JP6608237B2 - ガス冷却方法及びガス冷却装置 - Google Patents

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Description

本開示は、ガス冷却方法及びガス冷却装置に関する。
廃棄物溶融炉においては、ダストを含む排ガスが発生するので、排ガスを集塵機に通した上で排出させることが行われる。高温な排ガスを冷却することなく集塵機に通すと、集塵機が損傷するおそれがあるので、排ガスを冷却装置により冷却した上で集塵機に通すことが行われている。例えば特許文献1には、内部に水噴霧ノズルを有する冷却塔と、水噴霧ノズルからの噴霧量を制御する流量調節弁とを備え、冷却塔を通過した排ガスの温度によって流量調節弁を制御する冷却装置が開示されている。
特開平8−61653号公報
廃棄物溶融炉においては、廃棄物の種類、廃棄物の堆積状態及び廃棄物の量等の様々な要因によって、排ガスの流出量が大きく変化する。上述した冷却装置を廃棄物溶融炉に適用する場合、廃棄物溶融炉からの排ガスの流出量が変化するのに応じて、排ガスと共に冷却塔内に流入する熱量も変化するので、これに応じて冷却塔内への冷却水の噴霧量を調節する必要がある。しかしながら、冷却水の流量調節弁は、冷却塔の下流側における排ガスの温度に応じて制御されるので、冷却塔の下流側における排ガスの温度変化に対して、冷却水の噴霧量の調節に遅れが生じる。このため、廃棄物溶融炉からの排ガスの流出量が急増した場合には、冷却水の噴霧量の調節が間に合わず、冷却塔の下流側における排ガスの高温化を十分に抑制できないおそれがある。
よって、本開示は、廃棄物溶融炉からの排ガスをより確実に冷却できる方法及び装置を提供することを目的とする。
本開示に係るガス冷却方法は、廃棄物溶融炉から排出される排ガスの流路に設けられた冷却塔において冷却水の噴霧により排ガスを冷却する方法であって、(a)冷却塔において冷却された排ガスの温度を目標温度に近付けるように冷却水の噴霧量を調節すること、(b)廃棄物溶融炉の炉頂部内の圧力の上昇に応じて冷却水の噴霧量を増やすこと、を含む。
本開示に係るガス冷却方法によれば、廃棄物溶融炉の炉頂部内の圧力(以下、「炉頂圧力」という)が安定している場合には、冷却塔において冷却された排ガスの温度を目標温度に近付けるように冷却水の噴霧量が調節される。これにより、冷却塔の下流側における排ガスの温度に応じて冷却水の噴霧量が適正化されるので、廃棄物溶融炉からの排ガスを安定して冷却できる。炉頂圧力が上昇する場合には、これに応じて冷却水の噴霧量が増やされる。炉頂圧力は、廃棄物溶融炉からの排ガスの流出量に相関する傾向があるので、炉頂圧力の上昇に応じて冷却水の噴霧量を増やすことにより、排ガスの流出量の増加に応じて冷却水の噴霧量を増やすことができる。これにより、排ガスの流出量の増加に応じて冷却塔の下流側における排ガス温度が上昇する前に冷却水の噴霧量を増やすことができる。このため、廃棄物溶融炉からの排ガスの流出量が急増した場合であっても、冷却塔の下流側における排ガスの高温化を十分に抑制できる。従って、廃棄物溶融炉からの排ガスをより確実に冷却できる。
上記(b)では、炉頂部内の圧力上昇に相関する圧力評価値が閾値を超えた場合に冷却水の噴霧量を一時的に増やしてもよい。冷却水の噴霧量が過多となると、排ガス中のダストが湿って冷却塔内に堆積し、冷却装置の持続的な運転が困難となる可能性がある。これに対し、炉頂圧力の上昇に応じて冷却水の噴霧量を増やすことを圧力評価値が閾値を超えた場合に限定的に実行することで、冷却水の噴霧量が過多となることを抑制できる。従って、廃棄物溶融炉からの排ガスをより確実に冷却できる。
上記(b)では、圧力評価値が大きくなるのに応じて、冷却水の噴霧量の増加量を大きくしてもよい。上述したように、炉頂圧力は、廃棄物溶融炉からの排ガスの流出量に相関する傾向がある。このため、圧力評価値が大きくなるのに応じて冷却水の噴霧量の増加量を大きくすることで、排ガスと共に冷却塔に流入する熱量が大きくなるのに応じて冷却水の噴霧量の増加量を大きくすることができる。従って、廃棄物溶融炉からの排ガスをより確実に冷却できる。
上記(b)では、廃棄物溶融炉からの排ガスの流出量が増えるのに応じて閾値を高くしてもよい。廃棄物溶融炉からの排ガスの流出量が多い状態においては、冷却塔に流入する熱量が大きいので、冷却水の噴霧量も大きい(以下、これを「第一状態」という。)。一方、廃棄物溶融炉からの排ガスの流出量が少ない状態においては、冷却塔に流入する熱量が小さいので、冷却水の噴霧量も小さい(以下、これを「第二状態」という。)。すなわち、第一状態においては、第二状態に比べて冷却塔内に多くの冷却水が存在する。このため、第一状態において排ガスの流出量が増える場合、第二状態において排ガスの流出量が増える場合に比べて、冷却塔の下流側における排ガスの温度が上昇し難い傾向がある。これに対し、廃棄物溶融炉からの排ガスの流出量が増えるのに応じて上記閾値を高くすると、第一状態においては、第二状態に比べて上記(b)の開始条件が狭くなる。これにより、第一状態においては、冷却水の噴霧量が過多になることが抑制される。第二状態においては、冷却水の噴霧量が過少になることが抑制される。従って、廃棄物溶融炉からの排ガスをより確実に冷却できる。
上記(b)では、炉頂部内の圧力及び廃棄物溶融炉の炉内差圧の少なくとも一方に基づいて圧力評価値を算出してもよい。この場合、炉頂圧力を的確に評価できる。
