JP6643088B2 - 廃棄物処理方法及び廃棄物処理装置 - Google Patents

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Description

本開示は、廃棄物処理方法及び廃棄物処理装置に関する。
廃棄物を処理する方法として、例えばコークスなどの炭素系可燃物質を溶融熱源に用い、工業炉(廃棄物溶融炉)にて廃棄物を溶融する方法がある。溶融による廃棄物の処理により、廃棄物の減容化が可能となるのに加え、これまで埋め立てによって最終処分されていた焼却灰や不燃性ごみをスラグやメタルにして再資源化することが可能となる。
廃棄物溶融炉においては、投入された廃棄物を十分に乾燥及び燃焼させて適切に減容化することが重要となる。特許文献1に開示されている廃棄物溶融炉では、炉の乾燥能力を高めるべく、主として廃棄物を乾燥させる領域である乾燥帯に、空気を供給する羽口を複数段配置している。
特開2000−291919号公報
ここで、例えば水分が多く含まれた廃棄物が炉内に投入された場合等においては、乾燥帯で廃棄物を十分に乾燥させることができないことがある。この場合、適切に減容化されていない廃棄物の降下が停止する棚吊りが発生し、廃棄物の荷下がりが停滞するおそれがある。従来、廃棄物の棚吊りに対しては、コークスの量を増やして熱源補填を行うこと、又は、ダンパの角度を調整するダンパ制御によって廃棄物の投入位置を変更すること等により、自然解消を促している。しかしながら、棚吊りが自然解消されるまでには時間を要する場合があり、この場合、廃棄物処理量の停滞、排ガスCO濃度の上昇、及び、コークス使用量の増加によるランニングコストの増加等が問題となる。
そこで、本開示は、廃棄物の棚吊りを早期に解消することができる、廃棄物処理方法及び廃棄物処理装置を提供することを目的とする。
本開示に係る廃棄物溶融炉の廃棄物処理方法は、本体部と、該本体部に空気を吹き込む第1羽口と、該第1羽口に対応した位置に配置された温度センサとを備える廃棄物溶融炉を用い、(a)温度センサによって検出された温度を取得することと、(b)上記(a)において取得した温度の上昇態様が所定の増風条件を満たしているか否かを判定することと、(c)上記(b)において温度の上昇態様が増風条件を満たしていると判定した場合に、第1羽口の送風量を増加させることと、を含む。
本開示に係る廃棄物溶融炉の廃棄物処理方法によれば、本体部に空気を吹き込む第1羽口に対応した位置の温度が所定値よりも高い場合に、第1羽口の送風量が増やされる。廃棄物の棚吊りが発生すると、該棚吊りが発生している箇所より上方において廃棄物の荷下がりが停滞する。これに対し、該棚吊りが発生している箇所より下方においては、通常通り廃棄物の処理が進む。このため、棚吊り箇所の下方においては、廃棄物の処理が進むにつれて、処理すべき廃棄物が存在しない領域(空洞)が生じることとなる。該空洞には廃棄物が存在しない状態で熱ガスが通過するため、該空洞及びその周辺領域(すなわち、棚吊り箇所の周辺領域)の温度が上昇する。このように、棚吊りの発生と温度上昇とは相関性を有している。この点、本開示に係る廃棄物処理方法では、温度の上昇態様が増風条件を満たしている場合に、温度を検出した温度センサが対応付けられた羽口の送風量が増やされる。このことで、温度が上昇している箇所の周辺に生じていると想定される棚吊り箇所の羽口の送風量を増やし、該棚吊り箇所において乾燥及び燃焼を促進することができる。これにより、廃棄物の棚吊りを早期に解消することができる。
上記(b)では、上記(a)において取得した温度が第1閾値を超えることを上記増風条件としてもよい。温度が閾値を超えているか否かを判定することにより、簡易且つ確実に温度上昇を把握することができる。
廃棄物溶融炉は、第1羽口との間に温度センサを挟むように、第1羽口の下方に配置された第2羽口を更に備え、上記(c)では、上記(b)において温度の上昇態様が増風条件を満たしていると判定した場合に、第1羽口の送風量を増加させるとともに、第2羽口の送風量を減少させてもよい。
棚吊り箇所の下方の空洞では温度が顕著に上昇する。よって、温度センサにおける温度が顕著に上昇している場合には、当該温度センサの領域が空洞となっており該温度センサの上方が棚吊り箇所である可能性が高い。このことから、温度の上昇態様が増風条件を満たしている場合に、該温度センサよりも上方の第1羽口の送風量を増加させることにより、棚吊り箇所と想定される第1羽口の送風量を適切に増やすことができる。ここで、棚吊り箇所の下方において通常通り廃棄物の処理が進むと、空洞が徐々に大きくなる。空洞が大きくなると、その後に棚吊りが解消された際、棚吊りしていた箇所よりも上方の廃棄物が、炉床近傍まで急激に降下し、廃棄物処理が適切に行われないおそれがある。この点、空洞となっている領域に配置された温度センサよりも下方の第2羽口の送風量を減少させることにより、棚吊り箇所の下方における廃棄物処理を抑制することができ、その結果、上述した棚吊り解消後の問題の発生を抑制することができる。
廃棄物溶融炉は、周方向に並ぶ複数の温度センサを備え、上記(c)では、上記(b)において、少なくとも2つの温度センサによって検出された温度それぞれの上昇態様が増風条件を満たしていると判定した場合に、第1羽口の送風量を増加させてもよい。これにより、周方向における異なる位置に設けられた温度センサそれぞれにおいて温度上昇が検出されたことをもって棚吊りが判断されるので、棚吊りをより高精度に特定することができる。また、周方向における異なる位置の温度が上昇していることをもって棚吊りが判断されることにより、周方向の広範囲に亘って空洞が形成されている等、廃棄物の荷下がり停滞の影響が大きいと想定される場合に、第1羽口の送風量を適切に増やすことができる。
廃棄物溶融炉は、周方向に並ぶ複数の第1羽口と、複数の第1羽口それぞれに対応するように周方向に並ぶ複数の温度センサとを備え、上記(c)では、増風条件を満たす上昇態様を検出した温度センサに対応する第1羽口のみ、送風量を増加させてもよい。これにより、周方向において棚吊りが発生していると想定される箇所の羽口のみ送風量を増加させることができ、棚吊りの発生箇所に応じて、必要十分な処理を行うことができる。
上記(c)では、第1羽口及び第2羽口の送風量の合計が増加するように、第1羽口の送風量を増加させるとともに、前記第2羽口の送風量を減少させてもよい。これにより、棚吊り発生時において、全ての羽口の総送風量が増加することとなるので、棚吊り箇所における廃棄物の乾燥及び燃焼をより効果的に促進することができ、廃棄物の棚吊りをより早期に解消することができる。
(d)上記(c)において第1羽口の送風量を増加させた状態において、温度センサによって検出された温度を取得することと、(e)上記(d)において取得した温度の下降態様が所定の減風条件を満たしているか否かを判定することと、(f)上記(e)において温度の下降態様が減風条件を満たしていると判定した場合に、第1羽口の送風量を増加させる前の状態に戻すことと、を更に含んでいてもよい。これにより、温度に応じて棚吊りの解消を判断し、棚吊りが解消されたと想定される適切なタイミングで通常操業に戻すことができる。
