JP6647714B2 - 蒸し機 - Google Patents
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Description
このうち特許文献1では、蒸し麺を油揚げするフライヤーに付設される蒸し機が図示されており、上記フライヤーのドレンからフラッシュタンクで蒸気を取り出し、該取り出した蒸気を蒸し機に導入して蒸し麺の製造に利用するようにした構成が開示されている。
従って、上記特許文献1、2と同様、蒸し機から発生するドレンの庫内での有効利用については何ら触れられていない。
また、上記ドレン槽を、蒸し胴内の略全域に設けられた受け皿状の槽としたとした場合には、蒸し胴の有効域の直下の投影面の略全域での補助加熱が可能となり、ドレンの持つ熱量が最大限原料に伝わるようになる。
また、上記密封蒸気管の全部がドレン中に没した状態で配置した場合には、密封蒸気管の表面全体からドレン槽内のドレンに熱が伝わって効率の良いドレンの加熱が実行される。この場合にもドレンの再蒸気化を促進させる効果が得られ、上述した原料の加熱効率が一層向上する。
また、可変水位保持手段を設けるとドレン再蒸気化手段を効率良くドレンに作用させることが可能になり、第2補助加熱手段として利用するドレンから再蒸気化した再蒸気化蒸気を安定して蒸し胴内に供給できるようになる。
また、ドレン槽の底部から外部に延びる連絡管にチーズ管を配して開閉可能なハッチ扉によって閉塞される取出し開口を備える構成にした場合には、該取出し開口からドレン中に含まれる不純物やゴミ等の異物を取り出すことが可能になり、メンテナンス性が向上する。
そして、上記ヒーターをドレン槽内のドレンの液面を境にして、その一部がドレン中に没した状態で配置した場合には、ドレンと接触しているヒーターの表面からドレンに熱が伝わってドレン槽内のドレンが直接的に加熱される。これにより、ドレンの再蒸気化を促進させ、多くの再蒸気化蒸気を原料に作用させて、より効率的な加熱が実行できるようになる。
また、上記ヒーターの全部がドレン中に没した状態で配置した場合には、ヒーターの表面全体からドレン槽内にドレンに熱が伝わってドレン槽内のドレンの熱量を高めて再蒸気化を促すことで効率のよい原料の加熱が可能になる。
また、蒸気噴射管を多段搬送部の最下部の搬送経路の下方に配置した場合には、多段搬送部の上段、中段、下段のすべてにおいて原料と蒸し用蒸気の温度に差を持たせた理想的な加熱が可能になり、蒸し加工品の外観、蒸し品質を向上させ、デンプンを含む蒸し加工品であれば、α化を促す効果も得られるようになる。
[第1の実施の形態](図1〜図4参照)
最初に本発明の蒸し機1の第1の実施の形態1Aについて説明する。
本実施の形態による蒸し機1Aは、蒸し胴2内に供給された原料A0に蒸気Sを作用させて所望の蒸し状態の蒸し加工品A1を得る機械装置である。具体的には、成形された生麺等を所望の蒸し状態の蒸し麺等に加工する場合にこの蒸し機1Aが使用される。
そして、この蒸し機1Aは、底部にドレン槽5を備えた蒸し胴2と、該蒸し胴2を貫くように上記蒸し胴2の搬入口3の外部から上記蒸し胴2の搬出口4の外部にかけて配設される、加工前の原料A0(加工中の蒸し加工品を含む)及び加工後の蒸し加工品A1を搬送する搬送手段7と、上記蒸し胴2内に配置される蒸気噴射管9と、該蒸気噴射管9に原料A0を直接、加熱するための蒸し用蒸気S1を供給する第1蒸気管路11と、上記ドレン槽5内に貯めたドレンD自体の熱を利用して蒸し胴2内を加熱する第1補助加熱手段8と、を具備することによって基本的に構成されている。
また、上記第1蒸気管路11には、図示しないボイラーが接続されている。
