JP6649793B2 - ペンチル−ノニル−テレフタラート - Google Patents

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Description

本発明は、テレフタル酸エステルの混合物、その製造方法及び可塑剤としてのその混合物の使用並びに相応する混合物を含む材料に関する。
ポリマー用の可塑剤の範囲内で、テレフタル酸エステルは、フタル酸エステルの代替品又は補充品として既に数年来使用されている。市場で最も重要なテレフタル酸エステルは、この場合、ここ数年来、ジエチルヘキシルテレフタラートであり、これは簡素化してしばしばジオクチルテレフタラートともいわれる。8個未満又は8個超の炭素原子を有するアルコール基を有するテレフタル酸エステルは、先行技術で同様に記載されている。
テレフタル酸エステルは、特にエステル官能基のアルコール基中の炭素数とは無関係に、多様な特性を有し、それに応じて程度に差はあるが多様な可塑剤用途に特に適している。より短鎖のテレフタル酸エステルは、より長鎖のその同族体よりもより低温でゲル化する傾向が強い。可塑剤の低いゲル化温度は、プラスチゾル加工の場合に好ましい特性である、というのもこのプラスチゾル加工をより低温で実施することができかつ更に加工時に、高いゲル化温度を有する可塑剤を含むプラスチゾルの加工時よりも、より高い処理量を達成できるためである。しかしながら、同時に、低い分子量を有し、かつそれによりアルコール基中の低い炭素数を有するテレフタル酸エステルは、より高い分子量の同族体よりも揮発性が高い。可塑剤の高い揮発性は重大な欠点である、というのも、この可塑剤の損失によって、可塑化されたポリマーの特性は変化し、かつそれにより製品の寿命が低下するだけでなく、可塑剤が環境に放出されるためである。
可塑剤のこの放出は更に問題である、というのも例えば室内適用の分野、医療製品、玩具、ケーブル及び自動車分野において製品を商業化するためには、消費者及び環境のために必要な安全性を保証するために、特に製品から流出される有機化合物の最大量を規制する規格を満たさなければならないためである。例えば、建材の健康評価のための委員会(AgBB)は、欧州議会により採択された建材に関する通達(第305/2011号)との調和で、室内の有害物質の抑制及び制限を規制している。従って、規格化された測定法において排出されたVOC(揮発性有機化合物)及びSVOC(準揮発性有機化合物)についての所定の限界値を上回らない場合にだけ、建材及びひいては可塑剤を含有する製品は、建物の室内での使用のために健康上の視点から適している。DIN ISO 16000−6によると、無極性カラムで>C16〜C22の保持領域にある有機化合物がSVOCに分類されている(AgBB−建材からのVOCについての評価規準、2012の水準)。VOC及び/又はSVOCについての許容される排出量よりも高い排出量を示す製品は、例えば塗料からなる排出遮断層の適用のような付加的な措置が、許容される最大排出量を超えることを妨げる場合にだけ使用することができる。しかしながらこのような付加的措置の必要性は、製品中での可塑剤の調合の際の余地を狭め、かつそれによりSVOCに分類することができる可塑剤のそれぞれの使用のコストを高める。更に、このような付加的な保護層の必要性により、例えば塗料により保護されたSVOC含有製品は引掻又は剥離について敏感性が高くなるというような更なる難点が生じかねない。
可塑剤系の特性を加工条件及び計画された用途に合わせるために、しばしば2種以上の可塑剤の混合物、例えば異なるアルコール基を有する2種のテレフタル酸ジエステルが、ポリマー用の可塑剤として使用される。それに即して、特許文献1は、ジイソノニルテレフタラートを、他のテレフタル酸ジアルキルエステル、好ましくはアルコール基中に4〜8個の炭素原子を有するテレフタル酸ジアルキルエステルと混合して使用することを提案している。特許文献2にも、ジノニルテレフタラートの他にジ−n−ブチルテレフタラートを含むプラスチゾルが記載されている。複数の可塑化する物質(可塑剤ともいう)の混合により可塑剤混合物(これはしばしば省略して同様に可塑剤と呼ばれる)にして使用することにより、今までは、好ましい特性の全体の望ましい組み合わせを適切に調節することに成功していなかった。例えば、非特許文献1は、異なるテレフタル酸エステルの混合物は、ポリマーとの相溶性の点で問題を有することを開示している。この文献の図8は、ジオクチルテレフタラートが、50%より多くのジブチルテレフタラートとの混合物の形でようやく、ポリマーとの十分な相溶性を示すことが示されている。従って、ジオクチルテレフタラートとジブチルテレフタラートとを有する系は、この系が50%よりも多くのジブチルテレフタラートを含む場合にはポリマーから滲出しないが、このことは混合組成物のバリエーションの範囲を著しく制限し、それにより場合により達成可能な特性も著しく制限する。
他の文献は、異なるテレフタル酸ジエステルをブレンドするだけでなく、この両方のテレフタル酸ジエステルを、それに属する混合型エステルと一緒に可塑剤として使用することを提案している。
特許文献3及び特許文献4は、ジブチルテレフタラートは、樹脂中への侵入の際及び溶融の際に速い速度を示すが、望ましくないほど高いマイグレーション損失を示し、他方で、ジエチルヘキシルテレフタラートの場合にはほとんどマイグレーション損失は生じないが、樹脂中への侵入及び溶融は受け入れられないほど長くかかるという問題を述べている。これらの逆方向の特性を改善するために、これらの文献は、C4−アルコール基及びC8−アルコール基を有する混合型エステルを有するエステル混合物を使用することを提案している。しかしながら、このエステル混合物は、テレフタル酸ジブチルエステルを含み、これはSVOC成分に分類されていて、従ってその使用は調製の際に上述の制限を受けるという欠点を有する。
特許文献5は、これもまた混合型エステルをも含む、テレフタル酸のC8−エステル及びC9−エステルからなるエステル混合物を製造することを提案していて、かつエステル混合物中の個々のエステルの比率を変化させることにより可塑剤調製物の加工性の改善を達成できることを記載している。
しかしながら、このC8−エステル及びC9−エステルのテレフタル酸エステル混合物と比べて、特許文献6によると、C8−エステル及びC10−エステルとからなるテレフタル酸エステル混合物は、明らかに改善された特性を示す。この文献で提案された系は、C8−アルコール基及びC10−アルコール基を含む混合型エステルを有するが、この系は、この文献自体が相溶性の改善のためにテレフタル酸エステル混合物にフタラート可塑剤のジプロピルヘプチルフタラートを混合することを提案するほどポリマーとの相溶性が悪い。
特許文献7は、テレフタル酸C4−エステル及びテレフタル酸C8−エステルを含む系の他に、同様にC8−アルコール基及びC10−アルコール基を有するものも提案している。
特許文献8は、C8−アルコール基及びC10−アルコール基を有するテレフタル酸エステル混合物の他に、C7−アルコール基及びC9−アルコール基を有する混合物も記載されている。
US 2013/0317152 A1 US 2013/0310473 A1 KR 2013/0035493 A US 2014/0336294 A1 WO 2008/140177 A1 US 2014/0096703 A1 US 2014/0336320 A1 WO 2014/195055 A1
Dibutyl Terephthalates in Plasticizer and related Applications (IP.com公開番号: IPCOM000236730D、公開日:13.05.2014),
本発明の基礎となる課題は、先行技術の上記の、いくつかの欠点を、好ましくは全ての欠点を克服することであった。好ましくは、調製の際にできる限り大きな余地を保証するために、ドイツ国の又は国際的なガイドラインに定められた化合物の定義に該当しない可塑剤を提供するのが好ましい。この場合、好ましくは、テレフタル酸エステルを基礎とし、揮発性及びゲル化温度の領域で同時に良好な特性を示す可塑剤、つまり低温でゲル化し同時にあまり揮発しない可塑剤を提供するのが好ましい。
上記課題は、請求項1に記載の混合物により解決される。
従って、本発明の主題は、テレフタル酸ジエステルI、II及びIII
[式中、R1は、5個の炭素原子を有するアルキル基を表し、R2は、9個の炭素原子を有するアルキル基を表す]を有する混合物である。
本願の範囲内で、「R1」、「5個の炭素原子を有するアルキル基」、「ペンチル基」及び「C5−基」の概念は同義で使用されている。同様のことが、「R2」、「9個の炭素原子を有するアルキル基」、「ノニル基」及び「C9−基」の概念にも通用する。「イソ」の接頭辞は、共通の炭素数を有する異性体混合物であることを表す。以後「アルコール」、例えば「C5−アルコール」又は「5個の炭素原子を有するアルコール」と記載する場合には、これが、唯一の異性体だけからなるか又は複数の異性体の混合物を含むことができ、つまりC5−アルコールの場合にはイソペンタノールであることができる。
意外にも、本発明による混合物は、公知の可塑剤の組み合わせと比べて、揮発性及びゲル化温度の特性の改善された相互作用を示すことが見出された。図2の、本発明による混合物及び他の可塑剤系についての揮発性に対するゲル化温度のプロットから明らかなように、本発明による混合物が、他のポリマー相溶性でSVOC不含の可塑剤系と比べて、低いゲル化温度及び同時に低い揮発性を示し、よってこれらの可塑剤系と比べて加工及び適用について改善された特性を示す。
好ましくは、式I、II及びIII中のR1は、2−メチルブチル基、3−メチルブチル基及び/又はn−ペンチル基を表す。特に好ましくは、式I、II及びIII中のR1は、イソペンチル基を表し、ここで、イソペンチル基の概念は、上記の定義のように、複数の異性体のペンチル基の混合型を示す。R2は、式I、II及びIII中で、好ましくはノニル基又はn−ノニル基を表す。特に好ましくは、式I、II又はIII中のR2は、イソノニル基を表し、ここで、イソノニル基の概念は、上記の定義のように、複数の異性体のノニル基の混合型を示す。
式I、II及びIII中で、R1は、2−メチルブチル基、3−メチルブチル基、n−ペンチル基及び/又はイソペンチル基を表し、かつR2は、イソノニル基を表す混合物が好ましい。式I、II及びIII中で、R2は、ノニル基、n−ノニル基及び/又はイソノニル基を表し、R1は、2−メチルブチル基を表す混合物が好ましい。更に、式I、II及びIII中で、R2は、ノニル基、n−ノニル基及び/又はイソノニル基を表し、R1は、3−メチルブチル基を表す混合物が好ましい。更に、式I、II及びIII中で、R2は、ノニル基、n−ノニル基及び/又はイソノニル基を表し、R1は、n−ペンチル基及び/又はイソペンチル基を表す混合物が好ましい。
