以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一又は相当部分には同一符号を付す。
図1に、本発明の実施の形態に係る電力管理システム1の全体構成を示す。電力管理システム1は、一般家庭で使用される電力を管理するシステムであって、いわゆるHEMS(Home Energy Management System)と呼ばれるシステムである。図1に示すように、電力管理システム1は、電力管理システム1全体を管理する管理サーバ10と、電力を充放電可能な蓄電設備S1〜S3と、需要家Aの家屋H内の電力を管理する宅内システム20と、を含む。
電力管理システム1は、一の需要家である需要家Aの発電設備5による発電電力の、需要家Aを含む複数の需要家A,B,C,…によって共用される蓄電設備S1〜S3への蓄電を管理する。複数の需要家A,B,C,…は、例えば、住宅、施設、ビル又は工場等のような電力消費地の居住者、所有者又は管理者等であって、それぞれ、互いに異なる電力消費地において消費する電力を需要する者である。
図1に示すように、需要家Aは、太陽光により自家発電するための発電設備5を所有しているが、発電電力を蓄電する蓄電設備を所有していない。これに対して、需要家B,Cは、発電設備と蓄電設備との双方を所有している。
電力管理システム1において、管理サーバ10と、蓄電設備S1〜S3と、宅内システム20とは、広域ネットワークNを介して通信可能に接続されている。広域ネットワークNは、例えばインターネット等であって、管理サーバ10、蓄電設備S1〜S3及び宅内システム20間における情報の送受信を中継する。なお、図1において、太い実線は電力が流れる電力線を表しており、細い実線は通信データが流れる通信線を表している。以降の図においても同様である。
管理サーバ10は、電力事業者によって運営されるサーバであって、宅内システム20と連携して電力管理システム1を機能させるためのサーバである。電力事業者とは、需要家A,B,Cを含む複数の需要家に対して、電力を売買する事業者である。電力事業者は、例えば、自身で発電設備及び送電網を所有する既存の電力会社、自身で送電網を所有しない新たな電力会社、又は、電力の売買を仲介する電力アグリゲータ等である。
管理サーバ10は、商用電力系統から供給された電力を、需要家A,B,Cを含む複数の需要家に売ることができ、複数の需要家の電力消費地において発生した余剰電力を買い取ることができる。また、管理サーバ10は、複数の需要家の電力消費地において発生した余剰電力を、蓄電設備S1〜S3に蓄電することができ、蓄電設備S1〜S3に蓄電された電力を、複数の需要家の電力消費地に供給することができる。これにより、複数の需要家は、余剰電力を蓄電設備S1〜S3に預けることができる。管理サーバ10の詳細については後述する。
蓄電設備S1は、特定の需要家によって所有されない共用の設備である。蓄電設備S1は、管理サーバ10を運営する電力事業者によって管理され、複数の需要家の電力消費地において発生した余剰電力を蓄電する。
これに対して、蓄電設備S2,S3は、それぞれ特定の需要家B,Cによって所有される私有の設備であるが、需要家B,C以外の需要家も共用可能な設備である。蓄電設備S2,S3は、それぞれ需要家B,Cの敷地内に設置され、需要家B,Cを含む複数の需要家の電力消費地において発生した余剰電力を蓄電する。需要家B,Cは、管理サーバ10を運営する電力事業者との間で、蓄電設備S2,S3を他の需要家と共用することを、契約によって取り決めている。
蓄電設備S1〜S3は、いずれも図示しないが、それぞれ、蓄電池と電力変換装置とを含む。蓄電池は、定置型の蓄電池、又は電気自動車(EV:Electric Vehicle)であって、例えばニカド電池、ニッケル水素電池、リチウムイオン電池又は鉛蓄電池等である。
電力変換装置は、交流電力と直流電力とを相互に変換するAC−DCコンバータ、直流電力の電圧を変換する変圧器、及び電力を変換するためのスイッチング素子を備える。また、電力変換装置は、いずれも図示しないが、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、通信インタフェース及び読み書き可能な不揮発性の半導体メモリ等を備える。
電力変換装置は、管理サーバ10から広域ネットワークNを介して充放電の命令を取得し、取得した命令に従って電力変換を実行し、蓄電池に充電又は放電させる。具体的に説明すると、電力変換装置は、充電時には、外部から供給された交流電力を直流電力に変換して蓄電池に充電し、放電時には、蓄電池から放電された直流電力を交流電力に変換して外部に供給する。また、電力変換装置は、蓄電池の蓄電量及び蓄電率を監視して、広域ネットワークNを介して管理サーバ10に通知する。
宅内システム20は、蓄電設備を有しない需要家Aの家屋Hにおいて消費される電力を管理するシステムである。家屋Hは、いわゆる一般的な住宅建物であって、商用電力系統及び蓄電設備S1〜S3から供給される電力の需要地(電力消費地)である。
図2に、宅内システム20の構成を示す。図2に示すように、宅内システム20は、宅内システム20全体を統括的に制御する制御装置2と、ユーザインタフェースである操作端末3と、太陽光により発電する発電設備5と、電力を計測する電力計測装置6と、電力を消費する複数の電気機器7a,7b,…と、を備える。
制御装置2は、電力消費地である家屋H内の適切な場所に設置され、家屋H内に設置された各機器から無線ネットワークを介して送信される情報を収集する情報収集ユニットである。制御装置2は、一例として、家屋H内に設置された各機器を統合的に制御することが可能なHEMSコントローラである。制御装置2は、家屋Hにおいて消費される電力を監視し、操作端末3を介して電力の消費状況を表示する。制御装置2の詳細については後述する。
操作端末3は、例えば、スマートフォン、タブレット端末、リモコン、携帯電話又はノート型パソコン等の携帯機器である。操作端末3は、押しボタン、タッチパネル又はタッチパッド等の入力部と、有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイ又は液晶ディスプレイ等の表示部と、通信インタフェースとを備える。操作端末3は、制御装置2と、Wi−Fi(登録商標)、Wi−SUN(登録商標)又は有線LAN(Local Area Network)等、周知の通信規格に則った通信を行う。操作端末3は、ユーザからの操作を受け付け、受け付けた操作内容を示す情報を制御装置2に送信する。また、操作端末3は、制御装置2から送信された、ユーザに提示するための情報を受信し、受信した情報を表示する。このように、操作端末3は、ユーザインタフェースとしての役割を担う。
発電設備5は、家屋Hに設置され、自然エネルギーである太陽光によって発電する設備である。商用電力系統が家屋Hを含む不特定多数の電力消費地に電力を供給するのに対して、発電設備5は、特定の電力消費地の需要家によって所有され、特定の電力消費地である家屋Hに電力を供給する設備である。このような発電設備5は、分散型電源ともいう。
発電設備5は、太陽光発電(PV:Photovoltaic)するPVパネル13と、PV用のパワーコンディショニングシステムであるPV−PCS14と、を備える。PVパネル13は、例えば多結晶シリコン型のソーラーパネルである。PVパネル13は、家屋Hの屋根の上に設置され、太陽光エネルギーを電気エネルギーに変換することで太陽光発電する。
