JP6645145B2 - カム研削装置、およびカム研削方法 - Google Patents

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Description

本発明は、カム研削装置、およびカム研削方法に関する。詳細には、カムリフト量と位相角が異なる2つのカムが軸方向に隣接して配設される複合カムの研削装置、およびカム研削方法に関する。
内燃機関のシリンダへの吸入および排気は、バルブ(弁)の開弁作動により行われる。このバルブの開弁作動は回転するカムの作動により行われる。
バルブの開弁作動は、内燃機関の出力向上等の観点から、内燃機関の低速回転時と高速回転時とで異ならせる開弁作動制御が行われている。
その制御方法の一つとして、バルブを作動させるカムとして、低速用の第1カムと、高速用の第2カムとを設けて、内燃機関の回転数に応じて適宜第1カムと第2カムとを選択して、バルブの開弁制御を行うものがある。この場合、第1カムと第2カムとの切替え選択は、バルブのタペットと第1カムおよび第2カムとが相対的に軸方向に接触移動することにより行われる。
図13〜図15は低速用の第1カム112と、高速用の第2カム114の配置関係を示す概略図である。この概略図からも分かるように、一般的には、低速用の第1カム112の最大リフト高さは低くされており、高速用の第2カム114の最大リフト高さは第1カム112に比べ高くされている。また、両カム112,114の位相角は回転方向(図13の矢印方向)に対して、高速用の第2カム114は低速用の第1カム112に比べ早い位相、すなわち、バルブの開弁作動が早く行われるようになっている。このため、図13に示すように、高速用の第2カム114のリフト高さ方向のカム輪郭と、低速用の第1カム112のリフト高さ方向のカム輪郭とは、角度方向において相互にずれた位置にあり、カム軸方向から見た場合、相互にはみ出した位置関係にある。
図14および図15に示されるように、低速用の第1カム112と高速用の第2カム114は軸方向に隣接して配設されている。すなわち、両カムは複合カム110として配設されている。この場合、低速用の第1カム112および高速用の第2カム114とも、ベース円部はカム軸中心から一定の半径rで形成されている。両カムのベース円部が重なった一定の角度範囲が共通ベース円部Cとなっている。この共通のベース円部Cの範囲において、前述のタペットと第1カム112および第2カム114の間の相対的接触移動が行われる。
低速用の第1カム112と高速用の第2カム114からなる複合カム110のカム研削は、カム研削装置において砥石T(図14および図15参照)により通常行われる。この複合カム110の研削は、第1カム112と第2カム114の一方のカムをプランジ研削した後、他方のカムをプランジ研削する。
例えば、図14と図15の場合は、先に、低速用の第1カム112の研削が行われ、後で、高速用の第2カム114の研削が行われる場合である。この場合、第1カム112の研削は、砥石Tにより、予め設定された低速用の第1カム112のカムリフトデータに基づいて行われる。その後、砥石Tを高速用の第2カム114に対応する位置に移動させて、第2カム114を砥石Tにより、予め設定された低速用の第1カム112のカムリフトデータに基づいて行う。この様にして複合カム110の研削はカム研削装置により行われる。
独国特許発明第10333916号明細書 特開平4−13560号公報
上述した複合カム110のカム研削装置による砥石Tの研削においては、図15に示すように、第1カム112と第2カム114の共通ベース円部の範囲における第1カム112と第2カム114との境界部に研削残しの研削残部Fが生じる問題がある。図14および図15に示す研削残部Fの図示は、理解を容易とするために誇張して図示されている。具体的には研削残部Fは数μm(ミクロン)のオーダである。
共通のベース円部Cの範囲における第1カム112と第2カム114との境界部に研削残部Fがあると、前述したタペットが第1カム112および第2カム114との間を相対移動する際、この研削残部Fを乗り越えて行われることになる。このため、その作動がスムースに行われなく、バルブの開弁制御に影響を及ぼすことになる。このため、砥石Tの成形頻度を早くする必要があった。
上述した研削残部Fが生じる問題を具体的に説明する。通常、図14および図15に示すように砥石Tの軸方向幅は、低速用の第1カム112および高速用の第2カム114の軸方向幅より幅広とされている。砥石Tの研削面側の両端Ta,Tbは、ワークであるカムの研削を行うことにより、いわゆる研磨ダレが生じる。すなわち、中央部に比べ両端Ta,Tbの摩耗の進行が早くダレが生じる。
このため、今、図14に示すように低速用の第1カム112をプランジ研削を行う場合、砥石Tはその右端Taを第1カム112と第2カム114の境界部に合わせて位置させる。このことから砥石Tの左端Tbは、第1カム112の左側よりはみ出した位置状態となる。これにより、砥石Tの左端Tbのダレは第1カム112の研削に影響を与えることはない。しかし、砥石Tの右端Taのダレは第1カム112と第2カム114の境界部における第1カム側の研削に影響を与え、研削残部Fを残す。図14において黒く塗り潰した箇所が研削残部Fである。なお、図14および図15において第1カム112および第2カム114の研削代を仮想線で示したが、これも理解を容易とするため誇張して図示されている。