好ましくは、本発明による混合物のエステルI、II及びIII中に含まれるイソノニル基は、1.0〜2.2の平均分枝度を有する、というのも、この範囲内で、本発明による混合物はポリマーとの相溶性が高められているためである。この平均分枝度は、ここでは、文献US2010/305255A1に記載されているように決定される。
一実施態様の場合に、本発明による混合物中で、n−ペンチル基の割合は、エステルI、II及びIII中に含まれるペンチル基の全体を基準として、少なくとも10モル%又は20モル%、好ましくは少なくとも30モル%、更に好ましくは少なくとも40モル%、特に好ましくは少なくとも50モル%、殊に少なくとも60モル%であり、これは、プラスチゾルの加工のために適したより低い粘度の利点に関連づけることができる。好ましい実施態様の場合に、n−ペンチル基の割合は、含まれる全てのペンチル基を基準として、10〜90モル%、好ましくは20〜80モル%、殊に30〜70モル%である。
可塑化されるべきポリマーとの特に良好な相溶性は、エステルI、II及びIIIの全体を基準として、エステルIIIを80モル%未満、好ましくは70モル%未満、殊に60モル%未満を含む本発明による混合物について見られた。エステルI、II及びIIIの混合物中でのエステルIIIのより高い割合を有する混合物と比べたこの混合物の改善された相溶性の他に、エステルIIIを80モル%未満、好ましくは70モル%未満、殊に60モル%未満含む混合物は、更に、エステルIIIのより高い割合を有する混合物よりも、プラスチゾルの加工のために好ましいより低いゲル化温度を示す。
より低い及び従って改善された揮発性を、エステルI、II及びIIIの全体を基準として、エステルIを60モル%未満、好ましくは50モル%未満、更に好ましくは40モル%未満、特に全く好ましくは30モル%未満、殊に20モル%未満有する本発明による混合物が示し、従ってこのような混合物は同様に好ましい。
混合物が、エステルI、II及びIIIの全体を基準として、エステルIIIを、好ましくは40モル%未満、殊に30モル%未満有する場合に、特に望ましいゲル化温度を有する本発明による混合物が提供される。特に、低い揮発性の混合物は、エステルI、II及びIIIの全体を基準として、エステルIIIを好ましくは30モル%より多く、特に40モル%より多く有する。
本発明による一実施態様の場合に、混合物は、エステルI、II及びIIIの全体を基準としてそれぞれ、エステルIIを、少なくとも10モル%、好ましくは少なくとも20モル%、特に好ましくは少なくとも30モル%、殊に少なくとも40モル%及び/又はエステルIIを、最大60モル%、好ましくは最大50モル%、特に好ましくは最大40モル%、殊に最大30モル%含有する。
本発明による混合物は、エステルI、II及びIIIの定義に入らない成分を、好ましくは40質量%未満、更に好ましくは30質量%未満、更に好ましくは20質量%未満、殊に10質量%未満含有する。特に、本発明による混合物は、エステルI、II及びIIIの定義に入らないテレフタル酸ジエステルを、好ましくは20モル%未満、特に10モル%未満、殊に3モル%未満含有し、ここで、モル割合の決定の際に、混合物中の全てのテレフタル酸ジエステルの全体が考慮される。
本発明の好ましい主題は、テレフタル酸ジエステルI、II及びIII
[式中、R1は、2−メチルブチル基、3−メチルブチル基、n−ペンチル基及び/又はイソペンチル基を表し、R2は、イソノニル基を表す]を有し、かつ、エステルI、II及びIIIの全体を基準として、エステルIIIを、80モル%未満、好ましくは70モル%未満、殊に60モル%未満含有する混合物である。
本発明の他の主題は、本発明による混合物の、ポリマー用の可塑剤としての使用である。この場合、「可塑剤」の概念は、既に上述したように、本発明によるエステル混合物だけが可塑剤であるか、又は本発明による混合物が他のポリマーを可塑化する成分と一緒に可塑剤を形成すると解釈される。
適切なポリマーは、好ましくは、ポリ塩化ビニル(PVC)、エチレン、プロピレン、ブタジエン、酢酸ビニル、グリシジルアクリラート、グリシジルメタクリラート、エチルアクリラート、ブチルアクリラート又は1〜10個の炭素原子を有する分枝又は非分枝のアルコールのアルコキシ基を有するメタクリラート、アクリルニトリル又は環状オレフィンを基礎とするホモポリマー又はコポリマー、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、ポリアクリラート、殊にポリメチルメタクリラート(PMMA)、ポリアルキルメタクリラート(PAMA)、ポリ尿素、シリル化ポリマー、フッ素ポリマー、殊にポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリ酢酸ビニル(PVAc)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルアセタール、殊にポリビニルブチラール(PVB)、ポリスチレンポリマー、殊にポリスチレン(PS)、発泡性ポリスチレン(EPS)、アクリロニトリル−スチレン−アクリラート(ASA)、スチレンアクリロニトリル(SAN)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン(ABS)、スチレン−無水マレイン酸コポリマー(SMA)、スチレン−メタクリル酸コポリマー、ポリオレフィン、殊にポリエチレン(PE)又はポリプロピレン(PP)、熱可塑性ポリオレフィン(TPO)、ポリエチレン−ビニルアセタート(EVA)、ポリカルボナート、ポリエチレンテレフタラート(PET)、ポリブチレンテトラフタラート(PBT)、ポリオキシメチレン(POM)、ポリアミド(PA)、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリウレタン(PU)、熱可塑性ポリウレタン(TPU)、ポリスルフィド(PSu)、バイオポリマー、殊にポリ乳酸(PLA)、ポリヒドロキシブチラール(PHB)、ポリヒドロキシ吉草酸(PHV)、ポリエステル、デンプン、セルロース及びセルロース誘導体、殊にニトロセルロース(NC)、エチルセルロース(EC)、酢酸セルロース(CA)、セルロース−アセタート/ブチラート(CAB)、ゴム及びシリコーンにより形成される群から選択される。
好ましいポリマーは、ポリ塩化ビニル、塩化ビニルと酢酸ビニル又はブチルアクリラートとのコポリマー、ポリアルキルメタクリラート(PAMA)、ポリビニルブチラール(PVB)、ポリウレタン、ポリスルフィド、ポリ乳酸(PLA)、ポリヒドロキシブチラール(PHB)及びニトロセルロースである。
特に、本発明によるエステル混合物のPVC用の可塑剤としての使用が好ましい。
好ましくは、このエステル混合物は、接着剤、シーラント、被覆材料、塗料、ペイント、プラスチゾル、フォーム、人工皮革、床材(例えば被覆層)、ルーフィングシート、アンダーボデー保護、布被覆、ケーブル、ワイヤ絶縁、ホース、押出製品、フィルム、自動車内装分野、壁紙、インキ、玩具、コンタクトシート、食品包装又は医療用品、例えばチューブ又は血液バッグにおける可塑剤として使用される。
本発明の他の主題は、本発明によるエステル混合物、並びにポリ塩化ビニル、塩化ビニルと酢酸ビニル又はブチルアクリラートとのコポリマー、ポリアルキルメタクリラート(PAMA)、ポリビニルブチラール(PVB)、ポリウレタン、ポリスルフィド、ポリ乳酸(PLA)、ポリヒドロキシブチラール(PHB)及びニトロセルロースの群から形成される1種以上のポリマーを有する材料である。
ポリマー100質量部を基準として、好ましくはこの材料は可塑剤5〜200質量部、好ましくは10〜150質量部を有する。
本発明によるエステル混合物の、ポリ塩化ビニル用の可塑剤としての使用が好ましく、従って、本発明によるエステル混合物及びPVCを有する材料が特に好ましい。
このポリマーは、懸濁PVC、塊状PVC、マイクロ懸濁PVC又はエマルションPVCであるのが好ましい。
好ましい本発明による材料は、本発明によるエステル混合物の他に、少なくとも1種の他の、ポリマーを可塑化する化合物、つまり他の可塑剤を含有することができる。本発明による材料の特に好ましい実施態様は、この材料がフタラート含有化合物を5質量%未満、殊に0.5質量%未満含有する場合に提供される。他の可塑剤は、好ましくは、アジパート、ベンゾアート、例えばモノベンゾアート又はグリコールジベンゾアート、塩素化された炭化水素、シトラート、シクロヘキサンジカルボキシラート、エポキシ化された脂肪酸エステル、エポキシ化された植物油、エポキシ化されアシル化されたグリセリド、フランジカルボキシラート、ホスファート、フタラート(好ましくはできる限り少量で)、スクシナート、スルホンアミド、スルホナート、テレフタラート、トリメリタート、又は、アジピン酸、コハク酸又はセバシン酸を基礎とするオリゴマー又はポリマーのエステルの群から選択される。特に、アルキルベンゾアート、ジアルキルアジパート、グリセリンエステル、クエン酸トリアルキルエステル、アシル化されたクエン酸トリアルキルエステル、トリアルキルトリメリタート、グリコールジベンゾアート、ジアルキルテレフタラート、フランジカルボン酸のエステル、ジアンヒドロヘキシトール(例えばイソソルビット)のジアルカノイルエステル及び1,2−、1,3−又は1,4−シクロヘキサンジカルボン酸のジアルキルエステルが好ましい。
一実施態様の場合に、本発明による材料は、本発明によるエステル混合物の他に、他の可塑剤を20質量%未満、10質量%未満含有するか又は含有せず、ここで、質量%は材料の全質量を基準とする。
本発明による材料は、好ましくはポリマー又は複数のポリマーの混合物及び本発明によるエステル混合物の他に、熱安定剤、充填剤、顔料、発泡剤、殺生物剤、UV安定剤及び光安定剤、補助安定剤、酸化防止剤、粘度調節剤、脱気剤、定着剤、滑剤及び着色剤の群からなる1種以上の添加剤を含有する。
本発明による材料は、接着剤、シーラント、被覆材料、塗料、ペイント、プラスチゾル、フォーム、人工皮革、床材(例えば被覆層)、ルーフィングシート、アンダーボデー保護、布被覆、ケーブル、ワイヤ絶縁、ホース、押出製品、フィルム、自動車内装分野、壁紙、インキ、玩具、コンタクトシート、食品包装又は医療用品、例えばチューブ又は血液バッグにおいて使用することができる。
本発明による混合物は、例えばエステル化法又はエステル交換法により製造することができる。
製造方法I