PV−PCS14は、PVパネル13において発電された電力の供給を受け、供給された電力を、電力線D2を介して分電盤9に出力する。その際、PV−PCS14は、PVパネル13から供給された電力を、家屋H内で使用できるように、直流電力から交流電力に規定の変換効率で変換して出力する。
PV−PCS14は、いずれも図示しないが、CPU、ROM、RAM、通信インタフェース及び読み書き可能な不揮発性の半導体メモリ等を備える。また、PV−PCS14は、家屋H内に構築された無線ネットワークを介して、制御装置2と通信する。この無線ネットワークは、例えば、Wi-Fi(登録商標)、赤外線通信、又はエコーネットライト(ECHONET Lite)によるネットワークである。
電力計測装置6は、商用電力系統及び蓄電設備S1〜S3と分電盤9との間に配設された電力線D1を送電される電力P1、及び、PV−PCS14と分電盤9との間に配設された電力線D2を送電される電力P2の値を計測する。電力計測装置6は、電力線D1に接続されたCT(Current Transformer)1及び電力線D2に接続されたCT2と、通信線を介して接続されている。CT1及びCT2は、交流電流を計測するセンサである。
電力計測装置6によって計測される電力P1は、商用電力系統又は蓄電設備S1〜S3から家屋Hに供給された電力(供給電力)に相当する。電力P2は、発電設備5によって発電され、PV−PCS14から出力された電力(発電電力)に相当する。また、電力P1と電力P2との和は、家屋Hにおいて複数の電気機器7a,7b,…等によって消費される総消費電力に相当する。すなわち、家屋Hの総消費電力をP3と表すと、P3=P1+P2の関係が成立する。なお、家屋Hの総消費電力は、家屋H内だけでなく、家屋Hの敷地内において消費される電力も含むものとして説明する。以下では、総消費電力を、単に「消費電力」という。
電力計測装置6は、何れも図示しないが、CPU、ROM、RAM、通信インタフェース及び読み書き可能な不揮発性の半導体メモリ等を備える。また、電力計測装置6は、無線通信インタフェースを備え、家屋H内に構築された前述の無線ネットワークを介して、制御装置2と通信する。
電力計測装置6は、計測によって得られた電力P1及び電力P2の値を計測値として格納した計測データを生成し、予め定められた周期で定期的に制御装置2に送信する。送信される計測データは、電力計測装置6の機器アドレス、電力線D1及び電力線D2のID(Identification)及び計測時刻等も格納している。なお、電力計測装置6は、制御装置2からの要求に応答して、電力P1及び電力P2の計測値を格納した計測データを生成して、制御装置2に送信してもよい。
複数の電気機器7a,7b,…のそれぞれは、電力消費地である家屋H内(その敷地も含む)に設置され、家屋Hにおいて電力を消費する機器である。複数の電気機器7a,7b,…のそれぞれは、例えば、IH(Induction Heating)クッキングヒータ(電磁調理器)、洗濯機、テレビ若しくは冷蔵庫等の家電機器、又は、空調機、給湯機、照明機器若しくは換気扇等の設備機器である。複数の電気機器7a,7b,…は、分電盤9により分岐された電力線D4,D5,…にそれぞれ接続されており、商用電力系統又は蓄電設備S1〜S3から供給された電力によって動作する。
複数の電気機器7a,7b,…のそれぞれは、無線通信インタフェースを備え、家屋H内に構築された前述の無線ネットワークを介して、制御装置2と通信する。なお、複数の電気機器7a,7b,…のそれぞれは、外付けの通信アダプタ(図示せず)を介して、この無線ネットワークに接続される仕様であってもよい。複数の電気機器7a,7b,…のそれぞれは、制御装置2からの要求に応答して、機器IDと現在時刻と現在の運転状態を示す情報とを格納したデータ(運転状態データ)を、無線ネットワークを介して制御装置2に送信する。
分電盤9は、商用電力系統又は蓄電設備S1〜S3から供給された電力P1、及び、発電設備5によって発電された電力P2を、電力計測装置6及び複数の電気機器7a,7b,…等に分配する配線基板を備える。また、分電盤9は、異常時に電流を遮断するブレーカを備える。
次に、図3及び図4を参照して、電力管理システム1における制御装置2及び管理サーバ10のハードウェア構成について説明する。図3に示すように、制御装置2は、制御部21と、記憶部22と、計時部23と、宅内通信部24と、宅外通信部25と、を備える。これら各部はバス29を介して接続されている。
制御部21は、いずれも図示しないが、CPU、ROM及びRAM等を備える。CPUは、中央処理装置、中央演算装置、プロセッサ、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ又はDSP(Digital Signal Processor)等ともいう。制御部21において、CPUは、ROMに格納されたプログラム及びデータを読み出し、RAMをワークエリアとして用いて、制御装置2を統括制御する。
記憶部22は、例えば、フラッシュメモリ、EPROM(Erasable Programmable ROM)又はEEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)等の不揮発性の半導体メモリであって、いわゆる二次記憶装置(補助記憶装置)としての役割を担う。記憶部22は、制御部21が各種処理を行うために使用する各種プログラム及びデータ、並びに、制御部21が各種処理を行うことにより生成又は取得する各種データを記憶する。
計時部23は、RTC(Real Time Clock)を備えており、制御装置2の電源がオフの間も計時を継続する計時デバイスである。
宅内通信部24は、家屋Hの敷地内の機器と通信するための通信インタフェースを備える。宅内通信部24は、制御部21の制御のもと、家屋H内に構築された前述の無線ネットワークを介して、PV−PCS14、電力計測装置6、及び複数の電気機器7a,7b,…のそれぞれと通信する。また、宅内通信部24は、制御部21の制御のもと、操作端末3と、Wi−Fi(登録商標)、Wi−SUN(登録商標)又は有線LAN等を介して通信する。
宅外通信部25は、広域ネットワークNに接続するための通信インタフェースを備える。宅外通信部25は、制御部21の制御のもと、広域ネットワークNを介して、管理サーバ10を含む家屋Hの外部の機器と通信する。
図4に示すように、管理サーバ10は、制御部31と、記憶部32と、計時部33と、通信部34と、を備える。これら各部はバス39を介して接続されている。
制御部31は、いずれも図示しないが、CPU、ROM及びRAM等を備える。CPUは、中央処理装置、中央演算装置、プロセッサ、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ又はDSP等ともいう。制御部31において、CPUは、ROMに格納されたプログラム及びデータを読み出し、RAMをワークエリアとして用いて、管理サーバ10を統括制御する。
記憶部32は、例えば、フラッシュメモリ、EPROM又はEEPROM等の不揮発性の半導体メモリであって、いわゆる二次記憶装置(補助記憶装置)としての役割を担う。記憶部32は、制御部31が各種処理を行うために使用する各種プログラム及びデータ、並びに、制御部31が各種処理を行うことにより生成又は取得する各種データを記憶する。
計時部33は、RTCを備えており、管理サーバ10の電源がオフの間も計時を継続する計時デバイスである。
