図1は、本発明の実施形態にかかる内視鏡検査業務支援システム1の構成を示す図である。内視鏡検査業務支援システム1は、内視鏡検査業務を支援するためのシステムであり、内視鏡(以下、単に「スコープ」とも呼ぶ)30の個体の使用予定および洗浄予定を適切にスケジューリングする機能を実現する。内視鏡検査業務支援システム1は、情報管理装置10、端末装置12、保管庫14、内視鏡観察装置22a〜22d、第1洗浄機50a〜第4洗浄機50dを備え、それらはLAN(ローカルエリアネットワーク)などのネットワーク2によって相互接続される。
複数の検査室のそれぞれに、内視鏡観察装置が設置される。この例では、第1検査室20aが内視鏡観察装置22aを、第2検査室20bが内視鏡観察装置22bを、第3検査室20cが内視鏡観察装置22cを、第4検査室20dが内視鏡観察装置22dをそれぞれ備えている。医療施設において検査室は、上部検査と下部検査とで使い分けられることが多い。図1に示す例では、第1検査室20a、第2検査室20b、第3検査室20cが上部検査のために使用され、第4検査室20dが下部検査のために使用される。以下、第1検査室20a〜第4検査室20dを特に区別しない場合には、「検査室20」と呼ぶことがあり、また内視鏡観察装置22a〜22dを特に区別しない場合には、「内視鏡観察装置22」と呼ぶこともある。内視鏡観察装置22にはスコープ30が接続され、医師による内視鏡検査が行われる。
大病院や内視鏡センターなどの医療施設は、1日に数多くの内視鏡検査を実施するために、多種の内視鏡(スコープ)を所有し、また繁用する機種について複数の個体を所有している。たとえば上部検査用のスコープの機種としては、ルーチン検査に使用される上部ルーチン機、高解像度の画像を提供できる上部高画質機、鼻孔から挿入される上部経鼻機、粘膜表面における微細な血管の走行形態や腺管等による構造パターン等を観察できる上部拡大機、処置機能を有する上部処置機などが存在する。また下部検査用のスコープの機種としては、ルーチン検査に使用される下部ルーチン機、粘膜表面における微細な血管の走行形態や腺管等による構造パターン等を観察できる下部拡大機、処置機能を有する下部処置機などが存在する。医療施設において、所有されるスコープは、データベースに登録されて管理されている。
洗浄室40には、複数の洗浄機が設置され、この例では、第1洗浄機50a、第2洗浄機50b、第3洗浄機50cおよび第4洗浄機50dが設けられる。以下、第1洗浄機50a〜第4洗浄機50dを特に区別しない場合には、「洗浄機50」と呼ぶこともある。この例では、4台の洗浄機50が1つの洗浄室40に設置されているが、複数の洗浄室に分散して設置されていてもよい。
洗浄機50は機種によって、異なる薬液を洗浄に使用することが一般的である。たとえば洗浄に使用される薬液としては、過酢酸、フタラール、強酸性電解水などが代表的であり、洗浄機50は、所定の薬液のみを使用するように設計されている。つまり洗浄機50の機種と、使用する薬液とは一対一に対応付けられており、洗浄機50が、定められた薬液以外の薬液を使用することは推奨されていない。また洗浄機50の機種によって、洗浄時間が異なることもあり、このように洗浄機50は機種固有の特性を有している。
保管庫14は、スコープ30を保管する。1日の内視鏡検査業務が開始される前、全てのスコープ30は保管庫14に保管されており、技師などの検査準備者は、保管庫14からスコープ30を取り出して検査室20に運び、内視鏡観察装置22に接続する。医師による検査が終了すると、検査準備者は、使用済みのスコープ30を洗浄室40に運んで、洗浄機50の洗浄槽に入れて洗浄を行い、洗浄終了したスコープ30を、また検査室に運んで、医師が、新たな検査に再使用する。
医療施設において、スコープ30の個体には、他の個体と区別するための個体名称が付与されることが一般的である。たとえば同種のスコープ30については、その形状が同じであるために、個体名称を付与して、それぞれを管理する。スコープ30には、個体名称で区別できるように、個体名称を印字したシールなどが貼り付けられ、これにより医師や検査準備者は、各個体を区別できるようになる。また、近年は内視鏡本体にRFIDタグ等が内蔵され、内視鏡観察装置22のカメラコントロールユニット(CCU)への接続時やタグの読取手段を用いた読み取りにより各個体を電子的に識別できるようになっている。このようなスコープ30に対しては、CCUへの接続時や洗浄機での洗浄開始前または終了後等にRFIDタグ内の個体識別情報を取得することにより、シールを用いた場合と同様の区別をすることが可能である。
実施形態の内視鏡検査業務支援システム1は、スコープ30の各個体に対して、どの検査で使用するか、またどの洗浄機で洗浄するか、などを定めたスケジュール情報を設定する。これにより検査準備者は、スケジュール情報をみて、どの検査室20に運び込めばよいか、またどの洗浄機50で洗浄すればよいかを知ることができる。その際、スコープ30に貼り付けられたシールに印字された個体名称により、検査準備者は、スケジュール情報にしたがってスコープ30を適切に移動し、また洗浄できる。
スコープ30のスケジュール情報は、情報管理装置10により生成される。スケジュール情報の生成タイミングは、1日の内視鏡検査業務の開始前であり、検査準備者は、端末装置12の画面に表示されるスケジュール情報をみて、スコープ30の扱いを判断できる。端末装置12は、据置型のパーソナルコンピュータであってもよい。なお内視鏡検査業務支援システム1は、誰もがみることのできる大型ディスプレイを有し、大型ディスプレイにスケジュール情報が表示されてもよい。
なお医師や検査準備者などの医療従事者は、携帯端末60を保有し、情報管理装置10から必要な通知を受けることができる。携帯端末60は携帯可能な、たとえばPDA(Personal Digital Assistant)やタブレットなどの端末装置であってよく、医療施設内に設置されているアクセスポイント(以下、「AP」とも呼ぶ)3との間で無線LANを構築して、情報管理装置10との間でデータを送受信可能とする。施設内で医療従事者のそれぞれには携帯端末60が貸与されて、携帯端末60と医療従事者とは対応付けて管理されている。そのため情報管理装置10は、特定の医療従事者に情報を送信する場合、医療従事者に対応付けられた携帯端末60を特定して、かかる携帯端末60に必要な情報を送信できる。
情報管理装置10は、スケジュール情報を生成する際、あるタイミングを開始予定とする検査に対して、どのスコープ30を割り当てるか決定するが、そのタイミングで使用予定となっているスコープ30や、洗浄予定となっているスコープ30は、当然のことながら検査に割り当てることはできない。そのため情報管理装置10は、スケジューリング処理に際して各スコープ30に対して仮想的なステータスを設定し、任意のタイミングにおける各スコープ30のステータスを確認できるようにする。
図2は、スケジュール情報の作成中に設定されるスコープ30の仮想的なステータスを説明するための図である。スコープ30は、「使用中」(ST1)、「使用済」(ST2)、「洗浄中」(ST3)、「待機中」(ST4)のうち、いずれかのステータスをとる。図2において示される矢印は、ステータスの遷移方向を示す。情報管理装置10は、任意のタイミングにおける全てのスコープ30のステータスを把握することで、当該タイミングにおいて検査に、適切なスコープ30を割り当てる。
図2に示す4つのステータスにおいて、検査に割当可能なスコープ30は、そのステータスが「待機中」となっているスコープであり、他のステータスにあるスコープ30を検査に割り当てることはできない。なお保管庫14に保管されているスコープ30のステータスは「待機中」であり、したがってスケジュール情報の生成処理を開始する際には、全てのスコープ30のステータスが「待機中」であることを前提とする。
図3は、スコープ30のスケジュール情報を生成する情報管理装置10の構成を示す。情報管理装置10は、処理部100および記憶部200を備え、処理部100は、検査スケジュール管理部110、第1割当処理部120、洗浄スケジュール管理部130、第2割当処理部140、表示処理部150、表示内容導出部152、期間指定部154、使用状況監視部160および履歴管理部162を有する。
情報管理装置10の各構成は、ハードウェア的には、任意のコンピュータのCPU、メモリ、その他のLSIで実現でき、ソフトウェア的にはメモリにロードされたプログラムなどによって実現されるが、ここではそれらの連携によって実現される機能ブロックを描いている。したがって、これらの機能ブロックがハードウェアのみ、ソフトウェアのみ、またはそれらの組み合わせによっていろいろな形で実現できることは、当業者には理解されるところである。
検査オーダは、例えばオーダリングシステム等の院内情報システムにおいて生成され、内視鏡部門システムに対して発行される。情報管理装置10は、1日の内視鏡検査業務の開始前に、院内情報システムにおいて生成された1日分の検査オーダを取得して、医療施設内で所有するスコープ30の各個体の使用予定および洗浄予定をスケジューリングする。取得された1日分の検査オーダは、オーダ情報記憶部202に記憶される。たとえばスケジューリングのタイミングは、検査当日の最初の検査が行われる前であってよく、また前日の検査業務終了後であってもよく、いずれにしても1日分の検査オーダが確定しているタイミングであればよい。
検査オーダには、検査開始予定時刻情報、検査終了予定時刻情報、患者の識別情報(患者ID)、検査種別情報、検査の担当医師、検査室など、内視鏡検査に関するオーダ情報が含まれる。図1に示す内視鏡検査業務支援システム1において、第1検査室20a、第2検査室20b、第3検査室20cが、上部検査のために使用され、第4検査室20dが下部検査のために使用されるように定められており、したがって上部検査オーダには、検査室として、第1検査室20a、第2検査室20b、第3検査室20cのいずれかが割り当てられており、また下部検査オーダには、第4検査室20dが割り当てられている。
スケジューリング処理の開始時、まず検査スケジュール管理部110は、オーダ情報記憶部202から1日分の複数のオーダ情報を取得し、検査スケジュールを生成する。具体的に検査スケジュール管理部110は、内視鏡検査を実施する検査室と、検査開始予定時刻情報および検査終了予定時刻情報と、内視鏡検査の検査内容に関する検査種別情報と、担当医師を含む複数の内視鏡検査の検査スケジュールを生成して、管理する。検査スケジュール管理部110は、生成した検査スケジュールを、検査スケジュール保持部206に格納する。その後、これから説明するように、検査スケジュール管理部110は、各検査に対して第1割当処理部120により割り当てられたスコープ30の情報を検査スケジュールに登録して、検査スケジュールを更新する。
図4は、生成された検査スケジュールの一例を示す。検査スケジュール管理部110は、オーダ情報記憶部202からオーダ情報を取得すると、検査開始予定時刻の早いものから順に、検査番号を設定する。図4において1日分の検査数は41であり、各検査に対して検査番号がE1〜E41として設定されている。ここで検査番号E1の検査スケジュールは、検査室が第1検査室20a、検査開始予定時刻が9:00、検査終了予定時刻が9:10、検査種別が「上部ルーチン検査」、担当医師が「医師B」であることが示される。
なお本実施形態において、図4に示す検査スケジュールは、1日分の複数の検査オーダから自動的に導出されることとしているが、オーダ情報に、検査開始予定時刻情報や検査終了予定時刻情報、担当医師および検査室の情報が含まれていない場合には、検査スケジュール管理部110が、検査スケジュールを生成してもよい。
たとえば記憶部200は、検査種別ごとの検査予定時間を記憶した検査種別マスタテーブルと、担当医師を記憶した担当医師マスタテーブルと、検査室で実施される検査条件(つまり上部検査であるか下部検査であるかを特定する情報)とを記憶する。検査オーダには、患者の識別情報(患者ID)および検査種別情報が含まれており、検査スケジュール管理部110は、1日分の検査オーダを取得すると、検査種別マスタテーブル、担当医師マスタテーブルおよび検査条件を参照して、検査スケジュールを生成する。
図5は、検査種別マスタテーブル210の一例を示す。検査種別マスタテーブル210には、各検査種別ごとに、検査予定時間が記録されている。検査オーダに患者の識別情報(患者ID)および検査種別情報が含まれている場合、検査スケジュール管理部110は、まず検査オーダに含まれる各検査の検査種別情報を参照して、検査室ごとに1つの検査を割り当てる。ここで検査室の検査条件を参照して、検査種別情報が上部検査を指定していれば、その検査を、第1検査室20a、第2検査室20b、第3検査室20cのいずれかに割り当て、検査種別情報が下部検査を指定していれば、その検査を第4検査室20dに割り当てる。また検査スケジュール管理部110は、検査間のインターバルとして所定の準備時間(たとえば5分)を設定する。
検査種別マスタテーブル210においては、たとえば検査種別番号1の「上部ルーチン検査」の検査予定時間が10分であること、また検査種別番号2の「上部経鼻検査」の検査予定時間が15分であること、などが記録されている。なお検査種別番号16の「下部ルーチン検査(経験3年)」の検査予定時間は、検査種別番号9の「下部ルーチン検査」の検査予定時間よりも5分長く設定されているが、これは、経験3年未満の医師(若手医師)が検査した場合には、経験3年以上の医師(ベテラン医師)よりも5分程多く要することを、予め予定時間として組み込んでいることを示す。なお、若手医師がベテラン医師よりも多くの時間を要することは、担当医師マスタテーブルにおいて設定されていてもよい。検査スケジュール管理部110は、検査種別マスタテーブル210にしたがって、各検査室20に1つの検査を割り当てて、検査開始予定時刻および検査終了予定時刻を設定する。
次に、第1割当処理部120における医師割当部129が、各検査室20の検査に対して、医師を割り当てる。このとき医師割当部129は、同じ時間帯に、同じ担当医師が重複することのないように、担当医師を検査に割り当てる。このように検査スケジュール管理部110が各検査室20に1つの検査を割り当て、医師割当部129が、割り当てられた検査に対して医師を割り当てることで、検査スケジュールが生成される。医師割当部129が検査に医師を割り当てると、検査スケジュール管理部110は、未処理の検査オーダに含まれる各検査の検査種別情報を参照して、再び検査室ごとに1つの検査を割り当て、医師割当部129が、割り当てられた検査に対して医師を割り当てる。これを繰り返すことで、図4に示す検査スケジュールが生成される。
なお図4に示した検査スケジュールにおいて、検査番号E12で示す下部ルーチン検査の検査予定時間は、20分に設定されている。これは医師割当部129により検査番号E12で示す下部ルーチン検査に医師Eが割り当てられたところ、当該医師Eが経験3年未満の若手医師であるために、検査番号E12で示す検査の予定時間が、通常の下部ルーチン検査の検査予定時間(15分)よりも5分長く設定される。検査スケジュール管理部110が、検査番号E12で示す下部ルーチン検査を第4検査室20dに割り当てた際には、通常通り検査予定時間を15分に設定しつつ、医師割当部129が、当該検査に対して医師Eを割り当てたときに、検査スケジュール管理部110は、図5に示す検査種別番号16の検査予定時間を参照して、検査予定時間を5分長くして、検査終了予定時刻を再設定する。
このように、オーダ情報に検査室情報、検査開始予定時刻情報、検査終了予定時刻情報、担当医師情報などが含まれていない場合に、検査にスコープ30を割り当てる前提として、検査スケジュール管理部110が、上記したように検査種別マスタテーブル210等を参照して、検査を行う検査室、検査開始予定時刻、検査終了予定時刻を設定し、医師割当部129が、検査に対して医師を割り当てることで、処理部100が検査スケジュールを自動生成する機能を有してよい。
所有スコープ情報記憶部220は、医療施設が所有するスコープ30に関する情報およびデータを記憶しており、所有スコープマスタテーブル222、使用状況記憶部224、洗浄機順位保持部226、割当スコープ情報保持部228、割当担当者情報保持部230、履歴記録部232を備える。所有スコープマスタテーブル222は、医療施設が所有するスコープ30を管理するためのデータベースであり、医療施設が所有する全てのスコープ30の情報が登録されている。
図6は、所有スコープマスタテーブル222の一例を示す。所有スコープマスタテーブル222は、医療施設内で設定した内視鏡番号と、機種名、および医療施設内における個体名称とを対応付けて登録している。ここでは上部検査用のスコープ機種として、ルーチン検査に使用される上部ルーチン機、高解像度の画像を提供できる上部高画質機、鼻孔から挿入される上部経鼻機、粘膜表面における微細な血管の走行形態や腺管等による構造パターン等を観察できる上部拡大機、処置機能を有する上部処置機が登録されている。
医療施設において上部ルーチン機は6本所有されて、それぞれにG−R−1、G−R−2、G−R−3、G−R−4、G−R−5、G−R−6の個体名称が付されている。また上部高画質機は3本所有されて、それぞれにG−H−1、G−H−2、G−H−3の個体名称が付され、上部経鼻機は1本所有されて、G−N−1の個体名称が付され、上部拡大機は2本所有されて、それぞれにG−Z−1、G−Z−2の個体名称が付され、上部処置機は2本所有されて、それぞれにG−T−1、G−T−2の個体名称が付されている。
また下部検査用のスコープの機種としては、ルーチン検査に使用される下部ルーチン機、粘膜表面における微細な血管の走行形態や腺管等による構造パターン等を観察できる下部拡大機、処置機能を有する下部処置機が登録されている。下部ルーチン機は3本所有されて、それぞれにC−R−1、C−R−2、C−R−3の個体名称が付され、下部拡大機は1本所有されて、C−Z−1の個体名称が付され、下部処置機は1本所有されて、C−T−1の個体名称が付されている。
各スコープ30には、それぞれの個体名称を印字したテープなどが貼り付けられて、医師や検査準備者が、目視で個体を特定できるようにされている。個体の識別表示の手段は、テープに限るものではないが、特に同機種のスコープ30が複数存在する場合には、同機種内での区別ができるように、個体を目視で特定できるような手当がなされていることが好ましい。
以下、スコープ30のスケジュール情報を生成する処理について説明する。なおスコープ30のスケジュール情報を生成することは、スコープ30を検査に割り当て、また検査に使用したスコープ30を洗浄機に割り当てることを意味し、その結果として、検査スケジュールおよび洗浄スケジュールが生成されるとともに、スコープ30の個体のスケジュールも生成されるようになる。
図7は、スコープ30のスケジュール情報を生成する基本フローチャートを示す。検査スケジュール管理部110が、オーダ情報記憶部202から1日分の複数のオーダ情報を取得する(S10)。検査スケジュール管理部110は、複数のオーダ情報の検査開始予定時刻を参照して、検査開始予定時刻の早いものから順に検査番号を設定し(S12)、検査スケジュールを生成する(S14)。なお検査開始予定時刻を同一とする複数の検査に関しては、検査室番号の小さいものから順に検査番号を設定してもよい。なお検査室番号は、第1検査室20aが「1」、第2検査室20bが「2」、第3検査室20cが「3」、第4検査室20dが「4」と設定されている。S14で生成される検査スケジュールは、図4に示したものであり、時間軸を縦軸とし、検査室を横軸にとって、検査開始予定時刻情報および検査終了予定時刻情報で指定される時間枠内に検査オーダを割り当てたものとなる。
なお検査開始予定時刻情報および検査終了予定時刻情報は、時分を示す時刻そのものの情報であってよいが、5分刻みの時間帯を示すものであってもよい。たとえば内視鏡部門において、スケジューリングが5分を1単位として行われる場合には、5分を1単位とするコマを基準として、検査開始予定時刻情報および検査終了予定時刻情報が、それぞれ検査開始予定時刻および検査終了予定時刻を指定してもよい。
スコープ30のスケジュール情報は、検査スケジュールにおける検査に対してスコープ30を割り当て、割り当てたスコープ30に対して検査終了予定時刻以後に洗浄を行う洗浄機を割り当てることで生成される。そのため最初に、各検査室においてスコープ30を割り当てる対象となる検査を抽出するための処理が実行される(S16)。割当対象検査抽出処理により、各検査室の検査が抽出されると、抽出された検査に対して、第1割当処理部120によりスコープ30を割り当てるための処理が実行される(S18)。スコープ割当処理により検査に対してスコープ30が割り当てられると、割り当てられたスコープ30の情報が検査スケジュールに登録され、続いて当該割り当てられたスコープ30に対して、洗浄する洗浄機50を割り当てるための処理が第2割当処理部140により実行される(S20)。スコープ30に割り当てられた洗浄機50の情報は、洗浄スケジュールに登録される。S16〜S20のステップは、全ての検査について完了するまで繰り返され(S22のN)、全検査に対して割当処理が完了すると(S22のY)、スコープ30のスケジューリング処理が終了する。
S16〜S20のステップを実行すると、各検査室20の検査に対してスコープ30が割り当てられ、割り当てられたスコープ30に対して洗浄機50が割り当てられる。このようにしてスコープ30の使用予定、洗浄予定が定められると、洗浄機50を割り当てた第2割当処理部140が、当該スコープ30を割り当てられた検査の検査番号に対して、処理済みのフラグを設定する。検査にスコープ30を割り当てる第1割当処理部120は、各検査番号のフラグを参照して、全ての検査番号のフラグが処理済みとなるまで(S22のN)、S16のステップを実行し、全ての検査番号のフラグが処理済みとなっていれば(S22のY)、S16のステップには戻らずに、スコープ30のスケジューリング処理を終了する。
図3に戻って、第1割当処理部120は、検査スケジュールの検査に対して、スコープ30を割り当てる処理を行う。具体的に第1割当処理部120は、基本フローチャートにおけるS16、S18のステップを実行する機能を有し、検査抽出部122、スコープ特定部124、スコープ割当部126、スコープ割当可否確認部128および医師割当部129を備える。なお既述したように医師割当部129は、検査スケジュールの生成に際して医師を検査に割り当てる処理を担当する。
図8は、基本フローチャートのS16に示す割当対象検査の抽出処理の詳細フローチャートを示す。第1割当処理部120において、検査抽出部122が、検査スケジュールにおける各検査室20の検査のうち、スコープ30をまだ割り当てておらず、且つ最も検査開始予定時刻の早い検査を抽出する(S30)。図4に示す検査スケジュールにおいては、まだ、どの検査にもスコープ30は割り当てておらず、したがって検査抽出部122は、各検査室20において最も検査開始予定時刻の早い検査をそれぞれ抽出する。ここで第1検査室20aからは検査番号E1の検査、第2検査室20bからは検査番号E2の検査、第3検査室20cからは検査番号E3の検査、第4検査室20dからは検査番号E4の検査を抽出する。以下、説明の便宜上、検査番号E1の検査を「検査E1」、検査番号E2の検査を「検査E2」などと呼ぶこともある。
続いて検査抽出部122は、「N=1」をセットして(S32)、第N検査室以外の検査室から抽出した検査の次の検査の検査開始予定時刻が、第N検査室から抽出した検査の検査開始予定時刻よりも遅いか否かを判定する(S34)。ここでは、第1検査室20aから抽出した検査E1の検査開始予定時刻と、第2検査室20b、第3検査室20c、第4検査室20dから抽出した検査E2、E3、E4の次の検査、つまり検査E6、E7、E8の検査開始予定時刻とを比較して、検査E6、E7、E8の検査開始予定時刻の全てが、検査E1の検査開始予定時刻よりも遅いか否かが判定される。図4に示す検査スケジュールでは、検査E6、E7、E8の検査開始予定時刻の全てが、検査E1の検査開始予定時刻よりも遅いため(S34のY)、検査抽出部122は、検査E1を、スコープ30を割り当てる対象となる検査として特定する(S36)。なお、もし検査E6、E7、E8の検査開始予定時刻のいずれか1つでも、検査E1の検査開始予定時刻よりも早い場合には(S34のN)、検査抽出部122は、検査E1を、スコープ30を割り当てる対象となる検査から除外する(S38)。
続いて、Nが検査室総数(この例では、検査室総数=4)と同じか判定され(S40)、Nが検査室総数に達していなければ(S40のN)、Nを1インクリメントして(S42)、S34に戻る。
S34においては、第2検査室20bから抽出した検査E2の検査開始予定時刻と、第1検査室20a、第3検査室20c、第4検査室20dから抽出した検査E1、E3、E4の次の検査、つまり検査E5、E7、E8の検査開始予定時刻とを比較して、検査E5、E7、E8の検査開始予定時刻の全てが、検査E1の検査開始予定時刻よりも遅いか否かが判定される。図4に示す検査スケジュールでは、検査E5、E7、E8の検査開始予定時刻の全てが、検査E2の検査開始予定時刻よりも遅いため(S34のY)、検査抽出部122は、検査E2を、スコープ30を割り当てる対象となる検査として特定する(S36)。
