JP6641801B2 - シール材 - Google Patents

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Description

本発明はシール材に関し、特に、高圧水素に曝される環境下で使用されるシール材に関する。
近年、電気に代わる新たな2次エネルギー源として、水素エネルギーが注目されている。
水素は、単位体積当たりのエネルギー密度が小さいため、効率良くエネルギー源として使用するためには、高圧貯蔵(例えば、水素ステーションでは100Mpa)が必要とされる。そのため、水素を貯蔵するための容器や、貯蔵された水素を供給するための装置には、シール材が必要である。
一方、高圧水素環境下におけるシール材の挙動については未だ不明な点が多く、現在、試験設置されている水素ステーションでは、シール材として一般的なOリング等が使用されている。しかしながら、現在使用されているOリングは、耐久性等の点で、水素ステーションに対する要求特性を満足しているとは言い難い。
例えば、特許文献1には、異なる2種類のOリングを使用した樹脂製コネクタが提案されており、この樹脂製コネクタは、水素ガスに対するバリヤ性に優れることが提唱されている。しかしながら、この樹脂製コネクタで使用されたOリングは、2種類の異なるOリングを使用しているものの、各Oリングとしては一般的なOリングを使用しており、各Oリングの高圧水素に対する耐久性は不充分であった。
特開2002−228078号公報
このように、現状、水素ステーション等で使用されているOリングとしては、充分な耐久性を有するものは見当たらず、従来のOリングでは、高圧水素による破壊(ブリスタ破壊やはみ出し破壊、座屈破壊)を長期間に渡って回避することは困難であった。
例えば、水素ステーションから車両に水素を供給する場合、車両が備えるレセプタクルに使用されるOリングは、温度が−40〜50℃程度、圧力が大気圧〜90MPa程度の水素に繰り返し曝されることとなるが、従来のOリングは、このような水素雰囲気下で長期間に渡って使用し続けることは困難であった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、高圧水素に曝される環境下で使用した際の耐久性に優れ、長期間に渡って、高圧水素をシールすることができるシール材を提供することを目的とする。
本発明者は、上述した目的を達成すべく鋭意検討を行い、上記目的を達成するには、高圧水素に曝された際にシール材が内部に水素を堆積しにくいこと、水素雰囲気が急減圧した際に水素が速やかにゴム内部から抜け出ること、及び、水素雰囲気が急減圧した際に体積膨張が発生しにくいこと、がシール材の特性として重要であるとの知見を取得し、このような知見に基づいて本発明を完成した。
即ち、本発明のシール材は、高圧水素のシールに用いられるシール材であって、ゴム成分と、繊維及びカーボンブラックとを含有するゴム組成物の成形物からなることを特徴とする。
本発明のシール材では、ゴム中に繊維及びカーボンブラックが配合されている。そして、繊維を含有することにより繊維とゴムとの間に隙間が形成されることとなり、この隙間はシール材が高圧水素に曝され、シール材中の水素ガスが過飽和となった際の水素ガスの逃げ道となる。また、カーボンブラックを含有することにより水素ガスはカーボンブラックの表面に付着することとなり、急減圧時にシール材から放出される水素ガス量を減少させることができる。
そのため、本発明のシール材は、上述した特性を満足することができ、高圧水素による破壊が発生しにくく、長期間に渡って、高圧水素をシールすることができる。
なお、本発明において、高圧水素とは、圧力が10MPa以上の水素をいう。また、本発明のシール材は、高圧水素をシールすることができるものであるが、高圧水素をシールするとともに、当然、圧力が10MPa未満の水素もシールすることができる。
本発明のシール材において、上記ゴム成分はエピクロロヒドリンゴムであり、上記繊維はセルロース繊維であることが好ましい。
このようなシール材は、高圧水素に曝された際に、体積変化が小さく、かつ水素含有量が少ない点で特に優れている。