次に、第1カム112の研削を終えた後、図15に示すように、砥石Tを第2カム114の位置に相対的に移動させて、第2カム114を砥石Tによりプランジ研削する。このプランジ研削においては、砥石Tはその左端Tbを第1カム112と第2カム114の境界部に合わせて位置させる。このことから砥石Tの右端Taは、第2カム114の右側よりはみ出した位置状態となり、砥石Tの右側のダレは第2カム114の研削に影響を与えることはない。しかし、砥石Tの左端Tbのダレは第1カム112と第2カム114の境界部における第2カム側の研削に影響を与え、研削残部Fを残す。この研削残部Fは、図14の第1カム112の研削残部Fと共に、図15において黒く塗り潰して示したが、第1カム112と第2カム114の境界部の位置に残る。
而して、本発明は上述した点に鑑みて創案されたものであって、本発明が解決しようとする課題は、カムリフト高さが異なる複合カムの第1カムと第2カムにおける共通ベース円部の境界部に生じる研削残部を、第1カムと第2カムの輪郭を包含する仮想の中間カムを創生して、この中間カムの研削により削除することにある。
上記課題を解決するため、本発明は次の手段をとる。
請求項1に係る発明のカム研削装置は、複合カムは、軸中心から外周面までのリフト高さが一定の第1半径で形成される第1ベース円部と、前記軸中心から外周面までのリフト高さが変化する第1カム部と、を有する第1カムと、前記軸中心から外周面までのリフト高さが一定の前記第1半径で形成される第2ベース円部と、前記軸中心から外周面までのリフト高さが変化する第2カム部と、を有する第2カムと、を有し、前記第1カムと前記第2カムは、同軸となるように軸方向に隣接して配設されており、かつ、互いに異なる第1カムリフトデータと第2カムリフトデータとを有し、さらに、前記第1ベース円部の外周面の少なくとも一部と前記第2ベース円部の外周面の少なくとも一部とが同一面の共通ベース円部となっており、前記複合カムを研削する、カム研削装置である。
そして、当該カム研削装置は、ベースとなる基台と、前記基台上に載置され、前記複合カムを前記軸中心回りに回転可能に支持するワーク回転装置を備えた主軸装置と、前記基台上に載置され、回転する砥石を備えた砥石装置と、前記複合カムに対して前記砥石を相対的に前記軸方向に往復移動可能なトラバース移動装置と、前記複合カムに対して前記砥石を相対的に前記軸方向と交差する方向に移動可能なプランジ移動装置と、前記ワーク回転装置、前記トラバース移動装置、および前記プランジ移動装置を制御する制御装置と、を備える。
そして、更に、前記制御装置は、前記第1カムにおける回転角度に対するリフト量が設定された前記第1カムリフトデータと、前記第2カムにおける回転角度に対するリフト量が設定された前記第2カムリフトデータと、に基づいて、前記第1ベース円部の外周面の少なくとも一部と前記第2ベース円部の外周面の少なくとも一部が同一面となる共通ベース円部の角度範囲を求める、共通ベース円部設定部と、前記第1カムリフトデータと、前記第2カムリフトデータに基づいて、前記カム軸方向から見た前記第1カムの輪郭と前記第2カムの輪郭を包含し、前記共通ベース円部の角度範囲を含む仮想の中間カムの中間カムリフトデータを創生する中間カムリフトデータ創生部と、前記プランジ移動装置と前記トラバース移動装置を制御して、前記第1カムの外周面に対向する位置に前記砥石を移動させ、前期第1カムリフトデータに基づいて前記ワーク回転装置と前記プランジ移動装置を制御して、前記第1カムを研削する、第1カム研削部と、前記第1カム研削後、前記複合カムに対して前記砥石が後退した状態で、前記トラバース移動装置を制御して前記第2カムの外周面に対向する位置に前記砥石を移動させ、前記第2カムリフトデータに基づいて前記ワーク回転装置と前記プランジ移動装置を制御して前記第2カムを研削する、第2カム研削部と、前記第2カム研削後、前記複合カムに対し前記砥石が後退した状態で、前記トラバース移動装置を制御して、前記両カムの境界に対応する位置まで前記砥石を移動させ、前記中間カムリフトデータに基づいて前記ワーク回転装置と前記プランジ移動装置を制御して、前記両カムの境界にある前記仮想の中間カムを研削する中間カム研削部と、を有する。
上述した請求項1に係る発明によれば、複合カムの第1カムと第2カムの砥石による研削を第1カム研削部および第2カム研削部により行うと、前述の「本発明が解決しようとする課題」で説明したように、両カムの共通ベース円部の境界部には、研削残部が残る。当該本発明は、この研削残部を次のようにして削除する。
先ず、当該本発明は、第1カムの第1リフトデータと、第2カムの第2リフトデータとに基づいて、カム軸方向から見た前記第1カムの輪郭と第2カムの輪郭を包含する仮想の中間カムのリフトデータを創生する。したがって、この仮想の中間カムのリフトデータには、問題となる研削残部が残る第1カムと第2カムの共通ベース円部の角度範囲を含んでいる。
そして、第1カムと第2カムの研削を終了後、中間カムのリフトデータに基づいて、両カムの境界にある仮想の中間カムの研削を行うことにより、境界部の研削残部を削除する。
次に、請求項2に係る発明のカム研削装置は、前述の請求項1に記載のカム研削装置であって、前記第1カム研削部および前記第2カム研削部における前記第1カムの研削および第2カムの研削は、粗研削、精研削、スパークアウトからなっている。
上述した請求項2に係る発明によれば、カム研削時間の短縮化を図ることができると共に、カムの研削を精度良く行うことができる。