以上のように、S34の判定処理は、S30で各検査室20から抽出した全ての検査に関して実行される。ここでは、S30で各検査室20から抽出した検査番号E1、E2、E3、E4の全ての検査が、スコープ30を割り当てる対象となる検査として特定され(S36)、その時点でNが検査室総数に達しているため(S40のY)、割当対象検査の抽出処理が終了する。図7に示す基本フローチャートを参照して、S16の割当対象検査の抽出処理が終了すると、S18のスコープ割当処理が開始される。
図9は、基本フローチャートのS18に示すスコープ割当処理の詳細フローチャートを示す。第1割当処理部120において、スコープ割当部126が、検査スケジュール管理部110でスケジュール管理されている各々の内視鏡検査に対し、所有する複数のスコープ30の中から使用するスコープを割り当てる処理を行う。
このスコープ割当処理を行う前提として、まずスコープ特定部124が、スコープの割当対象として抽出された検査の開始予定時刻における全てのスコープ30のステータスを特定する(S50)。図2に関して説明したように、スコープ30のステータスは、ST1〜ST4のいずれかで特定される。
図10は、S50のステータス特定処理の詳細フローチャートを示す。まずスコープ特定部124は、割当対象となる検査の検査開始予定時刻を設定する(S70)。検査E1〜E4の検査開始予定時刻は、いずれも9:00であるため、ここでは時刻が9:00にセットされる。スコープ特定部124は、所有スコープマスタテーブル222に記録されている内視鏡番号1〜19の全てのスコープの設定時刻におけるステータスを特定する。
スコープ30のスケジュール情報を参照して、設定時刻(9:00)が、割り当てられた検査の時間内であれば(S72のY)、当該スコープ30のステータスは、「使用中」と特定される(S74)。また設定時刻が、検査時間外であって(S72のN)、割り当てられた検査の終了後、洗浄開始前であれば(S76のY)、当該スコープ30のステータスは、「使用済」と特定される(S78)。また設定時刻が、検査終了後、洗浄開始前ではなく(S76のN)、洗浄時間内であれば(S80のY)、当該スコープ30のステータスは、「洗浄中」と特定される(S82)。なお、設定時刻が洗浄時間内でもなければ(S80のN)、当該スコープ30のステータスは、「待機中」と特定される(S84)。このようにスコープ特定部124は、全てのスコープに関して、設定時刻におけるステータスを特定することで、検査開始予定時刻に「待機中」つまりは割当可能なスコープがどれであるかを把握できる。
図9に戻って、スコープ特定部124は、所有するスコープの検索処理を実行して、使用可能なスコープ30を特定する(S52)。ここでスコープ特定部124は、S50において「待機中」と特定したスコープに絞って、検索処理を実行する。「待機中」以外のステータス、つまり「使用中」、「使用済」、「洗浄中」ステータスのスコープ30は、その時点で検査に割り当てることはできないため、これらを検索対象から外すことで、検索効率を高められる。
図11は、S52のスコープの検索処理の詳細フローチャートを示す。スコープ特定部124は、「待機中」のステータスをもつ全てのスコープ30に関して、検索処理を実行する。ここでスコープ特定部124は、割当対象となる検査の検査種別を特定する。ここでは、割当対象となる全ての検査E1〜E4の検査開始予定時刻が9:00であり、S50において、9:00において全てのスコープ30のステータスが「待機中」であることが特定されている。そこでスコープ特定部124は、検査E1、E2、E3、E4のそれぞれについて、「待機中」ステータスを有するスコープ30が、検査種別に対応しているか否かを判定する(S90)。
実施形態においてスコープ特定部124は、割当対象となる内視鏡検査の検査種別情報にもとづいて、使用可能なスコープ30を特定する。なお実施形態では、検査種別は、上部検査であるか、または下部検査であるかで区別される。したがってS90では、検査の検査種別情報が上部検査を示す場合に、上部検査用スコープであれば対応しており、下部検査用スコープであれば対応していないことが判定される。また同様に、検査の検査種別情報が下部検査を示す場合に、下部検査用スコープであれば対応しており、上部検査用スコープであれば対応していないことが判定される。
図6に示す所有スコープマスタテーブル222および図4に示す検査スケジュールを参照して、スコープ特定部124は、検査番号E1、E2、E3の上部検査に対しては、上部検査用スコープである内視鏡番号1〜14のスコープを候補スコープとして決定し(S92)、一方、下部検査用スコープである内視鏡番号15〜19のスコープを、検査番号E1、E2、E3の検査には割当不能として決定する(S94)。またスコープ特定部124は、検査番号E4の下部検査に対しては、下部検査用スコープである内視鏡番号15〜19のスコープを候補スコープとして決定し(S92)、一方、上部検査用スコープである内視鏡番号1〜14のスコープを、検査番号E4の検査には割当不能として決定する(S94)。スコープ特定部124は、特定した候補スコープと検査番号との対応を、スコープ割当部126に通知する。
図9に戻って、スコープ割当部126は、スコープ特定部124により特定された候補スコープに基づいて、検査スケジュール管理部110で管理されている各々の検査に対し、使用するスコープ30を割り当てる。具体的にスコープ割当部126は、スコープ特定部124により特定された候補スコープのうちの1つを、内視鏡検査に割り当てる。以下の例では、複数の候補スコープのうち、図6に示す所有スコープマスタテーブル222に設定された内視鏡番号の小さいものから検査に対して割り当てることとするが、この順番に限定することを意図するものではない。
まずスコープ割当部126は、検査E1に対して割当可能なスコープがあることを判定する(S54のY)。ここでスコープ特定部124により検査E1、E2、E3に対して内視鏡番号1〜14のスコープが割当可能であることが通知されており、したがってスコープ割当部126は、検査E1に対して、内視鏡番号1のスコープG−R−1を割り当てる(S56)。なお、同じスコープG−R−1が他の検査に割り当てられないように、スコープ割当部126は、スコープG−R−1のステータスを「使用中」に設定する(S58)。ステータスを「使用中」に設定すると、そのスコープG−R−1は、次のスコープ割当部126による割当の際に、候補スコープから外される。
次にスコープ割当部126は、検査E2に対して割当可能なスコープがあることを判定し(S54のY)、検査E2に対して、内視鏡番号2のスコープG−R−2を割り当て(S56)、スコープG−R−2のステータスを「使用中」に設定する(S58)。同様にスコープ割当部126は、検査E3に対して、内視鏡番号3のスコープG−R−3を割り当て(S56)、スコープG−R−3のステータスを「使用中」に設定する(S58)。
次にスコープ割当部126は、検査E4に対して割当可能なスコープがあることを判定する(S54のY)。ここでスコープ特定部124により検査E4に対して内視鏡番号15〜19のスコープが割当可能であることが通知されており、したがってスコープ割当部126は、検査E4に対して、内視鏡番号15のスコープC−R−1を割り当て(S56)、スコープC−R−1のステータスを「使用中」に設定する(S58)。
S54において、検査に対して割当可能なスコープがない場合には(S54のN)、スコープ割当部126は、ユーザに対して、割当不能であることを通知する(S60)。なお、この通知のタイミングは、全検査に対してスコープ30の割当処理が完了した後であってよい。少なくともユーザは、1日の内視鏡検査業務の開始前に、スコープ30を割り当てられていない検査が存在することを認識する必要がある。
スコープ割当部126による割当処理は、抽出した全ての割当対象となる検査についてスコープ30の割当が完了するまで繰り返され(S62のN)、全ての検査(ここではE1〜E4)についてスコープ30が割り当てられると(S62のY)、このスコープ割当処理が終了する。スコープ割当部126による割当結果は、検査スケジュール管理部110に通知される。
図12は、検査スケジュール管理部110により更新された検査スケジュールを示す。検査スケジュール管理部110は、スコープ割当部126から割当結果を通知されると、該当する検査に、割り当てられたスコープ30を登録する。ここでは検査E1にスコープG−R−1が使用されること、検査E2にスコープG−R−2が使用されること、検査E3にスコープG−R−3が使用されること、検査E4にスコープC−R−1が使用されること、が登録されている。検査スケジュール管理部110は、更新した検査スケジュールを、検査スケジュール保持部206に記録する。このようにして、スコープG−R−1、G−R−2、G−R−3、C−R−1のスケジュール情報が生成される。
図7に戻って、S18のスコープ割当処理が終了すると、S20の洗浄機割当処理が開始される。
図3において、洗浄スケジュール管理部130は、洗浄機50と、洗浄開始予定時刻情報および洗浄終了予定時刻情報を含む複数のスコープの洗浄スケジュールを管理する。第2割当処理部140は、複数の洗浄機50の中から、各々の内視鏡検査で使用されるスコープ30を洗浄するための洗浄機50を割り当てる。洗浄スケジュール管理部130は、第2割当処理部140によりスコープ30に対して割り当てられた洗浄機50に基づいて、スコープ30の洗浄スケジュールを生成して、洗浄スケジュール保持部208に記録する。
図13は、基本フローチャートのS20に示す洗浄機割当処理の詳細フローチャートを示す。第2割当処理部140は、洗浄機特定部142、洗浄機割当部144、終了時刻判定部146、洗浄機割当可否確認部148および担当者割当部149を備える。
洗浄機特定部142が、S18で割り当てられたスコープ30のそれぞれに対して、所有する洗浄機50の検索処理を実行して、使用可能な洗浄機50を特定する(S110)。なお洗浄機50の使用が制限されない場合、つまりスコープ30に対して全ての洗浄機50の使用が許可されている場合には、洗浄機特定部142は、全ての第1洗浄機50a〜第4洗浄機50dが使用可能であることを特定する。このとき洗浄機特定部142は、洗浄スケジュール保持部208に保持されている洗浄スケジュールを参照して、各洗浄機50について、使用可能な時間帯を取得する。なお使用可能な時間帯とは、洗浄予定のない時間帯を意味する。なお第2割当処理部140が最初に洗浄機割当処理を実行する際には、洗浄スケジュールはブランクであり、つまり、いずれの洗浄機50にも洗浄予定は登録されておらず、したがって全ての時間帯が使用可能となっている。使用可能な洗浄機50およびその使用可能な時間帯は、洗浄機割当部144に通知される。
洗浄機割当部144は、複数の使用可能な洗浄機50の中から、各々の内視鏡検査で使用されるスコープ30を洗浄するための洗浄機50を割り当てる。ここで洗浄機割当部144は、スコープ割当部126により内視鏡検査に対して割り当てられたスコープ30の検査終了予定時刻以後の時刻が洗浄開始予定時刻となるように、当該スコープ30を洗浄するための洗浄機50を割り当てる。なお本実施形態では、業務効率化の観点から、検査終了予定時刻と同じ時刻を洗浄開始予定時刻に設定可能としているが、検査終了予定時刻と洗浄開始予定時刻の間には、所定時間のインターバルを設けてもよい。また本実施形態では、洗浄機50が1本のスコープ30を洗浄することを前提とするが、仕様によっては洗浄機50が複数本(たとえば2本)のスコープ30を洗浄でき、洗浄機割当部144が、複数本のスコープ30に対して洗浄機50を割り当ててもよい。
洗浄機割当部144は、洗浄機50を割り当てる対象となる複数のスコープ30、すなわちS18において検査に割り当てられた複数のスコープ30のうち、検査終了予定時刻の早いものから順に、洗浄機50を割り当てる。ここで検査E1〜E3の検査終了予定時刻は9:10であり、検査E4の検査終了予定時刻は9:15であるため、洗浄機割当部144は、検査E1、E2、E3、E4の順番で、使用されるスコープに対して洗浄機50を割り当てる。なお本実施形態においては、スコープ30に対して、割当可能な洗浄機50が常に存在している(S112のY)ことを前提としているが、割当可能な洗浄機50が存在していない場合(S112のN)には、スコープ30に洗浄機50を割当不能であることが通知される(S116)。
洗浄機割当部144は、検査E1で使用するスコープG−R−1に対して、第1洗浄機50aを割り当てる(S114)。なお実施形態において、全ての洗浄機50の洗浄予定時間を20分と設定するが、洗浄機50ごとに洗浄予定時間は異なってもよく、また洗浄機50における洗浄モードによって洗浄予定時間が異なってもよい。洗浄機割当部144は、検査E1の終了予定時刻を、洗浄開始予定時刻に設定し、その20分後を洗浄終了予定時刻に設定する(S118)。この割当により、第1洗浄機50aは、9:10〜9:30の間は、「使用中」のステータスが設定される。洗浄機50のステータスは、「使用中」または「待機中」のいずれかをとり、スケジュール情報の生成処理を開始する際には、全ての洗浄機50のステータスが「待機中」であることを前提とする。なおスコープG−R−1の9:10〜9:30の間のステータスは「洗浄中」となる。
次に洗浄機割当部144は、検査E2で使用するスコープG−R−2に対して、第2洗浄機50bを割り当てる(S114)。洗浄機割当部144は、検査E2の終了予定時刻を、洗浄開始予定時刻(9:10)に設定し、その20分後である9:30を洗浄終了予定時刻に設定する(S118)。この割当により、第2洗浄機50bは、9:10〜9:30の間は、「使用中」のステータスが設定される。
次に洗浄機割当部144は、検査E3で使用するスコープG−R−3に対して、第3洗浄機50cを割り当てる(S114)。洗浄機割当部144は、検査E3の終了予定時刻を、洗浄開始予定時刻(9:10)に設定し、その20分後である9:30を洗浄終了予定時刻に設定する(S118)。この割当により、第3洗浄機50cは、9:10〜9:30の間は、「使用中」のステータスが設定される。
最後に洗浄機割当部144は、検査E4で使用するスコープC−R−1に対して、第4洗浄機50dを割り当てる(S114)。洗浄機割当部144は、検査E4の終了予定時刻を、洗浄開始予定時刻(9:15)に設定し、その20分後である9:35を洗浄終了予定時刻に設定する(S118)。この割当により、第4洗浄機50dは、9:15〜9:35の間は、「使用中」のステータスが設定される。
このように洗浄機割当処理は、検査で使用する全てのスコープ30について洗浄機50が割り当てられるまで(S120のN)、繰り返される。検査で使用する全てのスコープ30について洗浄機50を割り当てると(S120のY)、洗浄機割当処理を終了する。洗浄機割当部144による割当結果は、洗浄スケジュール管理部130に通知される。
図14は、洗浄スケジュール管理部130により生成された洗浄スケジュールを示す。ここでは洗浄機割当部144による割当結果が洗浄スケジュールに反映されており、具体的には9:10〜9:30の間に、第1洗浄機50aでスコープG−R−1が洗浄されること、第2洗浄機50bでスコープG−R−2が洗浄されること、第3洗浄機50cでスコープG−R−3が洗浄されること、9:15〜9:35の間に第4洗浄機50dでスコープC−R−1が洗浄されること、が登録されている。洗浄スケジュール管理部130は、更新した洗浄スケジュールを、洗浄スケジュール保持部208に記録する。
図15は、スコープ30の個体のスケジュール情報を示す。ここでは理解を容易にするために、上記した処理が終了した段階で表示処理部150が個体スケジュールを表示する例を示しているが、実際には、全てのスケジューリングを終了した段階で、表示処理部150は、個体スケジュールを表示する。なお、図15において、C1は第1洗浄機50a、C2は第2洗浄機50b、C3は第3洗浄機50c、C4は第4洗浄機50dで洗浄中であることを示している。またE1、E2等は、使用中の検査の検査番号を示す。かかる個体スケジュールにより示される情報は、各個体のスケジュール情報となる。
図7に戻って、S20の洗浄機割当処理が終了すると、全検査番号の検査について処理が完了したかを判定し(S22)、完了していなければ、S16に戻って、基本フローが繰り返される。
以下、S16〜S20のステップを繰り返し実行して、スコープ30のスケジュール情報を生成するプロセスを説明する。なお、検査E1〜E4に関して上記したS16〜S20のステップは、1回目の処理となる。
<2回目:S16〜S20>
S16において、検査抽出部122が、第1検査室20aから検査E5、第2検査室20bから検査E6、第3検査室20cから検査E7、第4検査室20dから検査E8を抽出して、検査E5〜E8を、スコープ30を割り当てる対象となる検査として特定する。
S18において、スコープ特定部124が、検査E5、E6、E7に対して、上部検査用スコープである内視鏡番号4〜14のスコープを候補スコープとして決定し、検査E8に対して、下部検査用スコープである内視鏡番号16〜19のスコープを候補スコープとして決定する。なお検査E5、E6、E7の検査開始予定時刻(9:15)において、内視鏡番号1〜3のスコープのステータスは「洗浄中」であるため、検査E5、E6、E7の候補スコープとはならない。また検査E8の検査開始予定時刻(9:20)において、内視鏡番号15のスコープのステータスは「洗浄中」であるため、検査E8の候補スコープとはならない。特定された候補スコープは、スコープ割当部126に通知される。
スコープ特定部124からの通知を受けて、スコープ割当部126は、検査E5に対して内視鏡番号4のスコープG−R−4を、検査E6に対して内視鏡番号5のスコープG−R−5を、検査E7に対して内視鏡番号6のスコープG−R−6を割り当てる。またスコープ割当部126は、検査E8に対して内視鏡番号16のスコープC−R−2を割り当てる。
S20において、洗浄機割当部144は、検査E5のスコープG−R−4に対して第1洗浄機50aを割り当て、検査E6のスコープG−R−5に対して第2洗浄機50bを割り当て、検査E7のスコープG−R−6に対して第3洗浄機50cを割り当て、検査E8のスコープC−R−2に対して第4洗浄機50dを割り当てる。なお洗浄機割当部144は、スコープG−R−4、G−R−5、G−R−6の洗浄開始予定時刻を9:30、洗浄終了予定時刻を9:50に設定し、スコープC−R−2の洗浄開始予定時刻を9:35、洗浄終了予定時刻を9:55に設定する。
図16は、検査スケジュール管理部110により生成された検査スケジュールおよび洗浄スケジュール管理部130により生成された洗浄スケジュールを示す。ここではスコープ特定部124による割当結果が検査スケジュールに反映され、洗浄機割当部144による割当結果が洗浄スケジュールに反映されている。
<3回目:S16〜S20>
S16において、検査抽出部122が、第1検査室20aから検査E9、第2検査室20bから検査E10、第3検査室20cから検査E11、第4検査室20dから検査E12を抽出して、検査E9〜E12を、スコープ30を割り当てる対象となる検査として特定する。
S18において、スコープ特定部124が、検査E9、E10、E11に対して、上部検査用スコープである内視鏡番号1〜3、7〜14のスコープを候補スコープとして決定し、検査E12に対して、下部検査用スコープである内視鏡番号15、17〜19のスコープを候補スコープとして決定する。なお検査E9、E10、E11の検査開始予定時刻(9:30)において、内視鏡番号4〜6のスコープのステータスは「洗浄中」であるため、検査E9、E10、E11の候補スコープとはならない。また検査E12の検査開始予定時刻(9:40)において、内視鏡番号16のスコープのステータスは「洗浄中」であるため、検査E12の候補スコープとはならない。特定された候補スコープは、スコープ特定部124に通知される。
なお内視鏡番号1〜3のスコープは、9:30が洗浄終了予定時刻であり、9:30の時点で洗浄が終了しているため、ステータスは「待機中」であり、検査E9、E10、E11の候補スコープとなる。また内視鏡番号15のスコープは、9:35が洗浄終了予定時刻であり、9:40の時点でステータスは「待機中」であり、検査E12の候補スコープとなる。
スコープ特定部124からの通知を受けて、スコープ割当部126は、検査E9に対して内視鏡番号1のスコープG−R−1を、検査E10に対して内視鏡番号2のスコープG−R−2を、検査E11に対して内視鏡番号3のスコープG−R−3を割り当てる。またスコープ割当部126は、検査E12に対して内視鏡番号15のスコープC−R−1を割り当てる。
このようにスコープ割当部126は、検査開始予定時刻において洗浄が終了して「待機中」となっているスコープを、当該検査に再割り当てできる。つまりスケジューリング処理においては、スコープ割当部126は、洗浄機割当部144によりスコープ30に対して割り当てられた洗浄機50による洗浄終了予定時刻以後の時刻が、検査開始予定時刻となるように、内視鏡検査に対しスコープ30を割り当てることができる。この3回目のステップにおいては、洗浄機割当部144が効率的に洗浄機50をスコープ30に割り当てていることで、スコープG−R−1、G−R−2、G−R−3、C−R−1がそれぞれの洗浄終了予定時刻以後に開始される検査に再割り当てされており、スコープ30の効率的なスケジューリングが可能となっている。
S20において、洗浄機割当部144は、検査E9のスコープG−R−1に対して第1洗浄機50aを割り当て、検査E10のスコープG−R−2に対して第2洗浄機50bを割り当て、検査E11のスコープG−R−3に対して第3洗浄機50cを割り当て、検査E12のスコープC−R−1に対して第1洗浄機50aを割り当てる。なお洗浄機割当部144は、スコープG−R−1、G−R−2、G−R−3の洗浄開始予定時刻を9:50、洗浄終了予定時刻を10:10に設定し、スコープC−R−1の洗浄開始予定時刻を10:10、洗浄終了予定時刻を10:30に設定する。
図17は、検査スケジュール管理部110により生成された検査スケジュールおよび洗浄スケジュール管理部130により生成された洗浄スケジュールを示す。ここではスコープ特定部124による割当結果が検査スケジュールに反映され、洗浄機割当部144による割当結果が洗浄スケジュールに反映されている。
検査スケジュールに示されるように、スコープC−R−1が使用される検査E12は、その検査終了予定時刻が10:00であり、一方で、第4洗浄機50dの洗浄スケジュールによると、第4洗浄機50dは、9:55以降は使用可能となっている。そのため洗浄機割当部144は、検査E12のスコープC−R−1に、10:00から第4洗浄機50dを割り当てることも可能であるが、第4洗浄機50dに5分の未使用時間が生じてしまうため、洗浄機割当部144は、スコープC−R−1に、第1洗浄機50aを割り当てている。
<4回目:S16〜S20>
S16において、検査抽出部122が、第1検査室20aから検査E14、第2検査室20bから検査E15、第3検査室20cから検査E13、第4検査室20dから検査E19を抽出する。ここで図8のS34のステップを実行すると、第3検査室20cにおける検査E13の次の検査E16の検査開始予定時刻(10:00)は、第4検査室20dにおける検査E19の検査開始予定時刻(10:05)よりも早い(S34のN)。つまり第4検査室20dから抽出された検査E19は、まだ抽出されていない第3検査室20cの検査E16よりも後に開始される。そのため検査抽出部122は、検査E16の前に、検査E19にスコープを割り当てるべきでないと判断し、検査E19をスコープを割り当てる対象となる検査から外す(S38)。なお検査E13、E14、E15については、スコープ30を割り当てる対象となる検査として特定する。
S18において、スコープ特定部124が、検査開始予定時刻を9:45とする検査E13に対して、上部検査用スコープである内視鏡番号7〜14のスコープを候補スコープとして決定する。この検査開始予定時刻(9:45)において、内視鏡番号1〜3のスコープのステータスは「使用済」であり、内視鏡番号4〜6のスコープのステータスは「洗浄中」であるため、検査E13の候補スコープとはならない。またスコープ特定部124は、検査開始予定時刻を9:50とする検査E14、E15に対して、上部検査用スコープである内視鏡番号4〜14のスコープを候補スコープとして決定する。この検査開始予定時刻(9:50)において、内視鏡番号1〜3のスコープのステータスは「洗浄中」であるため、検査E13の候補スコープとはならない。特定された候補スコープは、スコープ特定部124に通知される。
スコープ特定部124からの通知を受けて、スコープ割当部126は、検査E13に対して内視鏡番号7のスコープG−H−1を、検査E14に対して内視鏡番号4のスコープG−R−4を、検査E15に対して内視鏡番号5のスコープG−R−5を割り当てる。スコープG−R−4、G−R−5は、9:50に洗浄を終了した後、再度検査に割り当てられている。
S20において、洗浄機割当部144は、検査E13のスコープG−H−1に対して第4洗浄機50dを割り当て、検査E14のスコープG−R−4に対して第2洗浄機50bを割り当て、検査E15のスコープG−R−5に対して第3洗浄機50cを割り当てる。なお洗浄機割当部144は、スコープG−H−1の洗浄開始予定時刻を9:55、洗浄終了予定時刻を10:15に設定し、G−R−4、G−R−5の洗浄開始予定時刻を10:10、洗浄終了予定時刻を10:30に設定する。