上記(a)では、目標温度に比べ排ガスの温度が低くなるのに応じて、排ガスの温度の変化に応じた冷却水の噴霧量の変化を小さくしてもよい。冷却水の噴霧量の増加により、上記(b)の実行後においては排ガスの温度が大きく低下し、目標温度に対してマイナス側に大きくかい離する場合がある(以下、これを「第三状態」という。)。上記(b)の実行により第三状態が生じると、その後の上記(a)において、冷却水の噴霧量が大幅に削減される。上記(a)において冷却水の噴霧量を大きく変化させてしまうと、排ガスの温度が目標温度に対してプラス側及びマイナス側に行き過ぎることを繰り返す状態(以下、「ハンチング」という。)が生じ易くなる。これに対し、目標温度に比べ排ガスの温度が低くなるのに応じて、排ガスの温度の変化に応じた冷却水の噴霧量の変化を小さくすると、第三状態が生じた後の上記(a)において、冷却水の噴霧量の変化幅が縮小される。このため、上記ハンチングの発生が抑制される。従って、廃棄物溶融炉からの排ガスをより確実に冷却できる。
上記(a)及び上記(b)では、冷却水の供給管路に設けられたバルブの開度により冷却水の噴霧量を調節し、排ガスの温度が低くなるのに応じてバルブの開度の上限値を低くしてもよい。この場合も、上記ハンチングの発生がより確実に抑制される。従って、廃棄物溶融炉からの排ガスをより確実に冷却できる。
上記(b)の実行中には上記(a)を中断してもよい。このように構成すると制御内容を簡素化することができる。
本開示に係るガス冷却装置は、廃棄物溶融炉から排出される排ガスの流路に設けられ、冷却水の噴霧により排ガスを冷却するための冷却塔と、冷却塔において冷却された排ガスの温度を目標温度に近付けるように冷却水の噴霧量を調節するように制御すること、廃棄物溶融炉の炉頂部内の圧力の上昇に応じて冷却水の噴霧量を増やすように制御すること、を実行するように構成されたコントローラと、を備える。
本開示によれば、排ガスの熱量が一時的に急増した場合であっても排ガスを冷却できる。
廃棄物溶融設備の概略構成を示す模式図である。 コントローラのハードウェア構成図である。 ガス冷却方法の実行手順を示すフローチャートである。 排ガスの温度とバルブ開度の上限値との関係を示すグラフである。 排ガスの温度と比例ゲインとの関係を示すグラフである。 燃焼ガスの供給量と第一閾値Hとの関係を示すグラフである。 圧力評価値ΔPVと冷却水の噴霧量の増加量ΔMVとの関係を示すグラフである。 実施例1の結果を示すグラフである。 比較例1の結果を示すグラフである。
以下、実施形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。説明において、同一要素又は同一機能を有する要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
[廃棄物溶融設備]
まず、図1を参照して、本実施形態に係る廃棄物溶融設備1の概要を説明する。廃棄物溶融設備1は、一般廃棄物や産業廃棄物等(以下、単に「廃棄物」という。)にガス化溶融処理を施すための設備である。例えば廃棄物溶融設備1は、廃棄物溶融炉2と、燃焼室3と、ガス冷却装置4と、集塵機5と、誘引通風機6と、煙突7とを備えている。
廃棄物溶融炉2は、還元雰囲気下で廃棄物中の可燃物を熱分解してガス化し、灰分や不燃物を溶融する。廃棄物溶融炉2は、炉本体20と、装入口20aと、ガス排出口20bと、出湯口20cと、少なくとも一つの羽口21と、圧力センサB1,B2とを備えている。
炉本体20は、鉛直方向に延びた形状を呈し、廃棄物Wの収容空間をなす。炉本体20の側壁は、例えば円筒状であり、その下部には、下方に向かうにつれて内径が小さくなるテーパ部20dが形成されている。炉本体20の大きさは、廃棄物溶融炉2の処理能力に応じて適宜設定可能である。
装入口20aは、廃棄物溶融炉2の上部に形成されている。ガス排出口20bは、廃棄物溶融炉2の上部において装入口20aの周囲に形成されている。出湯口20cは、炉本体20の底部に形成されている。
少なくとも一つの羽口21は、炉本体20の下部に設けられている。羽口21は、酸素含有ガスの供給源(不図示)に接続される。廃棄物溶融炉2は、少なくとも一つの羽口21として、複数の上段羽口22及び複数の下段羽口23を有してもよい。上段羽口22及び下段羽口23は上下に並んでいる。複数の上段羽口22は炉本体20内を取り囲むように配置されており、複数の下段羽口23も炉本体20内を取り囲むように配置されている。
圧力センサB1は、廃棄物溶融炉2の炉頂部内に設けられている。炉頂部とは、廃棄物Wが炉本体20内に最大限度まで装入された状態において、廃棄物Wよりも上側に位置する部分を意味する。一例として、圧力センサB1は、炉本体20の上部において、装入口20aの周囲に設けられている。
圧力センサB2は、廃棄物溶融炉2内において、廃棄物Wが堆積する部分に設けられている。一例として、圧力センサB2は、炉本体20の側壁の下側に設けられている。圧力センサB2は、炉本体20の側壁において、下段羽口23と上段羽口22との間に設けられていてもよい。
このように構成された廃棄物溶融炉2は、次のように動作する。まず、廃棄物溶融炉2の底部には、赤熱した炭素系可燃物質(例えばコークス)の層(コークスベッドC)が形成される。この状態で、廃棄物溶融炉2の装入口20aは、廃棄物及び炭素系可燃物質等の混合物を炉本体20内に受け入れる。装入口20aから炉本体20内に装入された廃棄物及び炭素系可燃物資は、コークスベッドCの上に堆積する。この状態で、羽口21には酸素含有ガスが吹き込まれる。例えば下段羽口23には、酸素濃度を高めた空気(酸素富化空気)が吹き込まれ、上段羽口22には空気が吹き込まれる。
