JP6646263B2 - 重合体組成物および横電界駆動型液晶表示素子用液晶配向膜 - Google Patents

重合体組成物および横電界駆動型液晶表示素子用液晶配向膜 Download PDF

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Description

本発明は、新規な重合体組成物と、それを用いる横電界駆動型液晶表示素子用液晶配向膜、および当該配向膜を有する基板の製造方法に関する。さらには、焼き付き特性に優れる液晶表示素子を製造するための新規な方法に関する。
液晶表示素子は、軽量、薄型かつ低消費電力の表示デバイスとして知られ、近年では大型のテレビ用途に用いられるなど、目覚ましい発展を遂げている。液晶表示素子は、例えば、電極を備えた透明な一対の基板により液晶層を挟持して構成される。そして、液晶表示素子では、液晶が基板間で所望の配向状態となるように有機材料からなる有機膜が液晶配向膜として使用されている。
すなわち、液晶配向膜は、液晶表示素子の構成部材であって、液晶を挟持する基板の液晶と接する面に形成され、その基板間で液晶を一定の方向に配向させるという役割を担っている。そして、液晶配向膜には、液晶を、例えば、基板に対して平行な方向など、一定の方向に配向させるという役割に加え、液晶のプレチルト角を制御するという役割を求められることがある。こうした液晶配向膜における、液晶の配向を制御する能力(以下、配向制御能と言う。)は、液晶配向膜を構成する有機膜に対して配向処理を行うことによって与えられる。
配向制御能を付与するための液晶配向膜の配向処理方法としては、従来からラビング法が知られている。ラビング法とは、基板上のポリビニルアルコールやポリアミドやポリイミド等の有機膜に対し、その表面を綿、ナイロン、ポリエステル等の布で一定方向に擦り(ラビングし)、擦った方向(ラビング方向)に液晶を配向させる方法である。このラビング法は簡便に比較的安定した液晶の配向状態を実現できるため、従来の液晶表示素子の製造プロセスにおいて利用されてきた。そして、液晶配向膜に用いられる有機膜としては、耐熱性等の信頼性や電気的特性に優れたポリイミド系の有機膜が主に選択されてきた。
しかしながら、ポリイミドなどからなる液晶配向膜の表面を擦るラビング法は、発塵や静電気の発生が問題となることがあった。また、近年の液晶表素子の高精細化や、対応する基板上の電極や液晶駆動用のスイッチング能動素子による凹凸のため、液晶配向膜の表面を布で均一に擦ることができず、均一な液晶の配向を実現できないことがあった。
そこで、ラビングを行わない液晶配向膜の別の配向処理方法として、光配向法が盛んに検討されている。
光配向法には様々な方法があるが、直線偏光またはコリメートした光によって液晶配向膜を構成する有機膜内に異方性を形成し、その異方性に従って液晶を配向させる。
主な光配向法としては、分解型の光配向法が知られている。例えば、ポリイミド膜に偏光紫外線を照射し、分子構造の紫外線吸収の偏光方向依存性を利用して異方的な分解を生じさせる。そして、分解せずに残されたポリイミドにより液晶を配向させるようにする(例えば、特許文献1を参照のこと。)。
また、光架橋型や光異性化型の光配向法も知られている。例えば、ポリビニルシンナメートを用い、偏光紫外線を照射し、偏光と平行な2つの側鎖の二重結合部分で二量化反応(架橋反応)を生じさせる。そして、偏光方向と直交した方向に液晶を配向させる(例えば、非特許文献1を参照のこと。)。また、アゾベンゼンを側鎖に有する側鎖型高分子を用いた場合、偏光紫外線を照射し、偏光と平行な側鎖のアゾベンゼン部で異性化反応を生じさせ、偏光方向と直交した方向に液晶を配向させる(例えば、非特許文献2を参照のこと。)。
以上の例のように、光配向法による液晶配向膜の配向処理方法では、ラビングを不要とし、発塵や静電気の発生の懸念が無い。そして、表面に凹凸のある液晶表示素子の基板に対しても配向処理を施すことができ、工業的な生産プロセスに好適な液晶配向膜の配向処理の方法となる。
特許第3893659号公報
M. Shadt et al., Jpn. J. Appl. Phys. 31, 2155 (1992). K. Ichimura et al., Chem. Rev. 100, 1847 (2000).
以上のように、光配向法は、液晶表示素子の配向処理方法として従来から工業的に利用されてきたラビング法と比べてラビング工程そのものを不要とし、そのため大きな利点を備える。そして、ラビングによって配向制御能がほぼ一定となるラビング法に比べ、光配向法では、偏光した光の照射量を変化させて配向制御能を制御することができる。しかしながら、光配向法では、ラビング法による場合と同程度の配向制御能を実現しようとする場合、大量の偏光した光の照射量が必要となったり、安定な液晶の配向が実現できない場合がある。
例えば、上記した特許文献1に記載の分解型の光配向法では、ポリイミド膜に出力500Wの高圧水銀灯からの紫外光を60分間照射する必要があるなど、長時間かつ大量の紫外線照射が必要となる。また、二量化型や光異性化型の光配向法の場合においても、数J(ジュール)〜数十J程度の多くの量の紫外線照射が必要となる場合がある。さらに、光架橋型や光異性化型の光配向法の場合、液晶の配向の熱安定性や光安定性に劣るため、液晶表示素子とした場合に、配向不良や表示焼き付きが発生するといった問題があった。特に横電界駆動型の液晶表示素子では液晶分子を面内でスイッチングするため、液晶駆動後の液晶の配向ズレが発生しやすく、AC駆動に起因する表示焼き付きが大きな課題とされている。
したがって、光配向法では、配向処理の高効率化や安定な液晶配向の実現が求められており、液晶配向膜への高い配向制御能の付与を高効率に行うことができる液晶配向膜や液晶配向剤が求められている。
本発明は、高効率で配向制御能が付与され、焼き付き特性に優れた、横電界駆動型液晶表示素子用液晶配向膜を有する基板及び該基板を有する横電界駆動型液晶表示素子を提供することを目的とする。
また、本発明の目的は、上記目的に加えて、向上した電圧保持率を有する横電界駆動型液晶素子及び該素子のための液晶配向膜を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を達成するべく鋭意検討を行った結果、以下の発明を見出した。
<1> [I] (A)所定の温度範囲で液晶性を発現する感光性の側鎖型高分子であって、下記式(0)
Figure 0006646263
式中、A、Bはそれぞれ独立に、単結合、−O−、−CH−、−COO−、−OCO−、−CONH−、−NH−CO−、−CH=CH−CO−O−、又は−O−CO−CH=CH−を表す;
Sは、炭素数1〜12のアルキレン基であり、それらに結合する水素原子はハロゲン基に置き換えられていてもよい;
Tは、単結合または炭素数1〜12のアルキレン基であり、それらに結合する水素原子はハロゲン基に置き換えられていてもよい;
Xは、単結合、−COO−、−OCO−、−N=N−、−CH=CH−、−C≡C−、−CH=CH−CO−O−、又は−O−CO−CH=CH−を表し、Xの数が2となるときは、X同士は同一でも異なっていてもよい;
P及びQは、各々独立に、2価のベンゼン環、ナフタレン環、ビフェニル環、フラン環、ピロール環、炭素数5〜8の脂環式炭化水素、および、それらの組み合わせからなる群から選ばれる基である;ただし、Xが−CH=CH−CO−O−、−O−CO−CH=CH−である場合、−CH=CH−が結合する側のP又はQは芳香環である;
l1は0または1である;
l2は0〜2の整数である;
l1とl2がともに0であるときは、Tが単結合であるときはAも単結合を表す;
l1が1であるときは、Tが単結合であるときはBも単結合を表す;
Gは、下記式(G−1)、(G−2)、(G−3)及び(G−4)
Figure 0006646263
(式中、破線は結合手を表し、R50は水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜3のアルキル基、フェニル基から選ばれる基を表し、R50が複数ある場合は互いに同一でも異なっていてもよく、tは1〜7の整数であり、JはO、S、NHまたはNR51を表し、R51は炭素数1〜3のアルキル基およびフェニル基から選ばれる基を表す)から選ばれる基である;
で表される側鎖を有し、窒素含有芳香族複素環基、アミド基及びウレタン基から選ばれる基を有する側鎖(a)をさらに有する側鎖型高分子、及び
(B)有機溶媒
を含有する重合体組成物。
<2> 上記<1>において、(A)成分が、光架橋、光異性化、または光フリース転移を起こす感光性側鎖を有するのがよい。
<3> 上記<1>において、(A)成分が、下記式(1)〜(6)からなる群から選ばれるいずれか1種の感光性側鎖を有するのがよい。
Figure 0006646263
式中、A、B、Dはそれぞれ独立に、単結合、−O−、−CH−、−COO−、−OCO−、−CONH−、−NH−CO−、−CH=CH−CO−O−、又は−O−CO−CH=CH−を表す;
Sは、炭素数1〜12のアルキレン基であり、それらに結合する水素原子はハロゲン基に置き換えられていてもよい;
Tは、単結合または炭素数1〜12のアルキレン基であり、それらに結合する水素原子はハロゲン基に置き換えられていてもよい;
は、1価のベンゼン環、ナフタレン環、ビフェニル環、フラン環、ピロール環および炭素数5〜8の脂環式炭化水素から選ばれる環を表すか、それらの置換基から選ばれる同一又は相異なった2〜6の環が結合基Bを介して結合してなる基であり、それらに結合する水素原子はそれぞれ独立に−COOR(式中、Rは水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基を表す)、−NO、−CN、−CH=C(CN)、−CH=CH−CN、ハロゲン基、炭素数1〜5のアルキル基、又は炭素数1〜5のアルキルオキシ基で置換されても良い;
は、2価のベンゼン環、ナフタレン環、ビフェニル環、フラン環、ピロール環、炭素数5〜8の脂環式炭化水素、および、それらの組み合わせからなる群から選ばれる基であり、それらに結合する水素原子はそれぞれ独立に−NO、−CN、−CH=C(CN)、−CH=CH−CN、ハロゲン基、炭素数1〜5のアルキル基、又は炭素数1〜5のアルキルオキシ基で置換されても良い;
Rは、ヒドロキシ基、炭素数1〜6のアルコキシ基を表すか、又はYと同じ定義を表す;
Xは、単結合、−COO−、−OCO−、−N=N−、−CH=CH−、−C≡C−、−CH=CH−CO−O−、又は−O−CO−CH=CH−を表し、Xの数が2となるときは、X同士は同一でも異なっていてもよい;
Couは、クマリン−6−イル基またはクマリン−7−イル基を表し、それらに結合する水素原子はそれぞれ独立に−NO、−CN、−CH=C(CN)、−CH=CH−CN、ハロゲン基、炭素数1〜5のアルキル基、又は炭素数1〜5のアルキルオキシ基で置換されても良い;
q1とq2は、一方が1で他方が0である;
q3は0または1である;
P及びQは、各々独立に、2価のベンゼン環、ナフタレン環、ビフェニル環、フラン環、ピロール環、炭素数5〜8の脂環式炭化水素、および、それらの組み合わせからなる群から選ばれる基である;ただし、Xが−CH=CH−CO−O−、−O−CO−CH=CH−である場合、−CH=CH−が結合する側のP又はQは芳香環である;
l1は0または1である;
l2は0〜2の整数である;
l1とl2がともに0であるときは、Tが単結合であるときはAも単結合を表す;
l1が1であるときは、Tが単結合であるときはBも単結合を表す;
H及びIは、各々独立に、2価のベンゼン環、ナフタレン環、ビフェニル環、フラン環、ピロール環、およびそれらの組み合わせから選ばれる基である。
<4> 上記<1>〜<3>のいずれかにおいて、(A)成分が、下記式(21)〜(31)からなる群から選ばれるいずれか1種の液晶性側鎖を有するのがよい。
式中、A、B、q1及びq2は上記と同じ定義を有する;
は、1価のベンゼン環、ナフタレン環、ビフェニル環、フラン環、窒素含有複素環、及び炭素数5〜8の脂環式炭化水素、および、それらの組み合わせからなる群から選ばれる基であり、それらに結合する水素原子はそれぞれ独立に−NO、−CN、ハロゲン基、炭素数1〜5のアルキル基、又は炭素数1〜5のアルキルオキシ基で置換されても良い;
は、水素原子、−NO、−CN、−CH=C(CN)、−CH=CH−CN、ハロゲン基、1価のベンゼン環、ナフタレン環、ビフェニル環、フラン環、窒素含有複素環、炭素数5〜8の脂環式炭化水素、炭素数1〜12のアルキル基、又は炭素数1〜12のアルコキシ基を表す;
lは1〜12の整数を表し、mは0から2の整数を表し、但し、式(25)〜(26)において、全てのmの合計は2以上であり、式(27)〜(28)において、全てのmの合計は1以上であり、m1、m2およびm3は、それぞれ独立に1〜3の整数を表す;
は、水素原子、−NO、−CN、ハロゲン基、1価のベンゼン環、ナフタレン環、ビフェニル環、フラン環、窒素含有複素環、及び炭素数5〜8の脂環式炭化水素、および、アルキル基、又はアルキルオキシ基を表す;
、Zは単結合、−CO−、−CHO−、−CH=N−、−CF−を表す。
Figure 0006646263
<5> 上記<1>〜<4>のいずれかにおいて、組成物がさらに(D)成分としてアルコキシシリル基と、1位及び3位がともに置換されたウレア構造とを有する化合物をさらに含有するのがよい。
<6> 上記<1>〜<5>のいずれに記載の重合体組成物を、横電界駆動用の導電膜を有する基板上に塗布して塗膜を形成する工程;
[II] [I]で得られた塗膜に偏光した紫外線を照射する工程;及び
[III] [II]で得られた塗膜を加熱する工程;
を有することによって配向制御能が付与された横電界駆動型液晶表示素子用液晶配向膜を得る、前記液晶配向膜を有する基板の製造方法。
<7> 上記<6>記載の製造方法により製造された横電界駆動型液晶表示素子用液晶配向膜を有する基板。
<8> 上記<7>の基板を有する横電界駆動型液晶表示素子。
<9> 上記<7>の基板(第1の基板)を準備する工程;
[I’] 第2の基板上に、上記<1>〜<5>のいずれに記載の重合体組成物を、塗布して塗膜を形成する工程;
[II’] [I’]で得られた塗膜に偏光した紫外線を照射する工程;及び
[III’] [II’]で得られた塗膜を加熱する工程;
を有することによって配向制御能が付与された液晶配向膜を得る、該液晶配向膜を有する第2の基板を得る工程;及び