図18は、検査スケジュール管理部110により生成された検査スケジュールおよび洗浄スケジュール管理部130により生成された洗浄スケジュールを示す。ここではスコープ特定部124による割当結果が検査スケジュールに反映され、洗浄機割当部144による割当結果が洗浄スケジュールに反映されている。
図19は、スコープ30の個別スケジュールを示す。このように基本フローチャートにおけるS16〜S20を4回繰り返すことで、スコープ30の個別スケジュール情報が図19に示すように作成されている。
以上のように、S16〜S20の処理を最後の検査に対する割当処理が完了するまで繰り返す。
図20は、検査スケジュール管理部110により生成された検査スケジュールおよび洗浄スケジュール管理部130により生成された洗浄スケジュールを示す。ここではスコープ特定部124による割当結果が検査スケジュールに反映され、洗浄機割当部144による割当結果が洗浄スケジュールに反映されている。このように全ての検査に対して、スコープ30の割り当てが完了し、またスコープ30に対して洗浄機50の割り当てが完了することで、スコープ30のスケジュール情報の生成処理が終了する。
図21は、1日分のスコープ30の個別スケジュールを示す。
スコープ割当部126によるスコープ30の割当結果および/または洗浄機割当部144による洗浄機50の割当結果は、表示処理部150により端末装置12のディスプレイに表示される。
たとえば表示処理部150は、検査スケジュール保持部206から検査スケジュール情報を読み出して、図20に示す検査スケジュール表を端末装置12に表示してもよい。また表示処理部150は、洗浄スケジュール保持部208から洗浄スケジュール情報を読み出して、図20に示す洗浄スケジュール表を端末装置12に表示してもよい。また表示処理部150は、検査スケジュール表および洗浄スケジュール表を、同一画面に表示してもよい。これにより医師および検査準備者は、検査にどのスコープ30を使用するかを容易に認識でき、また検査準備者は、使用済みのスコープ30をどの洗浄機50で洗浄するかを容易に認識できるようになる。
また表示処理部150は、検査スケジュール保持部206から検査スケジュール情報を読み出し、また洗浄スケジュール保持部208から洗浄スケジュール情報を読み出して、スコープ30の個別スケジュール表を端末装置12に表示してもよい。この個別スケジュール表は、図21に示したものであり、かかる個別スケジュール表を生成することで、検査準備者は、スコープ30の各個体のスケジュールを知ることができる。検査準備者は、ある時点におけるスコープ30の状況を知りたい場合に、個別スケジュール表により、スコープ30が洗浄中であるのか、または検査使用中であるのかなどの状況を知ることができる。
なお図21に示すように、スコープC−R−1は、12:30〜12:50まで洗浄予定となっている。医療施設にもよるが、検査準備者の昼休みがたとえば12:30〜13:30と定められているような場合には、この洗浄処理は、勤務時間外であることが通知されてもよい。
終了時刻判定部146は、洗浄機割当部144によりスコープ30に洗浄機50を割り当てた結果、洗浄終了予定時刻が基準時刻(12:30)以後となるか否かを判定する。終了時刻判定部146により洗浄終了予定時刻が基準時刻以後となることが判定された場合に、洗浄機割当可否確認部148は、洗浄機割当の可否をユーザ(たとえば操作者)に確認する通知を行ってもよい。たとえば、この通知のタイミングは、全検査に対してスコープ30の割当処理が完了した後であってよい。なお図21を参照して、スコープG−H−1の洗浄終了予定時刻は12:35であるため、この洗浄予定に対しても、洗浄機割当可否確認部148は、洗浄機割当の可否をユーザに確認する。
なお医師のスケジュールは、検査オーダによって定められており、医師は、検査スケジュール表により、次の検査の開始予定時刻および検査室などを把握する。同様に情報管理装置10は検査準備者に対して、スケジュールを設定してもよい。このスケジュールでは、検査準備者が、検査開始前にスコープ30を検査室20に運び込み、また検査終了後にスコープ30を洗浄室40に運び込むことなどが設定されてよく、また検査室内で検査補助することなどが設定されていてもよい。
以下、実施形態の情報管理装置10によるスケジューリング処理に関する様々な態様について説明する。
<実施例1>
実施形態では、図11に示すスコープの検索処理において、スコープ特定部124が、割当対象となる内視鏡検査の検査種別情報にもとづいて、使用可能なスコープ30を特定した。このとき検査種別は、上部検査であるか、または下部検査であるかで区別していたが、実施例1では、さらに詳細な検査内容を示す検査種別情報にもとづいて、スコープ特定部124が、使用可能なスコープ30を特定する。
図22は、スコープ順位保持部204に保持されたスコープ順位テーブルを示す。スコープ順位テーブルは、検査種別に対して、優先的に割り当てるべきスコープ機種を対応付けて記録する。ここで「優先スコープ機種1」は、最も優先的に割り当てられるべき機種に関する情報であり、「優先スコープ機種2」は、2番目に優先的に割り当てられるべき機種に関する情報である。スコープ特定部124は、「優先スコープ機種1」で指定されるスコープ30が「待機中」であれば、そのスコープ30を候補スコープとして特定する。一方、スコープ特定部124は、「優先スコープ機種1」で指定されるスコープ30が「待機中」ではなく、「優先スコープ機種2」で指定されるスコープ30が「待機中」であれば、「優先スコープ機種2」のスコープ30を候補スコープとして特定する。このようにスコープ順位保持部204は、内視鏡検査の検査種別に対して、割り当てるスコープ30の機種の優先順位を保持し、スコープ特定部124は、優先順位の高い機種のスコープ30を候補スコープとして特定する。
図23は、実施例1におけるスコープの検索処理の詳細フローチャートを示す。スコープ特定部124は、「待機中」のステータスをもつ全てのスコープ30に関して、検索処理を実行する。スコープ特定部124は、割当対象となる内視鏡検査の検査種別情報にもとづいて、使用可能なスコープ30を特定する。S90では、検査の検査種別情報が上部検査を示す場合に、上部検査用スコープであれば対応しており、下部検査用スコープであれば対応していないことが判定される。また同様に、検査の検査種別情報が下部検査を示す場合に、下部検査用スコープであれば対応しており、上部検査用スコープであれば対応していないことが判定される。
実施形態における1回目のS16〜S20のステップに関して説明すると、スコープ特定部124は、検査E1、E2、E3に対しては、上部検査用スコープである内視鏡番号1〜14のスコープが対応しているスコープと判定し、検査E4に対しては、下部検査用スコープである内視鏡番号15〜19のスコープが対応しているスコープと判定する(S90)。
検査E1、E2、E3の検査種別は「上部ルーチン検査」であり、スコープ特定部124は、スコープ順位保持部204に保持されたスコープ順位情報を参照して、優先順位が最も高い機種(優先スコープ機種1)が「上部ルーチン機」であることを認識する。そこでスコープ特定部124は、対応するスコープに、「上部ルーチン機」が含まれているかを判定する(S96)。ここでは上部ルーチン機として、内視鏡番号1〜6のスコープが存在するため(S96のY)、スコープ特定部124は、内視鏡番号1〜6のスコープを候補スコープとして決定する(S92)。
また検査E4の検査種別は「下部ルーチン検査」であり、スコープ特定部124は、スコープ順位保持部204に保持されたスコープ順位情報を参照して、優先順位が最も高い機種(優先スコープ機種1)が「下部ルーチン機」であることを認識する。そこでスコープ特定部124は、対応するスコープに、「下部ルーチン機」が含まれているかを判定する(S96)。ここでは下部ルーチン機として、内視鏡番号15〜17のスコープが存在するため(S96のY)、スコープ特定部124は、内視鏡番号15〜17のスコープを候補スコープとして決定する(S92)。
なお検査E1〜E3に関して、対応するスコープに、優先スコープ機種1のスコープが含まれていない場合(S96のN)、スコープ特定部124は、スコープ順位保持部204に保持されたスコープ順位情報を参照して、優先順位が2番目に高い機種(優先スコープ機種2)が「上部高画質機」であることを認識する。そこでスコープ特定部124は、対応するスコープに、「上部高画質機」が含まれているかを判定し(S98)、含まれていれば(S98のY)、スコープ特定部124は、上部高画質機のスコープを候補スコープとして決定する(S92)。
なお対応するスコープに、優先スコープ機種2のスコープも含まれていない場合(S98のN)には、スコープ特定部124は、S90において検査種別に対応していると判定されたスコープのうち、優先スコープ機種以外の機種のスコープを、候補スコープとして決定する(S92)。スコープ特定部124は、特定した候補スコープをスコープ割当部126に通知し、スコープ割当部126は、実施形態で説明したように、検査に対してスコープ30を割り当てる。
なおスコープ特定部124が、優先順位の低い機種のスコープ30を特定し、スコープ割当部126が、内視鏡検査に、特定されたスコープを割り当てるときには、スコープ割当可否確認部128が、スコープ割当の可否をユーザに確認することが好ましい。たとえばスコープ割当可否確認部128は、優先スコープ機種1が割り当てられない場合には、優先順位の低い機種が割り当てられたとして、ユーザ確認を行ってもよいが、スコープ順位保持部204で設定されている機種が割り当てられていれば(たとえば優先スコープ機種2が割り当てられている)、ユーザ確認を行わなくてもよい。つまりスコープ特定部124が、優先スコープ機種以外の機種を候補スコープとして決定し、スコープ割当部126が、その候補スコープを検査に対して割り当てた場合に限って、スコープ割当可否確認部128が、スコープ割当の可否をユーザに確認するようにしてもよい。なおスコープ特定部124が、優先スコープ機種を候補スコープとして決定できない場合には(S98のN)、候補スコープなしであることを決定して、スコープ割当可否確認部128が、その旨をユーザに通知してもよい。
この確認のタイミングは、全検査に対してスコープ30の割当処理が完了した後であってよい。少なくともユーザは、1日の内視鏡検査業務の開始前に、適切なスコープ30を割り当てられていない検査が存在することを認識する必要がある。
実施形態と実施例1とを比較すると、たとえば実施形態では、図17に示すように、上部経鼻検査である検査E9に対して、上部ルーチン機であるスコープG−R−1が割り当てられている。しかしながら実施例1によると、スコープ特定部124が、スコープ順位保持部204に保持されたスコープ順位情報を参照して、検査E9の優先順位が最も高い機種(優先スコープ機種1)が「上部経鼻機」であることを認識することで、スコープ特定部124は、検査E9に対する候補スコープとして、内視鏡番号10のスコープG−N−1を特定することになる。同様に、上部精査検査である検査E10に対してスコープ特定部124は、候補スコープとして、上部高画質機である内視鏡番号7〜9のスコープG−H−1〜G−H−3を特定する。したがってスコープ割当部126は、検査E9に対してスコープG−N−1を割り当て、また検査E10に対してスコープG−H−1を割り当てる。このように実施形態と比較すると、実施例1では、内視鏡検査に対して、優先順位の高い、すなわち検査に適したスコープ30を割り当てられるため、検査スケジュールの完成度を高めることができる。
<実施例2>
内視鏡検査業務支援システム1において、消耗や老朽化が進んだスコープは、機能劣化や、故障が生じやすくなる。一般に、スコープの消耗や老朽化が突出して進むケースは、そのスコープの使用回数や使用時間が他のスコープよりも極端に多い場合であるため、実施例2では、複数のスコープ30の使用回数や使用時間を均等にすることを目的とする。
図3に戻って、使用状況記憶部224は、所有する複数のスコープ30の過去の使用状況を記憶する。
図24は、使用状況記憶部224に記憶された使用状況テーブルを示す。使用状況テーブルは、各スコープ30に対して、過去の使用状況を対応付けて記録している。この使用状況は、あくまでも過去のものであり、実際に使用されたときに、使用状況が更新されるようになっている。ここで使用状況は、「使用回数」と「使用時間」であり、「使用時間」は検査に使用された累積回数を、「使用時間」は検査に使用された累積時間を示す。
図1を参照して、検査を開始する際、スコープ30は、内視鏡観察装置22に接続されるが、このときスコープ30の識別情報(スコープID)がネットワーク2を介して情報管理装置10に送信される。検査を終了する際、内視鏡観察装置22において検査の終了ボタンが操作されると(またはスコープ30が内視鏡観察装置22から引き抜かれると)、検査の終了通知が情報管理装置10に送信される。情報管理装置10において、使用状況監視部160は、内視鏡観察装置22から送信される情報を監視し、スコープIDが送信されてから、検査終了通知が送信されるまでの時間を、検査使用時間として導出する。検査終了通知が送信されると、使用状況監視部160は、使用状況テーブルにおける該当するスコープ30の使用回数を1つ増やし、また使用時間に、今回導出した検査使用時間を加算して、使用状況テーブルを更新し、使用状況記憶部224に記録する。以上のようにして、使用状況テーブルが作成されている。
なお図24に示す使用状況テーブルは、あくまでも理解を容易にするために示した例である。図24において、たとえば内視鏡番号1〜6の上部ルーチン機の使用回数や使用時間が大きく異なっているが、実施例2では、このような状況が発生しないように、複数スコープの使用回数や使用時間を平準化(均等化)するための技術を提案するものである。そのため図24に示す使用状況テーブルは、あくまでも使用状況の例示にすぎないことにご留意いただきたい。
実施例2において、スコープ割当部126は、検査スケジュール管理部110が管理する各々の内視鏡検査に割り当て可能なスコープ30が複数存在する場合に、使用状況記憶部224に記憶された使用状況を参照して、過去の使用回数または過去の使用時間が相対的に少ないスコープ30を優先して内視鏡検査に割り当てる。
図25は、図9に示すスコープ割当処理におけるS56の詳細フローチャートを示す。スコープ割当部126は、スコープ特定部124から通知された候補スコープのうち、使用状況記憶部224に記憶された使用状況を参照して、過去の使用回数が最も少ない候補スコープを特定する(S130)。
以下、実施例1において説明したスコープ検索処理により、検査E1、E2、E3の候補スコープを特定した例で説明する。実施例1ではスコープ特定部124が、検査E1、E2、E3の候補スコープとして、内視鏡番号1〜6のスコープを特定し、スコープ割当部126に通知している。
スコープ割当部126は、使用状況記憶部224に記憶された内視鏡番号1〜6のスコープ使用状況を参照して、検査E1に対して、内視鏡番号1〜6のスコープのうち、使用回数が最も少ないスコープとして、内視鏡番号3のスコープG−R−3を特定する(S130)。スコープG−R−3の使用回数は40回であり、スコープG−R−1、G−R−2、G−R−4、G−R−5、G−R−6の使用回数よりも相対的に少なく、また使用回数を40回とするスコープは他にないため(S132のY)、スコープ割当部126は、検査E1に対して、スコープG−R−3を割り当てる(S136)。スコープ割当部126は、最も使用回数の少ないG−R−3を検査E1に優先して割り当てることで、スコープの使用回数の均等化に貢献する。
なおスコープ割当部126は、検査にスコープを割り当てると、当該スコープの使用状況として、仮の使用回数および使用時間(仮の使用状況)を設定する(S138)。ここでは内視鏡番号3の使用回数を、仮に1増やし、また図5に示す検査種別マスタテーブル210を参照して、使用時間を仮に10分(上部ルーチン検査の検査予定時間が10分)増やす。これにより内視鏡番号3の仮の使用回数は「41」となり、また仮の使用時間は「660分」となる。この仮の使用状況は、図25に示す割当実行処理において、以後使用されることになる。
なお仮の使用回数および使用時間は、使用状況記憶部224の使用状況テーブルに反映させない。仮の使用状況は、スコープ30のスケジューリングに使用するための目的でのみ設定され、全ての検査に対してスコープ30のスケジューリングが行われると、破棄されてよい。
次にスコープ割当部126は、使用状況記憶部224に記憶された内視鏡番号1、2、4〜6のスコープ使用状況を参照して、検査E2に対して、内視鏡番号1、2、4〜6のスコープのうち、使用回数が最も少ないスコープとして、内視鏡番号2のスコープG−R−2と内視鏡番号4のスコープG−R−4を特定する(S130)。スコープG−R−2、G−R−4の使用回数は50回であり、スコープG−R−1、G−R−5、G−R−6の使用回数よりも相対的に少ないが、同じ使用回数の2本のスコープが特定されている(S132のN)。ここでスコープ割当部126は、2本のスコープのうち、使用状況記憶部224に記憶された内視鏡番号2、4のスコープ使用状況を参照し、使用時間が最も少ないスコープとして、内視鏡番号2のスコープG−R−2を特定し(S134)、検査E2に対して、スコープG−R−2を割り当てる(S136)。スコープ割当部126は、候補スコープのうち、最も使用回数の少なく、且つ最も使用時間が少ないG−R−2を検査E2に優先して割り当てることで、スコープの使用時間の均等化に貢献する。スコープ割当部126は、内視鏡番号2のスコープの使用状況として、仮の使用回数および使用時間(仮の使用状況)を設定する(S138)。つまり、内視鏡番号2の仮の使用回数は「51」となり、また仮の使用時間は「510分」となる。
次にスコープ割当部126は、使用状況記憶部224に記憶された内視鏡番号1、4〜6のスコープ使用状況を参照して、検査E3に対して、内視鏡番号1、4〜6のスコープのうち、使用回数が最も少ないスコープとして、内視鏡番号4のスコープG−R−4を特定する(S130)。G−R−4の使用回数は50回であり、スコープG−R−1、G−R−5、G−R−6の使用回数よりも相対的に少ないため、検査E3に対して、スコープG−R−4を割り当てる(S136)。スコープ割当部126は、候補スコープのうち、最も使用回数の少ないG−R−4を検査E3に優先して割り当てることで、スコープの使用回数の均等化に貢献する。スコープ割当部126は、内視鏡番号4のスコープの使用状況として、仮の使用回数および使用時間(仮の使用状況)を設定する(S138)。
以上のように、スコープ割当部126は、各々の内視鏡検査に割り当て可能なスコープ30が複数存在する場合に、使用状況記憶部224に記憶された使用状況を参照して、過去の使用回数または過去の使用時間が相対的に少ないスコープ30を優先して内視鏡検査に割り当てることで、使用回数または使用時間の平準化に寄与する。なお図25においては、S130で使用回数が最も少ない候補スコープを特定し、S134で使用時間が最も少ない候補スコープを特定しているが、この順番は逆であってもよい。また使用回数および使用時間が同じである複数の候補スコープが存在する場合には、スコープ割当部126は、いずれの候補スコープを内視鏡検査に割り当ててもよい。
以上の実施例1〜2は、検査スケジュールにおけるスコープ30の割当態様について説明した。以下の実施例3では、洗浄スケジュールにおける洗浄機50の割当態様について説明する。
<実施例3>
図3に戻って、洗浄機順位保持部226は、スコープ30に対して、割り当てる洗浄機50の優先順位を保持する。
図26は、洗浄機順位保持部226に保持された洗浄機順位テーブルを示す。洗浄機順位テーブルは、スコープ30に対して、割り当てる洗浄機50の優先順位を対応付けて記録する。この洗浄機順位テーブルでは、縦軸に各スコープを、横軸に各洗浄機を記録して、スコープと洗浄機との組み合わせに対して、優先順位が設定されている。なお、この例では、第1洗浄機50aおよび第2洗浄機50bが薬液Aを使用し、第3洗浄機50cが薬液Bを使用し、第4洗浄機50dが薬液Cを使用するものとする。なお、洗浄機順位テーブルは、スコープ個体に対してではなく、スコープ機種に対して、割り当てる洗浄機50の優先順位を対応付けていてもよい。
実施例3において、第1洗浄機50aおよび第2洗浄機50bは、同一機種であってもよいが、別機種であってもよい。第1洗浄機50aおよび第2洗浄機50bと、第3洗浄機50c、第4洗浄機50dは、異なる薬液を使用し、したがってこれらの機種は異なっている。このように複数の洗浄機50が異なる機種により構成されている場合、洗浄機順位保持部226は、洗浄機機種に関する優先順位を保持する。
図26に示す洗浄機順位テーブルにおいて、設定値1は、優先順位が最も高いことを示し、設定値2は、優先順位が2番目に高いことを示す。また設定値3は、優先順位が3番目に高いことを示す。なお設定値0は、スコープ30に割り当てられることが禁止されていることを示す。
図26に示す洗浄機順位テーブルでは、薬液Cを使用する第4洗浄機50dに、設定値0が与えられている。これは、たとえば薬液Cがスコープ部材を劣化させやすい、強いアタック性を有しているため、医療施設において、多くのスコープ30の洗浄に使用することを禁止している事情による。この例では、上部処置機であるG−T−1、G−T−2、下部処置機であるC−T−1に対して、設定値2が与えられているものの、他のスコープに対しては設定値0が与えられて、使用が禁止されている。たとえば薬液Cは強酸性電解水であってよい。
このように図26に示す例では、割り当てる洗浄機50の優先順位が、洗浄機50において使用される洗浄薬液のアタック性にもとづいて設定されている。洗浄機順位テーブルは、医療施設のポリシーによって適宜作成されるものであり、アタック性の強弱に依存して洗浄機順位テーブルを作成することで、スコープ30の長寿命化を期待できる。一方で、たとえば強酸性電解水は、洗浄薬液としては非常に安価であるというメリットを有している。そのため、薬液にかかるコスト面に着目したポリシーによると、強酸性電解水を使用する洗浄機50に対して、設定値0以外の設定値を与えることも可能である。このように洗浄機順位保持部226で保持される洗浄機50の優先順位は、洗浄機50において使用される薬液にもとづいて設定されることになる。
図27は、図13に示す洗浄機割当処理におけるS110の詳細フローチャートを示す。S110において、洗浄機特定部142は、S18(図7参照)のスコープ割当処理により割り当てられたスコープ30のそれぞれに対して、所有する洗浄機50の検索処理を実行して、使用可能な洗浄機50を特定する。
以下、実施形態において説明したスコープ割当処理により、検査E1、E2、E3、E4に対して、それぞれスコープG−R−1、G−R−2、G−R−3、C−R−1が割り当てられた例で説明する。つまり図12に示す検査スケジュールが設定された状態で、洗浄機割当処理を開始する。
図3に戻って、第2割当処理部140において洗浄機特定部142は、洗浄機順位保持部226に保持された洗浄機順位情報を参照して、スコープG−R−1、G−R−2、G−R−3、C−R−1に関し、設定値0以外の洗浄機50を抽出する(S150)。S150では、使用が禁止されていない洗浄機50を抽出している。ここで上部ルーチン機であるスコープG−R−1、G−R−2、G−R−3については、第1洗浄機50a、第2洗浄機50b、第3洗浄機50cの設定値が0ではなく、また同様に下部ルーチン機であるスコープC−R−1についても、洗浄機50a、第2洗浄機50b、第3洗浄機50cの設定値が0ではない。したがって洗浄機特定部142は、検査E1〜E4の各々に対して、第1洗浄機50a、第2洗浄機50b、第3洗浄機50cを候補洗浄機として特定する(S152)。特定された候補洗浄機は、洗浄機割当部144に通知される。
図28は、図13に示す洗浄機割当処理におけるS114の詳細フローチャートを示す。S114において、洗浄機割当部144は、スコープ30に対して、洗浄機50を割り当てる。
最初に洗浄機割当部144は、検査E1のスコープG−R−1に対する洗浄機割当を行う。洗浄機割当部144は、洗浄スケジュール保持部208に保持されている洗浄スケジュールを参照して、候補洗浄機のうち、最先で割当可能な洗浄機50を特定する(S160)。なお実施形態で説明したように、洗浄機特定部142により、候補洗浄機の使用可能な時間帯が洗浄機割当部144に通知される場合には、洗浄機割当部144は、通知された時間帯を参照して、最先で割当可能な洗浄機50を特定してもよい。
ここで候補洗浄機、つまり第1洗浄機50a、第2洗浄機50b、第3洗浄機50cは、その初期状態において、全時間帯が使用可能であり、つまり全時間帯のステータスが「待機中」となっている。そこで洗浄機割当部144は、第1洗浄機50a、第2洗浄機50b、第3洗浄機50cの全てが最先で割当可能であることを特定し(S160)、最先で割当可能な洗浄機が複数あることを判定する(S162のY)。ここで洗浄機割当部144は、洗浄機順位保持部226に保持された優先順位を参照して、検査E1のスコープG−R−1に対して第1洗浄機50aおよび第2洗浄機50bに設定値1が与えられていることを認識する(S164)。これにより洗浄機割当部144は、スコープG−R−1に対して第1洗浄機50aを割り当てる(S166)。このようにして洗浄機割当部144は、優先順位の高い第1洗浄機50aを、スコープG−R−1に割り当て、これによりスコープに適した洗浄機で洗浄することが可能となる。なお、この洗浄開始予定時刻は9:10、洗浄終了予定時刻は9:30に設定されて、洗浄スケジュールに登録される。これにより第1洗浄機50aの9:10〜9:30の間のステータスは「使用中」となる。
