JP6649607B2 - ハイブリッド車両の走行制御装置 - Google Patents
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Description
本発明はこのような問題点を解決するためになされたもので、その目的とするところは、クルーズコントロールによる走行中においてハイブリッドモードに比較してモータを多用する省燃費モードを可能な限り継続でき、これにより省燃費モードによる燃費性能や環境性能を有効利用できると共に、ドライバビリティを向上することができるハイブリッド車両の走行制御装置を提供することにある。
また、具体的に出力可能トルクと許容下限トルクとを比較し、その比較結果に基づき要求トルクを出力可能トルクまで低下させていることから、第2モードを継続しつつ確実に目標車速を達成可能となる。
その他の態様として、前記運転者の設定に関わらず前記目標車速を補正可能な目標車速補正手段をさらに備え、前記要求トルク補正手段が、前記低下方向に補正後の出力可能トルクでは前記目標車速を達成不能と判断された際に、前記目標車速補正手段に前記目標車速を低下方向に補正させることが好ましい。
その他の態様として、前記運転者の設定に関わらず前記目標車速を補正可能な目標車速補正手段をさらに備え、前記要求トルク補正手段が、前記低下方向に補正後の出力可能トルクでは前記目標車速を達成不能と判断された際に、前記運転者に対して前記第1モードへの切換許可を照会し、前記運転者により前記第1モードへの切換が許可されたときには、前記走行制御手段に前記第1モードを選択させ、前記第1モードへの切換が許可されなかったときには、前記目標車速補正手段に前記目標車速を低下方向に補正させることが好ましい。
以下、本発明をプラグインハイブリッド車両(以下、車両1という)の走行制御装置に具体化した第1実施形態を説明する。
図1は本実施形態の走行制御装置が適用されたプラグインハイブリッド車両を示す全体構成図である。
エンジン3の出力軸は減速機7を介して前輪4の駆動軸8と連結され、減速機7には内部の動力伝達を断接可能なクラッチ9が内蔵されている。クラッチ9の接続時にはエンジン3の駆動力が減速機7及び駆動軸8を経て前輪4に伝達され、クラッチ9の切断時には前輪4側からエンジン3が切り離されて単独で運転可能となる。
フロントモータ2、リヤモータ5及びモータジェネレータ10は三相交流電動機であり、それらの電源として走行用バッテリ15が備えられている。走行用バッテリ15はリチウムイオン電池等の二次電池から構成され、その充電率(State Of Charge、以下、SOC)の算出や温度TBATの検出を行うバッテリモニタリングユニット15aを内蔵している。
ハイブリッドコントローラ18は、車両1の総合的な制御を行うための制御装置であり、入出力装置、記憶装置(ROM、RAM、不揮発性RAM等)、中央演算処理装置(CPU)等から構成されている。このハイブリッドコントローラ18により、エンジン3、フロントモータ2、モータジェネレータ10、リヤモータ5の各運転状態、及び減速機7のクラッチ9の断接状態等が制御される。そのために、ハイブリッドコントローラ18の入力側には、走行用バッテリ15のバッテリモニタリングユニット15a、フロントモータコントローラ16、リヤモータコントローラ17、エンジンコントローラ14、アクセル開度θaccを検出するアクセル開度センサ19、及び車速Vを検出する車速センサ20が接続されており、これらの機器からの検出及び作動情報が入力される。
シリーズモードでは、減速機7のクラッチ9を切断した上で、エンジン3を運転してモータジェネレータ10を駆動し、その発電電力及び走行用バッテリ15からの電力によりフロントモータ2やリヤモータ5を駆動して車両1を走行させると共に、余剰電力を走行用バッテリ15に充電する。本実施形態では、このシリーズモードが本発明のハイブリッドモード(第1モード)に相当し、EVモードに比較してモータジェネレータ10の発電電力分だけモータ2,5がより大きなトルクを発生可能となる。
また、ハイブリッドコントローラ18は、上記各種検出量及び作動情報に基づき車両1の走行に必要な総要求出力を算出し、その総要求出力を、EVモード及びシリーズモードではフロントモータ2側とリヤモータ5側とに配分し、パラレルモードではフロントモータ2側とエンジン3側とリヤモータ5側とに配分する。そして、それぞれに配分した要求出力、及びフロントモータ2から前輪4までの減速機7のギヤ比、エンジン3から前輪4までの減速機7のギヤ比、リヤモータ5から後輪6までの減速機11のギヤ比に基づき、フロントモータ2、エンジン3、リヤモータ5のそれぞれの要求トルクを設定し、各要求トルクを達成するようにフロントモータコントローラ16、リヤモータコントローラ17及びエンジンコントローラ14に指令信号を出力する。
一方、本実施形態の車両1は、運転者がEVモードとシリーズモードとの間の切換特性を選択できるようになっている。具体的には、通常の切換特性である通常モードに加え、通常モードに比較してEVモードの運転領域を拡大したEV優先モードを選択可能となっている(走行モード切換特性変更手段)。そのためにユーザーインターフェース21にはEV優先モード選択スイッチ21aが備えられており、EV優先モード選択スイッチ21aの非操作時には通常モードが選択され、当該スイッチ21aの操作時にはEV優先モードが選択(本発明の請求項1の「燃費優先指令の入力」に相当)されるようになっている。