[IV] 液晶を介して第1及び第2の基板の液晶配向膜が相対するように、第1及び第2の基板を対向配置して液晶表示素子を得る工程;
を有することにより、横電界駆動型液晶表示素子を得る、該液晶表示素子の製造方法。
<10> 上記<9>により製造された横電界駆動型液晶表示素子。
<11> 上記<1>に記載の側鎖型高分子。
本発明により、高効率で配向制御能が付与され、焼き付き特性に優れた、横電界駆動型液晶表示素子用液晶配向膜を有する基板及び該基板を有する横電界駆動型液晶表示素子を提供することができる。
本発明の方法によって製造された横電界駆動型液晶表示素子は、高効率に配向制御能が付与されているため長時間連続駆動しても表示特性が損なわれることがない。
また、本発明により、上記効果に加えて、液晶配向膜界面において液晶中のイオン性不純物を吸着し、向上した電圧保持率を有する横電界駆動型液晶素子及び該素子のための液晶配向膜を提供することができる。
本発明者は、鋭意研究を行った結果、以下の知見を得て本発明を完成するに至った。
本発明の製造方法において用いられる重合体組成物は、液晶性を発現し得る感光性の側鎖型高分子(以下、単に側鎖型高分子とも呼ぶ)を有しており、前記重合体組成物を用いて得られる塗膜は、液晶性を発現し得る感光性の側鎖型高分子を有する膜である。この塗膜にはラビング処理を行うこと無く、偏光照射によって配向処理を行う。そして、偏光照射の後、その側鎖型高分子膜を加熱する工程を経て、配向制御能が付与された塗膜(以下、液晶配向膜とも称する)となる。このとき、偏光照射によって発現した僅かな異方性がドライビングフォースとなり、液晶性の側鎖型高分子自体が自己組織化により効率的に再配向する。その結果、液晶配向膜として高効率な配向処理が実現し、高い配向制御能が付与された液晶配向膜を得ることができる
以下、本発明の実施形態について詳しく説明する。
<液晶配向膜を有する基板の製造方法>及び<液晶表示素子の製造方法>
本発明の液晶配向膜を有する基板の製造方法は、
[I] (A)所定の温度範囲で液晶性を発現する感光性の側鎖型高分子であって、上記式(0)で表される側鎖をさらに有する側鎖型高分子、及び
(B)有機溶媒
を含有する重合体組成物を、横電界駆動用の導電膜を有する基板上に塗布して塗膜を形成する工程;
[II] [I]で得られた塗膜に偏光した紫外線を照射する工程;及び
[III] [II]で得られた塗膜を加熱する工程;
を有する。
上記工程により、配向制御能が付与された横電界駆動型液晶表示素子用液晶配向膜を得ることができ、該液晶配向膜を有する基板を得ることができる。
また、上記得られた基板(第1の基板)の他に、第2の基板を準備することにより、横電界駆動型液晶表示素子を得ることができる。
第2の基板は、横電界駆動用の導電膜を有する基板に代わって、横電界駆動用の導電膜を有しない基板を用いる以外、上記工程[I]〜[III](横電界駆動用の導電膜を有しない基板を用いるため、便宜上、本願において、工程[I’]〜[III’]と略記する場合がある)を用いることにより、配向制御能が付与された液晶配向膜を有する第2の基板を得ることができる。
横電界駆動型液晶表示素子の製造方法は、
[IV] 上記で得られた第1及び第2の基板を、液晶を介して第1及び第2の基板の液晶配向膜が相対するように、対向配置して液晶表示素子を得る工程;
を有する。これにより横電界駆動型液晶表示素子を得ることができる。
以下、本発明の製造方法の有する[I]〜[III]、および[IV]の各工程について説明する。
<工程[I]>
工程[I]では、横電界駆動用の導電膜を有する基板上に、所定の温度範囲で液晶性を発現する感光性の側鎖型高分子であって、上記式(0)で表される側鎖をさらに有する側鎖型高分子、有機溶媒及び、所望により、分子内に1級アミノ基を1個と窒素含有芳香族複素環とを有し、かつ前記1級アミノ基が脂肪族炭化水素基又は非芳香族環式炭化水素基に結合しているアミン化合物を含有し、さらに、所望により、(D)成分としてアルコキシシリル基と、1位及び3位がともに置換されたウレア構造とを有する化合物を含有する重合体組成物を塗布して塗膜を形成する。
<基板>
基板については、特に限定はされないが、製造される液晶表示素子が透過型である場合、透明性の高い基板が用いられることが好ましい。その場合、特に限定はされず、ガラス基板、またはアクリル基板やポリカーボネート基板等のプラスチック基板等を用いることができる。
また、反射型の液晶表示素子への適用を考慮し、シリコンウェハなどの不透明な基板も使用できる。
<横電界駆動用の導電膜>
基板は、横電界駆動用の導電膜を有する。
該導電膜として、液晶表示素子が透過型である場合、ITO(Indium Tin Oxide:酸化インジウムスズ)、IZO(Indium Zinc Oxide:酸化インジウム亜鉛)などを挙げることができるが、これらに限定されない。
また、反射型の液晶表示素子の場合、導電膜として、アルミなどの光を反射する材料などを挙げることができるがこれらに限定されない。
基板に導電膜を形成する方法は、従来公知の手法を用いることができる。
<重合体組成物>
横電界駆動用の導電膜を有する基板上、特に導電膜上に、重合体組成物を塗布する。
本発明の製造方法に用いられる、該重合体組成物は、(A)所定の温度範囲で液晶性を発現する感光性の側鎖型高分子;(B)有機溶媒;及び、所望に応じて(C)分子内に1級アミノ基を1個と窒素含有芳香族複素環とを有し、かつ前記1級アミノ基が脂肪族炭化水素基又は非芳香族環式炭化水素基に結合しているアミン化合物を含有する。
<<(A)側鎖型高分子>>
(A)成分は、所定の温度範囲で液晶性を発現する感光性の側鎖型高分子であって、上記式(0)で表される側鎖を有し、窒素含有芳香族複素環基、アミド基及びウレタン基から選ばれる基を有する側鎖(a)をさらに有する。
(A)側鎖型高分子は、250nm〜400nmの波長範囲の光で反応し、かつ100℃〜300℃の温度範囲で液晶性を示すのがよい。
(A)側鎖型高分子は、250nm〜400nmの波長範囲の光に反応する感光性側鎖を有することが好ましい。
(A)側鎖型高分子は、100℃〜300℃の温度範囲で液晶性を示すためメソゲン基を有することが好ましい。
(A)側鎖型高分子は、主鎖に感光性を有する側鎖が結合しており、光に感応して架橋反応、異性化反応、または光フリース転位を起こすことができる。感光性を有する側鎖の構造は特に限定されないが、光に感応して架橋反応、または光フリース転位を起こす構造が望ましく、架橋反応を起こすものがより望ましい。この場合、熱などの外部ストレスに曝されたとしても、実現された配向制御能を長期間安定に保持することができる。液晶性を発現し得る感光性の側鎖型高分子膜の構造は、そうした特性を満足するものであれば特に限定されないが、側鎖構造に剛直なメソゲン成分を有することが好ましい。この場合、該側鎖型高分子を液晶配向膜とした際に、安定な液晶配向を得ることができる。
(A)側鎖型高分子は、上記式(0)で表される基を有していることにより、電圧保持率(VHR)等の信頼性の高い液晶配向膜を与える。これは、液晶配向膜としたときに、上記式(0)で表される基が架橋剤のように作用することにより、膜密度が向上し、液晶へのイオン性不純物の溶出が低減されるためであると考えられる。
また、(A)側鎖型高分子は、窒素含有芳香族複素環基、アミド基及びウレタン基から選ばれる基を有する側鎖(a)を有していることにより、電圧保持率(VHR)等の信頼性をさらに高めることができる。これは、これらの基がイオン性不純物をトラップするためであると考えられる。
該高分子の構造は、例えば、主鎖とそれに結合する側鎖を有し、その側鎖が、ビフェニル基、ターフェニル基、フェニルシクロヘキシル基、フェニルベンゾエート基、アゾベンゼン基などのメソゲン成分と、先端部に結合された、光に感応して架橋反応や異性化反応をする感光性基とを有する構造や、主鎖とそれに結合する側鎖を有し、その側鎖がメソゲン成分ともなり、かつ光フリース転位反応をするフェニルベンゾエート基を有する構造とすることができる。
液晶性を発現し得る感光性の側鎖型高分子膜の構造のより具体的な例としては、炭化水素、(メタ)アクリレート、イタコネート、フマレート、マレエート、α−メチレン−γ−ブチロラクトン、スチレン、ビニル、マレイミド、ノルボルネン等のラジカル重合性基およびシロキサンからなる群から選択される少なくとも1種から構成された主鎖と、上記式(0)で表される基と、下記式(1)から(6)の少なくとも1種からなる側鎖を有する構造であることが好ましい。
Figure 0006646263
式中、A、B、Dはそれぞれ独立に、単結合、−O−、−CH−、−COO−、−OCO−、−CONH−、−NH−CO−、−CH=CH−CO−O−、又は−O−CO−CH=CH−を表す;
Sは、炭素数1〜12のアルキレン基であり、それらに結合する水素原子はハロゲン基に置き換えられていてもよい;
Tは、単結合または炭素数1〜12のアルキレン基であり、それらに結合する水素原子はハロゲン基に置き換えられていてもよい;
は、1価のベンゼン環、ナフタレン環、ビフェニル環、フラン環、ピロール環および炭素数5〜8の脂環式炭化水素から選ばれる環を表すか、それらの置換基から選ばれる同一又は相異なった2〜6の環が結合基Bを介して結合してなる基であり、それらに結合する水素原子はそれぞれ独立に−COOR(式中、Rは水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基を表す)、−NO、−CN、−CH=C(CN)、−CH=CH−CN、ハロゲン基、炭素数1〜5のアルキル基、又は炭素数1〜5のアルキルオキシ基で置換されても良い;
は、2価のベンゼン環、ナフタレン環、ビフェニル環、フラン環、ピロール環、炭素数5〜8の脂環式炭化水素、および、それらの組み合わせからなる群から選ばれる基であり、それらに結合する水素原子はそれぞれ独立に−NO、−CN、−CH=C(CN)、−CH=CH−CN、ハロゲン基、炭素数1〜5のアルキル基、又は炭素数1〜5のアルキルオキシ基で置換されても良い;
Rは、ヒドロキシ基、炭素数1〜6のアルコキシ基を表すか、又はYと同じ定義を表す;
Xは、単結合、−COO−、−OCO−、−N=N−、−CH=CH−、−C≡C−、−CH=CH−CO−O−、又は−O−CO−CH=CH−を表し、Xの数が2となるときは、X同士は同一でも異なっていてもよい;
Couは、クマリン−6−イル基またはクマリン−7−イル基を表し、それらに結合する水素原子はそれぞれ独立に−NO、−CN、−CH=C(CN)、−CH=CH−CN、ハロゲン基、炭素数1〜5のアルキル基、又は炭素数1〜5のアルキルオキシ基で置換されても良い;
q1とq2は、一方が1で他方が0である;
q3は0または1である;
P及びQは、各々独立に、2価のベンゼン環、ナフタレン環、ビフェニル環、フラン環、ピロール環、炭素数5〜8の脂環式炭化水素、および、それらの組み合わせからなる群から選ばれる基である;ただし、Xが−CH=CH−CO−O−、−O−CO−CH=CH−である場合、−CH=CH−が結合する側のP又はQは芳香環である;
l1は0または1である;
l2は0〜2の整数である;
l1とl2がともに0であるときは、Tが単結合であるときはAも単結合を表す;
l1が1であるときは、Tが単結合であるときはBも単結合を表す;
H及びIは、各々独立に、2価のベンゼン環、ナフタレン環、ビフェニル環、フラン環、ピロール環、およびそれらの組み合わせから選ばれる基である。
側鎖は、下記式(7)〜(10)からなる群から選ばれるいずれか1種の感光性側鎖であるのがよい。
式中、A、B、D、Y、X、Y、及びRは、上記と同じ定義を有する;
lは1〜12の整数を表す;
mは、0〜2の整数を表し、m1、m2は1〜3の整数を表す;
nは0〜12の整数(ただしn=0のときBは単結合である)を表す。
Figure 0006646263
側鎖は、下記式(11)〜(13)からなる群から選ばれるいずれか1種の感光性側鎖であるのがよい。
式中、A、X、l、m及びRは、上記と同じ定義を有する。
Figure 0006646263
側鎖は、下記式(14)又は(15)で表される感光性側鎖であるのがよい。
式中、A、Y、X、l、m1及びm2は上記と同じ定義を有する。
Figure 0006646263
側鎖は、下記式(16)又は(17)で表される感光性側鎖であるのがよい。
式中、A、X、l及びmは、上記と同じ定義を有する。
Figure 0006646263
また、側鎖は、下記式(18)又は(19)で表される感光性側鎖であるのがよい。
式中、A、B、Y、q1、q2、m1、及びm2は、上記と同じ定義を有する。
は、水素原子、−NO、−CN、−CH=C(CN)、−CH=CH−CN、ハロゲン基、炭素数1〜5のアルキル基、又は炭素数1〜5のアルキルオキシ基を表す。
Figure 0006646263
側鎖は、下記式(20)で表される感光性側鎖であるのがよい。
式中、A、Y、X、l及びmは上記と同じ定義を有する。
Figure 0006646263
また、(A)側鎖型高分子は、下記式(21)〜(31)からなる群から選ばれるいずれか1種の液晶性側鎖を有するのがよい。
式中、A、B、q1及びq2は上記と同じ定義を有する;
は、1価のベンゼン環、ナフタレン環、ビフェニル環、フラン環、窒素含有複素環、及び炭素数5〜8の脂環式炭化水素、および、それらの組み合わせからなる群から選ばれる基であり、それらに結合する水素原子はそれぞれ独立に−NO、−CN、ハロゲン基、炭素数1〜5のアルキル基、又は炭素数1〜5のアルキルオキシ基で置換されても良い;
は、水素原子、−NO、−CN、−CH=C(CN)、−CH=CH−CN、ハロゲン基、1価のベンゼン環、ナフタレン環、ビフェニル環、フラン環、窒素含有複素環、炭素数5〜8の脂環式炭化水素、炭素数1〜12のアルキル基、又は炭素数1〜12のアルコキシ基を表す;
lは1〜12の整数を表し、mは0から2の整数を表し、但し、式(25)〜(26)において、全てのmの合計は2以上であり、式(27)〜(28)において、全てのmの合計は1以上であり、m1、m2およびm3は、それぞれ独立に1〜3の整数を表す;
は、水素原子、−NO、−CN、ハロゲン基、1価のベンゼン環、ナフタレン環、ビフェニル環、フラン環、窒素含有複素環、及び炭素数5〜8の脂環式炭化水素、および、アルキル基、又はアルキルオキシ基を表す;
、Zは単結合、−CO−、−CHO−、−CH=N−、−CF−を表す。
Figure 0006646263
