JP2019170032A - 電力管理装置および電力管理プログラム - Google Patents
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Abstract
Description
このような状況に対応すべく、自家発電装置と共に蓄電装置を有する家庭や事業者の増加が見込まれる。
しかし、ある時刻で余剰電力があり家電機器を動作できたとしても、再生可能エネルギーによる発電量は変動しやすく、継続的に余剰電力が確保できるとは限らない。そのため、余剰電力を充当して運転を開始しても、時間が経過すると電力会社から電力を買って賄うことになる場合がある。
この発明は、以上のような事情を考慮してなされたものであって、蓄電池に蓄えたエネルギーを適切に管理して余剰エネルギーの範囲で機器を動作させることが可能な電力管理装置および電力管理プログラムを提供する。
この発明による電力管理プログラムも、同様の作用効果を奏する。
(実施の形態1)
≪単位需要者電力系の構成≫
まず、この実施形態に係る単位需要者電力系の構成例を述べる。
図1Aは、この発明の一実施形態に係る単位需要者電力系の構成を示すブロック図である。図1Aに示すように、この実施例に係る単位需要者電力系11は、太陽光発電装置13、蓄電池15、家電機器17−1〜17−n、パワーコンディショナー19および制御装置21を備え、電力系統23と接続される。パワーコンディショナー19は、Power Conditioning Systemの頭文字をとってPCSとも呼ばれる。
太陽光発電装置13は、太陽電池を含み、その太陽電池が生成した直流電力をパワーコンディショナー19へ供給する。パワーコンディショナー19のDC/DCコンバータ19aは、太陽光発電装置13から供給される直流電力を、所定の電圧に変換する。DC/DCコンバータ19aは、太陽光発電装置13からの一方向動作であり、逆方向への電力の流れを阻止する。
双方向インバータ19cの交流側における所定電圧の一例は略100Vであり、所定周波数の例は50Hzあるいは60Hzであるが、これに限るものでない。電力系統23の電圧および周波数と整合するものであればよい。
なお、図1Aにおいて、制御装置21とパワーコンディショナー19を別体で示しているが一体のものであってもよい。
制御装置21は、ハードウェア資源としてCPUを中心に、メモリー、入出力回路、通信インターフェイス回路、タイマー回路を含んで構成される。また、機能的に登録部21a、通信部21b、充放電制御部21c、動作管理部21dを備える。さらに、誤差格納部21eを含んでもよい。
さらに、制御装置21は、PCS19から太陽光発電装置13の発電電力PPVおよび蓄電池15の充放電電力Pbatを取得する。また、それぞれの家電機器17−1〜17−nと通信してそれらの消費電力PL1〜PLnを取得する。さらに、センサを用いて電力系統からの送受電電力Psを取得する。取得されたそれらの情報に基づいて、太陽光発電装置13の発電電力PPVから家電機器17−1〜17−nの消費電力PL1〜PLnの総和を差し引いた余剰電力を算出する。そして、時間の経過と共に蓄電池15に蓄積された余剰電力量、即ち蓄電池15の残容量を算出して管理する。残容量は蓄電池15に蓄積された余剰エネルギーの大きさでもある。なお、制御装置21は、PCSと通信して蓄電池15の残容量を取得してもよい。
また、制御装置21は、それぞれの家電機器17−1〜17−nについて、動作中であるか停止中であるかの動作状態を取得する。
この実施形態において、各家電機器の動作状態および情報の取得は、制御装置21と各家電機器とが電力線や無線を介した通信を行うことにより行われる。
この実施形態において、制御装置21は、太陽光発電装置13が発電した電力を、できる限り家電機器17−1〜17−nが消費する電力に充当し、消費しきれない電力は蓄電池15に蓄えて自家需給を行うように制御する。蓄電池15が満充電になると、電力系統23へ供給して、いわゆる売電を行うが、この明細書において売電の単価は買電の単価に比べて安価であると想定している。従って、制御装置21は、できる限り太陽光発電装置13による発電電力を自家消費し、あるいは蓄電し、売電を抑えるように制御する。
