JP6650196B2 - ポリエン(polyene)系偏光フィルム(film)の製造方法、ポリエン系偏光フィルム、積層偏光フィルム、及び表示装置 - Google Patents

ポリエン(polyene)系偏光フィルム(film)の製造方法、ポリエン系偏光フィルム、積層偏光フィルム、及び表示装置 Download PDF

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Description

本発明は、ポリエン系偏光フィルムの製造方法、ポリエン系偏光フィルム、積層偏光フィルム、及び表示装置に関する。
OLED(有機発光ダイオード(diode))を使用した有機発光表示装置の普及に伴い、偏光フィルムの透過率を高くすることが求められている。一方、各種表示装置に使用される偏光フィルムとして、ヨウ素(iodine)系偏光フィルムが知られている。ヨウ素系偏光フィルムは、広く普及している。
ヨウ素系偏光フィルムでは、偏光に寄与する構成(すなわち可視光を吸収する構成)はヨウ素である。したがって、透過率を高めるためには偏光フィルム内のヨウ素の量を低減する必要がある。しかし、高温高湿時にはヨウ素が昇華するので、偏光フィルム内のヨウ素の量を低減した場合、偏光フィルム内のヨウ素が不足し、結果として、偏光度が大幅に低下する可能性がある。このため、高透過率(例えば透過率が45%以上)のヨウ素系偏光フィルムは、偏光フィルムの高温高湿での長期信頼性が低下する。
このような問題を解決することが期待される偏光フィルムとして、染料系偏光フィルム及び特許文献1に開示されるポリエン系偏光フィルムが知られている。染料系偏光フィルムは、透過率が高い場合であっても、優れた耐熱性を示す。しかし、染料系偏光フィルムには、透過率が高い場合に偏光度が低下しやすいという問題がある。
一方、ポリエン系偏光フィルムは、ヨウ素系偏光フィルムよりも偏光度が若干劣る場合があるものの、透過率が高い場合であっても高温高湿での信頼性が高いというメリット(merit)がある。この理由として、ポリエン系偏光フィルムでは、偏光に寄与する構成(すなわち可視光を吸収する構成)がポリエン(具体的には炭素二重結合)となることが挙げられる。炭素二重結合は、温度や湿度に影響を受けにくい。したがって、ポリエン系偏光フィルムは根本的に高温高湿への耐久性が大きい。このため、ポリエン系偏光フィルムは、表示装置用の偏光フィルムとして非常に注目されている。
ポリエン系偏光フィルムの製造方法として、酸触媒を用いてポリビニルアルコール(polyvinyl alcohol)を脱水する方法が知られている。具体的には、酸触媒の水溶液をポリビニルアルコールフィルムに含浸させる。ついで、ポリビニルアルコールフィルムを熱処理することで、ポリビニルアルコールに脱水反応を行わせる。これにより、ポリエン系偏光フィルムが作製される。酸触媒としては、塩酸または硫酸が使用される。
特開2006−99076号公報
しかし、従来のポリエン系偏光フィルムは、透過率、及び偏光度に改善の余地があった。さらに、透過光をなるべく色味の少ない(白色に近い)光にしてほしいという要求もあった。本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、透過率及び偏光度を高い値に維持しつつ、透過光を白色光に近づけることが可能な、新規かつ改良されたポリエン系偏光フィルムの製造方法、ポリエン系偏光フィルム、積層偏光フィルム、及び表示装置を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、酸触媒を用いてポリビニルアルコールフィルムに脱水反応を行わせることで、脱水フィルムを作製するステップと、脱水フィルムにpH4.0以下、85℃以上の水和用水溶液を0.5〜60(min)含浸することで、水和フィルムを作製するステップと、水和フィルムをホウ酸染料浴に浸漬することで、水和染色フィルムを作製するステップと、水和染色フィルムを65℃以下の酸性水溶液中でウエット延伸するステップと、を含むことを特徴とする、ポリエン系偏光フィルムの製造方法が提供される。
この観点によれば、ポリエン系偏光フィルムの透過率及び偏光度を高い値に維持しつつ、透過光を白色光に近づけることができる。
ここで、ホウ酸染料浴のpHは3.0〜4.0であってもよい。
この観点によれば、ポリエン系偏光フィルムの透過率及び偏光度を高い値に維持しつつ、透過光を白色光に近づけることができる。
また、ホウ酸染料浴の温度は60℃〜100℃であってもよい。
この観点によれば、ポリエン系偏光フィルムの透過率及び偏光度を高い値に維持しつつ、透過光を白色光に近づけることができる。
また、ホウ酸染料浴に含まれる染料は、吸光度が最大となる波長λmaxが350nm〜450nmの範囲内の値であってもよい。
この観点によれば、ポリエン系偏光フィルムの透過率及び偏光度を高い値に維持しつつ、透過光を白色光に近づけることができる。
また、ホウ酸染料浴に含まれる染料は、二色比が5.0以上であってもよい。
この観点によれば、ポリエン系偏光フィルムの透過率及び偏光度を高い値に維持しつつ、透過光を白色光に近づけることができる。
また、ホウ酸染料浴中の染料濃度は、ホウ酸染料浴の総質量に対して0.0003〜0.0009質量%であってもよい。
この観点によれば、ポリエン系偏光フィルムの透過率及び偏光度を高い値に維持しつつ、透過光を白色光に近づけることができる。
ポリエン系偏光フィルムの350nm〜450nmの波長範囲における最大吸光度が2.0〜4.0となるように、前記水和フィルムをホウ酸染料浴に浸漬してもよい。
この観点によれば、ポリエン系偏光フィルムの透過率及び偏光度を高い値に維持しつつ、透過光を白色光に近づけることができる。
また、ホウ酸染料浴に含まれる染料は、C.I.DirectYellow44、及びC.I.DirectOrange39からなる群から選択される少なくとも1種を含んでいてもよい。
この観点によれば、ポリエン系偏光フィルムの透過率及び偏光度を高い値に維持しつつ、透過光を白色光に近づけることができる。
本発明の他の観点によれば、上記のポリエン系偏光フィルムの製造方法により製造されることを特徴とする、ポリエン系偏光フィルムが提供される。
この観点によるポリエン系偏光フィルムは、透過率及び偏光度を高い値に維持しつつ、透過光を白色光に近づけることができるので、例えば有機発光表示装置に好適である。
ここで、膜厚が10μm未満であってもよい。
この観点によるポリエン系偏光フィルムは、膜厚が10μm未満であるので、この観点によるポリエン系偏光フィルムを大画面有機発光表示装置に適用した場合であっても、ポリエン系偏光フィルムの収縮を低減することができる。したがって、この観点によれば、有機発光表示装置の反りを低減することができる。
本発明の他の観点によれば、上記のポリエン系偏光フィルムを含むことを特徴とする、積層偏光フィルムが提供される。
この観点による積層偏光フィルムは、透過率及び偏光度を高い値に維持しつつ、透過光を白色光に近づけることができるので、例えば有機発光表示装置に好適である。
本発明の他の観点によれば、上記の積層偏光フィルムを含むことを特徴とする、表示装置が提供される。
この観点による表示装置は、透過率及び偏光度を高い値に維持しつつ、透過光を白色光に近づけることができる。
ここで、表示装置は、有機発光ダイオードを使用した有機発光表示装置であってもよい。
有機発光ダイオードを使用した有機発光表示装置に適用される偏光フィルムには、高い透過率及び偏光度のみならず、透過光を白色光に近づけること要求されるが、本観点によるポリエン系偏光フィルムは、高い透過率及び偏光度のみならず、透過光が白色光に近い。したがって、この観点によれば、有機発光表示装置に要求される特性を満たす有機発光表示装置が提供される。
以上説明したように本発明によれば、ポリエン系偏光フィルムの透過率及び偏光度を高い値に維持しつつ、透過光を白色光に近づけることができる。