<<感光性の側鎖型高分子の製法>>
上記の液晶性を発現し得る感光性の側鎖型高分子は、上記の感光性側鎖を有する光反応性側鎖モノマーおよび液晶性側鎖モノマーを重合することによって得ることができる。
[式(0)で表される側鎖を有するモノマー]
前記式(0)で表される側鎖を有するモノマーのより具体的な例としては、炭化水素、(メタ)アクリレート、イタコネート、フマレート、マレエート、α−メチレン−γ−ブチロラクトン、スチレン、ビニル、マレイミド、ノルボルネン等のラジカル重合性基およびシロキサンからなる群から選択される少なくとも1種から構成された重合性基と、上記式(0)で表される側鎖を有する構造であることが好ましい。
そのようなモノマーのうち、エポキシ基を有するモノマーとして、具体的には、例えば、グリシジル(メタ)アクリレート、(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチル(メタ)アクリレート、アリルグリシジルエーテルなどの化合物を挙げることができ、中でも、グリシジル(メタ)アクリレート、(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチル(メタ)アクリレート、3−エテニル−7−オキサビシクロ[4.1.0]ヘプタン、1,2−エポキシ−5−ヘキセン、1,7−オクタジエンモノエポキサイド、等が挙げられる。
チイランを有するモノマーとしては、具体的には、例えば、上記エポキシ基を有するモノマーの エポキシ構造がチイランに置き換わったもの等が挙げられる。
アジリジンを有するモノマーとしては、具体的には、例えば、上記エポキシ基を有するモノマーの エポキシ構造がアジリジンまたは1−メチルアジリジンに置き換わったもの等が挙げられる。
オキセタン基を有するモノマーとしては、例えば、オキセタン基を有する(メタ)アクリル酸エステルなどを挙げることができる。このようなモノマーの中では、3−(メタクリロイルオキシメチル)オキセタン、3−(アクリロイルオキシメチル)オキセタン、3−(メタクリロイルオキシメチル)−3−エチル−オキセタン、3−(アクリロイルオキシメチル)−3−エチル−オキセタン、3−(メタクリロイルオキシメチル)−2−トリフロロメチルオキセタン、3−(アクリロイルオキシメチル)−2−トリフロロメチルオキセタン、3−(メタクリロイルオキシメチル)−2−フェニル−オキセタン、3−(アクリロイルオキシメチル)−2−フェニル−オキセタン、2−(メタクリロイルオキシメチル)オキセタン、2−(アクリロイルオキシメチル)オキセタン、2−(メタクリロイルオキシメチル)−4−トリフロロメチルオキセタン、2−(アクリロイルオキシメチル)−4−トリフロロメチルオキセタンが好ましく、3−(メタクリロイルオキシメチル)−3−エチル−オキセタン、3−(アクリロイルオキシメチル)−3−エチル−オキセタン等が挙げられる。
チエタン基を有するモノマーとしては、例えば、オキセタン基を有するモノマーのオキセタン基がチエタン基に置き換わったモノマーが好ましい。
アゼタン基を有するモノマーとしては、例えば、オキセタン基を有するモノマーのオキセタン基がアゼタン基に置き換わったモノマーが好ましい。
上記の中でも、入手性等の点からエポキシ基を有するモノマーとオキセタン基を有するモノマーが好ましく、エポキシ基を有するモノマーがより好ましい。中でも、入手性の点から、グリシジル(メタ)アクリレートが好ましい。
[側鎖(a)を有するモノマー]
本願の(A)成分である重合体は、窒素含有芳香族複素環基、アミド基及びウレタン基から選ばれる基を有する側鎖(a)をさらに有する。かかる側鎖(a)を含有することにより、液晶配向膜としたときに、イオン性不純物の溶出を低減するとともに、前記の式(0)で表される基の架橋反応を促進するためか、より耐久性の高い液晶配向膜を得ることができる。側鎖(a)を有する重合体を製造するには、側鎖(a)を有するモノマーを共重合させればよい。
かかる側鎖(a)を有するモノマーとしては、炭化水素、(メタ)アクリレート、イタコネート、フマレート、マレエート、α−メチレン−γ−ブチロラクトン、スチレン、ビニル、マレイミド、ノルボルネン等のラジカル重合性基およびシロキサンからなる群から選択される少なくとも1種から構成された重合性基と、窒素含有芳香族複素環基、アミド基及びウレタン基を有する側鎖を有する構造であることが好ましい。アミド基及びウレタン基のNHは置換されていてもいなくても良い。置換されていても良い場合の置換基としては、アルキル基、アミノ基の保護基、ベンジル基等が挙げられる。
窒素含有芳香族複素環は、下記の式[20a]、式[20b]及び式[20c](式中、Zは炭素数1〜5の直鎖または分岐アルキル基である)からなる群から選ばれる構造を少なくとも1個、好ましくは1個〜4個含有する芳香族環式炭化水素であるのがよい。
Figure 0006646263
具体的には、ピロール環、イミダゾール環、オキサゾール環、チアゾール環、ピラゾール環、ピリジン環、ピリミジン環、キノリン環、ピラゾリン環、イソキノリン環、カルバゾール環、プリン環、チアジアゾール環、ピリダジン環、ピラゾリン環、トリアジン環、ピラゾリジン環、トリアゾール環、ピラジン環、ベンズイミダゾール環、ベンゾイミダゾール環、チノリン環、フェナントロリン環、インドール環、キノキサリン環、ベンゾチアゾール環、フェノチアジン環、オキサジアゾール環、アクリジン環などを挙げることができる。さらに、これら窒素含有芳香族複素環の炭素原子には、ヘテロ原子を含む置換基を有していてもよい。
これらのうち、例えば、ピリジン環が好ましい。
そのようなモノマーのうち、窒素含有芳香族複素環基を有するモノマーとして、具体的には、例えば、2−(2−ピリジルカルボニルオキシ)エチル(メタ)アクリレート、2−(3−ピリジルカルボニルオキシ)エチル(メタ)アクリレート、2−(4−ピリジルカルボニルオキシ)エチル(メタ)アクリレート、等が挙げられる。
アミド基またはウレタン基を有するモノマーとしては、具体的には、例えば、2−(4−メチルピペリジン−1−イルカルボニルアミノ)エチル(メタ)アクリレート、4−(6−メタクリロイルオキシヘキシルオキシ)安息香酸 N−(ターシャリーブチルオキシカルボニル)ピペリジン−4−イルエステル、4−(6−メタクリロイルオキシヘキシルオキシ)安息香酸 2−(ターシャリーブチルオキシカルボニルアミノ)エチルエステル等が挙げられる。
[光反応性側鎖モノマー]
光反応性側鎖モノマーとは、高分子を形成した場合に、高分子の側鎖部位に感光性側鎖を有する高分子を形成することができるモノマーのことである。
側鎖の有する光反応性基としては下記の構造およびその誘導体が好ましい。
Figure 0006646263
光反応性側鎖モノマーのより具体的な例としては、炭化水素、(メタ)アクリレート、イタコネート、フマレート、マレエート、α−メチレン−γ−ブチロラクトン、スチレン、ビニル、マレイミド、ノルボルネン等のラジカル重合性基およびシロキサンからなる群から選択される少なくとも1種から構成された重合性基と、上記式(1)〜(6)の少なくとも1種からなる感光性側鎖、好ましくは、例えば、上記式(7)〜(10)の少なくとも1種からなる感光性側鎖、上記式(11)〜(13)の少なくとも1種からなる感光性側鎖、上記式(14)又は(15)で表される感光性側鎖、上記式(16)又は(17)で表される感光性側鎖、上記式(18)又は(19)で表される感光性側鎖、上記式(20)で表される感光性側鎖を有する構造であることが好ましい。
本願は、光反応性側鎖モノマーとして、以下の式(1)〜(11)で表される新規化合物(1)〜(11)を提供する。
式中、Rは水素原子またはメチル基を示す;Sは炭素数2〜10のアルキレン基を表す;R10はBrまたはCNを示す;Sは炭素数2〜10のアルキレン基を表す;uは0または1を表す;及びPyは2−ピリジル基、3−ピリジル基または4−ピリジル基を表す。
Figure 0006646263
Figure 0006646263
[液晶性側鎖モノマー]
液晶性側鎖モノマーとは、該モノマー由来の高分子が液晶性を発現し、該高分子が側鎖部位にメソゲン基を形成することができるモノマーのことである。
側鎖の有するメソゲン基として、ビフェニルやフェニルベンゾエートなどの単独でメソゲン構造となる基であっても、安息香酸などのように側鎖同士が水素結合することでメソゲン構造となる基であってもよい。側鎖の有するメソゲン基としては下記の構造が好ましい。
Figure 0006646263
液晶性側鎖モノマーのより具体的な例としては、炭化水素、(メタ)アクリレート、イタコネート、フマレート、マレエート、α−メチレン−γ−ブチロラクトン、スチレン、ビニル、マレイミド、ノルボルネン等のラジカル重合性基およびシロキサンからなる群から選択される少なくとも1種から構成された重合性基と、上記式(21)〜(31)の少なくとも1種からなる側鎖を有する構造であることが好ましい。
(A)側鎖型高分子は、上述した液晶性を発現する光反応性側鎖モノマー、前記式(0)で表される側鎖を有するモノマー、側鎖(a)を有するモノマーの共重合反応により得ることができる。また、液晶性を発現しない光反応性側鎖モノマーと液晶性側鎖モノマーと、前記式(0)で表される側鎖を有するモノマーと側鎖(a)を有するモノマーとの共重合や、液晶性を発現する光反応性側鎖モノマーと液晶性側鎖モノマーと、前記式(0)で表される側鎖を有するモノマーと側鎖(a)を有するモノマーとの共重合によって得ることができる。さらに、液晶性の発現能を損なわない範囲でその他のモノマーと共重合することができる。
その他のモノマーとしては、例えば工業的に入手できるラジカル重合反応可能なモノマーが挙げられる。
その他のモノマーの具体例としては、不飽和カルボン酸、アクリル酸エステル化合物、メタクリル酸エステル化合物、マレイミド化合物、アクリロニトリル、マレイン酸無水物、スチレン化合物及びビニル化合物等が挙げられる。
不飽和カルボン酸の具体例としてはアクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸などが挙げられる。
アクリル酸エステル化合物としては、例えば、メチルアクリレート、エチルアクリレート、イソプロピルアクリレート、ベンジルアクリレート、ナフチルアクリレート、アントリルアクリレート、アントリルメチルアクリレート、フェニルアクリレート、2,2,2−トリフルオロエチルアクリレート、tert−ブチルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、イソボルニルアクリレート、2−メトキシエチルアクリレート、メトキシトリエチレングリコールアクリレート、2−エトキシエチルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、3−メトキシブチルアクリレート、2−メチル−2−アダマンチルアクリレート、2−プロピル−2−アダマンチルアクリレート、8−メチル−8−トリシクロデシルアクリレート、及び、8−エチル−8−トリシクロデシルアクリレート等が挙げられる。
メタクリル酸エステル化合物としては、例えば、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、ナフチルメタクリレート、アントリルメタクリレート、アントリルメチルメタクリレート、フェニルメタクリレート、2,2,2−トリフルオロエチルメタクリレート、tert−ブチルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、イソボルニルメタクリレート、2−メトキシエチルメタクリレート、メトキシトリエチレングリコールメタクリレート、2−エトキシエチルメタクリレート、テトラヒドロフルフリルメタクリレート、3−メトキシブチルメタクリレート、2−メチル−2−アダマンチルメタクリレート、2−プロピル−2−アダマンチルメタクリレート、8−メチル−8−トリシクロデシルメタクリレート、及び、8−エチル−8−トリシクロデシルメタクリレート等が挙げられる。
ビニル化合物としては、例えば、ビニルエーテル、メチルビニルエーテル、ベンジルビニルエーテル、2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、フェニルビニルエーテル、及び、プロピルビニルエーテル等が挙げられる。
スチレン化合物としては、例えば、スチレン、メチルスチレン、クロロスチレン、ブロモスチレン等が挙げられる。
マレイミド化合物としては、例えば、マレイミド、N−メチルマレイミド、N−フェニルマレイミド、及びN−シクロヘキシルマレイミド等が挙げられる。
本発明の側鎖型高分子における式(0)で表される側鎖の含有量は、信頼性の向上、液晶配向性への影響といった点から、0.1モル%〜20モル%が好ましく、0.5モル%〜10モル%がより好ましく、1モル%〜5モル%が更に好ましい。
本発明の側鎖型高分子における光反応性側鎖の含有量は、液晶配向性といった点から、20モル%〜99.9モル%が好ましく、30モル%〜95モル%がより好ましく、40モル%〜90モル%が更に好ましい。
本発明の側鎖型高分子における液晶性側鎖の含有量は、液晶配向性といった点から、80モル%以下が好ましく、10モル%〜70モル%がより好ましく、20モル%〜60モル%が更に好ましい。
本発明の側鎖型高分子における側鎖(a)の含有量は、信頼性の向上、液晶配向性への影響といった点から、20モル%以下が好ましく、10モル%以下がより好ましく、5モル%以下が更に好ましい。
本発明の側鎖型高分子は、上記式(0)で表される側鎖、光反応性側鎖、液晶性側鎖及び側鎖(a)以外のその他側鎖を含有していてもよい。その含有量は、上記式(0)で表される側鎖、光反応性側鎖、液晶性側鎖及び側鎖(a)の含有量の合計が100%に満たない場合に、その残りの部分である。
本実施の形態の側鎖型高分子の製造方法については、特に限定されるものではなく、工業的に扱われている汎用な方法が利用できる。具体的には、液晶性側鎖モノマーや光反応性側鎖モノマーのビニル基を利用したカチオン重合やラジカル重合、アニオン重合により製造することができる。これらの中では反応制御のしやすさなどの観点からラジカル重合が特に好ましい。
ラジカル重合の重合開始剤としては、ラジカル重合開始剤や、可逆的付加−開裂型連鎖移動(RAFT)重合試薬等の公知の化合物を使用することができる。