本発明の一実施態様は、本発明による混合物を、テレフタル酸又はテレフタル酸誘導体の、C5−アルコールとC9−アルコールとのアルコール混合物でのエステル化により製造することにある。
本発明の主題は、テレフタル酸又はテレフタル酸誘導体を、R1OH(R1=5個の炭素原子を有するアルキル基)とR2OH(R2=9個の炭素原子を有するアルキル基)とを有する混合物によってエステル化することによる、本発明によるエステル混合物の製造方法である。好ましく使用されるテレフタル酸誘導体は、ジメチルテレフタラート(DMT)である。
製造方法II
本発明の他の実施態様の場合に、エステルIを、そのエステル官能基の数を基準として1モル当量未満の、9個の炭素原子を有するアルコールと反応させることにより、本発明による混合物が製造される。
本発明の主題は、エステルIを、そのエステル官能基の数を基準として1モル当量未満の、9個の炭素原子を有する1種以上のアルコール(省略して:C9−アルコール)と反応させ、ここで(場合により触媒の存在で)好ましくは加熱沸騰させることによる、本発明によるエステル混合物の製造方法である。
基R1及びR2は、この場合、本発明による混合物について既に上記と同様に定義される。特に、R1は、2−メチルブチル基、3−メチルブチル基、n−ペンチル基及び/又はイソペンチル基を表し、R2は、イソノニル基を表すのが好ましく、ここで、この混合物は、エステルI、II及びIIIの全体を基準として、エステルIIIを、好ましくは80モル%未満、特に70モル%未満、殊に60モル%未満含有する。R1及びR2の異性体分布に関して、更に上述の有利な実施態様も通用する。
この製造方法IIの場合に、前記エステルIを、エステルI内のエステル官能基の全てのアルコール基の完全な交換に必要なものよりも少ないC9−アルコールと反応させる。意外にも、非混合型のエステルI及びIII並びに混合型エステルIIを有する、生じたエステル混合物の組成は、エステルIが存在しかつC9−アルコールが添加される場合、C9−アルコールのアルコール基の完全な組み込みの場合に生じる統計の範囲内で、適切に調節できることが確認された。それに対して、エステル混合物組成の調節は、エステル化又はエステル交換において、導入されるべきアルコール基のアルコール混合物(C5−アルコール+C9−アルコール)を使用する場合又はエステルIIIにC5−アルコールを添加する場合に不可能である。
このように、製造方法IIによって、異なるアルコール基をあらかじめ決定された量分布で含有し、かつ更に含まれるエステルの量分布を、上述の統計の範囲内で適切に調節することができるエステル混合物を提供することが可能である。従って、その組成が、先行技術に記載された制御されない方法により製造されたエステル混合物よりも、統計に基づいて生じるエステル分布からより少なく相違するエステル混合物を提供することができる。
この製造方法IIにより製造された本発明による混合物について、表1中に示された統計的期待値が生じる。
表1:統計的期待値(製造方法II)
エステル混合物中のエステルの統計的考察から生じる量分布からのエステル混合物組成の相違の数値化は、C9−アルコールのアルコール基の完全な組み込みを前提とした場合に生じる統計的期待値と、エステル混合物中の上述のエステルのモル割合の合計が100となる場合について、エステル混合物中のそれぞれ個々のエステルの実際のモル割合との間の差の全ての値の合計により可能である。
製造方法IIによって、例えばジイソペンチルテレフタラート5.5モルと、イソノナノール7.1モルとから、含まれるエステルのモル分布が、統計的期待値から4ポイントだけ相違しかつエステル混合物中のイソペンチル基の割合は、目標とされるイソペンチル割合の1%にまで一致するエステル混合物を適切に提供することができる。
本発明の場合に、製造方法IIにおいて、C9−アルコールを、エステルI中に含まれるエステル官能基の数(1モル当量C5−当量)を基準として1モル当量未満で使用する。好ましくは、エステルIを、そのエステル官能基の数を基準として、0.98モル当量未満、好ましくは0.95モル当量未満、殊に0.90モル当量未満のC9−アルコールと反応させる。エステルIを、そのエステル官能基の数を基準として、0.85モル当量未満、好ましくは0.80モル当量未満、殊に0.75モル当量未満のC9−アルコールと反応させることも好ましい。このように、エステルIIIと比べて明らかに好ましい、つまりより低いゲル化温度を有しかつ同時にエステルIと比べてより低いひいては改善された揮発性を特徴とするエステル混合物が得られる。ポリマー、例えばPVCと特に良好に加工可能なエステル混合物は、エステルIを、そのエステル官能基の数を基準として、0.85モル当量未満、好ましくは0.80モル当量未満、殊に0.75モル当量未満のC9−アルコールと反応させる場合に得られる。
好ましくは、エステルIを、そのエステル官能基の数を基準として、0.05モル当量より多くの、好ましくは0.10モル当量より多くの、殊に0.20モル当量より多くのC9−アルコールと反応させる。多くの場合に、エステルIを、そのエステル官能基の数を基準として、0.25モル当量より多くの、好ましくは0.30モル当量より多くの、殊に0.35モル当量より多くのC9−アルコールと反応させるのが好ましい。これにより、エステル混合物及びポリマーを含有する、特に良好な貯蔵性を有する材料の製造のために適しているエステル混合物を得ることができる。揮発性の領域の特性の更なる改善は、エステルIを、そのエステル官能基の数を基準として、0.70モル当量より多くの、好ましくは0.75モル当量より多くの、殊に0.80モル当量より多くのC9−アルコールと反応させる場合に可能である。
本発明の好ましい主題は、ジペンチルテレフタラートを、そのエステル官能基の数を基準として1モル当量未満のイソノナノールと反応させ、かつこの場合に加熱沸騰させる、エステルの、ジペンチルテレフタラート、ジイソノニルテレフタラート及びペンチル(イソノニル)テレフタラートを有する本発明によるエステル混合物の製造方法である。この場合、ジペンチルテレフタラートを、好ましくは、そのエステル官能基の数を基準として、0.05モル当量より多くであるが0.98モル当量未満の、0.95モル当量未満の、0.90モル当量未満の、0.85モル当量未満の、0.80モル当量未満の、0.75モル当量未満の、0.70モル当量未満の又は0.65モル当量未満のアルコールのイソノナノールと反応させ、かつこの場合に加熱沸騰させる。好ましくは、この場合、このペンチル基とイソノニル基とは、本発明による混合物について上述に説明した異性体組成を示す。
製造方法IIの反応から生じるエステル混合物の組成の調節性を改善するために、反応混合物はこの反応の間に、好ましくは、C5−アルコールでなくかつC9−アルコールでもないアルコールを0.5モル当量未満、好ましくは0.1モル当量未満、特に好ましくは0.05モル当量未満、殊に0.01モル当量未満含有し、ここでこのモル当量は反応混合物中に含まれる全てのアルコールの全体(1モル当量に相当)を基準とする。
製造されるべきエステル混合物の所望の組成は、エステルI及びC9−アルコールを含む本発明による方法で使用された成分が、エステルIとC9−アルコールとの反応の出発材料、最終生成物又は中間生成物でない成分を50体積%未満、好ましくは35体積%未満、殊に20体積%未満、更に好ましくは10体積%未満含む場合に、特に良好に調節でき、かつこの方法生成物はより僅かな後処理コストで可塑剤又は可塑剤成分に直接利用できる。殊に、エステルI及びC9−アルコールを含む、この方法で使用される成分は、エステル交換の調節性を脅かさないために、酸基含有のテレフタル酸誘導体を、好ましくは15質量%未満、更に好ましくは10質量%未満、殊に5質量%未満含有するのが好ましい。
溶剤として、製造方法IIにおいて、例えばトルエン、キシレン、ベンゼン、シクロヘキサン又はC5−アルコールを、好ましくは、全体の反応混合物を基準としてそれぞれ、最大50体積%まで、好ましくは最大35体積%まで、殊に最大20体積%までの量で使用することができる。しかしながら、好ましくは、C5−アルコールではないこの溶剤の割合は、全体の反応混合物に対してそれぞれ30体積%未満、好ましくは15体積%未満、殊に1体積%未満である。
好ましい実施態様の場合に、製造方法IIは、エステルI、II及びIIIのモル比が、C9−アルコール基の完全な組み込みを前提とした場合に生じる統計的に算出された期待値から15ポイント未満、好ましくは10ポイント未満で相違する本発明による混合物の提供を可能にし、ここで、このポイント値は、エステル混合物中の上述のエステルのモル割合の合計が100となる場合について、エステル混合物中のそれぞれの個々のエステルの、統計的期待値と実際のモル割合との差の全ての値の合計の総和に相当する。
製造方法II及び次の更に詳説する製造方法IIIは、好ましくは1種の触媒又は複数の触媒の存在で、例えば触媒としてブレンステッド酸又はルイス酸又はブレンステッド塩基又はルイス塩基の使用下で実施される。硫酸、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、金属又はその化合物が、特に適した触媒であることが判明した。特に好ましい金属触媒の例は、スズ粉末、酸化スズ(II)、シュウ酸スズ(II)、チタン酸エステル、例えばオルトチタン酸テトライソプロピル又はオルトチタン酸テトラブチル並びにジルコニウムエステル、例えばジルコン酸テトラブチル並びにナトリウムメタノラート及びカリウムメタノラートである。
製造方法IIは、当業者に公知の、典型的なエステル化装置中で、通常の方法条件下で実施することができる。好ましくは、この方法は、C5−アルコールの沸点で又はその沸点を超える温度で行われるので、反応の際に生成されるC5−アルコールは所定の圧力で反応混合物から留去することができる。気相中に存在するC9−アルコールの定量的な返送を保証するために、このエステル化装置は、好ましくは塔を備えているのが好ましい。「定量的」の概念には、この関連で、使用されたC9−アルコールの量を基準として、80モル%超、好ましくは90モル%超、殊に95モル%超であると解釈される。
この方法の特に好ましい実施態様の場合に、この方法の経過で生成されるC5−アルコールの50モル%より多く、好ましくは60モル%より多く、特に70モル%より多く、特に好ましくは80モル%より多く、好ましくは90モル%より多く、特に好ましくは95モル%より多く、殊に99モル%より多くが、この方法の間に、好ましくは蒸留によって、この反応容器から除去される。