下段羽口23に吹き込まれた酸素含有ガスにより、炉本体20の底部においてコークスベッドが維持され、コークスベッドにおいて発生した高温のガスが炉本体20内を上昇する。上段羽口22に吹き込まれた酸素含有ガスにより、廃棄物及び炭素系可燃物質が部分的に燃焼し、これにより発生したガスも炉本体20内を上昇する。以下、炉内を上昇する高温のガスを総称して「炉内ガス」という。
炉本体20内の廃棄物は、炉内ガスの上昇流に対向しながら下降する。この過程において、炉内ガスと廃棄物との間で熱交換が行われ、廃棄物の乾燥及び廃棄物の熱分解が促進される。熱分解により、廃棄物の可燃性分はガス化され、炉内ガスと共に炉本体20内を上昇し、ガス排出口20bから排出される。以下、ガス排出口20bから排出されるガスを「排ガス」という。
熱分解においてガス化されなかった残留成分は、炉本体20内を更に下降する。この残留成分は、熱分解残渣(炭化物)、灰分及び不燃物等を含む。熱分解残渣(炭化物)は、炉本体20のテーパ部20dに沿って炉本体20の底部側に集まり、コークスベッドの上に炭化物粒子層(所謂チャー層)を形成する。灰分及び不燃物は、コークスベッドにおいて溶融され、炉本体20の底部に溜まる。炉本体20の底部に溜まった溶融物は、出湯口20cから間欠的に取り出され、スラグ及びメタル等として回収される。
燃焼室3は、廃棄物溶融炉2のガス排出口20bから排出された排ガスを燃焼させる。燃焼室3は、燃焼室本体30と、排ガス受入口30aと、排ガス送出口30bと、少なくとも一つの燃焼ガス受入口31とを有する。
燃焼室本体30は、鉛直方向に延びた形状を呈し、排ガスの収容空間をなす。燃焼室本体30内には、排ガス中の可燃性分を燃焼させるためのバーナ(不図示)が設けられている。
排ガス受入口30aは、燃焼室本体30の側壁の下部に設けられており、ダクトD1を介して廃棄物溶融炉2のガス排出口20bに接続されている。排ガス送出口30bは、燃焼室本体30の上部に設けられている。
少なくとも一つの燃焼ガス受入口31は、排ガス受入口30a及び排ガス送出口30bの間において、燃焼室本体30の側壁に設けられている。燃焼ガス受入口31は、酸素含有ガスの供給源Aに接続される。酸素含有ガス(以下、「燃焼ガス」という。)は例えば空気であり、供給源Aは例えば送風機である。燃焼室3は、少なくとも一つの燃焼ガス受入口31として、一次燃焼ガス受入口31a及び二次燃焼ガス受入口31bを有してもよい。二次燃焼ガス受入口31bは、一次燃焼ガス受入口31aよりも上方に設けられる。
燃焼室3は、供給源Aから燃焼ガス受入口31に供給される燃焼ガスの流量を検出する少なくとも一つの流量センサFを有してもよい。例えば燃焼室3は、少なくとも一つの流量センサFとして、流量センサF1,F2を有してもよい。流量センサF1は、供給源Aから一次燃焼ガス受入口31aに供給される燃焼ガスの流量を検出する。流量センサF2は、供給源Aから二次燃焼ガス受入口31bに供給される燃焼ガスの流量を検出する。
このように構成された燃焼室3は、次のように動作する。排ガス受入口30aは、廃棄物溶融炉2のガス排出口20bから排出された排ガスを燃焼室本体30内に受け入れる。一次燃焼ガス受入口31a及び二次燃焼ガス受入口31bは、それぞれ燃焼ガスを受け入れる。なお、一次燃焼ガス受入口31a及び二次燃焼ガス受入口31bに供給される燃焼ガスの量は、ガス排出口20bから排出される排ガスの量に応じて調節される。具体的に、一次燃焼ガス受入口31a及び二次燃焼ガス受入口31bに供給される燃焼ガスの量は、ガス排出口20bから排出される排ガスの量が増えるのに応じて増やされる。
排ガス受入口30aから燃焼室本体30内に進入した排ガスは、一次燃焼ガス受入口31aから燃焼室本体30内に進入した燃焼ガスと混ざり、バーナによって燃焼される。その後、排ガスは燃焼室本体30内を上昇し、二次燃焼ガス受入口31bから燃焼室本体30内に進入した燃焼ガスと更に混ざる。これにより、排ガス内に残留している可燃性分が更に燃焼される。燃焼後の排ガスは、排ガス送出口30bから排出される。
ガス冷却装置4は、燃焼室3の排ガス送出口30bから排出された排ガスを冷却する。ガス冷却装置4の詳細については後述する。集塵機5は、ガス冷却装置4により冷却された排ガス内のダストを除去する。集塵機5の具体例としては、濾布によりダストを吸着する濾過式の集塵機が挙げられる。誘引通風機6は、集塵機5を通過した排ガスを下流側に圧送する。誘引通風機6により下流側に圧送された排ガスは、脱硝触媒が充填された脱硝塔(不図示)等を経て煙突7から排出される。
[ガス冷却装置]
続いて、ガス冷却装置4について詳細に説明する。ガス冷却装置4は、少なくとも一つの冷却塔40と、少なくとも一つの温度センサTと、コントローラ80とを有する。
(冷却塔)
冷却塔40は、廃棄物溶融炉2から排出される排ガスの流路に設けられ、冷却水の噴霧により排ガスを冷却する。冷却塔40は、ボイラ等の熱交換器を介さずに廃棄物溶融炉2に接続されていてもよいし、ボイラ等の熱交換器を介して廃棄物溶融炉2に接続されていてもよい。以下では、冷却塔40が熱交換器を介さずに廃棄物溶融炉2に接続されている場合を説明する。ガス冷却装置4は、一つの冷却塔40を有してもよいし、二つ以上の冷却塔40を有してもよい。例えば、ガス冷却装置4は、少なくとも一つの冷却塔40として、第一冷却塔41及び第二冷却塔42を有する。