通信部34は、広域ネットワークNに接続するための通信インタフェースを備える。通信部34は、制御部31の制御のもと、広域ネットワークNを介して、宅内システム20の制御装置2及び蓄電設備S1〜S3等を含む管理サーバ10の外部の機器と通信する。
なお、管理サーバ10は、図4には示していないが、ユーザから操作入力を受け付ける入力部と、画像を表示する表示部と、を含むユーザインタフェースを備えていても良い。
続いて、図5を参照して、電力管理システム1における制御装置2及び管理サーバ10の機能的な構成について説明する。図5に示すように、制御装置2は、機能的に、計測値取得部210と、利用情報取得部220と、報知部230と、受付部240と、要求送信部250と、を備える。また、管理サーバ10は、機能的に、蓄電量取得部310と、料金計算部320と、利用情報送信部330と、要求受信部340と、蓄電制御部350と、を備える。
これらの各機能は、ソフトウェア、ファームウェア、又は、ソフトウェアとファームウェアとの組み合わせによって実現される。ソフトウェア及びファームウェアは、プログラムとして記述され、制御装置2のROM又は記憶部22、及び、管理サーバ10のROM又は記憶部32に格納される。そして、制御装置2の制御部21において、CPUが、ROM又は記憶部22に記憶されたプログラムを実行することによって、制御装置2の各部の機能を実現する。また、管理サーバ10の制御部31において、CPUが、ROM又は記憶部32に記憶されたプログラムを実行することによって、管理サーバ10の各部の機能を実現する。
また、制御装置2は、計測DB(Database)290を備える。計測DB290は、記憶部22の適宜の記憶領域に構築される。管理サーバ10は、管理DB390を備える。管理DB390は、記憶部32の適宜の記憶領域に構築される。
制御装置2において、計測値取得部210は、商用電力系統又は蓄電設備S1〜S3から家屋Hに供給される電力(供給電力)P1、及び、発電設備5によって発電され、PV−PCS14から出力された電力(発電電力)P2の計測値を取得する。電力P1,P2は、前述したように、電力線D1に接続されたCT1及び電力線D2に接続されたCT2を介して、電力計測装置6によって計測される。
電力計測装置6は、CT1及びCT2によって得られた電力P1,P2の計測値を、予め定められた周期で定期的に制御装置2に送信する。予め定められた周期は、一例として、10秒から数十秒程度である。或いは、計測値取得部210が、必要に応じて電力計測装置6に電力P1,P2の計測値の要求を送信し、電力計測装置6がこの要求に応答する方式で電力P1,P2の計測値を制御装置2に送信しても良い。
このように、計測値取得部210は、電力計測装置6によって得られた電力P1,P2の計測値を、電力計測装置6から宅内通信部24を介して取得する。計測値取得部210は、制御部21が宅内通信部24と協働することによって実現される。
計測DB290は、計測値取得部210によって取得された電力P1,P2の計測値を記憶する。計測DB290は、計測値取得部210によって電力P1,P2の計測値が取得される度に、取得された計測値を格納することで、供給電力P1及び発電電力P2の履歴を記憶する。
図6に、計測DB290に記憶される計測データの具体例を示す。図6に示すように、計測DB290は、供給電力P1の電力量、及び発電電力P2の電力量を時系列順に記憶する。電力量は、予め定められた時間に亘る電力の積算値である。計測値取得部210は、電力P1,P2の計測値を取得すると、電力P1,P2の電力量を計算して計測DB290に順次格納していく。
図5に戻って、制御装置2において、利用情報取得部220は、蓄電設備S1〜S3の利用情報を管理サーバ10から取得する。蓄電設備S1〜S3の利用情報とは、蓄電設備S1〜S3の利用に関する情報であって、需要家Aが蓄電設備S1〜S3を利用するか否かを決めるための判断基準となる情報である。利用情報は、具体的には、蓄電設備S1〜S3の蓄電量又は蓄電率等の現在の状態を示す情報、及び、蓄電設備S1〜S3を利用するために需要家Aが支払う利用料金等である。
利用情報取得部220は、家屋Hにおける余剰電力の有無に応じて、利用情報の取得要求を、宅外通信部25及び広域ネットワークNを介して、管理サーバ10に送信する。そして、利用情報取得部220は、送信した取得要求に対する応答として管理サーバ10から送信された利用情報を、宅外通信部25及び広域ネットワークNを介して取得する。このように、利用情報取得部220は、制御部21が宅外通信部25と協働することによって実現される。
余剰電力とは、発電設備5による発電電力P2が家屋Hにおける消費電力P3より大きい場合に、家屋Hにおいて消費されずに余る電力を意味する。具体的には、余剰電力は、発電電力P2から消費電力P3を減じた電力に相当する。
図7に、家屋Hにおける発電電力P2及び消費電力P3の1日の推移を示す。図7において、実線は発電電力P2の推移を表しており、破線は消費電力P3の推移を表している。発電電力P2は、日射量が多くなる正午をピークとして昼間に大きな値を示す。これに対して、消費電力P3は、一般的に家庭における消費電力量が多くなる午後から夕方にかけて大きな値を示す。
朝から夕方までの日中は、発電電力P2は消費電力P3より大きい。そのため、家屋Hにおいて余剰電力(P2−P3)が発生する。発生した余剰電力(P2−P3)は、電力線D1を通って家屋Hの外部に出力される。この場合、CT1によって計測される供給電力P1は、負の値になる。
これに対して、夕方から早朝にかけては、発電電力P2は消費電力P3より小さい。そのため、家屋Hに外部から電力の供給が必要になる。必要な電力(P3−P2)は、電力線D1を通って外部から供給される。この場合、CT1によって計測される供給電力P1は、正の値になる。
利用情報取得部220は、計測DB290に記憶された供給電力P1の値を参照して、余剰電力が発生しているか否か、及び、家屋Hに外部から電力の供給が必要か否かを判定する。そして、利用情報取得部220は、第1の閾時間以上に亘って発電電力P2が消費電力P3より大きい、すなわち余剰電力が発生している場合、利用情報として、発電電力P2を蓄電設備S1〜S3に蓄電するか否かを需要家Aが選択するための第1の情報を、管理サーバ10から取得する。
具体的に説明すると、需要家Aは、余剰電力を電気事業者に売電することによって、経済的利益を得ることができる。或いは、需要家Aは、余剰電力を蓄電設備S1〜S3のいずれかに出力して蓄電することで、余剰電力を電力事業者に預けることもできる。言い換えると、需要家Aは、例えば売電価格が低い場合に、余剰電力を共用の設備である蓄電設備S1〜S3のいずれかに一時的に預けておき、預けた余剰電力を後で引き出して家屋Hで消費することができる。利用情報取得部220は、このような余剰電力を売電するか蓄電するかの判断基準となる第1の情報を管理サーバ10から取得する。
これに対して、利用情報取得部220は、第2の閾時間以上に亘って発電電力P2が消費電力P3より小さい、すなわち家屋Hに外部からの電力の供給が必要な場合、利用情報として、蓄電設備S1〜S3の蓄電電力を家屋Hに供給するか否かを需要家Aが選択するための第2の情報を、管理サーバ10から取得する。
具体的に説明すると、需要家Aは、家屋Hに外部から電力の供給が必要な場合、電気事業者から買電することもできるし、蓄電設備S1〜S3のいずれかに予め預けていた電力を引き出すこともできる。利用情報取得部220は、このような買電するか蓄電電力を引き出すかの判断基準となる第2の情報を管理サーバ10から取得する。
