JP6645589B2 - 車両用空調装置 - Google Patents

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Description

関連出願への相互参照
本出願は、2016年11月29日に出願された日本特許出願番号2016−231622号に基づくもので、ここにその記載内容が参照により組み入れられる。
本開示は、車両用空調装置に関するものである。
従来、車両に搭載され、車室内の空気調和を行う車両用空調装置が知られている。特許文献1に記載の車両用空調装置は、送風機から生じる空調音を電気信号に変換し、それを空調モ−ドに応じた複数の周波数帯域の電気信号に分離した後、それらの電気信号の位相を反転させた電気信号をスピーカに供給している。これにより、送風機から生じる空調音に対して逆位相の音がスピーカから放出されるので、送風機から生じる空調音の音圧を下げることが可能である。
特開平1−186419号公報
しかしながら、特許文献1に記載の車両用空調装置は、周波数が比較的低い空調音を低減することが可能であるが、周波数が比較的高い空調音を低減するためには、処理速度の速い信号処理回路が求められる。そのため、製造上のコストが高くなることが懸念される。また、仮に、この車両用空調装置により周波数が比較的低い空調音のみが低減され、周波数が比較的高い空調音が低減されない場合、その空調音は、乗員にとって聞き心地の悪い騒音となるおそれがある。
本開示は、空調音の煩わしさを低減することの可能な車両用空調装置を提供することを目的とする。
本開示の1つの観点によれば、車両に搭載される車両用空調装置であって、
空気を送風する送風機と、
送風機が送風する空気が流れる通風路、および、その通風路に連通する複数の吹出開口部を有する空調ケースと、
空調ケースが有する通風路に可聴音を発するように設けられたスピーカと、を備える。
これによれば、スピーカが発する可聴音(以下「スピーカ音」という)と空調音は、通風路から、同一の吹出開口部を経由して車室内に放出される。そのため、空調音にスピーカ音が付加された音を、乗員に対し同一方向から同時に届けることが可能である。ここで、空調音にスピーカ音が付加された音が乗員に届けられると、その乗員は、スピーカ音から得られるイメージと空調音とを重ね合わせることで、そのイメージの中に流れている音のように空調音を感じ取ることができる。したがって、この車両用空調装置は、乗員が空調音に対して感じる煩わしさを低減することができる。それに対して、従来の一般的な車両のように空調装置の外部にスピーカが設置されている場合、空調音とスピーカ音とがそれぞれ異なる場所から乗員に届けられる。その場合、乗員は、異なる方向からばらばらに聞こえてくる空調音とスピーカ音に対して一体感を得ることができず、スピーカ音から得られるイメージの中に流れている音のように空調音を感じ取ることが困難である。そこで、本開示の1つの観点による車両用空調装置では、スピーカ音と空調音を共通の吹出開口部から乗員に届けることが可能な構成としている。
また、空調音の発生領域である通風路内にスピーカを設置することで、その空調音とスピーカ音により、狙いの調和を有する合成音を形成することも可能である。そして、その合成音を形成する空調音とスピーカ音が共通の吹出開口部から放出されることで、吹出開口部から乗員までの間にスピーカ音と空調音との位相のズレが生じることが防がれる。したがって、この車両用空調装置は、スピーカ音と空調音との合成音の狙いの調和を維持したまま、乗員に届けることが可能である。
それに対して、従来の一般的な車両のようにスピーカを空調装置の外部に設置している場合、特に車室内に複数の乗員が乗っていると、その複数の乗員に対してスピーカ音の到達距離と空調音の到達距離とが座席ごとに異なるものとなる。そのため、スピーカ音と空調音との位相のズレが座席ごとに変化し、各座席に着座するそれぞれの乗員に対して得られる効果に差が出てしまう。そこで、本開示の1つの観点による車両用空調装置では、空調装置の通風路内にスピーカを設置している。これにより、この車両用空調装置は、車室内のいずれの座席においても、スピーカ音と空調音との位相のズレが生じることなく、各座席に着座する複数の乗員に対して同等の効果が得られる構成としている。
また、この車両用空調装置は、空調ケースが有する通風路にスピーカを設けることで、複数の吹出開口部のうちいずれの吹出開口部からもスピーカ音を放出することが可能である。仮に、複数の吹出開口部にそれぞれ接続される複数のダクトにスピーカを設ける構成とした場合、ダクトの数に応じてスピーカの数が増加することとなる。これに対し、この車両用空調装置は、スピーカの数を低減することができる。
なお、スピーカが発する可聴音は、空調音に対して逆位相でない音を含むものであり、乗員が空調音と同時に聞くことの可能な音である。
本開示の別の観点によれば、車両に搭載される車両用空調装置であって、
空気を送風する送風機と、
送風機が送風する空気が流れる通風路、および、その通風路に連通する複数の吹出開口部を有する空調ケースと、
複数の吹出開口部それぞれの開口面積を調整する複数のモード切替ドアと、
空調ケースが有する複数の吹出開口部にそれぞれ接続され、通風路から車室内に空調風を送風する複数のダクトと、
