JP2016000553A - 車両用空調装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】送風機の送風音を制御することで、安全運転に寄与できる車両用空調装置を提供する。【解決手段】内外気切替え部110と、送風機120と、内外気切替え部110および送風機120の作動を制御すると共に、空調用空気の温度調節、および車室内への吹出しの制御を行う制御部180とを備える車両用空調装置において、制御部180には、車両の方向指示器11の作動に伴う右左折時の方向指示信号、および車両の車速センサ12によって得られる車速信号が入力されるようになっており、制御部180は、方向指示信号の入力があり、且つ、車速信号による速度が予め定めた所定速度よりも低いと、内外気切替え部110による空調用空気の導入を外気の導入に切替えると共に、送風機120の風量を予め定めた所定風量よりも低下させる騒音低減制御を実行する。【選択図】図1

Description

本発明は、送風機の送風音を制御することで、安全運転に寄与できる車両用空調装置に関するものである。
従来、特許文献1のように、車両の安全運転に寄与する音響制御装置が知られている。特許文献1の音響制御装置では、二輪車や歩行者を撮影するカメラ、運転者に対してブザーやアラーム等の聴覚情報によって注意喚起を行うスピーカ、および車室内の騒音を低減する騒音制御装置が設けられている。騒音制御装置は、車室内の騒音と同音圧で、逆位相となるような制御音を出力することで、車室内騒音を打ち消すものとなっている。
上記の音響制御装置では、左折する際の自車両左後方における二輪車や、右折する際の右前方横断歩道における歩行者を、カメラによって検知すると、騒音制御装置を作動させて車室内の騒音を一旦低減した後に、スピーカを作動させて運転者に注意喚起するようになっている。
これにより、スピーカを作動させる前に、騒音制御装置によって車室内の騒音を一旦低減することで雰囲気を変化させることができ、運転者に聴覚情報を聞き入れる体制をとらせると共に、聴覚情報を聞き取りやすい環境とするようになっている。
特開2009−196528号公報
上記特許文献1は、安全運転のために、カメラ、スピーカ、および騒音低減装置等の専用機器を必要とするものとなっている。また、騒音低減装置は、車室内の騒音を制御音によって打ち消すようにしたものであって、車両外部の状況を運転者自身が確認するために、車両外部の音をより聞き取りやすくするようにしたものではない。
通常、例えば、見通しの悪い交差点で、右左折により狭い路地から本道に出ようとするような場合では、運転者は、一旦停止時に目視による確認に加えて、外部の音に基づいて歩行者や自転車等の確認を行おうとする。外部の音をより聞きやすくするためには、車室内の騒音がより低いレベルにあることが望ましいと言える。本発明の発明者は、車室内の騒音原として、通常、車両に搭載される空調装置の送風機による送風音に着目した。
本発明の目的は、上記問題に鑑み、送風機の送風音を制御することで、安全運転に寄与できる車両用空調装置を提供することにある。
本発明は上記目的を達成するために、以下の技術的手段を採用する。
本発明では、空調用空気として車両の内気あるいは外気の導入を選択的に切替える内外気切替え部(110)と、
導入した内気あるいは外気を車室内に送風する送風機(120)と、
内外気切替え部(110)、および送風機(120)の作動を制御すると共に、空調用空気の温度調節、および車室内への吹出しの制御を行う制御部(180)とを備える車両用空調装置において、
制御部(180)には、車両の方向指示器(11)の作動に伴う右左折時の方向指示信号、および車両の車速センサ(12)によって得られる車速信号が入力されるようになっており、
制御部(180)は、方向指示信号の入力があり、且つ、車速信号による速度が予め定めた所定速度よりも低いと、内外気切替え部(110)による空調用空気の導入を外気の導入に切替えると共に、送風機(120)の風量を予め定めた所定風量よりも低下させる騒音低減制御を実行することを特徴としている。
本発明によれば、制御部(180)は、方向指示信号の入力があり、且つ、車速信号による速度が所定速度よりも低いと、車両は、一旦停止して徐行しながら右折あるいは左折しようとする状態であると判定することができる。このような場合では、運転者は、目視による左右確認に加えて、耳によって外部の音も聞くことで、周りの状況を判断しようとする。