第一冷却塔41は、塔本体43と、排ガス受入口43aと、排ガス送出口43bと、噴霧装置45とを有する。塔本体43は、鉛直方向に延びた形状を呈し、排ガスの収容空間をなす。排ガス受入口43aは、塔本体43の上部に設けられており、ダクトD2を介して燃焼室3の排ガス送出口30bに接続されている。排ガス送出口43bは、塔本体43の側壁の下部に設けられている。
噴霧装置45は、塔本体43内の上部に冷却水を噴霧する。冷却水は、気化により排ガスを冷却可能であればどのような液体であってもよい。冷却水の具体例としては、水が挙げられる。生活排水又はプラント排水等を冷却水として用いてもよい。
例えば噴霧装置45は、少なくとも一つの噴霧ノズルN1と、ポンプP1と、バルブV1とを有する。少なくとも一つの噴霧ノズルN1は、塔本体43内の上部に設けられており、送液管L1を介して冷却水の供給源Sに接続されている。ポンプP1及びバルブV1は、送液管L1に設けられている。ポンプP1は、供給源Sから噴霧ノズルN1に冷却水を圧送する。ポンプP1は、制御信号の入力に応じて、冷却水を圧送する圧力を調節してもよい。バルブV1は、制御信号の入力に応じて、送液管L1内の流路の開度を調節する。噴霧ノズルN1は、供給源Sから供給された冷却水をミスト状にして噴出する。
第一冷却塔41の排ガス受入口43aは、燃焼室3の排ガス送出口30bから送出された排ガスを塔本体43内に受け入れる。排ガスは、塔本体43内を下方に流れて排ガス送出口43bから送出される。塔本体43内を通過する過程で、排ガスは噴霧ノズルN1から噴出した冷却水に触れて冷却される。
第二冷却塔42は、第一冷却塔41と同様に、塔本体46と、排ガス受入口46aと、排ガス送出口46bと、噴霧装置47とを有する。排ガス受入口46aは、塔本体46の上部に設けられており、ダクトD3を介して第一冷却塔41の排ガス送出口43bに接続されている。排ガス送出口46bは、塔本体46の側壁の下部に設けられており、ダクトD4を介して集塵機5に接続されている。
噴霧装置47は、噴霧装置45と同様に、少なくとも一つの噴霧ノズルN2と、ポンプP2と、バルブV2とを有する。少なくとも一つの噴霧ノズルN2は、塔本体46内の上部に設けられており、送液管L2を介して冷却水の供給源Sに接続されている。ポンプP2及びバルブV2は、送液管L2に設けられている。
第二冷却塔42の排ガス受入口46aは、第一冷却塔41の排ガス送出口43bから送出された排ガスを塔本体46内に受け入れる。排ガスは、塔本体46内を下方に流れて排ガス送出口46bから送出される。塔本体46内を通過する過程で、排ガスは噴霧ノズルN2から噴出した冷却水に触れて更に冷却される。なお、第二冷却塔42には第一冷却塔41において冷却された排ガスが流入するので、塔本体46の耐熱性は塔本体43の耐熱性に比べ低くてもよい。
(温度センサ)
温度センサTは、冷却塔40において冷却された排ガスの温度を検出する。ガス冷却装置4は、一つの温度センサTを有してもよいし、二つ以上の温度センサTを有してもよい。例えば、ガス冷却装置4は、少なくとも一つの温度センサTとして、温度センサT1,T2を有する。温度センサT1は、例えばダクトD3に設けられており、第一冷却塔41から排出された排ガスの温度を検出する。温度センサT2は、例えばダクトD4に設けられており、第二冷却塔42から排出された排ガスの温度を検出する。
(コントローラ)
コントローラ80は、冷却塔40において冷却された排ガスの温度を目標温度に近付けるように冷却水の噴霧量を調節するように制御すること、廃棄物溶融炉2の炉頂部内の圧力の上昇に応じて冷却水の噴霧量を増やすように制御すること、を実行するように構成されている。
ガス冷却装置4が複数の冷却塔40を有する場合、コントローラ80は各冷却塔40における冷却水の噴霧量を制御する。例えばコントローラ80は、第一冷却塔41の噴霧装置45による冷却水の噴霧量と、第二冷却塔42の噴霧装置47による冷却水の噴霧量とを制御する。
第一冷却塔41から排出される排ガスの目標温度と、第二冷却塔42から排出される排ガスの目標温度とは、個別に設定可能である。例えば、第一冷却塔41の目標温度は250〜300℃であり、第二冷却塔42の目標温度は150〜200℃である。
以下、コントローラ80の具体的な構成例を説明する。コントローラ80は、機能モジュールとして、温度データ取得部81と、圧力データ取得部82と、圧力評価値算出部83と、増加量算出部84と、バルブ制御部85と、制御切り替え部86とを有する。
温度データ取得部81は、冷却塔40において冷却された排ガスの温度データとして、温度センサT1,T2による検出値を取得する。
圧力データ取得部82は、廃棄物溶融炉2内の圧力データとして、圧力センサB1,B2による検出値を取得する。
圧力評価値算出部83は、廃棄物溶融炉2の炉頂部内の圧力上昇に相関する圧力評価値を算出する。圧力評価値算出部83は、廃棄物溶融炉2の炉頂部内の圧力及び炉内差圧の少なくとも一方に基づいて、圧力評価値を算出してもよい。炉内差圧とは、炉内ガスが廃棄物を通過する際の圧力損失によって、上下に並ぶ二点間に生じる差圧である。例えば圧力評価値算出部83は、圧力センサB1による検出値を炉頂部内の圧力とし、圧力センサB1,B2による検出値の差分を炉内差圧とし、これらを用いて圧力評価値を算出してもよい。
増加量算出部84は、バルブV1,V2の開度の増加量を算出する。増加量算出部84は、上記圧力評価値が大きくなるのに応じて、バルブV1,V2の開度の増加量を大きく設定してもよい。
バルブ制御部85は、温度データ取得部81により取得された検出値を目標温度に近付けるようにバルブV1,V2の開度を調節すること(以下、「制御a」という。)を実行する。