また、本開示に係る廃棄物処理装置は、第1羽口と、該第1羽口に対応した位置に配置された温度センサとを有する廃棄物溶融炉と、温度センサによって検出された温度を取得することと、該温度の上昇態様が所定の増風条件を満たしているか否かを判定することと、満たしている場合に第1羽口の送風量を増加させることと、を実行するように構成されたコントローラと、を備える。
本開示によれば、廃棄物の棚吊りを早期に解消することができる。
廃棄物処理装置の概略構成を示す模式図である。 閾値テーブルの一例を示す表である。 コントローラのハードウェア構成図である。 廃棄物処理方法の実行手順を示すフローチャートである。 通常操業時の廃棄物溶融炉を模式的に示した図である。 棚吊り発生時の廃棄物溶融炉を模式的に示した図である。 集中送風時の廃棄物溶融炉を模式的に示した図である。 集中送風時の廃棄物溶融炉を模式的に示した図である。 実施例1、実施例2、及び比較例の結果を示す表である。 実施例3の結果を示すグラフである。
以下、実施形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。説明において、同一要素又は同一機能を有する要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
[廃棄物処理装置]
まず、図1を参照して、本実施形態に係る廃棄物処理装置1の概要を説明する。
廃棄物処理装置1は、一般廃棄物や産業廃棄物等(以下、単に「廃棄物」という。)にガス化溶融処理を施すための設備である。例えば廃棄物処理装置1は、廃棄物溶融炉2と、水砕ピット5と、燃焼室6と、ボイラー61と、減温塔62と、集塵器63と、触媒反応塔64と、煙突65と、コントローラ90とを備えている。後述するように、廃棄物から生成されたガスは、廃棄物溶融炉2の上部から排出され、廃棄物から生成された溶融物は、廃棄物溶融炉2の下部から排出される。
水砕ピット5は、廃棄物溶融炉2の下部から排出された溶融物を水砕冷却させ、回収する。水砕ピット5は、冷却水を貯留するケーシング(不図示)と、ケーシング内で水砕冷却された冷却物を取り出すためのスクレーパコンベア(不図示)とを備えている。燃焼室6及びボイラー61は、排気ダクトを介して廃棄物溶融炉2の上部に接続され、廃棄物溶融炉2の排ガスから熱エネルギーを回収する。減温塔62、集塵器63、触媒反応塔64は、ボイラー61の下流側に接続され、排ガスを無害化する。煙突65は、無害化された排ガスを放出する。
(廃棄物溶融炉)
廃棄物溶融炉2は、還元雰囲気下で廃棄物中の可燃物を熱分解してガス化し、灰分や不燃物を溶融する。廃棄物溶融炉2は、レンガ、SiC、及びアルミナ等を含む耐火性物質等によって形成されている。廃棄物溶融炉2は、上下方向に延在する筒状の本体部20と、本体部20の上側に連なるガス誘導部21と、本体部20の下側に連なる溶融物貯留部22とを備えている。本体部20は、廃棄物を収容する空間を形成し、廃棄物を上方から下方へ案内する。ガス誘導部21は、本体部20内の廃棄物から生成されたガスを集め、排気ダクトに導く。溶融物貯留部22は、本体部20内の廃棄物から生成された溶融物を貯留する。
本体部20は、内側の断面積が一定の直胴部23と、直胴部23の下側に連なり、下方に向かうに従い内側の断面積が小さくなるテーパ部24とで構成されている。直胴部23の内面23aは円柱状を呈し、テーパ部24の内面24aは逆円錐台形状を呈している。
本体部20の内径及び高さは、例えば、後述する乾燥領域70に必要な容積及び熱分解領域71に必要な容積に応じて定められる。乾燥領域70に必要な容積は、例えば、1時間当りの水分乾燥量を50〜150kg/(m・h)として、1時間当たりに廃棄物溶融炉2に投入される廃棄物に含まれる水分量(すなわち、投入水分量)の全量を乾燥し得る容積である。熱分解領域71に必要な容積は、例えば、1時間当たりの炭素ガス化量を50〜150kg/(m・h)として、1時間当たりに廃棄物溶融炉2内に投入する廃棄物及びコークスに含まれる炭素をガス化し得る容積である。
溶融物貯留部22は、円筒状の側壁部22aと、側壁部22aの下端部を塞ぐ底部22bとを有している。側壁部22aの上端部は、テーパ部24の下端部に接続されている。側壁部22aの下端部には、溶融物貯留部22に貯留された溶融物を排出する出湯口27が設けられている。出湯口27には開閉機構(不図示)が設けられており、間欠的に溶融物を排出する。出湯口27の外側には、側壁部22aから斜め下方に延出する溶融物樋28が設けられている。溶融物樋28は、溶融物を水砕ピット5に送る。
ガス誘導部21は、円筒形状を呈している。ガス誘導部21の下端部は、本体部20の直胴部23の上端部に接続されている。上下方向でのガス誘導部21の中間部は径方向に膨出している。このため、ガス誘導部21の内面21aは、直胴部23の内面23aに比べ径方向に膨らんでいる。ガス誘導部21の上端部は、下端部に比べ縮径され、廃棄物溶融炉2の開口部2aを構成している。開口部2aには、内筒25が挿入されている。
内筒25は、円筒形状を呈し、廃棄物溶融炉2内に廃棄物及び炭素系可燃物質を導入する。内筒25の下端部はガス誘導部21の下端部に比べ上方に位置する。また、ガス誘導部21の上部には、排気口26が設けられている。排気口26は、本体部20内の廃棄物から生成されたガスを排出する。排気口26は、排気ダクトを介して燃焼室6に接続される。
ここで、廃棄物溶融炉2内の領域は、主たる処理内容に応じて、乾燥領域70(乾燥部)、熱分解領域71、及び溶融領域72に分けられる。乾燥領域70は、廃棄物溶融炉2内の上部に形成され、主として廃棄物を乾燥させるとともに予熱する領域である。熱分解領域71は、乾燥領域70の下側に形成され、主として乾燥した廃棄物中の可燃性分を熱分解してガス化させる領域である。溶融領域72は、熱分解領域71の下側に形成され、主として灰分及び不燃物を溶融させる領域である。
炉内のいずれの領域が乾燥領域70、熱分解領域71、溶融領域72であるかは、例えば炉内温度によって定まる。例えば、炉内温度が300〜600℃である部分は乾燥領域であり、炉内温度が600〜1200℃である部分は熱分解領域であり、炉内温度が1200〜1800℃である部分は溶融領域である。
廃棄物溶融炉2は、少なくとも1つの上段羽口30と、少なくとも1つの下段羽口40と、温度センサTとを備えている。
下段羽口40は、溶融物貯留部22の周壁に設けられており、酸素富化空気を炉内に供給するために用いられる。酸素富化空気とは、酸素濃度を高めた空気である。例えば下段羽口40は、コントローラ90からの制御信号の入力に応じた量だけ空気の送風を行う送風機42と、空気を酸素富化するための酸素発生器41とに接続されている。送風機42から下段羽口40に向かう流路には、バルブ40aが設けられている。バルブ40aは、コントローラ90からの制御信号の入力に応じて、流路の開度を調整する。バルブ40aから下段羽口40に向かう流路には、上述した酸素発生器41が接続されている。
下段羽口40は、側壁部22aの周方向に並ぶ複数の箇所に配置されていてもよい。下段羽口40は、好ましい配置例として、周方向45°間隔で8カ所に並んで配置されていてもよい。下段羽口40の先端部は、溶融物貯留部22内に突出していてもよいし、突出していなくてもよい。
