図1は、本発明の実施形態にかかる内視鏡検査業務支援システム1の構成を示す図である。内視鏡検査業務支援システム1は、内視鏡検査業務を支援するためのシステムであり、内視鏡(以下、単に「スコープ」とも呼ぶ)30の個体の使用予定および洗浄予定を適切にスケジューリングし、またスケジューリングした予定を適切に再スケジューリングする機能を実現する。内視鏡検査業務支援システム1は、情報管理装置10、端末装置12、保管庫14、内視鏡観察装置22a〜22d、第1洗浄機50a〜第4洗浄機50dを備え、それらはLAN(ローカルエリアネットワーク)などのネットワーク2によって相互接続される。
複数の検査室のそれぞれに、内視鏡観察装置が設置される。この例では、第1検査室20aが内視鏡観察装置22aを、第2検査室20bが内視鏡観察装置22bを、第3検査室20cが内視鏡観察装置22cを、第4検査室20dが内視鏡観察装置22dをそれぞれ備えている。医療施設において検査室は、上部検査と下部検査とで使い分けられることが多い。図1に示す例では、第1検査室20a、第2検査室20b、第3検査室20cが上部検査のために使用され、第4検査室20dが下部検査のために使用される。以下、第1検査室20a〜第4検査室20dを特に区別しない場合には、「検査室20」と呼ぶことがあり、また内視鏡観察装置22a〜22dを特に区別しない場合には、「内視鏡観察装置22」と呼ぶこともある。内視鏡観察装置22にはスコープ30が接続され、医師による内視鏡検査が行われる。
大病院や内視鏡センターなどの医療施設は、1日に数多くの内視鏡検査を実施するために、多種の内視鏡(スコープ)を所有し、また繁用する機種について複数の個体を所有している。たとえば上部検査用のスコープの機種としては、ルーチン検査に使用される上部ルーチン機、高解像度の画像を提供できる上部高画質機、鼻孔から挿入される上部経鼻機、粘膜表面における微細な血管の走行形態や腺管等による構造パターン等を観察できる上部拡大機、処置機能を有する上部処置機などが存在する。また下部検査用のスコープの機種としては、ルーチン検査に使用される下部ルーチン機、粘膜表面における微細な血管の走行形態や腺管等による構造パターン等を観察できる下部拡大機、処置機能を有する下部処置機などが存在する。医療施設において、所有されるスコープは、データベースに登録されて管理されている。
洗浄室40には、複数の洗浄機が設置され、この例では、第1洗浄機50a、第2洗浄機50b、第3洗浄機50cおよび第4洗浄機50dが設けられる。以下、第1洗浄機50a〜第4洗浄機50dを特に区別しない場合には、「洗浄機50」と呼ぶこともある。この例では、4台の洗浄機50が1つの洗浄室40に設置されているが、複数の洗浄室に分散して設置されていてもよい。
洗浄機50は機種によって、異なる薬液を洗浄に使用することが一般的である。たとえば洗浄に使用される薬液としては、過酢酸、フタラール、強酸性電解水などが代表的であり、洗浄機50は、所定の薬液のみを使用するように設計されている。つまり洗浄機50の機種と、使用する薬液とは一対一に対応付けられており、洗浄機50が、定められた薬液以外の薬液を使用することは推奨されていない。また洗浄機50の機種によって、洗浄時間が異なることもあり、このように洗浄機50は機種固有の特性を有している。
保管庫14は、スコープ30を保管する。1日の内視鏡検査業務が開始される前、全てのスコープ30は保管庫14に保管されており、技師などの検査準備者は、保管庫14からスコープ30を取り出して検査室20に運び、内視鏡観察装置22に接続する。医師による検査が終了すると、検査準備者は、使用済みのスコープ30を洗浄室40に運んで、洗浄機50の洗浄槽に入れて洗浄を行い、洗浄終了したスコープ30を、また検査室に運んで、医師が、新たな検査に再使用する。
医療施設において、スコープ30の個体には、他の個体と区別するための個体名称が付与されることが一般的である。たとえば同種のスコープ30については、その形状が同じであるために、個体名称を付与して、それぞれを管理する。スコープ30には、個体名称で区別できるように、個体名称を印字したシールなどが貼り付けられ、これにより医師や検査準備者は、各個体を区別できるようになる。また、近年は内視鏡本体にRFIDタグ等が内蔵され、内視鏡観察装置22のカメラコントロールユニット(CCU)への接続時やタグの読取手段を用いた読み取りにより各個体を電子的に識別できるようになっている。このようなスコープ30に対しては、CCUへの接続時や洗浄機での洗浄開始前または終了後等にRFIDタグ内の個体識別情報を取得することにより、シールを用いた場合と同様の区別をすることが可能である。
実施形態の内視鏡検査業務支援システム1は、スコープ30の各個体に対して、どの検査で使用するか、またどの洗浄機で洗浄するか、などを定めたスケジュール情報を設定する。これにより検査準備者は、スケジュール情報をみて、どの検査室20に運び込めばよいか、またどの洗浄機50で洗浄すればよいかを知ることができる。その際、スコープ30に貼り付けられたシールに印字された個体名称により、検査準備者は、スケジュール情報にしたがってスコープ30を適切に移動し、また洗浄できる。
スコープ30のスケジュール情報は、情報管理装置10により生成される。スケジュール情報の生成タイミングは、1日の内視鏡検査業務の開始前であり、検査準備者は、端末装置12の画面に表示されるスケジュール情報をみて、スコープ30の扱いを判断できる。端末装置12は、据置型のパーソナルコンピュータであってもよい。なお内視鏡検査業務支援システム1は、誰もがみることのできる大型ディスプレイを有し、大型ディスプレイにスケジュール情報が表示されてもよい。
なお医師や検査準備者などの医療従事者は、携帯端末60を保有し、情報管理装置10から必要な通知を受けることができる。携帯端末60は携帯可能な、たとえばPDA(Personal Digital Assistant)やタブレットなどの端末装置であってよく、医療施設内に設置されているアクセスポイント(以下、「AP」とも呼ぶ)3との間で無線LANを構築して、情報管理装置10との間でデータを送受信可能とする。施設内で医療従事者のそれぞれには携帯端末60が貸与されて、携帯端末60と医療従事者とは対応付けて管理されている。そのため情報管理装置10は、特定の医療従事者に情報を送信する場合、医療従事者に対応付けられた携帯端末60を特定して、かかる携帯端末60に必要な情報を送信できる。
情報管理装置10は、スケジュール情報を生成する際、あるタイミングを開始予定とする検査に対して、どのスコープ30を割り当てるか決定するが、そのタイミングで使用予定となっているスコープ30や、洗浄予定となっているスコープ30は、当然のことながら検査に割り当てることはできない。そのため情報管理装置10は、スケジューリング処理に際して各スコープ30に対して仮想的なステータスを設定し、任意のタイミングにおける各スコープ30のステータスを確認できるようにする。
図2は、スケジュール情報の作成中に設定されるスコープ30の仮想的なステータスを説明するための図である。スコープ30は、「使用中」(ST1)、「使用済」(ST2)、「洗浄中」(ST3)、「待機中」(ST4)のうち、いずれかのステータスをとる。図2において示される矢印は、ステータスの遷移方向を示す。情報管理装置10は、任意のタイミングにおける全てのスコープ30のステータスを把握することで、当該タイミングにおいて検査に、適切なスコープ30を割り当てる。
図2に示す4つのステータスにおいて、検査に割当可能なスコープ30は、そのステータスが「待機中」となっているスコープであり、他のステータスにあるスコープ30を検査に割り当てることはできない。なお保管庫14に保管されているスコープ30のステータスは「待機中」であり、したがってスケジュール情報の生成処理を開始する際には、全てのスコープ30のステータスが「待機中」であることを前提とする。
図3は、スコープ30のスケジュール情報を生成する情報管理装置10の構成を示す。情報管理装置10は、処理部100および記憶部200を備え、処理部100は、検査スケジュール管理部110、第1割当処理部120、洗浄スケジュール管理部130、第2割当処理部140、表示処理部150、表示内容導出部152、期間指定部154および使用状況監視部160を有する。
情報管理装置10の各構成は、ハードウェア的には、任意のコンピュータのCPU、メモリ、その他のLSIで実現でき、ソフトウェア的にはメモリにロードされたプログラムなどによって実現されるが、ここではそれらの連携によって実現される機能ブロックを描いている。したがって、これらの機能ブロックがハードウェアのみ、ソフトウェアのみ、またはそれらの組み合わせによっていろいろな形で実現できることは、当業者には理解されるところである。
検査オーダは、例えばオーダリングシステム等の院内情報システムにおいて生成され、内視鏡部門システムに対して発行される。情報管理装置10は、1日の内視鏡検査業務の開始前に、院内情報システムにおいて生成された1日分の検査オーダを取得して、医療施設内で所有するスコープ30の各個体の使用予定および洗浄予定をスケジューリングする。取得された1日分の検査オーダは、オーダ情報記憶部202に記憶される。たとえばスケジューリングのタイミングは、検査当日の最初の検査が行われる前であってよく、また前日の検査業務終了後であってもよく、いずれにしても1日分の検査オーダが確定しているタイミングであればよい。
検査オーダには、検査の識別情報(検査ID)、検査開始予定時刻情報、検査終了予定時刻情報、患者の識別情報(患者ID)、検査種別情報、検査の担当医師、検査室など、内視鏡検査に関するオーダ情報が含まれる。図1に示す内視鏡検査業務支援システム1において、第1検査室20a、第2検査室20b、第3検査室20cが、上部検査のために使用され、第4検査室20dが下部検査のために使用されるように定められており、したがって上部検査オーダには、検査室として、第1検査室20a、第2検査室20b、第3検査室20cのいずれかが割り当てられており、また下部検査オーダには、第4検査室20dが割り当てられている。
スケジューリング処理の開始時、まず検査スケジュール管理部110は、オーダ情報記憶部202から1日分の複数のオーダ情報を取得し、検査スケジュールを生成する。具体的に検査スケジュール管理部110は、検査IDで特定される内視鏡検査を実施する検査室と、検査開始予定時刻情報および検査終了予定時刻情報と、内視鏡検査の検査内容に関する検査種別情報と、担当医師を含む複数の内視鏡検査の検査スケジュールを生成して、管理する。検査スケジュール管理部110は、生成した検査スケジュールを、検査スケジュール保持部206に格納する。その後、これから説明するように、検査スケジュール管理部110は、各検査に対して第1割当処理部120により割り当てられたスコープ30の情報を検査スケジュールに登録して、検査スケジュールを更新する。
図4は、生成された検査スケジュールの一例を示す。検査スケジュール管理部110は、オーダ情報記憶部202からオーダ情報を取得すると、検査開始予定時刻の早いものから順に、検査番号を設定する。図4において1日分の検査数は41であり、各検査に対して検査番号がE1〜E41として設定されている。ここで検査番号E1の検査スケジュールは、検査室が第1検査室20a、検査開始予定時刻が9:00、検査終了予定時刻が9:10、検査種別が「上部ルーチン検査」、担当医師が「医師B」であることが示される。なお検査には、検査IDが割り当てられており、この検査IDは検査番号とは異なるものであるが、検査番号も検査スケジュールにおいて検査を一意に識別するものであるため、以下の説明においては、検査番号を、検査を特定するための情報として使用することもある。
なお本実施形態において、図4に示す検査スケジュールは、1日分の複数の検査オーダから自動的に導出されることとしているが、オーダ情報に、検査開始予定時刻情報や検査終了予定時刻情報、担当医師および検査室の情報が含まれていない場合には、検査スケジュール管理部110が、検査スケジュールを生成してもよい。なお検査スケジュール管理部110は、生成した検査スケジュールを再構成して、検査の状況に応じた再スケジューリング処理を行う機能も有する。
たとえば記憶部200は、検査種別ごとの検査予定時間を記憶した検査種別マスタテーブルと、担当医師を記憶した担当医師マスタテーブルと、検査室で実施される検査条件(つまり上部検査であるか下部検査であるかを特定する情報)とを記憶する。検査オーダには、患者の識別情報(患者ID)および検査種別情報が含まれており、検査スケジュール管理部110は、1日分の検査オーダを取得すると、検査種別マスタテーブル、担当医師マスタテーブルおよび検査条件を参照して、検査スケジュールを生成する。
図5は、検査種別マスタテーブル210の一例を示す。検査種別マスタテーブル210には、各検査種別ごとに、検査予定時間が記録されている。検査オーダに患者の識別情報(患者ID)および検査種別情報が含まれている場合、検査スケジュール管理部110は、まず検査オーダに含まれる各検査の検査種別情報を参照して、検査室ごとに1つの検査を割り当てる。ここで検査室の検査条件を参照して、検査種別情報が上部検査を指定していれば、その検査を、第1検査室20a、第2検査室20b、第3検査室20cのいずれかに割り当て、検査種別情報が下部検査を指定していれば、その検査を第4検査室20dに割り当てる。また検査スケジュール管理部110は、検査間のインターバルとして所定の準備時間(たとえば5分)を設定する。
検査種別マスタテーブル210においては、たとえば検査種別番号1の「上部ルーチン検査」の検査予定時間が10分であること、また検査種別番号2の「上部経鼻検査」の検査予定時間が15分であること、などが記録されている。なお検査種別番号16の「下部ルーチン検査(経験3年)」の検査予定時間は、検査種別番号9の「下部ルーチン検査」の検査予定時間よりも5分長く設定されているが、これは、経験3年未満の医師(若手医師)が検査した場合には、経験3年以上の医師(ベテラン医師)よりも5分程多く要することを、予め予定時間として組み込んでいることを示す。なお、若手医師がベテラン医師よりも多くの時間を要することは、担当医師マスタテーブルにおいて設定されていてもよい。検査スケジュール管理部110は、検査種別マスタテーブル210にしたがって、各検査室20に1つの検査を割り当てて、検査開始予定時刻および検査終了予定時刻を設定する。
次に、第1割当処理部120における医師割当部129が、各検査室20の検査に対して、医師を割り当てる。このとき医師割当部129は、同じ時間帯に、同じ担当医師が重複することのないように、担当医師を検査に割り当てる。このように検査スケジュール管理部110が各検査室20に1つの検査を割り当て、医師割当部129が、割り当てられた検査に対して医師を割り当てることで、検査スケジュールが生成される。医師割当部129が検査に医師を割り当てると、検査スケジュール管理部110は、未処理の検査オーダに含まれる各検査の検査種別情報を参照して、再び検査室ごとに1つの検査を割り当て、医師割当部129が、割り当てられた検査に対して医師を割り当てる。これを繰り返すことで、図4に示す検査スケジュールが生成される。
なお図4に示した検査スケジュールにおいて、検査番号E12で示す下部ルーチン検査の検査予定時間は、20分に設定されている。これは医師割当部129により検査番号E12で示す下部ルーチン検査に医師Eが割り当てられたところ、当該医師Eが経験3年未満の若手医師であるために、検査番号E12で示す検査の予定時間が、通常の下部ルーチン検査の検査予定時間(15分)よりも5分長く設定される。検査スケジュール管理部110が、検査番号E12で示す下部ルーチン検査を第4検査室20dに割り当てた際には、通常通り検査予定時間を15分に設定しつつ、医師割当部129が、当該検査に対して医師Eを割り当てたときに、検査スケジュール管理部110は、図5に示す検査種別番号16の検査予定時間を参照して、検査予定時間を5分長くして、検査終了予定時刻を再設定する。
このように、オーダ情報に検査室情報、検査開始予定時刻情報、検査終了予定時刻情報、担当医師情報などが含まれていない場合に、検査にスコープ30を割り当てる前提として、検査スケジュール管理部110が、上記したように検査種別マスタテーブル210等を参照して、検査を行う検査室、検査開始予定時刻、検査終了予定時刻を設定し、医師割当部129が、検査に対して医師を割り当てることで、処理部100が検査スケジュールを自動生成する機能を有してよい。
所有スコープ情報記憶部220は、医療施設が所有するスコープ30に関する情報およびデータを記憶しており、所有スコープマスタテーブル222、使用状況記憶部224、洗浄機順位保持部226、割当スコープ情報保持部228、割当担当者情報保持部230、履歴記録部232を備える。所有スコープマスタテーブル222は、医療施設が所有するスコープ30を管理するためのデータベースであり、医療施設が所有する全てのスコープ30の情報が登録されている。
図6は、所有スコープマスタテーブル222の一例を示す。所有スコープマスタテーブル222は、医療施設内で設定した内視鏡番号と、機種名、および医療施設内における個体名称とを対応付けて登録している。ここでは上部検査用のスコープ機種として、ルーチン検査に使用される上部ルーチン機、高解像度の画像を提供できる上部高画質機、鼻孔から挿入される上部経鼻機、粘膜表面における微細な血管の走行形態や腺管等による構造パターン等を観察できる上部拡大機、処置機能を有する上部処置機が登録されている。
医療施設において上部ルーチン機は6本所有されて、それぞれにG−R−1、G−R−2、G−R−3、G−R−4、G−R−5、G−R−6の個体名称が付されている。また上部高画質機は3本所有されて、それぞれにG−H−1、G−H−2、G−H−3の個体名称が付され、上部経鼻機は1本所有されて、G−N−1の個体名称が付され、上部拡大機は2本所有されて、それぞれにG−Z−1、G−Z−2の個体名称が付され、上部処置機は2本所有されて、それぞれにG−T−1、G−T−2の個体名称が付されている。
また下部検査用のスコープの機種としては、ルーチン検査に使用される下部ルーチン機、粘膜表面における微細な血管の走行形態や腺管等による構造パターン等を観察できる下部拡大機、処置機能を有する下部処置機が登録されている。下部ルーチン機は3本所有されて、それぞれにC−R−1、C−R−2、C−R−3の個体名称が付され、下部拡大機は1本所有されて、C−Z−1の個体名称が付され、下部処置機は1本所有されて、C−T−1の個体名称が付されている。
各スコープ30には、それぞれの個体名称を印字したテープなどが貼り付けられて、医師や検査準備者が、目視で個体を特定できるようにされている。個体の識別表示の手段は、テープに限るものではないが、特に同機種のスコープ30が複数存在する場合には、同機種内での区別ができるように、個体を目視で特定できるような手当がなされていることが好ましい。
以下、スコープ30のスケジュール情報を生成する処理について説明する。なおスコープ30のスケジュール情報を生成することは、スコープ30を検査に割り当て、また検査に使用したスコープ30を洗浄機に割り当てることを意味し、その結果として、検査スケジュールおよび洗浄スケジュールが生成されるとともに、スコープ30の個体のスケジュールも生成されるようになる。
図7は、スコープ30のスケジュール情報を生成する基本フローチャートを示す。検査スケジュール管理部110が、オーダ情報記憶部202から1日分の複数のオーダ情報を取得する(S10)。検査スケジュール管理部110は、複数のオーダ情報の検査開始予定時刻を参照して、検査開始予定時刻の早いものから順に検査番号を設定し(S12)、検査スケジュールを生成する(S14)。なお検査開始予定時刻を同一とする複数の検査に関しては、検査室番号の小さいものから順に検査番号を設定してもよい。なお検査室番号は、第1検査室20aが「1」、第2検査室20bが「2」、第3検査室20cが「3」、第4検査室20dが「4」と設定されている。S14で生成される検査スケジュールは、図4に示したものであり、時間軸を縦軸とし、検査室を横軸にとって、検査開始予定時刻情報および検査終了予定時刻情報で指定される時間枠内に検査オーダを割り当てたものとなる。
なお検査開始予定時刻情報および検査終了予定時刻情報は、時分を示す時刻そのものの情報であってよいが、5分刻みの時間帯を示すものであってもよい。たとえば内視鏡部門において、スケジューリングが5分を1単位として行われる場合には、5分を1単位とするコマを基準として、検査開始予定時刻情報および検査終了予定時刻情報が、それぞれ検査開始予定時刻および検査終了予定時刻を指定してもよい。
スコープ30のスケジュール情報は、検査スケジュールにおける検査に対してスコープ30を割り当て、割り当てたスコープ30に対して検査終了予定時刻以後に洗浄を行う洗浄機を割り当てることで生成される。そのため最初に、各検査室においてスコープ30を割り当てる対象となる検査を抽出するための処理が実行される(S16)。割当対象検査抽出処理により、各検査室の検査が抽出されると、抽出された検査に対して、第1割当処理部120によりスコープ30を割り当てるための処理が実行される(S18)。スコープ割当処理により検査に対してスコープ30が割り当てられると、割り当てられたスコープ30の情報が検査スケジュールに登録され、続いて当該割り当てられたスコープ30に対して、洗浄する洗浄機50を割り当てるための処理が第2割当処理部140により実行される(S20)。スコープ30に割り当てられた洗浄機50の情報は、洗浄スケジュールに登録される。S16〜S20のステップは、全ての検査について完了するまで繰り返され(S22のN)、全検査に対して割当処理が完了すると(S22のY)、スコープ30のスケジュリング処理が終了する。
S16〜S20のステップを実行すると、各検査室20の検査に対してスコープ30が割り当てられ、割り当てられたスコープ30に対して洗浄機50が割り当てられる。このようにしてスコープ30の使用予定、洗浄予定が定められると、洗浄機50を割り当てた第2割当処理部140が、当該スコープ30を割り当てられた検査の検査番号に対して、処理済みのフラグを設定する。検査にスコープ30を割り当てる第1割当処理部120は、各検査番号のフラグを参照して、全ての検査番号のフラグが処理済みとなるまで(S22のN)、S16のステップを実行し、全ての検査番号のフラグが処理済みとなっていれば(S22のY)、S16のステップには戻らずに、スコープ30のスケジューリング処理を終了する。
図3に戻って、第1割当処理部120は、検査スケジュールの検査に対して、スコープ30を割り当てる処理を行う。具体的に第1割当処理部120は、基本フローチャートにおけるS16、S18のステップを実行する機能を有し、検査抽出部122、スコープ特定部124、スコープ割当部126、スコープ割当可否確認部128および医師割当部129を備える。なお既述したように医師割当部129は、検査スケジュールの生成に際して医師を検査に割り当てる処理を担当する。
図8は、基本フローチャートのS16に示す割当対象検査の抽出処理の詳細フローチャートを示す。第1割当処理部120において、検査抽出部122が、検査スケジュールにおける各検査室20の検査のうち、スコープ30をまだ割り当てておらず、且つ最も検査開始予定時刻の早い検査を抽出する(S30)。図4に示す検査スケジュールにおいては、まだ、どの検査にもスコープ30は割り当てておらず、したがって検査抽出部122は、各検査室20において最も検査開始予定時刻の早い検査をそれぞれ抽出する。ここで第1検査室20aからは検査番号E1の検査、第2検査室20bからは検査番号E2の検査、第3検査室20cからは検査番号E3の検査、第4検査室20dからは検査番号E4の検査を抽出する。以下、説明の便宜上、検査番号E1の検査を「検査E1」、検査番号E2の検査を「検査E2」などと呼ぶこともある。
続いて検査抽出部122は、「N=1」をセットして(S32)、第N検査室以外の検査室から抽出した検査の次の検査の検査開始予定時刻が、第N検査室から抽出した検査の検査開始予定時刻よりも遅いか否かを判定する(S34)。ここでは、第1検査室20aから抽出した検査E1の検査開始予定時刻と、第2検査室20b、第3検査室20c、第4検査室20dから抽出した検査E2、E3、E4の次の検査、つまり検査E6、E7、E8の検査開始予定時刻とを比較して、検査E6、E7、E8の検査開始予定時刻の全てが、検査E1の検査開始予定時刻よりも遅いか否かが判定される。図4に示す検査スケジュールでは、検査E6、E7、E8の検査開始予定時刻の全てが、検査E1の検査開始予定時刻よりも遅いため(S34のY)、検査抽出部122は、検査E1を、スコープ30を割り当てる対象となる検査として特定する(S36)。なお、もし検査E6、E7、E8の検査開始予定時刻のいずれか1つでも、検査E1の検査開始予定時刻よりも早い場合には(S34のN)、検査抽出部122は、検査E1を、スコープ30を割り当てる対象となる検査から除外する(S38)。
続いて、Nが検査室総数(この例では、検査室総数=4)と同じか判定され(S40)、Nが検査室総数に達していなければ(S40のN)、Nを1インクリメントして(S42)、S34に戻る。
S34においては、第2検査室20bから抽出した検査E2の検査開始予定時刻と、第1検査室20a、第3検査室20c、第4検査室20dから抽出した検査E1、E3、E4の次の検査、つまり検査E5、E7、E8の検査開始予定時刻とを比較して、検査E5、E7、E8の検査開始予定時刻の全てが、検査E1の検査開始予定時刻よりも遅いか否かが判定される。図4に示す検査スケジュールでは、検査E5、E7、E8の検査開始予定時刻の全てが、検査E2の検査開始予定時刻よりも遅いため(S34のY)、検査抽出部122は、検査E2を、スコープ30を割り当てる対象となる検査として特定する(S36)。
以上のように、S34の判定処理は、S30で各検査室20から抽出した全ての検査に関して実行される。ここでは、S30で各検査室20から抽出した検査番号E1、E2、E3、E4の全ての検査が、スコープ30を割り当てる対象となる検査として特定され(S36)、その時点でNが検査室総数に達しているため(S40のY)、割当対象検査の抽出処理が終了する。図7に示す基本フローチャートを参照して、S16の割当対象検査の抽出処理が終了すると、S18のスコープ割当処理が開始される。
図9は、基本フローチャートのS18に示すスコープ割当処理の詳細フローチャートを示す。第1割当処理部120において、スコープ割当部126が、検査スケジュール管理部110でスケジュール管理されている各々の内視鏡検査に対し、所有する複数のスコープ30の中から使用するスコープを割り当てる処理を行う。