本発明の実施形態に係る偏光フィルムと従来の偏光フィルムとを対比して示す説明図である。 実施例に係るポリエン系偏光フィルムの透過率と比較例に係るフィルムの透過率とが高温高湿下でどのように変化するかを対比して示すグラフである。 実施例に係るポリエン系偏光フィルムの偏光度と比較例に係るフィルムの偏光度とが高温高湿下でどのように変化するかを対比して示すグラフである。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。また、本実施形態では、各水溶液のpHは85℃における値であるものとする。
(偏光フィルムの製造方法)
まず、本実施形態に係る偏光フィルムの製造方法について説明する。本実施形態に係る製造方法は、概略的には、酸触媒及びポリビニルアルコールを含むコーティング液を用いて酸触媒含浸フィルムを作製するステップ(第1のステップ)と、酸触媒含浸フィルムのドライ延伸と脱水処理とを別工程で行うことで、脱水フィルムを作製するステップ(第2のステップ)と、脱水フィルムを水和することで、水和フィルムを作製するステップ(第3のステップ)と、水和フィルムをホウ酸染料浴に浸漬することで、水和染色フィルムを作製するステップ(第4のステップ)と、水和染色フィルムをウエット延伸することで、ウエット延伸フィルムを作製するステップ(第5のステップ)と、ウエット延伸フィルムを中和するステップ(第6のステップ)と、を含む。
(第1のステップ)
第1のステップでは、まず、酸触媒及びポリビニルアルコールを含むコーティング液を作製する。具体的には、水にポリビニルアルコールを投入し、水及びポリビニルアルコールの混合液を撹拌しながら加熱することで、ポリビニルアルコールを水に十分溶解させる。次いで、ポリビニルアルコール水溶液に、酸触媒及びレベリング(leveling)剤を投入し、攪拌することで、コーティング液を作製する。
次いで、コーティング液を基板(例えば無延伸フィルム)上にコーティングし、乾燥することで、酸触媒含浸フィルムを基板上に形成する。ここで、酸触媒含浸フィルムの層厚は特に制限されないが、最終的に作製されるポリエン系偏光フィルムの膜厚が10μm未満となるように調整されることが好ましい。
このように、本実施形態では、コーティング液に予め酸触媒を混入させておく。これにより、酸触媒含浸フィルム中の酸濃度をより均一にすることができる。言い換えれば、酸触媒含浸フィルム中に酸触媒をより均一に分散させることができる。
酸触媒の種類は特に問われないが、低揮発性の酸触媒であることが好ましい。酸触媒が低揮発性である場合、ポリエン生成時に酸触媒の蒸発が抑制されるので、酸触媒含浸フィルム中の酸濃度をより均一にすることができる。
より具体的には、酸触媒は、100℃での重量減少率が3質量%未満であることが好ましい。100℃での重量減少率が3質量%未満となる場合、ポリエン生成時に酸触媒含浸フィルム中の酸濃度をより均一にすることができる。
上記の要件を満たす酸触媒としては、例えば有機酸が挙げられる。有機酸は、例えば、カルボキシル(carboxylic)基及びスルホ(sulfo)基からなる群から選択されるいずれか1つの官能基を有していてもよい。有機酸の具体的な構成は、R−Xで示される。Rは、炭素・水素・弗素からなる化合物であれば特に限定されない。Rは、たとえばアルキル(alkyl)基、パーフルオロアルキル(perfluoroalkyl)基、芳香族官能基、及びフッ素(fluorine)置換型芳香族官能基等から選択されるいずれか1つである。Xは、カルボキシル基及びスルホ基からなる群から選択されるいずれか1つの官能基である。有機酸の具体例としては、パラトルエンスルホン(p−toluenesulfonic)酸が挙げられる。
例えば、パラトルエンスルホン酸の100℃で10分間加熱した際の重量減少率は、分析機器の検出限界(10ppm以下)である。なお、分析機器に関しては、イオンクロマトグラフィー(ion chromatography)等が挙げられる。分析方法は、サンプル(sample)をヒートプレート(heating plate)上で熱して発生したガス(gas)を捕集する。続いてそのガスを水中でバブリング(bubbling)を行い置換させる。置換したイオンクロマトグラフィーにて定量分析を行う。
なお、パラトルエンスルホン酸の飽和水溶液濃度は塩酸よりも高いので、酸触媒としてパラトルエンスルホン酸を使用した場合、より高濃度の酸触媒を酸触媒含浸フィルム内に分散させることができる。また、ポリエン系偏光フィルムに残留した酸触媒は、ポリエン系偏光フィルムの耐久性を低下させる可能性があるが、パラトルエンスルホン酸は、塩酸よりもポリエン系偏光フィルムから容易に除去される。
酸触媒の含有比は、特に制限されないが、例えばポリビニルアルコールの質量に対して2質量%以上10質量%以下が好ましく、より好ましい範囲は4.0質量%以上10.0質量%以下となる。これにより、反応に要する時間を低減することができ、副反応を抑制することができる。さらに、脱水反応を容易に制御することができ、かつ、製造装置の腐食等を抑制することができる。例えば、酸触媒の含有比が4質量%未満となる場合、140℃の脱水温度において、反応開始までに10分以上かかり、かつ、反応終了までにも長時間を要する(ただし、反応自体は進行する)。
酸触媒の含有比は、最も好ましくは5質量%となる。酸触媒の含有比がこの値となる場合に、高透過率と高偏光度とを両立させたポリエン系偏光フィルムが作製される。なお、ポリエン系偏光フィルムの偏光度は、酸触媒の含有比によってコントロール(control)可能である。酸触媒が多いほど、ポリビニルアルコール中に占めるポリエン(すなわち炭素二重結合)の量が増えるので、偏光度が高くなる。
一方、透過率は、偏光に寄与する構成(ポリエン系偏光フィルム中の炭素二重結合、ヨウ素系偏光フィルム中のヨウ素等)の分布が均一であるほど高くなる傾向にある。従来のポリエン系偏光フィルムの製造方法では、酸触媒含浸フィルム中の酸濃度を均一にすることができなかったので、ポリエン系偏光フィルム中の炭素二重結合の分布がばらついていた。このため、偏光度がばらつくのみならず、透過率もばらついていた。一方、本実施形態では、ポリビニルアルコール中に予め酸触媒を混入させておくので、酸触媒含浸フィルム中に所望の濃度の酸触媒をより均一に分散させることができる。したがって、本実施形態では、高透過率及び高偏光度を両立させたポリエン系偏光フィルムを作製可能となる。
レベリング剤は、特に制限されないが、パーフルオロアルキルエチレンオキシド(perfluoroalkyl ethylene oxide)付加物等のレベリング剤が適している。
(第2のステップ)
第2のステップでは、酸触媒含浸フィルムのドライ延伸と脱水処理とを別工程で行う。具体的には、まず、酸触媒含浸フィルムを所定方向にドライ(dry)延伸することで、ドライ延伸フィルムを作製する。ここで、ドライ延伸は乾燥した気体中(例えば乾燥した大気中)で行われる延伸である。なお、加熱温度、延伸倍率は特に制限されない。ドライ延伸及び後述するウエット(wet)延伸は基板とまとめて行われてもよい。
次いで、ドライ延伸フィルム中のポリビニルアルコールに脱水反応を行わせることで、ポリエン(炭素二重結合)を形成する(脱水処理)。具体的には、ドライ延伸フィルムを加熱することで、ポリビニルアルコールに脱水反応を行わせる。これにより、脱水フィルム(脱水処理されたドライ延伸フィルム)を作製する。ここで、本実施形態では、酸触媒含浸フィルム中に酸触媒が均一に分布しているので、炭素二重結合は脱水フィルム中に均一に形成される。加熱温度、加熱時間は特に制限されず、所望の偏光度に応じて適宜設定されればよい。本実施形態の製造方法では、コーティング液に予め酸触媒が含まれているので、この酸触媒を用いて脱水処理を行う。なお、第2のステップでは、予めドライ延伸がなされたフィルム、すなわちドライ延伸フィルムを脱水処理することができるので、脱水処理後の炭素二重結合の配向を揃えることができる。
ここで、脱水反応は高温のオイルバス(oil bath)にポリビニルアルコールフィルムを浸漬することで行われてもよい。この処理によっても高透過率及び高偏光度のポリエン系偏光フィルムが作製される。また、ポリビニルアルコールフィルムをオイルバスに浸漬することで脱水反応を行う場合、ポリエン系偏光フィルムの品質が安定するという効果も得られる。