好ましくは、この反応の間に、規則的な間隔でGCクロマトグラムを作製し、反応の進行を監視する。好ましくは、GCクロマトグラム中で、使用されたC9−アルコールの残留量が、GCクロマトグラム中の全てのエステルの総面積を基準として、5.0面積%未満、好ましくは2面積%未満、特に好ましくは1.0面積%未満、殊に0.5面積%未満であることが確認された後に、この反応を、冷却及び/又は触媒の分解、例えば水及び/又は塩基の添加により中断する。
この方法の経過において生成されるC5−アルコールの60モル%より多く、好ましくは70モル%より多く、特に好ましくは80モル%より多く、好ましくは90モル%より多く、殊に95モル%より多くが反応容器から除去された後に触媒を分解するのが特に好ましい。この場合、この触媒の分解は、好ましくは、反応制御によって、少なくとも90%の反応の進行が確認された後に、例えば反応の進行を制御するGCクロマトグラム中で、使用されたC9−アルコールの残留量が、GCクロマトグラム中の全てのエステルの総面積を基準として、5.0面積%未満、好ましくは2.0面積%未満、殊に1.0面積%未満であることが確認されることによって、行われる。
この反応の完了後に、この反応混合物を通常の方法様式で後処理する。
本発明の好ましい主題は、エステルI、II及びIIIを含む本発明によるエステル混合物の製造方法において、このエステルIを、そのエステル官能基の数を基準として1モル当量未満の、9個の炭素原子を有する1種のアルコール又は数種のアルコールと、好ましくは触媒の存在で反応させ、この際に加熱沸騰させ、ここで、この方法の経過において生成されるC5−アルコールの80モル%より多く、好ましくは90モル%より多く、殊に95モル%より多くを、この方法の間に、好ましくは蒸留により、反応容器から除去する、本発明によるエステル混合物の製造方法である。
この場合、好ましくは、エステルI、II及びIIIのモル比は、C9−アルコール基の完全な組み込みを前提とした場合に生じる統計的に算出された期待値から15ポイント未満、好ましくは10ポイント未満相違し、ここでこのポイント値は、エステル混合物中の上述のエステルのモル割合の合計が100となる場合について、エステル混合物中のそれぞれの個々のエステルの、統計的期待値と実際のモル割合との差の全ての値の合計に相当する。
製造方法III
本発明の他の実施態様の場合に、本発明による混合物は、テレフタル酸又はテレフタル酸誘導体をC5−アルコールとC9−アルコールとの混合物と反応させ、ここで、C5ーアルコールは過剰量で使用し、しかしながらC9−アルコールは、製造されるべき本発明によるエステル混合物中のC9−エステル基の量に相当する量で使用することにより製造される。
本発明の主題は、基RのアルコールROHが所定の圧力で、基R1のアルコールR1OHの同じ圧力での沸点よりも高い沸点を有するような基Rを有するエステル基COORを有しないテレフタル酸又はその誘導体を、量(m1+s1)のR1OH及び量m2のR2OHと反応させ、ここで、この反応混合物は加熱沸騰され、かつ、
1及びm2は、テレフタル酸又はその誘導体に導入されるべきアルコール基OR1(C5ーアルコール基)及びOR2(C9−アルコール基)のモル当量に相当し、かつ
1は、0より大である、
テレフタル酸エステルI、II及びIIIを含む本発明によるエステル混合物の製造方法である。
好ましくは、この製造方法III中で、テレフタル酸誘導体のジメチルテレフタラート(DMT)を使用する。
既に本発明による混合物について記載したように、R1は、この場合、2−メチルブチル基、3−メチルブチル基及び/又はn−ペンチル基を表す。特に好ましくは、式I、II及びIII中のR1は、イソペンチル基を表し、ここで、イソペンチル基の概念は、上記の定義のように、複数の異性体のペンチル基の混合型を示す。R2は、好ましくはノニル基、n−ノニル基又は複数の異性体のノニル基の混合型(イソノニル基といわれる)を表す。ここで、この場合に、このペンチル基とイソノニル基は、好ましくは更に本発明による混合物について上述に説明した異性体組成を示す。特に、R1は、2−メチルブチル基、3−メチルブチル基、n−ペンチル基及び/又はイソペンチル基を表し、R2は、イソノニル基を表すのが好ましく、ここで、この混合物は、エステルI、II及びIIIの全体を基準として、エステルIIIを、80モル%未満、好ましくは70モル%未満、殊に60モル%未満含有する。
一実施態様の場合に、この製造方法III中で、テレフタル酸がエステルI、II及びIIIにエステル化される。
他の実施態様の場合に、この製造方法III中で、テレフタル酸ジエステルがエステルI、II及びIIIにエステル交換される。この場合、ジエステルのアルコールROHは、所定の圧力で、同じ圧力での1種以上のC5−アルコールよりも低い沸点を有する。
好ましくは、製造方法IIIの進行においてテレフタル酸又はその誘導体に導入されたアルコール基は、少なくとも95モル%、好ましくは少なくとも98モル%、特に好ましくは99モル%、殊に100モル%が、エステル官能基の部分になる。
製造方法III中で、テレフタル酸又はその誘導体を、C5−アルコールとC9−アルコールとの混合物と反応させる。意外にも、非混合型のエステルI及びIII並びに混合型エステルIIを有する、生じるエステル混合物の組成は、C5−アルコールを、テレフタル酸又はその誘導体中へ導入されるべきC5−アルコール基に対して過剰量で使用するが、使用されるC9−アルコールの量は、導入されるべきC9−アルコール基の量に相当する場合に、C9−アルコール基の完全な組み込みの場合に生じる統計の範囲内で、適切に調節できることが見出された。それに対して、エステル化又はエステル交換において、導入されるべきアルコール基を基準として過剰量のC5−アルコールとC9−アルコールとの混合物を使用するか、又はテレフタル酸又はその誘導体をC5−アルコールとC9−アルコールとの混合物と反応させ、ここで、C9−アルコールを、テレフタル酸又はその誘導体中に導入されるべきC9−アルコール基に対して過剰量で使用する場合には、エステル混合物組成の調節は不可能である。
このように、製造方法IIIによって、異なるアルコール基をあらかじめ決定された量分布で含有し、かつ更に含まれるエステルの量分布を、上述の統計の範囲内で適切に調節することができるエステル混合物を提供することが可能である。従って、その組成が、先行技術に記載された制御されない方法により製造されたエステル混合物よりも、統計に基づいて生じるエステル分布からより少なく相違するエステル混合物を提供することができる。
x=1で、エステル混合物−組成の表1に記載された統計的期待値が生じる。
表2:統計的期待値(製造方法III)
エステル混合物中のエステルの統計的考察から生じる量分布からのエステル混合物組成の相違の数値化は、C9−アルコール基の完全な組み込みを前提とした場合に生じる統計的期待値と、エステル混合物中の上述のエステルのモル割合の合計が100となる場合について、エステル混合物中のそれぞれ個々のエステルの実際のモル割合との間の差の全ての値の合計により可能である。
本発明による方法によって、例えばジメチルテレフタラート5モルと、イソペンタノール3.5モルと、イソノナノール9モルとから、含まれるエステルのモル分布が、統計的期待値から1ポイントだけ相違しかつエステル混合物中のペンチル基の割合は、目標とされるペンチル割合の0.3%にまで一致するエステル混合物を提供することができる。
好ましくは、製造方法IIIにおいて、C5−アルコール及びC9−アルコールを、m1対m2の比率(m1:m2)が1:9〜9:1の範囲内、好ましくは2:8〜8:2の範囲内、特に好ましくは3:7〜7:3の範囲内、殊に4:6〜6:4の範囲内にあるような比率で相互に使用する。C5−アルコールとC9−アルコールとを、1.5:8.5の比の値より大きく(im einem Verhaeltnis m1:m2 groesser 1,5:8,5)、好ましくは2:8の比の値より大きく、特に2.5:7.5の比の値より大きいm1:m2の比率で使用する場合、エステルIIIと比較して明らかに好ましい、つまりより低いゲル化温度を有し、かつ同時にエステルIと比較してより低い、つまり改善された揮発性を特徴とするエステル混合物を得ることができる。特に、ポリマー、例えばPVCと良好に加工できるエステル混合物は、C5−アルコール及びC9−アルコールを、1.5:8.5の比の値よりも大きい、好ましくは2:8の比の値よりも大きい、殊に2.5:7.5の比の値よりも大きいm1:m2の比率で使用する場合に得ることができる。良好な貯蔵性を有するエステル混合物及びポリマーを含有する材料の製造のために適したエステル混合物は、C5−アルコールとC9−アルコールとを、8:2の比の値より小さい、好ましくは7.5:2.5の比の値より小さい、特に7:3の比の値よりも小さいm1:m2の比率で使用する場合に得ることができる。揮発性の範囲での特性の更なる改善は、C5−アルコールとC9−アルコールとを、4:6の比の値より小さい、好ましくは3.5:6.5の比の値より小さい、殊に3:7の比の値より小さいm1:m2の比率で使用する場合に可能である。これらの全ての比率の生成の際に、C5−アルコールの「過剰量」s1は考慮されない。
テレフタル酸又はその誘導体に導入されるべきC5−アルコール官能基の量m1を超える、C5−アルコールの量s1は、製造方法IIIにおいて溶剤として作用することができる。この方法中で水が生成される場合、C5−アルコールの量s1は、好ましくは、C5−アルコールと共沸混合物として留去することができる、水のための共沸剤として作用する。この量s1は、好ましくはm1+m2よりも小さく、特に好ましくは、0.6・(m1+m2)よりも小さく、好ましくは0.5・(m1+m2)よりも小さく、特に好ましくは0.4・(m1+m2)よりも小さく、更に好ましくは0.3・(m1+m2)よりも小さく、殊に0.25・(m1+m2)よりも小さい。この量s1が0.05・(m1+m2)よりも大きい、好ましくは0.10・(m1+m2)よりも大きい、特に好ましくは0.15・(m1+m2)よりも大きい、特に0.20・(m1+m2)よりも大きい場合には、これは、製造方法IIIの好ましい実施態様である。好ましくは、この量s1は、(m1+m2)より小さく、好ましくは0.6・(m1+m2)より小さく、特に好ましくは0.5・(m1+m2)より小さく、殊に0.4・(m1+m2)より小さく、かつ同時に好ましくは0.05・(m1+m2)より大きく、特に好ましくは0.10・(m1+m2)より大きく、殊に0.15・(m1+m2)より大きい。
本発明の好ましい主題は、基RのアルコールROHが、所定の圧力で、同じ圧力でのペンタノールよりも高い沸点を有するような基Rを有するエステル基COORを有しないテレフタル酸又はその誘導体を、量(m1+s1)のペンタノール及び量m2のイソノナノールと反応させ、ここで、この反応混合物は加熱沸騰され、かつ