ラジカル熱重合開始剤は、分解温度以上に加熱することにより、ラジカルを発生させる化合物である。このようなラジカル熱重合開始剤としては、例えば、ケトンパーオキサイド類(メチルエチルケトンパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイド等)、ジアシルパーオキサイド類(アセチルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド等)、ハイドロパーオキサイド類(過酸化水素、tert−ブチルハイドパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド等)、ジアルキルパーオキサイド類(ジ−tert−ブチルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ジラウロイルパーオキサイド等)、パーオキシケタール類(ジブチルパーオキシ シクロヘキサン等)、アルキルパーエステル類(パーオキシネオデカン酸−tert−ブチルエステル、パーオキシピバリン酸−tert−ブチルエステル、パーオキシ2−エチルシクロヘキサン酸−tert−アミルエステル等)、過硫酸塩類(過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム等)、アゾ系化合物(アゾビスイソブチロニトリル、および2,2′−ジ(2−ヒドロキシエチル)アゾビスイソブチロニトリル等)が挙げられる。このようなラジカル熱重合開始剤は、1種を単独で使用することもできるし、あるいは2種以上を組み合わせて使用することもできる。
ラジカル光重合開始剤は、ラジカル重合を光照射によって開始する化合物であれば特に限定されない。このようなラジカル光重合開始剤としては、ベンゾフェノン、ミヒラーズケトン、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、キサントン、チオキサントン、イソプロピルキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2−エチルアントラキノン、アセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−4’−イソプロピルプロピオフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、イソプロピルベンゾインエーテル、イソブチルベンゾインエーテル、2,2−ジエトキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、カンファーキノン、ベンズアントロン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン−1、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、4,4’−ジ(t−ブチルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,4,4’−トリ(t−ブチルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、2−(4’−メトキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(3’,4’−ジメトキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(2’,4’−ジメトキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(2’−メトキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4’−ペンチルオキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−[p−N,N−ジ(エトキシカルボニルメチル)]−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、1,3−ビス(トリクロロメチル)−5−(2’−クロロフェニル)−s−トリアジン、1,3−ビス(トリクロロメチル)−5−(4’−メトキシフェニル)−s−トリアジン、2−(p−ジメチルアミノスチリル)ベンズオキサゾール、2−(p−ジメチルアミノスチリル)ベンズチアゾール、2−メルカプトベンゾチアゾール、3,3’−カルボニルビス(7−ジエチルアミノクマリン)、2−(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール、2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス(4−エトキシカルボニルフェニル)−1,2’−ビイミダゾール、2,2’−ビス(2,4−ジクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール、2,2’ビス(2,4−ジブロモフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール、2,2’−ビス(2,4,6−トリクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール、3−(2−メチル−2−ジメチルアミノプロピオニル)カルバゾール、3,6−ビス(2−メチル−2−モルホリノプロピオニル)−9−n−ドデシルカルバゾール、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、ビス(5−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−(1H−ピロール−1−イル)−フェニル)チタニウム、3,3’,4,4’−テトラ(t−ブチルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3’,4,4’−テトラ(t−ヘキシルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3’−ジ(メトキシカルボニル)−4,4’−ジ(t−ブチルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,4’−ジ(メトキシカルボニル)−4,3’−ジ(t−ブチルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン、4,4’−ジ(メトキシカルボニル)−3,3’−ジ(t−ブチルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン、2−(3−メチル−3H−ベンゾチアゾール−2−イリデン)−1−ナフタレン−2−イル−エタノン、又は2−(3−メチル−1,3−ベンゾチアゾール−2(3H)−イリデン)−1−(2−ベンゾイル)エタノン等を挙げることができる。これらの化合物は単独で使用してもよく、2つ以上を混合して使用することもできる。
ラジカル重合法は、特に制限されるものでなく、乳化重合法、懸濁重合法、分散重合法、沈殿重合法、塊状重合法、溶液重合法等を用いることができる。
液晶性を発現し得る感光性の側鎖型高分子の重合反応に用いる有機溶媒としては、生成した高分子が溶解するものであれば特に限定されない。その具体例を以下に挙げる。
N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、N−エチル−2−ピロリドン、N−メチルカプロラクタム、ジメチルスルホキシド、テトラメチル尿素、ピリジン、ジメチルスルホン、ヘキサメチルスルホキシド、γ−ブチロラクトン、イソプロピルアルコール、メトキシメチルペンタノール、ジペンテン、エチルアミルケトン、メチルノニルケトン、メチルエチルケトン、メチルイソアミルケトン、メチルイソプロピルケトン、メチルセルソルブ、エチルセルソルブ、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、ブチルカルビトール、エチルカルビトール、エチレングリコール、エチレングリコールモノアセテート、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコール−tert−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノアセテートモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノアセテートモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノアセテートモノプロピルエーテル、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、トリプロピレングリコールメチルエーテル、3−メチル−3−メトキシブタノール、ジイソプロピルエーテル、エチルイソブチルエーテル、ジイソブチレン、アミルアセテート、ブチルブチレート、ブチルエーテル、ジイソブチルケトン、メチルシクロへキセン、プロピルエーテル、ジヘキシルエーテル、ジオキサン、n−へキサン、n−ペンタン、n−オクタン、ジエチルエーテル、シクロヘキサノン、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、乳酸メチル、乳酸エチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸プロピレングリコールモノエチルエーテル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸メチルエチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸、3−メトキシプロピオン酸、3−メトキシプロピオン酸プロピル、3−メトキシプロピオン酸ブチル、ジグライム、4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン、3−メトキシ−N,N−ジメチルプロパンアミド、3−エトキシ−N,N−ジメチルプロパンアミド、3−ブトキシ−N,N−ジメチルプロパンアミド等が挙げられる。
これら有機溶媒は単独で使用しても、混合して使用してもよい。さらに、生成する高分子を溶解させない溶媒であっても、生成した高分子が析出しない範囲で、上述の有機溶媒に混合して使用してもよい。
また、ラジカル重合において有機溶媒中の酸素は重合反応を阻害する原因となるので、有機溶媒は可能な程度に脱気されたものを用いることが好ましい。
ラジカル重合の際の重合温度は30℃〜150℃の任意の温度を選択することができるが、好ましくは50℃〜100℃の範囲である。また、反応は任意の濃度で行うことができるが、濃度が低すぎると高分子量の重合体を得ることが難しくなり、濃度が高すぎると反応液の粘性が高くなり過ぎて均一な攪拌が困難となるので、モノマー濃度が、好ましくは1質量%〜50質量%、より好ましくは5質量%〜30質量%である。反応初期は高濃度で行い、その後、有機溶媒を追加することができる。
上述のラジカル重合反応においては、ラジカル重合開始剤の比率がモノマーに対して多いと得られる高分子の分子量が小さくなり、少ないと得られる高分子の分子量が大きくなるので、ラジカル開始剤の比率は重合させるモノマーに対して0.1モル%〜10モル%であることが好ましい。また重合時には各種モノマー成分や溶媒、開始剤などを追加することもできる。
[重合体の回収]
上述の反応により得られた、液晶性を発現し得る感光性の側鎖型高分子の反応溶液から、生成した高分子を回収する場合には、反応溶液を貧溶媒に投入して、それら重合体を沈殿させれば良い。沈殿に用いる貧溶媒としては、メタノール、アセトン、ヘキサン、ヘプタン、ブチルセルソルブ、ヘプタン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、エタノール、トルエン、ベンゼン、ジエチルエーテル、メチルエチルエーテル、水等を挙げることができる。貧溶媒に投入して沈殿させた重合体は、濾過して回収した後、常圧あるいは減圧下で、常温あるいは加熱して乾燥することができる。また、沈殿回収した重合体を、有機溶媒に再溶解させ、再沈殿回収する操作を2回〜10回繰り返すと、重合体中の不純物を少なくすることができる。この際の貧溶媒として、例えば、アルコール類、ケトン類、炭化水素等が挙げられ、これらの中から選ばれる3種類以上の貧溶媒を用いると、より一層精製の効率が上がるので好ましい。
本発明の(A)側鎖型高分子の分子量は、得られる塗膜の強度、塗膜形成時の作業性、および塗膜の均一性を考慮した場合、GPC(Gel Permeation Chromatography)法で測定した重量平均分子量が、2000〜1000000が好ましく、より好ましくは、5000〜100000である。
[重合体組成物の調製]
本発明に用いられる重合体組成物は、液晶配向膜の形成に好適となるように塗布液として調製されることが好ましい。すなわち、本発明に用いられる重合体組成物は、樹脂被膜を形成するための樹脂成分が有機溶媒に溶解した溶液として調製されることが好ましい。ここで、その樹脂成分とは、既に説明した液晶性を発現し得る感光性の側鎖型高分子を含む樹脂成分である。その際、樹脂成分の含有量は、1質量%〜20質量%が好ましく、より好ましくは3質量%〜15質量%、特に好ましくは3質量%〜10質量%である。
本実施形態の重合体組成物において、前述の樹脂成分は、全てが上述した液晶性を発現し得る感光性の側鎖型高分子であってもよいが、液晶発現能および感光性能を損なわない範囲でそれら以外の他の重合体が混合されていてもよい。その際、樹脂成分中における他の重合体の含有量は、0.5質量%〜80質量%、好ましくは1質量%〜50質量%である。
そのような他の重合体は、例えば、ポリ(メタ)アクリレートやポリアミック酸やポリイミド等からなり、液晶性を発現し得る感光性の側鎖型高分子ではない重合体等が挙げられる。
<(C)アミン化合物>
本発明に用いられる重合体組成物は、(C)成分として特定のアミン化合物、具体的には分子内に1級アミノ基を1個と窒素含有芳香族複素環とを有し、かつ前記1級アミノ基が脂肪族炭化水素基又は非芳香族環式炭化水素基に結合しているアミン化合物を有することができる。そのような化合物は、WO2008/013285号公報に(B)成分として記載されているものである。かかるアミン化合物を含有することにより、液晶配向膜としたときに、イオン性不純物の溶出を低減するとともに、前記の式(0)で表される基の架橋反応を促進するためか、より耐久性の高い液晶配向膜を得ることができる。
