JP6648414B2 - 鍵盤楽器および鍵盤楽器の自動演奏プログラム - Google Patents

鍵盤楽器および鍵盤楽器の自動演奏プログラム Download PDF

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Description

本発明は鍵盤楽器および鍵盤楽器の自動演奏プログラムに関する。詳しくは、演奏操作子を操作するアクチュエータを具備し、駆動情報に従ってアクチュエータを制御する鍵盤楽器および鍵盤楽器の自動演奏プログラムに関する。
従来、演奏操作子である鍵を駆動するためのアクチュエータ(駆動手段)であるソレノイドを備えた鍵盤楽器である自動演奏ピアノが知られている。自動演奏ピアノは、演奏情報に基づいてソレノイドを駆動させることで鍵を操作して自動演奏させるものである。例えば、特許文献1に記載の如くである。
特許文献1に記載の自動演奏ピアノは、鍵のストローク位置または鍵速度を検出するキーセンサとソレノイドのプランジャ位置またはプランジャ速度を検出するプランジャセンサとを具備する。自動演奏ピアノは、キーセンサが検出した鍵のストローク位置または鍵速度とプランジャセンサが検出したプランジャ位置またはプランジャ速度に基づいた信号を演奏情報にフィードバックする。これにより、自動演奏ピアノは、ソレノイドによる鍵の動作精度を向上させることができる。しかし、特許文献1に記載の技術は、鍵とソレノイドとの正確な駆動状態について考慮されていない。従って、ソレノイドの動きに鍵が追従しないような演奏態様においては、鍵とソレノイドとが離間して駆動雑音が発生する場合や鍵の動作が不安定になり正確な自動演奏がされない場合があった。
特許第4222210号公報
本発明は以上の如き状況に鑑みてなされたものであり、駆動雑音の発生を抑制し、安定かつ正確な自動演奏を行うことができる鍵盤楽器および鍵盤楽器の自動演奏プログラムの提供を目的とする。
本発明によれば、アクチュエータの可動部を演奏操作子に接触させてアクチュエータを駆動情報に従って駆動することで演奏操作子を操作する鍵盤楽器において、演奏操作子の動作態様とアクチュエータの駆動態様とから演奏操作子とアクチュエータの可動部とが離間状態か否か判定する判定手段、を具備し、判定手段が演奏操作子と可動部とが離間状態であると判定すると、演奏操作子と可動部とが接触するように駆動情報を補正するものである。
本発明によれば、前記アクチュエータの駆動態様を示すアクチュエータの可動部の実駆動位置と前記演奏操作子の動作態様を示す演奏操作子の実操作位置から定まるアクチュエータの可動部の推定駆動位置との偏差である離間位置偏差が演奏操作子と可動部との離間を判定する位置偏差基準値未満の場合、または離間位置偏差が位置偏差基準値未満であってアクチュエータの駆動態様を示す可動部の実駆動速度と演奏操作子の動作態様を示す演奏操作子の実操作速度から定まる可動部の推定駆動速度との偏差である離間速度偏差が演奏操作子と可動部との離間を判定する速度偏差基準値未満の場合、前記判定手段が演奏操作子と可動部とが接触状態を維持していると判定し、可動部の実駆動位置と可動部の推定駆動位置との離間位置偏差が位置偏差基準値以上の場合、判定手段が演奏操作子と可動部とが離間状態であると判定するものである。
本発明においては、前記判定手段が、前記離間位置偏差から前記アクチュエータと前記演奏操作子とが接触状態を維持していると判定した場合、前記駆動情報による可動部の目標駆動位置と前記可動部の推定駆動位置との位置偏差に基づいて前記駆動情報を補正し、
前記判定手段が、離間位置偏差および前記離間速度偏差からアクチュエータと演奏操作子とが接触状態を維持していると判定した場合、駆動情報による可動部の目標駆動位置と可動部の推定駆動位置との位置偏差および駆動情報による可動部の目標駆動速度と前記可動部の推定駆動速度との速度偏差に基づいて駆動情報を補正するものである。
本発明においては、前記判定手段が、前記アクチュエータと前記演奏操作子とが離間状態であると判定した場合、前記可動部の目標駆動位置と前記可動部の実駆動位置との偏差である追従位置偏差が追従許容値未満のとき、可動部の目標駆動位置と可動部の実駆動位置との位置偏差に基づいて前記駆動情報を補正し、前記追従位置偏差が許容値以上のとき、前記離間位置偏差に応じて可動部の実駆動位置と前記可動部の推定駆動位置との案分値を算出し、可動部の目標駆動位置と可動部の実駆動位置の案分値との位置偏差に基づいて駆動情報を補正するものである。
本発明においては、前記判定手段が、前記アクチュエータと前記演奏操作子とが離間状態であると判定した場合、前記離間位置偏差が位置偏差上限基準値以上のとき、前記可動部の目標駆動位置と前記可動部の実駆動位置との位置偏差および前記可動部の目標駆動速度と前記可動部の実駆動速度との速度偏差を所定の比率で増幅した増幅値に基づいて前記駆動情報を補正し、離間位置偏差が位置偏差上限基準値未満のとき、可動部の目標駆動位置と前記可動部の推定駆動位置との位置偏差および可動部の目標駆動速度と前記可動部の推定駆動速度との速度偏差に基づいて駆動情報を補正し、離間位置偏差が位置偏差上限基準値未満かつ打弦から所定時間内のとき、可動部の目標駆動位置と可動部の実駆動位置との位置偏差および可動部の目標駆動速度と可動部の実駆動速度との速度偏差に基づいて駆動情報を補正するものである。
本発明においては、前記離間位置偏差が前記位置偏差下限基準値未満であって前記離間速度偏差が前記速度偏差基準値以上の場合、前記判定手段が、前記可動部と前記演奏操作子とが接触状態から離間状態に移行しているとさらに判定するものである。
本発明においては、前記可動部と前記演奏操作子とが接触状態から離間状態に移行していると判定した場合、前記可動部の目標駆動位置と前記可動部の実駆動位置との位置偏差および前記可動部の目標駆動速度と前記可動部の実駆動速度との速度偏差を前記離間速度偏差に応じた比率で増幅した増幅値に基づいて前記駆動情報を補正するものである。
本発明においては、可動部が演奏操作子に接触しているアクチュエータを駆動情報に従って駆動させることで演奏操作子による演奏を行う鍵盤楽器の自動演奏プログラムであって、駆動情報を生成する駆動情報生成ステップと、演奏操作子の動作態様とアクチュエータの駆動態様とから演奏操作子とアクチュエータの可動部とが離間しているか否か判定する離間判定ステップと、離間判定ステップにおいて演奏操作子とアクチュエータの可動部とが離間していると判定すると、演奏操作子とアクチュエータの可動部とが接触するように駆動情報を補正する補正ステップと、を含むものである。
本発明においては、前記離間判定ステップにおいて、前記アクチュエータの駆動態様を示すアクチュエータの可動部の実駆動位置と前記演奏操作子の動作態様を示す演奏操作子の実操作位置から定まるアクチュエータの可動部の推定駆動位置との偏差である離間位置偏差が演奏操作子とアクチュエータとの離間を判定する位置偏差基準値未満の場合、または離間位置偏差が位置偏差基準値未満であってアクチュエータの駆動態様を示す可動部の実駆動速度と演奏操作子の動作態様を示す演奏操作子の実操作速度から定まる可動部の推定駆動速度との偏差である離間速度偏差が演奏操作子と可動部との離間を判定する速度偏差基準値未満の場合、アクチュエータと演奏操作子とが接触状態を維持していると判定し、離間判定ステップにおいて、離間位置偏差が位置偏差基準値以上の場合、アクチュエータと演奏操作子とが離間状態であると判定し、離間位置偏差からアクチュエータと演奏操作子とが接触状態を維持していると判定した場合、補正ステップにおいて、演奏信号によるアクチュエータの可動部の目標駆動位置と可動部の推定駆動位置との位置偏差に基づいて前記駆動情報を補正し、離間位置偏差および離間速度偏差からアクチュエータと演奏操作子とが接触状態を維持していると判定した場合、補正ステップにおいて、可動部の目標駆動位置と可動部の推定駆動位置との位置偏差および可動部の目標駆動速度と可動部の推定駆動速度との速度偏差に基づいて駆動情報を補正し、アクチュエータと演奏操作子とが離間状態であると判定した場合、補正ステップにおいて、前記可動部の目標駆動位置と前記可動部の実駆動位置との偏差である追従位置偏差が追従許容値未満のとき、可動部の目標駆動位置と可動部の実駆動位置との位置偏差に基づいて駆動情報を補正し、追従位置偏差が許容値以上のとき、前記離間位置偏差に応じて可動部の実駆動位置と前記可動部の推定駆動位置との案分値を算出し、可動部の目標駆動位置と可動部の実駆動位置の案分値との位置偏差に基づいて前記駆動情報を補正するものである。
本発明においては、前記離間判定ステップにおいて、前記離間位置偏差が前記位置偏差下限基準値未満であって前記離間速度偏差が前記速度偏差基準値以上の場合、前記アクチュエータと前記演奏操作子とが接触状態から離間状態に移行しているとさらに判定し、アクチュエータと演奏操作子とが接触状態から離間状態に移行していると判定した場合、補正ステップにおいて、前記可動部の目標駆動位置と前記可動部の実駆動位置との位置偏差および前記可動部の目標駆動速度と前記可動部の実駆動速度との速度偏差を前記離間速度偏差に応じた比率で増幅した増幅値に基づいて駆動情報を補正するものである。
本発明によれば、演奏操作子とアクチュエータとの相対的な位置関係を考慮してアクチュエータが制御される。これにより、駆動雑音の発生を抑制し、安定かつ正確な自動演奏を行うことができる。