1及びm2は、テレフタル酸又はその誘導体中に導入されるべき、ペンタノール及びイソペンタノールのアルコール基のモル当量に相当し、かつ
1は、0より大であり、特に(m1+m2)の0.05〜0.60倍である、
ジペンチルテレフタラート、ジイソノニルテレフタラート及びペンチル(イソノニル)テレフタラートを有する本発明による混合物の製造方法である。
好ましくは、この場合、このペンチル基とイソノニル基とは、本発明による混合物について上述に説明した異性体組成を示す。
本発明による方法において、好ましくは、C9−アルコールは過剰量で使用されず、テレフタル酸又はその誘導体中に組み込まれるべきC9−アルコール基の量、特にテレフタル酸又はその誘導体中にエステル官能基の一部として組み込まれるべきC9−アルコール基の量に相当するC9−アルコールの量が使用されるだけである。「過剰量でない」(過剰量で使用されない)とは、ここでは、C9−アルコールの使用される量の数値を基準として、好ましくは0.2モル当量未満、好ましくは0.1モル当量未満、殊に0.05モル当量未満のC9−アルコールがエステル官能基に組み込まれないことを意味する。従って、本発明による方法において使用されたC9−アルコールの好ましくは少なくとも0.8モル当量、特に少なくとも0.9モル当量、殊に少なくとも0.95モル当量は、C9−アルコール基としてテレフタル酸又はその誘導体に導入される。
製造されるべきエステル混合物の所望の組成は、テレフタル酸又はその誘導体及びC5−アルコールとC9−アルコールとの混合物を含む本発明による方法で使用された成分が、テレフタル酸又はその誘導体とC5−アルコール及びC9−アルコールとの反応の出発材料、最終生成物及び中間生成物ではない成分を、50体積%未満、好ましくは35体積%未満、殊に20体積%未満、更に好ましくは10体積%未満含む場合に、特に良好に調節でき、かつこの方法生成物はより僅かな後処理コストで可塑剤又は可塑剤成分に直接利用できる。この量の記載にはC5−アルコールの量s1は含まれない。しかしながら、この量には、C5−アルコール又はC9−アルコールではない全てのアルコールが含まれる。製造方法IIの反応から生じるエステル混合物の組成の調節性を改善するために、反応混合物をこの反応の間に、好ましくは、C5−アルコールでなくかつC9−アルコールでもないアルコールを0.5モル当量未満、好ましくは0.1モル当量未満、特に好ましくは0.05モル当量未満、殊に0.01モル当量未満含有し、ここでこのモル当量は反応混合物中に含まれる全てのアルコールの全体(1モル当量に相当)を基準とする。
好ましい実施態様の場合に、製造方法IIIは、エステルI、II及びIIIのモル比が、C9−アルコール基の完全な組み込みを前提とした場合に生じる統計的に算出された期待値から15ポイント未満、好ましくは10ポイント未満で相違する本発明による混合物の提供を可能にし、ここで、このポイント値は、エステル混合物中の上述のエステルのモル割合の合計が100となる場合について、エステル混合物中のそれぞれの個々のエステルの、統計的期待値と実際のモル割合との差の全ての値の合計に一致する。
製造方法IIIは、当業者に公知の、典型的なエステル化装置中で、通常の方法条件下で実施することができる。好ましくは、この方法は、C5−アルコールの沸点、水の沸点及び/又はC5−アルコールと水とから生成される共沸混合物の沸点で又はそれらの沸点を超える温度で行われるので、所定の圧力でのC5−アルコールの過剰量s1を反応混合物から留去することができる。製造方法IIIから生じるエステル混合物の組成の調節性の更なる改善は、この方法を、塔を備えた装置中で実施する場合に達成される。この装置は、好ましくは、反応の間に気相中に存在するC9−アルコールをできる限り定量的に反応容器内へ返送することを保証する。「定量的」の概念には、この関連で、80モル%超、好ましくは90モル%超、殊に95モル%超であると解釈される。
好ましくは、この反応の際に生成される水は反応空間から除去される。好ましくは、この場合、C5−アルコールが共沸剤として用いられる。場合により、本発明による方法において、他の共沸剤、例えばシクロヘキサン、トルエン、ベンゼン又はキシレンを使用することができる。
本発明による方法を実施するために必要な時間の短縮は、両方のアルコールのR1OHとR2OHとを同時に使用するのではなく、アルコールR1OHの少なくとも一部をアルコールR2OHよりも遅くテレフタル酸又はその誘導体に添加する場合に可能である。従って、好ましくは、アルコールR1OHの少なくとも一部は、アルコールR2OHよりも遅くテレフタル酸又はその誘導体と反応する。好ましくは、テレフタル酸(又はその誘導体)を、アルコールR2OH及び場合により触媒と並びにR1OHの一部と共に加熱沸騰させ、アルコールR1OHの残りの部分を、後の時点で初めてこの反応混合物に添加する。
好ましくは、この反応の間に、規則的な間隔でGCクロマトグラムを作製するか又は酸価を測定して、反応の進行を監視する。好ましくは、この反応は、GCクロマトグラムで、使用されたテレフタル酸又はそれぞれ使用された酸誘導体の残留含有率が所定の値を下回った後に、冷却及び/又は触媒の分解、例えば水及び/又は塩基の添加による触媒の分解により中断される。本発明による方法においてテレフタル酸を使用する場合、この反応は、好ましくは、反応混合物の酸価が、反応混合物1g当たり、1.00mg KOHの値を、殊に0.50mg KOHの値を下回った後に中断される。酸価は、DIN EN ISO 2114により測定することができる。本発明による方法において、テレフタル酸誘導体、例えばテレフタル酸ジメチルエステルを使用する場合に、ほぼ完全に進行した反応の境界点として、使用された成分自体の含有率又は中間生成物の含有率、例えばジメチルエステルを使用した場合には反応混合物内の全てのモノメチルエステルの含有率を、好ましくはGCにより測定することができる。好ましくは、この反応を、GCクロマトグラム中で、使用されたテレフタル酸又は使用されたテレフタル酸誘導体、又は中間生成物、例えばモノメチルエステルの残留含有率が、GCクロマトグラム中の全てのエステルの全面積を基準として5.0面積%未満、好ましくは2.0面積%未満、殊に1.0面積%未満であることが確認された後に、冷却及び/又は触媒の分解により中断される。
製造方法IIIの特に好ましくい実施態様の場合に触媒を使用し、この触媒を、反応混合物中でC5−アルコールの含有率が、全体の反応混合物の体積を基準として、15体積%未満、好ましくは10体積%未満、殊に5体積%未満に低下した後に分解する。特に好ましくは、この場合に、C5−アルコールの含有率を、好ましくは留去により、全体の反応混合物の体積を基準として、3体積%未満、殊に1体積%未満に低下させる。本発明による方法の特に好ましい実施態様は、この方法において触媒を使用し、この触媒を、反応混合物中でC5−アルコールの含有率が、C5−アルコールの過剰量s1を基準として、20モル%未満、好ましくは15モル%未満、特に10モル%未満、殊に5モル%未満に低下した後に分解する場合に提供される。この場合、触媒の分解は、好ましくは、反応制御によって、少なくとも90%の反応の進行が確認された後に、例えば反応の進行を制御するGCクロマトグラム中で、使用したテレフタル酸又は使用したこの酸の誘導体又は中間生成物、例えばモノメチルエステルの残留含有率が、GCクロマトグラム中での全てのエステルの全面積を基準として、5.0面積%未満、殊に1.0面積%未満であることが確認されるか又は所定の酸価を下回ることにより確認された後に行われる。C5−アルコールの含有率の低下により、本発明による方法の改善された調節性は、統計的期待値から特に僅かに相違するエステル混合物を達成する。
本発明の好ましい主題は、基RのアルコールROHが、所定の圧力で、基R1のアルコールR1OHよりも同じ圧力で高い沸点を有するような基Rを有するエステル基COORを有しないテレフタル酸又はその誘導体を、量(m1+s1)のR1OH及び量m2のR2OHと反応させ、ここで、
− 反応混合物を加熱沸騰させ、
− 好ましくはこの反応を、少なくとも90%の反応の進行を確認した後、例えば、反応混合物の酸価が、反応混合物1g当たり1.00mg KOHの値、殊に反応混合物1g当たり0.50mg KOHの値を下回ることにより、又はGCクロマトグラムにおいて、反応の間に使用した成分又は生成されかつ反応の間に消費される中間生成物の残留含有率が、GCクロマトグラム中の全てのエステルの全面積を基準として5.0面積%未満、特に1.0面積%未満であることにより確認された後に、中断し、
− 本発明による方法において使用されたアルコールR2OHの好ましくは、少なくとも0.8モル当量、特に少なくとも0.9モル当量、殊に少なくとも0.95モル当量が、OR2基として、テレフタル酸又はその誘導体中に導入され、
− 触媒を使用し、かつ反応混合物中でR1OHの含有率が、アルコールR1OHの過剰量s1を基準として、20モル%未満、好ましくは15モル%未満、特に10モル%未満、殊に5モル%未満に低下した後に、この触媒を分解し、
− 及び、ここで、
1及びm2は、テレフタル酸又はその誘導体中に導入されるべきOR1−アルコール基及びOR2−アルコール基のモル当量に相当し、かつ
1は、0より大であり、特に(m1+m2)の0.01〜0.60倍である、
本発明によるエステル混合物の製造方法である。
この場合、R2は、好ましくは、イソノニルを表し、かつ好ましくは、更に、エステルI、II及びIIIのモル比は、イソノニル−アルコール基の完全な組み込みを前提とした場合に生じる、統計的に算出された期待値から、15ポイント未満、好ましくは10ポイント未満相違し、ここで、このポイント値は、エステル混合物中の上記のエステルのモル割合の合計が100になる場合について、エステル混合物中のそれぞれ個々のエステルの、統計的期待値と実際のモル割合との差の全ての値の合計に相当する。
本発明の主題は、更に、エステル混合物中のエステルの量分布を制御することによる、エステル混合物の加工のために重要な特性及び/又は適用のために重要な特性を調節するための、製造方法II及びIIIの使用である。製造方法IIにおいてC9−アルコールの使用量の選択によるか又は製造方法IIIにおいてm1:m2比率の選択による、可塑剤の範囲内で加工のために重要な及び適用のために重要ないくつかの特性の影響についての例は、上述の文中に説明されている。