ここで、前述のように余剰電力は、太陽光発電装置13の発電電力PPVから家電機器17−1〜17−nの消費電力PL1〜PLnの総和を差し引いた電力である。制御装置21は、余剰電力が発生すると、蓄電池15を充電するように制御する。
蓄電池15に蓄積された余剰エネルギーの大きさは、各時点で発生する余剰電力の大きさとその期間の積として算出される。
余剰エネルギーが蓄積された場合に、動作させたい家電機器の登録について述べる。
この実施形態において、家電機器の登録は、携帯情報端末31をユーザーが操作することで実行されるものとする。ただし、登録に用いる機器は携帯情報端末に限るものでない。例えば、専用のコントローラの画面上で登録を行うようにしてもよい。あるいは、携帯情報端末に代えて、パーソナルコンピュータを用いてもよいし、テレビを用いてもよい。携帯情報端末31は、制御装置21と通信部21bを介して通信を行う。
図2は、この実施形態において登録部21aとしての制御装置21が、携帯情報端末31に表示させる登録画面の一例を示す説明図である。図2に示すように、登録画面には、家電機器17−1〜17−nのうちユーザーが使用可能な家電機器の一覧がリストとして表示される。ユーザーは、その家電機器リストのうちから、蓄電池15に所定量以上の余剰エネルギーが蓄積されたら動作させたい家電機器を選択し、優先順位リストに登録しておくことができる。
図2に示す優先順位リストの縦方向は、優先順位の大小を表し、小さな値のものほど高い優先順位である。図2に示す優先順位リストの横方向は、登録する家電機器とその動作時間および消費電力量が表示される。
ユーザーが新たに登録を行いたい場合は、家電機器リストの中から登録したい家電機器を選択する。図2の例で、ユーザーはエアコンを新たに登録したいと考え、対応するチェックボックスを選択している。家電機器リストの下方には、エアコンを選択する操作に応答して「家電機器 エアコン」が表示されている。そして、動作時間と優先順位を入力するための空欄が表示されている。
以上のように、ユーザーは携帯情報端末31に表示される登録画面を用いて、優先順位および動作時間と共に家電機器を登録しておくことができる。
なお、図2に示す登録画面は、所定量余剰エネルギーがなくても動作させたい家電機器を含んで優先順位リストに登録された例を示している。LED照明は、余剰エネルギーの有無に関係なく夜間になると動作させたい家電機器といえる。同様に、液晶テレビについても、ユーザーが好む番組の放送時間になると動作させたい家電機器といえる。
図3に示す例で、優先順位リストに登録された家電機器は、空気清浄器と加湿器である。これらの家電機器は、所定量の余剰エネルギーが蓄電池15に蓄積された時点で動作させる家電機器である。さらに、家電機器リストの中から「掃除機」が選択され登録されようとしている。この「掃除機」は、自律走行して掃除を行ういわゆる掃除ロボットであり、余剰エネルギーが所定量に達したら随時清掃を行う。
所定量の余剰エネルギーが蓄積されていなくても動作させたい家電機器は、家電機器リストに表示せず、余剰エネルギーが蓄積された場合にのみ動作させたい家電機器のみをリストアップする態様も考えられる。ただし、両者を一律に区別することが困難な側面があり、ユーザーによって、あるいは状況によって変わることもある。
図4は、この実施形態において動作管理部21dとしての制御装置21が実行する処理を示すフローチャートである。フローチャートに沿って処理を説明する。
動作管理部21dとしての制御装置21は、蓄電池15に蓄積された余剰エネルギーの大きさが予め定められた閾値以上になったか否かを逐次比較する(ステップS11)。
蓄積された余剰エネルギーが閾値以上になったら(ステップS11のYes)、優先順位リストに登録された家電機器のうち、優先順位の高いものから順に対象として(ステップS13)以下の処理を行う。
対象の家電機器について、優先順位リストに係る消費電力量(の予測値)を参照する。その消費電力量が、蓄電池15に蓄積された余剰エネルギーの範囲内か否かを判断する(ステップS19)。蓄積された余剰エネルギーよりも大きい場合は、ここで処理を終了する(ステップS19のNo)。その際に、携帯情報端末31に、処理を終了する理由を通知してもよい。
蓄積された余剰エネルギーの範囲内であれば(ステップS19のYes)、制御装置21は、以下の処理を行う。