本発明のシール材において、上記繊維は、平均繊維長が30〜150μmであり、配合量が上記ゴム成分100重量部に対して7〜9重量部であることが好ましい。
この条件で繊維を含有する場合、上記シール材におけるゴムと繊維との間の隙間を適度に形成することができる。
本発明のシール材において、上記カーボンブラックは、平均粒子径が10〜70nmであり、配合量が上記ゴム成分100重量部に対して8〜11重量部であることが好ましい。
このような条件でカーボンブラックを含有することにより、使用時にシール材が破壊されてしまうことをより確実に回避することができる。
本発明のシール材において、上記ゴム組成物は、更に補強剤を含有することが好ましい。
上記ゴム組成物が補強材を含有する場合、高圧水素に曝された際により確実にシール材の変形を防止することができ、耐久性、及び、高圧水素に対するシール性能をより確実に確保することができる。
上記補強剤はシリカであることが好ましい。上記した補強剤としての機能を確保するのに適しており、また、安価に入手することができるからである。
また、上記補強剤の配合量は、上記ゴム成分100重量部に対して60〜80重量部であることが好ましい。この場合、シール材の強度と柔軟性とを両立するのに特に適している。
本発明のシール材において、上記ゴム組成物は、更に可塑剤を含有することが好ましい。上記ゴム組成物が可塑剤を含有する場合、上記シール材に柔軟性を付与することができ、シール材のシール性能をより確実に確保することができる。
上記可塑剤は、アジピン酸エーテルエステル系の可塑剤であることが好ましい。アジピン酸エーテルエステル系可塑剤は、低温下でも可塑剤の機能を確実に発揮することができるため、上記シール材を低温下で使用する場合にも優れたシール性能を確実に確保することができる。
上記可塑剤の配合量は、上記ゴム成分100重量部に対して40〜60重量部であることが好ましい。この場合、シール材に柔軟性を確実に付与することができ、かつ、高温下においてシール材が大きく変形しシール性が損なわれることをより確実に回避することができる。
本発明のシール材は、高圧水素に曝された際の(高圧水素環境下での)耐久性に優れる。そのため、使用時の交換頻度を減らすことができ、メンテナンス性に優れ、低ランニングコストのシール材である。
オンサイト型水素ステーションの模式図である。 水素ステーション側の水素供給プラグと車両側のレセプタクルとの接続を説明するための断面図である。 高圧水素貯蔵容器の一例を示す断面図である。 実施例で作製したシール材の断面のSEM写真である。 実施例及び比較例における遅れ時間の測定結果を示すグラフである。 実施例及び比較例における水素溶解度係数の測定結果を示すグラフである。
本発明のシール材は、特定のゴム組成物の成形物からなる。
まず、上記ゴム組成物について説明する。
上記ゴム組成物は、少なくとも、ゴム成分と、繊維及びカーボンブラックとを含有する。
上記ゴム成分としては、従来公知のシール材に使用されるゴム成分を用いることができ、例えば、ポリエピクロロヒドリン(CO),エピクロロヒドリン−エチレンオキサイド共重合体(ECO), エピクロロヒドリン−アリルグリシジルエーテル共重合体(GCO)、エピクロロヒドリン−エチレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル三元共重合体(GECO)等のエピクロロヒドリンゴム、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)、エチレン−プロピレンゴム(EPR)、シリコーンゴム(VMQ,FVMQ)、フッ素ゴム(FKM)、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、ブチルゴム(IIR)、ニトリルイソプレンゴム(NIR)、水素化ニトリルゴム(HNBR)等が挙げられる。
また、上記ゴム成分としては、オレフィン系熱可塑性エラストマー(TPO)等の熱可塑性エラストマーを用いることもできる。
これらのなかでは、エピクロロヒドリンゴムが好ましい。低温下での使用でも高い性能を確保するのに適しているからである。