特定のアミン化合物は、本発明に用いられる重合体組成物が液晶配向膜を形成した際、次の効果i)及び/又はii)を奏するものであれば、特に限定されない。i)液晶配向膜界面において液晶中のイオン性不純物を吸着するか、及び/又はii)向上した電圧保持率を奏する。
特定のアミン化合物の量は、上記効果を奏するのであれば、特に限定されないが、本発明に用いられる重合体組成物100質量部中、0.01〜10質量部、好ましくは0.1〜5質量部であるのがよい。
<(D)成分>
本発明の液晶配向剤に含有される(D)成分は、アルコキシシリル基と、1位及び3位がともに置換されたウレア構造とを有する化合物(以下、化合物Dとも言う)である。
前記化合物は、その化合物中に1つ以上のアルコキシシリル基と1つ以上の1位及び3位がともに置換されたウレア構造とを有していれば、その他の構造は特に限定されないが、入手性等の観点から、下記式(d)で表される化合物が好ましい例の一つである。
Figure 0006646263
式中、X102は炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基、または芳香族炭化水素基を含むn価の有機基であり、nは1〜6の整数であり、R102は水素原子、またはアルキル基を表し、nが2以上である場合は、R102は他のR102とともにアルキレンとなるか、nが1乃至6の場合にX102にも結合することにより、X102とともに環構造を形成していてもよく、Lは炭素数2乃至20のアルキレンを表し、R103およびR104は、それぞれ独立に炭素数1〜4のアルキル基、炭素数2〜4のアルケニル基、又は炭素数2〜4のアルキニル基であり、qは1乃至3の自然数を表す。
式(d)におけるR103およびR104はとしては、それぞれ独立にメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチルが挙げられるが、原料の入手性や、反応性の点からメチルまたはエチルが好ましい。
式(d)におけるLとしては、炭素数2乃至20のアルキレンが挙げられるが、原料の入手製の点から、トリメチレンが好ましい。
式(d)におけるqとしては、2または3が好ましく、3が特に好ましい。
式(d)におけるnとしては、1、2または3が好ましく、1または2が特に好ましい。
(D)成分の化合物の一つの態様は、X102が2価の有機基であり、R102が水素原子であり、Lがトリメチレンである化合物(2−1)である。
Figure 0006646263
このような式(2−1)で表される化合物は、ジアミンに、2.05等量のトリアルコキシシリルプロピルイソシアネートを反応させることで得られる。
Figure 0006646263
式(2−1)で表される化合物におけるXとしては、好ましくは下記構造式から選ばれる構造である。
Figure 0006646263
(D)成分の化合物の一つの態様は、X102が2価の有機基であり、R102同士が一緒になってアルキレンを形成しており、Lがトリメチレンである化合物(2−2)である。
Figure 0006646263
このような式(2−2)で表される化合物は、2個のNHを含む環状化合物に、2.05等量のトリアルコキシシリルプロピルイソシアネートを反応させることで得られる。
Figure 0006646263
式(2−2)で表される化合物におけるXとしては、好ましくは下記の構造式から選ばれる構造である。なお、便宜的に、環内の窒素原子を含んで記載する。
Figure 0006646263
(D)成分の化合物の一つの態様は、X102が2価の有機基であり、R102の一方が水素原子であり、もう一方がX102にも結合して環を形成しており、Lがトリメチレンである化合物(2−3)である。
Figure 0006646263
このような式(2−3)で表される化合物は、ジアミンに、2.05等量のトリアルコキシシリルプロピルイソシアネートを反応させることで得られる。
式(2−3)で表される化合物におけるXとしては、好ましくは下記の構造式から選ばれる構造である。なお、便宜的に、環内の窒素原子を含んで記載する。
Figure 0006646263
(D)成分の化合物の一つの態様は、X102が3価の有機基であり、R102が水素原子であり、Lがトリメチレンである化合物(2−4)である。
Figure 0006646263
このような式(2−4)で表される化合物は、トリアミン化合物に、3.05等量のトリアルコキシシリルプロピルイソシアネートを反応させることで得られる。
Figure 0006646263
式(2−4)で表される化合物におけるXとしては、好ましくは下記の構造式から選ばれる構造である。
Figure 0006646263
(D)成分の化合物の一つの態様は、X102が1価の有機基であり、R102が水素原子であり、Lがトリメチレンである化合物(2−5)である。
Figure 0006646263
このような式(2−5)で表される化合物は、モノアミン化合物に、1.05等量のトリアルコキシシリルプロピルイソシアネートを反応させることで得られる。
Figure 0006646263
式(2−5)で表される化合物におけるXとしては、好ましくは下記の構造式から選ばれる構造である。
Figure 0006646263
(D)成分の化合物の一つの態様は、X102が1価の有機基であり、R102がX102に結合して環を形成しており、Lがトリメチレンである化合物(2−6)である。
Figure 0006646263
このような式(2−6)で表される化合物は、1個のNHを含む環状化合物に、1.05等量のトリアルコキシシリルプロピルイソシアネートを反応させることで得られる。
Figure 0006646263
式(2−6)で表される化合物におけるXとしては、好ましくは下記の構造式から選ばれる構造である。なお、便宜的に、環内の窒素原子を含んで記載する。
Figure 0006646263
なお、上記アミンとイソシアネートとの反応において、イソシアネート化合物の使用量は、NHまたはNH基1基に対し、0.98当量倍〜1.2当量倍を反応させればよい。より好ましくは、1.0当量倍〜1.05当量倍である。
反応溶媒としては、反応に不活性なものであれば特に限定はないが、例えば、ヘキサン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン等の炭化水素類;四塩化炭素、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン系炭化水素類;ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類;アセトニトリル、プロピオニトリル等のニトリル類;酢酸エチル、プロピオン酸エチル等のカルボン酸エステル類;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等の含窒素非プロトン性極性溶媒;ジメチルスルホキシド、スルホラン等の含硫黄非プロトン性極性溶媒;ピリジン、ピコリン等のピリジン類等が挙げられる。これらの溶媒は単独で用いても、これらのうちの2種類以上を混合して用いてもよい。好ましくはトルエン、アセトニトリル、酢酸エチル、テトラヒドロフランであり、さらに好ましくはアセトニトリル、テトラヒドロフランである。
溶媒の使用量(反応濃度)は特に限定されないが、溶媒を用いずに反応を実施してもよく、また溶媒を使用する場合にはイソシアネート化合物に対し、0.1〜100質量倍の溶媒を用いてもよい。好ましくは0.5〜30質量倍であり、さらに好ましくは1〜10質量倍である。
反応温度は特に限定されないが、例えば−90〜150℃、好ましくは−30〜100℃で、さらに好ましくは0℃から80℃である。
反応時間は、通常、0.05ないし200時間、好ましくは0.5ないし100時間である。
反応時間を短縮させるために触媒を添加してもよく、その例としては、ジブチルスズジラウレート、ジオクチルスズビス(イソオクチルチオグリコール酸エステル)、ジブチルスズビス(イソオクチルチオグリコール酸エステル)、ジブチルスズジアセテート等の有機スズ化合物;トリエチルアミン、トリメチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、N,N−ジメチルシクロヘキシルアミン、ピリジン、テトラメチルブタンジアミン、N−メチルモルホリン、1,4−ジアザビシクロ−2.2.2−オクタン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]−5−ノネン等のアミン類;p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、フルオロ硫酸等の有機スルホン酸;硫酸、リン酸、過塩素酸等の無機酸;テトラブチルチタネート、テトラエチルチタネート、テトライソプロピルチタネート等のチタン化合物;ビスマストリス(2−エチルヘキサノエート)等のビスマス系化合物;四級アンモニウム塩等が挙げられる。これら触媒は、1種単独で用いてもよく、2種以上組み合わせて用いてもよい。また、これら触媒は液体であるか、又は、反応溶媒に溶解するものが好ましい。
触媒を添加する場合、イソシアネート基を有する化合物の総使用量(質量)に対し、0.005wt%〜100wt%の量で触媒を使用してもよく、好ましくは0.05wt%〜10wt%、さらに好ましくは0.1wt%〜5wt%である。触媒として有機スズ化合物、チタン化合物、ビスマス系化合物を使用するのであれば、好ましくは同0.005wt%〜0.1wt%である。
本反応は、常圧又は加圧下で行うことができ、また回分式でも連続式でもよい。
好ましい(D)成分の具体的な例としては、S1乃至S4のいずれかで表される化合物が挙げられる。
Figure 0006646263
(D)成分の化合物は、多すぎると液晶配向性やプレチルト角に影響を与え、少なすぎると本発明の効果が得られない。そのため、(D)成分の化合物の添加量は、(A)成分の重合体に対して、0.1〜20質量%が好ましく、1〜10質量%がより好ましい。
<有機溶媒>
本発明に用いられる重合体組成物に用いる有機溶媒は、樹脂成分を溶解させる有機溶媒であれば特に限定されない。その具体例を以下に挙げる。
N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、N−メチルカプロラクタム、2−ピロリドン、N−エチルピロリドン、N−ビニルピロリドン、ジメチルスルホキシド、テトラメチル尿素、ピリジン、ジメチルスルホン、ヘキサメチルスルホキシド、γ−ブチロラクトン、3−メトキシ−N,N−ジメチルプロパンアミド、3−エトキシ−N,N−ジメチルプロパンアミド、3−ブトキシ−N,N−ジメチルプロパンアミド、1,3−ジメチル−イミダゾリジノン、エチルアミルケトン、メチルノニルケトン、メチルエチルケトン、メチルイソアミルケトン、メチルイソプロピルケトン、シクロヘキサノン、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ジグライム、4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン、プロピレングリコールモノアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコール−tert−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノアセテートモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノアセテートモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノアセテートモノプロピルエーテル、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、トリプロピレングリコールメチルエーテル等が挙げられる。これらは単独で使用しても、混合して使用してもよい。
本発明に用いられる重合体組成物は、上記(A)、(B)及び(C)成分以外の成分を含有してもよい。その例としては、重合体組成物を塗布した際の、膜厚均一性や表面平滑性を向上させる溶媒や化合物、液晶配向膜と基板との密着性を向上させる化合物等を挙げることができるが、これに限定されない。
膜厚の均一性や表面平滑性を向上させる溶媒(貧溶媒)の具体例としては、次のものが挙げられる。
例えば、イソプロピルアルコール、メトキシメチルペンタノール、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、ブチルカルビトール、エチルカルビトール、エチルカルビトールアセテート、エチレングリコール、エチレングリコールモノアセテート、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコール−tert−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノアセテートモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノアセテートモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノアセテートモノプロピルエーテル、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、トリプロピレングリコールメチルエーテル、3−メチル−3−メトキシブタノール、ジイソプロピルエーテル、エチルイソブチルエーテル、ジイソブチレン、アミルアセテート、ブチルブチレート、ブチルエーテル、ジイソブチルケトン、メチルシクロへキセン、プロピルエーテル、ジヘキシルエーテル、1−ヘキサノール、n−へキサン、n−ペンタン、n−オクタン、ジエチルエーテル、乳酸メチル、乳酸エチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸プロピレングリコールモノエチルエーテル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸メチルエチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸、3−メトキシプロピオン酸、3−メトキシプロピオン酸プロピル、3−メトキシプロピオン酸ブチル、1−メトキシ−2−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール、1−ブトキシ−2−プロパノール、1−フェノキシ−2−プロパノール、プロピレングリコールモノアセテート、プロピレングリコールジアセテート、プロピレングリコール−1−モノメチルエーテル−2−アセテート、プロピレングリコール−1−モノエチルエーテル−2−アセテート、ジプロピレングリコール、2−(2−エトキシプロポキシ)プロパノール、乳酸メチルエステル、乳酸エチルエステル、乳酸n−プロピルエステル、乳酸n−ブチルエステル、乳酸イソアミルエステル等の低表面張力を有する溶媒等が挙げられる。