一方、制御装置21は、下位の優先順位に登録された家電機器があれば(ステップS27のYes)、次に対象とすべき家電機器を決定する(ステップS29)。そして、処理を前記ステップS15に進め、新たな対象の家電機器について同様の処理を実行する。ここで、ステップS19における蓄積された余剰エネルギーの大きさについては、次のように扱う。即ち、前記ステップS23で動作を開始し、あるいは前記ステップS25で通知を行った家電機器について優先順位リストに登録された消費電力量(の予測値)を差し引いたものを余剰エネルギーの大きさとする。そのうえで、その範囲内か否かの判断を行う。
図5は、図2に示す優先順位リストの異なる登録例を示す説明図である。
図5の場合、優先順位の1番目に空気清浄器が、2番目に加湿器が、3番目に掃除機が、4番目にエアコンが、5番目に電気ポットが、6番目に洗濯乾燥機が登録されている。
例えば、図5で、蓄電池15に蓄積された余剰エネルギーが3キロワットアワー(kWh)になることを契機に、動作管理部21dが登録された家電機器を動作させる処理を実行するものとする。その場合、動作管理部21dは、最高優先順位の空気清浄器を対象として図4に示すステップS15〜S25の処理を実行し、空気清浄機を動作させる。
続いて、動作管理部21dは、次の優先順位の掃除機(掃除ロボット)について、同様にステップS15〜S25の処理を実行して動作させる。ここで、ステップS19の判断における余剰エネルギーは、当初の3(kWh)から動作済みの空気清浄機および加湿器の消費電力量の合計を差し引いたものである。即ち、3−(1.8+0.065)=1.135(kWh)である。掃除機の消費電力量の100Whは、それよりも小さいので、動作管理部21dは掃除機を動作させる。
次の優先順位の電気ポットについては、動作済みの空気清浄機、加湿器、掃除機およびエアコンの消費電力量の合計が、5.965(kWh)である。それを差し引いた余剰エネルギーは、35(Wh)ある。電気ポットの消費電力量の420(Wh)は、それよりも大きいので、動作管理部21dは電気ポットを動作させずに、処理を終了する。
優先順位リストが、一日のうちの時間帯別に、あるいは曜日別に、または季節や期間別に複数用意されていてもよい。
例えば、時間帯によって、優先して動作させたい家電機器が異なることが考えられる。複数の優先順位リストがあれば、そのようなユーザーの必要に対応できる。
1番目の優先順位リストは、12:00〜14:59の時間帯に適用される優先順位リストである。なお、この優先順位リストが適用される期間が3時間であるので、登録された家電機器の動作時間は3時間以下である。
2番目の優先順位リストは、15:00〜17:59の時間帯に適用される優先順位リストである。
例えば、掃除機は1番目の優先順位リストに登録されているが、2番目の優先順位リストには登録されていない。電気ポットは、1番目の優先順位リストに5番目の優先順位で登録されているが、2番目の優先順位リストには4番目の優先順位で登録されている。
このように、家電機器を動作させたい時期に応じて異なる優先順位リストを用意してユーザーの細かな必要に対応することができる。
ここまでは、蓄積された余剰エネルギーの大きさが固定の閾値(例えば、蓄電池15が満充電の状態)に達したか否かの判断に基づいて家電機器を動作させるものとしていたが、その閾値をユーザーが設定し、設定を変更できるようにしてもよい。
前記閾値が、登録された家電機器ごとに設定できてもよい。
図7は、図2に示す優先順位リストと異なる態様の優先順位リストを示す説明図である。図7に示すように、図2と比較して各家電機器の登録項目に、蓄電池残量、即ち蓄電池15に蓄積された余剰エネルギーの大きさに係る閾値が追加されている。
この態様によれば、動作管理部21dは、実施の形態1と同様に、優先順位リストに登録された家電機器のうち優先順位の高いものから順に判断の対象とする。
そして、実施の形態1における図4のステップS19の処理に対応して、以下の処理を行う。
判断の対象となる家電機器について動作管理部21dは、優先順位リストに登録された上位の優先順位の家電機器が動作し、その消費電力量を見込んだ蓄電池残量が、前記閾値(優先順位リストに登録された蓄電池残量)以上か否かを判断する。
例えば、蓄電池15の満充電容量が3(kWh)であるとする。その場合、動作管理部21dは、1番目の優先順位の空気清浄器について、以下のように判断を行う。
