JP6648937B2 - 粘着シート - Google Patents

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Description

本発明は、粘着シート、詳しくは剥離紙を切割する切れ目が形成された剥離紙に複数のストリップ形状の粘着テープが並列に貼着された粘着シートであって、剥離紙を手切りして剥離紙を切断、除去して使用する際に、前記切れ目に沿って、剥離紙が綺麗に切断・除去できる粘着シートに関するものである。
従来から皮膚面に留置針やチューブ、ガーゼ、脱脂綿などを皮膚面に固定する方法として、一般にロール状の絆創膏(巻絆)が用いられている。病院などの頻繁に使用するところでは、巻絆をハサミや手などで予め適当な長さに多数片切断しておき、これら切断された巻絆を用いて迅速な固定、処置を行っている。
このような巻絆は、通常、背面を剥離処理してなる支持体の片面に粘着剤層を形成してなる長尺テープを、粘着剤層が自背面に接着するようにロール状に巻回したものであり、粘着剤層の表面を被覆保護するための剥離紙はない。このため、使用に際しては粘着剤層の表面に直接ハサミや指などが触れることにより汚染が生じたり、粘着性の低下が生じる虞がある。医療用途の場合、特に傷部や皮膚縫合部に直接貼る創傷被覆材や、皮膚縫合用テープ、皮膚縫合後の補強テープにとって、こうした粘着剤層の表面の汚染が衛生面において大きな問題となる。また、透析患者への処置や手術後の処置などにおいては、通常、薄手のゴム手袋をしたままで上記巻絆の切断作業を行うため、ゴム手袋に粘着剤層が付着し、取扱性が悪くなる問題も指摘されている。
このような問題を解決するものとして、粘着剤層の表面に剥離紙を積層した長尺シートも提案されている。しかし、ハサミで長尺シートを切断する際、切断面に露出した粘着剤がハサミに付着して、定寸にカットし難い場合があるほか、剥離紙を粘着剤層の表面から剥離して皮膚面に貼着する際、粘着シートの粘着剤層の表面に手指が触れるという問題は依然として解決されていない。
そこで、粘着剤層の表面に指が触れることがないようにするために、例えば、把持部としてのセパレータ(剥離紙)が端部に貼り合わされた状態で矩形片状の粘着シートを剥離するための切割線がセパレータの両端部に形成されているシート状貼付材や、セパレータの一般部近傍に矩形状粘着シートを横切るミシン目が形成されている粘着シートなど、ミシン目を形成した剥離紙に、予め所定長さに裁断された矩形の粘着テープを貼り合せてなる各種粘着シートが提案されている(特許文献1、特許文献2)。
特開2001−212171号公報 特開2012−050689号公報
上述の粘着シートは、使用時に切割線やミシン目において剥離紙を切断した際、切断によって裂かれた剥離紙の一部から紙の繊維などが露出し得、この繊維が粘着テープの粘着剤層の表面に付着して汚染の一因となり得ることが、医療用テープとして用いる際には特に問題となっていた。さらに該繊維等の付着は、粘着剤層の粘着性の低下につながり得ることも問題となっていた。このような問題に対し、上述の粘着シートの別の形態として、上記切割線やミシン目において、剥離紙の両端のみを非切断部とし、粘着テープが貼付された部分も含め、両端以外の全ての部分を切割した剥離紙を用いた粘着シートも考えられる。しかしこのような粘着シートの形態においては、剥離紙が切断された箇所(切割部分
)が大きく、製造時においてこの箇所に異物等がひっかかり易くなることや、剥離紙の種類によっては非切断部の強度が弱いものとなり、製造時に該剥離紙に粘着テープを貼り合わせる工程などにおいて、切れ目部分から剥離紙が切れてしまうなどの製造上の問題が生じることが懸念される。
本発明は上述の事情を鑑み、使用に際し、剥離紙の切断時に手切れ性がよく、剥離紙の切断後も粘着テープに剥離紙の破片(繊維など)が付着せず、また、粘着シートの製造時に異物等の詰まりを生じさせず、且つ断紙が起こらない程度の強度を備えた剥離紙を含む粘着シートを提供することを課題とする。
本発明者らは、上記の課題を解決するために鋭意研究した結果、剥離紙を切割する切れ目と剥離紙を切割しない非切断部とを交互に連続形成した切断線部を、粘着テープの長手方向と交差するように該剥離紙に設け、そして該切断線部において、少なくとも粘着テープが貼着された部分の両端が切れ目となるように切断線部を構成することにより、上記課題を解決することを見出した。
すなわち本発明は、剥離紙の片面に、複数のストリップ形状の粘着テープが並列に貼着された粘着シートであって、
前記剥離紙には、該剥離紙に引張り力を加えることにより分断される線状の切断線部が、前記粘着テープの長手方向と交差するように設けられ、
前記切断線部は、剥離紙を切割する切れ目と剥離紙を切割しない非切断部とを交互に連続形成されてなり、
そして、該切断線部のうち、少なくとも該粘着テープが貼着された部分の両端はともに切れ目で構成されてなることを特徴とする、
粘着シートに関する。
本発明によれば、更に以下の(1)又は(2)の実施態様が提供される。
(1)前記切断線部のうち、前記粘着テープが貼着された部分は切れ目のみで構成される、前記粘着シート。
(2)前記切断線部は、前記粘着テープが貼着された部分に非切断部を1つ以上有し、該1つ以上の非切断部の長さが各々0.2〜0.6mmである、前記粘着シート。
本発明によれば、更に以下の実施態様が提供される。
(3)前記剥離紙は、前記切断線部において、15N/38mm以上の破断強度を有する、前記粘着シート。
(4)前記切断線部のうち、前記粘着テープが貼着されていない各部分には、該各部分の幅に対して5%長乃至40%長の非切断部が、1乃至3個設けられてなる、前記粘着シート。
(5)前記切断線部は、前記粘着テープが貼着されていない各部分において、前記非切断部の合計長が0.5mm〜2.5mmである、前記粘着シート。
(6)前記切断線部は、その両端が切れ目である、前記粘着シート。