これらの貧溶媒は、1種類でも複数種類を混合して用いてもよい。上述のような溶媒を用いる場合は、重合体組成物に含まれる溶媒全体の溶解性を著しく低下させることが無いように、溶媒全体の5質量%〜80質量%であることが好ましく、より好ましくは20質量%〜60質量%である。
膜厚の均一性や表面平滑性を向上させる化合物としては、フッ素系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤およびノ二オン系界面活性剤等が挙げられる。
より具体的には、例えば、エフトップ(登録商標)301、EF303、EF352(トーケムプロダクツ社製)、メガファック(登録商標)F171、F173、R−30(DIC社製)、フロラードFC430、FC431(住友スリーエム社製)、アサヒガード(登録商標)AG710(旭硝子社製)、サーフロン(登録商標)S−382、SC101、SC102、SC103、SC104、SC105、SC106(AGCセイミケミカル社製)等が挙げられる。これらの界面活性剤の使用割合は、重合体組成物に含有される樹脂成分の100質量部に対して、好ましくは0.01質量部〜2質量部、より好ましくは0.01質量部〜1質量部である。
液晶配向膜と基板との密着性を向上させる化合物の具体例としては、次に示す官能性シラン含有化合物などが挙げられる。
例えば、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、2−アミノプロピルトリメトキシシラン、2−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリメトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、N−エトキシカルボニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−エトキシカルボニル−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−トリエトキシシリルプロピルトリエチレントリアミン、N−トリメトキシシリルプロピルトリエチレントリアミン、10−トリメトキシシリル−1,4,7−トリアザデカン、10−トリエトキシシリル−1,4,7−トリアザデカン、9−トリメトキシシリル−3,6−ジアザノニルアセテート、9−トリエトキシシリル−3,6−ジアザノニルアセテート、N−ベンジル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−ベンジル−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−ビス(オキシエチレン)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−ビス(オキシエチレン)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン等が挙げられる。
さらに、基板と液晶配向膜の密着性の向上に加え、液晶表示素子を構成した時のバックライトによる電気特性の低下等を防ぐ目的で、以下のようなフェノプラスト系やエポキシ基含有化合物の添加剤を、重合体組成物中に含有させても良い。具体的なフェノプラスト系添加剤を以下に示すが、この構造に限定されない。
Figure 0006646263
具体的なエポキシ基含有化合物としては、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、トリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、グリセリンジグリシジルエーテル、2,2−ジブロモネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,3,5,6−テトラグリシジル−2,4−ヘキサンジオール、N,N,N’,N’,−テトラグリシジル−m−キシレンジアミン、1,3−ビス(N,N−ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサン、N,N,N’,N’,−テトラグリシジル−4、4’−ジアミノジフェニルメタンなどが例示される。
基板との密着性を向上させる化合物を使用する場合、その使用量は、重合体組成物に含有される樹脂成分の100質量部に対して0.1質量部〜30質量部であることが好ましく、より好ましくは1質量部〜20質量部である。使用量が0.1質量部未満であると密着性向上の効果は期待できず、30質量部よりも多くなると液晶の配向性が悪くなる場合がある。
添加剤として、光増感剤を用いることもできる。無色増感剤および三重項増感剤が好ましい。
光増感剤としては、芳香族ニトロ化合物、クマリン(7−ジエチルアミノ−4−メチルクマリン、7−ヒドロキシ4−メチルクマリン)、ケトクマリン、カルボニルビスクマリン、芳香族2−ヒドロキシケトン、およびアミノ置換された、芳香族2−ヒドロキシケトン(2−ヒドロキシベンゾフェノン、モノ−もしくはジ−p−(ジメチルアミノ)−2−ヒドロキシベンゾフェノン)、アセトフェノン、アントラキノン、キサントン、チオキサントン、ベンズアントロン、チアゾリン(2−ベンゾイルメチレン−3−メチル−β−ナフトチアゾリン、2−(β−ナフトイルメチレン)−3−メチルベンゾチアゾリン、2−(α−ナフトイルメチレン)−3−メチルベンゾチアゾリン、2−(4−ビフェノイルメチレン)−3−メチルベンゾチアゾリン、2−(β−ナフトイルメチレン)−3−メチル−β−ナフトチアゾリン、2−(4−ビフェノイルメチレン)−3−メチル−β−ナフトチアゾリン、2−(p−フルオロベンゾイルメチレン)−3−メチル−β−ナフトチアゾリン)、オキサゾリン(2−ベンゾイルメチレン−3−メチル−β−ナフトオキサゾリン、2−(β−ナフトイルメチレン)−3−メチルベンゾオキサゾリン、2−(α−ナフトイルメチレン)−3−メチルベンゾオキサゾリン、2−(4−ビフェノイルメチレン)−3−メチルベンゾオキサゾリン、2−(β−ナフトイルメチレン)−3−メチル−β−ナフトオキサゾリン、2−(4−ビフェノイルメチレン)−3−メチル−β−ナフトオキサゾリン、2−(p−フルオロベンゾイルメチレン)−3−メチル−β−ナフトオキサゾリン)、ベンゾチアゾール、ニトロアニリン(m−もしくはp−ニトロアニリン、2,4,6−トリニトロアニリン)またはニトロアセナフテン(5−ニトロアセナフテン)、(2−[(m−ヒドロキシ−p−メトキシ)スチリル]ベンゾチアゾール、ベンゾインアルキルエーテル、N−アルキル化フタロン、アセトフェノンケタール(2,2−ジメトキシフェニルエタノン)、ナフタレン、アントラセン(2−ナフタレンメタノール、2−ナフタレンカルボン酸、9−アントラセンメタノール、および9−アントラセンカルボン酸)、ベンゾピラン、アゾインドリジン、メロクマリン等がある。
好ましくは、芳香族2−ヒドロキシケトン(ベンゾフェノン)、クマリン、ケトクマリン、カルボニルビスクマリン、アセトフェノン、アントラキノン、キサントン、チオキサントン、およびアセトフェノンケタールである。
重合体組成物には、上述したものの他、本発明の効果が損なわれない範囲であれば、液晶配向膜の誘電率や導電性などの電気特性を変化させる目的で、誘電体や導電物質、さらには、液晶配向膜にした際の膜の硬度や緻密度を高める目的で、架橋性化合物を添加してもよい。
上述した重合体組成物を横電界駆動用の導電膜を有する基板上に塗布する方法は特に限定されない。
塗布方法は、工業的には、スクリーン印刷、オフセット印刷、フレキソ印刷またはインクジェット法などで行う方法が一般的である。その他の塗布方法としては、ディップ法、ロールコータ法、スリットコータ法、スピンナ法(回転塗布法)またはスプレー法などがあり、目的に応じてこれらを用いてもよい。
横電界駆動用の導電膜を有する基板上に重合体組成物を塗布した後は、ホットプレート、熱循環型オーブンまたはIR(赤外線)型オーブンなどの加熱手段により50〜200℃、好ましくは50〜150℃で溶媒を蒸発させて塗膜を得ることができる。このときの乾燥温度は、側鎖型高分子の液晶相発現温度よりも低いことが好ましい。
塗膜の厚みは、厚すぎると液晶表示素子の消費電力の面で不利となり、薄すぎると液晶表示素子の信頼性が低下する場合があるので、好ましくは5nm〜300nm、より好ましくは10nm〜150nmである。
尚、[I]工程の後、続く[II]工程の前に塗膜の形成された基板を室温にまで冷却する工程を設けることも可能である。
<工程[II]>
工程[II]では、工程[I]で得られた塗膜に偏光した紫外線を照射する。塗膜の膜面に偏光した紫外線を照射する場合、基板に対して一定の方向から偏光板を介して偏光された紫外線を照射する。使用する紫外線としては、波長100nm〜400nmの範囲の紫外線を使用することができる。好ましくは、使用する塗膜の種類によりフィルター等を介して最適な波長を選択する。そして、例えば、選択的に光架橋反応を誘起できるように、波長290nm〜400nmの範囲の紫外線を選択して使用することができる。紫外線としては、例えば、高圧水銀灯から放射される光を用いることができる。
偏光した紫外線の照射量は、使用する塗膜に依存する。照射量は、該塗膜における、偏光した紫外線の偏光方向と平行な方向の紫外線吸光度と垂直な方向の紫外線吸光度との差であるΔAの最大値(以下、ΔAmaxとも称する)を実現する偏光紫外線の量の1%〜70%の範囲内とすることが好ましく、1%〜50%の範囲内とすることがより好ましい。
<工程[III]>
工程[III]では、工程[II]で偏光した紫外線の照射された塗膜を加熱する。加熱により、塗膜に配向制御能を付与することができる。
加熱は、ホットプレート、熱循環型オーブンまたはIR(赤外線)型オーブンなどの加熱手段を用いることができる。加熱温度は、使用する塗膜の液晶性を発現させる温度を考慮して決めることができる。
加熱温度は、側鎖型高分子が液晶性を発現する温度(以下、液晶発現温度という)の温度範囲内であることが好ましい。塗膜のような薄膜表面の場合、塗膜表面の液晶発現温度は、液晶性を発現し得る感光性の側鎖型高分子をバルクで観察した場合の液晶発現温度よりも低いことが予想される。このため、加熱温度は、塗膜表面の液晶発現温度の温度範囲内であることがより好ましい。すなわち、偏光紫外線照射後の加熱温度の温度範囲は、使用する側鎖型高分子の液晶発現温度の温度範囲の下限より10℃低い温度を下限とし、その液晶温度範囲の上限より10℃低い温度を上限とする範囲の温度であることが好ましい。加熱温度が、上記温度範囲よりも低いと、塗膜における熱による異方性の増幅効果が不十分となる傾向があり、また加熱温度が、上記温度範囲よりも高すぎると、塗膜の状態が等方性の液体状態(等方相)に近くなる傾向があり、この場合、自己組織化によって一方向に再配向することが困難になることがある。
なお、液晶発現温度は、側鎖型高分子または塗膜表面が固体相から液晶相に相転移がおきるガラス転移温度(Tg)以上であって、液晶相からアイソトロピック相(等方相)に相転移を起こすアイソトロピック相転移温度(Tiso)以下の温度をいう。
加熱後に形成される塗膜の厚みは、工程[I]で記した同じ理由から、好ましくは5nm〜300nm、より好ましくは50nm〜150nmであるのがよい。
以上の工程を有することにより、本発明の製造方法では、高効率な、塗膜への異方性の導入を実現することができる。そして、高効率に液晶配向膜付基板を製造することができる。
<工程[IV]>
[IV]工程は、[III]で得られた、横電界駆動用の導電膜上に液晶配向膜を有する基板(第1の基板)と、同様に上記[I’]〜[III’]で得られた、導電膜を有しない液晶配向膜付基板(第2の基板)とを、液晶を介して、双方の液晶配向膜が相対するように対向配置して、公知の方法で液晶セルを作製し、横電界駆動型液晶表示素子を作製する工程である。なお、工程[I’]〜[III’]は、工程[I]において、横電界駆動用の導電膜を有する基板の代わりに、該横電界駆動用導電膜を有しない基板を用いた以外、工程[I]〜[III]と同様に行うことができる。工程[I]〜[III]と工程[I’]〜[III’]との相違点は、上述した導電膜の有無だけであるため、工程[I’]〜[III’]の説明を省略する。
液晶セル又は液晶表示素子の作製の一例を挙げるならば、上述の第1及び第2の基板を用意し、片方の基板の液晶配向膜上にスペーサを散布し、液晶配向膜面が内側になるようにして、もう片方の基板を貼り合わせ、液晶を減圧注入して封止する方法、または、スペーサを散布した液晶配向膜面に液晶を滴下した後に、基板を貼り合わせて封止を行う方法、等を例示することができる。このとき、片側の基板には横電界駆動用の櫛歯のような構造の電極を有する基板を用いることが好ましい。このときのスペーサの径は、好ましくは1μm〜30μm、より好ましくは2μm〜10μmである。このスペーサ径が、液晶層を挟持する一対の基板間距離、すなわち、液晶層の厚みを決めることになる。
本発明の塗膜付基板の製造方法は、重合体組成物を基板上に塗布し塗膜を形成した後、偏光した紫外線を照射する。次いで、加熱を行うことにより側鎖型高分子膜への高効率な異方性の導入を実現し、液晶の配向制御能を備えた液晶配向膜付基板を製造する。
本発明に用いる塗膜では、側鎖の光反応と液晶性に基づく自己組織化によって誘起される分子再配向の原理を利用して、塗膜への高効率な異方性の導入を実現する。本発明の製造方法では、側鎖型高分子に光反応性基として光架橋性基を有する構造の場合、側鎖型高分子を用いて基板上に塗膜を形成した後、偏光した紫外線を照射し、次いで、加熱を行った後、液晶表示素子を作成する。