このスコープ割当処理を行う前提として、まずスコープ特定部124が、スコープの割当対象として抽出された検査の開始予定時刻における全てのスコープ30のステータスを特定する(S50)。図2に関して説明したように、スコープ30のステータスは、ST1〜ST4のいずれかで特定される。
図10は、S50のステータス特定処理の詳細フローチャートを示す。まずスコープ特定部124は、割当対象となる検査の検査開始予定時刻を設定する(S70)。検査E1〜E4の検査開始予定時刻は、いずれも9:00であるため、ここでは時刻が9:00にセットされる。スコープ特定部124は、所有スコープマスタテーブル222に記録されている内視鏡番号1〜19の全てのスコープの設定時刻におけるステータスを特定する。
スコープ30のスケジュール情報を参照して、設定時刻(9:00)が、割り当てられた検査の時間内であれば(S72のY)、当該スコープ30のステータスは、「使用中」と特定される(S74)。また設定時刻が、検査時間外であって(S72のN)、割り当てられた検査の終了後、洗浄開始前であれば(S76のY)、当該スコープ30のステータスは、「使用済」と特定される(S78)。また設定時刻が、検査終了後、洗浄開始前ではなく(S76のN)、洗浄時間内であれば(S80のY)、当該スコープ30のステータスは、「洗浄中」と特定される(S82)。なお、設定時刻が洗浄時間内でもなければ(S80のN)、当該スコープ30のステータスは、「待機中」と特定される(S84)。このようにスコープ特定部124は、全てのスコープに関して、設定時刻におけるステータスを特定することで、検査開始予定時刻に「待機中」つまりは割当可能なスコープがどれであるかを把握できる。
図9に戻って、スコープ特定部124は、所有するスコープの検索処理を実行して、使用可能なスコープ30を特定する(S52)。ここでスコープ特定部124は、S50において「待機中」と特定したスコープに絞って、検索処理を実行する。「待機中」以外のステータス、つまり「使用中」、「使用済」、「洗浄中」ステータスのスコープ30は、その時点で検査に割り当てることはできないため、これらを検索対象から外すことで、検索効率を高められる。
図11は、S52のスコープの検索処理の詳細フローチャートを示す。スコープ特定部124は、「待機中」のステータスをもつ全てのスコープ30に関して、検索処理を実行する。ここでスコープ特定部124は、割当対象となる検査の検査種別を特定する。ここでは、割当対象となる全ての検査E1〜E4の検査開始予定時刻が9:00であり、S50において、9:00において全てのスコープ30のステータスが「待機中」であることが特定されている。そこでスコープ特定部124は、検査E1、E2、E3、E4のそれぞれについて、「待機中」ステータスを有するスコープ30が、検査種別に対応しているか否かを判定する(S90)。
実施形態においてスコープ特定部124は、割当対象となる内視鏡検査の検査種別情報にもとづいて、使用可能なスコープ30を特定する。なお実施形態では、検査種別は、上部検査であるか、または下部検査であるかで区別される。したがってS90では、検査の検査種別情報が上部検査を示す場合に、上部検査用スコープであれば対応しており、下部検査用スコープであれば対応していないことが判定される。また同様に、検査の検査種別情報が下部検査を示す場合に、下部検査用スコープであれば対応しており、上部検査用スコープであれば対応していないことが判定される。
図6に示す所有スコープマスタテーブル222および図4に示す検査スケジュールを参照して、スコープ特定部124は、検査番号E1、E2、E3の上部検査に対しては、上部検査用スコープである内視鏡番号1〜14のスコープを候補スコープとして決定し(S92)、一方、下部検査用スコープである内視鏡番号15〜19のスコープを、検査番号E1、E2、E3の検査には割当不能として決定する(S94)。またスコープ特定部124は、検査番号E4の下部検査に対しては、下部検査用スコープである内視鏡番号15〜19のスコープを候補スコープとして決定し(S92)、一方、上部検査用スコープである内視鏡番号1〜14のスコープを、検査番号E4の検査には割当不能として決定する(S94)。スコープ特定部124は、特定した候補スコープと検査番号との対応を、スコープ割当部126に通知する。
図9に戻って、スコープ割当部126は、スコープ特定部124により特定された候補スコープに基づいて、検査スケジュール管理部110で管理されている各々の検査に対し、使用するスコープ30を割り当てる。具体的にスコープ割当部126は、スコープ特定部124により特定された候補スコープのうちの1つを、内視鏡検査に割り当てる。以下の例では、複数の候補スコープのうち、図6に示す所有スコープマスタテーブル222に設定された内視鏡番号の小さいものから検査に対して割り当てることとするが、この順番に限定することを意図するものではない。
まずスコープ割当部126は、検査E1に対して割当可能なスコープがあることを判定する(S54のY)。ここでスコープ特定部124により検査E1、E2、E3に対して内視鏡番号1〜14のスコープが割当可能であることが通知されており、したがってスコープ割当部126は、検査E1に対して、内視鏡番号1のスコープG−R−1を割り当てる(S56)。なお、同じスコープG−R−1が他の検査に割り当てられないように、スコープ割当部126は、スコープG−R−1のステータスを「使用中」に設定する(S58)。ステータスを「使用中」に設定すると、そのスコープG−R−1は、次のスコープ割当部126による割当の際に、候補スコープから外される。
次にスコープ割当部126は、検査E2に対して割当可能なスコープがあることを判定し(S54のY)、検査E2に対して、内視鏡番号2のスコープG−R−2を割り当て(S56)、スコープG−R−2のステータスを「使用中」に設定する(S58)。同様にスコープ割当部126は、検査E3に対して、内視鏡番号3のスコープG−R−3を割り当て(S56)、スコープG−R−3のステータスを「使用中」に設定する(S58)。
次にスコープ割当部126は、検査E4に対して割当可能なスコープがあることを判定する(S54のY)。ここでスコープ特定部124により検査E4に対して内視鏡番号15〜19のスコープが割当可能であることが通知されており、したがってスコープ割当部126は、検査E4に対して、内視鏡番号15のスコープC−R−1を割り当て(S56)、スコープC−R−1のステータスを「使用中」に設定する(S58)。
S54において、検査に対して割当可能なスコープがない場合には(S54のN)、スコープ割当部126は、ユーザに対して、割当不能であることを通知する(S60)。なお、この通知のタイミングは、全検査に対してスコープ30の割当処理が完了した後であってよい。少なくともユーザは、1日の内視鏡検査業務の開始前に、スコープ30を割り当てられていない検査が存在することを認識する必要がある。
スコープ割当部126による割当処理は、抽出した全ての割当対象となる検査についてスコープ30の割当が完了するまで繰り返され(S62のN)、全ての検査(ここではE1〜E4)についてスコープ30が割り当てられると(S62のY)、このスコープ割当処理が終了する。スコープ割当部126による割当結果は、検査スケジュール管理部110に通知される。
図12は、検査スケジュール管理部110により更新された検査スケジュールを示す。検査スケジュール管理部110は、スコープ割当部126から割当結果を通知されると、該当する検査に、割り当てられたスコープ30を登録する。ここでは検査E1にスコープG−R−1が使用されること、検査E2にスコープG−R−2が使用されること、検査E3にスコープG−R−3が使用されること、検査E4にスコープC−R−1が使用されること、が登録されている。検査スケジュール管理部110は、更新した検査スケジュールを、検査スケジュール保持部206に記録する。このようにして、スコープG−R−1、G−R−2、G−R−3、C−R−1のスケジュール情報が生成される。
図7に戻って、S18のスコープ割当処理が終了すると、S20の洗浄機割当処理が開始される。
図3において、洗浄スケジュール管理部130は、洗浄機50と、洗浄開始予定時刻情報および洗浄終了予定時刻情報を含む複数のスコープの洗浄スケジュールを管理する。第2割当処理部140は、複数の洗浄機50の中から、各々の内視鏡検査で使用されるスコープ30を洗浄するための洗浄機50を割り当てる。洗浄スケジュール管理部130は、第2割当処理部140によりスコープ30に対して割り当てられた洗浄機50に基づいて、スコープ30の洗浄スケジュールを生成して、洗浄スケジュール保持部208に記録する。
図13は、基本フローチャートのS20に示す洗浄機割当処理の詳細フローチャートを示す。第2割当処理部140は、洗浄機特定部142、洗浄機割当部144、終了時刻判定部146、洗浄機割当可否確認部148および担当者割当部149を備える。
洗浄機特定部142が、S18で割り当てられたスコープ30のそれぞれに対して、所有する洗浄機50の検索処理を実行して、使用可能な洗浄機50を特定する(S110)。なお洗浄機50の使用が制限されない場合、つまりスコープ30に対して全ての洗浄機50の使用が許可されている場合には、洗浄機特定部142は、全ての第1洗浄機50a〜第4洗浄機50dが使用可能であることを特定する。このとき洗浄機特定部142は、洗浄スケジュール保持部208に保持されている洗浄スケジュールを参照して、各洗浄機50について、使用可能な時間帯を取得する。なお使用可能な時間帯とは、洗浄予定のない時間帯を意味する。なお第2割当処理部140が最初に洗浄機割当処理を実行する際には、洗浄スケジュールはブランクであり、つまり、いずれの洗浄機50にも洗浄予定は登録されておらず、したがって全ての時間帯が使用可能となっている。使用可能な洗浄機50およびその使用可能な時間帯は、洗浄機割当部144に通知される。
洗浄機割当部144は、複数の使用可能な洗浄機50の中から、各々の内視鏡検査で使用されるスコープ30を洗浄するための洗浄機50を割り当てる。ここで洗浄機割当部144は、スコープ割当部126により内視鏡検査に対して割り当てられたスコープ30の検査終了予定時刻以後の時刻が洗浄開始予定時刻となるように、当該スコープ30を洗浄するための洗浄機50を割り当てる。なお本実施形態では、業務効率化の観点から、検査終了予定時刻と同じ時刻を洗浄開始予定時刻に設定可能としているが、検査終了予定時刻と洗浄開始予定時刻の間には、所定時間のインターバルを設けてもよい。
洗浄機割当部144は、洗浄機50を割り当てる対象となる複数のスコープ30、すなわちS18において検査に割り当てられた複数のスコープ30のうち、検査終了予定時刻の早いものから順に、洗浄機50を割り当てる。ここで検査E1〜E3の検査終了予定時刻は9:10であり、検査E4の検査終了予定時刻は9:15であるため、洗浄機割当部144は、検査E1、E2、E3、E4の順番で、使用されるスコープに対して洗浄機50を割り当てる。なお洗浄機割当部144は、検査にスコープ30を割り当てた順に、洗浄機50を割り当ててもよい。本実施形態においては、スコープ30に対して、割当可能な洗浄機50が常に存在している(S112のY)ことを前提としているが、割当可能な洗浄機50が存在していない場合(S112のN)には、スコープ30に洗浄機50を割当不能であることが通知される(S116)。
洗浄機割当部144は、検査E1で使用するスコープG−R−1に対して、第1洗浄機50aを割り当てる(S114)。なお実施形態において、全ての洗浄機50の洗浄予定時間を20分と設定するが、洗浄機50ごとに洗浄予定時間は異なってもよく、また洗浄機50における洗浄モードによって洗浄予定時間が異なってもよい。洗浄機割当部144は、検査E1の終了予定時刻を、洗浄開始予定時刻に設定し、その20分後を洗浄終了予定時刻に設定する(S118)。この割当により、第1洗浄機50aは、9:10〜9:30の間は、「使用中」のステータスが設定される。洗浄機50のステータスは、「使用中」または「待機中」のいずれかをとり、スケジュール情報の生成処理を開始する際には、全ての洗浄機50のステータスが「待機中」であることを前提とする。なおスコープG−R−1の9:10〜9:30の間のステータスは「洗浄中」となる。
次に洗浄機割当部144は、検査E2で使用するスコープG−R−2に対して、第2洗浄機50bを割り当てる(S114)。洗浄機割当部144は、検査E2の終了予定時刻を、洗浄開始予定時刻(9:10)に設定し、その20分後である9:30を洗浄終了予定時刻に設定する(S118)。この割当により、第2洗浄機50bは、9:10〜9:30の間は、「使用中」のステータスが設定される。
次に洗浄機割当部144は、検査E3で使用するスコープG−R−3に対して、第3洗浄機50cを割り当てる(S114)。洗浄機割当部144は、検査E3の終了予定時刻を、洗浄開始予定時刻(9:10)に設定し、その20分後である9:30を洗浄終了予定時刻に設定する(S118)。この割当により、第3洗浄機50cは、9:10〜9:30の間は、「使用中」のステータスが設定される。
最後に洗浄機割当部144は、検査E4で使用するスコープC−R−1に対して、第4洗浄機50dを割り当てる(S114)。洗浄機割当部144は、検査E4の終了予定時刻を、洗浄開始予定時刻(9:15)に設定し、その20分後である9:35を洗浄終了予定時刻に設定する(S118)。この割当により、第4洗浄機50dは、9:15〜9:35の間は、「使用中」のステータスが設定される。
このように洗浄機割当処理は、検査で使用する全てのスコープ30について洗浄機50が割り当てられるまで(S120のN)、繰り返される。検査で使用する全てのスコープ30について洗浄機50を割り当てると(S120のY)、洗浄機割当処理を終了する。洗浄機割当部144による割当結果は、洗浄スケジュール管理部130に通知される。
図14は、洗浄スケジュール管理部130により生成された洗浄スケジュールを示す。ここでは洗浄機割当部144による割当結果が洗浄スケジュールに反映されており、具体的には9:10〜9:30の間に、第1洗浄機50aでスコープG−R−1が洗浄されること、第2洗浄機50bでスコープG−R−2が洗浄されること、第3洗浄機50cでスコープG−R−3が洗浄されること、9:15〜9:35の間に第4洗浄機50dでスコープC−R−1が洗浄されること、が登録されている。洗浄スケジュール管理部130は、更新した洗浄スケジュールを、洗浄スケジュール保持部208に記録する。
図15は、スコープ30の個体のスケジュール情報を示す。ここでは理解を容易にするために、上記した処理が終了した段階で表示処理部150が個体スケジュールを表示する例を示しているが、実際には、全てのスケジューリングを終了した段階で、表示処理部150は、個体スケジュールを表示する。なお、図15において、C1は第1洗浄機50a、C2は第2洗浄機50b、C3は第3洗浄機50c、C4は第4洗浄機50dで洗浄中であることを示している。またE1、E2等は、使用中の検査の検査番号を示す。かかる個体スケジュールにより示される情報は、各個体のスケジュール情報となる。
図7に戻って、S20の洗浄機割当処理が終了すると、全検査番号の検査について処理が完了したかを判定し(S22)、完了していなければ、S16に戻って、基本フローが繰り返される。
以下、S16〜S20のステップを繰り返し実行して、スコープ30のスケジュール情報を生成するプロセスを説明する。なお、検査E1〜E4に関して上記したS16〜S20のステップは、1回目の処理となる。
<2回目:S16〜S20>
S16において、検査抽出部122が、第1検査室20aから検査E5、第2検査室20bから検査E6、第3検査室20cから検査E7、第4検査室20dから検査E8を抽出して、検査E5〜E8を、スコープ30を割り当てる対象となる検査として特定する。
S18において、スコープ特定部124が、検査E5、E6、E7に対して、上部検査用スコープである内視鏡番号4〜14のスコープを候補スコープとして決定し、検査E8に対して、下部検査用スコープである内視鏡番号16〜19のスコープを候補スコープとして決定する。なお検査E5、E6、E7の検査開始予定時刻(9:15)において、内視鏡番号1〜3のスコープのステータスは「洗浄中」であるため、検査E5、E6、E7の候補スコープとはならない。また検査E8の検査開始予定時刻(9:20)において、内視鏡番号15のスコープのステータスは「洗浄中」であるため、検査E8の候補スコープとはならない。特定された候補スコープは、スコープ割当部126に通知される。
スコープ特定部124からの通知を受けて、スコープ割当部126は、検査E5に対して内視鏡番号4のスコープG−R−4を、検査E6に対して内視鏡番号5のスコープG−R−5を、検査E7に対して内視鏡番号6のスコープG−R−6を割り当てる。またスコープ割当部126は、検査E8に対して内視鏡番号16のスコープC−R−2を割り当てる。
S20において、洗浄機割当部144は、検査E5のスコープG−R−4に対して第1洗浄機50aを割り当て、検査E6のスコープG−R−5に対して第2洗浄機50bを割り当て、検査E7のスコープG−R−6に対して第3洗浄機50cを割り当て、検査E8のスコープC−R−2に対して第4洗浄機50dを割り当てる。なお洗浄機割当部144は、スコープG−R−4、G−R−5、G−R−6の洗浄開始予定時刻を9:30、洗浄終了予定時刻を9:50に設定し、スコープC−R−2の洗浄開始予定時刻を9:35、洗浄終了予定時刻を9:55に設定する。
図16は、検査スケジュール管理部110により生成された検査スケジュールおよび洗浄スケジュール管理部130により生成された洗浄スケジュールを示す。ここではスコープ特定部124による割当結果が検査スケジュールに反映され、洗浄機割当部144による割当結果が洗浄スケジュールに反映されている。
<3回目:S16〜S20>
S16において、検査抽出部122が、第1検査室20aから検査E9、第2検査室20bから検査E10、第3検査室20cから検査E11、第4検査室20dから検査E12を抽出して、検査E9〜E12を、スコープ30を割り当てる対象となる検査として特定する。
S18において、スコープ特定部124が、検査E9、E10、E11に対して、上部検査用スコープである内視鏡番号1〜3、7〜14のスコープを候補スコープとして決定し、検査E12に対して、下部検査用スコープである内視鏡番号15、17〜19のスコープを候補スコープとして決定する。なお検査E9、E10、E11の検査開始予定時刻(9:30)において、内視鏡番号4〜6のスコープのステータスは「洗浄中」であるため、検査E9、E10、E11の候補スコープとはならない。また検査E12の検査開始予定時刻(9:40)において、内視鏡番号16のスコープのステータスは「洗浄中」であるため、検査E12の候補スコープとはならない。特定された候補スコープは、スコープ割当部126に通知される。
なお内視鏡番号1〜3のスコープは、9:30が洗浄終了予定時刻であり、9:30の時点で洗浄が終了しているため、ステータスは「待機中」であり、検査E9、E10、E11の候補スコープとなる。また内視鏡番号15のスコープは、9:35が洗浄終了予定時刻であり、9:40の時点でステータスは「待機中」であり、検査E12の候補スコープとなる。
スコープ特定部124からの通知を受けて、スコープ割当部126は、検査E9に対して内視鏡番号1のスコープG−R−1を、検査E10に対して内視鏡番号2のスコープG−R−2を、検査E11に対して内視鏡番号3のスコープG−R−3を割り当てる。またスコープ割当部126は、検査E12に対して内視鏡番号15のスコープC−R−1を割り当てる。
このようにスコープ割当部126は、検査開始予定時刻において洗浄が終了して「待機中」となっているスコープを、当該検査に再割り当てできる。つまりスケジューリング処理においては、スコープ割当部126は、洗浄機割当部144によりスコープ30に対して割り当てられた洗浄機50による洗浄終了予定時刻以後の時刻が、検査開始予定時刻となるように、内視鏡検査に対しスコープ30を割り当てることができる。この3回目のステップにおいては、洗浄機割当部144が効率的に洗浄機50をスコープ30に割り当てていることで、スコープG−R−1、G−R−2、G−R−3、C−R−1がそれぞれの洗浄終了予定時刻以後に開始される検査に再割り当てされており、スコープ30の効率的なスケジューリングが可能となっている。
S20において、洗浄機割当部144は、検査E9のスコープG−R−1に対して第1洗浄機50aを割り当て、検査E10のスコープG−R−2に対して第2洗浄機50bを割り当て、検査E11のスコープG−R−3に対して第3洗浄機50cを割り当て、検査E12のスコープC−R−1に対して第1洗浄機50aを割り当てる。なお洗浄機割当部144は、スコープG−R−1、G−R−2、G−R−3の洗浄開始予定時刻を9:50、洗浄終了予定時刻を10:10に設定し、スコープC−R−1の洗浄開始予定時刻を10:10、洗浄終了予定時刻を10:30に設定する。
図17は、検査スケジュール管理部110により生成された検査スケジュールおよび洗浄スケジュール管理部130により生成された洗浄スケジュールを示す。ここではスコープ割当部126による割当結果が検査スケジュールに反映され、洗浄機割当部144による割当結果が洗浄スケジュールに反映されている。
検査スケジュールに示されるように、スコープC−R−1が使用される検査E12は、その検査終了予定時刻が10:00であり、一方で、第4洗浄機50dの洗浄スケジュールによると、第4洗浄機50dは、9:55以降は使用可能となっている。そのため洗浄機割当部144は、検査E12のスコープC−R−1に、10:00から第4洗浄機50dを割り当てることも可能であるが、第4洗浄機50dに5分の未使用時間が生じてしまうため、洗浄機割当部144は、スコープC−R−1に、第1洗浄機50aを割り当てている。
<4回目:S16〜S20>
S16において、検査抽出部122が、第1検査室20aから検査E14、第2検査室20bから検査E15、第3検査室20cから検査E13、第4検査室20dから検査E19を抽出する。ここで図8のS34のステップを実行すると、第3検査室20cにおける検査E13の次の検査E16の検査開始予定時刻(10:00)は、第4検査室20dにおける検査E19の検査開始予定時刻(10:05)よりも早い(S34のN)。つまり第4検査室20dから抽出された検査E19は、まだ抽出されていない第3検査室20cの検査E16よりも後に開始される。そのため検査抽出部122は、検査E16の前に、検査E19にスコープを割り当てるべきでないと判断し、検査E19をスコープを割り当てる対象となる検査から外す(S38)。なお検査E13、E14、E15については、スコープ30を割り当てる対象となる検査として特定する。
S18において、スコープ特定部124が、検査開始予定時刻を9:45とする検査E13に対して、上部検査用スコープである内視鏡番号7〜14のスコープを候補スコープとして決定する。この検査開始予定時刻(9:45)において、内視鏡番号1〜3のスコープのステータスは「使用済」であり、内視鏡番号4〜6のスコープのステータスは「洗浄中」であるため、検査E13の候補スコープとはならない。またスコープ特定部124は、検査開始予定時刻を9:50とする検査E14、E15に対して、上部検査用スコープである内視鏡番号4〜14のスコープを候補スコープとして決定する。この検査開始予定時刻(9:50)において、内視鏡番号1〜3のスコープのステータスは「洗浄中」であるため、検査E13の候補スコープとはならない。特定された候補スコープは、スコープ割当部126に通知される。
スコープ特定部124からの通知を受けて、スコープ割当部126は、検査E13に対して内視鏡番号7のスコープG−H−1を、検査E14に対して内視鏡番号4のスコープG−R−4を、検査E15に対して内視鏡番号5のスコープG−R−5を割り当てる。スコープG−R−4、G−R−5は、9:50に洗浄を終了した後、再度検査に割り当てられている。
S20において、洗浄機割当部144は、検査E13のスコープG−H−1に対して第4洗浄機50dを割り当て、検査E14のスコープG−R−4に対して第2洗浄機50bを割り当て、検査E15のスコープG−R−5に対して第3洗浄機50cを割り当てる。なお洗浄機割当部144は、スコープG−H−1の洗浄開始予定時刻を9:55、洗浄終了予定時刻を10:15に設定し、G−R−4、G−R−5の洗浄開始予定時刻を10:10、洗浄終了予定時刻を10:30に設定する。
図18は、検査スケジュール管理部110により生成された検査スケジュールおよび洗浄スケジュール管理部130により生成された洗浄スケジュールを示す。ここではスコープ割当部126による割当結果が検査スケジュールに反映され、洗浄機割当部144による割当結果が洗浄スケジュールに反映されている。
図19は、スコープ30の個別スケジュールを示す。このように基本フローチャートにおけるS16〜S20を4回繰り返すことで、スコープ30の個別スケジュール情報が図19に示すように作成されている。
以上のように、S16〜S20の処理を最後の検査に対する割当処理が完了するまで繰り返す。
図20は、検査スケジュール管理部110により生成された検査スケジュールおよび洗浄スケジュール管理部130により生成された洗浄スケジュールを示す。ここではスコープ割当部126による割当結果が検査スケジュールに反映され、洗浄機割当部144による割当結果が洗浄スケジュールに反映されている。このように全ての検査に対して、スコープ30の割り当てが完了し、またスコープ30に対して洗浄機50の割り当てが完了することで、スコープ30のスケジュール情報の生成処理が終了する。
図21は、1日分のスコープ30の個別スケジュールを示す。
スコープ割当部126によるスコープ30の割当結果および/または洗浄機割当部144による洗浄機50の割当結果は、表示処理部150により端末装置12のディスプレイに表示される。
たとえば表示処理部150は、検査スケジュール保持部206から検査スケジュール情報を読み出して、図20に示す検査スケジュール表を端末装置12のディスプレイに表示してもよい。また表示処理部150は、洗浄スケジュール保持部208から洗浄スケジュール情報を読み出して、図20に示す洗浄スケジュール表を端末装置12のディスプレイに表示してもよい。また表示処理部150は、検査スケジュール表および洗浄スケジュール表を、同一画面に表示してもよい。これにより医師および検査準備者は、検査にどのスコープ30を使用するかを容易に認識でき、また検査準備者は、使用済みのスコープ30をどの洗浄機50で洗浄するかを容易に認識できるようになる。