上段羽口30は、テーパ部24の周壁に設けられており、空気を炉内(詳細には、本体部20内)に供給するために用いられる。上段羽口30は、送風機42に接続されている。廃棄物溶融炉2は、上下方向に並ぶ複数段の上段羽口30を有していてもよい。一例として、廃棄物溶融炉2は、上下方向に複数段(三段)の上段羽口30を有する。以下、三段の上段羽口30のうち、最上段を上3段羽口31(第1羽口)、中段を上2段羽口32(第2羽口)、最下段を上1段羽口33として説明する。送風機42から上3段羽口31、上2段羽口32、及び上1段羽口33に向かう流路には、バルブ31a,32a,33aがそれぞれ設けられており、各バルブ31a,32a,33aは、コントローラ90からの制御信号の入力に応じて、流路の開度を調整する
上3段羽口31は、乾燥領域70に設けられており、詳細にはテーパ部24における直胴部23との変曲点付近に設けられている。当該変曲点付近においては、適切に減容化されていない廃棄物の荷下がりが停滞し、棚吊りが発生しやすい。上2段羽口32は、乾燥領域70における上3段羽口31よりも下方の領域に設けられている。上1段羽口33は、熱分解領域71に設けられている。
上3段羽口31、上2段羽口32、及び上1段羽口33は、それぞれ周方向に並ぶ複数箇所に設けられていてもよい。例えば、上3段羽口31は周方向90°間隔で4箇所に並んで配置されており、上2段羽口32は周方向90°間隔で4箇所に並んで配置されており、上1段羽口33は周方向90°間隔で4箇所に並んで配置されている。
なお、上3段羽口31、上2段羽口32、及び上1段羽口33の配置は上記に限定されず、全ての上段羽口30が乾燥領域70に設けられていてもよいし、全ての上段羽口30が熱分解領域71に設けられていてもよい。また、上段羽口30は三段構成に限定されず、三段未満であってもよいし、四段以上であってもよい。
温度センサTは、テーパ部24の周壁に設けられており、廃棄物溶融炉2内の温度を測定(検出)する。温度センサTは、例えば熱電対である。温度センサTは、上段羽口30に対応した位置において炉内の温度を検出する。上段羽口30に対応した位置とは、例えば高さ方向において、上段羽口30の近傍(好ましくは下方)である。廃棄物溶融炉2は、上下方向に複数段(二段)の温度センサTを備えていてもよい。一例として、廃棄物溶融炉2は、上段の温度センサT1と、下段の温度センサT2とを備えている。
温度センサT1は、上3段羽口31に対応した位置(例えば上3段羽口31の下方)において炉内の温度を検出する。温度センサT1は、上3段羽口31及び上2段羽口32の間に挟まれるように配置されていてもよい。換言すると、廃棄物溶融炉2は、上3段羽口31との間に温度センサT1を挟むように、上3段羽口31の下方に配置された上2段羽口32を備えていてもよい。この場合、温度センサT1は、例えば上下方向における上3段羽口31及び上2段羽口32との離間距離がそれぞれ50cmとされる。
温度センサT2は、上2段羽口32に対応した位置(例えば上2段羽口32の下方)において炉内の温度を検出する。温度センサT2は、上2段羽口32及び上1段羽口33の間に挟まれるように配置されていてもよい。換言すると、廃棄物溶融炉2は、上2段羽口32との間に温度センサT2を挟むように、上2段羽口32の下方に配置された上1段羽口33を備えていてもよい。この場合、温度センサT2は、例えば上下方向における上2段羽口32及び上1段羽口33との離間距離がそれぞれ50cmとされる。
廃棄物溶融炉2は、周方向に並ぶ複数の温度センサTを備えていてもよい。一例として、廃棄物溶融炉2は、周方向に並ぶ複数の温度センサT1と、周方向に並ぶ複数の温度センサT2とを備えている。この場合、温度センサT1は、高さ方向に加えて周方向においても、上3段羽口31に対応した位置(すなわち近傍)に配置されていてもよい。例えば、温度センサT1は、周方向に90°間隔で4箇所に配置された上3段羽口31それぞれに対応した位置に配置されている。また、温度センサT2は、高さ方向に加えて周方向においても、上2段羽口32に対応した位置(すなわち近傍)に配置されていてもよい。例えば、温度センサT2は、周方向に90°間隔で4箇所に配置された上2段羽口32それぞれに対応した位置に配置されている。なお、温度センサT1,T2はそれぞれ、必ずしも上3段羽口31,上2段羽口32に1対1で対応していなくてもよいが、以下では、温度センサT1,T2が上3段羽口31,上2段羽口32に1対1で対応して、それぞれ、90°間隔で4箇所に配置されているとして説明する。
温度センサT1,T2によって検出(測定)された温度データは、所定の周期でコントローラ90に取得される。なお、廃棄物溶融炉2には、上記温度センサT1,T2に加えて、炉内温度を測定するための他の温度センサが更に配置されていてもよい。すなわち、ガス誘導部21の上部、及び、溶融物貯留部22の底部22b等に温度センサが配置されていてもよい。
続いて、上述した廃棄物溶融炉2の基本動作について説明する。まず、廃棄物投入開始前に、内筒25を通し、炭素系可燃物質を廃棄物溶融炉2内に導入する。炭素系可燃物質は、例えばコークスである。化石燃料に由来するコークスの消費量を削減するために、コークスの全部又は一部を、木材等のバイオマスの炭化物で代替してもよい。廃棄物溶融炉2内の底部22b上に蓄積されたコークスに、バーナー(不図示)等を用いて着火する。これにより、炉内の底部に所謂コークスベッド81が形成される。
次に、内筒25を通し、コークス及び廃棄物の混合物を廃棄物溶融炉2内に導入し、この混合物で本体部20内を満たす。廃棄物の種類は特に限定されることはなく、一般廃棄物、産業廃棄物のいずれであってもよい。シュレッダーダスト(ASR)、掘り起こしごみ、焼却灰などの単体又は混合物、或いはこれらと可燃性ごみの混合物なども処理することが可能である。また、乾留された廃棄物を投入してもよい。コークスの他に、塩基度調整剤としての石灰石等を廃棄物に添加してもよい。
この状態で、下段羽口40からは、酸素富化空気を炉内に供給する。酸素富化空気の送風圧力の好ましい設定例として、5〜25kPaの範囲内に設定することが挙げられる。なお、下段羽口40から炉内に供給する酸素富化空気に、LNGなどの燃料ガスを混合してもよい。更に、上3段羽口31、上2段羽口32、及び上1段羽口33からは、空気を炉内に供給する。空気の送風圧力の好ましい設定例として、5〜25kPaに設定することが挙げられる。
廃棄物溶融炉2の底部22b側では、下段羽口40から供給される酸素富化空気により、コークスの燃焼が継続し、燃焼で発生した高温の炉内ガスが上昇する。また、上3段羽口31、上2段羽口32、及び上1段羽口33から供給される空気により、テーパ部24において廃棄物が部分燃焼し、部分燃焼で発生した高温の炉内ガスが上昇する。廃棄物は、本体部20に案内され、炉内ガスの上昇流に対向しながら下降する。この過程で、炉内ガスと廃棄物との間で熱交換が行われ、廃棄物の乾燥及び廃棄物の熱分解が促進される。廃棄物の熱分解により発生したガスは、ガス誘導部21内に集まって上方に導かれ、排気口26を通って排出される。排出されたガスは排気ダクトを通って燃焼室6に送られる。
熱分解残渣(炭化物)は、灰分、不燃物と共に、テーパ部24の内面24aに沿って廃棄物溶融炉2の底部22b側に集まり、コークスベッド81の上に炭化物粒子層(所謂チャー層)82を形成する。チャー層82は、通気抵抗層として機能し、下段羽口40から供給される酸素富化空気の流れを整える。これにより、下段羽口40から供給される酸素富化空気の局所的な吹き抜けが防止される。