したがって、本発明の方法に用いる塗膜は、塗膜への偏光した紫外線の照射と加熱処理を順次行うことにより、高効率に異方性が導入され、配向制御能に優れた液晶配向膜とすることができる。
そして、本発明の方法に用いる塗膜では、塗膜への偏光した紫外線の照射量と、加熱処理における加熱温度を最適化する。それにより高効率な、塗膜への異方性の導入を実現することができる。
本発明に用いられる塗膜への高効率な異方性の導入に最適な偏光紫外線の照射量は、その塗膜において感光性基が光架橋反応や光異性化反応、若しくは光フリース転位反応する量を最適にする偏光紫外線の照射量に対応する。本発明に用いられる塗膜に対して偏光した紫外線を照射した結果、光架橋反応や光異性化反応、若しくは光フリース転位反応する側鎖の感光性基が少ないと、十分な光反応量とならない。その場合、その後に加熱しても十分な自己組織化は進行しない。一方、本発明に用いられる塗膜で、光架橋性基を有する構造に対して偏光した紫外線を照射した結果、架橋反応する側鎖の感光性基が過剰となると側鎖間での架橋反応が進行しすぎることになる。その場合、得られる膜は剛直になって、その後の加熱による自己組織化の進行の妨げとなることがある。また、本発明に用いられる塗膜で、光フリース転位基を有する構造に対して偏光した紫外線を照射した結果、光フリース転位反応する側鎖の感光性基が過剰となると、塗膜の液晶性が低下しすぎることになる。その場合、得られる膜の液晶性も低下し、その後の加熱による自己組織化の進行の妨げとなることがある。さらに、光フリース転位基を有する構造に対して偏光した紫外線を照射する場合、紫外線の照射量が多すぎると、側鎖型高分子が光分解し、その後の加熱による自己組織化の進行の妨げとなることがある。
したがって、本発明に用いられる塗膜において、偏光紫外線の照射によって側鎖の感光性基が光架橋反応や光異性化反応、若しくは光フリース転位反応する最適な量は、その側鎖型高分子膜の有する感光性基の0.1モル%〜40モル%にすることが好ましく、0.1モル%〜20モル%にすることがより好ましい。光反応する側鎖の感光性基の量をこのような範囲にすることにより、その後の加熱処理での自己組織化が効率良く進み、膜中での高効率な異方性の形成が可能となる。
本発明の方法に用いる塗膜では、偏光した紫外線の照射量の最適化により、側鎖型高分子膜の側鎖における、感光性基の光架橋反応や光異性化反応、または光フリース転位反応の量を最適化する。そして、その後の加熱処理と併せて、高効率な、本発明に用いられる塗膜への異方性の導入を実現する。その場合、好適な偏光紫外線の量については、本発明に用いられる塗膜の紫外吸収の評価に基づいて行うことが可能である。
すなわち、本発明に用いられる塗膜について、偏光紫外線照射後の、偏光した紫外線の偏光方向と平行な方向の紫外線吸収と、垂直な方向の紫外線吸収とをそれぞれ測定する。紫外吸収の測定結果から、その塗膜における、偏光した紫外線の偏光方向と平行な方向の紫外線吸光度と垂直な方向の紫外線吸光度との差であるΔAを評価する。そして、本発明に用いられる塗膜において実現されるΔAの最大値(ΔAmax)とそれを実現する偏光紫外線の照射量を求める。本発明の製造方法では、このΔAmaxを実現する偏光紫外線照射量を基準として、液晶配向膜の製造において照射する、好ましい量の偏光した紫外線量を決めることができる。
本発明の製造方法では、本発明に用いられる塗膜への偏光した紫外線の照射量を、ΔAmaxを実現する偏光紫外線の量の1%〜70%の範囲内とすることが好ましく、1%〜50%の範囲内とすることがより好ましい。本発明に用いられる塗膜において、ΔAmaxを実現する偏光紫外線の量の1%〜50%の範囲内の偏光紫外線の照射量は、その側鎖型高分子膜の有する感光性基全体の0.1モル%〜20モル%を光架橋反応させる偏光紫外線の量に相当する。
以上より、本発明の製造方法では、塗膜への高効率な異方性の導入を実現するため、その側鎖型高分子の液晶温度範囲を基準として、上述したような好適な加熱温度を定めるのがよい。したがって、例えば、本発明に用いられる側鎖型高分子の液晶温度範囲が100℃〜200℃である場合、偏光紫外線照射後の加熱の温度を90℃〜190℃とすることが望ましい。こうすることにより、本発明に用いられる塗膜において、より大きな異方性が付与されることになる。
こうすることにより、本発明によって提供される液晶表示素子は光や熱などの外部ストレスに対して高い信頼性を示すことになる。
以上のようにして、本発明の方法によって製造された横電界駆動型液晶表示素子用基板又は該基板を有する横電界駆動型液晶表示素子は、信頼性に優れたものとなり、大画面で高精細の液晶テレビなどに好適に利用できる。
以下、実施例を用いて本発明を説明するが、本発明は、該実施例に限定されるものではない。
実施例で使用するメタクリルモノマーMA1、MA2、エポキシ側鎖を有するモノマーとしてGMA、HBAGE,G1並びに添加剤T1を以下に示す。
なお、MA1及びMA2は、それぞれ、次のようにして合成した。即ち、MA1は特許文献(WO2011−084546)に記載の合成法にて合成した。MA2は特許文献(特開平9−118717)に記載の合成法にて合成した。
G1は下記合成例1に記載の合成法にて合成した。
GMA(メタクリル酸グリシジル)、HBAGE(ヒドロキシブチルアクリレートグリシジルエーテル)、添加剤T1(3−アミノメチルピリジン)は、市販購入可能であるものを用いた。
Figure 0006646263
<合成例1>
特定グリシジル化合物(C1)の合成
Figure 0006646263
カルボン酸誘導体(MA2)(18.4g,60mmol)のTHF(テトラヒドロフラン)溶液(184g)に、(COCl)(オギザリルクロリド)(11.4g,90mmol)とDMF(ジメチルホルムアミド)を2滴加え、室温で2時間反応させた。この溶液を濃縮し得られた個体を、THF(350g)で溶解させた。この溶液を、グリシドール(8.89g,120mmol)とトリエチルアミン(13.4g,132mmol)のTHF溶液(88g)に、1時間かけて滴下し、18時間反応させた。その後、酢酸エチル(500g)を加え水(300g)で3回有機相を洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させた。ろ過により硫酸マグネシウムを除去した後、濃縮することで粗物を得た。得られた粗物を酢酸エチルとヘキサンを用いてシリカゲルクロマトグラフィーを行い、白色固体としてC1を得た。(収量:14.9g,69%)。
グリシジル誘導体(C1):
H−NMR(CDCl,δppm):8.01(d,2H),7.01(d,2H),6.01(s,1H),5.56(s,1H),4.65−4.61(m,1H),4.18−4.12(m,3H),4.02(t,2H),3.36−3.32(m,1H),2.91−2.89(m,1H),2.74−2.72(m,1H),1.95−1.94(m,3H),1.86−1.79(m,2H),1.76−1.69(m,2H),1.57−1.44(m,4H).
<合成例2>
化合物A1の合成
Figure 0006646263
1L四つ口フラスコに、化合物[A] (63.42g、287mmol)、化合物[B](50.00g、406mmol)、EDC(N−エチル−N’−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩)(93.43g、487mmol)、DMAP(4−ジメチルアミノピリジン)(4.96g、40.6mmol)、THF(500g)を加え23℃で反応を行った。HPLCにて反応追跡を行い、反応終了を確認後、反応溶液を蒸留水(3L)に注ぎ、酢酸エチル(1L)を加え、分液操作にて水層を除去した。その後、有機層を蒸留水(1L)で2回洗浄した後、有機層を硫酸マグネシウムで乾燥した。その後、ろ過、エバポレーターにて溶媒留去することで、オイル状化合物として、化合物[A1]を86.3g得た(収率92%)。
1H-NMR(400MHz, CDCl3, δppm):8.81-8.79(2H, dd), 7.86-7.85(2H, dd), 6.16-6.14(1H, m), 5.62-5.60(1H, m), 4.63-4.61(2H, m), 5.62-5.60(2H, m), 4.63-4.61(2H, m), 4.52-4.60(2H, m), 1.97-1.95(3H, m).
<合成例3>
化合物A2の合成
Figure 0006646263
500ml四つ口フラスコに1−メチルピペラジン15.00g、トルエン120gを仕込み、5℃にて攪拌下、2−イソシアナトエチルメタクレート24.40gをトルエン30gで希釈した溶液を50分間掛けて滴下した後、室温にて3時間攪拌した。次に、反応液をエバポレータで減圧濃縮することにより約半分の重量に調整した後、ヘプタン75gを加えた。続いて、5℃にて暫く攪拌することにより析出した結晶を減圧吸引ろ過した後、減圧乾燥し、化合物[A2]を33.26g得た(収率:87%、性状:白色結晶)。
1H-NMR(400MHz) in d6-DMSO: 6.65ppm (m, 1H), 6.06ppm(s, 1H), 5.67ppm(s, 1H), 4.08ppm (t, J = 6.0 Hz, 2H), 3.38-3.15ppm (m, 6H), 2.22ppm (t, J = 4.8 Hz, 4H), 2.15ppm (s, 3H), 1.88ppm (s, 3H)
<合成例4>
化合物A3の合成
Figure 0006646263
カルボン酸誘導体[MA2](86.39g、282mmol)、化合物[C](50.00g、310mmol)、EDC(64.87g、338mmol)、DMAP(3・45g、28.2mmol)、THF(900g)を加え23℃で反応を行った。HPLCにて反応追跡を行い、反応終了を確認後、反応溶液を蒸留水(4L)に注ぎ、酢酸エチル(1L)を加え、分液操作にて水層を除去した。その後、有機層を蒸留水(1L)で2回洗浄した後、有機層を硫酸マグネシウムで乾燥した。その後、ろ過、エバポレーターにて溶媒留去することで、オイル状化合物として、化合物[A3]を121.7g得た(収率96%)。
1H-NMR(400MHz, DMSO-d6, δppm):7.92(2H, d), 7.01(2H, d), 7.06(1H, t), 6.01(1H, m), 5.65(1H, m), 4.17(2H, t), 4.08(2H, t), 4.05-4.02(2H, m), 3.29-3.26(2H, m), 1.86(3H, s), 1.75-1.72(2H, m), 1.65-1.62(2H, m), 1.50-1.36(17H, m).
<合成例5>
化合物A4の合成
Figure 0006646263
カルボン酸誘導体[MA2] (69.17g、286mmol)、化合物[D] (50.00g、248mmol)、EDC(51.95g、271mmol)、DMAP(2.76g、22.58mmol)、THF(700g)を加え23℃で反応を行った。HPLCにて反応追跡を行い、反応終了を確認後、反応溶液を蒸留水(4L)に注ぎ、酢酸エチル(1L)を加え、分液操作にて水層を除去した。その後、有機層を蒸留水(1L)で2回洗浄した後、有機層を硫酸マグネシウムで乾燥した。その後、ろ過、エバポレーターにて溶媒留去することで、オイル状化合物として、化合物[A4]を100.9g得た(収率91%)。
1H-NMR(400MHz, DMSO-d6, δppm):7.91(2H, d), 6.92(2H, d), 6.01(1H, s), 5.65(1H, s), 4.14-4.06(2H, m), 3.67-3.60(2H, m), 3.34-3.27(1H, m), 2.98-2.93(1H, m), 1.87(3H, s), 1.79-1.38(24H, m).
その他、本実施例で用いる試薬の略号を以下に示す。
(有機溶媒)
THF:テトラヒドロフラン。
NMP:N−メチル−2−ピロリドン。
BC:ブチルセロソルブ。
PB:プロピレングリコールモノブチルエーテル
(重合開始剤)
AIBN:2,2’−アゾビスイソブチロニトリル。
<化合物S1の合成>
Figure 0006646263
2L四口フラスコに、4,4’−ジアミノジフェニルアミン20.00g、THF300gを仕込み、氷冷攪拌下、トリエトキシシリルプロピルイソシアネート50.90gをTHF100gで希釈した溶液を、30分間掛けて滴下した後、室温にて18時間攪拌した。その後、反応液を減圧濃縮しTHFを半量程度留去した。次に、室温にてアセトニトリル720gを添加し、30分間攪拌した後、5℃にて暫く攪拌した。これにより析出した結晶を減圧ろ過、減圧乾燥し、化合物S1 60.70gを得た(収率:87%、性状:白色固体)。
1H-NMR(400MHz) in d6-DMSO: 8.10ppm(s, 2H), 7.61ppm(s, 1H), 7.20ppm(d, J = 7.6Hz, 4H), 6.87ppm(d, J = 7.6Hz, 4H), 6.04-6.00ppm(m, 2H), 3.75ppm(q, J = 6.8Hz, 12H), 3.34ppm(s, 2H), 3.06-3.00ppm(m, 4H), 1.50-1.42ppm(m, 4H), 1.14ppm(t, J = 6.8Hz, 18H), 0.58-0.52ppm(m, 4H).
<化合物S2の合成>
Figure 0006646263
300mL四口フラスコに、1,4−ジアミノベンゼン4.00g、THF60gを仕込み、氷冷攪拌下、トリエトキシシリルプロピルイソシアネート18.76gをTHF20gで希釈した溶液を、1.5時間掛けて滴下した後、室温にて18時間攪拌した。その後、反応液中に析出した結晶を減圧ろ過し、これを別の300mL四口フラスコに移した。次に、これにアセトニトリル100gを添加した後、室温にて暫く攪拌した。これにより得られた結晶スラリーを減圧ろ過、減圧乾燥し、化合物S2 18.98gを得た(収率:85%、性状:白色固体)。
1H-NMR(400MHz) in CDCl3: 7.60-7.47ppm(br, 2H), 6.51ppm(s, 4H), 6.46-6.30ppm(br, 2H), 3.81ppm(q, J = 6.8Hz, 12H), 3.24-3.10ppm(m, 4H), 1.70-1.57ppm(m, 4H), 1.22ppm(t, J = 6.8Hz, 18H), 0.67-0.62ppm(m, 4H).