このとき、制御部(180)は、内外気切替え部(110)による空調用空気の導入を外気導入に切替えるようにしているので、空調用空気が車両の外部から導入されることとなり、空調用空気の導入音を低減することができる。これに加えて、送風機(120)の風量を所定風量よりも低下させることで、車室内に吹出される空調空気の送風音を低減することができる。よって、運転者は、外部の音をより聞きやすくなり、周りの状況をより確実に把握することができるようになるので、安全運転に繋げることが可能となる。
尚、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
車両用空調装置の構成を示す説明図である。 第1実施形態における制御内容を示すフローチャートである。 第2実施形態における制御内容を示すフローチャートである。 第3実施形態における制御内容を示すフローチャートである。
以下に、図面を参照しながら本発明を実施するための複数の形態を説明する。各形態において先行する形態で説明した事項に対応する部分には同一の参照符号を付して重複する説明を省略する場合がある。各形態において構成の一部のみを説明している場合は、構成の他の部分については先行して説明した他の形態を適用することができる。各実施形態で具体的に組み合わせが可能であることを明示している部分同士の組み合わせばかりではなく、特に組み合わせに支障が生じなければ、明示していなくても実施形態同士を部分的に組み合せることも可能である。
(第1実施形態)
第1実施形態における車両用空調装置(以下、空調装置)100を図1に示す。空調装置100は、車室内の空調を行うと共に、見通しの悪い交差点で車両が一旦停止して右折あるいは左折する際に、車両外部の音が乗員(運転者)に聞こえやすくなるような騒音低減制御(詳細後述)を行うものとなっている。
空調装置100は、空調ダクト101、内外気切替え部110、送風機120、蒸発器130、ヒータコア140、エアミックスドア150、エアコン操作パネル160、各種センサ群171〜174、およびエアコンECU180等を備えている。
空調ダクト101は、車室内の前方側(インストルメントパネル内)に配設されている。空調ダクト101の最も上流側(風上側)は、内外気切替え部110を構成する部分となっており、車室内空気(以下、内気)を取り入れる内気導入口111、および車室外空気(以下、外気)を取り入れる外気導入口112を有している。内気導入口111は、車室内に向けて開口しており、外気導入口112は、車室外に向けて開口している。
内気導入口111および外気導入口112の内側には、内外気切替ドア113が回動自在に取り付けられている。この内外気切替ドア113は、サーボモータ等のアクチュエータ113aにより駆動されて、各導入口111、112のいずれかを開くことで、導入モードを内気循環モード、内気循環外気導入モード、あるいは外気導入モード等に切替える。内外気切替ドア113のアクチュエータ113aは、後述するエアコンECU180によって制御されるようになっている。
空調ダクト101の最も下流側(風下側)は、吹出口切替え部を構成する部分となっており、デフロスタ開口部、フェイス開口部、およびフット開口部が形成されている。そして、デフロスタ開口部には、デフロスタダクト114が接続されて、このデフロスタダクト114の最下流端には、車両のフロントウインドウ31の内面に向かって空調風として主に温風を吹出すデフロスタ吹出口114aが開口している。また、フェイス開口部には、フェイスダクト115が接続されて、このフェイスダクト115の最下流端には、乗員の頭胸部(上半身)に向かって空調風として主に冷風を吹出すフェイス吹出口115aが開口している。更に、フット開口部には、フットダクト116が接続されて、このフットダクト116の最下流端には、乗員の足元部(下半身)に向かって空調風として主に温風を吹出すフット吹出口116aが開口している。
そして、各吹出口114a〜116aの内側には、例えば2つの吹出口切替ドア117、118が回動自在に取り付けられている。2つの吹出口切替ドア117、118は、サーボモータ等のアクチュエータ117a、118aによりそれぞれ駆動されて、吹出しモードをフェイスモード、バイレベルモード、フットモード、フットデフモード、またはデフロスタモードのいずれかに切替えるようになっている。吹出口切替ドア117、118のアクチュエータ117a、118aは、後述するエアコンECU180によって制御されるようになっている。