複数のダクトにそれぞれ設けられ、複数のダクトに可聴音を発する複数のダクトスピーカと、
空調モードを検出する検出部と、
検出部が検出した空調モードに応じて動作するモード切替ドアにより開放された吹出開口部に接続するダクトに設けられたダクトスピーカが可聴音を発するように制御するスピーカ制御部と、を備える。
これによれば、ダクトスピーカが発するスピーカ音と空調音は、ダクトを経由し、同一の吹出口から車室内に放出される。そのため、空調音にスピーカ音が付加された音を、乗員に対し同一方向から同時に届けることが可能である。したがって、この車両用空調装置は、乗員が空調音に対して感じる煩わしさを低減することができる。
第1実施形態に係る車両用空調装置の断面構成を示す模式図である。 第1実施形態に係る空調ユニットの断面構成を示す模式図である。 第1実施形態に係る車両用空調装置の模式図である。 第2実施形態に係る車両用空調装置の模式図である。 第3実施形態に係る車両用空調装置の模式図である。 第4実施形態に係る車両用空調装置の作用効果を説明するためのグラフである。 第4実施形態に係る車両用空調装置を搭載した車室内の模式図である。 従来の一般的な車両の車室内の模式図である。 従来のスピーカによる作用効果を説明するためのグラフである。 従来のスピーカによる作用効果を説明するためのグラフである。 従来のスピーカによる作用効果を説明するためのグラフである。 従来のスピーカによる作用効果を説明するためのグラフである。 第5実施形態に係る車両用空調装置が備えるスピーカの一例を示す断面図である。
以下、本開示の実施形態について図に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、同一符号を付して説明を行う。
(第1実施形態)
第1実施形態について図面を参照しつつ説明する。図1に示すように、本実施形態の車両用空調装置1は、車両に搭載されるものであり、車室内最前部のインストルメントパネル2の内側に配置されている。車両用空調装置1は、車室内の空気である内気と車室外の空気である外気の一方または両方を吸い込み、その吸い込んだ空気の温度および湿度を調整して車室内に吹き出すことで、車室内の空気調和を行うものである。車両用空調装置1は、空調ユニット10、スピーカ30および複数のダクト41、42、43などを備えている。なお、図1では、空調ユニット10が有する構成の一部を省略している。
まず、車両用空調装置1の一般的な構成を説明する。
図2は、車両用空調装置1が備える空調ユニット10の模式図である。空調ユニット10は、空調ケース11、送風機12、モード切替ドア13および温度調整ドア14などを有している。
空調ケース11は、ある程度の弾性を有し、強度的にも優れた樹脂にて形成されている。空調ケース11を形成する樹脂として、例えばポリプロピレンが挙げられる。空調ケース11は内側に、空気が流れる通風路15を有している。また、空調ケース11は、通風路15の空気流れ方向上流側に、車室内の所定箇所から通風路15に内気を導入するための内気導入口16と、車外から通風路15に外気を導入するための外気導入口17を有している。なお、内気導入口16または外気導入口17には、空調ケース11とは別部材として構成された図示していないダクトを接続してもよい。その場合、それらのダクトを介して、内気導入口16または外気導入口17から通風路15に空気が導入される。
空調ケース11の内側には、内外気切替ドア18、送風機12、エバポレータ19、ヒータコア20、温度調整ドア14、モード切替ドア13およびスピーカ30などが設けられている。
内外気切替ドア18は、内気導入口16の開口面積と、外気導入口17の開口面積とを連続的に調整するものである。内外気切替ドア18は、図示していないサーボモータなどのアクチュエータによって駆動される。内外気切替ドア18は、内気導入口16と外気導入口17のうち、一方の開口部を開くほど他方の開口部を閉じるように回転動作する。これにより、内外気切替ドア18は、通風路15に導入される内気の風量と、外気の風量との割合を調整することが可能である。
送風機12は、遠心ファン121と、その遠心ファン121を回転駆動するモータ122などから構成されている。送風機12のモータ122と共に遠心ファン121が回転駆動すると、通風路15に空気が送風される。これにより、内気導入口16または外気導入口17から通風路15に内気または外気が導入される。送風機12により送風されて通風路15を流れる空気は、エバポレータ19およびヒータコア20により温度および湿度が調整され、通風路15に連通する複数の吹出開口部21、22、23のいずれかを経由して車室内に吹き出される。
エバポレータ19は、通風路15を流れる空気を冷却するための熱交換器である。エバポレータ19は、図示していない圧縮機、凝縮器および膨張弁などと共に周知の冷凍サイクルを構成している。エバポレータ19は、冷凍サイクルにおいて、膨張弁の下流側、且つ、圧縮機の上流側に配置されている。エバポレータ19が有する図示していないチューブの中を、膨張弁によって減圧されて気液二層状態となった冷媒が流れる。エバポレータ19は、そのチューブの内側を流れる冷媒と、通風路15を流れる空気との熱交換により、通風路15を流れる空気を冷却する。
