S414)。判定部294は、あらためて昼休み中に当該消耗品がフル状態に補充されたことを前提として、昼休み後に洗浄機に最初の洗浄処理が割り当てられるところから、S400のステップを実行する。
第2割当処理部140による洗浄機の割当処理が終了すると(S416のY)、作業スケジュール管理部290は、補充可能グループに属する消耗品の残回数シミュレーション処理を終了する。
(即時交換グループに属する消耗品の残回数のシミュレーション)
図99は、即時交換グループに属する消耗品の残回数シミュレーション処理のフローチャートを示す。洗浄スケジュールの作成前に、読出部292は消耗品残量テーブル310から、図97に示す即時交換グループに属する消耗品の残回数を読み出す。洗浄スケジュールの作成処理により、第2割当処理部140がスコープ30に洗浄機50を割り当てると(S430)、判定部294は、その洗浄処理の洗浄終了予定時刻における当該洗浄機50の消耗品の残回数を1つ減算する(S432)。判定部294は、1つ減算した残回数が0であるか否かを判定し(S434)、0でなければ(S434のN)、洗浄処理の割当が終了するか判定する(S442)。洗浄処理の割当が終了しなければ(S442のN)、フローはS430に戻る。
判定部294が、1つ減算した残回数が0であることを判定すると(S434のY)、スケジュール生成部296は、その洗浄終了予定時刻に、当該消耗品を交換しなければならないことを、作業スケジュールとして決定する(S436)。この作業スケジュールは、1日の洗浄業務の開始前に、担当技師に知らされるものであり、したがって担当技師は、洗浄機の消耗品を、指定された当該洗浄終了予定時刻に交換しなければならないことを認識する。
当該洗浄終了予定時刻に消耗品を交換する作業スケジュールが生成されると、判定部294は、その洗浄機における当該洗浄終了予定時刻の当該消耗品の残回数を初期値に更新する(S438)。その後、判定部294は、当該消耗品がフル状態の新品に交換されたことを前提として、シミュレーションを続行する。
なお洗浄インターバル設定部132は、洗浄スケジュールにおいて、当該洗浄終了予定時刻の後に、所定時間の洗浄インターバル時間を設定する(S440)。実施例14において、即時交換グループに属する消耗品は、ロールペーパーであるが、ロールペーパーの交換時間が10分と定められている場合、洗浄インターバル設定部132は、洗浄スケジュールにおいて、当該洗浄終了予定時刻の後に、ロールペーパーの交換時間である10分を設定する。
第2割当処理部140による洗浄機の割当処理が終了すると(S442のY)、作業スケジュール管理部290は、即時交換グループに属する消耗品の残回数シミュレーション処理を終了する。
(業務終了後交換グループに属する消耗品の残日数のシミュレーション)
業務終了後交換グループの属する消耗品は、交換時間がかかるため、又は検査業務終了前に交換する必要がないため、交換のタイミングは洗浄業務終了後に設定されている。業務開始前に洗浄スケジュールを生成した時点で、残日数が0になっていると、業務開始までに交換作業が間に合わないことも考えられる。そこで洗浄スケジュールの作成前に、読出部292が消耗品残量テーブル310から、図97に示す業務終了後交換グループに属する消耗品の残日数を読み出したときに、判定部294は、残日数が1の消耗品があるか判定して、残日数が1の消耗品があれば、スケジュール生成部296が、その日の業務終了後に、当該消耗品を交換しなければならないことを、作業スケジュールとして決定する。図97を参照すると、残日数が1の消耗品は、第3洗浄機50cにおける消毒液、第4洗浄機50dにおける消毒液であり、したがってスケジュール生成部296は、その日の業務終了後に、第3洗浄機50c、第4洗浄機50dにおける消毒液を交換することを、作業スケジュールとして決定する。
なお消毒液は、残日数と残回数にもとづいて交換タイミングが定められる消耗品である。たとえば残日数は2日以上あるため、当日の業務終了後の交換対象とはならないものの、残回数が少なければ、翌日の洗浄スケジュールの作成時に、残回数が0になるケースも想定される。そのため、たとえば当日の洗浄スケジュールの作成終了後に、洗浄機50における最終洗浄終了予定時刻の残回数が第1所定値(たとえば8)以下であれば、翌日の洗浄作業で残回数が0になる可能性があるものとして、当日の検査業務終了後に交換することを、スケジュール生成部296が、作業スケジュールとして決定してもよい。
なお消毒液の交換と水フィルタの交換は、両者とも時間がかかるものであるため、現場では、両者の交換作業を同時に行うことが推奨されている。そのため、水フィルタの交換作業が当日の業務終了後に予定されている場合には、あわせて消毒液の交換作業も行うことが好ましい。そこで判定部294は、水フィルタの交換作業が予定されている場合には、洗浄機50における最終洗浄終了予定時刻の消毒液の残回数が第1所定値よりも大きい第2所定値(たとえば12)以下であることを判定すると、スケジュール生成部296が、当日の検査業務終了後に消毒液を交換することを決定してもよい。
なお実施例14では、洗浄機における消耗品の補充・交換作業について説明したが、検査や前処置に使用する薬剤の使用限度日数や使用限度回数なども管理して、使用する薬剤の補充作業をスケジューリングしてもよい。
なお、実施例14では日数や回数を減らすことで残量を管理する例を示したが、残量センサや濃度センサの情報を取得することにより管理することで、状況情報を取得し、交換タイミングを通知してもよい。
以下、実施例14における態様を示す。
(実施例14の項目1)
内視鏡検査を実施する検査室と、検査開始予定時刻情報および検査終了予定時刻情報と、内視鏡検査の検査内容に関する検査種別情報を含む複数の内視鏡検査の検査スケジュールを管理する検査スケジュール管理部と、
検査スケジュール管理部で管理されている各々の内視鏡検査に対し、複数の内視鏡の中から使用する内視鏡を割り当てる第1割当処理部と、
複数の洗浄機の中から、各々の内視鏡検査で使用される内視鏡を洗浄するための洗浄機を割り当てる第2割当処理部と、
洗浄機と、洗浄開始予定時刻情報および洗浄終了予定時刻情報を含む複数の内視鏡の洗浄スケジュールを管理する洗浄スケジュール管理部と、を備える内視鏡検査業務支援システムであって、
洗浄機の消耗品の使用可能回数を記憶する消耗品残量記憶部と、
第2割当処理部が内視鏡に洗浄機を割り当てると、洗浄終了予定時刻における使用可能回数を1つ減らして、使用可能回数が所定値となるか判定する作業スケジュール管理部と、
を備えることを特徴とする内視鏡検査業務支援システム。
消耗品残量記憶部は、洗浄機の消耗品の使用可能日数を記憶し、作業スケジュール管理部は、使用可能日数を加味して、作業スケジュールを生成してもよい。また洗浄機の消耗品に限らず、前処置や検査に使用する薬剤の交換スケジュールを管理してもよい。
消耗品残量記憶部は、洗浄機の消耗品の残量値を、残量センサや濃度センサから取得して記憶してもよい。このとき第2割当処理部が内視鏡に洗浄機を割り当てると、作業スケジュール管理部は、洗浄終了予定時刻における残量を、1回の使用量分減らして、残量が所定値となるか判定してもよい。
以上、本発明を実施形態および実施例をもとに説明した。この実施形態および実施例は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。