次に洗浄機割当部144は、検査E2のスコープG−R−2に対する洗浄機割当を行う。洗浄機割当部144は、洗浄スケジュール保持部208に保持されている洗浄スケジュールを参照して、候補洗浄機のうち、最先で割当可能な洗浄機50を特定する(S160)。ここで第1洗浄機50aには、9:10〜9:30の使用予定が設定されているため、洗浄機割当部144は、第2洗浄機50b、第3洗浄機50cが最先で割当可能であることを特定し(S160)、最先で割当可能な洗浄機が複数あることを判定する(S162のY)。ここで洗浄機割当部144は、洗浄機順位保持部226に保持された優先順位を参照して、検査E2のスコープG−R−2に対して第2洗浄機50bに設定値1が与えられていることを認識する(S164)。これにより洗浄機割当部144は、スコープG−R−2に対して第2洗浄機50bを割り当てる。このようにして洗浄機割当部144は、優先順位の高い第2洗浄機50bを、スコープG−R−2に割り当てる。なお、この洗浄開始予定時刻は9:10、洗浄終了予定時刻は9:30に設定されて、洗浄スケジュールに登録される。
次に洗浄機割当部144は、検査E3のスコープG−R−3に対する洗浄機割当を行う。洗浄機割当部144は、洗浄スケジュール保持部208に保持されている洗浄スケジュールを参照して、候補洗浄機のうち、最先で割当可能な洗浄機50を特定する(S160)。ここで第1洗浄機50a、第2洗浄機50bには、9:10〜9:30の使用予定が設定されているため、洗浄機割当部144は、第3洗浄機50cが最先で割当可能であることを特定し(S160)、特定した洗浄機50が1つであることを判定する(S162のN)。これにより洗浄機割当部144は、スコープG−R−3に対して第3洗浄機50cを割り当てる。この洗浄開始予定時刻は9:10、洗浄終了予定時刻は9:30に設定されて、洗浄スケジュールに登録される。
なおスコープG−R−3に関して、第3洗浄機50cの設定値は2であり、優先順位は第1洗浄機50a、第2洗浄機50bと比べて低い。そのためスコープG−R−3に対して、第1洗浄機50aまたは第2洗浄機50bが使用可能となる時刻で、第1洗浄機50aまたは第2洗浄機50bを割り当てることも可能である。しかしながら、そのような場合には、スコープG−R−3の洗浄が遅くなり、作業効率の観点から好ましくない。そこで洗浄機割当部144は、割当が禁止されていない限りにおいて、優先順位が低い洗浄機50であっても、積極的に割り当てるようにしている。
次に洗浄機割当部144は、検査E4のスコープC−R−1に対する洗浄機割当を行う。洗浄機割当部144は、洗浄スケジュール保持部208に保持されている洗浄スケジュールを参照して、候補洗浄機のうち、最先で割当可能な洗浄機50を特定する(S160)。ここで第1洗浄機50a、第2洗浄機50b、第3洗浄機50cには、9:10〜9:30の使用予定が設定されており、洗浄機割当部144は、第1洗浄機50a、第2洗浄機50b、第3洗浄機50cの全てが最先で割当可能であることを特定し(S160)、最先で割当可能な洗浄機が複数あることを判定する(S162のY)。
ここで洗浄機割当部144は、洗浄機順位保持部226に保持された優先順位を参照して、検査E4のスコープC−R−1に対して第1洗浄機50aおよび第2洗浄機50bに設定値1が与えられていることを認識する(S164)。これにより洗浄機割当部144は、スコープC−R−1に対して第1洗浄機50aを割り当てる(S166)。このようにして洗浄機割当部144は、優先順位の高い第1洗浄機50aを、スコープC−R−1に割り当て、これによりスコープに適した洗浄機で洗浄することが可能となる。なお、この洗浄開始予定時刻は9:30、洗浄終了予定時刻は9:50に設定されて、洗浄スケジュールに登録される。
図29は、実施例3において洗浄スケジュール管理部130により生成された洗浄スケジュールを示す。ここでは洗浄機割当部144による割当結果が洗浄スケジュールに反映されており、具体的には9:10〜9:30の間に、第1洗浄機50aでスコープG−R−1が洗浄されること、第2洗浄機50bでスコープG−R−2が洗浄されること、第3洗浄機50cでスコープG−R−3が洗浄されること、9:30〜9:50の間に第1洗浄機50aでスコープC−R−1が洗浄されること、が登録されている。洗浄スケジュール管理部130は、更新した洗浄スケジュールを、洗浄スケジュール保持部208に記録する。
実施形態で説明した図14と比較すると、図29に示す洗浄スケジュールでは、第4洗浄機50dが使用されていない。これはスコープC−R−1に対して第4洗浄機50dの使用、換言すると薬液Cの使用が禁止されているために、第4洗浄機50dに対してスコープが割り当てられない状態となっている。なお図26において、スコープG−T−1、G−T−2、C−T−1に対しては、第4洗浄機50dの設定値は2となっており、したがって、これらのスコープの洗浄スケジューリングに際して、第4洗浄機50dが割り当てられることがある。
以上は、洗浄機順位保持部226において設定値が0の第4洗浄機50dの使用を禁止する場合について説明したが、この制限を緩めて洗浄スケジュールの生成処理を運用してもよい。上記した使用禁止の運用では、第4洗浄機50dが通常は使用されず、スコープ30の洗浄処理が効率よく進まずに、洗浄待ちのスコープ30が多くなるという状況が想定されるためである。そこで設定値0の洗浄機50は、スコープ30に割り当てることを禁止するという厳しい制限ではなく、スコープ30に割り当てることをできるだけ避ける、という緩やかな制限が採用されてもよい。この厳しい制限と緩やかな制限は、たとえばスケジューリングのモードによって定められてもよく、洗浄処理の効率化を促進する場合には、ユーザが、緩やかな制限のモードを選択することで、設定値0の洗浄機50を、スコープ30に割当可能としてもよい。
なお、この場合には、使用状況記憶部224(または後述する履歴記録部232)が、設定値0の洗浄機50で洗浄した回数を、スコープ30ごとに記憶しておくことが好ましい。洗浄機割当部144は、設定値0の洗浄機50で洗浄した回数がスコープ30によって突出して多くなることがないように、つまりは設定値0の洗浄機50で洗浄した回数が等しくなるように、スコープ30に対して洗浄機50を割り当てることが好ましい。なお設定値0の洗浄機50で洗浄する回数には上限(たとえば20回)が設定されていてもよく、洗浄機割当部144は、この上限を超えて、設定値0の洗浄機50を割り当てないようにしてもよい。
<実施例4>
実施例4では、スコープ30のスケジューリングに際して、あるスコープ30が、できるだけ特定の医師により使用されるような割当処理を行う。スコープ30と、それを使用する医師とをセットにすることで、たとえば長く良好な状態を維持しているスコープ30については、使用頻度の高い医師が上手に操作していることが分析でき、一方で、故障が生じやすいスコープ30などは、使用頻度の高い医師の操作に何かしらの問題があるなどの分析もできる。
図3に戻って、割当スコープ情報保持部228は、医師に対して優先的に割り当てるスコープに関する優先スコープ情報を保持する。
図30は、割当スコープ情報保持部228に記憶された優先スコープテーブルを示す。優先スコープテーブルは、内視鏡検査を担当する各医師に対して、割り当てるスコープ30の優先順位を定めた優先スコープ情報を、スコープ機種ごとに記録している。ここで優先順位は、医療施設が、同じ機種の複数のスコープ30を所有していることを前提として付与されるものであり、割当スコープ情報保持部228は、同じ機種の複数のスコープ30のうち、医師に対して優先的に割り当てるスコープを、優先スコープ情報として保持している。図30において、「優先スコープ1」は、割当優先順位が1番のスコープであり、「優先スコープ2」は、割当優先順位が2番のスコープであり、「優先スコープ3」は、割当優先順位が3番のスコープである。
たとえば医師Aは、上部ルーチン機に関して、スコープG−R−2の割当優先順位が1番であり、スコープG−R−1の割当優先順位が2番に設定されている。この優先スコープ情報は、あくまでも、優先スコープが医師に割当可能な場合に、優先的に割り当てることを指定する情報であり、必ず優先スコープが医師に割り当てられなければいけないわけではない。たとえば、医師Aが行う予定の検査において、検査開始予定時刻にスコープG−R−2、G−R−1のステータスが「待機中」でなければ、スコープ割当部126は、他の上部ルーチン機を割り当てて、検査に遅延が生じないようにする。
実施例4において、スコープ割当部126は、割当スコープ情報保持部228に保持された優先スコープ情報と、検査スケジュール管理部110が管理する内視鏡検査の担当医師に関する情報とにもとづいて、内視鏡検査に割り当てるスコープ30を決定する。
図31は、図9に示すスコープ割当処理におけるS56の詳細フローチャートを示す。スコープ割当部126は、内視鏡検査の担当医師にもとづいて、割当スコープ情報保持部228の保持された優先スコープ情報を取得する(S180)。
以下、実施例1において説明したスコープ検索処理により、検査E1、E2、E3、E4の候補スコープを特定した例で説明する。実施例1ではスコープ特定部124が、検査E1、E2、E3の候補スコープとして内視鏡番号1〜6のスコープを特定し、検査E4の候補スコープとして内視鏡番号15〜17のスコープを特定して、スコープ割当部126に通知している。
スコープ割当部126は、検査E1、E2、E3、E4のそれぞれの担当医師情報にもとづいて、各検査について割当スコープ情報保持部228から、使用するスコープ機種に関する優先スコープ情報を取得する(S180)。
図4の検査スケジュールを参照して、検査E1は医師Bが担当医であり、スコープ割当部126は、優先スコープテーブルを参照して、上部ルーチン機の優先スコープ1がG−R−3、優先スコープ2がG−R−1、優先スコープ3がG−R−2であることを認識する。検査E2は医師Cが担当医であり、スコープ割当部126は、上部ルーチン機の優先スコープ1がG−R−1、優先スコープ2がG−R−5、優先スコープ3がG−R−4であることを認識する。検査E3は医師Eが担当医であり、スコープ割当部126は、上部ルーチン機の優先スコープ1がG−R−5、優先スコープ2がG−R−6、優先スコープ3がG−R−4であることを認識する。また検査E4は医師Dが担当医であり、スコープ割当部126は、下部ルーチン機の優先スコープ1がC−R−3であることを認識する。
検査E1に関し、スコープ割当部126は、優先スコープ1であるスコープG−R−3が、内視鏡番号1〜6の候補スコープに含まれていることを判定し(S182のY)、したがって検査E1に対して、スコープG−R−3を割り当てる(S186)。これにより医師Bが、検査E1にて、スコープG−R−3を使用するようになる。
次に検査E2に関し、スコープ割当部126は、優先スコープ1であるスコープG−R−1が、内視鏡番号1、2、4〜6の候補スコープに含まれていることを判定し(S182のY)、したがって検査E2に対して、スコープG−R−1を割り当てる(S186)。これにより医師Cが、検査E2にて、スコープG−R−1を使用するようになる。
次に検査E3に関し、スコープ割当部126は、優先スコープ1であるスコープG−R−5が、内視鏡番号2、4〜6の候補スコープに含まれていることを判定し(S182のY)、したがって検査E3に対して、スコープG−R−5を割り当てる(S186)。これにより医師Eが、検査E3にて、スコープG−R−5を使用するようになる。
最後に検査E4に関し、スコープ割当部126は、優先スコープ1であるスコープC−R−3が、内視鏡番号15〜17の候補スコープに含まれていることを判定し(S182のY)、したがって検査E4に対して、スコープC−R−3を割り当てる(S186)。これにより医師Dが、検査E4にて、スコープC−R−3を使用するようになる。
このように候補スコープのなかに、優先スコープが複数存在する場合には、スコープ割当部126は、優先順位の高い優先スコープを検査に割り当てる。なお候補スコープのなかに、優先スコープが含まれない場合、つまり優先スコープ1、優先スコープ2、優先スコープ3のいずれもが含まれない場合(S182のN)、スコープ割当部126は、優先スコープ以外の候補スコープを特定して(S184)、検査に割り当てる(S186)。このように検査開始予定時刻において、割当可能な優先スコープが存在しなければ、その優先スコープが使用可能になるのを待つのではなく、別のスコープを割り当てて、効率的な検査スケジュールを作成するのが好ましい。なお候補スコープが存在しない場合には、その旨をユーザに知らせることが好ましい。
図32は、検査スケジュール管理部110により更新された検査スケジュールを示す。検査スケジュール管理部110は、スコープ割当部126から割当結果を通知されると、該当する検査に、割り当てられたスコープ30を登録する。ここでは検査E1にスコープG−R−3が使用されること、検査E2にスコープG−R−1が使用されること、検査E3にスコープG−R−5が使用されること、検査E4にスコープC−R−3が使用されること、が登録されている。検査スケジュール管理部110は、更新した検査スケジュールを、検査スケジュール保持部206に記録する。
実施例4においてスコープ割当部126は、特定の医師が担当する検査に、できるだけ特定のスコープ30を優先的に割り当てるため、当該スコープ30は、その医師による使用頻度が高くなる。
使用状況監視部160は、実際に実施された内視鏡検査で使用されたスコープ30の使用状況を監視し、履歴記録部232に記録する。これにより履歴記録部232は、実際の内視鏡検査で使用されたスコープ30の使用履歴情報を記録する。履歴記録部232は、スコープ30に関して、スコープ30が使用された検査室、使用した医師、使用日時情報(検査開始時間、検査終了時間)、使用した患者の識別情報、検査種別情報などを対応付けて記録する。なお履歴記録部232は、これらの情報をスコープ30に関する使用履歴情報として記録する必要はなく、検査スケジュール管理部110が管理する内視鏡検査を実施した検査室、医師、患者およびスコープ30を対応付けた実施情報を記録してもよい。
なお履歴記録部232は、スコープ30の故障に関する履歴も記録する。たとえば故障履歴は、故障したときに操作していた医師、検査種別情報、および日時情報を含んでもよい。
表示処理部150は、履歴記録部232に記録された複数のスコープ30の使用履歴情報を、比較可能な形式で表示する。なお、このとき表示内容導出部152は、履歴記録部232に記録された使用履歴情報にもとづいて、統計量を算出する。ここで統計量とは、スコープ30に関して、医師ごとに算出される使用回数、使用時間などであり、表示内容導出部152は、表示する内容に応じた統計量を導出する機能をもつ。表示処理部150は、表示内容導出部152が算出した統計量を表示する。
期間指定部154は、使用履歴情報の期間を指定する。この期間は、端末装置12の画面上に設けられた入力枠に、ユーザが入力することで特定される。期間指定部154が期間を指定すると、表示内容導出部152は、その期間の使用履歴情報を履歴記録部232から抽出して、表示するべき統計量を算出し、表示処理部150は、指定された期間の使用履歴情報、つまり表示内容導出部152より算出された統計量を端末装置12のディスプレイに表示する。
図33は、端末装置12に表示される使用履歴情報の一例を示す。表示期間として、ユーザが2013/11/1〜2014/10/30までの期間を入力すると、期間指定部154が、この期間を指定し、表示内容導出部152は、この期間の使用履歴情報を履歴記録部232から抽出する。ここで表示内容導出部152は、各医師ごとの上部ルーチン機の使用回数を算出して、使用回数表を作成し、表示処理部150が、端末装置12のディスプレイに表示する。なお、表示内容導出部152は、この期間における故障履歴の一覧を作成して故障回数を算出し、表示処理部150が、あわせて故障回数や故障履歴を表示してもよい。
この使用回数表により、ユーザは、どのスコープの故障が少なく、また、そのスコープの使用頻度の高い医師を特定できる。また逆に、ユーザは、どのスコープの故障が多く、そのスコープの使用頻度の高い医師を特定できる。このようにスコープ割当部126が、特定の医師が特定のスコープを優先的に使用するようにスコープ割当処理を行うことで、実際にスコープ30が使用された履歴情報は、故障分析などを行う際に有用な情報となる。また表示処理部150が、複数のスコープ30の使用履歴情報を、比較可能な形式で表示することで、ユーザは、一目でスコープ30の使用状態の違いを認識できるようになる。
図34は、端末装置12に表示される使用履歴情報の一例を示す。この使用回数グラフは、図33に示した使用回数表をグラフ形式で表現したものである。このようにグラフ形式で表現することで、スコープ30の使用状態の違いが一目で理解できるようになる。
なお図33、図34においては、表示処理部150が、各スコープ30についての医師ごとのスコープ使用回数を使用履歴情報として表示したが、たとえば医師ごとのスコープ使用時間を使用履歴情報として表示してもよい。また表示処理部150は、医師が使用したスコープ30の使用回数や使用時間を、医師ごとに表示してもよい。
<実施例5>
実施例5では、スコープ30のスケジューリングに際して、あるスコープ30が、できるだけ特定の検査準備者により洗浄されるように、検査準備者に対して洗浄業務を割り当てる処理を行う。スコープ30の洗浄業務と、それを洗浄する検査準備者とをセットにすることで、たとえば長く良好な状態を維持しているスコープ30については、洗浄頻度の高い担当者が上手に洗浄していることが分析でき、一方で、故障が生じやすいスコープ30などは、洗浄工程において何かしらの問題があるなどの分析もできる。
図3に戻って、割当担当者情報保持部230は、スコープ30に対して、洗浄業務を優先的に割り当てる担当者に関する優先担当者情報を保持する。
図35は、割当担当者情報保持部230に記憶された優先担当者テーブルを示す。優先担当者テーブルは、洗浄業務を割り当てる検査準備者(以下、「担当者」とも呼ぶ)の優先順位を定めた優先担当者情報を、スコープ30ごとに記録している。つまり割当担当者情報保持部230は、1つのスコープ30に対して、洗浄業務を割り当てる担当者の優先順位を保持している。図35において、「優先担当者1」は、割当優先順位が1番の担当者であり、「優先担当者2」は、割当優先順位が2番の担当者である。
たとえばスコープG−R−1は、技師Aの割当優先順位が1番であり、技師Bの割当優先順位が2番に設定されている。この優先担当者情報は、あくまでも、優先担当者が洗浄業務に割当可能な場合に、優先的に割り当てることを指定する情報であり、必ず優先担当者として指定される検査準備者が、そのスコープの洗浄業務に割り当てられなければいけないわけではない。たとえば、スコープG−R−1を使用した検査が終了となり、そのスコープを洗浄する際に、技師A、技師Bが他の業務を行っている場合には、担当者割当部149は、別の技師(たとえば技師C)を、その洗浄業務に割り当て、洗浄作業に遅延が生じないようにする。
実施例5において、担当者割当部149は、割当担当者情報保持部230に保持された優先担当者情報と、検査スケジュール管理部110が管理するスコープ情報とにもとづいて、スコープの洗浄業務の担当者を決定する。
図36は、担当者割当処理のフローチャートを示す。なお図36に示す担当者割当処理は、図13に示す洗浄機割当処理において、S118とS120の間の処理として追加される。図13に示すフローチャートにおいて、洗浄機割当部144が、使用済みスコープに対して洗浄機50を割り当て(S114)、洗浄開始予定時刻および洗浄終了予定時刻を設定した後(S118)、担当者割当部149が、洗浄が予定されるスコープ30にもとづいて、割当担当者情報保持部230に保持された優先担当者情報を取得する(S200)。
以下、実施例4において説明したスコープ割当処理により、検査E1、E2、E3、E4に対して、それぞれスコープG−R−3、G−R−1、G−R−5、C−R−3が割り当てられた例で説明する。
図37は、洗浄スケジュール管理部130により生成された洗浄スケジュールを示す。ここでは洗浄機割当部144による割当結果が洗浄スケジュールに反映されており、具体的には9:10〜9:30の間に、第1洗浄機50aでスコープG−R−3が洗浄されること、第2洗浄機50bでスコープG−R−1が洗浄されること、第3洗浄機50cでスコープG−R−5が洗浄されること、9:15〜9:35の間に第4洗浄機50dでスコープC−R−3が洗浄されること、が登録されている。
実施例5の洗浄スケジュール管理部130は、洗浄機50と、洗浄開始予定時刻情報および洗浄終了予定時刻情報に加えて、洗浄業務を担当する洗浄担当者を含む複数のスコープの洗浄スケジュールを管理する。以下、洗浄スケジュールに、洗浄担当者を登録する手法について説明する。
担当者割当部149は、検査E1、E2、E3、E4のそれぞれに割り当てられたスコープ情報にもとづいて、各スコープ30について割当担当者情報保持部230から優先担当者情報を取得する(S200)。
図35の優先担当者テーブルを参照して、スコープG−R−3の優先担当者1は技師Bであり、スコープG−R−1の優先担当者1は技師Aであり、スコープG−R−5の優先担当者は技師Cであり、スコープC−R−3の優先担当者1は技師Cである。
スコープG−R−3に関し、担当者割当部149は、優先担当者1である技師Bが、スコープG−R−3の洗浄業務を担当可能であるか判定する(S202)。実施例5において各技師には、担当者スケジュールが設定されており、担当者スケジュールにおいて、洗浄開始予定時刻および洗浄終了予定時刻に空きがあるか判定することで、担当者割当部149は、技師BがスコープG−R−3の洗浄業務を担当可能であるか判定する。スコープG−R−3の洗浄開始予定時刻と、洗浄終了予定時刻に、他の業務が入っていなければ、担当者割当部149は、技師Bに、スコープG−R−3の洗浄業務を割当可能であることを判定し(S202のY)、当該スコープの洗浄業務を技師Bに割り当てる(S206)。なお、担当者スケジュールにおいて、洗浄開始予定時刻および洗浄終了予定時刻のいずれかに他の業務が入っていれば、担当者割当部149は、技師Bに、スコープG−R−3の洗浄業務を割当不能であることを判定する(S202のN)。なお優先担当者2である技師Cに対しても割当不能であれば、担当者割当部149は、優先担当者以外の担当者で、当該時刻に空きがある担当者を特定して(S204)、洗浄業務に割り当てる(S206)。
次にスコープG−R−1に関し、担当者割当部149は、優先担当者1である技師Aが、スコープG−R−1の洗浄業務を担当可能であるか判定する(S202)。担当者割当部149は、技師AにスコープG−R−1の洗浄業務を割当可能である場合には(S202のY)、当該スコープG−R−1の洗浄業務を技師Bに割り当てる(S206)。なお、担当者スケジュールにおいて、洗浄開始予定時刻および洗浄終了予定時刻のいずれかに他の業務が入っていれば、担当者割当部149は、技師Aに、スコープG−R−1の洗浄業務を割当不能であることを判定する(S202のN)。このとき優先担当者2である技師Bに対しても割当不能であれば、担当者割当部149は、優先担当者以外の担当者で、当該時刻に空きがある担当者を特定して(S204)、洗浄業務に割り当てる(S206)。
次にスコープG−R−5に関し、担当者割当部149は、優先担当者1である技師Cが、スコープG−R−5の洗浄業務を担当可能であるか判定する(S202)。担当者割当部149は、技師CにスコープG−R−5の洗浄業務を割当可能である場合には(S202のY)、当該スコープG−R−5の洗浄業務を技師Cに割り当てる(S206)。なお、担当者スケジュールにおいて、洗浄開始予定時刻および洗浄終了予定時刻のいずれかに他の業務が入っていれば、担当者割当部149は、技師Cに、スコープG−R−5の洗浄業務を割当不能であることを判定する(S202のN)。このとき優先担当者2である技師Bに対しても割当不能であれば、担当者割当部149は、優先担当者以外の担当者で、当該時刻に空きがある担当者を特定して(S204)、洗浄業務に割り当てる(S206)。
次にスコープC−R−3に関し、担当者割当部149は、優先担当者1である技師Cが、スコープC−R−3の洗浄業務を担当可能であるか判定する(S202)。担当者割当部149は、技師CにスコープC−R−3の洗浄業務を割当可能である場合には(S202のY)、当該スコープC−R−3の洗浄業務を技師Cに割り当てる(S206)。なお、担当者スケジュールにおいて、洗浄開始予定時刻および洗浄終了予定時刻のいずれかに他の業務が入っていれば、担当者割当部149は、技師Cに、スコープC−R−3の洗浄業務を割当不能であることを判定する(S202のN)。このとき優先担当者2である技師Bに対しても割当不能であれば、担当者割当部149は、優先担当者以外の担当者で、当該時刻に空きがある担当者を特定して(S204)、洗浄業務に割り当てる(S206)。