また表示処理部150は、検査スケジュール保持部206から検査スケジュール情報を読み出し、また洗浄スケジュール保持部208から洗浄スケジュール情報を読み出して、スコープ30の個別スケジュール表を端末装置12のディスプレイに表示してもよい。この個別スケジュール表は、図21に示したものであり、かかる個別スケジュール表を生成することで、検査準備者は、スコープ30の各個体のスケジュールを知ることができる。検査準備者は、ある時点におけるスコープ30の状況を知りたい場合に、個別スケジュール表により、スコープ30が洗浄中であるのか、または検査使用中であるのかなどの状況を知ることができる。
なお図21に示すように、スコープC−R−1は、12:30〜12:50まで洗浄予定となっている。医療施設にもよるが、検査準備者の昼休みがたとえば12:30〜13:30と定められているような場合には、この洗浄処理は、勤務時間外であることが通知されてもよい。
終了時刻判定部146は、洗浄機割当部144によりスコープ30に洗浄機50を割り当てた結果、洗浄終了予定時刻が基準時刻(12:30)以後となるか否かを判定する。終了時刻判定部146により洗浄終了予定時刻が基準時刻以後となることが判定された場合に、洗浄機割当可否確認部148は、洗浄機割当の可否をユーザ(たとえば操作者)に確認する通知を行ってもよい。たとえば、この通知のタイミングは、全検査に対してスコープ30の割当処理が完了した後であってよい。なお図21を参照して、スコープG−H−1の洗浄終了予定時刻は12:35であるため、この洗浄予定に対しても、洗浄機割当可否確認部148は、洗浄機割当の可否をユーザに確認する。
なお医師のスケジュールは、検査オーダによって定められており、医師は、検査スケジュール表により、次の検査の開始予定時刻および検査室などを把握する。同様に情報管理装置10は検査準備者に対して、スケジュールを設定してもよい。このスケジュールでは、検査準備者が、検査開始前にスコープ30を検査室20に運び込み、また検査終了後にスコープ30を洗浄室40に運び込むことなどが設定されてよく、また検査室内で検査補助することなどが設定されていてもよい。
以下、実施形態の情報管理装置10によるスケジューリング処理に関する様々な態様について説明する。
<実施例1>
実施形態では、図11に示すスコープの検索処理において、スコープ特定部124が、割当対象となる内視鏡検査の検査種別情報にもとづいて、使用可能なスコープ30を特定した。このとき検査種別は、上部検査であるか、または下部検査であるかで区別していたが、実施例1では、さらに詳細な検査内容を示す検査種別情報にもとづいて、スコープ特定部124が、使用可能なスコープ30を特定する。
図22は、スコープ順位保持部204に保持されたスコープ順位テーブルを示す。スコープ順位テーブルは、検査種別に対して、優先的に割り当てるべきスコープ機種を対応付けて記録する。ここで「優先スコープ機種1」は、最も優先的に割り当てられるべき機種に関する情報であり、「優先スコープ機種2」は、2番目に優先的に割り当てられるべき機種に関する情報である。スコープ特定部124は、「優先スコープ機種1」で指定されるスコープ30が「待機中」であれば、そのスコープ30を候補スコープとして特定する。一方、スコープ特定部124は、「優先スコープ機種1」で指定されるスコープ30が「待機中」ではなく、「優先スコープ機種2」で指定されるスコープ30が「待機中」であれば、「優先スコープ機種2」のスコープ30を候補スコープとして特定する。このようにスコープ順位保持部204は、内視鏡検査の検査種別に対して、割り当てるスコープ30の機種の優先順位を保持し、スコープ特定部124は、優先順位の高い機種のスコープ30を候補スコープとして特定する。
図23は、実施例1におけるスコープの検索処理の詳細フローチャートを示す。スコープ特定部124は、「待機中」のステータスをもつ全てのスコープ30に関して、検索処理を実行する。スコープ特定部124は、割当対象となる内視鏡検査の検査種別情報にもとづいて、使用可能なスコープ30を特定する。S90では、検査の検査種別情報が上部検査を示す場合に、上部検査用スコープであれば対応しており、下部検査用スコープであれば対応していないことが判定される。また同様に、検査の検査種別情報が下部検査を示す場合に、下部検査用スコープであれば対応しており、上部検査用スコープであれば対応していないことが判定される。
実施形態における1回目のS16〜S20のステップに関して説明すると、スコープ特定部124は、検査E1、E2、E3に対しては、上部検査用スコープである内視鏡番号1〜14のスコープが対応しているスコープと判定し、検査E4に対しては、下部検査用スコープである内視鏡番号15〜19のスコープが対応しているスコープと判定する(S90)。
検査E1、E2、E3の検査種別は「上部ルーチン検査」であり、スコープ特定部124は、スコープ順位保持部204に保持されたスコープ順位情報を参照して、優先順位が最も高い機種(優先スコープ機種1)が「上部ルーチン機」であることを認識する。そこでスコープ特定部124は、対応するスコープに、「上部ルーチン機」が含まれているかを判定する(S96)。ここでは上部ルーチン機として、内視鏡番号1〜6のスコープが存在するため(S96のY)、スコープ特定部124は、内視鏡番号1〜6のスコープを候補スコープとして決定する(S92)。
また検査E4の検査種別は「下部ルーチン検査」であり、スコープ特定部124は、スコープ順位保持部204に保持されたスコープ順位情報を参照して、優先順位が最も高い機種(優先スコープ機種1)が「下部ルーチン機」であることを認識する。そこでスコープ特定部124は、対応するスコープに、「下部ルーチン機」が含まれているかを判定する(S96)。ここでは下部ルーチン機として、内視鏡番号15〜17のスコープが存在するため(S96のY)、スコープ特定部124は、内視鏡番号15〜17のスコープを候補スコープとして決定する(S92)。
なお検査E1〜E3に関して、対応するスコープに、優先スコープ機種1のスコープが含まれていない場合(S96のN)、スコープ特定部124は、スコープ順位保持部204に保持されたスコープ順位情報を参照して、優先順位が2番目に高い機種(優先スコープ機種2)が「上部高画質機」であることを認識する。そこでスコープ特定部124は、対応するスコープに、「上部高画質機」が含まれているかを判定し(S98)、含まれていれば(S98のY)、スコープ特定部124は、上部高画質機のスコープを候補スコープとして決定する(S92)。
なお対応するスコープに、優先スコープ機種2のスコープも含まれていない場合(S98のN)には、スコープ特定部124は、S90において検査種別に対応していると判定されたスコープのうち、優先スコープ機種以外の機種のスコープを、候補スコープとして決定する(S92)。スコープ特定部124は、特定した候補スコープをスコープ割当部126に通知し、スコープ割当部126は、実施形態で説明したように、検査に対してスコープ30を割り当てる。
なおスコープ特定部124が、優先順位の低い機種のスコープ30を特定し、スコープ割当部126が、内視鏡検査に、特定されたスコープを割り当てるときには、スコープ割当可否確認部128が、スコープ割当の可否をユーザに確認することが好ましい。たとえばスコープ割当可否確認部128は、優先スコープ機種1が割り当てられない場合には、優先順位の低い機種が割り当てられたとして、ユーザ確認を行ってもよいが、スコープ順位保持部204で設定されている機種が割り当てられていれば(たとえば優先スコープ機種2が割り当てられている)、ユーザ確認を行わなくてもよい。つまりスコープ特定部124が、優先スコープ機種以外の機種を候補スコープとして決定し、スコープ割当部126が、その候補スコープを検査に対して割り当てた場合に限って、スコープ割当可否確認部128が、スコープ割当の可否をユーザに確認するようにしてもよい。なおスコープ特定部124が、優先スコープ機種を候補スコープとして決定できない場合には(S98のN)、候補スコープなしであることを決定して、スコープ割当可否確認部128が、その旨をユーザに通知してもよい。
この確認のタイミングは、全検査に対してスコープ30の割当処理が完了した後であってよい。少なくともユーザは、1日の内視鏡検査業務の開始前に、適切なスコープ30を割り当てられていない検査が存在することを認識する必要がある。
実施形態と実施例1とを比較すると、たとえば実施形態では、図17に示すように、上部経鼻検査である検査E9に対して、上部ルーチン機であるスコープG−R−1が割り当てられている。しかしながら実施例1によると、スコープ特定部124が、スコープ順位保持部204に保持されたスコープ順位情報を参照して、検査E9の優先順位が最も高い機種(優先スコープ機種1)が「上部経鼻機」であることを認識することで、スコープ特定部124は、検査E9に対する候補スコープとして、内視鏡番号10のスコープG−N−1を特定することになる。同様に、上部精査検査である検査E10に対してスコープ特定部124は、候補スコープとして、上部高画質機である内視鏡番号7〜9のスコープG−H−1〜G−H−3を特定する。したがってスコープ割当部126は、検査E9に対してスコープG−N−1を割り当て、また検査E10に対してスコープG−H−1を割り当てる。このように実施形態と比較すると、実施例1では、内視鏡検査に対して、優先順位の高い、すなわち検査に適したスコープ30を割り当てられるため、検査スケジュールの完成度を高めることができる。
<実施例2>
内視鏡検査業務支援システム1において、消耗や老朽化が進んだスコープは、機能劣化や、故障が生じやすくなる。一般に、スコープの消耗や老朽化が突出して進むケースは、そのスコープの使用回数や使用時間が他のスコープよりも極端に多い場合であるため、実施例2では、複数のスコープ30の使用回数や使用時間を均等にすることを目的とする。
図3に戻って、使用状況記憶部224は、所有する複数のスコープ30の過去の使用状況を記憶する。
図24は、使用状況記憶部224に記憶された使用状況テーブルを示す。使用状況テーブルは、各スコープ30に対して、過去の使用状況を対応付けて記録している。この使用状況は、あくまでも過去のものであり、実際に使用されたときに、使用状況が更新されるようになっている。ここで使用状況は、「使用回数」と「使用時間」であり、「使用時間」は検査に使用された累積回数を、「使用時間」は検査に使用された累積時間を示す。
図1を参照して、検査を開始する際、スコープ30は、内視鏡観察装置22に接続されるが、このときスコープ30の識別情報(スコープID)がネットワーク2を介して情報管理装置10に送信される。検査を終了する際、内視鏡観察装置22において検査の終了ボタンが操作されると(またはスコープ30が内視鏡観察装置22から引き抜かれると)、検査の終了通知が情報管理装置10に送信される。情報管理装置10において、使用状況監視部160は、内視鏡観察装置22から送信される情報を監視し、スコープIDが送信されてから、検査終了通知が送信されるまでの時間を、検査使用時間として導出する。検査終了通知が送信されると、使用状況監視部160は、使用状況テーブルにおける該当するスコープ30の使用回数を1つ増やし、また使用時間に、今回導出した検査使用時間を加算して、使用状況テーブルを更新し、使用状況記憶部224に記録する。以上のようにして、使用状況テーブルが作成されている。
なお図24に示す使用状況テーブルは、あくまでも理解を容易にするために示した例である。図24において、たとえば内視鏡番号1〜6の上部ルーチン機の使用回数や使用時間が大きく異なっているが、実施例2では、このような状況が発生しないように、複数スコープの使用回数や使用時間を平準化(均等化)するための技術を提案するものである。そのため図24に示す使用状況テーブルは、あくまでも使用状況の例示にすぎないことにご留意いただきたい。
実施例2において、スコープ割当部126は、検査スケジュール管理部110が管理する各々の内視鏡検査に割り当て可能なスコープ30が複数存在する場合に、使用状況記憶部224に記憶された使用状況を参照して、過去の使用回数または過去の使用時間が相対的に少ないスコープ30を優先して内視鏡検査に割り当てる。
図25は、図9に示すスコープ割当処理におけるS56の詳細フローチャートを示す。スコープ割当部126は、スコープ特定部124から通知された候補スコープのうち、使用状況記憶部224に記憶された使用状況を参照して、過去の使用回数が最も少ない候補スコープを特定する(S130)。
以下、実施例1において説明したスコープ検索処理により、検査E1、E2、E3の候補スコープを特定した例で説明する。実施例1ではスコープ特定部124が、検査E1、E2、E3の候補スコープとして、内視鏡番号1〜6のスコープを特定し、スコープ割当部126に通知している。
スコープ割当部126は、使用状況記憶部224に記憶された内視鏡番号1〜6のスコープ使用状況を参照して、検査E1に対して、内視鏡番号1〜6のスコープのうち、使用回数が最も少ないスコープとして、内視鏡番号3のスコープG−R−3を特定する(S130)。スコープG−R−3の使用回数は40回であり、スコープG−R−1、G−R−2、G−R−4、G−R−5、G−R−6の使用回数よりも相対的に少なく、また使用回数を40回とするスコープは他にないため(S132のY)、スコープ割当部126は、検査E1に対して、スコープG−R−3を割り当てる(S136)。スコープ割当部126は、最も使用回数の少ないG−R−3を検査E1に優先して割り当てることで、スコープの使用回数の均等化に貢献する。
なおスコープ割当部126は、検査にスコープを割り当てると、当該スコープの使用状況として、仮の使用回数および使用時間(仮の使用状況)を設定する(S138)。ここでは内視鏡番号3の使用回数を、仮に1増やし、また図5に示す検査種別マスタテーブル210を参照して、使用時間を仮に10分(上部ルーチン検査の検査予定時間が10分)増やす。これにより内視鏡番号3の仮の使用回数は「41」となり、また仮の使用時間は「660分」となる。この仮の使用状況は、図25に示す割当実行処理において、以後使用されることになる。
なお仮の使用回数および使用時間は、使用状況記憶部224の使用状況テーブルに反映させない。仮の使用状況は、スコープ30のスケジューリングに使用するための目的でのみ設定され、全ての検査に対してスコープ30のスケジューリングが行われると、破棄されてよい。
次にスコープ割当部126は、使用状況記憶部224に記憶された内視鏡番号1、2、4〜6のスコープ使用状況を参照して、検査E2に対して、内視鏡番号1、2、4〜6のスコープのうち、使用回数が最も少ないスコープとして、内視鏡番号2のスコープG−R−2と内視鏡番号4のスコープG−R−4を特定する(S130)。スコープG−R−2、G−R−4の使用回数は50回であり、スコープG−R−1、G−R−5、G−R−6の使用回数よりも相対的に少ないが、同じ使用回数の2本のスコープが特定されている(S132のN)。ここでスコープ割当部126は、2本のスコープのうち、使用状況記憶部224に記憶された内視鏡番号2、4のスコープ使用状況を参照し、使用時間が最も少ないスコープとして、内視鏡番号2のスコープG−R−2を特定し(S134)、検査E2に対して、スコープG−R−2を割り当てる(S136)。スコープ割当部126は、候補スコープのうち、最も使用回数の少なく、且つ最も使用時間が少ないG−R−2を検査E2に優先して割り当てることで、スコープの使用時間の均等化に貢献する。スコープ割当部126は、内視鏡番号2のスコープの使用状況として、仮の使用回数および使用時間(仮の使用状況)を設定する(S138)。つまり、内視鏡番号2の仮の使用回数は「51」となり、また仮の使用時間は「510分」となる。
次にスコープ割当部126は、使用状況記憶部224に記憶された内視鏡番号1、4〜6のスコープ使用状況を参照して、検査E3に対して、内視鏡番号1、4〜6のスコープのうち、使用回数が最も少ないスコープとして、内視鏡番号4のスコープG−R−4を特定する(S130)。G−R−4の使用回数は50回であり、スコープG−R−1、G−R−5、G−R−6の使用回数よりも相対的に少ないため、検査E3に対して、スコープG−R−4を割り当てる(S136)。スコープ割当部126は、候補スコープのうち、最も使用回数の少ないG−R−4を検査E3に優先して割り当てることで、スコープの使用回数の均等化に貢献する。スコープ割当部126は、内視鏡番号4のスコープの使用状況として、仮の使用回数および使用時間(仮の使用状況)を設定する(S138)。
以上のように、スコープ割当部126は、各々の内視鏡検査に割り当て可能なスコープ30が複数存在する場合に、使用状況記憶部224に記憶された使用状況を参照して、過去の使用回数または過去の使用時間が相対的に少ないスコープ30を優先して内視鏡検査に割り当てることで、使用回数または使用時間の平準化に寄与する。なお図25においては、S130で使用回数が最も少ない候補スコープを特定し、S134で使用時間が最も少ない候補スコープを特定しているが、この順番は逆であってもよい。また使用回数および使用時間が同じである複数の候補スコープが存在する場合には、スコープ割当部126は、いずれの候補スコープを内視鏡検査に割り当ててもよい。
以上の実施例1〜2は、検査スケジュールにおけるスコープ30の割当態様について説明した。以下の実施例3では、洗浄スケジュールにおける洗浄機50の割当態様について説明する。
<実施例3>
図3に戻って、洗浄機順位保持部226は、スコープ30に対して、割り当てる洗浄機50の優先順位を保持する。
図26は、洗浄機順位保持部226に保持された洗浄機順位テーブルを示す。洗浄機順位テーブルは、スコープ30に対して、割り当てる洗浄機50の優先順位を対応付けて記録する。この洗浄機順位テーブルでは、縦軸に各スコープを、横軸に各洗浄機を記録して、スコープと洗浄機との組み合わせに対して、優先順位が設定されている。なお、この例では、第1洗浄機50aおよび第2洗浄機50bが薬液Aを使用し、第3洗浄機50cが薬液Bを使用し、第4洗浄機50dが薬液Cを使用するものとする。なお、洗浄機順位テーブルは、スコープ個体に対してではなく、スコープ機種に対して、割り当てる洗浄機50の優先順位を対応付けていてもよい。
実施例3において、第1洗浄機50aおよび第2洗浄機50bは、同一機種であってもよいが、別機種であってもよい。第1洗浄機50aおよび第2洗浄機50bと、第3洗浄機50c、第4洗浄機50dは、異なる薬液を使用し、したがってこれらの機種は異なっている。このように複数の洗浄機50が異なる機種により構成されている場合、洗浄機順位保持部226は、洗浄機機種に関する優先順位を保持する。
図26に示す洗浄機順位テーブルにおいて、設定値1は、優先順位が最も高いことを示し、設定値2は、優先順位が2番目に高いことを示す。また設定値3は、優先順位が3番目に高いことを示す。なお設定値0は、スコープ30に割り当てられることが禁止されていることを示す。
図26に示す洗浄機順位テーブルでは、薬液Cを使用する第4洗浄機50dに、設定値0が与えられている。これは、たとえば薬液Cがスコープ部材を劣化させやすい、強いアタック性を有しているため、医療施設において、多くのスコープ30の洗浄に使用することを禁止している事情による。この例では、上部処置機であるG−T−1、G−T−2、下部処置機であるC−T−1に対して、設定値2が与えられているものの、他のスコープに対しては設定値0が与えられて、使用が禁止されている。たとえば薬液Cは強酸性電解水であってよい。
このように図26に示す例では、割り当てる洗浄機50の優先順位が、洗浄機50において使用される洗浄薬液のアタック性にもとづいて設定されている。洗浄機順位テーブルは、医療施設のポリシーによって適宜作成されるものであり、アタック性の強弱に依存して洗浄機順位テーブルを作成することで、スコープ30の長寿命化を期待できる。一方で、たとえば強酸性電解水は、洗浄薬液としては非常に安価であるというメリットを有している。そのため、薬液にかかるコスト面に着目したポリシーによると、強酸性電解水を使用する洗浄機50に対して、設定値0以外の設定値を与えることも可能である。このように洗浄機順位保持部226で保持される洗浄機50の優先順位は、洗浄機50において使用される薬液にもとづいて設定されることになる。
図27は、図13に示す洗浄機割当処理におけるS110の詳細フローチャートを示す。S110において、洗浄機特定部142は、S18(図7参照)のスコープ割当処理により割り当てられたスコープ30のそれぞれに対して、所有する洗浄機50の検索処理を実行して、使用可能な洗浄機50を特定する。
以下、実施形態において説明したスコープ割当処理により、検査E1、E2、E3、E4に対して、それぞれスコープG−R−1、G−R−2、G−R−3、C−R−1が割り当てられた例で説明する。つまり図12に示す検査スケジュールが設定された状態で、洗浄機割当処理を開始する。
図3に戻って、第2割当処理部140において洗浄機特定部142は、洗浄機順位保持部226に保持された洗浄機順位情報を参照して、スコープG−R−1、G−R−2、G−R−3、C−R−1に関し、設定値0以外の洗浄機50を抽出する(S150)。S150では、使用が禁止されていない洗浄機50を抽出している。ここで上部ルーチン機であるスコープG−R−1、G−R−2、G−R−3については、第1洗浄機50a、第2洗浄機50b、第3洗浄機50cの設定値が0ではなく、また同様に下部ルーチン機であるスコープC−R−1についても、洗浄機50a、第2洗浄機50b、第3洗浄機50cの設定値が0ではない。したがって洗浄機特定部142は、検査E1〜E4の各々に対して、第1洗浄機50a、第2洗浄機50b、第3洗浄機50cを候補洗浄機として特定する(S152)。特定された候補洗浄機は、洗浄機割当部144に通知される。
図28は、図13に示す洗浄機割当処理におけるS114の詳細フローチャートを示す。S114において、洗浄機割当部144は、スコープ30に対して、洗浄機50を割り当てる。
最初に洗浄機割当部144は、検査E1のスコープG−R−1に対する洗浄機割当を行う。洗浄機割当部144は、洗浄スケジュール保持部208に保持されている洗浄スケジュールを参照して、候補洗浄機のうち、最先で割当可能な洗浄機50を特定する(S160)。なお実施形態で説明したように、洗浄機特定部142により、候補洗浄機の使用可能な時間帯が洗浄機割当部144に通知される場合には、洗浄機割当部144は、通知された時間帯を参照して、最先で割当可能な洗浄機50を特定してもよい。
ここで候補洗浄機、つまり第1洗浄機50a、第2洗浄機50b、第3洗浄機50cは、その初期状態において、全時間帯が使用可能であり、つまり全時間帯のステータスが「待機中」となっている。そこで洗浄機割当部144は、第1洗浄機50a、第2洗浄機50b、第3洗浄機50cの全てが最先で割当可能であることを特定し(S160)、最先で割当可能な洗浄機が複数あることを判定する(S162のY)。ここで洗浄機割当部144は、洗浄機順位保持部226に保持された優先順位を参照して、検査E1のスコープG−R−1に対して第1洗浄機50aおよび第2洗浄機50bに設定値1が与えられていることを認識する(S164)。これにより洗浄機割当部144は、スコープG−R−1に対して第1洗浄機50aを割り当てる(S166)。このようにして洗浄機割当部144は、優先順位の高い第1洗浄機50aを、スコープG−R−1に割り当て、これによりスコープに適した洗浄機で洗浄することが可能となる。なお、この洗浄開始予定時刻は9:10、洗浄終了予定時刻は9:30に設定されて、洗浄スケジュールに登録される。これにより第1洗浄機50aの9:10〜9:30の間のステータスは「使用中」となる。
次に洗浄機割当部144は、検査E2のスコープG−R−2に対する洗浄機割当を行う。洗浄機割当部144は、洗浄スケジュール保持部208に保持されている洗浄スケジュールを参照して、候補洗浄機のうち、最先で割当可能な洗浄機50を特定する(S160)。ここで第1洗浄機50aには、9:10〜9:30の使用予定が設定されているため、洗浄機割当部144は、第2洗浄機50b、第3洗浄機50cが最先で割当可能であることを特定し(S160)、最先で割当可能な洗浄機が複数あることを判定する(S162のY)。ここで洗浄機割当部144は、洗浄機順位保持部226に保持された優先順位を参照して、検査E2のスコープG−R−2に対して第2洗浄機50bに設定値1が与えられていることを認識する(S164)。これにより洗浄機割当部144は、スコープG−R−2に対して第2洗浄機50bを割り当てる。このようにして洗浄機割当部144は、優先順位の高い第2洗浄機50bを、スコープG−R−2に割り当てる。なお、この洗浄開始予定時刻は9:10、洗浄終了予定時刻は9:30に設定されて、洗浄スケジュールに登録される。
次に洗浄機割当部144は、検査E3のスコープG−R−3に対する洗浄機割当を行う。洗浄機割当部144は、洗浄スケジュール保持部208に保持されている洗浄スケジュールを参照して、候補洗浄機のうち、最先で割当可能な洗浄機50を特定する(S160)。ここで第1洗浄機50a、第2洗浄機50bには、9:10〜9:30の使用予定が設定されているため、洗浄機割当部144は、第3洗浄機50cが最先で割当可能であることを特定し(S160)、特定した洗浄機50が1つであることを判定する(S162のN)。これにより洗浄機割当部144は、スコープG−R−3に対して第3洗浄機50cを割り当てる。この洗浄開始予定時刻は9:10、洗浄終了予定時刻は9:30に設定されて、洗浄スケジュールに登録される。
なおスコープG−R−3に関して、第3洗浄機50cの設定値は2であり、優先順位は第1洗浄機50a、第2洗浄機50bと比べて低い。そのためスコープG−R−3に対して、第1洗浄機50aまたは第2洗浄機50bが使用可能となる時刻で、第1洗浄機50aまたは第2洗浄機50bを割り当てることも可能である。しかしながら、そのような場合には、スコープG−R−3の洗浄が遅くなり、作業効率の観点から好ましくない。そこで洗浄機割当部144は、割当が禁止されていない限りにおいて、優先順位が低い洗浄機50であっても、積極的に割り当てるようにしている。