送風機120は、内外気切替え部110の下流側に設けられており、空調ダクト101と一体的に構成されたスクロールケースに回転自在に収容された遠心式ファン121、およびこの遠心式ファン121を回転駆動するブロワモータ122を有している。また、送風機120は、ブロワモータ122に供給する電流を、例えばデューティ制御することで、ブロワモータ122の回転数を無段階に調節するコントローラ120aを有している。そして、コントローラ120aは、後述するエアコンECU180によって制御されるようになっており、ブロワモータ122に印加されるブロワ端子電圧(以下、ブロワ電圧)に基づいて、ブロワ風量(遠心式ファン121の回転速度)が制御されるようになっている。
蒸発器130は、自身を通過する空気(空調用空気)を冷却する空気冷却作用および自身を通過する空気を除湿する空気除湿作用を行う冷却用熱交換器であり、空調ダクト101の空気通路の全面を塞ぐようにして送風機120の下流側に配設されている。尚、蒸発器130は、図示しない冷凍サイクル内に配設される熱交換器となっている。冷凍サイクルは、圧縮機、凝縮器、レシーバ、膨張弁、および蒸発器130が冷媒配管によって環状に接続されて形成される熱サイクルである。
ヒータコア140は、内部に図示しないエンジンを冷却した冷却水(温水)が流れ、この冷却水を暖房用熱源として空調用空気を加熱する加熱用熱交換器であり、空調ダクト101の空気通路を部分的に塞ぐようにして蒸発器130の下流側に配設されている。ヒータコア140は、蒸発器130で冷却された冷風を再加熱する。このヒータコア140自身の最大暖房能力は冷却水温度に比例し、冷却水温度が高い程、高くなる。空調ダクト101内には、ヒータコア140を迂回するバイパス通路141が形成されている。
エアミックスドア150は、ヒータコア140の上流側で回動自在に設けられた調節ドアであり、サーボモータ等のアクチュエータ150aにより駆動されるようになっている。エアミックスドア150は、回動された停止位置(開度SW)によって、蒸発器130で冷却された冷却空気に対して、ヒータコア140を通過する空気量と、バイパス通路141を通過する空気量との割合を調節して、車室内へ吹出す空気の吹出温度を調整するようになっている。エアミックスドア150の開度SWは、ヒータコア140の前面を完全に塞ぐ開度SW=0%から、バイパス通路141側を完全に塞ぐ開度SW=100%の間で、後述するエアコンECU180によって制御されるようになっている。
エアコン操作パネル160は、空調装置100の各部位113、117、118、120、150を乗員の希望の条件で作動させるための各種スイッチが設けられたパネルである。エアコン操作パネル160上の各種スイッチとは、冷凍サイクル(圧縮機)の起動および停止を指令するためのエアコンスイッチ、導入モードを切り替えるための導入口切替スイッチ、車室内の温度を所望の温度に設定するための温度設定スイッチ、送風機120のブロワ風量(オフ、オート、Lo、Me、Hi)を切替えるための風量切替スイッチ、吹出しモードを切り替えるための吹出口切替スイッチ、および空調装置100のエコ運転を選択するためのエコモードスイッチ等である。乗員によってエアコン操作パネル160の各スイッチから入力されたスイッチ信号は、後述するエアコンECU180に出力される。
各種センサ群171〜174は、車室内の空気温度(内気温度)に相当する内気温度信号を生成する内気温センサ171、車室外の空気温度(外気温度)に相当する外気温度信号を生成する外気温センサ172、車室内に照射される日射量に相当する日射量信号を生成する日射センサ173、および蒸発器130の下流側における空気温度に相当するエバ後温度信号を生成するエバ後温度センサ174等である。各種センサ群171〜174によって生成された各センサ信号は、後述するエアコンECU180に出力されるようになっている。
エアコンECU180は、本発明の制御部に対応するものであり、図示しないCPU、ROM、RAM等からなるマイクロコンピュータを備えている。エアコン操作パネル160から出力されるスイッチ信号、および各種センサ群171〜174から出力されるセンサ信号は、エアコンECU180内の図示しない入力回路によってA/D変換された後にマイクロコンピュータに入力されるように構成されている。エアコンECU180は、A/D変換された各種信号に基づいて、空調装置100の各部位113(113a)、117(117a)、118(118a)、122(120a)、150(150a)の作動を制御するようになっている。