本発明に係る鍵盤楽器の全体構成を示す側面の部分断面図。 本発明に係る鍵盤楽器の第一実施形態における自動演奏の為の駆動機構と制御装置の構成とを示す概略構成図。 本発明に係る鍵盤楽器の第一実施形態における制御構成を示すブロック図。 本発明に係る鍵盤楽器の第一実施形態におけるアクチュエータによる打弦の態様を示す概略構成図。 本発明に係る鍵盤楽器の第一実施形態における制御装置の信号伝達の態様を示す概略構成図。 (a)本発明に係る鍵盤楽器の第一実施形態における鍵とアクチュエータの可動部との動作態様を表すグラフを示す図(b)同じくアクチュエータの目標駆動位置に対する動作態様を表すグラフを示す図。 本発明に係る鍵盤楽器の駆動情報における鍵操作用テーブルを示す図。 本発明に係る鍵盤楽器の第一実施形態における自動演奏の制御プログラムの詳細を表すフローチャートを示す図。 本発明に係る鍵盤楽器の第一実施形態における鍵操作の制御プログラムの詳細を表すフローチャートを示す図。 本発明に係る鍵盤楽器の第一実施形態における鍵とアクチュエータの可動部との離間判定の制御プログラムの詳細を表すフローチャートを示す図。 本発明に係る鍵盤楽器の第一実施形態におけるアクチュエータの可動部の目標駆動位置を補正する制御態様を表すフローチャートを示す図。 本発明に係る鍵盤楽器の第二実施形態における自動演奏の為の駆動機構と制御装置の構成とを示す概略構成図。 本発明に係る鍵盤楽器の第二実施形態における制御構成を示すブロック図。 本発明に係る鍵盤楽器の第二実施形態における制御装置の信号伝達の態様を示す概略構成図。 本発明に係る鍵盤楽器の第二実施形態における鍵とアクチュエータの可動部との位置と速度に関する動作態様を表すグラフを示す図。 本発明に係る鍵盤楽器の第二実施形態における鍵操作の制御プログラムの詳細を表すフローチャートを示す図。 本発明に係る鍵盤楽器の第二実施形態における鍵とアクチュエータの可動部との離間判定の制御プログラムの詳細を表すフローチャートを示す図。 本発明に係る鍵盤楽器の第二実施形態におけるアクチュエータの可動部の目標駆動位置を補正する制御プログラムの詳細を表すフローチャートを示す図。 本発明に係る鍵盤楽器の第二実施形態におけるアクチュエータの可動部の目標駆動位置と目標駆動速度とを補正する制御プログラムの詳細を表すフローチャートを示す図。 本発明に係る鍵盤楽器の第二実施形態における鍵とアクチュエータの可動部とが離間している場合の位置補正量と速度補正量とを算出する制御プログラムの詳細を表すフローチャートを示す図。
<第一実施形態>
以下に、図1から図3を用いて、本発明の第一実施形態に係る鍵盤楽器である自動演奏ピアノ1について説明する。図1に示すように、自動演奏ピアノ1は、本実施形態においてグランドピアノである。自動演奏ピアノ1は、演奏操作子である鍵2(黒鍵および白鍵)やペダル14を演奏情報から生成した駆動情報に従って操作して自動演奏を行うことができるものである。本実施形態において、演奏者が鍵2を操作する側を操作側、弦13が張られている側を弦側とする。
自動演奏ピアノ1は、グランドピアノにアクチュエータであるソレノイド16、アクチュエータの駆動態様を検出するプランジャセンサ17、演奏操作子の動作態様を検出する鍵センサ18、駆動電流発生装置19(図2、図3参照)、プランジャセンサ信号変換装置20(図2、図3参照)、鍵センサ信号変換装置21(図2、図3参照)および制御装置26(図2、図3参照)を具備する。自動演奏ピアノ1は、演奏者による鍵2やペダル14の操作が可能であるととともに、各ソレノイド16の独立した駆動による各鍵2の操作が可能に構成されている。これにより、自動演奏ピアノ1は、演奏者が鍵2やペダル14を操作して楽曲を演奏したり、複数のソレノイド16を駆動情報に従って独立して駆動させることで各鍵2を操作して楽曲を自動演奏したりすることができる。
図1と図2とに示すように、自動演奏ピアノ1は、複数の鍵2と各鍵2に設けられているアクション機構4(打弦機構)とを支持している鍵フレーム3にソレノイド16、プランジャセンサ17および鍵センサ18が設けられている。鍵2は、その略中央部がバランスキーピン2aを介して支持され、上下方向に回動自在に構成されている。鍵2の弦側には、アクション機構4がアクションブラケット5を介して鍵フレーム3に支持されている。また、鍵2の弦側端部には、ダンバー機構9が配置されている。
図2に示すように、アクション機構4は、打弦するものである。アクション機構4は、主にサポート6、ハンマー7およびジャック8等を具備する。サポート6は、棒状に形成され、弦側から操作側に向けて配置されている。サポート6は、弦側端部をサポートレール5aに支持され、上下方向に回動自在に構成されている。ハンマー7は、操作側から弦側に向けて配置されている棒状のハンマーシャンク7aを介してシャンクレール5bに支持されている。ハンマーシャンク7aは、操作側端部を支点として上下方向に回動自在に構成されている。つまり、ハンマー7は、ハンマーシャンク7aを介して上下方向に移動可能に構成されている。ジャック8は、静止時にハンマーシャンク7aに取り付けられているハンマーローラー7bに接している。ジャック8の一側端は、サポート6の操作側端部に支持され、ジャック8の他側端は、ハンマーシャンク7aの操作側端部(回動支点側)を支持している。このように構成されるアクション機構4において、サポート6は、鍵2の押圧操作等による鍵2の弦側の上方向への回動に伴って上方向に回動される。ジャック8を介してサポート6に支持されているハンマーシャンク7aは、サポート6の上方向に回動に伴って上方向に回動される。ハンマーシャンク7aに支持されているハンマー7は、ハンマーシャンク7aの上方向の回動に伴って上方向に移動される。この結果、アクション機構4は、ジャック8がハンマーローラー7bから外れ、その状態でハンマー7によって弦13を打撃する。そして、ハンマー7が弦13から離間する。
ダンパー機構9は、ダンパー12を弦13から離間したり弦13に接触させたりするものである。ダンパー機構9は、ダンパーレバー10、ダンパーワイヤー11およびダンパー12等を具備する。ダンパーレバー10は、棒状に形成され、弦側から操作側に向けて配置されている。ダンパーレバー10は、弦側端部をピアノ本体に支持され、上下方向に回動自在に構成されている。また、ダンパーレバー10の操作側端部は、鍵2の弦側端部に支持されている。さらに、ダンパーレバー10の途中部には、ダンパーワイヤー11が接続されている。ダンパー12は弦13の上側から弦13と接触するように配置されるとともに、ダンパーワイヤー11を介してダンパーレバー10に接続されている。また、ダンパーレバー10は、ペダル14と連動連結されているリフティングレール15によって上方向に回動可能に構成されている。このように構成されダンパー機構9において、鍵2に支持されているダンパーレバー10は、鍵2の弦側の上方向への回動に伴って上方向に回動される。ダンパー12は、ダンパーレバー10の上方向に回動に伴ってダンパーワイヤー11により上方向に移動される。この結果、ダンパー機構9は、弦13からダンパー12を離間させる。ダンパー機構9は、鍵2の弦側が下方向に回動することでダンパー12が弦13に接触する。
アクチュエータであるソレノイド16は、鍵2を駆動するものである。ソレノイド16は、駆動電流によって励磁される図示しないソレノイドコイルの作用により可動部であるプランジャ16aがソレノイド16の本体から出入りするように構成されている。ソレノイド16は、プランジャ16aが鍵2に対向し、かつプランジャ16aが鍵2の下面に接触するようにして鍵2の弦側端部の下側に配置されている。つまり、ソレノイド16は、プランジャ16aがソレノイド16の本体から突出(上昇)することで鍵2の下面に接触しながら鍵2の弦側端部を持ち上げるように構成されている。
図2と図3とに示すように、アクチュエータであるソレノイド16の駆動態様を検出するプランジャセンサ17は、上昇または下降しているプランジャ16a(図2参照)の基準位置からの距離である実駆動位置yxPを連続的に検出するものである。プランジャセンサ17は、各ソレノイド16に組み込まれており、図示しないソレノイドコイルの誘導起電力等に基づいてプランジャ16aの実駆動位置yxPを検出する。プランジャセンサ17は、検出した実駆動位置yxPをアナログ信号として出力する。なお、プランジャセンサ17は、本実施形態に限定されるものではなく、プランジャ16aの実駆動位置yxPを検出できるものであればよい。
演奏操作子である鍵2の動作態様を検出する鍵センサ18は、鍵2の基準位置からの距離である実操作位置yxKを連続的に検出するものである。鍵センサ18は、発光ダイオードの受光量に応じた検出信号を出力する光学式の位置センサ等から構成されている。図2に示すように、鍵センサ18は、センサ本体18aと、その位置に応じて受光量を変化させるドグ18b(遮光板)とから構成されている。鍵センサ18は各鍵2の下面に対向する位置(鍵フレーム3)にそれぞれ配置される。鍵センサ18のドグ18bは、鍵2の実操作位置yxKに応じて発光ダイオードの光を遮るように鍵2の下面に配置される。これにより、鍵センサ18は、受光量の変化に基づいて鍵2の実操作位置yxKを検出する。鍵センサ18は、検出した鍵2の実操作位置yxKをアナログ信号として出力する。なお、鍵センサ18は、本実施形態に限定されるものではなく、鍵2の実操作位置yxKを検出できるものであればよい。
図2と図3とに示すように、駆動電流発生装置19は、ソレノイド16に電流を供給するものである。駆動電流発生装置19は、PWM(Pulse Width Modulation)方式のプランジャ駆動電流ui(以下、単に「プランジャ駆動電流ui」と記す)をソレノイド16に供給する。駆動電流発生装置19は、各ソレノイド16にそれぞれ設けられ、対応するソレノイド16に接続されている。駆動電流発生装置19は、各ソレノイド16に独立してプランジャ駆動電流uiを供給可能に構成されている。
プランジャセンサ信号変換装置20は、アナログ信号をデジタル信号に変換するものである。プランジャセンサ信号変換装置20は、プランジャセンサ17から出力されるアナログ信号の実駆動位置yxPをデジタル信号に変換する。プランジャセンサ信号変換装置20は、各プランジャセンサ17に対応するように設けられ、それぞれのプランジャセンサ17に接続されている。プランジャセンサ信号変換装置20は、各プランジャセンサ17から出力されるアナログ信号の実駆動位置yxPを独立してデジタル信号の実駆動位置yxPに変換可能に構成されている。