ヒータコア20は、通風路15を流れる空気を加熱するための熱交換器である。ヒータコア20が有する図示していないチューブの内側を温水が流れる。ヒータコア20は、そのチューブの内側を流れる温水と、通風路15を流れる空気との熱交換により、通風路15を流れる空気を加熱する。
エバポレータ19とヒータコア20との間には、温度調整ドア14が設けられている。温度調整ドア14は、エバポレータ19を通過した後にヒータコア20を迂回して流れる風量と、エバポレータ19を通過した後にヒータコア20を通過する風量との割合を調整する。
空調ケース11は、通風路15の空気流れ方向下流側に、通風路15から車室内に空気を送風するための複数の吹出開口部21、22、23を有している。複数の吹出開口部は、フェイス吹出開口部21、フット吹出開口部22、デフロスタ吹出開口部23により構成されている。フェイス吹出開口部21は、前座席に着座した乗員の上半身またはその周囲に向けて空調風を吹き出すものである。フット吹出開口部22は、その乗員の足元に向けて空調風を吹き出すものである。デフロスタ吹出開口部23は、車両のフロントガラス3(図1参照)に向けて空調風を吹き出すものである。
フェイス吹出開口部21、フット吹出開口部22およびデフロスタ吹出開口部23には、それぞれの開口面積を調整するためのモード切替ドア13が設けられている。モード切替ドア13は、フェイスドア131、フットドア132およびデフロスタドア133により構成されている。フェイスドア131、フットドア132およびデフロスタドア133はそれぞれ、図示していないサーボモータなどのアクチュエータによって駆動される。フェイスドア131は、フェイス吹出開口部21を開閉する。フットドア132は、フット吹出開口部22を開閉する。デフロスタドア133は、デフロスタ吹出開口部23を開閉する。
図3に示すように、複数の吹出開口部21、22、23にはそれぞれ、空調ケース11とは別部材として構成された複数のダクト41、42、43が接続される。複数のダクト41、42、43は、空調ケース11の通風路15から複数の吹出開口部21、22、23を経由して車室内に空調風を送風する。複数のダクトは、フェイスダクト41、フットダクト42およびデフロスタダクト43により構成されている。フェイスダクト41は、フェイス吹出開口部21に接続されている。フットダクト42は、フット吹出開口部22に接続されている。デフロスタダクト43は、デフロスタ吹出開口部23に接続されている。
フェイス吹出開口部21から流出した空気は、フェイスダクト41を通り、インストルメントパネル2に設けられたフェイス吹出口44から、座席に着座した乗員の上半身またはその近傍に向けて吹き出される。フット吹出開口部22から流出した空気は、フットダクト42を通り、インストルメントパネル2の下側に設けられたフット吹出口45から乗員の足元またはその近傍に向けて吹き出される。デフロスタ吹出開口部23から流出した空気は、デフロスタダクト43を通り、インストルメントパネル2の上面に設けられたデフロスタ吹出口46から車両のフロントガラス3に向けて吹き出される。
上述した空調ユニット10が備える送風機12、内外気切替ドア18、温度調整ドア14およびモード切替ドア13は、空調電子制御装置50(以下「空調ECU」という)によって駆動制御される。空調ECU50は、内気温、外気温、日射量、またはエアコンパネルに設けられたスイッチの操作などにより設定される空調モードに応じて、空調ユニット10が備える各構成を駆動制御する。
続いて、本実施形態の車両用空調装置1の特徴的な構成および作用効果について説明する。
本実施形態では、空調ケース11が有する通風路15にスピーカ30が設けられている。スピーカ30は、通風路15に可聴音を発するものである。スピーカ30が発する可聴音(以下「スピーカ音」という)は、空調音に対して逆位相でない音を含むものであり、乗員が空調音と同時に聞くことの可能な音である。スピーカ30は、通風路15内に設けられていてもよく、或いは、通風路15の内壁または外壁に設けられていてもよい。
スピーカ30は、通風路15のうち、複数のモード切替ドア13よりも送風機12側の部位に設けられている。また、スピーカ30は、通風路15のうち、温度調整ドア14と複数のモード切替ドア13との間の部位に設けられている。このような位置にスピーカ30を設けることで、スピーカ音は、複数の吹出開口部21、22、23のうち少なくとも1つの吹出開口部を経由して送風される空調風と共に車室内に放出される。すなわち、スピーカ30は、複数の吹出開口部21、22、23のうち少なくとも1つの吹出開口部を経由して送風される空調風と共に、スピーカ音を車室内に放出可能な位置に設けられているといえる。
スピーカ制御部51は、スピーカ30が発する音の音量などを制御する電子制御装置である。スピーカ制御部51には、送風機12の送風量に関する情報が空調ECU50から伝送される。スピーカ制御部51は、送風機12の送風量が大きくなるに従い、スピーカ30の音量を大きくするように制御する。一方、スピーカ制御部51は、送風機12の送風量が小さくなるに従い、スピーカ30の音量を小さくするように制御する。これにより、スピーカ制御部51は、空調音に応じてスピーカ音の音量を適切に調整し、空調音にスピーカ音が付加された音を乗員に届けることができる。