(7)前記粘着テープが、創傷被覆用テープ、皮膚縫合用テープ、又は皮膚縫合後の補強用のテープである、前記粘着シート。
本発明によれば、粘着シートから粘着テープを剥離して使用する際、剥離紙を切断する際の手切れ性がよく、剥離紙の切断後も粘着テープに剥離紙の破片(繊維など)が付着せず、粘着剤表面の汚染や粘着力の低下を抑制した粘着シートを提供できる。
さらに本発明によれば、粘着シートの製造時において、剥離紙の断紙や、剥離紙と粘着
テープ間における異物等の詰まりなどが生じ難い粘着シートを提供することができる。
図1は本発明の粘着シートの一実施態様を示す図であり、(a)粘着シートの正面図、(b)粘着シートの背面図、(c)(a)のA−A断面図、及び(d)(a)のB−B断面図をそれぞれ示す図である。 図2は本発明の粘着シートの別の実施態様を示す図であり、(a)粘着シートの正面図、(b)粘着シートの背面図、(c)(a)のA−A断面図、及び(d)(a)のB−B断面図をそれぞれ示す図である。 図3は実施例1乃至5の粘着シートの構成を示す図であり、(a)〜(d)実施例1乃至5の粘着シートの構成を示す背面図をそれぞれ示す図である。 図3は実施例6乃至8及び比較例1乃至比較例3の粘着シートの構成を示す図であり、(e)〜(g)実施例6乃至8の粘着シートの構成を示す背面図、(h)比較例1乃至3の粘着シートの構成を示す背面図をそれぞれ示す図である。 図5は実施例9の粘着シートの正面図(a)及び背面図(b)を示す図である。 図6は実施例10の粘着シートの正面図(a)及び背面図(b)を示す図である。 図7は実施例11の粘着シートの正面図(a)及び背面図(b)を示す図である。 図8は実施例12の粘着シートの正面図(a)及び背面図(b)を示す図である。 図9は実施例13の粘着シートの正面図(a)及び背面図(b)を示す図である。 図10実施例14の粘着シートの正面図(a)及び背面図(b)を示す図である。 図11は実施例15の粘着シートの正面図(a)及び背面図(b)を示す図である。 図12は実施例16の粘着シートの正面図(a)及び背面図(b)を示す図である。 図13は実施例17の粘着シートの正面図(a)及び背面図(b)を示す図である。 図14は実施例18の粘着シートの正面図(a)及び背面図(b)を示す図である。 図15は実施例19の粘着シートの正面図(a)及び背面図(b)を示す図である。 図16は実施例20の粘着シートの正面図(a)、背面図(b)及び切断線部の拡大図(c)を示す図である。
[粘着シート]
以下、本発明の好ましい態様を示す図面を挙げて、本発明を更に説明する。
図1は本発明の粘着シートの一実施態様を示す図であり、図2は本発明の粘着シートの別の実施態様を示す図であり、図1(a)及び図2(a)に粘着シートの正面図を、図1(b)及び図2(b)に粘着シートの背面図を、図1(c)又は図2(c)に図1(a)又は図2(a)のA−A断面図を、図1(d)又は図2(d)に図1(a)又は図2(a)の切断線部4におけるB−B断面図を、それぞれ示す。
図1(a)及び図2(a)に示すように、本発明の粘着シート1は剥離紙3の片面に、複数の(図1及び図2では3つ)ストリップ形状の粘着テープ2が並列に貼着されたものである。
本発明において、前記剥離紙3には、該剥離紙に引張り力を加えることにより分断される線状の切断線部4が、前記粘着テープ2の長手方向と交差するように(図1及び図2では2本)設けられている。
図1(c)及び図2(c)に示すように、本発明の粘着シート1は、剥離紙3の上に粘着テープ2が貼着され、粘着テープ2は、後述する支持体21と粘着剤層22が積層されてなる。
そして図1(b)及び図2(b)、並びに図1(d)及び図2(d)に示すように、切断線部4は、剥離紙3を切割する切れ目41と剥離紙を切割しない非切断部42とが交互に連続形成され、ここで該切断線部4のうち、少なくとも該粘着テープ2が貼着された部分4a(4a1、4a2、4a3)の両端はともに切れ目で構成されている。
ここで図1に示す実施態様においては、該切断線部4のうち粘着テープ2が貼着された部分4a(4a1、4a2、4a3)が切れ目41のみで構成される態様となっている。
また図2に示す実施態様においては、粘着テープ2が貼着された部分4a(4a1、4a2、4a3)に非切断部42を1つ以上(図2においては2つ)有する態様となっている。
前記切断線部4は、好ましい態様において、その両端が切れ目41で構成される。
図1及び図2のいずれにも示されるように、前記切断線部4において、粘着テープが貼着されていない部分4b(4b1、4b2、4b3、4b4)には、切れ目41と非切断部42が存在し、粘着テープ2が貼着されていない各部分4b1、4b2、4b3及び4b4において1乃至3個の非切断部42が設けられている。そして該各部分4b1、4b2、4b3及び4b4のそれぞれの長さ(粘着シートの短手方向における長さ)に対して、該各部分に設けられた非切断部42の各長さは5%長乃至40%長であることが好ましく、具体的には、非切断部42の各長さが0.3mm〜2.0mm程度であることが好ましい。
また前記切断線部4は、前記粘着テープ2が貼着されていない各部分4b1、4b2、4b3及び4b4のそれぞれにおいて、非切断部42の合計長は0.5mm〜2.5mmであることが好ましい。
また図2に示すように、粘着テープ2が貼着された部分4aに非切断部42を有する態様においては、該粘着テープ2が貼着された部分4a1、4a2、4a3において、非切断部42の長さは、各々0.2〜0.6mmが好ましく、更に好ましくは0.2〜0.4mmである。0.6mm以上の場合は、テープ上に繊維が残る可能性がある。
なお一つの切断線部4において、前記切断線部4の長さ(図1及び図2の態様では粘着シート1の幅W1に相当する)に対して、そこに設けられた非切断部42の合計長は、10%乃至25%の長さであることが好ましく、特に12%乃至20%の長さであることが好ましい。