上記ゴム成分は、2種類以上のゴム成分をブレンドして使用してもよい。
上記ゴム成分が、架橋性を有するゴム成分の場合、上記ゴム組成物は、架橋剤を含有しても良い。
上記架橋剤としては、従来公知の架橋剤を用いることができ、上記ゴム成分の種類に応じて適宜選択すれば良い。上記架橋剤としては、例えば、硫黄系架橋剤、チオウレア系架橋剤、過酸化物系架橋剤、トリアジン誘導体系架橋剤等が挙げられる。
上記繊維としては特に限定されず、無機繊維であっても良いし、有機繊維であっても良い。
上記無機繊維としては、例えば、ガラス繊維、ロックウール、セラミック繊維、炭素繊維等が挙げられる。上記有機繊維としては、例えば、ポリオレフィン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、アラミド樹脂、アクリル樹脂、木綿、セルロース等からなる繊維が挙げられる。
これらの繊維は、単独で用いても良いし、2種以上併用してもよい。
上記繊維としては、有機繊維が好ましく、セルロース繊維がより好ましい。相溶性の違いにより、ゴムと繊維との界面に微小な隙間を形成するのに特に適しているからである。
上記繊維は、平均繊維長の好ましい下限が30μmである。一方、上記平均繊維長の好ましい上限は150μmである。
上記ゴム組成物において、上記繊維の配合量の好ましい下限は、上記ゴム成分100重量部に対して5重量部である。上記繊維の配合量が少なすぎると、シール材の内部に水素ガスの抜け道となる隙間を充分に形成することができないことがある。
上記繊維の配合量の下限は、上記ゴム成分100重量部に対して7重量部がより好ましい。
一方、上記繊維の配合量の好ましい上限は、上記ゴム成分100重量部に対して15重量部である。上記繊維の配合量が多すぎると、シール材内部を水素が通り抜けやすくなりすぎて、シール材としての本来の性能が不充分になることがある。
上記繊維の配合量の上限は、上記ゴム成分100重量部に対して13重量部がより好ましく、11重量部がさらに好ましく、9重量部が特に好ましい。
本発明のシール材において、ゴム成分と繊維との組み合わせは、ゴム成分がエピクロロヒドリンゴムで、繊維がセルロース繊維であることが好ましい。高圧水素に曝された際に、体積変化が小さく、かつ水素含有量が少ないからである。
上記カーボンブラックとしては特に限定されず、例えば、ファーネスブラック、サーマルブラック、チャンネルブラック、アセチレンブラック、ランプブラック、ケッチェンブラック等が挙げられる。
上記ファーネスブラックとしては、例えば、SAF(Super Abrasion Furnace)、ISAF(Intermediate Super Abrasion Furnace)、IISAF−HS(Intermediate ISAF−High Structure)、HAF(High Abrasion Furnace)、FEF(Fast Extruding Furnace)、GPF(General Purpose Furnace)、SRF(Semi−Reinforcing Furnace)、HCF(High Colour Furnace)、MCF(Midium Colour Furnace)等が挙げられる。
また、上記サーマルブラックとしては、例えば、FT(Fine Thermal)、MT(Medium Thermal)が挙げられる。
これらのなかでは、粒状のHCFが好ましい。その理由は、平均粒子径が小さく、水素を適度に吸着させる効果をもつからである。
本発明では、カーボンブラックとして、1種類のカーボンブラックを単独で使用してもよいし、2種類以上のカーボンブラックを併用してもよい。
上記カーボンブラックの平均粒子径(1次粒子径)の好ましい下限は、10nmである。
一方、上記平均粒子径の好ましい上限は、70nmである。上記カーボンブラックの平均粒子径が大きすぎると、カーボンブラックの表面に付着する水素ガスの量が多くなりすぎてゴム組成物中に水素が残存し、急減圧時に水素の過飽和によって、シール材が破壊されてしまうことがある。