鍵センサ信号変換装置21は、アナログ信号をデジタル信号に変換するものである。鍵センサ信号変換装置21は、鍵センサ18から出力されるアナログ信号の実操作位置yxKをデジタル信号に変換する。鍵センサ信号変換装置21は、各鍵センサ18に対応するように設けられ、それぞれの鍵センサ18に接続されている。鍵センサ信号変換装置21は、各鍵センサ18から出力されるアナログ信号の実操作位置yxKを独立してデジタル信号の実操作位置yxKに変換可能に構成されている。
図3に示すように、自動演奏ピアノ1は、電子音発生装置22、通信インターフェイス23、ディスクドライブ24、操作パネル25および制御装置26を具備する。電子音発生装置22は、電子音を発生させるものである。電子音発生装置22は、電子音信号を生成するための音源、スピーカー等を具備する。電子音発生装置22は、自動演奏時における伴奏、消音モード(打弦を行わない演奏状態)における発音を行う場合等に用いられる。
通信インターフェイス(通信I/F)23は、他の装置との通信を行うものである。通信インターフェイス23は、有線通信、無線通信などによって制御信号、楽曲データ、各種データ、制御プログラム等を受信したり送信したりする。
ディスクドライブ24は、DVD等の記憶媒体に記録された情報を取得するものである。ディスクドライブ24は、DVD等の記憶媒体に記録された楽曲データ、各種データ、制御プログラム等を読み出す。
操作パネル25は、自動演奏ピアノ1の操作や設定を行うものである。操作パネル25は、液晶ディスプレイ等の表示画面と操作具またはタッチパネル等から構成されている。操作パネル25は、曲目の選択、自動演奏の開始、停止、演奏の録音および各種動作モードの設定を行ったり、楽譜等の各種情報を表示したりする。
図2と図3とに示すように、制御装置26は、自動演奏ピアノ1を制御するものである。制御装置26は、CPU、ROM、RAM、HDD等から構成されている。制御装置26は、実体的には、CPU、ROM、RAM、HDD等が後述のバスで接続される構成であってもよく、あるいはワンチップのLSI等からなる構成であってもよい。制御装置26は、HDD等の記憶装置に記憶されている制御プログラムや制御データに基づいて自動演奏ピアノ1の各部を制御する。制御装置26は、演奏検出部27、モーションコントロール部28およびサーボコントロール部29を有する。制御装置26は、その内部において演奏検出部27からモーションコントロール部28に各種情報が伝達可能に構成され、モーションコントロール部28とサーボコントロール部29とは互いに各種情報が伝達可能に構成されている。
演奏検出部27は、鍵2とソレノイド16との動作に関する情報を生成するものである。演奏検出部27は、プランジャセンサ信号変換装置20においてデジタル信号に変換されたプランジャ16aの実駆動位置yxPから各鍵2におけるイベントタイミングやプランジャ16aの実駆動位置yxP等の情報を時系列で生成する。演奏検出部27は、生成したソレノイド16の動作情報をモーションコントロール部28に伝達する。同様にして、演奏検出部27は、鍵センサ信号変換装置21においてデジタル信号に変換された鍵2の実操作位置yxKから各鍵2におけるイベントタイミングや鍵2の実操作位置yxK等の情報を時系列で生成する。演奏検出部27は、生成した鍵2の動作情報をモーションコントロール部28に伝達する。
モーションコントロール部28は、駆動情報生成ステップとして演奏情報に基づいてソレノイド16のプランジャ16aの駆動情報である目標駆動位置rxの時系列データ(以下、単に「目標駆動位置rx」と記す)を生成するものである。モーションコントロール部28は、制御装置26を構成するRAM等の記憶装置から鍵2の目標操作位置の時系列データ(鍵駆動データ、図7参照)等を取得する。また、モーションコントロール部28は、演奏検出部27が生成したソレノイド16の動作情報と鍵2の動作情報とを取得する。モーションコントロール部28は、取得した鍵駆動データ、ソレノイド16の動作情報および鍵2の動作情報に基づいてプランジャ16aの目標駆動位置rxを生成する。モーションコントロール部28は、生成した目標駆動位置rxとソレノイド16を駆動するために必要な推力に相当する固定駆動量ufとをサーボコントロール部29に伝達する(図5参照)。
サーボコントロール部29は、離間判定ステップとして鍵2とソレノイド16のプランジャ16aとの離間を判定し、補正ステップとして離間判定ステップの結果に基づいたソレノイド16のプランジャ駆動量uを生成するものである。サーボコントロール部29は、各鍵2に対応するように構成されている。サーボコントロール部29は、モーションコントロール部28が生成した目標駆動位置rxと固定駆動量ufとを取得する。さらに、サーボコントロール部29は、プランジャセンサ信号変換装置20からプランジャ16aの実駆動位置yxPのデジタル信号を取得し、鍵センサ信号変換装置21から鍵2の実操作位置yxKのデジタル信号を取得する。サーボコントロール部29は、取得したプランジャ16aの実駆動位置yxPおよび鍵2の実操作位置yxKから鍵2とソレノイド16のプランジャ16aとの離間を判定し、プランジャ16aの目標駆動位置rxおよびプランジャ16aの固定駆動量ufからプランジャ駆動量uを生成する。
図3に示すように、制御装置26は、バスを介して各ソレノイド16に対応した複数の駆動電流発生装置19に接続され、制御装置26のサーボコントロール部29が各駆動電流発生装置19にそれぞれ対応するプランジャ駆動量uを伝達することができる。
制御装置26は、バスを介して各プランジャセンサ17に対応した複数のプランジャセンサ信号変換装置20に接続され、制御装置26の演奏検出部27とサーボコントロール部29とが各プランジャセンサ信号変換装置20からプランジャ16aの実駆動位置yxPのデジタル信号を取得することができる。同様に、制御装置26は、バスを介して各鍵センサ18に対応した複数の鍵センサ信号変換装置21に接続され、制御装置26の演奏検出部27とサーボコントロール部29とが各鍵センサ信号変換装置21から鍵2の実操作位置yxKのデジタル信号を取得することができる。
制御装置26は、バスを介して電子音発生装置22に接続され、電子音発生装置22を制御することができる。また、制御装置26は、バスを介して通信インターフェイス23に接続され、通信インターフェイス23を介して外部の装置との通信を行うことができる。また、制御装置26は、バスを介してディスクドライブ24に接続され、ディスクドライブ24を介してDVD等の記憶媒体に記録された情報を取得することができる。また、制御装置26は、バスを介して操作パネル25に接続され、操作パネル25を介して自動演奏ピアノ1の操作信号や各種設定に関する信号を取得したり、楽譜等の各種情報を表示画面に表示したりすることができる。
図4に示すように、自動演奏ピアノ1は、制御装置26(図2、図3参照)が演奏情報に基づいて生成した駆動情報(補正後の駆動情報)であるプランジャ駆動量uを駆動電流発生装置19に伝達する。駆動電流発生装置19は、プランジャ駆動量uに応じたプランジャ駆動電流uiをソレノイド16に供給する。ソレノイド16は、プランジャ駆動電流uiに応じた位置までプランジャ16aを上昇させることで(黒塗矢印参照)、対応する鍵2の弦側端部を上方向に回動させる。これに伴い、鍵2は、アクション機構4のサポート6、ジャック8、ハンマーシャンク7aを介してハンマー7を弦13に打ちつけるとともに、ダンパー機構9のダンパー12を弦13から離間させる(薄墨矢印参照)。
以下では、図5と図6とを用いて、制御装置26のサーボコントロール部29における離間判定ステップと補正ステップとの制御について説明する。
図5に示すように、サーボコントロール部29は、プランジャ位置正規化部29a、鍵位置正規化部29b、判定手段である接触調整部29cおよび位置増幅部29dを有する。
プランジャ位置正規化部29aは、プランジャセンサ信号変換装置20からプランジャ16aの実駆動位置yxPのデジタル信号を取得し、予め設定されている正規化処理を行うものである。同様に、鍵位置正規化部29bは、鍵センサ信号変換装置21から鍵2の実操作位置yxKのデジタル信号を取得し、予め設定されている正規化処理を行うものである。
判定手段である接触調整部29cは、鍵2とソレノイド16のプランジャ16aとが離間状態か否か判定するとともに、位置補正量yxを生成するものである。接触調整部29cは、鍵2とプランジャ16aとの離間を判定する離間判定ステップB(図9参照)と、目標駆動位置rxを補正するための位置補正量yxを生成して目標駆動位置rxにフィードバックする補正ステップC(図9参照)とを行う。接触調整部29cは、プランジャ位置正規化部29aで正規化されたプランジャ16aの実駆動位置yxPと鍵位置正規化部29bで生成された鍵2の実操作位置yxKとを取得する。さらに、接触調整部29cは、モーションコントロール部28で生成されたプランジャ16aの目標駆動位置rxを取得する。