ある洗浄業務に対して、優先担当者1と優先担当者2のいずれもが割当可能である場合には、担当者割当部149は、優先順位の高い担当者を洗浄業務に割り当てる。割り当てられた担当者情報は、洗浄スケジュール管理部130に通知される。
図38は、洗浄スケジュール管理部130により更新された洗浄スケジュールを示す。洗浄スケジュール管理部130は、担当者割当部149から割当結果を通知されると、該当する洗浄処理に、割り当てられた担当者を登録する。ここではスコープG−R−3の洗浄業務を技師Bが担当すること、スコープG−R−1の洗浄業務を技師Aが担当すること、スコープG−R−5の洗浄業務を技師Cが担当すること、スコープC−R−3の洗浄業務を技師Cが担当すること、が登録されている。このように洗浄スケジュール管理部130は、洗浄業務を行う担当者も洗浄スケジュールに追加し、更新した洗浄スケジュールを、洗浄スケジュール保持部208に記録する。
実施例5において担当者割当部149は、特定のスコープ30の洗浄業務を、できるだけ特定の検査準備者が担当するように優先的に割り当てるため、当該スコープ30の洗浄業務は、その担当者が行う機会が多くなる。
使用状況監視部160は、実際に実施されたスコープ30の洗浄処理状況を監視し、履歴記録部232に記録する。たとえば各洗浄機50には、担当者IDを読み取る読取手段が設けられており、担当者がIDカードなどを読取手段で読み取らせることによって、洗浄業務を行っている担当者が特定されるようになっている。使用状況監視部160は、この洗浄処理状況を監視して、履歴記録部232は、洗浄されたスコープ30の洗浄履歴情報を記録する。履歴記録部232は、スコープ30に関して、洗浄した洗浄機50、洗浄した日時情報(洗浄開始時間、洗浄終了時間)、洗浄した担当者などを対応付けて記録する。なお履歴記録部232は、これらの情報をスコープ30に関する洗浄履歴情報として記録する必要はなく、洗浄スケジュール管理部130が管理する洗浄を実施した洗浄機50、洗浄した担当者および洗浄されたスコープ30を対応付けた洗浄情報を記録してもよい。
なお履歴記録部232は、スコープ30の故障やメンテナンスに関する履歴も記録する。たとえば上記履歴は、故障やメンテナンスをしたときに作業をしていた担当者および日時情報を含んでもよい。
表示処理部150は、履歴記録部232に記録された複数のスコープ30の洗浄履歴情報を、比較可能な形式で表示する。なお、このとき表示内容導出部152は、履歴記録部232に記録された洗浄履歴情報にもとづいて、統計量を算出する。ここで統計量とは、スコープ30に関して、担当者ごとに算出される洗浄回数、洗浄時間などであり、表示内容導出部152は、表示する内容に応じた統計量を導出する機能をもつ。表示処理部150は、表示内容導出部152が算出した統計量を表示する。
期間指定部154は、洗浄履歴情報の期間を指定する。この期間は、端末装置12の画面上に設けられた入力枠に、ユーザが入力することで特定される。期間指定部154が期間を指定すると、表示内容導出部152は、その期間の洗浄履歴情報を履歴記録部232から抽出して、表示するべき統計量を算出し、表示処理部150は、指定された期間の洗浄履歴情報、つまり表示内容導出部152より算出された統計量を端末装置12のディスプレイに表示する。
図39は、端末装置12に表示される洗浄履歴情報の一例を示す。表示期間として、ユーザが2013/11/1〜2014/10/30までの期間を入力すると、期間指定部154が、この期間を指定し、表示内容導出部152は、この期間の洗浄履歴情報を履歴記録部232から抽出する。ここで表示内容導出部152は、各担当者ごとの上部ルーチン機の洗浄回数を算出して、洗浄回数表を作成し、表示処理部150が、端末装置12のディスプレイに表示する。なお、表示内容導出部152は、この期間における故障履歴の一覧を作成して故障回数を算出し、表示処理部150が、あわせて故障回数や故障履歴を表示してもよい。
この洗浄回数表により、ユーザは、どのスコープの故障が少なく、また、そのスコープの洗浄頻度の高い技師を特定できる。また逆に、ユーザは、どのスコープの故障が多く、そのスコープの洗浄頻度の高い技師を特定できる。このように担当者割当部149が、特定のスコープの洗浄業務を特定の担当者に優先的に割り当てることで、実際にスコープ30が洗浄された履歴情報は、故障分析などを行う際に有用な情報となる。また表示処理部150が、複数のスコープ30の洗浄履歴情報を、比較可能な形式で表示することで、ユーザは、一目でスコープ30の使用状態の違いを認識できるようになる。
図40は、端末装置12に表示される洗浄履歴情報の一例を示す。この洗浄回数グラフは、図39に示した洗浄回数表をグラフ形式で表現したものである。このようにグラフ形式で表現することで、スコープ30の使用状態の違いが一目で理解できるようになる。
なお図39、図40においては、表示処理部150が、各スコープ30についての担当者ごとのスコープ洗浄回数を洗浄履歴情報として表示したが、たとえば担当者ごとのスコープ洗浄時間を洗浄履歴情報として表示してもよい。また表示処理部150は、担当者が洗浄したスコープ30の洗浄回数や洗浄時間を、担当者ごとに表示してもよい。
なお実施例4では、履歴記録部232は、スコープ30に関して、スコープ使用情報として、スコープ30が使用された検査室、使用した医師、検査開始時間、検査終了時間、使用した患者の識別情報、検査種別情報などを対応付けて記録することを説明した。また実施例5では、履歴記録部232が、スコープ30に関して、スコープ洗浄情報として、洗浄した洗浄機50、洗浄開始時間、洗浄終了時間、洗浄した担当者などを対応付けて記録することを説明した。履歴管理部162は、履歴記録部232に記録されたスコープ使用情報およびスコープ洗浄情報にもとづいて、スコープ30の履歴を管理してよい。具体的に履歴管理部162は、スコープ使用情報に含まれるスコープ30の検査終了時間と、スコープ洗浄情報に含まれる同一のスコープ30の洗浄開始時間から、スコープ使用情報とスコープ洗浄情報とを関連づける。
たとえばスコープG−R−1のスコープ使用情報として、検査終了時間が2014年11月6日の9:10であり、スコープ洗浄情報として、洗浄開始時間が2014年11月6日の9:12となっている場合、履歴管理部162は、かかるスコープ使用情報とスコープ洗浄情報とが、関連しているものとして管理する。また、このスコープ洗浄情報として、洗浄終了時間が2014年11月16日の9:32であり、G−R−1の別のスコープ使用情報の検査開始時間が2014年11月16日の9:34となっている場合、履歴管理部162は、かかるスコープ洗浄情報とスコープ使用情報とを関連づけて管理する。ここで関連づけて管理するとは、スコープ使用情報とスコープ洗浄情報との時間的な関係を定めることに相当する。このように管理することで、履歴管理部162は、医師CがスコープG−R−1を患者Aに使用して、その後、技師Aが第2洗浄機でスコープG−R−1を洗浄し、その後、医師BがスコープG−R−1を患者Bに使用した、というスコープG−R−1の履歴を管理できるようになる。
<再スケジューリング処理>
実施形態および実施例1〜5に関して説明した処理により、1日の内視鏡検査業務の開始前に、検査スケジュールおよび洗浄スケジュールが生成される。医療施設においては、生成した検査スケジュールおよび洗浄スケジュールにしたがって検査業務が進行することが理想であるが、しかしながら現場においては、様々な要因により検査スケジュールおよび/または洗浄スケジュール通りに検査業務が進行しないことがある。
代表的な要因の一つは、実際に検査を開始する時刻または終了する時刻が、スケジュールで設定された時刻よりも早まったり、または遅延することである。図5に示す検査種別マスタテーブル210において、たとえば検査種別番号1の「上部ルーチン検査」の検査予定時間は10分と設定されており、したがって「上部ルーチン検査」は、検査開始から終了までの時間が10分として検査スケジュールに組み込まれている。しかしながら実際の検査は予定時間である10分よりも早まったり、または10分を超過することがあり、特に予定時間を超過する場合には、以後のスケジュールを再設定する必要が生じる。
図41は、検査スケジュール管理部110により生成された検査スケジュールおよび洗浄スケジュール管理部130により生成された洗浄スケジュールの例を示す。図41に示す検査スケジュールは、実施例1に関して説明したスコープ割当処理によりスコープ順位テーブルにしたがって各検査にスコープを割り当てて作成されている。また図41に示す洗浄スケジュールは、実施形態に関して説明した洗浄機割当処理により作成されている。以下の実施例6〜8で説明する再スケジューリング処理においては、図41に示す検査スケジュールおよび洗浄スケジュールに含まれる要素を再スケジューリング処理の対象とするが、これは一例であって、図20に示す検査スケジュールおよび洗浄スケジュールを対象としてもよい。いずれにしても、再スケジューリング処理においては、予め検査スケジュールおよび洗浄スケジュールが生成されていることが前提となる。なお説明の便宜上、洗浄スケジュールにおいて、各スコープの洗浄処理に対して、W1〜W41の洗浄識別情報(洗浄ID)を付している。
また図41においては、医療施設が5本の上部高画質機を所有していることを前提としている。
図42は、所有スコープマスタテーブル222の一例を示す。図6に示す所有スコープマスタテーブル222と比較すると、医療施設が5本の上部高画質機を所有している点で相違している。つまり図42に示す所有スコープマスタテーブル222においては、上部高画質機であるG−H−4、G−H−5の2本が追加されている点で図6に示す所有スコープマスタテーブル222と相違しており、図41の検査スケジュールにおいて、検査E36にスコープG−H−4が、検査E37にスコープG−H−5がそれぞれ割り当てられている。
図43は、情報管理装置10の構成のうち、再スケジューリング処理を実行する機能を備えた処理部100の構成を示す。処理部100は、検査スケジュール管理部110、第1割当処理部120、洗浄スケジュール管理部130、第2割当処理部140、表示処理部150、状況情報取得部170、再スケジュール処理部172、変更不可検査特定部174および入力受付部176を備える。なお図43には示していないが、処理部100は、図3に示すように表示内容導出部152、期間指定部154および使用状況監視部160も備えて構成されており、また第1割当処理部120は、検査抽出部122、スコープ特定部124、スコープ割当部126、スコープ割当可否確認部128および医師割当部129を有し、第2割当処理部140は、洗浄機特定部142、洗浄機割当部144、終了時刻判定部146、洗浄機割当可否確認部148および担当者割当部149を有して構成されている。
処理部100の各構成は、ハードウェア的には、任意のコンピュータのCPU、メモリ、その他のLSIで実現でき、ソフトウェア的にはメモリにロードされたプログラムなどによって実現されるが、ここではそれらの連携によって実現される機能ブロックを描いている。したがって、これらの機能ブロックがハードウェアのみ、ソフトウェアのみ、またはそれらの組み合わせによっていろいろな形で実現できることは、当業者には理解されるところである。
以下に示す再スケジューリング処理は、内視鏡検査業務の開始後、実際の検査の状況に応じて実施される。
<実施例6>
状況情報取得部170は、検査の状況に関する状況情報を取得する。状況情報取得部170は、内視鏡観察装置22と通信を行う通信部を有し、内視鏡観察装置22から送信される情報を取得する機能を有してよい。この点において状況情報取得部170は、図3に示した使用状況監視部160の機能を含むものであってよい。
検査の開始前、スコープ30は内視鏡観察装置22に接続されるが、このときスコープ30の識別情報(スコープID)が、内視鏡観察装置22を識別する情報(観察装置ID)および検査を識別する情報(検査ID)とともに、ネットワーク2を介して情報管理装置10に送信される。また検査を開始する際、内視鏡観察装置22において検査の開始ボタンが操作されると、検査の開始通知が検査IDおよび観察装置IDとともに情報管理装置10に送信される。また検査を終了する際、内視鏡観察装置22において検査の終了ボタンが操作されると(またはスコープ30が内視鏡観察装置22から引き抜かれると)、検査の終了通知が検査IDおよび観察装置IDとともに情報管理装置10に送信される。情報管理装置10において、状況情報取得部170は、内視鏡観察装置22から送信される情報を監視し、検査の実施状況に関する状況情報として、スコープIDに関する情報、検査開始通知情報および検査終了通知情報を取得する。状況情報取得部170は取得した状況情報を、取得した時刻情報とともに再スケジュール処理部172に即時に(リアルタイムで)提供する。なお状況情報取得部170は、取得した状況情報を、取得した時刻情報とともに再スケジュール処理部172に定期的に提供してもよい。
なお検査開始通知情報および検査終了通知情報は、ユーザにより入力されて時刻情報とともに入力受付部176により受け付けられ、入力受付部176が、検査開始通知情報および検査終了通知情報を、状況情報として状況情報取得部170に受け渡してもよい。また検査開始通知情報および検査終了通知情報は、オーダリングシステム等の院内情報システムに入力されて、状況情報取得部170が、院内情報システムから、検査開始通知情報および検査終了通知情報を、状況情報として取得してもよい。このように状況情報取得部170は、実際の検査の実施状況を、何らかの手段によって取得できればよいが、効率的な再スケジューリング処理を実行するためには、状況情報をリアルタイムで取得して、取得した時刻情報とともに、再スケジュール処理部172に提供することが好ましい。
再スケジュール処理部172は、状況情報にもとづいて、図41に示す検査スケジュールおよび/または洗浄スケジュールに含まれる要素の変更が必要であるか否かを判定する。たとえば状況情報取得部170が検査終了通知情報を取得した時刻が、当該検査の検査終了予定時刻を超過している場合、再スケジュール処理部172は、検査スケジュールおよび/または洗浄スケジュールの変更が必要であることを判定する。
なお検査スケジュールを変更するためには、状況情報取得部170が検査終了通知情報を取得した時刻を知る必要があるが、状況情報取得部170が検査終了予定時刻を超過した時点で検査終了通知情報を取得していなければ、再スケジュール処理部172は、少なくとも検査スケジュールを変更する必要があることを判定できる。そのために状況情報取得部170は、検査スケジュールを参照して、検査終了予定時刻を超過した時点で検査終了通知情報を取得していなければ、その旨を示す情報を再スケジュール処理部172に提供してもよい。
再スケジュール処理部172は、状況情報にもとづいて検査スケジュールおよび/または洗浄スケジュールの変更が必要であることを判定すると、検査スケジュール管理部110または洗浄スケジュール管理部130の少なくとも1つに対して、検査スケジュールおよび/または洗浄スケジュールに含まれる要素の変更を指示する。ここで検査スケジュールに含まれる要素とは、検査IDで特定される検査、検査に対して割り当てられている検査室、検査開始予定時刻情報、検査終了予定時刻情報、担当医師、スコープ30であり、また洗浄スケジュールに含まれる要素とは、スコープ30に対して割り当てられている洗浄機、洗浄開始予定時刻情報、洗浄終了予定時刻情報である。なお実施例5(図38)に示すように、洗浄スケジュールにおいて、洗浄処理に担当者が割り当てられている場合には、洗浄スケジュールに含まれる要素に、担当者情報も含まれる。
以下、図44〜図47を参照して、具体的な再スケジューリング処理について説明する。
図44は、実際の検査が予定よりも遅延した例を示す。検査E22の検査スケジュールは、検査開始予定時刻が10:25、検査終了予定時刻が10:35であったところ、実際には検査E22が予定時間を20分超過している。そのため状況情報取得部170は、10:55に、第1検査室20aの内視鏡観察装置22aから、検査終了通知情報を取得する。状況情報取得部170は、検査終了通知情報を取得すると、即時に再スケジュール処理部172に、検査E22の検査終了通知情報を10:55に取得したことを通知する。
再スケジュール処理部172は、状況情報取得部170からの通知を受けて、検査E22の終了時刻が、予定時刻を超過しており、遅延が生じたことを検出すると、検査スケジュールおよび/または洗浄スケジュールの変更が必要なことを判定する。再スケジュール処理部172は、スケジュール変更が必要なことを判定すると、検査スケジュール管理部110または洗浄スケジュール管理部130の少なくとも1つに対して、スケジュールに含まれる要素の変更を指示する。この実施例6では再スケジュール処理部172は、検査スケジュール管理部110に対して、検査スケジュールに含まれる要素の変更を指示し、検査スケジュール管理部110は、検査スケジュールの要素として、検査開始予定時刻情報および検査終了予定時刻情報で指定される検査の時間枠を動かす処理を行う。
このとき再スケジュール処理部172は、検査スケジュールに含まれる要素のうち、検査E22の終了予定時刻情報を、変更するべき要素として特定して、検査スケジュール管理部110に、特定した要素の変更を指示してもよい。このように再スケジュール処理部172が、状況情報にもとづいて、変更するべき要素を特定してもよいが、検査スケジュール管理部110が、再スケジュール処理部172から、検査E22の終了時刻を通知されることで、変更するべき要素を特定してもよい。
なお状況情報取得部170が検査スケジュールを参照して、検査終了予定時刻を超過した時点で検査終了通知情報を取得していなければ、検査に遅延が生じている旨を示す情報を再スケジュール処理部172に提供してもよいことを説明したが、このとき再スケジュール処理部172は、検査E22に遅延が生じていることを、検査スケジュール管理部110に通知してもよい。これにより検査スケジュール管理部110は、検査E22の後に予定されている同一検査室の検査E26、E30、E33、E35、E38の検査開始予定時刻情報および検査終了予定時刻情報を、再設定が必要な要素として認識しておき、検査E22の終了時刻が分かった時点で、これらの検査の時間枠を動かす処理を行ってもよい。
なお検査スケジュール管理部110は、再スケジュール処理部172から検査E22に遅延が生じていることを通知されなくても、管理している検査スケジュールを参照して、検査E22に遅延が生じていることを自身で判断できる。そのため検査スケジュール管理部110は、検査E22の終了予定時刻を超過した時点で、検査E22の後に予定されている検査E26、E30、E33、E35、E38の検査開始予定時刻情報および検査終了予定時刻情報を、再設定が必要な要素として認識することも可能である。
医師等は、1日の検査業務開始前にスケジュール情報を確認し、どの時間にどの検査室でどのような検査を行うかを頭に入れていることが多い。そのため実施例6では、業務開始前に予め設定されたスケジュールを大きく変更することなく、基本的に引き継ぐような形での再スケジューリング処理を実行する。
このようなポリシーのもと、検査スケジュール管理部110は、再スケジュール処理部172から提供されるスケジュール要素の変更指示にもとづいて、検査スケジュールの変更が必要となる検査室を特定し、特定した検査室における内視鏡検査の検査開始予定時刻情報および検査終了予定時刻情報を変更する。具体的に、スケジュール要素の変更指示には、検査E22の検査終了時刻が含まれており、この変更指示を受けて検査スケジュール管理部110は、検査E22が実施された第1検査室20aを特定し、第1検査室20aにおいて検査E22の後に予定されている検査E26、E30、E33、E35、E38の検査開始予定時刻情報および検査終了予定時刻情報のそれぞれを、検査E22の遅延時間分、この例では予定時刻の20分後に再設定する。
図45は、検査E26、E30、E33、E35、E38の検査開始予定時刻および検査終了予定時刻を20分ずつ遅らせた状態を示す。
なお時間的に前後するが、検査スケジュールにおいて、検査E27は、検査開始予定時刻が10:45に設定されている。検査E27の担当医師は医師Cであるが、10:45の時点において、医師Cはまだ検査E22を実施しており、したがって検査E27は、予定時刻である10:45に開始されていない。状況情報取得部170が10:45に、第4検査室20dの内視鏡観察装置22dから、検査E27の検査開始通知情報を取得していなければ、再スケジュール処理部172は、検査E27が予定通りに開始されていないことを認識して、検査スケジュール管理部110に、検査E27が開始されていないことを通知する。これにより検査スケジュール管理部110は、第4検査室20dにおける検査E27、E34、E41の検査開始予定時刻情報および検査終了予定時刻情報を、再設定が必要な要素として認識しておく。
このように検査E22の終了が予定よりも遅延している場合、検査E22と同一の検査室だけでなく、他の検査室においても、検査E22の検査終了予定時刻(10:35)以後の検査スケジュールおよび/または洗浄スケジュールに影響がでる可能性がある。この例では、医師Cのスケジュールに影響がでているケースを示しているが、他にもスコープ30の使用予定や、洗浄機50の使用予定に影響がでることがある。そこで実施例6では検査の時間枠に着目して、まず検査スケジュール管理部110が、検査E22の検査終了予定時刻以後を開始予定時刻とする時間枠に割り当てられた要素である医師情報およびスコープ30に矛盾が生じるか否かを調査する。ここで矛盾が生じる場合とは、医師情報に関して言えば、同一の医師が時間的に重複する複数の検査に割り当てられている場合であり、またスコープ30に関して言えば、1つのスコープ30が、時間的に重複する複数の検査に割り当てられており、または同一時刻に検査と洗浄に割り当てられている場合である。
具体的に、検査スケジュール管理部110は、検査E22の検査終了通知情報を受け付けた10:55の時点で、図45に示すように第1検査室20aにおける検査E26以降の検査の時間枠を20分ずつ遅らせた結果、医師およびスコープ30が時間的に重複している検査の時間枠が存在するか否かを調査する。ここで検査スケジュール管理部110は、既に10:45の時点で検査E27の検査開始予定時刻情報および検査終了予定時刻情報を、再設定が必要な要素として認識しており、医師Cが10:55の時点で検査E27を実施可能となったことで、検査E27の検査開始予定時刻情報を、10:55以降に再設定する。このとき第4検査室20dにおける検査E27より後の検査も、同様に遅らせるようにし、すなわち検査スケジュール管理部110は、遅延させるべき第4検査室20dを特定し、検査E27、E34、E41の検査開始予定時刻情報および検査終了予定時刻情報のそれぞれを再設定する。
図46は、検査E27、E34、E41の検査開始予定時刻および検査終了予定時刻を10分ずつ遅らせた状態を示す。なお、この例では、医師Cが、検査E22の終了直後(10:55)に検査E27を開始するように、検査E27の検査開始予定時刻が再設定されているが、5分間のインターバル後、すなわち11:00に検査E27の検査開始予定時刻が再設定されてもよい。
具体的に検査スケジュール管理部110は、検査の時間枠の再設定にあたり、スケジュール通りに実施されている検査の時間枠については、調査の対象から除外する。検査E22の検査終了通知情報を受け付けた時点(10:55)で、既に、第2検査室20bにおける検査E28の検査開始通知情報と、第4検査室20dにおける検査E29の検査開始通知情報が、10:50の時点で状況情報取得部170から再スケジュール処理部172を介して提供されており、したがって、第2検査室20bと第3検査室20cとでは、予定通り検査が実施されていることが分かっている。そこで検査スケジュール管理部110は、検査E22の検査終了予定時刻(10:35)以降を検査開始予定時刻とし、且つまだ検査が開始されていない各検査室の検査E26、E31、E32、E27に関して、担当医師およびスコープが時間的に重複しているものがあるか調査する。その結果、第4検査室20dにおける検査E27の開始予定時刻を、10:55に再設定し、図46に示される検査スケジュールに修正される。
次に、洗浄スケジュール管理部130が、検査E22の検査終了予定時刻(10:35)以降を洗浄開始予定時刻とするスコープの洗浄スケジュールに矛盾が生じるか否かを調査する。ここで矛盾が生じる場合とは、ある時点でスコープ30が検査で使用中であるにも関わらず、洗浄が開始されることになっているケースである。ここで検査E22の検査終了予定時刻(10:35)以降を洗浄開始予定時刻とするスコープの洗浄スケジュールとして、洗浄W20〜W27を抽出する。