第1の閾時間及び第2の閾時間は、例えば、5分又は10分等であって、予め設定されてROM又は記憶部22に記憶されている。なお、第1の閾時間と第2の閾時間とは、同じでも良いし、異なっていても良い。
図5に示した電力管理システム1の機能構成の説明に戻る。管理サーバ10において、蓄電量取得部310は、蓄電設備S1〜S3の蓄電量を取得する。具体的に説明すると、蓄電量取得部310は、蓄電設備S1〜S3のそれぞれに備えられた電力変換装置と、通信部34及び広域ネットワークNを介して通信する。そして、蓄電量取得部310は、蓄電設備S1〜S3のそれぞれにおいて、蓄電池に蓄電されている現在の蓄電量の情報を、電力変換装置から取得する。蓄電量取得部310は、制御部31が通信部34と協働することによって実現される。
蓄電量取得部310は、蓄電設備S1〜S3の蓄電量を取得すると、取得した蓄電設備S1〜S3の蓄電量を合計することで、共用可能な蓄電設備S1〜S3全体での蓄電残量を計算する。また、蓄電量取得部310は、計算した蓄電残量を蓄電設備S1〜S3全体での蓄電容量と比較することによって、蓄電設備S1〜S3全体での蓄電率を計算する。このようにして、蓄電量取得部310は、蓄電設備S1〜S3の現在の利用状況、及び、どの程度の量の電力を新たに蓄電することが可能かを確認する。
料金計算部320は、蓄電設備S1〜S3の利用料金を計算する。利用料金とは、蓄電設備S1〜S3のいずれかに電力を預ける、又は蓄電設備S1〜S3のいずれかから電力を引き出す際に、需要家Aが電力事業者に支払う料金である。料金計算部320は、発電電力P2(余剰電力)を蓄電設備S1〜S3のいずれかに蓄電するために必要な第1の料金(預入料金)と、蓄電電力を家屋Hに供給するために必要な第2の料金(引出料金)と、を計算する。料金計算部320は、制御部31によって実現される。
具体的に説明すると、料金計算部320は、第1の料金として、蓄電設備S1〜S3の蓄電量、又は、発電電力P2を蓄電設備S1〜S3のいずれかに蓄電する時間帯の少なくともいずれかに応じて異なる料金を計算する。また、料金計算部320は、第2の料金として、需要家Aが発電電力P2を蓄電設備S1〜S3のいずれかに蓄電していた期間の長さ、又は、蓄電電力を家屋Hに供給する時間帯の少なくともいずれかに応じて異なる料金を計算する。具体的に、図8及び図9を参照して説明する。
図8は、第1の料金である蓄電設備S1〜S3への電力の預入料金を、蓄電率と共に、時間帯別に示している。蓄電率は、蓄電設備S1〜S3の蓄電量を示す指標である。図8に示すように、蓄電設備S1〜S3の蓄電率は、各需要家の発電設備による発電量が大きくなる昼間から夕方にかけてピークを示す。蓄電率が高くなると、蓄電設備S1〜S3の空き容量、すなわち新たに蓄電可能な量が減る。そのため、料金計算部320は、蓄電設備S1〜S3の蓄電率が高くなるほど高く、且つ、蓄電を実行する時間帯が夜よりも昼の方が高くなるように、預入料金を計算する。
また、蓄電設備S1〜S3に預け入れる量が多いほど、蓄電設備S1〜S3を多く占有することになる。そのため、料金計算部320は、第1の料金として、新規に預け入れる量が多くなるほど、単位量当たりの料金を高く設定する。具体的には、図8に示すように、料金計算部320は、預入量が10kWhである場合の預入料金Bを、預入量が5kWhである場合の預入料金Aよりも高い料金に設定する。
図9は、第2の料金である蓄電設備S1〜S3からの電力の引出料金を、買電価格と共に、時間帯別に示している。買電価格は、蓄電設備S1〜S3から電力を引き出さずに、電気事業者から電力を買った場合における価格である。買電価格は、全時間帯で一定であると仮定する。図9に示すように、料金計算部320は、買電するより蓄電設備S1〜S3を利用した方が経済的に得するように、引出料金を買電価格よりも低く設定する。
より詳細に説明すると、図10に示すように、引出料金は、(1)平均預入料金、(2)預入期間に応じたインセンティブ、及び、(3)引出時間帯に応じたインセンティブの3つの要素に基づいて定められる。平均預入料金は、需要家Aが蓄電設備S1〜S3のいずれかに複数回電力を預けた場合における、複数の預入料金の平均値である。
預入期間に応じたインセンティブは、需要家Aが発電電力P2を蓄電設備S1〜S3のいずれかに蓄電していた期間の長さに応じて変動する値である。例えば、長期間に亘って電力を預け入れることは、蓄電設備S1〜S3を占有することになり、また蓄電電力のロスも生じる。そのため、料金計算部320は、預入期間が長いほど、需要家Aが経済的に損するように、インセンティブを設定する。言い換えると、料金計算部320は、需要家Aが発電電力P2を蓄電設備S1〜S3のいずれかに蓄電していた期間が長いほど高くなるように、引出料金を設定する。
料金計算部320は、需要家Aの預入期間の情報を、管理DB390に記憶された需要家Aの管理データを参照して取得する。なお、需要家Aが蓄電設備S1〜S3のいずれかに複数回電力を預けた場合には、料金計算部320は、複数の預入期間の平均を用いてインセンティブを計算する。
引出時間帯に応じたインセンティブは、蓄電電力を家屋Hに供給する時間帯に応じて変動する値である。例えば、昼間から夕方にかけては、蓄電設備S1〜S3の蓄電率及び蓄電残量が高くなる。この場合、蓄電設備S1〜S3の空き容量が減るため、蓄電電力を積極的に引き出すことが推奨される。そのため、図9に示すように、料金計算部320は、引出時間帯が夜より昼の方が、需要家Aが経済的に得するように、インセンティブを設定する。言い換えると、料金計算部320は、蓄電電力を家屋Hに供給する時間帯が夜よりも昼の方が低くなるように、引出料金を設定する。
図5に示した電力管理システム1の機能構成の説明に戻る。管理サーバ10において、利用情報送信部330は、蓄電設備S1〜S3の利用情報を制御装置2に送信する。利用情報送信部330は、制御装置2の利用情報取得部220から送信された利用情報の取得要求を受信すると、蓄電設備S1〜S3の利用情報を、通信部34及び広域ネットワークNを介して、制御装置2に送信する。利用情報送信部330は、制御部31が通信部34と協働することによって実現される。
具体的に説明すると、利用情報送信部330は、家屋Hにおいて余剰電力が発生している場合、利用情報として、発電電力P2を蓄電設備S1〜S3に蓄電するか否かを需要家Aが選択するための第1の情報を、制御装置2に送信する。第1の情報は、蓄電量取得部310によって取得された蓄電率、及び、料金計算部320によって計算された第1の料金(預入料金)の情報を含んでいる。
これに対して、利用情報送信部330は、家屋Hに外部からの電力の供給が必要な場合、利用情報として、蓄電設備S1〜S3の蓄電電力を家屋Hに供給するか否かを需要家Aが選択するための第2の情報を、制御装置2に送信する。第2の情報は、料金計算部320によって計算された第2の料金(引出料金)、及び、需要家Aの蓄電残量の情報を含んでいる。需要家Aの蓄電残量とは、需要家Aが蓄電設備S1〜S3のいずれかに過去に預けた電力の総量であって、蓄電設備S1〜S3から引き出し可能な電力量を意味する。利用情報送信部330は、需要家Aの蓄電残量の情報を、管理DB390に記憶された需要家Aの管理データを参照して取得する。