図1および図2では、フェイスドア131がフェイス吹出開口部21を開放している状態を示している。この状態で、スピーカ30が発するスピーカ音は、通風路15からフェイス吹出開口部21を経由し、フェイスダクト41を通り、フェイス吹出口44から空調風と共に車室内に放出される。この場合、空調音にスピーカ音が付加された音は、車室内の前席に着座した乗員と後部座席に着座した乗員へ、空調風と共に効率よく届けられる。そのため、フェイスドア131がフェイス吹出開口部21を開放している場合は、フェイスドア131がフェイス吹出開口部21を閉塞している場合に比べて、スピーカ制御部51は、スピーカ30の音量を下げることが可能である。したがって、この車両用空調装置1は、スピーカ30の駆動に消費される電力量を低減することができる。
ここで、本実施形態のスピーカ音は、自然音を含むものである。その自然音は、例えば、鳥の鳴き声、動物の鳴き声、虫の音、木の葉が風に揺れる音、川の流れる音、波の音、滝の音、雨音及び水の音のうち少なくとも1つを含むものである。このような自然音が空調音に付加された音が乗員に届けられると、その乗員は、自然音から得られるイメージと空調音とを重ね合わせ、そのイメージの中に流れている自然界の音のように空調音を感じ取ることができる。例えば、自然音として野鳥の鳴き声などを空調音に付加すると、乗員は森の情景等をイメージすることにより、森の中にある滝の音などのように空調音を感じ取ることができる。また例えば、自然音としてカモメの鳴き声などを空調音に付加すると、乗員は海の情景等をイメージすることにより、海辺の波の音などのように空調音を感じ取ることができる。したがって、車両用空調装置1は、空調音に対して乗員が感じる煩わしさを低減することができる。
上述した第1実施形態の車両用空調装置1は、次の作用効果を奏する。
(1)第1実施形態では、スピーカ30は、空調ケース11が有する通風路15に可聴音を発する。
これによれば、スピーカ音と空調音は、通風路15からモード切替ドアにより開放された吹出開口部21、22、23を経由し、同一の吹出口44、45、46から車室内に放出される。そのため、空調音にスピーカ音が付加された音を、乗員に対し同一方向から同時に届けることが可能である。ここで、空調音にスピーカ音が付加された音が乗員に届けられると、その乗員は、スピーカ音から得られるイメージと空調音とを重ね合わせることで、そのイメージの中に流れている音のように空調音を感じ取ることができる。したがって、この車両用空調装置1は、空調音に対して乗員が感じる煩わしさを低減することができる。
また、この車両用空調装置1は、空調ケース11が有する通風路15にスピーカ30を設けることで、複数の吹出開口部21、22、23のうちいずれの吹出開口部21、22、23からもスピーカ音を放出することが可能である。仮に、複数の吹出開口部21、22、23にそれぞれ接続される複数のダクト41、42、43に対してスピーカを設ける構成とした場合、ダクト41、42、43の数に応じてスピーカの数が増加することとなる。これに対し、この車両用空調装置1は、スピーカ30の数を低減することができる。
ところで、近年、安全性、居住性向上の要求からインストルメントパネル2の小型化の要求が高まっている。その点、本実施形態のスピーカ30をオーディオ用スピーカとすることで、従来インストルメントパネル2に配置されていたオーディオ用スピーカの搭載スペースを低減することが可能である。したがって、この車両用空調装置1は、インストルメントパネル2の小型化に貢献することができる。
(2)第1実施形態では、スピーカ30は、複数の吹出開口部21、22、23のうち少なくとも1つの吹出開口部21、22、23を経由して送風される空調風と共に可聴音を車室内に放出可能な位置に設けられている。
これによれば、スピーカ音と空調音は、少なくとも1つの吹出開口部21、22、23を経由して、空調風と共に車室内に放出される。したがって、この車両用空調装置1は、空調音にスピーカ音が付加された音を、乗員に対して同一方向から同時に届けることで、空調音に対して乗員が感じる煩わしさを低減することができる。
(3)第1実施形態では、スピーカ30は、複数のモード切替ドア13よりも送風機12側の通風路15に設けられている。
これによれば、車両用空調装置1は、いずれの空調モードであっても、モード切替ドア13により開放されたいずれかの吹出開口部21、22、23を経由して送風される空調風と共に、空調音にスピーカ音が付加された音を車室内に放出することができる。
(4)第1実施形態では、スピーカ30は、温度調整ドア14と複数のモード切替ドア13との間の通風路15に設けられている。
これによれば、車両用空調装置1は、温度調整ドア14の開度に関わらず、通風路15から吹出開口部21、22、23を経由して送風される空調風と共に、空調音にスピーカ音が付加された音を車室内に放出することができる。
(5)第1実施形態では、スピーカ制御部51は、送風機12の送風量が大きいほどスピーカ30の音量を大きくするように制御する。
一般に、送風機12の送風量が大きいほど空調音が大きくなる。スピーカ制御部51は、空調音の大きさに応じてスピーカ音の音量を適切に調整することで、空調音にスピーカ音が付加された音を乗員に届けることができる。したがって、乗員は、スピーカ音から得られるイメージと空調音とを重ね合わせることが可能となるので、空調音に対する煩わしさが低減される。