次に洗浄機割当部144は、検査E4のスコープC−R−1に対する洗浄機割当を行う。洗浄機割当部144は、洗浄スケジュール保持部208に保持されている洗浄スケジュールを参照して、候補洗浄機のうち、最先で割当可能な洗浄機50を特定する(S160)。ここで第1洗浄機50a、第2洗浄機50b、第3洗浄機50cには、9:10〜9:30の使用予定が設定されており、洗浄機割当部144は、第1洗浄機50a、第2洗浄機50b、第3洗浄機50cの全てが最先で割当可能であることを特定し(S160)、最先で割当可能な洗浄機が複数あることを判定する(S162のY)。
ここで洗浄機割当部144は、洗浄機順位保持部226に保持された優先順位を参照して、検査E4のスコープC−R−1に対して第1洗浄機50aおよび第2洗浄機50bに設定値1が与えられていることを認識する(S164)。これにより洗浄機割当部144は、スコープC−R−1に対して第1洗浄機50aを割り当てる(S166)。このようにして洗浄機割当部144は、優先順位の高い第1洗浄機50aを、スコープC−R−1に割り当て、これによりスコープに適した洗浄機で洗浄することが可能となる。なお、この洗浄開始予定時刻は9:30、洗浄終了予定時刻は9:50に設定されて、洗浄スケジュールに登録される。
図29は、実施例3において洗浄スケジュール管理部130により生成された洗浄スケジュールを示す。ここでは洗浄機割当部144による割当結果が洗浄スケジュールに反映されており、具体的には9:10〜9:30の間に、第1洗浄機50aでスコープG−R−1が洗浄されること、第2洗浄機50bでスコープG−R−2が洗浄されること、第3洗浄機50cでスコープG−R−3が洗浄されること、9:30〜9:50の間に第1洗浄機50aでスコープC−R−1が洗浄されること、が登録されている。洗浄スケジュール管理部130は、更新した洗浄スケジュールを、洗浄スケジュール保持部208に記録する。
実施形態で説明した図14と比較すると、図29に示す洗浄スケジュールでは、第4洗浄機50dが使用されていない。これはスコープC−R−1に対して第4洗浄機50dの使用、換言すると薬液Cの使用が禁止されているために、第4洗浄機50dに対してスコープが割り当てられない状態となっている。なお図26において、スコープG−T−1、G−T−2、C−T−1に対しては、第4洗浄機50dの設定値は2となっており、したがって、これらのスコープの洗浄スケジューリングに際して、第4洗浄機50dが割り当てられることがある。
以上は、洗浄機順位保持部226において設定値が0の第4洗浄機50dの使用を禁止する場合について説明したが、この制限を緩めて洗浄スケジュールの生成処理を運用してもよい。上記した使用禁止の運用では、第4洗浄機50dが通常は使用されず、スコープ30の洗浄処理が効率よく進まずに、洗浄待ちのスコープ30が多くなるという状況が想定されるためである。そこで設定値0の洗浄機50は、スコープ30に割り当てることを禁止するという厳しい制限ではなく、スコープ30に割り当てることをできるだけ避ける、という緩やかな制限が採用されてもよい。この厳しい制限と緩やかな制限は、たとえばスケジューリングのモードによって定められてもよく、洗浄処理の効率化を促進する場合には、ユーザが、緩やかな制限のモードを選択することで、設定値0の洗浄機50を、スコープ30に割当可能としてもよい。
なお、この場合には、使用状況記憶部224(または後述する履歴記録部232)が、設定値0の洗浄機50で洗浄した回数を、スコープ30ごとに記憶しておくことが好ましい。洗浄機割当部144は、設定値0の洗浄機50で洗浄した回数がスコープ30によって突出して多くなることがないように、つまりは設定値0の洗浄機50で洗浄した回数が等しくなるように、スコープ30に対して洗浄機50を割り当てることが好ましい。なお設定値0の洗浄機50で洗浄する回数には上限(たとえば20回)が設定されていてもよく、洗浄機割当部144は、この上限を超えて、設定値0の洗浄機50を割り当てないようにしてもよい。
<実施例4>
実施例4では、スコープ30のスケジューリングに際して、あるスコープ30が、できるだけ特定の医師により使用されるような割当処理を行う。スコープ30と、それを使用する医師とをセットにすることで、たとえば長く良好な状態を維持しているスコープ30については、使用頻度の高い医師が上手に操作していることが分析でき、一方で、故障が生じやすいスコープ30などは、使用頻度の高い医師の操作に何かしらの問題があるなどの分析もできる。
図3に戻って、割当スコープ情報保持部228は、医師に対して優先的に割り当てるスコープに関する優先スコープ情報を保持する。
図30は、割当スコープ情報保持部228に記憶された優先スコープテーブルを示す。優先スコープテーブルは、内視鏡検査を担当する各医師に対して、割り当てるスコープ30の優先順位を定めた優先スコープ情報を、スコープ機種ごとに記録している。ここで優先順位は、医療施設が、同じ機種の複数のスコープ30を所有していることを前提として付与されるものであり、割当スコープ情報保持部228は、同じ機種の複数のスコープ30のうち、医師に対して優先的に割り当てるスコープを、優先スコープ情報として保持している。図30において、「優先スコープ1」は、割当優先順位が1番のスコープであり、「優先スコープ2」は、割当優先順位が2番のスコープであり、「優先スコープ3」は、割当優先順位が3番のスコープである。
たとえば医師Aは、上部ルーチン機に関して、スコープG−R−2の割当優先順位が1番であり、スコープG−R−1の割当優先順位が2番に設定されている。この優先スコープ情報は、あくまでも、優先スコープが医師に割当可能な場合に、優先的に割り当てることを指定する情報であり、必ず優先スコープが医師に割り当てられなければいけないわけではない。たとえば、医師Aが行う予定の検査において、検査開始予定時刻にスコープG−R−2、G−R−1のステータスが「待機中」でなければ、スコープ割当部126は、他の上部ルーチン機を割り当てて、検査に遅延が生じないようにする。
実施例4において、スコープ割当部126は、割当スコープ情報保持部228に保持された優先スコープ情報と、検査スケジュール管理部110が管理する内視鏡検査の担当医師に関する情報とにもとづいて、内視鏡検査に割り当てるスコープ30を決定する。
図31は、図9に示すスコープ割当処理におけるS56の詳細フローチャートを示す。スコープ割当部126は、内視鏡検査の担当医師にもとづいて、割当スコープ情報保持部228の保持された優先スコープ情報を取得する(S180)。
以下、実施例1において説明したスコープ検索処理により、検査E1、E2、E3、E4の候補スコープを特定した例で説明する。実施例1ではスコープ特定部124が、検査E1、E2、E3の候補スコープとして内視鏡番号1〜6のスコープを特定し、検査E4の候補スコープとして内視鏡番号15〜17のスコープを特定して、スコープ割当部126に通知している。
スコープ割当部126は、検査E1、E2、E3、E4のそれぞれの担当医師情報にもとづいて、各検査について割当スコープ情報保持部228から、使用するスコープ機種に関する優先スコープ情報を取得する(S180)。
図4の検査スケジュールを参照して、検査E1は医師Bが担当医であり、スコープ割当部126は、優先スコープテーブルを参照して、上部ルーチン機の優先スコープ1がG−R−3、優先スコープ2がG−R−1、優先スコープ3がG−R−2であることを認識する。検査E2は医師Cが担当医であり、スコープ割当部126は、上部ルーチン機の優先スコープ1がG−R−1、優先スコープ2がG−R−5、優先スコープ3がG−R−4であることを認識する。検査E3は医師Eが担当医であり、スコープ割当部126は、上部ルーチン機の優先スコープ1がG−R−5、優先スコープ2がG−R−6、優先スコープ3がG−R−4であることを認識する。また検査E4は医師Dが担当医であり、スコープ割当部126は、下部ルーチン機の優先スコープ1がC−R−3であることを認識する。
検査E1に関し、スコープ割当部126は、優先スコープ1であるスコープG−R−3が、内視鏡番号1〜6の候補スコープに含まれていることを判定し(S182のY)、したがって検査E1に対して、スコープG−R−3を割り当てる(S186)。これにより医師Bが、検査E1にて、スコープG−R−3を使用するようになる。
次に検査E2に関し、スコープ割当部126は、優先スコープ1であるスコープG−R−1が、内視鏡番号1、2、4〜6の候補スコープに含まれていることを判定し(S182のY)、したがって検査E2に対して、スコープG−R−1を割り当てる(S186)。これにより医師Cが、検査E2にて、スコープG−R−1を使用するようになる。
次に検査E3に関し、スコープ割当部126は、優先スコープ1であるスコープG−R−5が、内視鏡番号2、4〜6の候補スコープに含まれていることを判定し(S182のY)、したがって検査E3に対して、スコープG−R−5を割り当てる(S186)。これにより医師Eが、検査E3にて、スコープG−R−5を使用するようになる。
最後に検査E4に関し、スコープ割当部126は、優先スコープ1であるスコープC−R−3が、内視鏡番号15〜17の候補スコープに含まれていることを判定し(S182のY)、したがって検査E4に対して、スコープC−R−3を割り当てる(S186)。これにより医師Dが、検査E4にて、スコープC−R−3を使用するようになる。
このように候補スコープのなかに、優先スコープが複数存在する場合には、スコープ割当部126は、優先順位の高い優先スコープを検査に割り当てる。なお候補スコープのなかに、優先スコープが含まれない場合、つまり優先スコープ1、優先スコープ2、優先スコープ3のいずれもが含まれない場合(S182のN)、スコープ割当部126は、優先スコープ以外の候補スコープを特定して(S184)、検査に割り当てる(S186)。このように検査開始予定時刻において、割当可能な優先スコープが存在しなければ、その優先スコープが使用可能になるのを待つのではなく、別のスコープを割り当てて、効率的な検査スケジュールを作成するのが好ましい。なお候補スコープが存在しない場合には、その旨をユーザに知らせることが好ましい。
図32は、検査スケジュール管理部110により更新された検査スケジュールを示す。検査スケジュール管理部110は、スコープ割当部126から割当結果を通知されると、該当する検査に、割り当てられたスコープ30を登録する。ここでは検査E1にスコープG−R−3が使用されること、検査E2にスコープG−R−1が使用されること、検査E3にスコープG−R−5が使用されること、検査E4にスコープC−R−3が使用されること、が登録されている。検査スケジュール管理部110は、更新した検査スケジュールを、検査スケジュール保持部206に記録する。
実施例4においてスコープ割当部126は、特定の医師が担当する検査に、できるだけ特定のスコープ30を優先的に割り当てるため、当該スコープ30は、その医師による使用頻度が高くなる。
使用状況監視部160は、実際に実施された内視鏡検査で使用されたスコープ30の使用状況を監視し、履歴記録部232に記録する。これにより履歴記録部232は、実際の内視鏡検査で使用されたスコープ30の使用履歴情報を記録する。履歴記録部232は、スコープ30に関して、使用した検査情報、使用した医師と、使用日時情報などを対応付けて記録する。
なお履歴記録部232は、スコープ30の故障に関する履歴も記録する。たとえば故障履歴は、故障したときに操作していた医師、検査種別情報、および日時情報を含んでもよい。
表示処理部150は、履歴記録部232に記録された複数のスコープ30の使用履歴情報を、比較可能な形式で表示する。なお、このとき表示内容導出部152は、履歴記録部232に記録された使用履歴情報にもとづいて、統計量を算出する。ここで統計量とは、スコープ30に関して、医師ごとに算出される使用回数、使用時間などであり、表示内容導出部152は、表示する内容に応じた統計量を導出する機能をもつ。表示処理部150は、表示内容導出部152が算出した統計量を表示する。
期間指定部154は、使用履歴情報の期間を指定する。この期間は、端末装置12の画面上に設けられた入力枠に、ユーザが入力することで特定される。期間指定部154が期間を指定すると、表示内容導出部152は、その期間の使用履歴情報を履歴記録部232から抽出して、表示するべき統計量を算出し、表示処理部150は、指定された期間の使用履歴情報、つまり表示内容導出部152より算出された統計量を端末装置12のディスプレイに表示する。
図33は、端末装置12に表示される使用履歴情報の一例を示す。表示期間として、ユーザが2013/11/1〜2014/10/30までの期間を入力すると、期間指定部154が、この期間を指定し、表示内容導出部152は、この期間の使用履歴情報を履歴記録部232から抽出する。ここで表示内容導出部152は、各医師ごとの上部ルーチン機の使用回数を算出して、使用回数表を作成し、表示処理部150が、端末装置12のディスプレイに表示する。なお、表示内容導出部152は、この期間における故障履歴の一覧を作成して故障回数を算出し、表示処理部150が、あわせて故障回数や故障履歴を表示してもよい。
この使用回数表により、ユーザは、どのスコープの故障が少なく、また、そのスコープの使用頻度の高い医師を特定できる。また逆に、ユーザは、どのスコープの故障が多く、そのスコープの使用頻度の高い医師を特定できる。このようにスコープ割当部126が、特定の医師が特定のスコープを優先的に使用するようにスコープ割当処理を行うことで、実際にスコープ30が使用された履歴情報は、故障分析などを行う際に有用な情報となる。また表示処理部150が、複数のスコープ30の使用履歴情報を、比較可能な形式で表示することで、ユーザは、一目でスコープ30の使用状態の違いを認識できるようになる。
図34は、端末装置12に表示される使用履歴情報の一例を示す。この使用回数グラフは、図33に示した使用回数表をグラフ形式で表現したものである。このようにグラフ形式で表現することで、スコープ30の使用状態の違いが一目で理解できるようになる。
なお図33、図34においては、表示処理部150が、各スコープ30についての医師ごとのスコープ使用回数を使用履歴情報として表示したが、たとえば医師ごとのスコープ使用時間を使用履歴情報として表示してもよい。また表示処理部150は、医師が使用したスコープ30の使用回数や使用時間を、医師ごとに表示してもよい。
<実施例5>
実施例5では、スコープ30のスケジューリングに際して、あるスコープ30が、できるだけ特定の検査準備者により洗浄されるように、検査準備者に対して洗浄業務を割り当てる処理を行う。スコープ30の洗浄業務と、それを洗浄する検査準備者とをセットにすることで、たとえば長く良好な状態を維持しているスコープ30については、洗浄頻度の高い担当者が上手に洗浄していることが分析でき、一方で、故障が生じやすいスコープ30などは、洗浄工程において何かしらの問題があるなどの分析もできる。
図3に戻って、割当担当者情報保持部230は、スコープ30に対して、洗浄業務を優先的に割り当てる担当者に関する優先担当者情報を保持する。
図35は、割当担当者情報保持部230に記憶された優先担当者テーブルを示す。優先担当者テーブルは、洗浄業務を割り当てる検査準備者(以下、「担当者」とも呼ぶ)の優先順位を定めた優先担当者情報を、スコープ30ごとに記録している。つまり割当担当者情報保持部230は、1つのスコープ30に対して、洗浄業務を割り当てる担当者の優先順位を保持している。図35において、「優先担当者1」は、割当優先順位が1番の担当者であり、「優先担当者2」は、割当優先順位が2番の担当者である。
たとえばスコープG−R−1は、技師Aの割当優先順位が1番であり、技師Bの割当優先順位が2番に設定されている。この優先担当者情報は、あくまでも、優先担当者が洗浄業務に割当可能な場合に、優先的に割り当てることを指定する情報であり、必ず優先担当者として指定される検査準備者が、そのスコープの洗浄業務に割り当てられなければいけないわけではない。たとえば、スコープG−R−1を使用した検査が終了となり、そのスコープを洗浄する際に、技師A、技師Bが他の業務を行っている場合には、担当者割当部149は、別の技師(たとえば技師C)を、その洗浄業務に割り当て、洗浄作業に遅延が生じないようにする。
実施例5において、担当者割当部149は、割当担当者情報保持部230に保持された優先担当者情報と、検査スケジュール管理部110が管理するスコープ情報とにもとづいて、スコープの洗浄業務の担当者を決定する。
図36は、担当者割当処理のフローチャートを示す。なお図36に示す担当者割当処理は、図13に示す洗浄機割当処理において、S118とS120の間の処理として追加される。図13に示すフローチャートにおいて、洗浄機割当部144が、使用済みスコープに対して洗浄機50を割り当て(S114)、洗浄開始予定時刻および洗浄終了予定時刻を設定した後(S118)、担当者割当部149が、洗浄が予定されるスコープ30にもとづいて、割当担当者情報保持部230に保持された優先担当者情報を取得する(S200)。
以下、実施例4において説明したスコープ割当処理により、検査E1、E2、E3、E4に対して、それぞれスコープG−R−3、G−R−1、G−R−5、C−R−3が割り当てられた例で説明する。
図37は、洗浄スケジュール管理部130により生成された洗浄スケジュールを示す。ここでは洗浄機割当部144による割当結果が洗浄スケジュールに反映されており、具体的には9:10〜9:30の間に、第1洗浄機50aでスコープG−R−3が洗浄されること、第2洗浄機50bでスコープG−R−1が洗浄されること、第3洗浄機50cでスコープG−R−5が洗浄されること、9:15〜9:35の間に第4洗浄機50dでスコープC−R−3が洗浄されること、が登録されている。
実施例5の洗浄スケジュール管理部130は、洗浄機50と、洗浄開始予定時刻情報および洗浄終了予定時刻情報に加えて、洗浄業務を担当する洗浄担当者を含む複数のスコープの洗浄スケジュールを管理する。以下、洗浄スケジュールに、洗浄担当者を登録する手法について説明する。
担当者割当部149は、検査E1、E2、E3、E4のそれぞれに割り当てられたスコープ情報にもとづいて、各スコープ30について割当担当者情報保持部230から優先担当者情報を取得する(S200)。
図35の優先担当者テーブルを参照して、スコープG−R−3の優先担当者1は技師Bであり、スコープG−R−1の優先担当者1は技師Aであり、スコープG−R−5の優先担当者は技師Cであり、スコープC−R−3の優先担当者1は技師Cである。
スコープG−R−3に関し、担当者割当部149は、優先担当者1である技師Bが、スコープG−R−3の洗浄業務を担当可能であるか判定する(S202)。実施例5において各技師には、担当者スケジュールが設定されており、担当者スケジュールにおいて、洗浄開始予定時刻および洗浄終了予定時刻に空きがあるか判定することで、担当者割当部149は、技師BがスコープG−R−3の洗浄業務を担当可能であるか判定する。スコープG−R−3の洗浄開始予定時刻と、洗浄終了予定時刻に、他の業務が入っていなければ、担当者割当部149は、技師Bに、スコープG−R−3の洗浄業務を割当可能であることを判定し(S202のY)、当該スコープの洗浄業務を技師Bに割り当てる(S206)。なお、担当者スケジュールにおいて、洗浄開始予定時刻および洗浄終了予定時刻のいずれかに他の業務が入っていれば、担当者割当部149は、技師Bに、スコープG−R−3の洗浄業務を割当不能であることを判定する(S202のN)。なお優先担当者2である技師Cに対しても割当不能であれば、担当者割当部149は、優先担当者以外の担当者で、当該時刻に空きがある担当者を特定して(S204)、洗浄業務に割り当てる(S206)。
次にスコープG−R−1に関し、担当者割当部149は、優先担当者1である技師Aが、スコープG−R−1の洗浄業務を担当可能であるか判定する(S202)。担当者割当部149は、技師AにスコープG−R−1の洗浄業務を割当可能である場合には(S202のY)、当該スコープG−R−1の洗浄業務を技師Bに割り当てる(S206)。なお、担当者スケジュールにおいて、洗浄開始予定時刻および洗浄終了予定時刻のいずれかに他の業務が入っていれば、担当者割当部149は、技師Aに、スコープG−R−1の洗浄業務を割当不能であることを判定する(S202のN)。このとき優先担当者2である技師Bに対しても割当不能であれば、担当者割当部149は、優先担当者以外の担当者で、当該時刻に空きがある担当者を特定して(S204)、洗浄業務に割り当てる(S206)。
次にスコープG−R−5に関し、担当者割当部149は、優先担当者1である技師Cが、スコープG−R−5の洗浄業務を担当可能であるか判定する(S202)。担当者割当部149は、技師CにスコープG−R−5の洗浄業務を割当可能である場合には(S202のY)、当該スコープG−R−5の洗浄業務を技師Cに割り当てる(S206)。なお、担当者スケジュールにおいて、洗浄開始予定時刻および洗浄終了予定時刻のいずれかに他の業務が入っていれば、担当者割当部149は、技師Cに、スコープG−R−5の洗浄業務を割当不能であることを判定する(S202のN)。このとき優先担当者2である技師Bに対しても割当不能であれば、担当者割当部149は、優先担当者以外の担当者で、当該時刻に空きがある担当者を特定して(S204)、洗浄業務に割り当てる(S206)。
次にスコープC−R−3に関し、担当者割当部149は、優先担当者1である技師Cが、スコープC−R−3の洗浄業務を担当可能であるか判定する(S202)。担当者割当部149は、技師CにスコープC−R−3の洗浄業務を割当可能である場合には(S202のY)、当該スコープC−R−3の洗浄業務を技師Cに割り当てる(S206)。なお、担当者スケジュールにおいて、洗浄開始予定時刻および洗浄終了予定時刻のいずれかに他の業務が入っていれば、担当者割当部149は、技師Cに、スコープC−R−3の洗浄業務を割当不能であることを判定する(S202のN)。このとき優先担当者2である技師Bに対しても割当不能であれば、担当者割当部149は、優先担当者以外の担当者で、当該時刻に空きがある担当者を特定して(S204)、洗浄業務に割り当てる(S206)。
ある洗浄業務に対して、優先担当者1と優先担当者2のいずれもが割当可能である場合には、担当者割当部149は、優先順位の高い担当者を洗浄業務に割り当てる。割り当てられた担当者情報は、洗浄スケジュール管理部130に通知される。
図38は、洗浄スケジュール管理部130により更新された洗浄スケジュールを示す。洗浄スケジュール管理部130は、担当者割当部149から割当結果を通知されると、該当する洗浄処理に、割り当てられた担当者を登録する。ここではスコープG−R−3の洗浄業務を技師Bが担当すること、スコープG−R−1の洗浄業務を技師Aが担当すること、スコープG−R−5の洗浄業務を技師Cが担当すること、スコープC−R−3の洗浄業務を技師Cが担当すること、が登録されている。このように洗浄スケジュール管理部130は、洗浄業務を行う担当者も洗浄スケジュールに追加し、更新した洗浄スケジュールを、洗浄スケジュール保持部208に記録する。
実施例5において担当者割当部149は、特定のスコープ30の洗浄業務を、できるだけ特定の検査準備者が担当するように優先的に割り当てるため、当該スコープ30の洗浄業務は、その担当者が行う機会が多くなる。
使用状況監視部160は、実際に実施されたスコープ30の洗浄処理状況を監視し、履歴記録部232に記録する。たとえば各洗浄機50には、担当者IDを読み取る読取手段が設けられており、担当者がIDカードなどを読取手段で読み取らせることによって、洗浄業務を行っている担当者が特定されるようになっている。使用状況監視部160は、この洗浄処理状況を監視して、履歴記録部232は、洗浄されたスコープ30の洗浄履歴情報を記録する。履歴記録部232は、スコープ30に関して、洗浄された日時情報、洗浄した担当者などを対応付けて記録する。
なお履歴記録部232は、スコープ30の故障やメンテナンスに関する履歴も記録する。たとえば上記履歴は、故障やメンテナンスをしたときに作業をしていた担当者および日時情報を含んでもよい。
表示処理部150は、履歴記録部232に記録された複数のスコープ30の洗浄履歴情報を、比較可能な形式で表示する。なお、このとき表示内容導出部152は、履歴記録部232に記録された洗浄履歴情報にもとづいて、統計量を算出する。ここで統計量とは、スコープ30に関して、担当者ごとに算出される洗浄回数、洗浄時間などであり、表示内容導出部152は、表示する内容に応じた統計量を導出する機能をもつ。表示処理部150は、表示内容導出部152が算出した統計量を表示する。
期間指定部154は、洗浄履歴情報の期間を指定する。この期間は、端末装置12の画面上に設けられた入力枠に、ユーザが入力することで特定される。期間指定部154が期間を指定すると、表示内容導出部152は、その期間の洗浄履歴情報を履歴記録部232から抽出して、表示するべき統計量を算出し、表示処理部150は、指定された期間の洗浄履歴情報、つまり表示内容導出部152より算出された統計量を端末装置12のディスプレイに表示する。
図39は、端末装置12に表示される洗浄履歴情報の一例を示す。表示期間として、ユーザが2013/11/1〜2014/10/30までの期間を入力すると、期間指定部154が、この期間を指定し、表示内容導出部152は、この期間の洗浄履歴情報を履歴記録部232から抽出する。ここで表示内容導出部152は、各担当者ごとの上部ルーチン機の洗浄回数を算出して、洗浄回数表を作成し、表示処理部150が、端末装置12のディスプレイに表示する。なお、表示内容導出部152は、この期間における故障履歴の一覧を作成して故障回数を算出し、表示処理部150が、あわせて故障回数や故障履歴を表示してもよい。
この洗浄回数表により、ユーザは、どのスコープの故障が少なく、また、そのスコープの洗浄頻度の高い技師を特定できる。また逆に、ユーザは、どのスコープの故障が多く、そのスコープの洗浄頻度の高い技師を特定できる。このように担当者割当部149が、特定のスコープの洗浄業務を特定の担当者に優先的に割り当てることで、実際にスコープ30が洗浄された履歴情報は、故障分析などを行う際に有用な情報となる。また表示処理部150が、複数のスコープ30の洗浄履歴情報を、比較可能な形式で表示することで、ユーザは、一目でスコープ30の使用状態の違いを認識できるようになる。
図40は、端末装置12に表示される洗浄履歴情報の一例を示す。この洗浄回数グラフは、図39に示した洗浄回数表をグラフ形式で表現したものである。このようにグラフ形式で表現することで、スコープ30の使用状態の違いが一目で理解できるようになる。