(第3のステップ)
第3のステップでは、ドライ延伸フィルムにpH4.0以下、85℃以上の水和用水溶液を0.5〜60(min)含浸する。これにより、以下の反応式(1)に示される反応が進行する。すなわち、ドライ延伸フィルムが水和される。
Figure 0006650196
なお、上記の通り、ドライ延伸フィルムを水和することで、ドライ延伸フィルム内の二重結合が少なくなる。したがって、ドライ延伸フィルムの透過率が上昇し、偏光度が低下することが予測される。しかし、本発明者が実験したところ、ある程度の含浸時間までは偏光度がほとんど変動せず、透過率だけが上昇することが判明した。含浸時間の上限値は、60minとなる。一方、含浸時間が短すぎると水和がほとんど進行せず、水和の効果がほとんど得られない。含浸時間の下限値は0.5minとなる。すなわち、含浸時間は0.5〜60minとなる。
また、水和用水溶液のpHは3.0以上4.0以下となる。水和用水溶液の温度は85℃以上100℃以下となる。水和用水溶液のpH及び温度がこれらの範囲内の値となる場合に、透過率及び偏光度が向上する。このように、水和処理に使用される水和用水溶液の温度はウエット延伸で使用される酸性水溶液よりも高温となる。水和用水溶液の種類は特に問われないが、例えばホウ酸水溶液となる。
また、ドライ延伸フィルムに水和用水溶液を含浸する方法は特に問われない。例えば、水和用水溶液浴にドライ延伸フィルムを浸漬させても良いし、水和用水溶液が噴霧された空間内にドライ延伸フィルムを設置してもよい。
(第4のステップ)
第4のステップでは、水和されたドライ延伸フィルム、すなわち水和フィルムをホウ酸染料浴に浸漬することで、水和染色フィルムを作製する。なお、第4のステップは第3のステップと第5のステップとの間に行う必要がある。第4のステップをこのタイミングで行うことで、透過率及び偏光度を高い値(例えば透過率44.5%以上、好ましくは45.0%以上、偏光度98.0%以上)に維持しつつ、透過光を白色光に近づける(例えば△Ea*b*<10)ことができる。
ホウ酸染料浴は、ホウ酸及び染料が溶解した水溶液である。ホウ酸染料浴のpHは3.0〜4.0であることが好ましい。ホウ酸染料浴のpHがこの範囲内の値となる場合に、透過率及び偏光度がより高い値となり、かつ、透過光がより白色光に近づく。
ホウ酸染料浴の温度は特に制限されないが、60〜100℃が好ましく、85〜100℃が特に好ましい。特に、染料の濃度が0.0003〜0.0007質量%となる場合、フィルムがしっかりと染まるように、ホウ酸染料浴の温度は85〜100℃が好ましい。
ホウ酸染料浴に含まれる染料は、吸光度が最大となる波長λmaxが350nm〜450nmの範囲内の値であることが好ましい。さらに、ホウ酸染料浴に含まれる染料は、二色比が5.0以上であることが好ましい。染料がこれらの条件のうち、すくなくとも一方を満たす場合、透過率及び偏光度がより高い値となり、かつ、透過光がより白色光に近づく。これらの条件をすべて満たす染料としては、例えば、C.I.DirectYellow44(吸収波長λmax:約395nm、二色比:約8)、C.I.DirectOrange39(吸収波長λmax:約415nm、二色比:約10)等が挙げられる。
ホウ酸染料浴は、ホウ酸水溶液に染料を必要なだけ添加することで作製される。染料の濃度は、特に制限されないが、ホウ酸水溶液の総質量に対して0.0003〜0.0009質量%(外数)であることが好ましく、ホウ酸水溶液の総質量に対して0.0003〜0.0007質量%(外数)であることがより好ましい。染料の濃度がこれらの濃度範囲内の値となる場合に、透過率44.5%以上偏光度98.0%以上、かつ△Ea*b*<10が実現できる。特に、染料の濃度がホウ酸水溶液の総質量に対して0.0003〜0.0007質量%(外数)となる場合、透過率が45.0%以上となる。
ホウ酸染料浴は、上記の特徴を有するが、ホウ酸染料浴への浸漬は、最終生成物であるポリエン系偏光フィルムの350nm〜450nmの波長範囲における最大吸光度が2.0〜4.0となるように調整される。ただし、最大吸光度が4.0に近くなると、ポリエン系偏光フィルムが染まりすぎて透過率がかえって落ちる可能性がある。そこで、最大吸光度は、2.0〜3.5となるように調整されることが好ましい。具体的な調整法としては、浸漬時間を調整する、染料の濃度を調整する等の方法が挙げられる。例えば、染料の濃度が高いほど、浸漬時間を短くすればよい。なお、最大吸光度が同じであっても、ホウ酸染料浴の染料の濃度によって透過率が変動する。また、偏光フィルムの吸光度は以下の方法により測定される。すなわち、偏光フィルムの吸収軸透過率を測定する。そこで得られた値を次式に代入し、最大吸光度を算出する。吸光度A=−LOG10(吸収軸透過率/100)ここで、吸収軸透過率は、例えば紫外可視分光光度計(島津製作所社製UV−2550)により測定可能である。後述する実施例では、この方法、測定装置により偏光フィルムの吸光度を測定した。
(第5のステップ)
第5のステップでは、ホウ酸水溶液浴中に水和染色フィルムを投入し、水和染色フィルムをホウ酸水溶液浴中でドライ延伸と同じ方向に延伸する。すなわち、水和染色フィルムをウエット延伸する。これにより、ウエット延伸フィルムを作製する。ウエット延伸は、水溶液浴中で行われる延伸である。酸性水溶液の種類は特に制限されず、従来のウエット延伸で使用される酸性水溶液が使用される。酸性水溶液は、例えばホウ酸(boric acid)水溶液である。ウエット延伸の倍率は特に制限されないが、例えば1.5倍となる。ドライ延伸倍率を4倍、ウエット延伸倍率を1.5倍とした場合、ポリビニルアルコールフィルムは合計で6倍延伸される。
ホウ酸水溶液の温度は65℃以下となる。ホウ酸水溶液の温度がこの範囲内の値となる場合に、透過率及び偏光度がより向上する。なお、ホウ酸水溶液の温度の下限値は特に制限されず、例えば従来のウエット延伸工程で使用されるホウ酸水溶液と同程度の温度であればよい。また、ホウ酸水溶液のpHは、少なくとも4.5未満である。pHがこれより高いと、ウエット延伸時にポリビニルアルコール鎖同士の架橋が進みすぎて、ウエット延伸フィルム中の二重結合が同一方向に配向しにくくなる可能性がある。
(第6のステップ)
第5のステップまでの処理によって作製されたウエット延伸フィルムには、ホウ酸水溶液及び水和用水溶液由来のプロトンが残留している。したがって、単にウエット延伸フィルムを乾燥させることで偏光フィルムを作製した場合、偏光フィルムにはプロトンが残留する。そして、このようなプロトンは、特に高温高湿中で偏光フィルムの二重結合を攻撃し、二重結合を消失させてしまう。プロトンと二重結合との具体的な反応は上述した式(1)で示される。この結果、偏光フィルムの透過率は、高温高湿下で時間の経過とともに上昇し、偏光度は高温高湿下で時間の経過とともに低下する。すなわち、偏光フィルムの信頼性が悪化する。
そこで、本実施形態では、ウエット延伸フィルムを乾燥させる前に、ウエット延伸フィルムを中和することで、ウエット延伸フィルム内のプロトンを除去する。具体的には、ウエット延伸フィルムにpH4.5〜8.5の中和用水溶液に含浸させることで、中和フィルムを作製する。ついで、中和フィルムを乾燥することで、偏光フィルムを作製する。中和用水溶液のpHがこれらの範囲内の値となる場合に、偏光フィルムの信頼性が向上する。
なお、ウエット延伸フィルムに中和用水溶液を含浸させる際には、ウエット延伸フィルムが縮まない程度の力(Tension)をウエット延伸フィルムに掛けることが好ましい。
含浸時間は特に問われないが、含浸時間が長いほど多くのプロトンを除去できるので好ましい。中和水溶液の温度も特に問われないが、例えば65℃〜85℃程度であればよい。
また、ウエット延伸フィルムに中和用水溶液を含浸する方法も特に問われない。例えば、中和用水溶液浴にウエット延伸フィルムを浸漬させても良いし、中和用水溶液が噴霧された空間内にウエット延伸フィルムを設置してもよい。