また、原料A0及び蒸し加工品A1の搬送手段7として本実施の形態ではネットコンベヤーが一例として使用されており、上記蒸し胴2と搬送手段7は、上記ドレン槽5が存する中央部19が両端の搬入口3と搬出口4よりも高くなる山形形状に形成されている。
また、本実施の形態では、上記蒸し胴2の搬入口3と搬出口4の近傍に排気ダクト25、26が配置されている。尚、搬送手段7は、ネットコンベヤーに限らずバケットコンベヤーやローラーコンベヤー等の他のコンベアを使用しても良い。
また、上記ドレン槽5の上方には邪魔板28が設けられており、該邪魔板28の上方には上述した中央部19に存する蒸気噴射管9Bがノズル27の向きを邪魔板28側に指向させて配置されている。
尚、図示の実施の形態の場合には、蒸気噴射管9A、9B、9Cを一例としてネットコンベヤーの復路側に設けているが、原料A0に直接、蒸し用蒸気S1が当たらない構成(例えばノズル27の向きを工夫したり、カバーを設ける等)が付加されている場合には、より原料A0に近い往路側に設けることも可能である。
また、蒸気主管29と第1蒸気管路11の途中には、管内を流れる蒸気Sと蒸し用蒸気S1の供給と供給の停止とを切り替えるバルブ33と、該管内を流れる蒸気Sと蒸し用蒸気S1の圧力を計測する圧力計35等が適宜の数、適宜の箇所に配置されている。
また、ドレン槽5に貯めたドレンDは液化したといっても100℃に近い温度を保っており、ドレンD自体も蒸し胴2内を加熱する熱源となり得る。そこで、本実施の形態ではドレン槽5内に貯めたドレンD自体の熱を利用して蒸し胴2内を加熱する第1補助加熱手段8として利用している。
要は、ドレン槽5を、蒸し胴2内の略全域に設けられた受け皿状の槽とすることにより、蒸し胴2の有効域(蒸し胴2の中央部19)の直下の投影面の略全域での補助加熱を可能とし、ドレンDの持つ熱量を最大限原料A0に伝えるようにしている。
尚、オーバーフロー排水管39の形状は、図3に示すような直管状のものであってもよいし、図4に示すようなU字状に湾曲した形状のものであってもよい。
これにより、上記エルボ管43を支点とする上記オーバーフロー排水管39の揺動によってオーバーフロー排水管39の排出口41の位置を変えて余剰となったドレンDのみを外部に排出し、ドレン槽5内のドレンDの液面WLの水位を常に一定に保ちながら蒸気Sが蒸し胴2の外部に逃げないようにしている。
このようにして構成される本実施の形態による蒸し機1Aを使用して蒸し加工品A1を製造する場合には、一例として以下に示すような使用態様で蒸し機1Aが使用される。
(A)蒸し用蒸気による加熱(図2参照)
搬送手段7の投入位置に投入された原料A0は、蒸し胴2の搬入口3から蒸し胴2内に搬送される。また、蒸気主管29から第1蒸気管路11内に進入し、途中、第1蒸気ヘッダー31Aで必要な供給量と圧力に調整された蒸気Sは、各蒸気噴射管9A、9B、9Cに供給され、各蒸気噴射管9A、9B、9Cに設けられているノズル27から蒸し用蒸気S1として蒸し胴2内に放出される。
上記蒸し胴2内に放出された蒸し用蒸気S1の一部は、潜熱を放出し終えたドレンDとなってドレン槽5内に溜まって行く。この場合、蒸し胴2内で使用された蒸し用蒸気S1が直接蒸し胴2内でドレン化することにより、より高い温度に保たれる。これにより、蒸し胴2の直下のドレン槽5内に熱量を持ったドレンDを貯めることによって、該ドレンD自体を熱源として利用できるようになって、該ドレンDの持つ熱量を第1補助加熱手段8として利用することが可能になる。
この加熱は、外気温との差で蒸し胴2内の温度が低下してしまうのを遅らせるという意味での加熱であり、言い換えれば、ドレンDが熱を持った断熱層(断熱材として機能する温水槽)の機能を発揮するものである。これにより少ないエネルギー(ここでは蒸気と水)使用量で効率良く原料を加熱して所望の蒸し状態の蒸し加工品を製造することが可能になる。