なお図39、図40においては、表示処理部150が、各スコープ30についての担当者ごとのスコープ洗浄回数を洗浄履歴情報として表示したが、たとえば担当者ごとのスコープ洗浄時間を洗浄履歴情報として表示してもよい。また表示処理部150は、担当者が洗浄したスコープ30の洗浄回数や洗浄時間を、担当者ごとに表示してもよい。
以上、本発明のスケジューリング処理に関する構成を実施形態および実施例1〜5をもとに説明した。このスケジューリング処理に関する実施形態および実施例1〜5は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。特に実施例4、5は、それぞれスコープ使用履歴、スコープ洗浄履歴を記録するものであり、両実施例を組み合わせることは、非常に意義がある。
<再スケジューリング処理>
実施形態および実施例1〜5に関して説明した処理により、1日の内視鏡検査業務の開始前に、検査スケジュールおよび洗浄スケジュールが生成される。医療施設においては、生成した検査スケジュールおよび洗浄スケジュールにしたがって検査業務が進行することが理想であるが、しかしながら現場においては、様々な要因により検査スケジュールおよび/または洗浄スケジュール通りに業務が進行しないことがある。
代表的な要因の一つは、看護師が間違って、予定とは異なるスコープ30を検査室に用意してしまい、そのまま検査が開始されてしまうことである。検査スケジュールには使用予定のスコープ30が検査に割り当てられており、本来であれば、看護師は検査スケジュール表を確認して、予定されているスコープ30を用意しなければならない。しかしながら多忙な現場では、検査スケジュール表や、スコープ30に貼り付けられた印字テープの見間違いにより、予定とは異なるスコープ30を用意して、間違いに気付かないまま検査が開始することもある。
また検査開始前に間違いに気付いた場合であっても、予定されているスコープ30を洗浄室40などに取りに行くにはある程度の時間がかかるため、スコープ30を準備し直してから検査を開始しようとすると、予定時刻よりも検査開始が遅れてしまう場合もある。そのような場合には、検査開始を優先して、スコープ30の検査への割当を再スケジューリングする方が、検査業務を効率的に進行できると考えられる。
図41は、検査スケジュール管理部110により生成された検査スケジュールおよび洗浄スケジュール管理部130により生成された洗浄スケジュールの例を示す。図41に示す検査スケジュールは、実施例1に関して説明したスコープ割当処理によりスコープ順位テーブルにしたがって各検査にスコープを割り当てて作成されている。また図41に示す洗浄スケジュールは、実施形態に関して説明した洗浄機割当処理により作成されている。以下の実施例6〜8で説明する再スケジューリング処理においては、図41に示す検査スケジュールおよび洗浄スケジュールに含まれる要素を再スケジューリング処理の対象とするが、これは一例であって、図20に示す検査スケジュールおよび洗浄スケジュールを対象としてもよい。いずれにしても、再スケジューリング処理においては、予め検査スケジュールおよび洗浄スケジュールが生成されていることが前提となる。なお説明の便宜上、洗浄スケジュールにおいて、洗浄処理を特定するために、W1〜W41の洗浄番号を付している。
また図41においては、医療施設が5本の上部高画質機を所有していることを前提としている。
図42は、所有スコープマスタテーブル222の一例を示す。図6に示す所有スコープマスタテーブル222と比較すると、医療施設が5本の上部高画質機を所有している点で相違している。つまり図42に示す所有スコープマスタテーブル222においては、上部高画質機であるG−H−4、G−H−5の2本が追加されている点で図6に示す所有スコープマスタテーブル222と相違しており、図41の検査スケジュールにおいて、検査E36にスコープG−H−4が、検査E37にスコープG−H−5がそれぞれ割り当てられている。
図43は、情報管理装置10の構成のうち、再スケジューリング処理を実行する機能を備えた処理部100の構成を示す。処理部100は、検査スケジュール管理部110、第1割当処理部120、洗浄スケジュール管理部130、第2割当処理部140、表示処理部150、状況情報取得部170、再スケジュール処理部172、変更不可検査特定部174および入力受付部176を備える。なお図43には示していないが、処理部100は、図3に示すように表示内容導出部152、期間指定部154および使用状況監視部160も備えて構成されており、また第1割当処理部120は、検査抽出部122、スコープ特定部124、スコープ割当部126、スコープ割当可否確認部128および医師割当部129を有し、第2割当処理部140は、洗浄機特定部142、洗浄機割当部144、終了時刻判定部146、洗浄機割当可否確認部148および担当者割当部149を有して構成されている。
処理部100の各構成は、ハードウェア的には、任意のコンピュータのCPU、メモリ、その他のLSIで実現でき、ソフトウェア的にはメモリにロードされたプログラムなどによって実現されるが、ここではそれらの連携によって実現される機能ブロックを描いている。したがって、これらの機能ブロックがハードウェアのみ、ソフトウェアのみ、またはそれらの組み合わせによっていろいろな形で実現できることは、当業者には理解されるところである。
以下に示す再スケジューリング処理は、内視鏡検査業務の開始後、実際の内視鏡(スコープ)の状況に応じて実施される。
<実施例6>
状況情報取得部170は、内視鏡(スコープ)の状況に関する状況情報を取得する。状況情報取得部170は、内視鏡観察装置22と通信を行う通信部を有し、内視鏡観察装置22から送信される情報を取得する機能を有してよい。この点において状況情報取得部170は、図3に示した使用状況監視部160の機能を含むものであってよい。
検査の開始前、スコープ30は内視鏡観察装置22に接続されるが、このときスコープ30の識別情報(スコープID)が、内視鏡観察装置22を識別する情報(観察装置ID)および検査を識別する情報(検査ID)とともに、ネットワーク2を介して情報管理装置10に送信される。また検査を開始する際、内視鏡観察装置22において検査の開始ボタンが操作されると、検査の開始通知が検査IDおよび観察装置IDとともに情報管理装置10に送信される。なおスコープIDは、検査開始通知とともに、情報管理装置10に送信されてもよい。
また検査を終了する際、内視鏡観察装置22において検査の終了ボタンが操作されると、検査の終了通知が検査IDおよび観察装置IDとともに情報管理装置10に送信される。なお検査中に、スコープが交換されて、別のスコープが内視鏡観察装置22に接続された場合にも、検査IDおよび観察装置IDとともに、新たに接続されたスコープ30のスコープIDが情報管理装置10に送信される。
情報管理装置10において、状況情報取得部170は、内視鏡観察装置22から送信される情報を監視し、使用するスコープ30を特定するスコープIDを、スコープの使用を示す状況情報として取得し、また検査開始通知情報および検査終了通知情報を、検査の実施状況に関する状況情報として取得する。状況情報取得部170は取得した状況情報を、取得した時刻情報とともに再スケジュール処理部172に即時に(リアルタイムで)提供する。なお状況情報取得部170は、取得した状況情報を、取得した時刻情報とともに再スケジュール処理部172に定期的に提供してもよい。
なお内視鏡観察装置22に、スコープ30のスコープIDを読み取る手段が設けられ、看護師は検査開始前に、スコープ30のスコープIDを読取手段により読み取らせるようにしてもよい。たとえばスコープ30にRFIDタグ等が内蔵され、内視鏡観察装置22に設けられたタグ読取手段が、RFIDタグ内のスコープIDを取得する。内視鏡観察装置22は、取得したスコープIDを、検査IDおよび観察装置IDとともに情報管理装置10に送信する。なおスコープIDは、看護師により検査室20内の端末装置から入力されて、情報管理装置10に送信されてもよい。
状況情報取得部170は、スコープの状況および検査の状況に関する状況情報を、何らかの手段によって取得できればよいが、効率的な再スケジューリング処理を実行するためには、状況情報をリアルタイムで取得して、取得した時刻情報とともに、再スケジュール処理部172に即時に提供することが好ましい。
再スケジュール処理部172は、状況情報にもとづいて、図41に示す検査スケジュールおよび/または洗浄スケジュールに含まれる要素の変更が必要であるか否かを判定する。たとえば状況情報取得部170が、検査開始通知情報を受け取った時点で、同一検査に関して事前に取得したスコープIDが、検査スケジュールにおいてスコープ割当部126により検査に対して割り当てられたスコープIDと異なる場合、再スケジュール処理部172は、検査スケジュールおよび/または洗浄スケジュールの変更が必要であることを判定する。
再スケジュール処理部172は、状況情報にもとづいて検査スケジュールおよび/または洗浄スケジュールの変更が必要であることを判定すると、検査スケジュール管理部110または洗浄スケジュール管理部130の少なくとも1つに対して、検査スケジュールおよび/または洗浄スケジュールに含まれる要素の変更を指示する。ここで検査スケジュールに含まれる要素とは、検査IDで特定される検査、検査に対して割り当てられている検査室、検査開始予定時刻情報、検査終了予定時刻情報、担当医師、スコープ30の識別情報(スコープID)であり、また洗浄スケジュールに含まれる要素とは、スコープ30に対して割り当てられている洗浄機、洗浄開始予定時刻情報、洗浄終了予定時刻情報である。なお実施例5(図38)に示すように、洗浄スケジュールにおいて、洗浄処理に担当者が割り当てられている場合には、洗浄スケジュールに含まれる要素に、担当者情報も含まれる。
なおスコープ30には、スコープを識別するためのスコープIDが付加されており、このスコープIDは、数字およびアルファベットで構成されるシリアルナンバであって、G−R−1、G−R−2などの個体名称とは異なるものである。しかしながら、この個体名称は、本願明細書においてスコープ30を一意に特定するものとして使用しており、以下においては、便宜上、G−R−1、G−R−2などの個体名称を、スコープを識別するためのスコープIDであるものとして説明を行う。
以下、実施例6における具体的な再スケジューリング処理について説明する。
図44は、実際の検査において、予定していたスコープとは別のスコープを使用した例を示す。検査スケジュールにおいて、検査E21に対してスコープG−R−1が割り当てられていたところ、第2検査室20bにおいて、予定されていなかったスコープG−R−2が内視鏡観察装置22bに接続されて検査E21が開始されている。なお検査E21は、スケジュール通り10:20に開始されたものとする。
第2検査室20bにおいて、検査E21の準備期間(10:15〜10:20)の間に看護師等がスコープ30を運び込み、内視鏡観察装置22bに接続する。内視鏡観察装置22bは、スコープ30を接続されると、スコープID、検査IDおよび観察装置IDを、情報管理装置10に送信する。情報管理装置10において、状況情報取得部170は、スコープID、検査IDおよび観察装置IDを、スコープの状況に関する状況情報として取得する。状況情報取得部170は、取得した状況情報を、再スケジュール処理部172に提供する。
検査の開始予定時刻(10:20)になると、検査の開始ボタンが操作され、検査の開始通知が検査IDおよび観察装置IDとともに情報管理装置10に送信される。状況情報取得部170は、検査開始通知情報、検査IDおよび観察装置IDを、検査の実施状況に関する状況情報として取得する。状況情報取得部170は、取得した状況情報を、再スケジュール処理部172に提供する。
なお上記したように内視鏡観察装置22は、スコープIDを、検査の開始ボタンが操作されたときに、検査開始通知情報、検査IDおよび観察装置IDとともに情報管理装置10に送信してもよい。この場合、状況情報取得部170は、スコープIDおよび検査開始通知情報を、同じタイミングで取得することになる。
再スケジュール処理部172は、状況情報取得部170から検査の開始通知情報を受けると、検査E21で実際に使用されているスコープ30のスコープIDが、検査スケジュールにおいて検査E21に対して割り当てられたスコープIDと一致しているか否かを判定する。このとき、状況情報取得部170で取得されたスコープIDは「G−R−2」であり、一方で、検査E21に対して割り当てられていたスコープIDは「G−R−1」である。そのため再スケジュール処理部172は、使用されているスコープが、予定されているスコープとは異なることを検出し、検査スケジュールおよび/または洗浄スケジュールの変更が必要なことを判定する。
再スケジュール処理部172は、スケジュール変更が必要なことを判定すると、検査スケジュール管理部110または洗浄スケジュール管理部130の少なくとも1つに対して、スケジュールに含まれる要素の変更を指示する。この実施例6では再スケジュール処理部172は、洗浄スケジュール管理部130に対して、洗浄スケジュールに含まれる要素の変更を指示し、洗浄スケジュール管理部130は、検査E21で使用予定であったスコープG−R−1の洗浄W20を、スコープG−R−2の洗浄に変更する。また再スケジュール処理部172は、検査スケジュール管理部110に対して、検査スケジュールに含まれる要素の変更を指示し、検査スケジュール管理部110は、検査スケジュールの要素として、検査E21の割当スコープをスコープG−R−2に変更するとともに、検査E21の開始時刻よりも後に開始される検査において、スコープが予定通りに使用できるかを調査する。なお、検査E21においてスコープG−R−2は実際に使用中であるが、スケジュール要素としてスコープG−R−2を登録することで、以後のスケジュール要素を調査することが可能となる。
図45は、実施例6におけるスケジュール要素の変更処理のフローチャートを示す。以下、スコープ30の取り違えが生じた検査において、当該検査に対して使用が予定されていたスコープを「予定スコープ」、間違えて使用されたスコープを「予定外スコープ」と呼ぶ。上記したように検査E21で、スコープG−R−2が使用された場合、スコープG−R−1が予定スコープであり、スコープG−R−2が予定外スコープである。
再スケジュール処理部172は、状況情報取得部170が取得したスコープのIDと、検査スケジュールにおいて使用が予定されているスコープのIDとを比較し、両者のスコープIDが異なる場合に、予定外スコープが使用された検査を特定して(S300)、検査スケジュールおよび/または洗浄スケジュールの変更が必要であることを判定する。ここで再スケジュール処理部172は検査E21で、スコープG−R−2が使用されている場合には、予定スコープG−R−1に対して、予定外スコープG−R−2が使用されていることを認識し、検査スケジュール管理部110および/または洗浄スケジュール管理部130の少なくとも1つに対して、検査スケジュールおよび/または洗浄スケジュールに含まれる要素の変更を指示する。
再スケジュール処理部172は、検査スケジュール管理部110に対して、検査E21に割り当てられているスコープIDの変更を指示する。この変更指示には、検査IDと、使用されたスコープIDとが含まれており、したがって検査スケジュール管理部110は、検査E21のスコープIDを、「G−R−2」に変更する(S302)。また再スケジュール処理部172は、洗浄スケジュール管理部130に対して、洗浄スケジュールにおいて、検査E21で使用予定であったスコープの洗浄処理に割り当てられているスコープIDの変更を指示する。洗浄スケジュール管理部130は、検査E21の終了予定時刻の後に設定されているスコープG−R−1の洗浄処理が洗浄W20であることを特定し、洗浄W20のスコープIDを「G−R−2」に変更する(S302)。
検査スケジュール管理部110は、検査E21のスコープIDを「G−R−2」に変更した後、検査E21以降に予定されている検査において、予定外スコープG−R−2の使用予定の有無を調査する(S304)。ここで検査E21以降において、予定外スコープG−R−2の使用予定がなければ(S304のN)、検査スケジュール管理部110は、検査E21でスコープG−R−2を使用したことに起因するスケジュール変更がないことを確認し、本フローを終了する。
一方で、検査21以降の検査において、予定外スコープG−R−2の使用予定がある場合に(S304のY)、最初に使用予定となっている検査において、スコープG−R−2が予定通りに使用可能であるか否かが判定される(S306)。ここで予定通りに使用可能な場合とは、洗浄W20におけるスコープG−R−2の洗浄終了予定時刻が、スコープG−R−2を使用する検査の開始予定時刻以前の時刻である場合であり、つまり、使用予定がある検査の開始以前に、洗浄W20によりスコープG−R−2の洗浄が終了している場合である。検査スケジュール管理部110は、最初に使用予定となっている検査においてスコープG−R−2が使用可能であることを判定すると(S306のY)、検査E21でスコープG−R−2を使用したことに起因するスケジュール変更がないことを確認し、本フローを終了する。
一方で、最初にスコープG−R−2を使用予定となっている検査において、スコープG−R−2が予定通りに使用不能であることが判定されると(S306のN)、検査スケジュール管理部110は、検査スケジュールを変更すべきであることを確認する。図44を参照して、検査E21以降の検査において、最初にスコープG−R−2を使用予定となっている検査は検査E22であり、検査E22の検査開始予定時刻が10:25、洗浄W20の洗浄終了予定時刻が10:55であることから、検査スケジュール管理部110は、検査E22においてスコープG−R−2を使用できないことを判定する。
検査E22において予定外スコープG−R−2を使用できないことを確認すると、検査スケジュール管理部110は、検査E22以降の検査で使用予定のない同機種のスコープがあるか否かを判定する(S308)。ここでスコープG−R−2は上部ルーチン機であり、検査スケジュール管理部110は、検査スケジュールを参照して、所有する上部ルーチン機のうち、検査E22以降で使用予定のない上部ルーチン機を探索する。
ここで検査E22以降で使用予定のない上部ルーチン機が存在すれば(S308のY)、検査スケジュール管理部110は、検査E22に、代用スコープとして、使用予定のない上部ルーチン機を割り当て(S310)、洗浄スケジュール管理部130は、検査E22で使用するスコープの洗浄処理である洗浄W22に代用スコープを割り当てて(S312)、本フローを終了する。この代用スコープは、その後の使用予定がないため、検査E22に代用スコープを割り当て、また洗浄W22に代用スコープを割り当てても、その後のスケジュールに影響を与えない。そこで検査E22以降で使用予定のない上部ルーチン機が存在する場合には、その上部ルーチン機を利用することで、スケジュール要素の変更処理を簡易に実現できる。
図42の所有スコープマスタテーブル222には示していないが、医療施設が上部ルーチン機であるG−R−1〜G−R−6に加え、さらにもう1本、G−R−7を有している場合、このスコープG−R−7は、検査E22以降の使用予定が設定されていない。そのため医療施設が、スコープG−R−7を有していれば、検査スケジュール管理部110は、スコープG−R−7を代用スコープとして決定して、検査E22に割り当てることができる。
図46は、検査E22におけるスコープの割当を変更した例を示す。図46に示すように、検査E22および洗浄W22で予定されていたスコープG−R−2は、代用スコープであるスコープG−R−7に置き換えられている。なお、この例では、もともと検査において使用予定のないスコープG−R−7を代用スコープとして利用しているが、たとえば一日の検査終盤においては、洗浄後の使用予定がなく、洗浄後は保管庫14に戻されるものも存在する。そのため、検査終盤では、上部ルーチン機であるG−R−1〜G−R−6のうち、洗浄後の使用予定のないスコープを、代用スコープとして利用できる。
一方で、検査E22以降で使用予定のない上部ルーチン機が存在しなければ(S308のN)、検査スケジュール管理部110は、予定スコープであるスコープG−R−1と、予定外スコープであるスコープG−R−2とが入れ替え可能であるか判定する(S314)。入れ替え可能であるか否かは、予定スコープと予定外スコープの機種が同じであるか否かにより判定されてよい。この例では、予定スコープと予定外スコープとがともに上部ルーチン機であり、機種が同じであるため(S314のY)、検査スケジュール管理部110は、検査スケジュールにおいて、スコープG−R−1とスコープG−R−2とを入れ替え(S316)、また洗浄スケジュール管理部130も、洗浄スケジュールにおいて、スコープG−R−1とスコープG−R−2とを入れ替えて(S318)、それぞれスケジュール要素を変更する。
図47は、スコープの入れ替え処理を行った例を示す。図47に示すように、検査スケジュール管理部110は、検査E22において割り当てていたスコープG−R−2を、スコープG−R−1に変更し、検査E30において割り当てていたスコープG−R−1を、スコープG−R−2に変更し、検査E33において割り当てていたスコープG−R−2を、スコープG−R−1に変更する。また洗浄スケジュール管理部130は、洗浄W22において割り当てていたスコープG−R−2を、スコープG−R−1に変更し、洗浄W30において割り当てていたスコープG−R−1を、スコープG−R−2に変更し、洗浄W33において割り当てていたスコープG−R−2を、スコープG−R−1に変更する。予定スコープと予定外スコープとが同機種である場合には、両者が同一の機能を有するため、検査E21以降の検査において、両者を入れ替えるだけで、スケジュール要素を変更する再スケジューリング処理が実現される。
一方で、予定スコープと予定外スコープとが同機種でない場合(S314のN)、検査スケジュール管理部110は、検査E22以降で使用予定はあるが、検査E22で使用し、洗浄W22で洗浄した場合に、検査スケジュールの時間枠を変更しないですむスコープが存在するか調査する(S320)。このとき検査スケジュール管理部110は、予定外スコープG−R−2と同機種である上部ルーチン機だけでなく、スコープ順位保持部204において検査E22(上部ルーチン検査)に対して優先スコープ機種として対応付けられている異機種の上部高画質機についても調査する。この調査は、検査E22で使用した場合に、その後の使用予定となる検査までに洗浄が終了しているか否かの調査となる。ここでは、たとえば上部高画質機であるスコープG−H−4,G−H−5の使用予定時刻が、洗浄W22の洗浄終了予定時刻よりも後であるため、検査スケジュール管理部110は、スコープG−H−4,G−H−5を、検査E22に使用可能であることを判定する(S320のY)。したがって検査スケジュール管理部110は、検査スケジュールにおいて、検査E22にスコープG−H−4またはG−H−5を再割当し(S322)、また洗浄スケジュール管理部130は、洗浄スケジュールにおいて、洗浄W22にスコープG−H−4またはG−H−5を割り当てることで(S324)、検査の時間枠を変更することなく、スケジュール要素を変更する。
一方で、時間枠を変更することなく、検査E22に割り当て可能なスコープが存在しない場合には(S320のN)、検査スケジュール管理部110は、検査E22に割り当てられているスコープG−R−2を変更せずに、第1検査室20aにおける検査E22以降の検査を、スコープG−R−2が使用可能となる時間まで後ろにずらすように調整して、スケジュール要素を再設定する(S326)。
なお検査スケジュール管理部110が、第1検査室20aにおける検査E22以降の検査時間を変更したことに起因して、検査室間における検査スケジュール、および洗浄スケジュールに影響がでる可能性がある。そこで検査スケジュール管理部110は、検査室間における検査スケジュールの間で矛盾が生じるか否かを調査し、洗浄スケジュール管理部130は、検査スケジュールと洗浄スケジュールとの間で矛盾が生じるか否かを調査する。ここで矛盾が生じる場合とは、医師情報に関して言えば、同一の医師が時間的に重複する複数の検査に割り当てられている場合であり、またスコープ30に関して言えば、1つのスコープ30が、時間的に重複する複数の検査に割り当てられている場合、洗浄終了前のスコープ30が検査に割り当てられている場合、検査終了前のスコープ30が洗浄に割り当てられている場合である。
同一医師が時間的に重複する複数の検査に割り当てられており、また1つのスコープ30が、時間的に重複する複数の検査に割り当てられている場合には、検査スケジュール管理部110が、開始予定時刻の遅い検査を後ろにずらすように調整して、矛盾を解消するように検査スケジュールを再スケジューリングする。また、1つのスコープ30が、同一時刻に検査と洗浄に割り当てられている場合には、洗浄スケジュール管理部130が、洗浄の開始予定を、検査の終了予定時刻以後となるように、検査時間を変更して、矛盾を解消するように洗浄スケジュールを再スケジューリングする。検査スケジュール管理部110および洗浄スケジュール管理部130が、それぞれ矛盾を解消するように交互に予定を時間的に後ろにずらすように調整して再スケジューリングすることで、最終的に矛盾のないスケジュールを再設定できるようになる。
以上のように検査スケジュール管理部110および洗浄スケジュール管理部130が、再スケジュール処理部172からのスケジュール要素の変更指示に基づいて、実際のスコープ30の使用状況に応じて、予め生成した検査スケジュールおよび洗浄スケジュールをリアルタイムで再スケジューリングする。実施例6においては、検査スケジュールにおける時間枠を可能な限り変更しないように、検査スケジュールにおけるスコープの割当を再設定する。このように検査業務開始前のスケジュール情報を引き継いだ形で再スケジューリング処理を実行することで、医師は、基本的には検査業務の開始前に確認したスケジュール情報にしたがって検査室の移動などを行えばよく、業務の効率化を図ることが可能となる。
<実施例7>
実施例6では、検査準備時のスコープ30の取り違えにより、以後の検査におけるスコープ30を再割当するケースを説明した。実施例7では、検査において、予定通りスコープ30が使用されているが、さらに追加で別のスコープ30が使用されるケースを説明する。なお実施例7では、検査に割り当てられたスコープは変更せず、追加のスコープ30が使用されたことによりスケジュール要素の設定に矛盾が生じた場合には、当該矛盾を解消するべく、検査の時間枠の時間を変更するように再スケジューリング処理を行う。