中和水溶液は、例えばホウ酸水溶液に水酸化ナトリウム(または水酸化カリウム)を添加することで作製される。もちろん、中和水溶液は、上述したpHを有するものであれば、特にその成分は問われない。なお、中和水溶液がホウ酸を含む場合、第5のステップと第6のステップとを同一の浴中で行なってもよい。例えば、第5のステップを行った後、ホウ酸水溶液浴中に水酸化ナトリウム(または水酸化カリウム)を添加してもよい。ただし、偏光フィルムをロールトゥロールで作製する場合、中和処理が終了した後に浴のpHを再度低くする必要がある。すなわち、処理の手間が増大する。したがって、ウエット延伸と中和とは別の浴で行うことが好ましい。
なお、ウエット延伸及び中和処理を同時に行うこと、すなわち第5のステップにおけるホウ酸水溶液のpHを4.5〜8.5に調整することも想定されるが、この処理では、偏光フィルムの信頼性が向上しない(後述する比較例3参照)。その理由としては、例えば、ウエット延伸を4.5〜8.5のホウ酸水溶液中で行った場合、ホウ酸によるポリビニルアルコール鎖同士の架橋が進みすぎて、ウエット延伸フィルム中の二重結合が同一方向に配向しにくいといったことが考えられる。
このように、本実施形態では、コーティング液に酸触媒が混入しているので、ポリビニルアルコール内に高濃度の酸触媒を均一に分散させることができる。したがって、本実施形態では、多数の炭素二重結合が均一に分散したポリエン系偏光フィルムを作製することができる。すなわち、本実施形態では、高偏光度及び高透過率を両立させたポリエン系偏光フィルムを作製することができる。また、本実施形態では、ポリエン系偏光フィルムのムラを低減することができる。また、酸触媒水溶液にポリビニルアルコールを含浸させる工程が不要になるので、製造工程を簡略化することもできる。
また、本実施形態では、コーティング液に酸触媒が混入しているので、ポリビニルアルコールフィルムを薄膜化しても、ポリビニルアルコールフィルム内に高濃度の酸触媒を均一に分散させることができる。さらに、本実施形態では、ポリビニルアルコールフィルムのドライ延伸と脱水処理とを別工程で行う。さらに、本実施形態では、脱水フィルムの水和処理も行う。したがって、本実施形態では、薄膜、高偏光度、かつ高透過率のポリエン系偏光フィルムを作製することができる。例えば、本実施形態では、ポリエン系偏光フィルムの膜厚を10μm未満としたうえで、透過率を44.5%以上とし、偏光度を98.0%以上とすることができる。酸触媒として有機酸を使用した場合、ポリエン生成時の酸触媒の蒸発が抑制されるので、偏光度をより向上させることができる。
一方、従来の製造方法では、ポリビニルアルコールフィルムを酸触媒水溶液浴に含浸させていたので、ポリビニルアルコールフィルムを薄膜化した場合、ポリビニルアルコールフィルムに十分な量の酸触媒を含浸させる事ができない。さらに、塩酸は揮発しやすいので、ポリエン生成時に塩酸が揮発する。このため、従来の製造方法では、ポリエン、すなわち炭素二重結合を十分に生成することができなかったので、薄膜かつ高偏光度のポリエン系偏光フィルムを作製することができなかった。ただし、ポリビニルアルコールフィルムを酸触媒水溶液浴に含浸させた場合であっても、第2のステップ〜第5のステップの処理を行うことで、高透過率及び高偏光度を両立させ、かつ、透過光を白色光に近づけた偏光フィルムを作製することができる。さらに、第6のステップを行うことで、偏光フィルムの信頼性を向上させることができる。
ポリエン系偏光フィルムは、基板から剥離された後、保護フィルム及び位相差フィルム(1/4λフィルム)等と結着される。これにより、積層偏光フィルムが作製される。
(積層偏光フィルムの例)
積層偏光フィルムの一例を図1に示す。図1は、本実施形態に係る積層偏光フィルム10と、従来のヨウ素系積層偏光フィルム100とを対比して示す。すなわち、図1(a)は従来のヨウ素系積層偏光フィルム100を示し、図1(b)は本実施形態に係る積層偏光フィルム10を示す。
従来の積層偏光フィルム100は、ヨウ素系偏光フィルム110と、保護フィルム120、130と、感圧接着層140、160と、位相差フィルム(1/4λフィルム)150とを備える。従来のヨウ素系偏光フィルム110は、所望の偏光度を実現するために、厚膜化する必要があった。例えば、ヨウ素系偏光フィルム110は、22μm以上の膜厚を有していた。このため、積層偏光フィルム100全体の膜厚も厚膜化する傾向にあり、例えば、積層偏光フィルム100は、190μm以上の膜厚を有していた。
一方、本実施形態に係る積層偏光フィルム10は、ポリエン系偏光フィルム11と、UV接着層12、14と、保護フィルム13と、位相差フィルム(1/4λフィルム)15と、感圧接着層16とを備える。
したがって、積層偏光フィルム10は円偏光フィルムとなっている。なお、本実施形態に係る積層偏光フィルム10は、ポリエン系偏光フィルム11以外は公知の材料で構成されればよい。感圧接着層16は、例えば表示装置のディスプレイ(display)面に結着される。本実施形態では、ポリエン系偏光フィルム11が薄膜化されるので、積層偏光フィルム10全体も薄膜化される。例えば、本実施形態では、積層偏光フィルム10全体の膜厚を100μm以下とすることができる。もちろん、本実施形態に係る積層偏光フィルムは、他の構造を有していてもよい。積層偏光フィルムは円偏光フィルムでなくてもよい。また、本実施形態に係る積層偏光フィルム10は、特にOLEDを使用する有機発光表示装置に好適に適用される。近年、有機発光表示装置に適用される偏光フィルムには、高い透過率(例えば44.0%以上)、偏光度(例えば97%以上、好ましくは98.0%以上)、及び信頼性が要求される。これに対し、本実施形態に係るポリエン系積層フィルムは、後述する実施例に示される通り、高い透過率(44.5%以上)、及び偏光度(98.0%以上)を有する。
(変形例)
上述した第1のステップでは、酸触媒及びポリビニルアルコールを含むコーティング液を用いて酸触媒含浸フィルムを作製するが、酸触媒含浸フィルムは従来の工程によって作製されてもよい。すなわち、ポリビニルアルコールを含むコーティング液を用いて、ポリビニルアルコールフィルムを作製する。具体的な製法は特に限定されないが、例えば、まず、ポリビニルアルコールを含むコーティング液を作製する。具体的には、水にポリビニルアルコールを投入し、水及びポリビニルアルコールの混合液を撹拌しながら加熱することで、ポリビニルアルコールを水に十分溶解させる。これにより、コーティング液を作製する。次いで、コーティング液を基板(例えば無延伸フィルム)上にコーティングし、乾燥することで、ポリビニルアルコールフィルムを基板上に形成する。ここで、ポリビニルアルコールフィルムの層厚は特に制限されないが、最終的に作製されるポリエン系偏光フィルムの膜厚が10μm未満となるように調整されることが好ましい。なお、ポリビニルアルコールフィルムは既製のものであってもかまわない。
ついで、ポリビニルアルコールフィルムに酸触媒水溶液を含浸させることで、酸触媒含浸フィルムを作製する。含浸の方法は特に問わない。例えば、ポリビニルアルコールフィルムを酸触媒水溶液浴中に浸漬してもよいし、酸触媒水溶液が噴霧された空間内に静置してもよい。また、酸触媒の種類及び含浸時間は特に問わず、従来と同様の酸触媒及び含浸時間が適用可能である。
(ポリエン系偏光フィルムの適用例)
本実施形態に係るポリエン系偏光フィルムは、偏光フィルムが使用される分野であればどのような分野にも適用可能である。ただし、本実施形態に係るポリエン系偏光フィルムは、薄膜であり、かつ、良好な光学特性及び信頼性を有するので、表示装置、特に有機発光ダイオードを使用した有機発光表示装置に好適である。なお、使用方法は特に制限されず、従来の偏光フィルムと同様に使用されれば良い。例えば、ポリエン系偏光フィルムを表示装置に使用する際には、例えば他のフィルム(位相差フィルム等)と積層された積層偏光フィルムとして使用される。
つぎに、本実施形態の実施例について説明する。
(実施例1)
本実施例1では、以下のようにポリエン系偏光フィルム及び積層偏光フィルムを作製した。
(第1のステップ)