空気清浄機は最高優先順位の家電機器であるから、動作を見込むべき家電機器は存在しない。よって、現在の蓄電池残量の3(kWh)が優先順位リストに登録された蓄電池残量の閾値以上か否かを判断する。
登録された閾値に係る蓄電池残量は、3(kWh)×50/100=1.5(kWh)である(登録された蓄電池残量については図7を参照)。
3(kWh)≧1.5(kWh)であるから、動作管理部21dは空気清浄機を動作させる。
次に、2番目の優先順位の加湿器について、動作管理部21dは、以下のように判断する。
上位の優先順位の空気清浄機が動作する場合、蓄電池15の残容量は3(kWh)から900(Wh)を差し引いて2.1(kWh)と見込まれる。即ち、上位の優先順位の空気清浄機の消費電力量を見込んだ蓄電池残量は2.1(kWh)である。
加湿器について登録された閾値に係る蓄電池残量は、3(kWh)×30/100=0.9(kWh)である(図7を参照)。
2.1(kWh)≧0.9(kWh)であるから、動作管理部21dは空気清浄器に加えて加湿器を動作させる。
続いて、3番目の優先順位の掃除機について、動作管理部21dは、以下のように判断する。
上位優先順位の空気清浄機と加湿器との動作を見込んだ蓄電池残量は3(kWh)から900+39(Wh)を差し引いて2.061(kWh)と見込まれる。
掃除機について登録された閾値に係る蓄電池残量は、3(kWh)×30/100=0.9(kWh)である(図7を参照)。
2.061(kWh)≧0.9(kWh)であるから、動作管理部21dはさらに掃除機を動作させる。
続いて、3番目の優先順位の掃除機について、動作管理部21dは、以下のように判断する。
上位優先順位の空気清浄機、加湿器および掃除機の動作を見込んだ蓄電池残量は3(kWh)から900+39+100(Wh)を差し引いて1.961(kWh)と見込まれる。
掃除機について登録された閾値に係る蓄電池残量は、3(kWh)×80/100=2.4(kWh)である(図7を参照)。
1.961(kWh)<2.4(kWh)である。
よって、動作管理部21dは、エアコンを動作させることなく処理を終了する。
なお、異なる態様として、次のような処理が考えられる。
いま、蓄電池残量が30%以上かつ50%未満の場合を想定する。動作管理部21dは、現在の蓄電池残量よりも閾値が高い空気清浄機をスキップして優先順位が2番目の加湿器と3番目の掃除機について、図4に示すステップS15〜S25と同様の処理を実行する。優先順位が4番目のエアコンと5番目の電気ポットについてはスキップする。即ち、蓄電池15に蓄積された余剰エネルギーが優先順位リストに登録された蓄電池残量に達していない家電機器については処理をスキップする。
電池15に蓄積された余剰エネルギーが80%に達し場合は、エアコンについてもスキップせずに処理する。
実施の形態1において、図4に示すステップS19の処理は、対象の家電機器について優先順位リストに登録された消費電力量が蓄積された余剰エネルギーの範囲内でなければ(ステップS19のNo)、終了し、それより下位の優先順位に登録された家電機器は、動作することがない。
この実施形態においては、図4に示すステップS19の判断がNoの場合に、次の優先順位に登録された家電機器だけは(あるいは、次の優先順位だけでなく、所定数の下位の優先順位の家電機器だけは)、ステップS15〜S25と同様の処理を実行する。
ただし、無制限に下位の優先順位までこれを拡張すると、消費電力量の小さな家電機器が優先して動作することになって優先順位の意味がなくなるので、限られた範囲の拡張に留めるべきものである。
例えば、図5に示す家電機器が優先順位リストに登録されている場合で、蓄電池15に蓄積された余剰エネルギーが3(kWh)以上になることを契機として、動作管理部21dが図4のステップS13以降と同様の処理を実行する場合を考える。この実施の形態1によれば、空気清浄器、加湿器および掃除機を動作させるがエアコンについては図4のステップS19に相当する処理でNoと判断され処理が終了する。