また、蒸し胴2内においては、高温の温水を原料に晒しているので、原料A0に水分を与える、湿り蒸気を与えるといった作用を発揮する。一例を挙げれば、原料A0が蒸し麺等の場合は、ドレン槽5内に溜まった高温のドレンから湯気が立ち上り、これが原料A0である蒸し麺等の表面に付着することで、熱容量の大きな水分を通して蒸し蒸気から放出された熱量が原料A0に伝わり易くなり、内部にも浸透し易くなる。
以下、図3及び図5〜図9に示す本発明の第2の実施の形態による蒸し機1Bの構成と使用態様について具体的に説明する。
(1)蒸し機の構成(図5参照)
本発明の蒸し機1は、蒸し胴2内に供給された原料A0に蒸気Sを作用させて所望の蒸し状態の蒸し加工品A1を得る機械装置である。具体的には、成形された生麺等を所望の蒸し状態の蒸し麺等に加工する場合に本発明の蒸し機1が使用される。そして、本実施の形態による蒸し機1Bは、底部にドレン槽5を備えた蒸し胴2と、該蒸し胴2を貫くように上記搬入口3の外部から上記搬出口4の外部にかけて配設される、加工前の原料A0及び加工後の蒸し加工品A1を搬送する搬送手段7と、上記蒸し胴2内に配置される蒸気噴射管9と、該蒸気噴射管9に原料A0を直接、加熱するための蒸し用蒸気S1を供給する第1蒸気管路11と、上記ドレン槽5内に配置され、該ドレン槽5内に貯めたドレンDを加熱して再蒸気化し、再蒸気化蒸気S3を生成するドレン再蒸気化手段15によって構成される第2補助加熱手段10と、を具備することによって基本的に構成されている。
本実施の形態では、第1蒸気管路11と第2蒸気管路12は、図示しない1つのボイラーに繋がっていて、蒸し用蒸気S1と加熱用蒸気S2を使い分けているので、供給源が1つで済み、無駄なく蒸気を使用できる。勿論、供給源は別であっても差し支えない。
また、原料A0及び蒸し加工品A1の搬送手段7として本実施の形態ではネットコンベヤーが一例として使用されており、上記蒸し胴2と搬送手段7は、上記ドレン槽5が存する中央部19が両端の搬入口3と搬出口4よりも高くなる山形形状に形成されている。
また、本実施の形態では、上記蒸し胴2の搬入口3と搬出口4の近傍に排気ダクト25、26が配置されている。尚、搬送手段7は、ネットコンベヤーに限らずバケットコンベヤーやローラーコンベヤー等の他のコンベヤーを使用しても良い。
また、蒸気噴射管9Bの下方であって少なくともノズル27の下部分には邪魔板28が設けられている。この邪魔板28はノズル27に近接させてその下部に設けることによって、蒸し用蒸気S1の上向きの方向転換を図ると共に、ドレンDの液面に作用し水滴を原料A0(蒸し麺等)に付着させるのを防止することを目的とするものであり、このような機能を発揮できるものであれば形状や設置位置、設置数等は任意である。
尚、上記実施の形態の場合には、蒸気噴射管9A、9B、9Cを一例としてネットコンベヤーの復路側に設けているが、より原料A0に近い往路側に設けても良い。
また、蒸気主管29と第1蒸気管路11の途中には、管内を流れる蒸気Sと蒸し用蒸気S1の供給と供給の停止とを切り替えるバルブ33と、該管内を流れる蒸気Sと蒸し用蒸気S1の圧力を計測する圧力計35等が適宜の数、適宜の箇所に配置されている。
本実施の形態では、密封蒸気管17は、図9(a)に示すように、一例としてほぼ下半分がドレンD中に没した状態で配置され、ほぼ上半分は蒸し胴2内に露出した状態となり、ドレンDは液面WL部分で密封蒸気管17の高温域と接触し、再蒸気化される。この時、ドレンDが蒸発した分、次々とドレンDが寄せてくることで、液面WLに揺らぎを生じさせ、再蒸気化が繰り返される。このような状態を作り出すことによって、再蒸気化蒸気S3の発生を促進する。