なお、前述した各請求項に係る発明のカム研削装置によれば、当該装置により下記する請求項3に係る発明のカム研削方法をとることができ、上述した本発明の課題を解決することができる。
先ず、請求項3に係る発明のカム研削方法は、複合カムは、軸中心から外周面までのリフト高さが一定の第1半径で形成される第1ベース円部と、前記軸中心から外周面までのリフト高さが変化する第1カム部と、を有する第1カムと、前記軸中心から外周面までのリフト高さが一定の前記第1半径で形成される第2ベース円部と、前記軸中心から外周面までのリフト高さが変化する第2カム部と、を有する第2カムと、を有し、前記第1カムと前記第2カムは、同軸となるように軸方向に隣接して配設されており、かつ、互いに異なる第1カムリフトデータと第2カムリフトデータを有し、さらに、前記第1ベース円部の外周面の少なくとも一部と前記第2ベース円部の外周面の少なくとも一部とが同一面の共通ベース円部となっており、前記複合カムを研削する、カム研削方法である。
そして、前記第1カムにおける回転角度に対するリフト量が設定された前記第1カムリフトデータと、前記第2カムにおける回転角度に対するリフト量が設定された前記第2カムリフトデータと、に基づいて、前記第1ベース円部の外周面の少なくとも一部と前記第2ベース円部の外周面の少なくとも一部が同一面となる共通ベース円部の角度範囲を求める、共通ベース円部設定工程と、前記第1カムリフトデータと、前記第2カムリフトデータに基づいて、前記カム軸方向から見た前記第1カムの輪郭と前記第2カムの輪郭を包含し、前記共通ベース円部の角度範囲を含む仮想の中間カムの中間カムリフトデータを創生する中間カムリフトデータ創生工程と、前記第1カムの外周面に対向する位置に前記砥石を移動させ、前記第1カムリフトデータに基づいて前記砥石により前記第1カムをプランジ研削する、第1カム研削工程と、前記第1カム研削後、前記複合カムに対して前記砥石が後退した状態で前記第2カムの外周面に対向する位置に前記砥石を移動させ、前記第2カムリフトデータに基づいて前記砥石により前記第2カムをプランジ研削する、第2カム研削工程と、前記第2カム研削後、前記複合カムに対し前記砥石が後退した状態で、前記両カムの境界に対応する位置まで前記砥石を移動させ、前記中間カムリフトデータに基づいて前記両カムの境界にある前記仮想の中間カムを研削する中間カム研削工程と、を有する。
上述した本発明のカム研削方法においても、前述したカム研削装置の場合と同様に、第1カムと第2カムの研削において、両者の境界部に生じる研削残部を削除することができる。
上述した装置の本発明によれば、カムリフト高さが異なる複合カムの第1カムと第2カムにおける共通ベース円部の境界部に生じる研削残部を、第1カムと第2カムの輪郭を包含する仮想の中間カムを創生して、この中間カムの研削により削除することができる。
さらに、第1カムのカム高さ方向のカム輪郭と、第2カム高さ方向のカム輪郭とは、角度方向に相互にずれた位置にあり、カム軸方向から見た場合、相互にはみ出した位置関係にあっても、研削残部を中間カムの研削により確実に研削できる。
本実施形態が対象とする複合カムをカム軸線方向から見た概略図である。 同複合カムを構成する第1カムと第2カムをカム軸線に直交する方向から見た側面図である。 複合カム図14を選択的に制御するカム制御機構の一例を示す実施形態の斜視図である。 カム研削装置の平面図である。 カム研削装置の右側面図である。 制御装置の制御機能を示すブロック図である。 制御装置による本実施形態の工程フローである。 第1カム研削工程の詳細工程フローである。 第2カム研削工程の詳細工程フローである。 第1カム研削の説明図である。 第2カム研削の説明図である。 中間カム研削の説明図である。 従来技術を説明するための複合カムをカム軸線方向から見た概略図である。 同複合カムを構成する第1カムと第2カムをカム軸線に直交する方向から見た側面図であり、第1カムを研削する状態図である。 同第2カムを研削する状態図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
先ず、本実施形態が対象とする複合カム10について説明する。図1は複合カム10をカム軸線x方向から見た概略図である。図2は複合カム10を構成する第1カム12と第2カム14をカム軸線xに直交する方向から見た側面図で示し、それぞれ最大のリフト高さ位置で図示した図である。
本実施形態の複合カム10は図2に示すように第1カム12と第2カム14とが軸方向に隣接して配設されて構成されている。本実施形態では、第1カム12は低速用のカム、第2カム14は高速用のカムとなっている。低速用の第1カム12の最大リフト高さは、高速用の第2カム14の最大リフト高さより低くなっている。なお、図2に示されるように、低速用の第1カム12と高速用の第2カム14の軸方向xの幅形成は同じとされている。すなわち、第1カム12の幅E1と第2カムの幅E2は同じとされている。
図1に示されるように、低速用の第1カム12と高速用の第2カム14の位相角は異なっている。内燃機関の回転方向(図1の矢印方向)に対して、高速用の第2カム14は低速用の第1カム12より早い位相となっている。これにより、内燃機関のバルブの開弁作動は、第1カム12より第2カム14の方が早く行われる。なお、本実施形態では、高速用の第2カム14のリフト高さ方向のカム輪郭と、低速用の第1カム12のリフト高さ方向のカム輪郭とは、角度方向において相互にずれた位置にあり、カム軸線方向から見た場合、相互にはみ出した位置関係にある。なお、はみ出すことなく他方のカム輪郭が一方のカム輪郭内にある場合でも、最大カム高さ位置の位相が異なっていてもよい。