(6)第1実施形態では、スピーカ30は自然音を発するものである。
これによれば、空調音に自然音が付加された音が乗員に届けられると、その乗員は、その自然音から得られるイメージと空調音とを重ね合わせ、空調音を自然界の音に近いものとして感じることができる。例えば、自然音として鳥や動物の鳴き声などを空調音に付加すると、乗員は、森の中にいるような感覚が得られるので、空調音を、滝の音や川のせせらぎなどのように感じることができる。したがって、車両用空調装置1は、空調音に対して乗員が感じる煩わしさを低減し、さらに快適感を向上させることができる。
(7)第1実施形態では、スピーカ30が発する自然音は、鳥の鳴き声、動物の鳴き声、虫の音、木の葉が風に揺れる音、川の流れる音、波の音、滝の音、雨音及び水の音のうち少なくとも1つを含むものである。
これによれば、乗員に森、川または海などの自然の情景をイメージさせる自然音として、種々の音が例示される。
(第2実施形態)
第2実施形態について説明する。第2実施形態は、第1実施形態に対してスピーカ30の配置およびその制御方法などを変更したものであり、その他については第1実施形態と同様であるため、第1実施形態と異なる部分についてのみ説明する。
図4に示すように、第2実施形態では、複数のダクト41、42、43それぞれにスピーカ31が設けられている。スピーカ31は、それぞれのスピーカ31が設けられたダクト41、42、43に可聴音を発するものである。以下の説明では、ダクト41、42、43に設けられたスピーカ31を、ダクトスピーカ31と称するものとする。なお、ダクトスピーカ31の体格および性能などは、第1実施形態で説明したスピーカ30と同一のものであってもよく、または異なるものであってもよい。
ダクトスピーカ31は、複数のフェイスダクト41、複数のフットダクト42およびデフロスタダクト43のそれぞれに対し、少なくとも1個ずつ設けられている。ダクトスピーカ31は、ダクト41、42、43内に設けられていてもよく、或いは、ダクト41、42、43の内壁または外壁に設けられていてもよい。
ここで、第1実施形態で説明した空調ECU50は、空調ユニット10が作動するときの空調モードを検出する検出部として機能する。空調ECU50は、空調モードに応じて、複数のモード切替ドア13のうち所定のモード切替ドア13を駆動して所定の吹出開口部21、22、23を開放し、他のモード切替ドア13を駆動して他の吹出開口部21、22、23を閉塞する。
空調ECU50は、検出された空調モードをスピーカ制御部51に伝送する。第2実施形態のスピーカ制御部51は、それぞれのダクトスピーカ31が発する音の音量などを個別に制御することが可能である。スピーカ制御部51は、空調モードに応じて動作するモード切替ドア13により開放された吹出開口部21、22、23に接続するダクト41、42、43に設けられたダクトスピーカ31に対し、スピーカ音を発するように信号を伝送する。
これにより、ダクトスピーカ31が発するスピーカ音と空調音は、空調風が流れる所定のダクト41、42、43を経由し、同一の吹出口44、45、46から車室内に放出される。そのため、空調音にスピーカ音が付加された音を、乗員に対し同一方向から同時に届けることが可能である。したがって、第2実施形態の構成においても、第1実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
(第3実施形態)
第3実施形態について説明する。第3実施形態は、第1実施形態と第2実施形態とを組み合わせたものである。
図5に示すように、第3実施形態では、複数のダクト41、42、43それぞれにダクトスピーカ31が設けられている。さらに、第3実施形態では、通風路15にも、スピーカ30が設けられている。
空調ECU50は、空調ユニット10が作動するときの空調モードを検出する。そして、空調ECU50は、検出された空調モードをスピーカ制御部51に伝送する。スピーカ制御部51は、空調モードに応じて動作するモード切替ドア13により開放された吹出開口部21、22、23に接続するダクト41、42、43に設けられたダクトスピーカ31に対し、スピーカ音を発するように信号を伝送する。さらに、スピーカ制御部51は、通風路15に設けられたスピーカ30に対しても、スピーカ音を発するように信号を伝送する。
これにより、空調音にスピーカ音が付加された音は、空調風が流れる所定のダクト41、42、43を経由し、同一の吹出口44、45、46から車室内に放出される。したがって、第3実施形態も、第1および第2実施形態と同様の作用効果を奏することができる。さらに、第3実施形態では、通風路15に設けられたスピーカ30が発するスピーカ音が、所定のダクト41、42、43の吹出口44、45、46から車室内に放出されにくい場合でも、その所定のダクト41、42、43に設けられたダクトスピーカ31から車室内にスピーカ音を放出することができる。
(第4実施形態)
第4実施形態について、図6〜図10を参照して説明する。なお、図6〜図10は、実施形態の説明のための模式図であり、各図面に記載した波形、音圧、周波数などは、いずれも本開示の権利範囲を何ら限定するものではない。