本発明の特に好ましい主題は、エステル混合物中のエステルの量分布の制御による、テレフタル酸エステル混合物を含有するプラスチゾルのゲル化温度の調節のため、及び/又は、テレフタル酸エステル混合物を含有する試験体の揮発性の調節のための、製造方法II及びIIIの使用である。図1には、含まれるエステルの多様な量分布を有する本発明によるエステル混合物について、プラスチゾルのゲル化温度が、同じエステル混合物を含むフィルムの付随する揮発性に対してプロットされている。この図面から、本発明による多様な混合物の生成物(プラスチゾル又はフィルム)が互いに相違するゲル化温度及び揮発性を有し、かつ当業者は、加工のため及び/又は適用のために必要なゲル化温度及び揮発性に応じて、エステル混合物の適切な組成を選択できることは明らかである。同様のことが、他の特性、例えば、特に実験の部において記載された試験によって決定可能な、エステル混合物のポリマーとの相溶性、可塑剤の効率を示すショア硬度、相応するプラスチゾルの貯蔵による粘度の変化、又は相応するプラスチゾルの水貯蔵での質量変化についても通用する。本発明による方法は、当業者に、所望の特性を有するエステル混合物を適切に製造できることを可能にする、というのも、本発明による方法によって、エステル混合物中のエステルの量の分布を適切に調節できるためである。
多様な組成のエステル混合物についてのゲル化温度を揮発性に対してプロットした図(データ点には、それぞれのエステル混合物のジイソペンチルテレフタラート:イソペンチル(イソノニル)テレフタラート:ジイソノニルテレフタラートの付随するモル比が示されている)。 本発明によるエステル混合物及び比較物質についてのゲル化温度の揮発性に対する対比を示す図。
実験の部:
アルコールの沸点範囲:
この実施例中で使用されたアルコール、又は実施例中に使用されたエステルの合成のために使用されたアルコールは次の沸点範囲を有している:
イソノナノール(Evonik Industries AG、純度>99%):1013hPaで、205〜215℃;
イソペンタノール(n−ペンタノール(Sigma Aldrich、純度>99%)及び2−メチルブタノール(Sigma Aldrich、純度>99%)のモル比1:1の混合物):1013hPaで、129〜138℃
酸価:
酸価は、DIN EN ISO 2114に準拠して決定した。
GC分析:
GC分析は、次のパラメータで行った:
キャピラリーカラム:30m DB5;0.25mm ID;0.25μm フィルム
キャリアガス:ヘリウム
カラムフィード圧:80kPa
スプリット:約23.8ml/min
炉温度プログラム(時間:51min):50℃(1min間)、7.5℃/minで350℃にまで加熱(この温度を1分間保持)
インジェクター:350℃
検出器(FID):400℃
注入体積:1.0μl。
試料のクロマトグラム中の成分の同定は、適切なエステルの比較溶液によって行った。引き続き、試料のクロマトグラム中の信号の標準化を100面積%に対して行った。この材料の量比は、個々の信号の面積割合から十分な近似で決定された。
この純度は、クロマトグラム中の全面積に関する生成物信号の割合に関して決定した。
実施例1(本発明による):
製造方法IIIによるジメチルテレフタラートの、イソペンタノール及びイソノナノールによるエステル交換(13:46:41)
撹拌機、浸漬管、温度計を備えた撹拌フラスコと、装着された蒸留塔頂部を備えた20cmのラッシッヒリング塔とを有するエステル交換装置中に、ジメチルテレフタラート(Sigma Aldrich、純度>99%)(mb)及びアルコールR1OH(m1+s1)及びR2OH(m2)を装填した。この装置を、少なくとも1時間窒素(6l/h)で浸漬管を介してパージした。引き続き、テレフタル酸エステルの質量を基準として0.25質量%のテトラ−n−ブチルチタナート(Sigma Aldrich、純度>97%)を添加した。この混合物を、引き続き、加熱沸騰させ、低沸点成分を留去した。塔頂温度が急激に上昇する場合には、この蒸留を、排出コックの閉鎖により中断し、かつこの反応を安定な沸騰温度が生じるまで還流で放置した。反応の間に、塔底温度はT1からT2に上昇した。この反応の間に、GCクロマトグラムを毎時に作製した。GCクロマトグラム中の全てのエステルの全面積を基準としてこの中で0.5面積%未満のモノメチルエステルの残留含有率が確認されたらすぐに、反応混合物の残留する易揮発性成分を、真空(約1mbar)下で、T3の塔底温度で留去して、アルコールR1OHの残留含有率を、アルコールR1OHの過剰量s1(GCによる)を基準として5モル%未満にした。引き続き、このフラスコ内容物を、加熱を止め、20mbarで窒素の導通により約80℃にまで冷却した。このフラスコ内容物から酸価を決定した。この結果に応じて、3倍の化学量論量の塩基(10%のNaOH水溶液)をゆっくりと滴加することによりこの反応媒体を中和し、窒素の導通(6l/h)下で15分間80℃で撹拌した。引き続き、このバッチを、周囲圧力から約1mbarまでゆっくりと排気し、その後で約120℃に加熱し、かつ一定の温度で残留する揮発性成分を窒素の導通によって分離した。この窒素流は、この圧力が20mbarを上回らないように調節する。GC分析による残留アルコール含有率が、0.025面積%未満になったらすぐに、加熱を止め、真空下でかつ窒素の導通下で80℃に冷却した。この温度で、生成物を濾紙及び濾過助剤(Perlite タイプD14)からなるあらかじめ圧縮されたフィルターケークを備えたブフナー漏斗を介して真空で吸引フラスコ中へ濾過した。この濾液に関してGC分析を実施し、これにより、生成物の純度(R)及び組成を分析した。
表3:実施例1についての測定値及び計算値(製造方法III)
後処理したエステル混合物13:46:41(C5/C9 TM 13:46:41)1270gが得られた。
実施例2(本発明による):
製造方法IIIによるジメチルテレフタラートの、イソペンタノール及びイソノナノールによるエステル交換(1:19:81)
実施例2は、実施例1に記載されたと同様に実施する。
表4:実施例2についての測定値及び計算値(製造方法III)
後処理したエステル混合物1:19:81 1902gが得られた。
実施例3(本発明による):
製造方法IIによるジイソペンチルテレフタラートの、イソノナノールによるエステル交換(11:45:44)
実施例3を、実施例1に記載されたように実施するが、出発物質として、イソペンタノール、イソノナノール及びジメチルテレフタラートの代わりに、ジイソペンチルテレフタラート(量mEでのエステルI)及びイソノナノール(量mR2)を、記載された触媒を(記載された触媒量で)使用した。毎時で記録したGCクロマトグラムで、全てのテレフタル酸エステルの全面積を基準として0.5面積%未満のイソノナノールの残留含有率が確認され、かつ、残留する易揮発性成分が真空下(約1mbar)で、イソペンタノールの残留含有率が、反応時に生成されたイソペンタノールの全体量を基準として5モル%未満になるまで(イソノニル−アルコール基含有のテレフタル酸エステルを基準としてGCでの面積%によって算定)留去されたらすぐに、この反応を冷却により中止した。
表5:実施例3についての測定値及び計算値(製造方法II)
後処理したエステル混合物11:45:44 2102gが得られた。
実施例4(本発明による):
製造方法IIIによるジメチルテレフタラートの、イソペンタノール及びイソノナノールによるエステル交換(97:3:0)
実施例4は、実施例1に記載されたと同様に実施する。
表6:実施例4についての測定値及び計算値(製造方法III)
後処理したエステル混合物97:3:0 652gが得られた。
実施例5(本発明による):
製造方法IIIによるジメチルテレフタラートの、イソペンタノール及びイソノナノールによるエステル交換(24:51:25)
実施例5は、実施例1に記載されたと同様に実施する。
表7:実施例5についての測定値及び計算値(製造方法III)
後処理されたエステル混合物24:51:25(C5/C9 TM 24:51:25)1254gが得られた。
実施例6(本発明による):
製造方法IIIによるジメチルテレフタラートの、イソペンタノール及びイソノナノールによるエステル交換(44:45:11)
実施例6は、実施例1に記載されたと同様に実施する。
表8:実施例6についての測定値及び計算値(製造方法III)
後処理されたエステル混合物44:45:11(C5/C9 TM 44:45:11)1174gが得られた。
実施例7(本発明による):
ジメチルテレフタラートのペンタノール及びイソノナノールによるエステル交換(3:27:70)
実施例7は、実施例1に記載されたと同様に実施する。GCにより3:27:70(C5/C9 TM 3:27:70)の(C5/C5):(C5/C9):(C9/C9)の組成のエステル混合物が得られた。
本発明による混合物と本発明によらない混合物との、加工のために重要な特性及び適用のために重要な特性の対比
表9に記載されたような基R1及びR2の定義を有する、式I、II及びIIIのテレフタル酸エステルを含む次の混合物を調査した。
混合型エステルを有する混合物(以後、「TM」と省略する)を、実施例1で説明されたように、しかし相応するアルコールを用いて製造した。次のアルコールを使用した:
エチルヘキサノール:Sigma Aldrich社の2−エチルヘキサノール、純度>99%
ブタノール:Sigma Aldrich社のn−ブタノール、純度>99%
プロピルヘプタノール:Evonik Industries社の2−プロピルヘプタノール、C10−アルコールの含有率>99%
トリデカノール:Sasol社のイソトリデカノール Marlipal O13、純度>99% C13−アルコール。
混合型エステル不含の混合物(以後、「ブレンド」と省略する)を、それぞれのテレフタラートのブレンドにより製造した。次のテレフタラートを使用した:
DINT:ジメチルテレフタラート(Sigma Aldrich、純度>99%)とイソノナノールとの反応(実験の部の最初に記載されたように)により製造
DPT:ジメチルテレフタラート(Sigma Aldrich、純度>99%)とイソペンタノールとの反応(実験の部の最初に記載されたように)により製造
DEHT:Eastman 168、Eastman社、エステル含有率>99%;
ジブチルテレフタラート:ジ(n−ブチル)テレフタラート Eastman DBT、Eastman社、エステル含有率>99%。
表9:調査したテレフタル酸エステル混合物(以後、「表9からのそれぞれの可塑剤」と記載する)
実施例8:
混合物のプラスチゾルの製造
例えば床材用の上塗フィルムを製造するために使用されるPVCプラスチゾルを製造した。プラスチゾル配合中の数値は、それぞれ質量部である。ポリマー組成の配合は、表10に記載されている。
表10: プラスチゾル配合