たとえば上部ルーチン検査中に、医師が、ある部位を詳細観察しようとする場合、内視鏡観察装置22に接続している上部ルーチン機を取り外し、上部高画質機や上部拡大機を接続する。このような場合、実施例6で説明したように、今後の使用予定のない上部高画質機ないしは上部拡大機を検査スケジュール管理部110に探索させることが好ましいが、検査効率の観点から現場では、すぐに用意のできる空きスコープを使用することが多い。このように検査で追加のスコープを使用した場合には、少なくとも洗浄スケジュールに影響がでることになり、処理部100は、設定されているスケジュールを調整する必要がある。
図48は、実際の検査において、予定していたスコープに加えて、追加のスコープを使用した例を示す。第2検査室20bで実施されている検査E28において、割り当てられたスコープG−R−6が最初に使用されていたところ、スコープG−R−6が内視鏡観察装置22bから取り外され、代わりにスコープG−H−3が接続されている。なお検査E28は、スケジュール通り10:50に開始され、10:55にスコープG−H−3が内視鏡観察装置22bに接続されたものとする。以下、この場合の再スケジューリング処理について説明する。
第2検査室20bにおいて、検査E28の準備期間(10:45〜10:50)の間に看護師等がスコープG−R−6を運び込み、内視鏡観察装置22bに接続する。内視鏡観察装置22bは、スコープG−R−6を接続されると、スコープID、検査IDおよび観察装置IDを、情報管理装置10に送信する。情報管理装置10において、状況情報取得部170は、スコープID、検査IDおよび観察装置IDを、スコープの状況に関する状況情報として取得する。状況情報取得部170は、取得した状況情報を、再スケジュール処理部172に提供する。
検査の開始予定時刻(10:50)になると、検査の開始ボタンが操作され、検査の開始通知が検査IDおよび観察装置IDとともに情報管理装置10に送信される。状況情報取得部170は、検査開始通知情報、検査IDおよび観察装置IDを、検査の実施状況に関する状況情報として取得する。状況情報取得部170は、取得した状況情報を、再スケジュール処理部172に提供する。
なお実施例6で説明したように、内視鏡観察装置22は、スコープIDを、検査の開始ボタンが操作されたときに、検査開始通知情報、検査IDおよび観察装置IDとともに情報管理装置10に送信してもよい。この場合、状況情報取得部170は、スコープIDおよび検査開始通知情報を、同じタイミングで取得することになる。
再スケジュール処理部172は、状況情報取得部170から検査の開始通知情報を受けると、検査E28で実際に使用されているスコープ30のスコープIDが、検査スケジュールにおいて検査E28に対して割り当てられたスコープIDと一致しているか否かを判定する。このとき、状況情報取得部170で取得されたスコープIDは「G−R−6」であり、検査E28に対して割り当てられていたスコープIDは「G−R−6」である。そのため再スケジュール処理部172は、使用されているスコープが、予定されているスコープとは同じであることを検出し、検査スケジュールおよび/または洗浄スケジュールの変更が必要でないことを判定する。
ここで検査実施中の10:54に、スコープG−R−6が内視鏡観察装置22bから取り外され、新たにスコープG−H−3が内視鏡観察装置22bに接続される。内視鏡観察装置22bは、スコープG−H−3を接続されると、スコープID、検査IDおよび観察装置IDを、情報管理装置10に送信する。情報管理装置10において、状況情報取得部170は、スコープID、検査IDおよび観察装置IDを、スコープの使用を示す状況情報として取得する。状況情報取得部170は、取得した状況情報を、再スケジュール処理部172に提供する。
再スケジュール処理部172は、状況情報取得部170からスコープIDを受けると、検査E28の実施中に新たに接続されたスコープ30のスコープIDが、検査スケジュールにおいて検査E28に対して割り当てられたスコープIDと一致しているか否かを判定する。このとき、状況情報取得部170で取得されたスコープIDは「G−H−3」であり、一方で検査E28に対して割り当てられていたスコープIDは「G−R−6」である。そのため再スケジュール処理部172は、使用されているスコープが、予定されているスコープとは異なることを検出し、検査スケジュールおよび/または洗浄スケジュールの変更が必要なことを判定する。
図49は、実施例7におけるスケジュール要素の変更処理のフローチャートを示す。以下、スコープ30が追加使用された検査において、当該検査に対して追加的に使用されたスコープを「追加スコープ」と呼ぶ。上記したように検査E28で、予定されていたスコープG−R−6に加えて、スコープG−H−3が使用された場合、スコープG−H−3が追加スコープである。
再スケジュール処理部172は、検査の開始後、状況情報取得部170が取得したスコープのIDと、検査スケジュールにおいて使用が予定されているスコープ30のIDとを比較し、両者のスコープIDが異なる場合に、追加スコープが使用された検査を特定して(S340)、検査スケジュールおよび/または洗浄スケジュールの変更が必要であることを判定する。ここで再スケジュール処理部172は検査E28で、スコープG−H−3が使用された場合には、予定スコープG−R−6に加えて、追加スコープG−H−3が使用されていることを認識し、検査スケジュール管理部110および/または洗浄スケジュール管理部130の少なくとも1つに対して、検査スケジュールおよび/または洗浄スケジュールに含まれる要素の変更を指示する。
具体的に再スケジュール処理部172は、検査スケジュール管理部110に対して、検査E28に割り当てられているスコープIDとして、追加スコープのスコープIDの追加を指示する。この追加指示には、検査IDと、使用されたスコープIDとが含まれており、したがって検査スケジュール管理部110は、検査E28のスコープIDを、「G−R−6」と「G−H−3」とに変更する(S342)。すなわち検査スケジュール管理部110は、検査スケジュールに、予め設定されている「G−R−6」に加えて「G−H−3」を登録する。
ここで検査スケジュール管理部110は、検査E28以降に予定されている検査において、追加スコープG−H−3の使用予定の有無を調査する(S344)。ここで検査E28以降において、追加スコープG−H−3の使用予定がなければ(S344のN)、検査スケジュール管理部110は、検査E28でスコープG−H−3を使用したことに起因する検査スケジュール変更がないことを確認する。このときスコープG−H−3の洗浄は急がなくてよく、したがって洗浄スケジュールに影響しないように、第2割当処理部140は、スコープG−H−3を洗浄スケジュールの最後に実行するべく、スコープG−H−3の洗浄処理を、洗浄スケジュールの最後に組み込み(S356)、本フローを終了する。
一方で、検査E28以降において、追加スコープG−H−3の使用予定がある場合(S344のY)、洗浄スケジュール管理部130は、洗浄W28の後に、スコープG−H−3の洗浄をスケジューリングし、後の洗浄を1つずつ後ろにずらすように調整する(S346)。
図50は、スコープG−H−3の洗浄処理を、洗浄スケジュールに挿入した例を示す。S346の洗浄スケジュール変更処理により、洗浄W29でスコープG−H−3の洗浄が予定され、変更前の洗浄W29以降に割り当てられたスコープの洗浄は、洗浄番号が1つインクリメントされた洗浄処理に変更されている。
続いて、検査スケジュール管理部110および洗浄スケジュール管理部130は、検査スケジュールおよび洗浄スケジュールの妥当性を検証する(S348)。ここでは、検査スケジュール管理部110が、検査スケジュールに含まれる検査の妥当性を1つずつ検証し、妥当でない検査があれば、その検査の時間枠を変更する処理を行う(S350)。続いて洗浄スケジュール管理部130も、洗浄スケジュールに含まれる洗浄予定の妥当性を1つずつ検証し、妥当でない洗浄予定があれば、洗浄スケジュールを変更する処理を行う(S352)。
まず検査スケジュール管理部110は、検査スケジュールに矛盾が生じているか否かを判定する(S348)。ここで検査スケジュールにおいて矛盾が生じている場合とは、たとえば検査の開始予定時刻に割り当てられたスコープ30が、洗浄スケジュールにおいてまだ洗浄が終了していない場合や、スコープ30または医師が同一時刻に複数の検査に割り当てられている場合である。
検査スケジュール管理部110は、検査E28以降に開始する検査に関し、1つずつ矛盾が生じているか否かを判断する。このとき検査E29〜E31までに矛盾は生じていないが、検査E32において矛盾が生じていることを検出する(S348のY)。
検査E32に割り当てられたスコープG−H−3は、検査E28で追加使用されたスコープである。検査E28で使用されたスコープG−H−3の洗浄処理は、S346で変更された洗浄スケジュールにおいて洗浄W29として設定されており、そのため検査スケジュール管理部110は、検査E32の開始予定時刻には、洗浄W29が終了していないことを判定する。
図51は、検査E32と洗浄W29の関係を示す。洗浄W29の終了予定時刻は11:50であり、そこで検査スケジュール管理部110は、第3検査室20cにおける検査E32の開始予定時刻を、11:50に設定する(S350)。
図52は、検査E32の時間枠を変更した状態を示す。検査スケジュール管理部110は、第3検査室20cにおける検査E32、E37、E40を、この順序を保ったまま後ろにずらすように変更してもよいが、検査E32の開始予定時刻を11:50に設定した場合、検査E37については予定時刻を繰り下げることなく、予定通り実施できることが分かる。そこで検査スケジュール管理部110は、検査E37の時間枠については動かさず、検査E32、E40の時間枠を後ろに動かすようにしている。
次に、洗浄スケジュール管理部130が、洗浄スケジュールに矛盾が生じているか否かを判定する(S348)。洗浄スケジュールにおいて矛盾が生じている場合とは、スコープ30の洗浄開始予定時刻において、検査スケジュールにおいてまだ当該スコープ30を使用した検査が終了していない場合である。ここで洗浄スケジュール管理部130は、S344でスケジュール変更した洗浄W29以降の洗浄に関し、1つずつ矛盾が生じているか否かを判断する。このとき洗浄W29〜W32までに矛盾は生じていないが、洗浄W33において矛盾が生じていることを検出する(S348のY)。
洗浄W33で洗浄が予定されているスコープG−H−3は、S350において時間枠を時間的に後ろに変更された検査E32で使用されるスコープである。そのため検査E32の開始予定が遅れたことにともない、スコープG−H−3の洗浄予定も、時間的に後ろに変更する必要がある。洗浄スケジュール管理部130は、洗浄スケジュールにおいて洗浄W33に矛盾が生じていることを検出すると、洗浄W33以降の洗浄処理の再スケジューリング処理を、第2割当処理部140の洗浄機割当部144に指示し、洗浄スケジュールの変更処理が実行される(S352)。
図53は、検査スケジュールに合わせて、洗浄スケジュールを再スケジューリングした結果を示す。
S348〜S352のステップは、検査スケジュールおよび洗浄スケジュールにおける矛盾が全て解消するまで実施される。ここで全ての矛盾が解消すると(S348のN)、検査スケジュール管理部110は、検査E40の繰上げ処理を行ってもよい(S354)。
図54は、検査E40を、第1検査室20aにおける検査スケジュールの末尾に移動した例を示す。このように第3検査室20cにおける検査E40を、別の検査室に割り当てることで全体の業務時間が短縮される場合には、検査スケジュール管理部110は、検査E40を別の検査室に移動してよい。
なお、実際にはS354で検査E40の繰上げ処理を行った後、S348のステップが再実行される。ここで検査E40の繰上げ処理を行った結果、検査E40の担当医師Dが検査E32と重複していることが判定されると、検査スケジュール管理部110は、第1割当処理部120の医師割当部129に対して、繰り上げた検査E40の医師の再割当処理を指示する。これにより検査E40の担当医師が医師Bに変更され、これにより再スケジューリング処理が完了する。
実施例7では、検査E28において、1本のスコープG−H−3を追加使用した場合について説明したが、2本以上のスコープを追加使用した場合であっても、図49に示したフローを繰り返すことで、検査予定および洗浄予定を再スケジューリングすることが可能である。
また図49に示したフローチャートにおいては、追加スコープG−H−3の使用予定がない場合に(S344のN)、第2割当処理部140が、スコープG−H−3の洗浄処理を、洗浄スケジュールの最後に組み込む(S356)処理を行い、検査E28のスコープIDに「G−H−3」を追加登録する以外の検査スケジュールの変更を行わないようにしている。ここで、使用済みのスコープ30を速やかに洗浄するというポリシーにもとづいて洗浄工程を実行する医療施設においては、以後の検査で追加スコープG−H−3の使用予定があるか否かにかかわらず、S346の洗浄スケジュールの変更処理を実行してもよい。この場合、S344のステップは省略され、洗浄スケジュール管理部130が、洗浄W28の後に、スコープG−H−3の洗浄を再スケジューリングし、後の洗浄を1つずつ後ろにずらすように調整し(S346)、その後、S348〜S352のステップが実行されてよい。
<実施例8>
実施例8では、検査スケジュールにおいて検査に割り当てられていたスコープ30が使用できなくなったケースを想定する。
図55は、洗浄中にスコープG−R−1の故障が検知された例を示す。
状況情報取得部170は、洗浄機50と通信を行う通信部を有し、洗浄機50から送信される情報を取得する機能を有してよい。洗浄機50には、洗浄するスコープ30のスコープIDを読み取る手段が設けられており、洗浄の担当者は、洗浄開始前に、スコープ30のスコープIDを読取手段により読み取らせる。洗浄機50は、洗浄開始ボタンが操作されると、洗浄開始通知情報を、スコープIDおよび洗浄機50を識別する情報(洗浄機ID)とともに、ネットワーク2を介して情報管理装置10に送信する。また洗浄が終了すると、洗浄機50は、洗浄終了通知情報を、スコープIDおよび洗浄機IDとともに、ネットワーク2を介して情報管理装置10に送信する。状況情報取得部170は、洗浄機50から送信される情報を監視し、内視鏡の洗浄状況を示す状況情報として、洗浄開始通知情報および洗浄終了通知情報を取得する。状況情報取得部170は取得した状況情報を、取得した時刻情報とともに再スケジュール処理部172に即時に(リアルタイムで)提供し、再スケジュール処理部172は、状況情報を、時刻情報とともに洗浄スケジュール管理部130に通知する。
洗浄工程で、漏水が検知された場合、洗浄機50は、情報管理装置10に対して、検知時刻情報、スコープIDおよび洗浄機IDとともに、漏水検知情報を送信する。洗浄機50において、たとえば漏水テスタがスコープ30の漏水を検知すると、自動的に漏水検知情報を情報管理装置10に送信するように構成されてもよい。なお漏水検知情報は、ユーザにより洗浄機50に入力されて、情報管理装置10に送信されてもよい。
状況情報取得部170は、漏水検知情報を、スコープ30の状況に関する状況情報として取得する。漏水検知情報は、スコープが使用不可の状態にあることを示す情報であり、状況情報取得部170は、取得した状況情報を、再スケジュール処理部172に提供する。
再スケジュール処理部172は、状況情報にもとづいて、図41に示す検査スケジュールおよび/または洗浄スケジュールに含まれる要素の変更が必要であるか否かを判定する。再スケジュール処理部172は、状況情報取得部170からスコープG−R−1の漏水検知時刻を提供されると、以後の検査スケジュールにおいてスコープG−R−1を使用できないことを判定する。
再スケジュール処理部172は、状況情報にもとづいて検査スケジュールおよび/または洗浄スケジュールの変更が必要であることを判定すると、検査スケジュール管理部110または洗浄スケジュール管理部130の少なくとも1つに対して、検査スケジュールおよび/または洗浄スケジュールに含まれる要素の変更を指示する。この変更指示には、使用できなくなったスコープIDと、使用できなくなった時刻情報(漏水検知時刻情報)とが含まれる。
検査スケジュール管理部110は、再スケジュール処理部172から変更指示を受けて、スコープG−R−1を使用予定とする検査を探索する。ここでスコープG−R−1の故障検知後、最初に予定されている検査は、検査E21であり、検査スケジュール管理部110は、検査E21の開始予定時刻以降を開始予定時刻とする検査に割り当てていたスコープ30の情報を検査スケジュールから削除する。
また洗浄スケジュール管理部130は、再スケジュール処理部172から変更指示を受けて、洗浄W9の洗浄終了予定時刻以降を洗浄開始予定時刻とする洗浄処理を、洗浄スケジュールから削除する。
図56は、検査スケジュールのスコープ割当情報および洗浄スケジュールを削除した状態を示す。実施形態および実施例1〜5で説明したように、処理部100は、図56のスケジューリングされた状態から、スコープ割当処理および洗浄機割当処理を実行し、検査スケジュールおよび洗浄スケジュールを再構成する。これにより、検査業務中にスコープ30が使用不能となった場合であっても、検査スケジュールおよび洗浄スケジュールを速やかに再構成することが可能となる。
なお検査業務開始前にスコープ30が使用不能であることが判明した場合には、実施形態および実施例1〜5で説明したように、スケジューリング処理を再実行すればよい。また実施例8では、洗浄中にスコープ30が使用不能であることが判明した場合について説明したが、検査開始時または検査中に判明した場合であっても、同様に再スケジューリング処理を行うことができる。
以上、本発明の再スケジューリング処理を実施例6〜8をもとに説明した。この実施例は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
たとえば実施形態および実施例において、検査に医師を割り当てる医師割当部129、および、洗浄業務の担当者を割り当てる担当者割当部149について説明した。たとえば情報管理装置10においては、検査を補助するための補助作業実施者を検査に割り当てる補助作業実施者割当部を、さらに設けてもよい。
また検査スケジュールにおいて、割り当てられた要素を変更できない検査も存在する。たとえば患者や医師の都合により、ある時間帯でしか検査できない事情があれば、その検査の検査開始予定時刻を動かすことはできない。また特殊な技能を要する検査であれば、その技能をもつ医師しか検査を担当することができないため、少なくとも当該検査の担当医師を変更することはできない。また同一タイプのスコープ30であっても、最新式から旧式のものまで様々なものが存在するが、たとえば特殊な検査では、最新式のスコープ30しか使用できないこともある。
そこで変形例においては、変更不可検査特定部174が、検査スケジュールにおいて内視鏡検査に対して予め割り当てられた複数の要素のうち、少なくとも一つの要素の変更を不可とする内視鏡検査を特定する。端末装置12には、キーボードやマウスなどの入力インタフェースが接続されており、入力受付部176は、端末装置12を介してユーザからの入力操作を受け付ける。たとえば検査スケジュールが生成されたときに、ユーザが、要素の変更を不可とする検査を指定すると、入力受付部176が、ユーザからの指定操作を受け付け、変更不可検査特定部174が、要素変更を不可とする内視鏡検査を特定する。なおユーザは、内視鏡検査のスケジュールを構成する複数の要素の中から、変更を不可とする要素を指定できるようにされてもよい。
ここで検査スケジュールを構成する要素は、割り当てられている検査室、検査開始予定時刻情報、検査終了予定時刻情報、担当医師、スコープIDを少なくとも含む。たとえばユーザは、これらの要素のうち、スコープIDの変更を禁止することを指定できる。このような指定を行った場合、検査室、検査予定時刻、担当医師に関しては変更可能であり、変更不可検査特定部174は、変更不可とされる検査要素を特定して、再スケジューリング処理に際して、かかる検査要素が変更されないようにする。
実施例6〜8で説明した再スケジューリング処理において、変更不可検査特定部174は、検査に対して予め割り当てられた要素のうち、少なくとも一つの変更を不可とする検査を特定する。再スケジュール処理部172は、変更不可検査特定部174により特定される検査の変更を不可とされた要素を検査スケジュール管理部110に通知して、当該要素の変更を禁止させてよい。これにより検査スケジュール管理部110は、通知された検査スケジュールの要素については変更せず、他のスケジュール要素について再スケジューリング処理を実施する。
また変更不可検査特定部174によりスケジュール要素の変更を不可とする検査を特定し、再スケジュール処理部172が、変更を不可とされたスケジュール要素を検査スケジュール管理部110に通知することを説明したが、これにより検査スケジュール管理部110が、変更を不可とされていない検査スケジュールの要素を変更する際に、割り当てるスコープ30が不足して、スケジュールが大幅に遅延するなどの事態が生じる可能性がある。
そこで検査スケジュール管理部110は、再スケジューリングに関する所定の再スケジュール条件を保持し、この再スケジュール条件が満たされない場合には、ユーザに、検査スケジュールの変更ができないことを通知する。再スケジュール条件は、検査開始の遅延が所定時間(たとえば1時間)内に収まることに設定されていてよい。変更不可検査特定部174により変更を不可とされたスケジュール要素が存在する場合に、第1割当処理部120は、スコープ30の割当や医師の割当に際して、変更を禁止されるスケジュール要素が存在することで、その割当自由度にも制限がかかる。そのため検査スケジュール管理部110が、第1割当処理部120にスケジュール要素の再割当処理を行わせて、検査スケジュールの要素を変更する際に、所定の再スケジュール条件が満たされない場合には、ユーザに、検査スケジュールの変更ができないことを通知することが好ましい。
なお再スケジュール条件を満たし、検査スケジュールを変更できる場合であっても、検査スケジュール管理部110は、検査の時間枠を調整した場合には、ユーザに、その旨を通知することが好ましい。これにより医師等のユーザは、検査終了が予定よりも遅れることを認識し、検査終了後の自身の予定を見直すなどの対応をとることが可能となる。
本願では、様々なスケジューリングおよび再スケジューリングアルゴリズムを提案したが、これらのいくつかを利用することで、検査スケジュールおよび洗浄スケジュールを、複数種類作成することも可能である。そのため表示処理部150は、変更した検査スケジュールおよび/または洗浄スケジュールを端末装置12のディスプレイに表示する機能を有し、検査スケジュールおよび/または洗浄スケジュールの候補が複数存在する場合には、各候補をディスプレイに表示して、ユーザがいずれかの候補を選択できるようにしてもよい。ユーザが、いずれかの候補を選択すると、検査スケジュール管理部110および洗浄スケジュール管理部130が、選択された検査スケジュールおよび/または洗浄スケジュールの変更を確定する。
<実施例9>
これまでの実施形態および実施例で説明したように、検査スケジュールの作成に際して内視鏡検査にスコープ30を割り当てるためには、スコープ30が洗浄済みとなっていることが前提であり、未洗浄のスコープ30を、検査に割り当てることは許されない。
しかしながら、洗浄済みのスコープ30であっても、洗浄してから所定時間が経過したスコープ30については、検査に使用することが好ましくないことがある。洗浄済みのスコープ30は保管庫14にて保管されているが、洗浄後、たとえば5日が経過している場合には、衛生上の観点から、使用前に再洗浄することが推奨されている。この期間は医療施設によって適宜定められ、また機種ごとに定められてよいが、実施例9では、スコープ30が最後に洗浄されてからの経過時間を管理して、検査スケジュールおよび/または洗浄スケジュールを生成することを目的とする。
図57は、スコープ30のスケジュール情報を生成する情報管理装置10の構成を示す。情報管理装置10は、処理部100および記憶部200を備え、処理部100は、検査スケジュール管理部110、第1割当処理部120、洗浄スケジュール管理部130、第2割当処理部140、表示処理部150、状況情報取得部170および経過時間導出部178を有する。記憶部200は、検査スケジュール保持部206、洗浄スケジュール保持部208、履歴記録部232および再洗浄時間保持部234を備える。
なお図57には示していないが、処理部100は、図3に示すように、表示内容導出部152、期間指定部154および使用状況監視部160も備えてよい。また第1割当処理部120は、検査抽出部122、スコープ特定部124、スコープ割当部126、スコープ割当可否確認部128および医師割当部129を有し、第2割当処理部140は、洗浄機特定部142、洗浄機割当部144、終了時刻判定部146、洗浄機割当可否確認部148および担当者割当部149を有して構成される。また記憶部200は、図3に示すように、オーダ情報記憶部202、スコープ順位保持部204、検査種別マスタテーブル210および所有スコープ情報記憶部220に含まれる各構成を備えてよい。
情報管理装置10の各構成は、ハードウェア的には、任意のコンピュータのCPU、メモリ、その他のLSIで実現でき、ソフトウェア的にはメモリにロードされたプログラムなどによって実現されるが、ここではそれらの連携によって実現される機能ブロックを描いている。したがって、これらの機能ブロックがハードウェアのみ、ソフトウェアのみ、またはそれらの組み合わせによっていろいろな形で実現できることは、当業者には理解されるところである。
実施例9におけるスケジューリング処理を説明する前に、情報管理装置10が、スコープ30の洗浄履歴を管理する仕組みについて説明する。
状況情報取得部170は、洗浄機50と通信を行う通信部を有し、洗浄機50から送信される情報を取得する機能を有する。なお状況情報取得部170の代わりに、図3における使用状況監視部160が、洗浄機50から送信される情報を取得してもよい。
洗浄機50には、洗浄するスコープ30のスコープIDを読み取る手段が設けられており、洗浄の担当者は、洗浄開始前に、スコープ30のスコープIDを読取手段により読み取らせる。洗浄機50は、洗浄開始ボタンが操作されると、洗浄開始通知情報を、スコープIDおよび洗浄機50を識別する情報(洗浄機ID)とともに、ネットワーク2を介して情報管理装置10に送信する。また洗浄が終了すると、洗浄機50は、洗浄終了通知情報を、スコープIDおよび洗浄機IDとともに、ネットワーク2を介して情報管理装置10に送信する。状況情報取得部170は、洗浄機50から送信される情報を監視し、内視鏡の洗浄状況を示す状況情報として、洗浄開始通知情報および洗浄終了通知情報を取得して、履歴記録部232に記録する。