図1に示すように、第1カム12と第2カム14のそれぞれのカム外形形状は、カム軸心xから一定の第1半径rで形成される第1ベース円部と、この第1ベース円部以外のカム高さ変化輪郭部とからなっている。図1では第1カム12の第1ベース円部をC1で示し、カム高さ変化輪郭部をD1で示した。同様に第2カム14の第2ベース円部をC2で示し、カム高さ変化輪郭部をD2で示した。第1カム12と第2カム14はカム高さと位相角が異なっていることから、第1ベース円部C1と、第2ベース円部C2の範囲も異なっており、両カム12,14の第1ベース円部C1と,第2ベース円部C2が重なり合う同一面部分が共通ベース円部Cとして図1に示されている。
図3は上述した複合カム10を備えたカム軸18における第1カム12と第2カム14を選択的に制御するカム制御機構16の一例を示す実施形態である。カム軸18に第1カム12と第2カム14が配設されており、この第1カム12と第2カム14はそれぞれのバルブ(弁)20に対して配設され互いに一体化して、複合カム10を構成している。本実施形態の場合は、2組の複合カム10がそれぞれカム軸18に対して一体回転可能で、かつ軸方向に移動可能とされている。
バルブ20はタペット22の揺動運動により上下動させられる。タペット22は第1カム12あるいは第2カム14との選択的接触により、当カム12,14により揺動させられる。詳細には、接触はタペット22に備えられたタペットローラ23とカム12,14の接触により行われる。このカム12,14とタペット22との選択的接触は、電磁ソレノイド等のアクチュエータ24のピン26と、複合カム10の側部に一体的に配設された螺旋溝形成体28との係合により行われる。螺旋溝形成体28には、その外周面に軸方向の螺旋溝が形成されており、この螺旋溝に前述のピン26が係合して、カム軸18、複合カム10の回転により、2組の複合カム10が軸方向に移動する。左右に配設される螺旋溝形成体28の螺旋溝は同方向に形成されており、例えば、一方の螺旋溝形成体28の螺旋溝へのピン26の係合により右方向に移動する。また、他方の螺旋溝形成体28の螺旋溝へのピン26の係合により右方向に移動する。これによりタペット22に接触するカムの位置が切替えられる。なお、アクチュエータ24による切替え作動は、タペット22と第1カム12および第2カム14との接触状態が、共通ベース円部Cのときに行われるようになっている。
次に、カム研削装置30を図4および図5により説明する。図4は平面図、図5は右側面図を示す。なお、図5は図4における心押し装置58の図示は省略されている。これらの図に記入されているX軸、Y軸、Z軸は互いに直交した状態を示している。Y軸方向は鉛直上向きの方向を示している。X軸方向とZ軸方向は互いに直交する水平方向を示している。
本実施形態のカム研削装置30は、上述した複合カム10を備えたワークWとしてのカム軸18を、回転支持して、円筒状の砥石Tにより研削するものである。カム研削装置30は、図4に示すように、キーボード等の入力装置32、モニタ等の表示装置34、テープリーダ等のデータ読込装置36、自動プログラミング装置38、数値制御装置40、ドライブユニット42,44,46、48、砥石装置50、ワーク支持装置52にて構成されている。
データ読込装置36は、入力装置32及び表示装置34を用いた作業者からの操作に従って、各種のデータを読み込む。この場合、研削対象の複合カム10の形状を特定するためのカムリフトデータと、砥石Tの径とを読み込む。本実施形態では、図1に示す位相とカムリフト高さが異なる2つのカムリフトデータが読み込まれる。すなわち、第1カム12の第1カムリフトデータと、第2カム14の第2カムリフトデータと、第1カム12の基準位相からの最大リフト時の位相までの角度と、第2カム14の基準位相からの最大リフト時の位相までの角度とが読み込まれている。第1カム12の基準位相と第2カム14の基準位相は同じ位相である。ここで、第1カムリフトデータと第2カムリフトデータは、円周方向に等間隔に設けられた複数の位相と複数のカムリフト高さを有する。
入力装置32には、表示装置34を見ながら作業者によって、詳細には、次のようなデータが入力される。すなわち、(a)第1カム12の幅E1,(b)第2カム14の幅E2、(c)砥石Tの幅G、径H、(d)空研削時における砥石Tの回転数m1、主軸74の回転数n1、砥石Tの切込み量J、(e)粗研削時における砥石Tの回転数m2、主軸74の回転数n2、砥石Tの切込み量K、(f)精研削時における砥石Tの回転数m3、主軸74の回転数n3、砥石Tの切込み量M、(g)スパークアウト時における砥石Tの回転数m4、主軸74の回転数n4、主軸74の回転量、(h)研削残部削除時における砥石Tの回転数m5、主軸74の回転数n5、主軸74の回転量、が入力される。なお、上記の(d)〜(g)のデータは、後述する第1カム研削工程、及び第2カム研削工程毎に入力され、自動プログラミング装置38によって第1カム研削工程のプログラムと、第2カム研削工程のプログラムが自動的に作られる。
カム研削装置30には、各種装置を載置するベースとなる基台54を備える。この基台54上には、ワークテーブル駆動装置66によってZ軸方向に往復移動可能なワークテーブル65と、砥石台駆動装置68にとってX軸方向に往復移動可能な砥石台70が載置されている。この本実施形態におけるワークテーブル駆動装置66が本発明のトラバース移動装置に相当し、砥石台駆動装置68がプランジ移動装置に相当する。