熱分解残渣の可燃性乾留物(固定炭素)は、コークスと共に燃焼される。コークス及び可燃性乾留物の燃焼ガスは、コークスベッド81の上端近傍の領域で最高温度となる。この領域で、灰分、不燃物が溶融する。溶融物はコークスベッドの隙間を通って溶融物貯留部22に進入し、貯留される。貯留された溶融物は、出湯口27から間欠的に取り出される。出湯口27から取り出された溶融物は、水砕ピット5で水砕冷却され、スラグ及びメタルとして回収される。以後、コークス及び廃棄物の混合物を炉内に補充し、廃棄物溶融処理を継続する。
(コントローラ)
コントローラ90は、(a)温度センサT1,T2によって検出された温度を取得することと、(b)上記(a)において取得した温度の上昇態様が所定の増風条件を満たしているか否かを判定することと、(c)上記(b)において温度の上昇態様が増風条件を満たしていると判定した場合に、上段羽口30の送風量を増加させることと、を実行するように構成されている。また、コントローラ90は、(d)上記(c)において上段羽口30の送風量を増加させた状態において、温度センサT1,T2によって検出された温度を取得することと、(e)上記(d)において取得した温度の下降態様が所定の減風条件を満たしているか否かを判定することと、(f)上記(e)において温度の下降態様が減風条件を満たしていると判定した場合に上段羽口30の送風量を増加させる前の状態に戻すことと、を更に実行するように構成されている。
以下、コントローラ90の具体的な構成例を説明する。コントローラ90は、機能モジュールとして、取得部91と、判定部92と、閾値テーブル93と、風量調整部94とを有する。
取得部91は、廃棄物溶融炉2内の温度データとして、温度センサT1,T2による検出値を取得する。すなわち、取得部91は、上3段羽口31に対応して配置された4個の温度センサT1、及び、上2段羽口32に対応して配置された4個の温度センサT2から、それぞれ温度データを取得する。取得部91は、取得した温度データと該温度データを検出した温度センサTを特定する情報とを対応付けた取得データを、判定部92に出力する。なお、温度センサTを特定する情報とは、温度センサT1であるか或いは温度センサT2であるかを特定するだけでなく、温度センサT1(又は温度センサT2)のうちどの温度センサか(90°間隔で4つ配置された温度センサのどの温度センサか)を一意に特定する情報である。
判定部92は、取得部91によって取得された温度データの上昇態様が所定の増風条件を満たしているか否かを判定する。判定部92は、例えば温度データが第1閾値を超えることを、上記所定の増風条件とする。第1閾値とは、棚吊りが発生しているか否かを判定するための所定の閾値である。すなわち、判定部92は、温度データが第1閾値よりも高い場合に、棚吊りが発生していると判定する。判定部92は、棚吊りが発生していると判定すると、上述した取得データを含んだ風量増加要求を風量調整部94に出力する。
また、判定部92は、取得部91によって取得された温度データの下降態様が所定の減風条件を満たしているか否かを判定する。判定部92は、例えば温度データが第2閾値を下回ることを、上記所定の減風条件とする。第2閾値とは、棚吊りが解消しているか否かを判定するための所定の閾値である。すなわち、判定部92は、温度データが第2閾値よりも低い場合に、棚吊りが解消していると判定する。判定部92は、棚吊りが解消していると判定すると、上述した取得データを含んだ風量減少要求を風量調整部94に出力する。
上記判定部92による処理は、閾値テーブル93が参照されることにより行われる。図2は、閾値テーブル93の一例を示す表である。図2に示されるように、閾値テーブル93は、廃棄物溶融炉2内に設けられた温度センサ毎に、温度センサID、第1閾値、及び第2閾値を関連付けて記憶している。温度センサIDは、温度センサを一意に特定する情報である。図2に示す例では、温度センサID:T1a,T1b,T1c,T1dは、90°間隔で4つ配置された各温度センサT1の温度センサIDである。また、温度センサID:T2a,T2b,T2c,T2dは、90°間隔で4つ配置された各温度センサT2の温度センサIDである。
第1閾値及び第2閾値は、例えば棚吊りが発生した際の温度の実測値に基づいて設定可能である。第1閾値は、棚吊りによる空洞内又は当該空洞の近傍に温度センサTが位置する場合の当該温度センサTの検出値を下回るように設定されるとともに、棚吊りが生じていない場合の当該温度センサTの検出値を上回るように設定される。第2閾値は、第1閾値を下回るように設定される。なお、本実施形態では、第2閾値に基づき所定の減風条件を満たしているか否かを判定する例を説明するが、例えば、所定時間における温度の減少幅(すなわち、温度の減少速度)が所定の条件を満たす場合に、温度データの下降態様が所定の減風条件を満たしていると判定してもよい。また、温度の減少速度が高い場合には、温度の減少速度を考慮して、第2閾値が第1閾値よりも高い値に設定されていてもよい。図2に示す例では、温度センサID:T1a,T1b,T1c,T1dに係る第1閾値は500℃とされ、温度センサID:T2a,T2b,T2c,T2dに係る第1閾値は500℃とされている。また、図2に示す例では、温度センサID:T1a,T1b,T1c,T1dに係る第2閾値は400℃とされ、温度センサID:T2a,T2b,T2c,T2dに係る第2閾値は400℃とされている。
風量調整部94は、判定部92によって棚吊りが発生していると判定された場合に、温度センサTが対応する上段羽口30の送風量を増加させる。具体的には、風量調整部94は、判定部92から風量増加要求を受けると、当該風量増加要求に含まれている温度センサTを特定する。そして、風量調整部94は、特定した温度センサTが対応する上段羽口30の送風量を増加させる。
また、風量調整部94は、判定部92によって棚吊りが解消していると判定された場合に、温度センサTが対応する上段羽口30の送風量を減少させて、増加前の状態(通常操業)に戻す。この場合、風量調整部94は、送風量の増加に伴って送風を停止していた上段羽口30からの送風を再開する。
風量調整部94は、バルブ31a,32a,33a及び送風機42に対して制御信号を入力することにより、送風量の調整を行う。すなわち、風量調整部94は、制御信号の入力によって、バルブの開度を増やすことにより該バルブの送風量を増加させ、バルブの開度を減らすことにより該バルブの送風量を減少させる。また、風量調整部94は、制御信号の入力によって、送風機42の送風量を増加させることにより、各バルブの送風量の合計を増加させる。すなわち、風量調整部94は、バルブ31a,32a,33aの調整によってある上段羽口30の送風量を増加させるとともに他の上段羽口30の送風量を減少させるだけでなく、送風機42の送風量を増加させることにより、全ての上段羽口30の送風量の合計(総送風量)を増加させてもよい。
図3に示されるように、コントローラ90は、一つ又は複数のプロセッサ103と、メモリ104と、ストレージ105と、入出力ポート106と、入力部107とを有する回路100により構成される。入出力ポート106は、温度センサT1,T2から検出値を取得し、バルブ31a,32a,33a,40a、及び送風機42に制御信号を出力する。入力部107は入出力ポート106に接続され、オペレータによる入力を受け付ける。入力部107は、例えば、操作スイッチ、キーボード、マウス又はタッチパネル等により構成される。入力部107は、例えば、ネットワーク回線を介して入出力ポート106に接続されていてもよい。