図6(a)に示すように、接触調整部29cは、離間判定ステップにおいて、プランジャ16aの実駆動位置yxPと、鍵2の実操作位置yxKから定まるプランジャ16aの推定駆動位置yxePとの偏差である離間位置偏差ELが鍵2とプランジャ16aとの離間を判定する位置偏差基準値Ls未満の場合、プランジャ16aと鍵2とが接触状態を維持していると判定する。この場合、接触調整部29cは、補正ステップCにおいて、プランジャ16aの推定駆動位置yxePを目標駆動位置rxにフィードバックする位置補正量yxとして出力する。つまり、鍵2とプランジャ16aとが接触している状態においては、鍵2の実操作位置yxKに基づいて制御することで安定かつ正確な自動演奏が行われる。また、接触調整部29cは、離間判定ステップにおいて、離間位置偏差ELが位置偏差基準値Ls以上の場合、鍵2とプランジャ16aとが離間状態であると判定する。この場合、図6(b)に示すように、接触調整部29cは、補正ステップCにおいて、プランジャ16aの目標駆動位置rxとプランジャ16aの実駆動位置yxPとの偏差である追従位置偏差FLが追従許容値Ft未満のとき、プランジャ16aの実駆動位置yxPを目標駆動位置rxにフィードバックする位置補正量yxとして出力する。つまり、プランジャ16aの実駆動位置yxPが目標駆動位置rxに追従している状態においては、プランジャ16aの実駆動位置yxPに基づいて制御することで安定した自動演奏が行われる。一方、接触調整部29cは、補正ステップCにおいて、追従位置偏差FLが追従許容値Ft以上のとき、離間位置偏差ELに応じてプランジャ16aの実駆動位置yxPとプランジャ16aの推定駆動位置yxePとの案分値を算出する。この際、プランジャ16aの実駆動位置yxPとプランジャ16aの推定駆動位置yxePとの比率は、その合計が1になるように案分する。そして、接触調整部29cは、プランジャ16aの実駆動位置yxPの案分値を目標駆動位置rxにフィードバックする位置補正量yxとして出力する。つまり、プランジャ16aの実駆動位置yxPが目標駆動位置rxに追従してない状態においては、鍵2の実操作位置yxKを考慮しつつプランジャ16aを目標駆動位置rxに追従させるように制御することで自動演奏が安定するように補正される。
図5に示すように、位置増幅部29dは、設定された増幅率で増幅するものである。位置増幅部29dは、モーションコントロール部28から取得したプランジャ16aの目標駆動位置rxと接触調整部29cが生成した位置補正量yxとから算出される目標位置偏差uxを予め設定された増幅率で増幅させる。
このように構成されるサーボコントロール部29は、接触調整部29cにおいて、離間判定ステップにより取得したプランジャ16aの実駆動位置yxPと鍵2の実操作位置yxKとから鍵2とプランジャ16aとの離間判定を行う。さらに、接触調整部29cにおいて、補正ステップC(図9参照)により離間判定に基づいた位置補正量yxを生成する。サーボコントロール部29は、プランジャ16aの目標駆動位置rxから位置補正量yxを減算処理することで目標位置偏差uxを生成する。つまり、サーボコントロール部29は、鍵2とプランジャ16aとが接触するように駆動情報である目標駆動位置rxを位置補正量yxで補正する。サーボコントロール部29は、位置増幅部29dによって増幅させた補正後の駆動情報である目標位置偏差uxとプランジャ16aの固定駆動量ufとを加算処理することでプランジャ駆動量uを生成する。
以下では、図7から図11を用いて、本発明に係る鍵盤楽器である自動演奏ピアノ1が演奏情報に基づいて自動演奏を行う場合の制御態様について具体的に説明する。
自動演奏ピアノ1は、操作パネル25(図3参照)から自動演奏モードにおいて自動演奏する楽曲が選択されると、ディスクドライブ24(図3参照)や図示しない外部記憶装置に記憶されている楽曲の演奏情報である曲データおよび鍵操作用データの読込または通信インターフェイス23を介して取得する。この読込または取得した曲データおよび鍵操作用データは、制御装置26のRAMに構成されている図示しない曲データ格納領域および鍵操作用データ格納領域にそれぞれ記憶される。
本実施形態で用いる曲データは、ヘッダ、一連のイベントデータ、発生タイミングデータおよびエンドデータからなる。ヘッダは、曲名、初期の音色、音量、演奏テンポなどを表す複数のデータからなる。イベントデータには、ピアノ以外の音の発音イベントやテンポイベントデータなどが含まれる。発生タイミングデータは、イベントデータの楽曲中の発生タイミングを表すタイミングクロックTCLを有する。テンポイベントデータは、自動演奏のテンポを変更するための制御データを有する。エンドデータは、曲データの終了を表す。一方、本実施形態で用いる駆動情報を構成する鍵操作用データは、ヘッダ、一連の操作イベントデータ、操作タイミングデータおよびエンドデータからなる。ヘッダには、曲名を表すデータが含まれる。操作イベントデータには、操作させる鍵2の鍵番号(各鍵2に付与された番号のうち、操作させる鍵2に付与された番号)を表す鍵番号KC、操作させる鍵2の目標操作位置kx、鍵2の目標操作速度kv、鍵2の操作(連打の有無)状態を表す鍵操作状態ST、鍵2の操作時間TMおよびダンパー12の操作態様を表すダンパー操作DPを有する。操作タイミングデータは、各操作イベントデータに付随して(隣接して)設けられ、当該操作イベントデータの楽曲中の発生タイミングを表すタイミングクロックTCLを有する。エンドデータは、鍵操作用データの終了を表す。
図7に示すように、鍵操作用テーブルDTは、タイミングクロックTCL毎の操作イベントデータを表したものである。鍵操作用テーブルDTは、操作イベントデータ中に操作される鍵2を割り当てる複数(本実施の形態では10個)のチャンネルch1〜ch10を有する。なお、この10個のチャンネルは例示であって、これに限定されることなく、他の個数を採用してもよい。各チャンネルchi(iは、1から10までの整数)には、鍵番号KC(i)、目標操作位置kx(i)、目標操作速度kv(i)、鍵操作状態ST(i)、操作時間TM(i)およびダンパー操作DP(i)がそれぞれ記憶されるようになっている。前記楽曲の選択および初期設定後、制御装置26は、曲データのヘッダ部分に含まれているテンポデータにより表された演奏テンポによって規定される所定の短時間毎に、図8から図11に示す鍵盤楽器である自動演奏ピアノ1の自動演奏プログラムを繰り返し実行し始める。所定の短時間とは、たとえば、4分音符の時間長の1/16,1/32程度の時間長である。この演奏テンポは、設定操作子1に含まれるテンポ操作子(図示せず)の操作によっても変更される。
自動演奏ピアノ1は、電源等投入によって制御装置26の自動演奏プログラムが起動する。図8に示すように、ステップS110において、自動演奏ピアノ1の制御装置26は、自動演奏プログラムに基づいて自動演奏を停止しているか否か判断する。その結果、自動演奏を停止していると判定した場合、制御装置26はステップS120に移行する。一方、自動演奏を停止していないと判定した場合、ステップS111に移行する。ステップS111において、制御装置26は、タイミングクロックTCLに1を加算して、ステップS140に移行する。
ステップS120において、制御装置26は、操作パネル25(図3参照)等から自動演奏開始の指示を受けたか否か判断する。その結果、自動演奏開始の指示を受けたと判定した場合、制御装置26はステップS130に移行する。一方、自動演奏開始の指示を受けていないと判定した場合、制御装置26はステップS115に移行させ、自動運転開始の指示以外の操作を受け付けて、それに対応する制御を行う。その後、制御装置26は、ステップS120に移行する。ステップS130において、制御装置26は、タイミングクロックTCLを0にするとともに自動演奏を開始し、ステップS140に移行する。
ステップS140において、制御装置26は、現在のタイミングクロックTCLにおいて対応するイベントデータが有るか否か判断する。その結果、現在のタイミングクロックTCLにおいて対応するイベントデータが有ると判定した場合、制御装置26はステップS150に移行する。一方、現在のタイミングクロックTCLにおいて対応するイベントデータがないと判定した場合、制御装置26はステップS170に移行する。ステップS150において、制御装置26は、イベントデータに従ってイベント処理を行い、ピアノ以外の音色の発音イベントについては電子音発生装置22が発音し、ステップS160に移行する。
ステップS160において、制御装置26は、現在のタイミングクロックTCLにおいて対応する他のイベントデータが有るか否か判断する。その結果、現在のタイミングクロックTCLにおいて対応する他のイベントデータが有ると判定した場合、制御装置26はステップS150に移行する。一方、現在のタイミングクロックTCLにおいて対応する他のイベントデータがないと判定した場合、制御装置26はステップS170に移行する。
ステップS170において、制御装置26は、現在のタイミングクロックTCLにおいて対応する鍵操作用データが有るか否か判断する。その結果、現在のタイミングクロックTCLにおいて対応する鍵操作用データが有ると判定した場合、制御装置26はステップS200に移行する。一方、現在のタイミングクロックTCLにおいて対応する鍵操作用データがないと判定した場合、制御装置26はステップS190に移行する。
ステップS200において、制御装置26は、鍵操作制御Aを開始し、ステップS210に移行する(図9参照)。制御装置26は、鍵操作制御Aが終了すると、ステップS180に移行する。
ステップS180において、制御装置26は、現在のタイミングクロックTCLにおいて対応する他の鍵操作用データが有るか否か判断する。その結果、現在のタイミングクロックTCLにおいて対応する他の鍵操作用データが有ると判定した場合、制御装置26はステップS200に移行する。一方、現在のタイミングクロックTCLにおいて対応する他の鍵操作用データがないと判定した場合、制御装置26はステップS190に移行する。
ステップS190において、制御装置26は、現在のタイミングクロックTCLにおける操作イベントデータがエンドデータで有るか否か判断する。その結果、現在のタイミングクロックTCLにおける操作イベントデータがエンドデータで有ると判定した場合、制御装置26はステップを終了させて自動演奏を終了する。一方、現在のタイミングクロックTCLにおける操作イベントデータがエンドデータでないと判定した場合、制御装置26はステップS110に移行する。