その場合、余剰エネルギーは、当初の3(kWh)から動作済みの空気清浄機、加湿器および掃除機の消費電力量の合計を差し引いたものである。即ち、3−(1.8+0.065+0.1)=1.035(kWh)である。エアコンの消費電力量である4000Whは、それよりも大きいので、動作管理部21dはエアコンを動作させないが、さらに電気ポットについて比較を行う。電気ポットの消費電力量である420Whは、それよりも小さいので、動作管理部21dは、電気ポットについて、図4のステップS21〜S25と同様の処理を実行して動作させ、処理を終了する。
ここまでの説明において、動作管理部21dは、蓄電池15に蓄積された余剰エネルギーで、動作させる家電機器の消費電力量(の予測値)のすべてを賄うことができるかどうかを判断していた。即ち、消費電力量のすべてを既に蓄電池15に蓄積されたエネルギーで賄うことを前提としていた。
しかし、判断の時点から将来のことになるが、家電機器を動作させている間にも余剰電力が発生する。発生した余剰電力で、優先順位の下位の家電機器を動作させることができる場合もある。即ち、既に蓄電池15に蓄積されたエネルギーだけで家電機器の動作の可否を判断するのは確実な反面、余裕を持ち過ぎている側面があるともいえる。
動作管理部21dは、算出された予測余剰電力量と蓄電池15に蓄積された余剰エネルギーとの合計の範囲で動作させる電気機器の消費電力量(の予測値)を賄うことができるか否かを判断する。
即ち、動作する各家電機器の予測消費電力量を予測余剰電力量と蓄電池15に蓄えられた余剰エネルギーとで賄うのであるが、予測消費電力量のうち蓄電池15に蓄えられた余剰エネルギーを使用する割合を所定の値未満に留めておくように、動作させる家電機器を判断する態様である。
夜間以外のある時間帯において、優先順位リストに登録された家電機器の予測消費電力量が1.0(kWh)であるとする。そして、その時間帯における予測余剰電力量が600(Wh)であるとする。そうした場合、蓄電池15に蓄えられた余剰エネルギーのうち400(Wh)が、その家電機器により消費されると予測される予測値である。
しかし、次の順位の家電機器の予測消費電力が、1.8(kWh)とする。前述の動作可能とされた家電機器が蓄電池15の余剰エネルギーを消費する予測値の400(Wh)と合算すると、2.2(kWh)が必要である。しかし、その合算値は、使用割合を考慮した蓄電池容量の1.5(kWh)よりも大きい。よって、動作管理部21dは、次の順位の家電機器が動作可能でないと判断する。
100%の設定は、余剰電力量を見込まないことに該当する。即ち、実施の形態1〜5と同様の条件といえる。
0%の設定は、予測消費電力量のすべてを予測余剰電力量で賄うことに該当する。その場合、蓄電池15に蓄えられた余剰エネルギーは、予測消費電力量および予測余剰電力量の実績との誤差を賄うために用いられる。
実施の形態6では、余剰電力量と蓄電池15に既に蓄えられた余剰エネルギーとを用いて登録された家電機器の動作の可否を判断する。しかし、太陽光発電装置13等の再生可能エネルギーによる発電装置は、自然環境の影響等で変動しやすいので判断の時点で予測した余剰電力量と実際の発電量との間にある程度誤差が生じるのが通常である。これを予測誤差と呼ぶ。
この実施形態で動作管理部21dは、予測誤差を考慮した余剰電力量の予測値の範囲内で登録された家電機器の動作の可否を判断する。
例えば、過去の実績から予測誤差の大きさが20%程度と推測された場合、余剰電力量の予測値から20%の予測誤差分を差し引いた値を余剰電力量に適用して家電機器の動作の可否を判断する。
このようにすれば、予測の誤差によって買電が発生する可能性を抑えることができる。
実施の形態6で、余剰電力を含めて登録された家電機器の動作の可否を判断する。
この実施形態では、判断時点の直前において余剰電力を蓄電池へ充電していく充電の速度に応じて、蓄電池15に蓄えられた余剰エネルギーの大きさに係る閾値の設定を変える。
前述した実施の形態3では、ユーザーがその閾値を設定、変更できるようにしたが、この実施形態は、ユーザーによる閾値設定ではなく蓄電池15の充電の速度に応じた閾値設定を行う。
具体的には、充電の速度が速い場合ほど閾値を低く設定する(図8参照)。これは、充電速度が速い場合ほど、その後に発生する余剰電力量が大きいことが想定されるからである。