ワークテーブル65の上には、Z軸と平行であり、センタ72の中心を通る主軸回転軸線回りに回転する主軸74を備えた主軸装置56と、主軸回転軸線上に設けられたセンタ73を備えた心押し装置58とが載置されている。なお、主軸74は主軸駆動装置76によって回転可能となっている。この主軸駆動装置76が本発明のワーク回転装置に相当する。また、複合カム10を有するワークWとしてのカム軸18は、センタ72とセンタ73とで挟持される。なお、主軸74にはワークWとしてのカム軸18の回転位相と主軸74の回転位相を一致させるための位置決めピン78が設けられており、ワークWとしてのカム軸18には前記位置決めピン78が嵌合する嵌合部(図示省略)が形成されている。これにより、前記位置決めピン78と前記嵌合部とが嵌合するようにカム軸18が位置決めされて挟持される。
砥石台70の上には、モータ等の砥石駆動装置80によって回転する砥石Tが載置されている。本実施形態では、これらによって本発明の砥石装置50が構成されている。
数値制御装置40は、ドライブユニット42,44,46,48に制御信号を出し、各種の駆動装置68,76,66,80を駆動制御することにより各種装置を制御する。本実施形態の場合、数値制御装置40は、ドライブユニット42に制御信号を出し、砥石台駆動装置68を駆動制御することにより砥石台70のX軸方向の位置である砥石Tの進退位置を制御する。また、数値制御装置40は、ドライブユニット44に制御信号を出し、主軸駆動装置76を駆動制御することにより主軸74の主軸回転角度を制御する。また、数値制御装置40は、ドライブユニット46に制御信号を出し、ワークテーブル駆動装置66を駆動制御することによりワークテーブル65のZ軸方向の位置を制御する。また、ドライブユニット48に制御信号を出し、砥石駆動装置80を駆動制御することにより砥石Tの回転数を制御する。
なお、ドライブユニット44は主軸駆動装置76のエンコーダ76Eの検出信号から主軸74の実際の主軸回転角度を取り込んでフィードバック制御する。また、ドライブユニット42は砥石台駆動装置68のエンコーダ68Eの検出信号から砥石台70の実際のX軸方向の位置を取り込んでフィードバック制御する。また、ドライブユニット46はワークテーブル駆動装置66のエンコーダ66Eの検出信号からワークテーブル65の実際のZ軸方向の位置を取り込んでフィードバック制御する。
具体的には、ワークテーブル65の移動量は、エンコーダ66Eとドライブユニット46によって検出される。また、砥石台70のワークテーブル65側の移動量は、エンコーダ68Eとドライブユニット42によって検出され、指令信号である制御信号の移動量と、エンコーダとドライブユニットによる実際の移動量が一致すると、完了信号が数値制御装置へ送信される。
また、図5に示すように、複合カム10を有するカム軸18自体の軸中心であるワーク回転軸線PWが主軸74の回転軸である主軸回転軸線と一致するように、ワークWとしてのカム軸18はセンタ72とセンタ73との間に挟持されている。
また、本実施形態にて説明するカム研削装置30は、主軸回転軸線(図5の例ではワーク回転軸線PWと一致)と砥石Tの回転軸である砥石回転軸線PTは同一の水平面STM上にある。
次に、制御装置64の制御内容について説明する。制御装置64は図4に示す仮想線で囲む範囲内の構成要素により構成される。制御装置64は第1カム12および第2カム14の研削を行う各駆動装置を制御する。すなわち、ワーク回転装置としての主軸駆動装置76、トラバース移動装置としてのワークテーブル駆動装置66、およびプランジ移動装置としての砥石台駆動装置68を制御する。
制御装置64には、図6に示すように、上記各駆動装置を制御するための各制御機能部を備える。すなわち、共通ベース円部設定部82、中間カムリフトデータ創生部90、第1カム研削部84、第2カム研削部86、中間カム研削部88を備える。
共通ベース円部設定部82は、第1カム12と第2カム14の共通ベース円部Cを、後述の制御工程フローにおける共通ベース円部設定工程のプログラムにより設定する機能部である。
中間カムリフトデータ創生部90は、中間カムリフトデータの創生を、後述の制御工程フローにおける中間カムリフトデータ創生工程のプログラムにより設定する機能部である。
第1カム研削部84は、第1カム12の研削を後述の第1カム研削工程のプログラムにより行う機能部である。第2カム研削部86は、第2カム14の研削を、後述の第2カム研削工程のプログラムにより行う機能部である。
中間カム研削部88は、前述により設定した仮想の中間カムの研削を、後述の中間カム研削工程のプログラムにより行う機能部である。
次に、上記各機能部を用いて上記各駆動装置を作動制御する制御工程フローの本実施形態を、図7により説明する。
本実施形態は、図7の制御工程フローに示すように、先ず、ステップS10において、前述もしたように図1に示す第1カム12の外形輪郭および第2カム14の外形輪郭を表す第1カムリフトデータおよび第2カムリフトデータが読み込まれる。
次に、ステップS11の共通ベース円部設定工程で、第1カム12と第2カム14との共通ベース円部Cを求める。これは図1に示す第1カム12における位相に対するカムリフト高さ(リフト量)が設定された第1カムリフトデータと、第2カム14における位相に対するカムリフト高さ(リフト量)が設定された第2カムリフトデータとから求められる。図1に示す第1カムの第1ベース円部C1の外周面と、第2カム14の第2ベース円部C2の外周面において、半径rの共通面となる角度範囲を共通ベース円部Cとして求める。なお、このステップS11の共通ベース円部設定工程は、次の中間カムリフトデータ創生工程の前に行う。