そして、車両には、乗員の操作によって右左折時にウインカーライトを点滅させるための方向指示器11、および車両走行時の車速に相当する車速信号を生成する車速センサ12が設けられている。方向指示器11が作動されたことを示す方向指示信号、および車速センサ12による車速信号は、エアコンECU180に常時入力されるようになっている。方向信号、および車速信号の入力にあたっては、方向指示器11、および車速センサ12からエアコンECU180へ直接的に接続される信号線による通信、あるいはバス等を介した通信等によって行うことができる。
次に、上記構成に基づく空調装置100の作動について説明する。
(1)通常の空調制御
エアコンECU180は、内気温センサ171から得られる内気温度信号、外気温センサ172から得られる外気温度信号、日射センサ173から得られる日射量信号、およびエアコン操作パネル160から得られる設定温度信号に基づいて、空調用空気に対して、目標とする目標吹出し温度TAOを算出する。また、目標吹出し温度TAOに基づいて、蒸発器130の下流側における目標エバ後温度TEOを算出する。内気温度信号、外気温度信号、日射量信号、および設定温度信号は、本発明の空調環境条件に対応する。
そして、エアコンECU180は、目標吹出し温度TAOに基づいて、予め記憶されたマップから導入モードを決定して、アクチュエータ113aを駆動させることで、内外気切替ドア113の回動位置を制御し、決定した導入モードとなるように、各導入口111、112のいずれかを開状態とする。
また、エアコンECU180は、目標吹出し温度TAOに基づいて、予め記憶されたマップから送風機120のブロワ風量(ブロワ電圧)を決定し、決定したブロワ風量となるように、コントローラ120aによってブロワモータ122の回転速度を制御する。
また、エアコンECU180は、蒸発器130の下流側におけるエバ後温度が目標エバ後温度TEOとなるように、冷凍サイクルにおける圧縮機の吐出量を制御する。
また、エアコンECU180は、吹出し空気温度が目標吹出し温度TAOとなるように、アクチュエータ150aを駆動させることで、エアミックスドア150の回動位置(開度SW)を制御する。つまり、エアミックスドア150の回動位置を制御することで、蒸発器130で冷却された冷却空気に対して、ヒータコア140を通過する空気量と、バイパス通路141を通過する空気量との割合を調節し、吹出し空気の温度を調整する。
また、エアコンECU180は、目標吹出し温度TAOに基づいて、予め記憶されたマップから吹出しモードを決定して、アクチュエータ117a、118aを駆動させることで、各吹出口切替ドア117、118の回動位置を制御し、決定した吹出しモードとなるように、各吹出口114a、115a、116aのいずれかを開状態とする。
尚、乗員によるエアコン操作パネル160での各種スイッチ入力がされた場合は、入力によって選択された条件となるように、エアコンECU180は、空調装置100の各部位の作動状態を切替える。
(2)騒音低減制御
上記のような空調制御を実施するなかで、本実施形態では、エアコンECU180は、方向指示器11における方向指示信号、および車速センサ12による車速信号に基づき、内外気切替え部110による導入モード、および送風機120による送風量の制御をすることで、車室内の騒音低減を図る(騒音低減制御を実行する)ようになっている。以下、騒音低減制御の内容について、図2を用いて説明する。
まず、ステップS100で示すように、エアコンECU180は、方向指示器11による方向指示信号が発生されているか否かを判定する。そして、ステップS100で、肯定判定、つまり方向指示信号の発生があると判定するとステップS110に進み、否定判定するとステップS140に進む。
ステップS110では、エアコンECU180は、車速センサ12からの車速信号から、現在の車速が、予め定めた所定車速以下であるか否かを判定する。そして、ステップS110で、肯定判定、つまり、車速が所定車速以下であると判定するとステップS120に進み、否定判定するとステップS140に進む。ここで、所定車速というのは、車両が一旦停止している、あるいは徐行していることを判定するための車速としており、例えば、車速0km/h、あるいは数km/h程度の速度として設定することができる。
ステップS120では、エアコンECU180は、内外気切替え部110による導入モードを、外気導入モードに切替える。尚、通常の空調制御によって外気モード設定がされている場合は、そのままとする。