第4実施形態では、空調ケース11の通風路15に設けられたスピーカ30から放出されるスピーカ音は、空調音に付加されることにより、狙いの調和を有する合成音を形成可能な音である。なお、第4実施形態のスピーカ音は、第1実施形態等で説明した自然音を含む音であってもよく、または、自然音を含まない音であってもよい。
図6は、第4実施形態の車両用空調装置1において、所定の周波数におけるスピーカ音、空調音、および、スピーカ音と空調音との合成音を模式的に示したものである。各図面では、スピーカ音に符号α、空調音に符号β、スピーカ音と空調音との合成音に符号γを付している。
第4実施形態では、スピーカ音と空調音との合成音が、狙いの調和を有する音となるように、スピーカ30から放出されるスピーカ音がスピーカ制御部51により制御される。空調音とスピーカ音とが合成されることで、狙いの調和を有する合成音となる。なお、狙いの調和を有する合成音とは、乗員の空調音に対して感じる煩わしさが低減されるように、または、乗員が心地良さを感じられるように、実験などにより周波数、音量または音質などが調整された音である。
第4実施形態においても、スピーカ30は、空調音の発生領域である通風路15内に設置されている。そのため、スピーカ制御部51は、所定の吹出開口部21〜23で狙いの調和を有する合成音が形成されるように、スピーカ音を調整することが可能である。なお、その狙いの調和を有する合成音は、所定の吹出開口部21〜23で形成されることに限らず、例えば通風路15内の所定位置を狙って形成されてもよく、または、インストルパネル2設けられた吹出口44〜46を狙って形成されてもよい。
図7に示すように、スピーカ音と空調音の合成音は、同一の吹出口44〜46から車室内に吹き出される。そのため、車室内に複数の乗員5a、5b、5cが乗車している場合でも、吹出口44〜46から乗員5a、5b、5cまでの間で、スピーカ音と空調音との位相のズレが生じることが防がれる。したがって、車両用空調装置1は、車室内のいずれの座席に着座した乗員5a、5b、5cに対しても、スピーカ音と空調音により形成された合成音の狙いの調和を維持したまま、乗員5a、5b、5cに届けることが可能である。すなわち、車室内の各座席に着座する複数の乗員5a、5b、5cに対し同等の効果を得ることができる。
これに対し、図8は、従来の一般的な車両の車室内の模式図である。この車両では、車両のドアにスピーカ300が設置されている。この場合、特に車室内の各座席に複数の乗員5a、5b、5cが乗車していると、スピーカ音の到達距離と空調音の到達距離とが乗員位置ごとに異なるものとなる。
図9〜図11は、図8に示したような従来の車両において、車室内で異なる乗員位置A、B、Cに対して届けられる所定の周波数におけるスピーカ音、空調音、および、そのスピーカ音と空調音との合成音を模式的に示したものである。図9〜図11に示すように、車室内で異なる乗員位置A、B、Cに届けられるスピーカ音と空調音との位相ズレ量a、b、cは、それぞれ異なるものとなる。そのため、スピーカ音と空調音との合成音は、車室内で異なる乗員位置A、B、Cで、異なる音になる。
図12は、車室内で異なる乗員位置A、B、Cにおける合成音の周波数特性の例を示している。図12では、所定の周波数領域(例えば100Hz)において、各乗員位置A、B、Cにおける合成音の周波数特性が異なるものとなっている。すなわち、各乗員位置A、B、Cでは、狙いの調和を維持した合成音からずれた音となっている。このように、スピーカ300を空調装置の外部に設置している場合、車室内の各座席に着座した複数の乗員5a、5b、5cそれぞれに対し、狙いの調和を維持した合成音を届けることができない。
そこで、第4実施形態の車両用空調装置1は、スピーカ30を空調音の発生領域である通風路15内に設置し、空調音とスピーカ音とを共通の吹出開口部および共通の吹出口から車室内に放出する構成としている。これにより、車室内のいずれの乗員位置においても、スピーカ音と空調音との位相のズレが生じることが無い。したがって、この車両用空調装置1は、スピーカ音と空調音との狙いの調和を維持したまま車室内の各乗員位置に届けることで、車室内の各座席に着座した複数の乗員5a、5b、5cに対して同等の効果を得ることが可能である。
(第5実施形態)
第5実施形態は、車両用空調装置1が備えるスピーカ30の一例を説明するものである。図13に示すように、スピーカ30は、空調ケース11の外側に設けられている。スピーカ30は、スピーカ制御部51から配線52などを経由して伝送される電気信号を音波に変えて通風路15に放出することが可能な構成である。例えば、スピーカ30は、コイルと磁石などから構成される振動発生源32と、その振動発生源32で発生した振動を空気に伝える振動板33などを備える電磁式スピーカとしてもよい。また、図示していないが、例えば、スピーカ30は、電気信号に応じて振動するピエゾ素子などを備えるピエゾ式スピーカとしてもよい。このように、スピーカ30は、電気信号を音波に変えて通風路15に放出可能な構成であれば、種々の構成を採用することが可能である。また、スピーカ30は、図13に示したように空調ケース11の外側に設けられているものに限らない。例えば、スピーカ30は、空調ケース11の内側に設けられていてもよい。
(他の実施形態)