上記ゴム組成物において、上記カーボンブラックの配合量の好ましい下限は、上記ゴム成分100重量部に対して5重量部である。カーボンブラックの配合量が少なすぎると、急減圧時にトラップすることができる水素の量が少なくなり、遅延効果が小さくなることによって、シール材を破壊してしまうことがある。
上記カーボンブラックの配合量の下限は、上記ゴム成分100重量部に対して8重量部がより好ましい。
一方、上記カーボンブラックの配合量の好ましい上限は、上記ゴム成分100重量部に対して20重量部である。カーボンブラックの配合量が多すぎると、急減圧時にトラップされる水素の量が多くなりすぎ、急減圧時の水素の過飽和によって、シール材が破壊されてしまうことがある。
上記カーボンブラックの配合量の上限は、上記ゴム成分100重量部に対して17重量部がより好ましく、14重量部がさらに好ましく、11重量部が特に好ましい。
上記ゴム組成物は、ゴム成分、繊維及びカーボンブラックに加えて、可塑剤や補強剤を含有することが好ましい。
上記可塑剤としては、従来公知の可塑剤を用いることができ、上記ゴム成分の種類に応じて適宜選択すればよい。一方、シール材を低温下で使用する場合にもその性能を確実に確保すべく、上記可塑剤としては、低温下でも可塑剤としての機能を充分に発揮することができる耐寒性可塑剤が好ましい。
上記可塑剤の具体例としては、例えば、フタル酸誘導体(フタル酸エーテルエステル系も含む)、アジピン酸誘導体(アジピン酸エーテルエステル系も含む)、セバシン酸誘導体(セバシン酸エーテルエステル系も含む)等が挙げられる。
上記可塑剤としては、アジピン酸エーテルエステル系が好ましい。低温下でも可塑剤の機能を発揮するのに特に適しているからである。
上記ゴム組成物が可塑剤を含有する場合、上記可塑剤の配合量の好ましい下限は、上記ゴム成分100重量部に対して30重量部である。可塑剤の配合量が少なすぎると、特に低温時において、シーツ材に要求される柔軟性を確保することができない場合がある。
上記可塑剤の配合量の下限は、上記ゴム成分100重量部に対して40重量部がより好ましく、50重量部がさらに好ましい。
一方、上記可塑剤の配合量の好ましい上限は、上記ゴム成分100重量部に対して70重量部である。可塑剤の配合量が多すぎると、シール材の硬度が低くなりすぎ、高圧時にシール材が大きく変形してシール性能を維持することができない場合がある。
上記可塑剤の配合量の上限は、上記ゴム成分100重量部に対して60重量部がより好ましい。
上記補強剤としては特に限定されず、シール材に使用される従来公知の補強剤を用いることができる。上記補強剤としては、例えば、シリカ等が挙げられる。
上記補強剤は、その表面がカップリング剤等で処理されていても良い。これにより、ゴム成分との密着性が向上するため、シール材の強度が上がり、高圧時のシール材の変形が抑止され、その結果、シール材のシール性能をより向上させることができる。
上記ゴム組成物が補強剤を含有する場合、上記補強剤の配合量の好ましい下限は、上記ゴム成分100重量部に対して50重量部である。補強剤の配合量が少なすぎると、シール材の強度を充分に確保することができない場合がある。
上記補強剤の配合量の下限は、上記ゴム成分100重量部に対して60重量部がより好ましく、70重量部がさらに好ましい。
一方、上記補強剤の配合量の好ましい上限は、上記ゴム成分100重量部に対して90重量部である。補強剤の配合量が多すぎると、シール材の柔軟性が低下し、シール材としての機能が損なわれることがある。
上記補強剤の配合量の上限は、上記ゴム成分100重量部に対して80重量部がより好ましい。
上記ゴム組成物は必要に応じて、シール材に一般的に配合されうる各種添加剤、例えば、加工助剤、老化防止剤、充填剤、紫外線吸収剤、界面活性剤、難燃剤、防菌・防かび剤、着色剤等を含有していても良い。また、上記ゴム組成物が架橋剤を含有する場合には、必要に応じて、加硫促進剤、加硫促進助剤、受酸剤等を含有していてもよい。
本発明のシール材は、上記ゴム組成物の成形物である。
上記成形物は、TR10が−65℃以下であることが好ましい。この場合、低温下でのシール性(弾性及びガス非透過性)により優れるからである。
上記TR10は、JIS K 6261(2006)に準拠した方法で測定すればよい。