制御装置2において、報知部230は、蓄電設備S1〜S3の利用情報を、需要家Aに報知する。報知部230は、宅内通信部24を介して操作端末3と通信することにより、利用情報取得部220によって取得された利用情報を操作端末3に送信する。そして、報知部230は、図11又は図12に示す報知画像を操作端末3の表示部に表示する。報知部230は、制御部21が宅内通信部24と協働することによって実現される。
具体的に説明すると、報知部230は、利用情報として、蓄電設備S1〜S3の利用料金、又は、蓄電設備S1〜S3の蓄電量を示す情報の少なくともいずれかを報知する。蓄電設備S1〜S3の蓄電量を示す情報とは、具体的には、蓄電設備S1〜S3の蓄電率又は蓄電残量である。
より詳細に説明すると、報知部230は、発電電力P2が消費電力P3より大きい場合、すなわち家屋Hにおいて余剰電力が発生している場合、利用情報として、発電電力P2を蓄電設備S1〜S3のいずれかに蓄電するか否かを需要家Aが選択するための第1の情報を報知する。具体的に説明すると、報知部230は、図11に示す報知画像を操作端末3の表示部に表示する。
図11に示すように、報知部230は、余剰電力の対応として「預け入れ」と「売電」とを選択可能である旨を報知する。また、報知部230は、管理サーバ10から第1の情報として取得された蓄電設備S1〜S3の蓄電率と預入料金とを報知する。これにより、需要家Aは、蓄電設備S1〜S3の現在の状況と、余剰電力を預け入れる場合に必要な費用とを、容易に確認することができる。
また、報知部230は、預入料金と共に、余剰電力を売電する場合における売電価格を報知する。預入料金と売電価格とを報知することによって、需要家Aは、預け入れと売電とのどちらの方が得かを比較しながら、余剰電力を預け入れるか売電するかを決めることができる。
これに対して、発電電力P2が消費電力P3より小さい場合、すなわち家屋Hに電力の供給が必要な場合、報知部230は、利用情報として、蓄電電力を家屋Hに供給するか否かを需要家Aが選択するための第2の情報を報知する。具体的に説明すると、報知部230は、図12に示す報知画像を操作端末3の表示部に表示する。
図12に示すように、報知部230は、電力調達の方法として「引き出し」と「買電」とを選択可能である旨を報知する。また、報知部230は、管理サーバ10から第2の情報として取得された需要家Aの蓄電残量と引出料金とを報知する。これにより、需要家Aは、蓄電設備S1〜S3から引き出し可能な電力量と、蓄電電力を引き出す場合に必要な費用とを、容易に確認することができる。
また、報知部230は、引出料金と共に、買電した場合における買電価格を報知する。引出料金と買電価格とを報知することによって、需要家Aは、引き出しと買電とのどちらの方が得かを比較しながら、蓄電電力を引き出すか買電するかを決めることができる。例えば、引出料金が買電価格よりも大きく低い場合には、需要家Aは、買電するよりも蓄電電力を引き出した方が良いと判断することができる。
図5に戻って、受付部240は、発電電力P2(余剰電力)を蓄電設備S1〜S3のいずれかに蓄電する蓄電指示、又は、蓄電設備S1〜S3の蓄電電力を家屋Hに供給する供給指示を、需要家Aから受け付ける。需要家Aは、操作端末3の入力部を介して、蓄電指示又は供給指示を入力することができる。
具体的に説明すると、家屋Hにおいて余剰電力が発生している場合、需要家Aは、図11に示した報知画像を見ながら、余剰電力の対応として、蓄電指示である「預け入れ」と、売電指示である「売電」と、を選択することができる。
また、需要家Aは、図11における「預入量」の項目に数値を入力することで、蓄電量を指示することができる。預入料金は預入量に応じて異なるため、報知部230は、受付部240が需要家Aから新たな預入量の入力を受け付ける度に、図11における預入料金を更新し、新たな預入量に対応する預入料金を報知する。
これに対して、家屋Hに電力の供給が必要な場合、需要家Aは、図12に示した報知画像を見ながら、電力調達の方法として、供給指示である「引き出し」と、買電指示である「買電」と、を選択することができる。また、需要家Aは、図12における「引出量」の項目に数値を入力することで、蓄電電力から家屋Hへの電力の供給量を、需要家Aの蓄電残量の範囲内で指示することができる。
受付部240は、宅内通信部24を介して操作端末3と通信する。これにより、受付部240は、需要家Aから操作端末3に入力された蓄電指示、供給指示、売電指示又は買電指示を、操作端末3を介して受け付ける。このように、受付部240は、制御部21が宅内通信部24と協働することによって実現される。
要求送信部250は、受付部240が蓄電指示を受け付けた場合、蓄電設備S1〜S3のいずれかに発電電力P2を蓄電させる蓄電要求を、管理サーバ10に送信する。蓄電要求は、需要家Aから受け付けた蓄電指示に従って、蓄電設備S1〜S3のいずれかを充電させるための、管理サーバ10に対する要求である。蓄電要求は、需要家Aから受け付けた預入量(蓄電量)の情報を含んでいる。
これに対して、受付部240が供給指示を受け付けた場合、要求送信部250は、蓄電設備S1〜S3のいずれかに蓄電電力を家屋Hに供給させる供給要求を、管理サーバ10に送信する。供給要求は、需要家Aから受け付けた供給指示に従って蓄電設備S1〜S3のいずれかを放電させるための、管理サーバ10に対する要求である。供給要求は、需要家Aから受け付けた引出量(供給量)の情報を含んでいる。
要求送信部250は、蓄電要求又は供給要求を、宅外通信部25及び広域ネットワークNを介して管理サーバ10に送信する。要求送信部250は、制御部21が宅外通信部25と協働することによって実現される。
管理サーバ10において、要求受信部340は、制御装置2の要求送信部250から送信された蓄電要求又は供給要求を、通信部34を介して受信する。要求受信部340は、制御部31が通信部34と協働することによって実現される。
蓄電制御部350は、要求受信部340が蓄電要求を受信した場合、蓄電設備S1〜S3のいずれかに発電電力P2を蓄電させる。具体的に説明すると、蓄電制御部350は、蓄電設備S1〜S3のそれぞれの空き容量を参照して、これらのうちから新たに蓄電可能な少なくとも1つの蓄電設備を特定する。そして、蓄電制御部350は、特定した蓄電設備に備えられた電力変換装置に、通信部34及び広域ネットワークNを介して、充電の命令を送信する。これにより、家屋Hで発生している余剰電力は、この蓄電設備の蓄電池に蓄電される。蓄電制御部350は、制御部31が通信部34と協働することによって実現される。
蓄電制御部350は、余剰電力の蓄電量が指示された預入量に到達すると、蓄電設備に充電を終了させる。なおも家屋Hに余剰電力が残っている場合、この残りの余剰電力は売電される。なお、蓄電量が指示された預入量に到達する前に余剰電力が無くなった場合は、蓄電制御部350は、その時点で蓄電設備に充電を終了させる。
余剰電力を蓄電すると、蓄電制御部350は、需要家Aの管理データを、管理DB390に記録する。図13に示すように、管理DB390は、蓄電設備S1〜S3のいずれかを利用した需要家毎に、需要家名、蓄電日時、預入量、蓄電先、及び、預入料金を対応付けた管理データを記憶している。蓄電制御部350は、余剰電力を蓄電する毎に、このような新たに蓄電された電力及び需要家に関する情報を管理DB390に記録し、蓄電の履歴を残す。