これら非切断部の長さ、及び、非切断部の合計長についての上述の数値範囲内に保たれることは、粘着シートの製造時においては非切断部における分断(断紙)が生じない強度を確保し、一方、粘着シートの使用時には非切断部において手で容易に且つ綺麗に分断できる強度となるように定める上で必要な条件となるものである。本発明者らは、粘着シートの製造時と使用時とは、粘着シートの異なる方向に引張り力が働くこと、具体的には、製造時には主に粘着シート(剥離紙)の長手方向と同方向に非切断部に引張り力が働く、一方、使用時には、粘着シート(剥離紙)に対して斜め上(又は斜め下)に引き上げる(又は引き下げる)方向に、或いは、粘着シート(剥離紙)の非切断部付近を基に対して粘着シート(剥離紙)をねじ曲げる方向に、非切断部に引張り力が働くことに着目し、そして鋭意研究の結果、上記の数値範囲に保たれると、異なる方向における引張り力に対して、断紙が生じにくく且つ手で容易に分断できる強度を実現することができることを見出したものである。すなわち、上記の数値範囲内に保つと、引張り力が異なる方向から加わっても、断紙が生じにくく且つ手で容易に分断できるという効果が良好に得られる。
従って、これら各非切断部の長さや、非切断部の合計長がそれぞれ上記設定範囲より短
いものとなると、粘着シートの製造時に剥離紙の種類によっては切断線部において剥離紙が分断され易く(断紙が起こり易く)なり、加えて、製造時において切断線部の切れ目より異物が引っ掛かり易くなるなどの製造上の問題が生じ得る。また、上記範囲より長いと、使用時において剥離紙を引っ張っても綺麗に分断されず、剥離紙の分断面から紙の繊維やフィルムの切れ端、或いは剥離紙が積層シートで構成されている場合には積層部分の剥離片などの露出が生じ得、これらが粘着テープの粘着剤層に付着して汚染の一因や粘着力の低下の一因となり得る。
なお本発明の粘着シート1及び粘着テープ2の大きさは特に限定されないが、例えば、粘着シート1の幅W1 20mm乃至80mm、長さL1 30mm乃至120mm、粘着テープ2の幅W2 3mm乃至20mm、長さL2 10mm乃至100mm、などとすることができる。
図1及び図2においては、粘着シート1に3つの粘着テープ2が並列に貼着された態様を示しているが、貼着される粘着テープ2の数は特に限定されず、例えば並列に2乃至5程度の粘着テープ2を並べて貼着してもよいし、並列だけでなく、2段或いは3段など複数の段に直列に粘着テープ2を並べて貼着してもよい。また、該粘着シート1の剥離紙3において、粘着テープ2が貼着されていない部分(切断線部4における4bに該当する部分)において、粘着テープ2を個々に切り離せるように粘着シート1の長手方向にミシン目を設ける態様も採ることができる。
さらに粘着テープ2を交差するように設けられる切断線部4は、一の粘着テープ2に対して少なくとも1本設ければよく、例えば2本乃至4本など、一の粘着テープ2に対して複数本の切断線部4を設けてもよい。
また本発明の粘着テープ2は、図1及び図2に示すようにストリップ形状を有するものであるが、その形状は図1及び図2に示すような矩形のみならず、斜方形や平行四辺形などの四角形の形状や、それら四角形の辺の一部に凹凸を含んだ形状などであってもよい。
[剥離紙]
本発明の粘着シートにおいて、上記粘着テープが貼着される剥離紙としては、上記切断線部において引張り力を加えることにより分断されることができるものであれば特に限定されず、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、無延伸ポリプロピレン、延伸ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン等のプラスチックフィルム;上記のプラスチックフィルムに離型処理を施した加工シート;紙;紙に、ポリエチレンやポリプロピレンなどのプラスチックフィルムやそれらに離型処理を施した加工シートを積層したラミネート加工紙;アルミ箔;これらのフィルム又はシートを相互に積層させた積層フィルム又はシートなどの、無色又は着色したシートを用いることができる。
中でも、引張り力を与えることにより、上記切断線部のみを確実に且つ綺麗に分断するという観点からは、紙製の剥離紙や、紙にプラスチックフィルムを積層したラミネート加工紙製の剥離紙や、これらの片面又は両面に、シリコーン樹脂やフッ素樹脂等により離型処理を施した剥離紙を用いることができる。
剥離紙の厚みは、特に限定されないが、通常10μm〜1mm、例えば20μm〜500μm、好ましくは40μm〜200μmの範囲である。
本発明に係る剥離紙には、前述の通り、引張り力を加えることにより分断される線状の切断線部が設けられており、この切断線部において、該剥離紙は15N/38mm以上の破断強度を有することが好ましい。またその上限としては、45N/38mm以下であることが好ましく、40N/38mm以下であることがより好ましい。
該切断線部における破断強度が15N/38mm未満であると、粘着シートの製造時に切断線部において分断が生じ易く、粘着シートの製造効率の低下につながり得る。また破
断強度が45N/38mm超となると、粘着シートの使用時において剥離紙を引っ張っても分断され難くなり、そのため剥離紙の分断面から紙の繊維やフィルムの切れ端などの露出が生じ得、これらが粘着テープの粘着剤層に付着して汚染の一因や粘着力の低下の一因となり得る。
[粘着テープ]
本発明の粘着シートにおいて、粘着テープは、支持体と、該支持体の一方側の面に設けられた粘着剤層とを備えてなる。
<支持体>
上記支持体としては、例えば、含浸紙、コート紙、上質紙、クラフト紙、和紙、グラシン紙等の紙類;ポリエチレンテレフタレートやポリブチレンテレフタレート等のポリエステルフィルム、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィンフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリウレタンフィルム、セロハンフィルムなどのプラスチックフィルム;発泡体;不織布、織布、編布等の布帛類;これら2種以上の積層体;などが挙げられる。前記布帛類の材質としては、天然素材、合成樹脂素材、再生樹脂材料及びこれら適宜を組み合わせた各種の材料を用いることができ、中でもポリエステル、ポリウレタン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド、アクリル樹脂等を原料とする不織布、織布、編布等を用いることとができる。