次に、ステップS12の中間カムリフトデータ創生工程で、仮想の中間カム15(図1参照)のカムリフトデータを創生する。この中間カム15の創生は、前述した第1カムリフトデータと第2カムリフトデータに基づいて、カム軸方向から見た第1カムの輪郭と第2カムの輪郭を包含する仮想の中間カムの中間カムリフトデータを創生する。両カムリフトデータの基準位相を一致させた状態で、同位相の2つのカムリフト高さのうち大きい方を選択することにより、中間カム15のカムリフトデータを創生する。このカムリフトデータを使って、スプライン曲線を作成し、スムーズ化した新たな位相とカムリフト高さからなるカムリフトデータを作成しても良い。中間カムリフトデータは、前述の共通ベース円部のカムリフトデータを含む。なお、このステップS12の中間カムリフトデータ創生工程は、後述する第2カム研削工程の終了するまでに行えばよい。
次に、ステップS13の第1カム研削工程で、第1カム12の研削を行う。図10は第1カム研削工程の研削状態の概略図を示す。砥石Tは、ワークテーブル駆動装置66と砥石台駆動装置68が制御装置64の制御により、第1カム12の外周面に対向する位置に移動させられる。そして、主軸駆動装置76と砥石台駆動装置68を制御装置64により制御して第1カム12をプランジ研削する。
図8は第1カム研削工程S13の詳細工程フローを示す。図8に示されるように、第1カム12の研削は、位置決めS31、空研削S32、粗研削S33、精研削S34、スパークアウトS35、砥石台後退S36の順に行われる。位置決めS31は、図10のトラバース方向(図10で見て左右方向)において、第1カム12の右端が砥石Tの右端と対応する位置となるようにワークテーブル65を右進させる。そして、プランジ方向(図10で見て上下方向)において、複合カム10の軸線xから半径r+空研削の切込み量J+粗研削の切込み量K+精研削の切込み量Mだけ砥石台70側へ離れた位置へ砥石Tが位置するよう砥石台70を前進させる。
上記の位置決めS31によって、図10に示すトラバース方向(左右方向)において、第1カム12の右端に砥石Tの右端が位置決めされる。また、プランジ方向(上下方向)において、第1カム12に対して砥石Tが空研削の切込み量Jだけ離れた位置に位置決めされる。空研削によって、砥石Tは空研削の切込み量Jだけプランジ方向に移動し、砥石Tは第1カム12の外周面と接触状態となる。この状態から、粗研削によって、砥石Tは粗研削の切込み量Kだけプランジ方向に前進し、粗研削を行う。更に、精研削によって、砥石Tは精研削の切込み量Mだけプランジ方向に前進し、精研削を行う。その後、主軸74が所定の回転量に達するまでスパークアウトを行う。以上の研削が終わったら、次の第2カム研削工程S15のため、プランジ方向において、切込み量J+切込み量K+切込み量Mで算出された値だけ砥石台70を後退させる。
図7に戻り、上記の第1カム研削工程S13の終了後、ステップS14のトラバース移動が行われる。トラバース移動は、砥石Tを図10の位置から図11に示す位置への移動である。これは、トラバース方向において、砥石Tの幅Gだけワークテーブル65を右進させる移動である。
その後、ステップS15の第2カム研削工程が行われる。第2カム研削工程S15は第2カム14の研削を行う。図11は第2カム研削工程S15の研削状態を示す。砥石Tは、ワークテーブル駆動装置66と砥石台駆動装置68が制御装置64の制御により、図11に示す矢印の経路により、第2カム14の外周面に対向する位置に移動させられる。そして、主軸駆動装置76と砥石台駆動装置68を制御装置64により制御して第2カム14をプランジ研削する。
図9は第2カム研削工程S15の詳細工程フローを示す。図9に示されるように、第2カム14の研削は、位置決めS41、空研削S42、粗研削S43、精研削S44、スパークアウトS45の順に行われる。位置決めS41は、前述のトラバース移動S14により当該第2カム研削工程S15の砥石Tの位置決めが行われる。この位置決めS41によって、トラバース方向において、第2カム14の左端に砥石Tの左端が位置する。また、プランジ方向において、第2カム14に対して砥石Tが空研削の切込み量Jだけ離れた位置にある。空研削S42によって、砥石Tは空研削の切込み量Jだけプランジ方向に前進させる。粗研削S43によって、砥石Tは粗研削の切込み量Kだけプランジ方向に前進させる。精研削S44によって、砥石Tは精研削の切込み量Mだけプランジ方向に前進させる。その後、スパークアウトS45によって、主軸74が所定の回転量に達するまでスパークアウトを行う。以上の研削が終わったら、砥石台後退S46で切込み量Jだけ砥石台70を後退させる。
なお、上記における第1カム研削工程S13及び第2カム研削工程S15における空研削時の切込み量Jは、次のとおりである。当該第空研削時の切込み量Jは、第1カム12又は第2カム14の最大リフト量より大きく、空研削前の砥石台70の位置で、ワークテーブル65をトラバースさせても、砥石Tと第1カム12、第2カム14が干渉しない量である。すなわち、最大リフト量=リフトデータの最大値―リフトデータの最小値、である。また、リフトデータの最小値は、第1ベース円部C1、第2ベース円部C2の半径である。