本発明のシール材は、後述するようにパッキンやガスケットとして使用することができる。そのため、その形状は特に限定されず、使用箇所に応じて適切な形状を選択すればよい。
本発明のシール材は、上述した特性を備えるため、高圧水素用のシール材として、高圧水素に曝される箇所で好適に使用することができる。
具体的には、例えば、水素ステーションレセプタクル用のOリング等のパッキンやガスケット;水素ステーションコンプレッサ用のOリング等のパッキンやガスケット;水素ステーション蓄圧機用のOリング等のパッキンやガスケット;水素ステーション緊急離脱カップリング用のOリング等のパッキンやガスケット;水素貯蔵システム(電力系統安定化)向け高圧バルブ用のOリング等のパッキンやガスケット;水素貯蔵システム(電力系統安定化)向けレギュレータ用のOリング等のパッキンやガスケット;水素貯蔵システム(電力系統安定化)向け水素タンク用のOリング等のパッキンやガスケット;宇宙ロケットエンジン液体水素燃料供給ポンプ用のOリング等のパッキンやガスケット;メタンハイドレート掘削装置用のOリング等のパッキンやガスケット等として好適に使用することができる。
以下、本発明のシール材の使用例について、図面を参照しながら説明する。
図1は、オンサイト型水素ステーションの模式図である。
図2は、水素ステーション側の水素供給プラグと車両側のレセプタクルとの接続を説明するための断面図である。
図1に示す水素ステーション1は、水素製造装置11と、水素圧縮機(コンプレッサ)12と、畜圧器13と、ディスペンサー14を備え、各設備は、水素配管18により接続されている。また、各水素配管18の途中には必要に応じてバルブや継手などの配管機器(図示せず)が配設されている。
オンサイト型の水素ステーション1では、外部から燃料(ナフサ又は灯油)が供給され、この燃料を用いて、燃料改質装置11Aと水素の高純度化を図る水素精製装置11Bとを備えた水素製造装置11で水素が製造される。
水素製造装置11で製造された水素は、水素圧縮機12で所定の圧力(例えば、95MPa)の高圧水素とされ、昇圧された水素は、高圧水素を一時的に蓄えるための蓄圧器13と、蓄圧器13に蓄えられた高圧水素を車両20に供給するためのディスペンサー14とを介して、水素タンク(図示せず)を備えた車両20に供給される。
このとき、ディスペンサー14から車両20への水素の供給は、水素の差圧により行う。例えば、蓄圧器13内の圧力を95MPa、ディスペンサー14での圧力を82MPaとしておき、差圧により車両20内の水素タンクに水素を充填する。
ディスペンサー14は、車両20の水素タンクに水素を供給するための水素供給ホース15を備えており、水素供給ホース15には車両20のレセプタクル21に着脱自在に接続される水素供給プラグ16が取り付けられている。よって、水素供給プラグ16をレセプタクル21に接続することにより、車両20に水素を供給することができる。
また、水素供給ホース15の途中には、緊急離脱カップリング17が配設されている。よって、緊急時(例えば、車両20が誤発進した場合)には、この緊急離脱カップリング17を作動させることで、水素ステーション1側から車両20側への水素の供給を停止することができる。
車両20が備えるレセプタクル21は、図2に示すように、水素供給プラグ16が挿入接続される差込口25と、差込口25の近傍に設けられた水素をシールするための第1のOリング22と、第1のOリング22より差込口25から見て下流側に設けられた水素をシールするための第2のOリング23と、第2のOリング23より更に下流側に設けられた水素をシールするための第3のOリング24とを備える。第1〜第3のOリング22〜24は、それぞれ流路27の壁面の設けられた溝に嵌め込まれて配設される。また、第3のOリング24は、併設されたバックアップリング26により、溝に固定されている。
一方、水素供給プラグ16は、先端部16aがレセプタクル21の差込口25と嵌合する形状を有している。
水素供給プラグ16とレセプタクル21との接続は、水素供給プラグ16の先端部16aをレセプタクル21の差込口25から挿入することにより行う。これにより水素の供給を行うことができる。