本開示は上記した実施形態に限定されるものではなく、適宜変更が可能である。また、上記各実施形態は、互いに無関係なものではなく、組み合わせが明らかに不可な場合を除き、適宜組み合わせが可能である。また、上記各実施形態において、実施形態を構成する要素は、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。また、上記各実施形態において、実施形態の構成要素の個数、数値、量、範囲等の数値が言及されている場合、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されるものではない。また、上記各実施形態において、構成要素等の形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に特定の形状、位置関係等に限定される場合等を除き、その形状、位置関係等に限定されるものではない。
例えば、上述した第1および第3実施形態では、通風路15に1個のスピーカ30を設けるものとした。これに対し、他の実施形態では、通風路15に複数のスピーカ30を設けてもよい。
また、上述した第2および第3実施形態では、複数のダクト41、42、43それぞれにダクトスピーカ31を1個ずつ設けるものとした。これに対し、他の実施形態では、複数のダクト41、42、43それぞれに複数のダクトスピーカ31を設けてもよい。また、複数のダクト41、42、43のうち、ダクトスピーカ31が設けられていないダクト41、42、43があってもよい。
また、上述した第2および第3実施形態では、空調ECU50とスピーカ制御部51とを別体のものとして説明した。これに対し、他の実施形態では、空調ECU50とスピーカ制御部51とは一体に構成されたものであってもよい。
(まとめ)
上述の実施形態の一部または全部で示された第1の観点によれば、車両用空調装置は、送風機、空調ケースおよびスピーカを備える。送風機は、空気を送風する。空調ケースは、送風機が送風する空気が流れる通風路、および、その通風路に連通する複数の吹出開口部を有する。スピーカは、空調ケースが有する通風路に可聴音を発するように設けられている。
第2の観点によれば、スピーカは、複数の吹出開口部のうち少なくとも1つの吹出開口部を経由して送風される空調風と共に可聴音を車室内に放出可能な位置に設けられている。
これによれば、スピーカ音と空調音は、少なくとも1つの吹出開口部を経由し、同一の吹出口から空調風と共に車室内に放出される。したがって、この車両用空調装置は、空調音にスピーカ音が付加された音を、乗員に対し同一方向から同時に届けることで、空調音に対して乗員が感じる煩わしさを低減することができる。
第3の観点によれば、車両用空調装置は、複数の吹出開口部それぞれの開口面積を調整する複数のモード切替ドアをさらに備える。スピーカは、複数のモード切替ドアよりも送風機側の通風路に設けられている。
これによれば、車両用空調装置は、空調モードに関わらず、いずれの空調モードであっても、モード切替ドアにより開放されたいずれかの吹出開口部を経由して送風される空調風と共に、空調音にスピーカ音が付加された音を車室内に放出することができる。
第4の観点によれば、車両用空調装置は、エバポレータ、ヒータコアおよび温度調整ドアをさらに備える。エバポレータは、空調ケースが有する通風路を流れる空気を冷却する。ヒータコアは、空調ケースが有する通風路を流れる空気を加熱する。温度調整ドアは、エバポレータとヒータコアとの間に設けられ、エバポレータを通過した後にヒータコアを迂回する風量とエバポレータを通過した後にヒータコアを通過する風量とを調整する。スピーカは、温度調整ドアと複数のモード切替ドアとの間の通風路に設けられている。
これによれば、車両用空調装置は、温度調整ドアの開度に関わらず、通風路から吹出開口部を経由して送風される空調風と共に、空調音にスピーカ音が付加された音を車室内に放出することができる。
第5の観点によれば、送風機の送風量が大きいほどスピーカの音量を大きくするように制御するスピーカ制御部をさらに備える。
一般に、送風機の送風量が大きいほど空調音が大きくなる。スピーカ制御部は、空調音の大きさに応じてスピーカ音の音量を適切に調整することで、空調音にスピーカ音が付加された音を乗員に届けることができる。したがって、乗員は、スピーカ音から得られるイメージと空調音とを重ね合わせることが可能となるので、空調音に対する煩わしさが低減される。
第6の観点によれば、スピーカが発する可聴音は、自然音を含むものである。
これによれば、空調音に自然音が付加された音が乗員に届けられると、その乗員は、その自然音から得られるイメージと空調音とを重ね合わせ、空調音を自然界の音に近いものとして感じることができる。したがって、車両用空調装置は、空調音に対して乗員が感じる煩わしさを低減し、さらに快適感を向上させることができる。
第7の観点によれば、スピーカが発する自然音は、鳥の鳴き声、動物の鳴き声、虫の音、木の葉が風に揺れる音、川の流れる音、波の音、滝の音、雨音及び水の音のうち少なくとも1つを含むものである。
これによれば、乗員に森、川または海などの自然の情景をイメージさせる自然音として、種々の音が例示される。