中でも、皮膚に密着することができ、かつ、皮膚の動きに追随することができる程度の柔軟な材質、そして長時間貼付後において皮膚のかぶれ等の発生を抑制できる材質が好ましく、貼付下の皮膚面の動きに対する追随性に優れる点において、さらには、水に濡れた際に強度を維持しやすく、自背面接着力がより強くなる点において、不織布が好ましく、特に、ポリエステル製不織布が好ましい。
支持体の厚みは、伸び、引張り強さ、作業性などの物理的性質や貼付時の感触や患部の密閉性等を考慮して適宜選択可能であるが、通常5μmから1mm程度である。なお、支持体の厚みが5μm〜30μm程度とごく薄い場合は、粘着剤層が設けられた支持体の一方側の面とは反対の面(以下、他方側の面という)上に、後述するキャリアフィルムを設けてもよい。
支持体が布帛類である場合、その厚みは、好ましくは50μm〜1mm、より好ましくは100μm〜800μm、更に好ましくは200μm〜700μmであり、目付けは皮膚への追従性の点から300g/m以下が好ましく、より好ましくは200g/m以下が好ましく、更に好ましくは150g/m以下である。
また支持体がプラスチックフィルムである場合、その厚みは、好ましくは10μm〜300μm、より好ましくは12μm〜200μm、更に好ましくは15μm〜150μmである。なお支持体がフィルムである場合は、粘着剤層と支持体の投錨性を向上することを目的に、支持体の一方側の面又は他方側の面、あるいはそれら両面にサンドブラスト処理、コロナ処理等の処理を行なってもよい。
上記支持体の厚みが5μmよりも小さいと、粘着テープの強度や取り扱い性が低下して、皮膚への貼付が困難になり、他の部材等との接触によって破れたり、入浴等の水との接触によって短時間で皮膚から剥離したりすることがある。また、支持体の厚みが大きすぎる(1mmより超える)と、粘着テープが皮膚の動きに追随しにくくなり、粘着テープの辺縁部に剥がれるきっかけを形成しやすくなるため、短時間で皮膚から剥離したり、貼付中の違和感が増えたりする虞がある。
中でも支持体として不織布を用いる場合、その目付量は、通常10g/m乃至100g/mであり、粘着テープの透湿性を向上させ、且つ皮膚に貼りやすい強度を保つ観点から、好ましくは15g/m乃至80g/mであり、より好ましくは20g/m乃至60g/mである。不織布の目付量が10g/m未満である場合、不織布の伸縮性
が大きくなりすぎて、却って粘着テープの取り扱い性が悪くなる虞があるほか、粘着剤が支持体(不織布)の他方側の面にまで染みだしてしまう可能性がある。また目付量が100g/mを超える場合、不織布の伸縮性が小さすぎて取り扱い性が悪くなること、粘着テープの透湿性が低下して皮膚刺激性が大きくなる虞、さらには貼付時において皮膚に違和感を生じる虞がある。
これら支持体において、JISZ0208、40℃、90%RHにおいて測定される透湿度は、1,000g/m・24hとすることが好ましく、2,000g/m・24h以上であることがより好ましく、3,000g/m・24h以上であることが特に好ましい。透湿度を1,000g/m・24h以上に設定することにより、皮膚に貼付した際のムレが少なく、皮膚刺激や貼付中の痒みが生じにくい。透湿度は高いほど好ましく、好ましい透湿度の上限は特にないが、通常30,000g/m・24h以下である。
また、粘着テープの所定方向への伸縮を調整するべく、例えば長手方向には伸び難く、短手方向には伸び易くするために、支持体の他方側の面及び/又は一方側の面に、その長手方向(或いは短手方向)に延びる樹脂縞を複数本設け、樹脂縞を有する支持体の態様とすることも可能である。このような樹脂縞としては特に限定されないが、例えばアクリル酸アルキルエステル共重合体の樹脂縞や、エチレン・酢酸ビニル共重合体の樹脂縞等が好ましく、これら共重合体(樹脂)を公知の方法により支持体の面上に塗布することにより、樹脂縞を形成できる。
なお貼付時に粘着テープが目立たないようにするために、支持体(並びに上述の樹脂縞を含む態様にあっては樹脂縞)を顔料、有機顔料、天然色素などの着色剤により、肌色などの色調に着色することにより、貼付時に肌の色との相違を少なくできる。また透明性に優れたプラスチックフィルムを支持体に用いると、貼付下の皮膚の色調を透けて出しやすくなるため、粘着テープの目立ちを少なくできる。
また支持体の他方側の面に設けられ得る上記キャリアフィルムとしては、公知のものを用いることができ、例えば、ポリウレタン、ポリエチレン、ポリプロピレン、アイオノマー、ポリアミド、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、エチレン酢酸ビニル共重合体、熱可塑性ポリエステル、ポリテトラフルオロエチレンなどの各種熱可塑性樹脂からなる各種フィルムを用いて形成することが好ましい。また上記各種フィルムは、紙にラミネートされた状態のものを用いてもよい。
これらの各種フィルム等から形成されるキャリアフィルムは、厚みを厚いものとするか、あるいは腰の強い材質からなるものとすることが望ましい。キャリアフィルムの厚みは、適宜設定できるが、通常、10μm以上、好ましくは20μm以上であり、その上限値は500μm程度である。
さらに支持体には、帯電防止剤、紫外線防止剤などの添加剤を本発明の効果を阻害しない程度に含ませることができる。帯電防止剤としては、界面活性剤(アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、両性界面活性剤)等が挙げられる。帯電防止剤により、支持体の投錨性や工程上の不具合を解消することができる。