まず、溶媒である水にポリビニルアルコール(日本酢ビ・ポバール(VAN & POVAL)社製 JC−25)を投入した。ついで、水及びポリビニルアルコールの混合液を撹拌しながら加熱することで、ポリビニルアルコールを水に十分溶解させた。次いで、ポリビニルアルコール水溶液に、パラトルエンスルホン酸及びレベリング剤(DIC株式会社のメガファック(MEGAFACE))を投入し、攪拌することで、コーティング液を作製した。ここで、コーティング液中の水、ポリビニルアルコール、及びパラトルエンスルホン酸の含浸比(質量比)は89.5質量%:10質量%:0.5質量%であった。また、レベリング剤の質量比は外数であり、具体的には、水、ポリビニルアルコール、及びパラトルエンスルホン酸の総質量に対して0.002質量%であった。
ついで、イソフタル酸(isophthalic acid)共重合ポリエチレンテレフタレート(PET)で構成される無延伸フィルムを基板として用意し、コーティング液を基板上にコーティングした。次いで、コーティング液を乾燥することで、ポリビニルアルコールフィルムを作製した。ポリビニルアルコールフィルムの膜厚は12μmであった。
(第2のステップ)
ポリビニルアルコールフィルムを110℃に予熱したオーブンに投入し、ポリビニルアルコールフィルム及び基板をまとめて所定方向に5.0倍ドライ延伸した。これにより、ドライ延伸フィルムを作製した。ついで、ドライ延伸フィルムを110〜130℃で120秒加熱することで、ドライ延伸フィルム中のポリビニルアルコールに脱水反応を行わせた。すなわち、ドライ延伸フィルムにポリエン(炭素二重結合)を形成した。これにより、脱水処理されたドライ延伸フィルム(脱水フィルム)を作製した。
(第3のステップ)
ついで、85℃に調整した7.0質量%ホウ酸水溶液(ホウ酸水溶液総質量に対して7.0質量%のホウ酸を含むホウ酸水溶液、pH=3.9)を水和用水溶液として用意し、この水和用水溶液にドライ延伸フィルムを投入した。ついで、ドライ延伸フィルムを水和用水溶液浴に60min浸漬した。ここで、ドライ延伸フィルムの浸漬は、ドライ延伸フィルムが縮まない程度の力をドライ延伸フィルムに掛けながら行われた。これにより、ドライ延伸フィルムを水和した。すなわち、水和フィルムを作製した。
(第4のステップ)
ついで、85℃に調整した7.0質量%ホウ酸水溶液(ホウ酸水溶液総質量に対して7.0質量%のホウ酸を含むホウ酸水溶液。pH=3.9)中にC.I.DirectYellow44を0.0009質量%(ホウ酸水溶液の総質量に対する質量%(外数)。染料に関しては以下同じ)分溶解させたホウ酸染料浴を用意した。このホウ酸染料浴に水和フィルムを1min浸漬した。すなわち、水和染色フィルムを作製した。
(第5のステップ)
ついで、65℃に調整した7.0質量%ホウ酸水溶液浴中に水和染色フィルムを投入し、水和フィルムをホウ酸水溶液浴中でドライ延伸と同じ方向に1.25倍ウエット延伸した。これにより、ポリビニルアルコールフィルムを合計6.25倍延伸した。これにより、ウエット延伸フィルムを作製した。
(第6のステップ)
85℃に調整した7.0質量%ホウ酸水溶液(ホウ酸水溶液総質量に対して7.0質量%のホウ酸を含むホウ酸水溶液、pH=3.9)を第5のステップのホウ酸水溶液とは別に用意した。ついで、このホウ酸水溶液にpHメータの値を見ながら水酸化ナトリウムの顆粒粉末を添加することで、pH=6.2の中和用水溶液を作製した。次いで、この中和用水溶液浴にウエット延伸フィルムを投入した。ついで、ウエット延伸フィルムを中和用水溶液浴に2min浸漬した。ここで、ウエット延伸フィルムの浸漬は、ウエット延伸フィルムが縮まない程度の力をウエット延伸フィルムに掛けながら行われた。これにより、ウエット延伸フィルムを中和した。すなわち、中和フィルムを作製した。
次いで、中和フィルムを100℃に予熱したオーブンに投入し、100℃で2分間乾燥した。これにより、実施例1に係るポリエン系偏光フィルムを作製した。ポリエン系偏光フィルムの膜厚は5μmであった。
(積層処理)
ついで、下記配合のUV接着剤を作製した。
(a)90質量%(b)10質量%(c)1質量%(d)2質量%をスターラーを用いて混合した。なお、(c)、(d)の含有比は(a)+(b)の質量に対する外数である。
(a)4HBA(4−ヒドロキシブチルアクリレート)
(b)セロキサイド2021P(CEL2021P)(3,4―エポキシシクロヘキシルメチル3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート(3,4−epoxycyclohexylmethyl−3,4−epoxycyclohexane carblxylate))(株式会社ダイセル製)
(c)TPO(2,4,6−トリメチルベンゾイル‐ジフェニル‐フォスフィンオキサイド(trimethylbenzoyl−diphenyl−phosphine oxide))(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(Ciba Specialty Chemicals)社製)
(d)CPI−110P(p−フェニルチオフェニルジフェニルスルホニウム(phenylthiophenyldiphenylsulfonium)PF6塩)(サンアプロ(SAN−APRO)社製)
ついで、ポリエン系偏光フィルムの表面(ポリエン系偏光フィルム及び基板からなる積層膜の表裏面のうち、ポリエン系偏光フィルムが露出する面)にUV接着剤を厚さ2μmで塗布した。ついで、UV接着剤を勘合するようにして膜厚50μmの保護フィルム(紫外線吸収剤含有トリアセチルセルロース系フィルム:富士フィルム社製「フジタック(FUJITAC)」)をポリエン系偏光フィルムの表面にラミネート(laminate)した。これにより、ポリエン系偏光フィルム及び基板からなる積層膜を保護フィルムに貼りつけた。次いで、1000mJのUV光を積層膜に照射することで、UV接着剤を硬化させた。ついで、ポリエン系偏光フィルムから基板を剥離した。
ついで、ポリエン系偏光フィルムの裏面(上記剥離により露出した面)にUV接着剤を厚さ2μmで塗布した。ついで、ポリエン系偏光フィルムの裏面に膜厚50μmの位相差フィルム(1/4波長板、帝人化成社製「WRS」)をポリエン系偏光フィルムの光学吸収軸と1/4波長板の遅相軸とが45度となるように貼り付けた。ついで、上記と同様の処理によりUV接着剤を硬化させた。これにより、評価用の積層偏光フィルムを作製した。
(実施例2)
第4のステップを以下の処理に変更した他は、実施例1と同様の処理を行った。65℃に調整した7.0質量%ホウ酸水溶液(ホウ酸水溶液総質量に対して7.0質量%のホウ酸を含むホウ酸水溶液)中にC.I.DirectYellow44を0.0009質量%分溶解させたホウ酸染料浴を用意した。このホウ酸染料浴に水和フィルムを1min浸漬した。すなわち、水和染色フィルムを作製した。
(実施例3)
第4のステップを以下の処理に変更した他は、実施例1と同様の処理を行った。75℃に調整した7.0質量%ホウ酸水溶液(ホウ酸水溶液総質量に対して7.0質量%のホウ酸を含むホウ酸水溶液)中にC.I.DirectYellow44を0.0009質量%分溶解させたホウ酸染料浴を用意した。このホウ酸染料浴に水和フィルムを1min浸漬した。すなわち、水和染色フィルムを作製した。
(実施例4)
第4のステップを以下の処理に変更した他は、実施例1と同様の処理を行った。85℃に調整した7.0質量%ホウ酸水溶液中にC.I.DirectYellow44を0.0007質量%分溶解させたホウ酸染料浴を用意した。このホウ酸染料浴に水和フィルムを90sec浸漬した。すなわち、水和染色フィルムを作製した。実施例4では、染料濃度が実施例1よりも低いので、実施例1よりも浸漬時間を長くした。
(実施例5)
第4のステップにおいて、ホウ酸染料浴の染料濃度を0.00065質量%とし、水和フィルムの浸漬時間を2minとした他は、実施例4と同様の処理を行った。実施例5では、染料濃度が実施例4よりも低いので、実施例4よりも浸漬時間を長くした。
(実施例6)
第4のステップにおいて、ホウ酸染料浴の染料濃度を0.0003質量%とし、水和フィルムの浸漬時間を10分間とした他は、実施例4と同様の処理を行った。実施例5では、染料濃度が実施例4よりも低いので、実施例4よりも浸漬時間を長くした。
(実施例7)