更に、ステップS130で、エアコンECU180は、送風機120の風量を予め定めた所定風量以下となるように、ブロワモータ122に印加するブロワ電圧を低下させて、ブロワモータ122(遠心式ファン121)の回転速度を低下させる。ここで、所定風量というのは、車室内において、乗員が送風機120による送風音が気にならず、車両外部の音が充分に聞こえるようになるレベルの風量となっている。
このように、エアコンECU180は、方向指示信号の入力があり、且つ、車速が所定車速以下であると、導入モードを外気導入モードに切替えると共に、送風機120の風量を所定風量以下に低下させるのである。
尚、ステップS100、およびステップS110で共に否と判定した場合は、通常の空調制御を継続するようにしており、ステップS120のような導入モードの切替えは実施せず(ステップS140)、また、ステップS130のような風量低下の変更は実施しない(ステップS150)ようになっている。
以上のように、本実施形態では、エアコンECU180は、方向指示信号の入力があり、且つ、車速信号による速度が所定速度よりも低いと、車両は、一旦停止して徐行しながら右折あるいは左折しようとする状態であると判定することができる。このような場合では、乗員(運転者)は、目視による左右確認に加えて、耳によって外部の音も聞くことで、周りの状況を判断しようとする。
このとき、エアコンECU180は、内外気切替え部110による空調用空気の導入を外気導入に切替えるようにしているので、空調用空気が車両の外部から導入されることとなり、空調用空気の導入音を低減することができる。これに加えて、送風機120の風量を所定風量よりも低下させることで、車室内に吹出される空調用空気の送風音を低減することができる。よって、乗員は、外部の音をより聞きやすくなり、周りの状況をより確実に把握することができるようになるので、安全運転に繋げることが可能となる。
(第2実施形態)
第2実施形態について図3を用いて説明する。第2実施形態の空調装置100の構成は上記第1実施形態と同一であるが、騒音低減制御の内容を変更している。図3のフローチャートは、図2のフローチャートに対して、ステップS115、S160、S170を追加したものとなっている。
図3に示すように、エアコンECU180は、ステップS110で肯定判定をした後に、ステップS115で、吹出しモードがデフロスタモードであるか否かを判定する。ステップS115で、肯定判定するとステップS160、S170に進み、否定判定するとステップS120、S130に進む。尚、デフロスタモードは、デフロスタ吹出口114aが開口されて、フロントウインドウ31に空調された空気が送風されることで、フロントウインドウ31の曇りを除去するモードである。
そして、ステップS160では、デフロスタモードを維持した状態で、ステップS120のような導入モードの切替えは実施せず、また、ステップS170では、ステップS130のような風量低下の変更は実施しないようになっている。
このように本実施形態では、吹出しモードが、デフロスタモードの場合であると、フロントウインドウ31の曇りを除去しようとするモードであるので、この場合は、騒音低減制御による送風機120の風量低下を行うと、フロントウインドウ31の曇り除去に時間がかかることになってしまう。つまり、逆に安全運転を阻害してしまうので、この場合は、騒音低減制御を禁止して、デフロスタモードを優先して継続するようにしている。
(第3実施形態)
第3実施形態について図4を用いて説明する。第3実施形態の空調装置100の構成は上記第1実施形態と同一であるが、騒音低減制御の内容を変更している。図4のフローチャートは、図2のフローチャートに対して、ステップS116、S180、S190を追加し、ステップS130をステップS131に変更したものとなっている。本実施形態では、各吹出しモードに対して、特に、フェイスモードとフットモードに対して、より効果的な騒音低減を図るものとしている。
図4に示すように、エアコンECU180は、ステップS110で肯定判定をした後に、ステップS116で、現在の吹出しモードがどの吹出しモードになっているかを判定する。ステップS116で、フェイスモードであると判定するとステップS180、S190に進み、フットモードであると判定するとステップS120、S131に進み、その他のモードであると判定するとステップS140、S150に進む。
そして、ステップS180では、導入モードを外気モードに切替え、ステップS190では送風機120の風量を第1所定風量以下となるようにする。また、ステップS120では、導入モードを同様に外気モードに切替え、ステップS131では、送風機120の風量を第2所定風量以下となるようにする。また、ステップS140では、導入モードの切替えは実施せず、また、ステップS150では、風量低下の変更は実施しないようになっている。