<粘着剤層>
上記粘着剤層は、単一の粘着剤層からなる構成としてもよく、また複数の粘着剤層を積層した構成としてもよい。粘着剤層が複数の粘着剤層を積層して形成された構成である場合、種類の異なる粘着剤層を積層したものとすることができる。
また粘着剤層は、支持体の一方側の面の全面にわたって形成されていてもよいが、本発明の効果を損なわない限り、該一方側の面において部分的に形成されていてもよい。部分的に粘着剤層を形成する場合には、格子状、ネット状、粒状、唐草模様等の任意の形態を
選択できる。このように部分的に粘着剤層を形成することにより、粘着テープの通気性や透湿性などをより向上させることができ、また皮膚からの剥離時の刺激を調整(軽減)することができる。
本発明において、粘着剤層を形成する粘着剤としては、アクリル系粘着剤、ゴム系粘着剤、ウレタン系粘着剤及びシリコーン系粘着剤からなる群より選ばれる少なくとも一種を含有する粘着剤が好ましい。これら粘着剤は一種を単独で、或いは二種以上を混合して用いてもよい。中でも、皮膚表面に対して十分な接着性を有し、皮膚に対する刺激が少なく、かつ透湿性が高い観点から、アクリル系粘着剤が好ましい。
上記アクリル系粘着剤としては、例えばブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、イソノニルアクリレート等の(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマーの単独共重合体又はこれらモノマーの共重合体、さらには、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸のヒドロキシアルキルエステル、酢酸ビニル、スチレン、ビニルピロリドン、(メタ)アクリルアミド、アルコキシアルキル(メタ)アクリレート等の、前記(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマーと共重合可能なその他モノマーとの共重合体を含有する粘着剤が挙げられる。
上記粘着剤層は、任意成分として、薬剤(薬効成分)、粘着付与剤、架橋剤、軟化剤(可塑剤)、pH調整剤、酸化防止剤(抗酸化剤、防腐剤)、充填剤、紫外線吸収剤、着色料及び香料等の、粘着剤層に通常配合され得る添加剤を含有してもよい。
上記粘着剤層の厚みは、通常10μm乃至200μm、好ましくは20μm乃至100μmとすることができる。
本発明に係る粘着テープは、その透湿度が1,000g/m・24hr以上(JISZ0208、40℃、90%RHにおいて測定)であることが好ましい。このような範囲に透湿度を設定することにより、皮膚に貼付した際のムレが少なく、皮膚刺激や貼付中の痒みが生じにくい。中でも、当該粘着テープにおける透湿度が2,000g/m・24hr以上であることがより好ましく、3,000g/m・24hr以上であることがさらに好ましい。当該粘着テープにおける透湿度の上限としては、例えば30,000g/m・24hr以下である。
<製造方法>
本発明が対象とする粘着シートの製造方法は特に限定されず、例えば一般的な貼付剤の製造方法であるホットメルト法や、カレンダー法や溶展法などを採用することができる。
例えば粘着剤層は、支持体又は剥離紙の一方の上面に粘着剤をコーティング法、押出成形法などの方法により供給することにより、形成することができる。また、支持体と剥離紙の間に粘着剤を供給することによって、或いは、支持体と粘着剤層とを共押出成形することによっても製造できる。中でも本発明においては、安定した品質の粘着シートを容易に製造できる観点から、支持体の上面に粘着剤を塗工して、粘着剤層を形成する方法を採用することが好ましい。粘着剤の塗工方法としては、溶展塗工法、ホットメルト塗工法、エマルジョン塗工法など特に限定はされないが、特に50μm以下の薄い粘着剤層を得る場合には、溶展塗工法を採用することが好ましい。
通常、粘着シートは、剥離紙に切断線部を加えた後に、剥離紙に粘着テープを貼り合わせ、打ち抜き刃を粘着テープ側から合わせて粘着テープの形状に裁断し、粘着テープの不要な部分を取り除く方法で製造することが好ましく、この製造方法を用いると、本発明の粘着シートの効果が特に発揮され、製造時に断紙が起こりにくい。
本発明の粘着シートは、医療用の粘着シートとして、例えば、皮膚縫合や皮膚縫合後の補強用テープや、チューブやカテーテルの固定用テープなどにおいて、或いは家庭用の粘着シートとして、例えば、ガーゼや脱脂綿の固定用テープにおいて、好適に使用することができる。
以下に実施例及び比較例を示して、本発明について具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例に限定されるものではない。
[実施例1乃至実施例8、比較例1乃至比較例3]
<粘着シート>
図1及び図2に示す粘着シートの態様に倣い、実施例及び比較例の粘着シートを作製した。粘着シート1は、剥離紙3の片面に、支持体21と粘着剤層22とを積層した、複数のストリップ形状の粘着テープ2を並列に貼着して作製した。前記剥離紙3には、粘着テープ2の長手方向と交差するように、実施例の粘着シート1では切断線部4を、比較例の粘着シート1ではミシン目Mを、それぞれ設けた。
<粘着シートの各構成>
・剥離紙:シリコーンを背面処理した片面ポリラミ上質紙、目付80g/m
・粘着剤層:アクリル系粘着剤[(アクリル酸2−エチルヘキシル/酢酸ビニル/アクリル酸:質量比85/11/4)を100質量部、エポキシ系樹脂(テトラッドX、三菱瓦斯化学株式会社製)を0.04質量部として反応させたもの]、粘着剤層の厚みが40g/mとなるように設定。
・支持体:ポリエステル不織布(目付量30g/m)の一方側の面に、エチレン・酢酸ビニル共重合体(EVA)を塗布した、複数本のエチレン・酢酸ビニル共重合体の樹脂縞を有する支持体(樹脂縞の幅:1.0mm、樹脂縞のピッチ間隔:1.0mmの等間隔、樹脂縞の模様:直線状の縞模様、樹脂縞の塗布量:樹脂縞の面積当たり25g/m)。該支持体の樹脂縞が支持体の粘着剤層側の面に設けられるように、該支持体と粘着剤層とを積層して粘着テープとした。