ここで、第1〜第3のOリング22〜24として、本発明のシール材からなるOリングが使用される。そして、水素ステーション1から車両20への水素の供給では、第1〜第3のOリング22〜24の存在により、水素供給時の水素の漏出を防止することができる。
また、水素ステーション1は、図示しないものの、ディスペンサー14は、車両20に供給するための水素を冷却するためのプレクーラを備えており、車両20に供給する水素の温度を所定の温度(例えば、―40〜50℃)に制御することができるように構成されている。
ここで、本発明のシール材は、レセプタクル21のOリングのみならず、既に説明したように、緊急離脱カップリング17や、水素製造装置11、水素圧縮機12、畜圧器13、ディスペンサー14等の各設備、更には、各設備同士を接続する水素配管18において、水素に曝される部位のシール材としても使用することができる。
更に、水素ステーション1は、必要に応じて、水素製造装置11と水素圧縮機12との間に、製造された水素を貯蔵しておくための高圧水素貯蔵容器が設置されていても良い。また、車両20は、供給された水素を貯蔵しておくための高圧水素貯蔵容器(水素タンク)を備えている。
これらの高圧水素貯蔵容器にも本発明のシール材を使用することができる。
図3は、高圧水素貯蔵容器の一例を示す断面図である。
図3に示すように、高圧水素(H)を貯蔵する高圧水素貯蔵容器30は、全体として円筒形を有し、容器本体であるライナー31と、ライナー31の周囲全体を覆うように設けられた外装32と、ライナー31と外装32とを貫通し水素の流路となる貫通孔33と、水素を流出入させるためのバルブ35を備えている。バルブ35には、水素の漏出を防止すべく、Oリング34が装着されている。ここで、Oリング34として、本発明のシール材からなるOリングが使用される。
ライナー31は、例えば、アルミニウムや、高密度ポリエチレン等の樹脂などのライニング材で形成されている。また、外装32は、クロムモリブデン鋼などの金属や、炭素繊維で強化したプラスチック(CFRP)を材料として形成されている。
なお、高圧水素貯蔵容器30は、高圧水素を貯蔵することができるもののみならず、水素の吸着(又は貯蔵)及び放出が可能な水素吸着剤が、ライナー内部に収容されたものであっても良い。
本発明のシール材は、従来公知の方法により製造することができる。
例えば、配合原料を計量後、混練してゴム組成物を調製し、得られたゴム組成物を金型に投入し、熱加硫圧縮成形することにより製造することができる。勿論、他の方法を用いて製造してもよい。
以下、本発明について実施例を掲げてさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
(実施例1)
下記配合原料を使用して、後述する(1)〜(5)の工程を行うことにより、シート状のシール材を作製した。
(配合原料:配合量)
ゴム成分(エピクロロヒドリンゴム/ダイソー製、EPION301):100重量部
繊維(セルロース繊維/日本製紙ケミカル製、KCフロック100):8重量部
カーボンブラック(旭カーボン製、SUNBLACK930):10重量部
可塑剤(アジピン酸エーテルエステル系/アデカ製、アデカサイザー107):50重量部
補強剤(シリカ/ダイソー製、カブラスSW―134):70重量部
受酸剤(酸化マグネシウム):3重量部
老化防止剤(大内新興化学製、ノクラックNBC):1重量部
加工助剤(ステアリン酸):2重量部
架橋剤(竹原ゴム加工製、TRマスターETU80E):4重量部(エチレンチオウレア(ETU)として)
(シール材の作製)
(1)各配合原料をそれぞれ計量した。
(2)上記各配合原料のうち、架橋剤以外の配合原料をBBミキサー(神戸製鋼所製、MIXITRON BB―L1800、内容積1.6リットル)に投入し、回転数を徐々に上げつつ160℃に達したところでBBミキサーから取り出した。
(3)上記工程(2)で得られた混合物に、2軸ロール(関西ロール製、8インチテストロール)を用いてロール温度80℃で架橋剤を練り込み、シート状に成形して未加硫のシートを得た。