ストレージ105は、廃棄物処理方法を実行させるためのプログラムを記録している。ストレージ105は、コンピュータ読み取り可能であればどのようなものであってもよい。具体例として、ハードディスク、不揮発性の半導体メモリ、磁気ディスク及び光ディスク等が挙げられる。メモリ104は、ストレージ105からロードしたプログラム及びプロセッサ103の演算結果等を一時的に記憶する。プロセッサ103は、メモリ104と協働してプログラムを実行することで、上述した各機能モジュールを構成する。
なお、コントローラ90のハードウェア構成は、必ずしもプログラムにより各機能モジュールを構成するものに限られない。例えばコントローラ90の各機能モジュールは、専用の論理回路又はこれを集積したASIC(Application Specific Integrated Circuit)により構成されていてもよい。
[廃棄物処理方法]
続いて、廃棄物処理方法の一例、より詳細には廃棄物溶融炉2において実行される送風量調整手順の一例を説明する。
図4に示されるように、コントローラ90は、まずステップS01を実行する。ステップS01では、コントローラ90が、棚吊りの発生有無を判定する。ステップS01では、まず、取得部91が、廃棄物溶融炉2内の温度データとして、温度センサT1,T2によって検出された温度を取得する。すなわち、取得部91は、上3段羽口31に対応して配置された4個の温度センサT1、及び、上2段羽口32に対応して配置された4個の温度センサT2から、それぞれ温度データを取得する。取得部91は、取得した温度データと該温度データを検出した温度センサを特定する情報とを対応付けた取得データを、判定部92に出力する。
そして、判定部92が、上記取得データに基づき、取得した温度データの上昇態様が所定の増風条件を満たしているか否かを判定する。判定部92は、取得した温度データが第1閾値を超えている場合に、増風条件が満たされ、棚吊りが発生していると判定する。判定部92は、閾値テーブル93における当該温度センサTの第1閾値を取得し、該第1閾値よりも、取得データに含まれている温度データが高いか否かを判定する。判定部92は、温度データが第1閾値よりも高い場合には、特定した温度センサTの上方に棚吊りが発生していると判定し、取得データを含んだ風量増加要求を風量調整部94に出力する。
ここで、棚吊り発生前後の廃棄物溶融炉2について説明する。棚吊りが発生する前段階においては、図5に示されるように、炉の略全域に亘りごみが充填されており、下方に向かって廃棄物が荷下がりしている。また、全ての上段羽口30から、予め定められた通常操業用の送風量で空気が吹き込まれている。なお、図5及び後述する図6〜図8においては、上段羽口30から吹き込まれる空気を矢印で示している。
一方で、棚吊りが発生すると、図6に示されるように、棚吊り箇所よりも上方においては廃棄物の荷下がりが停滞するのに対し、棚吊り箇所の下方においては廃棄物の処理が進み、棚吊り箇所の下方には、処理すべき廃棄物が存在しない空洞CAが生じる。図6に示す例では、上3段羽口31が配置された箇所において全周に亘り棚吊りが発生し、上3段羽口31に対応して上3段羽口31の下方に配置された温度センサT1の箇所が空洞CAとなっている。空洞CAは、廃棄物が存在しない状態で熱ガスが通過するため、温度が高くなる。このため、温度センサT1において検出される温度が高くなる。この場合には、上記取得データに含まれている温度センサT1の温度データが第1閾値よりも高くなる。
判定部92は、例えば、周方向に90°間隔で4つ並ぶ複数の温度センサT1のうちいずれか1つの温度センサT1の温度データが第1閾値よりも高い場合に、当該温度センサT1の上方(つまり上3段羽口31の配置箇所)で棚吊りが発生していると判定する。また、判定部92は、例えば、周方向に90°間隔で4つ並ぶ複数の温度センサT1のうち少なくとも2つの温度センサT1の温度データが第1閾値よりも高い場合に、当該温度センサT1の上方で棚吊りが発生していると判定し、周方向に並ぶ複数の温度センサT1のうち二個未満の温度センサT1の温度データのみが第1閾値よりも高い場合には、当該温度センサT1の上方で棚吊りが発生していないと判定してもよい。
ステップS01において棚吊りが発生していると判定した場合、コントローラ90はステップS02を実行する。ステップS02では、風量調整部94は、温度が検出された温度センサTに対応する上段羽口30の送風量を増加させる。すなわち、風量調整部94は、上記風量増加要求から温度センサTを特定するとともに、閾値テーブル93を参照し、特定した温度センサTが対応する上段羽口30の送風量を増加させる。例えば、風量調整部94は、温度センサID:T1aで示される温度センサT1を特定した場合、当該温度センサT1が対応する1つの上3段羽口31の総風量を増加させる。
また、風量調整部94は、特定した温度センサTが対応する上段羽口30の送風量を増加させることに加えて、特定した温度センサTと周方向において並んで配置された他の温度センサTが対応する全ての上段羽口30の送風量を増加させる。すなわち、風量調整部94は、例えば、温度センサとして温度センサID:T1aで示される温度センサT1を特定した場合、当該温度センサT1が対応する1つの上3段羽口31だけでなく、周方向において並んで配置された、温度センサID:T1b,T1c,T1dで示される各温度センサT1が対応する他の上3段羽口31の送風量を全て増加させる。
更に、風量調整部94は、送風量を増加させた上段羽口30以外の上段羽口30の送風量を減少させてもよい。例えば、風量調整部94は、温度センサID:T1aで示される温度センサT1を特定した場合、周方向に並ぶ4つの温度センサT1それぞれが対応する4つの上3段羽口31の送風量を全て増加させるとともに、上3段羽口31以外の上段羽口30である上2段羽口32及び上1段羽口33の送風量を減少させてもよい。送風量を減少させるとは、例えば、送風を停止することをいう。
図6に示されるように、上3段羽口31が配置された箇所において全周に亘り棚吊りが発生している場合には、例えば温度センサID:T1aで示される温度センサT1において検出される温度が第1閾値よりも高くなる。この場合、風量調整部94は、図7に示されるように、当該温度センサT1が対応する1つの上3段羽口31だけでなく、周方向において並んで配置された、温度センサID:T1b,T1c,T1dで示される各温度センサT1が対応する他の上3段羽口31の送風量を全て増加させるとともに、上3段羽口31以外の上段羽口30である上2段羽口32及び上1段羽口33の送風を停止する。
なお、風量調整部94は、特定した温度センサTと周方向において並んで配置された他の温度センサTが対応する全ての上段羽口30の送風量を増加させるとして説明したがこれに限定されず、特定した温度センサTが対応する上段羽口30の送風量のみを増加させてもよい。すなわち、風量調整部94は、例えば、温度センサTとして温度センサID:T1aで示される温度センサT1を特定した場合、当該温度センサT1が対応する1つの上3段羽口31のみ送風量を増加させてもよい。