次に、上述の自動演奏プログラムのステップS200における鍵操作制御Aを説明する。図9に示すように、ステップS210において、制御装置26は、駆動情報生成ステップとして、鍵操作用データからプランジャ16aの目標駆動位置rxとプランジャ16aの固定駆動量ufとを生成し、ステップS220に移行する。ステップS220において、制御装置26は、プランジャセンサ17(プランジャセンサ信号変換装置20)からプランジャ16aの実駆動位置yxPを取得し、鍵センサ18(鍵センサ信号変換装置21)から鍵2の実操作位置yxKを取得し、ステップS230に移行する。ステップS230において、制御装置26は、プランジャ16aの実駆動位置yxPと鍵2の実操作位置yxKとを正規化し、ステップS300に移行する。
ステップS300において、制御装置26は、離間判定ステップBを開始し、ステップS310に移行する(図10参照)。制御装置26は、離間判定ステップBが終了すると、ステップS400に移行する。
ステップS400において、制御装置26は、補正ステップCを開始し、ステップS410に移行する(図11参照)。制御装置26は、補正ステップCが終了すると、ステップS240に移行する。
ステップS240において、制御装置26は、補正ステップCで生成した目標位置偏差uxにプランジャ16aの固定駆動量ufを加算処理してプランジャ駆動量uを生成し、ステップS250に移行する。ステップS250において、制御装置26は、プランジャ駆動量uを駆動電流発生装置19に伝達し、鍵操作制御Aを終了してステップS180に移行する(図8参照)。
次に、上述の自動演奏プログラムのステップS300における離間判定ステップBを説明する。図10に示すように、ステップS310において、制御装置26は、鍵2の実操作位置yxKからプランジャ16aの推定駆動位置yxePを算出し、ステップS320に移行する。ステップS320において、制御装置26は、プランジャ16aの推定駆動位置yxePとプランジャ16aの実駆動位置yxPとの離間位置偏差ELを算出し、ステップS330に移行する。
ステップS330において、制御装置26は、離間位置偏差ELが位置偏差基準値Ls未満か否か判断する。その結果、離間位置偏差ELが位置偏差基準値Ls未満であると判定した場合、制御装置26はステップS340に移行する。一方、離間位置偏差ELが位置偏差基準値Ls未満でないと判定した場合、制御装置26はステップS331に移行する。ステップS331において、制御装置26は、鍵2とプランジャ16aとが離間状態であると判定し、離間判定ステップBを終了してステップS400に移行する(図9参照)。
ステップS340において、制御装置26は、鍵2とプランジャ16aとが接触状態であると判定し、離間判定ステップBを終了してステップS400に移行する(図9参照)。
次に、上述の自動演奏プログラムのステップS400における補正ステップCを説明する。図11に示すように、ステップS410において、制御装置26は、鍵2とプランジャ16aとが離間状態か否か判断する。その結果、鍵2とプランジャ16aとが離間状態であると判定した場合、制御装置26はステップS420に移行する。一方、鍵2とプランジャ16aとが離間状態でないと判定した場合、制御装置26はステップS411に移行する。ステップS411において、制御装置26は、位置補正量yxとしてプランジャ16aの推定駆動位置yxePを出力し、ステップS460に移行する。
ステップS420において、制御装置26は、プランジャ16aの目標駆動位置rxとプランジャ16aの実駆動位置yxPとの追従位置偏差FLを算出し、ステップS430に移行する。
ステップS430において、制御装置26は、追従位置偏差FLが追従許容値Ft以上か否か判断する。その結果、追従位置偏差FLが追従許容値Ft以上であると判定した場合、制御装置26はステップS440に移行する。一方、追従位置偏差FLが追従許容値Ft以上でないと判定した場合、制御装置26はステップS431に移行する。ステップS431において、制御装置26は、位置補正量yxとしてプランジャ16aの実駆動位置yxPを出力し、ステップS460に移行する。
ステップS440において、制御装置26は、離間判定ステップBで算出した離間位置偏差ELに応じてプランジャ16aの実駆動位置yxPと推定駆動位置yxePとの案分値を算出し、ステップS450に移行する。ステップS450において、制御装置26は、位置補正量yxとしてプランジャ16aの実駆動位置yxPの案分値を出力し、ステップS460に移行する。
ステップS460において、制御装置26は、プランジャ16aの目標駆動位置rxに位置補正量yxを減算処理して目標位置偏差uxを生成し、補正ステップCを終了してステップS240に移行する(図9参照)。
このように構成することで、自動演奏ピアノ1は、自動演奏プログラムの実行時において、プランジャ16aの推定駆動位置yxePとプランジャ16aの実駆動位置yxPとの離間位置偏差ELに基づいて鍵2とプランジャ16aとの離間判定を行う。そして、自動演奏ピアノ1は、鍵2とプランジャ16aとが接触状態である場合、鍵2の実操作位置yxKに基づいて生成した位置補正量yxを目標位置偏差uxにフィードバックして補正を行う。一方、自動演奏ピアノ1は、鍵2とプランジャ16aが分離状態である場合、積極的に制御が可能なプランジャ16aの実駆動位置yxPに基づいて生成した位置補正量yxを目標位置偏差uxにフィードバックして補正を行う。これにより、自動演奏ピアノ1は、鍵2とプランジャ16aとが接触した状態で駆動情報に従ってソレノイド16を駆動させるので、制御駆動雑音の発生を抑制し、安定かつ正確な自動演奏を行うことができる。なお、本実施形態において、位置補正量yxのフィードバックは、目標駆動位置rxに対して実施しているがこれに限定されるものではなく、速度や加速度ついてフィードバックによる補正を行ってもよい。また、自動演奏ピアノ1は、鍵センサ18とプランジャセンサ17とは、位置センサとしたがこれに限定されるものではなく、鍵2の実操作位置yxKまたは実操作速度yvKと、プランジャ16aの実駆動位置yxPまたは実駆動速度yvPとを検出または算出できるものであればよい。
<第二実施形態>
以下に、図8および図12から図20を用いて、本発明の第二実施形態に係る鍵盤楽器である自動演奏ピアノ30(図12参照)について説明する。なお、以下の第二実施形態に係る自動演奏ピアノ30は、図1から図11に示す自動演奏ピアノ1において、自動演奏ピアノ30に替えて適用されるものとして、その説明で用いた名称、図番、記号を用いることで、同じものを指すこととし、以下の実施形態において、既に説明した実施形態と同様の点に関してはその具体的説明を省略し、相違する部分を中心に説明する。
図12に示すように、自動演奏ピアノ30は、位置センサである鍵センサ18に加えて、鍵2毎に速度センサであるプランジャセンサ31と位置センサであるハンマーセンサ32とが設けられている。プランジャセンサ31は、上昇または下降しているプランジャ16aの実駆動速度yvPを連続的に検出するものである。プランジャセンサ31は、各ソレノイド16に組み込まれており、図示しないソレノイドコイルの誘導起電力の変化等に基づいてプランジャ16aの実駆動速度yvPを検出する。プランジャセンサ31は、検出した実駆動速度yvPをアナログ信号として出力する。なお、プランジャセンサ31は、本実施形態に限定されるものではなく、プランジャ16aの実駆動速度yvPを検出できるものであればよい。
ハンマーセンサ32は、ハンマーシャンク7aの変位を検出するものである。ハンマーセンサ32は、磁気近接式の近接センサや光学式の位置センサから構成されている。ハンマーセンサ32は、センサ本体32aと被検出部材32bとから構成されている。ハンマーセンサ32は、センサ本体32aがシャンクレール5bに設けられ、被検出部材32bがハンマーシャンク7aに設けられている。ハンマーセンサ32は、ハンマー7(ハンマーシャンク7a)が所定位置にある場合に検出信号を出力する。なお、ハンマーセンサ32は、鍵センサ18と同様にハンマー7の位置に応じた検出信号を出力するように構成してもよい。
図12と図13とに示すように、プランジャセンサ信号変換装置33は、アナログ信号をデジタル信号に変換するものである。プランジャセンサ信号変換装置33は、プランジャセンサ31から出力されるアナログ信号の実駆動速度yvPをデジタル信号に変換する。プランジャセンサ信号変換装置33は、各プランジャセンサ31にそれぞれ設けられ、対応するプランジャセンサ31に接続されている。プランジャセンサ信号変換装置33は、各プランジャセンサ31から出力されるアナログ信号の実駆動速度yvPを独立してデジタル信号の実駆動速度yvPに変換可能に構成されている。
ハンマーセンサ信号変換装置34は、アナログ信号をデジタル信号に変換するものである。ハンマーセンサ信号変換装置34は、ハンマーセンサ32から出力されるアナログ信号のハンマー位置yHをデジタル信号に変換する。ハンマーセンサ信号変換装置34は、各ハンマーセンサ32にそれぞれ設けられ、対応するハンマーセンサ32に接続されている。ハンマーセンサ信号変換装置34は、各ハンマーセンサ32から出力されるアナログ信号のハンマー位置yHを独立してデジタル信号に変換可能に構成されている。
演奏検出部35は、鍵2、ハンマー7およびソレノイド16の動作に関する情報を生成するものである。演奏検出部35は、ハンマーセンサ信号変換装置34においてデジタル信号に変換されたハンマー位置yH等の情報を時系列で生成する。演奏検出部35は、生成したハンマー7の動作情報をモーションコントロール部28に伝達する。
サーボコントロール部36は、ソレノイド16のプランジャ駆動量uを生成するものである。サーボコントロール部36は、鍵センサ信号変換装置21から鍵2の実操作位置yxKのデジタル信号を取得し、プランジャセンサ信号変換装置33からプランジャ16aの実駆動速度yvPのデジタル信号を取得し、ハンマーセンサ信号変換装置34からハンマー位置yHのデジタル信号を取得する。