図3及び図4は、実施例及び比較例の粘着シート1の背面図を示す図であって、これにより各例に使用した剥離紙3の、切断線部4(図3(a)〜(d)、図4(e)〜(g))又はミシン目M(図4(h))の構成を説明する。
図3及び図4において、粘着シート1の幅をW1、長さをL1、粘着シート1の上端又は下端からの切断線部4又はミシン目Mまでの長さをL11又はL12、粘着テープ2の幅をW2、長さをL2にて表す(なお図3(b)〜(d)、図4(e)〜(h)においては、一部符号を省略した)。
図3(a)〜(d)に示す切断線部4(粘着テープ2が貼着された部分4aが切れ目41のみで構成される態様)を有する粘着シート1において、切断線部4における切れ目41の各部分をS1〜S4、非切断部42の各部分をC1〜C3とした。また、図4(e)〜(g)に示す切断線部4(粘着テープ2が貼着された部分4aに非切断線部42を有する態様)を有する粘着シート1において、切断線部4における切れ目41の各部分をS11、S12、S2、S3、S4、非切断部42の各部分をC1、C11、C2、C3とした。
図4(h)に示すミシン目Mを有する粘着シート1は、剥離紙3に、切断線部4の代わりにミシン目Mを設けた態様であり、ここで、ミシン目Mにおいて切断部(剥離紙を貫通してなる部分)をM1、非切断部をM2とした。
実施例1乃至実施例5の粘着シート1として、図3(a)〜(d)に示す切断線部4を有する粘着シート1(剥離紙3に2箇所の切断線部4を設けた製品)を製造した。各粘着シート1における剥離紙の切断線部4の種類、粘着シート1の幅W1及び長さL1、シー
ト上端及び下端から切断線部4までの長さL11及びL12、粘着テープ2の幅L2及び長さL2、貼着した粘着テープ2の本数及び粘着テープ2の貼着した間隔、さらに、各粘着シート1における切断線部4の切れ目41の各部分S1〜S4の長さ、並びに、非切断部42の各部分C1〜C3の長さを表1に示す。
また実施例6乃至実施例8の粘着シート1として、図4(e)〜(g)に示す切断線部4を有する粘着シート1(剥離紙3に2箇所の切断線部4を設けた製品)を製造した。各粘着シート1における剥離紙の切断線部4の種類、粘着シート1の幅W1及び長さL1、シート上端及び下端から切断線部4までの長さL11及びL12、粘着テープ2の幅L2及び長さL2、貼着した粘着テープ2の本数及び粘着テープ2の貼着した間隔、さらに、各粘着シート1における切断線部4の切れ目41の各部分S11、S12、S2、S3、S4の長さ、並びに、非切断部42の各部分C1、C11、C2、C3の長さを表1に示す。
また比較例1乃至比較例3の粘着シート1として、図4(h)に示すミシン目Mを有する粘着シート1(剥離紙3に2箇所のミシン目Mを設けた製品)を製造した。該粘着シート1におけるミシン目Mの切断部M1及び非切断部M2の長さを、上記と同様に表1に合わせて示す。
なお参考例1として、剥離紙3の切断線部4を全て切れ目41とした(切断線部4で剥離紙3が完全に分断されている)粘着シート1、並びに、参考例2として、切断線部4の両端1mm〜3mmのみを非切断部42とし、残りは全て切れ目41とした粘着シートの作製を試みたが、いずれの場合も粘着シート1の製造中に切れ目41部分に異物が引っ掛かって製造が中断したり、さらには該異物が粘着剤層22の面に付着して粘着シート1としての製品品質が保てないものが生じたり、また参考例2においては、両端に設けた非切断部42が製造中に切断されるなど、製造上及び品質上の問題が生じる結果となった。
[剥離紙 引張試験]
実施例1乃至8、並びに比較例1乃至3で使用した、切断線部4又はミシン目Mが設けられた剥離紙3に関して引張試験を実施し、破断強度を測定した。
引張試験はJIS Z0237(2009) 粘着テープ・粘着シート試験方法に準拠して、テンシロン万能試験機を用いて、温度23℃、相対湿度50%雰囲気下、幅38mmに裁断した剥離紙(試料)をチャック間距離20mmにて、切断部4又はミシン目Mが中央に来るよう設置し(つかみはLS123で固定)、100N荷重にて引張測定を5回実施し、その平均値として破断強度を求めた。得られた結果を表1に示す。
[手切れ性試験]
実施例1乃至3及び5乃至8、並びに比較例1乃至3の粘着シート1の手切れ性について、以下の手順にて評価した(製品数5、各製品それぞれ2箇所の切断線部及びミシン目において試験を実施し、試験数は10)。各粘着シート1の切断線部4又はミシン目Mにおいて剥離紙3が分断されるように剥離紙3を手で引っ張り、この後、粘着テープ2の粘着剤層22において、剥離紙3の積層構造が剥離するなどして生じ得る破片の存在の有無を目視にて観察し、以下の4段階の評点にて採点した。下記の評点1が発生した試験数より、粘着テープが使用不可となる試験の発生頻度を算出し、以下の評価基準にて評価した。
<評点>
1:テープ上に破片が存在し、テープが使用不可
2:破片は存在するがテープ使用可
3:テープ上に破片が存在せず、テープ使用可
4:破片が存在しない
<評価基準>
○:発生頻度5%未満
△:発生頻度5%以上10%以下
×:発生頻度10%超
Figure 0006648937
表1に示すように、実施例1乃至3、並びに5乃至8にあっては、剥離紙が粘着テープに貼着された部分において、粘着テープの粘着剤層に剥離紙の破片などは一切確認されず、粘着シート(剥離紙)の手切れ性に優れるものであったが、比較例1乃至3にあっては、いずれも粘着テープの粘着剤層に剥離紙の破片が確認され、粘着テープの粘着剤層の表面に破片が付着する結果となった。
なお、実施例1乃至8及び比較例1乃至3のいずれにおいても、粘着シートの製造中に剥離紙の切れ目部分に異物が引っ掛かって製造が中断したり、さらには該異物が粘着剤層の面に付着して粘着シートとしての製品品質が保てないものが生じたり、或いは非切断部の断紙が生じるなどの、製造上及び品質上の問題は一切生じなかった。