図8に示されるように、上3段羽口31が配置された箇所であって周方向の一部のみで棚吊りが発生している場合には、温度センサT1のうち、当該棚吊りが発生している箇所の上3段羽口31の下方の温度センサT1においてのみ、第1閾値よりも高い温度が検出される。風量調整部94は、特定した温度センサT1が対応する1つの上3段羽口31の送風量のみを増加させることにより、棚吊りに対して必要十分な処理を行うことができる。
次に、コントローラ90はステップS03を実行する。ステップS03では、コントローラ90が、棚吊りが解消しているか否かを判定する。ステップS03では、まず、取得部91が、廃棄物溶融炉2内の温度データとして、温度センサT1,T2によって検出された温度を取得する。取得部91は、取得した温度データと該温度データを検出した温度センサを特定する情報とを対応付けた取得データを、判定部92に出力する。
そして、判定部92が、上記取得データに基づき、温度データの下降態様が所定の減風条件を満たしているか否かを判定する。判定部92は、取得した温度データが第2閾値を下回っている場合に、減風条件が満たされ、棚吊りが解消していると判定する。より詳細には、判定部92は、温度データのうち、棚吊り箇所に対応する温度センサTの温度データが第2閾値を下回っている場合に、棚吊りが解消していると判定する。判定部92は、閾値テーブル93における当該温度センサTの第2閾値を取得し、該第2閾値よりも、取得データに含まれている温度データが低いか否かを判定する。判定部92は、温度データが第2閾値よりも低い場合には、特定した温度センサTの上方の棚吊りが解消していると判定し、取得データを含んだ風量減少要求を風量調整部94に出力する。なお、判定部92は、温度データが第2閾値よりも低くなるまで、ステップS03の処理を繰り返す。
ステップS03において棚吊りが解消していると判定した場合、コントローラ90はステップS04を実行する。ステップS04では、風量調整部94は、ステップS02において送風量を増やした上段羽口30の送風量を増加前(通常操業)の状態に戻す。また、風量調整部94は、送風量を増加させた際に送風量を減少させていた上段羽口30の送風量を減少前(通常操業)の状態に戻す。
ステップS01において棚吊りが発生していないと判定した場合、及び、ステップS04の処理が完了した場合、コントローラ90は、オペレータによる停止指令の入力の有無を確認する(ステップS05)。停止指令の入力が無い場合、コントローラ90は処理をステップS01に戻す。これにより、廃棄物溶融炉2における棚吊り解消のための送風量調整が継続的に実行される。
[本実施形態の効果]
以上説明したように、本実施形態に係る廃棄物溶融炉2の廃棄物処理方法は、本体部20と、該本体部20に空気を吹き込む上3段羽口31と、該上3段羽口31に対応した位置に配置された温度センサT1とを備える、廃棄物溶融炉2の廃棄物処理方法であって、(a)温度センサT1によって検出された温度を取得することと、(b)取得した温度の上昇態様が所定の増風条件を満たしているか否かを判定することと、(c)温度の上昇態様が増風条件を満たしていると判定した場合に、上3段羽口31の送風量を増加させることと、を含む。より詳細には、上記(b)では、上記(a)において取得した温度が第1閾値よりも高いことを、上記増風条件とする。
本実施形態に係る廃棄物溶融炉2の廃棄物処理方法によれば、上3段羽口31に対応した位置の温度(温度センサT1が検出した温度)が第1閾値よりも高い場合に、上3段羽口31の送風量が増やされる。廃棄物の棚吊りが発生すると、該棚吊りが発生している箇所より上方において廃棄物の荷下がりが停滞する。これに対し、該棚吊りが発生している箇所より下方においては、通常通り廃棄物の処理が進む。このため、棚吊り箇所の下方においては、廃棄物の処理が進むにつれて、処理すべき廃棄物が存在しない領域(空洞)が生じることとなる。該空洞には廃棄物が存在しない状態で熱ガスが通過するため、該空洞及びその周辺領域の温度が上昇する。このように、棚吊りの発生と温度上昇とは相関性を有している。この点、本実施形態係る廃棄物溶融炉2の廃棄物処理方法では、温度センサT1において検出された温度が第1閾値よりも高い場合に、温度センサT1が対応付けられた上3段羽口31の送風量が増やされる。このことで、温度が上昇している箇所の周辺に生じていると想定される棚吊り箇所の羽口の送風量を増やし、該棚吊り箇所において乾燥及び燃焼を促進することができる。これにより、廃棄物の棚吊りを早期に解消することができる。
また、本実施形態に係る廃棄物溶融炉2の廃棄物処理方法では、廃棄物溶融炉2が、上3段羽口31との間に温度センサT1を挟むように、上3段羽口31の下方に配置された上2段羽口32を更に備え、上記(c)では、判定された温度が第1閾値よりも高い場合に、温度センサT1よりも上方に配置された上3段羽口31の送風量を増加させるとともに、温度センサT1よりも下方に配置された上2段羽口32の送風量を減少させている。
棚吊り箇所の下方の空洞では温度が顕著に上昇する。よって、温度センサT1における温度が顕著に上昇している場合には、当該温度センサT1の領域が空洞となっており該温度センサT1の上方が棚吊り箇所である可能性が高い。このことから、温度センサT1の温度が第1閾値よりも高い場合に、該温度センサT1よりも上方の羽口である上3段羽口31の送風量を増加させることにより、棚吊り箇所と想定される羽口の送風量を適切に増やすことができる。ここで、棚吊り箇所の下方において通常通り廃棄物の処理が進むと、空洞が徐々に大きくなる。空洞が大きくなると、その後に棚吊りが解消された際、棚吊りしていた箇所よりも上方の廃棄物が、炉床近傍まで急激に降下し、廃棄物処理が適切に行われないおそれがある。また、棚吊り箇所の廃棄物が一斉に(大量に)炉床に降下することにより、廃棄物溶融炉2を形成する耐火性物質を傷めるおそれがある。この点、空洞となっている領域に配置された温度センサT1よりも下方の羽口である上2段羽口32の送風量を減少させる(具体的には送風を停止する)ことにより、棚吊り箇所の下方における廃棄物処理を抑制することができ、その結果、上述した棚吊り解消後の問題の発生を抑制することができる。
また、本実施形態に係る廃棄物溶融炉2の廃棄物処理方法では、廃棄物溶融炉2が、周方向に並ぶ複数(4個)の温度センサT1を備え、上記(c)では、少なくとも2つの温度センサT1によって検出された温度が第1閾値よりも高い場合に、温度センサT1が対応する上3段羽口31の送風量を増加させてもよい。これにより、周方向における異なる位置に設けられた複数の温度センサT1それぞれにおいて温度上昇が検出されたことをもって棚吊りが判断されるので、棚吊りをより高精度に特定することができる。また、周方向における異なる位置の温度が上昇していることをもって棚吊りが判断されることにより、周方向の広範囲に亘って空洞が形成されている等、廃棄物の荷下がり停滞の影響がより大きいと想定される場合に、上3段羽口31の送風量を適切に増やすことができる。
また、本実施形態に係る廃棄物溶融炉2の廃棄物処理方法では、廃棄物溶融炉2が、周方向に並ぶ複数(4個)の上3段羽口31と、複数の上3段羽口31それぞれに対応するように周方向に並ぶ複数(4個)の温度センサT1とを備え、上記(c)では、温度が第1閾値よりも高いとされた温度センサT1に対応する上3段羽口31のみ、送風量を増加させてもよい。これにより、周方向において棚吊りが発生していると想定される箇所の上3段羽口31のみ、送風量を増加させることができ、棚吊りの発生箇所に応じて、必要十分な処理を行うことができる。また、例えば、送風量を増加させる上3段羽口31以外の上3段羽口31の送風を停止するような場合においては、周方向における一部の上3段羽口31のみ集中送風することにより、棚吊り発生箇所に対する送風量をより効果的に増やすことができる。