制御切り替え部86は、廃棄物溶融炉2の炉頂部内の圧力の上昇に応じてバルブ制御部85による制御内容を切り替える。例えば、制御切り替え部86は、廃棄物溶融炉2の炉頂部内の圧力の上昇に応じてバルブV1,V2の開度を増やすこと(以下、「制御b」という。)を実行するようにバルブ制御部85による制御内容を切り替える。この際に、バルブ制御部85は、増加量算出部84により算出された増加量にてバルブV1,V2の開度を増やしてもよい。制御切り替え部86は、圧力評価値算出部83により算出された圧力評価値が閾値(以下、「第一閾値」という。)を超えた場合に、制御bを一時的に実行するようにバルブ制御部85の制御内容を切り替えてもよい。バルブ制御部85は、制御bを実行する際に制御aを中断してもよい。
コントローラ80は、上限値設定部87及び制御ゲイン設定部88を更に有してもよい。上限値設定部87は、冷却塔40において冷却された排ガスの温度が低くなるのに応じてバルブV1,V2の開度の上限値を低くする。例えば上限値設定部87は、温度データ取得部81により取得された温度データが低くなるのに応じてバルブV1,V2の開度の上限値を低くする。
制御ゲイン設定部88は、冷却塔40において冷却された排ガスの温度が目標温度に比べ低くなるのに応じて、当該排ガスの温度の変化に応じた冷却水の噴霧量の変化を小さくする。例えば制御ゲイン設定部88は、温度データ取得部81により取得された検出値が目標温度に比べ低くなるのに応じて、バルブ制御部85による制御aの比例ゲインを小さくする。
コントローラ80は、燃焼ガスデータ取得部89及び閾値算出部90を更に有してもよい。燃焼ガスデータ取得部89は、流量センサF1,F2による検出値を取得する。
閾値算出部90は、上記第一閾値を設定する。閾値算出部90は、廃棄物溶融炉2からの排ガスの流出量が増えるのに応じて第一閾値を高くしてもよい。上述したように、一次燃焼ガス受入口31a及び二次燃焼ガス受入口31bに供給される燃焼ガスの量は、ガス排出口20bから排出される排ガスの量に応じて調節される。このため、流量センサF1,F2による検出値は、廃棄物溶融炉2からの排ガスの流出量に相関する。そこで、閾値算出部90は、燃焼ガスデータ取得部89により取得された流量センサF1,F2による検出値が大きくなるのに応じて第一閾値を高くしてもよい。
図2に示すように、コントローラ80は、一つ又は複数のプロセッサ93と、メモリ94と、ストレージ95(記憶媒体)と、入出力ポート96と、入力部97とを有する回路100により構成される。入出力ポート96は、圧力センサB1,B2、温度センサT1,T2及び流量センサF1,F2から検出値を取得し、バルブV1,V2及びポンプP1,P2に制御信号を出力する。入力部97は入出力ポート96に接続され、オペレータによる入力を受け付ける。入力部97は、例えば、操作スイッチ、キーボード、マウス又はタッチパネル等により構成される。入力部97は、例えば、ネットワーク回線を介して入出力ポート96に接続されていてもよい。
ストレージ95は、ガス冷却装置4にガス冷却方法を実行させるためのプログラムを記録している。ストレージ95は、コンピュータ読み取り可能であればどのようなものであってもよい。具体例として、ハードディスク、不揮発性の半導体メモリ、磁気ディスク及び光ディスク等が挙げられる。メモリ94は、ストレージ95からロードしたプログラム及びプロセッサ93の演算結果等を一時的に記憶する。プロセッサ93は、メモリ94と協働してプログラムを実行することで、上述した各機能モジュールを構成する。
なお、コントローラ80のハードウェア構成は、必ずしもプログラムにより各機能モジュールを構成するものに限られない。例えばコントローラ80の各機能モジュールは、専用の論理回路又はこれを集積したASIC(Application Specific Integrated Circuit)により構成されていてもよい。
[ガス冷却方法]
続いて、ガス冷却方法の一例として、ガス冷却装置4により実行されるガス冷却手順を説明する。
図3に示されるように、コントローラ80は、まずステップS01を実行する。ステップS01では、温度データ取得部81が、第一冷却塔41において冷却された排ガスの温度として温度センサT1による検出値を取得し、第二冷却塔42において冷却された排ガスの温度として温度センサT2による検出値を取得する。
次に、コントローラ80はステップS02を実行する。ステップS02では、上限値設定部87が、バルブV1,V2の開度の上限値を設定する。例えば、上限値設定部87は、温度センサT1による検出値(第一冷却塔41において冷却された排ガスの温度)が低くなるのに応じてバルブV1の開度の上限値を低くするし、温度センサT2による検出値(第二冷却塔42において冷却された排ガスの温度)が低くなるのに応じてバルブV2の開度の上限値を低くする。バルブV1,V2の開度の上限値は、予備実験、シミュレーション、又はこれらの組み合わせにより設定可能である。
図4は、バルブV1,V2の開度の上限値の設定例を示すグラフである。図4の横軸は冷却塔40において冷却された排ガスの温度を示し、縦軸はバルブV1,V2の開度の上限値を示す。図4に示すように、上限値設定部87は、上記排ガスの温度に応じてバルブV1,V2の開度の上限値を階段状に変化させてもよい。