図13に示すように、制御装置26は、バスを介して各プランジャセンサ31に対応した複数のプランジャセンサ信号変換装置33と各ハンマーセンサ32に対応した複数のハンマーセンサ信号変換装置34とに接続され、制御装置26の演奏検出部35とサーボコントロール部36とが各プランジャセンサ信号変換装置33からプランジャ16aの実駆動速度yvPのデジタル信号を取得し、各ハンマーセンサ信号変換装置34とからハンマー位置yHのデジタル信号を取得することができる。
以下では、図14と図15とを用いて、制御装置26のサーボコントロール部36におけるプランジャ駆動量uの生成について説明する。
図14に示すように、サーボコントロール部36は、プランジャ速度正規化部36a、鍵位置正規化部36b、ハンマー位置正規化部36c、位置生成部36d、速度生成部36e、接触調整部36f、位置増幅部36gおよび速度増幅部36hを有する。プランジャ速度正規化部36aは、プランジャセンサ信号変換装置33からプランジャ16aの実駆動速度yvPのデジタル信号を取得し、予め設定されている正規化処理を行うものである。同様に、ハンマー位置正規化部36cは、ハンマーセンサ信号変換装置34からハンマー位置yHのデジタル信号を取得し、予め設定されている正規化処理を行うものである。
位置生成部36dは、プランジャ16aの実駆動位置yxPを生成するものである。位置生成部36dは、プランジャ速度正規化部36aから正規化されたプランジャ16aの実駆動速度yvPを取得し、単位時間毎の積分処理によってプランジャ16aの実駆動位置yxPを生成する。同様に、速度生成部36eは、鍵2の実操作速度yvKを生成するものである。速度生成部36eは、鍵位置正規化部36bから正規化された鍵2の実操作位置yxKを取得し、単位時間毎の微分処理によって鍵2の実操作速度yvKを生成する。
判定手段である接触調整部36fは、図16の離間判定ステップにより鍵2とソレノイド16のプランジャ16aとが離間状態か否か判定するとともに、位置補正量yxと速度補正量yvを生成するものである。接触調整部36fは、プランジャ速度正規化部36aで正規化されたプランジャ16aの実駆動速度yvP、位置生成部36dで生成されたプランジャ16aの実駆動位置yxP、鍵位置正規化部36bで生成された鍵2の実操作位置yxK、速度生成部36eで生成された鍵2の実操作速度yvKおよびハンマー位置正規化部36cで正規化されたハンマー位置yHを取得する。さらに、接触調整部36fは、モーションコントロール部28で生成されたプランジャ16aの目標駆動位置rx、プランジャ16aの目標駆動速度rvを取得する。
図15に示すように、接触調整部36fは、離間判定ステップE(図17参照)において、プランジャ16aの実駆動位置yxPと鍵2の実操作位置yxKから定まるプランジャ16aの推定駆動位置yxePとの離間位置偏差ELが、鍵2とプランジャ16aとの離間を判定する位置偏差下限基準値Lsd未満であって、プランジャ16aの実駆動速度yvPと鍵2の実操作速度yvKから定まるプランジャ16aの推定駆動速度yvePとの偏差である離間速度偏差EVが、鍵2とプランジャ16aとの離間を判定する速度偏差基準値Vs未満の場合、鍵2とプランジャ16aとが接触状態を維持していると判定する。この場合、接触調整部36fは、補正ステップF(図18参照)において、プランジャ16aの推定駆動位置yxePを目標駆動位置rxにフィードバックする位置補正量yxとして出力し、プランジャ16aの推定駆動速度yvePを目標駆動速度rvにフィードバックする速度補正量yvとして出力する。つまり、鍵2とプランジャ16aとが接触している状態においては、鍵2の実操作位置yxKと鍵2の実操作速度yvKに基づいて制御することで安定かつ正確な自動演奏が行われる。
また、接触調整部36fは、離間判定ステップE(図17参照)において、離間位置偏差ELが位置偏差下限基準値Lsd未満であって、離間速度偏差EVが速度偏差基準値Vs以上の場合、鍵2とプランジャ16aとが接触状態から離間状態への移行を開始していると判定する。具体的には、鍵2とプランジャ16aとが接触状態であるが、以下の数1と数2とに示す関係を満たすようにそれぞれの速さの向きが異なる場合、および以下の数1と数3とに示す関係を満たすようにそれぞれの速さの大きさが異なる場合、鍵2とプランジャ16aとが接触状態から離間状態への移行を開始していると判定する。
Figure 0006648414
Figure 0006648414
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この場合、接触調整部36fは、補正ステップF(図18参照)において、プランジャ16aの実駆動位置yxPを目標駆動位置rxにフィードバックする位置補正量yxとして出力し、プランジャ16aの実駆動速度yvPを目標駆動速度rvにフィードバックする速度補正量yvとして出力する。さらに、接触調整部36fは、離間速度偏差EVに応じて位置増幅部36gと速度増幅部36hとの増幅率を減少させる。つまり、プランジャ16aが目標駆動位置rxから所定の範囲内の位置を維持しているが鍵2とプランジャ16aとが離間する可能性が高い状態においては、プランジャ16aの実駆動位置yxPと実駆動速度yvPとを適切に増幅させて制御することで鍵2とプランジャ16aとの離間を抑制し安定した自動演奏が行われる。
また、接触調整部36fは、離間判定ステップE(図17参照)において、離間位置偏差ELが位置偏差下限基準値Lsd以上の場合、プランジャ16aと鍵2とが離間状態であると判定する。この場合、接触調整部36fは、補正ステップF(図18参照)において、離間位置偏差ELが位置偏差上限基準値Lsu以上のとき、プランジャ16aの実駆動位置yxPを目標駆動位置rxにフィードバックする位置補正量yxとして出力し、プランジャ16aの実駆動速度yvPを目標駆動速度rvにフィードバックする速度補正量yvとして出力する。さらに、接触調整部36fは、位置増幅部36gと速度増幅部36hとの増幅率を所定の値に設定する。つまり、鍵2とプランジャ16aとが大きく離間している状態においては、鍵2が不安定な状態であることが想定されることからプランジャ16aの実駆動位置yxPに基づいて制御することで安定した自動演奏が行われる。
さらに、接触調整部36fは、補正ステップF(図18参照)において、離間位置偏差ELが位置偏差上限基準値Lsu未満のとき、プランジャ16aの推定駆動位置yxePを目標駆動位置rxにフィードバックする位置補正量yxとして出力し、プランジャ16aの推定駆動速度yvePを目標駆動速度rvにフィードバックする速度補正量yvとして出力する。この際、所定時間内にハンマー位置yHが弦13の打撃位置にあったとき、プランジャ16aの実駆動位置yxPを目標駆動位置rxにフィードバックする位置補正量yxとして出力し、プランジャ16aの実駆動速度yvPを目標駆動速度rvにフィードバックする速度補正量yvとして出力する。つまり、鍵2とプランジャ16aとが大きく離間していない状態においては、鍵2が安定した状態であることが想定されることから鍵2の実操作位置yxKに基づいて制御することで安定した自動演奏が行われる。ただし、打弦直後は鍵2とプランジャ16aの位置が明確であることから確実に制御できるプランジャ16aの実駆動位置yxPに基づいて制御する。
速度増幅部36hは、設定された増幅率で増幅するものである。速度増幅部36hは、モーションコントロール部28から取得したプランジャ16aの目標駆動速度rvと接触調整部36fが生成した速度補正量yvとから算出される目標速度偏差uvを予め設定された増幅率で増幅させる。
このように構成されるサーボコントロール部36は、接触調整部36fにおいて、離間判定ステップにより取得したプランジャ16aの実駆動位置yxPと実駆動速度yvP、および鍵2の実操作位置yxKと実操作速度yvKから鍵2とプランジャ16aとの離間判定を行う。さらに、サーボコントロール部36は、接触調整部36fにおいて、補正ステップF(図18参照)により離間判定に基づいた位置補正量yxと速度補正量yvとを生成する。サーボコントロール部36は、プランジャ16aの目標駆動位置rxから位置補正量yxを減算処理し、プランジャ16aの目標駆動速度rvから速度補正量yvを減算処理することで目標位置偏差uxと目標速度偏差uvとを生成する。サーボコントロール部36は、位置増幅部36gによって増幅させた目標位置偏差uxと速度増幅部36hによって増幅させた目標速度偏差uvとプランジャ16aの固定駆動量ufとを加算処理することでプランジャ駆動量uを生成する。
以下では、図8および図16から図20を用いて、本発明に係る鍵盤楽器である自動演奏ピアノ30における制御態様について具体的に説明する。本実施形態においても、自動演奏ピアノ1は、電源等投入によって制御装置26の自動演奏プログラムが起動し、図8に示す制御が行われる。ただし、本実施形態においてはステップS200の制御に替えてステップS500の制御が行われる。
図8に示すように、ステップS500において、制御装置26は、鍵操作制御Dを開始し、ステップS510に移行する(図16参照)。制御装置26は、鍵操作制御Dが終了すると、ステップS180に移行する。
図16に示すように、ステップS510において、制御装置26は、鍵操作用データからプランジャ16aの目標駆動位置rx、プランジャ16aの目標駆動速度rvおよびプランジャ16aの固定駆動量ufを生成し、ステップS520に移行する。ステップS520において、制御装置26は、プランジャセンサ31からプランジャ16aの実駆動速度yvPを取得し、鍵センサ18から鍵2の実操作位置yxKを取得し、ステップS530に移行する。ステップS530において、制御装置26は、プランジャ16aの実駆動速度yvPと鍵2の実操作位置yxKとを正規化し、ステップS540に移行する。