これに対して、要求受信部340が供給要求を受け付けた場合、蓄電制御部350は、蓄電設備S1〜S3のいずれかに蓄電電力を家屋Hに供給させる。具体的に説明すると、蓄電制御部350は、管理DB390を参照して、蓄電設備S1〜S3のうちから、需要家Aの電力が蓄電されている少なくとも1つの蓄電設備を特定する。そして、蓄電制御部350は、特定した蓄電設備に備えられた電力変換装置に、通信部34及び広域ネットワークNを介して、放電の命令を送信する。これにより、この蓄電設備の蓄電池に蓄電された電力は、家屋Hに供給される。
蓄電制御部350は、放電量が指示された引出量に到達すると、蓄電設備に放電を終了させる。なおも家屋Hで電力が必要である場合、必要な電力は買電によって取得される。なお、放電後に需要家Aの蓄電電力が残っている場合には、需要家Aは、再度、蓄電電力を引き出すか、或いは買電するかを選択することができる。
蓄電電力を引き出すと、蓄電制御部350は、需要家Aの管理データを、管理DB390に記録する。図14に示すように、管理DB390は、蓄電電力を引き出した需要家毎に、需要家名、蓄電残量、平均預入料金、預入期間に応じたインセンティブ、及び、平均預入期間を対応付けた管理データを記憶している。蓄電制御部350は、蓄電電力を引き出す毎に、このような新たに引き出された電力及び需要家に関する情報を管理DB390に記録し、蓄電の履歴を残す。
以上のように構成された電力管理システム1において実行される処理の流れについて、図15及び図16に示すフローチャートを参照して、説明する。
図15は、家屋Hにおける余剰電力によって蓄電設備S1〜S3を充電する蓄電フェーズにおいて、制御装置2及び管理サーバ10によって実行される処理の流れを示している。制御装置2において、制御部21は、第1の閾時間以上に亘って余剰電力が発生したか否かを判定する(ステップS101)。
具体的に説明すると、制御部21は、計測値取得部210によって電力計測装置6から取得され、計測DB290に記憶された供給電力P1の値を参照する。そして、制御部21は、供給電力P1が負の値であるか否か、すなわち家屋Hから外部に電力が出力されているか否かを判定する。制御部21は、供給電力P1が負の値である場合に、余剰電力が発生していると判定する。
第1の閾時間以上に亘って余剰電力が発生している場合(ステップS101;YES)、制御部21は、ステップS102以降の蓄電フェーズの処理に移行する。これに対して、第1の閾時間以上に亘って余剰電力が発生していない場合(ステップS101;NO)、制御部21は、蓄電フェーズの処理には移行しない。
蓄電フェーズの処理に移行すると、制御部21は、管理サーバ10に対して利用情報を要求する(ステップS102)。具体的に説明すると、制御部21は、余剰電力を蓄電設備S1〜S3に蓄電するか否かを需要家Aが選択するための第1の情報の取得要求を、宅外通信部25及び広域ネットワークNを介して、管理サーバ10に送信する。ステップS101,S102において、制御部21は、利用情報取得部220として機能する。
管理サーバ10において、制御部31は、蓄電量を取得する(ステップS201)。具体的に説明すると、制御部31は、蓄電設備S1〜S3のそれぞれに備えられた電力変換装置と通信し、蓄電設備S1〜S3のそれぞれの蓄電量を取得する。そして、制御部31は、取得した蓄電量に基づいて、共用可能な蓄電設備S1〜S3全体での蓄電残量及び蓄電率を計算する。ステップS201において、制御部31は、蓄電量取得部310として機能する。
蓄電量を取得すると、制御部31は、利用料金を計算する(ステップS202)。具体的に説明すると、制御部31は、蓄電設備S1〜S3の蓄電量、又は、発電電力P2を蓄電設備S1〜S3のいずれかに蓄電する時間帯の少なくともいずれかに応じて、余剰電力を蓄電設備S1〜S3のいずれかに蓄電するために必要な第1の料金(預入料金)を計算する。また、制御部31は、需要家Aが発電電力P2を蓄電設備S1〜S3のいずれかに蓄電していた期間の長さ、又は、蓄電電力を家屋Hに供給する時間帯の少なくともいずれかに応じて、蓄電電力を家屋Hに供給するために必要な第2の料金(引出料金)を計算する。ステップS202において、制御部31は、料金計算部320として機能する。
制御部31は、ステップS201における蓄電量の取得処理と、ステップS202における料金の計算処理とを、予め定められた周期で実行する。これにより、制御部31は、蓄電設備S1〜S3の蓄電量及び利用料金を、定期的に最新の情報に更新する。
続いて、制御部31は、ステップS102において制御装置2から利用情報を要求されると、要求元の制御装置2に利用情報を送信する(ステップS203)。具体的に説明すると、制御部31は、利用情報として、ステップS201において得られた蓄電設備S1〜S3の蓄電率、及び、ステップS202において計算された預入料金を示す第1の情報を、通信部34及び広域ネットワークNを介して、制御装置2に送信する。ステップS203において、制御部31は、利用情報送信部330として機能する。
制御装置2において、制御部21は、ステップS203において管理サーバ10から利用情報が送信されると、送信された利用情報を取得する。利用情報を取得すると、制御部21は、取得した利用情報を報知する(ステップS103)。具体的に説明すると、制御部21は、図11に示したように、蓄電設備S1〜S3の蓄電率、預入料金及び売電価格を含む報知画像を、操作端末3の表示部に表示させる。ステップS103において、制御部21は、報知部230として機能する。
蓄電設備S1〜S3の利用情報を報知すると、制御部21は、蓄電指示を受け付けたか否かを判定する(ステップS104)。具体的に説明すると、制御部21は、家屋Hの余剰電力を蓄電設備S1〜S3のいずれかに蓄電する指示を、操作端末3を介して需要家Aから受け付けたか否かを判定する。ステップS104において、制御部21は、受付部240として機能する。
蓄電指示を受け付けた場合(ステップS104;YES)、制御部21は、管理サーバ10に、蓄電設備S1〜S3への蓄電を要求する(ステップS105)。具体的に説明すると、制御部21は、蓄電設備S1〜S3のいずれかに余剰電力を蓄電させる蓄電要求を、宅外通信部25及び広域ネットワークNを介して、管理サーバ10に送信する。ステップS105において、制御部21は、要求送信部250として機能する。
これに対して、蓄電指示を受け付けていない場合(ステップS104;NO)、制御部21は、ステップS105の処理をスキップする。蓄電指示を受け付けていない場合とは、具体的には、余剰電力を売電する売電指示を受け付けた場合、又は、何の指示も受け付けていない場合に該当する。
管理サーバ10において、制御部31は、制御装置2から送信された蓄電要求を受信すると、余剰電力を蓄電設備S1〜S3のいずれかに蓄電させる(ステップS204)。具体的に説明すると、制御部31は、蓄電設備S1〜S3のうちの、蓄電可能な少なくとも1つの蓄電設備の電力変換装置に、充電の命令を送信する。これにより、制御部31は、家屋Hにおいて発生している余剰電力を、指示された量まで、蓄電設備に蓄電させる。ステップS204において、制御部31は、蓄電制御部350として機能する。
余剰電力を蓄電すると、制御部31は、管理DB390に記憶された需要家Aの管理データを更新する(ステップS205)。具体的に説明すると、制御部31は、新たに蓄電された電力及び需要家に関する情報を、図13に示した管理データに記録する。以上により、蓄電フェーズにおける処理は終了する。
図16は、蓄電設備S1〜S3に蓄電された電力を家屋Hへ放電する放電フェーズにおいて、制御装置2及び管理サーバ10によって実行される処理の流れを示している。制御装置2において、制御部21は、第2の閾時間以上に亘って家屋Hに電力供給が必要な状態が継続しているか否かを判定する(ステップS301)。