なお検査スケジュール管理部110と同様に、洗浄スケジュール管理部130は、検査E22が実際に終了した時刻(10:55)までに、洗浄スケジュール通りに洗浄が行われているか監視している。たとえば状況情報取得部170は、洗浄機50と通信を行う通信部を有し、洗浄機50から送信される情報を取得する機能を有してよい。洗浄機50には、洗浄するスコープ30のスコープIDを読み取る手段が設けられており、洗浄の担当者は、洗浄開始前に、スコープ30のスコープIDを読取手段により読み取らせる。洗浄機50は、洗浄開始ボタンが操作されると、洗浄開始通知情報を、スコープIDおよび洗浄機50を識別する情報(洗浄機ID)とともに、ネットワーク2を介して情報管理装置10に送信する。また洗浄が終了すると、洗浄機50は、洗浄終了通知情報を、スコープIDおよび洗浄機IDとともに、ネットワーク2を介して情報管理装置10に送信する。状況情報取得部170は、洗浄機50から送信される情報を監視し、洗浄の実施状況に関する状況情報として、洗浄開始通知情報および洗浄終了通知情報を取得する。状況情報取得部170は取得した状況情報を、取得した時刻情報とともに再スケジュール処理部172に即時に(リアルタイムで)提供し、再スケジュール処理部172は、状況情報を、時刻情報とともに洗浄スケジュール管理部130に通知する。
したがって洗浄スケジュール管理部130は、検査E22の終了予定時刻(10:35)から、実際の終了時刻(10:55)までの間にスケジュール通りに洗浄が行えていない洗浄があれば、10:55の時点で、再設定が必要な要素として認識している。この例では、洗浄W20〜W23が10:35〜10:55までの間の時刻を開始予定とする洗浄であるが、ここで洗浄W22におけるスコープG−R−2は、洗浄開始予定時刻である10:50の時点では、まだ検査E22にて実際に使用されている。したがって、10:50の時点で、洗浄スケジュール管理部130は、洗浄W22の要素である洗浄開始予定時刻情報および洗浄終了予定時刻情報を、再設定が必要な要素として認識しておく。
10:55の時点で、再スケジュール処理部172は、洗浄スケジュール管理部130に対して洗浄スケジュールの要素の変更指示を発行すると、洗浄スケジュール管理部130は、洗浄W22の洗浄開始予定時刻および洗浄終了予定時刻を再設定する。なお、この洗浄スケジュールの再設定処理は、検査スケジュール管理部110による上記した検査スケジュールの再設定処理が行われた後に実行される。洗浄スケジュール管理部130は、第2割当処理部140に洗浄W22におけるスコープG−R−2の洗浄機再割当処理を指示し、これを受けて第2割当処理部140の洗浄機割当部144は、W22の開始予定時刻を5分後ろにずらすように変更して、スコープG−R−2に第2洗浄機50bを割り当てる。
この後、洗浄スケジュール管理部130は、10:55以降を開始予定とする洗浄W24〜W27に矛盾が生じるか否かを調査する。ここで洗浄W27におけるスコープC−Z−1は、検査E27の開始遅延にともなって、洗浄開始予定時刻である11:10の時点では、検査E27において使用中のステータスをとっている。そのため洗浄スケジュール管理部130は、洗浄W27の洗浄開始予定時刻を、検査E27の終了予定時刻(11:20)となるように再設定し、すなわち開始予定時刻を10分遅らせて、洗浄スケジュールを再スケジューリングする。
図47は、洗浄W22の洗浄開始予定時刻および洗浄終了予定時刻を5分遅らせ、洗浄W27の洗浄開始予定時刻および洗浄終了予定時刻を10分遅らせた状態を示す。なお洗浄W22と同一洗浄機における以降の洗浄W26、W30、W34、W38も、同様に5分ずつ遅らせ、洗浄W27と同一洗浄機における以降の洗浄W31、W35、W39も、同様に10分ずつ遅らせる。
次に検査スケジュール管理部110は、まだ調査していない各検査室の検査E30、E36、E37、E34に関して、担当医師およびスコープが時間的に重複しているものがあるか調査する。ここで重複しているものがあれば、当該検査の開始予定時刻を遅らせるが、この例では、時間的に重複していないため、予定を確定する。同様に、洗浄スケジュール管理部130は、まだ調査していない各洗浄機の洗浄W28〜W31に関して、矛盾が生じているか否かを調査し、時間的に重複しているスコープがあれば、当該洗浄の開始予定時刻を遅らせる。この例では、時間的に重複していないため、これらの洗浄の予定を確定する。以上を繰り返し、検査スケジュールおよび洗浄スケジュールが再設定される。なお、この繰り返し工程については、実施形態で説明した工程にしたがってよい。
以上のように検査スケジュール管理部110および洗浄スケジュール管理部130が、再スケジュール処理部172からのスケジュール要素の変更指示に基づいて、実際の検査状況に応じて、予め生成した検査スケジュールおよび洗浄スケジュールをリアルタイムで再スケジューリングする。実施例6においては、検査および洗浄の時間枠のみを変更し、検査および洗浄の順序や、使用する検査室および洗浄機については変更していない。このように検査業務開始前のスケジュール情報を引き継いだ形で再スケジューリング処理を実行して、検査順序や検査室などのスケジュール要素を変更しないことで、医師等は、時間の前後はあるものの、基本的には検査業務の開始前に確認したスケジュール情報にしたがって検査室の移動などを行えばよく、業務の効率化を図ることが可能となる。
実施例6においては、検査E22が予定よりも長くかかり、終了時刻が予定時刻よりも遅くなった例を示した。たとえば検査準備に手間取り、検査開始が予定時刻よりも遅延するようなケースにおいても、実施例6で説明した再スケジューリング処理を適用できる。また予定時刻よりも検査開始時刻や検査終了時刻が早まった場合であっても、実施例6で説明した再スケジューリング処理を適用して、検査の効率化を図ることも可能である。また、たとえば検査室20における内視鏡観察装置22の故障等により、検査室20が利用できなくなった場合や、洗浄機50が利用できなくなった場合などにおいても、実施例6で説明した再スケジューリング処理を適用することで、効率的に検査スケジュールおよび洗浄スケジュールを再構成することが可能である。
<実施例7>
実施例6では、実際の検査の開始時刻または終了時刻が、スケジュールで予定された時刻よりも早まったり、または遅延することで、再スケジューリング処理が必要となったケースを説明した。実施例7では、たとえば外来患者の医療施設への到着が遅れ、予定していた検査時間を変更するようなケースを想定する。
外来患者の到着が遅れたことで、検査開始予定時刻までに前処置が間に合わないような場合であっても、当該患者も前日から絶食して検査のための準備をしているため、時間を調整して当日中に検査を行うことが好ましい。そのためには当該患者の検査を、スケジュール中に割り込ませることになるが、一方で、他の患者からすれば、検査の割込により予定時刻よりも検査開始が遅れることになる。そのため、できるだけ予定時刻に近い時刻で、言い換えれば、開始遅延をできるだけ抑えた時刻で検査が開始されるような再スケジューリング処理が行われることが好ましい。
また検査スケジュールにおいて、割り当てられた要素を変更できない検査も存在する。たとえば患者や医師の都合により、ある時間帯でしか検査できない事情があれば、その検査の検査開始予定時刻を動かすことはできない。また特殊な技能を要する検査であれば、その技能をもつ医師しか検査を担当することができないため、少なくとも当該検査の担当医師を変更することはできない。また同一タイプのスコープ30であっても、最新式から旧式のものまで様々なものが存在するが、たとえば特殊な検査では、最新式のスコープ30しか使用できないこともある。
そこで実施例7においては、変更不可検査特定部174が、検査スケジュールにおいて内視鏡検査に対して予め割り当てられた複数の要素のうち、少なくとも一つの要素の変更を不可とする内視鏡検査を特定する。端末装置12には、キーボードやマウスなどの入力インタフェースが接続されており、入力受付部176は、端末装置12を介してユーザからの入力操作を受け付ける。たとえば検査スケジュールが生成されたときに、ユーザが、要素の変更を不可とする検査を指定すると、入力受付部176が、ユーザからの指定操作を受け付け、変更不可検査特定部174が、要素変更を不可とする内視鏡検査を特定する。なおユーザは、内視鏡検査のスケジュールを構成する複数の要素の中から、変更を不可とする要素を指定できるようにされてもよい。
ここで検査スケジュールを構成する要素は、割り当てられている検査室、検査開始予定時刻情報、検査終了予定時刻情報、担当医師、スコープIDを少なくとも含む。たとえばユーザは、これらの要素のうち、担当医師、検査開始予定時刻の変更を禁止することを指定できる。このような指定を行った場合、検査室、使用するスコープに関しては変更可能であり、変更不可検査特定部174は、変更不可とされる検査要素を特定して、再スケジューリング処理に際して、かかる検査要素が変更されないようにする。
以下においては、図41に示す検査E17のスケジュール要素の全て、つまり使用する第1検査室20a、担当医師C、使用するスコープG−H−2、検査開始予定時刻および検査終了予定時刻が、変更不可として指定された場合について説明する。また実施例7では、検査E15の患者の到着が遅れたために、開始予定時刻である9:50から検査を開始できなくなったケースを示す。
医療施設におけるユーザは、検査E15を開始予定時刻に開始できないことを事前に知ると、入力インタフェースを操作して、検査E15の予約の変更操作を行う。たとえば表示処理部150は、検査スケジュール保持部206から検査スケジュール情報を読み出して、図41に示す検査スケジュール表を端末装置12のディスプレイに表示する。検査スケジュール表はユーザにより操作可能なGUIとして表示され、ユーザは、予約を変更する検査を、検査スケジュール表上で指定できるようにされている。
入力受付部176が、検査E15の予約の変更操作を受け付けると、状況情報取得部170が、入力受付部176から、予約の変更情報を、検査の状況に関する状況情報として取得して、再スケジュール処理部172に提供する。再スケジュール処理部172は、状況情報にもとづいて、検査スケジュールおよび/または洗浄スケジュールの変更が必要であることを判定し、検査スケジュール管理部110または洗浄スケジュール管理部130の少なくとも1つに対して、検査スケジュールおよび/または洗浄スケジュールに含まれる要素の変更を指示する。この変更指示は、検査E15の開始予定時刻の変更指示であり、この変更指示を受けて、検査スケジュール管理部110が、検査E15のスケジュール情報を、検査スケジュールから一旦削除する。
図48は、ディスプレイに表示される検査スケジュール表および洗浄スケジュール表を示す。なお表示処理部150は、変更不可検査特定部174により特定される変更を禁止された検査E17の時間枠を、ユーザが認識できるように表示してもよい。図48では、検査E17の時間枠が太枠で表示されて、ユーザが、変更不可であることを認識できるようにされている。また検査スケジュール表において、検査E15に関するスケジュール情報が、一旦削除されている様子が示される。
ユーザは、検査E15を10:05から開始できることが分かると、この患者をできるだけ早く検査するように、検査E15の検査開始予定時刻を設定する。たとえば検査E15の患者に対して看護師が前処置を行っている場合に、この看護師から前処置の完了が10:00であることの報告を受けることで、ユーザは、検査E15を、10:05から開始できることを知り、検査開始予定時刻を設定できる。
図49は、ユーザが検査E15を、第2検査室20bの10:05が検査開始予定時刻となるように指定した状態を示す。入力受付部176が、検査E15の検査開始予定時刻の指定情報を受け付けると、状況情報取得部170が、入力受付部176が受け付けた情報を、検査E15の状況に関する状況情報として取得して再スケジュール処理部172に提供する。再スケジュール処理部172は、この状況情報にもとづいて、検査スケジュール管理部110に、検査E15の検査開始予定時刻情報を通知し、少なくとも検査E15の要素の変更を指示する。
この変更指示を受けて、検査スケジュール管理部110が、検査E15の検査開始予定時刻を10:05に再設定する。このとき検査スケジュール管理部110は、スケジュール要素の変更指示にもとづいて、検査スケジュールの変更が必要となる検査室を特定し、特定した検査室における検査の検査開始予定時刻情報および検査終了予定時刻情報を変更する。スケジュール要素の変更指示には、検査E15を第2検査室20bで10:05から開始するべきことが含まれており、したがって検査スケジュール管理部110は、検査スケジュールの変更が必要となる第2検査室20bを特定して、検査E15を10:05から開始することで、スケジュール変更が必要となる検査を特定する。図48の検査スケジュールを参照して、ここでは第2検査室20bで予定されていた検査E18、E21、E24、E28、E31、E36、E39のスケジュールを変更する必要があることが特定され、したがって検査スケジュール管理部110は図49に示すように、検査E18、E21、E24、E28、E31、E36、E39の時間枠を、時間的に後ろにずらすように調整する。それとともに検査スケジュール管理部110は、検査E15の検査開始予定時刻(10:05)以後に検査開始を予定されている検査を、再割当対象の検査として抽出して、スコープの割当を解除(クリア)する。図49において、枠300で囲んでいる検査が、スコープの再割当対象となる検査である。
このとき変更不可検査特定部174は、検査に対して予め割り当てられた要素のうち、少なくとも一つの変更を不可とする検査を特定する。ここで変更不可検査特定部174は、検査E17に割り当てられた全ての要素が変更不可に指定されていることを認識し、スケジュール情報の要素変更が禁止されている検査E17を特定する。再スケジュール処理部172は、変更不可検査特定部174により特定される検査E17の変更を不可とされた要素を検査スケジュール管理部110に通知して、当該要素の変更を禁止させる。この例では、検査E17の全ての要素の変更が禁止されているため、再スケジュール処理部172は、検査E17の全ての要素の変更が禁止されていることを検査スケジュール管理部110に通知し、この通知を受けて再スケジュール処理部172は、スコープ割当の解除に際し、検査E17のスコープ割当は解除せず、検査E17以外のスコープ割当を解除する。
また洗浄スケジュール管理部130は、再割当前の検査スケジュールにおける検査E15で使用予定であったスコープG−R−4の洗浄W15を、洗浄スケジュールから削除する。また洗浄スケジュール管理部130は、再割当後の検査E15の検査開始予定時刻(10:05)以後に洗浄開始を予定されている洗浄W13、W14、W16〜W41を、検査スケジュールから削除する。以上により、図49に示す検査スケジュールおよび洗浄スケジュールが生成される。
以後は、実施形態等に関して説明したように、処理部100が、図49に示す検査スケジュールおよび洗浄スケジュールから、スコープ30を各検査に割り当て、また検査で使用したスコープ30に洗浄機50を割り当てる処理を繰り返し行い、検査スケジュールおよび洗浄スケジュールを再構成する。具体的には、第1割当処理部120におけるスコープ割当部126が、検査開始予定時刻情報および検査終了予定時刻情報を変更された検査に対してスコープ30を割り当て、第2割当処理部140における洗浄機割当部144が、検査に対して割り当てられたスコープ30の検査終了予定時刻以後の時刻が洗浄開始予定時刻となるように、当該スコープ30を洗浄するための洗浄機50を割り当てる。またスコープ割当部126は、洗浄機割当部144により当該スコープ30に対して割り当てられた洗浄機50による洗浄終了予定時刻以後の時刻が検査開始予定時刻となるように、後の検査に対して当該スコープ30を割り当てる。実施形態等に関して説明したように、第1割当処理部120および第2割当処理部140が、この処理を繰り返し行うことで、検査スケジュールおよび洗浄スケジュールが構成される。
図50は、再スケジューリング処理を施した検査スケジュールおよび洗浄スケジュールを示す。なお上記したように、検査E17のスケジュール要素に関しては、その変更が禁止されており、第1割当処理部120は、スケジュール情報の要素を変更していない。以上のように、実施例7においては、スケジュール要素の変更が禁止された検査については、そのスケジュール要素を固定しつつ、それ以外の検査のスケジュール要素を変更している。なお、図50に示す例では、スコープ30の割当が変更されており、担当医師の割当に変更はないが、検査スケジュール管理部110が検査の時間枠を変更したことにより、1人の医師が時間的に重複する複数の検査に割り当てられているような場合には、第1割当処理部120の医師割当部129が、担当医師を再割当する必要がある。
また実施例7において、検査スケジュール中の任意の位置に検査E15を割り込ませる場合においても、検査スケジュール管理部110は、割り込ませた後の検査の順序や検査室などを変更しない。これにより、検査を割り込ませた検査室においては、その後の検査の開始時刻が遅れるものの、検査順序は変更しないために、開始予定時刻も最低限の遅れですむようになる。なお、ここでは検査スケジュール中の任意の位置に検査E15を割り込ませることとしていたが、たとえば他の検査の時間枠に、検査E15を当てはめるように調整してもよい。
なお担当医師のスケジュールに矛盾が生じるような場合、上記したように医師割当部129が担当医師を再割当してもよいが、実施例6で説明したように、検査の時間枠を調整することで、担当医師の割当を固定することも可能である。この場合、医師は、時間の前後はあるものの、基本的には検査業務の開始前に確認したスケジュール情報にしたがって検査室の移動などを行えばよく、業務の効率化を図ることが可能となる。
実施例7では、ある患者の検査を遅らせる場合について説明したが、急患等の検査を割り込ませる場合にも実施例7で説明した再スケジューリング処理を適用できる。また実施例7で説明した再スケジューリング処理を利用して、同一検査室における2人の患者の検査の順序を入れ替えたり、また異なる検査室における2人の患者の検査を入れ替えたりすることも可能となる。また図41においては、検査を密に割り当てた検査スケジュールを示しているが、たとえば検査室20に十分な空き時間があるような場合には、その空き時間に検査を割り込ませて、スコープの再割当処理を実施することも可能である。
実施例7においては、要素の変更を不可とする検査を特定する変更不可検査特定部174について説明したが、この変更不可検査特定部174とは逆の考え方で、要素の変更を可能とする検査を特定する変更可能検査特定部を設けてもよい。この場合、ユーザは、要素変更を可能とする検査を入力インタフェースを操作して指定し、第1割当処理部120は、変更可能検査特定部により特定された検査に関して、スコープや担当医師などの要素を変更してもよい。
また変更不可検査特定部174によりスケジュール要素の変更を不可とする検査を特定し、再スケジュール処理部172が、変更を不可とされたスケジュール要素を検査スケジュール管理部110に通知することを説明したが、これにより検査スケジュール管理部110が、変更を不可とされていない検査スケジュールの要素を変更する際に、割り当てるスコープ30が不足して、スケジュールが大幅に遅延するなどの事態が生じる可能性がある。
そこで検査スケジュール管理部110は、再スケジューリングに関する所定の再スケジュール条件を保持し、この再スケジュール条件が満たされない場合には、ユーザに、検査スケジュールの変更ができないことを通知する。再スケジュール条件は、検査開始の遅延が所定時間(たとえば1時間)内に収まることに設定されていてよい。変更不可検査特定部174により変更を不可とされたスケジュール要素が存在する場合に、第1割当処理部120は、スコープ30の割当や医師の割当に際して、変更を禁止されるスケジュール要素が存在することで、その割当自由度にも制限がかかる。そのため検査スケジュール管理部110が、第1割当処理部120にスケジュール要素の再割当処理を行わせて、検査スケジュールの要素を変更する際に、所定の再スケジュール条件が満たされない場合には、ユーザに、検査スケジュールの変更ができないことを通知することが好ましい。
なお再スケジュール条件を満たし、検査スケジュールを変更できる場合であっても、検査スケジュール管理部110は、検査の時間枠を調整した場合には、ユーザに、その旨を通知することが好ましい。これにより医師等のユーザは、検査終了が予定よりも遅れることを認識し、検査終了後の自身の予定を見直すなどの対応をとることが可能となる。
また実施例7においては、再スケジューリング処理により、図50に示す検査スケジュールおよび洗浄スケジュールが再構成されている。この再構成結果は一例であり、たとえば実施形態および実施例1〜6に関して説明したように、本願で提案する様々なスケジューリングアルゴリズムにより、検査スケジュールおよび洗浄スケジュールを、複数種類作成することも可能である。そのため表示処理部150は、作成した複数種類の検査スケジュールおよび洗浄スケジュールを、端末装置12のディスプレイに表示して、いずれを採用するかをユーザが選択できるようにしてもよい。
<実施例8>
実施例6、7では、検査をスケジュール通りに実施できず、検査の時間枠を調整するケースについて説明したが、実施例8では、検査がキャンセルされたために、他の検査を予定よりも早めるように検査スケジュールを再構成するケースを想定する。
検査のキャンセルが発生した場合、キャンセルされた検査で使用予定であった検査室20、スコープ30および医師などのリソースを有効利用することが好ましい。そのため実施例8では、検査のキャンセルが発生したときに、再スケジューリング処理を実行することで、リソースの有効利用および患者の検査待ち時間の短縮を実現することを目的とする。実施例6、7と同様に、実施例8においても、検査業務の開始前に、図41に示す検査スケジュールおよび洗浄スケジュールが予め生成されていることを前提とする。
図41を参照して、検査E22の検査開始予定時刻(10:25)前に、情報管理装置10に対して検査E22のキャンセルが通知された場合を想定する。ユーザが、端末装置12に接続された入力インタフェースから、検査E22のキャンセル操作を入力すると、入力受付部176が、検査E22のキャンセル操作を受け付ける。状況情報取得部170は、入力受付部176から、検査E22の予約のキャンセル情報を、検査の状況に関する状況情報として取得して、再スケジュール処理部172に提供する。
再スケジュール処理部172は、状況情報にもとづいて、検査スケジュールおよび/または洗浄スケジュールの変更が必要であることを判定し、検査スケジュール管理部110または洗浄スケジュール管理部130の少なくとも1つに対して、検査スケジュールおよび/または洗浄スケジュールに含まれる要素の変更を指示する。実施例8においては、この変更指示を受けて、検査スケジュール管理部110が、検査E22のスケジュール情報を、検査スケジュールから削除する。
図51は、検査スケジュールから検査E22を削除した状態を示す。
実施例8においては、検査スケジュールからキャンセルされた検査のリソースを有効利用するべく、キャンセルされた検査の開始予定時刻より後の時刻を開始予定時刻とする検査を前倒しで実施できるようにする再スケジューリング処理を提案する。
図52は、実施例8における予約繰上げ処理のフローチャートを示す。検査スケジュール管理部110は、キャンセルされた検査の時間枠を、空き時間枠として特定し(S300)、空き時間枠に移動させる検査の候補を抽出する処理を行う(S302)。候補検査の抽出処理により、空き時間枠に移動可能な検査が1つ以上抽出されれば(S304のY)、検査スケジュール管理部110は、移動する検査を特定する処理を行う(S306)。移動する検査が特定されると、特定した検査を空き時間枠に移動する(S308)。この移動処理により、キャンセルされた検査の時間枠のリソースを、別の検査に利用できるようになる。この予約繰上げ処理においては、さらに移動した検査の時間枠を空き時間枠として特定し(S300)、その空き時間枠に、別の検査を割り当てる処理を繰り返す。なお候補検査の抽出処理により、空き時間枠に移動可能な検査が抽出できなければ(S304のN)、予約繰上げ処理は終了する。
図53は、S302に示す候補検査抽出処理の詳細フローチャートを示す。検査スケジュール管理部110が、検査スケジュールにおける各検査室20の検査のなかから、S300で特定された空き時間枠の開始時刻の後に検査開始を予定されている検査を特定する(S320)。検査予約を繰り上げるに際して、たとえば2時間後に予定されている検査を前倒しで行うことは、前処置が間に合わないこともあり現実的でないことが多い。そこで、検査スケジュール管理部110は、各検査室20の検査のうち、空き時間枠の開始時刻の後に最も早く検査開始を予定されている検査を特定する。
続いて検査スケジュール管理部110は、「N=1」をセットして(S322)、第N検査室において特定した検査が、所定の繰上げ条件を満たすか判定する(S324)。ここで繰上げ条件の1つは、空き時間枠に予定されていた検査の検査種別と、第N検査室において特定した検査の検査種別とが一致することに設定される。検査種別が一致すれば(S324のY)、検査予定時間も等しく、また使用するスコープ30の機種も同じであるため、空き時間枠に設定されていたスコープ30等のスケジュール要素を変更することなく、第N検査室において特定した検査を空き時間枠に移動することが可能となる。なお別の繰上げ条件として、医師の技能に関する条件が設定されてもよい。たとえば、空き時間枠に移動させようとする検査が特殊な技能を要する場合、経験の浅い若手医師では対応できないこともある。そこで、空き時間枠に設定されている担当医師の技能と、移動させようとする検査に要する技能とを比較して、担当医師の技能で十分対応できる場合には(S324のY)、当該検査を空き時間枠に移動可能なことが判定される。なお以上の繰上げ条件が満たされない場合(S324のN)は、S328に進む。