また、本実施形態に係る廃棄物溶融炉2の廃棄物処理方法では、上記(c)において、上3段羽口31、上2段羽口32、及び上1段羽口33の送風量の合計が増加するように、上3段羽口31の送風量を増加させるとともに、上2段羽口32及び上1段羽口33の送風量を減少させている。これにより、棚吊り発生時において、全ての上段羽口30の送風量の合計が増加することとなるので、棚吊り箇所における廃棄物の乾燥及び燃焼をより効果的に促進することができ、廃棄物の棚吊りをより早期に解消することができる。
また、本実施形態に係る廃棄物溶融炉2の廃棄物処理方法は、(d)上記(c)において上3段羽口31の送風量を増加させた状態において、温度センサT1によって検出された温度を取得することと、(e)取得した温度が第2閾値よりも低いか否かを判定することと、(f)判定された温度が第2閾値よりも低い場合に、上3段羽口31の送風量を増加させる前の状態に戻すことと、を更に含む。これにより、温度に応じて棚吊りの解消を判断し、棚吊りが解消されたと想定される適切なタイミングで通常操業に戻すことができる。
以上、実施形態について説明したが、本発明は必ずしも上述した実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。例えば、廃棄物溶融炉2において、温度センサT1は、上3段羽口31(第1羽口)の下方に配置されているとして説明したがこれに限定されず、上3段羽口31に対応した位置であれば、周方向において上3段羽口31と並ぶ位置や、上3段羽口31の上方に配置されていてもよい。なお、上3段羽口31に対応した位置とは、上3段羽口31の近傍において棚吊りが発生した際に温度が上昇する位置であればよい。また、上3段羽口31と温度センサT1の数は、上述したように1対1で対応していなくてもよい。
具体的には、例えば、周方向に並ぶ上3段羽口31の数を2つ、4つ、6つ、又は8つ等とし、対応する温度センサT1の数を4つ等としてもよい。また、例えば上3段羽口31及び温度センサT1をそれぞれ周方向に等間隔(90°毎)で4つ配置しつつ、上3段羽口31及び温度センサT1の周方向における位置を互いにずらすことにより、平面視した際に、1つの上3段羽口31を2つの温度センサT1が挟むように、上3段羽口31及び温度センサT1を設けてもよい。また、例えば上3段羽口31を周方向の0°、90°、180°、270°となる位置に配置すると共に、温度センサT1を周方向の45°及び225°の位置(互いに対角となる位置)に配置し、45°の位置に配置された温度センサT1を0°及び90°の位置の上3段羽口31に対応させ、225°の位置に配置された温度センサT1を180°及び270°の位置の上3段羽口31に対応させてもよい。
また、例えば、複数の上3段羽口31を周方向に等間隔で配置すると共に、温度センサT1を1つのみ設け、1つの温度センサT1を全ての上3段羽口31に対応させてもよい。また、例えば、複数の上3段羽口31を周方向に等間隔で配置するのに対し、対応する複数の温度センサT1についてはいずれかの上3段羽口31の近傍に配置しながらも互いに等間隔で配置されていなくてもよい。反対に、複数の上3段羽口31については等間隔で配置せず、対応する複数の温度センサT1を等間隔で配置してもよい。なお、上述した上3段羽口31及び温度センサT1の対応関係と同様に、上2段羽口32及び温度センサT2を設けてもよい。
また、風量調整部94は、取得された温度が第1閾値よりも高い場合に、上3段羽口31の送風量を増加させるとして説明したが、例えば、取得された温度と第1閾値との差異に応じて、増加させる送風量を決定してもよい。すなわち、風量調整部94は、取得された温度と第1閾値との差異が大きいほど、増加させる送風量を大きくしてもよい。
また、取得した温度が第1閾値よりも高い場合に、温度の上昇態様が所定の増風条件を満たしていると判定するとして説明したが、温度の上昇態様が所定の増風条件を満たしている場合とは、温度が第1閾値よりも高い場合に限定されない。すなわち、判定部92は、例えば所定時間における温度の上昇幅が(すなわち、温度の上昇速度)が所定の条件を満たす場合に、温度データの上昇態様が所定の増風条件を満たしていると判定してもよい。
[実施例1]
廃棄物処理装置1において、温度センサT1において検出された温度が第1閾値を上回った場合(棚吊りが発生したと想定される場合)に、上3段羽口31への集中送風を行った。すなわち、通常操業においては、上3段羽口31の送風量を200Nm/h、上2段羽口32の送風量を200Nm/h、上1段羽口33の送風量を100Nm/hとして、これらの羽口の合計送風量を500Nm/hとするのに対し、温度センサT1において検出された温度が第1閾値を上回った際の集中送風時においては、上3段羽口31の送風量を最大800Nm/hとし、上2段羽口32及び上1段羽口33の送風を停止して、合計送風量を最大800Nm/hとした。このような棚吊り検知及び集中送風を544回行い、各回、棚吊りが解消されるまでの時間(すなわち、集中送風を開始してから、温度センサT1において検出された温度が第2閾値を下回るまでの時間)を記録した。当該記録から、棚吊りが10分以内に解消された割合、10〜30分で解消された割合、及び、30分経過しても解消されなかった割合(効果なしの割合)をそれぞれ導出した。
[実施例2]
実施例1と同様の構成を備えた別の廃棄物処理装置1において、温度センサT1において検出された温度が第1閾値を上回った場合(棚吊りが発生したと想定される場合)に、上3段羽口31への集中送風を行った。通常操業時及び集中送風時の送風量の条件については、実施例1と同様とした。棚吊り検知及び集中送風を833回行い、実施例1と同様、棚吊りが解消されるまでの時間を記録した。
[比較例]
実施例1と同様の構成を備えた別の廃棄物処理装置において、実施例1と同様の通常操業を行った。すなわち、上3段羽口31の送風量を200Nm/h、上2段羽口32の送風量を200Nm/h、上1段羽口33の送風量を100Nm/hとして、これらの羽口の合計送風量を500Nm/hとした。実施例1及び実施例2とは異なり、比較例においては、棚吊り発生時においても上3段羽口31への集中送風を行わなかった。温度センサT1において検出された温度が第1閾値を上回った場合(棚吊りが発生したと想定される場合)において、実施例1と同様に、棚吊りが解消されるまでの時間を記録した。
[実施例1,2及び比較例の比較結果]
図9は、実施例1、実施例2、及び比較例の結果を示す表である。図9に示されるように、集中送風を行わない比較例では、棚吊り発生時に10分以内に解消される割合が0%、10〜30分で解消される割合が25%となり、30分以内で解消される割合が25%(効果なしの割合が75%)であった。これに対し、実施例1では、集中送風を行うことにより、棚吊り発生時に10分以内に解消される割合が35%、10〜30分で解消される割合が29%となり、30分以内で解消される割合が64%(効果なしが36%)であった。また、実施例2では、集中送風を行うことにより、棚吊り発生時に10分以内に解消される割合が22%、10〜30分で解消される割合が28%となり、30分以内で解消される割合が51%(効果なしが49%)であった。