ステップS540において、制御装置26は、プランジャ16aの実駆動速度yvPから積分処理によりプランジャ16aの実駆動位置yxPを算出し、ステップS550に移行する。ステップS550において、制御装置26は、鍵2の実操作位置yxKから微分処理により鍵2の実操作速度yvKを算出し、ステップS600に移行する。
ステップS600において、制御装置26は、離間判定ステップEを開始し、ステップS610に移行する(図17参照)。制御装置26は、離間判定ステップEが終了すると、ステップS700に移行する。
ステップS700において、制御装置26は、補正ステップFを開始し、ステップS710に移行する(図18参照)。制御装置26は、補正ステップFが終了すると、ステップS560に移行する。
ステップS560において、制御装置26は、補正ステップFで生成した目標位置偏差uxに補正ステップFで生成した目標速度偏差uvとプランジャ16aの固定駆動量ufを加算処理してプランジャ駆動量uを生成し、ステップS570に移行する。ステップS570において、制御装置26は、プランジャ駆動量uを駆動電流発生装置19に伝達し、鍵操作制御Dを終了してステップS180に移行する(図8参照)。
次に、上述の自動演奏プログラムのステップS600における離間判定ステップEを説明する。図17に示すように、ステップS610において、制御装置26は、鍵2の実操作位置yxKからプランジャ16aの推定駆動位置yxePを算出し、ステップS620に移行する。ステップS620において、制御装置26は、プランジャ16aの推定駆動位置yxePとプランジャ16aの実駆動位置yxPとの離間位置偏差ELを算出し、ステップS630に移行する。
ステップS630において、制御装置26は、鍵2の実操作速度yvKからプランジャ16aの推定駆動速度yvePを算出し、ステップS640に移行する。ステップS640において、制御装置26は、プランジャ16aの推定駆動速度yvePとプランジャ16aの実駆動速度yvPとの離間速度偏差EVを算出し、ステップS650に移行する。
ステップS650において、制御装置26は、離間位置偏差ELが位置偏差下限基準値Lsd未満か否か判断する。その結果、離間位置偏差ELが位置偏差下限基準値Lsd未満であると判定した場合、制御装置26はステップS660に移行する。一方、離間位置偏差ELが位置偏差下限基準値Lsd未満でないと判定した場合、制御装置26はステップS651に移行する。ステップS651において、制御装置26は、プランジャ16aと鍵2とが離間状態であると判定し、離間判定ステップEを終了してステップS700に移行する(図16参照)。
ステップS660において、制御装置26は、離間速度偏差EVが速度偏差基準値Vs未満か否か判断する。その結果、離間速度偏差EVが速度偏差基準値Vs未満であると判定した場合、制御装置26はステップS670に移行する。一方、離間速度偏差EVが速度偏差基準値Vs未満でないと判定した場合、制御装置26はステップS661に移行する。ステップS661において、制御装置26は、鍵2とプランジャ16aとが接触状態から離間状態への移行を開始していると判定し、離間判定ステップEを終了してステップS700に移行する(図16参照)。ステップS670において、制御装置26は、鍵2とプランジャ16aとが接触状態であると判定し、離間判定ステップEを終了してステップS700に移行する(図16参照)。
次に、上述の自動演奏プログラムのステップS700における補正ステップFを説明する。図18に示すように、ステップS710において、制御装置26は、鍵2とプランジャ16aとが離間状態か否か判断する。その結果、鍵2とプランジャ16aとが離間状態であると判定した場合、制御装置26はステップS800に移行する。一方、鍵2とプランジャ16aとが離間状態でないと判定した場合、制御装置26はステップS900に移行する。
ステップS800において、制御装置26は、離間時補正ステップF1を開始し、ステップS810に移行する(図19参照)。制御装置26は、離間時補正ステップF1が終了すると、ステップS720に移行する。
ステップS900において、制御装置26は、接触時補正ステップF2を開始し、ステップS910に移行する(図20参照)。制御装置26は、接触時補正ステップF2が終了すると、ステップS720に移行する。
ステップS720において、制御装置26は、プランジャ16aの目標駆動位置rxに位置補正量yxを減算処理して目標位置偏差uxを生成し、ステップS730に移行する。ステップS730において、制御装置26は、プランジャ16aの目標駆動速度rvに速度補正量yvを減算処理して目標速度偏差uvを生成し、補正ステップFを終了してステップS560に移行する(図16参照)。
次に、上述の自動演奏プログラムのステップS800における離間時補正ステップF1を説明する。図19に示すように、ステップS810において、制御装置26は、離間位置偏差ELが位置偏差上限基準値Lsu未満か否か判断する。その結果、離間位置偏差ELが位置偏差上限基準値Lsu未満であると判定した場合、制御装置26はステップS820に移行する。一方、離間位置偏差ELが位置偏差上限基準値Lsu未満でないと判定した場合、制御装置26はステップS811に移行する。ステップS811において、制御装置26は、位置補正量yxとしてプランジャ16aの実駆動位置yxPを出力し、ステップS812に移行する。ステップS812において、制御装置26は、速度補正量yvとしてプランジャ16aの実駆動速度yvPを出力し、ステップS813に移行する。ステップS813において、制御装置26は、位置増幅部36g、速度増幅部36hの増幅率を所定値に変更し、離間時補正ステップF1を終了してステップS720に移行する(図18参照)。
ステップS820において、制御装置26は、所定時間内にハンマー7が弦13を打撃したか否か判断する。すなわち、所定時間内にハンマー位置yHが弦13の打撃位置にあったか否か判断する。その結果、所定時間内にハンマー7が弦13を打撃したと判定した場合、制御装置26はステップS830に移行する。一方、所定時間内にハンマー7が弦13を打撃していないと判定した場合、制御装置26はステップS821に移行する。ステップS821において、制御装置26は、位置補正量yxとしてプランジャ16aの推定駆動位置yxePを出力し、ステップS822に移行する。ステップS822において、制御装置26は、速度補正量yvとしてプランジャ16aの推定駆動速度yvePを出力し、離間時補正ステップF1を終了してステップS720に移行する(図18参照)。
ステップS830において、制御装置26は、位置補正量yxとしてプランジャ16aの実駆動位置yxPを出力し、ステップS840に移行する。ステップS840において、制御装置26は、速度補正量yvとしてプランジャ16aの実駆動速度yvPを出力し、離間時補正ステップF1を終了してステップS720に移行する(図18参照)。
次に、上述の自動演奏プログラムのステップS900における接触時補正ステップF2を説明する。図20に示すように、ステップS910において、制御装置26は、プランジャ16aと鍵2とが接触状態から離間状態への移行を開始しているか否か判断する。その結果、プランジャ16aと鍵2とが接触状態から離間状態への移行を開始していると判定した場合、制御装置26はステップS920に移行する。一方、プランジャ16aと鍵2とが接触状態から離間状態への移行を開始していないと判定した場合、制御装置26はステップS911に移行する。ステップS911において、制御装置26は、位置補正量yxとしてプランジャ16aの推定駆動位置yxePを出力し、ステップS912に移行する。ステップS912において、制御装置26は、速度補正量yvとしてプランジャ16aの推定駆動速度yvePを出力し、接触時補正ステップF2を終了してステップS720に移行する(図18参照)。
ステップS920において、制御装置26は、位置補正量yxとしてプランジャ16aの実駆動位置yxPを出力し、ステップS930に移行する。ステップS930において、制御装置26は、速度補正量yvとしてプランジャ16aの実駆動速度yvPを出力し、ステップS940に移行する。ステップS940において、制御装置26は、離間判定ステップEにおいて算出した離間速度偏差EVに応じて位置増幅部36gと速度増幅部36hとの増幅率を減少させて、接触時補正ステップF2を終了してステップS720に移行する(図18参照)。
このように構成することで、自動演奏ピアノ30は、自動演奏プログラムの実行時において、鍵2とプランジャ16aとの離間位置偏差ELだけでなく鍵2とプランジャ16aとの離間速度偏差EVに基づいて鍵2とプランジャ16aとの離間判定を行うのでより適切な判定が可能になる。そして、自動演奏ピアノ30は、鍵2とプランジャ16aとが接触状態である場合、鍵2とプランジャ16aとが接触状態であり、鍵2の速度とプランジャ16aの速度とが異なる場合、鍵2とプランジャ16aとが大きく離間している場合、および鍵2とプランジャ16aとが大きく離間していない場合のそれぞれについて位置補正量yxを目標駆動位置rxにフィードバックし、速度補正量yvを目標駆動速度rvにフィードバックして補正するのでより適切な制御が可能になる。これにより、自動演奏ピアノ30は、制御駆動雑音の発生を抑制し、安定かつ正確な自動演奏を行うことができる。なお、本実施形態において、自動演奏ピアノ30は、鍵センサ18を位置センサとし、プランジャセンサ31を速度センサとしたがこれに限定されるものではなく、鍵2の実操作位置yxKと実操作速度yvK、およびプランジャ16aの実駆動位置yxPと実駆動速度yvPとを検出または算出できるものであればよい。また、位置補正量yxのフィードバックと速度補正量yvのフィードバックは、目標駆動位置rxと目標駆動速度rvに対して実施しているがこれに限定されるものではなく、加速度についてフィードバックによる補正を行ってもよい。