具体的に説明すると、制御部21は、計測値取得部210によって電力計測装置6から取得され、計測DB290に記憶された供給電力P1の値を参照する。そして、制御部21は、供給電力P1が正の値であるか否か、すなわち外部から家屋Hに電力が供給されているか否かを判定する。制御部21は、供給電力P1が正の値である場合に、家屋Hに電力供給が必要であると判定する。
第2の閾時間以上に亘って家屋Hに電力供給が必要な状態が継続している場合(ステップS301;YES)、制御部21は、ステップS302以降の放電フェーズの処理に移行する。これに対して、第2の閾時間以上に亘って家屋Hに電力供給が必要な状態が継続していない場合(ステップS301;NO)、制御部21は、放電フェーズの処理には移行しない。
放電フェーズの処理に移行すると、制御部21は、管理サーバ10に対して利用情報を要求する(ステップS302)。具体的に説明すると、制御部21は、蓄電設備S1〜S3の蓄電電力を家屋Hに供給するか否かを需要家Aが選択するための第2の情報の取得要求を、宅外通信部25及び広域ネットワークNを介して、管理サーバ10に送信する。ステップS301,S302において、制御部21は、利用情報取得部220として機能する。
管理サーバ10において、制御部31は、蓄電量を取得し(ステップS401)、利用料金を計算する(ステップS402)。ステップS401,S402の処理は、蓄電フェーズにおけるステップS201,S202と同様である。制御部31は、ステップS401における蓄電量の取得処理と、ステップS402における料金の計算処理とを、予め定められた周期で実行する。これにより、制御部31は、蓄電設備S1〜S3の蓄電量及び利用料金を、定期的に最新の情報に更新する。
続いて、制御部31は、ステップS302において制御装置2から利用情報を要求されると、要求元の制御装置2に利用情報を送信する(ステップS403)。具体的に説明すると、制御部31は、利用情報として、ステップS402において計算された預入料金、及び、需要家Aの蓄電残量を示す第2の情報を、通信部34及び広域ネットワークNを介して、制御装置2に送信する。ステップS403において、制御部31は、利用情報送信部330として機能する。
制御装置2において、制御部21は、ステップS403において管理サーバ10から利用情報が送信されると、送信された利用情報を取得する。利用情報を取得すると、制御部21は、取得した利用情報を報知する(ステップS303)。具体的に説明すると、制御部21は、図12に示したように、需要家Aの蓄電残量、引出料金及び買電価格を含む報知画像を、操作端末3の表示部に表示させる。ステップS303において、制御部21は、報知部230として機能する。
蓄電設備S1〜S3の利用情報を報知すると、制御部21は、供給指示を受け付けたか否かを判定する(ステップS304)。具体的に説明すると、制御部21は、蓄電設備S1〜S3のいずれかの蓄電電力を家屋Hに供給する指示を、操作端末3を介して需要家Aから受け付けたか否かを判定する。ステップS304において、制御部21は、受付部240として機能する。
供給指示を受け付けた場合(ステップS304;YES)、制御部21は、管理サーバ10に、蓄電電力の供給を要求する(ステップS305)。具体的に説明すると、制御部21は、蓄電設備S1〜S3のいずれかに蓄電電力を家屋Hに供給させる供給要求を、宅外通信部25及び広域ネットワークNを介して、管理サーバ10に送信する。ステップS305において、制御部21は、要求送信部250として機能する。
これに対して、供給指示を受け付けていない場合(ステップS304;NO)、制御部21は、ステップS305の処理をスキップする。供給指示を受け付けていない場合とは、具体的には、必要な電力を買電する買電指示を受け付けた場合、又は、何の指示も受け付けていない場合に該当する。
管理サーバ10において、制御部31は、制御装置2から送信された供給要求を受信すると、蓄電電力を家屋Hに供給させる(ステップS404)。具体的に説明すると、制御部31は、蓄電設備S1〜S3のうちの、需要家Aの電力が蓄電された少なくとも1つの蓄電設備の電力変換装置に、放電の命令を送信する。これにより、制御部31は、蓄電設備の蓄電電力を、指示された量まで、家屋Hに供給させる。ステップS404において、制御部31は、蓄電制御部350として機能する。
蓄電電力を引き出すと、制御部31は、管理DB390に記憶された需要家Aの管理データを更新する(ステップS405)。具体的に説明すると、制御部31は、新たに引き出された電力及び需要家に関する情報を、図14に示した管理データに記録する。以上により、放電フェーズにおける処理は終了する。
以上説明したように、本実施の形態に係る電力管理システム1は、需要家Aの発電設備5による発電電力の、複数の需要家A,B,C,…によって共用される蓄電設備S1〜S3への蓄電を管理するシステムにおいて、蓄電設備S1〜S3の利用情報を需要家Aに報知する。そして、電力管理システム1は、発電電力を蓄電設備S1〜S3のいずれかに蓄電する蓄電指示、又は、蓄電設備S1〜S3のいずれかの蓄電電力を家屋Hに供給する供給指示を、需要家Aから受け付け、蓄電指示を受け付けた場合、蓄電設備S1〜S3のいずれかに発電電力を蓄電させ、供給指示を受け付けた場合、蓄電設備S1〜S3のいずれかに蓄電電力を家屋Hに供給させる。
蓄電設備S1〜S3の利用情報を報知することで、需要家Aは、利用情報を参照して、蓄電設備S1〜S3を利用するか否かを決めることができる。例えば、需要家Aは、余剰電力を蓄電するか売電するか、又は蓄電電力を引き出すか買電するか等、蓄電設備S1〜S3を利用すべき適切なタイミングを知ることができる。また、複数の需要家A,B,C,…の間で蓄電設備S1〜S3を利用する時間帯が重複することによって、蓄電サービスが受けられないということを減らすことができる。
このように、需要家Aは、蓄電設備S1〜S3を有効に利用することができる。その結果、蓄電設備S1〜S3を所有していない需要家Aであっても、余剰電力を蓄電設備S1〜S3に蓄電しておき、必要なときに引き出して消費することができ、余剰電力の使い方の幅を広げることができる。また、利用料金を報知して複数の需要家A,B,C,…の要望を制御することで、蓄電設備S1〜S3を利用する時間帯が集中しないようにすることができる。そのため、電力管理者にとっても、蓄電設備S1〜S3を効率良く運用することができるという効果が得られる。
(変形例)
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明を実施するにあたっては、種々の形態による変形及び応用が可能である。
例えば、上記実施の形態では、蓄電設備S1〜S3は、充放電可能な蓄電池に蓄電する設備であった。しかしながら、本発明において、蓄電設備は、例えば給湯機等の蓄熱機器に、電力を熱に変換することで蓄電しても良い。蓄熱機器は、余剰電力で湯を沸き上げることで蓄電する。この場合、沸き上げた湯を電力に再変換することはできないが、将来的にその湯を沸き上げるために必要となるはずであった電力を他の用途に消費可能になる。そのため、蓄熱機器に蓄電することは、間接的に電力を貯めることに相当する。このように、本発明において、蓄電設備は、電力を他の形態に変換して間接的に蓄電する設備であっても良い。