(4)次に、10tonミニプレス(東洋精機製、N519 MP−WNL型)を用いて35MPa、170℃、Tc90時間の条件で成形し、ゴム成分が架橋した厚さ2mmのシートを得た。
(5)上記工程(4)で得られたシートに、オーブン(光洋サーモ製、ラボオーブンKLOシリーズ)を用いて、170℃、4時間の条件で2次加硫を行い、シート状のシール材を完成した。
(比較例1)
配合原料として、セルロース繊維及びカーボンブラックを使用しなかった以外は、実施例1と同様にして、シール材を作製した。
実施例及び比較例で作製したシール材について下記の評価を行った。
(1)断面観察
実施例1で作製したシール材を厚さ方向に切断し、その断面をSEM(走査型電子顕微鏡)で観察した(倍率:100倍)。得られた観察画像を図4に示した。
図4に示したように、実施例1に係るシール材では、セルロース繊維を配合したことによる空隙(図4中、白くなっている部分の周辺の黒い部分(例えば、A領域内参照))が多数観察された。
(2)遅れ時間及び水素溶解度係数
実施例1及び比較例1で作製したシール材について、JIS7126−1(2006)に準拠した溶解係数・拡散係数測定装置(GTRテック社製、GTR−11X/11DF)を使用し、遅れ時間及び水素溶解度係数(拡散係数に対する透過係数の比(透過係数/拡散係数))を測定した。ここで、流体としては、圧力0.3MPa、温度30℃の水素を使用した。
結果、遅れ時間は、図5にも示したように、実施例1のシール材で2532秒であり、比較例1のシール材で4910秒であった。
また、水素溶解度係数は、図6にも示したように、実施例1のシール材で9.2×10cm/cm・cmHgであり、比較例1のシール材で5.5×10cm/cm・cmHgであった。
(3)体積変化
実施例1で作製したシール材について、圧力:90MPa、温度:30℃の水素に24時間暴露し、次いで減圧させた際の体積変化(膨張の有無)を観察したところ、体積変化はほとんど観察されなかった。
このように、本発明の実施例に係るシール材は、水素に曝された際に、遅れ時間が短く、また、体積変化しにくいシール材であった。
また、シール材中に繊維及びカーボンブラックを配合することにより、水素溶解度係数が大きくなっており、これは繊維とゴムとの間に隙間が形成されたためと考えられた。
1:水素ステーション、11:水素製造装置、12: 水素圧縮機、13: 畜圧器、14:ディスペンサー、15:水素供給ホース、16:水素供給プラグ、17:離脱カップリング、18:水素配管、20a:車両、21:レセプタクル、22:第1のOリング、23:第2のOリング、24:第3のOリング、30: 高圧水素貯蔵容器、31:ライナー、32:外装、34:Oリング

Claims (10)

  1. 高圧水素のシールに用いられるシール材であって、
    ゴム成分と、セルロース繊維及びカーボンブラックとを含有するゴム組成物の成形物からなることを特徴とするシール材。
  2. 前記ゴム成分はエピクロロヒドリンゴムである請求項1に記載のシール材。
  3. 前記繊維は、平均繊維長が30〜150μmであり、配合量が前記ゴム成分100重量部に対して7〜9重量部である請求項1又は2に記載のシール材。
  4. 前記カーボンブラックは、平均粒子径が10〜70nmであり、配合量が前記ゴム成分100重量部に対して8〜11重量部である請求項1〜3のいずれかに記載のシール材。
  5. 前記ゴム組成物は、更に補強剤を含有する請求項1〜4のいずれかに記載のシール材。
  6. 前記補強剤は、シリカである請求項5に記載のシール材。
  7. 前記補強剤の配合量は、前記ゴム成分100重量部に対して60〜80重量部である請求項6に記載のシール材。
  8. 前記ゴム組成物は、更に可塑剤を含有する請求項1〜7のいずれかに記載のシール材。
  9. 前記可塑剤は、アジピン酸エーテルエステル系の可塑剤である請求項8に記載のシール材。
  10. 前記可塑剤の配合量は、前記ゴム成分100重量部に対して40〜60重量部である請求項9に記載のシール材。
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