第4のステップを以下において、ホウ酸水溶液に投入した染料を0.00035質量%のC.I.DirectYellow44及び0.00035質量%のC.I.DirectOrange39とした他は、実施例4と同様の処理を行った。実施例7は、実施例4と染料濃度は同じであるが、その成分が異なる。
(実施例8)
第4のステップにおいて、ホウ酸染料浴の温度を100℃にした他は、実施例4と同様の処理を行った。
(実施例9)
第4のステップにおいて、ホウ酸染料浴のpHを3.0とした他は、実施例4と同様の処理を行った。
(実施例10)
第1のステップを以下の処理に変更した他は、実施例1と同様の処理を行った。Kuraray社製60μmポリビニルアルコールフィルムを25℃の純水浴に2min浸漬した。ついで、このポリビニルアルコールフィルムを1質量%のp−トルエンスルホン酸浴(水溶液の総質量に対してp−トルエンスルホン酸を1質量%含む)に1min浸漬した。これにより、酸触媒含浸フィルムを作製した。酸触媒含浸フィルムをp−トルエンスルホン酸浴から取り出し、フィルム表面に付着している過剰な水分をスキージーすることで除去した。その後、酸触媒含浸フィルムを第2のステップ以降の処理に供した。
(光学特性の評価)
実施例1〜10に係る積層偏光フィルムの偏光度及び透過率(単体透過率)を以下の処理により評価した。
測定装置:紫外可視分光光度計(島津製作所社製UV−2550)
測定方法:偏光素子の単体透過率T(%)、平行透過率Tp(%)、直交透過率Tc(%)を測定。これらは、JIS Z8701の2度視野(C光源)により測定して視感度補正を行ったY値である。偏光度Pを上記の透過率を用い、次式(1)により求めた。
偏光度P(%)= √{(Tp−Tc)/(Tp+Tc)}×100・・・(1)
測定結果を表1に示す。
(透過光の評価)
実施例1〜10に係る積層偏光フィルムの△Ea*b*を評価した。ここで、△Ea*b*は以下の方法により測定した。すなわち、紫外可視分光光度計(島津製作所社製UV−2550)にて測定されたa*値及びb*値を次式に代入することで△Ea*b*値を算出した。△Ea*b*=((a*)2+(b*)2)1/2。結果を表1に示す。
Figure 0006650196
(最大吸光度)
実施例1〜4の波長350nm〜450nmにおける最大吸光度を上述した方法により測定したところ、いずれも2.0〜4.0の範囲内の値であった。特に、実施例4〜9では、上記波長範囲における最大吸光度が2.0〜3.5の範囲内の値であった。
実施例1〜10によれば、水和フィルムをホウ酸染料浴に浸漬させることで、透過率44.5%以上、偏光度98.0%以上に維持しつつ、△Ea*b*<10を実現することができた。さらに、ホウ酸染料浴の染料濃度を0.0003〜0.0007質量%とすることで、透過率を45.0%以上とすることができた。
(中和による効果の確認)
参考例1
参考例1では、第4のステップを省略したこと、及び第2のステップのドライ延伸倍率を4.2倍としたこと以外は実施例1と同様の処理を行った。
参考例2
参考例2では、以下の処理を行うことで、参考例2に係る積層偏光フィルムを作製した。すなわち、ポリビニルアルコールフィルム(膜厚60um,Kuraray社製)を0.05mol%塩酸水に1分含浸後、24℃で30分乾燥させた。これにより酸触媒含浸フィルムを作製した。
ついで、酸触媒含浸フィルムを表面温度450℃のIRヒーターに投入し、この温度で18秒間加熱した。これにより、酸触媒含浸フィルムに脱水反応を行わせた。一方、酸触媒含浸フィルムに脱水反応を行わせると同時に、酸触媒含浸フィルムを3.3倍にドライ延伸した。これにより、脱水フィルムを作製した。
ついで、脱水フィルムを温度65℃の7質量%ホウ酸浴中で1.79倍にウエット延伸した。これにより、ウエット延伸フィルムを作製した。ウエット延伸フィルムのTotal延伸倍率は5.9倍であった。その後は参考例1の第6のステップ以降の処理を行うことで、参考例2に係る積層偏光フィルムを作製した。すなわち、参考例2では、第6のステップ以外は従来と同様の処理により積層偏光フィルムを作製した。
参考例3
中和用水溶液のpHを4.6とした他は参考例1と同様の処理を行うことで、積層偏光フィルムを作製した。
参考例4
中和用水溶液のpHを5.2とした他は参考例1と同様の処理を行うことで、積層偏光フィルムを作製した。
参考例5
中和用水溶液のpHを7.1とした他は参考例1と同様の処理を行うことで、積層偏光フィルムを作製した。
参考例6
中和用水溶液のpHを8.0とした他は参考例1と同様の処理を行うことで、積層偏光フィルムを作製した。
(比較例1)
単体透過率T=44.3(%)のヨウ素系偏光フィルム(CEHIL INDUSTRIES社製)を用意し、このヨウ素系偏光フィルムを用いて参考例1と同様に積層偏光フィルムを作製した。
(比較例2)
比較例2では、第6のステップを行わなかった他は参考例2と同様の処理を行うことで、比較例2に係る積層偏光フィルムを作製した。すなわち、比較例2に係るポリエン系偏光フィルムは、従来の製造方法により作製されたポリエン系偏光フィルムである。
(比較例3)
ウエット延伸時のホウ酸水溶液のpHを6.2としたこと、及び第6のステップを行わないこととした他は、参考例1と同様の処理を行うことで、比較例3に係る積層偏光フィルムを作製した。すなわち、比較例3では、ウエット延伸と中和処理とを同時に行ったが基板が破断したため、積層偏光フィルムを作製できなかった。
(比較例4)
中和用水溶液のpHを3.2とした他は参考例1と同様の処理を行うことで、比較例4に係る積層偏光フィルムを作製した。
(比較例5)
中和用水溶液のpHを3.9とした他は参考例1と同様の処理を行うことで、比較例5に係る積層偏光フィルムを作製した。
(比較例6)
中和用水溶液のpHを4.0とした他は参考例1と同様の処理を行うことで、比較例6に係る積層偏光フィルムを作製した。
(比較例7)
中和用水溶液のpHを8.8とした他は参考例1と同様の処理を行ったが、中和処理中に基板が破断したため、積層偏光フィルムを作製できなかった。
(光学特性の評価)
参考例1〜6及び比較例1〜6に係る積層偏光フィルムの偏光度及び透過率(単体透過率)を実施例1と同様の処理によって評価した。測定結果を表2に示す。
Figure 0006650196
この評価によれば、参考例1〜6に係る積層偏光フィルムは、参考例2を除き、高偏光度及び高透過率を両立させていることがわかる。具体的には、透過率が44.5%以上であり、かつ偏光度が98.0%以上となっている。
さらに、参考例1、3〜6では、コーティング液に酸触媒である有機酸を混入しているので、高濃度の酸触媒がポリビニルアルコール内に均一に分散している。さらに、有機酸は低揮発性なので、ポリエン生成時に蒸発しにくい。さらに、脱水処理とドライ延伸とを別工程で行なっている。さらに、水和処理を行なっている。したがって、参考例1、3〜6では、偏光度及び透過率がいずれも参考例2よりも高い。
(信頼性の比較試験)
次に、参考例1〜6及び比較例1、2、4〜6に係る偏光フィルムの信頼性を比較する比較試験を行った。なお、比較例3、7は基板が破断したため、比較試験を行わなかった。
具体的には、各偏光フィルムを高温高湿(60℃95RH%(相対湿度))の環境下に設置し、各フィルムの透過率及び偏光度の時間変化を測定した。なお、透過率及び偏光度の測定は上述した(評価)と同様に行った。測定結果を図2及び図3に示す。
図2は、各フィルムの透過率の時間変化を示し、図3は各フィルムの偏光度の時間変化を示す。横軸は試験開始時点からの時間、縦軸は各測定時点での測定値から試験開始時点での測定値(初期値)を減算した値を示す。なお、比較例2は比較例4とほぼ同様の挙動を示したので、図示を省略した。図2及び図3に示されるように、比較例1、2、4〜6の透過率は、試験開始直後から大きく増加し、偏光度は大きく低下しているのに対し、参考例1〜6の透過率及び偏光度は、試験開始後からほとんど変動していない。なお、偏光フィルムを有機発光表示装置に適用する場合、その偏光フィルムには、試験開始から500時間経過後の測定値と初期値との差分が±3以内であることが要求されることが多い。これに対し、参考例1〜6に係る偏光フィルムの測定値はこの要件を満たす。しかし、比較例1、2、4〜6の偏光フィルムは、特に偏光度においてこの要件を満たさない。したがって、本参考例1〜6に係るポリエン系偏光フィルムは、ヨウ素系偏光フィルムよりも信頼性(ここでは耐熱性)に優れ、かつ、有機発光表示装置にも好適となる。