(i)この発明による電力管理装置は、複数の電気機器、再生可能エネルギーによる発電装置および蓄電装置を含み、電力系統に接続される単位需要者電力系を管理する装置であって、前記発電装置により発電されたエネルギーから各電気機器の動作により消費されるエネルギーを差し引いた余剰エネルギーを蓄えるように前記蓄電装置を制御する充放電制御部と、前記蓄電装置に蓄えられた余剰エネルギーの大きさが予め定められた閾値以上になることで蓄えられた余剰エネルギーを用いて動作を開始させるかまたはユーザーに動作可能の通知を送るべき電気機器の登録を、その電気機器の動作時間の登録と共に受付ける登録部と、登録された電気機器が動作する際の予測消費電力または予測消費電力量を予め格納する格納部と、を備えることを特徴とする。
また、再生可能エネルギーによる発電装置は、太陽光発電装置に代表される自家発電装置であるが、太陽光発電装置に限るものでなく、風力発電装置や他の再生可能エネルギーを用いた発電装置であてもよい。上述の実施形態における太陽光発電装置は、この発明の再生可能エネルギーによる発電装置に相当する。
電力機器は、電力を消費する機器を広く指しその種類は問わない。上述の実施例における家電機器は、この発明の電力機器に相当する。
(ii)前記蓄電装置に蓄えられた余剰エネルギーの大きさが前記閾値以上になることを契機に、前記格納部に格納された予測消費電力と動作時間との積である予測消費電力量が前記閾値に係る余剰エネルギーの範囲で動作可能な電気機器に該当するか否かの判断を行い、該当する1以上の電気機器があれば動作を開始させるかまたはユーザーに動作可能の通知を送る動作管理部をさらに備え、前記登録部は、登録される電気機器の優先順位をユーザーに指定させて登録を受け付け、前記動作管理部は、優先順位が高い順に前記判断を行うようにしてもよい。
このようにすれば、予測消費電力量が前記閾値に係る余剰エネルギーの範囲内で動作可能な電気機器を優先順位が高い順に探して動作させるか、またはユーザーに動作可能の通知を送ることができる。
このようにすれば、例えば一日の中で異なる時間帯は異なる優先順位に設定できる。あるいは、例えば一週の中で異なる曜日は異なる優先順位に設定できる。あるいはまた、例えば一年の中で異なる季節は異なる優先順位に設定できる。
このようにすれば、ユーザーが電気機器の種類や動作させたい時間に応じた適切な閾値を設定できる。
このようにすれば、各電気機器の種類や動作させたい時間に応じた適切な閾値を設定できる。
例えば、上位の優先順位に大きな予測消費電力量の電力機器が登録されており、下位の優先順位に、それよりもずっと小さな予測消費電力量の電力機器が登録されている場合がある。この好ましい態様によれば、蓄電装置に蓄えられた余剰エネルギーでは上位の電力機器を動作させることができなくても、先に下位の優先順位の電力機器を動作させることができ、それをユーザーが望む場合に対応が可能になる。
このようにすれば、既に蓄電装置に蓄えられた余剰エネルギーだけでなく、各電気機器が動作する期間に発生する余剰電力量を見込んで電気機器を動作させることができる。
このようにすれば、余剰電力に係るエネルギーに関して予測値と実績との誤差を考慮することによってより確実に余剰電力に係るエネルギー量を見込んで、電気機器を動作させることができる。
このようにすれば、蓄電池に蓄えられた余剰エネルギーを、例えば夜間の電力消費のために確保しておくようにすることが可能になる。
このようにすれば、各電気機器が動作する期間に発生する余剰電力量を見込んで電気機器を動作させ、既に蓄電装置に蓄えられた余剰エネルギーは予測余剰電力量と実績との誤差を賄うために用いることができる。
前述した実施の形態の他にも、この発明について種々の変形例があり得る。それらの変形例は、この発明の範囲に属さないと解されるべきものではない。この発明には、請求の範囲と均等の意味および前記範囲内でのすべての変形とが含まれるべきである。
Claims (11)
- 複数の電気機器、再生可能エネルギーによる発電装置および蓄電装置を含み、電力系統に接続される単位需要者電力系を管理する装置であって、
前記発電装置により発電されたエネルギーから各電気機器の動作により消費されるエネルギーを差し引いた余剰エネルギーを蓄えるように前記蓄電装置を制御する充放電制御部と、
前記蓄電装置に蓄えられた余剰エネルギーの大きさが予め定められた閾値以上になることで蓄えられた余剰エネルギーを用いて動作を開始させるかまたはユーザーに動作可能の通知を送るべき電気機器の登録を、その電気機器の動作時間の登録と共に受付ける登録部と、