所定の繰上げ条件が満たされれば(S324のY)、検査スケジュール管理部110は、当該検査を、空き時間枠に移動可能な候補検査として抽出する(S326)。続いて、Nが検査室総数(この例では、検査室総数=4)と同じか判定され(S328)、Nが検査室総数に達していなければ(S328のN)、Nを1インクリメントして(S330)、S324に戻る。
以上のように、S302の候補検査抽出処理は、Nが検査室総数に達するまで(S328のY)実施され、すなわち各検査室20から抽出した全ての検査に関して実行される。
図52に戻り、検査スケジュール管理部110は、抽出した候補検査が存在するか否かを判定する(S304)。ここで候補検査が抽出されていなければ(S304のN)、予約繰上げ処理は終了する。一方で、候補検査が1つ以上抽出されていれば(S304のY)、検査スケジュール管理部110は、空き時間枠に移動する検査を特定する処理を行う(S306)。
図54は、S306に示す繰上げ検査特定処理の詳細フローチャートを示す。S304において抽出した検査が1つの場合(S340のY)、検査スケジュール管理部110は、当該1つの検査を、空き時間枠に移動させる検査として特定する(S346)。またS304において抽出した検査が複数あり(S340のN)、そのうち最も開始予定時刻の早い検査が1つある場合には(S342のY)、検査スケジュール管理部110は、最も早い開始予定時刻の検査を、空き時間枠に移動させる検査として特定する(S346)。最も開始予定時刻の早い検査が複数あり(S342のN)、そのなかで空き時間枠の検査室と同じ検査室で予定されている検査があれば(S344のY)、検査スケジュール管理部110は、同じ検査室で予定されている検査を、空き時間枠に移動させる検査として特定する(S346)。なお同じ検査室で予定されている検査がなければ(S344のN)、たとえば検査スケジュール管理部110は、より小さい検査室番号の検査を、空き時間枠に移動させる検査として特定してよい(S346)。
図52に戻り、検査スケジュール管理部110は、S306で特定した検査を、空き時間枠に移動する(S308)。フローはS300に戻り、検査スケジュール管理部110は、移動した検査の時間枠を、空き時間枠として特定して(S300)、S302〜S308の処理を繰り返す。この処理は、S302において、候補検査が抽出されなくなるまで繰り返される。
以下、検査E22がキャンセルされた場合の具体的な処理を説明する。
入力受付部176が、検査E22のキャンセル操作を受け付けると、状況情報取得部170は、入力受付部176から、検査E22の予約のキャンセル情報を、検査の状況に関する状況情報として取得して、再スケジュール処理部172に提供する。
再スケジュール処理部172は、状況情報にもとづいて、検査スケジュールおよび/または洗浄スケジュールの変更が必要であることを判定し、検査スケジュール管理部110または洗浄スケジュール管理部130の少なくとも1つに対して、検査スケジュールおよび/または洗浄スケジュールに含まれる要素の変更を指示する。実施例8においては、この変更指示を受けて、検査スケジュール管理部110が、検査E22を、検査スケジュールから削除する。なお検査スケジュール管理部110は、検査E22の検査IDを検査スケジュールから削除し、他のスケジュール情報、すなわち検査E22に割り当てられていた担当医師、スコープID、検査開始予定時刻情報、検査終了予定時刻情報を残す。これにより検査E22が割り当てられていた時間枠は空き、検査スケジュール管理部110は、第1検査室20aにおける10:25〜10:35までの時間枠を、空き時間枠として特定する(S300)。
続いて検査スケジュール管理部110は、空き時間枠に移動する検査の候補を抽出する(S302)。図53を参照して、検査スケジュール管理部110は、空き時間枠の開始時刻の後に検査開始を予定されている検査を、各検査室ごとに特定する(S320)。ここで特定される検査は、検査E26、E24、E25、E27となる。
以下、S324で使用する繰上げ条件が、検査種別に関し、すなわち空き時間枠に設定されていた検査の検査種別と同じであることを条件とするものとする。
まず第1検査室20aの検査E26であるが、キャンセルされた検査E22(上部ルーチン検査)と検査種別が同一であり(S324のY)、したがって検査スケジュール管理部110は、検査E26を候補検査として抽出する(S326)。第2検査室20bの検査E24、第3検査室20cの検査E25についても同様に、検査E22と検査種別が同一であり(S324のY)、したがって検査スケジュール管理部110は、検査E24、E25も候補検査として抽出する(S326)。一方で、第4検査室20dの検査E27については、検査E22と検査種別が異なるため(S324のN)、検査E27は、候補検査として抽出しない。以上により、候補検査が、検査E26、E24、E25として抽出される。
図52に戻り、抽出した候補検査の数が3つであるため(S304のY)、検査スケジュール管理部110は、図54に示す繰上げ検査特定処理を実行する。
ここで抽出数は3つであり(S340のN)、検査E26、E24、E25の開始予定時刻は、検査E26が10:40、検査E24、検査E25が、それぞれ10:35である。したがって最も早い開始予定時刻の検査が、検査E24、E25の2つ存在している(S342のN)。検査E24、E25は、空き時間枠と同一検査室(すなわち第1検査室20a)とは異なる検査室で行われるものであるため(S344のN)、検査スケジュール管理部110は、検査室番号の小さい検査E24を、移動させる検査として特定する(S346)。図52に戻り、検査スケジュール管理部110が、特定した検査E24を、空き時間枠に移動させる(S308)。なお具体的には、検査スケジュール管理部110は、検査E24を空き時間枠に実施することを決定し、これにより検査E24のスケジュール情報として、第1検査室20aで10:25〜10:35の間に担当医師CがスコープG−R−2を用いることが定められる。
図55は、検査E24を、空き時間枠に移動した状態を示す。
続いて検査スケジュール管理部110は、移動する前の検査E24に割り当てられていた第2検査室20bの10:35〜10:45の時間枠を、空き時間枠として特定し(S300)、空き時間枠に移動する検査の候補を抽出する(S302)。図53を参照して、検査スケジュール管理部110は、空き時間枠の開始時刻の後に検査開始を予定されている検査を、各検査室ごとに特定する(S320)。ここで特定される検査は、検査E26、E28、E29、E27となる。
このうち検査E27は、繰上げ条件を満たさない(S324のN)が、検査E26、E28、E29は、繰上げ条件を満たしているため(S324のY)、検査スケジュール管理部110は、検査E26、E28、E29を候補検査として抽出する(S326)。
ここで図54を参照して、抽出した候補検査の数は3つであり(S340のN)、検査E26、E28、E29の開始予定時刻は、検査E26が10:40、検査E28、検査E29が、それぞれ10:50である。この場合、最も早い開始予定時刻の検査が、検査E26の1つであるため(S342のY)、検査スケジュール管理部110は、検査E26を、移動させる検査として特定する(S346)。これにより図52を参照して、検査スケジュール管理部110は、特定した検査E26を、空き時間枠に移動させる(S308)。
図56は、検査E26を、空き時間枠に移動した状態を示す。
続いて検査スケジュール管理部110は、移動する前の検査E26に割り当てられていた第1検査室20aの10:40〜10:50の時間枠を、空き時間枠として特定し(S300)、空き時間枠に移動する検査の候補を抽出する(S302)。図53を参照して、検査スケジュール管理部110は、空き時間枠の開始時刻の後に検査開始を予定されている検査を、各検査室ごとに特定する(S320)。ここで特定される検査は、検査E30、E28、E29、E27となる。
このうち検査E27は、繰上げ条件を満たさない(S324のN)が、検査E30、E28、E29は、繰上げ条件を満たしているため(S324のY)、検査スケジュール管理部110は、検査E30、E28、E29を候補検査として抽出する。
ここで図54を参照して、抽出した候補検査の数は3つであり(S340のN)、検査E30、E28、E29の開始予定時刻は、検査E30が10:55、検査E28、検査E29が、それぞれ10:50である。この場合、最も早い開始予定時刻の検査が、検査E28、E29の2つであり(S342のN)、検査E28、E29は、空き時間枠と同一検査室(すなわち第1検査室20a)とは異なる検査室で行われるものであるため(S344のN)、検査スケジュール管理部110は、検査室番号の小さい検査E28を、移動させる検査として特定する(S346)。図52に戻り、検査スケジュール管理部110が、特定した検査E28を、空き時間枠に移動させる(S308)。
図57は、検査E28を、空き時間枠に移動した状態を示す。
以上の処理を繰り返すことで、検査予約の繰上げ処理が完了する。
図58は、再構成した検査スケジュールを示す。実施例8に示すように、検査予約のキャンセルが発生した場合には、キャンセルされた検査よりも後に予定されている同種の検査を繰り上げることで、効率的な検査スケジュールを再構成することが可能となる。なお同種の検査を繰り上げることで、割当済みのスコープ30等のリソースに変更を加える必要なく、そのまま利用することが可能となり、したがって担当医師からすれば、検査(患者)に変更があるものの、医師のスケジュール自体にはほぼ変更がなく、検査業務を進行させられるようになる。
なお洗浄スケジュール管理部130は、もとの検査スケジュールの検査E38で使用予定であったスコープG−R−4の使用予定がなくなったことを受けて、洗浄W38におけるスコープG−R−4の洗浄予定をキャンセルする。このキャンセルにより、洗浄スケジュール管理部130は、洗浄W41で予定されているスコープC−Z−1を、洗浄W38の時間枠に繰上げ可能となったことを判定し、洗浄スケジュールを変更する。
図59は、再構成した洗浄スケジュールを示す。
以上、本発明の再スケジューリング処理を実施例6〜8をもとに説明した。この実施例は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
実施例6〜8においては、再スケジューリング処理により検査スケジュールおよび洗浄スケジュールを再構成することを説明した。本願発明においては、提案する様々な再スケジューリングアルゴリズムにより、検査スケジュールおよび洗浄スケジュールの候補を、複数種類作成することも可能である。そのため表示処理部150は、変更した検査スケジュールおよび/または洗浄スケジュールを端末装置12のディスプレイに表示する機能を有し、検査スケジュールおよび/または洗浄スケジュールの候補が複数存在する場合には、各候補をディスプレイに表示して、ユーザがいずれかの候補を選択できるようにしてもよい。ユーザが、いずれかの候補を選択すると、検査スケジュール管理部110および洗浄スケジュール管理部130が、選択された検査スケジュールおよび/または洗浄スケジュールの変更を確定する。
<実施例9>
実施例6〜8では、検査スケジュールおよび/または洗浄スケジュールを再構成する手法について説明した。実施例9では、再構成した検査スケジュールおよび/または洗浄スケジュールにおいて、元の検査スケジュールおよび/または元の洗浄スケジュールから変更が生じた内容を、変更により影響を受ける医師や看護師などの医療従事者に通知する仕組みを提供する。
図60は、内視鏡検査が実施される医療施設のレイアウト例を示す。たとえば医療施設に設けられる内視鏡センターが、このようなレイアウトで構成される。内視鏡センター入口には受付が設けられ、患者は検査受付をすませ、待合室で順番を待っている。担当看護師は、次に実施する検査の開始予定時刻が近づくと、患者を前処置室に連れて行き、前処置を開始する。また担当看護師は担当の検査室の準備を行い、前処置の済んだ患者を検査室に誘導する。
バックヤードには、医師、看護師、技師などの医療従事者が待機している。検査開始予定時刻が近づくと、担当医師は、予定されている検査室に入室して、検査開始予定時刻になると検査を開始する。また検査終了予定時刻になると、洗浄の担当技師は検査室にいき、使用済みスコープを検査室内でベッドサイド洗浄してから洗浄室に持ち運び、洗浄開始予定時刻になると、使用済みスコープを洗浄機50で機械洗浄する。洗浄室40には、洗浄スケジュールや、各検査室の検査終了予定時刻を表示するためのディスプレイ装置71が設けられる。
バックヤードには、ディスプレイ装置70が設けられ、ディスプレイ装置70には、検査スケジュールおよび洗浄スケジュールが表示される。ここで検査スケジュールおよび/または洗浄スケジュールに変更があった場合には、変更があったことが分かるように、変更のあったスケジュール情報が強調表示されてもよい。ディスプレイ装置70は大型のディスプレイ装置であって、全てのスケジュール情報を表示する必要はないが、少なくとも現在時刻の前後数時間分のスケジュール情報を表示することが好ましい。
このように内視鏡検査業務に携わる医師、看護師、技師を含む医療従事者は、検査スケジュールおよび/または洗浄スケジュールにしたがって、それぞれの担当業務を実施している。特に医師や、検査室の担当看護師は、1日の業務開始前にスケジュール情報を確認し、どの時間にどの検査室でどのような検査を行うかを大体頭に入れたうえで、それぞれの担当行為を実施する。そのためスケジュール情報の内容に変更があった場合には、変更内容の影響を受ける医療従事者に、確実に変更内容を伝えることが好ましい。
図61は、情報管理装置10の構成のうち、医療従事者に、スケジュールの変更内容を通知する機能を実現するための構成を示す。処理部100は、検査スケジュール管理部110および洗浄スケジュール管理部130に加え、実施例9では、さらに検査スケジュールおよび/または洗浄スケジュールが再構成された場合に、変更があった内容を、関係する医療従事者に通知する通知制御部180を備える。通知制御部180は、変更内容取得部182、通知内容生成部184、通知先特定部186、通知タイミング決定部188、通知処理部190および確認受付部192を有する。また記憶部200は、検査スケジュール保持部206、洗浄スケジュール保持部208、検査変更履歴保持部240、洗浄変更履歴保持部242および担当者テーブル244を備える。
処理部100の各構成は、ハードウェア的には、任意のコンピュータのCPU、メモリ、その他のLSIで実現でき、ソフトウェア的にはメモリにロードされたプログラムなどによって実現されるが、ここではそれらの連携によって実現される機能ブロックを描いている。したがって、これらの機能ブロックがハードウェアのみ、ソフトウェアのみ、またはそれらの組み合わせによっていろいろな形で実現できることは、当業者には理解されるところである。
検査スケジュール保持部206は、複数の内視鏡検査の検査スケジュール情報であって、検査室と、患者識別情報(患者ID)と、担当医師識別情報(医師ID)と、検査開始予定時刻情報と、検査終了予定時刻情報と、検査種別情報とを要素とする検査スケジュール情報を保持する。実施例9では、1つの内視鏡検査における検査室と、患者識別情報と、担当医師識別情報と、検査開始予定時刻情報と、検査終了予定時刻情報と、検査種別情報との組合せを、検査スケジュール情報と呼び、検査スケジュール情報を構成する各情報を、検査スケジュール情報の要素と呼ぶ。なお検査スケジュール情報は、使用するスコープに関する情報を含んでよい。検査スケジュールは、複数の検査スケジュール情報により構成される。検査スケジュール保持部206は、最新の検査スケジュール情報を保持する。なお最新の検査スケジュール情報とは、再スケジューリング処理が実施された場合に、再構成された後の検査スケジュール情報を意味する。
検査スケジュール管理部110は、検査スケジュール情報を管理する。検査スケジュールが再スケジューリング処理により変更された場合、検査スケジュール管理部110は、変更後の最新の検査スケジュール情報を検査スケジュール保持部206に記録し、変更履歴を検査変更履歴保持部240に記録する。この変更履歴は、変更があった検査スケジュール情報に関するものであり、変更前の検査スケジュール情報と、変更後の検査スケジュール情報とが対応付けられて検査変更履歴保持部240に記録される。なお検査変更履歴保持部240には、少なくとも変更前の検査スケジュール情報の要素と、変更後の検査スケジュール情報の要素とが対応付けられて記録されていればよい。たとえば、検査の医師のみに変更があった場合、検査変更履歴保持部240には、検査IDと、変更前の担当医師ID、変更後の担当医師IDとが対応付けられて記録される。
洗浄スケジュール保持部208は、複数のスコープの洗浄スケジュール情報であって、洗浄機と、洗浄開始予定時刻情報と、洗浄終了予定時刻情報とを要素とする洗浄スケジュール情報を保持する。実施例9では、1つの洗浄処理における洗浄機と、洗浄開始予定時刻情報と、洗浄終了予定時刻情報との組合せを、洗浄スケジュール情報と呼び、洗浄スケジュール情報を構成する各情報を、洗浄スケジュール情報の要素と呼ぶ。なお洗浄スケジュール情報は、洗浄するスコープに関する情報を含んでよく、また実施例5に関して説明したように、洗浄を実施する洗浄担当者識別情報を含んでよい。洗浄スケジュールは、複数の洗浄スケジュール情報により構成される。洗浄スケジュール保持部208は、最新の洗浄スケジュール情報を保持する。なお最新の洗浄スケジュール情報とは、再スケジューリング処理が実施された場合に、再構成された後の洗浄スケジュール情報を意味する。
洗浄スケジュール管理部130は、洗浄スケジュール情報を管理する。洗浄スケジュールが再スケジューリング処理により変更された場合、洗浄スケジュール管理部130は、変更後の最新の洗浄スケジュール情報を洗浄スケジュール保持部208に記録し、変更履歴を洗浄変更履歴保持部242に記録する。この変更履歴は、変更があった洗浄スケジュール情報に関するものであり、変更前の洗浄スケジュール情報と、変更後の洗浄スケジュール情報とが対応付けられて洗浄変更履歴保持部242に記録される。なお洗浄変更履歴保持部242には、少なくとも変更前の洗浄スケジュール情報の要素と、変更後の洗浄スケジュール情報の要素とが対応付けられて記録されていればよい。たとえば、洗浄するスコープのみに変更があった場合、洗浄変更履歴保持部242には、洗浄IDと、変更前のスコープID、変更後のスコープIDとが対応付けられて記録される。
実施例6〜8で説明したような再スケジューリング処理が終了すると、再スケジューリング処理を終了したことが通知制御部180に通知される。たとえばこの終了通知は、検査スケジュール管理部110または洗浄スケジュール管理部130から通知制御部180に供給される。この終了通知を受けて、通知制御部180は、再スケジューリング処理が終了したことを認識し、医療従事者への通知制御を実行する。
<検査スケジュールの変更通知>
再スケジューリング処理により検査スケジュール情報が変更された場合に、変更内容取得部182は、検査スケジュール情報の変更内容を取得する。具体的に変更内容取得部182は、検査変更履歴保持部240から、検査スケジュール情報の変更履歴を取得する。
以下、実施例6で説明した再スケジューリング処理を例にとり、具体的な通知制御について説明する。実施例6では、図41が、変更前のスケジュールを示し、図47が、再スケジューリング処理による変更後のスケジュールを示す。実施例6では、検査E22の検査開始予定時刻が10:25、検査終了予定時刻が10:35であったところ、図47に示すように、検査E22が予定時間を20分超過して10:55に終了し、再スケジューリング処理を行ったケースを示している。図47に示す変更後のスケジュールは、10:55の時点で(厳密に言えば、10:55から再スケジューリング処理にかかる演算時間の後に)再構成されている。
変更前と変更後のスケジュールを比較すると、以下の検査スケジュール情報に変更が生じている。
<変更された検査>
E26、E27、E30、E33、E34、E35、E38、E41
図62は、検査変更履歴保持部240に保持された検査スケジュール情報の変更履歴を示す。検査変更履歴保持部240には、変更履歴として、検査E26、E27、E30、E33、E34、E35、E38、E41のそれぞれの変更要素の、変更前の情報と変更後の情報とが記録されている。なお実施例6では、検査スケジュール情報の要素のうち、検査開始予定時刻情報と検査終了予定時刻情報を変更しており、そのため検査変更履歴保持部240には、かかる情報要素の変更履歴が記録されている。たとえば担当医師や検査室に変更があった場合には、担当医師や検査室の変更履歴も含まれることになる。
変更内容取得部182は、検査変更履歴保持部240から、検査スケジュール情報の変更履歴を取得する。通知内容生成部184は、変更内容取得部182が取得した変更履歴から、通知する変更内容を生成する。検査スケジュール情報に変更があった場合、変更内容は、検査を実施する担当医師と、検査の準備を行う担当従事者に通知される必要がある。
通知内容生成部184は、変更内容を通知するためのテンプレートを有している。通知内容生成部184は、変更後の検査開始予定時刻情報および検査終了予定時刻情報を、担当医師に通知するために、以下のテンプレート1を有している。
<テンプレート1>
[検査室] (検査室情報)
[検査開始] (変更後の検査開始予定時刻情報)←(変更前の検査開始予定時刻情報)
[検査終了] (変更後の検査終了予定時刻情報)←(変更前の検査終了予定時刻情報)
[検査種別] (検査種別情報)
テンプレート1は医師用であるために、医師にとって必要な情報を含んでいればよく、この例では検査室と、検査開始予定時刻、検査終了予定時刻、および検査種別に関する情報が含まれる。通知内容生成部184は、テンプレートの(カッコ)内に、検査スケジュール情報の要素および検査変更履歴の要素を入力する。
通知内容生成部184は、検査E26のスケジュール情報要素および検査変更履歴から、テンプレート1を用いて、通知する変更内容を以下のように生成する。
[検査室] 第1検査室
[検査開始] 11:00←10:40
[検査終了] 11:10←10:50
[検査種別] 上部ルーチン検査
通知内容生成部184は、生成した変更内容を、通知処理部190に提供する。
また通知内容生成部184は、変更後の検査開始予定時刻情報および検査終了予定時刻情報を、担当従事者に通知するために、以下のテンプレート2を有している。
<テンプレート2>
[検査室] (検査室情報)
[検査開始] (変更後の検査開始予定時刻情報)←(変更前の検査開始予定時刻情報)
[検査終了] (変更後の検査終了予定時刻情報)←(変更前の検査終了予定時刻情報)
[患者] (患者ID)
[担当医師] (担当医師ID)
[スコープ] (スコープID)
テンプレート2は担当従事者(看護師)用であるために、看護師にとって必要な情報を含んでいればよく、この例では検査室と、検査開始予定時刻、検査終了予定時刻、患者、担当医師、スコープに関する情報が含まれる。看護師は、検査準備を行う必要があるため、テンプレート1と比較すると、テンプレート2は、より多くの情報を含んでいる。通知内容生成部184は、テンプレートの(カッコ)内に、検査スケジュール情報の要素および検査変更履歴の要素を入力する。
通知内容生成部184は、検査E26のスケジュール情報要素および検査変更履歴から、テンプレート2を用いて、通知する変更内容を以下のように生成する。
[検査室] 第1検査室
[検査開始] 11:00←10:40
[検査終了] 11:10←10:50
[患者] 患者X
[担当医師] 医師A
[スコープ] G−R−5
通知内容生成部184は、生成した変更内容を、通知処理部190に提供する。
なお、ここでは変更後の検査開始予定時刻情報および検査終了予定時刻情報を通知するための2種類のテンプレートを示したが、これらのテンプレートは共通化されてもよい。つまり担当医師および担当従事者に対して、共通のテンプレートを用いた変更内容が生成されてもよい。
なお以上は通知内容生成部184が、検査E26のスケジュール情報要素および検査変更履歴から、テンプレートを用いて通知する変更内容を生成することを説明したが、他の検査、すなわち検査E27、E30、E33、E34、E35、E38、E41についても同時に、通知する変更内容を生成する。通知内容生成部184は、各検査に関して生成した変更内容を、通知処理部190に提供する。
通知先特定部186は、変更内容取得部182が取得した変更内容にもとづいて、変更内容の通知先を特定する。具体的に通知先特定部186は、検査スケジュール情報の変更内容の影響を受ける医療従事者を特定することで、変更内容の通知先を特定する。なお内視鏡検査業務支援システム1において、各医療従事者は、携帯端末60を有しており、通知先特定部186は、医療従事者が有している携帯端末60のアドレスを管理している。そのため通知先特定部186は、変更内容を通知するべき医療従事者を特定することで、その医療従事者のもつ携帯端末60を、通知先として特定できる。