(水和による効果の確認)
参考例7
実施例1の第1〜第3、第5のステップを行うことで、ポリエン系偏光フィルムを作製し、このポリエン系偏光フィルムに参考例1の積層処理を行うことで、積層偏光フィルムを作製した。
参考例8
ポリビニルアルコールフィルム(膜厚60um,Kuraray社製)を0.05mol%塩酸水に1分含浸後、24℃で30分乾燥させた。これにより作製された酸触媒含浸フィルムを表面温度450℃のIRヒーターに投入し、この温度で18秒間加熱した。これにより、酸触媒含浸フィルムに脱水反応を行わせた。一方、酸触媒含浸フィルムに脱水反応を行わせると同時に、酸触媒含浸フィルムを3.3倍にドライ延伸した。これにより、脱水フィルムを作製した。その後は、参考例7と同様の処理を行うことで、参考例8に係る積層偏光フィルムを作製した。
参考例9
第3のステップ及び第5のステップの順序を逆にした(すなわち、第2のステップ後に第5のステップを行い、その後第3のステップを行った)こと以外は参考例7と同様の処理を行った。これにより、参考例9に係る積層偏光フィルムを作製した。
(評価)
測定装置に紫外可視分光光度計(日本分光社製V7100)を使用した他は、参考例1と同様の測定方法により単体透過率T(%)、平行透過率Tp(%)、直交透過率Tc(%)を測定した。さらに、上述した式(1)により偏光度P(%)を求めた。測定結果を表3に示す。
Figure 0006650196
この評価によれば、参考例7〜9に係る積層偏光フィルムは、高偏光度及び高透過率を両立させていることがわかる。具体的には、特に参考例7〜9では、透過率が44.5%以上であり、かつ偏光度が98.0%以上となっている。その一方、比較例2に係る積層偏光フィルムは、透過率が44.5%未満となっている。
さらに、参考例7、9では、コーティング液に酸触媒である有機酸を混入しているので、高濃度の酸触媒がポリビニルアルコール内に均一に分散している。さらに、有機酸は低揮発性なので、ポリエン生成時に蒸発しにくい。さらに、脱水処理とドライ延伸とを別工程で行なっている。したがって、参考例7、9では、偏光度及び透過率がいずれも参考例4よりも高い。
(水和用水溶液のpHの検討)
次に、第3のステップ(フィルムの水和処理)に使用される水和用水溶液に必要なpHを検討するために、以下の参考例10−1、10−2及び比較例8〜10を行った。
参考例10−1
参考例7において、水和用水溶液のpHを3.0とした(ホウ酸の質量%を15.0質量%とした)こと以外は参考例7と同様の処理を行うことで、積層偏光フィルムを作製した。
参考例10−2
参考例7において、水和用水溶液のpHを3.7とした(ホウ酸の質量%を10.0質量%とした)こと以外は参考例7と同様の処理を行うことで、積層偏光フィルムを作製した。
(比較例8)
参考例7において、水和用水溶液のpHを5.4とした(ホウ酸の質量%を1.0質量%とした)こと以外は参考例7と同様の処理を行うことで、積層偏光フィルムを作製した。
(比較例9)
参考例7において、水和用水溶液のpHを4.7とした(ホウ酸の質量%を3.0質量%とした)こと以外は参考例7と同様の処理を行うことで、積層偏光フィルムを作製した。
(比較例10)
参考例7において、水和用水溶液のpHを4.2とした(ホウ酸の質量%を5.0質量%とした)こと以外は参考例7と同様の処理を行うことで、積層偏光フィルムを作製した。
(評価)
参考例10−1、10−2及び比較例8〜10に係る積層偏光フィルムの偏光度及び透過率(単体透過率)を上述した(水和による効果の確認)と同様の方法により評価した。その結果を表4に示す。
Figure 0006650196
この評価によれば、参考例7、10−1、10−2では透過率が44.5%以上、偏光度が98.0%以上となるが、比較例8〜10では偏光度が98.0%未満となる。したがって、水和用水溶液のpHは3.0以上4.0以下であることを要することがわかる。
(水和用水溶液の温度の検討)
次に、第3のステップ(フィルムの水和処理)に使用される水和用水溶液に必要な温度を検討するために、以下の参考例11、及び比較例11、12を行った。
参考例11
参考例7において、水和用水溶液の温度を90℃としたこと以外は参考例7と同様の処理を行うことで、積層偏光フィルムを作製した。
(比較例11)
参考例7において、水和用水溶液の温度を65℃としたこと以外は参考例7と同様の処理を行うことで、積層偏光フィルムを作製した。
(比較例12)
参考例7において、水和用水溶液の温度を75℃としたこと以外は参考例7と同様の処理を行うことで、積層偏光フィルムを作製した。
(評価)
参考例11及び比較例11、12に係る積層偏光フィルムの偏光度及び透過率(単体透過率)を上述した(水和による効果の確認)と同様の方法により評価した。その結果を表5に示す。
Figure 0006650196
この評価によれば、参考例7、11では透過率が44.5%以上、偏光度が98.0%以上となるが、比較例11〜12では透過率が44.5%未満、偏光度が98.0%未満となる。したがって、水和用水溶液の温度は85℃以上100℃以下であることを要することがわかる。
(水和時間)
次に、水和に要する時間を検討するために、以下の参考例12〜14及び比較例13〜15を行った。
参考例12
参考例7において、水和時間(ウエット延伸フィルムを水和用水溶液に含浸させる時間)を0.5minとしたこと以外は参考例7と同様の処理を行うことで、積層偏光フィルムを作製した。
参考例13
参考例7において、水和時間を1.0minとしたこと以外は参考例7と同様の処理を行うことで、積層偏光フィルムを作製した。
参考例14
参考例7において、水和時間を50minとしたこと以外は参考例7と同様の処理を行うことで、積層偏光フィルムを作製した。
(比較例13)
参考例7において、水和時間を0.1minとしたこと以外は参考例7と同様の処理を行うことで、積層偏光フィルムを作製した。
(比較例14)
参考例7において、水和時間を65minとしたこと以外は参考例7と同様の処理を行うことで、積層偏光フィルムを作製した。
(比較例15)
参考例7の第4のステップにおいて、ウエット延伸フィルムに水和用水溶液を含浸させる代わりにウエット延伸フィルムを60℃95RH%の環境下に15時間静置した。ここで、静置の際には、ウエット延伸フィルムにウエット延伸フィルムが縮まない程度の力(Tension)が掛けられた。この処理以外は参考例7と同様の処理を行った。これにより、積層偏光フィルムを作製した。
(評価)
参考例12〜14及び比較例13〜15に係る積層偏光フィルムの偏光度及び透過率(単体透過率)を上述した(水和による効果の確認)と同様の方法により評価した。その結果を表6に示す。
Figure 0006650196
この評価によれば、参考例7、12〜14では透過率が44.5%以上、偏光度が98.0%以上となるが、比較例13〜15では偏光度が98.0%未満となる。したがって、水和は酸性雰囲気で行われる必要が有ること、また、水和時間は0.5min〜60minであることを要することがわかる。
(ウエット延伸時の温度)
次に、第3のステップ(ウエット延伸)に使用されるホウ酸水溶液に必要な温度を検討するために、以下の参考例15、及び比較例16、17を行った。
参考例15
参考例7において、ウエット延伸時のホウ酸水溶液の温度を55℃としたこと以外は参考例7と同様の処理を行うことで、積層偏光フィルムを作製した。
(比較例16)
参考例7において、ウエット延伸時のホウ酸水溶液の温度を75℃としたこと以外は参考例7と同様の処理を行うことで、積層偏光フィルムを作製した。
(比較例17)
参考例7において、ウエット延伸時の水和用水溶液の温度を85℃としたこと以外は参考例7と同様の処理を行うことで、積層偏光フィルムを作製した。
(評価)