このエステル混合物を、添加の前に25℃に温度調節した。まず、液状の成分を、次いで粉末状の成分をPEビーカーに計量して入れた。この混合物を、軟膏用スパチュラを用いて、濡れていない粉末がもはや存在しなくなるように手で撹拌した。この混合ビーカーをディソルバー撹拌機のクランプ装置に挟み込んだ。この混合物中に撹拌機を浸す前に、回転数を1800rpmに設定した。撹拌機のスイッチを入れた後に、温度センサのデジタル表示の温度が30.0℃に達するまで撹拌した。これによりプラスチゾルの均質化が定義されたエネルギー導入で達成されることが保証された。その後に、このプラスチゾルをすぐに更なる調査のために、空気調和庫中で25.0℃に温度調節した。
実施例9:
プラスチゾルのゲル化温度
プラスチゾルのゲル化挙動の調査を、Physica MCR 101を用いて、剪断応力調節して運転されるプレート−プレート測定システム(PP25)を備えた振動モード中で行った。均等な熱分布及び均一な試料温度を達成するために、付加的な温度調節フードをこの機器に接続した。
次のパラメータを設定した:
モード:温度勾配
開始温度:25℃
終了温度:180℃
加熱/冷却速度: 5℃/min
振動周波数:4〜0.1Hz 対数ランプ
角周波数オメガ:10 1/s
測定点の数:63
測定点時間:0.5min
ギャップ自動調節F:0N
一定の測定点時間
ギャップ幅 0.5mm
測定の実施:
下方の測定システムプレート上に、スパチュラで数グラムの測定されるべきプラスチゾルを気泡不含で塗布した。この場合に、この測定システムの衝突の後に若干のプラスチゾルが均質にこの測定システムからはみ出す(周りに6mm以下で)ことができることを留意した。引き続き、温度調節フードを試料上方に位置決めし、測定を開始した。このプラスチゾルのいわゆる複素粘度は、24時間後に温度に依存して決定した(Memmert社の温度調節庫中で25℃でプラスチゾルを貯蔵)。
ゲル化のための尺度とみなしたのは、複素粘度の明らかな上昇であった。比較値として、1000Pa・sのプラスチゾル粘度に達する際の温度を使用した。
表11:24時間後のプラスチゾルのゲル化、103Pa・sのプラスチゾル粘度に達する際の温度(℃)(省略して:ゲル化温度)
図1には、本発明によるエステル混合物について、表11からのプラスチゾルのゲル化温度が、同じエステル混合物を含むフィルム(実施例11、表12から)の付随する揮発性に対してプロットされている。
実施例10:
エステル混合物のフィルムの製造
実施例8で製造されたプラスチゾルを、1mmの厚さのフィルムにそれぞれ加工した。
このために、まず、高光沢剥離紙(Sappi社、イタリア国)を30×44cmのサイズに切断し、Mathis炉用の塗工装置LTSVの張り枠に設置した。その後、この張り枠をガイド枠に載置し、Mathis炉(LTF型)を200℃に調節し、この枠を、この温度に達した後に15秒間予熱した。その後、ブレードをこの張設装置中に置き、ブレード間隔を予備試験によって、ゲル化の終了後のフィルム厚さが1mm(±0.05mm)となるように調節した。この紙の前方縁部に接着ストリップを施し、過剰のペーストを集めた。その後、このペーストをブレードの前方に置き、このペーストを、ブレードと一緒にガイド枠を引っ張ることにより、張設された剥離紙上に塗りつけた(約3m/min 速度)。その後、ブレードを取り外し、過剰のペーストを備えた接着ストリップを除去した。引き続き、溶融ロールを降下させ、この張り枠を炉内へ導入した。ゲル化(200℃で2分)後に、この枠を再び炉から取り出し、冷却後にフィルムから紙を剥離した。
このフィルムから、試験されるべき配合について10cm2の3つの円形物を打ち抜いた。付加的に、この円形物を、はさみで半径方向に切断した(2つの切れ目 それぞれ5mm)。この円形物を30分間、デシケーター(KC乾燥ビーズ オレンジを充填)中で空気調和し、引き続き計量した。
実施例11:
実施例10のフィルムの場合の活性炭貯蔵の際の質量損失
ブリキ缶(1L、トール型)は、圧力交換を行うことができるために、蓋に孔が設けられている。このブリキ缶の底は活性炭120mLで覆われている。この試験において使用された活性炭(Roth社の番号774408号)を、あらかじめ蒸発皿中で、100±1℃で乾燥庫中で6時間乾燥し、短時間の冷却後に使用した。この活性炭上に、第1の円形試験体を中央に置いた。更に活性炭120mLをこの円形試験体上に載せた。合計で、このブリキ缶は480mLと3つの円形試験体とで積層させて充填された。このブリキ缶の蓋を、圧力をかけずに缶に載せた。
この充填されたブリキ缶を、温度調節庫中で100±1℃で3日間貯蔵した。貯蔵後に、円形物から分析ブラシで活性炭を除去し、この円形物を冷却のためにデシケーター中で30分間貯蔵し、引き続き計量した。
計量後に、この円形試験体に、再びブリキ缶内で活性炭を積み重ねた。このために、この円形試験体が同じ活性炭及び同じ缶に割り当てられるように留意した。この缶を、新たに温度調節庫中に置いた。合計で7日後に、この試験体を、上述のようにもう一度計量した。
それぞれの円形試験体のパーセントで示す質量変化を算出し、1つの配合当たり3つの円形物に関する平均値を算出した。
表12:活性炭貯蔵での質量%で示す質量損失(揮発性)
図1には、本発明によるエステル混合物について、実施例9の表11からのプラスチゾルのゲル化温度が、同じエステル混合物を含むフィルム(表12から)の付随する揮発性に対してプロットされている。
図2は、表9に含まれる全ての可塑剤系について、ゲル化温度の揮発性に対してのプロットを示す。このプロットから、本発明によるエステル混合物の生成物(プラスチゾル/フィルム)が、他のポリマー相溶性の、SVOC不含の可塑剤系と比較して、より低いゲル化温度及び同時により低い揮発性を有し、従ってこの可塑剤系と比べて加工及び適用のために改善された特性を示すことが明らかとなる。約80℃のゲル化温度より下で、ジブチルテレフタラートとジイソノニルテレフタラートとの混合物だけが、本発明による混合物よりも揮発性及びゲル化特性の改善された関係を示す。しかしながら、このC4−アルコール基含有混合物は、背景技術で既に説明した制限下にある、というのもジブチルテレフタラートはSVOC成分に分類されていて、従って本発明による混合物に対する考慮できる代替又は改善ではないためである。約94℃のゲル化温度より上で、図2によると、C8−アルキル基及びC9−アルキル基を有するエステル混合物は、本発明による混合物よりも揮発性及びゲル化特性の改善された関係を示すようにみえる。しかしながら、次に更に示すように(実施例12)、C8−アルキル基及びC9−アルキル基を有するエステル混合物は、ポリマーとの相溶性が悪く、効率もより低い(ショア硬度について実施例14を参照)。
実施例12:
「ループ試験」(ASTM D3291に準拠)による、この混合物のポリマーと相溶性の決定
実施例10のPVCフィルムから、試料1つ当たりそれぞれ3つの長方形物(5×1cm)を切断した。この長方形物の背面側に記号を付した。
この試験体を手で180°曲げ、試験レールに配置した。これらのフィルムからなる長方形物は、上側方向に曲げられていた。これらの試験体の間に若干の空気があるため(約0.5cm)、これらの試料は接していない。曲げられた長方形物の端部は、いくらかこのレールから見えている。
このループ試験レールを、空気調和室中に置いた(空気温度22℃±1℃;空気湿度50%±5%)。
1日後、7日後及び14日後に、相応する長方形物をこのレールから外し、手で反対方向に曲げた。この試験体の最も著しく湾曲した箇所をその都度一枚の薄葉紙に擦り付け、この薄葉紙上に生じる汚れの大きさによって、試験された可塑剤の滲み出し挙動を次のように評価した:
0 = 滲み出しなし
0.5= 極めて僅かな滲み出し
1 = 僅かな滲み出し
2 = 中程度の滲み出し
3 = 著しい滲み出し
>3= 極めて著しい滲み出し。
表13:滲み出し挙動の評価
表13中にまとめられた評価は、C8−アルコール基とC10−アルコール基とを含む、又はC8−アルコール基とC9−アルコール基とを含む、又はC5−アルコール基とC13−アルコール基とを含むエステル混合物が、特記すべき量の長鎖アルコール基が含まれている場合に、ポリマー、この場合PVCと相溶性が悪いことを示す。このような系は、ポリマーとの「性能本位」の加工のために考慮に値しない。
実施例13:
水中での貯蔵後の試験体の質量の変化
多様な環境条件での耐老化性は、可塑剤にとっての他の本質的な品質基準である。特に、水に対する挙動(吸水率及び配合成分の流出挙動)、及び高めた温度に対する挙動(配合成分の発散及び熱による老化)が耐老化性では調べられる。
プラスチック製品が大きな程度で水を吸収する場合、それにより一方ではその材料特性が変化し、他方ではその外観が変化する(例えば曇り)。従って、高い吸水率は一般に望ましくない。流出挙動は、使用条件下での調製成分の耐久性についての付加的基準である。これは、特に安定剤、可塑剤及び/又はその成分について該当する、というのも、この配合成分の場合のプラスチック製品中での濃度低下が材料特性を悪化させ、その寿命を急激に低下させかねないためである。
耐水性の決定のために実施例10で製造されたフィルムを使用した。試験体として、直径3cmの円形フィルムを切り出した。水貯蔵の前に、この試験体を、乾燥剤(KC乾燥ビーズ、BASF SE社)を備えたデシケーター中で、25℃で24時間貯蔵した。出発質量(計量分)を、分析秤で0.1mgまで正確に決定した。この試験体を、完全脱塩(VE)水で満たした振盪浴(ペルチェ式冷却装置「CDP」を備えた「WNB 22」型;Memmert GmbH社)中で、30℃の温度で7日間、水面より下に試料を保持しながら貯蔵し、連続的に運動させた。貯蔵後に、この円形物を水浴から取り出し、乾燥させかつ計量した(=7日後の質量)。計量分に対する差から、吸水率を計算した。計量の後に、この試験体をまた乾燥剤(KC乾燥ビーズ)を備えたデシケーター中で25℃で24時間貯蔵し、引き続きもう一度計量した(最終計量分=乾燥後の質量)。この水貯蔵前の計量分に対する差から、水貯蔵によるパーセントで示す質量損失率を算出した(流出による損失に相当)。
表14:水中での貯蔵後の試験体の質量の変化
表14にまとめられた質量変化は、C4−アルコール基を有するエステル混合物が、水貯蔵の際に比較的大きな質量損失を有することを示す。それに対して、本発明による混合物は、水中に試験体を貯蔵した後でも無視できる質量変化を示す。水中で貯蔵する場合の良好な耐久性は、特に、ホース及び屋外用途における可塑剤の使用のために重要である。
実施例14:
混合物の効率の測定(軟質PVC試料のショアA硬度)