図3はハイブリッドコントローラ18とアダプティブクルーズコントローラ22との関係を示す制御ブロック図である。
ハイブリッドコントローラ18側では、アダプティブクルーズコントローラ22から受信した要求トルクをEVモードで達成可能なときにはEVモードを選択し、EVモードでは達成不能なときにはシリーズモードやパラレルモードを選択し、選択した走行モードに応じてモータコントローラ16,17及びエンジンコントローラ14に各々への要求トルク達成の指令信号を出力し、これにより目標車速を達成する(走行モード切換手段)。
図4はハイブリッドコントローラ18が実行する上限出力設定ルーチンを示すフローチャートである。
ハイブリッドコントローラ18は、まずステップS1でEV優先モードであるか否かを判定し、No(否定)のときにはステップS2で上限出力としてシステム上限出力を設定する。また、ステップS1の判定がYes(肯定)のときには、ステップS3で上限出力としてバッテリ上限出力を設定する。何れの場合も、その後にステップS4に移行して上限出力をアダプティブクルーズコントローラ22に送信してルーチンを終了する。
アダプティブクルーズコントローラ22は、まずステップS11でハイブリッドコントローラ18から上限出力を受信し、続くステップS12でハイブリッドコントローラ18から現在要求トルクを受信する。現在要求トルクはハイブリッドコントローラ18側で制御に適用されており、図4での上限出力の送信処理と同様にハイブリッドコントローラ18側から送信されたものである。その後、ステップS13で現在車速Vと現在要求トルクから走行抵抗を算出し、ステップS14で目標車速と上限出力から出力可能トルクAを算出する。さらにステップS15で目標車速、運転者が許容できる下限加速度、走行抵抗から許容下限トルクBを算出する。その後、ステップS16で目標加速度、走行抵抗から通常時要求トルクCを算出し、ステップS17に移行する。
ハイブリッドコントローラ18は、まずステップS21でアダプティブクルーズコントローラ22から要求トルクを受信し、続くステップS22で要求トルクがバッテリ上限出力未満であるか否かを判定し、Yesのときにはそのままルーチンを終了する。また、ステップS22の判定がNoのときにはステップS23でエンジンを始動し、その後にルーチンを終了する。
まず、出力可能トルクA≦許容下限トルクBの場合には、そのままEVモードを継続すると目標車速を達成不能と見なせる。図5のステップS19では、要求トルクとして通常時要求トルクCが設定され、図6のステップS23でエンジン3が始動されてシリーズモードに切り換えられる。このときには、図2に矢印(A≦B)で示すように運転領域はEVモードからシリーズモードに移行する。よって、EVモードを継続できないものの通常時要求トルクCは達成され、図7のタイムチャートに示すように、車速Vが迅速に上昇して目標車速を維持することができる。
また、このように具体的に出力可能トルクAと許容下限トルクBとを算出して比較し、その比較結果に基づき要求トルクとして出力可能トルクAを設定するため、EVモードを継続しつつ確実に目標車速を達成することができる。
[第2実施形態]
次に、本発明を別のプラグインハイブリッド車両1の走行制御装置に具体化した第2実施形態を説明する。
図9は本実施形態のアダプティブクルーズコントローラ22が実行する要求トルク設定ルーチンを示すフローチャートである。
ステップS41でアダプティブクルーズコントローラ22から目標車速への到達不能を受信したか否かを判定し、Noのときにはそのままルーチンを終了する。また、ステップS41の判定がYesのときにはステップS42に移行し、ユーザーインターフェース21のスピーカやディスプレイにより目標車速への到達不能を運転者に警告し(到達不能報知手段)、その後にルーチンを終了する。
[第3実施形態]
次に、本発明を別のプラグインハイブリッド車両1の走行制御装置に具体化した第3実施形態を説明する。
図11は本実施形態のアダプティブクルーズコントローラ22が実行する要求トルク設定ルーチンを示すフローチャートである。
本実施形態では、ステップS16の通常時要求トルクCの算出処理は不要であるため省略されており、ステップS17の判定がYesのときにはそのままステップS18に移行して要求トルクとして出力可能トルクAを設定し、続くステップS20で要求トルクを送信する。
なお、このような場合に第2実施形態と同様に、目標車速への到達不能な旨を運転者に対して警告するようにしてもよい。
[第4実施形態]
次に、本発明を別のプラグインハイブリッド車両1の走行制御装置に具体化した第4実施形態を説明する。
図12は本実施形態のアダプティブクルーズコントローラ22が実行する要求トルク設定ルーチンを示すフローチャートである。
また、ステップS17の判定がNoのときにはステップS61に移行し、目標車速への到達不能をハイブリッドコントローラ18に送信し、続くステップS62でハイブリッドコントローラ18からエンジ始動許可フラグFを受信する。その後にステップS63でエンジ始動許可フラグFがセット(=1)されているか否かを判定し、NoのときにはステップS64で目標車速から1km/hを減算した後にステップS12に戻る(目標車速補正手段)。また、ステップS63の判定がYesのときにはステップS65で要求トルクとして通常時要求トルクCを設定してステップS20に移行する。