以下、スケジュール変更があった検査の担当医師を示す。通知先特定部186は、各検査の担当医師を、検査スケジュール保持部206に保持されている検査スケジュール情報および検査変更履歴保持部240に保持されている検査変更履歴を参照して特定する。
以下、スケジュール変更があった各検査の担当医師を示す。
E26 : 医師A
E27 : 医師C
E30 : 医師A
E33 : 医師A
E34 : 医師E
E35 : 医師C
E38 : 医師E
E41 : 医師A
次に、通知先特定部186は、スケジュール変更があった各検査の担当従事者を特定する。
図63は、担当者テーブル244を示す。担当者テーブル244は、検査業務および洗浄業務における担当範囲と担当従事者との関係を記憶する。担当者テーブル244は、日々更新されてよく、また1日の中で、時間帯によって変更されてもよい。ここでは第1検査室20aの担当従事者が看護師A、第2検査室20bの担当従事者が看護師B、第3検査室20cの担当従事者が看護師C、第4検査室20dの担当従事者が看護師D、洗浄の担当従事者が、技師A、B、Cであることが示されている。洗浄に関しては、実施例5で説明したように、各洗浄処理に対して、技師A〜Cの特定のいずれかが割り当てられてもよいが、実施例9では、技師A〜Cの全てが洗浄担当(洗浄スタッフ)として設定されている。なお、ここでは担当者テーブル244が担当範囲と担当従事者とを対応付けているが、担当範囲と、担当従事者の携帯端末60とを対応付けてもよい。
なお処置系の検査では、看護師が検査介助を行うこともある。そのため担当者テーブル244は、検査介助と担当従事者との関係をさらに記憶してもよい。なお検査介助に必要な人数は検査種別によって異なり、また専門性も高いため、担当者テーブル244は、検査種別ごとに、検査介助と担当従事者との関係を保持してもよい。
通知先特定部186は、各検査の検査室を、検査スケジュール保持部206に保持されている検査スケジュール情報および検査変更履歴保持部240に保持されている検査変更履歴を参照して特定する。
以下、スケジュール変更があった各検査の検査室を示す。
E26 : 第1検査室
E27 : 第4検査室
E30 : 第1検査室
E33 : 第1検査室
E34 : 第4検査室
E35 : 第1検査室
E38 : 第1検査室
E41 : 第4検査室
通知先特定部186は、各検査室の担当従事者を、担当者テーブル244を参照して特定する。
以下、スケジュール変更があった各検査の担当従事者を示す。
E26 : 看護師A
E27 : 看護師D
E30 : 看護師A
E33 : 看護師A
E34 : 看護師D
E35 : 看護師A
E38 : 看護師A
E41 : 看護師D
以上のようにして、通知先特定部186は、スケジュール情報の変更内容の影響を受ける医療従事者を特定する。影響を受ける担当医師および担当従事者をまとめると、以下のようになる。
E26 : 医師A 看護師A
E27 : 医師C 看護師D
E30 : 医師A 看護師A
E33 : 医師A 看護師A
E34 : 医師E 看護師D
E35 : 医師C 看護師A
E38 : 医師E 看護師A
E41 : 医師A 看護師D
通知先特定部186は、各検査の変更内容の通知先を特定すると、通知処理部190に提供する。
通知タイミング決定部188は、特定した通知先にもとづいて、変更内容を通知するタイミングを決定する。ここで担当医師への通知について考えると、検査中に担当医師の携帯端末60に通知しても、担当医師は、検査に集中しているため携帯端末60を確認する余裕はない。そのため検査中に担当医師に通知することは好ましくなく、検査終了後に通知することが好ましい。そこで通知タイミング決定部188は、変更内容が確定したタイミング(10:55)で、担当医師が検査を実施していれば、当該検査が終了した後のタイミングを、通知タイミングとして決定する。
検査E26、E27、E30、E33、E34、E35、E38、E41の担当医師は、医師A、医師C、医師Eであり、変更内容が確定した時点の前後における各医師の変更後のスケジュール(図47参照)について考察する。
図64は、医師の検査スケジュールを示す。医師A、医師Cは、変更内容が確定した時点(10:55)で、検査を実施していない。なお、医師Cについては再スケジューリングにより10:55から検査が開始されることが予定されているが、これは遅延が生じた検査E22の医師Cの次の検査E27を、インターバル時間を挟むことなく10:55スタートと再スケジューリングしていることが理由であり、医師Cが検査E22を終了した時点で、検査E27は、まだ開始していない。
検査室において、内視鏡観察装置22の検査開始ボタンが操作されると、検査の開始通知情報が検査IDおよび観察装置IDとともに情報管理装置10に送信される。そのため開始通知情報が情報管理装置10に送信されていなければ、情報管理装置10は、まだ検査が開始されていないことを認識する。通知タイミング決定部188は、検査の開始通知情報の到来を監視し、第4検査室20dにおける検査E27の開始通知情報が送信されていなければ、医師Cが、まだ検査E27を開始していないことを認識する。したがってスケジュールの変更内容が確定した時点(10:55)で、通知タイミング決定部188は、医師A、医師Cに、変更内容を通知してよいことを判定し、その時点を、通知タイミングとして決定する。通知タイミング決定部188は、決定した通知タイミングを、通知処理部190に提供する。
一方、医師Eは、変更内容が確定した時点で、検査E28を実施している。通知タイミング決定部188は、検査E28の終了通知情報を監視して、終了通知情報が情報管理装置10に送信されていなければ、通知タイミング決定部188は、10:55に、変更内容を通知するべきでないことを判定する。通知タイミング決定部188は、検査E28の終了通知情報の到来を監視して、終了通知情報が情報管理装置10に送信された時点を、通知タイミングとして決定する。通知タイミング決定部188は、決定した通知タイミングを、通知処理部190に提供する。
このように通知タイミング決定部188は、通知先となる医療従事者、この場合は担当医師の状況にもとづいて、スケジュールの変更内容を通知するタイミングを決定する。
通知処理部190は、通知内容生成部184から、通知する変更内容を取得し、通知先特定部186から、変更内容の通知先を取得し、通知タイミング決定部188から、変更内容を通知するタイミングを取得する。通知処理部190は、通知タイミング決定部188が決定したタイミングで、通知先特定部186が特定した通知先に、通知内容生成部184が生成した変更内容を通知する。
図65は、医師Aの携帯端末60に表示される表示内容を示す。携帯端末60は、タッチパネルを有し、医師Aは、表示されるOKボタンを操作することで、了解の意思を示す。確認受付部192は、医師Aから確認通知を受け付け、通知した変更内容が医師Aに伝わったことを認識する。
このように実施例9によれば、変更内容の影響を受ける医療従事者にのみ変更内容を個別通知し、変更内容の影響を受けない医療従事者には個別通知をしないことで、変更内容に関係のない医療従事者が変更内容を受け取って、変更内容を誤解する可能性をなくすことができる。また通知タイミング決定部188が、医療従事者の状況に応じて、通知する適切なタイミングを定めることで、医療従事者が、適切なタイミングで変更内容を確認できるようになる。
なお携帯端末60がタッチパネルを有し、タッチパネルの操作により確認した旨を情報管理装置10に送信することを説明したが、携帯端末60には、確認したことを示すための機械式ボタンが設けられていてもよい。また通知処理部190が、変更内容を通知する際には、携帯端末60において受信音がなるように設定されていてもよく、これにより医療従事者は、通知があったことを知ることができる。なお携帯端末60は、受信音の出力とともに、バイブレータ機能を作動させてもよい。
通知処理部190による通知後、確認受付部192が、医療従事者から所定時間以内に確認通知を受け付けなければ、通知処理部190は、変更内容を再度通知する。たとえば、この所定時間は、30秒に設定されてよい。このとき通知処理部190は、再通知するとともに、他の医療従事者にも通知してよい。たとえば確認受付部192は、担当医師から確認通知を受け付けなければ、通知処理部190は、検査が実施される検査室20の看護師に通知する。これにより担当看護師が、担当医師に口頭で知らせることができるようになる。
上記したように通知タイミング決定部188は、変更内容が確定した時点に最も近い検査の変更内容については、可能な限り迅速に通知するべく、通知タイミングを決定する。医師Aに対して変更された検査は、検査E26、E30、E33、E41の4つあるが、通知タイミング決定部188は、直近の検査E26の変更内容を通知するタイミングと同じタイミングで、他の3つの検査の変更内容を通知することを決定してもよい。
しかしながら直近の検査E26の変更内容は、すみやかに通知する必要があるものの、その後に予定されている検査E30、E33、E41の変更内容については、必ずしも検査E26と同じタイミングで通知する必要はない。また医師Aは、検査E26の変更内容の通知を受けると、その後に予定されている他の検査についても変更があったことを推測できる。その場合、医師Aは、あらためて変更後の検査スケジュール表をみて、今後のスケジュールを確認できる。そこで通知タイミング決定部188は、検査E30、E33、E41の変更内容については、通知しないことを決定して、通知タイミングを定めなくてもよい。つまり通知タイミング決定部188は、直近の検査E26の変更内容の通知タイミングのみを定めるようにしてもよい。
なお、この例では、医師A、医師C、医師Eに関して、最後の検査の終了予定時刻が、当初の予定よりも遅くなっている。医師Aに関して言えば、最後の検査E41の終了予定時刻が、12:05から12:15となっている(図62参照)。医師は、検査業務の終了後に、別の予定を入れていることがあるため、検査の最終時刻は、医師にとっても重要な情報である。そこで通知タイミング決定部188は、各医師の最後の検査の変更内容を、直近の検査の変更内容と同じタイミングで通知することを決定してもよい。これにより医師は、直近の検査の変更内容と、最後の検査の変更内容とを同時に知ることができる。
次に、検査準備の担当従事者への通知タイミングについて考察する。担当従事者は、検査中、検査室内で検査の補助を行っていることがある。そのため担当医師と同じく、検査中に担当従事者にスケジュールの変更内容を通知することは好ましくなく、検査終了後に通知することが好ましい。そこで通知タイミング決定部188は、変更内容が確定したタイミング(10:55)で、担当従事者が担当する検査が実施されていれば、当該検査が終了した後のタイミングを、通知タイミングとして決定する。
ここでスケジュールに変更があった検査室は、第1検査室20aと第4検査室20dであり、通知タイミング決定部188は、各検査室の状況を確認する。10:55の時点で第1検査室20a、第4検査室20dともに検査は実施されておらず、したがって通知タイミング決定部188は、看護師A、看護師Dに10:55の時点で変更内容を通知してよいことを判定し、その時点を、通知タイミングとして決定する。通知タイミング決定部188は、決定した通知タイミングを、通知処理部190に提供する。
なお、この例では、担当医師への通知と同様、検査中に担当従事者への通知を行わないこととしているが、担当従事者は検査を補助しながら、携帯端末60を確認する余裕があることが多い。そのため通知タイミング決定部188は、担当従事者の状況に関係なく、変更内容が確定した時点を、通知タイミングとして決定してもよい。通知タイミング決定部188は、決定した通知タイミングを、通知処理部190に提供する。
通知処理部190は、通知タイミング決定部188が決定したタイミングで、通知先特定部186が特定した通知先に、通知内容生成部184が生成した変更内容を通知する。
図66は、看護師Aの携帯端末60に表示される表示内容を示す。看護師Aは、表示されるOKボタンを操作することで、了解の意思を示す。確認受付部192は、看護師Aから確認通知を受け付け、通知した変更内容が看護師Aに伝わったことを認識する。
このように担当従事者の携帯端末60に変更内容を通知することで、担当従事者は、変更内容を確認できる。実施例9によると、変更内容の影響を受ける担当従事者にのみ変更内容を個別通知し、影響を受けない医療従事者には個別通知をしないことで、関係のない医療従事者が変更内容を受け取って、変更内容を誤解する可能性をなくすことができる。また通知タイミング決定部188が、通知する医療従事者ごとに、通知するタイミングを定めることで、関係する医療従事者のそれぞれが、適切なタイミングで変更内容を確認できるようになる。
通知処理部190による通知後、確認受付部192が、看護師Aから所定時間以内に確認通知を受け付けなければ、通知処理部190は、変更内容を再度通知する。たとえば、この所定時間は、30秒に設定されてよい。このとき通知処理部190は、再通知するとともに、他の看護師にも通知してよい。
通知タイミング決定部188は、変更内容が確定した時点に最も近い検査の変更内容については、可能な限り迅速に通知するべく、通知タイミングを決定する。たとえば看護師Aに対して変更された検査は、検査E26、E30、E33、E35、E38の5つあるが、通知タイミング決定部188は、直近の検査E26の変更内容を通知するタイミングと同じタイミングで、他の4つの検査の変更内容を通知することを決定してもよい。
しかしながら直近の検査E26の変更内容は、すみやかに通知する必要があるものの、その後に予定されている検査E30、E33、E35、E38の変更内容については、必ずしも検査E26と同じタイミングで通知する必要はない。また看護師Aは、検査E26の変更内容の通知を受けると、その後に予定されている他の検査についても変更があったことを推測できる。その場合、看護師Aは、あらためて変更後の検査スケジュール表をみて、今後のスケジュールを確認できる。そこで通知タイミング決定部188は、検査E30、E33、E35、E38の変更内容については、通知しないことを決定して、通知タイミングを定めなくてもよい。つまり通知タイミング決定部188は、直近の検査E26の変更内容の通知タイミングのみを定めるようにしてもよい。
なお通知処理部190は、通知タイミング決定部188が決定する個別通知のタイミングとは別に、バックヤード(図60参照)に設置したディスプレイ装置70に、検査スケジュールの変更内容を表示する。このとき担当従事者を表示して、誰宛の変更内容の表示であるかを明示することが好ましい。なおディスプレイ装置70は、タッチパネルで構成されており、医療従事者が、変更内容の表示箇所をタッチすると、タッチ操作が医療従事者の了解を示す確認通知として、情報管理装置10に送信される。確認受付部192は、医療従事者から確認通知を受け付け、通知した変更内容が担当従事者に伝わったことを認識する。
ディスプレイ装置70には、通知処理部190が通知した変更内容の一覧が表示されてよい。このとき確認受付部192が確認通知を受け付けた変更内容と、まだ確認通知を受け付けいない変更内容とが、区別して表示されることが好ましい。これによりバックヤードにいる医療従事者が、直近の検査の変更内容がまだ担当医師や担当従事者によって確認されていないことを知ると、当該担当者に口頭で伝えるなどの対応をとることができる。
<洗浄スケジュールの変更通知>
再スケジューリング処理により洗浄スケジュール情報が変更された場合に、変更内容取得部182は、洗浄スケジュール情報の変更内容を取得する。具体的に変更内容取得部182は、洗浄変更履歴保持部242から、洗浄スケジュール情報の変更履歴を取得する。
変更前と変更後のスケジュールを比較すると、以下の洗浄スケジュール情報に変更が生じている。
<変更された洗浄>
W22、W26、W27、W30、W31、W34、W35、W38、W39
図67は、洗浄変更履歴保持部242に保持された洗浄スケジュール情報の変更履歴を示す。洗浄変更履歴保持部242には、変更履歴として、洗浄W22、W26、W27、W30、W31、W34、W35、W38、W39のそれぞれの変更要素の、変更前の情報と変更後の情報とが記録されている。なお実施例6では、洗浄スケジュール情報の要素のうち、洗浄開始予定時刻情報と洗浄終了予定時刻情報を変更しており、そのため洗浄変更履歴保持部242には、かかる情報要素の変更履歴が記録されている。たとえば洗浄予定のスコープに変更があった場合には、スコープの変更履歴も含まれることになる。
変更内容取得部182は、洗浄変更履歴保持部242から、洗浄スケジュール情報の変更履歴を取得する。通知内容生成部184は、変更内容取得部182が取得した変更履歴から、通知する変更内容を生成する。洗浄スケジュール情報に変更があった場合、変更内容は、洗浄処理を実施する担当従事者(洗浄スタッフ)に通知される必要がある。
通知内容生成部184は、変更内容を通知するためのテンプレートを有している。通知内容生成部184は、変更後の洗浄開始予定時刻情報および洗浄終了予定時刻情報を、担当従事者に通知するために、以下のテンプレート3を有している。
<テンプレート3>
[洗浄開始] (変更後の洗浄開始予定時刻情報)←(変更前の洗浄開始予定時刻情報)
[洗浄終了] (変更後の洗浄終了予定時刻情報)←(変更前の洗浄終了予定時刻情報)
[スコープ] (スコープID)
通知内容生成部184は、テンプレートの(カッコ)内に、検査スケジュール情報の要素および洗浄変更履歴の要素を入力する。
通知内容生成部184は、たとえば洗浄W22のスケジュール情報要素および洗浄変更履歴から、テンプレート3を用いて、通知する変更内容を以下のように生成する。
[洗浄開始] 10:55←10:50
[洗浄終了] 11:15←11:10
[スコープ] G−R−2
通知内容生成部184は、生成した変更内容を、通知処理部190に提供する。
なお以上は、通知内容生成部184が、洗浄W22のスケジュール情報要素および洗浄変更履歴から、テンプレートを用いて通知する変更内容を生成することを説明したが、他の洗浄処理、すなわち洗浄W26、W27、W30、W31、W34、W35、W38、W39についても同時に、通知する変更内容を生成する。通知内容生成部184は、各洗浄処理に関して生成した変更内容を、通知処理部190に提供する。
通知先特定部186は、変更内容取得部182が取得した変更内容にもとづいて、変更内容の通知先を特定する。具体的に通知先特定部186は、洗浄スケジュール情報の変更内容の影響を受ける医療従事者を特定することで、変更内容の通知先を特定する。
通知先特定部186は、洗浄処理の担当従事者を、図63に示す担当者テーブル244を参照して特定する。ここで洗浄処理の担当従事者(洗浄スタッフ)は、技師A、技師B、技師Cと設定されている。通知先特定部186は、各洗浄処理の変更内容の通知先を、技師A、技師B、技師Cとして特定し、通知処理部190に提供する。
通知タイミング決定部188は、特定した通知先にもとづいて、変更内容を通知するタイミングを決定する。ここで洗浄スタッフへの通知について考えると、洗浄スタッフは、スコープの持ち運びや、洗浄機50による機械洗浄を担当するものであり、洗浄スケジュール情報に変更があれば、すみやかに通知することが好ましい。したがって通知タイミング決定部188は、変更内容が確定した時点で、変更内容を通知することを決定してよい。
通知処理部190は、通知内容生成部184から、通知する変更内容を取得し、通知先特定部186から、変更内容の通知先を取得し、通知タイミング決定部188から、変更内容を通知するタイミングを取得する。通知処理部190は、通知タイミング決定部188が決定したタイミングで、通知先特定部186が特定した通知先に、通知内容生成部184が生成した変更内容を通知する。
図68は、洗浄スタッフの携帯端末60に表示される表示内容を示す。携帯端末60は、タッチパネルを有し、洗浄スタッフは、表示されるOKボタンを操作することで、了解の意思を示す。確認受付部192は、洗浄スタッフから確認通知を受け付け、通知した変更内容が洗浄スタッフに伝わったことを認識する。なお、この変更通知は、技師A〜Cの全てに送信されており、確認受付部192は、いずれの技師から確認通知を受け付けてもよい。
このように洗浄スタッフの携帯端末60に変更内容を通知することで、洗浄スタッフは、変更内容を、スケジュールの変更後、すみやかに知ることができる。実施例9によると、変更内容の影響を受ける洗浄スタッフにのみ変更内容を個別通知することで、変更内容の影響を受けない洗浄スタッフが変更内容を受け取って誤解する可能性をなくすことができる。
通知処理部190による通知後、確認受付部192が、洗浄スタッフから所定時間以内に確認通知を受け付けなければ、通知処理部190は、変更内容を再度通知する。たとえば、この所定時間は、30秒に設定されてよい。なお変更内容を再度通知する際、通知処理部190は、他の技師(たとえば技師D)にも、変更内容を通知してよい。
通知タイミング決定部188は、変更内容が確定した時点に最も近い洗浄処理の変更内容については、可能な限り迅速に通知するべく、通知タイミングを決定する。変更された洗浄処理は、洗浄W22、W26、W27、W30、W31、W34、W35、W38、W39の9つあるが、通知タイミング決定部188は、直近の洗浄W22の変更内容を通知するタイミングと同じタイミングで、他の8つの洗浄の変更内容を通知することを決定してもよい。
なお直近の洗浄W22の変更内容は、すみやかに通知する必要があるものの、その後に予定されている洗浄処理の変更内容については、必ずしも洗浄W22と同じタイミングで通知する必要はない。洗浄スタッフは、洗浄W22の変更内容の通知を受けると、その後に予定されている他の洗浄処理についても変更があったことを推測できる。その場合、洗浄スタッフは、あらためて変更後の洗浄スケジュール表をみて、今後のスケジュールを確認できる。そこで通知タイミング決定部188は、洗浄W26、W27、W30、W31、W34、W35、W38、W39の変更内容については、通知しないことを決定して、通知タイミングを定めなくてもよい。つまり通知タイミング決定部188は、直近の洗浄W22の変更内容の通知タイミングのみを定めるようにしてもよい。
また通知処理部190は、通知タイミング決定部188が決定する個別通知のタイミングとは別に、洗浄室(図60参照)に設置したディスプレイ装置71に、変更内容を表示する。ディスプレイ装置71は、タッチパネルで構成されており、洗浄スタッフが、変更内容の表示箇所をタッチすると、タッチ操作が洗浄スタッフの了解を示す確認通知として、情報管理装置10に送信される。確認受付部192は、洗浄スタッフから確認通知を受け付け、通知した変更内容が洗浄スタッフに伝わったことを認識する。
ディスプレイ装置71には、通知処理部190が通知した変更内容の一覧が表示されてよい。このとき確認受付部192が確認通知を受け付けた変更内容と、まだ確認通知を受け付けいない変更内容とが、区別して表示されることが好ましい。これにより洗浄スタッフは、未確認となっている変更内容の表示箇所をタッチして、確認済みとすることができる。
上記した例では、状況情報取得部170が、洗浄開始予定時刻および洗浄終了予定時刻の変更内容を通知することを説明したが、洗浄スタッフは、機械洗浄以外にも、検査終了予定時刻になると検査室にいって、使用済みスコープを回収するという行為を実施する。そのため通知処理部190は、洗浄スタッフに対して、検査終了予定時刻情報に変更があった検査の変更内容を通知してもよい。
実施例9では、検査が予定よりも遅延したケースについて説明したが、実施例8に示すように、再スケジューリング処理は、検査がキャンセルされたために、他の検査を予定よりも早めるように検査スケジュールを再構成するケースも含んでいる。この場合であっても、通知制御部180は、スケジュール情報の変更内容の影響を受ける医療従事者を特定し、すみやかに変更内容を個別通知することで、スムーズな検査進行を実現できる。
以上、本発明を実施形態および実施例をもとに説明した。この実施形態および実施例は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。たとえば情報管理装置10はクラウド上に構築され、医療施設内の携帯端末60および端末装置12と通信することで、内視鏡検査業務支援システム1を実現してもよい。また実施形態および実施例を実現するために、情報管理装置10が時刻同期を行うことは当業者に理解されるところである。
実施例9では、通知先特定部186が、スケジュール情報の変更内容の影響を受ける医療従事者を特定し、特定した医療従事者の携帯端末60を通知先として特定したが、携帯端末60に限らず、医療従事者の端末装置12を通知先として特定してもよい。
また実施例9では、検査の遅延またはキャンセルにより、検査スケジュールおよび/または洗浄スケジュールが変更された場合を示したが、使用予定であったスコープが故障したり、また洗浄機50が故障したような場合にも検査スケジュールおよび/または洗浄スケジュールが変更される。実施例9の通知制御部180は、再スケジューリング処理の理由を問わず、検査スケジュールおよび/または洗浄スケジュールが変更された場合に、適切なタイミングで関係する担当者に変更内容を通知することで、円滑な検査進行を実現する。