次に、コントローラ80はステップS03を実行する。ステップS03では、制御ゲイン設定部88が上記制御aの比例ゲインを設定する。例えば制御ゲイン設定部88は、温度データ取得部81により取得された検出値が目標温度に比べ低くなるのに応じて、バルブ制御部85による制御aの比例ゲインを小さくする。排ガスの温度に応じた比例ゲインの値は、予備実験、シミュレーション、又はこれらの組み合わせにより設定可能である。
図5は、上記比例ゲインの設定例を示すグラフである。図5の横軸は冷却塔40において冷却された排ガスの温度を示し、縦軸は比例ゲインを示す。図5の例において、上記排ガスの温度がTθ2以上である場合には比例ゲインがK2に設定される。上記排ガスの温度がTθ2に比べ低いTθ1以下である場合には比例ゲインがK1に設定される。温度Tθ2は目標温度REFよりも低く、比例ゲインK1は比例ゲインK2に比べ低い。上記排ガスの温度が温度Tθ2及び温度Tθ1の間の値である場合、比例ゲインKは以下の式で設定される。
K=(K2−K1)/(Tθ2−Tθ1)×(T−Tθ1)+K1
次に、コントローラ80はステップS04を実行する。ステップS04では、バルブ制御部85が、温度センサT1,T2による検出値を目標温度に近付けるように、バルブV1,V2の開度を調整する。例えばバルブ制御部85は、ステップS03において設定された比例ゲインを用いたPID制御により、バルブV1,V2の開度を調整する。この際、バルブ制御部85は、バルブV1,V2の開度を、ステップS03において設定された上限値以下とする。
次に、コントローラ80はステップS05を実行する。ステップS05では、圧力データ取得部82が、廃棄物溶融炉2内の圧力データとして、圧力センサB1,B2による検出値を取得する。
次に、コントローラ80はステップS06を実行する。ステップS06では、燃焼ガスデータ取得部89が、廃棄物溶融炉2からの排ガスの流出量に相関するデータとして、流量センサF1,F2による検出値を取得する。
次に、コントローラ80はステップS07を実行する。ステップS07では、圧力評価値算出部83が圧力評価値を算出する。一例として、圧力評価値算出部83は、廃棄物溶融炉2の炉頂部内の圧力及び炉内差圧に基づいて、圧力評価値を算出する。具体的に、圧力評価値算出部83は、次式により圧力評価値ΔPVを算出する。
ΔPV=|今回のP1−前回のP1|+|(今回のP1−今回のP2)−(前回のP1−前回のP2)|
P1:圧力センサB1による検出値
P2:圧力センサB2による検出値
次に、コントローラ80はステップS08を実行する。ステップS08では、閾値算出部90が第一閾値を算出する。閾値算出部90は、廃棄物溶融炉2からの排ガスの流出量が増えるのに応じて第一閾値を高くしてもよい。例えば閾値算出部90は、流量センサF1,F2による検出値の合計値が大きくなるのに応じて第一閾値を高くする。排ガスの流出量に応じた第一閾値の値は、予備実験、シミュレーション、又はこれらの組み合わせにより設定可能である。
図6は、第一閾値Hの設定例を示すグラフである。図6の横軸は、流量センサF1,F2の合計値(燃焼ガスの供給量)を示し、縦軸は第一閾値Hを示す。図6に示されるように、閾値算出部90は、燃焼ガスの供給量に応じて第一閾値Hを階段状に変化させてもよい。閾値算出部90は、第一冷却塔41用の第一閾値Hと、第二冷却塔42用の第一閾値Hとを個別に設定してもよい。例えば閾値算出部90は、第一冷却塔41用の第一閾値Hを第二冷却塔42用の第一閾値Hに比べ大きくしてもよい。
次に、コントローラ80はステップS09を実行する。ステップS09では、圧力評価値ΔPVが閾値以下であるか否かを制御切り替え部86が確認する。圧力評価値ΔPVが閾値以下であると判定した場合、コントローラ80は、オペレータによる停止指令の入力の有無を確認する(ステップS13)。停止指令の入力が無い場合、コントローラ80は処理をステップS01に戻す。これにより、温度センサT1,T2による検出値を目標温度に近付けるようにバルブV1,V2の開度を調節すること(上記制御a)が継続的に実行される。
ステップS09において圧力評価値ΔPVが閾値を超えていると判定した場合、コントローラ80は、ステップS13の実行前にステップS10〜S12を実行する。
ステップS10では、増加量算出部84が、バルブV1,V2の開度の増加量ΔMVを算出する。増加量算出部84は、圧力評価値ΔPVが大きくなるのに応じて、増加量ΔMVを大きく設定してもよい。増加量算出部84は、第一冷却塔41用の増加量ΔMVと、第二冷却塔42用の増加量ΔMVとを個別に設定してもよい。例えば閾値算出部90は、第一冷却塔41用の増加量ΔMVを第二冷却塔42用の増加量ΔMVに比べ大きくしてもよい。圧力評価値ΔPVに応じた排ガスの流出量に応じた増加量ΔMVの値は、予備実験、シミュレーション、又はこれらの組み合わせにより設定可能である。
図7は、増加量ΔMVの設定例を示すグラフである。図7の横軸は圧力評価値ΔPVを示し、縦軸は増加量ΔMVを示す。図7に示されるように、圧力評価値ΔPVに応じて増加量ΔMVを階段状に変化させてもよい。
ステップS11,S12では、制御切り替え部86が、バルブ制御部85による制御内容を切り替える。例えば制御切り替え部86は、ステップS10において算出された増加量ΔMVにてバルブV1,V2の開度を増やすことを一時的に実行するようにバルブ制御部85の制御内容を切り替える。具体的に、制御切り替え部86は、バルブV1,V2の開度を、直前の開度に増加量ΔMVを加算した開度とするようにバルブ制御部85の制御内容を切り替え(ステップS11)、その状態で所定時間の経過を待機する(ステップS12)。所定時間は、実機試験又はシミュレーション等により予め設定される。