ここで、第1所定風量は、第2所定風量よりも小さい値となるものとしている。つまり、吹出しモードがフェイスモードのときは、フットモードのときよりも、風量の低下度合が大きくなるようにしている。第1所定風量は、乗員の耳により近いフェイス吹出口115aから聞こえる送風音が気にならないレベルとなる風量である。また、第2所定風量は、第1所定風量よりも大きい風量であるが、乗員の耳からは遠いフット吹出口116aから聞こえる送風音が気にならないレベルとなる風量である。
このように、フェイスモードの場合は、空調された空気が乗員の胸頭部(上半身)に向けて吹出されることから、フットモードのように空調空気が乗員の足元部(下半身)に向けて吹出される場合に比べて、送風音がより顕著に聞こえるものとなる。よって、本実施形態では、フェイスモードの場合は、フットモードの場合よりも送風機120の風量の低下度合を大きくすることで、送風音の低減効果を大きくして、フットモードの場合と同様に外部の音を聞きやすくすることができる。
(その他の実施形態)
本発明においては、上記第2実施形態と、第3実施形態とを組み合わせて、デフロスタモード、フェイスモード、およびフットモードに応じた騒音低減制御を行うようにしてもよい。
また、車両にオーディオ機器が設けられ、オーディ機器が作動されている場合に、騒音低減制御として、外気導入モードへの切替え、および送風機120送風量低下に加えて、オーディオ機器のボリュームを低下させるものとしてもよい。
11 方向指示器
12 車速センサ
100 車両用空調装置
110 内外気切替え部
120 送風機
180 エアコンECU(制御部)

Claims (3)

  1. 空調用空気として車両の内気あるいは外気の導入を選択的に切替える内外気切替え部(110)と、
    導入した前記内気あるいは前記外気を車室内に送風する送風機(120)と、
    前記内外気切替え部(110)、および前記送風機(120)の作動を制御すると共に、前記空調用空気の温度調節、および前記車室内への吹出しの制御を行う制御部(180)とを備える車両用空調装置において、
    前記制御部(180)には、前記車両の方向指示器(11)の作動に伴う右左折時の方向指示信号、および前記車両の車速センサ(12)によって得られる車速信号が入力されるようになっており、
    前記制御部(180)は、前記方向指示信号の入力があり、且つ、前記車速信号による速度が予め定めた所定速度よりも低いと、前記内外気切替え部(110)による前記空調用空気の導入を前記外気の導入に切替えると共に、前記送風機(120)の風量を予め定めた所定風量よりも低下させる騒音低減制御を実行することを特徴とする車両用空調装置。
  2. 温度調節された空気を前記車室内に吹出す際の吹出しモードが、前記車両のフロントウインドウ(31)に向けて吹出すデフロスタモードであると、
    前記制御部(180)は、前記騒音低減制御を禁止することを特徴とする請求項1に記載の車両用空調装置。
  3. 前記制御部(180)は、空調環境条件に応じて前記空調用空気に対する目標吹出し温度(TAO)を決定し、前記目標吹出し温度(TAO)に応じて、温度調節された空気を前記車室内に吹出す際の吹出しモードを決定するようになっており、
    前記温度調節された空気を乗員の上半身に向けて吹出すフェイスモードの場合は、乗員の下半身に向けて吹出すフットモードの場合よりも、前記送風機(120)の風量の低下度合を大きくすることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の車両用空調装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN113581160A (zh) * 2021-08-27 2021-11-02 恒大恒驰新能源汽车研究院(上海)有限公司 一种车辆控制方法、装置及电子设备
JP2023011010A (ja) * 2018-04-04 2023-01-20 スズキ株式会社 車両用空調制御装置

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JP2023011010A (ja) * 2018-04-04 2023-01-20 スズキ株式会社 車両用空調制御装置
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