[実施例9乃至実施例20]
これら実施例において、上述の実施例1乃至実施例8において使用した粘着テープ及び剥離紙と同一種類のものを使用し、図1に示す態様に倣い、各実施例の粘着シートを作製した。
図5乃至図16に、実施例9乃至実施例20の粘着シート1の正面図(a)及び背面図(b)をそれぞれ示す。なお図16においては、(b)における切断線部の一部の拡大図を図16(c)に示す。また、図5乃至図16ににおける各数字(mm)は、粘着シート1の幅W1及び長さL1、粘着テープ2の幅W2、粘着テープ2間の間隔、切断線部4の形成位置(粘着シート1の上端又は下端からの長さ)、切断線部4の各切れ目41及び各非切断部42の長さをそれぞれ示す(各図において一部符号を省略した)。
[実施例9]
実施例9の粘着シートとして、図5に示すように、幅W1 38mm、長さL1 86mmの粘着シート1を作製した。本実施例では、幅W2 4mm、長さL2 76mmの粘着テープ2を3.5mm間隔で4本貼着し、剥離紙3の上端から15mmの位置、下端から15mmの位置に、計2本の切断線部4を設けた。
上記剥離紙3の切断線部4において、粘着テープ2が貼着された部分を含めた切れ目41の長さを各6.5mm、粘着テープ2間の非切断部42の長さを各1mmとした。また、粘着テープ2が貼着されていない部分の右端部分(又は左端部分)の切断線部4は、右端(又は左端)から切れ目41 2.0mm、非切断部42 1.0mm、切れ目41 0.5mm、非切断部42 1.0mmの順とした。
[実施例10]
実施例10の粘着シートとして、図6に示すように、幅W1 38mm、長さL1 48mmの粘着シート1を作製した。本実施例では、幅W2 4mm、長さL2 38mmの粘着テープ2を3.5mm間隔で4本貼着し、剥離紙3の上端から15mmの位置、下端から15mmの位置に、計2本の切断線部4を設けた。
なお剥離紙3の切断線部4の構成(切れ目41及び非切断部42の位置・長さ)は実施例9と同一とした。
[実施例11]
実施例11の粘着シートとして、図7に示すように、幅W1 38mm、長さL1 86mmの粘着シート1を作製した。本実施例では、幅W2 6mm、長さL2 76mmの粘着テープ2を4mm間隔で3本貼着し、剥離紙3の上端から15mmの位置、下端から15mmの位置に、計2本の切断線部4を設けた。
上記剥離紙3の切断線部4において、粘着テープ2が貼着された部分を含めた切れ目41の長さを各9mm、粘着テープ2間の非切断部42の長さを各1mmとし、また、粘着テープ2が貼着されていない部分の右端部分(又は左端部分)の切断線部4は、右端(又は左端)から切れ目41 2.0mm、非切断部42 1.0mm、切れ目41 0.5mm、非切断部42 1.0mmの順とした。
[実施例12]
実施例12の粘着シートとして、図8に示すように、幅W1 38mm、長さL1 48mmの粘着シート1を作製した。本実施例では、幅W2 6mm、長さL2 38mmの粘着テープ2を4mm間隔で3本貼着し、剥離紙の上端から15mmの位置、下端から15mmの位置に、計2本の切断線部4を設けた。
なお剥離紙3の切断線部4の構成(切れ目41及び非切断部42の位置・長さ)は実施例11と同一とした。
[実施例13]
実施例13の粘着シートとして、図9に示すように、幅W1 38mm、長さL1 48mmの粘着シート1を作製した。本実施例では、幅W2 6mm、長さL2 19mmの粘着テープ2を4mm間隔で並列に3本、4mm間隔で直列に2本、計6本貼着し、剥離紙3の上端から10mmの位置、下端から10mmの位置に、計2本の切断線部4を設けた。
なお剥離紙3の切断線部4の構成(切れ目41及び非切断部42の位置・長さ)は実施例11と同一とした。
[実施例14]
実施例14の粘着シートとして、図10に示すように、幅W1 38mm、長さL1 86mmの粘着シート1を作製した。本実施例では、幅W2 12mm、長さL2 76mmの粘着テープ2を5mm間隔で2本貼着し、剥離紙3の上端から15mmの位置、下端から15mmの位置に、計2本の切断線部4を設けた。
上記剥離紙3の切断線部4において、粘着テープ2が貼着された部分を含めた切れ目41の長さを各14.5mm、粘着テープ2間の2つの非切断部42の長さを各0.8mm、これら非切断部42間の切れ目41の長さを0.9mmとした。また、粘着テープ2が貼着されていない部分の右端部分(又は左端部分)の切断線部4は、右端(又は左端)から切れ目41 1.25mm、非切断部42 0.5mm、切れ目41 0.5mm、非切断部42 1.0mmの順とした。
[実施例15]
実施例15の粘着シートとして、図11に示すように、幅W1 38mm、長さL1 48mmの粘着シート1を作製した。本実施例では、幅W2 4mm、長さL2 38mmの粘着テープ2を3.5mm間隔で4本貼着し、剥離紙3の上端から15mmの位置、下端から15mmの位置に、計2本の切断線部4を設けた。
上記剥離紙3の切断線部4において、粘着テープ2が貼着された部分の両端の切れ目41の長さを各2.9mm、該貼着された部分に設けられた2つの非切断部42の長さを各0.3mm、これら非切断部42間の切れ目41の長さを各0.6mmとした。
また、粘着テープ2が貼着されていない部分の右端部分(又は左端部分)の切断線部4は、右端(又は左端)から切れ目41 2.55mm、非切断部42 0.5mm、切れ目41 0.7mm、非切断部42 0.5mmの順とした。
[実施例16]
実施例16の粘着シートとして、図12に示すように、幅W1 38mm、長さL1 86mmの粘着シート1を作製した。本実施例では、幅W2 4mm、長さL2 76mmの粘着テープ2を3.5mm間隔で4本貼着し、剥離紙3の上端から15mmの位置、下端から15mmの位置に、計2本の切断線部4を設けた。
なお剥離紙3の切断線部4の構成(切れ目41及び非切断部42の位置・長さ)は実施例15と同一とした。
[実施例17]