尚、可変水位保持手段37としては、上記オーバーフロー排水管39の他に、ドレンDの液面WLを検知するフロートやセンサと連動して動作する定水位バルブ等を使用することも可能である。この場合はフロートやセンサの検知位置を変更することによりドレンDの液面WLを調整できる。また、必ずしも可変水位保持手段37を備える必要はなく、例えば、蒸し用蒸気S1等の供給量に応じてドレンDの液面WLを境にして、その一部がドレンD中に没した状態となるように密封蒸気管17を設置するようにしても良い。
尚、密封蒸気管17は密封蒸気管17に供給される加熱用蒸気S2の熱量を利用してドレンDを間接的に加熱して再蒸気化蒸気S3を発生させるものであるから、上述した蒸気噴射管9に設けられていたノズル27は存在しない。また、上記ドレン再蒸気化手段15として、ドレン槽5内に配置される噴射蒸気管18と、上記噴射蒸気管18に対して、ドレンを直接的に加熱するための加熱用蒸気を供給する第2蒸気管路12と、を備えた構成とすることもできる。噴射蒸気管18は図9(c)に示すように、密閉蒸気管に多数の孔を設けたものである。尚、孔に代えてノズルとしても良い。この場合には、第2蒸気管路12から供給された加熱用蒸気が噴射蒸気管18の表面から噴射され、ドレンにその熱が伝わってドレン槽5内のドレンが直接的に加熱される。これにより、ドレンの一部が再蒸気化し、加熱用蒸気と相俟ってこの再蒸気化蒸気が原料に作用することで上述した補助的な加熱が実行される。
また、第2蒸気管路12の途中には、管内を流れる蒸気Sと加熱用蒸気S2の供給と供給の停止とを切り替えるバルブ33と、該管内を流れる蒸気Sと加熱用蒸気S2の圧力を計測する圧力計35等が、適宜の数、適宜の箇所に配置されている。
尚、ドレン槽5底部には、排水管路49が設けられていて、ドレン槽5内のドレンDを直接外部に排出し得るようになっている。
また、第3蒸気管路13、ドレン供給管路45及び排水管路49の途中には、これらの管路内を流れるドレンDの流れを許容及び遮断するバルブ33等が適宜の位置に適宜の個数設けられている。
このようにして構成される蒸し機1Bを使用して蒸し加工品A1を製造する場合には、一例として以下に示すような3段階の使用態様で蒸し機1Bが使用される。
(A)蒸し用蒸気とドレンによる加熱(図2参照)
搬送手段7の投入位置に投入された原料A0は、蒸し胴2の搬入口3から蒸し胴2内に搬送される。また、蒸気主管29から第1蒸気管路11内に進入し、途中、第1蒸気ヘッダー31Aで必要な供給量と圧力に調整された蒸気Sは、各蒸気噴射管9A、9B、9Cに供給され、各蒸気噴射管9A、9B、9Cに設けられているノズル27から蒸し胴2内に放出される。
また、上記蒸し胴2内に放出された蒸し用蒸気S1の一部は、潜熱を放出し終えたドレンDとなってドレン槽5内に溜まって行く。この場合、蒸し胴2内で使用された蒸し用蒸気S1が直接蒸し胴2内でドレン化することにより、より高い温度に保たれる。これにより、蒸し胴2直下のドレン槽5内に熱量を持ったドレンDを貯めることによって、蒸し胴2内でドレンDの持つ熱量を保って、その熱量を蒸し加工に有効利用することができる。
ドレン槽5内にドレンDが所定量溜まると、一例としてドレンDの液面WL寄りの領域が密封蒸気管17の表面に接触するようになる。
そして、該密封蒸気管17には、上述したように蒸気主管29、第2蒸気ヘッダー31Bを通って必要な供給量と圧力に調整された加熱用蒸気S2が供給され、該加熱用蒸気S2の熱量が密封蒸気管17を介してドレン槽5内のドレンDに伝搬されて該ドレンDを加熱して再蒸気化する。この場合、密封蒸気管17の液面WLより上部はより高い温度に保たれ、高い潜熱を持った再蒸気化蒸気S3が活発に発生する。
ドレン槽5に溜まって行くドレンDは、オーバーフロー排水管39によって常に所定の水位になるように保たれている。また、密封蒸気管17内でも加熱用蒸気S2の一部がドレンDになる。そして、このドレンDは、再蒸気化蒸気S3と共に第3蒸気管路13内に流れ、途中スチームトラップ47によってドレンDのみが分離され、分離されたドレンDはドレン供給管路45に流れてドレン槽5内のドレンD中に供給される。