図9に示されるように、温度センサT1において検出された温度に基づき上3段羽口31への集中送風を行った実施例1及び実施例2は、当該集中送風を行わない比較例と比べて、早期に棚吊りを解消することができた。以上の結果から、上記の実施形態によれば、廃棄物の棚吊りを早期に解消することができることが確認できた。
[実施例3]
実施例3では、上述した実施例1及び実施例2と同様に温度センサT1の温度に基づき集中送風を行い、送風量と温度変化との関係を時系列に記録した。すなわち、温度センサT1において検出された温度が第1閾値を上回ったタイミング(増風開始タイミングUS)で上3段羽口31への集中送風を開始し、温度センサT1において検出された温度が第2閾値を下回ったタイミング(増風終了タイミングUE)で上3段羽口31への集中送風を終了し、通常操業に戻した。なお、温度の低下スピードを考慮して、第2閾値は第1閾値よりも高い値に設定した。すなわち、温度が第2閾値を下回ることにより、温度の下降態様が減風条件を満たしていると判定し、通常操業に戻した。集中送風時及び通常操業時における各上段羽口30の送風量の条件は、実施例1と同様とした。そして、増風開始タイミングUS及び増風終了タイミングUEを含む一連の流れにおいて、温度センサT1,T2の温度変化を記録した。より詳細には、周方向に並ぶ複数の温度センサT1のうち2つの温度センサT11,T12、及び、周方向ならぶ複数の温度センサT2のうち2つの温度センサT21,T22の温度変化を記録した。なお、温度センサT11と温度センサT21とは周方向における位置が略一致しており、温度センサT12と温度センサT22とは周方向における位置が略一致している。
[実施例3の結果]
図10は、実施例3の結果を示すグラフである。なお、図10において、横軸は時間(分)を、左縦軸は温度(℃)を、右縦軸は送風流量(Nm/h)を、それぞれ示している。また、グラフ中の実線は上3段羽口31の送風流量を、破線は温度センサT11の温度を、点線は温度センサT12の温度を、一点鎖線は温度センサT21の温度を、二点鎖線は温度センサT22の温度を、それぞれ示している。
図10に示されるように、温度センサT11及び温度センサT21の温度は、開始後、時間の経過とともに徐々に上昇した。そして、温度センサT11の温度が第1閾値を上回ったタイミング(増風開始タイミングUS)で、棚吊りが発生していると判断し、上3段羽口31への集中送風を開始した。なお、温度センサT11,T21の温度がともに上昇していることから、温度センサT11よりも上方で棚吊りが発生し、温度センサT11,T21の配置箇所が共に空洞となっていた(又は空洞の近傍となっていた)と想定される。また、温度センサT12,T22については、増風開始タイミングUSまでに温度の上昇が確認されていないため、棚吊りは、周方向の一部のみで発生していたと想定される。増風開始タイミングUS以降、しばらくは温度センサT11,T21の温度は上昇を続けたが、増風の開始から20分程度経過したあたりから徐々に温度センサT11,T21の温度が下がり始めた。そして、温度センサT11の温度が第2閾値を下回ったタイミング(増風終了タイミングUE)で、棚吊りが解消したと判断し、上3段羽口31への集中送風を終了して通常操業に戻した。増風終了タイミングUE以降も、棚吊りが解消していることから、温度センサT11,T21の温度は低下を続けた。このように、棚吊りが発生したと想定される場合に集中送風を行うことによって棚吊りが解消されることが、温度センサT11,T21の温度変化(温度の下降)から確認できた。また、棚吊りの発生を検知して増風を開始してから棚吊りを解消し増風を終了するまでの棚吊り解消工程を、約20分で完了することができることを確認できた。
1…廃棄物処理装置、2…廃棄物溶融炉、31…上3段羽口、32…上2段羽口、90…コントローラ、T1…温度センサ。

Claims (8)

  1. 直胴部と該直胴部の下側に連なるテーパ部とで構成される本体部と、該本体部に空気を吹き込む第1羽口と、該第1羽口に対応した位置に配置された温度センサと、前記本体部の下側に連なる溶融物貯留部と、を備える廃棄物溶融炉を用い、
    (a)前記温度センサによって検出された温度を取得することと、
    (b)前記(a)において取得した前記温度の上昇態様が所定の増風条件を満たしているか否かを判定することと、
    (c)前記(b)において前記温度の上昇態様が前記増風条件を満たしていると判定した場合に、前記第1羽口の送風量を増加させることと、を含む廃棄物処理方法。
  2. 前記(b)では、前記(a)において取得した前記温度が第1閾値を超えることを前記増風条件とする、請求項1記載の廃棄物処理方法。
  3. 前記廃棄物溶融炉は、前記第1羽口との間に前記温度センサを挟むように、前記第1羽口の下方に配置された第2羽口を更に備え、
    前記(c)では、前記(b)において前記温度の上昇態様が前記増風条件を満たしていると判定した場合に、前記第1羽口の送風量を増加させるとともに、前記第2羽口の送風量を減少させる、請求項1又は2記載の廃棄物処理方法。
  4. 前記廃棄物溶融炉は、周方向に並ぶ複数の前記温度センサを備え、
    前記(c)では、前記(b)において、少なくとも2つの前記温度センサによって検出された温度それぞれの上昇態様が前記増風条件を満たしていると判定した場合に、前記第1羽口の送風量を増加させる、請求項1〜3のいずれか一項記載の廃棄物処理方法。
  5. 前記廃棄物溶融炉は、周方向に並ぶ複数の前記第1羽口と、複数の前記第1羽口それぞれに対応するように周方向に並ぶ複数の前記温度センサとを備え、
    前記(c)では、前記増風条件を満たす上昇態様を検出した前記温度センサに対応する前記第1羽口のみ、送風量を増加させる、請求項1〜4のいずれか一項記載の廃棄物処理方法。
  6. 前記(c)では、前記第1羽口及び前記第2羽口の送風量の合計が増加するように、前記第1羽口の送風量を増加させるとともに、前記第2羽口の送風量を減少させる、請求項3記載の廃棄物処理方法。
  7. (d)前記(c)において前記第1羽口の送風量を増加させた状態において、前記温度センサによって検出された温度を取得することと、
    (e)前記(d)において取得した前記温度の下降態様が所定の減風条件を満たしているか否かを判定することと、
    (f)前記(e)において前記温度の下降態様が前記減風条件を満たしていると判定した場合に、前記第1羽口の送風量を増加させる前の状態に戻すことと、を更に含む請求項1〜6のいずれか一項記載の廃棄物処理方法。
  8. 直胴部と該直胴部の下側に連なるテーパ部とで構成される本体部と、該本体部に空気を吹き込む第1羽口と、該第1羽口に対応した位置に配置された温度センサと、前記本体部の下側に連なる溶融物貯留部と、を有する廃棄物溶融炉と、
    前記温度センサによって検出された温度を取得することと、該温度の上昇態様が所定の増風条件を満たしているか否かを判定することと、満たしている場合に前記第1羽口の送風量を増加させることと、を実行するように構成されたコントローラと、を備える廃棄物処理装置。
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