また、第1カム研削工程S13及び第2カム研削工程S15における空研削、粗研削、精研削、スパークアウト時は、主軸74の回転角に連動して第1カムリフトデータあるいは第2カムリフトデータに基づき砥石台70を前進後退させる。この前進後退は、切込み量だけプランジ方向に前進させる動作と連動して行う。
なお、上述の第1カム研削工程S13及び第2カム研削工程S15のカム研削は、粗研削、精研削、スパークアウトの順で、3段階で行われる。これにより研削時間の短縮化を図ることができる。すなわち、精研削のみで行うこともできるが、研削時間がかかる。なお、スパークアウトはプランジ研削のような研削送りを有しない研削である。このスパークアウトを行う理由は、精研削において研削されたワークWには、その加工時に撓み変形が生じていることから、そのたわみ変形分を研削送りのない状態で研削を行い、たわみ変形を取り除き、研削精度を向上させるものである。
上述の第1カム研削工程S13および第2カム研削工程S15における砥石Tによる第1カム12および第2カム14のプランジ研削においては、「発明が解決しようとする課題」で説明したように第1カム12と第2カム14の境界部に研削残部Fが残る。その研削残部Fを黒く塗り潰して示した。なお、研削残部Fおよび第1カム12、第2カム14の仮想線で示す研削代は理解を容易とするため誇張して図示されている。
次に、上記の第2カム研削工程S15後、図7に示す中間カム研削工程S16で、第1カム12と第2カム14の境界部に残った上記の研削残部Fの研削を行い、削除する。
図9は中間カム研削工程の研削状態の概略図を示す。本実施形態においては、中間カム15の仮想の設定位置は、軸方向で見て、第1カム12と第2カム14との両者に跨る中間位置とする。この中間位置は、第1カム12と第2カム14との境界部に生じる研削残部F箇所を含む位置である。
ワークテーブル駆動装置66を制御装置64の制御により、砥石Tの位置を、中間カム15の仮想の設定位置に対応する位置とする。そして、主軸駆動装置76と砥石台駆動装置68を制御して、砥石台70を切込み量Jだけプランジ方向に前進させ、中間カム15の中間カムリフトデータに基づき主軸74の回転角に連動して砥石台70を前進後退させる。中間カム15の研削はスパークアウト研削として行う。このスパークアウト研削と併せて境界部の研削残部Fを削除する研削を行う。又、スパークアウト研削は、第1カム12の一部と第2カム14の一部を研削するものであり、主軸74が数回転連続して行われるので両カムの境界部における研削残部Fが確実に削除されるメリットがある。
中間カムリフトデータに基づき主軸74の回転角に連動して砥石台70と前進後退させると同時に砥石台70を切込み量Jだけプランジ方向に後退させ、中間カム15のスパークアウト研削が終了する。
上述した本実施形態によれば、第1カム研削工程S13および第2カム研削工程S15において生じる第1カム12と第2カム14との境界部の研削残部Fは、中間カム研削工程S16により削除される。このためタペット22が第1カム12および第2カム14との間を相対移動する際、従来のように研削残部Fを乗り越えて行われることがなく、その作動がスムースに行われる。このため、砥石の取替え頻度を早くして、砥石の研磨を早期に行う必要もない。
また、上述した本実施形態は、第1カム12のリフト高さ方向のカム輪郭と、第2カム14のリフト高さ方向のカム輪郭とは、角度方向において相互にずれた位置にあり、カム軸線方向から見た場合、相互にはみ出した位置関係にある。このような位置関係にあっても、本実施形態によれば、研削残部Fを中間カム15の研削により確実に研削できる。
以上、本発明を特定の実施形態について説明したが、本発明はその他各種の形態でも実施可能なものである。
例えば、上述した実施形態では、第1カムと第2カムの軸方向幅は同じであるが、異なっていてもよい。その場合には、砥石Tによりプランジ研削時の面圧が異なるため、留意する必要がある。
また、上述した実施例では、第1カム12を低速用カム、第2カム14を高速用のカムとして説明したが、逆であっても良い。
10 複合カム
12 第1カム(低速用のカム)
14 第2カム(高速用のカム)
15 中間カム
16 カム制御機構
18 カム軸
20 バルブ(弁)
22 タペット
23 タペットローラ
24 アクチュエータ(電磁ソレノイド)
26 ピン
28 螺旋溝形成体
30 カム研削装置
32 入力装置
34 表示装置
36 データ読込装置
38 自動プログラミング装置
40 数値制御装置
42、44、46,48 ドライブユニット
50 砥石装置
52 ワーク支持装置
54 基台(ベース)
56 主軸装置
58 心押し装置
64 制御装置
65 ワークテーブル
66 ワークテーブル駆動装置(トラバース移動装置)
66E エンコーダ
68 砥石台駆動装置(プランジ移動装置)
68E エンコーダ
70 砥石台
72、73 センタ
74 主軸
76 主軸駆動装置
76E エンコーダ
78 位置決めピン
80 砥石駆動装置(モータ)
82 共通ベース円部設定部
84 第1カム研削部
86 第2カム研削部
88 中間カム研削部
90 中間カムリフトデータ創生部
T 砥石
F 研削残部
C 共通ベース円部
C1 第1ベース円部
C2 第2ベース円部
E1 第1カムの幅
E2 第2カムの幅
G 砥石の幅
H 砥石の径

Claims (3)

  1. 複合カムは、軸中心から外周面までのリフト高さが一定の第1半径で形成される第1ベース円部と、前記軸中心から外周面までのリフト高さが変化する第1カム部と、を有する第1カムと、