登録された電気機器が動作する際の予測消費電力または予測消費電力量を予め格納する格納部と、を備える電力管理装置。 - 前記蓄電装置に蓄えられた余剰エネルギーの大きさが前記閾値以上になることを契機に、前記格納部に格納された予測消費電力と動作時間との積である予測消費電力量が前記閾値に係る余剰エネルギーの範囲で動作可能な電気機器に該当するか否かの判断を行い、該当する1以上の電気機器があれば動作を開始させるかまたはユーザーに動作可能の通知を送る動作管理部をさらに備え、
前記登録部は、登録される電気機器の優先順位をユーザーに指定させて登録を受け付け、
前記動作管理部は、優先順位が高い順に前記判断を行う請求項1に記載の電力管理装置。 - 前記登録部は、登録する電気機器を動作させたい時期に応じて登録の有無および異なる優先順位をユーザーが指定できるように登録を受け付ける請求項2に記載の電力管理装置。
- 前記登録部は、ユーザーによる前記閾値の設定または変更の少なくとも何れかを受付ける請求項1〜3の何れか一つに記載の電力管理装置。
- 前記閾値は、各電気機器に応じて定められる請求項1〜4の何れか一つに記載の電力管理装置。
- 前記動作管理部は、前記予測消費電力量が前記閾値に係る余剰エネルギーの範囲で動作可能な電気機器に該当するか否かを判断する際に、前記予想消費電力量が前記閾値に係る余剰エネルギーの範囲で動作可能でないと判断した電気機器の次の優先順位に登録された電気機器について、前記予測消費電力量が前記閾値に係る余剰エネルギーの範囲で動作可能か否かをさらに判断し、範囲内であればその電気機器の動作を開始させるかまたはユーザーに動作可能の通知を送る請求項2に記載の電力管理装置。
- 前記動作管理部は、前記予測消費電力量が前記閾値に係る余剰エネルギーの範囲で動作可能な電気機器に該当するか否かの条件に代えて、各電気機器の動作する期間における各電気機器の消費電力量を合算した予測値を前記発電装置による発電電力量の予測値から差し引いた予測余剰電力量を算出し、前記予測余剰電力量と前記閾値に係る余剰エネルギーとの合計の範囲で動作可能な電気機器に該当するか否かの条件に基づいて、判断の対象となる電気機器を動作させるかまたは動作可能の通知を送る請求項2に記載の電力管理装置。
- 前記発電電力量の予測値と実績および前記消費電力量の予測値と実績のそれぞれの誤差を格納する誤差格納部をさらに備え、
前記動作管理部は、前記予測余剰電力量に誤差格納部に格納された誤差を見込んだ値が予め定められた閾値以上になる条件に基づいて、登録された電気機器を優先順位順に動作させまたは動作可能の通知を送る請求項7に記載の電力管理装置。 - 前記動作管理部は、前記条件に加えて、前記予測消費電力量に対する前記予測余剰電力量の割合が予め定められた値以上である条件に基づいて、判断の対象となる電気機器を動作させるかまたは動作可能の通知を送る請求項7に記載の電力管理装置。
- 前記動作管理部は、前記予測消費電力量が前記閾値に係る余剰エネルギーの範囲で動作可能な電気機器に該当するか否かの条件に代えて、各電気機器の動作する期間における各電気機器の消費電力量を合算した予測値を前記発電装置による発電電力量の予測値から差し引いた予測余剰電力量を算出し、前記予測余剰電力量の範囲で動作可能な電気機器に該当するか否かの条件に基づいて、判断の対象となる電気機器を動作させるかまたは動作可能の通知を送る請求項2に記載の電力管理装置。
- 複数の電気機器、再生可能エネルギーによる発電装置および蓄電装置を含み、電力系統に接続される単位需要者電力系を管理するプログラムであって、
前記発電装置により発電されたエネルギーから各電気機器の動作により消費されるエネルギーを差し引いた余剰エネルギーを蓄えるように前記蓄電装置を制御する充放電制御処理と、
前記蓄電装置に蓄えられた余剰エネルギーの大きさが予め定められた閾値以上になることで蓄えられた余剰エネルギーを用いて動作を開始させるかまたはユーザーに動作可能の通知を送るべき電気機器の登録を、その電気機器の動作時間の登録と共に受付ける登録処理と、
登録された電気機器が動作する際の予測消費電力または予測消費電力量を予め格納する格納処理と、をコンピュータに実行させる電力管理プログラム。
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