<ポリマー合成例11>
MA1(3.98g)、MA2(5.51g)、GMA(0.04g)、A1(0.07g)をTHF(40.0g)中に溶解し、ダイアフラムポンプで脱気を行った後、AIBN(0.24g)を加え再び脱気を行った。この後、60℃で6時間反応させメタクリレートのポリマー溶液を得た。このポリマー溶液をメタノール(300ml)に滴下し、得られた沈殿物をろ過した。この沈澱物をメタノールで洗浄し、減圧乾燥しメタクリレートポリマー粉末P11を得た。
<ポリマー合成例12〜21>
表1に示す組成をポリマー合成例11と同様の方法を用いて合成した。
Figure 0006646263
<実施例11>
ポリマー合成11にて得られたメタクリレートポリマー粉末P11(0.4g)にN−エチル−2−ピロリドン(NEP)(5.1g)を加え、室温で1時間攪拌して溶解させた。この溶液に、PB(4.5g)を加え攪拌することにより、ポリマー溶液T11を得た。このポリマー溶液は、そのまま液晶配向膜を形成するための液晶配向剤とした。
<実施例12〜25>
表2に示す組成を実施例11と同様の方法を用いて液晶配向剤を調整し実施例12〜25の液晶配向剤T12〜T25を得た。
Figure 0006646263
<コントロールポリマー合成例1>
M1(3.98g)、M2(5.51g)をTHF(40.0g)中に溶解し、ダイアフラムポンプで脱気を行った後、AIBN(0.24g)を加え再び脱気を行った。この後、60℃で6時間反応させメタクリレートのポリマー溶液を得た。このポリマー溶液をメタノール(300ml)に滴下し、得られた沈殿物をろ過した。この沈澱物をメタノールで洗浄し、減圧乾燥しメタクリレートポリマー粉末CP1を得た。
<コントロールポリマー合成例2〜4>
表3に示す組成をポリマーコントロールポリマー合成例1と同様の方法を用いて合成した。
Figure 0006646263
<コントロール11>
コントロールポリマー合成例1にて得られたメタクリレートポリマー粉末CP1(0.4g)にNEP(5.1g)を加え、室温で1時間攪拌して溶解させた。この溶液に、PB(4.5g)を加え攪拌することにより、ポリマー溶液CT11を得た。このポリマー溶液は、そのまま液晶配向膜を形成するための液晶配向剤とした。
<コントロール12〜16>
表4に示す組成をコントロール11と同様の方法を用いて液晶配向剤を調整しコントロール12〜16の液晶配向剤CT12〜CT16を得た。
Figure 0006646263
<液晶セルの作製>
実施例11で得られた液晶配向剤(T11)を0.45μmのフィルターで濾過した後、透明電極付きガラス基板上にスピンコートし、70℃のホットプレート上で90秒間乾燥後、膜厚100nmの液晶配向膜を形成した。次いで、塗膜面に偏光板を介して313nmの紫外線を15mJ/cm照射した後に140℃のホットプレートで10分間加熱し、液晶配向膜付き基板を得た。このような液晶配向膜付き基板を2枚用意し、一方の基板の液晶配向膜面に6μmのスペーサを設置した後、2枚の基板のラビング方向が平行になるようにして組み合わせ、液晶注入口を残して周囲をシールし、セルギャップが4μmの空セルを作製した。この空セルに減圧注入法によって、液晶MLC−3019(メルク株式会社製)を注入し、注入口を封止して、液晶が平行配向した液晶セルを得た。
実施例12〜25で得られた液晶配向剤T12〜T25、コントロール11〜16で得られた液晶配向剤CT11〜CT16を用いて、同様に液晶セルを作成した。
<残像評価>
上記で用意したIPSモード用液晶セルを、偏光軸が直交するように配置された2枚の偏光板の間に設置し、電圧無印加の状態でバックライトを点灯させておき、透過光の輝度が最も小さくなるように液晶セルの配置角度を調整した。そして、画素の第2領域が最も暗くなる角度から第1領域が最も暗くなる角度まで液晶セルを回転させたときの回転角度を初期配向方位角として算出した。次いで、60℃のオーブン中で、周波数30Hzで16VPPの交流電圧を168時間印加した。その後、液晶セルの画素電極と対向電極との間をショートさせた状態にし、そのまま室温に1時間放置した。放置の後、同様にして配向方位角を測定し、交流駆動前後の配向方位角の差を角度Δ(deg.)として算出した。その他の実施例でも同様に測定した。その結果、全ての実施例において、角度Δが0.1以下であった。液晶性を発現する側鎖型高分子膜に紫外線を照射後、液晶発現温度範囲で加熱することで、自己組織化によって高分子全体で高効率に液晶配向能が付与されているためか、長期のAC駆動後も配向方位のズレはほとんど観測されなかった。
<VHR評価>
VHRの評価は、得られた液晶セルに、70℃の温度下で1Vの電圧を60μs間印加し、16.67ms後の電圧を測定し、電圧がどのくらい保持できているかを電圧保持率として計算した。液晶セル作成直後に測定したVHRをVHR1、VHR1測定後、バックライト上で1週間エージングを行った後測定したVHRをVHR2とした。なお、電圧保持率の測定には、東陽テクニカ社製の電圧保持率測定装置VHR−1を使用した。
実施例11〜25およびコントロール11〜16の液晶配向剤のVHRの結果を表5に示す
Figure 0006646263
表5から、実施例11〜25において、エポキシ基を有するモノマーとアミド基を有するモノマーを両方共重合することにより、アミド基を有すモノマーを共重合しないコントロール11〜16と比較して、VHR1が向上することがわかる。またバックライトエージングによるVHR(VHR2)の低下も抑制されている。

Claims (10)

  1. A)所定の温度範囲で液晶性を発現し、主鎖が(メタ)アクリレート由来である感光性の側鎖を有する高分子であって、下記式(0)
    (式中、A、Bはそれぞれ独立に、単結合、−O−、−CH−、−COO−、−OCO−、−CONH−、−NH−CO−、−CH=CH−CO−O−、又は−O−CO−CH=CH−を表す;
    Sは、炭素数1〜12のアルキレン基であり、それらに結合する水素原子はハロゲン基に置き換えられていてもよい;
    Tは、単結合または炭素数1〜12のアルキレン基であり、それらに結合する水素原子はハロゲン基に置き換えられていてもよい;
    Xは、単結合、−COO−、−OCO−、−N=N−、−CH=CH−、−C≡C−、−CH=CH−CO−O−、又は−O−CO−CH=CH−を表し、Xの数が2となるときは、X同士は同一でも異なっていてもよい;
    P及びQは、各々独立に、2価のベンゼン環、ナフタレン環、ビフェニル環、フラン環、ピロール環、炭素数5〜8の脂環式炭化水素、および、それらの組み合わせからなる群から選ばれる基である;ただし、Xが−CH=CH−CO−O−、−O−CO−CH=CH−である場合、−CH=CH−が結合する側のP又はQは芳香環である;
    l1は0または1である;
    l2は0〜2の整数である;
    l1とl2がともに0であるときは、Tが単結合であるときはAも単結合を表す;
    l1が1であるときは、Tが単結合であるときはBも単結合を表す;
    Gは、下記式(G−1)、(G−2)、(G−3)及び(G−4)(式中、破線は結合手を表し、R50は水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜3のアルキル基、フェニル基から選ばれる基を表し、R50が複数ある場合は互いに同一でも異なっていてもよく、tは1〜7の整数であり、JはO、S、NHまたはNR51を表し、R51は炭素数1〜3のアルキル基およびフェニル基から選ばれる基を表す)から選ばれる基である)
    で表される側鎖、窒素含有芳香族複素環基、アミド基及びウレタン基から選ばれる基を有する側鎖(a)、及び下記式(9)(式中、A及びXは上記と同じ定義を有し、Rはヒドロキシ基を表し、lは1〜12の整数を表し、mは0〜2の整数を表す)で表される感光性側鎖を有する高分子、及び
    (B)有機溶媒
    を含有する重合体組成物。
    Figure 0006646263

    Figure 0006646263
  2. (A)成分が、光架橋、光異性化、または光フリース転移を起こす感光性側鎖を有する請求項1に記載の重合体組成物。
  3. (A)成分が、下記式(21)〜(31)(式中、A及びBは上記と同じ定義を有する;
    は、1価のベンゼン環、ナフタレン環、ビフェニル環、フラン環、窒素含有複素環、及び炭素数5〜8の脂環式炭化水素、および、それらの組み合わせからなる群から選ばれる基であり、それらに結合する水素原子はそれぞれ独立に−NO、−CN、ハロゲン基、炭素数1〜5のアルキル基、又は炭素数1〜5のアルキルオキシ基で置換されても良い;
    は、水素原子、−NO、−CN、−CH=C(CN)、−CH=CH−CN、ハロゲン基、1価のベンゼン環、ナフタレン環、ビフェニル環、フラン環、窒素含有複素環、炭素数5〜8の脂環式炭化水素、炭素数1〜12のアルキル基、又は炭素数1〜12のアルコキシ基を表す;
    q1とq2は、一方が1で他方が0である;
    lは1〜12の整数を表し、mは0から2の整数を表し、但し、式(23)〜(24)において、全てのmの合計は2以上であり、式(25)〜(26)において、全てのmの合計は1以上であり、m1、m2およびm3は、それぞれ独立に1〜3の整数を表す;
    は、水素原子、−NO、−CN、ハロゲン基、1価のベンゼン環、ナフタレン環、ビフェニル環、フラン環、窒素含有複素環、及び炭素数5〜8の脂環式炭化水素、および、アルキル基、又はアルキルオキシ基を表す;
    、Zは単結合、−CO−、−CHO−、−CH=N−、−CF−を表す)からなる群から選ばれるいずれか1種の液晶性側鎖をさらに有する請求項1又は2に記載の重合体組成物。
    Figure 0006646263
  4. さらに(D)成分としてアルコキシシリル基と、1位及び3位がともに置換されたウレア構造とを有する化合物をさらに含有する請求項1〜3のいずれか一項に記載の重合体組成物。
  5. [I] 請求項1〜4のいずれか1項に記載の重合体組成物を、横電界駆動用の導電膜を有する基板上に塗布して塗膜を形成する工程;
    [II] [I]で得られた塗膜に偏光した紫外線を照射する工程;及び
    [III] [II]で得られた塗膜を加熱する工程;
    を有することによって配向制御能が付与された横電界駆動型液晶表示素子用液晶配向膜を得る、前記液晶配向膜を有する基板の製造方法。
  6. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の重合体組成物から形成される横電界駆動型液晶表示素子用液晶配向
  7. 請求項6に記載の横電界駆動型液晶表示素子用液晶配向膜を有する基板
  8. 請求項記載の基板を有する横電界駆動型液晶表示素子。
  9. 請求項記載の基板(第1の基板)を準備する工程;
    [I’] 第2の基板上に請求項1〜4のいずれか1項に記載の重合体組成物を、塗布して塗膜を形成する工程;
    [II’] [I’]で得られた塗膜に偏光した紫外線を照射する工程;及び
    [III’] [II’]で得られた塗膜を加熱する工程;
    を有することによって配向制御能が付与された液晶配向膜を得る、前記液晶配向膜を有する第2の基板を得る工程;及び
    [IV] 液晶を介して前記第1及び第2の基板の液晶配向膜が相対するように、前記第1及び第2の基板を対向配置して液晶表示素子を得る工程;
    を有することにより、横電界駆動型液晶表示素子を得る、該液晶表示素子の製造方法。
  10. 所定の温度範囲で液晶性を発現し、主鎖が(メタ)アクリレート由来である感光性の側鎖を有する高分子であって、下記式(0)
    (式中、A、Bはそれぞれ独立に、単結合、−O−、−CH−、−COO−、−OCO−、−CONH−、−NH−CO−、−CH=CH−CO−O−、又は−O−CO−CH=CH−を表す;
    Sは、炭素数1〜12のアルキレン基であり、それらに結合する水素原子はハロゲン基に置き換えられていてもよい;
    Tは、単結合または炭素数1〜12のアルキレン基であり、それらに結合する水素原子はハロゲン基に置き換えられていてもよい;
    Xは、単結合、−COO−、−OCO−、−N=N−、−CH=CH−、−C≡C−、−CH=CH−CO−O−、又は−O−CO−CH=CH−を表し、Xの数が2となるときは、X同士は同一でも異なっていてもよい;
    P及びQは、各々独立に、2価のベンゼン環、ナフタレン環、ビフェニル環、フラン環、ピロール環、炭素数5〜8の脂環式炭化水素、および、それらの組み合わせからなる群から選ばれる基である;ただし、Xが−CH=CH−CO−O−、−O−CO−CH=CH−である場合、−CH=CH−が結合する側のP又はQは芳香環である;
    l1は0または1である;
    l2は0〜2の整数である;
    l1とl2がともに0であるときは、Tが単結合であるときはAも単結合を表す;
    l1が1であるときは、Tが単結合であるときはBも単結合を表す;
    Gは、下記式(G−1)、(G−2)、(G−3)及び(G−4)(式中、破線は結合手を表し、R50は水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜3のアルキル基、フェニル基から選ばれる基を表し、R50が複数ある場合は互いに同一でも異なっていてもよく、tは1〜7の整数であり、JはO、S、NHまたはNR51を表し、R51は炭素数1〜3のアルキル基およびフェニル基から選ばれる基を表す)から選ばれる基である)
    で表される側鎖、
    窒素含有芳香族複素環基、アミド基及びウレタン基から選ばれる基を有する側鎖(a)、及び
    下記式(9)(式中、A及びXは上記と同じ定義を有し、Rはヒドロキシ基を表し、lは1〜12の整数を表し、mは0〜2の整数を表す)で表される感光性側鎖を有する高分子。
    Figure 0006646263

    Figure 0006646263
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