これにより、密封蒸気管17で発生した高水温のドレンDをドレン槽5内に供給することが可能になるから、ドレン槽5内のドレンDに加えて高水温のドレンDを利用できるようになり、更に一層の加熱効率の向上が図られる。
以下、図10及び図11に示す本発明の第3の実施の形態による蒸し機1Cの構成と使用態様について具体的に説明する。
尚、本実施の形態による蒸し機1Cは、搬送手段7の構成が上述した第1の実施の形態による蒸し機1Aと相違しているだけで他の構成については上記第1の実施の形態と同様の構成を有している。従って、ここでは上記第1の実施の形態と同様の構成については説明を省略し、上記第1の実施の形態と相違する搬送手段7の構成とその使用態様を中心に説明する。
本実施の形態による蒸し機1Cは、底部にドレン槽5を備えた蒸し胴2と、該蒸し胴2を貫くように上記搬入口3の外部から上記搬出口4の外部にかけて配設される、加工前の原料A0(加工中の蒸し加工品を含む)及び加工後の蒸し加工品A1を搬送する搬送手段7と、上記蒸し胴2内に配置される蒸気噴射管9と、該蒸気噴射管9に原料A0を直接、加熱するための蒸し用蒸気S1を供給する第1蒸気管路11と、上記ドレン槽5内に貯めたドレンD自体の熱を利用して蒸し胴2内を加熱する第1補助加熱手段8と、を具備することによって基本的に構成されている。
具体的には蒸し胴2の搬入口3から徐々に上昇して蒸し胴2の中央部19で上段に至る第1搬送手段7Aと、該第1搬送手段7Aの下方の中段に位置する第2搬送手段7Bと、該第2搬送手段7Bの下方の下段に位置し、蒸し胴2の搬出口4に向けて徐々に下降する第3搬送手段7Cと、の三基の搬送手段によって構成されている。そして、これら三基の搬送手段7A、7B、7Cも上記第1の実施の形態と同様、一例としてネットコンベヤーによって構成されている。尚、上記第1の実施の形態で述べたように、これらの搬送手段7A、7B、7Cは、ネットコンベヤーに限らずバケットコンベヤーやローラーコンベヤー等の他のコンベヤーを使用することも勿論可能である。
尚、本実施の形態では、第1補助加熱手段8を備える上記第1の実施の形態による蒸し機1Aに対して上述した多段搬送部75を備えた搬送手段7を適用したが、同様の構成の搬送手段7を上述した第2の実施の形態による蒸し機1Bに対して適用することも勿論可能である。
このようにして構成される本実施の形態による蒸し機1Cを使用して蒸し加工品A1を製造する場合にも、上記第1の実施の形態において述べた蒸し用蒸気S1による本加熱とドレンDの熱量による補助加熱の二段階の加熱によって効率的な原料A0の加熱が実行される。
そして、本実施の形態では、蒸し胴2の搬入口3に投入された原料A0は第1搬送手段7Aによって蒸し胴2の中央部19の上段位置に搬送され、第1搬送手段7Aの往路終端で下方に位置する第2搬送手段7B上に落下して移載される。
第3搬送手段7Cでは、再度搬送方向が切り替えられ、上記第1搬送手段7Aと同方向に原料A0ないし加工後の蒸し加工品A1が搬送されて蒸し胴2の搬出口4から次工程に向けて搬出される。
そして、このとき、原料A0に作用する蒸し用蒸気S1の温度は、下段の第3搬送手段7C、中段の第2搬送手段7B、上段の第3搬送手段7Aの順で上に行くに従って幾分低くなるが、一方で、原料A0の温度も下段、中段、上段の順で上に行くに従って幾分低くなる。
尚、このような温度差による効果を搬送手段7が一段のみ設けられている上述した第1の実施の形態による蒸し機1Aや第2の実施の形態による蒸し機1Bに適用する場合には、蒸し胴2の中央部19を例えば上流部、中流部、下流部の三段階に分け、各位置の蒸し用蒸気S1の温度を調整することによって実現することが可能である。