まず、ステップS71でアダプティブクルーズコントローラ22から目標車速への到達不能を受信したか否かを判定し、Noのときにはそのままルーチンを終了する。また、ステップS71の判定がYesのときにはステップS72に移行し、ユーザーインターフェース21のスピーカやディスプレイにより目標車速への到達不能を運転者に警告した上で(到達不能報知手段)、エンジン始動の許可を照会する(要求トルク補正手段)。
また上記実施形態では、ハイブリッドモード(第1モード)としてエンジン3を発電に利用するシリーズモードを適用し、省燃費モード(第2モード)としてモータ2,5のみを使用するEVモードを適用したが、これに限るものではない。例えばハイブリッドモードとしてモータ2,5と共にエンジン3により前輪4を駆動するパラレルモードを適用し、省燃費モード(第2モード)としてモータ2,5のみならずエンジン3も使用するが、パラレルモードに比較してモータ2,5を多用する走行モードを適用してもよい。
2 フロントモータ
3 エンジン
5 リヤモータ
18 ハイブリッドコントローラ(走行制御手段、走行モード切換手段、
到達不能報知手段)
21 ユーザーインターフェース(到達不能報知手段)
22 アダプティブクルーズコントローラ(走行モード切換手段、
要求トルク補正手段、出力可能トルク算出手段、許容下限トルク算出手段)
Claims (4)
- 車両の走行モードとして、モータ及びエンジンを運転する第1モードとバッテリから供給される電力で前記モータを運転する第2モードとを切替制御する走行制御手段と、
前記車両の目標車速を維持するクルーズコントロール中において、該目標車速を達成するための要求トルクを前記第2モードで達成可能と判断した際は前記走行制御手段に前記第2モードを選択させ、前記要求トルクを前記第2モードで達成不能と判断した際は前記走行制御手段に前記第1モードを選択させる走行モード切換手段と、
運転者の操作により、前記第2モードを実行する運転領域を拡大するように前記走行制御手段に指令する走行モード切換特性変更手段と、
前記第2モードにより前記目標車速への到達時に達成可能なトルクとして前記バッテリの上限出力に基づいて出力可能トルクを算出する出力可能トルク算出手段と、
前記目標車速に到達可能な最低限のトルクとして許容下限トルクを算出する許容下限トルク算出手段と、
前記第2モードによる前記クルーズコントロール中において、前記走行モード切換特性変更手段により前記第2モードの運転領域が拡大されているときに、前記要求トルクが前記出力可能トルクより増加して前記第2モードで前記目標車速が達成不能と判断された際に、前記出力可能トルクが前記許容下限トルクを超えていることを条件として、該要求トルクを前記出力可能トルクまで低下方向に補正して前記第2モードを維持する要求トルク補正手段と、
を備えたことを特徴とするハイブリッド車両の走行制御装置。 - 前記運転者の設定に関わらず前記目標車速を補正可能な目標車速補正手段をさらに備え、
前記要求トルク補正手段は、前記低下方向に補正後の前記出力可能トルクでは前記目標車速を達成不能と判断された際に、前記目標車速補正手段に前記目標車速を低下方向に補正させる
ことを特徴とする請求項1に記載のハイブリッド車両の走行制御装置。 - 前記運転者の設定に関わらず前記目標車速を補正可能な目標車速補正手段をさらに備え、
前記要求トルク補正手段は、前記低下方向に補正後の前記出力可能トルクでは前記目標車速を達成不能と判断された際に、前記運転者に対して前記第1モードへの切換許可を照会し、前記運転者により前記第1モードへの切換が許可されたときには、前記走行制御手段に前記第1モードを選択させ、前記第1モードへの切換が許可されなかったときには、前記目標車速補正手段に前記目標車速を低下方向に補正させる
ことを特徴とする請求項1に記載のハイブリッド車両の走行制御装置。 - 前記運転者に対して前記目標車速への到達不能を報知する到達不能報知手段をさらに備え、
前記要求トルク補正手段は、前記出力可能トルクが前記許容下限トルク以下であるときに、前記到達不能報知手段に前記目標車速への到達不能を報知させる
ことを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載のハイブリッド車両の走行制御装置。
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JP2015251722A JP6649607B2 (ja) | 2015-12-24 | 2015-12-24 | ハイブリッド車両の走行制御装置 |
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JP2015251722A JP6649607B2 (ja) | 2015-12-24 | 2015-12-24 | ハイブリッド車両の走行制御装置 |
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- 2015-12-24 JP JP2015251722A patent/JP6649607B2/ja active Active
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