本実施形態に係る自動演奏ピアノ1および自動演奏ピアノ30は、グランドピアノに適した実施形態として説明したがこれに限定されるものではなく、アップライトピアノや電子ピアノに適用してもよい。また、自動演奏ピアノ1および自動演奏ピアノ30は、鍵2をソレノイド16で操作する構成であるがこれに限定するものではなく、鍵2を任意に操作できるものであればよい。また、自動演奏ピアノ1および自動演奏ピアノ30は、鍵2とプランジャ16aとの位置や速度に基づいて鍵2とプランジャ16aとの位置関係を判定しているがこれに限定されるものではなく、鍵2とプランジャ16aとが接触する位置に感圧センサを設けて鍵2を駆動するときの鍵2とプランジャ16aとの接触を検出して鍵2とプランジャ16aとの離間を判定する構成でもよい。また、鍵2とプランジャ16aの間に、互いの距離を検出する近接センサや位置センサを設けて鍵2とプランジャ16aの位置関係を検出する構成でもよい。また、モーションコントロール部28が出力する固定駆動量ufは、一定の値に設定されているがこれに限定されるものではなく、離間位置偏差ELに基づいて固定駆動量ufを変動させる構成でもよい。また、自動演奏ピアノ1および自動演奏ピアノ30は、ラウドペダル14の操作やシフトペダル14の操作による鍵2の操作状態の変化に応じて固定駆動量uf、目標駆動位置rx、位置補正量yxおよび速度補正量yvを変更する構成でもよい。さらに、自動演奏ピアノ1および自動演奏ピアノ30は、鍵2とプランジャ16aとの離間判定の結果を鍵操作用テーブルDT(図7参照)に記録する構成や、通信インターフェイス23等(図3参照)を介して外部にリアルタイムに出力する構成でもよい。
本発明に係る鍵盤楽器は、自動演奏ピアノ1および自動演奏ピアノ30に適用した実施形態として説明したがこれに限定されるものではなく、鍵2等の演奏操作子にソレノイド16等のアクチュエータを備えた鍵盤楽器であればよい。また、上述の実施形態は、本発明の代表的な形態を示したに過ぎず、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
1 自動演奏ピアノ、2 鍵、16 ソレノイド、16a プランジャ、26 制御装置、29c 接触調整部、rx 目標駆動位置、yx 位置補正量

Claims (10)

  1. アクチュエータの可動部を演奏操作子に接触させてアクチュエータを駆動情報に従って駆動することで演奏操作子を操作する鍵盤楽器において、
    演奏操作子の動作態様とアクチュエータの駆動態様とから演奏操作子とアクチュエータの可動部とが離間状態か否か判定する判定手段、を具備し、
    判定手段が演奏操作子と可動部とが離間状態であると判定すると、演奏操作子と可動部とが接触するように駆動情報を補正する鍵盤楽器。
  2. 前記アクチュエータの駆動態様を示すアクチュエータの可動部の実駆動位置と前記演奏操作子の動作態様を示す演奏操作子の実操作位置から定まるアクチュエータの可動部の推定駆動位置との偏差である離間位置偏差が演奏操作子と可動部との離間を判定する位置偏差基準値未満の場合、または離間位置偏差が位置偏差基準値未満であってアクチュエータの駆動態様を示す可動部の実駆動速度と演奏操作子の動作態様を示す演奏操作子の実操作速度から定まる可動部の推定駆動速度との偏差である離間速度偏差が演奏操作子と可動部との離間を判定する速度偏差基準値未満の場合、前記判定手段が演奏操作子と可動部とが接触状態を維持していると判定し、
    可動部の実駆動位置と可動部の推定駆動位置との離間位置偏差が位置偏差基準値以上の場合、判定手段が演奏操作子と可動部とが離間状態であると判定する請求項1に記載の鍵盤楽器。
  3. 前記判定手段が、前記離間位置偏差から前記アクチュエータと前記演奏操作子とが接触状態を維持していると判定した場合、前記駆動情報による可動部の目標駆動位置と前記可動部の推定駆動位置との位置偏差に基づいて前記駆動情報を補正し、
    前記判定手段が、離間位置偏差および前記離間速度偏差からアクチュエータと演奏操作子とが接触状態を維持していると判定した場合、駆動情報による可動部の目標駆動位置と可動部の推定駆動位置との位置偏差および駆動情報による可動部の目標駆動速度と前記可動部の推定駆動速度との速度偏差に基づいて駆動情報を補正する請求項2に記載の鍵盤楽器。
  4. 前記判定手段が、前記アクチュエータと前記演奏操作子とが離間状態であると判定した場合、
    前記可動部の目標駆動位置と前記可動部の実駆動位置との偏差である追従位置偏差が追従許容値未満のとき、可動部の目標駆動位置と可動部の実駆動位置との位置偏差に基づいて前記駆動情報を補正し、
    前記追従位置偏差が許容値以上のとき、前記離間位置偏差に応じて可動部の実駆動位置と前記可動部の推定駆動位置との案分値を算出し、可動部の目標駆動位置と可動部の実駆動位置の案分値との位置偏差に基づいて駆動情報を補正する請求項2または請求項3に記載の鍵盤楽器。
  5. 前記判定手段が、前記アクチュエータと前記演奏操作子とが離間状態であると判定した場合、
    前記離間位置偏差が位置偏差上限基準値以上のとき、前記可動部の目標駆動位置と前記可動部の実駆動位置との位置偏差および前記可動部の目標駆動速度と前記可動部の実駆動速度との速度偏差を所定の比率で増幅した増幅値に基づいて前記駆動情報を補正し、
    離間位置偏差が位置偏差上限基準値未満のとき、可動部の目標駆動位置と前記可動部の推定駆動位置との位置偏差および可動部の目標駆動速度と前記可動部の推定駆動速度との速度偏差に基づいて駆動情報を補正し、
    離間位置偏差が位置偏差上限基準値未満かつ打弦から所定時間内のとき、可動部の目標駆動位置と可動部の実駆動位置との位置偏差および可動部の目標駆動速度と可動部の実駆動速度との速度偏差に基づいて駆動情報を補正する請求項2または請求項3に記載の鍵盤楽器。
  6. 前記離間位置偏差が位置偏差下限基準値未満であって前記離間速度偏差が前記速度偏差基準値以上の場合、前記判定手段が、前記可動部と前記演奏操作子とが接触状態から離間状態に移行しているとさらに判定する請求項2から請求項5のいずれか一項に記載の鍵盤楽器。
  7. 前記可動部と前記演奏操作子とが接触状態から離間状態に移行していると判定した場合、前記可動部の目標駆動位置と前記可動部の実駆動位置との位置偏差および前記可動部の目標駆動速度と前記可動部の実駆動速度との速度偏差を前記離間速度偏差に応じた比率で増幅した増幅値に基づいて前記駆動情報を補正する請求項6に記載の鍵盤楽器。
  8. 可動部が演奏操作子に接触しているアクチュエータを駆動情報に従って駆動させることで演奏操作子による演奏を行う鍵盤楽器の自動演奏プログラムであって、
    駆動情報を生成する駆動情報生成ステップと、
    演奏操作子の動作態様とアクチュエータの駆動態様とから演奏操作子とアクチュエータの可動部とが離間しているか否か判定する離間判定ステップと、
    離間判定ステップにおいて演奏操作子とアクチュエータの可動部とが離間していると判定すると、演奏操作子とアクチュエータの可動部とが接触するように駆動情報を補正する補正ステップと、
    を含む鍵盤楽器の自動演奏プログラム。
  9. 前記離間判定ステップにおいて、前記アクチュエータの駆動態様を示すアクチュエータの可動部の実駆動位置と前記演奏操作子の動作態様を示す演奏操作子の実操作位置から定まるアクチュエータの可動部の推定駆動位置との偏差である離間位置偏差が演奏操作子とアクチュエータとの離間を判定する位置偏差基準値未満の場合、または離間位置偏差が位置偏差基準値未満であってアクチュエータの駆動態様を示す可動部の実駆動速度と演奏操作子の動作態様を示す演奏操作子の実操作速度から定まる可動部の推定駆動速度との偏差である離間速度偏差が演奏操作子と可動部との離間を判定する速度偏差基準値未満の場合、アクチュエータと演奏操作子とが接触状態を維持していると判定し、
    離間判定ステップにおいて、離間位置偏差が位置偏差基準値以上の場合、アクチュエータと演奏操作子とが離間状態であると判定し、
    離間位置偏差からアクチュエータと演奏操作子とが接触状態を維持していると判定した場合、補正ステップにおいて、演奏信号によるアクチュエータの可動部の目標駆動位置と可動部の推定駆動位置との位置偏差に基づいて前記駆動情報を補正し、
    離間位置偏差および離間速度偏差からアクチュエータと演奏操作子とが接触状態を維持していると判定した場合、補正ステップにおいて、可動部の目標駆動位置と可動部の推定駆動位置との位置偏差および可動部の目標駆動速度と可動部の推定駆動速度との速度偏差に基づいて駆動情報を補正し、
    アクチュエータと演奏操作子とが離間状態であると判定した場合、補正ステップにおいて、前記可動部の目標駆動位置と前記可動部の実駆動位置との偏差である追従位置偏差が追従許容値未満のとき、可動部の目標駆動位置と可動部の実駆動位置との位置偏差に基づいて駆動情報を補正し、
    追従位置偏差が許容値以上のとき、前記離間位置偏差に応じて可動部の実駆動位置と前記可動部の推定駆動位置との案分値を算出し、可動部の目標駆動位置と可動部の実駆動位置の案分値との位置偏差に基づいて前記駆動情報を補正する請求項8に記載の鍵盤楽器の自動演奏プログラム。
  10. 前記離間判定ステップにおいて、前記離間位置偏差が位置偏差下限基準値未満であって前記離間速度偏差が前記速度偏差基準値以上の場合、前記アクチュエータと前記演奏操作子とが接触状態から離間状態に移行しているとさらに判定し、
    アクチュエータと演奏操作子とが接触状態から離間状態に移行していると判定した場合、補正ステップにおいて、前記可動部の目標駆動位置と前記可動部の実駆動位置との位置偏差および前記可動部の目標駆動速度と前記可動部の実駆動速度との速度偏差を前記離間速度偏差に応じた比率で増幅した増幅値に基づいて駆動情報を補正する請求項9に記載の鍵盤楽器の自動演奏プログラム。
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