実施例17の粘着シートとして、図13に示すように、幅W1 38mm、長さL1 48mmの粘着シート1を作製した。本実施例では、幅W2 6mm、長さL2 38mmの粘着テープ2を4mm間隔で3本貼着し、剥離紙3の上端から15mmの位置、下端
から15mmの位置に、計2本の切断線部4を設けた。
上記剥離紙3の切断線部4において、粘着テープ2が貼着された部分の両端の切れ目41の長さを各4.1mm、該貼着された部分に設けられた2つの非切断部42の長さを各0.3mm、これら非切断部42間の切れ目41の長さを各0.7mmとした。
また、粘着テープ2が貼着されていない部分の右端部分(又は左端部分)の切断線部4は、右端(又は左端)から切れ目41 2.55mm、非切断部42 0.5mm、切れ目41 0.7mm、非切断部42 0.5mmの順とした。
[実施例18]
実施例18の粘着シートとして、図14に示すように、幅W1 38mm、長さL1 86mmの粘着シート1を作製した。本実施例では、幅W2 6mm、長さL2 76mmの粘着テープ2を4mm間隔で3本貼着し、剥離紙の上端から15mmの位置、下端から15mmの位置に、計2本の切断線部4を設けた。
なお剥離紙3の切断線部4の構成(切れ目41及び非切断部42の位置・長さ)は実施例17と同一とした。
[実施例19]
実施例19の粘着シートとして、図15に示すように、幅W1 38mm、長さL1 48mmの粘着シート1を作製した。本実施例では、幅W2 6mm、長さL2 19mmの粘着テープ2を4mm間隔で並列に3本、4mm間隔で直列に2本、計6本貼着し、剥離紙3の上端から10mmの位置、下端から10mmの位置に、計2本の切断線部4を設けた。
なお剥離紙3の切断線部4の構成(切れ目41及び非切断部42の位置・長さ)は実施例17と同一とした。
[実施例20]
実施例20の粘着シートとして、図16に示すように、幅W1 38mm、長さL1 86mmの粘着シート1を作製した。本実施例では、幅W2 12mm、長さL2 76mmの粘着テープ2を5mm間隔で2本貼着し、剥離紙3の上端から15mmの位置、下端から15mmの位置に、計2本の切断線部4を設けた。
上記剥離紙3の切断線部4において、粘着テープ2が貼着された部分の両端の切れ目41の長さを各3.3mm、該貼着された部分に設けられた9つの非切断部42の長さを各0.3mm、これら非切断部42間の8つの切れ目41の長さを各0.7mmとした。
また、粘着テープ2が貼着されていない部分の右端部分(又は左端部分)の切断線部4は、右端(又は左端)から切れ目41 2.55mm、非切断部42 0.5mmの順とした。
上記実施例9乃至実施例20の粘着シートは、いずれも、切断線部において分断されるように剥離紙を手で引っ張って分断した際、粘着テープの粘着剤層に剥離紙の破片などは一切確認されず、粘着シート(剥離紙)の手切れ性に優れるものであった。またこれら粘着シートの製造中においても、剥離紙の切れ目部分に異物が引っ掛かって製造が中断したり、さらには該異物が粘着剤層の面に付着して粘着シートとしての製品品質が保てないものが生じたり、或いは非切断部の断紙が生じるなどの、製造上及び品質上の問題は一切生じなかった。
1 粘着シート
2 粘着テープ
21 支持体 22 粘着剤層
3 剥離紙
4 切断線部
41 切れ目 42 非切断部
4a(4a1、4a2、4a3、4a4) 粘着テープ2が貼着された部分
4b(4b1、4b2、4b3、4b4) 粘着テープ2が貼着されていない部分
W1 粘着シート1の幅 L1 粘着シート1の長さ
W2 粘着テープ2の幅 L2 粘着テープ2の長さ
L11 粘着シート1の上端からの切断線部4までの長さ
L12 粘着シート1の下端からの切断線部4までの長さ
S1、S11、S12、S2、S3、S4 切れ目41の各部分
C1、C11、C2、C3 非切断部42の各部分
M ミシン目
M1 ミシン目の切断部 M2 ミシン目の非切断部

Claims (8)

  1. 剥離紙の片面に、複数のストリップ形状の粘着テープが並列に貼着された粘着シートであって、
    前記剥離紙には、該剥離紙に引張り力を加えることにより分断される線状の切断線部が、前記粘着テープの長手方向と交差するように設けられ、
    前記切断線部は、剥離紙を切割する切れ目と剥離紙を切割しない非切断部とを交互に連続形成されてなり、
    そして、該切断線部のうち、少なくとも該粘着テープが貼着された部分の両端はともに切れ目で構成されてなり、
    さらに、前記切断線部のうち、並列貼着された複数の粘着テープの間の部分において、非切断線部を有することを特徴とする、粘着シート。
  2. 前記切断線部のうち、前記粘着テープが貼着された部分は切れ目のみで構成されてなる、請求項1に記載の粘着シート。
  3. 前記切断線部は、前記粘着テープが貼着された部分に非切断部を1つ以上有し、該1つ以上の非切断部の長さが各々0.2〜0.6mmである、請求項1に記載の粘着シート。
  4. 前記剥離紙は、前記切断線部において、15N/38mm以上の破断強度を有する、請求項1乃至請求項3のうち何れか一項に記載の粘着シート。
  5. 前記切断線部のうち、前記粘着テープが貼着されていない各部分には、該各部分の幅に対して5%長乃至40%長の非切断部が、1乃至3個設けられてなる、
    請求項1乃至請求項4のうち何れか一項に記載の粘着シート。
  6. 前記切断線部は、前記粘着テープが貼着されていない各部分において、前記非切断部の合計長が0.5mm〜2.5mmである、請求項1乃至請求項5のうち何れか一項に記載の粘着シート。
  7. 前記切断線部は、その両端が切れ目である、請求項1乃至請求項6のうち何れか一項に記載の粘着シート。
  8. 前記粘着テープが、創傷被覆用テープ、皮膚縫合用テープ、又は皮膚縫合後の補強用のテープである、請求項1乃至請求項7のうち何れか一項に記載の粘着シート。
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