第8の観点によれば、車両用空調装置は、複数のモード切替ドア、複数のダクト、複数のダクトスピーカ、検出部およびスピーカ制御部を備える。複数のモード切替ドアは、複数の吹出開口部それぞれの開口面積を調整する。複数のダクトは、空調ケースが有する複数の吹出開口部にそれぞれ接続され、通風路から車室内に空調風を送風する。複数のダクトスピーカは、複数のダクトにそれぞれ設けられ、複数のダクトに可聴音を発する。検出部は、空調モードを検出する。スピーカ制御部は、検出部が検出した空調モードに応じて動作するモード切替ドアにより開放された吹出開口部に接続するダクトに設けられたダクトスピーカが可聴音を発するように制御する。
これによれば、ダクトスピーカが発するスピーカ音と空調音は、ダクトを経由し、同一の吹出口から車室内に放出される。そのため、空調音にスピーカ音が付加された音を、乗員に対し同一方向から同時に届けることが可能である。したがって、この車両用空調装置は、乗員が空調音に対して感じる煩わしさを低減することができる。
第9の観点によれば、車両に搭載される車両用空調装置は、送風機、空調ケース、複数のモード切替ドア、複数のダクト、複数のダクトスピーカ、検出部およびスピーカ制御部を備える。送風機は、空気を送風する。空調ケースは、送風機が送風する空気が流れる通風路、および、その通風路に連通する複数の吹出開口部を有する。複数のモード切替ドアは、複数の吹出開口部それぞれの開口面積を調整する。複数のダクトは、空調ケースが有する複数の吹出開口部にそれぞれ接続され、通風路から車室内に空調風を送風する。複数のダクトスピーカは、複数のダクトにそれぞれ設けられ、複数のダクトに可聴音を発する。検出部は、複数のモード切替ドアの動作に応じた空調モードを検出する。スピーカ制御部は、検出部が検出した空調モードに応じて、空調風が流れるダクトに設けられたダクトスピーカが可聴音を発するように制御する。
これによれば、ダクトスピーカが発するスピーカ音と空調音は、ダクトを経由し、同一の吹出口から車室内に放出される。そのため、空調音にスピーカ音が付加された音を、乗員に対し同一方向から同時に届けることが可能である。したがって、この車両用空調装置は、乗員が空調音に対して感じる煩わしさを低減することができる。
第10の観点によれば、スピーカから発せられる可聴音と、送風機の駆動により生じる空調音とが共通の吹出開口部から車室内に放出されるように構成されている。これによれば、空調音にスピーカ音が付加された音を、同一方向から同時に乗員に届けることが可能である。

Claims (8)

  1. 車両に搭載される車両用空調装置であって、
    空気を送風する送風機(12)と、
    前記送風機が送風する空気が流れる通風路(15)、および、前記通風路に連通する複数の吹出開口部(21、22、23)を有する空調ケース(11)と、
    複数の前記吹出開口部それぞれの開口面積を調整する複数のモード切替ドア(13、131、132、133)と、
    前記空調ケースが有する複数の前記吹出開口部にそれぞれ接続され、前記通風路から車室内に空調風を送風する複数のダクト(41、42、43)と、
    複数の前記ダクトにそれぞれ設けられ、複数の前記ダクトに可聴音を発する複数のダクトスピーカ(31)と、
    空調モードを検出する検出部(50)と、
    前記検出部が検出した空調モードに応じて動作する前記モード切替ドアにより開放された前記吹出開口部に接続する前記ダクトに設けられた前記ダクトスピーカが可聴音を発するように制御するスピーカ制御部(51)と、を備える車両用空調装置。
  2. 前記空調ケースが有する前記通風路に可聴音を発するように設けられたスピーカ(30)をさらに備え、
    前記スピーカは、複数の前記吹出開口部のうち少なくとも1つの前記吹出開口部を経由して送風される空調風と共に可聴音を車室内に放出可能な位置に設けられている請求項1に記載の車両用空調装置。
  3. 記スピーカは、複数の前記モード切替ドアよりも前記送風機側の前記通風路に設けられている請求項に記載の車両用空調装置。
  4. 前記空調ケースが有する前記通風路を流れる空気を冷却するエバポレータ(19)と、
    前記空調ケースが有する前記通風路を流れる空気を加熱するヒータコア(20)と、
    前記エバポレータと前記ヒータコアとの間に設けられ、前記エバポレータを通過した後に前記ヒータコアを迂回する風量と前記エバポレータを通過した後に前記ヒータコアを通過する風量とを調整する温度調整ドア(14)をさらに備え、
    前記スピーカは、前記温度調整ドアと複数の前記モード切替ドアとの間の前記通風路に設けられている請求項2または3に記載の車両用空調装置。
  5. 前記スピーカ制御部は、前記送風機の送風量が大きいほど前記スピーカの音量を大きくするように制御する請求項ないし4のいずれか1つに記載の車両用空調装置。
  6. 前記スピーカが発する可聴音は、自然音を含むものである請求項ないし5のいずれか1つに記載の車両用空調装置。
  7. 前記スピーカが発する前記自然音は、鳥の鳴き声、動物の鳴き声、虫の音、木の葉が風に揺れる音、川の流れる音、波の音、滝の音、雨音及び水の音のうち少なくとも1つを含むものである請求項6に記載の車両用空調装置。
  8. 前記スピーカから発せられる可聴音と、前記送風機の駆動により生じる空調音とが共通の前記吹出開口部から車室内に放出されるように構成されている、請求項ないしのいずれか1つに記載の車両用空調装置。
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