[本実施形態の効果]
以上説明したように、本実施形態に係るガス冷却方法は、廃棄物溶融炉2から排出される排ガスの流路に設けられた冷却塔40において冷却水の噴霧により排ガスを冷却する方法であって、(a)冷却塔40において冷却された排ガスの温度を目標温度に近付けるように冷却水の噴霧量を調節すること、(b)廃棄物溶融炉2の炉頂部内の圧力の上昇に応じて冷却水の噴霧量を増やすこと、を含む。
本実施形態に係るガス冷却方法によれば、廃棄物溶融炉2の炉頂圧力が安定している場合には、冷却塔40において冷却された排ガスの温度を目標温度に近付けるように冷却水の噴霧量が調節される。これにより、冷却塔40の下流側における排ガスの温度に応じて冷却水の噴霧量が適正化されるので、廃棄物溶融炉2からの排ガスを安定して冷却できる。炉頂圧力が上昇する場合には、これに応じて冷却水の噴霧量が増やされる。炉頂圧力は、廃棄物溶融炉2からの排ガスの流出量に相関する傾向があるので、炉頂圧力の上昇に応じて冷却水の噴霧量を増やすことにより、排ガスの流出量の増加に応じて冷却水の噴霧量を増やすことができる。これにより、排ガスの流出量の増加に応じて冷却塔40の下流側における排ガス温度が上昇する前に冷却水の噴霧量を増やすことができる。このため、廃棄物溶融炉2からの排ガスの流出量が急増した場合であっても、冷却塔40の下流側における排ガスの高温化を十分に抑制できる。従って、廃棄物溶融炉2からの排ガスをより確実に冷却できる。
上記(b)では、炉頂部内の圧力上昇に相関する圧力評価値が閾値を超えた場合に冷却水の噴霧量を一時的に増やしてもよい。冷却水の噴霧量が過多となると、排ガス中のダストが湿って冷却塔40内に堆積し、ガス冷却装置4の持続的な運転が困難となる可能性がある。これに対し、炉頂圧力の上昇に応じて冷却水の噴霧量を増やすことを圧力評価値が閾値を超えた場合に限定的に実行することで、冷却水の噴霧量が過多となることを抑制できる。従って、廃棄物溶融炉2からの排ガスをより確実に冷却できる。
上記(b)では、圧力評価値が大きくなるのに応じて、冷却水の噴霧量の増加量を大きくしてもよい。上述したように、炉頂圧力は、廃棄物溶融炉2からの排ガスの流出量に相関する傾向がある。このため、圧力評価値が大きくなるのに応じて冷却水の噴霧量の増加量を大きくすることで、排ガスと共に冷却塔40に流入する熱量が大きくなるのに応じて冷却水の噴霧量の増加量を大きくすることができる。従って、廃棄物溶融炉2からの排ガスをより確実に冷却できる。
上記(b)では、廃棄物溶融炉2からの排ガスの流出量が増えるのに応じて閾値を高くしてもよい。廃棄物溶融炉2からの排ガスの流出量が多い状態においては、冷却塔40に流入する熱量が大きいので、冷却水の噴霧量も大きい(第一状態)。一方、廃棄物溶融炉2からの排ガスの流出量が少ない状態においては、冷却塔40に流入する熱量が小さいので、冷却水の噴霧量も小さい(第二状態)。すなわち、第一状態においては、第二状態に比べて冷却塔40内に多くの冷却水が存在する。このため、第一状態において排ガスの流出量が増える場合、第二状態において排ガスの流出量が増える場合に比べて、冷却塔40の下流側における排ガスの温度が上昇し難い傾向がある。これに対し、廃棄物溶融炉2からの排ガスの流出量が増えるのに応じて上記閾値を高くすると、第一状態においては、第二状態に比べて上記(b)の開始条件が狭くなる。これにより、第一状態においては、冷却水の噴霧量が過多になることが抑制される。第二状態においては、冷却水の噴霧量が過少になることが抑制される。従って、廃棄物溶融炉2からの排ガスをより確実に冷却できる。
上記(b)では、炉頂部内の圧力及び廃棄物溶融炉2の炉内差圧の少なくとも一方に基づいて圧力評価値を算出してもよい。この場合、炉頂圧力を的確に評価できる。
上記(a)では、目標温度に比べ排ガスの温度が低くなるのに応じて、排ガスの温度の変化に応じた冷却水の噴霧量の変化を小さくしてもよい。冷却水の噴霧量の増加により、上記(b)の実行後においては排ガスの温度が大きく低下し、目標温度に対してマイナス側に大きくかい離する場合がある(第三状態)。上記(b)の実行により第三状態が生じると、その後の上記(a)において、冷却水の噴霧量が大幅に削減される。上記(a)において冷却水の噴霧量を大きく変化させてしまうと、排ガスの温度が目標温度に対してプラス側及びマイナス側に行き過ぎることを繰り返す状態(ハンチング)が生じ易くなる。これに対し、目標温度に比べ排ガスの温度が低くなるのに応じて、排ガスの温度の変化に応じた冷却水の噴霧量の変化を小さくすると、第三状態が生じた後の上記(a)において、冷却水の噴霧量の変化幅が縮小される。このため、上記ハンチングの発生が抑制される。従って、廃棄物溶融炉2からの排ガスをより確実に冷却できる。
上記(a)及び上記(b)では、冷却水の送液管L1,L2(供給管路)に設けられたバルブV1,V2の開度により冷却水の噴霧量を調節し、排ガスの温度が低くなるのに応じてバルブV1,V2の開度の上限値を低くしてもよい。この場合も、上記ハンチングの発生がより確実に抑制される。従って、廃棄物溶融炉2からの排ガスをより確実に冷却できる。
上記(b)の実行中には上記(a)を中断してもよい。このように構成すると制御内容を簡素化することができる。なお、上記(b)の実行中には、上記(a)を継続してもよい。