    前記軸中心から外周面までのリフト高さが一定の前記第1半径で形成される第2ベース円部と、前記軸中心から外周面までのリフト高さが変化する第2カム部と、を有する第2カムと、を有し、
    前記第1カムと前記第2カムは、同軸となるように軸方向に隣接して配設されており、
    かつ、互いに異なる第1カムリフトデータと第2カムリフトデータとを有し、
    さらに、前記第1ベース円部の外周面の少なくとも一部と前記第2ベース円部の外周面の少なくとも一部とが同一面の共通ベース円部となっており、前記複合カムを研削する、カム研削装置であって、
    ベースとなる基台と、
    前記基台上に載置され、前記複合カムを前記軸中心回りに回転可能に支持するワーク回転装置を備えた主軸装置と、
    前記基台上に載置され、回転する砥石を備えた砥石装置と、
    前記複合カムに対して前記砥石を相対的に前記軸方向に往復移動可能なトラバース移動装置と、
    前記複合カムに対して前記砥石を相対的に前記軸方向と交差する方向に移動可能なプランジ移動装置と、
    前記ワーク回転装置、前記トラバース移動装置、および前記プランジ移動装置を制御する制御装置と、を備え、
    前記制御装置は、
    前記第1カムにおける回転角度に対するリフト量が設定された前記第1カムリフトデータと、前記第2カムにおける回転角度に対するリフト量が設定された前記第2カムリフトデータと、に基づいて、前記第1ベース円部の外周面の少なくとも一部と前記第2ベース円部の外周面の少なくとも一部が同一面となる共通ベース円部の角度範囲を求める、共通ベース円部設定部と、
    前記第1カムリフトデータと、前記第2カムリフトデータに基づいて、前記カム軸方向から見た前記第1カムの輪郭と前記第2カムの輪郭を包含し、前記共通ベース円部の角度範囲を含む仮想の中間カムの中間カムリフトデータを創生する中間カムリフトデータ創生部と、
    前記プランジ移動装置と前記トラバース移動装置を制御して、前記第1カムの外周面に対向する位置に前記砥石を移動させ、前記第1カムリフトデータに基づいて前記ワーク回転装置と前記プランジ移動装置を制御して、前記第1カムを研削する、第1カム研削部と、
    前記第1カム研削後、前記複合カムに対して前記砥石が後退した状態で前記トラバース移動装置を制御して前記第2カムの外周面に対向する位置に前記砥石を移動させ、前記第2カムリフトデータに基づいて前記ワーク回転装置と前記プランジ移動装置を制御して前記第2カムを研削する、第2カム研削部と、
    前記第2カム研削後、前記複合カムに対し前記砥石が後退した状態で前記トラバース移動装置を制御して、前記両カムの境界に対応する位置まで前記砥石を移動させ、前記中間カムリフトデータに基づいて前記ワーク回転装置と前記プランジ移動装置を制御して、前記仮想の中間カムを研削する中間カム研削部と、を有する、
    カム研削装置。
  2. 請求項1に記載のカム研削装置であって、
    前記第1カム研削部および前記第2カム研削部における前記第1カムの研削および第2カムの研削は、粗研削、精研削、スパークアウトからなっている、カム研削装置。
  3. 複合カムは、軸中心から外周面までのリフト高さが一定の第1半径で形成される第1ベース円部と、前記軸中心から外周面までのリフト高さが変化する第1カム部と、を有する第1カムと、
    前記軸中心から外周面までのリフト高さが一定の前記第1半径で形成される第2ベース円部と、前記軸中心から外周面までのリフト高さが変化する第2カム部と、を有する第2カムと、を有し、
    前記第1カムと前記第2カムは、同軸となるように軸方向に隣接して配設されており、
    かつ、互いに異なる第1カムリフトデータと第2カムリフトデータを有し、
    さらに、前記第1ベース円部の外周面の少なくとも一部と前記第2ベース円部の外周面の少なくとも一部とが同一面の共通ベース円部となっており、前記複合カムを研削する、カム研削方法であって、
    前記第1カムにおける回転角度に対するリフト量が設定された前記第1カムリフトデータと、前記第2カムにおける回転角度に対するリフト量が設定された前記第2カムリフトデータと、に基づいて、前記第1ベース円部の外周面の少なくとも一部と前記第2ベース円部の外周面の少なくとも一部が同一面となる共通ベース円部の角度範囲を求める、共通ベース円部設定工程と、
    前記第1カムリフトデータと、前記第2カムリフトデータに基づいて、前記カム軸方向から見た前記第1カムの輪郭と前記第2カムの輪郭を包含し、前記共通ベース円部の角度範囲を含む仮想の中間カムの中間カムリフトデータを創生する中間カムリフトデータ創生工程と、
    前記第1カムの外周面に対向する位置に前記砥石を移動させ、前記第1カムリフトデータに基づいて前記砥石により前記第1カムをプランジ研削する、第1カム研削工程と、
    前記第1カム研削後、前記複合カムに対して前記砥石が後退した状態で前記第2カムの外周面に対向する位置に前記砥石を移動させ、前記第2カムリフトデータに基づいて前記砥石により前記第2カムをプランジ研削する、第2カム研削工程と、
    前記第2カム研削後、前記複合カムに対し前記砥石が後退した状態で、前記両カムの境界に対応する位置まで前記砥石を移動させ、前記中間カムリフトデータに基づいて前記両カムの境界にある前記仮想の中間カムを研削する中間カム研削工程と、を有する、
    カム研削方法。
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