ショア硬度は試験体の柔軟性の尺度である。所定の測定時間で規定の針が試験体内へより深く侵入すればするほど、この測定値はより低くなる。最も高い効率を有する可塑剤は、同じ可塑剤量でショア硬度について最も低い値を生じる。実際に、調製物/配合物は所定のショア硬度に設定又は最適化されることが多いため、極めて有効な可塑剤は従って配合物中の所定の割合を節約でき、このことは加工者にとってもコスト低下を意味する。
ショア硬度の決定のために、実施例8で製造したプラスチゾルを、直径42mmの真鍮製の円形の注型用型中に注ぎ込んだ(計量分:20.0g)。次いで、この型内のペーストを空気循環式乾燥庫中で200℃で30分間でゲル化させ、冷却後に取り出し、測定の前に空気調和庫(25℃)中で少なくとも24時間貯蔵した。この円形物の厚さは、約12mmであった。
この硬度の測定は、DIN 53505により、Zwick-Roell社のショアA測定機を用いて実施し、この測定値を、それぞれ3秒後に読み取った。各試験体に関して測定を3つの異なる箇所で実施し、平均値をとった。
表15:表9に記載された可塑剤を含む試験体のショアA硬度
本発明による混合物の試験体は、C8−アルコール基及びC9アルコール基を有するか、又はC9−アルコール基及びC10−アルコール基を有するエステル混合物を有する試験体よりも低いショアA硬度及びそれにより良好な可塑剤効率を示し、これは、本発明による混合物がより低い配合コストを生じさせる。
[発明の態様]
1. テレフタル酸ジエステルI、II及びIII
[式中、R1は、5個の炭素原子を有するアルキル基を表し、R2は、9個の炭素原子を有するアルキル基を表す]を有する混合物。
2. 式I、II及びIIIにおいて、R1は、2−メチルブチル基、3−メチルブチル基、n−ペンチル基及び/又はイソペンチル基を表し、R2は、ノニル基、n−ノニル基及び/又はイソノニル基を表す、前記1に記載の混合物。
3. 前記混合物は、エステルI、II及びIIIの全体を基準として、エステルIIIを80モル%未満、好ましくは70モル%未満、特に60モル%未満含有することを特徴とする、前記1又は2に記載の混合物。
4. 前記混合物は、エステルI、II及びIIIの全体を基準として、エステルIを60モル%未満、好ましくは50モル%未満、特に40モル%未満含有することを特徴とする、前記1から3までのいずれか1に記載の混合物。
5. ポリマー用の、特にPVC用の可塑剤としての、前記1から4までのいずれか1に記載の混合物の使用。
6. 前記混合物を、接着剤、シーラント、被覆材料、塗料、ペイント、プラスチゾル、フォーム、人工皮革、床材(例えば、被覆層)、ルーフィングシート、アンダーボデー保護、布被覆、ケーブル、ワイヤ絶縁、ホース、押出製品、フィルム、自動車内装分野、壁紙、インキ、玩具、コンタクトシート、食品包装又は医療用品、例えばチューブ又は血液バッグにおける可塑剤として使用することを特徴とする、前記5記載の使用。
7. 前記1から4までのいずれか1に記載の混合物、及び、ポリ塩化ビニル、塩化ビニルと酢酸ビニル又はブチルアクリラートとのコポリマー、ポリアルキルメタクリラート(PAMA)、ポリビニルブチラール(PVB)、ポリウレタン、ポリスルフィド、ポリ乳酸(PLA)、ポリヒドロキシブチラール(PHB)及びニトロセルロースから形成される群からなる1種以上のポリマーとを含有する、材料。
8. テレフタル酸又はテレフタル酸誘導体を、R1OH(R1=5個の炭素原子を有するアルキル基)とR2OH(R2=9個の炭素原子を有するアルキル基)とを有する混合物でエステル化することによる、前記1から4までのいずれか1に記載のエステル混合物の製造方法。
9. エステルIを、そのエステル官能基の数を基準として、1モル当量未満の、9個の炭素原子を有する1種以上のアルコールと反応させ、その際、好ましくは加熱沸騰される、前記1から4までのいずれか1に記載の混合物の製造方法。
10. エステルIを、9個の炭素原子を有する1種以上のアルコールと、触媒の存在で反応させ、その際、加熱沸騰され、この方法の過程において生成するC5−アルコールの80モル%より多く、好ましくは90モル%より多く、特に95モル%より多くを、この方法の間に、好ましくは蒸留によって、反応容器から除去することを特徴とする、前記9に記載の方法。
11. 基RのアルコールROHが、所定の圧力で、基R1のアルコールR1OHの同じ圧力での沸点よりも高い沸点を有する、前記基Rを有するエステル基COORを有しないテレフタル酸又はその誘導体を、量(m1+s1)のR1OH及び量m2のR2OHと反応させ、その際、反応混合物は加熱沸騰され、かつ
1及びm2は、テレフタル酸又はその誘導体に導入されるべきアルコール基OR1(C5−アルコール基)及びOR2(C9−アルコール基)のモル当量に相当し、かつ
1は、0より大である、
前記1から4までのいずれか1に記載の混合物の製造方法。
12. 量s1は、(m1+m2)よりも小さく、好ましくは0.6・(m1+m2)よりも小さく、特に好ましくは0.5・(m1+m2)よりも小さく、殊に0.4・(m1+m2)よりも小さく、かつ同時に好ましくは0.05・(m1+m2)よりも大きく、特に好ましくは0.10・(m1+m2)よりも大きく、殊に0.15・(m1+m2)よりも大きいことを特徴とする、前記11に記載の方法。
13. 使用されたアルコールR2OHの少なくとも0.8モル当量、好ましくは少なくとも0.9モル当量、殊に少なくとも0.95モル当量が、OR2基としてテレフタル酸又はその誘導体中に導入され、及び/又はこの方法において触媒が使用され、かつ反応混合物中でC5−アルコールの含有率を、触媒が分解される前に、C5−アルコールの過剰量s1を基準として、20モル%未満、好ましくは15モル%未満、特に10モル%未満、殊に5モル%未満に低下させることを特徴とする、前記11又は12に記載の方法。
14. R1は、2−メチルブチル基、3−メチルブチル基、n−ペンチル基及び/又はイソペンチル基を表し、R2は、イソノニル基を表し、前記混合物は、前記エステルI、II及びIIIの全体を基準として、エステルIIIを好ましくは80モル%未満、特に70モル%未満、殊に60モル%未満含有することを特徴とする、前記8から13までのいずれか1に記載の方法。
15. エステル混合物中のエステルの量分布を制御することによる、エステル混合物の、加工のために重要な特性及び/又は適用のために重要な特性を調節するための、前記9又は11に記載の製造方法の使用。

Claims (15)

  1. テレフタル酸ジエステルI、II及びIII
    [式中、R1は、5個の炭素原子を有するアルキル基を表し、R2は、9個の炭素原子を有するアルキル基を表す]を有し、エステルI、II及びIIIの全体を基準として、エステルIIIを80モル%未満含有する混合物。
  2. 式I、II及びIIIにおいて、R1は、2−メチルブチル基、3−メチルブチル基、n−ペンチル基又はイソペンチル基を表し、R2は、ノニル基、n−ノニル基又はイソノニル基を表す、請求項1に記載の混合物。
  3. 前記混合物は、エステルI、II及びIIIの全体を基準として、エステルIIIを70モル%未満含有することを特徴とする、請求項1又は2に記載の混合物。
  4. 前記混合物は、エステルI、II及びIIIの全体を基準として、エステルIを60モル%未満含有することを特徴とする、請求項1から3までのいずれか1項に記載の混合物。
  5. ポリマー用の可塑剤としての、請求項1から4までのいずれか1項に記載の混合物の使用。
  6. 前記混合物を、接着剤、シーラント、被覆材料、塗料、ペイント、プラスチゾル、フォーム、人工皮革、床材、ルーフィングシート、アンダーボデー保護、布被覆、ケーブル、ワイヤ絶縁、ホース、押出製品、フィルム、自動車内装分野、壁紙、インキ、玩具、コンタクトシート、食品包装又は医療用品における可塑剤として使用することを特徴とする、請求項5に記載の使用。
  7. 請求項1から4までのいずれか1項に記載の混合物、及び、ポリ塩化ビニル、塩化ビニルと酢酸ビニル又はブチルアクリラートとのコポリマー、ポリアルキルメタクリラート(PAMA)、ポリビニルブチラール(PVB)、ポリウレタン、ポリスルフィド、ポリ乳酸(PLA)、ポリヒドロキシブチラール(PHB)及びニトロセルロースから形成される群からなる1種以上のポリマーとを含有する、材料。
  8. テレフタル酸又はテレフタル酸誘導体を、R1OH(R1=5個の炭素原子を有するアルキル基)とR2OH(R2=9個の炭素原子を有するアルキル基)とを有する混合物でエステル化することによる、請求項1から4までのいずれか1項に記載のエステル混合物の製造方法。
  9. エステルIを、そのエステル官能基の数を基準として、1モル当量未満の、9個の炭素原子を有する1種以上のアルコールと反応させる、請求項1から4までのいずれか1項に記載の混合物の製造方法。
  10. エステルIを、9個の炭素原子を有する1種以上のアルコールと、触媒の存在で反応させ、その際、加熱沸騰され、この方法の過程において生成するC5−アルコールの80モル%より多くを、この方法の間に、反応容器から除去することを特徴とする、請求項9に記載の方法。
  11. 基RのアルコールROHが、所定の圧力で、基R1のアルコールR1OHの同じ圧力での沸点よりも高い沸点を有する、前記基Rを有するエステル基COORを有しないテレフタル酸又はその誘導体を、量(m1+s1)のR1OH及び量m2のR2OHと反応させ、その際、反応混合物は加熱沸騰され、かつ
    1及びm2は、テレフタル酸又はその誘導体に導入されるべきアルコール基OR1(C5−アルコール基)及びOR2(C9−アルコール基)のモル当量に相当し、かつ
    1は、0より大である、
    請求項1から4までのいずれか1項に記載の混合物の製造方法。
  12. 量s1は、(m1+m2)よりも小さいことを特徴とする、請求項11に記載の方法。
  13. 使用されたアルコールR2OHの少なくとも0.8モル当量が、OR2基としてテレフタル酸又はその誘導体中に導入され、及び/又はこの方法において触媒が使用され、かつ反応混合物中でC5−アルコールの含有率を、触媒が分解される前に、C5−アルコールの過剰量s1を基準として、20モル%未満に低下させることを特徴とする、請求項11又は12に記載の方法。
  14. 1は、2−メチルブチル基、3−メチルブチル基、n−ペンチル基又はイソペンチル基を表し、R2は、イソノニル基を表すことを特徴とする、請求項8から13までのいずれか1項に記載の方法。
  15. エステル混合物中のエステルの量分布を制御することによる、エステル混合物の、加工のために重要な特性及び/又は適用のために重要な特性を調節するための、請求項9又は11に記載の製造方法の使用。
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