履歴記録部232は、各スコープ30の洗浄日時情報を、履歴情報として記録する。なお実施例9では、履歴記録部232は、スコープ30の洗浄開始および洗浄終了した日時情報を履歴情報として記録していればよいが、さらに洗浄の担当者情報や、洗浄機IDを記録してもよい。実施例9では、履歴記録部232に記録した履歴情報のうち、最後の洗浄工程において洗浄終了した日時情報を用いて、スコープ30の洗浄管理を実施する。
<実施例9a>
図58は、履歴記録部232に記録されている洗浄記録の一例を示す。図58には、各スコープ30の最終洗浄日時情報を示しており、最終洗浄日時情報は、状況情報取得部170が洗浄終了通知情報を最後に取得した日時情報を示す。なお履歴記録部232は、実際には、過去の全ての洗浄記録を履歴情報として保持しているが、図58には、最終洗浄日時情報のみを示している。
上記したようにスコープ30は、最後に洗浄されてから所定時間が経過すると、次に使用する際には再洗浄することが要求される。実施例9aにおいて、この所定時間を「再洗浄時間」と呼ぶと、再洗浄時間は、洗浄後のスコープ30の使用可能な期間を示す。したがって最後に洗浄されてから再洗浄時間が経過したスコープ30は、検査に使用できず、再洗浄される必要がある。
再洗浄時間保持部234は、スコープ30の機種ごとに、最後に洗浄されてから再洗浄が必要となるまでの時間を保持する。
図59は、再洗浄時間保持部234の記憶内容の一例を示す。なお再洗浄時間保持部234は、機種ごとに再洗浄時間を保持してもよいが、スコープ30の個体ごとに再洗浄時間を保持してもよい。図59に示す例では、上部ルーチン機の再洗浄時間が72時間に設定され、上部高画質機、上部経鼻機、上部拡大機、上部処置機、下部ルーチン機の再洗浄時間が120時間に設定され、下部拡大機、下部処置機の再洗浄時間が168時間に設定されている。なお図59に示す再洗浄時間は一例であり、再洗浄時間は、医療施設において設定され、また適宜変更されてよい。
図60は、最終洗浄日時に対して設定される再洗浄すべき日時(再洗浄日時)を示す。再洗浄日時は、最終洗浄日時に、再洗浄時間を加算することで設定される。たとえば上部ルーチン機に関していえば、最終洗浄日時から72時間後が、再洗浄日時に設定され、上部高画質機に関していえば、最終洗浄日時から120時間後が、再洗浄日時に設定される。
図61は、検査スケジュールの一例を示す。検査スケジュール管理部110は、オーダ情報記憶部202からオーダ情報を取得して、検査開始予定時刻の早いものから順に、検査番号を設定する。図61においては、説明の便宜上、図4に示す検査スケジュールのうち、検査番号E1〜E23の検査を示している。実施例9aでは第1割当処理部120が、各スコープ30の最終洗浄日時からの経過時間にもとづいて、スコープ30を検査に割り当てる処理を実施する。
検査スケジュール管理部110は、内視鏡検査を実施する検査室と、検査開始予定時刻情報および検査終了予定時刻情報と、内視鏡検査の検査内容に関する検査種別情報を含む複数の内視鏡検査の検査スケジュールを生成して管理する。検査スケジュール管理部110は、生成した検査スケジュールを、検査スケジュール保持部206に格納する。その後、これから説明するように、検査スケジュール管理部110は、各検査に対して第1割当処理部120により割り当てられるスコープ30の情報を検査スケジュールに登録して、検査スケジュールを更新する。
図62は、図9に示すスコープ割当処理におけるS56の詳細フローチャートを示す。第1割当処理部120におけるスコープ割当部126は、スコープ特定部124から通知された候補スコープのうち、経過時間導出部178が導出した各スコープ30の最後の洗浄日時(最終洗浄日時)からの経過時間にもとづいて、スコープ30の割当処理を実施する。
以下、実施例1において説明したスコープ検索処理により、検査E1、E2、E3の候補スコープを特定した例で説明する。実施例1ではスコープ特定部124が、検査E1、E2、E3の候補スコープとして、内視鏡番号1〜6のスコープを特定し、スコープ割当部126に通知している。
経過時間導出部178は、各スコープ30の最後の洗浄日時からの経過時間を導出する。経過時間導出部178は、履歴記録部232に記録されている最終洗浄日時から、割り当てようとする検査の検査開始予定時刻までの経過時間を導出する。ここで検査日が2015年12月16日であるとし、また検査E1、E2、E3の検査開始予定時刻は9時であるものとする。
経過時間導出部178は、検査日の午前9時における内視鏡番号1〜6のスコープ30の最後の洗浄日時からの経過時間を導出する。
スコープG−R−1 : 22時間58分
スコープG−R−2 : 20時間15分
スコープG−R−3 : 47時間10分
スコープG−R−4 : 18時間25分
スコープG−R−5 : 23時間00分
スコープG−R−6 : 63時間30分
スコープ割当部126は、各スコープ30の最後の洗浄日時からの経過時間にもとづいて、スコープ30の割当処理を実施する。まずスコープ割当部126は、経過時間導出部178が導出した経過時間が所定時間(再洗浄時間)を超えないスコープ30を特定する。ここで上部ルーチン機の再洗浄時間は72時間であり(図59参照)、スコープG−R−1〜スコープG−R−6のいずれの経過時間も、再洗浄時間である72時間を超えていない。したがってスコープ割当部126は、内視鏡番号1〜6のどのスコープも、検査E1、E2、E3に割当可能であることを判定する。
スコープ割当部126は、経過時間導出部178が導出した経過時間が再洗浄時間を超えないスコープ30のうち、導出した経過時間が再洗浄時間に近いスコープ30を特定して(S400)、優先的に内視鏡検査に割り当てる(S402)。この例では、内視鏡番号6のスコープG−R−6の経過時間が、再洗浄時間に最も近い。そこでスコープ割当部126は、検査E1に対して、スコープG−R−6を割り当てる。
次にスコープ割当部126は、経過時間導出部178が導出した経過時間が再洗浄時間に近いスコープ30を特定する。スコープG−R−6を除くと、経過時間が再洗浄時間に近いスコープ30は、内視鏡番号3のスコープG−R−3である。そこでスコープ割当部126は、検査E2に対して、スコープG−R−3を割り当てる。同様にスコープ割当部126は、検査E3に対して、内視鏡番号5のスコープG−R−5を割り当てる。
この例では、スコープ割当部126が、経過時間が再洗浄時間に近いスコープ30を特定することを説明したが、このことは、再洗浄日時が最も近いスコープ30を特定することに等しい。スコープ割当部126は、特定したスコープ30を検査に割り当てることで、再洗浄日時が近いスコープ30を検査で優先的に使用して、洗浄させるようにする。このようにスコープ30の割当処理を実施することで、スコープ30を定期的に使用して洗浄するようにし、再洗浄時間の経過による再洗浄の実行頻度を下げることが可能となる。
なお検査E4に対しては、下部ルーチン機のうち、内視鏡番号18のスコープC−R−2を割り当てる。
図63は、検査スケジュール管理部110および洗浄スケジュール管理部130により更新された検査スケジュールおよび洗浄スケジュールを示す。検査スケジュール管理部110は、スコープ割当部126から割当結果を通知されると、該当する検査に、割り当てられたスコープ30を登録する。ここでは検査E1にスコープG−R−6が使用されること、検査E2にスコープG−R−3が使用されること、検査E3にスコープG−R−5が使用されること、検査E4にスコープC−R−2が使用されること、が登録されている。検査スケジュール管理部110は、更新した検査スケジュールを、検査スケジュール保持部206に記録する。
また第2割当処理部140における洗浄機割当部144が、複数の使用可能な洗浄機50の中から、各々の内視鏡検査で使用されるスコープ30を洗浄するための洗浄機50を割り当てる。ここでは9:10〜9:30の間に、第1洗浄機50aでスコープG−R−6が洗浄されること、第2洗浄機50bでスコープG−R−3が洗浄されること、第3洗浄機50cでスコープG−R−5が洗浄されること、9:15〜9:35の間に第4洗浄機50dでスコープC−R−2が洗浄されること、が登録されている。洗浄スケジュール管理部130は、更新した洗浄スケジュールを、洗浄スケジュール保持部208に記録する。
実施例9aによると、最終洗浄日時からの経過時間が長いスコープ30を優先的に検査に割り当てることで、最終洗浄日時から再洗浄時間が経過してしまうスコープ30を少なくできる。これによりスコープ30の再洗浄処理の頻度を減らすことができるため、検査を効率的に運用できるようになる。表示処理部150は、図64に示す検査スケジュールおよび洗浄スケジュールを携帯端末60などに表示してもよい。
<実施例9b>
実施例9aでは、再洗浄日時が近いスコープ30を優先的に検査に割り当てることで、スコープ30の再洗浄処理の頻度を減らす技術を説明した。実施例9bでは、最終洗浄日時から再洗浄時間が経過したスコープ30および/または検査当日中に再洗浄時間が経過するスコープ30に関して、洗浄スケジュールを設定する技術について説明する。なお実施例9aでは、再洗浄時間が経過したスコープ30を検査に割り当てないことを説明したが、実施例9bでは、スコープ30を検査に割り当てる際には、再洗浄日時について考慮せず、スコープ30を検査に割り当てた後に、再洗浄日時を考慮して、洗浄スケジュールを更新する。
図64は、検査スケジュール管理部110により生成された検査スケジュールおよび洗浄スケジュール管理部130により生成された洗浄スケジュールの例を示す。図64に示す検査スケジュールは、実施例1に関して説明したスコープ割当処理によりスコープ順位テーブルにしたがって各検査にスコープを割り当てて作成されている。また図64に示す洗浄スケジュールは、実施形態に関して説明した洗浄機割当処理により作成されている。
図65は、履歴記録部232に記録されている洗浄記録の一例を示す。図65には、各スコープ30の最終洗浄日時情報を示しており、最終洗浄日時情報は、状況情報取得部170が洗浄終了通知情報を最後に取得した日時情報を示す。なお履歴記録部232は、実際には、過去の全ての洗浄記録を履歴情報として保持しているが、図65には、最終洗浄日時情報のみを示している。また図65は、最終洗浄日時に対して設定される再洗浄すべき日時(再洗浄日時)も示している。
経過時間導出部178は、各スコープ30の最後の洗浄日時からの経過時間を導出する。経過時間導出部178は、履歴記録部232に記録されている最終洗浄日時から、割り当てようとする検査の検査開始予定時刻までの経過時間を導出する。ここで検査日が2015年12月16日であるとし、また検査E1、E2、E3の検査開始予定時刻は9時であるものとする。
経過時間導出部178は、検査業務の開始時刻(たとえば午前9時)におけるスコープ30の最後の洗浄日時からの経過時間を導出する。たとえば上部ルーチン機である内視鏡番号1〜6のスコープ30については、
スコープG−R−1 : 22時間58分
スコープG−R−2 : 20時間15分
スコープG−R−3 : 47時間10分
スコープG−R−4 : 90時間25分
スコープG−R−5 : 23時間00分
スコープG−R−6 : 63時間30分
と、経過時間を導出する。
図59に示す再洗浄時間保持部234の再洗浄時間を参照すると、上部ルーチン機の再洗浄時間は72時間に設定されている。そのため2016年12月16日の検査業務開始時刻(午前9時)の時点で、内視鏡番号4のスコープG−R−4は、洗浄をしていない時間が再洗浄時間を超えている。経過時間導出部178は、各スコープ30の最後の洗浄日時からの経過時間を導出して、再洗浄時間保持部234に保持されている再洗浄時間と比較し、洗浄していない時間が再洗浄時間を超えているスコープ30を抽出する。
その結果、経過時間導出部178は、
内視鏡番号4のスコープG−R−4
内視鏡番号7のスコープG−H−1
内視鏡番号16のスコープG−T−2
が、最後に洗浄してからの経過時間が、再洗浄時間を超えていることを特定する。
実施例9aと異なり、実施例9bでは、検査スケジュールの作成時、スコープ割当部126は、経過時間に関係なく、スコープ30を内視鏡検査に割り当てている。検査スケジュール管理部110は、図64に示す検査スケジュールを作成後、経過時間導出部178から、洗浄をしていない時間が再洗浄時間を超えているスコープ30の情報を取得する。以下、洗浄をしていない時間が再洗浄時間を超えたスコープ30を「要再洗浄スコープ」と呼ぶ。
検査スケジュール管理部110は、要再洗浄スコープのうち、検査スケジュールに割り当てているスコープを特定する。図64に示す例では、スコープG−R−4が検査E5に、スコープG−H−1が検査E10に、それぞれ割り当てられている。なおスコープG−T−2については検査に割り当てられていない。そこで洗浄機割当部144は、検査E5の検査開始予定時刻前に、スコープG−R−4を洗浄し、また検査E10の検査開始予定時刻前に、スコープG−H−1を洗浄する洗浄スケジュールを作成する。このように洗浄機割当部144は、検査スケジュールにおいて検査に割り当てられているスコープの再洗浄が、当該スコープを使用する検査の開始予定時刻までに終了するように、当該スコープに洗浄機を割り当てて、洗浄スケジュールを作成する。また洗浄機割当部144は、スコープG−T−2については、洗浄機50の空いている時間帯に再洗浄処理を行う洗浄スケジュールを作成する。
図66は、更新した洗浄スケジュールを示す。この洗浄スケジュールでは、スコープG−R−4,G−H−1,G−T−2の洗浄処理が、8:50が洗浄開始予定時刻となるようにスケジューリングされている。これによりスコープG−R−4は、検査E5の開始前に洗浄済みとなり、またスコープG−H−1は、検査E10の開始前に洗浄済みとなる。なおスコープG−T−2は、当日の使用予定がないために、いつ再洗浄を行ってもよい。そのため洗浄機割当部144は、スコープG−T−2に対して、8:50に洗浄機50を割り当ててもよく、また洗浄スケジュールの最後の時間(たとえば11:10)に洗浄機50を割り当ててもよい。いずれにしてもスコープG−T−2については、使用予定がないために、任意のタイミングで再洗浄が実施されるようにスケジューリングされればよい。
このように要再洗浄スコープについて、当日の検査で使用予定となっているものは、当該検査の開始前の洗浄スケジュールに割り込ませ、また当日の検査で使用予定がないものは、空いている時間にスケジューリングすることで、要再洗浄スコープを、効率的に洗浄することが可能となる。
表示処理部150は、検査業務の開始前に、要再洗浄スコープを特定する情報を、携帯端末60などに表示させてもよい。これにより洗浄担当者は、再洗浄が必要なスコープ30を認識して、洗浄スケジュールにしたがって洗浄するべきことを知ることができる。
図67は、携帯端末60の表示例を示す。表示処理部150は、スコープリストのうち、要再洗浄スコープに所定の色づけを行い、洗浄担当者が要再洗浄スコープを認識できるようにする。
なお表示処理部150は、要再洗浄スコープのみをリスト化して、携帯端末60などに表示させてもよい。このとき要再洗浄スコープのうち、当日の検査で使用予定のあるスコープについては、そのことが分かるように表示することが好ましい。このように洗浄担当者に、再洗浄が必要なスコープ30を知らせることで、確実に洗浄が行われるようにすることが好ましい。
この際、最後に洗浄してからの経過時間が再洗浄時間を超えた要再洗浄スコープのみならず、明日の業務開始前までに洗浄しなければ、経過時間が再洗浄時間を超えることになるスコープに関する情報も、携帯端末60などに表示させてもよい。このようなスコープに関する情報は、当日中に再洗浄する必要はないが、明日には再洗浄する必要が生じる可能性が高いため、洗浄担当者に通知することで、事前に再洗浄を実施しておくことが可能となる。
実施例9bの態様は、以下のとおりである。
内視鏡検査を実施する検査室と、検査開始予定時刻情報および検査終了予定時刻情報と、内視鏡検査の検査内容に関する検査種別情報を含む複数の内視鏡検査の検査スケジュールを管理する検査スケジュール管理部と、
前記検査スケジュール管理部で管理されている各々の内視鏡検査に対し、複数の内視鏡の中から使用する内視鏡を割り当てる第1割当処理部と、
複数の洗浄機の中から、前記各々の内視鏡検査で使用される内視鏡を洗浄するための洗浄機を割り当てる第2割当処理部と、
洗浄機と、洗浄開始予定時刻情報および洗浄終了予定時刻情報を含む複数の内視鏡の洗浄スケジュールを管理する洗浄スケジュール管理部と、を備える内視鏡検査業務支援システムであって、
各内視鏡の洗浄日時情報を記録する記録部と、
各内視鏡の最後の洗浄日時からの経過時間を導出する経過時間導出部と、をさらに備え、
前記第2割当処理部は、前記経過時間導出部が導出する経過時間が所定時間を超えている内視鏡を洗浄するための洗浄機を割り当てる、
ことを特徴とする内視鏡業務支援システム。
なお前記第2割当処理部は、検査スケジュールにおいて検査に割り当てられている内視鏡の再洗浄が、当該内視鏡を使用する検査の開始予定時刻までに終了するように、当該内視鏡に洗浄機を割り当てることが好ましい。
<実施例10>
実施例8では、検査スケジュールにおいて検査に割り当てられていたスコープ30が、洗浄工程で漏水が検知された場合に、検査スケジュールおよび/または洗浄スケジュールに含まれる要素を変更する再スケジューリング処理について説明した。
検査スケジュールを運用する際に、内視鏡検査でスコープ30を使用するためには、当該スコープ30が洗浄済みとなっていることが前提である。そのためスコープ30の漏水が検知された場合に限らず、洗浄機50から洗浄終了通知情報が送信されない場合にも、再スケジューリング処理が実施される必要がある。
しかしながら内視鏡検査業務支援システム1において、スコープ30が未洗浄と認識されている場合であっても、実際にはスコープ30の洗浄は完了しており、洗浄機50と情報管理装置10との間の通信が不調で、洗浄終了通知情報が情報管理装置10に送信できていないこともある。実施例10は、洗浄機50から洗浄終了通知情報が予定時刻に送信されないようなケースにおいて、ただちに再スケジューリング処理を実施するのではなく、たとえば洗浄担当者から洗浄済みであることの入力が行われれば、再スケジューリング処理を実施しないことを目的とする。
図68は、情報管理装置10の構成のうち、再スケジューリング処理を実行する機能を備えた情報管理装置10の構成を示す。情報管理装置10は、処理部100および記憶部200を備え、処理部100は、検査スケジュール管理部110、第1割当処理部120、洗浄スケジュール管理部130、第2割当処理部140、表示処理部150、状況情報取得部170、再スケジュール処理部172、入力受付部176および通知制御部180を有する。記憶部200は、検査スケジュール保持部206、洗浄スケジュール保持部208および履歴記録部232を備える。
なお図68には示していないが、処理部100は、図3に示すように、表示内容導出部152、期間指定部154および使用状況監視部160も備えてよい。また第1割当処理部120は、検査抽出部122、スコープ特定部124、スコープ割当部126、スコープ割当可否確認部128および医師割当部129を有し、第2割当処理部140は、洗浄機特定部142、洗浄機割当部144、終了時刻判定部146、洗浄機割当可否確認部148および担当者割当部149を有して構成される。また記憶部200は、図3に示すように、オーダ情報記憶部202、スコープ順位保持部204、検査種別マスタテーブル210および所有スコープ情報記憶部220に含まれる各構成を備えてよい。
情報管理装置10の各構成は、ハードウェア的には、任意のコンピュータのCPU、メモリ、その他のLSIで実現でき、ソフトウェア的にはメモリにロードされたプログラムなどによって実現されるが、ここではそれらの連携によって実現される機能ブロックを描いている。したがって、これらの機能ブロックがハードウェアのみ、ソフトウェアのみ、またはそれらの組み合わせによっていろいろな形で実現できることは、当業者には理解されるところである。
以下においては、検査スケジュールおよび洗浄スケジュールとして、図41に示す検査スケジュールおよび洗浄スケジュールが設定されているものとする。
状況情報取得部170は、内視鏡(スコープ)の状況に関する状況情報を取得する。状況情報取得部170は、内視鏡観察装置22と通信を行う通信部を有し、内視鏡観察装置22から送信される情報を取得する機能を有してよい。この点において状況情報取得部170は、図3に示した使用状況監視部160の機能を含むものであってよい。
検査の開始前、スコープ30は内視鏡観察装置22に接続されるが、このときスコープ30の識別情報(スコープID)が、内視鏡観察装置22を識別する情報(観察装置ID)および検査を識別する情報(検査ID)とともに、ネットワーク2を介して情報管理装置10に送信される。また検査を開始する際、内視鏡観察装置22において検査の開始ボタンが操作されると、検査の開始通知が検査IDおよび観察装置IDとともに情報管理装置10に送信される。なおスコープIDは、検査開始通知とともに、情報管理装置10に送信されてもよい。また検査を終了する際、内視鏡観察装置22において検査の終了ボタンが操作されると、検査の終了通知が検査IDおよび観察装置IDとともに情報管理装置10に送信される。
情報管理装置10において、状況情報取得部170は、内視鏡観察装置22から送信される情報を監視し、使用するスコープ30を特定するスコープIDを、スコープの使用を示す状況情報として取得し、また検査開始通知情報および検査終了通知情報を、検査の実施状況に関する状況情報として取得する。状況情報取得部170は取得した状況情報を、履歴記録部232に記録する。また状況情報取得部170は取得した状況情報を、取得した時刻を示す情報とともに再スケジュール処理部172に即時に(リアルタイムで)提供する。
また状況情報取得部170は、洗浄機50と通信を行う通信部を有し、洗浄機50から送信される情報を取得する機能を有する。洗浄機50には、洗浄するスコープ30のスコープIDを読み取る手段が設けられており、洗浄の担当者は、洗浄開始前に、スコープ30のスコープIDを読取手段により読み取らせる。洗浄機50は、洗浄開始ボタンが操作されると、洗浄開始通知情報を、スコープIDおよび洗浄機50を識別する情報(洗浄機ID)とともに、ネットワーク2を介して情報管理装置10に送信する。また洗浄が終了すると、洗浄機50は、洗浄終了通知情報を、スコープIDおよび洗浄機IDとともに、ネットワーク2を介して情報管理装置10に送信する。状況情報取得部170は、洗浄機50から送信される情報を監視し、内視鏡の洗浄状況を示す状況情報として、洗浄開始通知情報および洗浄終了通知情報を取得して、履歴記録部232に記録する。また状況情報取得部170は取得した状況情報を、取得した時刻を示す情報とともに再スケジュール処理部172に即時に(リアルタイムで)提供する。
ここで図41を参照して、スコープG−R−3の洗浄W3に関して、状況情報取得部170が、第3洗浄機50cから洗浄終了通知情報を取得しなかったケースについて説明する。なお状況情報取得部170は、内視鏡観察装置22cから、スコープG−R−3を使用した検査E3の終了通知情報を取得して、履歴記録部232に記録していることを前提とする。
状況情報取得部170が、洗浄W3の洗浄終了通知情報を取得しない場合を、以下の2つのケースに分けて検討する。
(1)状況情報取得部170が、洗浄W3の洗浄開始通知情報を取得している場合
状況情報取得部170が洗浄W3の洗浄開始通知情報を取得している場合、洗浄開始時刻は履歴記録部232に記録され、少なくとも洗浄W3が開始されたことは確定している。洗浄に要する時間は決まっているため、状況情報取得部170は、洗浄開始時刻から所定時間(たとえば20分)後に、本来であれば洗浄終了通知情報を取得することになる。
このとき状況情報取得部170が、洗浄開始時刻から所定時間後に洗浄終了通知情報を取得しなければ、再スケジュール処理部172は、洗浄W3に異常が生じたことを判定して、検査スケジュール管理部110に、洗浄W3で予定されているスコープG−R−3の洗浄終了通知情報を、受け取れなかったことを通知する。この通知を受けて、検査スケジュール管理部110は、当該スコープG−R−3が、その後の検査で使用予定があるか、検査スケジュールを参照して確認する。たとえばスコープG−R−3の使用予定がなければ、検査スケジュール管理部110は、再スケジューリング処理を実施する必要はない。
図41に示す例では、9:50を検査開始予定時刻とする検査E14で、スコープG−R−3が使用されることがスケジューリングされている。そこで再スケジュール処理部172は、遅くとも検査E14の開始予定時刻の所定時間前までにスコープG−R−3の洗浄終了情報が通知されなければ、検査スケジュールおよび洗浄スケジュールを再スケジューリング処理する必要があることを判定し、通知制御部180から、スコープG−R−3の洗浄に関する問い合わせ画面を、洗浄担当者の携帯端末60に送信させる。なお再スケジュール処理部172は、通知制御部180から、問い合わせ画面を端末装置12に送信させてもよい。
図69は、通知制御部180から送信される問い合わせ画面の例を示す。たとえば洗浄W3は適切に終了しているが、第3洗浄機50cの通信機能が不調な場合には、洗浄終了通知情報を情報管理装置10に送信できない。洗浄担当者は、この問い合わせ画面から、洗浄終了時刻を入力するとともに、通信機能が不調であることを認識して、通信機能の復旧作業を行う。入力受付部176は、洗浄担当者から入力された洗浄終了時刻情報を受信し、再スケジュール処理部172に通知する。
再スケジュール処理部172は、洗浄が終了していることの通知を、スコープG−R−3の次の使用予定時刻の所定時間前までに受け取ると、再スケジューリング処理が不要であることを判定する。スコープG−R−3の次の検査開始予定時刻は9:50であり、再スケジュール処理部172は、洗浄終了通知を、9:45までに受け取れば、再スケジューリング処理を実施させない。再スケジューリング処理を実施すると、使用スコープや洗浄機の割当に変更が生じてしまうため、再スケジュール処理部172は、ぎりぎりまで洗浄担当者からの入力を待つことで、不要な再スケジューリング処理を実施しないようにする。