本発明において、電力消費地は、上述した家屋Hのような一般住宅であることに限らず、集合住宅、施設、ビル又は工場等であってもよい。また、発電設備5は、太陽光に限らず、風力又は地熱等の他の再生可能エネルギーによって発電するものであっても良い。
本発明において、蓄電設備S1〜S3の利用料金である預入料金及び引出料金は、需要家と電力事業者との間の契約によって定められても良い。例えば、需要家と電力事業者との間で予め契約量を定めておく。料金計算部320は、利用料金として、蓄電量が契約量より少ない場合は割安な料金を設定し、蓄電量が契約量より多い場合は割高な料金を設定しても良い。
本発明において、複数の電力事業者を利用することができる場合、需要家Aは、複数の電力事業者のうちから余剰電力を預ける電力事業者を選ぶことができる。具体的に説明すると、図17に示す電力管理システム1aでは、需要家Aは、電力事業者Aと電力事業者Bとに余剰電力を預けることができる。この場合、家屋Hにおける制御装置2は、管理サーバ10aから電力事業者Aが管理する蓄電設備の利用情報を取得し、管理サーバ10bから電力事業者Bが管理する蓄電設備の利用情報を取得する。そして、制御装置2は、取得した2つの利用情報をどちらも報知する。これにより、需要家Aは、2つの利用情報を比較しながら、余剰電力を預ける電力事業者を選ぶことができる。
上記実施の形態では、蓄電制御部350は、受付部240が需要家Aから受け付けた蓄電指示又は供給指示に従って、蓄電設備S1〜S3の充放電を制御した。しかしながら、本発明において、蓄電制御部350は、状況に応じて、需要家Aから予め入力された要望に従って、蓄電設備S1〜S3の充放電を制御しても良い。例えば、可能な限り蓄電設備S1〜S3を利用することで電力の売買を抑えるとの需要家Aの要望を、受付部240が受け付けた場合、蓄電制御部350は、蓄電フェーズでは余剰電力を可能な限り蓄電設備S1〜S3に蓄電させ、放電フェーズでは蓄電電力を可能な限り家屋Hに供給させる。或いは、引出料金と買電価格との差が閾値より大きいことを条件として蓄電電力を引き出すとの需要家Aの要望を、受付部240が受け付けた場合、蓄電制御部350は、放電フェーズにおいて、引出料金と買電価格との差が閾値より大きい場合に、蓄電電力を家屋Hに供給させる。
上記実施の形態では、操作端末3が表示部及び入力部を備えており、制御装置2は、操作端末3に入力された入力情報を、無線又は有線通信を介して取得し、表示情報を操作端末3に送信して表示した。しかしながら、本発明において、制御装置2が表示部及び入力部を備えていてもよい。すなわち、制御装置2自身に、操作端末3の機能が備わっていてもよい。この場合、報知部230は、操作端末3を介してではなく、制御装置2に備えられた表示部を介して、図11及び図12に示した報知画像を表示する。また、受付部240は、操作端末3を介してではなく、制御装置2に備えられた入力部を介して、指示を受け付ける。また、報知部230は、図11及び図12に示した報知画像を表示部に表示することに限らず、この報知画像の内容を音声で出力することによって、蓄電設備S1〜S3の利用情報を報知することもできる。
また、上記実施の形態では、家屋H内に設置された制御装置2が、計測値取得部210と、利用情報取得部220と、報知部230と、受付部240と、要求送信部250と、を備えており、家屋H外に設置された管理サーバ10が、蓄電量取得部310と、料金計算部320と、利用情報送信部330と、要求受信部340と、蓄電制御部350と、を備えていた。しかしながら、本発明において、制御装置2の上記の機能を管理サーバ10が備えていても良いし、管理サーバ10の上記の機能を制御装置2が備えていても良い。言い換えると、制御装置2又は管理サーバ10のどちらか単体で、上述した電力管理システム1として機能しても良い。
図18に、家屋Hに制御装置2が設置されていない場合の例を示す。図18に示す電力管理システム1b及び宅内システム20bでは、ルータ12が、制御装置2の代わりに、操作端末3、発電設備5、電力計測装置6及び複数の電気機器7a,7b,…のそれぞれと通信可能に接続され、各機器間における通信を中継する。管理サーバ10は、ルータ12を介して操作端末3と通信することにより、上記実施の形態における報知部230及び受付部240として機能する。
また、制御装置2が、上記実施の形態における蓄電量取得部310、料金計算部320、蓄電制御部350、又は管理DB390のうちの少なくともいずれかを備えていても良い。制御装置2が蓄電制御部350の機能を備えている場合、制御装置2が、蓄電設備S1〜S3のいずれかに対して、管理サーバ10を介して、又は管理サーバ10を介さずに直接、充電又は放電の命令を送信する。これにより、制御装置2が、蓄電設備S1〜S3のいずれかに発電電力P2を蓄電させ、又は、蓄電設備S1〜S3のいずれかに蓄電電力を家屋Hに供給させる。
上記実施の形態では、制御装置2の制御部21において、CPUがROM又は記憶部22に記憶されたプログラムを実行することによって、計測値取得部210、利用情報取得部220、報知部230、受付部240及び要求送信部250のそれぞれとして機能した。また、管理サーバ10の制御部31において、CPUがROM又は記憶部32に記憶されたプログラムを実行することによって、蓄電量取得部310、料金計算部320、利用情報送信部330、要求受信部340及び蓄電制御部350のそれぞれとして機能した。しかしながら、本発明において、制御部21及び制御部31は、専用のハードウェアであってもよい。専用のハードウェアとは、例えば単一回路、複合回路、プログラム化されたプロセッサ、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、又は、これらの組み合わせ等である。制御部21及び制御部31が専用のハードウェアである場合、各部の機能それぞれを個別のハードウェアで実現してもよいし、各部の機能をまとめて単一のハードウェアで実現してもよい。
また、各部の機能のうち、一部を専用のハードウェアによって実現し、他の一部をソフトウェア又はファームウェアによって実現してもよい。このように、制御部21,31は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、又は、これらの組み合わせによって、上述の各機能を実現することができる。
本発明に係る制御装置2又は管理サーバ10の動作を規定する動作プログラムを既存のパーソナルコンピュータ又は情報端末装置等のコンピュータに適用することで、当該コンピュータを、本発明に係る制御装置2又は管理サーバ10として機能させることも可能である。
また、このようなプログラムの配布方法は任意であり、例えば、CD−ROM(Compact Disk ROM)、DVD(Digital Versatile Disk)、MO(Magneto Optical Disk)、又は、メモリカード等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納して配布してもよいし、インターネット等の通信ネットワークを介して配布してもよい。
本発明は、本発明の広義の精神と範囲を逸脱することなく、様々な実施の形態及び変形が可能とされるものである。また、上述した実施の形態は、この発明を説明するためのものであり、本発明の範囲を限定するものではない。すなわち、本発明の範囲は、実施の形態ではなく、請求の範囲によって示される。そして請求の範囲内及びそれと同等の発明の意義の範囲内で施される様々な変形が、この発明の範囲内とみなされる。