そして、本実施の形態では、多段搬送部75の採用によって、蒸し胴2の中央部19を通過する原料A0に対して蒸し用蒸気S1を多く作用させることができるから、原料A0の加熱効率が向上し、蒸し胴2のコンパクト化と蒸し用蒸気S1の使用量の節約とが図れ、上述した温度差によって蒸し加工品A1の外観品質や食感、α化の促進といった作用、効果も得られるようになる。
本発明の蒸し機1は、上述した実施の形態のものに限定されず、その発明の要旨内での変更が可能である。
例えば、上記第3の実施の形態中の説明でも触れたように上記第3の実施の形態で採用した多段搬送部75を備えた搬送手段7を上記第2の実施の形態の蒸し機1Bの搬送手段7として適用することが可能である。
2 蒸し胴
3 搬入口
4 搬出口
5 ドレン槽
7 搬送手段
8 第1補助加熱手段
9 蒸気噴射管
10 第2補助加熱手段
11 第1蒸気管路
12 第2蒸気管路
13 第3蒸気管路
15 ドレン再蒸気化手段
17 密封蒸気管
18 噴射蒸気管
19 中央部
21 搬入部
23 搬出部
25 排気ダクト
26 排気ダクト
27 ノズル
28 邪魔板
29 蒸気主管
31 蒸気ヘッダー
33 バルブ
35 圧力計
37 可変水位保持手段
39 オーバーフロー排水管
41 排出口
43 エルボ管
45 ドレン供給管路
47 スチームトラップ
49 排水管路
51 ヒーター
53 作動手段
61 取水口
63 連絡管
65 チーズ管
67 取出し開口
69 ハッチ扉
71 操作ハンドル
73 ロックハンドル
75 多段搬送部
A0 原料
A1 蒸し加工品
S 蒸気
S1 蒸し用蒸気
S2 加熱用蒸気
S3 再蒸気化蒸気
D ドレン
WL 液面
Claims (4)
- 蒸し胴内に供給された原料に蒸気を作用させて所望の蒸し状態の蒸し加工品を得る蒸し機において、
底部にドレン槽を備えた蒸し胴と、
上記蒸し胴内に配置される蒸気噴射管と、
上記蒸気噴射管に原料を直接、加熱するための蒸し用蒸気を供給する第1蒸気管路と、
上記ドレン槽内に配置され、該ドレン槽内に貯めたドレンを加熱して再蒸気化させて蒸し胴内を加熱するドレン再蒸気化手段によって構成される第2補助加熱手段と、を具備し、
上記ドレン再蒸気化手段は、上記ドレン槽内に貯めたドレンの液面を境にして、その一部がドレン中に没した状態で配置される密封蒸気管と、
上記密封蒸気管に対して、ドレンを間接的に加熱するための加熱用蒸気を供給する第2蒸気管路と、
を具備することによって構成されていることを特徴とする蒸し機。 - 上記ドレン槽には、ドレン槽内に貯めたドレンの液面を所定の水位に保つ可変水位保持手段が設けられていることを特徴とする請求項1記載の蒸し機。
- 上記可変水位保持手段は、ドレン槽内の余剰のドレンを外部に排出する排出口を一端に備えた傾斜可能なオーバーフロー排水管と、
上記オーバーフロー排水管の他端に接続され、上記オーバーフロー排水管を傾斜させる際の揺動支点となるエルボ管と、
上記エルボ管の他端に接続され、先端の取水口がドレン槽の底部に接続されている連絡管と、を具備しており、
上記連絡管の途中にはチーズ管が配置されていて、該チーズ管の一つの開口をドレン中に含まれる不純物等を外部に取り出す取出し開口として利用し、該取出し開口は開閉可能なハッチ扉によって閉塞されていることを特徴とする請求項2記載の蒸し機。 - 上記密封蒸気管には、密封蒸気管内で発生したドレンを蒸気と分離し、当該分離したドレンをドレン槽内に供給する第3蒸気管路が接続されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の蒸し機。
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