参考例15及び比較例16、17に係る積層偏光フィルムの偏光度及び透過率(単体透過率)を上述した(水和による効果の確認)と同様の方法により評価した。その結果を表7に示す。
Figure 0006650196
この評価によれば、参考例7、15では透過率が44.5%以上、偏光度が98.0%以上となるが、比較例16〜17では偏光度が98.0%未満となる。したがって、ウエット延伸時のホウ酸水溶液の温度は65℃以下であることを要することがわかる。
以上により、本実施形態に係るポリエン系偏光フィルムの製造方法は、水和処理と中和処理との間で水和フィルムをホウ酸染料浴に浸漬する処理を行うので、透過率及び偏光度を高い値に維持しつつ、透過光を白色光に近づけることができる。
さらに、本実施形態では、ウエット延伸後(または水和処理後)に中和処理を行うので、ポリエン系偏光フィルムの信頼性を向上させることができる。
さらに、中和処理とウエット延伸処理とを別の浴で行うので、これらの処理を効率的に行うことができる。
さらに、本実施形態では、ウエット延伸処理の前または後にフィルムの水和処理を行う。このため、本実施形態に係るポリエン系偏光フィルムの製造方法は、透過率44.5%以上かつ偏光度98.0%以上という非常に高い透過率を実現しつつ、偏光度も高い値を実現できる。さらに、本実施形態に係るポリエン系偏光フィルムの製造方法は、偏光フィルムを薄膜化(具体的には、10μm以下の膜厚にする)ことができる。すなわち、本実施形態では、光学特性が良好な偏光フィルムを作製することができる。
さらに、本実施形態では、酸触媒及びポリビニルアルコールを含むコーティング液を用いてポリビニルアルコールフィルムを作製するステップを含む。
したがって、ポリビニルアルコールフィルム内に高濃度の酸触媒を均一に分散させることができるので、従来のように環境温度等を正確に制御しなくても、多数の炭素二重結合が均一に形成されたポリエン系偏光フィルムを作製することができる。したがって、本実施形態に係る製造方法によれば、高偏光度及び高透過率を両立させたポリエン系偏光フィルム、すなわち光学特性が良好な偏光フィルムを安定して製造することが可能となる。さらに、本実施形態に係るポリエン系偏光フィルムは、信頼性(安定性)がヨウ素型偏光フィルムよりも優れている。
さらに、本実施形態では、ポリビニルアルコールフィルムのドライ延伸と脱水処理とを別工程で行うステップを含むので、この点においても、高い透過率及び偏光度を有する偏光フィルムを作製することができる。
したがって、このような高偏光度及び高透過率を有するポリエン系偏光フィルムは、今後の普及が予想される有機発光表示装置(有機発光ダイオードを使用した有機発光表示装置)の反射防止積層偏光フィルムに好適である。すなわち、偏光フィルムを有機発光表示装置に適用する場合、偏光フィルムには、高い透過率、及び偏光度の他、高い信頼性も要求される。これに対し、本実施形態に係るポリエン系偏光フィルムは、中和処理が施されているので、高温高湿に対する耐久性(信頼性)が強い。さらに、本実施形態に係るポリエン系偏光フィルムは、高い透過率及び偏光度を有する。すなわち、本実施形態に係るポリエン系偏光フィルムは、光学特性が良好だけでなく、信頼性も大きい。したがって、本実施形態に係るポリエン系偏光フィルムは、有機発光表示装置に好適であり、本実施形態に係るポリエン系偏光フィルムを有機発光表示装置に適用することで、有機発光表示装置に要求される光学特性(高透過率、高偏光度、及び高信頼性)が全て満たされる有機発光表示装置が提供される。
さらに、酸触媒は低揮発性の酸触媒であるので、ポリエン生成時に蒸発しにくい。したがって、本実施形態に係る製造方法は、ポリエン生成時であってもポリビニルアルコール内の酸濃度をより均一にすることができる。
さらに、酸触媒は、100℃での重量減少率が3質量%未満であるので、ポリエン生成時に蒸発しにくい。したがって、本実施形態に係る製造方法は、ポリエン生成時であってもポリビニルアルコール内の酸濃度をより均一にすることができる。
さらに、酸触媒は有機酸であるので、ポリエン生成時に蒸発しにくい。したがって、本実施形態に係る製造方法は、ポリエン生成時であってもポリビニルアルコール内の酸濃度をより均一にすることができる。
さらに、有機酸は、カルボキシル基及びスルホ基からなる群から選択されるいずれか1つの官能基を有するので、ポリエン生成時に蒸発しにくい。したがって、本実施形態に係る製造方法は、ポリエン生成時であってもポリビニルアルコール内の酸濃度をより均一にすることができる。
さらに、本実施形態に係る製造方法では、コーティング液はポリビニルアルコールの質量に対して酸触媒を2質量%以上10質量%以下で含有し、より好ましくは4.0質量%以上10.0質量%以下で含有する。したがって、本実施形態に係る製造方法は、より高偏光度かつ高透過率のポリエン系偏光フィルムを作製することができる。
さらに、酸触媒の含有量はポリビニルアルコールの質量に対して5質量%であるので、本実施形態に係る製造方法は、より高偏光度かつ高透過率のポリエン系偏光フィルムを作製することができる。
さらに、本実施形態に係る製造方法は、ポリエン系偏光フィルムを薄膜化することができる。具体的には、本実施形態に係る製造方法は、ポリエン系偏光フィルムの膜厚を10μm未満とすることができる。これにより、ポリエン系偏光フィルムを大画面有機発光表示装置に適用した場合であっても、ポリエン系偏光フィルムの収縮を低減することができ、ひいては、有機発光表示装置の反りを低減することができる。
さらに、脱水反応は、ポリビニルアルコールフィルムをオイルバスに浸漬することで行われるので、高偏光度かつ高透過率のポリエン系偏光フィルムを容易に作製することができる。また、この観点により作製されたポリエン系偏光フィルムは、品質が安定する。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
10 積層偏光フィルム
11 ポリエン系偏光フィルム
12、14 UV接着層
13 保護フィルム
15 位相差フィルム
16 感圧接着層

Claims (8)

  1. 酸触媒を用いてポリビニルアルコールフィルムに脱水反応を行わせることで、脱水フィルムを作製するステップと、
    前記脱水フィルムにpH4.0以下、85℃以上の水和用水溶液を0.5〜60(min)含浸することで、水和フィルムを作製するステップと、
    前記水和フィルムをホウ酸染料浴に浸漬することで、水和染色フィルムを作製するステップと、
    前記水和染色フィルムを65℃以下の酸性水溶液中でウエット延伸するステップと、を含むことを特徴とする、ポリエン系偏光フィルムの製造方法。
  2. 前記ホウ酸染料浴のpHは3.0〜4.0であることを特徴とする、請求項1記載のポリエン系偏光フィルムの製造方法。
  3. 前記ホウ酸染料浴の温度は60℃〜100℃であることを特徴とする、請求項2記載のポリエン系偏光フィルムの製造方法。
  4. 前記ホウ酸染料浴に含まれる染料は、吸光度が最大となる波長λmaxが350nm〜450nmの範囲内の値であることを特徴とする、請求項2または3記載のポリエン系偏光フィルムの製造方法。
  5. 前記ホウ酸染料浴に含まれる染料は、二色比が5.0以上であることを特徴とする、請求項4記載のポリエン系偏光フィルムの製造方法。
  6. 前記ホウ酸染料浴中の染料濃度は、0.0003〜0.0009質量%であることを特徴とする、請求項4または5に記載のポリエン系偏光フィルムの製造方法。
  7. 前記ポリエン系偏光フィルムの350nm〜450nmの波長範囲における最大吸光度が2.0〜4.0となるように、前記水和フィルムを前記ホウ酸染料浴に浸漬することを特徴とする、請求項4〜6のいずれか1項に記載のポリエン系偏光フィルムの製造方法。
  8. 前記ホウ酸染料浴に含まれる染料は、C.I.DirectYellow44、及びC.I.DirectOrange39からなる群から選択される少なくとも1種を含むことを特徴とする、請求項4〜7のいずれか1項に記載のポリエン系偏光フィルムの製造方法。
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