なお再スケジュール処理部172が、洗浄終了通知を、スコープG−R−3の次の使用予定時刻の所定時間前までに受け取れなければ、再スケジューリング処理を実施することを判定する。これにより実施例6〜8で説明したような再スケジューリング処理が実施されることになり、具体的にはスコープG−R−3を使用不能なスコープであると特定して、再スケジューリング処理が実施される。
(2)状況情報取得部170が、洗浄W3の洗浄開始通知情報を取得していない場合
上記(1)の例と異なり、状況情報取得部170が洗浄W3の洗浄開始通知情報を取得していない場合、洗浄W3が開始されたことすらも特定できない。洗浄W3は、9:10〜9:30の時間枠に第3洗浄機50cで実施されることが予定されているため、再スケジュール処理部172は、検査スケジュール管理部110に、洗浄W3で予定されているスコープG−R−3の洗浄終了通知情報を、9:30の時点で受け取れないことを通知する。この通知を受けて、検査スケジュール管理部110は、当該スコープG−R−3が、その後の検査で使用予定があるか、検査スケジュールを参照して確認する。
上記したように図41に示す例では、9:50を検査開始予定時刻とする検査E14でスコープG−R−3が使用されることがスケジューリングされている。そこで再スケジュール処理部172は、遅くとも検査E14の開始予定時刻の所定時間前までにスコープG−R−3の洗浄終了情報が通知されなければ、検査スケジュールおよび洗浄スケジュールを再スケジューリング処理する必要があることを判定する。再スケジュール処理部172は、通知制御部180から、スコープG−R−3の洗浄に関する問い合わせ画面を、洗浄担当者の携帯端末60に送信させる。なお再スケジュール処理部172は、通知制御部180から、問い合わせ画面を端末装置12に送信させてもよい。
洗浄担当者は、図69に示す問い合わせ画面から、洗浄終了時刻を入力するとともに、通信機能が不調であることを認識して、通信機能の復旧作業を行う。入力受付部176は洗浄担当者から入力された洗浄終了時刻情報を受信し、再スケジュール処理部172に通知する。
再スケジュール処理部172は、洗浄が終了していることの通知を、スコープG−R−3の次の使用予定時刻の所定時間前までに受け取ると、再スケジューリング処理が不要であることを判定する。スコープG−R−3の次の検査開始予定時刻は9:50であり、再スケジュール処理部172は、洗浄終了通知を、9:45までに受け取れば、再スケジューリング処理を実施させない。再スケジューリング処理を実施すると、使用スコープや洗浄機の割当に変更が生じてしまうため、再スケジュール処理部172は、ぎりぎりまで洗浄担当者からの入力を待つことで、不要な再スケジューリング処理を実施しないようにする。
このように実施例10によれば、再スケジュール処理部172が、洗浄終了予定時刻にスコープ30の洗浄終了通知情報を取得できない場合であっても、当該スコープ30が割り当てられている次の検査開始時刻の所定時間前までに、洗浄担当者から洗浄終了通知情報が入力されれば、再スケジューリング処理を実施しないようにする。なお洗浄機50は通信不調の場合、通信するべき情報をデータバッファに記録する機能を有しており、通信機能が復旧すると、当該情報をまとめて情報管理装置10に送信する。そのため洗浄担当者が洗浄終了情報を入力しない場合であっても、洗浄機50の通信機能が復旧して、記録していた情報を情報管理装置10に送信したタイミングが、次の検査開始時刻の所定時間前であるような場合でも、再スケジュール処理部172は、再スケジューリング処理を実施しなくてよい。
実施例10では、洗浄機50が通信機能を有していることを前提としたが、洗浄機50は通信機能を有していないこともある。その場合、洗浄終了通知情報は、洗浄担当者により端末装置12または携帯端末60に入力されて、情報管理装置10に送信されるように運用される。この運用のもとでは、洗浄担当者が端末装置12または携帯端末60への入力を忘れることも生じうる。そのような場合においても、再スケジュール処理部172が、通知制御部180から、問い合わせ画面を端末装置12または携帯端末60に送信させることで、洗浄担当者は、入力忘れに気付いて洗浄終了通知情報を端末装置12または携帯端末60に入力でき、これによって再スケジュール処理部172は、再スケジューリング処理を実施しないで済むようになる。
実施例10の態様は、以下のとおりである。
内視鏡検査を実施する検査室と、検査開始予定時刻情報および検査終了予定時刻情報と、内視鏡検査の検査内容に関する検査種別情報を含む複数の内視鏡検査の検査スケジュールを管理する検査スケジュール管理部と、
前記検査スケジュール管理部で管理されている各々の内視鏡検査に対し、複数の内視鏡の中から使用する内視鏡を割り当てる第1割当処理部と、
複数の洗浄機の中から、前記各々の内視鏡検査で使用される内視鏡を洗浄するための洗浄機を割り当てる第2割当処理部と、
洗浄機と、洗浄開始予定時刻情報および洗浄終了予定時刻情報を含む複数の内視鏡の洗浄スケジュールを管理する洗浄スケジュール管理部と、を備える内視鏡検査業務支援システムであって、
内視鏡の状況に関する状況情報を取得する状況情報取得部と、
前記状況情報にもとづいて、検査スケジュールおよび/または洗浄スケジュールの変更が必要であることを判定する再スケジュール処理部と、をさらに備え、
前記再スケジュール処理部は、洗浄終了予定時刻に、内視鏡の洗浄終了通知情報が取得できない場合であっても、当該内視鏡が割り当てられている検査開始の所定時間前までに洗浄終了通知情報が取得されれば、再スケジューリング処理を実施しない、
ことを特徴とする内視鏡業務支援システム。
<実施例11>
これまでの実施形態および実施例では、1台の洗浄機50が、1本のスコープ30を洗浄することを前提としている。しかしながら近年の洗浄機50は、洗浄作業を効率化するべく、2本のスコープ30を同時に洗浄する機能を有するものも存在する。実施例11では、第1洗浄機50aが、2本のスコープを同時洗浄する機能を有し、第2洗浄機50b、第3洗浄機50cが、これまで説明したきたように1本のスコープのみを洗浄する機能を有する場合の洗浄スケジュール生成処理について検討する。以下では、2本のスコープを洗浄する機能を有する洗浄機を「2本掛け洗浄機」と呼び、1本のみのスコープを洗浄する機能を有する洗浄機を「1本掛け洗浄機」とも呼ぶ。なお2本掛け洗浄機は、1本のスコープのみを洗浄することも可能とする。
実施例11の情報管理装置10は、図3に示す構成を備えつつ、第2割当処理部140が、以下に示す構成を備える。
図70は、第2割当処理部140の構成を示す。第2割当処理部140は、洗浄機特定部142、洗浄機割当部144およびスコープセット設定部145を備える。なお第2割当処理部140は、図3に示すように、終了時刻判定部146、洗浄機割当可否確認部148および担当者割当部149をさらに備えてよい。実施例11では、図7に示す基本フローチャートのS20に示す洗浄機割当処理について説明する。
実施例11の洗浄機割当処理では、2本のスコープ洗浄機能を有する第1洗浄機50aの取扱いが大きなポイントとなる。たとえば2つの検査が同時刻に終了予定である場合、その時刻に第1洗浄機50aが空いた状態にあって割当可能であれば、洗浄機割当部144は、第1洗浄機50aを2本のスコープの組合せに対して割り当てればよい。しかしながら2つの検査が異なる時刻に終了予定である場合には、2本揃うまで待って第1洗浄機50aを割り当てるのがよいか、または先に検査終了した1本のスコープに対して、いずれかの洗浄機を割り当てるのがよいかを、様々な観点から判断することが好ましい。
図71は、図13に示す洗浄機割当処理におけるS114の詳細フローチャートの例を示す。S114では、洗浄機割当部144が、検査で使用されるスコープ30に、空いた状態にある洗浄機50を割り当てる。実施例11において、洗浄機を未割当であって、検査の終了予定時刻が最も早いスコープを「第1スコープ」と呼び、洗浄機を未割当であって、検査の終了予定時刻が次に早いスコープを「第2スコープ」と呼ぶ。なお第1スコープと第2スコープを使用する検査の終了予定時刻は、同じ時刻であってもよい。たとえば検査終了予定時刻が同じ時刻である場合、検査室番号の小さい検査室で使用されるスコープを「第1スコープ」と設定してよい。
スコープセット設定部145は、検査スケジュール管理部110から、第1スコープに関する情報を取得する(S500)。第1スコープに関する情報は、第1スコープが使用される検査の終了予定時刻情報と、スコープ機種情報を含む。検査スケジュール管理部110は、洗浄機を未割当であって、検査の終了予定時刻が最も早いスコープに関する情報を、第1スコープ情報としてスコープセット設定部145に提供する。
またスコープセット設定部145は、検査スケジュール管理部110から、第2スコープに関する情報を取得する(S502のY)。第2スコープに関する情報は、第2スコープが使用される検査の終了予定時刻情報と、スコープ機種情報を含む。検査スケジュール管理部110は、洗浄機を未割当であって、検査の終了予定時刻が2番目に早いスコープに関する情報を、第2スコープ情報としてスコープセット設定部145に提供する。
なおスコープセット設定部145が、第2スコープに関する情報を取得しない場合(S502のN)、これは第1スコープが、洗浄機を未割当な最後のスコープであることを意味する。この場合、洗浄機割当部144は、空いている洗浄機(候補洗浄機)があれば、最先で割当可能な洗浄機50を特定して、第1スコープに割り当てる(S506)。
スコープセット設定部145が、第1スコープ情報および第2スコープ情報を取得すると、第1スコープと第2スコープを、スコープセットとして組み合わせてよいか判定する(S504)。スコープセットの判定処理は、2本のスコープが、2本掛け洗浄機である第1洗浄機50aに割り当てるのに適しているか判断するための処理となる。
図72は、組合せ判定処理のフローチャートを示す。組合せ判定処理では、スコープセット設定部145が、第1スコープ情報と第2スコープ情報が組合せ条件を満たしているか否かを判定する(S520)。ここで組合せ条件は、第2スコープを使用する検査の終了予定時刻が第1スコープを使用する検査の終了予定時刻から所定時間以内であることである。所定時間は、1回の洗浄時間より短い時間に設定され、たとえば5分に設定されてよい。
組合せ条件は、2本のスコープを1セットとして洗浄スケジュールを作成することが効率的であるか否かを判断するための条件である。第1スコープを使用した検査が終了してから、たとえば15分後に第2スコープを使用した検査が終了する場合、2本が揃うまでに15分要することになる。このとき第1スコープは、少なくとも15分間、洗浄を待機させられることになるため、第2スコープを使用する検査の終了を待って、2本掛け洗浄機で洗浄することが効率的であるとは言い難い。そこで2本のスコープを使用する検査の終了予定時刻の差が所定時間を超えるような場合には、第1スコープと第2スコープとを1セットとして取り扱わないようにすることが好ましい。
組合せ条件を満たす場合(S520のY)、スコープセット設定部145は、第1スコープと第2スコープとをスコープセットとして組合せ、組合せフラグを1に設定する(S522)。一方で、組合せ条件を満たさない場合には(S520のN)、スコープセット設定部145は、第1スコープと第2スコープとをスコープセットとして組み合わせず、組合せフラグを0に設定する(S524)。たとえば第1スコープを使用する検査の終了予定時刻が9:10である場合、第2スコープを使用する検査の終了予定時刻が9:10〜9:15の範囲内にあれば、第1スコープと第2スコープのセットが設定され、一方で、第2スコープを使用する検査の終了予定時刻が9:15よりも遅ければ、スコープセットは設定されないことになる。
図71に戻り、S504の組合せ判定処理により、組合せフラグが“1”に設定された場合には、第1洗浄機割当処理が実施され(S508)、組合せフラグが“0”に設定された場合には、第2洗浄機割当処理が実施される(S510)。
図73は、第1洗浄機割当処理のフローチャートを示す。第1洗浄機割当処理では、S504においてスコープセットを設定された第1スコープと第2スコープに対して、2本掛け洗浄機である第1洗浄機50aを割り当てることが効率的であるか否かを判断する。以下、第1スコープを使用する検査の終了予定時刻を「第1時刻」と呼び、また第2スコープを使用する検査の終了予定時刻を「第2時刻」と呼ぶ。たとえば第1時刻は9:10、第2時刻は9:15である。なお図73において、「2本掛け」は2本掛け洗浄機を意味し、「1本掛け」は1本掛け洗浄機を意味する。
洗浄機割当部144は、2本のスコープが揃う時刻(第2時刻)の2本掛け洗浄機の空き状況をチェックする(S530)。第2時刻に2本掛け洗浄機が「空き」の状態にある場合(S530のY)、洗浄機割当部144は、スコープセットに2本掛け洗浄機を割り当てた場合に、検査スケジュールの変更を要するか否かを判定する(S532)。
検査スケジュールでは、後に示す図75などに示すように検査の時間枠が定められている。検査スケジュールの変更とは、検査の時間枠をずらすことであり、検査の開始予定時刻に、当該検査用の機種のスコープの洗浄が終了しておらず、スコープが不足する場合には、検査の時間枠を繰り下げる必要が生じる。
第1洗浄機割当処理では、スコープセットを設定したために、第1スコープの洗浄開始が、第2スコープを使用する検査の終了を待たねばならず、洗浄開始可能な時刻(第1時刻)よりも遅くなる。第1スコープの洗浄開始予定時刻を第2時刻以降に設定することで、検査スケジュールの変更が必要となる場合には(S532のY)、必要に応じて、スコープセットを解消する処理を実施する。
検査スケジュールの変更が必要となる場合(S532のY)、洗浄機割当部144は、第1時刻の1本掛け洗浄機の空き状況をチェックする(S534)。ここで第1時刻において1本掛け洗浄機が「空き」の状態にある場合(S534のY)、スコープセット設定部145は、スコープセットを解消し(S536)、洗浄機割当部144は、第1スコープを使用する検査の終了予定時刻(第1時刻)を洗浄開始予定時刻として、第1スコープに1本掛け洗浄機を割り当てる(S538)。このとき第2スコープは、スコープセットを解消されたことで、次の組合せ判定処理(S504)における第1スコープとなり、当該スコープに対する洗浄機の割当処理は、次の組合せ判定処理を経てから実施される。
一方、第1時刻(9:10)の時点で、1本掛け洗浄機が「空き」の状態にない場合(S534のN)、洗浄機割当部144は、第1時刻の2本掛け洗浄機の空き状況をチェックする(S540)。ここで第1時刻において2本掛け洗浄機が「空き」の状態にある場合(S540のY)、スコープセット設定部145は、スコープセットを解消し(S542)、洗浄機割当部144は、第1スコープを使用する検査の終了予定時刻(第1時刻)を洗浄開始予定時刻として、第1スコープに2本掛け洗浄機を割り当てる(S544)。2本掛け洗浄機で1本のスコープを洗浄することは、リソースの観点からは好ましくないが、S544では、第1スコープに2本掛け洗浄機を割り当てることで、第1スコープの洗浄を早く終わらせるようにしている。なお第2スコープは、スコープセットを解消されたことで、次の組合せ判定処理(S504)における第1スコープとなり、当該スコープに対する洗浄機の割当処理は、次の組合せ判定処理を経てから実施される。以下、スコープセットを解消されたときの第2スコープの扱いについては同様であるため、説明を省略する。
なお第1時刻において2本掛け洗浄機が「空き」の状態にない場合(S540のN)、スコープセット設定部145は、スコープセットを解消せず、洗浄機割当部144は、第2時刻を洗浄開始予定時刻として、スコープセットに2本掛け洗浄機を割り当てる(S546)。これは、検査スケジュールの変更を回避できないケースに該当する。第2割当処理部140は、検査スケジュール管理部110に検査スケジュールの変更指示を通知し、検査スケジュール管理部110が、第1スコープの機種を使用する検査の時間枠を繰り下げる処理を実施する。
なおS532において、検査スケジュールの変更を要しない場合には(S532のN)、洗浄機割当部144は、第2時刻を洗浄開始予定時刻として、スコープセットに2本掛け洗浄機を割り当てる(S546)。このように、第1洗浄機割当処理では、検査スケジュールを可能な限り変更しないというポリシーのもとで、スコープセットを必要に応じて解消して、スコープに洗浄機を割り当てるようにする。
一方、S530で、第2時刻において2本掛け洗浄機が「空き」の状態にない場合(S530のN)、洗浄機割当部144は、第2時刻の時点で、スコープセットに2本掛け洗浄機を割り当てられない。そのため洗浄機割当部144は、できるだけスコープ洗浄を早く進めるように、以下の割当処理を実施する。
洗浄機割当部144は、第1時刻の1本掛け洗浄機の空き状況をチェックする(S550)。ここで第1時刻において1本掛け洗浄機が「空き」の状態にある場合(S550のY)、スコープセット設定部145は、スコープセットを解消し(S552)、洗浄機割当部144は、第1スコープを使用する検査の終了予定時刻(第1時刻)を洗浄開始予定時刻として、第1スコープに1本掛け洗浄機を割り当てる(S554)。
一方、第1時刻(9:10)の時点で、1本掛け洗浄機が「空き」の状態にない場合(S550のN)、洗浄機割当部144は、第1時刻以降で、2本掛け洗浄機が1本掛け洗浄機よりも先に「空き」の状態になるかチェックする(S556)。なお2本掛け洗浄機は第2時刻において「空き」の状態にはないため(S530のN)、1本掛け洗浄機が第2時刻までに「空き」の状態になれば、1本掛け洗浄機の方が、2本掛け洗浄機よりも早く「空き」の状態になる。
1本掛け洗浄機の方が2本掛け洗浄機よりも早く「空き」の状態になる場合(S556のN)、スコープセット設定部145は、スコープセットを解消し(S560)、洗浄機割当部144は、1本掛け洗浄機が空きとなる時刻を洗浄開始予定時刻として、第1スコープに1本掛け洗浄機を割り当てる(S562)。一方、2本掛け洗浄機の方が1本掛け洗浄機よりも早く「空き」の状態になる場合(S556のY)、洗浄機割当部144は、2本掛け洗浄機が空きとなる時刻を洗浄開始予定時刻として、スコープセットに2本掛け洗浄機を割り当てる(S558)。
以上のように、第1洗浄機割当処理においては、組合せ条件を満足するスコープセットに2本掛け洗浄機を割り当てることを目的とする一方で、洗浄機の状態によってはスコープセットを解消して、第1スコープのみを洗浄機に割り当てるようにする。これにより洗浄機のリソースを有効に活用しつつ、状況に応じて1本のスコープのみに2本掛け洗浄機を割り当てることも可能となり、柔軟な洗浄スケジュールの作成を可能とする。
図74は、第2洗浄機割当処理のフローチャートを示す。第2洗浄機割当処理では、スコープセットが設定されておらず、1本の第1スコープに対して、どの洗浄機を割り当てることが効率的であるか否かを判断する。図73と同様に、第1スコープを使用する検査の終了予定時刻を「第1時刻」と呼ぶ。また図74においても「2本掛け」は2本掛け洗浄機を意味し、「1本掛け」は1本掛け洗浄機を意味する。
洗浄機割当部144は、第1時刻における1本掛け洗浄機の空き状況をチェックする(S580)。第1時刻において1本掛け洗浄機が「空き」の状態にある場合(S580のY)、洗浄機割当部144は、第1スコープを使用する検査の終了予定時刻(第1時刻)を洗浄開始予定時刻として、第1スコープに1本掛け洗浄機を割り当てる(S582)。1本のスコープに、1本掛け洗浄機を優先的に割り当てることで、洗浄機のリソースを有効に活用できる。
一方、第1時刻において1本掛け洗浄機が「空き」の状態にない場合(S580のN)、洗浄機割当部144は、第1時刻における2本掛け洗浄機の空き状況をチェックする(S584)。第1時刻において2本掛け洗浄機が「空き」の状態にある場合(S584のY)、洗浄機割当部144は、第1スコープを使用する検査の終了予定時刻(第1時刻)を洗浄開始予定時刻として、第1スコープに2本掛け洗浄機を割り当てる(S586)。2本掛け洗浄機で1本のスコープを洗浄することは、リソースの観点からは好ましくないが、S586では、第1スコープに2本掛け洗浄機を割り当てることで、第1スコープの洗浄を早く終わらせるようにしている。
第1時刻において2本掛け洗浄機が「空き」の状態にない場合(S584のN)、洗浄機割当部144は、第1時刻以降で、1本掛け洗浄機が2本掛け洗浄機よりも先に「空き」の状態になるかチェックする(S588)。ここで1本掛け洗浄機の方が先に「空き」の状態になる場合(S588のY)、洗浄機割当部144は、「空き」となる時刻を洗浄開始予定時刻として、第1スコープに1本掛け洗浄機を割り当てる(S590)。一方、2本掛け洗浄機の方が先に「空き」の状態になる場合(S588のN)、洗浄機割当部144は、「空き」となる時刻を洗浄開始予定時刻として、第1スコープに2本掛け洗浄機を割り当てる(S592)。第2洗浄機割当処理は、1本の第1スコープに洗浄機を割り当てる処理であるため、リソースの効率よりもスピードを重視して、洗浄機をスコープに割り当てている。
図75は、検査スケジュール管理部110および洗浄スケジュール管理部130により設定された検査スケジュールおよび洗浄スケジュールの一例を示す。図示されるように検査スケジュールが設定されており、また洗浄スケジュールとして、第1洗浄機50aに8:50〜9:10までの使用予定、第2洗浄機50bに9:00〜9:20までの使用予定、第3洗浄機50cに9:10〜9:30までの使用予定が組み込まれているものとする。
ここで検査E1は9:10を終了予定時刻とし、検査E2は9:15を終了予定時刻とする。検査E1で使用されるスコープと検査E2で使用されるスコープは、組合せ判定処理における組合せ条件を満たすため、これら2本のスコープは、スコープセットとして設定され、図73に示す第1洗浄機割当処理が実施される。第1洗浄機割当処理において、第1時刻は9:10、第2時刻は9:15である。
S530のステップで、第2時刻において、2本掛け洗浄機である第1洗浄機50aは「空き」状態にある(S530のY)。したがって第2時刻を洗浄開始予定時刻として、スコープセットに第1洗浄機50aを割り当てた場合に、検査スケジュールを変更する必要がなければ(S532のN)、洗浄機割当部144は、第2時刻を洗浄開始予定時刻として、スコープセットに第1洗浄機50aを割り当てる(S546)。これにより2本掛け洗浄機を効率的に利用することができる。図76は、スコープセットに第1洗浄機50aを割り当てた状態を示す。
一方で、検査スケジュールを変更する必要がある場合(S532のY)、第1時刻に1本掛け洗浄機、つまり第2洗浄機50b、第3洗浄機50cが「空き」の状態になく(S534のN)、一方で第1時刻に2本掛け洗浄機、つまり第1洗浄機50aが「空き」の状態にあるため(S540のY)、スコープセット設定部145は、スコープセットを解消して(S542)、第1時刻を洗浄開始予定時刻として、検査E1で使用するスコープのみに第1洗浄機50aを割り当てる(S544)。この場合には、検査E1で使用するスコープの洗浄開始を優先することで、検査E1に後続する同一種別の検査(上部ルーチン検査)スケジュールの変更を、可能な限り生じさせないようにする。図77は、1本のスコープに第1洗浄機50aを割り当てた状態を示す。
図78は、検査スケジュール管理部110および洗浄スケジュール管理部130により設定された検査スケジュールおよび洗浄スケジュールの別の例を示す。図示されるように検査スケジュールが設定されており、また洗浄スケジュールとして、第1洗浄機50aに9:05〜9:25までの使用予定、第2洗浄機50bに9:00〜9:20までの使用予定、第3洗浄機50cに9:10〜9:30までの使用予定が組み込まれているものとする。
ここで検査E1は9:10を終了予定時刻とし、検査E2は9:15を終了予定時刻とする。検査E1で使用されるスコープと検査E2で使用されるスコープは、組合せ判定処理における組合せ条件を満たすため、これら2本のスコープは、スコープセットとして設定され、図73に示す第1洗浄機割当処理が実施される。第1洗浄機割当処理において、第1時刻は9:10、第2時刻は9:15である。
S530のステップで、第2時刻において、2本掛け洗浄機である第1洗浄機50aは「空き」状態にない(S530のN)。また第1時刻において、1本掛け洗浄機である第2洗浄機50b、第3洗浄機50cは「空き」状態にない(S550のN)。そこで洗浄機割当部144は、第1時刻以降で、2本掛け洗浄機が1本掛け洗浄機よりも先に「空き」の状態になるかチェックする(S556)が、図78に示す洗浄スケジュールでは、第2洗浄機50bが先に「空き」の状態になっている(S556のN)。そこでスコープセット設定部145は、スコープセットを解消して(S560)、洗浄機割当部144は、第2洗浄機50bの洗浄終了予定時刻である9:20を洗浄開始予定時刻として、検査E1で使用するスコープに、第2洗浄機50bを割り当てる(S562)。図79は、1本のスコープに第1洗浄機50aを割り当てた状態を示す。
以上のように実施例11によれば、2本掛け洗浄機が存在する場合に、柔軟な洗浄スケジュールを作成することが可能となる。なお実施例11では、2本掛け洗浄機が存在する場合の洗浄スケジュールについて説明したが、3本掛け以上の洗浄機が存在する場合についても、上記した処理を実施することで、同様に洗浄スケジュールを作成することが可能である。
実施例11の態様は、以下のとおりである。
内視鏡検査を実施する検査室と、検査開始予定時刻情報および検査終了予定時刻情報と、内視鏡検査の検査内容に関する検査種別情報を含む複数の内視鏡検査の検査スケジュールを管理する検査スケジュール管理部と、
複数の洗浄機の中から、各々の内視鏡検査で使用される内視鏡を洗浄するための洗浄機を割り当てる割当処理部と、
洗浄機と、洗浄開始予定時刻情報および洗浄終了予定時刻情報を含む複数の内視鏡の洗浄スケジュールを管理する洗浄スケジュール管理部と、を備える内視鏡検査業務支援システムであって、
洗浄機の少なくとも1つは、同時に複数本の内視鏡を洗浄する機能を有するものであって、
前記割当処理部は、所定の組合せ条件を満たす複数本の内視鏡をスコープセットとして設定し、スコープセットに、複数本の内視鏡を洗浄する機能をもつ洗浄機を割り当てる、
ことを特徴とする内視鏡業務支援システム。
なお前記割当処理部は、検査スケジュールおよび/または洗浄スケジュールの状況に応じて、1本または2本の内視鏡に、2本の内視鏡を洗浄する機能をもつ洗浄機を割り当ててよい。