冷却塔40は、熱交換器を介さずに廃棄物溶融炉2に接続されていてもよい。この場合、廃棄物溶融炉からの排ガスの流出量が急増する場合に、これに伴う熱量の増加が熱交換器において吸収・緩和されることがない。このため、排ガスの高温化を十分に抑制するには、冷却塔40における冷却をより確実に遂行することが重要となる。従って、冷却塔の下流側における排ガスの高温化を十分に抑制できるという上記作用が更に有益である。
以上、実施形態について説明したが、本発明は必ずしも上述した実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。例えば、ガス冷却装置4は、冷却水の供給管に設けられたポンプの圧力(冷却水を圧送する圧力)を調節することにより、冷却塔内に噴霧される冷却水の噴霧量を調節してもよい。
また、廃棄物溶融炉2の炉内圧力を測定するための圧力センサの数は、二つに限定されない。例えば、圧力センサB2に代えて、廃棄物溶融炉2の上部、中部、下部にそれぞれ圧力センサが配置されていてもよい。
[実施例1]
廃棄物溶融設備1を用い、上述したガス冷却手順にて排ガスの冷却を実行し、バルブV1,V2の開度及び温度センサT1,T2の検出値を記録した。
[比較例1]
廃棄物溶融設備1を用い、上記ステップS10〜S12を省略したガス冷却手順にて排ガスの冷却を実行し、バルブV1,V2の開度及び温度センサT1,T2の検出値を記録した。
[実施例及び比較例の比較結果]
図8は、実施例1におけるバルブV1,V2の開度及び温度センサT1,T2の検出値の記録結果を示すグラフである。図9は、比較例1におけるバルブV1,V2の開度及び温度センサT1,T2の検出値の記録結果を示すグラフである。各グラフの横軸は経過時間であり、バルブV1,V2の開度及び温度センサT1,T2の検出値の大きさの相対値である。図中の時刻t0は、圧力評価値ΔPVが第一閾値Hを超えた時刻である。時刻t1は、時刻t0から10秒後である。折れ線Ws1はバルブV1の開度であり、折れ線Ws2はバルブV2の開度である。折れ線Ts1は温度センサT1の検出値であり、折れ線Ts2は温度センサT2の検出値である。
図8及び図9に示されるように、実施例1によれば、比較例1に比べ、時刻t0の経過後速やかにバルブV1,V2の開度が上昇している。例えば図8では、バルブV1,V2の開度は、時刻t0の直後に上昇し始め、時刻t0から時刻t1までの経過時間の半分以下の経過時間で上限値に到達している。これに対し、図9では、バルブV2の開度は図8に比べて緩やかに上昇し、時刻t1以降も上昇を続けている。また、バルブV1については大きな開度上昇は確認されなかった。このため、実施例1によれば、比較例1に比べ、温度センサT1,T2の検出値が低く抑えられている。例えば図8では、温度センサT2の検出値が基準値Txを上回ることはないが、図9では、温度センサT2の検出値が基準値Txを上回っている。以上の結果から、上記の実施形態によれば廃棄物溶融炉2からの排ガスをより確実に冷却できることが確認できた。
2…廃棄物溶融炉、4…ガス冷却装置、41…第一冷却塔(冷却塔)、42…第二冷却塔(冷却塔)、80…コントローラ。

Claims (7)

  1. 廃棄物溶融炉から排出される排ガスの流路に設けられた冷却塔において冷却水の噴霧により前記排ガスを冷却する方法であって、
    (a)前記冷却塔において冷却された排ガスの温度を目標温度に近付けるように前記冷却水の噴霧量を調節すること、
    (b)前記廃棄物溶融炉の炉頂部内の圧力の上昇に応じて前記冷却水の噴霧量を増やすこと、を含み、
    前記(b)では、前記炉頂部内の圧力上昇に相関する圧力評価値を、前記炉頂部内の圧力の変化の大きさ及び前記廃棄物溶融炉の炉内差圧の変化の大きさに基づいて算出し、前記圧力評価値が閾値を超えた場合に前記冷却水の噴霧量を一時的に増やし、前記廃棄物溶融炉からの前記排ガスの流出量が増えるのに応じて前記閾値を高くする、ガス冷却方法。
  2. 前記(b)では、前記圧力評価値が大きくなるのに応じて、前記冷却水の噴霧量の増加量を大きくする、請求項記載のガス冷却方法。
  3. 前記(a)では、前記目標温度に比べ前記排ガスの温度が低くなるのに応じて、前記排ガスの温度の変化に応じた前記冷却水の噴霧量の変化を小さくする、請求項1又は2記載のガス冷却方法。
  4. 前記(a)及び前記(b)では、前記冷却水の供給管路に設けられたバルブの開度により前記冷却水の噴霧量を調節し、前記排ガスの温度が低くなるのに応じて前記バルブの開度の上限値を低くする、請求項1〜3のいずれか一項記載のガス冷却方法。
  5. 前記(b)の実行中には前記(a)を中断する、請求項1〜4のいずれか一項記載のガス冷却方法。
  6. 廃棄物溶融炉から排出される排ガスの流路に設けられ、冷却水の噴霧により前記排ガスを冷却するための冷却塔と、
    前記冷却塔において冷却された前記排ガスの温度を目標温度に近付けるように前記冷却水の噴霧量を調節するように制御すること、前記廃棄物溶融炉の炉頂部内の圧力の上昇に応じて前記冷却水の噴霧量を増やすように制御すること、を実行するように構成されたコントローラと、を備え
    前記コントローラは、前記炉頂部内の圧力上昇に相関する圧力評価値を、前記炉頂部内の圧力の変化の大きさ及び前記廃棄物溶融炉の炉内差圧の変化の大きさに基づいて算出し、前記圧力評価値が閾値を超えた場合に前記冷却水の噴霧量を一時的に増やし、前記廃棄物溶融炉からの前記排ガスの流出量が増えるのに応じて前記閾値を高くする、ガス冷却装置。
  7. 前記冷却塔は、熱交換器を介さずに廃棄物溶融炉に接続されている、請求項記載のガス冷却装置。
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